(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】帽子
(51)【国際特許分類】
A42C 5/04 20060101AFI20240404BHJP
A42B 1/008 20210101ALI20240404BHJP
【FI】
A42C5/04 B
A42B1/008 K
(21)【出願番号】P 2020077084
(22)【出願日】2020-04-24
【審査請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】597093115
【氏名又は名称】株式会社シオジリ製帽
(74)【代理人】
【識別番号】100187838
【氏名又は名称】黒住 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205589
【氏名又は名称】日野 和将
(74)【代理人】
【識別番号】100194478
【氏名又は名称】松本 文彦
(72)【発明者】
【氏名】塩尻 英一
【審査官】横山 綾子
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3048795(JP,U)
【文献】特開2007-070739(JP,A)
【文献】登録実用新案第48575(JP,Z1)
【文献】米国特許第5495622(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42C 5/04
A42B 1/008
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の頭部を覆うクラウンと、
クラウンの内側におけるクラウンの下縁に沿った箇所に設けられたビン皮と
を備えた帽子であって、
少なくともクラウンの側方に、クラウンに対してビン皮を固着しない区間(以下「非固着区間」という。)を設けることによって、
非固着区間におけるクラウンとビン皮との隙間が、クラウンの側部でベンチレーションを行う第一通気口として機能するようにし
、
非固着区間において、クラウンの下縁が、ビン皮の下縁よりも高く、ビン皮の上縁よりも低い位置とされ、
ビン皮に沿った帯状のメッシュ生地からなるビン皮被覆材が、非固着区間におけるビン皮の外面側に設けられ、このビン皮被覆材によって、ビン皮の外面が露出しないようにされた
ことを特徴とする帽子。
【請求項2】
クラウンの前部でベンチレーションを行うための第二通気口が、クラウンの前面下部に設けられた請求項
1記載の帽子。
【請求項3】
クラウンの下縁から前方に突出して設けられた前鍔を備え、
前鍔における基端寄りの部分に、前鍔の上下で通気を行うための前鍔通気部が設けられた
請求項1
又は2記載の帽子。
【請求項4】
着用者の顔の側方及び首の後方を覆うタレ部材を備え、
クラウンの内側における第一通気口の近傍に、タレ部材の上縁を取り付けるためのタレ取り付け部が設けられた
請求項1~
3いずれか記載の帽子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンチレーション機能を備えた帽子に関する。
【背景技術】
【0002】
強い日差しを長時間に亘って頭部に浴びると、日射病にかかるおそれがある。このため、日差しの強い日中に野外活動を行う際には、帽子を被ることが推奨されている。しかし、夏の暑い時期に帽子を被ると、頭が蒸れて不快さを感じることも多く、帽子を敬遠する者も多い。特に、撥水加工や防水加工が施された生地でクラウンを形成した帽子は、通気性を確保することが困難であるために、そのような傾向が強い。このような実状に鑑みてか、帽子メーカーは、通気性を向上させるための様々な工夫を帽子に施すようになってきている。
【0003】
例えば、特許文献1の
図2及び
図5には、クラウン110を、遮光素材からなるクラウン表地111と、通気素材からなるクラウン裏地112とで構成し、クラウン表地111の下縁における所定区間Sを、クラウン裏地112に対して縫着せずにふらした状態とし、クラウン表地111の下縁におけるふらした部分の隙間からクラウン表地111とクラウン裏地112との隙間へ外気を導入することができるようにした帽子100が記載されている。この帽子は、クラウン110のベンチレーションを効率的に行うことが可能なものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の帽子は、クラウン110をクラウン表地111とクラウン裏地112との隙間を通じてベンチレーションを行うものであったため、クラウン110を、クラウン表地111とクラウン裏地112とからなる複層構造にする必要があった。このため、クラウン110の縫製に手間がかかるという課題があった。
【0006】
特に、特許文献1の
図4及び
図5に示されるように、クラウン110の下縁に沿ってビン皮130を環状に設ける場合には、クラウン110の縫製が複雑になりやすかった。というのも、クラウン110の下縁全周部においてクラウン表地111とクラウン112とを縫着する一般的な帽子では、ビン皮130があっても、クラウン表地111の下縁とクラウン裏地112の下縁とを縫着する際に、ビン皮130もクラウン110に対して縫着することができるのに対し、クラウン110の下縁に、クラウン表地111とクラウン112とを縫着しない区間(上記の所定区間S)を設ける特許文献1の帽子においては、そのような縫製を行いにくいからである。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、クラウンの縫製を複雑化することなく、優れたベンチレーション機能を発揮することができる帽子を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、
着用者の頭部を覆うクラウンと、
クラウンの内側におけるクラウンの下縁に沿った箇所に設けられたビン皮と
を備えた帽子であって、
少なくともクラウンの側方に、クラウンに対してビン皮を固着しない区間(以下「非固着区間」という。)を設けることによって、
非固着区間におけるクラウンとビン皮との隙間が、クラウンの側部でベンチレーションを行う第一通気口として機能するようにした
ことを特徴とする帽子
を提供することによって解決される。
【0009】
本発明の帽子は、クラウンとビン皮との隙間(第一通気口)を通じて、クラウンのベンチレーションを行うものとなっている。このため、クラウンを、クラウン表地とクラウン裏地とからなる複層構造としなくても、クラウンの下縁に沿った箇所から、クラウンの外側の空気をクラウンの内側に取り込んだり、逆に、クラウンの内側の空気をクラウンの外側に排出したりすることが可能となっている。したがって、クラウンの縫製や、クラウンとビン皮との縫製を、少ない手順で容易に行うことができるにもかかわらず、クラウンのベンチレーションを効率的に行う帽子を得ることができる。
【0010】
本発明の帽子において、非固着区間では、クラウンの下縁とビン皮の下縁とを同じ高さに揃えてもよい。しかし、クラウンとビン皮との隙間(第一通気口)を通じてベンチレーションをより効率的に行うことを考慮すると、非固着区間において、クラウンの下縁を、ビン皮の下縁よりも高い位置とすることが好ましい。これにより、クラウンの外側の空気が第一通気口に取り込まれやすくなるだけでなく、クラウンの内側の空気が第一通気口から排出されやすくすることが可能になる。
【0011】
ただし、クラウンの下縁を、ビン皮の下縁よりも高い位置にすると、ビン皮の外面側が外側に露出するようになる。このため、帽子の見た目が悪くなるおそれがある。このため、上記のように、非固着区間において、クラウンの下縁をビン皮の下縁よりも高い位置にする場合には、ビン皮に沿った帯状のメッシュ生地からなるビン皮被覆材を、非固着区間におけるビン皮の外面側に設けることが好ましい。これにより、ビン皮の外面側が露出しないようにして、帽子の見た目を良くすることが可能になる。また、ビン皮は、着用者の汗を吸い取る部分であるところ、ビン皮被覆材をメッシュ生地で形成したことによって、ビン皮に吸収された水分(汗)をビン皮の外面側から逃し、ビン皮が乾きやすくすることも可能になる。
【0012】
本発明の帽子においては、クラウンの前部でベンチレーションを行うための第二通気口を、クラウンの前面下部に設けることも好ましい。これにより、クラウンの側部に設けられた第一通気口に加えて、クラウンの前部に設けられた第二通気口を通じてもクラウンのベンチレーションを行うことが可能になる。したがって、クラウンのベンチレーションをさらに効率的に行うことが可能になる。
【0013】
ところで、帽子には、クラウンの下縁から前方に突出する前鍔が設けられることも多い。この前鍔を設けた場合には、上記のように、クラウンの前部に第二通気口を設けても、第二通気口に取り込むことができるのは、前鍔の上側にある空気だけになる(前鍔の下側にある空気は、前鍔が邪魔をするため、第二通気口に取り込まれにくい。)。このため、第二通気口により奏されるベンチレーション効果が限定的になる。
【0014】
したがって、本発明の帽子を、クラウンの下縁から前方に突出する前鍔を備えたものとする場合には、前鍔における基端寄りの部分に、前鍔の上下で通気を行うための前鍔通気部を設けることが好ましい。これにより、前鍔の下側にある空気を、前鍔通気部を通じて前鍔の上側に透過させ、第二通気口に取り込ませることが可能になる。
【0015】
また、本発明の帽子は、着用者の顔の側方及び首の後方を覆うタレ部材を備えたものとすることも好ましい。これにより、着用者の頭部や顔のより広い範囲を日光から保護することが可能になる。このように、タレ部材を設ける場合には、タレ部材を着脱可能な構造とすることが好ましい。具体的には、クラウンの内側における第一通気口の近傍に、タレ部材の上縁を取り付けるためのタレ取り付け部を設けることが好ましい。これにより、タレ部材を自然な状態で見栄え良く取り付けることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によって、クラウンの縫製を複雑化することなく、優れたベンチレーション機能を発揮することができる帽子を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】第一実施態様の帽子を下側から見た状態を示した底面図である。
【
図3】第一実施態様の帽子におけるクラウンを前後方向に垂直な平面で切断した状態を示した断面図である。
【
図4】第一実施態様の帽子における第二通気口の周辺を拡大して示した斜視図である。
【
図5】第一実施態様の帽子におけるクラウンの前面部及び前鍔を、左右方向に垂直な平面で切断した状態を示した断面図である。
【
図7】第二実施態様の帽子におけるクラウンを前後方向に垂直な平面で切断した状態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の帽子の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、2つの実施態様(第一実施態様及び第二実施態様)を例に挙げて本発明の帽子を説明する。しかし、本発明の帽子の技術的範囲は、これらの実施態様に限定されない。本発明の帽子には、発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更を施すことができる。
【0019】
1.第一実施態様の帽子
まず、第一実施態様の帽子について説明する。
図1~5は、第一実施態様の帽子を示した図である。
図1は、帽子全体を示した斜視図である。
図2は、帽子を下側から見た状態を示した底面図である。
図3は、クラウン10を前後方向に垂直な平面で切断した状態を示した断面図である。
図4は、第二通気口βの周辺を拡大して示した斜視図である。
図5は、クラウン10の前面部11,12及び前鍔20を、左右方向に垂直な平面で切断した状態を示した断面図である。
【0020】
第一実施態様の帽子は、
図1に示すように、クラウン10と前鍔20とを備えている。
図2に示すように、クラウン10の内側における、クラウン10の下縁に沿った箇所には、ビン皮30が設けられている。クラウン10は、着用者の頭部を覆うためのものとなっている。前鍔20は、帽子の着用者の目に日光が入らないようにするための部分(庇としての機能を発揮する部分)となっている。ビン皮30は、着用者の頭部の汗を吸い取るため部分となっている。以下、本発明の帽子を構成する各部材について詳しく説明する。
【0021】
1.1 クラウン
クラウン10は、
図1に示すように、半球状を為している。
図2に示すように、クラウン10の後部には、切込部10aを設けており、その切込部には、サイズ調節ベルト40を取り付けている。このサイズ調節ベルト40を操作することによって、クラウン10の下縁部の周長を、着用者の頭囲に応じて調節することが可能となっている。
【0022】
クラウン10は、通常、複数枚の生地を繋ぎ合わせることによって、半球状に形成される。クラウン10を構成する生地の枚数は、特に限定されない。第一実施態様の帽子では、6枚の三角形状の生地(いわゆる「れんげ」)を繋ぎ合わせることによって、クラウン10を形成している。具体的には、着用者の頭部の左前部を覆う生地11及び右前部を覆う生地12と、着用者の頭部の左側部を覆う生地13及び右側部を覆う生地14と、着用者の頭部の左後部を覆う生地15及び右後部を覆う生地16とで、クラウン10を形成している。このうち、着用者の頭部の左前部を覆う生地11と右前部を覆う生地12とが、クラウン10の前面部を形成している。
【0023】
クラウン10を構成するそれぞれの生地11~16は、単層構造と複層構造のいずれにしてもよい。第一実施態様の帽子では、クラウン10の側面部及び後面部を形成する生地13~16は、単層構造としているものの、クラウン10の前面部を形成する生地11,12は、複層構造としている。具体的には、
図5に示すように、生地11を、クラウン10の外面を形成するクラウン表地11aと、クラウン表地11aの内面に沿って配されたクラウン裏地11bとで構成するとともに、生地12も、クラウン表地12a(
図4)と、クラウン表地11aの内面に沿って配されたクラウン裏地12b(
図4)とで構成している。
【0024】
クラウン表地11a,12aは、ラッセルメッシュ(メッシュ生地)に布帛(面状芯材)を内貼りした素材となっており、クラウン裏地11b,12bは、クラウン表地11aよりも目の大きいメッシュ生地としている。一方、クラウン10の側面部及び後面部を形成する生地13~16は、クラウン表地11a,12aに用いたものと同じラッセルメッシュ(メッシュ生地)で形成している。クラウン10を構成する複数枚の生地11~16の繋ぎ合わせは、通常、縫合によって行われるが、シームレス加工(例えば、超音波による振動で生地同士を摩擦することで熱を発生させ、生地を溶融させて互いに溶着させる加工等)によって繋ぎ合わせる場合もある。
【0025】
図1に示すように、クラウン10の下縁に沿った箇所には、第一通気口αを設けている。この第一通気口αは、クラウン10の外側の空気をクラウン10の内側に取り込んだり逆に、クラウン10の内側の空気をクラウン10の外側に排出したりすることで、クラウン10のベンチレーションを行うものとなっている。第一通気口αは、少なくとも、クラウン10の側面部を形成する生地13,14の下縁に設けられる。第一実施態様の帽子では、生地13,14の下縁に沿った箇所だけでなく、クラウン10の後面部を形成する生地15,16の下縁に沿った箇所にも、第一通気口αを設けている。
【0026】
第一通気口αは、
図3に示すように、クラウン10(生地13~16)に対してビン皮30(図)を固着しない区間(非固着区間)を設け、この非固着区間においてクラウン10の下縁がビン皮30に対してふらされた状態とすることによって設けている。すなわち、クラウン10(生地13~16)とビン皮30との間に形成された隙間が、第一通気口αとなるようにしている。これにより、例えば、クラウン10の外側の空気を、
図3の矢印A
1に示すように、クラウン10の内側へと取り込むことができる。
【0027】
図2における区間Sは、上記の非固着区間を表わしている。このように、クラウン10の下縁における広い範囲を非固着区間Sとして、クラウン10の側方及び後方に第一通気口α(磁3)を大きく形成することで、クラウン10のベンチレーションを効率的に行うことが可能となっている。非固着区間S以外の区間(固着区間)では、クラウン10の下縁とビン皮30の下縁とが互いに縫着(固着)されている。非固着区間Sでは、原則、クラウン10とビン皮30とを縫着しないが、スポット的に縫着する等、ごく限られた範囲であれば、縫着する部分を設けてもよい。
【0028】
非固着区間Sにおいては、クラウン10の下縁の長さと、ビン皮30の長さとを等しくしてもよい。しかし、この場合には、クラウン10の下縁がビン皮30に密着した状態になりやすく、第一通気口αが開いた状態となりにくくなるおそれがある。このため、非固着区間Sにおけるクラウン10の下縁は、その非固着区間Sにおけるビン皮30よりも長く設定することが好ましい。これにより、クラウン10の下縁がビン皮30から外側に浮いた状態になりやすくなり、第一通気口αが開き気味になるからである。そのためには、非固着区間Sにおいて、クラウン10の下縁の長さを、ビン皮30の長さの1.01倍以上とすることが好ましく、1.02倍以上とすることがより好ましく、1.03倍以上とすることがさらに好ましい。
【0029】
ただし、クラウン10の下縁をビン皮30よりも長くしすぎると、クラウン10に不自然なシワが形成されやすくなる等、帽子の見た目が悪くなるおそれがある。このため、非固着区間Sにおけるクラウン10の下縁は、その非固着区間Sにおけるビン皮30よりもやや長くなる程度とすることが好ましい。具体的には、非固着区間Sにおいて、クラウン10の下縁の長さを、ビン皮30の長さの1.3倍以下に抑えることが好ましく、1.2倍以下に抑えることがより好ましく、1.1倍以下に抑えることがさらに好ましい。
【0030】
非固着区間Sでは、クラウン10の下縁とビン皮30の下縁とを同じ高さに揃えてもよい。しかし、第一実施態様の帽子においては、
図3に示すように、非固着区間S(
図2)におけるクラウン10の下縁を、ビン皮30の下縁よりも高い位置としている。このため、クラウン10の外側の空気が第一通気口αに取り込まれやすくなるだけでなく、クラウン10の内側の空気が第一通気口αから排出されやすくなっている。したがって、第一通気口αを通じてクラウン10のベンチレーションをより効率的に行うことができるようになっている。
【0031】
非固着区間Sにおいて、クラウン10の下縁を、ビン皮30の下縁よりもどの程度高くするかは、特に限定されない。しかし、クラウン10の下縁とビン皮30の下縁との高低差ΔH(
図3)が小さいと、上記の効果が奏されにくくなる。このため、高低差ΔH(場所によってΔHが異なる場合には、その最大値。以下同じ。)は、3mm以上とすることが好ましい。高低差ΔHは、5mm以上とすることがより好ましく、7mm以上とすることがさらに好ましい。
【0032】
ただし、クラウン10の下縁とビン皮30の下縁との高低差ΔHとを大きくしすぎると、ビン皮30に対するクラウン10の被り部分が少なくなり、第一通気口αから着用者の髪の毛が飛び出る等、帽子の見た目が悪くなるおそれがある。このため、高低差ΔHは、50mm以下とすることが好ましい。高低差ΔHは、30mm以下とすることがより好ましく、20mm以下とすることがさらに好ましい。第一実施態様の帽子において、高低差ΔHは約10mmとしている。
【0033】
また、第一実施態様の帽子においては、
図1に示すように、クラウン10の前面部11,12に、第二通気口βを設けている。この第二通気口βからも、クラウン10の外側の空気をクラウン10の内側に取り入れたり、クラウン10の内側の空気をクラウン10の外側へ排出したりすることができるようになっている。第二通気口βを設ける場所は、クラウン10の前面部11,12であれば特に限定されない。第一実施態様の帽子では、クラウン10の前面部11,12における下縁に沿った箇所(前鍔20との境界部付近)に設けている。これにより、クラウン10のベンチレーションをより効果的に行うことが可能になる。また、第二通気口βを目立ちにくくして、帽子の見た目を良くすることもできる。さらに、クラウン10の前面部11,12の中央部分にエンブレムを表わす等、帽子のデザインの自由度を高めることも可能になる。本実施態様の帽子においては、第二通気口βを1箇所のみに設けているが、複数個所に分断して設けてもよい。
【0034】
以上のように、第二通気口βは、クラウン10の効果的なベンチレーションを実現するのに寄与する。しかし、クラウン10の前面部11,12に設けた第二通気口βから着用者の頭部やビン皮30が露出すると、帽子の見た目が悪くなるおそれがある。この点、第一実施態様の帽子では、第二通気口βの内側にメッシュ生地で覆っており、第二通気口βから着用者の頭部やビン皮30が露出しないようにしている。具体的には、既に述べたように、クラウン10の前面部を形成する生地11,12を、表地11a,12a及び裏地11b,12bからなる複層構造とし、裏地11b,12bを、メッシュ生地によって形成したところ、第二通気口βの下側から、裏地11b,12bが覗くようにしている。
【0035】
クラウン10の前面部11,12を形成する表地11a,12aの下縁は、裏地11b,12bに対して縫着(固着)してもよい。しかし、第一実施態様の帽子においては、
図5に示すように、表地11a,12aの下縁を、裏地11b,12bに対して縫着せずにふらした状態としている。このため、第二通気口βから取り込んだ空気を、表地11a,12aの内面と裏地11b,12bの外面との隙間に導き入れることができ、その隙間をベンチレーション空間として機能させることが可能となっている。したがって、クラウン10におけるより広い範囲においてベンチレーションを行うことができるようになっている。
【0036】
上記のように、クラウン10の前面部11,12を形成する表地11a,12aの下縁を、裏地11b,12bの下縁よりも長くする場合には、表地11a,12aの下縁に沿って保形用線材(図示省略)を設けてもよい。これにより、表地11a,12aの下縁を裏地11b,12bから浮いた状態に保ちやすくなる。このため、第二通気口βを通じてベンチレーションをより行いやすくなる。保形用線材としては、形状保持樹脂や金属からなる線材などが例示される。
【0037】
第二通気口βの寸法形状は、特に限定されない。しかし、第二通気口βを大きくしすぎると、第二通気口βが目立ちやすくなるおそれがある。その一方で、第二通気口βを小さくしすぎると、クラウン10の外側の空気がクラウン10の内側に取り込まれにくくなるおそれがある。このため、第一実施態様の帽子では、
図4に示すように、第二通気口βを、クラウン10の前面部11の下縁部における中央区間(左端近傍及び右端近傍を除いた区間)に沿って帯状に形成している。これにより、第二通気口βを目立ちにくくしながらも、第二通気口βから空気を効率的に取り込むことが可能となっている。
【0038】
第二通気口βの横幅W
1(
図4)の具体的な値は、特に限定されない。しかし、第二通気口βの横幅W
1が小さすぎると、第二通気口βによるベンチレーションを効率的に行いにくくなる。このため、第二通気口βの横幅W
1(上下位置によって横幅W
1が異なる場合にはその最大値。以下同じ。)は、50mm以上とすることが好ましい。第二通気口βの横幅W
1は、80mm以上とすることがより好ましく、100mm以上とすることがさらに好ましい。
【0039】
ただし、第二通気口βの横幅W1が大きすぎると、第二通気口βが目立ちやすくなるおそれがある。加えて、第一実施態様の帽子のように、クラウン10の前面部11,12の下縁部に沿った箇所に第二通気口βを設けた場合には、クラウン10の下縁部が捲れ上がりやすくなるおそれもある。このため、第二通気口βの横幅W1は、200mm以下とすることが好ましい。第一実施態様の帽子においては、第二通気口βの横幅W1を、約140mmとしている。
【0040】
また、第二通気口βの縦幅W
2(
図4)をどの程度に設定するのかも特に限定されない。しかし、第二通気口βの縦幅W
2が小さすぎると、第二通気口βによるベンチレーションを効率的に行いにくくなる。このため、第二通気口βの縦幅W
2(左右位置によって縦幅W
2が異なる場合にはその最大値。以下同じ。)は、3mm以上とすることが好ましい。第二通気口βの縦幅W
2は、5mm以上とすることがより好ましく、7mm以上とすることがさらに好ましい。
【0041】
ただし、第二通気口βの縦幅W2が大きすぎると、第二通気口βが目立ちやすくなるおそれがある。このため、第二通気口βの縦幅W2は、50mm以下とすることが好ましい。第二通気口βの縦幅W2は、30mm以下とすることがより好ましく、20mm以下とすることがさらに好ましい。第一実施態様の帽子においては、第二通気口βの縦幅W2を、約10mmとしている。
【0042】
1.2 前鍔
前鍔20は、クラウン10の前側の下縁から前方に突出して設けられている。第一実施態様の帽子において、前鍔20は、
図5に示すように、前鍔20の保形を行う保形芯21と、保形芯21の上側を覆う上側生地22a,22bと、保形芯21の下側を覆う下側生地23とで構成している。保形芯21は、樹脂やエラストマーや厚紙など、ある程度の厚みと硬さを有する素材で形成される。また、上側生地22aは、薄手のメッシュ生地となっており、上側生地22bは、厚手のメッシュ生地となっている。さらに、下側生地23は、薄手のメッシュ生地となっている。
【0043】
ところで、鍔(庇)を備えた各種の帽子のなかには、クラウン10の下縁全周部を取り囲む環状鍔を備えたもの(プリム型の帽子など)もある。この環状鍔などは、「前鍔」の概念から除外されて解釈されることがある。しかし、環状鍔であっても、クラウン10の下縁から前方に突出する部分を有している(その一部が、前鍔に相当する部分となっている)ことには変わらない。このため、本明細書においては、クラウン10の下縁から前方に突出した部分を有するのであれば、環状鍔なども、「前鍔」の概念から除外されないものとする。
【0044】
第一実施態様の帽子では、上述したように、クラウン10の前面部11,12に設けた第二通気口βを通じてクラウン10の内側に空気を取り入れるところ、それだけでは、前鍔20の上面側にある空気G
1(
図5)を第二通気口βに導入することができても、前鍔20の下面側にある空気G
2(
図5)を第二通気口βに導入することができない。このため、第二通気口βにより得られるベンチレーション効果が限定的になる。
【0045】
このため、第一実施態様の帽子においては、
図1に示すように、前鍔20の基端(クラウン10の下縁に接続される側の端縁)寄りの部分に、前鍔通気部γを設けている。この前鍔通気部γを設けたことによって、
図5に示すように、前鍔20の下面側の空気G
2が、前鍔通気部γを透過して前鍔20の上面側に移動し、第二通気口βからクラウン10の内側に取り込まれるようになっている。したがって、クラウン10のベンチレーションをより効果的に行うことが可能となっている。
【0046】
前鍔通気部γは、前鍔20の基端寄りの部分に設けられるのであれば、その配置を特に限定されない。第一実施態様の帽子においては、前鍔20の基端縁に達する状態で前鍔通気部γを設けている。具体的には、前鍔20の保形芯21(
図5)の基端縁中央部に切欠部を設け、その切欠部が前鍔通気部γとして機能するようにしている。これにより、第二通気口βに連続する形で前鍔通気部γを設け、前鍔通気部γを下側から上側に透過してきた空気(前鍔20の下面側にあった空気G
2)が第二通気口βに効率的に取り込まれるようになっている。加えて、帽子の着用者の額に保形芯21の基端縁が突き当たりにくくして、帽子の被り心地を良くすることも可能となっている。第一実施態様の帽子においては、前鍔通気部γを1箇所のみに設けているが、複数個所に分断して設けてもよい。
【0047】
前鍔通気部γの形態も、特に限定されない。第一実施態様の帽子においては、
図2に示すように、前鍔通気部γを半円形状に設けている。換言すると、前鍔20の保形芯21をU字状に形成し、その保形芯21における半円形状に凹んだ部分が、前鍔通気部γとなるようにしている。このため、前鍔通気部γを広く確保しながらも、保形芯21(
図5)をシンプルで安定性に優れた形態とすることが可能となっている。
【0048】
前鍔20の下面側にある空気G
2(
図5)が前鍔通気部γを通じて第二通気口βに取り込まれやすくするためには、前鍔通気部γの面積を、ある程度大きくすることが好ましい。具体的には、前鍔通気部γの面積を、5cm
2(前鍔通気部γを複数個所に分断して設ける場合には、それぞれの前鍔通気部γの面積を合計した値。以下同じ。)以上とすることが好ましい。前鍔通気部γの面積は、10cm
2以上とすることがより好ましく、15cm
2以上とすることがさらに好ましい。
【0049】
ただし、前鍔通気部γの面積を大きくしすぎると、前鍔20の形態を維持しにくくなるおそれがある。また、前鍔通気部γが目立ちやすくなり、帽子の見た目が悪くなるおそれもある。このため、前鍔通気部γの面積は、広くしすぎるのもよくない。前鍔通気部γの面積は、50cm2以下とすることが好ましい。前鍔通気部γの面積は、40cm2以下とすることがより好ましく、30cm2以下とすることがさらに好ましい。第一実施態様の帽子においては、前鍔通気部γの面積を20~25cm2の範囲としている。
【0050】
前鍔通気部γの横幅W
3(
図2)は、ある程度広く確保する。前鍔通気部γの横幅W
3が狭いと、前鍔通気部γを通過する空気の流量を確保しにくくなるからである。また、保形芯21の基端縁における広い範囲で保形芯21が着用者の額に突き当たるようになり、着用者が違和感を覚えやすくなるおそれもある。このため、前鍔通気部γの横幅W
3(前後位置によって縦幅W
3が異なる場合にはその最大値。以下同じ。)は、50mm以上とすることが好ましい。前鍔通気部γの横幅W
3は、80mm以上とすることがより好ましく、100mm以上とすることがさらに好ましい。
【0051】
ただし、前鍔通気部γの横幅W3を広くしすぎると、クラウン10に対して前鍔20をしっかりと固定しにくくなり(前鍔20の向きを安定させにくくなり)、前鍔20が垂れ下がりやすくなる。このため、前鍔通気部γの横幅W3は、170mm以下とすることが好ましい。前鍔通気部γの横幅W3は、160mm以下とすることがより好ましく、150mm以下とすることがさらに好ましい。第一実施態様の帽子においては、前鍔通気部γの横幅W3を130~140mmの範囲としている。
【0052】
前鍔通気部γの縦幅W
4(
図2)も、ある程度広く確保する。前鍔通気部γの縦幅W
4が狭いと、前鍔20の下面側にある空気G
2(
図5)が前鍔通気部γを通じて前鍔10の上面側に透過しにくくなるからである。このため、前鍔通気部γの縦幅W
4は、10mm以上とすることが好ましい。前鍔通気部γの縦幅W
4は、20mm以上とすることがより好ましく、30mm以上とすることがさらに好ましい。
【0053】
ただし、前鍔通気部γの縦幅W4を広くしすぎると、前鍔通気部γが前鍔20の先端縁(前端縁)近くまで延在するようになり、前鍔20の強度を維持しにくくなるおそれもある。このため、前鍔通気部γの縦幅W4は、100mm以下とすることが好ましい。前鍔通気部γの縦幅W4は、70mm以下とすることがより好ましく、50mm以下とすることがさらに好ましい。第一実施態様の帽子においては、前鍔通気部γの横幅W4を30~40mmの範囲としている。
【0054】
既に述べたように、第一実施態様の帽子においては、前鍔通気部γを、前鍔20の保形芯21に設けた開口部(乃至は切欠部)の形態で設けた。この前鍔通気部γは、開口部の状態のままとしてもよいが、この場合には、前鍔通気部γを通じて帽子着用者の目に日光が入りやすくなり、前鍔20が庇としての機能を発揮しにくくなる。加えて、前鍔通気部γが目立ちやすくなり、帽子の見た目が悪くなるおそれもある。
【0055】
このため、本実施態様の帽子においては、
図4に示すように、前鍔通気部γを、メッシュ生地で覆っている。具体的には、既に述べたように、前鍔20を、保形芯21と、前鍔20における上側生地22a,22b及び下側生地23をメッシュ生地で形成したところ、保形芯21を切り欠いた部分(前鍔通気部γとなる部分)に、上側生地22a,22b及び下側生地23を延在させている。これにより、前鍔通気部γが設けられた帽子をスタイリッシュに見せることが可能となっている。
【0056】
1.3 ビン皮
ビン皮30は、
図2に示すように、クラウン10の内側でクラウン10の下縁部に沿って環状(開環状を含む。)に設けられた帯状の素材となっている。既に述べたように、非固着区間S(
図2)においては、クラウン10とビン皮30は縫着(固着)されないが、それ以外の区間(例えばクラウン10の前面部11,12の下縁に沿った区間)においては、
図5に示すように、ビン皮30の下縁が、クラウン10の下縁(
図5の例では、裏地11bの下縁)に沿って縫着される。ビン皮30をクラウン10に対して縫着する際には、通常、上記の前鍔20もクラウン10に対して縫着される。
【0057】
このビン皮30は、着用者の頭部の汗を吸収する機能を有している。このため、ビン皮30は、通常、吸水性と速乾性に優れた素材で形成される。第一実施態様の帽子においては、内層(着用者の頭部に接触する側の層)に太い繊維を用い、外層に細い繊維を用いた織物でビン皮30を形成している。このため、着用者の頭部の汗を毛細管現象によりビン皮30に速やかに吸収させることができるようになっている。
【0058】
ただし、第一実施態様の帽子では、既に述べたように、クラウン10の側面部13,14の下縁や、クラウン10の後面部15,16の下縁を、ビン皮30の下縁よりも高い位置にした。このため、そのままの状態では、側面部13,14や後面部15,16の下側からビン皮30の外面が露出するようになる。このため、帽子の見た目が悪くなるおそれがある。
【0059】
したがって、第一実施態様の帽子においては、
図3に示すように、非固着区間S(
図2)におけるビン皮30の外面側に、ビン皮被覆材50を取り付けている。このビン皮被覆材50は、ビン皮30に沿った帯状のメッシュ生地によって形成されている。ビン皮30とビン皮被覆材50とは、その下縁同士を縫着(固着)している。これにより、ビン皮30の外面が露出しないようにして、帽子の見た目を良くすることができる。また、ビン皮被覆材50をメッシュ生地としたことによって、ビン皮被覆材50が第一通気口αにおける空気の流れ(
図3の矢印A
1で示した空気の流れ)を阻害しないようになっている。加えて、ビン皮30に吸収された水分(汗)をビン皮30の外面側から逃し、ビン皮30が乾きやすくすることも可能となっている。
【0060】
2.第二実施態様の帽子
続いて、第二実施態様の帽子について説明する。第二実施態様の帽子については、第一実施態様の帽子と異なる部分について説明し、第一実施態様の帽子と共通する部分については説明を割愛している。第二実施態様の帽子において特に言及しない構成は、第一実施態様の帽子で述べたものと同様の構成を採用することができる。
【0061】
図6及び
図7は、第二実施態様の帽子を示した図である。
図6は、帽子全体を示した斜視図である。
図7は、クラウン10を前後方向に垂直な平面で切断した状態を示した断面図である。第二実施態様の帽子は、
図6及び
図7に示すように、クラウン10の下縁近傍から垂下するタレ部材60を備えている。このタレ部材60は、帽子の着用者の顔の側方及び首の後方を覆うことができるものとなっている。これにより、着用者の頭部だけでなく、より広い範囲を日光から保護することができるようになっている。
【0062】
タレ部材60は、その上縁部が、左右に二股に分かれており、その一方を、クラウン10の左側の側面部13及び後面部15の下縁近傍に取り付けられ、その他方を、クラウン10の右側の側面部14及び後面部16の下縁近傍に取り付けられている。タレ部材60は、クラウン10に対して完全に固定してもよいが、第二実施態様の帽子では、クラウン10に対して着脱可能な状態で取り付けている。
【0063】
具体的には、
図7に示すように、タレ部材60の左側の上縁と右側の上縁とを、それぞれ、左側の第一通気口αと右側の第一通気口αから、クラウン10の内側に挿し込み、クラウン10の下縁近傍に取り付けるようにしている。クラウン10の内側における第一通気口αの近傍には、タレ部材60の上縁を取り付けるためのタレ取り付け部δが設けられている。タレ部材60の上縁をこのタレ取り付け部δに重ねると、タレ部材60がクラウン10に取り付けられ、タレ部材60の上縁をこのタレ取り付け部δから剥がすと、タレ部材60をクラウン10から取り外すことができるようになっている。このように、タレ部材60を着脱可能な構造とすることで、帽子を被る時期等に応じて、タレ部材60の有無を切り替えることができるようになっている。また、タレ部材60の上縁を、第一通気口αからクラウン10の内側に挿し込んで取り付けるようにしたことで、タレ部材60を違和感のない自然な状態で見栄え良く取り付けることが可能となっている。
【0064】
タレ部材60の素材は、遮光性を有する面状のものであれば、特に限定されない。しかし、タレ部材60を、通気性を有さない素材とすると、タレ部材60の内側にある空気しか第一通気口αに取り込まれなくなる。このため、第二実施態様の帽子においては、タレ部材60を、メッシュ生地等、通気性を有する素材によって形成している。具体的には、クラウン10の側面部13,14や後面部15,16を形成したのと同様のラッセルメッシュによって、タレ部材60を形成している。これにより、タレ部材60の外側にある空気をタレ部材60の内側に透過させて、第一通気口αに取り込むことができるようになっている。
【0065】
7.用途
本発明の帽子は、その用途を特に限定されず、各種の用途で用いることができる。なかでも、暑い環境下で着用されることが多い運動帽や作業帽や通学帽として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0066】
10 クラウン
10a 切欠部
10b タレ取り付け部
11 着用者の頭部の左前部を覆う生地(クラウンの前面部)
11a 表地
11b 裏地
12 着用者の頭部の右前部を覆う生地(クラウンの前面部)
12a 表地
12b 裏地
13 着用者の頭部の左側部を覆う生地(クラウンの側面部)
14 着用者の頭部の右側部を覆う生地(クラウンの側面部)
15 着用者の頭部の左後部を覆う生地(クラウンの後面部)
16 着用者の頭部の右後部を覆う生地(クラウンの後面部)
20 前鍔
21 保形芯
22a (上側生地)
22b (上側生地)
23 下側生地
30 ビン皮
40 サイズ調節ベルト
50 ビン皮被覆材
60 タレ部材
G1 前鍔の上面側にある空気
G2 前鍔の下面側にある空気
S 非固着区間
α 第一通気口
β 第二通気口
γ 前鍔通気部
δ タレ取り付け部