(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
A63F7/02 329
A63F7/02 354
(21)【出願番号】P 2020132404
(22)【出願日】2020-08-04
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】金井 崇矩
(72)【発明者】
【氏名】神門 徹也
【審査官】堀 圭史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-144111(JP,A)
【文献】特開2002-292097(JP,A)
【文献】特開2013-121468(JP,A)
【文献】特開2020-065788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体の貸与を受けるための入金残高を示す入金情報と、遊技により獲得した遊技媒体数を示す遊技媒体情報とを記録可能な記録媒体が遊技者に対して発行され、当該記録媒体に記録された入金情報に基づいて貨幣を払い出す精算処理を実行可能な精算装置と、当該記録媒体に記録された遊技媒体情報に基づいて景品の交換処理を実行可能な景品交換装置と、当該交換処理で交換対象となった景品を遊技者に対して払い出す払出処理を実行可能な景品払出装置とが並設される遊技場用システムにおいて、
前記精算装置は、
前記記録媒体を受け付けて当該記録媒体に記録された入金情報及び遊技媒体情報を読み取る記録媒体読取手段と、
前記記録媒体読取手段により読み取られた入金情報に基づいて貨幣を払い出すための払出処理を実行する貨幣払出手段と、
前記記録媒体読取手段により読み取られた遊技媒体情報を前記景品交換装置へ送信するための遊技媒体情報送信処理を実行する遊技媒体情報送信手段と、
前記払出処理及び前記遊技媒体情報送信処理の実行に応じて前記記録媒体に記録された入金情報及び遊技媒体情報を初期化する記録媒体初期化手段と、
前記記録媒体初期化手段により初期化された記録媒体を回収する回収手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記景品交換装置は、
前記遊技媒体情報送信手段により送信された遊技媒体情報に基づいて交換可能な景品の種類及びその数を特定する交換景品特定手段と、
前記交換景品特定手段により特定された交換可能な景品の種類及びその数を示す景品情報を、前記景品払出装置へ送信するための景品情報送信処理を実行する景品情報送信手段と、を備え、
前記景品払出装置は、前記景品情報送信手段から送信された景品情報により特定される景品を払い出す払出処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記精算装置は、
遊技者が精算処理を実行せず景品交換処理のみ実行することを選択可能な選択手段を備え、
前記選択手段が操作された場合には、前記精算処理を実行することなく、前記遊技媒体情報送信手段による遊技媒体情報送信処理を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技場においては、例えば特許文献1に記載されているように、遊技媒体の貸出に使用するための入金残高や遊技で獲得した持玉数をカードに記録し、退店するときにそのカードに記録された入金残高の払い戻しを受けるとともに持玉数を景品に交換するシステムが知られている。
具体的には、遊技場内の一画に設けられた景品交換カウンタに精算装置と景品交換装置とが設置され、従業員が遊技者から受け取ったカードの情報を精算装置(入金残高を精算する場合)及び景品交換装置(持玉を景品交換する場合)に読み取らせて、従業員が所定の精算操作及び景品交換操作を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、最近では、従業員の負担を軽減する目的で、従業員を介することなく遊技者自らが精算や景品交換の操作を行うセルフ交換方式に注目が集まっている。
しかしながら、そのようなセルフ交換方式においては確かに従業員の負担を軽減することができる一方で、遊技者が精算装置及び景品交換装置を個別に操作する必要から、遊技者が使用したカードを確実に回収することが難しいという問題が指摘されている。すなわち、精算と景品交換の処理が完了したカードは本来遊技場側が回収すべきものであるが、悪意あるいは不注意により遊技者がそのカードを持ち帰ってしまい、遊技場側に損失が発生してしまうという事態が発生していた。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、従業員を介することなく遊技者自らの操作により記録媒体に記録された入金残高の精算及び遊技媒体数の景品交換を行うシステムであっても、入金残高及び遊技媒体数が初期化された記録媒体の回収を確実に行うことができる遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明によれば、精算装置は、記録媒体読取手段により記録媒体を受け付けて当該記録媒体に記録された入金情報及び遊技媒体情報を読み取り、貨幣払出手段により記録媒体読取手段により読み取られた入金情報に基づいて貨幣を払い出すための払出処理を実行し、遊技媒体情報送信手段により記録媒体読取手段により読み取られた遊技媒体情報を前記景品交換装置へ送信するための遊技媒体情報送信処理を実行し、記録媒体初期化手段により払出処理及び前記遊技媒体情報送信処理の実行に応じて前記記録媒体に記録された入金情報及び遊技媒体情報を初期化し、回収手段により記録媒体初期化手段により初期化された記録媒体を回収する。これにより、入金残高及び持玉数が無くなった記録媒体の回収を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態における遊技場用システムの全体構成を概略的に示す図
【
図2】パチンコ遊技機及び計数貸出ユニットの正面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は遊技場用システムの全体構成を概略的に示しており、遊技場用システムは遊技場用システムの一部として構成されている。遊技場内には複数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して計数貸出ユニット2と遊技情報表示装置3とが設置されている。これら遊技機1及び計数貸出ユニット2並びに遊技情報表示装置3は、複数台ずつ中継装置4と接続されている。中継装置4は、LAN5を介して管理装置6と接続されている。
【0009】
管理装置6は、遊技機1、計数貸出ユニット2等の遊技機側の機器から送信される遊技信号を受信することにより、遊技機1毎の遊技データや会員登録された会員遊技者毎の個人データ等を管理する。
詳しい図示は省略するが、遊技場内には例えば数百台の遊技機が設置されており、遊技媒体の貸出単価(貸単価)が異なる複数の遊技機島が形成されている。
図1では、遊技媒体としての玉の貸単価が4円の4円パチンコ島と、貸単価が1円の1円パチンコ島とを例示している。
【0010】
遊技者が獲得した遊技価値を特定するためのカードとしては、
図3に示す一般記録媒体たる一般カード9(記録媒体)と、会員記録媒体たる会員カード10とがある。一般カード9は、当日限り有効なカードとして不特定多数の遊技者に対し発行される。一般カード9に内蔵されたICチップ9aには、当該カード9を特定可能な一般IDが記録されるとともに、計数貸出ユニット2に入金された入金残高を示す入金情報を特定可能な入金残高情報、及び持玉数つまり当日中に遊技者が獲得した遊技価値を特定可能な獲得価値情報が貸単価毎に記録される。
【0011】
会員カード10は、予め設定されている有効期限(例えば3年間)まで有効なカードであり、予め会員登録した遊技者に対し発行される。会員カード10に対応する持玉数及び貯玉数は、管理装置6の会員口座に貸単価毎に記憶される。会員カード10に内蔵されたICチップ10aには、入金残高情報、及び会員口座の遊技価値を特定可能な情報として当該カード10の会員を特定可能な会員IDが記録される。
【0012】
管理装置6は、図示しないCPUや記憶部を含む制御部、送受信部、モニタ13やプリンタ(図示せず)等の出力部、キーボード14やマウス(図示せず)等の操作部を備え、遊技場内の遊技機側の機器やPOS端末7(景品交換装置、交換景品特定手段、景品情報送信手段)、精算装置8(貨幣払出手段、記録媒体読取手段、遊技媒体情報送信手段、記録媒体初期化手段、回収手段)等の各種機器の稼動状況を管理したり、各種機器から受信する各種の信号に基づいて遊技者毎の遊技価値の大きさや入金残高等を管理したりする。
【0013】
図2に示す遊技機1はCRパチンコ機であり、盤面15に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル16、上部受皿17、下部受皿18を有するとともに、盤面15に、液晶表示部19、始動口20、大入賞口21を有する。遊技者が操作ハンドル16を操作すると、玉が盤面15に発射され、その玉が始動口20に入賞すると、当該入賞に応じた数の玉を払い出したり、大当たり抽選を行ったりする。大当たり抽選では、液晶表示部19にて所謂特別図柄による図柄変動を実行し、停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりが発生する。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド分だけ大入賞口21を開放する。
【0014】
遊技機側の機器からは、遊技者による玉の打ち込みや、始動口20及び大入賞口21への入賞等の遊技の進行に応じて、遊技機1に投入された遊技媒体の数を示すアウト玉数を特定可能なアウト信号、遊技機1から入賞により払い出された遊技媒体の数を示すセーフ玉数を特定可能なセーフ信号、遊技機1で発生した大当たり状態等を特定可能な状態信号等の各種の遊技信号が出力される。
【0015】
計数貸出ユニット2は、現在の運用状態を示す状態表示部22、紙幣が投入される紙幣投入口23、遊技者からの操作入力を受け付けるとともに、入金残高、持玉数及び貯玉数の情報等の各種データを表示するタッチパネル式の液晶表示部24、1単位分(500円相当)の玉を払い出すための払出ボタン25、払い出された玉が通過する払出ノズル26、従業員が携帯するリモコンからの信号を受信(受光)するリモコン受光部27、一般カード9や会員カード10が挿入されるカード挿入口28、遊技機1の下部受皿18に着脱可能に連接された計数受皿29等を有する。計数貸出ユニット2は、遊技機1に設けられている貸出ボタン30及び返却ボタン31の操作を検知可能となっている。
【0016】
図3は、計数貸出ユニット2の機能ブロック図を示している。計数貸出ユニット2は、CPU32a、ROM32b、RAM32c、I/O32dを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部32、この制御部32と接続された周辺部を備えて構成されている。周辺部としては、管理装置6や遊技機1との間で各種の信号や各種の情報を送受信するI/F部33、紙幣投入口23に投入された紙幣の真贋を判定する紙幣処理部34、液晶表示部24、この液晶表示部24上に設けられたタッチパネル35、カード挿入口28に挿入された一般カード9又は会員カード10に記録されている各種の情報を読み取ったり書込んだりするカードR/W36、最大10枚の一般カード9をストック可能なカードストック部37、リモコン受光部27、払出ボタン25、この払出ボタン25が操作されたときに1単位分(例えば500円分)の玉を払出ノズル26から払い出す払出部38、計数受皿29から流入する玉を計数する計数部39等である。
【0017】
計数貸出ユニット2は、以下に示す機能を備えている。
(1)紙幣が紙幣投入口23に投入されると、その投入された紙幣の金額(1000円単位)を記憶するとともに、投入金額(入金残高)を液晶表示部24に表示する。
(2)遊技機1の貸出ボタン30が操作されると、その貸出ボタン30の操作に応じて入金残高の範囲内で1度数(500円)に相当する数の玉を払出部38から払い出す貸出処理を行う。4円パチンコ島に設置されている計数貸出ユニット2であれば125玉を払い出し、1円パチンコ島に設置されている計数貸出ユニット2であれば500玉を払い出す。このとき、遊技機1から計数貸出ユニット2に1度数分の玉を払い出したことを示す信号が送信されるので、液晶表示部24に表示されている入金残高から1度数(500円)を減額するとともに、貸し出した玉数を示す貸出玉数を特定可能な売上信号を管理装置6に送信する。この売上信号は1度数分の玉を払い出す毎に1パルスが送信されるので、管理装置6は、1パルスを500円分の売上額として特定する。
【0018】
(3)遊技機1の下部受皿18から落下した玉が計数受皿29で受けられると、その計数受皿29で受けられた玉が計数部39に流入することで遊技媒体(遊技価値)である玉を計数する計数処理を行い、その計数した持玉数を液晶表示部24に表示する。
(4)払出ボタン25が操作されると、その払出ボタン25の操作に応じて持玉数又は貯玉数(会員カード10の場合)の範囲内で1度数(500円)に相当する数の玉を払出部38から払い出す。
【0019】
(5)遊技機1の返却ボタン31が操作されると、その返却ボタン31の操作に応じてその時点の入金残高や持玉数を一般カード9に記録して発行する。会員カード10がカード挿入口28に挿入されている場合は、入金残高を会員カード10に記録し、暗証番号の入力を条件として持玉数を管理装置6に送信して会員カード10を発行する。一般カード9又は会員カード10を発行すると、一般IDや会員IDとともに、これらのカード9,10に記録した情報(入金残高や持玉数)を特定可能な発行信号を管理装置6に送信することで、管理装置6側でも当該カード9,10に記録した情報を記憶して管理する。カード9,10の何れもカード挿入口28に挿入されていない場合は、カードストック部37にストックしている一般カード9の一枚を繰り出し、カードR/W36により入金残高及び持玉数を記録して発行する。
【0020】
(6)一般カード9がカード挿入口28に挿入されると、一般カード9に記録されている入金残高及び持玉数をカードR/W36により読み出して液晶表示部24に表示する。一般カード9が受け付けられたときは、その一般カード9に記録されている入金残高及び持玉数の範囲内で貸出・返却処理を行う。
【0021】
(7)会員カード10がカード挿入口28に挿入されると、会員カード10に記録されている入金残高をカードR/W36により読み出して液晶表示部24に表示するとともに、暗証番号の入力を条件として管理装置6の会員口座に記憶されている持玉数、貯玉数も表示する。会員カード10が受け付けられたときは、会員カード10に記録されている入金残高、及び会員口座の持玉数や貯玉数の範囲内で貸出・返却処理を行う。
【0022】
ところで、一般カード9は遊技者の遊技終了時に回収する必要があるものの、セルフ方式の場合、悪意あるいは不注意により遊技者が一般カード9を持ち帰ってしまい、遊技場側に損失が発生してしまうという事態が発生するおそれがある。
このような事情から、本実施形態では、セルフ方式であっても一般カード9を確実に回収するようにした。尚、会員カード10については、セルフ方式であっても回収する必要がないことから、図示しない従来の精算装置8及びPOS端末7にて精算処理及び景品交換処理を行う。
【0023】
以下、セルフ方式であっても一般カード9を確実に回収可能とする構成について説明する。
遊技場内の一角には
図4に示す景品交換カウンタ40が設置されている。この景品交換カウンタ40は一般カード9の精算処理及び景品交換処理を行うためのもので、精算装置8、POS端末7、景品払出装置41、端玉景品コーナー42(
図1参照)を併設して構成されている。本実施形態の場合、POS端末7及び景品払出装置41は一つの筐体43に収納して一体的に構成されているとともに、筐体43上に端玉景品コーナー42を配置して構成されている。
【0024】
図1に示すようにPOS端末7、精算装置8、景品払出装置41は、LAN5を介して管理装置6と接続されている。また、POS端末7と景品払出装置41とは直接接続され、精算装置8とPOS端末7とは直接接続されている。
まず、精算装置8について説明する。
図4に示すように精算装置8には、タッチパネル式の表示部44、カード挿入口45、紙幣返却口46、硬貨返却口47が設けられている。
【0025】
図5に示すように精算装置8は、CPU48a、ROM48b、RAM48c、I/O48dを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部48、この制御部48と接続された表示部44、この表示部44上に配置されたタッチパネル49、紙幣返却口46に紙幣を払い出す紙幣払出部50、硬貨返却口47に硬貨を払い出す硬貨払出部51、精算装置8の状態や異常を報知するための報知ランプ部52、カード挿入口45に挿入された一般カード9から情報を読み取るためのカードR/W53、このカードR/W53に位置する一般カード9を回収するストック部54の他、管理装置6及びPOS端末7との間で各種の信号や各種の情報を送受信するI/F部55を含んで構成されている。
【0026】
精算装置8は、一般カード9がカード挿入口45に挿入されると、挿入された一般カード9に記録されている入金残高をカードR/W53で読み取り、その読み取った入金残高分を表示部44で表示するとともに紙幣や硬貨といった現金で各返却口46,47から返却する精算処理を実行してから、この一般カード9をストック部54に回収する。このとき、挿入された一般カード9に持玉数が記録されている場合は、当該持玉数(遊技媒体数)を示す持玉情報(遊技媒体情報)をPOS端末7に送信する送信処理(遊技媒体情報送信処理)を実行してから回収する。尚、精算装置8は、一般カード9に記録されている入金残高や持玉を取り扱うときは、管理装置6により一般カード9に対応して予め記憶している入金残高や持玉と照合した上で処理するようになっている。
【0027】
次に、POS端末7の構成について、
図6及び
図7も参照しながら説明する。
図6に示すようにPOS端末7は、本体部56と、この本体部56と通信可能なタッチパネル式の表示部57とから構成されており、表示部57に景品交換を行うために必要な情報を表示するとともに、遊技者によるタッチ操作に応じて所定の景品交換処理を実行する。
【0028】
図7は、POS端末7の機能ブロック図を示している。POS端末7は、CPU58a、ROM58b、RAM58c、I/O58dを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部58、この制御部58と接続された表示部57、この表示部57上に配置されたタッチパネル59の他、管理装置6、精算装置8、景品払出装置41との間で各種の信号や各種の情報を送受信するI/F部60を含んで構成されている。
【0029】
POS端末7は、精算装置8から送信された持玉情報に基づき特殊景品の種類及び数を特定し、景品払出装置41に特殊景品の払出を指示する。景品払出装置41は、本体内の図示しない景品ストック部に複数種類の特殊景品を収納しており、POS端末7からの払出指示に応じて特殊景品を自動的に払い出す。特殊景品はICチップを内蔵した樹脂製カードで、5000円、1000円、200円の3種類がある。景品交換を終えたときに端玉が発生した場合は、
図8に示す端玉交換券61を発券する。端玉交換券61には、端玉の単位金額とその数(金額)を示す端玉交換情報、金額の範囲内で選択可能な端玉景品の種別とその数を示すメッセージが印刷されている。
【0030】
次に、遊技者が一般カード9の精算処理及び景品交換処理を希望する場合の操作方法について説明する。遊技者は、まず景品交換カウンタ40を構成する精算装置8へ移動する。精算装置8は、
図9に示す待ち受け画面を表示部44に表示している。この待ち受け画面には、一般カード9の挿入を促すメッセージが表示されている。
【0031】
遊技者が一般カード9を精算装置8に挿入すると、精算装置8は、挿入された一般カード9に記録されている入金残高を読み込んで
図10のカード読み取り画面を表示する。このカード読み取り画面には、一般カード9から読み込んだ入金残高と精算金額(=入金残高)が表示されているとともに、一般カード9に持玉が記録されている場合は持玉があることを示すメッセージが表示され、さらに「取消」ボタン62、「精算」ボタン63が表示されている。
尚、読み込んだ一般カード9に入金残高が記録されていない場合は、「入金残高がありません」と表示する。
【0032】
遊技者が「精算」ボタン63をタッチ操作すると、精算装置8は、入金残高分の貨幣を遊技者に払い出す精算処理を実行するとともに
図11の精算金払出画面を表示する。この精算金払出画面には、入金残高、精算金額、払出金額(=精算金額)が表示されているとともに、精算金の取り忘れを注意するメッセージが表示されている。そして、読み込んだ一般カード9に持玉が記録されていない場合は、一般カード9に記録されている入金残高を0に初期化してからストック部54へ回収する。
【0033】
次に精算装置8は、読み込んだ一般カード9に持玉が記録されている場合は、
図12の景品交換確認画面に示すように景品交換を促すメッセージを表示するとともに、「取消」ボタン62、「景品交換」ボタン64を表示する。
遊技者が「景品交換」ボタン64をタッチ操作した場合は、一般カード9から持玉数を読み込んでPOS端末7に送信する送信処理を実行するとともに、一般カード9に記録されている入金残高と持玉数を0に初期化してからストック部54へ回収する。そして、
図13の持玉情報送信画面に示すようにPOS端末7での操作を促すメッセージを表示する。尚、
図13の持玉情報送信画面は10秒で自動消去し、
図9の待ち受け画面を表示する。
【0034】
上述したように精算装置8にて精算処理を終了した遊技者が景品交換を継続して実行する場合は、POS端末7に移動する。POS端末7は、精算装置8から送信された持玉情報に基づいて
図14の特殊景品数確認画面を表示する。この特殊景品数確認画面には、確認操作を促すメッセージ、玉の単価、持玉及び端玉を示す持玉・端玉情報、交換可能な各特殊景品の数を示す特殊景品情報、「係員呼出」ボタン65、「確認」ボタン66が表示されている。
【0035】
特殊景品大は5000円、特殊景品中は1000円、特殊景品小は200円に相当する。特殊景品数の算出例としては、例えば、4円パチンコ=1915玉(7660円)=1250玉×1+250玉×2+50玉×3+15玉=特殊景品大(5000円)×1+特殊景品中(1000円)×2+特殊景品小(200円)×3+端玉(60円)となる。
【0036】
遊技者が「確認」ボタン66を押下げた場合は、POS端末7は、
図15の最終確認画面を表示する。この最終確認画面には、確定することを促すメッセージ、交換可能な各特殊景品と各端玉景品の数を示す景品情報が表示されているとともに、「確認」ボタン66に代えて「確定」ボタン67が表示されている。
【0037】
遊技者が「確定」ボタン67をタッチ操作すると、POS端末7は、景品払出装置41に景品情報を送信する景品情報送信処理を実行する。景品払出装置41はPOS端末7から送信された景品情報に基づいて特定される特殊景品を対応する数だけ払い出す払出処理を実行するとともに、端玉が有る場合は
図7の端玉交換券61を発行する。
【0038】
遊技者は、端玉交換券61を受け取ったときは端玉景品コーナー42へ移動し、端玉交換券61に記録されている内容に対応した所望の端玉景品を選ぶ。端玉景品コーナー42は無人であり、交換可能な範囲内で遊技者が自由に景品を選んで持ち帰ることができる。端玉景品は雑貨品や菓子類などで、金額別に陳列棚(A~E)が区分されている。端玉景品の区分としては、Aは100円一般景品、Bは50円一般景品、Cは10円一般景品、Dは5円一般景品、Eは1円一般景品である。
以上のようにして、遊技者は、精算装置8にて入金残高を精算したり、POS端末7にて獲得した持玉を特殊景品に交換したり、端玉景品コーナー42にて端玉を端玉景品に交換したりすることができる。
【0039】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
精算装置8は、挿入された一般カード9に記録されている入金残高を精算処理し、持玉が記録されている場合は持玉情報をPOS端末7に送信してから一般カード9を初期化して回収するので、従業員を介することなくセルフ方式により入金残高の精算及び景品交換を行うシステムであっても、入金残高及び持玉数が無くなった一般カード9の回収を確実に行うことができる。
【0040】
POS端末7は、精算装置8から送信された持玉情報に基づいて特殊景品の種類と数を特定してそれらを示す景品情報を景品払出装置41に送信し、景品払出装置41は、POS端末7から送信された景品情報に基づいて特殊景品を払い出すので、一般カード9から持玉を読み取ることなく景品交換を実行することができる。
【0041】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組み合せたり、各変形例を組み合わせることができる。
精算装置8では、入金残高が存在するときは必ず精算処理を行うようにしたが、遊技者による選択(選択手段)に応じて精算処理を行わず、持玉情報をPOS端末7に送信処理することで景品交換のみを行えるように構成してもよい。この場合、景品交換処理に応じてカードに記録された持玉情報を更新する必要があるため、POS端末7から景品交換処理終了時の持玉情報を受信し、カードの持玉情報を書き換えてカードを返却する構成となる。
【0042】
精算装置8で会員カードを受け付け可能とし、精算処理及び景品交換処理を実行可能としてもよい。この場合、会員カードは入金残高及び持玉数の有無に関係なく必ず遊技者へ返却する構成となる。
従来と同様、従業員の操作による景品交換カウンタを別途設けるようにしてもよい。
精算装置8、POS端末7、景品払出装置41を一つの筐体に収容し、一体的に構成してもよい。
【0043】
端玉景品はいわゆるバイキング方式で遊技者自らが好みの景品を自由に持ち帰るようにしたが、従業員が遊技者の希望に応じて手渡すようにしてもよい。
景品の種類を特殊景品と端玉景品の2種類のみとしたが、端玉景品とは別の景品を用意してもよい。
特殊景品の種類は本実施形態に限定されず、どのような形態・金額であってもよい。また、端玉景品の種類も同様に、どのような形態・金額の景品であってもよい。
端玉景品についても特殊景品と同様に自動で払い出す景品払出装置を設置してもよい。
【0044】
遊技媒体の貸出単価は、規則で定められた範囲内で遊技場側が任意に設定することができる。また、貸出単価は2種類に限らず3種類以上であってもよい。
入賞に応じて実際の遊技媒体を払い出すタイプの遊技機を例示したが、遊技媒体を払い出す代わりに得点を付与するタイプの封入式遊技機であってもよい。
遊技機としてパチンコ遊技機を例示したが、スロットマシンであってもよい。また、遊技媒体として玉を例示したが、メダルであってもよい。
【符号の説明】
【0045】
図面中、7はPOS端末(景品交換装置、交換景品特定手段、景品情報送信手段)、8は精算装置(貨幣払出手段、記録媒体読取手段、遊技媒体情報送信手段、記録媒体初期化手段、回収手段)である。