(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】ニッパーおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
B26B 17/00 20060101AFI20240404BHJP
A45D 29/02 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
B26B17/00 A
A45D29/02 L
(21)【出願番号】P 2023117179
(22)【出願日】2023-07-19
【審査請求日】2023-07-19
(31)【優先権主張番号】P 2022195295
(32)【優先日】2022-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514307730
【氏名又は名称】株式会社下川精工
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】下川 征徳
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-243269(JP,A)
【文献】特開平02-007989(JP,A)
【文献】登録実用新案第3230278(JP,U)
【文献】特表2015-503465(JP,A)
【文献】実公昭29-012098(JP,Y1)
【文献】特開平06-023453(JP,A)
【文献】特開昭60-076235(JP,A)
【文献】実開昭55-88768(JP,U)
【文献】実開昭53-30580(JP,U)
【文献】特開平11-128560(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 17/00
A45D 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側に刃部を有し後部側に把持操作部を有した一対のステーと、該一対のステーを交差させた状態で支持した軸部材とを有し、前記把持操作部を操作することで前記刃部が開閉可能に構成されたニッパーであって、
前記一対のステーの交差部において、
前記軸部材は、一方のステーを回動可能に係止するための係止部と他方のステーに固定するための固定用第1連結部とを有し、
前記他方のステーは、前記軸部材の前記固定用第1連結部と連結するための固定用第2連結部を有し、
前記一方のステーは、前記軸部材の前記係止部を配するための係止部配置用凹部と前記軸部材の前記固定用第1連結部を挿通するための貫通部を有し
、
前記軸部材の前記固定用第1連結部は、凸部または凹部にて構成され、
前記他方のステーの前記固定用第2連結部は、前記軸部材の前記固定用第1連結部の前記凸部または前記凹部に嵌合する凹部または凸部にて構成されていることを特徴とするニッパー。
【請求項2】
前記ニッパーは、前記一対のステーの交差部の後方内側に前記一対のステー同士の当接部を有している請求項1に記載のニッパー。
【請求項3】
前記ニッパーは、ニッパー型爪切りである請求項1に記載のニッパー。
【請求項4】
前記ニッパーは、前記一対のステーを開状態に付勢するためのコイルばねを有し、該コイルばねは、前記一対のステーの交差部内において前記一対のステー間に配されて一端側が前記一方のステーに固定され、他端側が前記他方のステーに固定され
ると共に、前記一方のステー側に第1コイルばね配置溝が設けられ、前記他方のステー側に第2コイルばね配置溝が設けられ、前記第1コイルばね配置溝および第2コイルばね配置溝内に前記コイルばねが螺旋状に配されている請求項1に記載のニッパー。
【請求項5】
先端側に刃部を有し後部側に把持操作部を有した一対のステーと、該一対のステーを交差させた状態で支持した軸部材とを有し、前記把持操作部を操作することで前記刃部が開閉可能に構成されたニッパーであって、
前記一対のステーの交差部において、
前記軸部材は、一方のステーを回動可能に係止するための係止部と他方のステーに固定するための固定用第1連結部とを有し、
前記他方のステーは、前記軸部材の前記固定用第1連結部と連結するための固定用第2連結部を有し、
前記一方のステーは、前記軸部材の前記係止部を配するための係止部配置用凹部と前記軸部材の前記固定用第1連結部を挿通するための貫通部を有しているニッパーの製造方法であって、
ステーおよび前記軸部材はNC加工により成形され、前記ニッパーの製造方法における前記ステーの成形工程は、前記ステーを長さ方向に2本ずつ連ねて一体に削り出す第1成形工程と、該第1成形工程にて削り出した2連の前記ステーの長さ方向の両側をそれぞれ把持固定した状態で成形する第2成形工程を有している
ことを特徴とするニッパーの製造方法。
【請求項6】
前記第1成形工程は、前記一対のステーを長さ方向に一体に連ねて削り出すものである請求項
5に記載のニッパーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として爪切りとして使用して好適なニッパーおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、先端側に刃部を有し後部側に把持操作部を有した一対のステーと、該一対のステーを交差させた状態で回動可能に支持した軸部材とを有し、把持操作部を操作することで刃部が開閉可能に構成されたニッパーが種々提案されている。例えばそのようなニッパーとして実用新案登録第3174429号公報のニッパー型爪切りが提案されている。
【0003】
この種のニッパーは、
図17に示すように、一般に熱間鍛造にて形成した一対のステー81,82を交差させた状態で軸孔83内に軸部材84を貫通させ、
図18に示すように軸端部85,86をそれぞれかしめる。その後、軸孔83の両開口端から外部にはみ出している部分を研削・研磨して平坦とし、先端側に交差合わせをして両切断刃をそれそれぞれ付して刃部89を形成することで作製されている。
【0004】
しかし、軸部材84の軸端部85,86のかしめ具合により、一対のステー81,82の開閉が緩くなったり、きつくなったりすることがあった。また、かしめ工程の後に、軸孔83の両開口端から外部にはみ出している部分を研削・研磨して平坦にする工程を有するため、煩雑で最適なニッパーを作製するには熟練を要した。
【0005】
さらに、熱間鍛造にて形成されたニッパーは寸法が区々となり、特に熱間鍛造による熱処理後、冷却過程でステー81,82が変形するため、高精度、高品質のニッパーの作製が困難であった。さらに、成形型を要すると共に先端側の交差合わせをして両切断刃をそれそれぞれ付し刃部89を形成する工程を要し煩雑で時間を要した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の第1の課題は、かしめ工程が不要で、先端側に刃部を有し後部側に把持操作部を有した一対のステーの開閉が軸端部のかしめ具合により影響を受けることがなく最適な状態で開閉させることができ、軸孔の開口端から外部にはみ出した部分を研削・研磨する工程も不要で、熟練を要することなくより容易に作製することができるニッパーを提供することにある。
【0008】
また、本発明の第2の課題は、かしめ工程が不要で、部品成形時に熱処理および成形型が不要で高精度、高品質のニッパーを作製でき、先端側に刃部を有し後部側に把持操作部を有した一対のステーの開閉が軸端部のかしめ具合により影響を受けることもなく最適な状態で開閉させることができ、軸孔の開口端から外部にはみ出した部分を研削・研磨する工程、先端側の交差合わせをして両切断刃をそれそれぞれ付し刃部を形成する工程も不要で、熟練を要することなくより容易に作製することができるニッパーの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記第1の課題を解決するものは、先端側に刃部を有し後部側に把持操作部を有した一対のステーと、該一対のステーを交差させた状態で支持した軸部材とを有し、前記把持操作部を操作することで前記刃部が開閉可能に構成されたニッパーであって、前記一対のステーの交差部において、前記軸部材は、一方のステーを回動可能に係止するための係止部と他方のステーに固定するための固定用第1連結部とを有し、前記他方のステーは、前記軸部材の前記固定用第1連結部と連結するための固定用第2連結部を有し、前記一方のステーは、前記軸部材の前記係止部を配するための係止部配置用凹部と前記軸部材の前記固定用第1連結部を挿通するための貫通部を有し、前記軸部材の前記固定用第1連結部は、凸部または凹部にて構成され、前記他方のステーの前記固定用第2連結部は、前記軸部材の前記固定用第1連結部の前記凸部または前記凹部に嵌合する凹部または凸部にて構成されていることを特徴とするニッパーである(請求項1)。
【0010】
前記ニッパーは、前記一対のステーの交差部の後方内側に前記一対のステー同士の当接部を有していることが好ましい(請求項2)。
【0011】
前記ニッパーは、ニッパー型爪切りであることが好ましい(請求項3)。
【0012】
前記ニッパーは、前記一対のステーを開状態に付勢するためのコイルばねを有し、該コイルばねは、前記一対のステーの交差部内において前記一対のステー間に配されて一端側が前記一方のステーに固定され、他端側が前記他方のステーに固定されると共に、前記一方のステー側に第1コイルばね配置溝が設けられ、前記他方のステー側に第2コイルばね配置溝が設けられ、前記第1コイルばね配置溝および第2コイルばね配置溝内に前記コイルばねが螺旋状に配されていることが好ましい(請求項4)。
【0013】
また、上記第2の課題を解決するものは、先端側に刃部を有し後部側に把持操作部を有した一対のステーと、該一対のステーを交差させた状態で支持した軸部材とを有し、前記把持操作部を操作することで前記刃部が開閉可能に構成されたニッパーであって、前記一対のステーの交差部において、前記軸部材は、一方のステーを回動可能に係止するための係止部と他方のステーに固定するための固定用第1連結部とを有し、前記他方のステーは、前記軸部材の前記固定用第1連結部と連結するための固定用第2連結部を有し、前記一方のステーは、前記軸部材の前記係止部を配するための係止部配置用凹部と前記軸部材の前記固定用第1連結部を挿通するための貫通部を有しているニッパーの製造方法であって、ステーおよび前記軸部材はNC加工により成形され、前記ニッパーの製造方法における前記ステーの成形工程は、前記ステーを長さ方向に2本ずつ連ねて一体に削り出す第1成形工程と、該第1成形工程にて削り出した2連の前記ステーの長さ方向の両側をそれぞれ把持固定した状態で成形する第2成形工程を有していることを特徴とするニッパーの製造方法である(請求項5)。
【0014】
前記第1成形工程は、前記一対のステーを長さ方向に一体に連ねて削り出すものであることが好ましい(請求項6)。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載したニッパーによれば、かしめ工程が不要で、先端側に刃部を有し後部側に把持操作部を有した一対のステーの開閉が軸端部のかしめ具合により影響を受けることがなく最適な状態で開閉させることができ、軸孔の開口端から外部にはみ出した部分を研削・研磨する工程も不要で、熟練を要することなくより容易に作製することができる。
請求項2に記載したニッパーによれば、一対のステーの切断刃同士が過度に接触することを規制することができるため、切断刃の損傷を防止して長期に渡って使用可能なニッパーとなる。
請求項3に記載したニッパーによれば、上記請求項1の効果を奏する高品質なニッパー式爪切りが構成される。
請求項4に記載したニッパーによれば、ニッパーを開いた状態に付勢する付勢部材または付勢構造が外部に表れることなく、付勢部材または付勢構造を簡素な構造でかつ低廉に構成できる。
【0016】
請求項5に記載したニッパーの製造方法によれば、かしめ工程が不要で、部品成形時に熱処理および成形型が不要で高精度、高品質のニッパーを作製でき、先端側に刃部を有し後部側に把持操作部を有した一対のステーの開閉が軸端部のかしめ具合により影響を受けることもなく最適な状態で開閉させることができ、軸孔の開口端から外部にはみ出した部分を研削・研磨する工程、先端側の交差合わせをして両切断刃をそれそれぞれ付し刃部を形成する工程も不要で、熟練を要することなくより容易に作製することができると共に、より精度が高いステーを極めて短時間で効率的に作製できる。
請求項6に記載したニッパーの製造方法によれば、より精度が高い一対のステーを極めて短時間で効率的に作製できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明のニッパーの一実施例の斜視概略図である。
【
図4】
図2に示したニッパーの右側面概略図である。
【
図5】
図2に示したニッパーの左側面概略図である。
【
図6】
図2に示したニッパーの交差部の構造を説明するための部分縦断面図である。
【
図7】
図2に示したニッパーの交差部付近の部分拡大縦断面図である。
【
図9】本発明のニッパーの製造方法の特徴的工程を説明するための説明図である。
【
図10】本発明のニッパーの製造方法の他の実施例の特徴的工程を説明するための平面図である。
【
図11】
図10に示したニッパーの製造方法にて削り出した部品の正面図である。
【
図12】
図10に示したニッパーの製造方法の他の特徴的工程を説明するための平面図である。
【
図13】本発明のニッパーの他の実施例の平面図である。
【
図14】
図13に示した本発明のニッパーの作用を説明するための平面図である。
【
図15】本発明のニッパーの他の実施例における交差部付近の部分拡大縦断面図である。
【
図16】本発明のニッパーの他の実施例における交差部付近の部分拡大縦断面図である。
【
図17】従来のニッパーの交差部の構造を説明するための部分拡大縦断面図である。
【
図18】従来のニッパーの交差部の構造を説明するための部分拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明では、先端側に刃部2,3を有し後部側に把持操作部4,5を有した一対のステー6,7と、一対のステー6,7を交差させた状態で支持した軸部材8とを有し、一対のステー6,7の交差部9において、軸部材8は、一方のステー6を回動可能に係止するための係止部10と他方のステー7に固定するための固定用第1連結部11とを有し、他方のステー7は、軸部材8の固定用第1連結部11と連結するための固定用第2連結部12を有し、一方のステー6は、軸部材8の係止部10を配するための係止部配置用凹部13と軸部材8の固定用第1連結部11を挿通するための貫通部14を有していることで、かしめ工程が不要で、先端側に刃部を有し後部側に把持操作部を有した一対のステーの開閉が軸端部のかしめ具合により影響を受けることがなく最適な状態で開閉させることができ、軸孔の開口端から外部にはみ出した部分を研削・研磨する工程も不要で、熟練を要することなくより容易に作製することができるニッパー1およびその製造方法を実現した。
【実施例1】
【0019】
本発明のニッパーおよびその製造方法を
図1ないし
図9に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例のニッパー1は、先端側に刃部2,3を有し後部側に把持操作部4,5を有した一対のステー6,7と、一対のステー6,7を交差させた状態で回動可能に支持した軸部材8とを有し、把持操作部4,5を操作することで刃部2,3が開閉可能に構成されたニッパーであって、一対のステー6,7の交差部9において、軸部材8は、一方のステー6を回動可能に係止するための係止部10と他方のステー7に固定するための固定用第1連結部11とを有し、他方のステー7は、軸部材8の固定用第1連結部11と連結するための固定用第2連結部12を有し、一方のステー6は、軸部材8の係止部10を配するための係止部配置用凹部13と軸部材8の固定用第1連結部11および他方のステー7の固定用第2連結部12を挿通するための貫通部14を有している。以下、各構成について順次詳述する。
【0020】
この実施例のニッパー1は、ニッパー式爪切りであり、把持操作部4,5を把持して操作することで刃部2,3を開閉させ、刃部2,3の内側に設けられた切断刃15,16にて爪を切断して使用するものである。ただし、本発明のニッパーは爪切りに限定されるものではなく、他の用途に使用されるものも本発明のニッパーの範疇に広く包含される。
【0021】
この実施例のニッパー1は、把持操作部4,5に滑り止めおよび使用者の手を保護するためのグリップ17,18がそれぞれ設けられている(
図8参照)。これらグリップ17,18の形成材料はどのようなものでもよいが、例えばゴムや樹脂などが好適に使用できる。
【0022】
また、この実施例のニッパー1は、
図8に示すように、一対のステー6,7を開状態に付勢するための弾性部材19,20を有している。これら弾性部材19,20は一端側が把持操作部4,5にそれぞれ取り付けられ、他端側が係合するように配された板バネにて構成されており、把持操作部4,5を閉じて爪等を切断した後、付勢力により刃部2,3および把持操作部4,5が開くように作用する。なお、把持操作部4,5を開状態に付勢する機構はこれに限定されるものではなくどのような機構でもよい。
【0023】
一対のステー6,7は本体部を構成する部材であり、この実施例ではステンレスにて形成されている。ただし、本発明のニッパーは、一対のステーがステンレスにて形成されているものに限定されるものではなく、ニッパーとしての強度または強靭性を有するものであればどのような材料にて形成されていてもよい。
【0024】
一対のステー6,7は、
図1、
図6または
図7に示すように、交差部9付近が上下方向に組み合わされ、一対のステー6,7を交差させた状態で軸部材8により略十字状に回動可能に支持されている。
【0025】
一対のステー6,7は、
図2または
図8に示すように、先端側に刃部2,3をそれぞれ有し、刃部2,3の内側にはそれぞれ切断刃15,16が設けられ、切断刃15,16の最内部が当接して爪等の被切断物が切断されるように構成されている。また、この実施例の刃部2,3の上面側は強度を高めるために鏡面加工が施され、刃部2,3の下面側には
図3に示すように多数の長溝24がそれぞれ平行に形成されている。
【0026】
さらに、この実施例のニッパー1は、
図1または
図8に示すように、一対のステー6,7の交差部9の後方内側に一対のステー6,7同士の当接部21を有している。具体的には、一対のステー6,7は、内側に突出する突出部22,23をそれぞれ有し、切断刃15,16が当接する付近で突出部22,23の対向する当接面22a,23aが当接するように構成されている。このように、一対のステー6,7が交差部9の後方内側に、一対のステー6,7同士の当接部21を有することにより、一対のステー6,7の切断刃同士が過度に接触することを規制することができ、切断刃15,16の損傷を防止して長期に渡って使用可能なニッパーが構成される。なお、ステー同士の当接部の形態はこれに限定されるものではなく、切断刃同士が過度に接触することを規制できるものであればよく、例えば一対のステー6,7の一方側のみに突出部が設けられ当接するものであってもよい。
【0027】
そして、この実施例のニッパー1は、
図7に示すように、一対のステー6,7の交差部9において、軸部材8が一方のステー6を回動可能に係止するための係止部10と他方のステー7に固定するための固定用第1連結部11を有している。
【0028】
具体的には、この実施例の軸部材8の係止部10は、軸部材8に一体に成形された拡径部にて構成されており、係止部10の下面10aにて、一方のステー6の係止部配置用凹部13の内底面13aを係止して、一方のステー6が軸部材8の周りで回動(時計回りおよび反時計回りに回転)可能な状態で保持されるように構成されている。
【0029】
また、この実施例の軸部材8の固定用第1連結部11は、
図7に示すように、係止部10が設けられている部位から下方に突出(延出)するように一体成形され他方のステー7に固定するための縮径部にて構成されており、他方のステー7の固定用第2連結部12に回転不能に嵌合するように構成されている。なお、この実施例の軸部材8の固定用第1連結部11は、他方のステー7の固定用第2連結部12に嵌合させて固定するものであるが、軸部材と他方のステーとの固定構造はこれに限定されるものではなく、例えば軸部材の固定用第1連結部の側面には第1螺合部が設けられ、他方のステーの固定用第2連結部の内側面には、第1螺合部と螺合する第2螺合部が設けられているものであってもよい。これにより、第1螺合部と第2螺合部を螺合させることにより、軸部材と他方のステーをより容易に固定することができる。なお、この実施例の軸部材8の固定用第1連結部11は固定用凸部に構成されているが、これに限定されるものではなく、他方のステーに固定できる形態であればよく、例えば他方のステーの固定用第2連結部が固定用凸部に構成されており、
軸部材の固定用第1連結部11が固定用凹部に構成されたものも本発明の範疇に包含される。
【0030】
他方のステー7は、軸部材8の固定用第1連結部11と連結するための固定用第2連結部12を有している。この実施例の他方のステー7は、中央部付近に上方に向かって環状に突出(延出)して設けられた固定用第2連結部12を有している。
【0031】
この実施例の一方のステー6は、軸部材8の係止部10を配するための係止部配置用凹部13を有すると共に、その下方に他方のステー7の固定用第2連結部12を配するための貫通部14を有している。
【0032】
このように、この実施例のニッパー1は、一対のステー6,7の交差部9において、軸部材8が一方のステー6を回動可能に係止するための係止部10と他方のステー7に固定するための固定用第1連結部11とを有し、他方のステー7は、軸部材8の固定用第1連結部11と連結するための固定用第2連結部12を有し、一方のステー6は、軸部材8の係止部10を配するための係止部配置用凹部13と他方のステー7の固定用第2連結部12を配するための、或いは軸部材8の固定用第1連結部11を挿通するための貫通部14を有しているため、軸部材8の両側の軸端部をかしめることなく、一対のステー6,7と軸部材8を組み付ければよく、換言すれば、一方のステー6を軸部材8と他方のステー7で挟んだ状態で軸部材8と他方のステー7を固定すればよいため、先端側に刃部を有し後部側に把持操作部を有した一対のステーの開閉が軸端部のかしめ具合により影響を受けることがなく最適な状態で開閉させることができる。また、各部材(一対のステー6,7と軸部材8)の組付けにより交差部9を容易に構成できるため、かしめにより軸孔の開口端から外部にはみ出した部分を研削・研磨する工程も不要で、熟練も要することなくより容易に作製できる。
【0033】
つぎに、
図13または
図14に示した本発明のニッパーの他の実施例について説明する。
この実施例のニッパー70と前述したニッパー1との基本的な相違は、前述したニッパー1が、
図8に示すように一対のステー6,7を開状態に付勢するための弾性部材19,20の一端側が把持操作部4,5にそれぞれ取り付けられ、他端側が係合するように配された板バネにて構成されているのに対して、この実施例のニッパー70は、一対のステー6,7を開状態に付勢するためのコイルばね71を有し、コイルばね71は、一対のステー6,7の交差部9内において一対のステー6,7間に配されて一端71a側が一方のステー6に固定され、他端71b側が他方のステー7に固定されている。ニッパー1と同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0034】
具体的には、この実施例のニッパー7は、一方のステー6側に第1コイルばね配置溝72が設けられ、他方のステー7側に第2コイルばね配置溝73が設けられ、これらに螺旋状のコイルばね71が配されることにより、交差部9内において一対のステー6,7間にコイルばね71が配されている。
【0035】
そして、自然な状態では、
図13に示すように、一対のステー6,7を開状態に付勢するコイルばね71の付勢力によってニッパー70は開いた状態にあり、把持操作部4,5を把持して、
図14のように閉じて爪等を切断した後は、コイルばね71の復元力によって刃部2,3および把持操作部4,5が開くように作用する。上記のような構造で、一対のステー6,7の交差部9内にコイルばね71を配することで、ニッパー70を開いた状態に付勢する付勢部材または付勢構造(例えばコイルばね71等)が外部に表れることなく、付勢部材または付勢構造を簡素な構造でかつ低廉に構成することができる。
【0036】
つぎに、
図15に示した本発明のニッパーの他の実施例について説明する。
この実施例のニッパー30と前述したニッパー1との基本的な相違は、この実施例のニッパー30の軸部材が、第1軸部材(凸部側軸部材)と第2軸部材(凹部側軸部材)から構成される点であり、交差部35以外の部分についてはニッパー1と同様である。ニッパー1と同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0037】
この実施例のニッパー30は、先端側に刃部2,3を有し後部側に把持操作部4,5を有した一対のステー31,32と、一対のステー31,32を交差させた状態で回動可能に支持した第1軸部材33および第2軸部材34とを有し、把持操作部4,5を操作することで刃部2,3が開閉可能に構成されたニッパーであって、一対のステー31,32の交差部35において、第1軸部材33は、一方のステー31を回動可能に係止するための第1係止部36と第2軸部材34に固定するための固定用第1連結部37とを有し、第2軸部材34は、他方のステー32を回動可能或いは回動不能に係止するための第2係止部38と第1軸部材33の固定用第1連結部37と連結するための固定用第2連結部39を有し、一方のステー31は、第1軸部材33の第1係止部36を配するための第1係止部配置用凹部40と第1軸部材33の固定用第1連結部37を挿通するための第1貫通部41を有し、他方のステー32は、第2軸部材34の第2係止部38を配するための第2係止部配置用凹部42と第2軸部材34の固定用第2連結部39を挿通するための第2貫通部43を有している。以下、各構成について順次詳述する。
【0038】
この実施例のニッパー30は、一対のステー31,32の交差部35において、第1軸部材33が、一方のステー31を回動可能に係止するための第1係止部36と第2軸部材34に固定するための固定用第1連結部37とを有している。
【0039】
具体的には、この実施例の第1軸部材33の第1係止部36は、第1軸部材33に一体に成形された環状拡径部にて構成されており、第1係止部36の上面36aにて、一方のステー31の第1係止部配置用凹部40の内底面40aを係止して、一方のステー31が第1軸部材33の周りで回動(時計回りおよび反時計回りに回転)可能な状態で保持されるよう構成されている。
【0040】
また、この実施例の第1軸部材33の固定用第1連結部37は固定用凸部に構成され、第1係止部36が設けられている部位から上方に突出(延出)するように一体成形され他方のステー32に固定するための縮径部であり、他方のステー32の固定用第2連結部39に回転不能に嵌合するよう構成されている。ただし、本発明の第1軸部材33の固定用第1連結部37は固定用凸部に限定されず、第2軸部材34の固定用第2連結部39に固定できる形態であればよく、例えば第2軸部材34の固定用第2連結部が固定用凸部に構成されており、第1軸部材33の固定用第1連結部が固定用凹部に構成されたものも本発明の範疇に包含される。
【0041】
第2軸部材34の第2係止部38は、他方のステー32を回動可能或いは回動不能に係止するための部位であり、この実施例の第2軸部材34の第2係止部38は、第2軸部材34に一体に成形された環状拡径部にて構成されており、第2係止部38の下面38aにて、他方のステー32の第2係止部配置用凹部42の内底面42aを係止して、他方のステー32が第2軸部材34の周りで回動(時計回りおよび反時計回りに回転)可能或いは回動不能な状態で保持されるよう構成されている。
【0042】
第2軸部材34の固定用第2連結部39は、第1軸部材33の固定用第1連結部37と連結するための部位であり、この実施例の固定用第2連結部39は中央部付近において下方に向かって環状に突出(延出)して設けられている。
【0043】
この実施例の一方のステー31は、第1軸部材33の第1係止部36を配するための第1係止部配置用凹部40を有すると共に、その上部に第1軸部材33の固定用第1連結部37を挿通するための第1貫通部41を有している。
【0044】
他方、この実施例の他方のステー32は、第2軸部材34の第2係止部38を配するための第2係止部配置用凹部42を有すると共に、その下部に第2軸部材34の固定用第2連結部39を挿通するための第2貫通部43を有している。
【0045】
このように、この実施例のニッパー30は、一対のステー31,32の交差部35において、第1軸部材33が一方のステー31を回動可能に係止するための第1係止部36と第2軸部材34に固定するための固定用第1連結部37とを有し、第2軸部材34が他方のステー32を回動可能或いは回動不能に係止するための第2係止部38と第1軸部材33の固定用第1連結部37と連結するための固定用第2連結部39を有し、一方のステー31は、第1軸部材33の第1係止部36を配するための第1係止部配置用凹部40と第1軸部材33の固定用第1連結部37を挿通するための第1貫通部41を有し、他方のステー32は、第2軸部材34の第2係止部38を配するための第2係止部配置用凹部42と第2軸部材34の固定用第2連結部39を挿通するための第2貫通部43を有しているため、軸部材の両側の軸端部をかしめる必要がなく、一対のステー31,32と第1軸部材33と第2軸部材34を組み付ければよく、換言すれば、一対のステー31,32を第1軸部材33と第2軸部材34にて挟んだ状態で第1軸部材33と第2軸部材34を固定すればよいため、先端側に刃部を有し後部側に把持操作部を有した一対のステーの開閉が軸端部のかしめ具合により影響を受けることがなく最適な状態で開閉させることができる。また、各部材(一対のステー31,32、第1軸部材33および第2軸部材34)の組付けにより交差部35を容易に構成できるため、かしめにより軸孔の開口端から外部にはみ出した部分を研削・研磨する工程も不要で、熟練も要することなくより容易に作製できる。
【0046】
さらに、
図16に示した本発明のニッパーの他の実施例について説明する。
この実施例のニッパー50と前述したニッパー30との相違は、ニッパー30の第1軸部材33の固定用第1連結部37が、第2軸部材34の固定用第2連結部39に嵌合させて固定されるものであるところ、この実施例のニッパー50における第1軸部材51の固定用第1連結部52は、側面に第1螺合部53が設けられ、第2軸部材54の固定用第2連結部55は、内側面に第1螺合部53と螺合する第2螺合部56が設けられて、第1螺合部53と第2螺合部56を螺合させることにより、第1軸部材51と第2軸部材54とを容易に固定することができるように構成されている点のみである。すなわち、この実施例のニッパー50は、駆動部57の+穴、-穴或いは六角穴等にドライバーや六角レンチ等を挿入して第1軸部材33を回転させることで、第1螺合部53と第2螺合部56を螺合させて第1軸部材51と第2軸部材54とを容易に固定することができるものである。ニッパー30と同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0047】
つぎに、本発明のニッパーの製造方法について一実施例を用いて説明する。
この実施例のニッパーの製造方法は、先端側に刃部2,3を有し後部側に把持操作部4,5を有した一対のステー6,7と、一対のステー6,7を交差させた状態で回動可能に支持した軸部材8とを有し、一対のステー6,7の交差部9において、軸部材8は、一方のステー6を回動可能に係止するための係止部10と他方のステー7に固定するための固定用第1連結部11とを有し、他方のステー7は、軸部材8の固定用第1連結部11と連結するための固定用第2連結部12を有し、一方のステー6は、軸部材8の係止部10を配するための係止部配置用凹部13と軸部材8の固定用第1連結部11を挿通するための貫通部14を有しているニッパー1の製造方法であって、一対のステー6,7および軸部材8はNC加工(numerical control machining)により成形されていることを特徴とするニッパーの製造方法である。ニッパー1の各構成については前述した通りであり詳述を省略する。
【0048】
この実施例のニッパー1の製造方法によれば、各部品(一対のステー6,7および軸部材8)の成形工程が、例えば
図9に示すように被加工物(この実施例ではステンレス板)60に対するNC加工により行われるため、部品成形時に熱処理が行われないことから冷却過程で各部品が変形することがなく、高精度、高品質の部品が形成されると共に成形型も不要である。また、各部品の組み立て工程にかしめ工程を要しないため、先端側に刃部を有し後部側に把持操作部を有した一対のステーの開閉が軸端部のかしめ具合により影響を受けることがなく最適な状態で開閉させることができる。さらに、軸孔の開口端から外部にはみ出した部分を研削・研磨する工程、先端側の交差合わせをして両切断刃をそれそれぞれ付し刃部を形成する工程も不要で、熟練を要することなくより容易にニッパー1を作製することができる。
【0049】
さらに、本発明のニッパー製造方法の他の実施例について説明する。
この実施例のニッパーの製造方法は、先端側に刃部2,3を有し後部側に把持操作部4,5を有した一対のステー31,32と、一対のステー31,32を交差させた状態で回動可能に支持した第1軸部材33および第2軸部材34とを有し、把持操作部4,5を操作することで刃部2,3が開閉可能に構成されたニッパーであって、一対のステー31,32の交差部35において、第1軸部材33は、一方のステー31を回動可能に係止するための第1係止部36と第2軸部材34に固定するための固定用第1連結部37とを有し、第2軸部材34は、他方のステー32を回動可能或いは回動不能に係止するための第2係止部38と第1軸部材33の固定用第1連結部37と連結するための固定用第2連結部39を有し、一方のステー31は、第1軸部材33の第1係止部36を配するための第1係止部配置用凹部40と第1軸部材33の固定用第1連結部37を挿通するための第1貫通部41を有し、他方のステー32は、第2軸部材34の第2係止部38を配するための第2係止部配置用凹部42と第2軸部材3の固定用第2連結部39を挿通するための第2貫通部43を有しているニッパー30の製造方法であって、一対のステー31,32、第1軸部材33および第2軸部材34はNC加工(numerical control machining)により成形されていることを特徴とするニッパーの製造方法である。ニッパー30の各構成については前述した通りであり詳述を省略する。
【0050】
この実施例のニッパー30の製造方法によれば、各部品(一対のステー31,32、第1軸部材33および第2軸部材34)の成形工程が、例えば
図9に示すように被加工物(この実施例ではステンレス板)60に対するNC加工により行われるため、部品成形時に熱処理が行われないことから冷却過程で各部品が変形することがなく、高精度、高品質の部品が形成されると共に成形型も不要である。また、各部品の組み立て工程にかしめ工程を要しないため、先端側に刃部を有し後部側に把持操作部を有した一対のステーの開閉が軸端部のかしめ具合により影響を受けることがなく最適な状態で開閉させることができる。さらに、軸孔の開口端から外部にはみ出した部分を研削・研磨する工程、先端側の交差合わせをして両切断刃をそれそれぞれ付し刃部を形成する工程も不要で、熟練を要することなくより容易にニッパー30を作製することができる。
【0051】
さらに、
図10ないし
図12に示した本発明のニッパーの製造方法の他の実施例について説明する。
この実施例のニッパーの製造方法も、先端側に刃部2,3を有し後部側に把持操作部4,5を有した一対のステー6,7と、一対のステー6,7を交差させた状態で回動可能に支持した軸部材8とを有し、一対のステー6,7の交差部9において、軸部材8は、一方のステー6を回動可能に係止するための係止部10と他方のステー7に固定するための固定用第1連結部11とを有し、他方のステー7は、軸部材8の固定用第1連結部11と連結するための固定用第2連結部12を有し、一方のステー6は、軸部材8の係止部10を配するための係止部配置用凹部13と軸部材8の固定用第1連結部11を挿通するための貫通部14を有しているニッパー1の製造方法であり、一対のステー6,7および軸部材8がNC加工(numerical control machining)により成形されている点で前述したニッパー1の製造方法と同様である。
【0052】
従って、この実施例のニッパーの製造方法によっても、各部品(一対のステー6,7および軸部材8)の成形工程が被加工物(この実施例ではステンレス板)60に対するNC加工により行われるため、部品成形時に熱処理が行われないことから冷却過程で各部品が変形することがなく、高精度、高品質の部品が形成されると共に成形型も不要である。また、各部品の組み立て工程にかしめ工程を要しないため、先端側に刃部を有し後部側に把持操作部を有した一対のステーの開閉が軸端部のかしめ具合により影響を受けることがなく最適な状態で開閉させることができる。さらに、軸孔の開口端から外部にはみ出した部分を研削・研磨する工程、先端側の交差合わせをして両切断刃をそれそれぞれ付し刃部を形成する工程も不要で、熟練を要することなくより容易にニッパー1を作製することができる。
【0053】
加えて、この実施例のニッパーの製造方法の第一の特徴は、ステー6,7の成形工程が、ステー(
図10ではステー6)を長さ方向に2本ずつ連ねて一体に削り出す第1成形工程を有している点である。
図10では、同種のステー(一方のステー6)を長さ方向に2連に連ねて10本成形しているが、異なる種類のステー(一対のステー6,7)を長さ方向に2連に連ねて成形してもよく、他方のステー7(同種のステー)を長さ方向に2連に連ねて成形してしてもよい。また、この第1成形工程では、長さ方向に沿って2連のステーを削り出すのみならず、
図11に示すように、立体的な粗削りも同時に行われることでより効率的な成形が行われる。
【0054】
さらに、この実施例のニッパーの製造方法の第二の特徴は、第1成形工程にて削り出した2連のステー(
図12では
図10と同様にステー6)の長さ方向の両側をそれぞれ把持固定した状態で成形する第2成形工程を有している点である。この第2成形工程は、マシニングセンターになどのNC工作機械内の加工物把持固定部61,62にて第1成形工程にて削り出した2連のステーを把持固定された状態で刃部の成形等細部がNC加工される。
【0055】
上記の第1成形工程および第2成形工程を経てステーを成形することで、2本のステーを同時に成形でき、片持ちで保持されるより振動が低減できるため、より精度が高いステーを極めて短時間(従来の1/4の時間)で効率的に作製することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 ニッパー
2,3 刃部
4,5 把持操作部
6,7 一対のステー
6 一方のステー
7 他方のステー
8 軸部材
9 交差部
10 係止部
11 固定用第1連結部
12 固定用第2連結部
13 係止部配置用凹部
14 貫通部
15,16 切断刃
17,18 グリップ
19,20 弾性部材
21 当接部
22 一方側凸部
23 他方側凸部
24 長溝
30 ニッパー
31 一方のステー
32 他方のステー
33 第1軸部材
34 第2軸部材
35 交差部
36 第1係止部
37 固定用第1連結部
38 第2係止部
39 固定用第2連結部
40 第1係止部配置用凹部
41 第1貫通部
42 第2係止部配置用凹部
43 第2貫通部
【要約】
【課題】先端側に刃部を有し後部側に把持操作部を有した一対のステーの開閉が軸端部のかしめ具合により影響を受けることがなく最適な状態で開閉させることができ、軸孔の開口端から外部にはみ出した部分を研削・研磨する工程も不要で、熟練を要することなくより容易に作製できるニッパーおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のニッパー1は、先端側に刃部2,3を有し後部側に把持操作部4,5を有した一対のステー6,7と、一対のステー6,7を支持した軸部材8を有し、軸部材8は一方のステー6を回動可能に係止するための係止部10と他方のステー7に固定する固定用第1連結部11を有し、他方のステー7は軸部材8の固定用第1連結部11を固定する固定用第2連結部12を有し、一方のステー6は軸部材8の係止部10を配する係止部配置用凹部13と軸部材8の固定用第1連結部11を挿通する貫通部14を有している。
【選択図】
図7