IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社サン・エンジニアの特許一覧 ▶ 株式会社サンワールドの特許一覧

<>
  • 特許-ミキシングバケット 図1
  • 特許-ミキシングバケット 図2
  • 特許-ミキシングバケット 図3
  • 特許-ミキシングバケット 図4
  • 特許-ミキシングバケット 図5
  • 特許-ミキシングバケット 図6
  • 特許-ミキシングバケット 図7
  • 特許-ミキシングバケット 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】ミキシングバケット
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/40 20060101AFI20240404BHJP
   E02D 3/12 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
E02F3/40 B
E02D3/12 102
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023091689
(22)【出願日】2023-06-02
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】519335440
【氏名又は名称】株式会社サン・エンジニア
(73)【特許権者】
【識別番号】514142968
【氏名又は名称】株式会社サンワールド
(74)【代理人】
【識別番号】100078695
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 司
(72)【発明者】
【氏名】松本 洋
(72)【発明者】
【氏名】角田 和明
(72)【発明者】
【氏名】小林 眞
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2022/0297073(US,A1)
【文献】特公平07-111063(JP,B2)
【文献】特開平08-269942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 3/12
E02F 3/00-3/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショベル系の土木建設機械のアームの先端に取り付けられたバケットケーシングと、このバケットケーシングの内部に軸支された撹拌体と、この撹拌体を回転する駆動部とを備えたミキシングバケットにおいて、撹拌体はシャフトに攪拌羽根を適宜間隔で並列に設けたものであり、撹拌体を回転する駆動部は油圧モータと小スプロケット、チェーン、大スプロケットからなり、この油圧モータはシャフト上方に位置するとともに、油圧モータでフリーホイールを回転駆動して起震させる油圧バイブロを油圧モータに横並びで設け、改良材用グラウトホースを油圧モータと油圧バイブロの間に配設し、その噴射ノズルを撹拌体上方に臨ませたことを特徴とするミキシングバケット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショベル系の土木建設機械のアームの先端に取り付けられるミキシングバケットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば土木工事において、現場の地盤が軟弱である場合には、土の表面にグラウト材を散布し、これらを現場で掘削して撹拌した後、埋め戻すという埋め戻しの技術が開発されている。
【0003】
これらの作業には、ショベル系の土木建設機械が用いられる場合がある。一般的に、このような土木建設機械には、アームの先端に、撹拌機能を備えたミキシングバケットが取り付けられている。
【0004】
下記特許文献にはミキシングバケットが示されており、アームの先端に取り付けられるバケットケーシングと、このバケットケーシング内に軸支されて、しかも回転軸の外周面に撹拌羽根が植設された撹拌体と、この撹拌体を回転する駆動部とを備えている。
【文献】特公平7-111063号公報
【文献】特許第3512338号公報
【0005】
なお、前記特許文献1の場合は、回転体の駆動源である油圧モータとは別に、プーリおよびベルト、または、スプロケットおよび無端チェーン、さらにこれらを水密的に外方から覆うケーシングなどを具備する動力伝達系が取り付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のショベルと組み合わせたミキシングバケットは、格子状のバケットに油圧モーターにより回転する攪拌体を設け、バケット内に取り込んだ土砂に改良材を混ぜて地盤改良を行っている。
【0007】
例えば土木工事において、現場の地盤が軟弱である場合には、土の表面にセメントや石灰を混合して作製された固化材(改良材)を散布し、これらを現場で掘削して撹拌した後、埋め戻すという埋め戻しの技術が開発されていて、これらの作業には前記ミキシングバケットが使用されるが攪拌体の回転攪拌だけでは土砂と改良材の混ざりが不十分となっている。
【0008】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、ショベル系の土木建設機械のアームの先端に取り付けられたバケットケーシングと、このバケットケーシングの内部に軸支された撹拌体と、この撹拌体を回転する駆動部とを備えたミキシングバケットにおいて、土砂と改良材の混合を進めることができるミキシングバケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、ショベル系の土木建設機械のアームの先端に取り付けられたバケットケーシングと、このバケットケーシングの内部に軸支された撹拌体と、この撹拌体を回転する駆動部とを備えたミキシングバケットにおいて、撹拌体はシャフトに攪拌羽根を適宜間隔で並列に設けたものであり、撹拌体を回転する駆動部は油圧モータと小スプロケット、チェーン、大スプロケットからなり、この油圧モータはシャフト上方に位置するとともに、油圧モータでフリーホイールを回転駆動して起震させる油圧バイブロを油圧モータに横並びで設け、改良材用グラウトホースを油圧モータと油圧バイブロの間に配設し、その噴射ノズルを撹拌体上方に臨ませたことを要旨とするものである。
【0010】
請求項1記載の本発明によれば、撹拌体による撹拌体とともの同時にバイブロを起動させて、土砂と改良材の混合を進めることができる。
【0011】
撹拌体の回転軸がバケットケーシングの両側板間に横架された横型の撹拌体であり、油圧モータの出力軸と回転軸とを連結する動力伝達系を側方に収めることができるとともに油圧モータはシャフト上方に位置させることで油圧モータをバケットケーシング内に収納してもバケットの内容積が小さくなることを防止できる。
【0012】
さらに、油圧バイブロは油圧モータに横並びで設けたことで油圧バイブロの振動をバケットケーシング全体に効率良く伝えることができ、場所を取らないで油圧バイブロを設けることができる。
【0013】
また、格子状のバケットケーシングに設けた油圧モータ、スプロケット、チェーンにより撹拌体の攪拌羽根を回転させ、取り込んだ砂に改良材用グラウトホースを介して改良材を投入し攪拌を行い、この時同時に油圧バイブロを起動させて、土砂と改良材の混合を進めることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上述べたように本発明のミキシングバケットは、ショベル系の土木建設機械のアームの先端に取り付けられたバケットケーシングと、このバケットケーシングの内部に軸支された撹拌体と、この撹拌体を回転する駆動部とを備えたミキシングバケットにおいて、振動を与えることで土砂と改良材の混合を進めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のミキシングバケットの1実施形態を示す正面図である。
図2】本発明のミキシングバケットの1実施形態を示す左側面図である。
図3】本発明のミキシングバケットの1実施形態を示す右側面図である。
図4】本発明のミキシングバケットの1実施形態を示す背面図である。
図5】本発明のミキシングバケットの1実施形態を示す平面図である。
図6図1のB線矢視図である。
図7図1のC線矢視図である。
図8図1のA線矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明のミキシングバケットの1実施形態を示す正面図で、ミキシングバケット1は、油圧ショベルのブームの先端部に軸支されたアームの先端に取り付けられて使用されるもので、図中2はバケットケーシングとしてのバケットケーシング、3はこのバケットケーシング2の上部に形成した各2個の軸受を有する2枚のショベルセットブラケットである。
【0017】
バケットケーシング2は格子状のフレームと面板からなり、ショベルセットブラケット3はバケットケーシング2を取付けるベースマシン、例えば土木工事に最もよく使用される掘削機械(バックホー)に取付けられ、リンク機構に接続されるリンク軸受孔を有する。
【0018】
バケットケーシング2内に撹拌体4を軸支する。撹拌体4はシャフト4aに捻りを加えてなる攪拌羽根4bを適宜間隔で並列に設けたものである。
【0019】
軸支された撹拌体4はこの撹拌体4を回転する駆動部の一例である油圧モータ5と小スプロケット6、チェーン7、大スプロケット8を介してシャフト4aに連結する。図中11はこれら小スプロケット6、チェーン7、大スプロケット8を覆うチェーンカバーである。
【0020】
前記油圧モータ5は撹拌体4のシャフト4aの上方に位置させた。
【0021】
本発明は前記バケットケーシング2に油圧モータ12aでフリーホイール12bを回転駆動して起震させる油圧バイブロ12を設ける。
【0022】
前記油圧バイブロ12は前記撹拌体4を回転する駆動部の一例である油圧モータ5に横並びで設けるもので、油圧モータ5への油圧配管は一部分岐してこの油圧バイブロ12の油圧モータ12aに接続した。
【0023】
改良材用グラウトホース13を前記油圧モータ5と油圧バイブロ12の間に配設し、その噴射ノズル13aを撹拌体4の上方中央部に臨ませた。
【0024】
バケットケーシング2の開口先端にはシース板9および爪10を設けている。
【0025】
次に、このミキシングバケット1を適用した油圧ショベルによる現場の地盤の土質改良工事を説明する。
【0026】
油圧モータ5により撹拌体4を所定方向に、例えば30~180rpmの回転速度で回転させる。
【0027】
次に、油圧ショベルを走行装置によりこの現場まで移動し、その後、旋回体を水平旋回させたり、ブームおよびアームを回動させたりすることで、アームの先端にリンク連結されたミキシングバケット1により地盤を掘削する。
【0028】
掘削された土は、回転中の撹拌体4の各撹拌羽根4bにより撹拌され、改良材用グラウトホース13を前記油圧モータ5と油圧バイブロ12の間に配設し、その噴射ノズル13aから噴射される改良材と攪拌されるが同時に同時にバイブロ12を起動させてバケットケーシング2全体に振動を与えることで、土砂と改良材の混合を進めることができる。
【0029】
そして、その撹拌物が、ミキシングバケット1の排出口から排出され、そのまま改質土として、地盤上に落下して戻される。
【0030】
なお、改良材は配合比率によって計算された量が、予め地表に散布されてあり、これを土砂とともにミキシングバケット1ですくい上げて攪拌することを加えることもできる。
【符号の説明】
【0031】
1…ミキシングバケット 2…バケットケーシング
3…ショベルセットブラケット 4…撹拌体
4a…シャフト 4b…攪拌羽根
5…油圧モータ 6…小スプロケット
7…チェーン 8…大スプロケット
9…シース板 10…爪
11…チェーンカバー 12…油圧バイブロ
12a…油圧モータ 12b…フリーホイール
13…改良材用グラウトホース 13a…噴射ノズル
【要約】
【課題】ショベル系の土木建設機械のアームの先端に取り付けられたバケットケーシングと、このバケットケーシングの内部に軸支された撹拌体と、この撹拌体を回転する駆動部とを備えたミキシングバケットにおいて、土砂と改良材の混合を進めることができるミキシングバケットを提供する。
【解決手段】ショベル系の土木建設機械のアームの先端に取り付けられたバケットケーシング2と、このバケットケーシング2の内部に軸支された撹拌体4と、この撹拌体4を回転する駆動部とを備えたミキシングバケット1において、前記バケットケーシング2に油圧バイブロ12を設けた。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8