(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】弁内での弁座の固定
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
F16K27/00 Z
(21)【出願番号】P 2023505409
(86)(22)【出願日】2021-08-19
(86)【国際出願番号】 US2021071229
(87)【国際公開番号】W WO2022047461
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-01-25
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502122473
【氏名又は名称】ドレッサ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Dresser,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベトリー、ジャスティン ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】ゴセリン、ピーター デイヴィッド
【審査官】冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-203973(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0060348(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量制御装置(108)であって、
内部チャンバ(112)と、前記内部チャンバの入口と、前記入口と垂直な前記内部チャンバの出口と、を有する弁本体(110)と、
前記内部チャンバ(112)内に配設された弁座(120)と、
前記弁本体(110)を通って前記弁座(120)内に挿入される第1の端部(128)を有するピン(124)と、
前記ピン(124)を前記弁座(120)に保持するための保持アセンブリであって、ピンクランプ(146)と、ディスク(168)と、ばねアセンブリ(174)と、を有し、当該ピンクランプ(146)、当該ディスク(168)、および当該ばねアセンブリ(174)が、前記ピン(124)上に、前記ピン(124)の前記第1の端部(128)から第2の端部(142)に向かってこの順に配置される、保持アセンブリ(144)と、を備える、流量制御装置(108)。
【請求項2】
前記ピン(124)の前記第1の端部(128)はテーパ状である、請求項1に記載の流量制御装置(108)。
【請求項3】
前記ピン(124)の前記第2の端部(142)は、前記弁本体(110)の外側からアクセス可能である、請求項1又は2に記載の流量制御装置(108)。
【請求項4】
前記ピン(124)が前記弁本体(110)から後退して外れることを防止するために前記弁本体(110)に取り付けられたカバー(184)を更に備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の流量制御装置(108)。
【請求項5】
前記ピン(124)は、前記弁座(120)の流れ軸に対して垂直に延在する、請求項1から4のいずれか1項に記載の流量制御装置(108)。
【請求項6】
前記弁本体(110)は、前記ピン(124)を受容するために前記内部チャンバ(112)まで貫通するボア(180)を有するボス部材(178)を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の流量制御装置(108)。
【請求項7】
前記弁座(120)は、前記ピン(124)の前記第1の端部(128)を受容するためにスロット(194)を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の流量制御装置(108)。
【請求項8】
前記弁座(120)は、前記弁座(120)の中心軸の周りで互いから周方向に離間配置された複数の前記スロット(194)を含む、請求項7に記載の流量制御装置(108)。
【請求項9】
前記弁本体(110)が流れを受容するために隣接する導管(106)に接続されるとき、前記ピン(124)は、前記弁座(120)の下流側に存在する、請求項1から8のいずれか1項に記載の流量制御装置(108)。
【請求項10】
流量制御装置(108)であって、
入口と該入口に対して垂直な出口とを有する内部流路(112)を有する弁本体(110)と、
前記内部流路(112)内に配設された弁座(120)であって、前記弁座(120)は、開口部を形成するフランジ付き端部(188)及び中心軸を有する円筒形本体(186)を有し、前記弁座(120)は、前記フランジ付き端部(188)の第1の側に見出され、前記弁座を貫通する細長いスロット(194)の形態の複数の係合点で前記弁本体(110)内に固定され、前記細長いスロット(194)は、
前記円筒形本体(186)の前記中心軸
に沿った方向よりも
前記円筒形本体(186)の周方向に長く延びるように構成される、弁座(120)と、
前記弁座(120)の前記フランジ付き端部(188)の第2の側に配設された閉鎖部材(118)であって、前記閉鎖部材(118)は、前記フランジ付き端部(188)の前記開口部を通る流れを制限するように移動可能である、閉鎖部材(118)と、を備え、
前記弁本体(110)は、外側に延びるボス部材(178)を備え、当該ボス部材(178)は、前記弁座(120)内に延びるピン(124)を受け入れる開口部(182)を有する、流量制御装置(108)。
【請求項11】
前記係合点は、前記フランジ付き端部(188)の前記開口部を囲むように前記弁座(120)の中心線の周りで互いから周方向に離間配置されている、請求項10に記載の流量制御装置(108)。
【請求項12】
前記弁座(120)は、前記フランジ付き端部(188)の前記第1の側に穿孔された領域を含む、請求項10又は11に記載の流量制御装置(108)。
【請求項13】
前記弁本体(110)は、
前記弁座(120)内に延びるピン(124)を受け入れるために、前記弁座(120)の中心線の周りで互いから周方向に離間配置された複数のロック位置を含む、請求項10から12のいずれか1項に記載の流量制御装置(108)。
【請求項14】
前記弁座(120)内に延びる複数の前記ピン(124)を備え、当該ピン(124)は、前記弁座(120)の中心線の周りで互いから周方向に離間配置されている、請求項10から13のいずれか1項に記載の流量制御装置(108)。
【請求項15】
前記弁本体(110)が流れを受容するために隣接する導管(106)に接続されるとき、前記
係合点は、前記フランジ付き端部(188)の下流側に存在する、請求項10から14のいずれか1項に記載の流量制御装置(108)。
【請求項16】
弁座を蒸気調整弁に固定するシステムであって、
中心軸を有する円筒形本体(186)と前記中心軸の周りに配置された複数の細長いスロット(194)とを有する弁座(120)と、
前記弁座(120)の前記細長いスロット(194)と係合するロック機構であって、前記ロック機構が、前記細長いスロット(194)内に嵌合するテーパ状の端部(128)を有するピン(124)を有する、ロック機構と、
ピンクランプ(146)と、ディスク(168)と、ばねアセンブリ(174)と、カバー(184)と、を備えるピン保持アセンブリ(144)と、を備え、
前記ピンクランプ(146)は前記ピン(124)のねじ付き部分にねじ込まれ、前記ディスク(168)は前記ピン(124)が挿入されるとともに前記ピンクランプ(146)に接触し、前記ばねアセンブリ(174)は前記ディスク(168)と前記カバー(184)に接触し、前記カバー(184)は前記蒸気調整弁の一部に取り付けられて前記ピン(124)の移動を防ぐように構成されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
流量制御装置は、多くの産業施設において大きな役割を果たす。例えば、発電プラント及び産業処理施設は、パイプ、タンク、発電機、及び他の機器の広大なネットワーク全体にわたって材料、典型的には流体の流れを管理するために、異なるタイプの流量制御装置を使用する。蒸気調整弁は、蒸気の圧力及び温度を低下させるのに有用である。これらの弁は、多くの用途に典型的な極めて高い温度(最大650℃)及び圧力に適応するために、特に堅固な設計を必要とする。この設計は、ケージ、可動プラグ(又は閉鎖部材)、及び固定弁座を収容する弁本体のような特定の構成要素を含む。
【0002】
固定弁座を弁本体内に固定するための様々な技術が知られている。これらの技術は、弁座をその位置に保持するためにケージを使用し得る。しかしながら、この設計は、多くの場合、構成要素の熱膨張(及び収縮)を考慮していない。また、「吊り下げ」ケージ用途に適応することができない。他の例では、締結具は、弁座の周囲にリテーナリングを固定し得る。しかし、この設計におけるねじは、振動のために緩むか、又はより高い可能性として、時間が経つにつれてリテーナ内に焼き付くかのいずれかであることが知られている。この後者の問題は、保守及び修理に支障をきたし得る。いくつかの他の可能な構成は、弁座と弁本体との両方に溶接又は相補的な(complimentary)ねじ山を使用して、弁座をその位置に固定することである。しかしながら、ねじの焼き付きと同様に、これらの設計は両方とも、複雑で労働集約的な機械加工及び溶接が現場で行われることを必要とするため、保守及び修理に非常に手間がかかる傾向がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示の主題は、弁座を弁本体内に固定する技術に関する。ここで特に興味深いのは、本質的に可動プラグが弁座に接触して、弁を通る流れを防止するプラグ/弁座境界面の「下」又は下流の点で弁座を固定するという改良点である。これらの改良点は、弁本体の外側から容易にアクセス可能な機構を含み得る。この機構は、保守及び修理に支障をきたし得るハードウェアを回避するため、有益である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
ここで、添付図面を簡単に参照する。
【
図1】保持機構の例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図2】
図1の保持機構のための例示的な構造の斜視図を分解された形で示す。
【
図3】
図2の保持機構におけるロックデバイス又は使用の斜視図を示す。
【
図5】
図4の流量制御装置の後側からの斜視図を示す。
【0005】
適用可能な場合、同様の参照文字は、他の指示がない限り、縮尺どおりではない、いくつかの図全体を通して同一又は対応する構成要素及びユニットを指定する。本明細書に開示される実施形態は、いくつかの図のうちの1つ以上に、又は複数の図の組み合わせで現れる要素を含み得る。その上、方法は単なる例示であり、例えば、個々の段階を順序換え、追加、除去、及び/又は変更することによって修正され得る。
【0006】
本明細書における図面及び任意の説明は、本発明を開示するために実施例を使用する。これらの実施例は、最良の形態を含み、当業者が、任意のデバイス又はシステムを作製及び使用することと、任意の組み込まれた方法を実行することと、を含む、本発明を実施することを可能にする。単数形で記載され、「a」又は「an」という語で進められた要素又は機能は、そのような排除が明示的に記載されていない限り、複数の当該要素又は機能を除外しないものとして理解されるべきである。「一実施形態」又は「一実施態様」への言及は、列挙された特徴も組み込む追加の実施形態又は実施態様の存在を除外するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、上記図面に示される実施形態の特徴について説明する。これらの特徴は、弁座を弁上の所定の位置に確実に係合させる。他の実施形態は、本開示の範囲内であり得る。
【0008】
図1は、保持機構100の一実施例の概略図を示す。この例は、典型的には導管106のネットワーク全体に材料104を運ぶように設計された分配システム102に見られる。保持機構100は、流量制御装置108の一部であってもよく、本明細書では内部チャンバ112及び開口部(例えば、入口I及び出口O)を有する弁本体110と共に示される。流量制御装置108はまた、弁本体110の内側の閉鎖部材118と結合するステム116を有するアクチュエータ114を含み得る。閉鎖部材118は、材料104の流れを調節するために弁座120に対して移動可能である。また示されるように、保持機構100は、弁座120と係合するロックデバイス122を含み得る。
【0009】
概して、保持機構100は、弁の製造及び保守を容易にするように構成され得る。これらの構成は、技術者が部品に容易にアクセスできるようにするデバイスを具体化し得る。技術者は、特定の部品を取り外してアクセスを得ることのみを必要とするか、又は以下で述べるように、必要に応じて、特定の部品を解放して取り外し、交換するため、この特徴は修理を容易にし得る。本明細書で述べたように、これらのデバイスは、弁の動作寿命にわたって固着又は焼き付きを起こす可能性がはるかに低い。蒸気調整弁の場合、これらの態様は、その設置場所における弁に対する迅速な動作を可能にし、ひいては電力産業及び資源産業において一般的な、高価なインフラストラクチャを維持するための労力、最終的にはコストを低減し得る。
【0010】
分配システム102は、資源を送達又は移動するように構成され得る。これらの構成は、広大なインフラストラクチャを具現化し得る。この例では、材料104は高圧高温蒸気であるが、材料104は、他の気体、液体、固体、又は混合物も含み得る。導管106は、多くの場合、タービン、凝縮器、ボイラなどに接続されるパイプ又はパイプラインを含み得る。他の実施態様では、パイプは、タンク若しくはリザーバに、又は更には住宅若しくは商業施設に接続する入り組んだネットワークを形成し得る。
【0011】
流量制御装置108は、導管106を通る蒸気の流れを調節するように構成され得る。これらの構成は、蒸気調整弁及び同様のデバイスを含み得る。このようなデバイス内の弁本体110は、鋳造又は機械加工された金属で作られることが多い。フランジは、隣接するパイプ106に接続するために開口部I、Oに形成されることが多い。所定の位置にあるとき、蒸気104は、内部チャンバ112を通って流れ、弁座内の開口部への流路を形成し得る。流れは、典型的には、「上流」開口部Iから「下流」開口部Oへの方向である。アクチュエータ114は、空気圧又は油圧を使用するデバイスを組み込んでもよい。これらのデバイスは、閉鎖部材118、例えば、金属ディスク又は金属「プラグ」の移動を調節するのに有用である。プラグ118の位置は、弁座120を通る蒸気の流れを管理する少なくとも一対の動作状態に対応し得る。第1の状態、すなわち「開」状態は、蒸気104が弁座120内の開口部を通って流れることを可能にする。プラグが弁座と接触する第2の状態、すなわち「閉」状態は、形成された「プラグ/弁座境界面」が弁座120内の開口部を通る蒸気104の流れを全面的に禁止する。一実施態様では、デバイスは、圧力の変化に反応して、その動作状態間を移動し得る。この変化は、デバイスを通常、開状態からその閉状態へと作動させて、弁本体110の下流で蒸気の流れを直ちに遮断し得る。
【0012】
ロックデバイス122は、弁座120の移動を防止するように構成され得る。これらの構成は、弁座120をその下流側D(
図1)に固定し得るデバイスを含み得る。下流側は、蒸気が弁座120に入り、例えば上述の開口部を通ってプラグ/弁座境界面を通過した後の蒸気104の流れに対応する、弁座120上の位置で完成し得る。これらのデバイスはまた、弁本体110の外側又は周辺部の点からアクセス可能であり得る。本明細書で述べたように、これらの概念は、構成要素の焼き付き又は固着を防止して、弁108の修理又はメンテナンス時の費用のかかる機械加工及び溶接を回避することを意図している。
【0013】
図2は、
図1の保持機構100のための例示的な構造の斜視図を分解された形で示す。ロックデバイス122は、弁座120(
図1)と係合し得る係合ピン124を利用し得る。ピン124は、技術者が(多くの場合、流量制御装置108(
図1)がその設置位置にある状態で)弁座120(
図1)をより容易に修理又は保守するためのより良好な機会を提供する一方、弁本体110(
図1)に挿入して弁座120(
図1)の移動を防止するように構成され得る。これらの構成は、好ましくは硬化鋼のような金属(複数可)で作られた細長い円筒形ピン126を含み得る。ピン126は、少なくとも1つのテーパ状表面を有する近位端128を有し得る。端部128を形成する技術は、この目的のために有用である錐体又は円錐形状をもたらし得る。テーパ状端部128から続いて、ピン126は、肩部132で終端するボア部分130を形成するために増大する直径を有し得る。直径は、中間部分134を形成するために肩部132で減少する。ねじ付き部分136は、中間部分134に当接し得る。次いで、ピン126の直径は、遠位端142で終端する平坦部140を有する平坦部分138を形成するために、ねじ付き部分136の後に減少する。
【0014】
ピン保持アセンブリ144は、ピン126を弁本体110(
図1)内に保持し、技術者に、弁本体110(
図1)の外側からのピン126へのアクセスを提供するように構成され得る。これらの構成は、ピン126の遠位端142上に挿入し得るピンクランプ146を含み得る。ピンクランプ146は、端部150、152を有する円筒形本体148を有し得る。貫通ボア154は、本体148を通って延在し得る。貫通ボア154は、ねじ山158で終端する第1の端部150に第1の座ぐり156を有し得る。第2の座ぐり160は、第2の端部152から本体148を貫通し、ねじ山158で終端し得る。第2の端部152は、第2の座ぐり160の周りに円周方向に配設された開口部164を有する露出面162を有し得る。一実施態様では、アセンブリ144はまた、本明細書では「D」字型の開口部と、そこに配設された、ピンクランプ146に向かって延在するピン170と、を有するディスク168として示されているピンロッカー166を含み得る。ピン170は、互いに直径方向に対向して存在してもよいが、ピン170の他の配向も優勢であり得る。一実施態様では、ピン170は、ピンクランプ146の露出面162上の開口部164内に挿入し得る。アセンブリ144はまた、荷重172を利用して、ピン126を弁座120(
図1)と係合した状態に保持する保持力をピン126に加え得る。荷重172は、ばねアセンブリを形成する1つ以上のばね174を含み得る。ばね174は、皿ばね又は同様の定力デバイスを具現化し得る。しかしながら、圧縮ばねのような代替物もここで使用できる可能性がある。
【0015】
図3は、
図2のロックデバイス122の斜視図を、流量制御装置108の例示的な構造と共に示す。この実施例では、弁本体110は、1つ以上のロック位置176を有してもよく、それぞれが、内部チャンバ112まで延在する中央に位置するボア180を有するボス178を備える。中央に位置するボア180は、ピン126及びピン保持アセンブリ144の部品を受容するための直径を有し得る。ボス178はまた、ボア180を取り囲む開口部182を有し得る。開口部182は、エンドキャップ184をボス178に固定する締結具Fに対して相補的なねじ山を有し得る。一実施態様では、弁座120は、フランジ付き端部188及び閉鎖底端部190を備えた円筒形本体186を有し得る。開口部Pを有する穿孔部192は、端部188、190の間の空間を占有し得る。本体186はまた、本明細書ではフランジ付き端部188と穿孔部192との間に存在する細長いスロットとして示される開口部194を含み得る。細長いスロット194は、円筒形本体186の中心軸C
Sの周りで互いから半径方向に離間配置され得る。
【0016】
図4は、
図3の流量制御装置108の断面の立面図を組み立てられた形で示す。一実施態様では、ピン126は、ボア180を通って延在して、テーパ状端部128をスロット194のうちの1つの内側に配置する。ピン126のボア部分130は、例えば、滑り嵌め又は僅かな締まり嵌めでボア180の表面に接触し得る。この特徴は、ボア180内のピン126の軸方向位置を維持する。次に、ピンクランプ146は、ピン126のねじ付き部分136にねじ込まれ得る。次いで、ピンロッカー166は、好ましくは「d」字型開口部の「平坦」部分が平坦部140と整列した状態で、ピン126の平坦部分138上に摺動し得る。ピンロッカー166上のピン170は、ピンクランプ146の露出面162上の開口部164と係合し得る。ばね174は、平坦部分138上を摺動してピンロッカー166に接触し得る。ピン126の遠位端142及びばね174を受容し得る凹部196を有することは、エンドキャップ184の設計に有益であり得る。締結具Fは、端部キャップ184をボス178上に固定する。好ましくは、凹部196は、端部キャップ184が所定の位置にある状態でばね174を圧縮する深さを有する。この特徴によってピンロッカー164に負荷がかかり、ピン126が弁座120との係合位置に維持される。
【0017】
図5は、
図4の流量制御装置108の後側からの斜視図を示す。弁本体110は、例えば、蒸気調整用途において優勢であり得る極端な圧力及び温度に適応し得る。一実施態様では、ロック位置176は、中心軸C
Vの周りで互いから半径方向に離間配置される。上述したように、ロック位置176は、弁座120(
図4)上のスロット194(
図4)と整列し得る。この特徴は、いくつかの別個のピン126(
図4)を使用して、弁座120(
図4)を内部チャンバ112内の所定の位置に確実に維持することを可能にする。一実施例では、デバイスは、弁座を弁本体110内に固定するための3つの係合位置を提供する3つのロック位置176を有し得る。これらの位置176は、中心軸C
Vに対して測定されたとき、互いに120°離間配置され得る。
【0018】
図6は、
図5の流量制御装置108の断面の立面図を示し、明確にするために流量制御装置108の追加の構成要素200が示されている。ステム116は、ボンネット204の上部に見られるパッキンアセンブリ202を通って延在する。パッキンアセンブリ202は、ブッシング208の間に配設されたパッキン材料206を含み得る。リテーナアセンブリ210は、ボンネット204を弁本体110内の所定の位置に固定する。リテーナアセンブリ210は、リテーナ212及びバックアップリング214を含み得る。圧力シール216も同様に含まれ得る。閉鎖部材118は、パイロット220が中に配設されたプラグ218を含み得る。パイロットばね222は、パイロット220の一方の側でプラグ218に挿入される。他方では、リテーナ224が、パイロット220をプラグ218内の所定の位置に保持するために使用される。
【0019】
前述のことを考慮して、本明細書における改良点は、蒸気調整弁のような弁内の弁座の取り外し及び保守を容易にする。実施形態は、弁座上の相補的特徴と係合する解放式のピンを利用し得る。構成要素は、弁座開口部(又は上述の「プラグ/弁座境界面」)の下流側にあり得る。この概念は、弁座を弁内のその位置に固定するための主要な方法としてのねじ(及び他の締結具)又は溶接を回避する。技術的効果は、焼き付きを回避することであり、焼き付きは、他の締結技術に見られることが多く、弁の修理及びメンテナンスに支障をきたし得る。
【0020】
特定の要素又は項目(それらのうちの1つ以上を他の要素及び項目と組み合わせ得る)実施例が以下に現れ、本開示の範囲及び趣旨内で想到される実施形態を説明する。この範囲は、当業者に着想される他の実施例を含み、かつ想到し得る。このような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文字どおりの文言と異ならない構造的要素を有する場合、又は、特許請求の範囲の文字どおりの文言とほとんど相違がない同等の構造的要素を有する場合、特許請求の範囲の範囲内にあると意図される。