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特許7465491情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240404BHJP
   G06Q 10/105 20230101ALI20240404BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q10/105
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023134457
(22)【出願日】2023-08-22
(62)【分割の表示】P 2023098697の分割
【原出願日】2023-06-15
【審査請求日】2023-08-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515114289
【氏名又は名称】株式会社ラフール
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】結城 啓太
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-034447(JP,A)
【文献】特開2022-110642(JP,A)
【文献】AIによる的確なフィードバックに驚いた?!人事戦略構想を推進する『ラフールサーベイ』の魅力とは[浜松ホトニクス株式会社の成果事例],[online],2022年11月24日,[2023年11月16日検索], インターネット<URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000183.000042113.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
次の各ステップを備え、
取得ステップでは、組織の現在の特性を示す第1の組織特性情報と、前記組織の目標とする特性を示す第2の組織特性情報とを取得し、
特定ステップでは、前記第1の組織特性情報と前記第2の組織特性情報とに基づいて、前記組織の現在の特性と目標とする特性との差分を特定し、ここで、
前記差分は、第3の組織特性情報と、前記第1の組織特性情報とから算出されたものであり、
前記第3の組織特性情報は、前記第2の組織特性情報に応じて、予め記憶された参照情報から選択された情報であり、
提示ステップでは、前記差分を把握可能な視覚情報と、前記差分を埋めるために必要な人材の特性を示す人材特性情報とを前記組織の求人を行う第1のユーザに提示
前記人材特性情報は、前記差分に基づき特定される、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記特定ステップでは、前記人材特性情報に基づいて、前記第1のユーザとは異なる第2のユーザをさらに特定し、
前記提示ステップでは、特定された前記第2のユーザの情報を前記第1のユーザに提示する、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理方法において、
前記第2のユーザには、前記第2のユーザの個人の特性を示す情報である個人特性情報が関連付けられ、
前記特定ステップでは、前記人材特性情報に適合する前記個人特性情報を有する前記第2のユーザを特定する、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理方法において、
さらに、表示制御ステップでは、特定された前記第2のユーザの前記情報の一覧を、前記第1のユーザが視認可能な態様で表示させ、ここで前記一覧において、前記個人特性情報が前記人材特性情報と適合度の高い順に、前記第2のユーザの前記情報が表示される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記取得ステップでは、前記第1の組織特性情報として、少なくともアンケートの回答情報に基づいて解析された情報を取得し、ここで前記アンケートは、前記組織の従業者から受け付けたアンケートを含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理方法において、
前記回答情報は、前記従業者の仕事に対する価値観と、能力と、性格とのうちの少なくとも何れかに関する情報を含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記特性は、価値観である、方法。
【請求項8】
情報処理システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、請求項1~請求項の何れか1つに記載の各ステップを実行するように構成される、もの。
【請求項9】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項の何れか1つに記載の各ステップを実行させる、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特許文献1には、「業員の能力向上に寄与すると共に、組織としての将来の目標を的確に実現することができる人材管理システム」が開示されている。従業員の希望行動特性と特性値算出部102による診断テスト結果に基づいて人材配置管理部103は職場の配置転換情報を従業員に提供する。将来特性値演算部104は、将来の全従業員の将来行動特性値を求める。人材配置管理部103は、組織側が目標とする将来の組織側目標行動特性値と全従業員の将来行動特性値との差分を演算し、不足する行動特性があった場合、その行動特性と不足量を算出する。対象者決定部106は、将来特性値演算部104で算出した行動特性の不足分を補うことのできる学習コンテンツを提供する従業員を選出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-013362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、適切な組織構築のための人材管理システムの開拓余地は依然として存在する。とりわけ、目標を実現するための組織の構築をいっそう支援することが可能な技術が望まれている。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、目標を実現するための組織の構築をいっそう支援することが可能な情報処理方法等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、次の各ステップを備える。取得ステップでは、組織の現在の特性を示す第1の組織特性情報と、組織の目標とする特性を示す第2の組織特性情報とを取得する。特定ステップでは、第1の組織特性情報と第2の組織特性情報とに基づいて、組織の現在の特性と目標とする特性との差分を特定する。提示ステップでは、差分を把握可能な視覚情報と、差分を埋めるために必要な人材の特性を示す人材特性情報とを組織の求人を行う第1のユーザに提示する。
【0007】
上記態様によれば、目標を実現するための組織の構築をいっそう支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システム1を表す構成図である。
図2】情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】ユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】情報処理装置2の機能を示す機能ブロック図である。
図5】情報処理システム1において実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
図6】第1のアンケート回答画面6の一例である。
図7】第1のアンケートに含まれる質問を管理する質問テーブルT1の概要図である。
図8】第2のアンケート回答画面7の一例である。
図9】組織情報管理テーブルT2の概要図である。
図10】差分表示画面8の一例である。
図11】求職者表示画面9の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、ハードウェア構成について説明する。
【0014】
<情報処理システム1>
図1は、情報処理システム1を表す構成図である。情報処理システム1は、情報処理装置2と、従業者端末3と、管理者端末4と、求職者端末5とを備える。情報処理装置2と、従業者端末3と、管理者端末4と、求職者端末5とは、電気通信回線を通じて通信可能に構成されている。一実施形態において、情報処理システム1とは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。仮に例えば、情報処理装置2のみからなる場合であれば、情報処理システム1は、情報処理装置2となりうる。以下、これらの構成要素について説明する。
【0015】
<情報処理装置2>
図2は、情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置2は、通信バス20と、通信部21と、記憶部22と、プロセッサ23とを備える。通信部21、記憶部22、及びプロセッサ23は、情報処理装置2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。
【0016】
<通信部21>
通信部21は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、情報処理装置2は、通信部21及びネットワークを介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0017】
<記憶部22>
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、プロセッサ23によって実行される情報処理装置2に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部22は、プロセッサ23によって実行される情報処理装置2に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0018】
<プロセッサ23>
プロセッサ23は、情報処理装置2に関連する全体動作の処理・制御を行う。プロセッサ23は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。プロセッサ23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例であるプロセッサ23によって具体的に実現されることで、プロセッサ23に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、プロセッサ23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数のプロセッサ23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0019】
<ユーザ端末>
ユーザ端末は、ユーザが所持する端末である。ユーザ端末は、企業に属する従業者であるユーザが操作する端末3(以下、従業者端末3とする)と、企業の組織を管理する管理者であるユーザが操作する端末4(以下、管理者端末4とする)と、求職者であるユーザが操作する端末5(以下、求職者端末5)とを含む。ユーザ端末は、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置2にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。
【0020】
図3は、ユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。以下、従業者端末3を例に説明する。従業者端末3は、通信バス30と、通信部31と、記憶部32と、プロセッサ33と、表示部34と、入力部35と、を備える。通信部31、記憶部32、プロセッサ33、表示部34、及び入力部35は、従業者端末3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。通信部31、記憶部32及びプロセッサ33の説明は、情報処理装置2における各部の説明と同様のため省略する。
【0021】
<表示部34>
表示部34は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。表示部34は、従業者端末3筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。具体的には、表示部34は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、またはプラズマディスプレイ等の表示デバイスとして実施され得る。これらの表示デバイスは、従業者端末3の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。
【0022】
<入力部35>
入力部35は、従業者によってなされた操作入力を受け付ける。操作入力は、命令信号として通信バス30を介してプロセッサ33に転送される。プロセッサ33は、必要に応じて、転送された命令信号に基づいて所定の制御や演算を実行しうる。入力部35は、従業者端末3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部35は、表示部34と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。入力部35がタッチパネルとして実施される場合、従業者であるユーザは、入力部35に対してタップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。入力部35としては、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等が採用可能である。
【0023】
<管理者端末4>
管理者端末4は、企業の採用責任者または従業者を管理する立場にあるユーザが操作するものである。管理者端末4は、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置2にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。
【0024】
管理者端末4は、通信部41と、記憶部42と、プロセッサ43と、表示部44と、入力部45とを有し、これらの構成要素が管理者端末4の内部において通信バス40を介して電気的に接続されている。管理者端末4は、性能及び細かな仕様等は異なっていてもよいが、情報処理装置2及び従業者端末3と略同様のハードウェア構成を備える。
【0025】
<求職者端末5>
求職者端末5は、求職者であるユーザが操作するものである。求職者端末5は、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置2にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。
【0026】
求職者端末5は、通信部51と、記憶部52と、プロセッサ53と、表示部54と、入力部55とを有し、これらの構成要素が求職者端末5の内部において通信バス50を介して電気的に接続されている。求職者端末5は、性能及び細かな仕様等は異なっていてもよいが、情報処理装置2及び従業者端末3と略同様のハードウェア構成を備える。
【0027】
2.機能構成
本節では、機能構成について説明する。図4は、情報処理装置2の機能を示す機能ブロック図である。前述の通り、記憶部22に記憶されたソフトウェアによる情報処理がハードウェア(具体的には、プロセッサ23)によって具体的に実現されることで、プロセッサ23に含まれる各機能部として実行されうる。換言すると、情報処理システム1は、プログラムにおける各機能部を備える。
【0028】
具体的には、プロセッサ23は、各機能部として、受付部231と、取得部232と、評価部233と、特定部234と、表示制御部235とを備える。
【0029】
受付部231は、受付ステップとして、種々の情報を受け付けるように構成される。具体的には、受付部231は、通信部21または記憶部22を介して情報を受け付け、これを作業メモリに読出可能に構成される。好ましくは、受付部231は、従業者端末3等の入力部35を介して、アンケートの回答入力を受け付ける。
【0030】
取得部232は、取得ステップとして、種々の情報を取得するように構成される。具体的には、取得部232は、評価部233で評価した組織の特性に関する情報を取得する。
【0031】
評価部233は、評価ステップとして、種々の特性を評価するように構成される。好ましくは、評価部233は、受付部231で受け付けたアンケートの回答情報に基づき、組織の現在の特性を評価する。詳細は後述する。
【0032】
特定部234は、特定ステップとして、種々の情報を特定するように構成される。具体的には、特定部234は、取得部232で取得した特性の差分を特定する。詳細は後述する。
【0033】
表示制御部235は、表示制御ステップとして、記憶部32に記憶された種々の情報またはこれらを含む画面等を、従業者端末3、管理者端末4または求職者端末5等の端末で視認可能な態様で表示させる。これにより、従業者端末3、管理者端末4または求職者端末5等の端末を操作する各種のユーザに対して種々の情報が提示される。表示制御部235は、画面、画像、アイコン、メッセージ等の視覚情報を、上記の端末のディスプレイに表示させるように制御する。表示制御部235は、視覚情報を上記の端末に表示させるためのレンダリング情報だけを生成するものであってもよい。
【0034】
3.情報処理システム1の動作について
本節では、図を参照しながら、情報処理システム1が実行する情報処理方法の流れについて説明する。下記に示す通り、情報処理方法は、次の各ステップを備える。なお、処理の順番は適宜入れ替えることができ、複数の処理が同時に実行されてもよいし、一部の処理が省略されてもよい。
【0035】
3.1.情報処理の概要
図5は、情報処理システム1において実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。一例として、ある組織OR1において、将来目指すべき組織に必要な人材像及び人材像に適合する第2のユーザを第1のユーザへ提示する場合を説明する。
【0036】
ここで、第1のユーザは、組織OR1を管理する者であり、例えば、人事責任者や経営者である(以下、管理者とする)。また、第2のユーザは、求職者であり、組織OR1に必要な人材像に適合する者である。
【0037】
まず、受付部231は、受付ステップとして、第1のアンケートに対する回答の入力を従業者から受け付ける(A101)。具体的には例えば、受付部231は、通信部21を介して、第1のアンケートに対する回答情報を従業者端末3から受け付ける。第1のアンケートの内容については、後に詳述する。
【0038】
次に、取得部232は、取得ステップとして、組織OR1の現在の特性を示す第1の組織特性情報IF1を取得する(A102、A103)。例えば、取得部232は、第1の組織特性情報IF1として、価値観に関する情報(以下、現在の価値観情報IF1とする)を取得してもよい。具体的には、評価部233は、評価ステップとして、A101で従業者端末3から受け付けた第1のアンケートの回答情報に基づき、組織OR1の現在の価値観を評価する。続いて、取得部232は、組織OR1の現在の価値観情報IF1を取得する(A102)。同様に、評価部233は、評価ステップとして、アクティビティA101で従業者端末3から受け付けた第1のアンケートの回答情報に基づき、現在の組織OR1に属する従業者の性格を評価する。続いて、取得部232は、組織OR1に属する従業者の性格に関する評価を示す情報を取得する(A103)。
【0039】
上記アクティビティA101~A103に係る処理とは独立に、受付部231は、受付ステップとして、第2のアンケートに対する回答の入力を管理者から受け付ける(A104)。具体的には例えば、受付部231は、通信部21を介して、第2のアンケートに対する回答情報を管理者端末4から受け付ける。第2のアンケートの内容については、後に詳述する。
【0040】
次に、取得部232は、取得ステップとして、組織OR1の目標とする特性を示す第2の組織特性情報IF2とを取得する(A105)。例えば、取得部232は、第2の組織特性情報IF2として、価値観に関する情報(以下、将来の価値観情報IF2とする)を取得してもよい。具体的には、評価部233は、評価ステップとして、アクティビティA104で管理者端末4から受け付けた第2のアンケートの回答情報に基づき、組織OR1の将来目指す価値観を評価する。続いて、取得部232は、組織OR1の将来の価値観情報IF2を取得する。
【0041】
次に、取得部232は、取得ステップとして、予め記憶部22に記憶された参照情報IF4(以下、ビッグデータIF4とする)から、組織OR1の将来目指す価値観に合致する組織の情報を取得する(A106)。換言すると、取得部232は、取得ステップとして、第2の組織特性情報IF2に応じて、予め記憶された参照情報IF4から選択された第3の組織特性情報IF3を取得する。ビッグデータIF4の内容については、後に詳述する。
【0042】
本実施形態では説明の便宜上、ビッグデータIF4が記憶部22に記憶されているが、これに限られず、ビッグデータIF4は、情報処理システム1に含まれていなくてもよい。また、本実施形態では、情報処理装置2が種々の記憶・制御を行うが、情報処理装置2に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。例えば、ブロックチェーン技術等を用いて、ビッグデータIF4を分散して複数の外部装置に記憶させてもよい。
【0043】
次に、特定部234は、特定ステップとして、アクティビティA102で取得した、組織OR1の現在の価値観情報IF1と、アクティビティA103で取得した、組織OR1に属する従業者の性格に関する評価を示す情報と、アクティビティA106で取得した組織OR1の将来の価値観情報IF2とに基づき、評価値の差分を特定する(A107)。換言すると、特定部234は、特定ステップとして、第1の組織特性情報IF1と第2の組織特性情報IF2とに基づいて、組織OR1の現在の特性と目標とする特性との差分を特定する。具体的な特定方法については、後に詳述する。
【0044】
次に、表示制御部235は、表示制御ステップ(提示ステップの一例)として、差分を把握可能な視覚情報と、差分を埋めるために必要な人材の特性を示す人材特性情報IF5とを、組織OR1の求人を行う第1のユーザに提示可能に、従業者端末3の表示部34に表示させる(A108)。差分を把握可能とする具体的な視覚情報については、後に詳述する。また、人材特性情報IF5の具体的な特定方法についても、後に詳述する。
【0045】
一方、求職者の特性についても評価が行われる。受付部231は、受付ステップとして、第3のアンケートの回答の入力を求職者から受け付ける(A109)。具体的には例えば、受付部231は、通信部21を介して、第3のアンケートに対する回答情報を求職者端末5から受け付ける。第3のアンケートの内容は、例えば、求職者の仕事に対する価値観を問うものであってもよい。また、第3のアンケートの内容は、例えば、求職者の性格を問うものであってもよい。
【0046】
次に、評価部233は、評価ステップとして、求職者の個人特性を評価する(A110)。具体的には、評価部233は、評価ステップとして、A109で求職者端末5から受け付けた第3のアンケートの回答情報に基づき、求職者の個人特性を評価する。このように、求職者には、求職者の個人の特性を示す情報である個人特性情報IF6が関連付けられる。
【0047】
次に、特定部234は、特定ステップとして、人材特性情報IF5に適合する個人特性情報IF6を有する求職者を第2のユーザとして特定する(A111)。換言すると、特定部234は、特定ステップとして、人材特性情報IF5に基づいて、第1のユーザとは異なる第2のユーザをさらに特定する。
【0048】
次に、表示制御部235は、表示制御ステップとして、求職者の中から特定された第2のユーザに関する情報を、管理者に提示可能に管理者端末4の表示部44に表示させる(A112)。換言すると、表示制御部235は、表示制御ステップとして、特定された第2のユーザの情報を、第1のユーザに提示可能に管理者端末4の表示部44に表示させる。具体的な提示の態様については、後に詳述する。
【0049】
以上をまとめると、本実施形態に係る情報処理方法は、情報処理システム1における各ステップを備える。取得ステップでは、組織OR1の現在の特性を示す第1の組織特性情報IF1と、組織OR1の目標とする特性を示す第2の組織特性情報IF2とを取得する。特定ステップでは、第1の組織特性情報IF1と第2の組織特性情報IF2とに基づいて、組織OR1の現在の特性と目標とする特性との差分を特定する。提示ステップでは、差分を把握可能な視覚情報と、差分を埋めるために必要な人材の特性を示す人材特性情報IF5とを組織OR1の求人を行う第1のユーザに提示する。
【0050】
このような態様によれば、組織が将来目指す姿から逆算した採用活動を実施することができる。また、差分を埋めるために必要な人材の特性に合致する求職者を特定することにより、組織が必要とする人材像に当てはまる、具体的な求職者の情報を得ることができる。さらに、組織の特性として価値観を用いることにより、組織が目指す価値観に合う求職者を採用することができる。
【0051】
3.2.情報処理の詳細
前述した情報処理の詳細について、図6図11を参照しながら説明する。
【0052】
(第1のアンケート回答画面6)
図6は、従業者端末3の表示部34に表示される第1のアンケート回答画面6の一例を示している。第1のアンケート回答画面6は、図5のアクティビティA101で表示される画面の一例である。第1のアンケート回答画面6は、従業者に対する質問が表示される領域61~64と、質問に対する回答の入力を受け付ける回答領域610,620,630,640とを有している。
【0053】
図6に示すように、領域61は、従業者に対する質問「Q1.現状に満足している?」が表示される。回答領域610は、領域61に表示される質問に対する回答の入力を受け付ける領域である。回答領域610は、チェックボックス611「満足」と、チェックボックス612「まあまあ」と、チェックボックス613「普通」と、チェックボックス614「不満」とを有する。また、図6では、受付部231は、チェックボックス611「満足」の選択を従業者から受け付けている。領域62~64についても、同様である。
【0054】
図6の例では、組織OR1の従業者は、領域61~64に表示される各質問に対する回答として、それぞれ対応する回答領域610,620,630,640の任意のチェックボックスを選択することにより、第1のアンケートに回答することができる。取得部232は、従業者から受け付けた第1のアンケートの回答に基づいて解析された、組織OR1の現在の価値観情報IF1を取得する。換言すると、取得部232は、第1の組織特性情報IF1として少なくともアンケートの回答情報に基づいて解析された情報を取得する。アンケートは、組織OR1の従業者から受け付けたアンケートを含む。
【0055】
ここで、第1のアンケートの回答情報は、組織OR1の現在の価値観情報IF1として評価値を算出可能な情報であれば形式に制限はないが、例えば、数字で段階を示す情報を含むことが好ましい。一例として、図6の領域61に表示される質問「Q1.現状に満足している?」に対して受け付けた回答情報「満足」は、評価値8と示す情報であることが好ましい。さらに、回答「まあまあ」の選択を受け付けた場合は評価値6、回答「普通」の選択を受け付けた場合は評価値4、回答「不満」の選択を受け付けた場合は評価値2と示す情報であることが好ましい。本実施形態では、第1のアンケートの回答情報は、前述したように数字で段階を示す情報を含むものとする。また、後述する第2のアンケートの回答情報と、第3のアンケートの回答情報についても、同様とする。第1のアンケートの回答情報に基づいて、現在の価値観情報IF1を取得する方法については、後述する。
【0056】
(質問テーブルT1)
図7は、第1のアンケートに含まれる質問を管理する質問テーブルT1の概要図である。図7に示すように、好ましくは、質問テーブルT1は、大分類T11、中分類T12、小分類T13、質問事項T14等の情報を含んでもよい。換言すると、好ましくは、質問テーブルT1の質問事項T14は、複数の分類に分類されていてもよい。具体的には、図6の領域61に表示される質問「Q1.現状に満足している?」は、大分類T11「性格」と、中分類T12「挑戦」と、小分類T13「チャレンジ精神」とにそれぞれ分類されていてもよい。また、好ましくは、大分類T11と、中分類T12と、小分類T13とのうちの少なくとも1つは、特性を示す分類であってもよい。さらに好ましくは、大分類T11と、中分類T12と、小分類T13とのうち少なくとも1つは、ビッグデータIF4の有する評価項目と対応していてもよい。本実施形態では、大分類T11を特性のカテゴリを示す分類として説明する。また、小分類T13をビッグデータIF4の有する評価項目と対応している分類として説明する。ビッグデータIF4の内容については、後に詳述する。
【0057】
ここで、図5のアクティビティA102で、アンケートの回答情報に基づいて現在の価値観情報IF1を取得する方法について説明する。一例として、評価部233は、図7の小分類T13を集計軸として、従業者から受け付けた第1のアンケートの回答情報を集計することが好ましい。図7に示すように、評価部233は、質問事項T14の「現状に満足していると感じる」と、「ハイレベルな仕事にチャレンジしてみたいと感じる」と、「最近物事に対して関心が持てないことがある」とに対するそれぞれの回答情報(評価値)を集計することにより、小分類T13の「チャレンジ精神」の評価値としてもよい。このように、評価部233は、小分類T13(評価項目)ごとに評価値を算出することにより、従業者の価値観を示す評価値を算出することができる。例えば、評価部233は、各質問に対する回答情報(評価値)の積算値を、小分類T13ごとに算出して、従業者の特性情報(評価値)としてもよい。また例えば、評価部233は、各質問に対する回答情報(評価値)の平均値を小分類T13ごとに算出して、従業者の特性情報(評価値)としてもよい。さらに、評価部233は、算出した従業者の特性情報(評価値)を組織ごとに集計することにより、現在の価値観情報IF1を示す評価値を算出することができる。同様の方法で、図5のアクティビティA103の従業者の現在の性格に関する情報も算出することができる。
【0058】
また、好ましくは、質問事項T14は、従業者の仕事に対する価値観と、能力と、性格とのうちの少なくとも何れかに関する情報を問うものであってもよい。換言すると、第1のアンケートに対する回答情報は、従業者の仕事に対する価値観と、能力と、性格とのうちの少なくとも何れかに関する情報を含んでもよい。本実施形態では、第1のアンケートに対する回答情報は、従業者の仕事に対する価値観と、性格とに関する情報を含むものとして説明する。具体的には、図7の大分類T11は「性格」と、「価値観」とを含む。つまり、性格と、価値観とに関する情報を従業者に対して問う質問事項T14に対して、性格に関する質問事項T14は、大分類T11「性格」に分類されており、価値観に関する質問事項T14は、大分類T11「価値観」に分類されている。このような態様によれば、現在の組織状態をより精度良く把握することができる。
【0059】
(第2のアンケート回答画面7)
図8は、管理者端末4の表示部44に表示される第2のアンケート回答画面7の一例を示している。第2のアンケート回答画面7は、図5のアクティビティA104で表示される画面の一例である。第2のアンケート回答画面7は、管理者に対する質問が表示される領域71~73と、質問に対する回答の入力を受け付ける回答領域710,720,730とを有している。
【0060】
図8に示すように、領域71は、管理者に対する質問「Q1.社員のスキル・能力より組織への適合を重視したい?」が表示される。回答領域710は、領域71に表示される質問に対する回答の入力を受け付ける領域である。回答領域710は、チェックボックス711「あてはまらない」と、チェックボックス712「あまり当てはまらない」と、チェックボックス713「どちらともいえない」と、チェックボックス714「少し当てはまる」と、チェックボックス715「非常に当てはまる」とを有している。また、図8では、受付部231は、チェックボックス711「あてはまらない」の選択を管理者から受け付けている。領域72~73についても、同様である。
【0061】
図8に示すように、組織OR1の管理者は、領域71~73に表示される各質問に対する回答として、それぞれ対応する回答領域710,720,730の任意のチェックボックスを選択することにより、第2のアンケートに回答することができる。
【0062】
管理者から受け付けた第2のアンケートの回答情報に基づき、評価部233は、第2の組織特性情報IF2として組織OR1の将来の価値観情報IF2を評価する。図5のアクティビティA105における、将来の価値観情報IF2の評価手法の一例を説明する。具体的には例えば、第2のアンケートの回答情報と、将来の価値観情報IF2との組み合わせがデータベースとして記憶部22に記憶されており、評価部233はデータベースに基づき将来の価値観情報IF2を評価してもよい。また、第2のアンケートの回答情報と、将来の価値観情報IF2との相関性を予め機械学習させた学習済みモデルが記憶部22に記憶されており、評価部233は学習済みモデルに基づき将来の価値観情報IF2を評価してもよい。
【0063】
また、好ましくは、将来の価値観情報IF2は、ビッグデータIF4の有する特性タグT23と対応づけられているとよい。特性タグT23については、後に詳述する。
【0064】
(組織情報管理テーブルT2)
図9は、図5のA106で参照するビッグデータIF4である組織情報管理テーブルT2の概要図である。図9に示すように、組織情報管理テーブルT2は、企業T21、組織T22、特性タグT23、従業員T24、評価値T25等の情報を含んでよい。好ましくは、ビッグデータIF4は、組織の特性を示す情報である特性タグT23を含む。
【0065】
ここで、ビッグデータIF4について説明する。ビッグデータIF4は、複数の組織の情報を含むデータベースである。具体的には、ビッグデータIF4は、図5のアクティビティA107で組織OR1の将来の価値観情報IF2に合致する情報として取得するデータを含む。さらには、ビッグデータIF4は、組織OR1が将来目指す組織像を既に実現している組織に関する情報を含むものである。ビッグデータIF4の具体的な内容については、後に詳述する。
【0066】
好ましくは、ビッグデータIF4は、従業者の第1のアンケートの回答結果に基づいて評価された評価値T25を含んでいてもよい。一例として、従業者のそれぞれが回答した第1のアンケート結果が、従業者ごとに項目別に集計されていてもよい。図9に示すように、例えば、組織O001に属する従業員E001の回答した第1のアンケートの結果が評価項目別に集計されており、評価項目1の評価値は2、評価項目2の評価値は4、評価項目3の評価値は2、と算出される。また、従業者のそれぞれが回答した第1のアンケート結果が、従業者の属する組織ごとに集計されて、第3の組織特性情報IF3としてビッグデータIF4に含まれてもよい。
【0067】
さらに好ましくは、組織情報管理テーブルT2の評価項目1~6は、図7の質問テーブルT1に含まれる小分類T13と、後述する図10の評価項目T31とそれぞれ対応していてもよい。例えば、図9の評価値T25に含まれる評価項目1が、図7の小分類T13「チャレンジ精神」と対応しており、項目1の評価値は「チャレンジ精神」と対応するものであってもよい。本実施形態では、評価値T25の各項目と、図7の各小分類T13と、図10の各評価項目T31とが対応しているものとする。
【0068】
また、特性タグT23は、各組織の特性を定義可能な情報であれば形式に制限はないが、例えば図9に示すように、「グリーン」、「ティール」のような組織構造を識別する情報であってよい。特性タグT23は、例えば、部署などの組織ごとにそれぞれ設定されてもよく、企業ごとに設定されてもよい。特性タグT23は、例えば、組織の管理者によって任意に設定されてもよい。また、特性タグT23は、例えば、管理者に対するアンケートの回答に基づいて設定されてもよい。
【0069】
さらに、特性タグT23は、将来の価値観情報IF2と対応付けられていることが好ましい。具体的には例えば、取得部232は、特性タグT23をキーとして、将来の価値観情報IF2に合致する組織のデータを第3の組織特性情報IF3としてビッグデータIF4から取得する。具体的には、将来の価値観情報IF2が「グリーン組織」である場合において、取得部232は、ビッグデータIF4から「グリーン組織」に対応する特性タグT23「グリーン」を有する組織O001を特定し、組織O001の価値観を示す情報を第3の組織特性情報IF3として取得する。換言すると、取得部232は、第2の組織特性情報IF2に応じて、予め記憶された参照情報IF4から選択された第3の組織特性情報IF3を取得する。
【0070】
続いて、図5のアクティビティA107の評価値の差分の特定方法について説明する。特定部234は、第3の組織特性情報IF3と第1の組織特性情報IF1との差分を算出することにより差分を特定する。具体的には、特定部234は、ビッグデータIF4から取得した第3の組織特性情報IF3と、現在の価値観情報IF1とを突合させ、差分を特定する。このような態様によれば、組織としての特性を評価でき、組織としての特性の差分の把握が可能である。また、現在の組織状態をより精度良く把握することができる。
【0071】
(差分表示画面)
図10は、管理者端末4の表示部44に表示される差分表示画面8の一例を示している。差分表示画面8は、領域81と、領域82と、領域83と、表示ボタン84と、領域85とを含む。
【0072】
好ましくは、領域81は、差分を特定する対象の組織が表示される領域である。図10に示すように、領域81は、組織OR1の会社名と部署名とが表示される。また好ましくは、領域82は、将来の価値観情報IF2が表示される領域である。図10の例では、領域82には、将来の価値観情報IF2として「グリーン組織」が表示される。
【0073】
好ましくは、領域83は、将来の価値観情報IF2と現在の価値観情報IF1との差分を埋めるために必要な人材特性情報IF5が表示される領域である。人材特性情報IF5の特定方法は、後に詳述する。
【0074】
領域85は、将来の価値観情報IF2と現在の価値観情報IF1の差分を表示するための特性比較テーブルT3が表示される領域である。図10に示すように、領域85に表示される特性比較テーブルT3は、評価項目T31、評価値T32、目標評価値T33、差分T34等の情報を含む。前述した通り、本実施形態では、評価項目T31と、図9の組織情報管理テーブルT2における各評価項目と、図7の質問テーブルT1における小分類T13とが対応しているとして説明する。
【0075】
評価値T32は、図5のアクティビティA102で取得した現在の価値観情報IF1に含まれる情報である。表示制御部235は、評価値T32の大小関係を管理者に把握可能な態様で、管理者端末4の表示部44に表示させる。評価値T32は、段階に応じて「低」、「中」及び「高」に分類されてもよい。図10に示すように、評価値T32は、評価項目T31の「チャレンジ精神」及び「変化への適応度」では段階「中」に分類され、評価項目T31の「人間関係」及び「組織との関係性」では段階「高」に分類される。
【0076】
目標評価値T33は、図5のアクティビティA106で取得する、ビッグデータIF4から目標に合致する組織の情報を示す評価値である。目標評価値T33は、第3の組織特性情報IF3に含まれる情報である。例えば、表示制御部235は、目標評価値T33の大小関係を管理者に把握可能な態様で管理者端末4の表示部44に表示させる。また、評価値T32と同様に、目標評価値T33は、段階に応じて「低」、「中」及び「高」に分類されてもよい。図10に示すように、目標評価値T33は、評価項目T31の「チャレンジ精神」、「変化への適応度」、「人間関係」及び「組織との関係性」の何れも段階「高」に分類される。
【0077】
差分T34は、図5のアクティビティA107で特定する、組織OR1の将来の価値観情報IF2と現在の価値観情報IF1との差分を示す情報である。具体的には、差分T34は、評価値T32と目標評価値T33の差分に相当する。差分T34は、段階に応じて「大」、「中」及び「小」に分類されてもよい。図10に示すように、評価項目「チャレンジ精神」では差分T34が大に分類され、評価項目「変化への適応度」は差分T34が中に分類され、評価項目「人間性」及び「組織との関係性」では差分T34が小に分類される。
【0078】
ここで、人材特性情報IF5の特定方法の一例について説明する。特定部234は、まず、将来の価値観情報IF2と現在の価値観情報IF1との差分T34の大きい評価項目T31を特定する。さらに、特定部234は、特定した評価項目T31に対応する特性を、人材特性情報IF5として特定する。図10では、一例として、全ての評価項目T31のうち、差分T34の最も大きい評価項目「チャレンジ精神」が特定される。さらに、評価項目「チャレンジ精神」に対応する特性として、「チャレンジ精神が強い」タイプが人材特性情報IF5として特定される。
【0079】
表示ボタン84は、領域83に表示される人材特性情報IF5に適合する求職者の候補一覧を画面に表示させるためのボタンである。例えば、表示制御部235は、表示ボタン84に対する入力を管理者から受け付けることにより、表示部44に表示する内容を図10の差分表示画面8から図11の求職者表示画面9に遷移させる。
【0080】
(求職者表示画面)
図11は、管理者端末4の表示部44に表示される求職者表示画面9の一例を示している。求職者表示画面9は、図5のアクティビティA112で表示される画面の一例である。求職者表示画面9は、組織名を表示する領域91と、領域92と、領域93と、領域94と、表示ボタン95とを含む。ここで、領域91~領域93は、領域81~83と同じであるため説明を割愛する。
【0081】
領域94は、求職者の中から第2のユーザとして特定された候補者(以下、候補者という)の情報を示す、候補者テーブルT4が表示される領域である。図10に示すように、領域94に表示される候補者テーブルT4は、求職者コードT41、属性T42、性別T43、年齢T44、適合度T45等の情報を含んでよい。このように、表示制御部235は、表示制御ステップとして、特定された第2のユーザの情報の一覧を、第1のユーザが視認可能な態様で表示させる。
【0082】
ここで、好ましくは、一覧において、個人特性情報IF6が人材特性情報IF5と適合度T45の高い順に、第2のユーザの情報が表示される。特定部234は、個人特性情報IF6と人材特性情報IF5を突合させることにより適合度T45を特定する。例えば、取得部232は、図5のアクティビティA109で求職者から受け付けた第3のアンケート回答情報に基づき個人特性情報IF6を取得してもよい。一例として、個人特性の評価項目は、特性比較テーブルT3の評価項目に対応していることが好ましい。また、評価部233は、前述した、第1のアンケートの回答情報から現在の価値観情報IF1を取得した方法と同様の方法で、求職者の個人特性情報IF6を取得してもよい。
【0083】
図11に示すように、求職者表示画面9には、人材特性情報IF5「チャレンジ精神が強いタイプ」に適合する個人特性情報IF6を有する求職者が順に表示される。具体的には、求職者表示画面9には、個人特性情報IF6のうち評価項目「チャレンジ精神」の評価値が高い求職者が順に表示される。このような態様によれば、管理者はより適切な求職者を認識することができる。
【0084】
続いて、表示ボタン95は、領域94に表示される求職者に関する詳細な情報を閲覧するためのボタンである。例えば、表示制御部235は、表示ボタン95に対する入力を受け付けることにより、求職者についてのさらなる詳細情報を表示させることが好ましい。表示ボタン95は、求職者それぞれに対応付けられていてもよい。図11に示すように、表示ボタン95はS0027の求職者コードT41と対応付けられており、表示制御部235は、表示ボタン95に対する入力を受け付けることにより、S0027の求職者コードT41を有する求職者の情報をさらに表示させてもよい。また、表示ボタン95は適合度T45の高い求職者コードT41にのみ対応付けられていてもよい。図11に示すように、S0027の求職者コードT41に該当する求職者と、S0012の求職者コードT41に該当する求職者とにのみ表示ボタン95が対応付けられていてもよい。このような態様によれば、管理者はより適切な求職者について詳細情報を把握することができる。
【0085】
4.変形例
上記情報処理の態様はあくまで一例であり、これに限られない。
【0086】
特性は特に限定されない。例えば、価値観、性格、能力、保有資格、学歴、ストレス耐性、年齢、性別、職種及び役職のうちの少なくとも1以上であればよい。
【0087】
本実施形態では説明の便宜上、第1の組織特性は従業者に対するアンケート回答情報に基づき評価されているが、これに限られない。一態様として、第1の組織特性は、従業者に対するアンケート回答情報と、管理者に対するアンケート回答情報とを突合させることにより評価されてもよい。従業者に対するアンケートの内容と、管理者に対するアンケートの内容は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0088】
本実施形態では、特定した組織の現在の価値観を示す情報と将来の価値観を示す情報との差分の活用先は、求職者の候補提示である例を述べたが、これに限られない。一態様として、特定した差分の活用先は、組織改善のレコメンド提示であってもよい。具体的には、表示制御部235は、能力の差分を埋めるための研修プログラムを従業者に提示してもよい。また、表示制御部235は、価値観の差分を埋めるために組織構築に向けた提言を管理者に提示してもよい。さらに、表示制御部235は、価値観の差分を埋めるために仕事に従事する上でのアドバイスを従業者に提示してもよい。
【0089】
情報処理装置2は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態の情報処理装置2としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上記の機能や処理を提供してもよい。
【0090】
上記実施形態では、情報処理装置2が種々の記憶・制御を行ったが、情報処理装置2に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報やプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。
【0091】
実施形態の別の一態様は、プログラムであってもよい。情報処理プログラムは、少なくとも1つのコンピュータに、情報処理システム1の各ステップを実行させる。
【0092】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0093】
(1)情報処理方法であって、次の各ステップを備え、取得ステップでは、組織の現在の特性を示す第1の組織特性情報と、前記組織の目標とする特性を示す第2の組織特性情報とを取得し、特定ステップでは、前記第1の組織特性情報と前記第2の組織特性情報とに基づいて、前記組織の現在の特性と目標とする特性との差分を特定し、提示ステップでは、前記差分を把握可能な視覚情報と、前記差分を埋めるために必要な人材の特性を示す人材特性情報とを前記組織の求人を行う第1のユーザに提示する、方法。
【0094】
このような態様により、組織が将来目指す姿から逆算した採用活動を実施することができる。
【0095】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法において、前記特定ステップでは、前記人材特性情報に基づいて、前記第1のユーザとは異なる第2のユーザをさらに特定し、前記提示ステップでは、特定された前記第2のユーザの情報を前記第1のユーザに提示する、方法。
【0096】
このような態様により、管理者は、組織が必要とする人材像に当てはまる、具体的な求職者を認識することができる。
【0097】
(3)上記(2)に記載の情報処理方法において、前記第2のユーザには、前記第2のユーザの個人の特性を示す情報である個人特性情報が関連付けられ、前記特定ステップでは、前記人材特性情報に適合する前記個人特性情報を有する前記第2のユーザを特定する、方法。
【0098】
このような態様により、管理者は、組織が必要とする人材像に当てはまる、具体的な求職者の情報を得ることができる。
【0099】
(4)上記(3)に記載の情報処理方法において、さらに、表示制御ステップでは、特定された前記第2のユーザの前記情報の一覧を、前記第1のユーザが視認可能な態様で表示させ、ここで前記一覧において、前記個人特性情報が前記人材特性情報と適合度の高い順に、前記第2のユーザの前記情報が表示される、方法。
【0100】
このような態様により、管理者はより適切な求職者を認識することができる。
【0101】
(5)上記(1)~(4)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記取得ステップでは、前記第1の組織特性情報として、少なくともアンケートの回答情報に基づいて解析された情報を取得し、ここで前記アンケートは、前記組織の従業者から受け付けたアンケートを含む、方法。
【0102】
このような態様により、管理者は、組織が必要とする人材像に当てはまる、具体的な求職者の情報を得ることができる。
【0103】
(6)上記(5)に記載の情報処理方法において、前記回答情報は、前記従業者の仕事に対する価値観と、能力と、性格とのうちの少なくとも何れかに関する情報を含む、方法。
【0104】
このような態様により、現在の組織状態をより精度良く把握することができる。
【0105】
(7)上記(1)~(6)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記取得ステップでは、前記第2の組織特性情報に応じて、予め記憶された参照情報から選択された第3の組織特性情報を取得し、前記特定ステップでは、前記第3の組織特性情報と前記第1の組織特性情報との差分を算出することにより前記差分を特定する、方法。
【0106】
このような態様により、現在の組織状態をより精度良く把握することができる。
【0107】
(8)上記(1)~(7)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記特性は、価値観である、方法。
【0108】
このような態様により、組織が目指す価値観に合う管理者を採用することができる。
【0109】
(9)情報処理システムであって、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、上記(1)~(8)の何れか1つに記載の各ステップを実行するように構成される、もの。
【0110】
このような態様により、組織が将来目指す姿から逆算した採用活動を実施することができる。
【0111】
(10)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)~(8)の何れか1つに記載の各ステップを実行させる、もの。
【0112】
このような態様により、組織が将来目指す姿から逆算した採用活動を実施することができる。
もちろん、この限りではない。
【0113】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0114】
1 :情報処理システム
2 :情報処理装置
3 :従業者端末
4 :管理者端末
5 :求職者端末
6 :第1のアンケート回答画面
7 :第2のアンケート回答画面
8 :差分表示画面
9 :求職者表示画面
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :プロセッサ
231 :受付部
232 :取得部
233 :評価部
234 :特定部
235 :表示制御部
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :プロセッサ
34 :表示部
35 :入力部
40 :通信バス
41 :通信部
42 :記憶部
43 :プロセッサ
44 :表示部
45 :入力部
50 :通信バス
51 :通信部
52 :記憶部
53 :プロセッサ
54 :表示部
55 :入力部
61 :領域
62 :領域
63 :領域
64 :領域
71 :領域
72 :領域
73 :領域
81 :領域
82 :領域
83 :領域
84 :表示ボタン
85 :領域
91 :領域
92 :領域
93 :領域
94 :領域
95 :表示ボタン
610 :回答領域
611 :チェックボックス
612 :チェックボックス
613 :チェックボックス
614 :チェックボックス
620 :回答領域
630 :回答領域
640 :回答領域
710 :回答領域
711 :チェックボックス
712 :チェックボックス
713 :チェックボックス
714 :チェックボックス
715 :チェックボックス
720 :回答領域
721 :チェックボックス
730 :回答領域
IF1 :第1の組織特性情報(現在の価値観情報)
IF2 :第2の組織特性情報(将来の価値観情報)
IF3 :第3の組織特性情報
IF4 :参照情報
IF5 :人材特性情報
IF6 :個人特性情報
OR1 :組織
T1 :質問テーブル
T11 :大分類
T12 :中分類
T13 :小分類
T14 :質問事項
T2 :組織情報管理テーブル
T21 :企業
T22 :組織
T23 :特性タグ
T24 :従業員
T25 :評価値
T3 :特性比較テーブル
T31 :評価項目
T32 :評価値
T33 :目標評価値
T34 :差分
T4 :候補者テーブル
T41 :求職者コード
T42 :属性
T43 :性別
T44 :年齢
T45 :適合度
【要約】
【課題】目標を実現するための組織の構築をいっそう支援することが可能な情報処理方法等を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、次の各ステップを備える。取得ステップでは、組織の現在の特性を示す第1の組織特性情報と、組織の目標とする特性を示す第2の組織特性情報とを取得する。特定ステップでは、第1の組織特性情報と第2の組織特性情報とに基づいて、組織の現在の特性と目標とする特性との差分を特定する。提示ステップでは、差分を把握可能な視覚情報と、差分を埋めるために必要な人材の特性を示す人材特性情報とを組織の求人を行う第1のユーザに提示する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11