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特許7465712通信システム、情報端末およびIoT機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】通信システム、情報端末およびIoT機器
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20240404BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
H04M11/00 301
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020078618
(22)【出願日】2020-04-27
(65)【公開番号】P2021175115
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2022-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100160314
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 公芳
(74)【代理人】
【識別番号】100148518
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134038
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 薫央
(74)【代理人】
【識別番号】100150968
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 悠有子
(72)【発明者】
【氏名】長澤 泰洋
(72)【発明者】
【氏名】本間 誠
(72)【発明者】
【氏名】巖 憲介
(72)【発明者】
【氏名】豊田 聡史
(72)【発明者】
【氏名】小竹 宏
(72)【発明者】
【氏名】武田 賢司
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-179952(JP,A)
【文献】特開2017-010230(JP,A)
【文献】特開2016-205710(JP,A)
【文献】特開2019-117029(JP,A)
【文献】特開2014-017795(JP,A)
【文献】特開2014-216884(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00-11/00
H04Q 9/00
G05B 23/00
G06F 13/00
H04L 12/00
F24H 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部サーバと、
前記外部サーバとネットワークを介して相互に通信し機器状態を示す機器状態値を前記外部サーバに送信するIoT機器と、
前記外部サーバと前記ネットワークを介して相互に同期通信し、前記外部サーバから送信される前記機器状態値に基づいて前記機器状態を表示するアプリケーションソフトウェアを有し、前記アプリケーションソフトウェアが起動中である場合前記起動中である旨の起動通知を前記外部サーバに送信する情報端末と、を備え、
前記外部サーバは、前記機器状態値を受信した場合、かつ前記起動通知の有無に基づいて前記起動中であると判定した場合、前記機器状態値が変化した旨を通知する状態値変化通知を前記情報端末に送信し、
前記情報端末は、前記状態値変化通知を受信した場合、前記外部サーバに前記機器状態値を要求し、
前記外部サーバは、前記起動通知を受信した場合、前記起動通知をさらに前記IoT機器に送信し、
前記IoT機器は、前記起動通知の有無に基づいて前記起動中であるか否かを判定し、前記起動中であると判定した場合、前記外部サーバに前記起動中である旨を通知するアクティブ通知を前記外部サーバに送信し、
前記外部サーバは、前記アクティブ通知を受信した場合、前記起動中であると判定する、通信システム。
【請求項2】
前記情報端末は、前記起動中である場合第一時間毎に前記起動通知を前記外部サーバに送信し、
前記IoT機器は、前記起動通知を前記第一時間よりも長い第二時間受信しない場合前記起動中でないと判定する、請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記外部サーバは、前記アクティブ通知を前記第二時間受信しない場合前記起動中ではないと判定する、請求項2記載の通信システム。
【請求項4】
外部サーバと、
前記外部サーバとネットワークを介して相互に通信し機器状態を示す機器状態値を前記外部サーバに送信するIoT機器と、
前記外部サーバと前記ネットワークを介して相互に同期通信し、前記外部サーバから送信される前記機器状態値に基づいて前記機器状態を表示するアプリケーションソフトウェアを有し、前記アプリケーションソフトウェアが起動中である場合前記起動中である旨の起動通知を前記外部サーバに送信する情報端末と、を備え、
前記外部サーバは、前記機器状態値を受信した場合、かつ前記起動通知の有無に基づいて前記起動中であると判定した場合、前記機器状態値が変化した旨を通知する状態値変化通知を前記情報端末に送信し、
前記情報端末は、前記状態値変化通知を受信した場合、前記外部サーバに前記機器状態値を要求し、
前記外部サーバは、前記起動通知を受信した場合、前記起動通知をさらに前記IoT機器に送信し、
前記IoT機器は、前記起動通知の有無に基づいて前記起動中であるか否かを判定し、前記起動中であると判定した場合、前記起動中でない場合に送信する前記機器状態値とは異なる機器状態値を送信する、通信システム。
【請求項5】
IoT機器とネットワークを介して相互に通信する外部サーバと、前記ネットワークを介して相互に同期通信し、前記IoT機器の機器状態を示す機器状態値を前記外部サーバを介して受信し、前記機器状態値に基づいて前記機器状態を表示するアプリケーションソフトウェアを有する情報端末であって、
前記アプリケーションソフトウェアは、前記IoT機器が起動中でないと判定する第二時間より短い第一時間毎に前記起動中である旨の起動通知を前記外部サーバに送信し、
前記起動中である場合に前記外部サーバより前記機器状態値が変化した旨を通知する状態値変化通知を受信した場合、前記アプリケーションソフトウェアは前記外部サーバに前記機器状態値を要求する、情報端末。
【請求項6】
ネットワークを介して相互に通信する外部サーバを介して情報端末に機器状態を示す機器状態値を送信し、前記外部サーバと前記ネットワークを介して同期通信を行う前記情報端末のアプリケーションソフトウェアに前記機器状態値に基づく前記機器状態を表示させるIoT機器であって、
前記アプリケーションソフトウェアが起動中である場合に前記情報端末が前記外部サーバに送信する前記起動中である旨の起動通知を前記外部サーバを介して受信し、
前記起動通知の有無に基づいて前記起動中であるか否かを判定し、前記起動中であると判定した場合、前記起動中でない場合に送信する前記機器状態値とは異なる機器状態値を送信する、IoT機器。
【請求項7】
前記起動通知は、前記起動中である場合第一時間毎に受信し、
前記起動通知を受信した場合前記起動中であると判定し、前記第一時間よりも長い第二時間受信しない場合前記起動中でないと判定する、請求項6記載のIoT機器。
【請求項8】
前記起動中であると判定した場合、前記外部サーバに前記起動中である旨を通知するアクティブ通知を前記外部サーバに送信する、請求項6または7記載のIoT機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して通信可能なIoT機器と外部サーバと情報端末とを備える通信システム、情報端末、およびIoT機器に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、風呂機能などを備える給湯装置がインターネットを介して外部のサーバなどに接続して、いわゆるIoT(Internet of Things)を利用することにより、スマートフォンなどの情報端末と連携し、ユーザの利便性を高めることが行われている。情報端末は、外出先から給湯装置を遠隔操作したり、使用状況や使用履歴などの情報を閲覧したりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-191100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報端末で給湯装置の使用状況などを閲覧する場合、最新の情報が遅延なく情報端末に反映されることが好ましい。しかしながら、頻繁に外部のサーバと通信すると、データ通信量および処理負担が増加してしまう。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、負荷の低減およびユーザの使用感を両立できる通信システム、情報端末、およびIoT機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る通信システムは、上述した課題を解決するために、外部サーバと、前記外部サーバとネットワークを介して相互に通信し機器状態を示す機器状態値を前記外部サーバに送信するIoT機器と、前記外部サーバと前記ネットワークを介して相互に同期通信し、前記外部サーバから送信される前記機器状態値に基づいて前記機器状態を表示するアプリケーションソフトウェアを有し、前記アプリケーションソフトウェアが起動中である場合前記起動中である旨の起動通知を前記外部サーバに送信する情報端末と、を備え、前記外部サーバは、前記機器状態値を受信した場合、かつ前記起動通知の有無に基づいて前記起動中であると判定した場合、前記機器状態値が変化した旨を通知する状態値変化通知を前記情報端末に送信し、前記情報端末は、前記状態値変化通知を受信した場合、前記外部サーバに前記機器状態値を要求し、前記外部サーバは、前記起動通知を受信した場合、前記起動通知をさらに前記IoT機器に送信し、前記IoT機器は、前記起動通知の有無に基づいて前記起動中であるか否かを判定し、前記起動中であると判定した場合、前記外部サーバに前記起動中である旨を通知するアクティブ通知を前記外部サーバに送信し、前記外部サーバは、前記アクティブ通知を受信した場合、前記起動中であると判定する
【0007】
また、本発明に係る情報端末は、IoT機器とネットワークを介して相互に通信する外部サーバと、前記ネットワークを介して相互に同期通信し、前記IoT機器の機器状態を示す機器状態値を前記外部サーバを介して受信し、前記機器状態値に基づいて前記機器状態を表示するアプリケーションソフトウェアを有する情報端末であって、前記アプリケーションソフトウェアは、前記IoT機器が起動中でないと判定する第二時間より短い第一時間毎に前記起動中である旨の起動通知を前記外部サーバに送信し、前記起動中である場合に前記外部サーバより前記機器状態値が変化した旨を通知する状態値変化通知を受信した場合、前記アプリケーションソフトウェアは前記外部サーバに前記機器状態値を要求する。
【0008】
さらに、本発明に係るIoT機器は、ネットワークを介して相互に通信する外部サーバを介して情報端末に機器状態を示す機器状態値を送信し、前記外部サーバと前記ネットワークを介して同期通信を行う前記情報端末のアプリケーションソフトウェアに前記機器状態値に基づく前記機器状態を表示させるIoT機器であって、前記アプリケーションソフトウェアが起動中である場合に前記情報端末が前記外部サーバに送信する前記起動中である旨の起動通知を前記外部サーバを介して受信し、前記起動通知の有無に基づいて前記起動中であるか否かを判定し、前記起動中であると判定した場合、前記起動中でない場合に送信する前記機器状態値とは異なる機器状態値を送信する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る通信システム、情報端末およびIoT機器においては、負荷の低減およびユーザの使用感を両立できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る通信システムの一実施形態を示すシステム構成図。
図2】風呂給湯システムの機能構成を示す概略的な機能ブロック図。
図3】外部サーバの機能構成を示す概略的な機能ブロック図。
図4】情報端末の機能構成を示す概略的な機能ブロック図。
図5】情報端末により実行される起動通知送信処理を説明するフローチャート。
図6】風呂給湯システムおよび外部サーバがアクティブ状態設定中の、風呂給湯システム、外部サーバおよび情報端末間で実行される処理を説明するシーケンス図。
図7】風呂給湯システムおよび外部サーバがノーマル状態設定中の、風呂給湯システム、外部サーバおよび情報端末間で実行される処理を説明するシーケンス図。
図8】風呂給湯システムにより実行される給湯システム側アプリ状態制御処理を説明するフローチャート。
図9】外部サーバにより実行される外部サーバ側アプリ状態制御処理を説明するフローチャート。
図10】風呂給湯システムにより実行される、機器状態値送信処理を説明するフローチャート。
図11】外部サーバにより実行される、状態値変化通知送信処理を説明するフローチャート。
図12】情報端末により実行される、機器状態値要求送信処理を説明するフローチャート。
図13】機器状態値に基づいてアプリが風呂給湯システムの状態を一覧表示する画面の説明図。
図14】機器状態値に基づいてアプリが入浴に関する情報を表示する画面の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る通信システム、情報端末およびIoT機器の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
本発明に係る通信システムにおいて、例えば、ネットワークとして、インターネットなどの情報通信網を適用できる。IoT機器としては、例えば、宅内に据え付けられる風呂給湯システム、空調システム、床暖房システムなどの住居設備を適用できる。外部サーバとしては、例えば、宅外に配置されネットワークに接続されたクラウドコンピューティングシステムを適用できる。情報端末としては、例えば、宅内および宅外で使用可能なスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどであり、無線または有線でネットワークに接続可能な機器を適用できる。
【0013】
図1は、本発明に係る通信システムの一実施形態を示すシステム構成図である。
【0014】
図2は、風呂給湯システム10の機能構成を示す概略的な機能ブロック図である。
【0015】
図3は、外部サーバ30の機能構成を示す概略的な機能ブロック図である。
【0016】
図4は、情報端末40の機能構成を示す概略的な機能ブロック図である。
【0017】
通信システム1は、ネットワーク2を介して通信可能な風呂給湯システム10と、外部サーバ30と、情報端末40と、を備える。通信システム1においては、風呂給湯システム10がネットワーク2に接続して、いわゆるIoT(Internet of Things)を利用することにより、情報端末40と連携する。
【0018】
風呂給湯システム10は、宅内5で使用される。風呂給湯システム10は、外部サーバ30とネットワーク2を介して相互に通信し、主に機器状態を示す機器状態値を送信する。情報端末40は、宅内5および宅外6(外出先)で使用される。情報端末40は、外部サーバ30とネットワーク2を介して相互に同期通信(後述)を行う。情報端末40は、機器状態値に基づいて機器状態を表示するアプリケーションソフトウェア(以下単に「アプリ」という。)を有する。情報端末40は、アプリを用いて風呂給湯システム10の運転の指示や設定の変更を指示したり、風呂給湯システム10の使用状況や使用履歴などの機器情報(機器状態値)を閲覧したりする。
【0019】
以下の説明においては、「宅内5」は、住宅の内部や、住宅の外部であって住宅の敷地内(住宅の外壁周辺など)を含む。「宅外6」は、宅内5以外の場所である。
【0020】
風呂給湯システム10は、給湯ユニット11と、給湯回路や風呂循環回路(図示せず)と、リモコン15と、を主に有する。
【0021】
給湯ユニット11は、貯湯タンクおよびヒートポンプを有する。給湯ユニット11は、給湯回路や風呂循環回路を介して浴室(風呂、浴槽)や台所に温水を供給したり、風呂循環回路を介して浴槽から供給される湯水を加温したりする。図2に示すように、給湯ユニット11は、給湯ユニット制御部12と、給湯ユニット記憶部13と、給湯ユニット通信部14と、を有する。給湯ユニット制御部12は、CPU(Central Processing Unit)を有し、給湯ユニット記憶部13に予め記憶されているプログラムに従って給湯ユニット11を電気的に制御する。給湯ユニット記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有し、給湯ユニット制御部12の制御に必要な各種プログラムや、データを記憶する。給湯ユニット通信部14は、リモコン通信部20と接続され、給湯ユニット11とリモコン15とを双方向に通信可能にする。
【0022】
給湯回路や風呂循環回路は、浴室内の浴槽や、シャワー、カラン、台所のカランなどと接続され、貯湯タンクの湯水を浴室や台所に供給したり、浴槽の湯水を浴槽と貯湯タンクとの間で循環させたりする。給湯回路や風呂循環回路および給湯ユニット11は、温度センサ、流量センサ、水位センサ、などのセンサ類を有する。これらセンサ類から得られる情報は、主に給湯ユニット制御部12に供給され、リモコン15の表示に必要な情報や外部サーバ30が必要とする情報がリモコン制御部16に供給される。
【0023】
リモコン15は、浴室や台所に配置され、ユーザから各種指示を受け付けたり、情報を表示したりする。図2に示すように、リモコン15は、リモコン制御部16と、リモコン記憶部17と、リモコン入力部18と、リモコン表示部19と、リモコン通信部20と、を有する。
【0024】
リモコン制御部16は、CPU(Central Processing Unit)を有し、リモコン記憶部17に予め記憶されているプログラムに従ってリモコン15を制御する。例えば、リモコン制御部16は、リモコン入力部18または情報端末40を介して受け付けるユーザの指示に基づいて制御し、指示を実行する。具体的には、リモコン制御部16は、指示された給湯設定温度や、風呂設定温度、設定湯量などに基づいて給湯運転、風呂自動運転、風呂追いだき運転などを実行する。リモコン制御部16からの指示を受け付けた給湯ユニット制御部12は、センサ類から得られた情報に基づいて各種弁などの作動を制御する。
【0025】
また、リモコン制御部16は、給湯システム側アプリ状態制御処理(図8)および機器状態値送信処理(図10)を実行する。これら処理の詳細は後述する。
【0026】
なお、本実施形態においては、説明の簡略化のためリモコン制御部16が、給湯ユニット11を含む風呂給湯システム10の各部を統括的に制御する例を適用して、以下説明する。
【0027】
リモコン記憶部17は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有し、リモコン制御部16の制御に必要な各種プログラムや、データを記憶する。リモコン入力部18は、ユーザから指示を受け付ける、例えばボタン類である。リモコン表示部19は、ユーザに情報を表示する、例えばディスプレイである。リモコン通信部20は、有線または無線で他の機器とリモコン15とを通信可能に接続する。具体的には、リモコン通信部20は、上述の通り給湯ユニット通信部14と接続することにより、リモコン15と給湯ユニット11とを通信可能に接続する。また、リモコン通信部20は、ルータ3を介してリモコン15をネットワーク2に接続し、ネットワーク2を介して他の機器と所要の情報を送受信する。
【0028】
ルータ3は、宅内5(リモコン15と通信可能な範囲内)に配置され、ルータ3と接続された風呂給湯システム10および情報端末40をネットワーク2に接続する。ルータ3は、無線LAN(Local Area Network)通信のアクセスポイントとしての機能を有する。
【0029】
外部サーバ30は、例えば、いわゆるクラウドコンピューティングを利用して実現され、ネットワーク2を介して風呂給湯システム10や情報端末40と接続される。図3に示すように、外部サーバ30は、サーバ制御部31と、サーバ記憶部32と、サーバ通信部33と、を有する。サーバ制御部31は、CPU(Central Processing Unit)を有し、サーバ記憶部32に予め記憶されているプログラムに従って外部サーバ30を制御する。サーバ記憶部32は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などからなり、サーバ制御部31の制御に必要な各種プログラムや、データを記憶する。特に、サーバ記憶部32は、風呂給湯システム10から送信される風呂給湯システム10の使用状況、使用履歴などからなる機器状態値を適宜記憶する。
【0030】
サーバ制御部31は、外部サーバ側アプリ状態制御処理(図9)および状態値変化通知送信処理(図11)を実行する。これらの処理の詳細は後述する。
【0031】
サーバ通信部33は、外部サーバ30をネットワーク2に接続し、ネットワーク2を介して、風呂給湯システム10および情報端末40と所要の情報を送受信する。
【0032】
情報端末40は、宅内5および宅外6を含むユーザの任意の場所で使用可能な機器である。図4に示すように、情報端末40は、端末制御部41と、端末記憶部42と、端末入力部43と、端末表示部44と、端末通信部45と、移動体通信部46と、を有する。
【0033】
端末制御部41は、CPU(Central Processing Unit)を有し、端末記憶部42に予め記憶されているプログラムに従って情報端末40を制御する。端末記憶部42は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有し、端末制御部41の制御に必要な各種プログラムや、データを記憶する。端末入力部43は、ユーザから指示を受け付ける、例えばタッチパネルやボタン類である。端末表示部44は、ユーザに情報を表示する、例えばディスプレイである。また、端末制御部41は、端末記憶部42に記憶されたプログラムに基づいて、アプリを実行する。アプリは、端末入力部43を介して受け付けるユーザの指示により、起動する。アプリは、端末入力部43を介して受け付けるユーザの指示により、終了する。また、アプリは、情報端末40のOS(Operating System)や他のアプリ(いわゆるタスクキラー)などから強制的に終了し得る。なお、アプリの起動中という場合は、ディスプレイ上で表示したり入力を受け付けたりできるフォアグラウンドで動作している場合と、マルチタスク機能によりバックグラウンドで動作している場合とを含む。
【0034】
また、端末制御部41は、起動通知送信処理(図5)および機器状態値要求送信処理(図12)を実行する。これらの処理の詳細は後述する。
【0035】
端末通信部45は、有線または無線で外部サーバ30と情報端末40とを通信可能に接続する。具体的には、端末通信部45は、ルータを介して情報端末40をネットワーク2に接続し、ネットワーク2を介して外部サーバ30と所要の情報を送受信する。端末通信部45が接続されるルータは、宅内5に配置されるルータ3と、宅外6に設置される任意のルータを含む。移動体通信部46は、情報端末40を移動体通信ネットワーク4を介して基地局に接続する。
【0036】
ここで、情報端末40は、上述したとおり外部サーバ30と同期通信により通信する。同期通信は、送信側のデータ送信タイミングと受信側のデータ受信タイミングとを合わせて通信を行う通信方式である。同期通信は、データ通信のリクエストを出してからレスポンスが来るまで他の処理を行わずにレスポンスを待ち続ける。同期通信には、例えば、HTTP(S)(Hypertext Transfer Protocol (Secure))を用いることができる。
【0037】
外部サーバ30および風呂給湯システム10の通信方式は特に限定されず、同期通信または非同期通信のいずれかにより通信する。非同期通信は、送信側のデータ送信タイミングと受信側のデータ受信タイミングとを合わせずに通信を行う通信方式である。非同期通信は、レスポンスを待っている間に他の処理を行うことができ、他の処理を行っている際にレスポンスを受信すると受信処理を実行する。非同期通信には、例えば、MQTT(Message Queue Telemetry Transport)を用いることができる。
【0038】
情報端末40のアプリにおいては、機器状態値が変化するたびに遅延なく機器状態値に基づく表示が更新されるのが好ましい。しかしながら、情報端末40が頻繁に外部サーバ30と通信すると、データ通信量、および外部サーバ30および情報端末40の処理負担が増加してしまう。
【0039】
例えば、外部サーバ30と情報端末40とがMQTTによる非同期通信で接続を確立する場合には、外部サーバ30が風呂給湯システム10から機器状態値を受信したタイミングで、情報端末40に一方的に機器状態値を送信できる。しかしながら、MQTTは、情報端末40と外部サーバ30との間で初回接続を行う際に、仕様上、HTTP(S)に比べて、通信量が大きくなってしまう。また、この初回接続は、情報端末40が移動している場合においては、基地局などが切り変わるたびに必要になってしまい、通信量が膨大になる虞がある。
【0040】
また、外部サーバ30と情報端末40とが常時接続した状態となるため、外部サーバ30の負荷が大きくなってしまう。さらに、アプリ起動中においては、情報端末40は起動中であることを外部サーバ30に通知することができる。このため、アプリ起動中である場合にのみ、外部サーバ30が情報端末40に機器状態値を送信することも考えられる。しかしながら、アプリが情報端末40のOSなどから強制的に終了させられた場合、アプリが終了したことをアプリから外部サーバ30に通知することはできず、外部サーバ30はMQTTの接続を切断するタイミングを知ることができない結果、機器状態値を送信し続けてしまう虞がある。
【0041】
一方、外部サーバ30と情報端末40とがHTTP(S)による同期通信で接続を確立し、外部サーバ30の負荷を低減しつつ、アプリ主導で外部サーバ30に機器状態値を要求することも考えられる。しかしながら、HTTP(S)はMQTTに比べて初回接続時の通信量が小さいが、遅延なく表示を更新しようとすると情報端末40から外部サーバ30への要求の頻度を上げる必要があり、情報端末40と外部サーバ30との間の通信量は増加してしまう。その結果、情報端末40のバッテリー消費量や通信処理負荷が増加してしまう虞がある。
【0042】
これに対し、本実施形態における通信システム1は、アプリの起動状態を風呂給湯システム10で監視しつつ、機器状態値が変化した場合にアプリが機器状態値を要求できるようになっている。以下、これらを実現するための処理を詳細に説明する。
【0043】
まず、情報端末40のアプリの起動状態に基づいて、風呂給湯システム10がアプリの起動状態を設定するための一連の処理について説明する。
【0044】
図5は、情報端末40により実行される起動通知送信処理を説明するフローチャートである。
【0045】
図6は、風呂給湯システム10および外部サーバ30がアクティブ状態設定中の、風呂給湯システム10、外部サーバ30および情報端末40間で実行される処理を説明するシーケンス図である。
【0046】
図7は、風呂給湯システム10および外部サーバ30がノーマル状態設定中の、風呂給湯システム10、外部サーバ30および情報端末40間で実行される処理を説明するシーケンス図である。
【0047】
起動通知送信処理は、端末制御部41の制御のもとでアプリ上で実行され、アプリが終了するまで繰り返し実行される。
【0048】
ステップS1において、端末制御部41は、アプリを起動する指示を受け付けたか否かを判定する。アプリを起動する指示は、端末入力部43を介してユーザより受け付ける。端末制御部41は、指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS1のNO)、指示を受け付けるまで待機する。一方、端末制御部41は、指示を受け付けたと判定した場合(ステップS1のYES)、アプリを起動する(図6のステップS101)。ステップS2において、端末制御部41は、アプリ起動中である旨の起動通知を外部サーバ30に送信する(図6のステップS104)。ステップS3において、端末制御部41は、所定の通知時間(第一時間)が経過したか否かを判定する。通知時間は、アプリ起動中に起動通知を外部サーバ30に送信する周期であり、例えば5分である。
【0049】
端末制御部41は、通知時間が未だ経過していないと判定した場合(ステップS3のNO)、通知時間が経過するまで待機する。一方、端末制御部41は、通知時間が経過したと判定した場合(ステップS3のYES)、ステップS2に戻り、起動通知を送信する(図6のステップS104)。すなわち、端末制御部41は、アプリ起動時に初回の起動通知を送信し、その後前回の送信から5分経過毎に、外部サーバ30に起動通知を送信する(起動通知送信ステップS104が繰り返される)。また、外部サーバ30は、起動通知を受信した場合(起動通知を受信するたびに)、起動通知をさらに風呂給湯システム10に送信する(図6のステップS105が繰り返される)。
【0050】
次に、起動通知を受信した風呂給湯システム10により実行される、アプリの状態に基づいて設定される状態制御に関する処理について説明する。
【0051】
図8は、風呂給湯システム10により実行される給湯システム側アプリ状態制御処理を説明するフローチャートである。
【0052】
このアプリ状態制御処理は、風呂給湯システム10が稼働中である場合に常時実行される処理であり、処理開始時においては、ノーマル状態(図7のステップS123)が設定されている。
【0053】
ステップS11において、リモコン制御部16は、外部サーバ30より起動通知を受信したか否かを判定する。リモコン制御部16は、起動通知を受信していないと判定した場合(ステップS11のNO)、受信するまで待機する。一方、リモコン制御部16は起動通知を受信したと判定した場合(ステップS11のYES)、ステップS12において、リモコン制御部16が保持するアプリの状態をアクティブ状態に遷移(設定)する(図6のステップS106)。すなわち、リモコン制御部16は、起動通知の有無に基づいてアプリが起動中であるか否かを判定する。
【0054】
ここで、アプリの状態には、「アクティブ状態」および「ノーマル状態」があり、リモコン制御部16は、いずれかの状態を保持(設定)する。アクティブ状態は、アプリが起動している状態を示す。ノーマル状態は、アプリが起動していない状態を示す。
【0055】
ステップS13において、リモコン制御部16は、外部サーバ30にアプリの状態がアクティブ状態である旨のアクティブ通知を送信する(図6のステップS107)。ステップS14において、リモコン制御部16は、起動通知を受信(ステップS11のYES)してから待機時間(第二時間)が経過したか否かを判定する。待機時間は、通知時間よりも長い時間であって、例えば6分であり、情報端末40(外部サーバ30)から起動通知が通知されなくなったことを確実に判定可能な時間である。
【0056】
リモコン制御部16は、待機時間が経過していないと判定した場合(ステップS14のNO)、ステップS15において、起動通知を受信したか否かを判定する。リモコン制御部16は、起動通知を受信していないと判定した場合(ステップS15のNO)、待機時間経過判定ステップS14に戻り処理を繰り返す。一方、リモコン制御部16は、起動通知を受信したと判定した場合(ステップS15のYES、図6のステップS105)、ステップS16において、アクティブ状態の設定を維持する(図6のステップS106)。リモコン制御部16は、その後、アクティブ通知送信ステップS13に戻り、以降の処理を繰り返す。すなわち、リモコン制御部16は、起動通知を受信するたびに、アクティブ状態の設定を維持し、外部サーバ30にアクティブ通知を送信する(図6のステップS107が繰り返される)。
【0057】
一方、待機時間経過判定ステップS14において、外部サーバ30より起動通知を受信することなく待機時間が経過したと判定した場合(ステップS14のYES)、ステップS17において、アプリが起動していない(図7のステップS121)とみなし、アプリの状態をノーマル状態に遷移(設定)する(図7のステップS123)。その後、処理は起動通知受信判定ステップS11に戻り、リモコン制御部16は以降の処理を繰り返す。
【0058】
次に、アクティブ通知を受信した外部サーバ30により実行される、アプリの状態に基づいて設定される状態制御に関する処理について説明する。
【0059】
図9は、外部サーバ30により実行される外部サーバ側アプリ状態制御処理を説明するフローチャートである。
【0060】
このアプリ状態制御処理は、外部サーバ30が稼働中である場合に常時実行される処理であり、処理開始時においては、ノーマル状態(図7のステップS122)が設定されている。
【0061】
ステップS21において、サーバ制御部31は、風呂給湯システム10よりアクティブ通知を受信したか否かを判定する。サーバ制御部31は、アクティブ通知を受信していないと判定した場合(ステップS21のNO)、アクティブ通知を受信するまで待機する。一方、サーバ制御部31は、アクティブ通知を受信したと判定した場合(ステップS21のYES、図6のステップS107)、ステップS22において、サーバ制御部31で設定されるアプリの状態をアクティブ状態に遷移(設定)する(図6のステップS108)。
【0062】
ステップS23において、サーバ制御部31は、待機時間が経過したか否かの判定を行う。待機時間は、風呂給湯システム10が待機時間経過判定ステップS14で判定に用いた経過時間と同様の時間である。サーバ制御部31は、待機時間が経過していないと判定した場合(ステップS23のNO)、ステップS24において、風呂給湯システム10よりアクティブ通知を受信したか否かを判定する。サーバ制御部31は、アクティブ通知を受信していないと判定した場合(ステップS24のNO)、待機時間経過判定ステップS23に戻り処理を繰り返す。
【0063】
一方、サーバ制御部31は、アクティブ通知を受信したと判定した場合(ステップS24のYES)、ステップS25において、アクティブ状態の設定を維持する(図6のステップS108)。サーバ制御部31は、その後、待機時間経過判定ステップS23に戻り、以降の処理を繰り返す。すなわち、サーバ制御部31は、アクティブ通知を受信するたびに、アクティブ状態の設定を維持する。
【0064】
一方、待機時間経過判定ステップS23において、風呂給湯システム10よりアクティブ通知を受信することなく待機時間が経過したと判定した場合(ステップS23のYES)、ステップS26において、アプリの状態をノーマル状態に遷移(設定)する(図7のステップS122)。その後、処理はアクティブ通知受信判定ステップS21に戻り、サーバ制御部31は以降の処理を繰り返す。
【0065】
次に、風呂給湯システム10により実行される、機器状態値を外部サーバ30に送信する処理を説明する。風呂給湯システム10は、風呂給湯システム10の機器状態を示す機器状態値を、機器状態値が変化するたびに外部サーバ30に送信する。機器状態値は、風呂給湯システム10の各種状態であって、例えば風呂自動運転の稼働状況や、風呂自動運転の予約状況、貯湯量の残量、所定時間毎の湯などの使用量、給湯設定温度や風呂設定温度などの設定温度情報を示す情報である。また、機器状態値は、浴室のユーザの有無、浴槽への入浴の有無や経過時間を示す情報である。
【0066】
風呂給湯システム10は、アクティブ状態設定中(図6)に送信する機器状態値を、ノーマル状態設定中(図7)に送信する機器状態値と異ならせている。具体的には、風呂給湯システム10は、機器状態値に含まれる機器情報の内容を異ならせ、例えば、ノーマル状態においては、少なくとも所定時間毎の湯などの使用量や、貯湯量の残量を送信し、アクティブ状態においては、使用量や貯湯量に加えて、少なくとも機器状態に応じてアプリに表示すべき情報を指示する表示制御情報を機器状態値に含めて送信する。
【0067】
図10は、風呂給湯システム10により実行される、機器状態値送信処理を説明するフローチャートである。
【0068】
この機器状態値送信処理は、風呂給湯システム10がアクティブ状態設定中(図6のステップS103)およびノーマル状態設定中(図7のステップS123)のいずれにおいても実行される。
【0069】
ステップS31において、リモコン制御部16は、機器状態値が変化したか否かを判定する。機器状態値の変化の有無は、例えば、湯張りの状態に変化があったこと、貯湯タンクの沸き上げ状態に変化があったこと、浴槽の入浴の有無に変化があったこと、に基づいて判定される。リモコン制御部16は、機器状態値が変化していないと判定した場合(ステップS31のNO)、変化するまで待機する。
【0070】
一方、リモコン制御部16は、機器状態値が変化したと判定した場合(ステップS31のYES、図6のステップS109、図7のステップS124)、ステップS32において、アクティブ状態設定中か否かを判定する。リモコン制御部16は、アクティブ状態設定中であると判定した場合(ステップS32のYES、図6のステップS103、S106)、ステップS33において、アクティブ状態用の機器状態値(アクティブ用機器状態値)を外部サーバ30に送信する(図6のステップS110)。一方、リモコン制御部16は、アクティブ状態設定中ではない、すなわちノーマル状態設定中であると判定した場合(ステップS32のNO、図7のS123)、ステップS34において、ノーマル状態用の機器状態値(ノーマル用機器状態値)を外部サーバ30に送信する(図7のステップS125)。その後、処理は状態値変化判定ステップS31に戻り、リモコン制御部16は以降の処理を繰り返す。
【0071】
次に、機器状態値を受信した外部サーバ30により実行される、機器状態値が変化したことを情報端末40に通知するための処理について説明する。
【0072】
図11は、外部サーバ30により実行される、状態値変化通知送信処理を説明するフローチャートである。
【0073】
この状態値変化通知送信処理は、外部サーバ30がアクティブ状態設定中(図6のステップS102、S108)およびノーマル状態設定中(図7のステップS122)のいずれにおいても実行される。
【0074】
ステップS41において、サーバ制御部31は、風呂給湯システム10より機器状態値を受信したか否かを判定する。サーバ制御部31は、機器状態値を受信していないと判定した場合(ステップS41のNO)、機器状態値を受信するまで待機する。一方、サーバ制御部31は、機器状態値を受信したと判定した場合(ステップS41のYES)、ステップS42において、受信した機器状態値をサーバ記憶部32に記憶する(図6のステップS111、図7のステップS126)。
【0075】
ステップS43において、サーバ制御部31は、アクティブ状態設定中か否かを判定する。サーバ制御部31は、アクティブ状態設定中であると判定した場合(ステップS43のYES、図6のステップS102、S108)、ステップS44において、情報端末40に状態値変化通知を送信する(図6のステップS112)。すなわち、サーバ制御部31は、アプリが起動中である場合に状態値変化通知を送信する。状態値変化通知は、風呂給湯システム10の機器状態値が変化したこと(風呂給湯システム10から新たな機器状態値を受信したこと)を情報端末40に通知するための情報であり、機器状態値自体は含まれない。
【0076】
ステップS45において、サーバ制御部31は、情報端末40より機器状態値の要求を受信したか否かを判定する。サーバ制御部31は、機器状態値の要求を受信していないと判定した場合(ステップS45のNO)、機器状態値の要求を受信するまで待機する。一方、サーバ制御部31は、機器状態値の要求を受信したと判定した場合(ステップS45のYES、図6のステップS113)、ステップS46において、情報端末40に機器状態値を送信する(図6のステップS114)。サーバ制御部31は、ステップS43において、アクティブ状態設定中ではないと判定した場合、すなわちノーマル状態設定中であると判定した場合(ステップS43のNO、図7のステップS122)、およびステップS46の後、機器状態値受信判定ステップS41に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0077】
次に、機器状態変化通知を受信した情報端末40により実行される、機器状態値を外部サーバ30に要求するためなどの処理について説明する。
【0078】
図12は、情報端末40により実行される、機器状態値要求送信処理を説明するフローチャートである。
【0079】
この機器状態値要求送信処理は、アプリが起動中である場合に、アプリにより実行される処理である。
【0080】
ステップS51において、端末制御部41は、外部サーバ30より状態値変化通知を受信したか否かを判定する。端末制御部41は、状態値変化通知をバックグラウンドで(ユーザに意識されない態様で)受信する。端末制御部41は、アプリを介して状態値変化通知を受信してもよいし、OSを介して受信してもよい。端末制御部41は、状態値変化通知を受信していないと判定した場合(ステップS51のNO)、受信するまで待機する。
【0081】
端末制御部41は、状態値変化通知を受信したと判定した場合(ステップS51のYES、図6のステップS112)、ステップS52において、外部サーバ30に機器状態値の要求を送信する(図6のステップS113)。ステップS53において、端末制御部41は、外部サーバ30より機器状態値を受信したか否かを判定する。端末制御部41は、機器状態値を受信していないと判定した場合(ステップS53のNO)、受信するまで待機する。
【0082】
一方、端末制御部41は、機器状態値を受信したと判定した場合(ステップS53のYES、図6のステップS114)、ステップS54において、機器状態値を用いて、端末表示部44に表示される機器状態を更新する(図6のステップS115)。
【0083】
ここで、図13は、機器状態値に基づいてアプリが風呂給湯システム10の機器状態を一覧表示する画面の説明図である。図14は、機器状態値に基づいてアプリが入浴に関する機器状態を表示する画面の説明図である。
【0084】
端末制御部41は、例えば機器状態のうち、風呂自動運転が開始することにより運転状態が変化すると、図13に示すように、「ふろ自動」の項目の「OFF」を「ON」に更新するよう、端末表示部44を制御する。また、機器状態のうち、浴槽への入浴時間が変化すると、図14に示すように、「入浴時間」の項目の経過時間を更新(例えば4分から5分に変更)するよう、端末表示部44を制御する。端末制御部41は、上述したとおり、機器状態値に含まれる表示制御情報に基づいて端末表示部44を制御する。その後、処理は状態値変化通知受信判定ステップS51に戻り、端末制御部41は以降の処理を繰り返す。
【0085】
このような通信システム1は、負荷の低減とユーザの使用感を両立できる。すなわち、情報端末40は、通信量低減のため非同期通信(MQTT)ではなく同期通信(HTTP(S))を用いて外部サーバ30と通信した場合、機器状態の表示の更新頻度を上げようとすると、外部サーバ30への機器状態値の要求頻度を上げなければならない。また、情報端末40は、機器状態値が変化したか否かによらずに要求を行うことになり、不要な通信処理が発生する虞もある。
【0086】
これに対し、本実施形態における通信システム1は、外部サーバ30より状態値変化通知を受信した場合に機器状態値を要求するため、通信頻度を上げることなく機器状態値が変化したタイミングで、遅滞なく機器状態値の取得および表示を更新できる。その結果、通信システム1は、ユーザのアプリの使用感や操作性を向上でき、情報端末40の通信量やバッテリーの消費量をも低減できる。
【0087】
また、外部サーバ30は、アプリの起動中のみ状態値変化通知を情報端末40に送信するため、不要にリソースを割くことがなく、外部サーバ30の処理負荷を低減できる。
【0088】
さらに、アプリが起動しているか否かの判断を、情報端末40から送信され外部サーバ30を介して受信する起動通知の有無により、風呂給湯システム10が行った。これにより、例えば情報端末40自身がアプリを終了したことを外部サーバ30および風呂給湯システム10に通知できないような状況下であっても、風呂給湯システム10がアプリが終了したことを好適に知ることができる。また、通信システム1は、外部サーバ30ではなく風呂給湯システム10でアプリの状態を判断し、アクティブ状態およびノーマル状態からなる状態制御を行い、その結果を外部サーバ30に通知した。このため、外部サーバ30ではなく、常時稼働している風呂給湯システム10でアプリの起動状態を判断することにより、外部サーバ30の処理負荷を低減できる。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0090】
例えば、風呂給湯システム10がアプリが起動中か否かを判定し、起動中である場合に外部サーバ30にアクティブ通知を送信する例を説明したが、外部サーバ30自身がアプリが起動中であるか否かを判定してもよい。例えば、情報端末40から送信される起動通知を用いて直接判定してもよい。
【0091】
また、風呂給湯システム10がアプリの起動状態(アクティブ状態およびノーマル状態)に応じて機器状態値を異ならせる例を説明したが、例えばアクティブ状態設定中には機器状態値の送信をリアルタイムに行い、ノーマル状態設定中には通信量低減のため一定の送信周期で行うなどしてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 通信システム
2 ネットワーク
3 ルータ
4 移動体通信ネットワーク
5 宅内
6 宅外
10 風呂給湯システム
11 給湯ユニット
12 給湯ユニット制御部
13 給湯ユニット記憶部
14 給湯ユニット通信部
15 リモコン
16 リモコン制御部
17 リモコン記憶部
18 リモコン入力部
19 リモコン表示部
20 リモコン通信部
30 外部サーバ
31 サーバ制御部
32 サーバ記憶部
33 サーバ通信部
40 情報端末
41 端末制御部
42 端末記憶部
43 端末入力部
44 端末表示部
45 端末通信部
46 移動体通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14