IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベディシナルズ インディア プライベート リミテッドの特許一覧

特許7465587COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物
<>
  • 特許-COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物 図1
  • 特許-COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物 図2
  • 特許-COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物 図3
  • 特許-COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物 図4
  • 特許-COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物 図5
  • 特許-COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物 図6
  • 特許-COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物 図7
  • 特許-COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物 図8
  • 特許-COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物 図9
  • 特許-COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物 図10
  • 特許-COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物 図11
  • 特許-COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物 図12
  • 特許-COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物 図13
  • 特許-COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物 図14
  • 特許-COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物 図15
  • 特許-COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】COVID-19および関連する疾患の管理のための組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/7048 20060101AFI20240404BHJP
   A61K 31/12 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 31/352 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 31/353 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 31/4525 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 36/185 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 36/48 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 36/489 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 36/67 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 36/752 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 36/82 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 36/9066 20060101ALI20240404BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240404BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240404BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20240404BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20240404BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A61K31/7048
A61K31/12
A61K31/352
A61K31/353
A61K31/4525
A61K36/185
A61K36/48
A61K36/489
A61K36/67
A61K36/752
A61K36/82
A61K36/9066
A61P9/00
A61P29/00
A61P31/14
A61P37/02
A61P43/00 121
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022573191
(86)(22)【出願日】2021-05-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 IB2021054727
(87)【国際公開番号】W WO2021240481
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-01-17
(31)【優先権主張番号】202021022638
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】202121017933
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】522460922
【氏名又は名称】ベディシナルズ インディア プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】サルンケ、プラカッシュ プンドリック
(72)【発明者】
【氏名】サルンケ、バイサーリ プラカッシュ
(72)【発明者】
【氏名】パティル、プラビン エカナス
【審査官】春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-505046(JP,A)
【文献】特表2016-517445(JP,A)
【文献】特表2016-515383(JP,A)
【文献】Gonzalez-Paz L A et al,Theoretical Molecular Docking Study of the Structural Disruption of the Viral 3CL-Protease of COVID19 Induced by Binding of Capsaicin, Piperine and Curcumin Part 1: A Comparative Study with Chloroquine and Hydrochloroquine Two Antimalaric Drugs,Research Square,2020年04月,DOI:10.21203/rs.3.rs-21206/v1
【文献】Srivastava A K et al,On the Inhibition of COVID-19 Protease by Indian Herbal Plants: An In Silico Investigation,arXiv,2020年04月05日,arXiv:2004.03411
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K,A61P
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
COVID-19及び関連する疾患の管理のための組成物であって、
(i) 活性成分と、
(ii) 1つ以上の賦形剤と、
を含み、
活性成分は、
活性成分の10重量%から25重量%の範囲の量のヘスペリジンと、
活性成分の15重量%から35重量%の範囲の量のクルクミンと、
活性成分の15重量%から30重量%の範囲のエピガロカテキンと、
活性成分の10重量%から25重量%の範囲の量のルチンと、
活性成分の0.5重量%から8重量%の範囲の量のケルセチンと、
活性成分の1重量%から10重量%の範囲の量のルテオリンと、
活性成分の1重量%から15重量%の範囲の量のバイカリンと、
活性成分の0.03重量%~3重量%の量のピペリンと、
を含む、
組成物。
【請求項2】
組成物は、製剤の1重量%~20重量%の範囲の量の活性成分を含み、残余は、1つまたは複数の賦形剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
賦形剤は、増量剤、可溶化剤、結合剤、潤滑剤、増粘剤、香料、着色剤、強壮剤、甘味剤、懸濁剤、緩衝剤、保存剤、および溶剤のいずれかまたは組み合わせを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
組成物は、薬用キャンディ、錠剤、摂取可能な液体、シロップ、懸濁液、点鼻薬、注射液、エアロゾルおよび噴霧に適した液体に製剤化されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
COVID-19及び関連する疾患の管理のための経口摂取可能な懸濁製剤であって、
(i) 活性成分と、
(ii) 1つ以上の賦形剤と、
を含み、
活性成分は、
活性成分の10重量%から25重量%の範囲の量のヘスペリジンと、
活性成分の15重量%から35重量%の範囲の量のクルクミンと、
活性成分の15重量%から30重量%の範囲のエピガロカテキンと、
活性成分の10重量%から25重量%の範囲の量のルチンと、
活性成分の0.5重量%から8重量%の範囲の量のケルセチンと、
活性成分の1重量%から10重量%の範囲の量のルテオリンと、
活性成分の1重量%から15重量%の範囲の量のバイカリンと、
活性成分の0.03重量%~3重量%の量のピペリンと、
を含む、
製剤。
【請求項6】
1種以上の賦形剤は、増量剤、可溶化剤、結合剤、潤滑剤、増粘剤、香料、着色剤、強壮剤、甘味剤、緩衝剤、懸濁剤、保存剤、及び溶剤を含む、請求項5記載の製剤。
【請求項7】
懸濁製剤は、製剤の1重量%~20重量%の範囲の量の活性成分を含み、残余は、1つまたは複数の賦形剤である、請求項5に記載の製剤。
【請求項8】
COVID-19及び関連する疾患の管理のための組成物であって、
(i) 活性含有物と、
(ii) 1つ以上の賦形剤と、
を含み、
活性含有物は、活性含有物の略2重量%~略20重量%の範囲の量のシトラスレティキュラータの抽出物と、活性含有物の略5重量%~略20重量%の範囲の量のカークマロンガの抽出物と、活性含有物の略5重量%~略25重量%の範囲の量のカメリアシネンシスの抽出物と、活性含有物の略10重量%~略40重量%の範囲の量のソフォラジャポニカ L.の抽出物と、活性含有物の略2重量%~略20重量%の範囲の量のアラキスハイポジアの抽出物と、活性含有物の略20重量%~略40重量%の範囲の量のオロキシラムインディカムの抽出物と、活性含有物の略0.01重量%~略3.0重量%の範囲の量のパイパーニグラムL.の抽出物と、を含む、
組成物。
【請求項9】
組成物は、組成物の1重量%~20重量%の範囲の量の活性含有物を含み、残余は、1つまたは複数の賦形剤である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
組成物は、経口摂取可能な液体として製剤化されている、請求項8に記載の組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本願は、2020年5月29日に出願されたインド仮出願第22021022638号及び2021年4月19日に出願されたインド仮出願第202121017933号の利益を主張し、これらの開示全体は、あらゆる目的のために依拠し、参照により本願に組み込まれるものとする。
技術分野
本開示は、一般に、医薬組成物の分野に関するものである。特に、本開示は、COVID-19及び関連する疾患の管理のための組成物を提供する。
【背景技術】
【0002】
背景の説明には、本発明を理解する上で有用な情報が含まれている。本明細書で提供される情報のいずれかが先行技術であること、または現在請求されている発明に関連すること、あるいは具体的または暗黙的に参照される刊行物が先行技術であることを認めるものではない。
【0003】
コロナウイルス(CoV)の新しい変異株は、2019年末に中国の武漢で初めて確認され、当初は2019-nCoVと名付けられた[J. Microbiol. Immunol. Infect, pp.1-3, 2020]。世界保健機関(WHO)の緊急委員会は、2020年1月30日に中国での発生を確認、これは当時も今も国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態である[Travel Med. Infect. Dis, vol 33, 2020]。公式に、WHOは、2020年2月11日にこれをCoV COVID-19(2019新型コロナウイルス感染症)と名付けた[HO Bull., no. JANUARY, pp. 1-7, 2020]。COVID-19は、主に、感染者の咳やくしゃみ、会話などの際に発生する小さな飛沫を介した密接な接触により、人々の間に広がる。この飛沫は数時間空気中に留まり、遠くまで伝染したり、地面や他の表面に落下することもある。人々は、これらの汚染された表面に触ってその後顔に触ることで感染する。感染力は発症後3日間に最も強いが、症状が出る前でも、また発症後でも感染する可能性がある。曝露から症状発現までの期間は、通常5日前後であるが、2~14日の範囲であることもある。
【0004】
コロナウイルス(CoVs)は、ヒトおよび動物に激しい感染症を引き起こし、気道、消化管および全身を含むがこれに限定されない複数の臓器に深刻な障害をもたらすことがある。コロナウイルスに感染すると、呼吸器症状、発熱、咳、息切れ、呼吸困難などの一般的な症状が現れる。重症化すると、肺炎、重症急性呼吸器症候群(SARS)、腎不全を引き起こし、死に至ることもある[Vet. Q., vol. 40, no. 1, pp. 1-12]。現在、COVID-19の治療法は確立されていないが、世界的には治療法の確立に多くの資源が費やされている。現在では、さらなる合併症や臓器不全を防ぐために、予防や対症療法的な支持療法に限定されたアプローチにとどまってる。予防法としては、手洗い、咳をするときは口を覆う、他人との距離を置く、感染の疑いがある場合は監視と隔離を行う、などが推奨されている。世界各国の政府・当局が、渡航制限、検疫、外出禁止、職場のハザード制御、施設の閉鎖などを実施し、世界経済に深刻な影響を及ぼしている。コロナウイルスとの戦いにおいて、科学者は新薬開発のための3つの広範な戦略を打ち出している[Nat Rev Drug Discov 2016;15:327-47]。最初の戦略は、既存の広域抗ウイルス薬を試験することである[J Infect 2013;67:606-16]。これらの治療法の利点は、ウイルス感染症治療用に承認されているため代謝特性、使用量、潜在効果および副作用が明確であるということである。しかし、欠点は、これらの治療法があまりにも「広域的」であり、コロナウイルスを標的として殺すことができないことと、その副作用が過小評価されないことである。第2の戦略は、既存の分子データベースを利用して、[Antimicrob Agents Chemother 2014;14:4875-84 & Antimicrob Agents Chemother 2014;58:4885-93]に載っている治療効果を発揮する可能性のある分子をスクリーニングすることである。ハイスループットスクリーニングがこの戦略を可能にし、例えば抗HIV感染症薬ロピナビル/リトナビルの発見など、多くの薬剤分子の新しい機能がこの戦略によって見いだされるようになった。第3の戦略は、異なるコロナウイルスのゲノム情報や病態の特徴に基づき、ゼロから新しい標的薬を開発するものである。理論的には、これらの戦略によって見出された薬剤は、より優れた抗コロナウイルス効果を示すと考えられるが、新薬の研究手順には数年、あるいは10年以上かかるかもしれない[Lancet Infect Dis 2014;14:1090-5]。
【0005】
従って、COVID-19及び関連する疾患の管理において有用性を見出し得る組成物を開発することが、当技術分野において必要とされている。
発明の目的
【0006】
本発明の第一の目的は、COVID-19及び関連する疾患の管理を援助し得る組成物を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、被験者の免疫力及び一般的な幸福感を高めるための組成物を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、実質的にいかなる副作用もない組成物を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、調製が容易で経済的な組成物を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、以下の本発明の説明から明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0011】
本開示は、一般に、医薬組成物の分野に関する。特に、本開示は、COVID-19および関連する疾患の管理において有用性を見出すことができる組成物を提供する。
【0012】
本開示の発明者らは、驚くべきことに、本開示の組成物の含有物が、その間に機能的相乗効果を示し、組成物が、患者の免疫応答を調節しながら、全体的または部分的に、ウイルス複製および/またはヒト細胞へのウイルス侵入を防止し、組成物がさらに、器官/細胞保護特性を有し、細胞を再生し、細菌共感染の抑制を補助し、およびCOVID-19後の合併症を予防することが観察された。したがって、本開示の組成物は、単独でまたは他の予防または緩和/対症療法または治療戦略と組み合わせて、COVID-19および関連する疾患の管理における有用性を見出すことができる。
【0013】
本開示の一態様は、COVID-19及び関連する疾患の管理のための組成物を提供し、前記組成物は、治療上有効な量のシトラスレティキュラータ、治療上有効な量のカークマロンガ、治療上有効な量のカメリアシネンシス、治療上有効な量のソフォラジャポニカ L.、治療上有効な量のアラキスハイポジア、治療上有効な量のオロキシラムインディカム、及び治療上有効な量のパイパーニグラム L.のいずれか又は組み合わせで構成されている。実施形態において、本開示の組成物は、COVID-19の管理における有用性を見出し得る。
【0014】
ある実施形態では、組成物は、治療上有効な量のシトラスレティキュラータ、治療上有効な量のカークマロンガ、治療上有効な量のカメリアシネンシス、治療上有効な量のソフォラジャポニカ L.、治療上有効な量のアラキスハイポジア、治療上有効な量のオロキシラムインディカム、及び治療上有効な量のパイパーニグラム L.から構成される。実施形態では、組成物は、1つまたは複数の賦形剤をさらに含む。
【0015】
ある実施形態では、組成物は、(i)活性含有物と、(ii)1つまたは複数の賦形剤とを含む。活性含有物は、活性含有物の略2重量%~略20重量%、好ましくは略5重量%~略10重量%の範囲の量のシトラスレティキュラータと、活性含有物の略5重量%~略20重量%、好ましくは略10重量%~略15重量%の範囲の量のカークマロンガと、活性含有物の略5重量%~略25重量%の範囲、好ましくは略10重量%~略20重量%の量のカメリアシネンシスと、活性含有物の略10重量%~略40重量%、好ましくは略20重量%~略30重量%の範囲の量のソフォラジャポニカ L.と、活性含有物の略2重量%~略20重量%、好ましくは略5重量%~略15重量%の範囲の量のアラキスハイポジアと、活性含有物の略20重量%~略40重量%、好ましくは略25重量%~略40重量%の範囲の量のオロキシラムインディカムと、活性含有物の略0.01重量%~略3.0重量%、好ましくは略0.03重量%~略2.0重量%の範囲の量のパイパーニグラムL.と、を含む。実施形態では、組成物は、組成物の0.5重量%~略80重量%の範囲の量で活性含有物を含む。
【0016】
ある実施形態では、組成物は、(i)活性含有物と、(ii)1つまたは複数の賦形剤とを含む。活性含有物は、活性含有物の略2重量%~略20重量%、好ましくは略5重量%~略10重量%の範囲の量のシトラスレティキュラータの抽出物と、活性含有物の略5重量%~略20重量%、好ましくは略10重量%~略15重量%の範囲の量のカークマロンガの抽出物と、活性含有物の略5重量%~略25重量%の範囲、好ましくは略10重量%~略20重量%の量のカメリアシネンシスの抽出物と、活性含有物の略10重量%~略40重量%、好ましくは略20重量%~略30重量%の範囲の量のソフォラジャポニカ L.の抽出物と、活性含有物の略2重量%~略20重量%、好ましくは略5重量%~略15重量%の範囲の量のアラキスハイポジアの抽出物と、活性含有物の略20重量%~略40重量%、好ましくは略25重量%~略40重量%の範囲の量のオロキシラムインディカムの抽出物と、活性含有物の略0.01重量%~略3.0重量%、好ましくは略0.03重量%~略2.0重量%の範囲の量のパイパーニグラムL.の抽出物と、を含む。
【0017】
ある実施形態では、組成物は、Citrus reticulate、カークマロンガ、カメリアシネンシス、ソフォラジャポニカ L.、アラキスハイポジア、オロキシラムインディカム、及びパイパーニグラム L.のそれぞれを、組成物が、活性成分の約10重量%~約25重量%の範囲の量のヘスペリジン、活性成分の約15重量%~約35重量%の範囲の量のクルクミン、活性成分の約15重量%~約30重量%の範囲の量のエピガロカテキン、活性成分の約10重量%~約25重量%の範囲の量のルチン、活性成分の約0.5~約8重量%の範囲の量のケルセチン、活性成分の約1重量%~約10重量%の範囲の量のルテオリン、活性成分の約1重量%~約15重量%の範囲の量のバイカリン、活性成分の約0.03重量%~約3重量%の範囲の量のピペリンを含むような量において含む。
【0018】
ある実施形態において、COVID-19及び関連する疾患の管理のための組成物は、活性成分の約10重量%~約25重量%の範囲の量のヘスペリジン;活性成分の約15重量%~約35重量%の範囲の量のクルクミン;活性成分の約15重量%~約30重量%の範囲の量のエピガロカテキン;活性成分の約10重量%~約25重量%の範囲の量のルチン;活性成分の約0.5重量%~約8重量%の範囲の量のケルセチン;活性成分の約1重量%~約10重量%の範囲の量のルテオリン;活性成分の約1重量%~約15重量%の範囲の量のバイカリン;及び活性成分の約0.03%~約3重量%の範囲の量のピペリン、を含む。実施形態において、組成物は、1つまたは複数の賦形剤をさらに含む。
【0019】
ある実施形態では、組成物は、液体製剤に製剤化される。ある実施形態では、組成物は、経口摂取可能な懸濁液に製剤化される。
【0020】
本発明の他の態様、利点、及び顕著な特徴は、本発明の例示的な実施形態と関連して取られる以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下の図面は、本明細書の一部を構成し、本開示の態様をさらに説明するために含まれるものである。本開示は、本明細書に提示される特定の実施形態の詳細な説明と組み合わせて図面を参照することによって、よりよく理解され得る。
【0022】
図1図1AおよびIBは、心筋梗塞に罹患したラットの心臓の病理組織学に対する開発組成物の効果をControl群と比較して示す断片である。
【0023】
図2図2は、本開示の実施形態に従って、0日目から14日目までのCOVID-19陽性患者における日数(RT-PCR)で陰性化する患者の報告に対するSV9(S+V9)及びSの効果を示す例示的なグラフである。
【0024】
図3図3は、本開示の実施形態に従って、0日目から5日目までのCOVID-19陽性患者のCT値(ウイルス量)に対するSV9(S+V9)及びSの効果を示す例示的なグラフである。
【0025】
図4図4は、本開示の実施形態に従って、0~5日目及び0~12日目のCOVID-19陽性患者の血清IL-6レベル(pg/mL)に対するSV9(S+V9)及びSの効果を示す例示的なグラフである。
【0026】
図5図5は、本開示の実施形態に従って、0~5日目及び0~12日目のCOVID-19陽性患者の血清CRPレベル(mg/L)に対するSV9(S+V9)及びSの効果を示す例示的なグラフである。
【0027】
図6図6は、本開示の実施形態に従って、0~5日目及び0~12日目のCOVID-19陽性患者の血清総抗体レベル(mg/L)に対するSV9(S+V9)及びSの効果を示す例示的なグラフである。
【0028】
図7図7は、本開示の実施形態に従って、0~5日目及び0~12日目のCOVID-19陽性患者の血清CPKレベル(U/L)に対するSV9(S+V9)及びSの効果を示す例示的なグラフである。
【0029】
図8図8は、本開示の実施形態に従って、0日目から12日目までのCOVID-19陽性患者の血清Dダイマーレベル(pg FEU/L)に対するSV9(S+V9)及びSの効果を示す例示的なグラフである。
【0030】
図9図9は、本開示の実施形態に従って、0日目から12日目までのCOVID-19陽性患者の血清フェリチンレベル(pg/L)に対するSV9(S+V9)及びSの効果を示す例示的なグラフである。
【0031】
図10図10は、本開示の実施形態に従って、0日目から12日目までのCOVID-19陽性患者の血清CD4レベル(細胞/pL)に対するSV9(S+V9)及びSの効果を示す例示的なグラフである。
【0032】
図11図11は、本開示の実施形態に従って、0日目から12日目までのCOVID-19陽性患者の血清CD8レベル(細胞/pL)に対するSV9(S+V9)及びSの効果を示す例示的なグラフである。
【0033】
図12図12は、本開示の実施形態に従って、0日目から12日目までのCOVID-19陽性患者の血清CD19レベル(細胞/pL)に対するSV9(S+V9)及びSの効果を示す例示的なグラフである。
【0034】
図13図13は、本開示の実施形態に従って、0日目から12日目までのCOVID-19陽性患者の血清CD16/56レベル(細胞/pL)に対するSV9(S+V9)及びSの効果を示す例示的なグラフである。
【0035】
図14図14は、本開示の実施形態に従って、0日目から14日目までのリスクのある(陽性のままの)COVID-19患者に対するSV9(S+V9)及びSの効果を示す例示的なグラフである。
【0036】
図15図15は、本開示の実施形態に従って、陰性化するCOVID-19患者の累積数に対するSV9(S+V9)及びSの効果を示す例示的なグラフである。
【0037】
図16図16は、本開示の実施形態に従って、COVID-19に罹患した患者(各群n=62)に対するSV9(S+V9)の効果を示すグラフであり、COVID-19感染0日目から45日までのX線の正常所見及び異常所見を有する患者の割合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
発明の詳細な説明
本明細書の実施形態とその様々な特徴及び有利な詳細は、以下の説明で詳述される非限定的な実施形態を参照してより包括的に説明される。周知の構成要素及び処理技術の説明は、本明細書の実施形態を不必要に不明瞭にしないように省略される。本明細書で使用される例は、単に、本明細書の実施形態が実施され得る方法の理解を容易にし、当業者が本明細書の実施形態を実践することをさらに可能にすることを意図している。したがって、実施例は、本明細書の実施形態の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0039】
特に指定しない限り、技術用語および科学用語を含む、本発明を開示する際に用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の当業者によって一般的に理解されるような意味を有している。さらなる指針として、本発明の教示をよりよく理解するために、用語の定義が含まれる場合がある。
【0040】
本開示は、一般に、医薬組成物の分野に関するものである。特に、本開示は、COVID-19および関連する疾患の管理において有用性を見出すことができる組成物を提供する。
【0041】
本開示を通じて、本明細書で使用される「COVID-19および関連する疾患の管理(management)」という用語は、SARS-CoV-2ウイルスおよびその株/変種からの感染に関連する疾患または障害であり、これらには、疲労、息切れまたは呼吸困難、咳、関節痛、胸痛、記憶、集中または睡眠問題、筋肉痛、頭痛、速いまたはドキドキする鼓動、嗅覚または味覚の喪失、抑うつまたは不安、発熱、めまい、血液凝固、心筋梗塞、肺障害、重症急性呼吸器症候群(SARS)、腎不全、炎症、脳卒中、発作、ギランバレー症候群および当業者に知られているか理解できる他の障害などを含む。
【0042】
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、及び「the」の意味は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数の参照を含む。また、本明細書で使用される場合、「in」の意味は、文脈が明確に指示しない限り、「in」及び「on」を含む。
【0043】
本明細書で使用されるように、用語「comprise(含む)」、「comprises(含む)」、「comprising(含む)」、「include(含む)」、「includes(含む)」、及び「inluding(含む)」は非限定的であることを意味し、すなわち、結果の終わりに影響しない他のステップ及び他の含有物を添加することができる。上記の用語は、「~からなる」及び「~から本質的になる」という用語を包含する。
【0044】
本明細書で使用する場合、「組成物」、「ブレンド」又は「混合物」という用語はすべて互換的に使用することを意図している。
【0045】
用語「重量パーセント」、「vol-%」、「重量によるパーセント」、「重量%」、及びそれらの変形は、ここで使用される場合、その物質の重量を組成物の総重量で割り、100を乗じたものとして、物質の濃度を指す。ここで使用される場合、「パーセント」、「%」などは、「重量%」、「vol-%」などと同義であることが意図されていることが理解される。
【0046】
いくつかの実施形態において、本発明の特定の実施形態を説明し主張するために使用される、含有物の量、濃度などの特性、反応条件などを表す数値は、「約(略)」という用語によっていくつかの場合において変更されるものと理解されるであろう。したがって、いくつかの実施形態において、明細書の説明に記載された数値パラメータは、特定の実施形態によって得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施形態において、数値パラメータは、報告された有効桁数に照らして、通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。本発明のいくつかの実施形態の広い範囲を定める数値範囲およびパラメータが近似値であるにもかかわらず、具体例に記載された数値は、実際上可能な限り正確に報告される。
【0047】
本明細書における値の範囲の記載は、単に、範囲内に入る各個別の値を個別に参照するための略記法として機能することを意図している。本明細書で特に指示しない限り、各個別の値は、あたかも本明細書に個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0048】
本明細書で提供される発明の見出しおよび要旨は、便宜上のものであり、実施形態の範囲または意味を解釈するものではない。
【0049】
以下の議論は、発明的主題の多くの例示的な実施形態を提供する。各実施形態は発明要素の単一の組み合わせを表しているが、発明的主題は、開示された要素のすべての可能な組み合わせを含むと見なされる。したがって、ある実施形態が要素A、B、及びCを含み、第2の実施形態が要素B及びDを含む場合、発明的主題は、たとえ明示的に開示されていなくても、A、B、C、又はDの他の残りの組み合わせも含むものと見なされる。
【0050】
本開示の一態様は、COVID-19及び関連する疾患の管理のための組成物を提供し、前記組成物は、治療上有効な量のシトラスレティキュラータ(Citrus reticulata、マンダリンオレンジ)、治療上有効な量のカークマロンガ(Curcuma longa、ウコン)、治療上有効な量のカメリアシネンシス(Camellia sinensis、茶の原料となるチャ樹)、治療上有効な量のソフォラジャポニカ L.(Sophora japonica L.、エンジュ)、治療上有効な量のアラキスハイポジア(Arachis hypogaea、落花生)、治療上有効な量のオロキシラムインディカム(Oroxylum indicum、ソリザヤノキ)、及び治療上有効な量のパイパーニグラム L.(Piper nigrum L.、コショウ)のいずれか又は組み合わせで構成されている。実施形態において、本開示の組成物は、COVID-19及び関連する疾患の管理における有用性を見出すことができる。
【0051】
実施形態では、組成物は、治療上有効な量のシトラスレティキュラータ、治療上有効な量のカークマロンガ、治療上有効な量のカメリアシネンシス、治療上有効な量のソフォラジャポニカ L、治療上有効な量のアラキスハイポジア、治療上有効な量のオロキシラムインディカム、及び治療上有効な量のパイパーニグラム L.を含む。実施形態では、組成物は、1つまたは複数の賦形剤をさらに含む。
【0052】
実施形態において、シトラスレティキュラータは、Citrus reticulateの皮を含む。実施形態において、Citrus reticulateは、40%以上の量のシトラスバイオフラボノイドを含有する。実施形態において、シトラスレティキュラータは、35%以上の量のヘスペリジンを含有する。実施形態において、シトラスレティキュラータは、粉末の状態で粉末のシトラスレティキュラータの果皮を含んでいる。実施形態において、シトラスレティキュラータは、40%以上の量のシトラスバイオフラボノイドを含有するシトラスレティキュラータの抽出物を含んでいる。実施形態において、抽出物は、粉末状である。
【0053】
実施形態において、カークマロンガは、カークマロンガの根茎を含んでいる。実施形態において、カークマロンガの根茎は、粉末状である。
【0054】
一実施形態において、カークマロンガは、カークマロンガの抽出物、好ましくはカークマロンガの根茎の抽出物を含んでいる。実施形態において、カークマロンガは、カークマロンガの酢酸エチル抽出物、好ましくはカークマロンガの根茎の酢酸エチル抽出物を含んでいる。実施形態において、抽出物は、粉末状である。実施形態において、抽出物は、60%w/w以上の量のクルクミノイドを含有する。実施形態において、抽出物は、約2.2%w/w~約6.5%の範囲の量でビスデムエトキシクルクミンを含有する。実施形態では、抽出物は、約10.0%~約19.0%の範囲の量でデメトキシクルクミンを含有する。実施形態では、抽出物は、約45.0%~約85.0%の範囲の量でクルクミンを含有する。
【0055】
実施形態において、カメリアシネンシスは、カメリアシネンシスの葉を含んでいる。実施形態において、カメリアシネンシスの葉は、粉末状である。
【0056】
実施形態において、カメリアシネンシスは、カメリアシネンシスの抽出物、好ましくはカメリアシネンシスの葉の抽出物を含んでいる。実施形態において、カメリアシネンシスは、カメリアシネンシスのハイドロアルコール抽出物、好ましくは、カメリアシネンシスの葉のハイドロアルコール抽出物を含んでいる。実施形態において、カメリアシネンシスは、カメリアシネンシスの抽出物、好ましくは、カメリアシネンシスの葉の抽出物を含んでいる。実施形態において、抽出物は、約7.0%w/w以下の量のカフェインを含有する。実施形態において、抽出物は、エピガロカテキンガレート(EGCG)を約30.0%w/w以下の量で含有する。実施形態において、抽出物は、約55.0%w/w以上の量の総カテキン類を含有する。実施形態において、抽出物は、約60.0%w/w~約96%w/wの範囲の量の全ポリフェノールを含有する。実施形態において、抽出物は、約8.0%w/w~約17.0%w/wの範囲の量のエピガロカテキンを含有する。実施形態において、抽出物は、約2.0%w/w~約9.0%w/wの範囲の量のエピカテキンを含有する。実施形態において、抽出物は、エピカテキンガレートを約8.0%w/w~約17.0%w/wの範囲の量で含む。実施形態において、抽出物は、約0.5%w/w~約3.5%w/wの範囲の量のカテキンを含有する。実施形態では、抽出物は、約5.0%w/w~約12.0%w/wの範囲の量のガロカテキンガレートを含有する。
【0057】
実施形態において、ソフォラジャポニカ L.は、ソフォラジャポニカ L.の花を含む。実施形態において、ソフォラジャポニカ L.の花は、粉末状である。
【0058】
実施形態において、ソフォラジャポニカ L.は、ソフォラジャポニカ L.、好ましくは、ソフォラジャポニカ L.の花の抽出物を含んでいる。実施形態において、ソフォラジャポニカ L.は、ソフォラジャポニカ L.のハイドロアルコール抽出物、好ましくはソフォラジャポニカ L.の花のハイドロアルコール抽出物を含んでいる。実施形態において、抽出物は、約30%w/w以上の量のケルセチンを含有する。実施形態において、抽出物は、約30%w/w以上の量のルチンを含有する。実施形態において、抽出物は、粉末状である。
【0059】
実施形態において、アラキスハイポジアは、アラキスハイポジアの鞘殼の抽出物を含んでいる。実施形態において、アラキスハイポジアは、アラキスハイポジアの鞘殼のアルコール抽出物を含んでいる。実施形態において、アラキスハイポジアの鞘殼の抽出物は、粉末状である。実施形態において、アラキスハイポジアの鞘殼の抽出物は、乾燥ベースで約17%w/w以上の量でルテオリンを含有する。
【0060】
実施形態において、オロキシラムインディカムは、オロキシラムインディカムの樹皮を含んでいる。実施形態において、オロキシラムインディカムの樹皮は、粉末状である。実施形態において、オロキシラムインディカムの粉末状の樹皮は、約5.0%w/w以上の量のオロキシリンA及び約6.0%w/w以上の量のバイカリンを含有する。
【0061】
一実施形態において、オロキシラムインディカムは、オロキシラムインディカムの抽出物、好ましくはオロキシラムインディカムの樹皮の抽出物を含む。実施形態において、オロキシラムインディカムは、オロキシラムインディカムのアルコール抽出物、好ましくはオロキシラムインディカムの樹皮のアルコール抽出物を含んでいる。実施形態では、抽出物は、粉末状である。実施形態において、抽出物は、約5.0%w/w以上の量のオロキシリンAを含有する。実施形態では、抽出物は、約6.0%w/w以上の量のバイカリンを含有する。
【0062】
実施形態において、パイパーニグラム L.は、パイパーニグラム L.の果実を含む。実施形態では、パイパーニグラム L.の果実は、粉末状である。実施形態において、パイパーニグラム L.は、パイパーニグラム L.の果実の抽出物を含んでいる。実施形態において、パイパーニグラム L.は、パイパーニグラム L.の果実のハイドロアルコール抽出物を含んでいる。実施形態において、抽出物は、粉末状である。実施形態では、抽出物は、約45%w/w以上の量でピペリンを含有する。
【0063】
実施形態において、COVID-19及び関連する疾患の管理のための組成物は、(i)活性含有物と、(ii)1つまたは複数の賦形剤を含み、その活性含有物は、活性含有物の約2重量%~約20重量%、好ましくは約5重量%~約10重量%の範囲の量のシトラスレティキュラータと、活性含有物の約5重量%~約20重量%、好ましくは約10重量%~約15重量%の範囲の量のカークマロンガと、活性含有物の約5重量%~約25重量%、好ましくは約10重量%~約20重量%の範囲の量のカメリアシネンシスと、活性含有物の約10重量%~約40重量%、好ましくは約20重量%~約30重量%の範囲の量のソフォラジャポニカ L.と、活性含有物の約2重量%~約20重量%、好ましくは約5重量%~約15重量%の範囲の量のアラキスハイポジアと、活性含有物の約20重量%~約40重量%、好ましくは約25%~約40%の範囲の量のオロキシラムインディカムと、活性含有物の約0.01重量%~約3.0重量%、好ましくは約0.03重量%~約2.0重量%の範囲の量でパイパーニグラム L.と、を含んでいる。ある実施形態において、組成物は、組成物の0.5重量%~約80重量%、好ましくは1重量%~約60重量%、より好ましくは3重量%~約50重量%の範囲の量の活性含有物を含んでいる。ある実施形態では、組成物は、1つまたは複数の賦形剤をさらに含む。
【0064】
ある実施形態において、COVID-19及び関連する疾患の管理のための組成物は、(i)活性含有物と、(ii)1つまたは複数の賦形剤を含み、その活性含有物は、活性含有物の約2重量%~約20重量%、好ましくは約5重量%~約10重量%の範囲の量のCitrus reticulateの抽出物と、活性含有物の約5重量%~約20重量%、好ましくは約10重量%~約15重量%の範囲の量のカークマロンガの抽出物と、活性含有物の約5重量%~約25重量%、好ましくは約10重量%~約20重量%の範囲の量のカメリアシネンシスの抽出物と、活性含有物の約10重量%~約40重量%、好ましくは約20重量%~約30重量%の範囲の量のソフォラジャポニカ L.の抽出物と、活性含有物の約2重量%~約20重量%、好ましくは約5重量%~約15重量%の範囲の量のアラキスハイポジアの抽出物と、活性含有物の約20重量%~約40重量%、好ましくは約25%~約40%の範囲の量のオロキシラムインディカムの抽出物と、活性含有物の約0.01重量%~約3.0重量%、好ましくは約0.03重量%~約2.0重量%の範囲の量のパイパーニグラム L.の抽出物と、を含んでいる。ある実施形態では、組成物は、組成物の0.5重量%~約80重量%、好ましくは1重量%~約60重量%、より好ましくは3重量%~約50重量%の範囲の量の活性含有物を含んでいる。
【0065】
ある実施形態では、組成物は、Citrus reticulate、カークマロンガ、カメリアシネンシス、ソフォラジャポニカ L.、アラキスハイポジア、オロキシラムインディカム 、及びパイパーニグラム L.のそれぞれを、組成物が、活性成分の約10重量%~約25重量%の範囲の量のヘスペリジンと、活性成分の約15重量%~約35重量%の範囲の量のクルクミン、活性成分の約15重量%~約30重量%の範囲の量のエピガロカテキン、活性成分の約10重量%~約25重量%の範囲の量のルチンと、活性成分の約0.5~約8重量%の範囲の量のケルセチンと、活性成分の約1重量%~約10重量%の範囲の量のルテオリンと、活性成分の約1重量%~約15重量%の範囲の量のバイカリンと、活性成分の約0.03重量%~約3重量%の範囲の量のピペリンと、を含むような量において含む。
【0066】
以下の表1は、組成物の活性含有物および活性含有物の各々に対する活性成分(複数可)を示すものである。本開示の有利な組成物は、活性含有物(又はその抽出物)を使用するか、又はその活性成分を直接使用するか、又はそれらの組み合わせを使用することによって、実現され得ることが理解されるべきである。活性含有物及びその抽出物と同様に、活性成分も商業的に入手可能であり、本開示の有利な組成物を実現するために、同じものを使用してもよい。
表1:組成物の詳細
【表1】
【0067】
ある実施形態では、組成物は、活性成分の約10重量%~約25重量%の範囲の量のヘスペリジンと、活性成分の約15重量%~約35重量%の範囲の量のクルクミンと、活性成分の約15重量%~約30重量%の範囲の量のエピガロカテキンと、活性成分の約10重量%~約25重量%の範囲の量のルチンと、活性成分の約0.5%~約8%の範囲の量のケルセチンと、活性成分の約1重量%~約10重量%の範囲の量のルテオリンと、活性成分の約1重量%~約15重量%の範囲の量のバイカリンと、活性成分の約0.03重量%~約3重量%の範囲の量のピペリンと、を含む活性成分を含む。
【0068】
ある実施形態では、組成物は、液体製剤に製剤化される。ある実施形態では、組成物は、経口摂取可能な懸濁液に製剤化される。
【0069】
本開示の別の態様は、懸濁製剤を提供し、前記懸濁製剤は、(i)治療上有効な量のヘスペリジン、治療上有効な量のクルクミン、治療上有効な量のエピガロカテキン、治療上有効な量のルチン、治療上有効な量のケルセチン、治療上有効な量のルテオリン、治療上有効な量のバイカリン、及び治療上有効な量のピペリン、を含む活性成分と、(ii)1以上の賦形剤を含んでいる。
【0070】
ある実施形態において、懸濁製剤は、(i)活性成分の約10重量%~約25重量%の範囲の量のヘスペリジン、活性成分の約15重量%~約35重量%の範囲の量のクルクミン、活性成分の約15重量%~約30重量%の範囲の量のエピガロカテキン、活性成分の約10重量%~約25重量%の範囲の量のルチン、活性成分の約0.5重量%~約8重量%の範囲の量のケセルチン、活性成分の約1重量%~約10重量%の範囲の量のルテオリン、活性成分の約1重量%~約15重量%の範囲の量のバイカリン、活性成分の約0.03%~約3重量%の範囲の量のピペリン、を含む活性成分と、(ii)1つ又は複数の賦形剤を含んでいる。ある実施形態では、懸濁製剤は、組成物の約1重量%~約20重量%の範囲の量の活性成分を含み、残余は1つまたは複数の賦形剤である。
【0071】
ある実施形態において、懸濁製剤は、(i)組成物の約3重量%~約10重量%の範囲の量の活性成分と、(ii)残余は1つ又は複数の賦形剤と、を含み、前記活性成分は、活性成分の約16.22重量%の量のヘスペリジン、活性成分の約26.06重量%の量のクルクミン、活性成分の約22.28重量%の量のエピガロカテキン、活性成分の約18.45重量%の量のルチンと、活性成分の約2.68%の量のケセルチン、活性成分の約5.14%の量のルテオリン、活性成分の約8.83%の量のバイカリン、活性成分の約0.34%の量のピペリンを含んでいる。
【0072】
ある実施形態において、懸濁製剤は、懸濁液50ml中に、500mg~850mg、好ましくは600mg~750mgの範囲の量のヘスペリジン、800mg~1250mg、好ましくは900mg~1200mgの範囲の量のクルクミン、600mg~1050mg、好ましくは750~1000mgの範囲の量のエピガロカテキン、600mg~900mg、好ましくは650mg~850mgの範囲の量のルチン、50mg~200mg、好ましくは75mg~125mgの範囲の量のケルセチン、100mg~300mg、好ましくは150mg~250mgの範囲の量のルテオリン、125mg~450mg、好ましくは150~400mgの範囲の量のバイカリン、5mg~50mg、好ましくは10mg~30mgの範囲の量のピペリン、および300mg~700mg、好ましくは400mg~600mgの範囲の量のグリセリジンを含んでいる。
【0073】
ある実施形態では、組成物は、薬用キャンディに製剤化される。ある実施形態において、組成物は、経口分散性錠剤に製剤化される。ある実施形態において、組成物は、経口摂取可能な液体に製剤化される。ある実施形態では、組成物は、シロップに製剤化される。ある実施形態において、組成物は、経口摂取可能な懸濁液に製剤化される。ある実施形態では、組成物は、点鼻薬に製剤化される。ある実施形態では、組成物は、吸入用またはエアロゾル化用の液体として製剤化される。ある実施形態において、組成物は、噴霧用の液体として製剤化される。ある実施形態では、組成物は、注射液に製剤化される。しかしながら、本組成物は、所望の投与経路に従って、任意の液体、半固体または固体の製剤に製剤化され得ることが理解されるべきである。
【0074】
本開示の別の態様は、被験者におけるCOVID-19及び関連する疾患の管理の方法に関し、前記方法は、それを必要とする被験者に有効な量の組成物を投与することを含み、前記組成物は、(i)活性成分の約10重量%~約25重量%の範囲の量のヘスペリジン、活性成分の約15重量%~約35重量%の範囲の量のクルクミン、活性成分の約15重量%~約30重量%の範囲の量のエピガロカテキン、活性成分の約10重量%~約25重量%の範囲の量のルチン、活性成分の約0.5重量%~約8重量%の範囲の量のケルセチン、活性成分の約1重量%~約10重量%の範囲の量のルテオリン、活性成分の約1重量%~約15重量%の量のバイカリン、活性成分の約0.03重量%~約3重量%の範囲の量のピペリン、を含む活性成分と、(ii)1種以上の賦形剤と、を含む。
【0075】
本開示のさらなる態様は、COVID-19及び関連する疾患の管理において使用するための組成物に関し、前記組成物は、(i)活性成分の約10重量%~約25重量%の範囲の量のヘスペリジン、活性成分の約15重量%~約35重量%の範囲の量のクルクミン、活性成分の約15重量%~約30重量%の範囲の量のエピガロカテキン、活性成分の約10重量%~約25重量%の範囲の量のルチン、活性成分の約0.5~約8重量%の範囲の量のケルセチン、活性成分の約1重量%~約10重量%の範囲の量のルテオリン、活性成分の約1重量%~約15重量%の範囲の量のバイカリン、活性成分の約0.03重量%~約3重量%の範囲の量のピペリン、を含む活性成分と、(ii)1種以上の賦形剤と、を含む。
【0076】
本開示のさらに別の態様は、COVID-19及び関連する疾患の管理のための薬剤の製造のための組成物の使用に関し、前記組成物は、(i)活性成分の約10重量%~約25重量%の範囲の量のヘスペリジン、活性成分の約15重量%~約35重量%の範囲の量のクルクミン、活性成分の約15重量%~約30重量%の範囲の量のエピガロカテキン、活性成分の約10重量%~約25重量%の範囲の量のルチン、約0.5~約8重量%の範囲の量のケルセチン、活性成分の約1重量%~約10重量%の範囲の量のルテオリン、活性成分の約1重量%~約15重量%の範囲の量のバイカリン、活性成分の約0.03重量%~約3重量%の範囲の量のピペリン、を含む活性成分と、(ii)1種以上の賦形剤と、を含む。
【0077】
本開示の別の態様は、被験者におけるCOVID-19及び関連する疾患の管理の方法に関し、前記方法は、それを必要とする被験者に有効な量の懸濁液製剤を投与することを含み、前記懸濁液は、50ml中、500mgから850mg、好ましくは600mgから750mgまでの量のヘスペリジン、800mgから1250mg、好ましくは900mgから1200mgまでの量のクルクミン、600mgから1050mg、好ましくは750mgから1000mgまでの量のエピガロカテキン、600mgから900mg、好ましくは650mgから850mgまでの量のルチン、50mgから200mg、好ましくは75mgから125mgまでの量のケルセチン、100mgから300mg、好ましくは150mgから250mgまでの量のルテオリン、125mgから450mg、好ましくは150から400mgまでの量のバイカリン、5mgから50mg、好ましくは10mgから30mgまでの量のピペリン、300mgから700mg、好ましくは400mgから600mgまでの量のグリセリジン、を含む。
【0078】
本開示のさらなる態様は、COVID-19及び関連する疾患の管理に使用するための懸濁製剤に関し、前記懸濁製剤は、懸濁液50ml中に、500mgから850mg、好ましくは、600mgから750mgまでの量のヘスペリジン、800mgから1250mg、好ましくは900mgから1200mgまでの量のクルクミン、600mgから1050mg、好ましくは750~1000mgまでの量のエピガロカテキン、600mgから900mg、好ましくは650mgから850mgまでの量のルチン、50mgから200mg、好ましくは75mgから125mgまでの量のケルセチン、100mgから300mg、好ましくは150mgから250mgまでの量のルテオリン、125mgから450mg、好ましくは150mgから400mgまでの量のバイカリン、5mgから50mg、好ましくは10mg~30mgまでの量のピペリン、300mgから700mg、好ましくは400mgから600mgまでの量のグリセリジン、を含む。
【0079】
本開示の別の態様は、錠剤を提供し、前記錠剤は、治療上有効な量のシトラスレティキュラータ、治療上有効な量のカークマロンガ、治療上有効な量のカメリアシネンシス、治療上有効な量のソフォラジャポニカ L、治療上有効な量のアラキスハイポジア、治療上有効な量のオロキシラムインディカム、及び治療上有効な量のパイパーニグラム L.を含んでいる。ある実施形態では、組成物は、1つまたは複数の賦形剤をさらに含む。
【0080】
ある実施形態において、1つ以上の賦形剤は、増量剤、可溶化剤、結合剤、崩壊剤、キレート剤、潤滑剤、増粘剤、滑剤、香料、着色剤、強壮剤、甘味剤、緩衝剤、保存剤、懸濁剤及び溶剤のいずれか又は組合せを含む。
【0081】
ある実施形態において、増量剤(複数可)には、ラクトースUSP、スターチ1500、マンニトール、ソルビトール、マルトデキストリン、マリトール又は他の非還元糖;微結晶セルロース(例えば、アビセル)、二塩基酸カルシウム(無水又は二水塩)、スクロース等及びこれらの混合物、が挙げられるが、これだけに限られない。しかしながら、当業者であれば、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、意図した目的を果たすために、任意の他の増量剤(複数可)を利用することができることを理解するであろう。
【0082】
ある実施形態において、可溶化剤(複数可)には、シクロデキストリン、pH調整剤、塩及びバッファ、界面活性剤、脂肪酸、リン脂質、脂肪酸の金属及び同類のものが含まれるが、これらに限定されるものではない。しかしながら、当業者であれば、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、意図する目的を果たすために、任意の他の可溶化する剤(複数可)を利用することができることを理解するであろう。
【0083】
ある実施形態において、結合剤(複数可)には、セルロース誘導体(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等)、ポリアクリレート(カーボポール、ポリカルボフィル等)、ポビドン(全てのグレード)、任意の分子量又はグレードのポリオックス、照射済み又は未照射、デンプン、ポリビニルピロリドン(PVP)、アビセル、及び類似物があるがそれだけに限られるわけではない。しかしながら、当業者であれば、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、意図する目的を果たすために他の任意の結合剤(複数可)を利用できることを理解するであろう。
【0084】
ある実施形態において、滑剤(複数可)には、コロイド状二酸化ケイ素、沈殿二酸化ケイ素、ヒュームドシリカ(CAB-O-SIL M-5P, Cabot Corporationの商標)、ステアロウェット及びステラテックス、シリカ(SILOID及びSILOXシリカ等-Grace Davison Productsの商標、Aerosil-Degussa Pharmaの商標)、高級脂肪酸、その金属塩、水素化植物油等、及び類似物などがあるがそれだけに限られるわけではない。しかしながら、当業者であれば、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、意図する目的を果たすために、任意の他の滑剤(複数可)を利用することができることを理解するであろう。
【0085】
ある実施形態において、香味剤(複数可)には、オレンジ、バナナ、イチゴ、チェリー、ワイルドチェリー、レモンなどのフルーツアロマ;カルダモン、アニス、ミント、メンソール、バニリン、及びエチルバニリン、並びに他の同様のアロマ、又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。しかしながら、当業者であれば、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、意図する目的を果たすために、任意の他の香味剤(複数可)を利用することができることを理解するであろう。
【0086】
ある実施形態において、甘味料(複数可)には、スクラロース、アセスルファム-K、アスパルテーム、サッカリン又はサッカリンナトリウム及びカルシウム塩、シクラミン酸ナトリウム、スクロース、フルクトース、グルコース、ソルビトール、グリセルリジン又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。ある実施形態において、甘味料は、グリチルリチンを含む。しかしながら、当業者であれば、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、意図する目的を果たすために、任意の他の甘味料(複数可)を利用することができることを理解するであろう。
【0087】
ある実施形態において、緩衝系には、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム二水和物、クエン酸、クエン酸一水和物、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム及びリン酸二水素カリウム並びにそれらの同種又は組み合わせを含まれるが、これらに限定されるわけではない。しかしながら、当業者であれば、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、意図する目的を果たすために、任意の他の緩衝系を利用することができることを理解するであろう。
【0088】
ある実施形態において、溶剤としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、デュソプロピルエーテル、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸メチル、酢酸イソブチル、酢酸n-ブチル、塩化メチレン、塩化エチレン、クロロホルム、四塩化炭素、アセトン、エチルメチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、1,4-ジオキサン、トルエン、アンモニア水、氷酢酸、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水、および同種のものを含むが、それだけに限らない。しかしながら、当業者であれば、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、意図する目的を果たすために、任意の他の溶剤または溶剤の組み合わせを利用することができることを理解するであろう。
【0089】
ある実施形態において、懸濁は、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム(ラウリルエーテル硫酸ナトリウムまたはSLES)、およびミレス硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ドキュセート(ジオクチルスルホサクシネート)、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、パーフルオロブタンスルホン酸塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、ステアリン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、および、パーフルオロノナン酸、パーフルオロオクタン酸(PFOAまたはPFO)などのカルボン酸系フッ素界面活性剤、セトリモニウムブロミド(CTAB)、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ベンザルコニウム(BAC)、塩化ベンゼトニウム(BZT)、塩化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、臭化ジオクタデシルジメチルアンモニウム(DODAB)などの第4級アンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤、および、脂肪族アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、脂肪酸エトキシレート等、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、グリセロールモノステアレート、Tween、グリセロールモノラウレート等のグリセロールの脂肪酸エステルソルビトールの脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、高分子電解質、湿潤剤および安定化剤等が挙げられる。
【0090】
本開示の様々な実施形態は、粉末状またはそれ以外で、ハーブの部分および/またはハーブ(またはその部分)の抽出物を参照して本明細書に詳述されているが、同じもの(またはその1つ以上の活性成分)は、その溶解度および/またはバイオアベイラビリティを改善するために、その/それらの微粉化形態または共役形態(例えば、ヘスペリジンとアルファグルコシル部分との共役または連結)またはその他の形態で使用されてよいことを理解されたい。当業者は、製剤要件を満たすために成分の溶解性および/またはバイオアベイラビリティを改善するために日常的に使用されるアプローチに習熟することが期待され、同じものは、簡潔さのために本明細書に詳述されない。したがって、本開示の実施形態の1つ、少数又は全てにおいて、組成物は、ハーブ又はその一部の使用又はハーブ又はその一部の抽出物の使用に代えて、そこに記載されたハーブの1つ、少数又は全ての活性成分を含んでいてもよい。さらに、組成物中に存在する活性成分(複数可)の1つ、少数又は全ては、微粉化形態、共役形態、又は所望の製剤特性を達成するためにその溶解性又はバイオアベイラビリティを改善する又は他の形で補助する他の形態であってよい。

実施例
【0091】
予備的研究
【0092】
コロナウイルス感染症(COVID-19)は、世界的な大流行と公衆衛生上の危機として浮上している。COVID-19に感染した人の多くは、軽度から中等度の症状を経験し、特別な治療を受けることなく回復している。しかし、中等度から重度の症状を経験する患者には、ある種の疾患が関連している。COVID-19に関連する疾患としては、サイトカインストーム、急性肺炎、心筋梗塞などの心筋障害、血液の濃縮や血栓形成、脳機能障害、息切れ、身体・関節・筋肉の痛みなどが主なもので、中でも心筋障害は深刻な健康問題を引き起こすとされる。それを念頭に置いて、イソプロテレノール誘発心筋梗塞ラットモデルにおいて、エピガロカテキンガレート(EGCG)単独、バイカリン単独、ケルセチン単独および併用投与時の効果を把握するための予備的研究を実施した。本開示の発明者は、驚くべきことに、EGCG、バイカリン及びケルセチンを組み合わせて投与した場合、その間に機能的相乗効果を示し、個々の治療と比較して、その組み合わせは心筋梗塞に関連するパラメータを有意に逆転させることを観察した。
【0093】
予備的研究は、グループ1、グループ2、グループ3、グループ4、グループ5の5つのグループに等しく分けられた合計60匹のラットに実施された。グループ1は、90mg/kg体重のイソプロテレノールを投与したラット(すなわち、対照群)を表し、グループ2は、-イソプロテレノール90mg/kg体重+エピガロカテキンガレート(EGCG)138mg/kg体重で処置したラットを表し、グループ3は、-イソプロテレノール90mg/kg体重+バイカリン138mg/kg体重で処置したラットを表し、グループ4は、-イソプロテレノール90mg/kg体重+ケルセチン138mg/kg体重で処理したラットを表し、グループ5は、-イソプロテレノール90mg/kg体重+EGCG91.4mg/kg体重、バイカリン36.3mg/kg体重及びケルセチン10.3mg/kg体重(合計138mg/kg体重)の組み合わせで処置されたラットを表す。本明細書の以下表2に示すように、EGCG、バイカリンおよびケルセチンの間の相乗効果を確立した予備的研究の結果を提供する。
表2 イソプロテレノール誘発心筋梗塞ラットモデルに対する組成物の有効性
【表2】
【0094】
表2から、EGCG、バイカリン及びケルセチンを組み合わせて投与した場合、それらは機能的相乗効果を示し、同じ投与量で個々の治療と比較した場合、組み合わせが心筋梗塞に関連するパラメータGPT、GOT、LDH及びTNF-aを有意に逆転させることが明らかである。
【0095】
予備的な研究に基づいて、本開示の発明者は、上記混合物の一部として他の活性成分/植物抽出物を含む複数の実験を行った。一連の実験の後、本開示の発明者らは、驚くべきことに、患者の免疫応答を調節しながら、全体的又は部分的に、ウイルス複製及び/又はヒト細胞へのウイルス侵入を防止する組成物に到達した。さらに、本開示の組成物は、サイトカインストーム、急性肺炎、血液肥厚(または血栓形成)、腎臓損傷、筋肉&関節痛、および心筋梗塞などの心筋損傷などのCOVID-19関連する疾患からの救済を補助することが観察され得る。
【0096】
実施例1-経口摂取可能な懸濁液
【0097】
50mlの経口摂取可能な懸濁製剤を調製し、その組成物を以下の表3に示した。
表3:懸濁製剤(V9)
【表3】
【0098】
有効性(相乗効果の維持)
【0099】
開発した組成物(表3に示す組成物)の有効性をイソプロテレノール誘発心筋梗塞ラットモデルで評価し、相乗作用の保持を確認することができた。
表4 イソプロテレノール誘発心筋梗塞ラットモデルにおける組成物の有効性
【表4】
【0100】
上記表4から分かるように、開発組成物(上記表3に示す)は、EGCG、バイカリン及びケルセチンの組み合わせと同等(又はそれ以上)の相乗効果を示し、他の活性成分の存在が、心筋梗塞に関連/対応するパラメータGPT、GOT、LDH及びTNF-aの逆転に関して、相乗効果を妨げないことが確認される。図1A及びIBは、心筋梗塞に罹患したラットの心臓の病理組織学に対する開発組成物(上記表3に示す)の効果を、対照群と比較して描いた断片を示す図である。グループ1(図1A)のラットでは、心筋の変性、炎症細胞の浸潤、血管外赤血球が認められたが、グループ2(図1A)のラットでは、心筋の変性、空胞化、炎症細胞の浸潤、出血がほとんど認められなかった。
【0101】
臨床試験
【0102】
上記実施例1で調製した懸濁液(V9)を、COVID-19及び関連疾患の管理に関する臨床試験に供した。軽度から中等度のCOVID-19患者の管理のための標準治療/標準介入(以下、表5において本明細書に提供するSと称する)の補助治療としての懸濁液(V9)の有効性および安全性を評価するため、無作為化、オープンラベル、並行効果、アクティブコントロール、多施設探索的試験であった。インフルエンザ様症状を呈し、COVID-19 RT-PCR検査が確認された成人約124名を試験対象として選択した。
試験期間:治療期間:12日±2日、フォローアップ期間:30日。
試験のタイムポイント:スクリーニング(Day2~0±2日)、無作為化・入院(Day1±2日)、Day5±2日、Day12±2日、フォローアップ受診(Day45±2日)。
介入:患者を以下の薬物レジメンのいずれかに無作為に割り付けた。
1) 標準的な介入、S (n-62)
2) SV9(懸濁製剤、V9+標準介入、S(n-62))。
用法・用量:標準的な介入-COVID-19の厚生省のガイドラインに準ずる。
懸濁液製剤、V9(1日50ml懸濁液に5000mg)-Day1の負荷量-朝食、昼食及び夕食の1時間前に各25ml;Day2からDay12±2日間維持量-朝食、昼食及び夕食の1時間前にそれぞれ20ml、15ml及び15ml。
表5:標準治療/標準介入(S)
【表5】
【0103】
図2は、0日目(Day0)から14日目(Day14)までのCOVID-19陽性患者における患者の陰性化報告(RT-PCR)に関するSV9(S+V9)の効果、すなわち、標準介入(S)及び補助薬V9 5000mgと標準介入単独(S)を比較した場合の、0日目から14日目までの血清陰性化患者の人数の比較を示す。データは、2つの比較可能な介入群(各群n=62)における期待値と観察値の変化として表した。
【0104】
図3は、0日目から5日目までのCOVID-19陽性患者のCT値(ウイルス量)に関するSV9(S+V9)の効果、すなわち、標準介入(S)及び補助薬V9 5000mgと標準介入(S)単独を比較した場合の、0日目から5日目までの1日あたりのCT値(ウイルス量)の平均差の比較を示す。データは、2つの比較可能な介入群(各群n=62)におけるCT値(ウイルス量)レベル(Mean±SEM)の変化で表された。両介入群とも5日目の介入前後で比較すると、*p<0.05, **p<0.01, ***p<0.001, ****P<0.0001で有意であることが確認された。
【0105】
図4は、0日目から5日目までと0日目から12日目までのCOVID-19陽性患者の血清IL-6レベル(pg/mL)に関するSV9(S+V9)の効果を示す。データの解釈は以下の通り:標準治療(S)及び補助薬V9 5000mgと標準治療(S)単独を比較した場合の、0~5日目と0~12日目の血清IL-6値(pg/mL)の比較したものである。データは、2つの比較可能な介入群(各群n=62)における血清IL-6値(Mean±SEM)の変化として表された。両介入群とも5日目と12日目の介入前後で比較すると、*p<0.05, **p<0.01, ***p<0.001, ****P<0.0001で有意であった。
【0106】
図5は、0日目から5日目までと0日目から12日目までのCOVID-19陽性患者の血清CRPレベル(mg/L)に関するSV9(S+V9)の効果を示す。データの解釈は以下の通り:V9 5000mgを標準介入(S)の補助薬とした場合の0~5日目および0~12日目の血清CRPレベル(mg/L)を、標準介入(S)単独の場合と比較したものである。データは、2つの比較可能な介入群(各群n=62)における血清CRP値の変化(Mean±SEM)で表した。両介入群とも5日目と12日目の介入前後で比較すると、*p<0.05, **p<0.01, ***p<0.001, ****P<0.0001で有意であった。
【0107】
図6は、0日目から5日目までと0日目から12日目までのCOVID-19陽性患者の血清総抗体レベル(mg/L)に関するSV9(S+V9)の効果を示す。データの解釈は以下の通り:V9 5000mgを標準介入(S)の補助薬とした場合の0~5日目および0~12日目の血清総抗体レベル(mg/L)を、標準介入(S)単独の場合と比較したものである。データは、2つの比較可能な介入群(各群n=62)における血清総抗体値の変化(Mean±SEM)で表した。両介入群とも5日目と12日目の介入前後で比較すると、*p<0.05, **p<0.01, ***p<0.001, ****P<0.0001で有意であった。
【0108】
図7は、0日目から5日目までと0日目から12日目までのCOVID-19陽性患者の血清CPKレベル(U/L)に関するSV9(S+V9)の効果を示す。データの解釈は以下の通り:V9 5000mgを標準介入(S)の補助薬とした場合の0~5日目および0~12日目の血清CPKレベル(U/L)を、標準介入(S)単独の場合と比較したものである。データは、2つの比較可能な介入群(各群n=62)における血清CPK値の変化(Mean±SEM)として表した。両介入群とも5日目と12日目の介入前後で比較すると、*p<0.05で有意であった。
【0109】
図8は、0日目から12日目までのCOVID-19陽性患者の血清D-ダイマーレベル(pg FEU/L)に関するSV9(S+V9)の効果を示す。データの解釈は以下の通り:V9 5000mgを標準介入(S)の補助薬とした場合の0~12日目の血清D-ダイマーレベル(pg FEU/L)を、標準介入(S)単独の場合と比較したものである。データは、2つの比較可能な介入群(各群n=62)における血清D-ダイマーレベルの変化(Mean±SEM)で表した。両介入群とも12日目の介入前後で比較すると、*p<0.05, **p<0.01, ***p<0.001, ****P<0.0001で有意であった。
【0110】
図9は、0日目から12日目までのCOVID-19陽性患者の血清フェリチンレベル(pg/L)に関するSV9(S+V9)の効果を示す。データの解釈は以下の通り:V9 5000mgを標準介入(S)の補助薬とした場合の0~12日目の血清フェリチンレベル(pg/L)を、標準介入(S)単独の場合と比較したものである。データは、2つの比較可能な介入群(各群n=62)の血清フェリチンレベルの変化(Mean±SEM)として表される。
【0111】
図10は、0日目から12日目までのCOVID-19陽性患者の血清CD4レベル(細胞/pL)に関するSV9(S+V9)の効果を示す。データの解釈は以下の通り:V9 5000mgを標準介入(S)の補助薬とした場合の0~12日目の血清CD4レベル(pg/L)を、標準介入(S)単独の場合と比較したものである。データは、2つの比較可能な介入群(各群n=62)における血清CD4値の変化(Mean±SEM)で表された。両介入群とも12日目の介入前後で比較すると、*p<0.05, **p<0.01, ***p<0.001, ****P<0.0001で有意であった。
【0112】
図11は、0日目から12日目までのCOVID-19陽性患者の血清CD8レベル(細胞/pL)に関するSV9(S+V9)の効果を示す。データの解釈は以下の通り:V9 5000mgを標準介入(S)の補助薬とした場合の0~12日目の血清CD8レベル(pg/L)を、標準介入(S)単独の場合と比較したものである。データは、2つの比較可能な介入群(各群n=62)における血清CD8レベルの変化(Mean±SEM)で表された。両介入群とも12日目の介入前後で比較すると、*p<0.05, **p<0.01, ***p<0.001, ****P<0.0001で有意であった。
【0113】
図12は、0日目から12日目までのCOVID-19陽性患者の血清CD19レベル(細胞/pL)に関するSV9(S+V9)の効果を示す。データの解釈は以下の通り:V9 5000mgを標準介入(S)の補助薬とした場合の0~12日目の血清CD19レベル(pg/L)を、標準介入(S)単独の場合と比較したものである。データは、2つの比較可能な介入群(各群n=62)における血清CD19レベルの変化(Mean±SEM)で表された。両介入群とも12日目の介入前後で比較すると、*p<0.05, **p<0.01, ***p<0.001, ****P<0.0001で有意であった。
【0114】
図13は、0日目から12日目までのCOVID-19陽性患者の血清CD16/56レベル(細胞/pL)に関するSV9(S+V9)の効果を示す。データの解釈は以下の通り:V9 5000mgを標準介入(S)の補助薬とした場合の0~12日目の血清CD16/56レベル(pg/L)を、標準介入(S)単独の場合と比較したものである。データは、2つの比較可能な介入群(各群n=62)における血清CD16/56レベルの変化(Mean±SEM)で表された。両介入群とも12日目の介入前後で比較すると、*p<0.05, **p<0.01, ***p<0.001, ****P<0.0001で有意であった。
【0115】
図14は、0日目から14日目までのリスクのある(陽性であり続ける)COVID-19患者に関するSV9(S+V9)の効果を示す。データの解釈は以下の通り:V9 5000mgを標準介入(S)の補助薬とした場合の0~14日目の陽性であり続ける患者における平均差を、標準介入(S)単独の場合と比較したものである。データは、2つの比較可能な介入群(各群n=62)における陽性残存患者数の変化(Mean±SEM)で表された。両介入群とも5日目の介入前後で比較すると、*p<0.05, **p<0.01, ***p<0.001, ****P<0.0001で有意であった。
【0116】
図15は、COVID-19患者が陰性化する累積数に関するSV9(S+V9)とSの効果を示す。
【0117】
図16は、COVID-19に罹患した患者(各群n=62)に関するSV9(S+V9)の効果を示し、、COVID-19感染0日目から45日目までのX線所見が正常である患者と異常である患者の割合を示したものである。0日目のX線異常所見は,標準介入(S)群で37.10%(n=23/62)、SV9群で90.32%(n=56/62)であった。SとSV9の治療開始12±2日後では、SV9群では22.95%(n=14/61)のみが異常所見を示し,0日目から開始した患者状態に変化がないこと示す標準介入(S)群と比較して77.05%(n=47/61)の患者が正常所見を示した。
【0118】
以下の表6は、プロトロンビン時間(PT)に対する本開示の組成物の効果を例示するものである。
表6:プロトロンビン時間(PT)に関する組成物の効果
【表6】
【0119】
実施例2:経口摂取可能な懸濁液
【0120】
50mlの経口摂取可能な懸濁製剤を調製し、その組成物を以下の表7に示す。
表7:経口摂取可能な懸濁液の組成物
【表7】
【0121】
提案された組成物は、感染者を緩和するとともに、免疫調節、神経保護、抗炎症、重要な器官/組織保護及び抗酸化効果を提供することによって、より早い回復を支援する。提案された組成物は、最適な栄養、非毒性、天然ハーブ植物抽出物、消化しやすく、健康保護および若返り機能を有し、COVID-19の症状および/または症候を改善し、健康全般および幸福を増進させる。
【0122】
従って、本開示は、1つ以上の植物要素からの1つ以上の標準化フィトエキス(植物抽出物)を含む、広範囲で、非常に有効かつ相乗効果のある組成物を提供し、標的化合物とその%の組み合わせを提供し、それらは、遺伝学、伝播の様々な可能性、増殖、SARS-CoV-2の伝播を特に考慮して選択され、その種類及び量は、SARS-CoV-2の細胞侵入、増殖、及び伝播を阻害するという治療上又は予防上望ましい効果をもたらすために慎重に算定されて、COVID-19と関連した障害の管理のために使用される。
【0123】
特定の実施形態の前述の説明は、本明細書の実施形態の一般的な性質を十分に明らかにするので、他の人は、現在の知識を適用することによって、一般的な概念から逸脱することなく、かかる特定の実施形態を容易に修正および/または様々な用途に適合させることができ、したがって、かかる適合および修正は、開示された実施形態の意味および同等物の範囲で理解されるべきであるし、理解することを意図するものである。本明細書で採用される言い回しまたは用語は、説明のためのものであり、限定するためのものではないことを理解されたい。したがって、本明細書における実施形態は、好ましい実施形態の観点から説明されてきたが、当業者は、本明細書に記載された実施形態の精神及び範囲内で変更を加えて実施することができることを認識するであろう。
効果
【0124】
本開示は、COVID-19及び関連する疾患の管理を支援し得る組成物を提供する。
【0125】
本開示は、被験者の免疫及び一般的な幸福を高めるための組成物を提供する。
【0126】
本開示は、実質的に副作用のない組成物を提供する。
【0127】
本開示は、調製が容易であり、経済的な組成物を提供する。
【0128】
本開示の他の利点は、本明細書に上記で提供された発明の説明から明らかになるであろう。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16