(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】ケープ支持具及びケープ支持構造
(51)【国際特許分類】
A41B 13/10 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
A41B13/10
(21)【出願番号】P 2021018813
(22)【出願日】2021-02-09
【審査請求日】2022-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】507097800
【氏名又は名称】有限会社ビューティフルライフ
(73)【特許権者】
【識別番号】301014524
【氏名又は名称】株式会社クニナリ
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】田中 晃一
(72)【発明者】
【氏名】米澤 和彦
【審査官】住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-060101(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0013945(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B13/10
A41D3/08
A41D3/04
A45D44/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が衣服の上から着用する理美容用または食事介助用のケープを支持するケープ支持具であって、
使用者の首及び肩に沿って装着され、
U字状の外形を有する装着部と、
前記装着部の一端に連設され、前記装着部とは反対方向に延出した第1の延出部と、
前記装着部の他端に連設され、前記装着部とは反対方向に延出した第2の延出部と、
前記第1の延出部の前記装着部とは反対側の端部に連設され、前記第1の延出部とは反対方向に延出して形成されると共に、前記第1の延出部との間でなす角度を調整して、その角度を維持可能に構成された第1の可変延出部と、
前記第2の延出部の前記装着部とは反対側の端部に連設され、前記第2の延出部とは反対方向に延出して形成されると共に、前記第2の延出部との間でなす角度を調整して、その角度を維持可能に構成された第2の可変延出部と、
前記第1の可変延出部の端部及び前記第2の可変延出部の端部に連設され、前記第1の可変延出部と前記第2の可変延出部を接続すると共に、所定の長さを有する可変部接続部とを備え、
前記第1の可変延出部及び前記第2の可変延出部は、前記第1の延出部及び前記第2の延出部よりも曲がりやすく形成さ
れ、
前記装着部と、前記第1の延出部と、前記第2の延出部と、前記第1の可変延出部と、前記第2の可変延出部、及び、可変部接続部は、軟性の金属部材で形成された芯材と、前記芯材の外周面を覆うカバー部材とで構成され、
前記カバー部材は、曲げ剛性が異なる素材を組み合わせて、前記装着部、前記第1の延出部、前記第2の延出部、前記第1の可変延出部、前記第2の可変延出部、及び、可変部接続部の曲がりやすさが調整された
ケープ支持具。
【請求項2】
前記金属部材は、アルミ合金である
請求項1に記載のケープ支持具。
【請求項3】
前記装着部は、使用者の首に沿って装着され、湾曲した第1の装着部と、前記第1の装着部の端部及び前記第1の延出部の端部に連設され、前記第1の装着部と前記第1の延出部を接続する第2の装着部と、前記第1の装着部の端部及び前記第2の延出部の端部に連設され、前記第1の装着部と前記第2の延出部を接続する第3の装着部とを有し、
前記第1の装着部は、前記第1の延出部及び前記第2の延出部と同等の曲がりにくさ、または、前記第1の延出部及び前記第2の延出部よりも曲がりにくく形成され、
前記第2の装着部及び前記第3の装着部は、前記第1の延出部及び前記第2の延出部よりも曲がりやすく形成された
請求項1または請求項2に記載のケープ支持具。
【請求項4】
前記可変部接続部は、前記第1の延出部及び前記第2の延出部と同等の曲がりにくさ、または、前記第1の延出部及び前記第2の延出部よりも曲がりにくく形成された
請求項1、請求項2または請求項3に記載のケープ支持具。
【請求項5】
使用者が衣服の上から着用する理美容用のケープを支持するケープ支持構造であって、
使用者の首及び肩に沿って装着され、U字状の外形を有する装着部と、前記装着部の一端に連設され、前記装着部とは反対方向に延出した第1の延出部と、前記装着部の他端に連設され、前記装着部とは反対方向に延出した第2の延出部と、前記第1の延出部の前記装着部とは反対側の端部に連設され、前記第1の延出部とは反対方向に延出して形成されると共に、前記第1の延出部との間でなす角度を調整して、その角度を維持可能に構成された第1の可変延出部と、前記第2の延出部の前記装着部とは反対側の端部に連設され、前記第2の延出部とは反対方向に延出して形成されると共に、前記第2の延出部との間でなす角度を調整して、その角度を維持可能に構成された第2の可変延出部と、前記第1の可変延出部の端部及び前記第2の可変延出部の端部に連設され、前記第1の可変延出部と前記第2の可変延出部を接続すると共に、所定の長さを有する可変部接続部とを有し、前記第1の可変延出部及び前記第2の可変延出部は、前記第1の延出部及び前記第2の延出部よりも曲がりやすく形成されたケープ支持具と、
シャンプー台に固定可能に構成され、前記ケープ支持具で支持されたケープの一部を固定するケープ固定部とを備え、
前記装着部と、前記第1の延出部と、前記第2の延出部と、前記第1の可変延出部と、前記第2の可変延出部、及び、可変部接続部は、軟性の金属部材で形成された芯材と、前記芯材の外周面を覆うカバー部材とで構成され、
前記カバー部材は、曲げ剛性が異なる素材を組み合わせて、前記装着部、前記第1の延出部、前記第2の延出部、前記第1の可変延出部、前記第2の可変延出部、及び、可変部接続部の曲がりやすさが調整された
ケープ支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はケープ支持具及びケープ支持構造に関する。詳しくは、理美容用または食事介助用のケープを支持して、洗髪時の温水や、食事介助の際の食べこぼしが周囲に飛散することを充分に抑止可能なケープ支持具及びケープ支持構造に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、理髪や美容での洗髪、または、医療機関での術後の洗髪や訪問看護等での洗髪の際に、理容師や美容師および看護師等が、顧客もしくは患者等の衣服や周囲を濡らさないようにするため、または、医療施設や介護施設等での食事介助の際に、被介護者の衣服やテーブル等を汚さないようにするために、理美容用または食事介助用のケープが用いられている。
【0003】
このような理美容用または食事介助用のケープは、着用者の背中、腕、胸をぐるりと垂らすように覆い、首元で固定されて使用される。
【0004】
また、理美容用のケープを着用した顧客や患者、在宅療養者及び介護者等に対して洗髪を行う際には、シャワーヘッドから供給される温水を回収するボウル状のシャンプー台の内側に、顧客の頭を傾けて洗髪を行うものとなる。
【0005】
ここで、仰臥位の姿勢で後頭部をシャンプー台に向けることができない顧客、例えば、背中の曲がった高齢者等に対しては、シャンプー台に向けて前側に頭を下げた前傾姿勢をとってもらい、洗髪を施すことになる(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
また、前傾姿勢で洗髪を行う際には、理美容用のケープの下端側の一部を、シャンプー台の内側に垂らし、供給される温水がシャンプー台の内側に向けて流れやすくなるようにしている。
【0007】
また、食事介助用のケープを使用する際には、ケープの下端側を、食事が配置されたテーブル上に乗せ、ケープの上から重しとなる物を置いて固定し、テーブルと着用者の間に、ケープが撓んだ部分を設けて、その撓んだ部分で食べこぼしを回収している。
【0008】
また、食事介助用のケープには、使い捨て可能なディスポーザブルのケープであり、その先端部に粘着性のある両面テープが設けられ、この両面テープをテーブル側に貼り付けて、食べこぼしを回収するようなものも用いられている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【文献】"有限会社ビューティフルライフ トップページ 製品紹介 移動シャンプー台 使用シーン"、[online]、[令和3年1月21日検索]、インターネット<URL: http://www.be-life.info/product_shampoo.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、理美容の用途において、前傾姿勢で洗髪を行う際に、腰や背中にかかる負担等から、顧客によっては、シャンプー台に向けて頭を下げた姿勢をとることができない場合がある。
【0011】
そのような場合、ケープの一部をシャンプー台の内側に充分に垂らすことができず、かつ、シャンプー台と着用者の頭との距離が大きくなるため、洗髪時の温水がシャンプー台の周囲に飛散して、床面等が濡れてしまうことがあった。
【0012】
また、食事介助でケープを使用する際には、被介護者が姿勢を保つことができず、テーブルとの間に距離が生じ、テーブルと着用者の間のケープが撓んだ部分が維持できず、周囲に食べこぼしやよだれ等が飛散する不具合があった。
【0013】
さらに、洗髪の際に、シャンプー台の周囲や座席の周囲の床面が濡れた場合には、布やモップ等で拭くことになり、また、食事介助の際に、被介護者が食事中に着座する椅子や車椅子、または、その周囲の床に、食べこぼしやよだれ等が飛散すると、食事後に飛散した箇所を水ぶき等で清掃することになる。この際、拭き取り後の床面の湿りや濡れにより、人が滑って転倒する等の危険要因になる問題があった。
【0014】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、理美容用または食事介助用のケープを支持して、洗髪時の水や、食事介助の際の食べこぼしが周囲に飛散することを充分に抑止可能なケープ支持具及びケープ支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明のケープ支持具は、使用者が衣服の上から着用する理美容用または食事介助用のケープを支持するケープ支持具であって、使用者の首及び肩に沿って装着され、略U字状の外形を有する装着部と、前記装着部の一端に連設され、前記装着部とは反対方向に延出した第1の延出部と、前記装着部の他端に連設され、前記装着部とは反対方向に延出した第2の延出部と、前記第1の延出部の前記装着部とは反対側の端部に連設され、前記第1の延出部とは反対方向に延出して形成されると共に、前記第1の延出部との間でなす角度を調整して、その角度を維持可能に構成された第1の可変延出部と、前記第2の延出部の前記装着部とは反対側の端部に連設され、前記第2の延出部とは反対方向に延出して形成されると共に、前記第2の延出部との間でなす角度を調整して、その角度を維持可能に構成された第2の可変延出部と、前記第1の可変延出部の端部及び前記第2の可変延出部の端部に連設され、前記第1の可変延出部と前記第2の可変延出部を接続すると共に、所定の長さを有する可変部接続部とを備え、前記第1の可変延出部及び前記第2の可変延出部は、前記第1の延出部及び前記第2の延出部よりも曲がりやすく形成されている。
【0016】
ここで、装着部が、使用者の首及び肩に沿って装着され、略U字状の外形を有することによって、使用者が、その首及び肩の位置で装着部を支持して、ケープ支持具を身に着けることができる。
【0017】
また、第1の延出部が、装着部の一端に連設され、装着部とは反対方向に延出して、第2の延出部が、装着部の他端に連設され、装着部とは反対方向に延出していることによって、第1の延出部及び第2の延出部と、その先に繋がった部分を、装着部とは反対方向に向かって、一定の距離、延び出した形状とすることができる。この延び出した形状とすることで、理美容用のケープまたは食事介助用のケープを、一定範囲に渡って支持可能となる。また、第1の延出部及び第2の延出部で、ケープ支持具の基本的な形状を維持することができる。
【0018】
また、第1の可変延出部が、第1の延出部の装着部とは反対側の端部に連設され、第1の延出部とは反対方向に延出して形成されると共に、第1の延出部との間でなす角度を調整して、その角度を維持可能に構成され、第2の可変延出部が、第2の延出部の装着部とは反対側の端部に連設され、第2の延出部とは反対方向に延出して形成されると共に、第2の延出部との間でなす角度を調整して、その角度を維持可能に構成されたことによって、第1の可変延出部及び第2の可変延出部と、その先に繋がった部分を、装着部とは反対方向に向かって、さらに一定の距離、延び出した形状とすることができる。また、第1の可変延出部及び第2の可変延出部よりも、さらに延び出した部分について、第1の延出部及び第2の延出部となす角度を変えて、その形状を維持することができる。このことによれば、衣服の上から、使用者がケープを着用した際に、ケープ支持具で、ケープを所望の形状にして支持可能となる。
【0019】
即ち、例えば、第1の延出部の形成方向に対して、第1の可変延出部を、斜め下方に曲げ、第2の延出部の形成方向に対して、第2の可変延出部を、斜め下方に曲げた形状とする。この形状においては、装着部を起点に、使用者の肩の部分から、ボウル状のシャンプー台に向かって、斜め下方に真っすぐに延び出した第1の延出部及び第2の延出部から、第1の可変延出部及び第2の可変延出部をやや下向きにして、シャンプー台の内周面に合わせやすくなる。これにより、使用者が理美容用のケープを着用した際に、第1の延出部及び第2の延出部の部分で、一定の範囲に渡って、ケープをしっかりと支持しながらも、第1の可変延出部及び第2の可変延出部の部分で、ケープをシャンプー台の内周面に沿わせて配置しやすくなる。この結果、使用者が、シャンプー台に向かって、頭を下げる姿勢が取れない場合でも、シャンプー台と頭の間の空間において、ケープを充分に支えながら、シャンプー台の内側にケープを落とし込む形状にでき、洗髪時の温水をケープで捕捉しつつ、シャンプー台に向かって案内しやすくなる。
【0020】
また、例えば、第1の延出部の形成方向に対して、第1の可変延出部を、斜め上方に曲げ、第2の延出部の形成方向に対して、第2の可変延出部を、斜め上方に曲げた形状とすることで、ケープ支持具の中に、略V字状の形状を形成することができる。これにより、使用者が食事介助用のケープを着用した際に、第1の延出部及び第2の延出部の部分で、一定の範囲に渡って、ケープをしっかりと支持しながら、この略V字状の部分でケープが凹状に窪んだ形状を設けることができる。この凹状に窪んだ箇所は、食事介助の際に、食べこぼしを受け止める受け皿となる。
【0021】
また、可変部接続部が、第1の可変延出部の端部及び第2の可変延出部の端部に連設され、第1の可変延出部と第2の可変延出部を接続すると共に、所定の長さを有することによって、角度を調整した、第1の可変延出部及び第2の可変延出部の形状を、その両部材を繋ぐ可変部接続部により、安定して維持することができる。また、可変部接続部の部分でもケープを支持することができる。特に、ケープ支持具の中に、略V字状の形状を形成して、食事介助用のケープを支持する際には、可変部接続部の箇所が、ケープを持ち上げる位置になるため、ケープを安定して支持しやすくなる。
【0022】
また、第1の可変延出部及び第2の可変延出部が、第1の延出部及び第2の延出部よりも曲がりやすく形成されたことによって、第1の可変延出部及び第2の可変延出部における角度の調整を、容易に行うことが可能となる。また、第1の延出部及び第2の延出部は、第1の可変延出部及び第2の可変延出部よりも曲がりにくくなることから、第1の延出部及び第2の延出部により、ケープ支持具の基本的な形状を、安定して維持することができる。また、第1の延出部及び第2の延出部の部分で、ケープを充分に支持することが可能となる。
【0023】
また、装着部と、第1の延出部と、第2の延出部と、第1の可変延出部と、第2の可変延出部、及び、可変部接続部が、軟性の金属部材で形成された芯材で構成された場合には、軟性の金属部材で、ケープ支持具の基本的な形状を形作ることができる。
【0024】
また、装着部と、第1の延出部と、第2の延出部と、第1の可変延出部と、第2の可変延出部、及び、可変部接続部が、軟性の金属部材で形成された芯材と、芯材の外周面を覆う軟性のカバー部材とで構成された場合には、芯材が直接、使用者の首等に触れることがなく、軟性のカバー部材が触れるものになることから、使用感を向上させることができる。
【0025】
また、軟性の金属部材で形成された芯材が、その径の大きさを変えることで、装着部、第1の延出部、第2の延出部、第1の可変延出部、第2の可変延出部、及び、可変部接続部の曲がりやすさが調整された場合には、曲がりやすくしたい部分の径は小さくし、かつ、曲がりにくくしたい部分の径を大きくした、簡易な構造で、各部分の曲がりやすさを規定することができる。また、径の大きさを変えるだけで形成できるため、単一の種類の金属部材が使用可能であり、原料が準備しやすく、製造コストも抑えることができる。
【0026】
また、装着部と、第1の延出部と、第2の延出部と、第1の可変延出部と、第2の可変延出部、及び、可変部接続部は、軟性の金属部材で形成された芯材で構成され、第1の延出部及び第2の延出部が、芯材と鋼線を組み合わせて形成された場合には、軟性の金属部材と鋼線で、ケープ支持具の基本的な形状を形作ることができる。また、第1の延出部及び第2の延出部は、芯材に鋼線を巻き付けることで曲げ強度を高め、曲がりにくくして、全体の形状を維持しやすくすることができる。即ち、芯材の有無によって、各部分の曲がりやすさを規定することができる。また、曲がりやすくしたい部分は芯材のみで形成することができる。なお、ここでいう鋼線とは、例えば、ピアノ線を含むものである。
【0027】
また、装着部と、第1の延出部と、第2の延出部と、第1の可変延出部と、第2の可変延出部、及び、可変部接続部は、軟性の金属部材で形成された芯材と、芯材の外周面を覆うカバー部材とで構成され、カバー部材は、曲げ剛性が異なる素材を組み合わせて、装着部、第1の延出部、第2の延出部、第1の可変延出部、第2の可変延出部、及び、可変部接続部の曲がりやすさが調整された場合には、カバー部材の種類を変えて、各部分の曲がりやすさを規定することができる。即ち、曲がりやすくしたい部分は、芯材の外周面を曲げ剛性が小さなカバー部材で覆い、かつ、曲がりにくくしたい部分は、芯材の外周面を曲げ剛性が大きなカバー部材で覆うことで、ケープ支持具を形成することができる。
【0028】
また、装着部が、使用者の首に沿って装着され、湾曲した第1の装着部と、第1の装着部の端部及び第1の延出部の端部に連設され、第1の装着部と第1の延出部を接続する第2の装着部と、第1の装着部の端部及び第2の延出部の端部に連設され、第1の装着部と第2の延出部を接続する第3の装着部とを有する場合には、湾曲した第1の装着部を首に装着し、第2の装着部及び第3の装着部の部分を肩に沿わせて、使用者がケープ支持具を身に着けることができる。また、第1の装着部が湾曲して形成されたことで、首の曲面に沿って、装着しやすくなる。
【0029】
また、第1の装着部が、第1の延出部及び第2の延出部と略同等の曲がりにくさ、または、第1の延出部及び第2の延出部よりも曲がりにくく形成された場合には、第1の装着部の形状が維持されやすくなり、使用者の首の位置で、しっかりと装着することが可能となる。
【0030】
また、第2の装着部及び第3の装着部が、第1の延出部及び第2の延出部よりも曲がりやすく形成された場合には、使用者の体格や姿勢の違い、即ち、肩幅や胸板の厚み、背中の曲がり具合等に合わせて、第2の装着部及び第3の装着部を曲げて、個人差のある肩やその周辺の部位に、形状を合わせやすくなる。これにより、ケープ支持具を身に着けた際に、その位置がずれにくくなり、安定して装着することが可能となる。
【0031】
また、可変部接続部が、第1の延出部及び第2の延出部と略同等の曲がりにくさ、または、第1の延出部及び第2の延出部よりも曲がりにくく形成された場合には、可変部装着部の形状が維持されやすくなり、角度を調整した、第1の可変延出部及び第2の可変延出部の形状を、より一層、安定して維持することができる。また、可変部接続部の部分で、より一層、安定してケープを支持することができる。
【0032】
また、上記の目的を達成するために、本発明のケープ支持構造は、使用者が衣服の上から着用する理美容用のケープを支持するケープ支持構造であって、使用者の首及び肩に沿って装着され、略U字状の外形を有する装着部と、前記装着部の一端に連設され、前記装着部とは反対方向に延出した第1の延出部と、前記装着部の他端に連設され、前記装着部とは反対方向に延出した第2の延出部と、前記第1の延出部の前記装着部とは反対側の端部に連設され、前記第1の延出部とは反対方向に延出して形成されると共に、前記第1の延出部との間でなす角度を調整して、その角度を維持可能に構成された第1の可変延出部と、前記第2の延出部の前記装着部とは反対側の端部に連設され、前記第2の延出部とは反対方向に延出して形成されると共に、前記第2の延出部との間でなす角度を調整して、その角度を維持可能に構成された第2の可変延出部と、前記第1の可変延出部の端部及び前記第2の可変延出部の端部に連設され、前記第1の可変延出部と前記第2の可変延出部を接続すると共に、所定の長さを有する可変部接続部とを有し、前記第1の可変延出部及び前記第2の可変延出部は、前記第1の延出部及び前記第2の延出部よりも曲がりやすく形成されたケープ支持具と、シャンプー台に固定可能に構成され、前記ケープ支持具で支持されたケープの一部を固定するケープ固定部とを備える。
【0033】
ここで、第1の可変延出部が、第1の延出部の装着部とは反対側の端部に連設され、第1の延出部とは反対方向に延出して形成されると共に、第1の延出部との間でなす角度を調整して、その角度を維持可能に構成され、第2の可変延出部が、第2の延出部の装着部とは反対側の端部に連設され、第2の延出部とは反対方向に延出して形成されると共に、第2の延出部との間でなす角度を調整して、その角度を維持可能に構成されたことによって、第1の可変延出部及び第2の可変延出部と、その先に繋がった部分を、装着部とは反対方向に向かって、さらに一定の距離、延び出した形状とすることができる。また、第1の可変延出部及び第2の可変延出部よりも、さらに延び出した部分について、第1の延出部及び第2の延出部となす角度を変えて、その形状を維持することができる。このことによれば、衣服の上から使用者がケープを着用した際に、ケープ支持具で、ケープを所望の形状にして支持可能となる。
【0034】
また、ケープ固定部が、シャンプー台に固定可能に構成され、ケープ支持具で支持されたケープの一部を固定することによって、シャンプー台の側で、使用者が着用した美容用ケープの一部を固定して、ケープの端部が、シャンプー台の内周面側から外側に外れにくくすることができる。即ち、例えば、使用者の体の動きに応じて、ケープの端部が、シャンプー台の内周面側から外れることを抑止できる。これにより、洗髪の際の温水を、シャンプー台の内側に流れやすくすることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係るケープ支持具は、理美容用または食事介助用のケープを支持して、洗髪時の温水や、食事介助の際の食べこぼしが周囲に飛散することを充分に抑止可能なものとなっている。
また、本発明に係るケープ支持構造は、理美容用または食事介助用のケープを支持して、洗髪時の温水や、食事介助の際の食べこぼしが周囲に飛散することを充分に抑止可能なものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明を適用したケープ支持具の第1の実施の形態の構造を示す概略図である。
【
図2】本発明を適用したケープ支持具の第2の実施の形態の構造を示す概略図である。
【
図3】洗髪時に、ケープ支持具で理美容用ケープを支持した状態を示す概略図である。
【
図4】食事介助時に、ケープ支持具で食事介助用ケープを支持した状態を示す概略図である。
【
図5】シャンプー台に取り付けるケープ固定部の構造を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
なお、以下に示す内容は本発明を適用したケープ支持具の一例及びケープ支持構造の一例であり、本発明の内容はこれに限定されるものではなく、適宜設定変更することが可能である。
【0038】
なお、以下の説明においては、
図1を基準に、図中の上下を「上又は上側」、「下又は下側」と称し、図中の上下を結ぶ方向を「上下方向又は鉛直方向」と称する。また、
図1を基準に、図中の左右を「左又は左側」、「右又は右側」と称し、図中の左右を結ぶ方向を「左右方向又は水平方向」と称する。また、
図3及び
図4では、図に表れた使用者を基準に、方向を称する場合がある。
【0039】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態であるケープ支持具Aは、理美容用ケープまたは食事介助用ケープを着用する使用者(以下、ケープ支持具を着用する者を「使用者」と称する。)が、首から体の前方にかけて装着し、ケープ支持具Aの一部を所望の形状に変形させ、理美容用ケープまたは食事介助用ケープを支持するための部材である。
【0040】
[基本形状]
図1には、理美容の洗髪または食事介助に使用する前の、形状を変形させる前のケープ支持具Aの構造を示している。
【0041】
図1に示すように、ケープ支持具Aは、ケープ支持具Aの全体を形作る部材となる芯材1と、芯材1の外周面を覆うカバー部材2から構成されている。なお、
図1においては、芯材1の詳細な構造を明確にするため、便宜的に、カバー部材2の内部を模式的に表示している。
【0042】
また、芯材1は、ケープ支持具Aの形状を形作る部材であり、洗髪または食事介助の用途に応じて、その形状を部分的に変形させ、ケープ支持具Aの骨格形状をなす部材となる。
【0043】
また、芯材1は、アルミ合金(製品名:A5052-H34)により形成され、このアルミ合金の径の大きさ、または、本数を変えることで、芯材1の各部分の曲がりやすさを異ならせている。
【0044】
また、カバー部材2は、筒状に形成された軟性のシリコーンゴムで形成され、アルミ合金製の芯材1の外周面を覆って、使用時の肌当たり性や、後述するように、ケープ支持具A(芯材1)を部分的に曲げる際の触感を、良好にならしめるための部材である。また、カバー部材2の内部の貫通孔は、芯材1を挿通可能なサイズに形成されている。
【0045】
また、
図1に示すように、ケープ支持具Aは、首装着部3、肩装着部4、肩装着部10、延出部5、延出部9、可変部6、可変部8、及び、先端直線部7の領域を有している。
【0046】
また、首装着部3は、使用者Uがケープ支持具Aを身に着ける際に、使用者の首の後ろに位置して、使用者の首で支持される部分である(
図3及び
図4参照)。なお、ここでいう首装着部3が、本願請求項における第1の装着部に相当する部材である。
【0047】
また、芯材1のうち首装着部3を構成する部分は、緩やかに湾曲して形成され、使用者の首回りの曲線に沿って、フィットしやすい形状となっている(
図1、
図3及び
図4参照)。
【0048】
また、芯材1のうち首装着部3を構成する部分は、
図1における符号X1で示す線の断面図に示すように、2本の芯材11を締結具100で束ねて固定したもので形成している。この芯材11は、厚みが3mm(図中の上下方向)、幅が3mm(図中の左右方向)のアルミ合金である。
【0049】
このように、芯材1のうち首装着部3を構成する部分が、2本の芯材11を組み合わせて形成されたことから、後述する、芯材1のうち先端直線部7を構成する部分と同様に、芯材1の中でも最も曲がりにくい領域となっている。
【0050】
これにより、首装着部3の形状が維持されやすい構造となり、使用者の首回りの曲線に沿って、ケープ支持具Aをしっかりと装着することが可能となる。
【0051】
また、肩装着部4及び肩装着部10は、使用者Uがケープ支持具Aを身に着ける際に、使用者の首元または肩の上部から、肩の前側に沿って位置して、使用者の肩周辺で支持される部分である(
図3及び
図4参照)。なお、ここでいう肩装着部4及び肩装着部10が、本願請求項における第2の装着部または第3の装着部に相当する部材である。
【0052】
また、肩装着部4及び肩装着部10は同一の長さに形成されている。また、芯材1のうち肩装着部4及び肩装着部10を構成する部分は、
図1における符号X2で示す線の断面図に示すように、1本の芯材11で形成されている。
【0053】
このように、芯材1のうち肩装着部4及び肩装着部10を構成する部分が、1本の芯材11で形成されたことから、芯材1の中でも最も曲がりやすい領域となっている。この1本の芯材11は、使用者が手で容易に変形させることが可能な曲がりやすさとなっている。
【0054】
これにより、肩装着部4及び肩装着部10の部分は、使用者が手で曲げて、容易にその形状を変えることができる。
【0055】
使用者は、ケープ支持具Aを身に着ける際に、肩装着部4及び肩装着部10の部分を、自身の体格や肩周辺の形に合わせて変形させ、首元または肩の上部から、肩の前側に沿って、ケープ支持具Aを身に着けやすくなる(
図3及び
図4参照)。
【0056】
また、延出部5及び延出部9は、使用者Uがケープ支持具Aを身に着ける際に、肩装着部4及び肩装着部10から、使用者Uから見て、前側斜め下方に延び出して、部分的に変形させたケープ支持具Aの形状を安定化させる部分となる(
図3及び
図4参照)。
【0057】
また、延出部5及び延出部9は、使用者Uの体の前方部分で、一定の長さに渡って、理美容用ケープC1(
図3参照)または食事介助用ケープC2(
図4参照)を支持する部分となる。なお、ここでいう延出部5及び延出部9が、本願請求項における第1の延出部または第2の延出部に相当する部材である。
【0058】
また、延出部5及び延出部9は同一の長さに形成されている。また、芯材1のうち延出部5及び延出部9を構成する部分は、
図1における符号X3で示す線の断面図に示すように、1本の芯材12で形成されている。この芯材12は、厚みが3mm(図中の上下方向)、幅が4mm(図中の左右方向)のアルミ合金である。即ち、芯材12は、芯材11よりも径が大きくなっている。
【0059】
このように、芯材1のうち延出部5及び延出部9を構成する部分が、1本の芯材12で形成されたことから、芯材1のうち肩装着部4及び肩装着部10を構成する部分や、後述する芯材1のうち可変部6及び可変部8を構成する部分のように、1本の芯材11で形成された領域よりもやや曲がりにくい領域となっている。
【0060】
これにより、延出部5及び延出部9の形状が維持されやすい構造となり、部分的に変形させたケープ支持具Aの形状を安定化させやすくなり、かつ、同部分で、理美容用ケープC1または食事介助用ケープC2を、一定の長さに渡って支持することができる。
【0061】
また、可変部6及び可変部8は、使用者Uがケープ支持具Aを身に着ける際に、使用の用途に応じて、延出部5または延出部9となす角度を変えて、用途に応じた変形形状を構築する部分である。なお、ここでいう可変部6及び可変部8が、本願請求項における第1の可変延出部または第2の可変延出部に相当する部材である。
【0062】
また、可変部6及び可変部8は同一の長さに形成されている。また、芯材1のうち可変部6及び可変部8を構成する部分は、上述した、芯材1のうち肩装着部4及び肩装着部10を構成する部分と同様に、1本の芯材11で形成されている。
【0063】
このように、芯材1のうち可変部6及び可変部8を構成する部分が、1本の芯材11で形成されたことから、芯材1の中でも最も曲がりやすい領域となっている。
【0064】
これにより、可変部6及び可変部8の部分は、使用者が手で曲げて、容易にその形状を変えることができる。
【0065】
また、先端直線部7は、可変部6及び可変部8を繋いで、変形させた形状を維持する部分となる。なお、ここでいう先端直線部7が、本願請求項における可変部接続部に相当する部材である。
【0066】
また、芯材1のうち先端直線部7を構成する部分は、上述した、芯材1のうち首装着部3を構成する部分と同様に、2本の芯材11を締結具100で束ねて固定したもので形成している。
【0067】
このように、芯材1のうち先端直線部7を構成する部分が、2本の芯材11を組み合わせて形成されたことから、首装着部3と同様に、芯材1の中でも最も曲がりにくい領域となっている。
【0068】
これにより、先端直線部7の形状が維持されやすい構造となり、用途に合わせて変形させた可変部6及び可変部8の形状を安定化させることが可能となる。
【0069】
また、芯材1では、肩装着部4と延出部5の間の領域(
図1の符号G1で示す箇所)と、肩装着部10と延出部9の間の領域(
図1の符号G4で示す箇所)と、延出部5と可変部6の間の領域(
図1の符号G2で示す箇所)、及び、延出部9と可変部8の間の領域(
図1の符号G3で示す箇所)では、径の大きさが徐々に変わるように形成されている。
【0070】
このように、径の大きさが徐々に変わるように形成することで、芯材1のうち、1本の芯材で形成された箇所であり、径の大きさが異なる各部分の間の領域で、その径の大きさが全く異なる部分が生まれ、同箇所に負荷がかかって、折れやすくなることを防止することができる。
【0071】
ここで、必ずしも、芯材1がアルミ合金(製品名:A5052-H34)で形成される必要はなく、その径の大きさを変更することで、曲がりやすさを調整可能で、かつ、曲がりやすい箇所において、曲げて変形した状態の形状が維持できるものであれば、その素材は特に限定されるものではない。例えば、アルミ合金以外のアルミニウム、鉄、ステンレス等の金属部材や合成樹脂等を用いることもできる。
【0072】
また、必ずしも、芯材1の各部分の径の大きさや本数は限定されるものではなく、曲がりやすい箇所と、曲がりにくい箇所を設けることができれば、適宜設定することが可能である。
【0073】
また、必ずしも、カバー部材2が、筒状に形成された軟性のシリコーンゴムで形成される必要はなく、芯材1を覆って、使用時の肌当たり性等を良好にできる素材であれば特に限定されるものではない。例えば、アクリル等の樹脂材料や、その他、弾性を有する素材を用いることもできる。また、カバー部材2のサイズや形状も、適宜設定することが可能である。
【0074】
さらに、可変部6及び可変部8を変形させることについて説明する。より詳細には、理美容の洗髪の際には、
図3に示すように、使用者Uから見て、前側斜め下方に延びた延出部5または延出部9に対して、その先端方向がさらに下方に向かうように、前側斜め下方に可変部6または可変部8を傾斜させて、延出部5または延出部9とのなす角度を調整している。
【0075】
これにより、可変部6及び可変部8は、シャンプー台X(
図3参照)の内周面に向かう形状となり、ケープ支持具Aの先端側、即ち、先端直線部7の部分がシャンプー台Xのボウル部分の内側に位置するものとなる。
【0076】
この形状で、理美容用ケープC1を、ケープ支持具Aで支持すると、理美容用ケープC1は、使用者の首元から体の前方にかけて、シャンプー台Xに向かって斜め前側下方にガイドされ、理美容用ケープC1の前方部分の大部分を、シャンプー台Xのボウル部分に落とし込むことができる。
【0077】
この結果、洗髪の際に、前傾姿勢になった使用者Uの頭部を流れた温水が、ケープ支持具Aで支持された理美容用ケープC1で捕捉され、理美容用ケープC1を伝って、シャンプー台Xのボウル部分に流れやすくすることができる。
【0078】
また、理美容用ケープC1は、ケープ支持具Aで支持されたことから、温水の重みがかかっても、その形状を維持でき、シャンプー台Xの周辺の床等に温水等が飛散することを抑止できる。
【0079】
また、食事介助の際には、
図4に示すように、使用者Uから見て、前側斜め下方に延びた延出部5または延出部9に対して、その先端方向が斜め上方に向かうように、前側斜め上方に可変部6または可変部8を傾斜させて、延出部5または延出部9とのなす角度を調整している。
【0080】
これにより、可変部6及び可変部8は、延出部5または延出部9との間で、略V字状の形状となり、先端直線部7の部分は、前側斜め上方向けて持ち上がった形状となる。
【0081】
この形状で、食事介助用ケープC2を、ケープ支持具Aで支持すると、食事介助用ケープC2は、使用者の首元から体の前方にかけて、使用者の体の前側のラインに沿ってガイドされ、略V字状の部分で、食事介助用ケープC2が凹状に窪んだ箇所を設けることができる(
図4参照)。
【0082】
この食事介助用ケープC2が凹状に窪んだ箇所は、食事介助の際に、使用者Uが食べこぼした食事を受け止める受け皿として機能する。
【0083】
また、食事介助用ケープC2は、ケープ支持具Aで支持されたことから、食事のたべこぼしの重みがかかっても、その形状を維持でき、使用者Uや食事を置いたテーブルの周辺の床等に食べこぼしが飛散することを抑止できる。
【0084】
また、本発明の第1の実施の形態では、洗髪の際に、シャンプー台Xのボウル部分に、ケープ固定部200を設けて、理美容用ケープC1の前側部分の一部を引っ掛けることができる(
図3参照)。
【0085】
このケープ固定部200の上部には、別途のクリップ等の把持部材(図示省略)を取り付けて、ケープ固定部200との間で理美容用ケープC1を挟み込んで、これを固定することができる。
【0086】
また、ケープ固定部200は、略T字状の引っ掛け部201と、引っ掛け部201の切端部の角度を変えることで、シャンプー台Xのボウル部分の内壁に吸着させることが可能な吸着部202で構成されている。このように、ケープ支持具Aと併せてケープ固定部200を用いることで、理美容用ケープC1の前側の部分もしっかりと支持可能となる。
【0087】
[第2の実施の形態]
続いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図2に示す本発明の第2の実施の形態であるケープ支持具Bは、これを構成する各部分で、曲がりやすさを変えて形成されており、基本的な使い方は、第1の実施の形態と同様である。
【0088】
このケープ支持具Bは、同一径のアルミ合金で形成された芯材(図示省略)と、芯材の外周面を覆うカバー部材であり、曲げ剛性が異なる、2種類のカバー部材20及びカバー部材21で構成されている。
【0089】
芯材は、例えば、上述した曲がりやすい1本の芯材11を環状にしたものを用いることができる。また、ケープ支持具Bは、首装着部3a、肩装着部4a、肩装着部10a、延出部5a、延出部9a、可変部6a、可変部8a、及び、先端直線部7aの領域を有している(
図2参照)。
【0090】
また、首装着部3a、延出部5a、延出部9a、及び、先端直線部7aでは、芯材の外周面は、曲げ剛性が大きな部材、例えば、アクリル等の硬質の樹脂部材で形成された筒状のカバー部材20で覆われている。
【0091】
また、肩装着部4a、肩装着部10a、可変部6a、及び、可変部8aでは、芯材の外周面は、曲げ剛性が小さな部材、例えば、シリコーンゴム等の柔らかい弾性体で形成された筒状のカバー部材21で覆われている。
【0092】
このように、ケープ支持具Bでは、芯材を覆うカバー部材20及びカバー部材21において、曲げ剛性の異なる素材を用いることで、各部分の曲がりやすさを変えている。
【0093】
ここで、必ずしも、芯材がアルミ合金で形成される必要はなく、曲げ剛性が小さなカバー部材21と共に、使用者が手で容易に曲げて、形状を変形させることが可能な部材であれば、その種類は特に限定されるものではない。また、その径の大きさも適宜設定することができる。
【0094】
また、必ずしも、カバー部材20が、アクリルで形成される必要はなく、手で力を加えて簡単に曲がらない程度の曲げ剛性の大きさを有する素材であれば、その種類は特に限定されるものではない。
【0095】
また、必ずしも、カバー部材21が、シリコーンゴムで形成される必要はなく、手で力を加えて簡単に曲がる程度の曲げ剛性の大きさを有する素材であれば、その種類は特に限定されるものではない。
【0096】
また、2種類のカバー部材では、素材として、熱収縮チューブを採用し、または、素材となる金属そのものの色によって、曲がりにくい硬い箇所と、柔らかい箇所を識別可能にすることも可能である。
【0097】
このように、本発明を適用したケープ支持具では、芯材を覆うカバー部材において、曲げ剛性の異なる素材を用いることで、各部分の曲がりやすさを変えた態様とすることができる。
【0098】
[第3の実施の形態]
また、本発明を適用したケープ支持具では、第3の実施形態として、同一径のアルミ合金で形成された曲がりやすい芯材に対して、部分的に、ピアノ線を巻き付けた箇所を設けて、曲がりにくい領域を形成することもできる。
【0099】
即ち、上述したケープ支持具Aにおいて、首装着部3、延出部5、延出部9、及び、先端直線部7に相当する領域の芯材に、ピアノ線を巻き付けて、同領域の強度を向上させ、曲がりにくく形成することができる。
【0100】
また、ここでは、必ずしもピアノ線を用いる必要はなく、ピアノ線に近似の剛軟性を有するPC鋼線、軟鋼線、硬鋼線、鉄線、ばね鋼線、ステンレス鋼線等を採用することができる。また、必ずしも、芯材にピアノ線を巻き付ける必要はなく、芯材と略平行に、ピアノ線を張設して、曲げにくい構造とすることも考えられる。
【0101】
このように、本発明を適用したケープ支持具では、芯材とピアノ線等の鋼線を組み合わせて、各部分の曲がりやすさを変えた態様とすることができる。
【0102】
さらに、本発明を適用したケープ支持具では、主材と補強材の組み合わせ、もしくは、主材の形状をかえることにより、各部分の曲がりやすさを変えた態様とすることができる。
【0103】
以上のように、本発明のケープ支持具は、理美容用または食事介助用のケープを支持して、洗髪時の温水や、食事介助の際の食べこぼしが周囲に飛散することを充分に抑止可能なものとなっている。
また、本発明のケープ支持構造は、理美容用または食事介助用のケープを支持して、洗髪時の温水や、食事介助の際の食べこぼしが周囲に飛散することを充分に抑止可能なものとなっている。
【符号の説明】
【0104】
A ケープ支持具
1 芯材
11 芯材
12 芯材
2 カバー部材
3 首装着部
4 肩装着部
5 延出部
6 可変部
7 先端直線部
8 可変部
9 延出部
10 肩装着部
200 ケープ固定部
201 引っ掛け部
202 吸着部