(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】ストッカ
(51)【国際特許分類】
A47G 29/122 20060101AFI20240404BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20240404BHJP
G06Q 10/08 20240101ALI20240404BHJP
【FI】
A47G29/122 B
B65G1/137 Z
G06Q10/08
(21)【出願番号】P 2020045829
(22)【出願日】2020-03-16
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水野 朋子
(72)【発明者】
【氏名】上田 舞祐
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-048014(JP,A)
【文献】特開2019-180588(JP,A)
【文献】特開2019-109558(JP,A)
【文献】国際公開第2019/188678(WO,A1)
【文献】特表2018-520074(JP,A)
【文献】特開2001-175555(JP,A)
【文献】特開2019-126573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/122 - 29/124
B65G 1/137
B65G 61/00
G06Q 10/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ識別番号とユーザ連絡先とを対応付けて記憶する外部又は内部の記憶部を利用するストッカであって、
荷物を収納する納品庫と、
納品者が前記納品庫に荷物を収納しようとする際に前記納品者から前記荷物の受取人のユーザ識別番号を取得し、前記ユーザ識別番号に対応づけられたユーザ連絡先を前記記憶部を利用して取得する制御装置と、
受取人のユーザ識別番号と荷物の配達状況を追跡可能な送り状番号とが記された荷物の送り状を撮像するカメラと、
を備え、
前記制御装置は、前記納品者が前記納品庫に前記荷物を収納することができたか否かを判定し、前記納品者が前記納品庫に前記荷物を収納することができなかったと判定したならば、
前記荷物の受取人のユーザ識別番号を取得するにあたり、前記カメラで撮像された前記荷物の送り状の画像から前記荷物の受取人のユーザ識別番号と前記送り状番号とを読み取って取得し、前記記憶部を利用して取得した前記荷物の受取人の前記ユーザ連絡先に前記荷物を収納することができなかった旨の情報と前記荷物に関する情報とを送信
し、前記荷物に関する情報を送信する際に前記送り状番号を送信する、
ストッカ。
【請求項2】
請求項
1に記載のストッカであって、
所定の操作を受け付ける入力装置
を備え、
前記制御装置は、前記納品者が前記納品庫に前記荷物を収納することができなかったと判定したあと、前記入力装置を介して前記荷物を収納できなかった理由が入力されたならば、前記ユーザ連絡先に前記
荷物を収納できなかった理由を送信する、
ストッカ。
【請求項3】
前記入力装置は、前記荷物を収納できなかった理由を複数の選択肢から前記納品者が選択して入力する、
請求項
2に記載のストッカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、ストッカを開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷物の受け渡し等に用いる宅配ボックスとこれを管理する装置とを備えたシステムが知られている。例えば、特許文献1のロッカーシステムでは、受取人に対してロッカーが満杯である場合には、ロッカーが満杯であった旨を顧客にメールで送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のストッカシステムでは、受取人は配達されなかった荷物の内容や配達されなかった荷物の所在を把握することはできない。そのため、受取人が配達されなかった荷物を受け取るための行動を起し難いという課題がある。
【0005】
本開示はこのような課題を解決するためになされたものであり、受取人が配達されなかった荷物を受け取るための行動を起し易くすることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のストッカシステムは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示のストッカは、
ユーザ識別番号とユーザ連絡先とを対応付けて記憶する外部又は内部の記憶部を利用するストッカであって、
荷物を収納する納品庫と、
納品者が前記納品庫に荷物を収納しようとする際に前記納品者から前記荷物の受取人のユーザ識別番号を取得し、前記ユーザ識別番号に対応づけられたユーザ連絡先を前記記憶部を利用して取得する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記納品者が前記納品庫に前記荷物を収納することができたか否かを判定し、前記納品者が前記納品庫に前記荷物を収納することができなかったと判定したならば、前記記憶部を利用して取得した前記荷物の受取人の前記ユーザ連絡先に前記荷物を収納することができなかった旨の情報と、前記荷物に関する情報とを送信する
ものである。
【0008】
本開示のストッカでは、制御装置は納品者が納品庫に荷物を収納することができなかったならば、記憶部を利用して取得したその荷物の受取人のユーザ連絡先に荷物を収納できなかった旨の情報と荷物に関する情報とを送信する。つまり、納品者が納品庫に荷物を収納することができなかったならば、荷物を収納できなかった旨の情報と荷物に関する情報とをストッカが受取人に通知する。こうした情報を受け取った受取人は、納品庫に収納されなかった荷物を受け取るための行動を起し易くなる。
【0009】
なお、記憶部は、ストッカの内部に備えられていてもよいし、ストッカとは別の外部に備えられてもよい。また、「荷物に関する情報」とは、例えば、今回の荷物を収納しようとしたストッカの場所、荷物を配達した時刻、荷物の送り主、荷物の品名などが挙げられる。制御装置が納品者から荷物の受取人のユーザ識別番号を取得するタイミングは、納品者が納品庫に荷物を収納することができたか否かの判定の前でもよいし後でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】制御装置32と他の装置との入出力を示すブロック図。
【
図6】メインルーチンの一例を示すフローチャート。
【
図7】案内画像Gaと操作画像Gbの一例を示す図。
【
図8】案内画像Gaと操作画像Gbの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、ストッカシステム1の一例を表す概略説明図、
図2は、制御ユニット30の正面図、
図3は、制御装置32と他の装置との入出力を示すブロック図、
図4は、ユーザ情報51の一例を示す図である。なお、本実施形態において、左右方向、前後方向及び上下方向は、
図1及び
図2に示した通りとする。ストッカシステム1は、1又は2以上のストッカ10と、管理装置50とを備えている。なお、
図1では、ストッカ10を1つだけ示した。管理装置50は、ネットワーク12を介してストッカ10と情報のやりとりを行うサーバとして構成されている。この管理装置50は、ユーザ情報51などを管理する。
【0012】
ストッカ10は、
図1に示すように、物品を収納可能な箱状の複数の納品庫20と、各納品庫20への物品の収納や取り出しに関する各種操作を受け付けたり各納品庫20の施錠や解錠に関する各種処理を行ったりする制御ユニット30とを備える。ストッカ10には、上下に複数個(
図1では4個)ずつの納品庫20が左右に複数列(
図1では4列)並んで配置されており、左端の列の1の納品庫20に代えて制御ユニット30が配置されている。このストッカ10は、オフィスやコンビニエンスストア、駅、学校、マンション、ショッピングセンタなど様々な場所に設置され、屋内だけでなく屋外に設置されることもある。ストッカ10は、いずれかの納品庫20を配達先として配達者(納品者)により荷物が収納された後に、受取人14が当該納品庫20から物品を取り出して荷物を受け取ることで、配達者により配達される荷物の受け渡しに用いられる。
【0013】
納品庫20は、
図1に示すように、直方体状の本体20aと、本体20aに開閉可能に取り付けられる矩形板状の扉21とを備え、扉21を開いて本体20a内の空間に物品を収納可能となっている。
【0014】
制御ユニット30は、
図1に示すように、各納品庫20と同じサイズの直方体状の本体30aと、本体30aの前面を覆い各種機器が取り付けられる前面板31と、本体30a内の空間に配置される制御装置32とを備える。前面板31の各種機器としては、
図1,
図2に示すように、板面中央に配置される長方形状のタッチパネル33と、タッチパネル33の右側に配置されるカードリーダ34、コードリーダ35及び受領印モジュール36と、タッチパネル33の左側に配置されるカメラ37、スピーカ38及びシリンダ錠39とが取り付けられている。なお、各種機器としては、これらの他に利用者の有無を検知する図示しない人感センサなどが取り付けられる。
【0015】
タッチパネル33は、タッチ操作が可能な長方形状の画面33aを有している。また、タッチパネル33は、物品の収納や取り出しに関する操作案内などを表示する案内画像Gaを画面33aの上部に表示すると共に、物品の収納や取り出しに関する入力操作などを受け付ける操作画像Gbを画面33aの下部に表示する。なお、
図2では、一例として、操作者に荷物の納品か受取を選択させるための案内画像Gaと、操作者に納品処理をさせるための納品ボタン及び操作者に荷物の受け取りをさせるための受取ボタンを有する操作画像Gbとが表示されている。
【0016】
カードリーダ34、コードリーダ35及び受領印モジュール36は、前面板31におけるタッチパネル33の右側に上方から下方に向かってこの順で配置されている。カードリーダ34は、例えば物品の配達者や受取人14の識別情報などが登録されたICカードなどを読み取るものである。コードリーダ35は、例えば荷物の送り状40(
図5参照)や受取人14の携帯端末15などに示された各種コードを読み取るものである。受領印モジュール36は、例えば物品の送り状40などに受領印を押印可能なスタンプユニットである。なお、制御装置32は、配達者による納品庫20への納品が完了した際に受領印モジュール36に送り状40の挿入を促す案内画像Gaをタッチパネル33の画面33aに表示し、送り状40が挿入されると受領印を押印するように受領印モジュール36を制御する。
【0017】
カメラ37、スピーカ38及びシリンダ錠39は、前面板31におけるタッチパネル33の左側に上方から下方に向かってこの順で配置されている。カメラ37は、ストッカ10の前方の所定範囲を撮像可能に配置され、配達者や荷物の送り状40などの被写体を含む画像を撮像する。スピーカ38は、物品の収納や取り出しに関する操作案内などを複数の音声出力孔を介して音声で出力する。シリンダ錠39は、ストッカ10の管理者などにより鍵穴に挿入された鍵の操作により前面板31を解錠したり施錠したりする。なお、前面板31は、本体30aに開閉可能に取り付けられており、シリンダ錠39の解錠により開操作が可能となる。
【0018】
制御装置32は、
図3に示すように、周知のCPU32a、ROM32b、RAM32c、HDD32d、通信部32eなどで構成される。制御装置32は、タッチパネル33からの入力信号、カードリーダ34からのカード読み取り信号、コードリーダ35からの読み取り信号及びカメラ37からの画像信号を入力可能である。制御装置32はタッチパネル33への制御信号、カードリーダ34への制御信号、コードリーダ35への制御信号、受領印モジュール36への制御信号、カメラ37への制御信号及びスピーカ38への音声信号を出力する。通信部32eは、ネットワーク12を通じて管理装置50や荷物の受取人14の携帯端末15など他の外部機器と通信を行う。
【0019】
管理装置50は、
図1に示すように、周知のCPU50a、ROM50b、RAM50c、HDD50d、通信部50eなどにより構成される。HDD50dは、ユーザ情報51などの各種データや処理プログラムなどの各種アプリケーションプログラムを記憶する。ユーザ情報51は、
図4に示すように、例えば、ユーザの氏名、住所、メールアドレス、電話番号、使用可能なストッカに関する情報などが、ユーザIDに対応づけて記憶されている。通信部50eは、ネットワーク12を通じてストッカ10などの他の外部機器と通信を行う。
【0020】
次に、ストッカシステム1の動作について
図5~8を用いて説明する。以下には、ストッカ10で実行される納品処理及び受取処理について説明する。ここでは、配達者が収納しようとする荷物は、
図5に示すような送り状40が付され、送り状40には、荷物の配達状況を追跡可能な送り状番号41と荷物の受取人14のユーザID42とが付されている場合について主として説明する。
図6はメインルーチンの一例を示すフローチャートである。メインルーチンは、HDD32dに記憶される。図示しない人感センサによって検出信号がCPU32aに入力されたならば、CPU32aは、メインルーチンを開始する。
【0021】
メインルーチンが開始すると、CPU32aは、まず、
図2に示すように、「荷物の納品か荷物の受取を選択して下さい」という案内文を示した画像を案内画像Gaとし、また、納品ボタン及び受取ボタンが設けられた画像を操作画像Gbとして画面33aに表示させ、操作者が納品ボタン及び受取ボタンのいずれのボタン選択したかを判定する(S100)。このとき、CPU32aは、タッチパネル33への入力操作を受け付ける状態に設定する。操作画像Gbに表示される納品ボタン及び受取ボタンはタッチ操作可能な状態である。S100で、いずれのボタンも選択されずに一定時間経過したならば、CPU32aは、タッチパネル33を消灯してメインルーチンを終了する。S100で納品ボタンが選択されたならば、CPU32aは、配達者に対して送り状40に付された受取人14のユーザID42の入力を要求する(S110)。具体的には、CPU32aは、ユーザIDの入力を要求する画像を案内画像Gaとし、テンキーなどを有する画像を操作画像Gbとして画面33aに表示させる。その後、配達者がタッチパネル33を操作して受取人14のユーザID42を入力すると、CPU32aはそのユーザID42を取得する。続いて、CPU32aは、受取人14の情報を取得する(S120)。具体的には、CPU32aは、ネットワーク12を介して管理装置50と通信を行い、HDD50dに記憶されたユーザ情報51から、S110で取得したユーザID42(本実施形態では0001)に対応づけられた、受取人14のメールアドレスと使用可能なストッカに関する情報とを取得する。
【0022】
続いて、CPU32aは、S120で取得した使用可能なストッカに関する情報に基づいて、配達者が操作中のストッカ10を受取人14が使用可能であるか否かを判定する(S130)。受取人14がストッカ10を使用可能でないと判定したならば、CPU32aは、画面33aにエラー画像を表示させるなどして、配達者に対してエラーを報知し、メインルーチンを終了する。
【0023】
続いて、CPU32aは、納品庫20が満室であるか否かを判定する(S160)。S160で納品庫20が満室であると判定したならば、CPU32aは、納品庫20に荷物を収納できなかった旨の情報と荷物を収納できなかった理由が満室である旨とをHDD32dに記録し(S180)、S230に進む。一方、S160で納品庫20が満室ではないと判定したならば、CPU32aは、空いている納品庫20の扉21に設けられた図示しない施錠装置を制御し、その納品庫20を解錠する(S170)。
【0024】
続いて、CPU32aは、配達者に対して荷物の収納を要求すると共に荷物をその納品庫20に収納可能か否かを判定する(S190)。具体的には、CPU32aは、
図7に示すように、「荷物を収納してください」という案内文を示した画像を案内画像Gaとし、また、収納不可ボタンが設けられた画像を操作画像Gbとして画面33aに表示させる。操作画像Gbに表示される収納不可ボタンは、タッチ操作可能な状態である。S190でいずれのボタンも選択されず納品庫20の図示しないセンサから荷物の検出信号が入力されたならば、CPU32aは、納品庫20の本体20a内の空間に荷物が納品されたとみなし納品庫20の扉21に設けられた図示しない施錠装置を制御し、納品庫20を施錠する(S260)。続いて、CPU32aは、受取人14が荷物を受け取る際に必要な受取番号を生成し、受取番号をHDD32dに記録する。そして、CPU32aは、受取番号及び受取番号をコード化した受取コードを、S120で取得した受取人14のメールアドレスにネットワーク12を介して送信し(S270)、メインルーチンを終了する。
【0025】
解錠された納品庫20に荷物を収納できないとS190で判定された場合、具体的には操作画像Gbに表示される収納不可ボタンが選択された場合、配達者に対して荷物を納品庫20に収納することができない理由の選択を要求する(S200)。具体的には、CPU32aは、
図8に示すように、理由の選択を要求する画像を案内画像Gaとし、また、温度管理ボタン、サイズ超過ボタン及び要本人確認ボタンが設けられた画像を操作画像Gbとして画面33aに表示させる。温度管理ボタンは、荷物が冷蔵品又は冷凍品の場合に冷蔵機能又は冷凍機能を持つ納品庫20が空いていなかった場合に選択される。サイズ超過ボタンは、荷物が収納可能な大きさの納品庫20が空いていなかった場合に選択される。要本人確認ボタンは、本人確認が必要な荷物だった場合に選択される。操作画像Gbに表示される温度管理ボタン、サイズ超過ボタン及び要本人確認ボタンはタッチ操作可能である。続いて、CPU32aは、温度管理ボタン、サイズ超過ボタン及び要本人確認ボタンのいずれかのボタンが選択されたか否かを判定する(S210)。
【0026】
S210で温度管理ボタン、サイズ超過ボタン及び要本人確認ボタンのいずれかのボタンが選択されたならば、CPU32aは、納品庫20に荷物を収納できなかった旨の情報と荷物を収納することができなかった理由をHDD32dに記録する(S220)。具体的には、温度管理ボタンが選択された場合、CPU32aは、荷物が冷蔵品又は冷凍品であるが冷蔵機能又は冷凍機能を持つ納品庫20が空いていなかったことを理由としてHDD32dに記憶する。サイズ超過ボタンが選択された場合、CPU32aは、荷物が収納可能な大きさの納品庫20が空いていなかったことを理由としてHDD32dに記憶する。要本人確認ボタンが選択された場合、CPU32aは、今回の荷物は本人確認が必要だったことを理由としてHDD32dに記憶する。
【0027】
S180の後又はS220の後に、CPU32aは、送り状40の画像の撮像を要求する画像を案内画像Gaとして画面33aを表示させるなどして、配達者に対して、カメラ37での送り状40の画像の撮像を要求する(S230)。続いて、CPU32aは、カメラ37を制御して送り状40の画像を撮像し、画像をHDD32dに記録する(S240)。続いて、CPU32aは、S240で取得した荷物の送り状40の画像(荷物に関する情報)と納品庫20に荷物を収納できなかった旨の情報とS180又はS210で取得した納品庫20に荷物を収納できなかった理由とを、S120で取得した受取人14のメールアドレスに送信して(S250)、メインルーチンを終了する。なお、CPU32aは、S250で、今回の荷物を収納しようとしたストッカ10の場所、荷物を配達した時刻、配達会社、荷物の配達者、荷物の送り主、荷物の品名などの情報も併せて受取人14に送信する。これらの情報のすべてが荷物の送り状40に記載されている場合には送り状の画像を送信するだけでよいが、荷物の送り状40に記載されていない情報がある場合にはその情報を送り状の画像とは別に送信する。
【0028】
次に、S100で受取ボタンが選択された場合のルーチンについて説明する。S100で受取ボタンが選択されたならば、CPU32aは、受取人14に対して受取番号の入力を要求する(S280)。具体的には、CPU32aは、「受取番号を入力して下さい」という案内文を示した画像を案内画像Gaとして画面33aに表示させる。その後、受取人14がタッチパネル33を操作して受取番号を入力すると、CPU32aはその受取番号を取得する。続いて、CPU32aは、取得した受取番号がS270でCPU32aにより生成されHDD32dに記録された受取番号と一致するか否かの照合を行う(S290)。S290で受取番号が照合されなかったならば、CPU32aは、画面33aにエラー画像を表示するなどして、受取人14に対してエラーを報知し、メインルーチンを終了する。一方、290で受取番号が照合されたならば、CPU32aは、その受取人14の荷物が収納された納品庫20の扉21に設けられた図示しない施錠装置を制御し、納品庫20を解錠する。続いて、CPU32aは、納品庫20の図示しないセンサから荷物の検出信号が入力されなくなったならば、荷物が取り出されたとみなし、その納品庫20を施錠しメインルーチンを終了する(S300)。
【0029】
ここで、本実施形態のストッカ10の構成要素と本開示のストッカの構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のHDD32dが本開示のストッカの内部の記憶部に相当し、本実施形態のHDD50dが本開示のストッカの外部の記憶部に相当し、タッチパネル33が入力装置に相当し、ユーザID42がユーザ識別番号に相当する。
【0030】
以上説明した本実施形態では、制御装置32は、荷物の受取人14のユーザID42を取得し、配達者が納品庫20に荷物を収納することができなかったならば、その荷物の受取人14のユーザID42に対応付けられたユーザ連絡先をHDD50dを利用して取得する。そして、制御装置32は、取得したユーザ連絡先に荷物を収納できなかった旨の情報と荷物に関する情報を送信する。つまり、配達者が納品庫20に荷物を収納することができなかったならば、荷物を収納できなかった旨の情報と荷物に関する情報をストッカ10が受取人14に通知する。こうした情報を受け取った受取人14は、納品庫20に収納されなかった荷物を受け取るための行動を起し易くなる。例えば、受取人14は、配達者(又は配達会社)に対して、再度同じストッカ10への配送を希望したり、次回は異なる場所に設置されたストッカへの配送を希望したり、自宅又は勤務地への配送を希望したり、荷物を配達中継所に止め置くことを希望したりすることができる。
【0031】
また、所定の操作を受け付けるタッチパネル33を備え、制御装置32は、配達者が納品庫20に荷物を収納することができなかったと判定したならば、タッチパネル33を介して荷物を収納できなかった理由が入力されたか否かを判定し、荷物を収納できなかった理由が入力されたならば、受取人14の連絡先に荷物を収納できなかった理由を送信する。そのため、受取人14はなぜ荷物を収納できなかったのか知ることができる。この場合、タッチパネル33は、荷物を収納できなかった理由を複数の選択肢から配達者が選択して入力するものである。そのため、配達者は荷物を収納できなかった理由を容易に入力することができる。
【0032】
更に、受取人14は、ストッカ10から送られてきた送り状40の画像に付された送り状番号41に基づいて、納品庫20に収納されなかった荷物の配達状況を追跡することができる。
【0033】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0034】
例えば、上述した実施形態では、ユーザ情報51は管理装置50のHDD50dに記憶されていたがこれに限られない。例えば、ユーザ情報51は、制御装置32のHDD32dに記憶されていてもよい。
【0035】
上述した実施形態では、配達者がタッチパネル33を操作してユーザID42をCPU32aに入力したがこれに限られない。例えば、CPU32aは、カメラ37で送り状40の画像を撮像し、荷物の送り状40の画像からユーザID42を取得してもよい。こうすれば、配達者は受取人14のユーザ識別番号をテンキーなどで入力する必要がない。この場合、CPU32aは、荷物の受取人14のユーザID42を取得するにあたり、カメラ37で撮像された荷物の送り状40の画像から荷物の受取人14のユーザID42に加えて送り状番号41を読み取って取得し、ユーザ連絡先に荷物に関する情報を送信する際に送り状番号41を送信してもよい。こうすれば、受取人14は、送り状番号41に基づいて納品庫20に収納されなかった荷物の配達状況を追跡することができる。
【0036】
上述した実施形態では、配達者が荷物を収納できない際の理由を複数の選択肢から配達者が選択して入力したがこれに限られない。例えば、配達者がタッチパネル33を操作して、理由を直接入力できるものとしてもよい。
【0037】
上述した実施形態では、CPU32aは荷物を収納することができなかった旨の情報と、荷物に関する情報、荷物を収納できなかった理由をメールで送信したがこれに限られない。例えば、CPU32aは、携帯端末15にプッシュ通知を送信してもよい。
【0038】
本開示のストッカは、以下のように構成してもよい。
【0039】
本開示のストッカにおいて、受取人のユーザ識別番号が記された荷物の送り状を撮像するカメラを備え、前記制御装置は、前記荷物の受取人のユーザ識別番号を取得するにあたり、前記カメラで撮像された前記荷物の送り状の画像から前記荷物の受取人のユーザ識別番号を読み取って取得してもよい。こうすれば、納品者は受取人のユーザ識別番号をテンキーなどで入力する必要がない。この場合、前記荷物の送り状には、荷物の配達状況を追跡可能な送り状番号が記されていてもよく、前記制御装置は、前記荷物の受取人のユーザ識別番号を取得するにあたり、前記カメラで撮像された前記荷物の送り状の画像から前記荷物の受取人のユーザ識別番号に加えて前記送り状番号を読み取って取得し、前記ユーザ連絡先に前記荷物に関する情報を送信する際に前記送り状番号を送信してもよい。こうすれば、受取人は、送り状番号に基づいて納品庫に収納されなかった荷物の配達状況を追跡することができる。
【0040】
本開示のストッカにおいて、所定の操作を受け付ける入力装置を備え、前記制御装置は、前記納品者が前記納品庫に前記荷物を収納することができなかったと判定したあと、前記入力装置を介して前記荷物を収納できなかった理由が入力されたならば、前記ユーザの連絡先に前記情報を収納できなかった理由を送信してもよい。こうすれば、受取人はなぜ荷物を収納できなかったのか知ることができる。この場合、前記入力装置は、前記荷物を収納できなかった理由を複数の選択肢から前記納品者が選択して入力するものであってもよい。こうすれば、納品者は荷物を収納できなかった理由を容易に入力することができる。
【0041】
本発明は、収容庫やストッカの製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 ストッカシステム、10 ストッカ、12 ネットワーク、14 受取人、15 携帯端末、20 納品庫、20a 本体、21 扉、30 制御ユニット、30a 本体、31 前面板、32 制御装置、32a,50a CPU、32b,50b ROM、32c,50c RAM、32d,50d HDD、32e,50e 通信部、33 タッチパネル、33a 画面、34 カードリーダ、35 コードリーダ、36 受領印モジュール、37 カメラ、38 スピーカ、39 シリンダ錠、40 送り状、41 送り状番号、42 ユーザID、50 管理装置、Ga 案内画像、Gb 操作画像。