(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】設置方法
(51)【国際特許分類】
A62C 35/20 20060101AFI20240404BHJP
A62C 3/00 20060101ALN20240404BHJP
【FI】
A62C35/20
A62C3/00 J
(21)【出願番号】P 2020048901
(22)【出願日】2020-03-19
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】外村 賢昭
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-029585(JP,A)
【文献】特開平09-296648(JP,A)
【文献】特開2002-357045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 35/20
A62C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置領域の壁面部に設けられた収容部に設置される防災装置であって、前記収容部に収容される筐体と、少なくとも一部が前記収容部内に設けられて固定される案内部材であって、前記収容部内において前記筐体の上側又は下側に設けられる案内部材と、を備える前記防災装置であり、前記案内部材は、前記筐体を前記収容部内に案内するための案内用溝部、を備え、前記筐体は、前記案内用溝部内に配置される案内用凸部、を備える前記防災装置を設置する設置方法であって、
前記案内部材を前記収容部における上面又は下面に固定する固定ステップと、
前記案内用凸部を前記案内用溝部内に配置する配置ステップと、
前記配置ステップで配置された前記案内用凸部を前記案内用溝部に沿って移動させることにより、前記筐体を移動させて前記収容部に設置する設置ステップと、
を含
み、
前記筐体は平面視において、幅方向を長手方向とするとともに奥行方向を短手方向とする矩形に内接する形状であり、
前記配置ステップでは、前記筐体の長手方向を前記収容部の開口部と略直交させた状態で、前記案内用凸部を前記案内用溝部内に配置する、
設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災装置、及び設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル消火栓を壁面に設置する際、トンネル消火栓が重量物(例えば、100kg以上)であるため、ユニック車(重機としてのクレーン車)でワイヤーを介して吊り上げられた状態でトンネル壁面に設置することが一般的に行われている。
【0003】
しかし、トンネル壁面が曲率を有しているため、ユニック車が壁面までより付けず、トンネル壁面と吊り上げられた消火栓の間には比較的大きな隙間が出来てしまっていた。
【0004】
このようにトンネル壁面と吊り上げられた消火栓の間に比較的大きな隙間が出来る状況において、トンネル消火栓を設置する方法として、特許文献1の方法が提案されていた。この特許文献1の方法においては、トンネル消火栓は、クレーン車で吊り上げられた状態で、作業員がトンネル消火栓を振り子運動させることにより、トンネル壁面の刳り抜き部にあらかじめ設置されている架台に設置されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の方法においては、消火栓が水平でなくなるため、扉が不時開放して作業に手間取る可能性があった。また、ワイヤー以外に消火栓の荷重を支えるものが作業員だけであるため、消火栓を吊り上げるワイヤーを緩めながら運び入れる作業中に、負荷が比較的大きくかかる可能性があった。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、容易に設置することが可能となる防災装置及び設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の設置方法は、設置領域の壁面部に設けられた収容部に設置される防災装置であって、前記収容部に収容される筐体と、少なくとも一部が前記収容部内に設けられて固定される案内部材であって、前記収容部内において前記筐体の上側又は下側に設けられる案内部材と、を備える前記防災装置であり、前記案内部材は、前記筐体を前記収容部内に案内するための案内用溝部、を備え、前記筐体は、前記案内用溝部内に配置される案内用凸部、を備える前記防災装置を設置する設置方法であって、前記案内部材を前記収容部における上面又は下面に固定する固定ステップと、前記案内用凸部を前記案内用溝部内に配置する配置ステップと、前記配置ステップで配置された前記案内用凸部を前記案内用溝部に沿って移動させることにより、前記筐体を移動させて前記収容部に設置する設置ステップと、を含み、前記筐体は平面視において、幅方向を長手方向とするとともに奥行方向を短手方向とする矩形に内接する形状であり、前記配置ステップでは、前記筐体の長手方向を前記収容部の開口部と略直交させた状態で、前記案内用凸部を前記案内用溝部内に配置する。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載の設置方法によれば、案内部材を収容部における上面又は下面に固定する固定ステップと、案内用凸部を案内用溝部内に配置する配置ステップと、配置ステップで配置された案内用凸部を案内用溝部に沿って移動させることにより、筐体を移動させて収容部に設置する設置ステップとを含むことにより、例えば、案内用凸部又は案内用溝部の一方を、案内用凸部又は案内用溝部の他方に沿って移動させることができるので、筐体を案内部材に対して想定通りに容易に移動させることができるので、防災装置を容易に設置することが可能となる。案内部材側で筐体の荷重の少なくとも一部を負担することができるので、防災装置を比較的小さな力で設置することが可能となる。
また、配置ステップでは、筐体の長手方向を収容部の開口部と略直交させた状態で、案内用凸部を案内用溝部内に配置することにより、例えば、作業員が設置領域の壁面部から離れた位置で筐体を支持することができるので、作業性を向上させることができ、防災装置を容易に設置することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図2】消火栓装置が設置されるトンネル内を示す図である。
【
図3】設置された状態の消火栓装置の正面図である。
【
図5】消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の正面図である。
【
図10】消火栓装置を設置する過程を示す図である。
【
図11】消火栓装置を設置する過程を示す図である。
【
図12】消火栓装置を設置する過程を示す図である。
【
図13】消火栓装置を設置する過程を示す図である。
【
図14】消火栓装置を設置する過程を示す図である。
【
図15】消火栓装置を設置する過程を示す図である。
【
図16】消火栓装置を設置する過程を示す図である。
【
図23】収容部に固定された状態の架台を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に、本発明に係る防災装置、及び設置方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0040】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、各実施の形態の基本的概念について説明する。各実施の形態は、概略的に、防災装置、及び設置方法に関するものである。
【0041】
「防災装置」とは、防災のために用いられる装置であり、具体的には、設置領域の壁面部に設けられた収容部に設置される装置であり、例えば、消火栓装置、及び放水銃等を含む任意の装置である。「消火栓装置」とは、例えば、火災発生時に消火用水を放水して消火するための装置であり、一例としては、消防隊員又はその他の人によって操作される装置等を含む概念である。また、「放水銃」とは、例えば、火災発生時に消火用水を放水して消火するための装置であり、一例としては、自動的に動作する装置等を含む概念である。「防災装置」とは、例えば、筐体、案内部材、案内用溝部、及び案内用凸部を備え、任意で補強手段、及び固定手段を備える。
【0042】
「設置領域」とは、防災装置が設置される領域であり、例えば、トンネル内の空間、室内の空間、及び室外の空間等を含む概念である。「収容部」とは、例えば、設置領域における壁面部に設けられている領域であり、例えば、刳り貫かれた空間、あるいは、フレームにて取り囲まれている空間等を含む概念である。
【0043】
「筐体」とは、少なくとも一部が収容部に収容される部分であり、例えば、消火栓装置の構成要素を収容するものであり、一例としては、箱状のもの、あるいは、フレーム形状のもの等を含む概念である。「筐体」とは、任意の形状のものであり、例えば、平面視において、幅方向を長手方向とするとともに奥行方向を短手方向とする矩形に内接する形状のもの等を含む概念である。なお、「幅方向を長手方向とするとともに奥行方向を短手方向とする矩形に内接する形状」とは、例えば、長方形に対して内接可能な形状であり、例えば、長方形形状、長方形形状に対して一部変形した形状(例えば、長方形の4個の角部の内の1個以上が面取りされて湾曲している形状等)、及び楕円形形状等を含む概念である。「筐体」とは、任意の形状のものであり、例えば、平面視において長手方向及び短手方向を有する矩形形状のもの等を含む概念であり、また、当該長手方向の端部の角部は面取りされているもの等を含む概念である。
【0044】
「案内部材」とは、少なくとも一部が収容部内に設けられて固定される部材であって、収容部内において筐体の上側又は下側に設けられる部材であり、例えば、筐体とは別体として形成されている架台等の部材である。
【0045】
「案内用溝部」とは、筐体を収容部内に案内するための溝部であり、また、「案内用凸部」とは、案内用溝部内に配置される凸部である。なお、この「案内用溝部」及び「案内用凸部」が設けられる位置は任意であり、例えば、案内用溝部が案内部材に設けられ且つ案内用凸部が筐体に設けられることとしてもよいし、あるいは、案内用溝部が筐体に設けられ且つ案内用凸部が案内部材に設けられることとしてもよい。そして、案内用凸部と案内用溝部が係合している状態のとき、筐体は案内用凸部を軸として回動自在となる。なお、「案内用凸部と案内用溝部が係合している状態」とは、例えば、少なくとも案内用凸部が案内用溝部内に配置されている状態等を含む概念である。
【0046】
「案内用凸部」とは、例えば、筐体又は案内部材から突出したり当該筐体又は案内部材に退避したりするように構成してもよいし、あるいは、筐体又は案内部材から突出したままの状態となるように構成してもよい。
【0047】
「案内用溝部」とは、例えば、第1短手方向案内用溝部、第2短手方向案内用溝部、及び長手方向案内用溝部を備える。
【0048】
「第1短手方向案内用溝部」とは、例えば、筐体の背面部と収容部の開口部が略平行となったときに筐体を収容部の奥方向に案内するように、収容部の開口部と略直交に設けられた第1短手方向案内用溝部であり、一例としては、筐体の背面部と収容部の開口部が略平行となったときに、平面視において筐体の短手方向に平行となる溝部等を含む概念である。なお、「筐体の背面部と収容部の開口部が略平行となる」とは、例えば、筐体の背面部と収容部の奥面部とが相互に略平行となって対向すること等を含む概念である。「第1短手方向案内用溝部」の個数は任意であるが、例えば、1個のみ設けてもよいし、あるいは、複数個設けてもよい。なお、複数個設ける場合、当該複数の第1短手方向案内用溝部が相互に平行となるように設けてもよい。
【0049】
「第2短手方向案内用溝部」とは、例えば、案内用凸部を案内部材の正面部から長手方向案内用溝部に案内するように、長手方向案内用溝部に略直交に設けられた溝部であって、長手方向案内用溝部と連通している溝部である。
【0050】
「第1短手方向案内用溝部」又「第2短手方向案内用溝部」の一方のみ又は両方は、例えば、案内部材の正面部から延在しており、少なくとも当該「第1短手方向案内用溝部」又は「第2短手方向案内用溝部」の一方のみ又は両方における案内部材の正面部側の一部の幅は、当該正面部側に向かうにつれて広がっている。
【0051】
「長手方向案内用溝部」とは、例えば、第1短手方向案内用溝部と略直交するように設けられる溝部であって、第1短手方向案内用溝部と連通している溝部である。
【0052】
「補強手段」とは、例えば、第1短手方向案内用溝部又は第2短手方向案内用溝部における案内部材の正面部側とは反対側の端部を補強する手段であり、また、「固定手段」とは、例えば、案内用溝部内に案内用凸部を固定するための手段であって、案内用凸部が配置される手段である。
【0053】
「設置方法」とは、防災装置を設置領域の壁面部に設けられた収容部に設置する方法であり、例えば、固定ステップ、配置ステップ、及び設置ステップを含む。
【0054】
「固定ステップ」とは、案内部材を収容部における上面又は下面に固定するステップである。
【0055】
「配置ステップ」とは、案内用凸部を案内用溝部内に配置するステップであり、例えば、筐体の長手方向を収容部の開口部と略直交させた状態で、案内用凸部を案内用溝部内に配置すること等が行われるステップである。
【0056】
「設置ステップ」とは、配置ステップで配置された案内用凸部を案内用溝部に沿って移動させることにより、筐体を移動させて収容部に設置するステップであり、例えば、少なくとも、案内用凸部を中心にして筐体を回動させることにより、筐体の背面部と収容部の開口部とを略平行にすること、あるいは、筐体の背面部が収容部の開口部に略平行となっている状態で、筐体を収容部の奥方向に移動させること等が行われるステップである。
【0057】
そして、以下に示す各実施の形態では、「防災装置」が消火栓装置であり、また、案内用溝部が案内部材に設けられており、また、案内用凸部が筐体に設けられている場合について説明する。
【0058】
[各実施の形態の具体的内容]
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0059】
(構成)
まず、本実施の形態の消火栓装置の構成について説明する。
図1は、消火栓装置の設置状態を示す図であり、また、
図2は、消火栓装置が設置されるトンネル内を示す図であり、また、
図3は、設置された状態の消火栓装置の正面図であり、また、
図4は、消火栓装置の正面図であり、また、
図5は、消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の正面図である。
【0060】
なお、各図では、X-Y-Z軸は相互に直交していることとし、Z軸が、垂直方向(つまり、消火栓装置100の設置状態における縦方向)を示しており、+Z方向を上方側と称し、また、-Z方向が下方側と称して説明する。また、Y軸が、水平方向(つまり、消火栓装置100の設置状態における横方向又は幅方向)を示しており、+Y方向を一方側と称し、また、-Y方向を他方側と称して説明する。また、X軸が、前後方向(つまり、消火栓装置100の設置状態における奥行方向)を示しており、+X方向を正面又は前方と称し、また、-X方向を背面又は後方と称して説明する。なお、ここでの+X方向が「監視領域側」に相当する。
【0061】
消火栓装置100は、例えば、
図1に示すように、トンネル内に設置される装置である。このトンネルには、例えば、車両等が通行する路面91、監視員が通行する監視員通路92、トンネル壁面93(壁面部)が設けられている。車両はY軸に沿って通行する。また、トンネル壁面93には、例えば、消火栓装置100を収容するための収容部94が設けられている。
【0062】
この収容部94の構成は任意であるが、例えば、
図2に示すようにトンネル壁面93において、手前方向(+X方向)から奥方向(-X方向)に向かって抉られて刳り貫かれた形状であり、例えば、正面視、平面視、及び側面視において矩形となる空間である。また、収容部94は、例えば、奥行き方向(X軸方向)において当該収容部94の開口部94Aから奥面部94Bにいたる空間である。「開口部」94Aとは、収容部94における出入口となる部分であり、例えば、
図2に細線で図示されている部分である。また、以下では、この開口部94Aを基準にして方向を説明する場合があるが、この場合、開口部94Aとは、例えば、
図2に示す細線で示すように、YZ平面に平行な部分であることとして説明する。「奥面部」94Bとは、収容部94における奥方向(-X方向)に設けられている面であり、例えば、YZ平面に平行となっている面である。
【0063】
また、このトンネルには、消火栓装置100に消火用水を供給するための外部配管95が設けられている。そして、消火栓装置100は、収容部94に設置され、
図3に示すように、当該消火栓装置100の前方側(+X方向)が露出した状態となる。
【0064】
消火栓装置100は、
図4及び
図5に示すように、例えば、筐体11、及び架台2を備える。
【0065】
(構成-筐体)
図6は、筐体の正面図であり、また、
図7は、筐体の平面図である。筐体11は、消火栓装置100の本体であり、具体的には、消火栓装置100の外形を形成するものである。この筐体11の具体的な構成は任意であるが、例えば、
図7に示すように、平面視において幅方向を(Y軸方向)長手方向とするとともに奥行方向(X軸方向)を短手方向とする矩形に内接する形状(詳細には平面視において長方形形状)であり、概略的には、
図6の上面部111、正面部112、底面部113、
図7の背面部114、左側面部115、及び右側面部116を有する箱形状のものである。なお、ここで図示されている例では、筐体11は、箱形状となっているが、これに限らず、例えば、筐体11の前方側(+X方向)以外については、枠体(つまり、骨組みのみ)として構成してもよい。また、筐体11は、例えば、
図6の消火栓扉12、保守扉13、消火器扉14、吊り輪15、案内用凸部16を備える。
【0066】
(構成-筐体-各種扉)
図6の消火栓扉12及び保守扉13は、筐体11の正面部112に設けられている扉であり、
図5に図示されている放水ホース131等が収容されている消火栓側収容空間を開閉する扉である。
【0067】
放水ホース131は、消火栓装置100の外部から
図1の外部配管95及び消火栓接続口132を介して供給された消火用水を放水するための消火用ホースであり、例えば、一方の端部にノズル133が設けられている。また、放水ホース131は、消火栓側収容空間におけるホース収納空間内に巻かれた状態で収納されている。放水時には、ノズル133を保持して放水ホース131を引き出しつつ、目的の放水地点に向けて放水する。
【0068】
図6の消火器扉14は、筐体11の正面部112に設けられている扉であり、不図示の消火器が収容されている消火器側収容空間を開閉する扉である。
【0069】
(構成-筐体-吊り輪)
図6及び
図7の吊り輪15は、筐体11を吊り上げるためのものであり、例えば、クレーンのフックで保持される吊り上げ用のワイヤー等が取り付けられるものである。吊り輪15は、例えば、筐体11における上部(+Z方向)に設けられており、また、
図7に示すように、上面部111における所定位置に設けられているものである。
【0070】
(構成-筐体-案内用凸部)
図6の案内用凸部16は、前述の案内用凸部であり、例えば、筐体11における下部(-Z方向)に2個設けられているものであり、また、幅方向(Y軸方向)において底面部113の両端寄りの位置に設けられているものであり、また、奥行き方向(X軸方向)において底面部113の中央寄りの位置に設けられているものである。また、案内用凸部16は、例えば、底面部113から突出して固定されている。なお、以下の説明では、2個の案内用凸部16を相互に区別する場合、
図6に示すように、正面視において左側に設けられている案内用凸部16を案内用凸部161と称し、また、左側に設けられている案内用凸部16を案内用凸部162と称して説明する。
【0071】
(構成-架台)
図8は、架台の斜視図であり、また、
図9は、架台の平面図である。架台2は、案内部材であり、具体的には、
図1~
図3に示すように収容部94内に設けられて固定される部材であり、また、収容部94内において筐体11の下側(-Z方向)に設けられる部材である。この架台2の具体的な構成は任意であるが、例えば、平面視において幅方向を(Y軸方向)長手方向とするとともに奥行方向(X軸方向)を短手方向とする矩形に内接する形状(詳細には平面視において長方形形状)である。架台2は、例えば、中空部を有する形状の部材であり、また、平板を折り曲げ、切り欠き、切断、又は溶接等して形成される部材であり、概略的には、
図8に示すように、平板状の上面部211、正面部212、底面部213、及び背面部214を有する正面視及び平面視において矩形の部材である。なお、ここで図示されている例では、平板を折り曲げ、切り欠き、切断、又は溶接等して架台2が形成されているが、これに限らず、例えば、後述する各特徴を有する限りにおいて、上面部211及び正面部212以外については、枠体(つまり、骨組みのみ)として構成してもよいし、あるいは、中空部を有さない部材として構成してもよい。架台2は、例えば、第1短手方向案内用溝部21、第2短手方向案内用溝部22、及び長手方向案内用溝部23を備える。
【0072】
(構成-架台-第1短手方向案内用溝部)
第1短手方向案内用溝部21は、前述の案内用溝部であり、例えば、筐体11の背面部114と収容部94の開口部94Aが略平行となったときに筐体11を収容部94の奥方向(-X方向)に案内するように、収容部94の開口部94Aと略直交に設けられた溝部である。第1短手方向案内用溝部21は、例えば、架台2の短手方向(X軸方向)に沿って設けられる溝であり、また、架台2の正面部112側の(+X)端部から中央付近まで延在している溝であり、また、
図8に示すように、正面部212及び上面部211を切り欠いて形成される溝である。また、第1短手方向案内用溝部21は、架台2の長手方向(Y軸方向)において所定間隔を隔てて2個設けられている溝である。
【0073】
なお、架台2の長手方向(Y軸方向)における2個の第1短手方向案内用溝部21の相互間の距離は、例えば、
図6における筐体11の長手方向(Y軸方向)における案内用凸部16の相互間の距離とほぼ同じ距離に設定されている。また、
図8及び
図9の各第1短手方向案内用溝部21の幅は、
図6の案内用凸部16を配置する(つまり、入れる)ことできるように当該案内用凸部16の外形よりも大きく設定されている。また、第1短手方向案内用溝部21の深さ(つまり、垂直方向(Z軸方向)において上面部211における上側(+Z方向)の面から底面部213における上側の面(+Z方向)の面までの距離)は、
図6の案内用凸部16の垂直方向(Z軸方向)の長さよりも長く(つまり、深く)なるように設定されている。このように設定することにより、案内用凸部16を第1短手方向案内用溝部21に配置した状態で筐体11を架台2に載置した場合に、案内用凸部16のみに荷重がかかるのを防止することができる。
【0074】
(構成-架台-第2短手方向案内用溝部)
第2短手方向案内用溝部22は、前述の案内用溝部であり、例えば、案内用凸部16を架台2の正面部212から長手方向案内用溝部23に案内するように、長手方向案内用溝部23に略直交に設けられた溝部であって、長手方向案内用溝部23と連通している溝部である。第2短手方向案内用溝部22は、例えば、架台2の短手方向(X軸方向)に沿って設けられる溝であり、また、架台2の正面部112側の(+X)端部から長手方向案内用溝部23まで延在している溝であり、また、
図8に示すように、正面部212及び上面部211を切り欠いて形成される溝である。また、第2短手方向案内用溝部22は、架台2の長手方向(Y軸方向)において2個の第1短手方向案内用溝部21の中央付近に設けられている溝である。
【0075】
なお、第2短手方向案内用溝部22の幅及び深さは、第1短手方向案内用溝部21と同様に設定されている。
【0076】
(構成-架台-長手方向案内用溝部)
長手方向案内用溝部23は、前述の案内用溝部であり、例えば、第1短手方向案内用溝部21と略直交するように設けられる溝部であって、第1短手方向案内用溝部21と連通している溝部である。長手方向案内用溝部23は、例えば、架台2の長手方向(Y軸方向)に沿って設けられる溝であり、また、架台2の上面部111において2個の第1短手方向案内用溝部21の内の一方の第1短手方向案内用溝部21から他方の第1短手方向案内用溝部21まで延在している溝であり、
図8に示すように、上面部211を切り欠いて形成される溝である。
【0077】
なお、長手方向案内用溝部23の幅及び深さは、第1短手方向案内用溝部21と同様に設定されている。
【0078】
(設置方法)
次に、このように構成された消火栓装置100の設置方法について説明する。「設置方法」とは、消火栓装置100をトンネル壁面93に設けられた収容部94に設置する方法である。
図10~
図14は、消火栓装置を設置する過程を示す図である。なお、これらの各図においては、
図2におけるA-A面から下側(-Z方向)に向かって見た図を図示している。また、この各図においては、筐体11の案内用凸部16は実際には見えない状態となっているが、説明の便宜上、実線で図示されており、また、筐体11の外形が破線で図示されている。
【0079】
この設置方法では、概略的には、固定ステップ、配置ステップ、及び設置ステップを行うことになるが、これらの各ステップに分けて説明する。
【0080】
(設置方法-固定ステップ)
まず、固定ステップを行う。この固定ステップにおいては、作業員の手作業で、
図2の収容部94の下面部94Cに架台2を固定する。具体的には任意であるが、例えば、
図10に示すように、少なくとも架台2の長手方向案内用溝部23が収容部94の内部に設けるように架台2を固定する。架台2の固定手法は任意であるが、例えば、公知の固定手法(例えば、アンカーボルトを用いる手法等)を採用してもよい。この固定ステップを行うことにより、例えば、
図10に示すように、架台2が収容部94の下面部94Cに固定されることになる。
【0081】
(設置方法-配置ステップ)
次に、配置ステップを行う。この配置ステップにおいては、作業員の手作業及び重機で、案内用凸部161を案内用溝部内に配置する。具体的には任意であるが、例えば、
図10に示すように、筐体11の長手方向を収容部94の開口部94A(
図2)と略直交させた状態(つまり、筐体11の長手方向をYZ平面又は奥面部94Bと略直交させた状態)で、案内用凸部161を第2短手方向案内用溝部22に配置する。ここでは、例えば、
図6の吊り輪15に取り付けられている吊り上げ用のワイヤーを介してクレーン車等の重機を用いて筐体11を吊り上げて、吊り上げられた筐体11を下側(-Z方向)から作業員が支持して、
図10に示す筐体11を架台2側(奥方向(-X方向))に移動させることにより、架台2の案内用凸部161を第2短手方向案内用溝部22に配置する。この場合、案内用凸部161は、
図8に示す正面部212側から第2短手方向案内用溝部22内に配置する。
【0082】
(設置方法-設置ステップ)
次に、設置ステップを行う。この設置ステップにおいては、作業員の手作業及び重機で、配置ステップで配置された案内用凸部161を案内用溝部に沿って移動させることにより、筐体11を移動させて収容部94に設置する。
【0083】
具体的には任意であるが、まず、例えば、
図11に示すように、第2短手方向案内用溝部22を通って長手方向案内用溝部23に配置された案内用凸部161を中心に筐体11を反時計回り方向(
図11で破線矢印の方向)に所定角度回動させる。ここでは、例えば、筐体11を支持している作業員が、
図11に示すように筐体11を回動させる。なお、ここでは、筐体11は重機で吊り上られているので、比較的小さい力で筐体11を回動させることが可能となる(以下での、作業による筐体11の操作も同様である)。
【0084】
次に、例えば、
図11に示す状態の筐体11を他方側(-Y方向)に向かって移動させる。ここでは、例えば、筐体11を支持している作業員が、筐体11を他方側(-Y方向)に向かって移動させるが、この場合、案内用凸部161が長手方向案内用溝部23に配置された状態で当該長手方向案内用溝部23に沿って移動することになるので、想定通りに筐体11を移動させることが可能となる。そして、この場合、案内用凸部161は、他方側(-Y方向)の第1短手方向案内用溝部21に配置されることになる。
【0085】
次に、例えば、
図12に示すように、長手方向案内用溝部23を通って他方側(-Y方向)の第1短手方向案内用溝部21に配置された案内用凸部161を中心に筐体11を反時計回り方向(
図12で破線矢印の方向)に所定角度回動させる。ここでは、例えば、筐体11を支持している作業員が、
図12に示すように筐体11を回動させる。この場合、前述したように、架台2の長手方向(Y軸方向)における2個の第1短手方向案内用溝部21の相互間の距離は、例えば、
図6における筐体11の長手方向(Y軸方向)における案内用凸部16の相互間の距離とほぼ同じ距離に設定されているので、案内用凸部161とは反対側に設けられている案内用凸部162は、
図13に示すように、一方側(+Y方向)の第1短手方向案内用溝部21に配置されることになる。そして、この場合、筐体11の背面部114と収容部94の開口部94A(
図2)とが平行になる。
【0086】
次に、例えば、
図13に示す状態の筐体11を奥方向(-X方向)に向かって移動させて収容部94内に押し込む。ここでは、例えば、筐体11を支持している作業員が、筐体11を奥方向(-X方向)に向かって移動させるが、この場合、案内用凸部161、162が第1短手方向案内用溝部21に配置された状態で当該第1短手方向案内用溝部21に沿って移動することになるので、想定通りに筐体11を移動させることが可能となる。そして、この場合、
図14に示すように、平面視において、筐体11の位置が架台2の位置と一致することになり、すなわち、筐体11が収容部94に設置されることになる。
【0087】
なお、筐体11を押し込む場合の任意のタイミングにおいて、吊り輪15の吊り上げ用のワイヤーを取り外すこととする。
【0088】
この後は任意であり、従来と同様なステップを行ってもよいが、例えば、筐体11を架台2に固定するステップを行う。ここでの架台2への筐体11の固定手法は任意であるが、例えば、公知の固定手法(例えば、ボルト及びナットを用いる手法等)を採用してもよい。そして、消火栓装置100が収容部94に設置されることになる。これにて、設置方法の実行を終了する。
【0089】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、案内用溝部と案内用凸部16とを備えることにより、例えば、案内用凸部16を、案内用溝部に沿って移動させることができるので、筐体11を架台2に対して想定通りに容易に移動させることができるので、消火栓装置100を容易に設置することが可能となる。架台2側で筐体11の荷重の少なくとも一部を負担することができるので、消火栓装置100を比較的小さな力で設置することが可能となる。
【0090】
また、筐体11は平面視において、幅方向(Y軸方向)を長手方向とするとともに奥行方向(X軸方向)を短手方向とする矩形に内接する形状であり、また、筐体11は、案内用凸部16と案内用溝部が係合している状態のとき案内用凸部16を軸として回動自在であることにより、例えば、案内用凸部16を軸として筐体11を回動させることができるので、筐体11の位置又は方向を自在に変更させることができ、消火栓装置100を容易に設置することが可能となる。
【0091】
また、筐体11の背面部114と収容部94の開口部94Aが略平行となったときに筐体11を収容部94の奥方向(-X方向)に案内するように、収容部94の開口部94Aと略直交に設けられた第1短手方向案内用溝部21を備えることにより、例えば、案内用凸部16を第1短手方向案内用溝部21に沿って移動させて、筐体11を想定通りに収容部94の奥方向(-X方向)に移動させることができるので、消火栓装置100を容易に設置することが可能となる。
【0092】
また、第1短手方向案内用溝部21は、互いに平行となるように複数個(ここでは、2個)設けられていることにより、例えば、複数個(ここでは、2個)の案内用凸部16を複数個の第1短手方向案内用溝部21に配置して、筐体11を想定通りに収容部94の奥方向(-X方向)に移動させることができるので、消火栓装置100を容易に設置することが可能となる。
【0093】
また、第1短手方向案内用溝部21と略直交するように設けられる長手方向案内用溝部23であって、第1短手方向案内用溝部21と連通している長手方向案内用溝部23を備えることにより、例えば、案内用凸部16(つまり、筐体11)を長手方向案内用溝部23に沿って自由に移動させることができるので、消火栓装置100を容易に設置することが可能となる。
【0094】
また、案内用凸部16を架台2の正面部212から長手方向案内用溝部23に案内するように、長手方向案内用溝部23に略直交に設けられた第2短手方向案内用溝部22であって、長手方向案内用溝部23と連通している第2短手方向案内用溝部22を備えることにより、例えば、案内用凸部16を、第2短手方向案内用溝部22を介して長手方向案内用溝部23内に容易に配置することができるので、消火栓装置100を容易に設置することが可能となる。
【0095】
また、架台2を収容部94における下面部94Cに固定する固定ステップと、案内用凸部16を案内用溝部内に配置する配置ステップと、配置ステップで配置された案内用凸部16を案内用溝部に沿って移動させることにより、筐体11を移動させて収容部94に設置する設置ステップとを含むことにより、例えば、案内用凸部16を案内用溝部に沿って移動させることができるので、筐体11を架台2に対して想定通りに容易に移動させることができるので、消火栓装置100を容易に設置することが可能となる。架台2側で筐体11の荷重の少なくとも一部を負担することができるので、消火栓装置100を比較的小さな力で設置することが可能となる。
【0096】
また、配置ステップでは、筐体11の長手方向を収容部94の開口部94Aと略直交させた状態で、案内用凸部16を案内用溝部内に配置することにより、例えば、作業員がトンネル壁面93から離れた位置で筐体11を支持することができるので、作業性を向上させることができ、消火栓装置100を容易に設置することが可能となる。
【0097】
また、設置ステップでは、少なくとも、案内用凸部16を中心にして筐体11を回動させることにより、筐体11の背面部114と収容部94の開口部94Aとを略平行にすることにより、例えば、筐体11の一部の荷重を架台2に負担させた状態で筐体11の方向を変更することができるので、消火栓装置100を容易に設置することが可能となる。
【0098】
また、設置ステップでは、筐体11の背面部114が収容部94の開口部94Aに略平行となっている状態で、筐体11を収容部94の奥方向(-X方向)に移動させることにより、例えば、筐体11を想定通り収容部94内に設置することができるので、消火栓装置100を確実に設置することが可能となる。
【0099】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0100】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の詳細に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0101】
(分散や統合について)
また、上述した構成は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。
【0102】
(筐体について)
また、上記実施の形態の
図7の筐体11の形状を任意に変更してもよい。
図15は、筐体の平面図であり、
図16は、消火栓装置を設置する過程を示す図である。
図15の筐体31は、
図7の筐体11において、湾曲部300を設けたものである。この
図15に示すように、筐体31において、正面部312と左側面部315及び右側面部316との間の角を面取りすることにより湾曲部300を形成してもよい。このように構成した場合、
図6に示すように、幅方向(Y軸方向)において収容部94の側面部94Dと架台2の他方側(-Y方向)の第1短手方向案内用溝部21との間の隙間が比較的狭い場合であっても、筐体31を回動させる場合に筐体31が側面部94Dと接触することを防止することが可能となる。
【0103】
(案内用溝部について(その1))
また、上記実施の形態の架台2に設けられる案内用溝部の一部に省略してもよい。
図17~
図19は、架台の平面図である。
【0104】
例えば、
図17の架台2Aのように、
図9の架台2において、第2短手方向案内用溝部22を省略してもよい。この場合、
図10の案内用凸部161を
図17の一方側(+Y方向)の第1短手方向案内用溝部21に配置した後、当該案内用凸部161を長手方向案内用溝部23を介して他方側(-Y方向)の第1短手方向案内用溝部21に配置した上で、筐体11を回動させて案内用凸部162を一方側(+Y方向)の第1短手方向案内用溝部21に配置することにより、筐体11を設置してもよい。また、この場合、
図10の案内用凸部161を
図17の一方側(+Y方向)の第1短手方向案内用溝部21に配置する事無く、当該案内用凸部161を他方側(-Y方向)の第1短手方向案内用溝部21に配置した上で、筐体11を回動させて案内用凸部162を一方側(+Y方向)の第1短手方向案内用溝部21に配置することにより、筐体11を設置してもよい。
【0105】
例えば、
図18の架台2Bのように、
図9の架台2において、第2短手方向案内用溝部22及び長手方向案内用溝部23を省略してもよい。この場合、
図10の案内用凸部161を
図18の他方側(-Y方向)の第1短手方向案内用溝部21に配置した上で、筐体11を回動させて案内用凸部162を一方側(+Y方向)の第1短手方向案内用溝部21に配置することにより、筐体11を設置してもよい。
【0106】
例えば、
図19の架台2Cのように、
図9の架台2において、1個の第1短手方向案内用溝部21、第2短手方向案内用溝部22、及び長手方向案内用溝部23を省略し、また、
図10の筐体11の案内用凸部162を省略してもよい。この場合、
図10の案内用凸部161を
図19の1個の第1短手方向案内用溝部21に配置した上で、筐体11を回動させることにより、筐体11を設置してもよい。
【0107】
(案内用溝部について(その2))
また、上記実施の形態の架台2に設けられる案内用溝部の形状を変更してもよい。
図20は、架台の平面図であり、
図21は、
図20の一部の拡大図である。
図20及び
図21の架台2Dのように、
図9の架台2の第2短手方向案内用溝部22の幅を、
図20及び
図21の第2短手方向案内用溝部22Dのように、正面部212側(+X方向)に向かうにつれて広がるように構成してもよい。このように構成することにより、例えば、案内用凸部16を第2短手方向案内用溝部22D内に容易に配置することができるので、消火栓装置100を容易に設置することが可能となる。
【0108】
なお、ここでは、
図20及び
図21の第2短手方向案内用溝部22Dは、全体が正面部212側(+X方向)に向かうにつれて広がるように構成されているが、例えば、第2短手方向案内用溝部22Dにおける短手方向の長さが比較的長い場合、第2短手方向案内用溝部22Dにおける正面部212側(+X方向)の一部のみについて正面部212側(+X方向)に向かうにつれて広がるように構成してもよい。
【0109】
また、
図9の第1短手方向案内用溝部21に、ここで説明した特徴を適用してよい。この場合、第1短手方向案内用溝部21における短手方向(X軸方向)の正面部212側(+X方向)の一部のみを、正面部212側(+X方向)に向かうにつれて広がるように構成してもよいし、あるいは、第1短手方向案内用溝部21全体を正面部212側(+X方向)に向かうにつれて広がるように構成してもよい。
【0110】
(補強部について(その1))
また、上記実施の形態の架台2に補強部を設けてもよい。
図22は、架台の斜視図である。
図22の架台2Eのように、
図8の架台2に
図22の補強部400を設けてもよい。補強部400は、第1短手方向案内用溝部21及び第2短手方向案内用溝部22における正面部212側(+X方向)とは反対側(-X方向)の端部を補強する補強手段である。補強部400の具体的な構成は任意であるが、例えば、架台2Dにおける中空状の内部に設けられる棒状の部材であり、例えば、背面部214から第1短手方向案内用溝部側垂部21A及び第2短手方向案内用溝部側垂部22Aに至る部材である。第1短手方向案内用溝部側垂部21Aとは、第1短手方向案内用溝部21における正面部212側(+X方向)とは反対側(-X方向)の端部において、上面部211から下側(-X方向)に向かって折り曲げられて垂下している部分である。第2短手方向案内用溝部側垂部22Aとは、長手方向案内用溝部23の正面部212側(+X方向)とは反対側(-X方向)において上面部211から下側(-X方向)に向かって折り曲げられて垂下している部分の内の、
図22で第2短手方向案内用溝部22における正面部212側(+X方向)とは反対側(-X方向)の一部(
図22で「22A」の符号が付されている部分)である。このように、補強部400を設けることにより、例えば、筐体11の案内用凸部16が、第1短手方向案内用溝部21及び第2短手方向案内用溝部22における正面部212側(+X方向)とは反対側(-X方向)の端部に当接したとしても、補強部400が当該端部と背面部214との間に設けられているので当接力(端部に当接した場合の力)を当該補強部400側にも伝達することができ、当該端部が変形等することを防止することが可能となる。このように構成した場合、第1短手方向案内用溝部21及び第2短手方向案内用溝部22の耐久性を向上させることができる。
【0111】
(補強部について(その2))
また、上述の「(補強部について(その1))」で説明した補強部400を、第1短手方向案内用溝部21又は第2短手方向案内用溝部22の一方のみに設けてもよい。
【0112】
(固定部について(その1))
また、上記実施の形態の架台2に固定部を設けてもよい。
図23は、収容部に固定された状態の架台を示す図であり、
図24は、
図23の断面図である。なお、
図23は、
図14と同様な視点の図である。また、
図24(a)は、
図23のB-B面から見た架台2Fの一部の断面図であり、また、
図24(b)及び(c)は、
図24(a)において、案内用凸部16Fを図示した図である。
図23の架台2Fのように、
図8の架台2に
図22の固定部500を設けてもよい。固定部500は、第1短手方向案内用溝部210内に案内用凸部16Fを固定するための手段であって、案内用凸部16Fが配置される手段である。固定部500は、例えば、
図23及び
図24(a)に示されるように、架台2Fの底面部213に設けられている孔又は凹部であり、例えば、垂直方向(Z軸方向)において第1短手方向案内用溝部210と対向する位置に設けられている孔又は凹部である。この固定部500の径は、例えば、案内用凸部16Fにおける先端の径よりも大径となっている。
【0113】
なお、第1短手方向案内用溝部210は、短手方向(X軸方向)の長さが実施の形態1の第1短手方向案内用溝部21よりも若干長く設定されているものであり、当該長さ以外は第1短手方向案内用溝部21と同様である。また、案内用凸部16Fは、筐体11から突出したりあるいは、当該筐体11に退避したりするように構成されているものであり、この点以外は案内用凸部16と同様である。この案内用凸部16Fを突出又は退避させる具体的な構成は任意であるが、例えば、不図示のばねにより案内用凸部16Fが下側(-Z方向であり筐体11から離れる方向)に向かって付勢されており、案内用凸部16Fが他の部材に押されていない場合に所定距離だけ筐体11から突出し、当該案内用凸部16Fがばねによる付勢力に抗して他の部材に押された場合に筐体11に退避するように構成されている場合を例示して説明する。なお、このように構成した場合、筐体11を通常の床面等に設置する場合に自動的に当該案内用凸部16Fを筐体11に退避させることができるので、当該案内用凸部16Fが損傷したり、あるいは、案内用凸部16Fで他の部材を損傷させたりすることを防止することが可能となる。
【0114】
そして、
図24(b)に示されるように、案内用凸部16Fが、ばねにて下側(-Z方向)に付勢されつつ第1短手方向案内用溝部210内を奥方向(-Z方向)に向かって移動された場合、
図24(c)に示されているように、固定部500に配置されて固定されることになる。この場合、筐体11が架台2Fに固定されることになる。このように構成した場合、案内用凸部16Fを容易に位置決めすることができるので、消火栓装置100を容易に設置することが可能となる。
【0115】
(固定部について(その2))
また、上述の「(固定部について(その1))」で説明した固定部500を
図23及び
図24で図示されている位置以外の任意の位置に設けてもよい。
【0116】
(固定部について(その3))
また、上述の「(固定部について(その1))」で説明した特徴を任意に変更してもよい。具体的には、例えば、
図24(b)の固定部500をネジ穴として形成し、また、案内用凸部16Fをネジとして構成した上で、案内用凸部16Fが固定部500と螺合するように構成してもよい。この場合、ユーザが筐体11の内部から案内用凸部16Fを操作できるように構成した上で、案内用凸部16Fが固定部500に対応する位置に設けられている場合に、ユーザが案内用凸部16Fを操作して当該案内用凸部16Fを固定部500に螺合させてもよい。
【0117】
(案内用凸部について)
また、上述の「(固定部について(その1))」で説明した案内用凸部16Fの突出又は退避させる技術を任意に変更してもよい。例えば、案内用凸部16Fに対して、ノック機構(例えば、公知の機構であり、一例としてはノック式のボールペン等に採用されている機構)を採用して、案内用凸部16Fを押下する毎に、筐体11からの突出、及び筐体11への退避を繰り返し行うように構成してもよい。このように構成した場合、筐体11の運搬時等の案内用凸部16Fが不要な場合に当該案内用凸部16Fを筐体11に退避させることができるので、当該案内用凸部16Fが損傷したり、あるいは、案内用凸部16Fで他の部材を損傷させたりすることを防止することが可能となる。
【0118】
また、案内用凸部を、先端の径が案内用溝部の径よりも大きく、先端でない部分の径が案内用溝部の径よりも小さくなるような案内用凸部とし、案内用溝部の正面の開口は案内用凸部の先端の径よりも大きく、各側垂部を設けないようにしてもよい。このような構成とすることで、案内用凸部を案内用溝部に係合させる際の施工性が低下するものの、案内用凸部を案内用溝部に係合したのちに案内用凸部を案内用溝部で案内する際には案内用凸部の先端が案内用溝部に引っかかることにより筐体側の方向に抜けることがないという効果を奏することができる。
【0119】
(架台の位置について)
また、上記実施の形態では、
図10に示すように、架台2における正面部212側(+X方向)の一部が収容部94の外部に設けられている場合について説明したが、これに限らず、例えば、架台2の全部を収容部94の内部に設けてもよい。
【0120】
(設置方法について)
また、上記実施の形態で説明した設置方法の内容を任意に変更してもよい。具体的には、例えば、
図10及び
図11に示すように、案内用凸部161を第2短手方向案内用溝部22内に配置した上で反時計回りに回動させる代わりに、案内用凸部162を第2短手方向案内用溝部22内に配置した上で時計回りに回動させ、長手方向案内用溝部23に沿って案内用凸部16を(つまり、筐体11を)一方側(+Y方向)に移動させた後に、筐体11を更に時計回りに回動させた後に、収容部94内に押し込んで設置してもよい。
【0121】
(その他について)
また、上記実施の形態では、
図11又は
図12において筐体11を回動させる場合について説明したが、この場合に、筐体11を回動させるための機構を設けてもよい。具体的には、例えば、
図7の吊り輪15の代わりに、幅方向(Y軸方向)の中央付近の1箇所に吊り輪を設けて、当該吊り輪が遠隔操作で回動するように構成してもよい。そして、当該吊り輪を遠隔操作で回動させることにより、筐体11を回動させてもよい。
【0122】
また、吊り輪を遠隔操作で回動させる技術と共に又は当該技術の代わりに、重機のフックが遠隔操作で回動するように構成し、この構成を利用して、筐体11を回動させてもよい。
【0123】
また、上記実施の形態では、案内用凸部16が筐体11の下側(-Z方向)に設けられ、また、案内部材(架台2)が筐体11の下側(-Z方向)に設けられる場合について説明したが、これに限らない。例えば、案内用凸部16を筐体11の上側(+Z方向)に設け、また、案内部材を筐体11の上側(+Z方向)に設けてもよい。あるいは、案内用凸部16を筐体11の下側(-Z方向)及び上側(+Z方向)に設け、また、案内部材を筐体11の下側(-Z方向)及び上側(+Z方向)に設けてもよい。また、案内部材を筐体11の上側(+Z方向)に設ける場合も、案内部材側で筐体11の少なくとも一部の荷重を負担できるように構成してもよい。具体的には任意であるが、例えば、案内部材を収容部94内における上面部に固定した上で、筐体11の上側に設けられた案内用凸部16を、案内部材の案内用溝部内で当該案内部材に引っ掛けられる形状に構成した上で、筐体11が筐体11の上側に設けられる案内用凸部16を介して上側の案内部材に引っ掛けられて吊り下げられるように構成してもよい。
【0124】
(特徴について)
また、上記実施の形態の構成、及び変形例の特徴を、任意に組み合わせてもよい。
【0125】
(付記)
付記1の防災装置は、設置領域の壁面部に設けられた収容部に設置される防災装置であって、前記収容部に収容される筐体と、少なくとも一部が前記収容部内に設けられて固定される案内部材であって、前記収容部内において前記筐体の上側又は下側に設けられる前記案内部材と、を備え、前記筐体又は前記案内部材のうちのいずれか一方は、前記筐体を前記収容部内に案内するための案内用溝部、を備え、前記筐体又は前記案内部材のうちの他方は、前記案内用溝部内に配置される案内用凸部、を備える。
【0126】
付記2の防災装置は、付記1に記載の防災装置において、前記筐体は平面視において、幅方向を長手方向とするとともに奥行方向を短手方向とする矩形に内接する形状であり、前記筐体は、前記案内用凸部と前記案内用溝部が係合している状態のとき前記案内用凸部を軸として回動自在である。
【0127】
付記3の防災装置は、付記2に記載の防災装置において、前記案内部材は、前記案内用溝部を備え、前記案内用溝部は、前記筐体の背面部と前記収容部の開口部が略平行となったときに前記筐体を前記収容部の奥方向に案内するように、前記収容部の開口部と略直交に設けられた第1短手方向案内用溝部、を備える。
【0128】
付記4の防災装置は、付記3に記載の防災装置において、前記第1短手方向案内用溝部は、互いに平行となるように複数個設けられている。
【0129】
付記5の防災装置は、付記3又は4に記載の防災装置において、前記案内用溝部は、前記第1短手方向案内用溝部と略直交するように設けられる長手方向案内用溝部であって、前記第1短手方向案内用溝部と連通している前記長手方向案内用溝部、を備える。
【0130】
付記6の防災装置は、付記5に記載の防災装置において、前記案内用溝部は、前記案内用凸部を前記案内部材の正面部から前記長手方向案内用溝部に案内するように、前記長手方向案内用溝部に略直交に設けられた第2短手方向案内用溝部であって、前記長手方向案内用溝部と連通している前記第2短手方向案内用溝部を備える。
【0131】
付記7の防災装置は、付記6に記載の防災装置において、前記第1短手方向案内用溝部及び前記第2短手方向案内用溝部は、前記案内部材の正面部から延在しており、少なくとも、前記第1短手方向案内用溝部又は前記第2短手方向案内用溝部における前記案内部材の正面部側の一部の幅は、当該正面部側に向かうにつれて広がっている。
【0132】
付記8の防災装置は、付記6又は7に記載の防災装置において、前記第1短手方向案内用溝部又は前記第2短手方向案内用溝部における前記案内部材の正面部側とは反対側の端部を補強する補強手段、を備える。
【0133】
付記9の防災装置は、付記3から8の何れか一項に記載の防災装置において、前記案内用凸部は、前記筐体から突出したり前記筐体に退避したりする。
【0134】
付記10の防災装置は、付記2から9の何れか一項に記載の防災装置において、前記筐体は、平面視において長手方向及び短手方向を有する矩形形状であり、
前記筐体における角部は面取りされている。
【0135】
付記11の防災装置は、付記1から10の何れか一項に記載の防災装置において、前記案内用溝部内に前記案内用凸部を固定するための固定手段であって、前記案内用凸部が配設される前記固定手段、を備える。
【0136】
付記12の設置方法は、設置領域の壁面部に設けられた収容部に設置される防災装置であって、前記収容部に収容される筐体と、少なくとも一部が前記収容部内に設けられて固定される案内部材であって、前記収容部内において前記筐体の上側又は下側に設けられる案内部材と、を備える前記防災装置であり、前記案内部材は、前記筐体を前記収容部内に案内するための案内用溝部、を備え、前記筐体は、前記案内用溝部内に配置される案内用凸部、を備える前記防災装置を設置する設置方法であって、前記案内部材を前記収容部における上面又は下面に固定する固定ステップと、前記案内用凸部を前記案内用溝部内に配置する配置ステップと、前記配置ステップで配置された前記案内用凸部を前記案内用溝部に沿って移動させることにより、前記筐体を移動させて前記収容部に設置する設置ステップと、を含む。
【0137】
付記13に記載の設置方法は、付記12の設置方法において、前記筐体は平面視において、幅方向を長手方向とするとともに奥行方向を短手方向とする矩形に内接する形状であり、前記配置ステップでは、前記筐体の長手方向を前記収容部の開口部と略直交させた状態で、前記案内用凸部を前記案内用溝部内に配置する。
【0138】
付記14の設置方法は、付記13に記載の設置方法において、前記設置ステップでは、少なくとも、前記案内用凸部を中心にして前記筐体を回動させることにより、前記筐体の背面部と前記収容部の開口部とを略平行にする。
【0139】
付記15の設置方法は、付記14に記載の設置方法において、前記設置ステップでは、前記筐体の背面部が前記収容部の開口部に略平行となっている状態で、前記筐体を前記収容部の奥方向に移動させる。
【0140】
(付記の効果)
付記1に記載の防災装置によれば、案内用溝部と案内用凸部とを備えることにより、例えば、案内用凸部又は案内用溝部の一方を、案内用凸部又は案内用溝部の他方に沿って移動させることができるので、筐体を案内部材に対して想定通りに容易に移動させることができるので、防災装置を容易に設置することが可能となる。案内部材側で筐体の荷重の少なくとも一部を負担することができるので、防災装置を比較的小さな力で設置することが可能となる。
【0141】
付記2に記載の防災装置によれば、筐体は平面視において、幅方向を長手方向とするとともに奥行方向を短手方向とする矩形に内接する形状であり、また、筐体は、案内用凸部と案内用溝部が係合している状態のとき案内用凸部を軸として回動自在であることにより、例えば、案内用凸部を軸として筐体を回動させることができるので、筐体の位置又は方向を自在に変更させることができ、防災装置を容易に設置することが可能となる。
【0142】
付記3に記載の防災装置によれば、筐体の背面部と収容部の開口部が略平行となったときに筐体を収容部の奥方向に案内するように、収容部の開口部と略直交に設けられた第1短手方向案内用溝部を備えることにより、例えば、案内用凸部を第1短手方向案内用溝部に沿って移動させて、筐体を想定通りに収容部の奥方向に移動させることができるので、防災装置を容易に設置することが可能となる。
【0143】
付記4に記載の防災装置によれば、第1短手方向案内用溝部は、互いに平行となるように複数個設けられていることにより、例えば、複数個の案内用凸部を複数個の第1短手方向案内用溝部に配置して、筐体を想定通りに収容部の奥方向に移動させることができるので、防災装置を容易に設置することが可能となる。
【0144】
付記5に記載の防災装置によれば、第1短手方向案内用溝部と略直交するように設けられる長手方向案内用溝部であって、第1短手方向案内用溝部と連通している長手方向案内用溝部を備えることにより、例えば、案内用凸部(つまり、筐体)を長手方向案内用溝部に沿って自由に移動させることができるので、防災装置を容易に設置することが可能となる。
【0145】
付記6に記載の防災装置によれば、案内用凸部を案内部材の正面部から長手方向案内用溝部に案内するように、長手方向案内用溝部に略直交に設けられた第2短手方向案内用溝部であって、長手方向案内用溝部と連通している第2短手方向案内用溝部を備えることにより、例えば、案内用凸部を、第2短手方向案内用溝部を介して長手方向案内用溝部内に容易に配置することができるので、防災装置を容易に設置することが可能となる。
【0146】
付記7に記載の防災装置によれば、第1短手方向案内用溝部又は第2短手方向案内用溝部における案内部材の正面部側の一部の幅は、当該正面部側に向かうにつれて広がっていることにより、例えば、案内用凸部を第1短手方向案内用溝部又は第2短手方向案内用溝部内に容易に配置することができるので、防災装置を容易に設置することが可能となる。
【0147】
付記8に記載の防災装置によれば、第1短手方向案内用溝部又は第2短手方向案内用溝部における案内部材の正面部側とは反対側の端部を補強する補強手段を備えることにより、例えば、第1短手方向案内用溝部又は第2短手方向案内用溝部の耐久性を向上させることができる。
【0148】
付記9に記載の防災装置によれば、案内用凸部は、筐体から突出したり筐体に退避したりすることにより、例えば、筐体の運搬時等の案内用凸部が不要な場合に当該案内用凸部を退避させることができるので、当該案内用凸部が損傷したり、あるいは、案内用凸部で他の部材を損傷させたりすることを防止することが可能となる。
【0149】
付記10に記載の防災装置によれば、筐体における角部は面取りされていることにより、例えば、収容部の側面部と筐体との間の隙間が比較的狭い場合であっても、筐体と側面部とが相互に接触して干渉することを防止することが可能となる。
【0150】
付記11に記載の防災装置によれば、案内用凸部を固定するための固定手段を備えることにより、例えば、案内用凸部を容易に位置決めすることができるので、防災装置を容易に設置することが可能となる。
【0151】
付記12に記載の設置方法によれば、案内部材を収容部における上面又は下面に固定する固定ステップと、案内用凸部を案内用溝部内に配置する配置ステップと、配置ステップで配置された案内用凸部を案内用溝部に沿って移動させることにより、筐体を移動させて収容部に設置する設置ステップとを含むことにより、例えば、案内用凸部又は案内用溝部の一方を、案内用凸部又は案内用溝部の他方に沿って移動させることができるので、筐体を案内部材に対して想定通りに容易に移動させることができるので、防災装置を容易に設置することが可能となる。案内部材側で筐体の荷重の少なくとも一部を負担することができるので、防災装置を比較的小さな力で設置することが可能となる。
【0152】
付記13に記載の設置方法によれば、配置ステップでは、筐体の長手方向を収容部の開口部と略直交させた状態で、案内用凸部を案内用溝部内に配置することにより、例えば、作業員が設置領域の壁面部から離れた位置で筐体を支持することができるので、作業性を向上させることができ、防災装置を容易に設置することが可能となる。
【0153】
付記14に記載の設置方法によれば、設置ステップでは、少なくとも、案内用凸部を中心にして筐体を回動させることにより、筐体の背面部と収容部の開口部とを略平行にすることにより、例えば、筐体の一部の荷重を案内部材に負担させた状態で筐体の方向を変更することができるので、防災装置を容易に設置することが可能となる。
【0154】
付記15に記載の設置方法によれば、設置ステップでは、筐体の背面部が収容部の開口部に略平行となっている状態で、筐体を収容部の奥方向に移動させることにより、例えば、筐体を想定通り収容部内に設置することができるので、防災装置を確実に設置することが可能となる。
【符号の説明】
【0155】
2 架台
2A 架台
2B 架台
2C 架台
2D 架台
2E 架台
2F 架台
11 筐体
12 消火栓扉
13 保守扉
14 消火器扉
15 吊り輪
16 案内用凸部
16F 案内用凸部
21 第1短手方向案内用溝部
21A 第1短手方向案内用溝部側垂部
22A 第2短手方向案内用溝部側垂部
22 第2短手方向案内用溝部
23 長手方向案内用溝部
22D 第2短手方向案内用溝部
31 筐体
91 路面
92 監視員通路
93 トンネル壁面
94 収容部
94A 開口部
94B 奥面部
94C 下面部
94D 側面部
95 外部配管
100 消火栓装置
111 上面部
112 正面部
113 底面部
114 背面部
115 左側面部
116 右側面部
131 放水ホース
132 消火栓接続口
133 ノズル
161 案内用凸部
162 案内用凸部
210 第1短手方向案内用溝部
211 上面部
212 正面部
213 底面部
214 背面部
300 湾曲部
312 正面部
315 左側面部
316 右側面部
400 補強部
500 固定部