(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】箱型発電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240404BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240404BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20240404BHJP
H01M 10/44 20060101ALN20240404BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240404BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
F21S2/00 250
H02J7/35 A
H01M10/44 Q
F21Y115:15
(21)【出願番号】P 2020077773
(22)【出願日】2020-04-24
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】P 2019083421
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】500105207
【氏名又は名称】株式会社アポロ科学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100103805
【氏名又は名称】白崎 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100126516
【氏名又は名称】阿部 綽勝
(74)【代理人】
【識別番号】100132104
【氏名又は名称】勝木 俊晴
(74)【代理人】
【識別番号】100211753
【氏名又は名称】岡崎 紳吾
(72)【発明者】
【氏名】末廣 淳郎
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-320976(JP,A)
【文献】特開2014-225451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
F21S 2/00
H02J 7/35
H01M 10/44
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光照射部を有する照明部と受光部を有する光発電部とそれらを収納する収納箱とよりなり、照明部の下方に光発電部が位置し、照明部の光照射部が光発電部の受光部に対向するように配置され、照明部の光照射部から発する光を光発電部の受光部で受光して発電し
、収納箱は、箱本体と該箱本体から引出し可能な下側載置部を備え、該下側載置部に光発電部が設けられていることを特徴とする箱型発電装置。
【請求項2】
光発電部は、下側載置部を引き出した状態で外部に露出し、下側載置部を押し入れた状態で内部に収納されるものであることを特徴とする請求項
1記載の箱型発電装置。
【請求項3】
収納箱は、箱本体と該箱本体から引出し可能な上側載置部を備え、該上側載置部に照明部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の箱型発電装置。
【請求項4】
上側載置部には切り抜き部が設けられ、該切り抜き部に照明部が嵌め込まれていることを特徴とする請求項
3記載の箱型発電装置。
【請求項5】
前記切り抜き部には、段状の支持鍔部が設けられており、照明部は、該支持鍔部の上に載置されて嵌め込まれるものであること特徴とする請求項
4記載の箱型発電装置。
【請求項6】
収納箱3の箱本体33の天井部331に、直接、照明部1が取り付けられ、光照射部1Aが下方に向くように配置されていることを特徴とする請求項1記載の箱型発電装置。
【請求項7】
照明部又は光発電部において、電気回路の一部に触媒加工が施されていることを特徴とする請求項1記載の箱型発電装置。
【請求項8】
光発電部には、充電器が備わっているものであることを特徴とする請求項1記載の箱型発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、直接に太陽光を使わない発電装置に関し、更に詳しくは、太陽光が遮断された状態でも照明部から発する光によって効率よく発電することができる持ち運び可能な箱型発電装置に関するものである。
【0002】
従来、太陽光を使った大規模な発電装置が種々提供されている。
一方では、家電器具等を作動させるに足るだけの小規模な発電装置(器具)も提供されている。
例えば、特許文献1、特許文献3には、トランク型の可搬型太陽光発電装置で、本体部にヒンジ部にて開閉可能にしたものが記載されている。
また、例えば、特許文献2には、主照明用ランプと太陽電池モジュールと、太陽電池モジュールからの電力を蓄える蓄電池が設けられた照明器具が記載されている。
【0003】
このように種々の小規模な発電装置が開発し提供されているが、これらはあくまでも、主として、自然の太陽光を利用するもので、太陽光の影響を受けない真っ黒な闇の中で機能するものではない。
ところで、太陽光の届かない環境の中で、しかも人工の照明光を使って充電する必要がある場合が生じる。
【0004】
例えば、夜間に充電器に充電しておきたい場合などがその例である。
充電された電力は必要な時に使うことができる。
このようなことから、太陽光の及ばない範囲の環境においては、例えば、室内用照明灯による人工の光を使って発電する発電装置が開発されている。
しかし、通常、室内の照明灯では、光自体の強さが弱いので、それを利用して発電する場合は、発電力として太陽光に較べて大きく劣るものとなる。
【0005】
すなわち、照明灯は、通常、広い空間を照らすように機能させるため、床より一定距離上方に配置されている。
そのため発電装置が、電源である照明灯から遠くなる程、急激に照度が落ちて発電力は小さくならざるをえない。
【0006】
例えば、発電装置が室内の床に置かれた状態では、上方にある照明灯から発する光を利用した発電力は小さく発電効率が悪い。原理的に、照明灯が天井に近い位置にあるため照度が離れた距離の二乗の係数で小さくなるためである。
【0007】
以上述べたように、照明具の照明光を利用した小規模な発電装置が種々開発されてはいるが、太陽光が及ばない状態において、照明光だけで効率よく発電できる装置は未だ提供されていない。
すなわち、太陽光が及ばない状態(環境)において、しかも室内の照明灯から下方に離れた床等に置いた状態(環境)でも、効率よく機能する室内用発電装置は提供されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平9-147923号公報
【文献】特開平11-126506号公報
【文献】特開2002-238183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる実状を背景になされたものである。
すなわち、本発明の目的は、太陽光が及ばない状態(環境)において、しかも室内の照明灯から下方に離れた床等に置いた状態で、効率よく機能する室内用の箱型発電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かくして、本発明者は、このような課題背景に対して、鋭意研究を重ねた結果、照明灯の光照射面と発電装置の受光部を極力接近させて配置することにより、光を効率よく利用できる点を見出し、従来の問題点を解決できることを見出し、この知見に基づいて本発明存する。
【0011】
即ち、本発明は、(1)、光照射部1Aを有する照明部1と受光部2Aを有する光発電部2とそれらを収納する収納箱3とよりなり、照明部1の下方に光発電部2が位置し、照明部1の光照射部1Aが光発電部2の受光部2Aに対向するように配置され、照明部1の光照射部1Aから発する光を光発電部2の受光部2Aで受光して発電し、収納箱3は、箱本体33と該箱本体33から引出し可能な下側載置部32を備え、該下側載置部32に光発電部2が設けられている箱型発電装置Aに存する。
【0013】
本発明は、(2)、光発電部2は、下側載置部32を引き出した状態で外部に露出し、下側載置部32を押し入れた状態で内部に収納されるものである上記(1)記載の箱型発電装置Aに存する。
【0014】
本発明は、(3)、収納箱3は、箱本体33と該箱本体33から引出し可能な上側載置部31を備え、該上側載置部31に照明部1が設けられている上記(1)記載の箱型発電装置Aに存する。
【0015】
本発明は、(4)、上側載置部31には切り抜き部Sが設けられ、該切り抜き部Sに照明部1が嵌め込まれている上記(3)記載の箱型発電装置Aに存する。
【0016】
本発明は、(5)、前切り抜き部Sには、段状の支持鍔部Lが設けられており、照明部1は、該支持鍔部Lの上に載置されて嵌め込まれるものである上記(4)記載の箱型発電装置Aに存する。
【0017】
本発明は、(6)、収納箱3の箱本体33の天井部331に、直接、照明部1が取り付けられ、光照射部1Aが下方に向くように配置されている上記(1)記載の箱型発電装置Aに存する。
【0018】
本発明は、(7)、照明部1又は光発電部2において、電気回路の一部に触媒加工が施されている上記(1)記載の箱型発電装置Aに存する。
【0019】
本発明は、(8)、光発電部2には、充電器が備わっているものである上記(1)記載の箱型発電装置Aに存する。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、1)本発明の箱形発電装置は、光照射部1Aを有する照明部1(電流→光)と受光部2Aを有する光発電部2(光→電力)とそれらを収納する収納箱30とよりなり、照明部1の下方に光発電部2が位置し、照明部1の光照射部1Aが光発電部2の受光部2Aに対向するように配置され、照明部1の光照射部1Aから発する光を光発電部2の受光部2Aで受光して発電するので、効率よく発電することができる。また照明部1や光発電部2が収納箱3に収納状態で保管できるため破損等が回避され、また持ち運びが容易に行える。
【0021】
2)収納箱3は、箱本体33と該箱本体33から引出し可能な下側載置部32を備え、該下側載置部32に光発電部2が設けられているので、下側載置部32を引き出して光発電部2を、新しいものと容易に交換することができる。
【0022】
3)光発電部2は、下側載置部32を引き出した状態で外部に露出し、下側載置部32を押し入れた状態で内部に収納されるものなので、太陽光を受光して発電することも可能である。
【0023】
4)収納箱3は、箱本体33と該箱本体33から引出し可能な上側載置部31を備え、該上側載置部31に照明部1が設けられているので、上側載置部31を引き出して照明部1を、新しいものと容易に、交換することができる。
【0024】
5)上側載置部31には切り抜き部Sが設けられ、該切り抜き部Sに照明部1が嵌め込まれているので、照明部1の光照射部1Aから発する光をこの切り抜き部Sを通して下方に配置された光発電部2に照射することができる。
【0025】
6)切り抜き部311には、段状の支持鍔部Lが設けられており、照明部1は、該支持鍔部Lの上に載置されて嵌め込まれるものであるので、支持鍔部Lに載置した状態で段差に嵌め込み安定した状態に保持できる。
【0026】
7)収納箱3の箱本体33の天井部331に、直接、照明部1が取り付けられ、光照射部1Aが下方に向くように配置されているので、照明部1の光照射部1Aから発する光を下方に配置された光発電部2に照射することができる。
【0027】
8)照明部1又は光発電部2において、電気回路の一部に触媒加工が施されているので、発電の効率化が促進される。
【0028】
9)光発電部2には、充電器が備わっているので、発電された電力を蓄電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明の箱型発電装置の斜視図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の箱型発電装置の上側載置部を一部引き出した状態を示す斜視図(照明部が設けられていない状態)である。
【
図3】
図3は、本発明の箱型発電装置の下側載置部を一部引き出した状態を示す斜視図(光発電部が設けられていない状態)である。
【
図4】
図4は、本発明の箱型発電装置の上側載置部を示す平面図である。
【
図5】
図5は、
図4の上側載置部の上に照明部を載置した状態を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の箱型発電装置の下側載置部を示す平面図である。
【
図7】
図7は、
図6の下側載置部の上に光発電部を載置した状態を示す図である。
【
図8】
図8は、上側載置部、下側載置部の相互の配置関係を説明する概略図である。
【
図9】
図9は、上側載置部、照明部、下側載置部、及び光発電部の相互の配置関係を説明する概略図である。
【
図10】
図10は、本発明の箱型発電装置の照明部における光照射部を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の箱型発電装置の照明部における光照射部の反対側を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、本発明の箱型発電装置の光発電部における受光部を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、本発明の箱型発電装置の光発電部における受光部の反対側を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、その触媒加工を施した部分を示す図であり、(A)は、照明部の光照射部に触媒加工を施した例、(B)は、照明部のコントローラに触媒加工を施した例、(C)は、照明部の接続端子に触媒加を施した例をそれぞれ説明する図である。
【
図15】
図15は、第2の実施の形態の箱型発電装置の斜視図を示す。
【
図16】
図16は、箱本体の天井部に、照明部が取り付けられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における箱型発電装置を図面に基づいて説明する。
(第1実施の形態)
【0031】
図1は、本発明の箱型発電装置Aの斜視図(外観図)を示す。
また、
図2は、本発明の箱型発電装置Aの上側載置部31を一部引き出した状態を示す斜視図(照明部1が設けられていない状態)であり、
図3は、本発明の箱型発電装置Aの下側載置部32を一部引き出した状態を示す斜視図(光発電部2が設けられていない
状態)である。
【0032】
本発明の箱型発電装置Aは、図に示すように、直方体で上下に二つの引き出し部を有し、中に収納された照明部1と光発電部2の協働作用により発電が行われる。
詳しくは、箱型発電装置Aは、光照射部1Aを有する照明部1(電流→光)と受光部2Aを有する光発電部2とそれらを収納する収納箱3とよりなる。
そして、収納箱3に収納された状態では、照明部1の下方に光発電部2が位置し、照明部1から発せられた光によって光発電部2で発電が行われる。
【0033】
この実施の形態では、収納箱3は、直方体状に形成されており、箱本体33と上方視で矩形状の引出し部を備えている。
すなわち、収納箱3は、上側載置部31を備えており、該箱本体33から引出すことが可能となっている。
【0034】
更に収納箱3は、上側載置部31より下方に位置する下側載置部32を備えており、同様に箱本体33から引出すことが可能となっている。
これらの二つの引出し部は上下に間隔をおいて互いに平行に配置されている。
各引出し部は箱本体33に設けられた図示しないレールに沿ってその上をスライドすることができる。
そして、上側載置部31には照明部1が設けられ、また下側載置部32には、光発電部2が設けられ、照明部1の光照射部1A側が光発電部2の受光部2A側に対向するように配置されている。
【0035】
本発明の箱型発電装置Aは、人が持ち運び可能なように、収納箱3を構成する材質として例えば、木製或いはプラスチック製で比較的軽量なものが採用される。
また、大きさも、例えば幅25cm、奥行き35cm、及び高さ15cmのものが採用され、そのため持ち運びに便利である。
尤もこのようなものに限られるものではない。
【0036】
図4は、本発明の箱型発電装置の上側載置部31を示す平面図であり、
図5は、図の上側載置部31の上に照明部1を載置した状態を示す。
因みに、この
図5の上側載置部31の照明部1の裏側が光照射部1Aである。
【0037】
また、
図6は、本発明の箱型発電装置Aの下側載置部32を示す平面図であり、
図7は、
図6の下側載置部32の上に光発電部2を載置した状態を示す。
照明部1は通電することにより光照射部1Aから光を発し、その下方に位置する光発電部2は受光部2Aでその光照射部1Aから発する光を受けて発電する。
【0038】
図8は、上側載置部31、下側載置部32の相互の配置関係を説明する概略図であり、
図9は、上側載置部31、照明部1、下側載置部32、及び光発電部2の相互の配置関係を説明する概略図である。
【0039】
照明部1の光照射部1A(下側)が光発電部2の受光部2A(上側)に対向した配置関係となっており、光照射部1Aから発せられた光が切り抜き部Sを通して下方に配置された受光部2Aに到達する。
このように上側載置部31に切り抜き部Sが形成されているため、上側載置部31に設けられた照明部1から発せられる光が下方に照らされ、光発電部2はそれを受けて発電することができる。
【0040】
また、切り抜き部Sには、その内周縁には照明部1に対応した形で段差状の支持鍔部Lが形成されており、この支持鍔部Lの上に照明部1がそのまま載置される。
そして載置された状態では、照明部1が段差状の支持鍔部Lに嵌め込まれた状態となる。
このように、照明部1は、単に載置されて配置されて嵌め込まれているだけなので、上側載置部31からそれを取り外す場合には、当該上側載置部31を引き出した状態にして、そのまま照明部1を引き上げる(換言すると持ち上げる)だけでよい。
そのため照明部1を取り出して修理する場合や交換する場合も、極めて簡単である。
【0041】
照明部1及び光発電部2は、それぞれ平板状に形成され、上述したように、上側載置部31においては、照明部1の光照射部1A側が下方に向くように配置され、下側載置部32においては、発電部の受光部2A側が上側に向くように配置されている。
これら上側載置部31と下側載置部32は、それぞれ収納箱3の箱本体33に設けられた前述した図示しないレールに沿ってその上をスライドすることにより、収納箱30の内部に押し入れて収納状態にしたり、或いは収納箱3から引き出して外部に露出状態にすることが自由に可能である。
【0042】
また、上側載置部31や下側載置部32には、押し入れたり或いは引き出したりし易いように、前部に手で摘まめる図の様な取っ手を設けることが好ましい。
ところで、光発電部2は、太陽光を利用して発電することも可能である。
この場合、上側載置部31は収納状態とし、他方の下側載置部32は、引き出した状態にする。
このような状態では、上側載置部31が下側載置部32の上方を覆うことがないため、下側載置部32に設けられた発電部の受光部2Aには、太陽光が照射され発電される。
本来、本発明の発電装置は、太陽光の届かないところで使用されるところに利点があるが、上述のような使い方であれば、太陽光による発電をも行うことができる。
【0043】
ここで本願発明の照明部1について更に述べる。
図10は、本発明の箱型発電装置Aの照明部1における光照射部1Aを示す斜視図であり、
図11は、本発明の箱型発電装置Aの照明部1における光照射部1Aの反対側を示す斜視図である。
この照明部1は、直方体の収納箱3に対応するように矩形で平板状に形成されており、下側は光照射部1Aとなっている。
【0044】
この光照射部1Aには、例えば有機EL発光素子が多数配設されており、これらが配線を介して制御部であるコントローラ11に連結され、またプラグ(二相接続式)の接続端子Tを介して最終的には図示しない商用100V電源のコンセントに接続される。
このコントローラ11には、AC-DCコンバータ、明るさ調整装置が設けられており、調整用摘まみを動かすことにより、点灯、消灯、照度等を調整することができるもので公知のものが採用される。
【0045】
ところで照明部1において、回路の一部に触媒加工が施されていることが好ましい。 この触媒加工は、エネルギー効率を高めるものであり、本発明者の特許文献(特許第6366131号、特許第6009835号)に開示されているので、ここで詳しくは述べない。
概略的には、触媒加工部は電気回路の一部に波動エネルギー触媒塗料を塗装処理することで得られる。
この波動エネルギー触媒塗料は、合成樹脂に無機質粉末を加えたものであり、無機質粉末としては、トルマリン粉末、蛇紋石粉末,貴宝石粉末、アモルファス粉末、チタン粉末、ラピスラズリー粉末から選ばれた1つ以上を含む粉末が採用されている。
【0046】
図14は、その触媒加工を施した部分を示す図であり、(A)は、照明部1の光照射部1Aに触媒加工を施した例、(B)は、照明部1のコントローラ11に触媒加工を施した例、(C)は、照明部1の接続端子Tに触媒加工を施した例を説明する図である。
例えば、コントローラ11では基板の一部に触媒加工の処理を行えばよい。
この触媒加工については、上述した本発明者の特許にその具体的な処理態様が開示されており、本発明でもこのような手法が採用される。
【0047】
〔発電部〕
ここで本願発明の光発電部2について更に述べる。
図12は、本発明の箱型発電装置Aの光発電部2における受光部2Aを示す斜視図であり、
図13は、本発明の箱型発電装置Aの光発電部2における受光部2Aの反対側(裏側)を示す斜視図である。
【0048】
この光発電部2は、直方体の収納箱30に対応するように平板で矩形状に形成されており、発電原理としてはソーラーパネル体を使った公知のものが採用される。
この光発電部2は、図示しないソーラーパネル体とそれに配線された電極の端子を備える。
詳しくは、ソーラーパネル体はソーラーパネルモジュールが平板状の枠体に複数枚直列に結合されているものである。
このソーラーパネルモジュールは、光エネルギーを電気エネルギーに変える媒体の部分であり変換素子を備えている。
【0049】
また、ソーラーパネル体にはコントローラ部が備わっており、また該コントローラ21から一定長さ引き出した2本の配線コードと、該各配線コードの先に設けた電極の各端子
Tとを備える。
コントローラ21には、図示しない交流に変換するためのインバータや直流又は交流に切り替えるための切り替えスイッチ等が備わっている。
【0050】
また、発電部2に、充電部を備えることにより、発電された電力を蓄電させることも可能である。
その場合、前記の接続端子Tを図示しない充電部に接続すればよい。
ところで光発電部2において、回路の一部に触媒加工を施すことができるが、この点については、前述の照明部1の触媒加工と同様で、電気回路の一部に波動エネルギー触媒塗料を塗装処理することで得られる。
【0051】
(第2実施の形態)
この実施の形態は、第1の実施の形態と異なって、上側載置部31が外に引き出すことができない構造の箱型発電装置Aである。
図15は、第2の実施の形態の箱型発電装置Aの斜視図を示す。
収納箱3には、照明部1、光照射部1A、下側載置部32、及び光発電部2が収納されている。
【0052】
この実施の形態では、第1の実施の形態において照明部1を保持しておける部分である上側載置部31に相当する部分はない。
すなわち、第1の実施の形態における上側載置部31に相当する役割は、収納箱3の箱本体33の天井部331が直接兼ねている。
このように箱本体33の天井部331に照明部1が取り付けられて保持されており、その場合、光照射部1Aが下方に向くように配置される。
尚、照明部1は天井部331に固定具Nを介して取り付けられており、取り外しが可能である。
【0053】
図16は、箱本体33の天井部331に、照明部1が取り付けられた状態を示す図である。
即ち、照明部1が取り付けられた天井部331を下方から見た状態であり、基板、配線等は鎖線で示す。
従って、光照射部1Aから発せられた光は、下方に配置されている光発電部2の受光部2Aで受光される。
【0054】
光照射部1Aからの光の明るさ(強さ)は、箱本体33の前面上部に設けられた調整摘みP1により調整され、また点灯、消灯の切り替えはON―OFFスイッチP2にて行われる。
尚、これら調整摘みやスイッチは照明部1の基板や配線に接続されているが、図示は略した。
また、天井部自体は、図示しないネジ等の固定具により箱本体33から取り外し可能に取り付けられている。
【0055】
一方、下側載置部32は、この実施の形態の場合も、第1の実施の形態のように、収納箱3に収納された状態から、簡単に引き出すことができる。
これによって、光発電部2の受光部2Aが外部に露出するため、引き出した状態では、太陽光等による発電が可能である。
すなわち、本発明の箱型発電装置Aは、人が持ち上げて移動可能な重量であるので、例えば、太陽光の当たる場所に移動することが容易であり、その状態において、太陽光による発電が可能となる。
【0056】
下側載置部32を引き出した状態では、光発電部2の受光部2Aに太陽光が当り、発電が行われるが、下側載置部32の引き出す度合により、太陽光を受光する量が異なるので、発電量を変更することができる別の利点がある。
その場合は、天井部331に取り付けられた照明部1は、機能させる必要はないので、ON/OFFスイッチをOFFにしておく。
【0057】
〔発電工程〕
本発明の箱型発電装置を使う場合、次のような工程を得て発電される。
1)照明部1に通電する。
2)照明部1の光照射面から下方に光が発散される。
3)光発電部2の受光部2Aで照明部1の光照射面から発する光を受光する。
4)受光部2Aから受光した光によって、光発電部2で発電が行われる。
5)発電した電力は、端子から他の装置(例えば、家庭用器具)に連結されて利用される。
光発電部2が充電器を備えている場合は、その電力を蓄えておくことができる。
【0058】
以上、説明したように、本発明の箱型発電装置Aは、太陽光が全く当たらない状態で発電が可能で、太陽光のない環境でも照明部1からの光を使って効率よく発電できるもので極めて有用である。
因みに、床面から高い離れた位置にある天井灯ではなく、光発電部に近い位置にある照明部の光によって発電されるので、効率が良い。
【0059】
また、照明部1や光発電部2が収納箱3に収納状態で保管できるため、それらの破損等が回避される。
また、照明部1や光発電部2を新しいものに変える場合には、上側載置部31を引出したり(第1の実施の形態の場合)、下側載置部32を引き出したりすることで、収納箱3から取り出すことができ容易に交換が可能である。
【0060】
また、照明部1の光照射部1Aと光発電部2の受光部2Aとが接近しているため、より効率よく光を電力に変換できる。
また、本発明の箱型発電装置Aは、本来、太陽光を必要としないものであるが、下側載置部32のみを引き出して光発電部2を外部に露出させることによって、太陽光を利用して発電することも可能となる。
【0061】
以上、本発明を説明したが、本発明の箱型発電装置Aは、上述した実施の形態に限られるものではなく、その目的に則したものであれば種々の変形が可能である。
【0062】
例えば、第1の実施の形態において、光発電部2は下側載置部32に固定することも可能であり、また照明部1は上側載置部31に固定することも可能である。
このように固定することで、箱型発電装置Aを例えば上下逆にしても支障はない。
第1の実施の形態では、上側載置部が引出し可能となっているが、引出せないように固定構造とすることも可能である。
また、第2の実施の形態における照明部のON/OFFスイッチは、第1の実施の形態のように、外へ引き出したコントローラに備えつけるようにすることも可能である。
また、照明部1としては、原理的に有機EL発光素子を使ったものを挙げたが、通常の白熱灯や蛍光灯を使うことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
光照射部1Aを有する照明部1と受光部2Aを有する光発電部2とそれらを収納する収納箱3とよりなり、照明部1の下方に光発電部2が位置し、照明部1の光照射部1Aが下光発電部2の受光部2Aに対向するように配置され、照明部1の光照射部1Aから発する光を光発電部2の受光部2Aで受光して発電するものである。
太陽光が全く当たらない状態で発電が可能であり、箱本体内の照明光によって効率よく発電ができる。
この原理は、家庭用以外に業務用としても利用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1…照明部
1A…光照射部
11…コントローラ
2…光発電部
2A…受光部
21…コントローラ
3…収納箱
31…上側載置部
32…下側載置部
33…箱本体
331…天井板
A…箱型発電装置
G…取っ手
L…支持鍔部
N…固定具
P1…調整摘み
P2…ON―OFFスイッチ
S…切り抜き部
T…接続端子