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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】通信システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/04 20210101AFI20240404BHJP
   F24C 3/12 20060101ALI20240404BHJP
   F24C 7/02 20060101ALI20240404BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240404BHJP
   H05B 6/12 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
F24C7/04 301A
F24C7/04 301Z
F24C3/12 D
F24C3/12 L
F24C7/02 301J
H04Q9/00 311J
H05B6/12 313
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019004372
(22)【出願日】2019-01-15
(65)【公開番号】P2020112320
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-09-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 友美
【合議体】
【審判長】鈴木 充
【審判官】村山 美保
【審判官】水野 治彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-180935(JP,A)
【文献】特開2017-167617(JP,A)
【文献】特開2018-40515(JP,A)
【文献】特開2005-341080(JP,A)
【文献】特開2017-17415(JP,A)
【文献】特開2019-2557(JP,A)
【文献】特開2019-2556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/12
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理器と、前記加熱調理器と通信可能な外部端末を備える通信システムであって、
前記加熱調理器は、
電池と、
前記電池の電池残量を検出可能な電池残量検出部を備えており、
前記加熱調理器は、前記電池残量検出部が検出した前記電池残量が第1しきい値以下の場合に、前記電池残量に関連する電池残量関連情報を前記外部端末に送信し、
前記外部端末は、前記電池残量関連情報を受信した場合に、前記電池残量関連情報に基づいて、前記電池残量が低減したことに関連する電池残量低減情報を報知し、
前記加熱調理器は、前記電池残量検出部が検出した前記電池残量が前記第1しきい値よりも低い第2しきい値以下の場合に、前記電池からの電力を利用した動作が不能となることを示す動作不能情報を前記外部端末に送信し、
前記外部端末は、前記動作不能情報を受信した場合に、前記加熱調理器において前記電池からの電力を利用した動作が不能となることを報知する、通信システム。
【請求項2】
前記電池残量低減情報は、前記加熱調理器において前記電池からの電力を利用した動作を実行可能な期間を示す動作可能期間に関する情報を含んでおり、
前記動作可能期間は、前記電池残量関連情報に基づいて特定される、請求項1の通信システム。
【請求項3】
前記外部端末は、前記電池残量関連情報に基づいて、前記動作可能期間を特定する、請求項2の通信システム。
【請求項4】
前記加熱調理器および前記外部端末と通信可能な外部サーバをさらに備えており、
前記外部サーバは、
前記加熱調理器から、前記電池残量関連情報を受信し、
前記電池残量関連情報に基づいて、前記動作可能期間を特定し、
前記動作可能期間を示す動作可能期間情報を、前記外部端末に送信する、請求項2の通信システム。
【請求項5】
加熱調理器と通信可能な外部端末において実行されるプログラムであって、
前記加熱調理器は、電池と、前記電池の電池残量を検出可能な電池残量検出部を備えており、
前記プログラムは、前記外部端末のコンピュータに、
前記加熱調理器から、前記電池残量が第1しきい値以下の場合に送信される電池残量関連情報を受信した場合に、前記電池残量関連情報に基づいて、前記電池残量が低減したことに関連する電池残量低減情報を報知する処理と、
前記加熱調理器から、前記電池残量が前記第1しきい値よりも低い第2しきい値以下の場合に送信される動作不能情報を受信した場合に、前記加熱調理器において前記電池からの電力を利用した動作が不能となることを報知する処理と、を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、通信システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、加熱調理器と、前記加熱調理器と通信可能な外部端末を備える通信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-341080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加熱調理器が、商用電力系統からの電力供給ではなく、乾電池や充電池などの電池からの電力供給によって動作することがある。このような構成では、電池残量が低減して電池切れを生じてしまうと、加熱調理器を動作させることができなくなってしまう。本明細書では、加熱調理器と外部端末を備える通信システムにおいて、加熱調理器が電池切れを生じる前に、電池残量の低減を使用者に報知することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する通信システムは、加熱調理器と、前記加熱調理器と通信可能な外部端末を備えていてもよい。前記加熱調理器は、電池と、前記電池の電池残量を検出可能な電池残量検出部を備えていてもよい。前記加熱調理器は、前記電池残量検出部が検出した前記電池残量が第1しきい値以下の場合に、前記電池残量に関連する電池残量関連情報を前記外部端末に送信してもよい。前記外部端末は、前記電池残量関連情報を受信した場合に、前記電池残量関連情報に基づいて、前記電池残量が低減したことに関連する電池残量低減情報を報知してもよい。前記加熱調理器は、前記電池残量検出部が検出した前記電池残量が前記第1しきい値よりも低い第2しきい値以下の場合に、前記電池からの電力を利用した動作が不能となることを示す動作不能情報を前記外部端末に送信してもよい。前記外部端末は、前記動作不能情報を受信した場合に、前記加熱調理器において前記電池からの電力を利用した動作が不能となることを報知してもよい。
【0006】
上記の構成によれば、加熱調理器の電池残量が第1しきい値以下になった時点で、加熱調理器の電池残量が低減したことを、外部端末を介して使用者に報知することができる。加熱調理器が電池切れを生じる前に、電池残量の低減を使用者に報知することができる。さらに上記の構成によれば、加熱調理器の電池残量が第2しきい値以下になり、もうすぐ電池切れを生じるタイミング、又は電池切れを生じたタイミングで、電池切れにより加熱調理器が動作不能となること、又は動作不能となったことを、外部端末を介して使用者に報知することができる。
【0009】
前記通信システムにおいて、前記電池残量低減情報は、前記加熱調理器において前記電池からの電力を利用した動作を実行可能な期間を示す動作可能期間に関する情報を含んでいてもよい。前記動作可能期間は、前記電池残量関連情報に基づいて特定されてもよい。
【0010】
上記の構成によれば、電池残量から特定される加熱調理器の動作可能期間を、外部端末を介して使用者に報知することで、使用者は電池の交換や充電をいつまでに行えばよいか把握することができる。使用者の利便性を向上することができる。
【0011】
前記通信システムにおいて、前記外部端末は、前記電池残量関連情報に基づいて、前記動作可能期間を特定してもよい。
【0012】
上記の構成によれば、簡素な構成によって、電池残量から特定される加熱調理器の動作可能期間を、外部端末を介して使用者に報知することができる。
【0013】
前記通信システムは、前記加熱調理器および前記外部端末と通信可能な外部サーバをさらに備えていてもよい。前記外部サーバは、前記加熱調理器から、前記電池残量関連情報を受信してもよく、前記電池残量関連情報に基づいて、前記動作可能期間を特定してもよく、前記動作可能期間を示す動作可能期間情報を、前記外部端末に送信してもよい。
【0014】
上記の構成によれば、電池残量に基づいて動作可能期間を特定する処理を、加熱調理器や外部端末で行う必要がないので、加熱調理器や外部端末における処理の負荷を軽減することができる。
【0015】
本明細書は、プログラムも開示する。前記プログラムは、加熱調理器と通信可能な外部端末において実行されてもよい。前記加熱調理器は、電池と、前記電池の電池残量を検出可能な電池残量検出部を備えていてもよい。前記プログラムは、前記外部端末のコンピュータに、前記加熱調理器から、前記電池残量が第1しきい値以下の場合に送信される電池残量関連情報を受信した場合に、前記電池残量関連情報に基づいて、前記電池残量が低減したことに関連する電池残量低減情報を報知する処理と、前記加熱調理器から、前記電池残量が前記第1しきい値よりも低い第2しきい値以下の場合に送信される動作不能情報を受信した場合に、前記加熱調理器において前記電池からの電力を利用した動作が不能となることを報知する処理と、を実行させてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、加熱調理器が電池切れを生じる前に、外部端末を介して、電池残量の低減を使用者に報知することができる。さらに上記の構成によれば、加熱調理器がもうすぐ電池切れを生じるタイミング、又は電池切れを生じたタイミングで、電池切れにより加熱調理器が動作不能となること、又は動作不能となったことを、外部端末を介して使用者に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施例に係る通信システム1の構成を示す図である。
図2】実施例に係る加熱調理器2の外観を示す斜視図である。
図3】実施例に係る加熱調理器2の構成を模式的に示すブロック図である。
図4】実施例に係る携帯端末100の構成を模式的に示すブロック図である。
図5】実施例に係る給湯リモコン200の構成を模式的に示すブロック図である。
図6】実施例に係る管理サーバ300、レシピサーバ500、アプリサーバ600の構成を模式的に示すブロック図である。
図7】実施例の加熱調理器2が行う処理の例を示すフローチャートである。
図8】実施例の携帯端末100が行う処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施例)
(通信システム1の構成)
図1を参照して、通信システム1について説明する。通信システム1は、加熱調理器2と、携帯端末100と、給湯リモコン200と、管理サーバ300と、レシピサーバ500と、アプリサーバ600を備えている。
【0019】
加熱調理器2と携帯端末100は、Bluetooth(登録商標)方式に従ったBluetooth(以下では、「BT」と記載する。)通信を介して、互いに通信可能である。また、加熱調理器2と給湯リモコン200は、BT通信を介して、互いに通信可能である。携帯端末100と、給湯リモコン200は、それぞれ、Wi-Fi(登録商標)方式に従ったWi-Fi通信を実行して、インターネット700に接続可能である。管理サーバ300と、レシピサーバ500と、アプリサーバ600は、それぞれ、インターネット700に接続されている。
【0020】
加熱調理器2は、機器製造会社によって製造され、機器販売会社から使用者に対して販売されている。管理サーバ300とレシピサーバ500は、機器製造会社によって管理されている。携帯端末100は、携帯端末提供会社から、使用者に対して販売されている。アプリサーバ600は、携帯端末提供会社によって管理されている。給湯リモコン200は、機器製造会社によって製造され、機器販売会社から使用者に対して販売されている給湯機器(図示せず)のリモコンである。
【0021】
(加熱調理器2の構成)
図2図3に示すように、加熱調理器2は、システムキッチンに組み込んで使用されるガス燃焼式のビルトインコンロである。図2に示すように、加熱調理器2は、前面4aがシステムキッチンの手前側に露出する本体4と、本体4の上部に配置されており、システムキッチンのカウンタトップに露出する天板6と、を備えている。天板6には、加熱対象物である鍋やフライパン等の調理容器を支持する3つの五徳8a,8b,8cと、それぞれの五徳8a,8b,8cに対応して設けられており、それぞれの五徳8a,8b,8cに支持された加熱対象物を加熱する3つのコンロバーナ10a,10b,10cと、それぞれのコンロバーナ10a,10b,10cに対応して設けられている温度センサ12a,12b,12cと、が設けられている。コンロバーナ10aには、ガス供給路(図示省略)が接続されている。ガス供給路には、コンロバーナ10aへのガスの供給量を調整するための流量調整弁(図示省略)が設けられている。コンロバーナ10aは、コンロバーナ10aにガスが供給されている状態でイグナイタ(図示省略)を動作させることで点火する。コンロバーナ10aへのガスの供給量を調整することで、コンロバーナ10aの加熱量を調整することができる。コンロバーナ10aへのガスの供給を停止することで、コンロバーナ10aを消火することができる。コンロバーナ10b、10cは、コンロバーナ10aと同様の構造を有する。温度センサ12a,12b,12cは、五徳8a,8b,8cに支持される加熱対象物の存在を検出するとともに、加熱対象物の底の温度を検出する。
【0022】
本体4は、本体4の内部に設けられて食材を収容するグリル庫20と、本体4の前面4aに配置されてグリル庫20を開閉するグリル扉22と、本体4の前面4aにおいてグリル扉22の右側に設けられたコンロ操作部24と、本体4の前面4aにおいてグリル扉22の左側に設けられたグリル操作部26と、を備えている。なお、グリル庫20の内部には、グリル庫20内に収容した食材を加熱するグリルバーナ21(図3参照)が設けられている。
【0023】
コンロ操作部24は、加熱調理器2の電源スイッチ40と、3つの加熱量操作部42a,42b,42cと、パネル操作部44と、を備える。加熱量操作部42a,42b,42cは、それぞれ、コンロバーナ10a,10b,10cに対応する。加熱量操作部42a,42b,42cは、コンロバーナ10a,10b,10cの点火及び消火を行うとともに、コンロバーナ10a,10b,10cの加熱量の調整を行うための操作部である。
【0024】
パネル操作部44は、コンロ表示部46と、コンロ設定操作部48a、48b、48cと、を備える。コンロ表示部46には、各コンロバーナ10a、10b、10cの動作状態などが表示される。使用者は、コンロ設定操作部48a、48b、48cを操作することで、コンロバーナ10a、10b、10cによって加熱される加熱対象物の温度の設定や自動調理の設定などをすることができる。
【0025】
グリル操作部26は、加熱量操作部60と、パネル操作部62と、を備える。使用者は、加熱量操作部60を操作することによって、グリルバーナ21の点火及び消火を行うとともに、グリルバーナ21の加熱量の調整を行うことができる。
【0026】
パネル操作部62は、グリル表示部64と、グリル設定操作部66と、を備える。グリル表示部64には、グリルバーナ21の動作状態などが表示される。使用者は、グリル設定操作部66を操作することで、グリルバーナ21によって加熱される加熱対象物の温度の設定や自動調理の設定などをすることができる。
【0027】
図3に示すように、加熱調理器2はさらに、電池68と、電池残量検出部70と、BTI/F(インタフェースの略)72と、制御部80と、を備える。なお、図3では、図示の明瞭化のために、コンロバーナ10b、10c、温度センサ12b、12c、加熱量操作部42b、42c、コンロ設定操作部48b、48cの図示を省略している。電池68は、例えば乾電池や充電池であって、加熱調理器2の各電子部品に電力を供給する。電池残量検出部70は、電池68の電池残量を示す指標となる物理量を検出する。本実施例では、電池残量検出部70は、電池68の電池残量を示す指標として、電池68の端子電圧を検出する。BTI/F72は、外部機器とのBT通信を実行するための無線I/Fである。加熱調理器2は、BTI/F72を介して、携帯端末100及び給湯リモコン200とBT通信を実行可能である。
【0028】
制御部80は、加熱調理器2の動作を制御する。制御部80は、不揮発性のメモリ82を備える。制御部80は、メモリ82に格納されているメインプログラムに従って、加熱調理器2の動作を制御する。また、メモリ82には、加熱調理器2の型式情報、加熱調理器2の使用者を示す使用者情報、加熱調理器2の使用開始時期や使用回数、各種の動作モードの使用頻度を示す運転情報、エラー履歴を示すエラー情報、電池68の電池残量を示す電池残量情報等を格納している。さらに、メモリ82には、レシピデータを格納可能である。制御部80は、自動調理を実行する際に、メモリ82に格納されたレシピデータに従って、コンロバーナ10a,10b,10cやグリルバーナ21等の動作を制御する。
【0029】
(携帯端末100の構成)
携帯端末100は、携帯電話、スマートフォン等の可搬型の端末装置である。図4に示すように、携帯端末100は、表示部102と、操作部104と、BTI/F106と、Wi-FiI/F108と、制御部110と、を備える。表示部102は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部102は、いわゆるタッチパネル(即ち操作部104)として機能してもよい。操作部104は、複数のキーを備える。使用者は、操作部104を操作することによって、様々な指示を携帯端末100に入力することができる。BTI/F106は、外部機器とのBT通信を実行するための無線I/Fである。携帯端末100は、BTI/F106を介して、加熱調理器2とBT通信を実行可能である。Wi-FiI/F108は、外部機器とのWi-Fi通信を実行するための無線I/Fである。携帯端末100は、Wi-FiI/F108を介して、インターネット700に接続されたWi-Fiルータ800と通信可能である。なお、携帯端末100が携帯電話通信網(図示せず)と通信可能な携帯電話通信I/F(図示せず)を備えている場合、携帯端末100は、Wi-Fiルータ800を介さずに、携帯電話通信網を介してインターネット700に接続可能であってもよい。制御部110は、携帯端末100の動作を制御する。制御部110は、不揮発性のメモリ112を備える。メモリ112には、アプリケーションプログラム(アプリ)が格納可能である。制御部110は、メモリ112に格納されたアプリを実行可能である。
【0030】
(給湯リモコン200の構成)
給湯リモコン200は、加熱調理器2が組み込まれたシステムキッチンの近傍の壁面に据え付けられており、使用者に給湯機器の情報を提示するとともに、使用者からの給湯機器への操作入力を受け入れるリモコンである。図5に示すように、給湯リモコン200は、表示部202と、操作部204と、BTI/F206と、Wi-FiI/F208と、制御部210と、を備える。表示部202は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。操作部204は、複数のキーを備える。使用者は、操作部204を操作することによって、様々な指示を給湯リモコン200に入力することができる。BTI/F206は、外部機器とのBT通信を実行するための無線I/Fである。給湯リモコン200は、BTI/F206を介して、加熱調理器2とBT通信を実行可能である。Wi-FiI/F208は、外部機器とのWi-Fi通信を実行するための無線I/Fである。給湯リモコン200は、Wi-FiI/F208を介して、インターネット700に接続されたWi-Fiルータ800と通信可能である。制御部210は、給湯リモコン200の動作を制御する。制御部210は、不揮発性のメモリ212を備える。
【0031】
(管理サーバ300の構成)
図6に示す管理サーバ300は、加熱調理器2の機器情報を収集するためのサーバ装置である。管理サーバ300は、制御部310と、記憶部320を備えている。制御部310は、加熱調理器2から型式情報、使用者情報、運転情報、エラー情報、電池残量情報等の機器情報を受信すると、記憶部320に格納する。
【0032】
(レシピサーバ500の構成)
レシピサーバ500は、加熱調理器2にレシピデータを提供するためのサーバ装置である。レシピサーバ500は、制御部510と、記憶部520を備えている。記憶部520には、加熱調理器2で実行可能な自動調理に対応する複数のレシピデータが格納されている。制御部510は、携帯端末100または給湯リモコン200から、加熱調理器2に対するレシピデータのダウンロード要求を受信すると、記憶部520に格納されているレシピデータの中から指定されたレシピデータを加熱調理器2に送信する。なお、レシピサーバ500から加熱調理器2へのレシピデータの送信は、携帯端末100を介して行ってもよいし、給湯リモコン200を介して行ってもよい。
【0033】
(アプリサーバ600の構成)
アプリサーバ600は、携帯端末100にアプリを提供するためのサーバ装置である。アプリサーバ600は、制御部610と、記憶部620を備えている。記憶部620には、加熱調理器アプリを含む、複数のアプリが格納されている。制御部610は、携帯端末100からアプリのダウンロード要求があると、記憶部620に格納されたアプリの中から指定されたアプリを携帯端末100に送信する。
【0034】
加熱調理器アプリは、加熱調理器2の機器製造会社によって提供されており、加熱調理器2と携帯端末100を連携動作させるためのアプリである。携帯端末100が加熱調理器アプリを実行すると、携帯端末100は加熱調理器2から機器情報を取得して、取得された機器情報を管理サーバ300に送信する。また、携帯端末100が加熱調理器アプリを実行している時に、使用者がダウンロードしたいレシピデータを携帯端末100で選択すると、携帯端末100はレシピサーバ500に加熱調理器2に対するレシピデータのダウンロード要求を送信して、レシピサーバ500から加熱調理器2にレシピデータを送信させる。
【0035】
図1の通信システム1では、携帯端末100と加熱調理器2の間でBT通信が確立していない場合や、携帯端末100が加熱調理器アプリを実行していない場合でも、給湯リモコン200と加熱調理器2の間でBT通信が確立していれば、加熱調理器2から給湯リモコン200を介して管理サーバ300に機器情報を送信することができる。この場合、使用者が給湯リモコン200に機器情報の送信指示を入力すると、給湯リモコン200が、加熱調理器2から機器情報を取得する。そして、給湯リモコン200は、取得された機器情報を管理サーバ300に送信する。また、携帯端末100と加熱調理器2の間でBT通信が確立していない場合でも、給湯リモコン200と加熱調理器2の間でBT通信が確立しており、かつ携帯端末100が加熱調理器アプリを実行している場合には、給湯リモコン200と管理サーバ300を介して、携帯端末100と加熱調理器2の間で種々のデータの送受信を行うことができる。
【0036】
(加熱調理器2の電池残量低下時の処理)
以下では図7図8を参照して、加熱調理器2の電池68の電池残量が低下した時に、加熱調理器2と携帯端末100がそれぞれ行う処理について説明する。加熱調理器2は、電源スイッチ40が操作されて電源がONになると、図7の処理を実行する。携帯端末100は、加熱調理器アプリが起動されると、図8の処理を実行する。
【0037】
(加熱調理器2が行う処理)
図7のS2では、制御部80は、電池残量検出部70によって、電池68の電池残量を検出する。
【0038】
S4では、制御部80は、S2で検出された電池68の電池残量が、第1しきい値を超えているか否かを判断する。第1しきい値は、使用者に電池68の交換や充電を促す電池残量として設定されている。電池68の電池残量が第1しきい値を超えている場合(YESの場合)、処理はS2へ戻る。電池68の電池残量が第1しきい値以下の場合(NOの場合)、処理はS6へ進む。
【0039】
S6では、制御部80は、S2で検出された電池68の電池残量が、第2しきい値を超えているか否かを判断する。第2しきい値は、第1しきい値よりも低い値に設定されている。例えば、第2しきい値は、BTI/F72を用いた通信を行うために必要な電池68の電池残量よりもわずかに大きな値である。電池残量が第2しきい値を超えている場合(YESの場合)、処理はS8へ進む。電池残量が第2しきい値以下の場合(NOの場合)、処理はS10へ進む。
【0040】
S8では、制御部80は、電池68の電池残量の数値を、電池残量情報として携帯端末100に送信する。S8の後、処理はS2へ戻る。
【0041】
S10では、制御部80は、電池68の電池切れによって通信が不能となることを示す通信不能情報を携帯端末100に送信する。S10の後、処理はS2へ戻る。
【0042】
なお、図7の処理において、加熱調理器2は、S4で電池68の電池残量が第1しきい値以下となった場合(NOの場合)に、追加的に、コンロ表示部46、グリル表示部64、または他の報知手段を用いて、電池68の電池残量が低減したことを使用者に報知してもよい。同様に、加熱調理器2は、S6で電池68の電池残量が第2しきい値以下となった場合(NOの場合)に、追加的に、コンロ表示部46、グリル表示部64、または他の報知手段を用いて、電池68の電池切れによって加熱調理器2が通信不能となることを、使用者に報知してもよい。
【0043】
(携帯端末100が行う処理)
図8のS12では、制御部110は、加熱調理器2から、電池残量情報を受信したか否かを判断する。電池残量情報を受信した場合(YESの場合)、処理はS14へ進む。
【0044】
S14では、制御部110は、電池残量情報から特定される電池68の電池残量に基づいて、加熱調理器2がBTI/F72を用いた通信を行うことが可能な期間である通信可能期間を特定する。制御部110は、例えば、電池68の電池残量と加熱調理器2の通信可能期間の対応関係を示すテーブルを予め記憶しておくことで、電池68の電池残量に基づいて、加熱調理器2の通信可能期間を特定することができる。なお、S14において、制御部110は、電池68の電池残量に基づいて、加熱調理器2がコンロバーナ10a、10b、10cやグリルバーナ21を用いた加熱調理を行うことが可能な期間である調理可能期間を特定してもよい。
【0045】
S16では、制御部110は、加熱調理器2の電池68の電池残量が低減していることを使用者に報知する。例えば、制御部110は、表示部102に、加熱調理器2の電池68の電池残量が低減していることを示すメッセージとともに、S14で算出された加熱調理器2の通信可能期間(および/または調理可能期間)を表示する。S16の後、処理はS12へ戻る。
【0046】
S12で、電池残量情報を受信しない場合(NOの場合)、処理はS18へ進む。S18では、制御部110は、加熱調理器2から、通信不能情報を受信したか否かを判断する。通信不能情報を受信しない場合(NOの場合)、処理はS12へ戻る。通信不能情報を受信した場合(YESの場合)、処理はS20へ進む。
【0047】
S20では、制御部110は、加熱調理器2が電池68の電池切れによって通信不能となることを使用者に報知する。例えば、制御部110は、表示部102に、加熱調理器2が電池68の電池切れによって通信不能となることを示すメッセージを表示する。S10の後、処理はS12へ戻る。
【0048】
加熱調理器2と携帯端末100の間の通信は、種々の原因によって遮断されることがある。例えば、加熱調理器2の電池68の電池残量が低減し、電池切れによって加熱調理器2が通信不能となる場合もあるし、加熱調理器2の電池68の電池残量が十分に残っているものの、電波の干渉や回路の故障などが原因で加熱調理器2と携帯端末100の間の通信が不能となる場合もある。上記の実施例によれば、加熱調理器2と携帯端末100の間で正常に通信を行っている間に、電池68の電池残量が第1しきい値以下となると、加熱調理器2から携帯端末100に電池残量情報を送信し、携帯端末100が電池残量の低減を使用者に報知する。このような構成とすることで、加熱調理器2と携帯端末100の間の通信が遮断された場合に、それが電池68の電池残量が低減して加熱調理器2が電池切れを生じたことに起因するものであるのか、あるいは他の原因に起因するものであるのかを、使用者が適切に判断することができる。
【0049】
なお、上記の実施例において、携帯端末100の使用者は、加熱調理器2の使用者と同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、加熱調理器2の使用者と、携帯端末100の使用者が、離れて暮らしている家族同士であってもよい。この場合、携帯端末100の使用者は、加熱調理器2の電池68の電池残量に関する情報が報知された時に、加熱調理器2の使用者に連絡を取って、電池68の交換または充電を促すことができる。
【0050】
上記の実施例において、図8の処理の一部を、携帯端末100の代わりに、管理サーバ300が行ってもよい。例えば、図8のS14の処理を、携帯端末100の制御部110が行う代わりに、管理サーバ300の制御部310が行ってもよい。この場合、制御部310は、加熱調理器2または携帯端末100から電池残量情報を受信し、電池残量情報から特定される電池68の電池残量に基づいて、加熱調理器2の通信可能期間(および/または調理可能期間)を特定し、特定された加熱調理器2の通信可能期間(および/または調理可能期間)を示す情報を携帯端末100に送信する。このような構成とすることで、携帯端末100の制御部110が行う処理の負荷を軽減することができる。
【0051】
上記の実施例では、加熱調理器2から電池残量情報や通信不能情報を受信して使用者に報知する外部端末として携帯端末100を用いる場合について説明したが、携帯端末100の代わりに給湯リモコン200を外部端末として用いてもよい。この場合、図7のS8やS10において、加熱調理器2の制御部80は電池残量情報や通信不能情報を給湯リモコン200に送信する。また、図8のS12-S20の処理は、携帯端末100の制御部110の代わりに、給湯リモコン200の制御部210が実行する。
【0052】
上記の実施例では、図7のS8で、加熱調理器2の制御部80が、電池68の電池残量の数値を、電池残量情報として携帯端末100に送信する構成について説明した。これとは異なり、図7のS8で、加熱調理器2の制御部80が、電池68の電池残量の数値を送信することなく、電池68の電池残量が低減していることを示す情報のみを、携帯端末100に送信する構成としてもよい。この場合、携帯端末100の制御部110は、S14の通信可能期間(および/または調理可能期間)を特定する処理を行うことなく、S16において、表示部102に、加熱調理器2の電池68の電池残量が低減していることを示すメッセージのみを表示する。
【0053】
上記の実施例では、図7のS6で用いられる第2しきい値を、BTI/F72を用いた通信を行うために必要な電池68の電池残量よりもわずかに大きな値とした場合について説明した。これとは異なり、図7のS6で用いられる第2しきい値を、コンロバーナ10a,10b,10cやグリルバーナ21を用いた調理を行うために必要な電池68の電池残量(通常は、BTI/F72を用いた通信を行うために必要な電池68の電池残量よりも大きい)としてもよいし、これらの調理を行うために必要な電池68の電池残量よりもわずかに大きな値としてもよい。この場合、電池68の電池残量が第2しきい値を下回っても、BTI/F72を用いた通信を行うことは可能であるため、図7のS6で、電池68の電池残量が第2しきい値以上の場合に処理がS8に進み、電池68の電池残量が第2しきい値を下回った場合に処理がS10へ進んでもよい。
【0054】
以上のように、1またはそれ以上の実施形態に係る通信システム1は、加熱調理器2と、加熱調理器2と通信可能な携帯端末100(外部端末の例)を備えている。加熱調理器2は、電池68と、電池68の電池残量を検出可能な電池残量検出部70を備えている。加熱調理器2は、電池残量検出部70が検出した電池残量が第1しきい値以下の場合に、電池68の電池残量の数値を示す電池残量情報(電池残量に関連する電池残量関連情報の例)を携帯端末100に送信する。携帯端末100は、電池残量情報を受信した場合に、電池残量情報に基づいて、加熱調理器2の電池68の電池残量が低減していることを示すメッセージと、加熱調理器2の通信可能期間(電池残量が低減したことに関連する電池残量低減情報)を報知する。
【0055】
上記の構成によれば、加熱調理器2の電池残量が第1しきい値以下になった時点で、加熱調理器2の電池残量が低減したことを、携帯端末100を介して使用者に報知することができる。加熱調理器2が電池切れを生じる前に、電池残量の低減を使用者に報知することができる。
【0056】
1またはそれ以上の実施形態に係る通信システム1において、加熱調理器2は、電池残量検出部70が検出した電池残量が第1しきい値よりも低い第2しきい値以下の場合に、電池68からの電力を利用した通信(動作の例)が不能となることを示す通信不能情報(動作不能情報の例)を携帯端末100に送信する。携帯端末100は、通信不能情報を受信した場合に、加熱調理器2において電池68からの電力を利用した通信が不能となることを示すメッセージを報知する。
【0057】
上記の構成によれば、加熱調理器2の電池残量が第2しきい値以下になり、もうすぐ電池切れを生じるタイミングで、電池切れにより加熱調理器2が通信不能となることを、携帯端末100を介して使用者に報知することができる。
【0058】
1またはそれ以上の実施形態に係る通信システム1において、携帯端末100が使用者に報知する電池残量低減情報は、加熱調理器2において電池68からの電力を利用した通信(動作の例)を実行可能な期間を示す通信可能期間(動作可能期間の例)に関する情報を含んでいる。通信可能期間は、電池残量情報に基づいて特定される。
【0059】
上記の構成によれば、電池残量から特定される加熱調理器2の通信可能期間を、携帯端末100を介して使用者に報知することで、使用者は電池68の交換や充電をいつまでに行えばよいか把握することができる。使用者の利便性を向上することができる。
【0060】
1またはそれ以上の実施形態に係る通信システム1において、携帯端末100は、電池残量情報に基づいて、通信可能期間を特定する。
【0061】
上記の構成によれば、簡素な構成によって、電池残量から特定される加熱調理器2の動作可能期間を、携帯端末100を介して使用者に報知することができる。
【0062】
1またはそれ以上の実施形態に係る通信システム1は、加熱調理器2および携帯端末100と通信可能な管理サーバ300(外部サーバの例)をさらに備えている。管理サーバ300は、加熱調理器2から、電池残量情報を受信し、電池残量情報に基づいて、通信可能期間を特定し、通信可能期間を示す通信可能期間情報を、携帯端末100に送信する。
【0063】
上記の構成によれば、電池残量に基づいて通信可能期間を特定する処理を、加熱調理器2や携帯端末100で行う必要がないので、加熱調理器2や携帯端末100における処理の負荷を軽減することができる。
【0064】
1またはそれ以上の実施形態に係る加熱調理器アプリ(プログラムの例)は、加熱調理器2と通信可能な携帯端末100(外部端末の例)において実行される。加熱調理器2は、電池68と、電池68の電池残量を検出可能な電池残量検出部70を備えている。加熱調理器アプリは、携帯端末100のコンピュータに、加熱調理器2から、電池残量検出部70が検出した電池残量の数値を示す電池残量情報(電池残量に関連する電池残量関連情報の例)を受信した場合に、電池残量情報に基づいて、加熱調理器2の電池68の電池残量が低減していることを示すメッセージと、加熱調理器2の通信可能期間(電池残量が低減したことに関連する電池残量低減情報)を報知する処理を実行させる。
【0065】
上記の構成によれば、加熱調理器2が電池切れを生じる前に、携帯端末100を介して、電池残量の低減を使用者に報知することができる。
【0066】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0067】
1 :通信システム
2 :加熱調理器
4 :本体
4a :前面
6 :天板
8a :五徳
8b :五徳
8c :五徳
10a :コンロバーナ
10b :コンロバーナ
10c :コンロバーナ
12a :温度センサ
12b :温度センサ
12c :温度センサ
20 :グリル庫
21 :グリルバーナ
22 :グリル扉
24 :コンロ操作部
26 :グリル操作部
40 :電源スイッチ
42a :加熱量操作部
42b :加熱量操作部
42c :加熱量操作部
44 :パネル操作部
46 :コンロ表示部
48a :コンロ設定操作部
48b :コンロ設定操作部
48c :コンロ設定操作部
60 :加熱量操作部
62 :パネル操作部
64 :グリル表示部
66 :グリル設定操作部
68 :電池
70 :電池残量検出部
72 :BTI/F
80 :制御部
82 :メモリ
100 :携帯端末
102 :表示部
104 :操作部
106 :BTI/F
108 :Wi-FiI/F
110 :制御部
112 :メモリ
200 :給湯リモコン
202 :表示部
204 :操作部
206 :BTI/F
208 :Wi-FiI/F
210 :制御部
212 :メモリ
300 :管理サーバ
310 :制御部
320 :記憶部
500 :レシピサーバ
510 :制御部
520 :記憶部
600 :アプリサーバ
610 :制御部
620 :記憶部
700 :インターネット
800 :Wi-Fiルータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8