(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】保持装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 23/00 20150101AFI20240404BHJP
F21V 21/03 20060101ALI20240404BHJP
F21V 31/00 20060101ALI20240404BHJP
H02G 3/22 20060101ALI20240404BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240404BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240404BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240404BHJP
【FI】
F21V23/00 160
F21V21/03
F21V31/00 400
H02G3/22
F21Y115:10 100
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
F21Y115:15
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2020130202
(22)【出願日】2020-07-31
【審査請求日】2023-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】片山 照夫
(72)【発明者】
【氏名】石川 孝
(72)【発明者】
【氏名】塚原 康晴
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-243128(JP,A)
【文献】特開2017-195121(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0178146(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0097403(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00
F21V 21/03
F21V 31/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
H02G 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付面に取り付け可能であって、灯具に電力を供給する電線を保持する保持部と、
前記保持部の少なくとも一部を覆う被覆部材と
を備え、
前記保持部は、
前記電線を配置可能な配置部を有する本体部と、
前記取付面と対向可能であり、前記本体部の基端部から張り出すフランジ部と
を含み、
前記被覆部材は、
前記本体部の周面を覆う本体被覆部と、
前記フランジ部のうち前記取付面と対向可能な面を覆うフランジ被覆部と、
前記本体部の先端部に配置され、前記電線の周面に接触する筒部と
を含み、
前記本体被覆部と、前記フランジ被覆部と、前記筒部とは、全体で単一の部材で構成される、保持装置。
【請求項2】
前記フランジ被覆部は、前記基端部から前記先端部の側に向かって突出する第1突出部を有する、請求項1に記載の保持装置。
【請求項3】
前記筒部は、前記筒部の内壁から前記筒部の中心に向かって突出する第2突出部を有し、
前記第2突出部は、円環形状を有し、
前記第2突出部の内径は、前記電線の外径よりも小さい、請求項1または請求項2に記載の保持装置。
【請求項4】
前記筒部は、前記筒部の内壁から前記筒部の中心に向かって突出する第3突出部を更に有し、
前記第3突出部は、前記基端部から前記先端部に向かう方向に沿って延びる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の保持装置。
【請求項5】
光を出射する灯具と、
前記灯具に電力を供給する電線と、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の保持装置と
を備える、照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持装置及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の埋め込み式コンセントは、コンセント本体と、コンセント筐体を備える。埋め込み式コンセントは、天井板(取付面)に取付けられる。コンセント本体は、スポット照明手段のような器具本体のプラグが挿入される。コンセント筐体は、給電のための配線コード(電線)が配設される。コンセント筐体は、鍔部と、挟持部材と、ねじ棒とを有する。鍔部は、天井板と対向する。挟持部材は、天井板を介して鍔部と対向する。ねじ棒は、鍔部と挟持部材とで天井板を挟むように、挟持部材の位置を変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の埋め込み式コンセントでは、埋め込み式コンセントのような保持装置と天井板(取付面)との間隙から空気が移動していた。また、配線コード(電線)が挿通される貫通孔からも空気が移動していた。したがって、取付面と保持装置との間の気密、及び、電線と貫通孔との間の気密も充分でなかった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、保持装置を取り付ける取付面の気密性を向上できる保持装置及び照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する保持装置は、保持部と、被覆部材とを備える。前記保持部は、取付面に取り付け可能であって、灯具に電力を供給する電線を保持する。前記被覆部材は、少なくとも前記保持部の一部を覆う。前記保持部は、本体部と、フランジ部とを含む。前記本体部は、前記電線が配置可能な配置部を有する。前記フランジ部は、前記取付面と対向可能であり、前記本体部の基端部から張り出す。前記被覆部材は、本体被覆部と、フランジ被覆部と、筒部とを含む。前記本体被覆部は、前記本体部の周面を覆う。前記フランジ被覆部は、前記フランジ部のうち前記取付面と対向可能な面を覆う。前記筒部は、前記本体部の先端部に配置され、前記電線の周面に接触する。前記本体被覆部と、前記フランジ被覆部と、前記筒部とは、全体で単一の部材で構成される。
【0007】
本願に開示するフランジ被覆部は、第1突出部を有することが好ましい。前記第1突出部は、前記基端部から前記先端部の側に向かって突出することが好ましい。
【0008】
本願に開示する筒部は、第2突出部を有することが好ましい。前記第2突出部は、前記筒部の内壁から前記筒部の中心に向かって突出することが好ましい。前記第2突出部は、円環形状を有することが好ましい。前記第2突出部の内径は、前記電線の外径よりも小さいことが好ましい。
【0009】
本願に開示する筒部は、第3突出部を更に有することが好ましい。前記第3突出部は、前記筒部の内壁から前記筒部の中心に向かって突出することが好ましい。前記第3突出部は、前記基端部から前記先端部に向かう方向に沿って延びることが好ましい。
【0010】
本願に開示する照明器具は、灯具と、電線と、上記保持装置とを備える。前記灯具は、光を出射する。前記電線は、前記灯具に電力を供給する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の保持装置及び照明器具によれば、取付面と保持装置との間の気密性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】本実施形態に係る保持装置を示す斜視図である。
【
図3】本実施形態に係る保持装置を示す分解斜視図である。
【
図4】
図2に示す保持装置のIV-IV断面を示す断面図である。
【
図5】本実施形態に係る保持部と被覆部材とを示す図である。
【
図6】本実施形態に係る取付部の一部と保持装置の一部とを示す図である。
【
図7】本実施形態に係る
図1に示す灯具の断面を模式的に示す図である。
【
図8】本実施形態に係る電線保持部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向を参照して説明することがある。例えば、X方向及びY方向は水平方向に平行であり、Z方向は鉛直方向に平行である。ただし、X方向及びY方向は水平方向以外の方向に平行であってもよく、Z方向は鉛直方向以外の方向に平行であってもよい。
【0014】
まず、
図1を参照して、本実施形態の照明器具1について説明する。
図1は、本実施形態に係る照明器具1を示す図である。
【0015】
本実施形態の照明器具1は、例えば、ベースライト、または間接照明として使用される。また、本実施形態の照明器具1は、例えば、天井面、壁面、または床面のような取付面WAに取り付けられることが可能である。天井面は、斜め天井面であってもよい。
【0016】
本実施形態の照明器具1は、照明器具1の第1方向D1の側の取付面WAに吊り下げられて取り付けられる。第1方向D1は、照明器具1から取付面WAへ向かう方向を示す。取付面WAに吊り下げられた照明器具1は、第2方向D2の側の照射面に向かって光を出射する。照射面は、照明器具1と対向する面である。照射面は、例えば、天井面、壁面、または床面である。第2方向D2は、取付面WAから照明器具1へ向かう方向を示す。これらの向きは、本発明の照明器具1の製造時、施工時、及び使用時の向きを限定するものではない。
【0017】
図1に示すように、照明器具1は、灯具10と、保持装置100と、電線200と、取付部300とを備える。
【0018】
灯具10は、光を出射する。灯具10は、カバー30と、光源40と、筐体60と、電源装置90とを備える。
【0019】
光源40は、光を出射する。光源40は、例えば、基板41と、発光素子42とを含む。基板41は、本実施形態において、略平板形状を有する。具体的には、本実施形態において、基板41は、第3方向D3に沿って延びる。第3方向D3は、取付部300から保持装置100へ向かう方向を示す。また、第3方向D3は、取付面WAに対して平行な方向を示す。基板41には、発光素子42に電力を供給するための配線が形成されている。
【0020】
発光素子42は、光を出射する。発光素子42は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)である。発光素子42は1つであってもよく、複数であってもよい。本実施形態において、光源40は、複数の発光素子42を含む。あるいは、発光素子42は、有機EL(Electro-Luminescence)素子またはレーザーダイオードを含んでもよい。発光素子42は、基板41に配置される。具体的には、発光素子42は、基板41の実装面に取り付けられている。すなわち、発光素子42は、基板41に実装される。
【0021】
光源40は、複数の発光素子42を基板41の実装面上に載置して蛍光体で封止したCOB(Chip on Board)構造であってもよい。あるいは、光源40は、発光素子42と蛍光体とを一体化したユニットを基板41の実装面上に載置して基板41の導電体に電気的に接続したSMD(Surface Mount Device)構造であってもよい。あるいは、光源40は、いわゆる砲弾型の発光素子42から構成されてもよい。砲弾型の発光素子42から光源40が構成される場合、光源40は、基板41を含んでもよいし、基板41を含まなくてもよい。
【0022】
カバー30は、本実施形態において、第3方向D3に沿って延びる。カバー30は、略角柱形状を有する。カバー30は、光源40を覆う。カバー30は、例えば、セード、または拡散カバーである。カバー30は、透明または半透明であり、発光素子42が出射する光を通過させる。カバー30は、例えば、乳白色または半透明であり、カバー30を通過する光を拡散することが好ましい。
【0023】
カバー30は、例えば樹脂製である。カバー30が発光素子42の出射する光を拡散する拡散カバーである場合、カバー30は、例えば、光拡散材料を含有した樹脂を成形することによって形成してもよい。あるいは、カバー30は、透明な樹脂で成形した樹脂成形品の表面に光拡散処理を施して形成してもよい。ここで、光拡散処理は、例えば、微小凹凸形成処理、及び透光白色塗装処理を含む。微小凹凸形成処理は、樹脂成形品の表面に微小な凹凸を形成する処理である。透光白色塗装処理は、透光性を有する乳白色塗料を樹脂成形品の表面に塗装する処理である。
【0024】
筐体60は、本実施形態において、第3方向D3に沿って延びる。筐体60は、例えば、略直方体形状を有する。筐体60は、第1方向D1において、光源40に対してカバー30と反対の側に位置する。筐体60には、取付部300の一部が固定される。筐体60の内側空間には、例えば、電源装置90が配置される。つまり、筐体60は、光源40に接続された電源装置90を収容する。
【0025】
電源装置90は、光源40に電力を供給する。その結果、光源40は、電源装置90から供給される電力によって光を出射する。電源装置90は、電源回路ユニットを含む。電源回路ユニットは、例えば、電源回路と点灯回路とを含む。電源回路は、商用電源からの交流電源電圧を直流電源電圧に変換して、直流電源電圧を点灯回路に供給する。そして、点灯回路は、直流電源電圧を光源40に供給する。電源回路ユニットは、マイコンのようなコントローラーを含んでいてもよい。マイコンは、例えば点灯回路を制御する。
【0026】
電線200は、灯具10に接続され、灯具10に電力を供給する。電線200は、筐体60の外部から筐体60の内部を通って、筐体60の内部に配置される端子台(図示せず)に接続される。端子台(図示せず)は、他の電線(図示せず)が接続される。他の電線(図示せず)は、電源装置90に接続される。更に具体的には、電線200の第2方向D2の端部は、筐体60の内部に配置される端子台(図示せず)に接続される。端子台(図示せず)は、電源装置90に接続される。電線200の第2方向D2の端部は、筐体60の内部に配置される。そして、電線200は、端子台(図示せず)及び他の電線(図示せず)を介して電源装置90に電力を供給する。また、電線200の第1方向D1の端部は、取付面WAを貫通し、保持装置100に保持される。
【0027】
取付部300は、灯具10を取付面WAに取り付ける。具体的には、取付部300は、灯具10を取付面WAから吊り下げる。本実施形態では、取付部300は、保持装置100よりも第4方向D4に配置される。第4方向D4は、保持装置100から取付部300へ向かう方向を示す。
【0028】
取付部300は、ワイヤー301と、第1固定部302と、第2固定部303とを有する。
【0029】
ワイヤー301は、灯具10を吊り下げる。ワイヤー301の第1方向D1の端部は、第1固定部302が配置される。ワイヤー301の第2方向D2の端部は、灯具10の筐体60の内部に配置される。
【0030】
ワイヤー301は、電線200よりも短い。したがって、照明器具1の重量は、ワイヤー301にかかる。一方、電線200はワイヤー301よりも長いため、照明器具1の重量は電線200にかからない。よって、照明器具1の重量によって電線200と電源装置90との接続が解除されることを抑制できる。
【0031】
第1固定部302は、第2固定部303に取付けられる。第1固定部302は、ネジ孔を有している。
【0032】
第2固定部303は、取付面WAを貫通し、取付面WAに固定される。具体的には、取付面WAの貫通孔WH1を第2固定部303の一部が貫通し、取付面WAに固定される。第2固定部303は、例えば、ボルトである。第2固定部303は、第1固定部302と螺合される。したがって、取付部300が取付面WAに固定される。この結果、取付面WAに灯具10を吊り下げることができる。
【0033】
保持装置100は、電線200を保持する。保持装置100は、取付面WAに配置される。具体的には、取付面WAの貫通孔WH2を介して、保持装置100は取付面WAに取付けられる。よって、保持装置100のうちの一部は、取付面WAの第1方向D1に配置される。また、保持装置100のうちの他の一部は、取付面WAの第2方向D2に配置される。
【0034】
次に、
図1~
図4を参照して、保持装置100を詳細に説明する。
図2は、保持装置100を示す斜視図である。
図3は、保持装置100を示す分解斜視図である。
図4は、
図2に示す保持装置100のIV-IV断面を示す断面図である。保持装置100は、接続部110と、取付バネ120と、保持部130と、被覆部材150とを含む。
【0035】
図1と
図2と
図4とに示すように、保持部130は、灯具10に電力を供給する電線200を保持する。保持部130は、取付バネ120によって、取付面WAに取り付け可能である。保持部130は、接続部110よりも第5方向D5に配置される。第5方向D5は、接続部110から保持部130へ向かう方向を示す。
【0036】
図3と
図4とに示すように、保持部130は、本体部131と、フランジ部132とを有する。
【0037】
本体部131は、電線200を配置可能な配置部133を有する。配置部133は、例えば、溝、窪み、または、貫通孔であり得る。配置部133は、電線200が配置できればよく、形態は限定されない。本実施形態では、配置部133は、例えば、貫通孔である。貫通孔には、電線200が挿通される。配置部133の貫通孔は、本体部131の基端部BSから先端部PEまでを貫通する。基端部BSは、本体部131のうちの第2方向D2の側の端部である。先端部PEは、本体部131のうちの第1方向D1の側の端部である。
図4に示すように、配置部133の貫通孔の内径L1は、電線200の外径L2より大きい。また、配置部133の貫通孔の内径L1は、基端部BSから先端部PEに向かう程、小さくなる。
【0038】
図3に示すように、本体部131は、ベース部134と、支持部135とを有する。
【0039】
ベース部134は、フランジ部132と本体部131との間に配置される。ベース部134は、フランジ部132から第1方向D1に向かって延びる。また、ベース部134は、第5方向D5と第6方向D6とに向かって延びる。ベース部134は、例えば、楕円形状である。ベース部134の外縁は、取付面WAの貫通孔HW2の内縁より小さい。ベース部134を取付面WAの貫通孔HW2に挿通させた際に、ベース部134の外縁との貫通孔HW2の内縁とは接触してもよい。
【0040】
ベース部134は、取付面WAの貫通孔WH2に対するフランジ部132の位置を決める。したがって、ベース部134を取付面WAの貫通孔HW2に挿通させた際に、設計者の所望の位置にフランジ部132を配置できる。つまり、取付面WAの貫通孔WH2に対して、フランジ部132が水平方向に過剰に移動することを抑制できる。具体的には、取付面WAの貫通孔WH2に対して、少なくとも第3方向D3と第4方向D4と第5方向D5と第6方向D6とにフランジ部132が過剰に移動することをベース部134は抑制する。更に具体的には、フランジ部132が移動しても、貫通孔WH2の内縁とベース部134の外縁とが接触して、第3方向D3~第6方向D6の水平方向にフランジ部132が過剰に移動することをベース部134は抑制する。よって、フランジ部132が移動して貫通孔WH2が露出することを抑制できる。加えて、フランジ部132の外形を小さくできる。この結果、取付面WAに対して、保持装置100が目立ちにくくなり、取付面WAと保持装置100との一体感が向上する。
【0041】
図3と
図4とに示すように、支持部135は、ベース部134から第1方向D1に向かって延びる。
図4に示すように、支持部135は、接続部110と、取付バネ120とを支持する。
【0042】
図3に示すように、支持部135は、第1柱部135aと、第2柱部135bと、第3柱部135cとを有する。第1柱部135aには、配置部133が配置される。第1柱部135aは、第2柱部135bと第3柱部135cとの間に配置される。
【0043】
第2柱部135bは、第1柱部135aの第4方向D4に配置される。第2柱部135bは、取付穴H5を有する。取付穴H5は、第2柱部135bの第1方向D1に配置される。取付穴H5は、ネジ穴である。取付穴H5には、ビスBが配置される。
【0044】
また、第2柱部135bの第6方向D6の面は、第1柱部135aの第6方向D6の面と比較して、第6方向D6に突出する。第2柱部135bの第5方向D5の面は、第1柱部135aの第5方向D5の面と比較して、第5方向D5に突出する。第2柱部135bの第1方向D1の面は、第1柱部135aの第1方向D1の面と比較して、第1方向D1に突出する。
【0045】
第3柱部135cは、第1柱部135aの第3方向D3に配置される。第3柱部135cは、取付穴H6を有する。取付穴H6は、第3柱部135cの第1方向D1に配置される。取付穴H6は、ネジ穴である。取付穴H6には、ビスBが配置される。
【0046】
第3柱部135cの第6方向D6の面は、第1柱部135aの第6方向D6の面と比較して、第6方向D6に突出する。第3柱部135cの第5方向D5の面は、第1柱部135aの第5方向D5の面と比較して、第5方向D5に突出する。第3柱部135cの第1方向D1の面は、第1柱部135aの第1方向D1の面と比較して、第1方向D1に突出する。
【0047】
換言すると、本体部131の第6方向D6の周面のうち、第1柱部135aの部分は凹状となる。また、本体部131の第5方向D5の周面のうち、第1柱部135aの部分は凹状となる。また、本体部131の第1方向D1の面のうち、第1柱部135aの部分は凹状となる。
【0048】
図3に示すように、フランジ部132は、本体部131の基端部BSから張り出す。フランジ部132は、平面視したときの形状が円形状を有する。具体的には、フランジ部132は、ベース部134の周りを囲う。フランジ部132は、取付面WAと対向可能である。フランジ部132の外縁は、取付面WAの貫通孔HW2の内縁よりも大きい。したがって、保持装置100が取付面WAに配置されたときに、フランジ部132は貫通孔HW2を隠すことができる。
【0049】
フランジ部132は、第1主面132aと、第2主面132bとを有する。第1主面132aは、フランジ部132の第2方向D2の側に配置される。第1主面132aは、灯具10と対向する面である。
【0050】
第2主面132bは、フランジ部132の第1方向D1の側に配置される。第2主面132bは、取付面WAと対向する面である。
図4に示すように、例えば、取付バネ120と第1主面132aとで取付面WAを挟むことによって、保持装置100が取付面WAに取り付けられる。
【0051】
図2から
図4に示すように、被覆部材150は、保持部130の一部を覆う。例えば、
図3に示す保持部130に対して、被覆部材150を第2方向D2に移動させて、保持部130を被覆部材150に挿通する。よって、
図2及び
図3に示すように、保持部130のうちの第1方向D1の側の部分が被覆部材150に覆われる。
【0052】
被覆部材150は、例えば、弾性部材である。弾性部材は、天然ゴム、合成ゴム、及び、シリコーンである。したがって、被覆部材150は、外力によって変形する。
【0053】
被覆部材150は、本体被覆部151と、フランジ被覆部152と、筒部153とを含む。
【0054】
本体被覆部151は、本体部131の周面を覆う。本体被覆部151は、筒部153とフランジ被覆部152との間に配置される。具体的には、保持部130を被覆部材150に挿通することで、本体被覆部151は、本体部131の周面を被覆する。本体被覆部151は、平面視したときの形状が楕円形状を有する。具体的には、本体被覆部151は、第1柱部135aの周面と、第2柱部135bの周面と、第3柱部135cの周面とを被覆する。
【0055】
フランジ被覆部152は、フランジ部132のうち取付面WAと対向可能な面を覆う。フランジ被覆部152は、筒部153に対して、本体被覆部151よりも第1方向D1に配置される。フランジ被覆部152は、平面視したときの形状が円形状を有する。具体的には、フランジ被覆部152は、フランジ部132の第2主面132bを覆う。フランジ被覆部152は、第1当接面152aと第2当接面152bとを有する。第1当接面152aは、フランジ部132の第2主面132bと当接する面である。第2当接面152bは、取付面WAと対向可能であり、取付面WAと当接する。
【0056】
筒部153は、本体部131の先端部PEに配置される。
図4に示すように、筒部153は、電線200の周面に接触する。筒部153は、フランジ被覆部152に対して、本体被覆部151よりも第2方向D2に配置される。筒部153は、環状である。筒部153は、第1柱部135aの先端部PEを覆う。
【0057】
また、本体被覆部151と筒部153とは一体的に構成される。したがって、筒部153が第1方向D1に引っ張られた場合でも、本体被覆部151に引き戻されて筒部153は元の位置に戻る。この結果、筒部153に挿通された電線200とともに筒部153が第1方向D1の側へ移動したままとなって、第1柱部135aと筒部153との間に間隙ができることを抑制できる。
【0058】
本体被覆部151と、フランジ被覆部152と、筒部153とは、全体で単一の部材で構成される。つまり、被覆部材150を保持部130に取付けることで、本体部131の配置部133の貫通孔を通じて空気が移動することを抑制するシール部材と、取付面WAの貫通孔WH2を通じて空気が移動することを抑制するシール部材とを保持部130に取付けることができる。この結果、保持装置100を取り付ける取付面WAの気密性を向上できる。
【0059】
更に、保持部130に被覆部材150を挿通することで、取付面WAと保持部130のフランジ部132との間にシール部材を配置しつつ、本体部131の配置部133の貫通孔と電線200との間にシール部材とを配置できる。したがって、1つの作業で2つの箇所にシール部材を同時に配置できる。この結果、シール部材を取り付ける際の手間を低減できる。つまり、シール部材を取り付ける際の工数が低減する。
【0060】
また、保持装置100を取り付けた部屋のような空間の気密性が向上するため、例えば、夏季に部屋を冷却する際の冷却効率が向上する。また、例えば、冬季に部屋を暖房する際の暖房効率が向上する。つまり、部屋の気密性が向上することで、部屋に存在する使用者をより快適に感じさせることができる可能性がある。
【0061】
具体的には、被覆部材150を保持部130に挿通することで、本体部131の先端部PEは筒部153に被覆される。そして、先端部PEにおいて、配置部133の貫通孔と筒部153の孔とが一致する。更に、配置部133の貫通孔に挿通された電線200の周面に筒部153が接触する。具体的には、筒部153の孔に電線200が挿通されることで、筒部153が電線200の外径L2に応じて弾性変形する。よって、筒部153は電線200の周面に接触する。したがって、弾性変形した筒部153によって、筒部153と電線200との間の間隙が塞がれる。この結果、配置部133の貫通孔を通じて、第1方向D1の側、及び、第2方向D2の側に空気が流れることを筒部153は抑制できる。
【0062】
更に、保持部130を被覆部材150に挿通することで、フランジ被覆部152は、第2主面132bを覆う。そして、保持装置100を取付面WAに取付けることで、フランジ被覆部152は取付面WAとフランジ部132の第2主面132bとの間に配置される。つまり、フランジ被覆部152の第1当接面152aは、第2主面132bと当接する。そして、フランジ被覆部152の第2当接面152bは、取付面WAと当接する。更に、取付バネ120によって本体部131が第1方向D1の側に付勢され、取付面WAと第2主面132bとの間に配置されたフランジ被覆部152は弾性変形する。したがって、弾性変形したフランジ被覆部152によって、取付面WAと第2主面132bとの間の間隙が塞がれる。この結果、取付面WAの保持装置100を取り付けるための貫通孔を通じて、第1方向D1の側、及び、第2方向D2の側に空気が流れることをフランジ被覆部152は抑制できる。
【0063】
図2に示すように、接続部110は、電線200を他の電線と電気的に接続する。他の電線は、取付面WAの第1方向D1に配置された電線である。他の電線は、例えば、外部電源に接続される。つまり、他の電線と電線200とを接続部110が電気的に接続することで、電線200は灯具10に電力を供給できる。接続部110は、保持部130よりも第6方向D6に配置される。第6方向D6は、第5方向D5の反対の側を示す。
【0064】
接続部110は、支持部材111と、端子接続部115とを有する。支持部材111は、端子接続部115を保持する。支持部材111は、端子支持部112と、電線支持部113と、取付部114とを有する。
【0065】
端子支持部112は、端子接続部115を支持する。端子支持部112は、電線支持部113から第6方向D6に沿って延びる。
【0066】
電線支持部113は、保持部130から延びる電線200を支持する。電線支持部113は、端子支持部112と取付部114との間に位置する。電線支持部113は、第1方向D1に沿って、端子支持部112から取付部114まで延びる。電線支持部113は、電線支持孔113aを有する。本実施形態では、電線支持孔113aは、第5方向D5から第6方向D6に向かって開口する貫通孔である。電線支持孔113aは、保持部130から第1方向D1の側に所定距離離間して配置される。
【0067】
図2に示すように、保持部130から第1方向D1に延びる電線200は、電線支持孔113aに挿通される。次に、電線支持孔113aに挿通され、電線支持孔113aに支持された電線200は、第6方向D6に延びる。そして、電線200は、端子接続部115に接続される。
【0068】
取付部114は、電線支持部113から第5方向D5に沿って延びる。取付部114は、保持部130に取付けられる。具体的には、取付部114は、ビスBで保持部130に取付けられる。
【0069】
取付部114は、電線挿通孔114aと第1貫通孔H1と第2貫通孔H2とを有する。電線挿通孔114aには、保持部130から延びる電線200が挿通される。電線挿通孔114aと第1貫通孔H1と第2貫通孔H2とは、第1方向D1に貫通する。第1貫通孔H1には、
図2と
図4とに示すように、ビスBが挿通される。第1貫通孔H1に挿通されたビスBは、接続部110を保持部130に固定する。第2貫通孔H2には、
図2と
図4とに示すように、ビスBが挿通される。第2貫通孔H2に挿通されたビスBは、接続部110を保持部130に固定する。
【0070】
端子接続部115は、電線200と他の電線とを電気的に接続する。具体的には、端子接続部115は、電線200と他の電線とを中継する。
【0071】
取付バネ120は、保持部130を取付面WAの取付位置に取り付ける。取付位置は、例えば、取付面WAに開けられた貫通孔WH2である。取付バネ120は、保持部130に固定される。取付バネ120は、弾性を有する金属製である。取付バネ120は、薄板状部材を曲げ加工することにより成形される。本実施形態では、取付バネ120は、第1取付バネ121と、第2取付バネ122とを有する。
【0072】
第1取付バネ121は、保持部130の第3方向D3に配置される。第1取付バネ121は、取付片121aと、湾曲片121bとを有する。
【0073】
湾曲片121bは、取付面WAと当接する。湾曲片121bは、取付片121aから第3方向D3に延びる。湾曲片121bは、フランジ部132が第3方向D3の側に過剰に移動することを抑制する。よって、フランジ部132の外形を小さくできる。
【0074】
取付片121aは、保持部130に取付けられる。取付片121aは、第3貫通孔H3を有する。第3貫通孔H3は、第1方向D1に貫通する。第3貫通孔H3には、
図2と
図4とに示すように、ビスBが挿通される。
【0075】
第2取付バネ122は、保持部130の第4方向D4に配置される。第2取付バネ122は、取付片122aと、湾曲片122bとを有する。
【0076】
湾曲片122bは、取付面WAと当接する。湾曲片122bは、取付片122aから第4方向D4に延びる。湾曲片122bbは、フランジ部132が第4方向D4の側に過剰に移動することを抑制する。よって、フランジ部132の外形を小さくできる。
【0077】
つまり、ベース部134と取付バネ120とは、取付面WAの貫通孔WH2に対して、フランジ部132が水平方向に過剰に移動することを抑制できる。具体的には、取付面WAの貫通孔WH2に対して、第5方向D5と第6方向D6とにフランジ部132が過剰に移動することをベース部134は抑制する。そして、取付面WAの貫通孔WH2に対して、第3方向D3と第4方向D4とにフランジ部132が過剰に移動することを取付バネ120は抑制する。フランジ部132が過剰に移動することを抑制できるため、取付面WAの貫通孔WH2が露出しない。よって、フランジ部132の外形を小さくできる。この結果、取付面WAに対して、保持装置100が目立ちにくくなり、取付面WAと保持装置100との一体感が向上する。
【0078】
取付片122aは、保持部130に取付けられる。取付片122aは、第4貫通孔H4を有する。第4貫通孔H4は、第1方向D1に貫通する。第4貫通孔H4は、
図2と
図4とに示すように、ビスBが挿通される。
【0079】
本実施形態の保持装置100を組み立てる場合、保持部130に被覆部材150を挿通し、端子接続部115を取り付けた接続部110の第1貫通孔H1と第2貫通孔H2とのそれぞれにビスBを挿通する。次に、第1貫通孔H1に挿通したビスBを第1取付バネ121の第3貫通孔H3に挿通させる。そして、第2貫通孔H2に挿通したビスBを第2取付バネ122の第4貫通孔H4に挿通させる。
【0080】
更に、
図4に示すように、第1貫通孔H1と第3貫通孔H3とに挿通されたビスBが取付穴H5に取付けられることで、接続部110と第1取付バネ121とが保持部130に固定される。更に、第2貫通孔H2と第4貫通孔H4とに挿通されたビスBが取付穴H6に取付けられることで、接続部110と第2取付バネ122とが保持部130に固定される。
【0081】
次に、
図1~
図5を参照して被覆部材150を更に詳しく説明する。
図5は、保持部130と被覆部材150とを示す図である。
図5では、保持部130と被覆部材150とを上側から見た図である。つまり、
図5では、第1方向D1の側から第2方向D2に保持部130と被覆部材150とを見下ろした図である。
【0082】
図3に示すように、被覆部材150は、位置決め部155を更に有する。位置決め部155は、被覆部材150の内壁150aから突出する。つまり、位置決め部155は、凸状となっている。位置決め部155は、保持部130の第1柱部135aと当接する。換言すると、位置決め部155の凸状の部分は、支持部135の凹状の部分と係合する。したがって、位置決め部155の凸状の部分と支持部135の凹状の部分とを係合させて、被覆部材150を保持部130に挿通させることができる。この結果、被覆部材150を保持部130に挿通させる際に、被覆部材150を誤った向きに取付けることを抑制できる。
【0083】
また、
図3と
図5とに示すように、本体被覆部151は、ベース被覆部154を含む。ベース被覆部154は、ベース部134を覆う。本実施形態では、ベース被覆部154は、
図3と
図5とに示すように、保持部130のベース部134にあわせて、第5方向D5と第6方向D6とに延びる。また、ベース被覆部154は、
図3と
図5とに示すように、第3方向D3と第4方向D4とには伸びていない。したがって、被覆部材150を保持部130に挿通させる際に、ベース被覆部154が延びる向きとベース部134の延びる向きとが一致しないと、被覆部材150のフランジ被覆部152がフランジ部132の第2主面132bと当接しないようになっている。この結果、被覆部材150を保持部130に挿通させる際に、被覆部材150を誤った向きに取付けることを抑制できる。
【0084】
また、例えば、取付面WAに取付けられた保持装置100が回転することで本体被覆部が外力によって位置ズレすることがある。しかし、ベース被覆部154がベース部134を覆うことで、本体被覆部151が外力によって位置ズレすることを抑制できる。したがって、保持部130と被覆部材150との間に間隙ができることを抑制できる。この結果、保持装置100が配置された部屋のような空間の気密性を更に向上させることができる。
【0085】
図4に示すように、フランジ被覆部152は、基端部BSから先端部PEの側に向かって突出する第1突出部161を有する。第1突出部161は、第1方向D1に沿って延びる。つまり、保持装置100が取付面WAに取付けられたときに、第1突出部161は取付面WAに向かって突出し、取付面WAと当接する。したがって、第1突出部161は弾性変形し、取付面WAと第2主面132bとの間の間隙を塞ぐ。この結果、間隙を介して取付面WAの第1方向D1の側から取付面WAの第2方向D2の側へ空気が移動すること、及び、間隙を介して取付面WAの第2方向D2の側から取付面WAの第1方向D1の側へ空気が移動することを抑制できる。つまり、保持装置100を設置した部屋のような空間の気密性が向上する。
【0086】
また、
図5に示すように、第1突出部161は円環形状を有する。第1突出部161は、複数の第1突出部161を含む。複数の第1突出部161は、第1突出部161aと第1突出部161bとを含む。
【0087】
第1突出部161aは、フランジ被覆部152の外縁部分に配置される。第1突出部161aは、取付面WAと当接し、弾性変形する。
【0088】
図4と
図5とに示すように、第1突出部161bは、第1突出部161aより電線200の側に配置される。第1突出部161bは、第1突出部161aと異なる位置で取付面WAと当接し、弾性変形する。したがって、第1突出部161aと取付面WAとの間に間隙があっても、第1突出部161bと取付面WAとの間に間隙が無ければ、空気の移動を抑制できる。この結果、空気の移動を更に抑制できる。
【0089】
図4と
図5とに示すように、筒部153は、第2突出部162と、第3突出部163とを有する。
【0090】
図4と
図5とに示すように、第2突出部162は、筒部153の内壁153aから筒部153の中心に向かって突出する。
図5に示すように、第2突出部162は、円環形状を有する。また、
図4に示すように、第2突出部162の内径L3は、電線200の外径L2よりも小さい。したがって、電線200を筒部153に挿通する際に、第2突出部162は弾性変形して、第2突出部162の内径L3は電線200の外径L2よりも大きくなる。そして、第2突出部162は弾性復帰して、電線200の周面に接触する。つまり、第2突出部162は電線200の外径L2よりも小さい内径L3に戻ろうとするため、第2突出部162と電線200との間隙が減少する。この結果、筒部153と電線200との間隙から空気が移動することを抑制できる。
【0091】
図5に示すように、第3突出部163は、筒部153の内壁153aから筒部153の中心に向かって突出する。
図4に示すように、第3突出部163は、基端部BSから先端部PEに向かう方向に沿って延びる。つまり、第3突出部163は、第1方向D1に沿って延びる。したがって、電線200を筒部153に挿通する際に第3突出部163が電線200の周面に接触する。つまり、第3突出部163は、電線200を押圧して、電線200を筒部153で保持できる。この結果、取付面WAから灯具10までの電線200の長さを使用者が決めた電線200の長さで維持できる。
【0092】
また、第3突出部163は、複数の第3突出部163を有する。第3突出部163は、筒部153の内壁153aに複数配置される。複数の第3突出部163は、電線200の周面と接触する。電線200の周面に複数の第3突出部163が接触することで、電線200の周面と複数の第3突出部163との間に発生する摩擦が強くなる。この結果、使用者が決めた電線200の長さで電線200を保持することが容易となる。
【0093】
また、第3突出部163を有するため保持装置100は、取付面WAから灯具10までの電線200の長さを調整できる。具体的には、第3突出部163が保持する電線200を第1方向D1へ押し込むことで、取付面WAから灯具10までの電線200の長さを調整できる。つまり、第3突出部163が保持する電線200を第1方向D1へ押し込むことで、第1方向D1へ押し込まれた電線200は、取付面WAの第1方向D1へ移動する。よって、電線200を第1方向D1へ押し込んだ後の取付面WAから灯具10までの電線200の長さは、電線200を第1方向D1へ押し込む前の取付面WAから灯具10までの電線200の長さと比較して、短くなる。
【0094】
例えば、取付面WAから灯具10までの電線200の長さが過剰に長い場合、取付面WAから灯具10までの電線200は撓む。また、例えば、取付面WAから灯具10までの電線200の長さが過剰に長い場合、取付面WAから灯具10までの電線200は屈曲する。この場合、電線200の撓み、または電線200の屈曲に応じて、灯具10の姿勢が変更されることがある。例えば、灯具10の重量が電線200の屈曲部分の重量より軽い場合、灯具10の姿勢が電線200の重量により変更される可能性がある。しかしながら、本実施形態の保持装置100は、電線200を第1方向D1へ押し込むことで電線200の長さを調整できるため、電線200が撓むことを抑制し、または、電線200が屈曲することを抑制できる。この結果、灯具10の姿勢が設計者の意図しない姿勢となることを抑制できる。
【0095】
また、第3突出部163が保持する電線200を第2方向D2へ引き出すことで、取付面WAから灯具10までの電線200の長さを調整できる。具体的には、第3突出部163が保持する電線200を第2方向D2へ引き出すことで、取付面WAの第1方向D1に配置された電線200が取付面WAの第2方向D2に移動する。よって、電線200を第2方向D2へ引き出した後の取付面WAから灯具10までの電線200の長さは、電線200を第2方向D2へ引き出す前の取付面WAから灯具10までの電線200の長さと比較して、長くなる。
【0096】
例えば、取付面WAから灯具10までの電線200の長さがワイヤー301より短い場合、電線200に灯具10の重量がかかる。電線200に灯具10の重量がかかる場合、灯具10への電力の供給が停止する場合がある。しかしながら、本実施形態の保持装置100は、電線200を第2方向D2へ引き出すことで電線200の長さを調整できるため、取付面WAから灯具10までの電線200の長さをワイヤー301よりも長くできる。この結果、電線200に灯具10の重量がかかることを抑制できる。
【0097】
また、第1方向D1に押し込んだ電線200は取付面WAの第1方向D1の側の空間に配置される。第1方向D1に押し込まれた電線200は、電線支持部113と筒部153との間で撓んだ状態となる。つまり、複数の第3突出部163は電線200が第1方向D1または第2方向D2へ移動することを抑制しつつ、電線支持部113は撓んだ状態の電線200を支持できる。したがって、使用者が定めた取付面WAから灯具10までの電線200の長さを保持しつつ、取付面WAの第1方向D1に押し込まれた電線200を支持できる。この結果、取付面WAから吊り下げた灯具10の美観を向上できる。
【0098】
また、取付面WAの第1方向D1の空間に押し込まれ、撓んだ電線200は電線支持部113に支持される。つまり、電線を収容する収容部を保持装置に設ける必要がない。収容部は、例えばフランジ部132の外径よりも小さい外径の円筒形状の容器である。この結果、収容部に係るコストを削減しつつ、保持装置100の設計の自由度が向上する。更に、単に取付面WAの第1方向D1の側の空間(天井裏の空間)に電線200を配置するだけであるため、収容部のように電線の収容量を気にする必要がない。例えば、収容部を備える保持装置の場合、収容できる電線の長さは、収容部の容積が上限となる。
【0099】
次に、
図1と
図6とを参照して、照明器具1を詳しく説明する。
図6は、取付部300の一部と保持装置100の一部とを示す図である。
図6では、照明器具1を第2方向D2の側から見た図である。
図6では、発明の理解を容易にするため、取付部300の構成の一部と保持装置100の構成の一部とを省略している。具体的には、
図6では、ワイヤー301と、第1固定部302と、フランジ部132と、フランジ部132の第1主面132aと、電線200が示されている。
【0100】
また、
図6には、貫通孔WH1と、貫通孔WH2とが示される。
図6に示すように、貫通孔WH1の中心P1と、貫通孔WH2の中心P2とは、仮想線LN上に配置される。仮想線LNは、例えば、第3方向D3と平行な線である。また、第3方向D3は、取付面WAに平行な方向である。つまり、仮想線LNは、取付面WAに平行な軸線である。
【0101】
貫通孔WH1の中心P1と貫通孔WH2の中心P2とを仮想線LN上に配置することで、設計者が望む姿勢で照明器具1を取付面WAに配置できる。例えば、本実施形態の照明器具1の外形は長い直線形状であるため、取付面WAを含む室内の直線部分に沿って照明器具1を取り付けることで、室内と照明器具1との統一感が向上する。
【0102】
次に、
図1と
図7とを参照して灯具10を更に詳しく説明する。
図7は、
図1に示す灯具10の断面を模式的に示す図である。
図7では、Z軸とX軸との平面に沿って灯具10を切断している。また、
図7では、灯具10のうち、電線200が筐体60の外部から筐体60の内部を通る部分を示す断面を拡大して示している。
図7では、灯具10と電線200とが拡大して表される。
【0103】
図7に示すように、電線200は、灯具10の筐体60の外部から筐体60の内部にかけて配置される。筐体60の外部において、電線200は第1方向D1に略平行である。また、筐体60の内部において、電線200は第4方向D4に略平行である。つまり、筐体60の内部に配置される電線200は、筐体60の外部の電線200に対して約90度だけ屈曲する。筐体60の内部に配置された電線200は、
図1に示すように電源装置90に接続される。
【0104】
灯具10は、電線保持部250を更に有する。電線保持部250は、電線200を保持する。電線保持部250は、筐体60に配置される。電線保持部250は、電線200の周面のうちの少なくとも一部と接触する。電線保持部250は、灯具10の筐体60に固定される。具体的には、電線保持部250は、灯具10の内部に配置された電源装置90に接続され、灯具10の内部に配置された電線200が灯具10の外部に移動しないように、電線200を保持する。したがって、第1方向D1に向かう方向の力が電線200に働いても、灯具10の内部に配置された電線200が、灯具10の外部に移動することを抑制できる。この結果、電線200と電源装置90との接続が解除されることを抑制できる。
【0105】
次に、
図1と
図7と
図8とを参照して電線保持部250を詳しく説明する。
図8は、電線保持部250を示す斜視図である。電線保持部250は、本体部251と、壁部252と、取付爪253とを有する。本体部251は、電線200が挿通される貫通孔251aを有する。本体部251は、筐体60に配置される。
【0106】
壁部252は、電線200を支持する。壁部252は、筐体60の外部に配置された電線200を支持する。壁部252は、本体部251から第1方向D1に側に延びる。壁部252は、貫通孔251aの外縁に配置される。具体的には、壁部252は、貫通孔251aの外縁から電線200が延びる方向に沿って延びる。更に具体的には、壁部252は、貫通孔251aの外縁のうちの一部に配置され、第1方向D1に沿って延びる。
【0107】
また、
図7に示すように、壁部252は、貫通孔251aの第3方向D3の側に配置される。
図7に示すように、電線200は屈曲するため、電線200には屈曲した状態から復帰する力が発生している。電線200が屈曲した状態から復帰する力は、例えば、
図7に示すように第3方向D3の側に働く。電線200が屈曲した状態から復帰する力に応じて、灯具10の姿勢は設計者の意図しない姿勢となることがある。しかし、本実施形態では、電線200の第3方向D3に配置された壁部252が、筐体60の外部に配置された電線200を支持する。したがって、電線200の復帰する力を壁部252は受けることができる。この結果、灯具10の姿勢が設計者の意図しない姿勢となることを抑制できる。
【0108】
取付爪253は、本体部251を筐体60に取付ける。取付爪253は、筐体60に配置された穴と係合することで、本体部251を筐体60に固定する。
【0109】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の速度、材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0110】
(1)本実施形態では、複数の第1突出部161は2つであったが、これに限らない。例えば、複数の第1突出部161は、フランジ被覆部152に3つ以上配置されてもよい。第1突出部161の数が増える程、取付面WAの第1方向D1の側から取付面WAの第2方向D2の側へ空気が移動すること、及び、取付面WAの第2方向D2の側から取付面WAの第1方向D1の側へ空気が移動することを抑制できる。
【0111】
(2)本実施形態では、第2突出部162は筒部153の内壁153aに1つ配置されたが、これに限らない。第2突出部162は、例えば、複数配置されてもよい。例えば、筒部153の内壁153aには、2つの第2突出部162が配置されてもよい。2つの第2突出部162のうちの1つは、筒部153の第1方向D1に配置される。2つの第2突出部162のうちの他の1つは、筒部153の第2方向D2に配置される。複数の第2突出部162によって、筒部153の第1方向D1の側から筒部153の第2方向D2の側へ空気が移動すること、及び、筒部153の第2方向D2の側から筒部153の第1方向D1の側へ空気が移動することを抑制できる。
【0112】
(3)本実施形態では、第2突出部162は、第3突出部163よりも第2方向D2に配置されたが、これに限らない。例えば、第2突出部162は、第3突出部163よりも第1方向D1に配置されてもよい。また、第2突出部162と第3突出部163とが筒部153の内壁153aにおいて、交互に配置されてもよい。
【0113】
(4)本実施形態の照明器具1は、取付面WAに1つ配置されたが、これに限らない。本実施形態の照明器具1は、取付面WAに複数配置されてもよい。複数の照明器具1を取付面WAに配置する場合、複数の貫通孔WH1の中心P1と複数の貫通孔WH2の中心P2とを仮想線LN上に配置することが好ましい。複数の貫通孔WH1の中心P1と複数の貫通孔WH2の中心P2とを仮想線LN上に配置することで、複数の照明器具1を仮想線LNに沿って直線状に連続して並べることができる。したがって、複数の照明器具1を1つの照明器具のように一体的になった印象を使用者に与えることができる。この結果、複数の照明器具1の一体感が向上し、取付面WAに複数の照明器具1を取り付ける際の違和感を低減できる。
【0114】
例えば、複数の照明器具1のうちのいずれかが仮想線LNに沿わない場合、複数の照明器具1が直線状に連続して並ばず、使用者に違和感を与える。具体的には、貫通孔WH1の中心P1と貫通孔WH2の中心P2とを結ぶ仮想線が仮想線LNに交差する場合、照明器具1は仮想線LNに対して傾いて配置される。つまり、仮想線LNに対して交差して配置された照明器具1は過剰に目立ち、使用者に違和感を与える。しかし、本実施形態では、貫通孔WH1の中心P1と、貫通孔WH2の中心P2とは、仮想線LN上に配置される。よって、照明器具1が仮想線LNに対して交差して配置されない。したがって、複数の照明器具1が1つ照明器具のように一体的となって取付面WAに配置される。この結果、複数の照明器具1が一体的になった印象を使用者に与え、取付面WAに複数の照明器具1を取り付けた際に使用者が感じる違和感を低減できる。
【0115】
(5)本願は、更に以下の付記を開示する。なお、以下の付記は本発明を限定するものではない。
【0116】
[付記1]
光を出射する光源と、
前記光源に接続され、前記光源に電力を供給する電源装置と、
前記電源装置を収容する筐体と、
前記筐体に配置され、前記電源装置に電力を供給する電線と
前記電線を保持する電線保持部と
を備え、
前記電線は、前記筐体の外部から前記筐体の内部を通って前記電源装置に接続され、
前記電線保持部は、前記電線の周面のうちの少なくとも一部と接触する、照明器具。
【0117】
[付記2]
前記電線保持部は、
前記電線が挿通される貫通孔と、
前記貫通孔の外縁から前記電線が延びる方向に沿って延びる壁部と
を有する、付記1に記載の照明器具。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、保持装置及び照明器具を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0119】
1 :照明器具
10 :灯具
100 :保持装置
130 :保持部
131 :本体部
132 :フランジ部
133 :配置部
150 :被覆部材
151 :本体被覆部
152 :フランジ被覆部
153 :筒部
153a :内壁
161 :第1突出部
162 :第2突出部
163 :第3突出部
200 :電線
BS :基端部
PE :先端部
WA :取付面