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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】検出方法、検出装置及び検出過程
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/028 20060101AFI20240404BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20240404BHJP
   H04N 1/193 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
H04N1/028 Z
G06T1/00 460B
H04N1/193
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020547048
(86)(22)【出願日】2019-04-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 CN2019085023
(87)【国際公開番号】W WO2020103402
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2020-09-08
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】201811410212.1
(32)【優先日】2018-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515354900
【氏名又は名称】ウェイハイ ファーリング オプト-エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】チー,ウーチャン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,シャオフォン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,カイ
(72)【発明者】
【氏名】ジァン,リー
【合議体】
【審判長】五十嵐 努
【審判官】板垣 有紀
【審判官】渡辺 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-228000(JP,A)
【文献】特開2002-057899(JP,A)
【文献】特開平11-055511(JP,A)
【文献】特開平11-252361(JP,A)
【文献】特開平08-111776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/024 - 1/036
H04N 1/04 - 1/207
G06T 1/00
G06T 1/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサーで空スキャンして第1出力電気信号を獲得し、前記第1出力電気信号に対してフィードバック補正を行うことでノイズを除去して、第1補正データを獲得するステップと、
前記センサーで補正サンプルをスキャンして第2出力電気信号を獲得し、前記第2出力電気信号に対してフィードバック補正を行うことでノイズを除去して、第2補正データを獲得するステップと、
前記第1補正データ、前記第2補正データ及び電気信号所定値によって第3補正データを算出するステップと、
前記センサーで被検出物をスキャンして第3出力電気信号を獲得するステップと、
前記第1補正データ、第3補正データによって前記第3出力電気信号に対して補正するステップと、
含み、
前記センサーは、複数の検知素子を備える検知素子アレイを含み、
前記第1補正データを取得するステップは、
前記検知素子が1行を空スキャンして第1プリ出力電気信号を獲得するステップA1と、
前記第1プリ出力電気信号に対して差動増幅を行うステップA2と、
増幅された前記第1プリ出力電気信号を処理し、第1フィードバック補正データを獲得するステップA3と、
前記第1フィードバック補正データを用いて前記第1プリ出力電気信号に対して補正するステップA4と、
補正された前記第1プリ出力電気信号に対して差動増幅を行い、第1レベルの第1プリ補正データを獲得するステップA5と、を含み、
前記第2補正データを取得するステップは、
前記検知素子が前記補正サンプルを1行スキャンして第2プリ出力電気信号を獲得するステップB1と、
前記第2プリ出力電気信号に対して差動増幅を行うステップB2と、
増幅された前記第2プリ出力電気信号を処理し、第2フィードバック補正データを獲得するステップB3と、
前記第2フィードバック補正データを用いて前記第2プリ出力電気信号に対して補正するステップB4と、
補正された前記第2プリ出力電気信号に対して差動増幅を行い、第1レベルの第2プリ補正データを獲得するステップB5と、を含み、
前記電気信号所定値は所望の画像階調値が対応する電圧である、ことを特徴とする被検出物の検出方法。
【請求項2】
前記第1補正データ、前記第2補正データ及び電気信号所定値によって第3補正データを算出するステップは、前記第2補正データから前記第1補正データを減算して明出力を獲得し、前記電気信号所定値と前記明出力との比が前記第3補正データであることを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の検出方法。
【請求項3】
前記第3出力電気信号に対して補正するステップは、
前記第3出力電気信号から第1補正データを減算し、有効出力電気信号を獲得することと、
第3補正データに前記有効出力電気信号を乗算し、補正後の第3出力電気信号を獲得することと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の検出方法。
【請求項4】
前記第1プリ補正データは複数のレベルがあり、複数のレベルの前記第1プリ補正データを取得するステップは、
前記ステップA2乃至前記ステップA5を順次に少なくとも1回繰り返し、少なくとも第2レベルの前記第1プリ補正データを獲得することをさらに含む、ことを特徴とする請求項に記載の検出方法。
【請求項5】
前記ステップA3は、
増幅された前記第1プリ出力電気信号を第1デジタル信号に変換することと、
前記第1デジタル信号と所望の画像階調値である目標値との減算によって差を得て、第1プリフィードバック補正データを獲得することと、
前記第1プリフィードバック補正データをアナログ信号に変換し、第1フィードバック補正データを獲得することと、を含む、ことを特徴とする請求項に記載の検出方法。
【請求項6】
前記第2プリ補正データは複数のレベルがあり、複数のレベルの前記第2プリ補正データを取得するステップは、
前記ステップB2乃至前記ステップB5を順次に少なくとも1回繰り返し、少なくとも第2レベルの前記第2プリ補正データを獲得することをさらに含む、ことを特徴とする請求項に記載の検出方法。
【請求項7】
前記ステップB3は、
増幅された前記第2プリ出力電気信号を第2デジタル信号に変換することと、
前記第2デジタル信号と所望の画像階調値である目標値との減算によって差を得て、第2プリフィードバック補正データを獲得することと、
前記第2プリフィードバック補正データをアナログ信号に変換し、第2フィードバック補正データを獲得することと、を含む、ことを特徴とする請求項に記載の検出方法。
【請求項8】
各レベルの前記第1補正データを取得するステップは、
N(Nは2以上の正整数である)行を繰り返してスキャンし、複数の各レベルの前記第1プリ補正データを獲得することと、
複数の各レベルの前記第1プリ補正データの平均値を求めて、各レベルの前記第1補正データを獲得することと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項に記載の検出方法。
【請求項9】
各レベルの前記第2補正データを取得するステップは、
N(Nは2以上の正整数である)行を繰り返してスキャンし、複数の各レベルの前記第2プリ補正データを獲得することと、
複数の各レベルの前記第2プリ補正データの平均値を求めて、各レベルの前記第2補正データを獲得することと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項6又は8に記載の検出方法。
【請求項10】
前記第1補正データ及び前記第2補正データはそれぞれ複数のレベルがあり、複数のレベルの前記第1補正データ、複数のレベルの前記第2補正データ及び前記電気信号所定値によって複数のレベルの前記第3補正データを算出し、複数のレベルの前記第1補正データ及び複数のレベルの前記第3補正データを用いて前記第3出力電気信号に対して複数のレベルの補正を行うステップを含み、前記複数のレベルの補正を行うステップは、
第1レベルの第1補正データ及び第1レベルの前記第3補正データを用いて前記第3出力電気信号に対して第1レベルの補正を行うステップC1と、
前記第1レベルの補正が行われた前記第3出力電気信号に対して第1レベルの差動増幅を行い、第1レベルの補正出力信号を獲得するステップC2と、
第2レベルの第1補正データ及び第2レベルの前記第3補正データを用いて前記第1レベルの補正出力信号に対して第2レベルの補正を行うステップC3と、
前記第2レベルの補正が行われた前記第3出力電気信号に対して第2レベルの差動増幅を行い、第2レベルの補正出力信号を獲得するステップC4と、
前記ステップC3とステップC4を順次に少なくとも1回繰り返し、最後のレベルの補正出力信号が前記複数のレベルの補正の出力信号であることと、を含むことを特徴とする請求項に記載の検出方法。
【請求項11】
前記複数のレベルの補正を行うステップのうち、前記第2レベルの補正及び後続の各レベルの補正を行うステップは、
各レベルの補正出力信号から対応するレベルの第1補正データを減算し、有効出力電気信号を獲得することと、
対応するレベルの第3補正データに前記有効出力電気信号を乗算し、補正後の第3出力電気信号を獲得することと、を含む、ことを特徴とする請求項10に記載の検出方法。
【請求項12】
前記第1補正データを取得する前に、
前記センサーに対してスタートアップキャリブレーションを行うことをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の検出方法。
【請求項13】
複数の検出ステップを含む検出過程であって、各前記検出ステップは1つの被検出物を検出するためのもので、且つ請求項1に記載の検出方法によって実施される、ことを特徴とする検出過程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、検出分野に関し、具体的には、検出方法、検出装置及び検出過程に関する。
【背景技術】
【0002】
紙幣、レシート、有価証券などの媒体に特定の磁気情報又は厚さ情報を作成することは、現在の偽造防止のための重要な手段となっており、センサーの需要が拡大するとともに、スキャン品質に対する要望がますます高まっていく一方、センサーは、作動中に、温度、湿度、ヒステリシスなど、様々な方面にわたって外部環境から影響を受け、除去に対する有効的な補償を行っていないため、スキャンした画像にストライプ飽和などの現象が起こり、スキャンした画像の品質が悪くなって、識別及び鑑別に大きな影響を与える。
【0003】
従来のセンサー補正方法は、スタートアップ補正、または、必要に応じた手動補正がほとんどであり、各スキャンの前にセンサーの作動状態が一致しないため、スキャンした画像と実際の画像に差異が生じ、後の識別や判断に大きな影響を与え、誤判断や見落としなどの現象を引き起こす可能性がある。
背景技術に開示された上記の内容は、本文に記述される技術の背景技術に対する理解を深めるためのものに過ぎず、それゆえ、背景技術には、当業者にとってその国に周知される従来技術に形成されていない情報が含まれる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、従来技術におけるセンサーに対する補正方法が正確な検出結果を獲得することができない問題を解決するように、検出方法、検出装置及び検出過程を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本願の一態様によれば、センサーで空スキャンして第1出力電気信号を獲得し、上記第1出力電気信号に対してフィードバック補正を行うことでノイズを除去して、第1補正データを獲得するステップと、上記センサーで補正サンプルをスキャンして第2出力電気信号を獲得し、上記第2出力電気信号に対してフィードバック補正を行うことでノイズを除去して、第2補正データを獲得するステップと、上記第1補正データ、上記第2補正データ及び電気信号所定値によって第3補正データを算出するステップと、上記センサーで被検出物をスキャンして第3出力電気信号を獲得するステップと、上記第1補正データ、第3補正データによって上記第3出力電気信号に対して補正するステップと、を含む検出方法を提供する。
【0006】
さらに、上記第1補正データ、上記第2補正データ及び電気信号所定値によって第3補正データを算出するステップは、上記第2補正データから上記第1補正データを減算して明出力を獲得し、所望の画像階調値が対応する電圧である上記電気信号所定値と上記明出力との比が上記第3補正データであることを含む。
【0007】
さらに、上記第3出力電気信号に対して補正するステップは、上記第3出力電気信号から第1補正データを減算し、有効出力電気信号を獲得することと、第3補正データに上記有効出力電気信号を乗算し、補正後の第3出力電気信号を獲得することと、を含む。
【0008】
さらに、上記センサーは、複数の検知素子を備える検知素子アレイを含み、上記第1補正データを取得するステップは、上記検知素子が1行を空スキャンして第1プリ出力電気信号を獲得するステップA1と、上記第1プリ出力電気信号に対して差動増幅を行うステップA2と、増幅された上記第1プリ出力電気信号を処理し、第1フィードバック補正データを獲得するステップA3と、上記第1フィードバック補正データを用いて上記第1プリ出力電気信号に対して補正するステップA4と、補正された上記第1プリ出力電気信号に対して差動増幅を行い、第1レベルの第1プリ補正データを獲得するステップA5と、を含む。
【0009】
さらに、上記第1プリ補正データは複数のレベルがあり、複数のレベルの上記第1プリ補正データを取得するステップは、上記ステップA2乃至上記ステップA5を順次に少なくとも1回繰り返し、少なくとも第2レベルの上記第1プリ補正データを獲得することをさらに含む。
【0010】
さらに、上記ステップA3は、増幅された上記第1プリ出力電気信号を第1デジタル信号に変換することと、上記第1デジタル信号と所望の画像階調値である目標値との減算によって差を得て、第1プリフィードバック補正データを獲得することと、上記第1プリフィードバック補正データをアナログ信号に変換し、第1フィードバック補正データを獲得することと、を含む。
【0011】
さらに、上記第2補正データを取得するステップは、上記検知素子が上記補正サンプルを1行スキャンして第2プリ出力電気信号を獲得するステップB1と、上記第2プリ出力電気信号に対して差動増幅を行うステップB2と、増幅された上記第2プリ出力電気信号を処理し、第2フィードバック補正データを獲得するステップB3と、上記第2フィードバック補正データを用いて上記第2プリ出力電気信号に対して補正するステップB4と、補正された上記第2プリ出力電気信号に対して差動増幅を行い、第1レベルの第2プリ補正データを獲得するステップB5と、を含む。
【0012】
さらに、上記第2プリ補正データは複数のレベルがあり、複数のレベルの上記第2プリ補正データを取得するステップは、上記ステップB2乃至上記ステップB5を順次に少なくとも1回繰り返し、少なくとも第2レベルの上記第2プリ補正データを獲得することをさらに含む。
【0013】
さらに、上記ステップB3は、増幅された上記第2プリ出力電気信号を第2デジタル信号に変換することと、上記第2デジタル信号と所望の画像階調値である目標値との減算によって差を得て、第2プリフィードバック補正データを獲得することと、上記第2プリフィードバック補正データをアナログ信号に変換し、第2フィードバック補正データを獲得することと、を含む。
【0014】
さらに、各レベルの上記第1補正データ及び/又は各レベルの上記第2補正データを取得するステップは、N(Nは2以上の正整数である)行を繰り返してスキャンし、複数の各レベルの上記第1プリ補正データ及び/又は複数の各レベルの上記第2プリ補正データを獲得することと、複数の各レベルの上記第1プリ補正データの平均値を求めて、各レベルの上記第1補正データを獲得し、及び/又は、複数の各レベルの上記第2プリ補正データの平均値を求めて、各レベルの上記第2補正データを獲得することと、をさらに含む。
【0015】
さらに、上記第1補正データ及び上記第2補正データはそれぞれ複数のレベルがあり、複数のレベルの上記第1補正データ、複数のレベルの上記第2補正データ及び上記電気信号所定値によって複数のレベルの上記第3補正データを算出し、複数のレベルの上記第1補正データ及び複数のレベルの上記第3補正データを用いて上記第3出力電気信号に対して複数のレベルの補正を行うステップを含み、上記複数のレベルの補正を行うステップは、第1レベルの第1補正データ及び第1レベルの上記第3補正データを用いて上記第3出力電気信号に対して第1レベルの補正を行うステップC1と、上記第1レベルの補正が行われた上記第3出力電気信号に対して第1レベルの差動増幅を行い、第1レベルの補正出力信号を獲得するステップC2と、第2レベルの第1補正データ及び第2レベルの上記第3補正データを用いて上記第1レベルの補正出力信号に対して第2レベルの補正を行うステップC3と、上記第2レベルの補正が行われた上記第3出力電気信号に対して第2レベルの差動増幅を行い、第2レベルの補正出力信号を獲得するステップC4と、上記ステップC3とステップC4を順次に少なくとも1回繰り返し、最後のレベルの補正出力信号が上記複数のレベルの補正の出力信号であることと、を含む。
【0016】
さらに、上記複数のレベルの補正を行うステップのうち、上記第2レベルの補正及び後続の各レベルの補正を行うステップは、各レベルの補正出力信号から対応するレベルの第1補正データを減算し、有効出力電気信号を獲得することと、対応するレベルの第3補正データに上記有効出力電気信号を乗算し、補正後の第3出力電気信号を獲得することと、を含む。
【0017】
さらに、上記第1補正データを取得する前に、上記センサーに対してスタートアップキャリブレーションを行うことをさらに含む。
【0018】
本願の他の一態様によれば、空スキャンして得た第1補正データ、サンプルをスキャンして得た第2補正データ、及び被検出物をスキャンして得た第3出力電気信号を取得するためのセンサーと、上記センサーに電気的に接続されていて、上記第1補正データ、上記第2補正データ及び電気信号所定値によって第3補正データを算出するための計算モジュール、及び上記計算モジュールに電気的に接続され、少なくとも上記第1補正データ、第3補正データによって上記第3出力電気信号に対して補正するための補正モジュールを含む補正手段と、上記センサー及び上記補正手段に電気的に接続され、上記センサー及び上記補正手段の作動を制御するための制御手段と、を含む検出装置を提供する。
【0019】
さらに、上記電気信号所定値は、所望の画像階調値が対応する電圧であり、上記計算モジュールは、上記センサーに電気的に接続され、上記第2補正データから上記第1補正データを減算して明出力を獲得する減算サブモジュールと、上記減算サブモジュールに電気的に接続され、上記電気信号所定値を上記明出力で除算して上記第3補正データを獲得する除算サブモジュールと、を含む。
【0020】
さらに、上記補正モジュールは、上記第1補正データにより上記第3出力電気信号に対して補正し、有効出力電気信号を獲得するための第1補正サブモジュールと、第3補正データに上記有効出力電気信号を乗算し、補正後の第3出力電気信号を獲得するための第2補正サブモジュールと、を含む。
【0021】
さらに、上記センサーは、順番に並んでいる複数の検知素子を含み、スキャンすることで出力電気信号を獲得する本体と、上記検知素子に電気的に接続される第1入力端を含み、上記出力電気信号に対して差動増幅を行う差動増幅回路と、一端が上記差動増幅回路の出力端に電気的に接続され、他端が上記第1入力端に電気的に接続され、フィードバック補正データを取得し、上記フィードバック補正データを用いて上記本体の空スキャン時の出力電気信号、及び、上記本体が補正サンプルをスキャンする時の出力電気信号に対してフィードバック補正を行い、フィードバック補正された出力電気信号をそれぞれ上記第1入力端に入力して差動増幅して、第1補正データ又は第2補正データを獲得するフィードバック補正回路と、を含む。
【0022】
さらに、上記差動増幅回路は複数あり、且つ複数の上記差動増幅回路は順次に直列に接続されていて、複数の上記差動増幅回路のうち、1番目の差動増幅回路の上記第1入力端が上記検知素子に電気的に接続されるとともに、上記フィードバック補正回路は複数あり、各上記フィードバック補正回路は上記差動増幅回路に一対一に電気的に接続される。
さらに、上記センサーは磁気センサー又は厚さセンサーである。
【0023】
本願のまた他の一態様によれば、複数の検出ステップを含む検出過程であって、各上記検出ステップは1つの被検出物を検出するためのもので、且つ上記のいずれかの検出方法によって実施される検出過程を提供する
【発明の効果】
【0024】
本願の技術案によれば、上記検出方法において、検出するたびに、被検出物をスキャンする前に、まずフィードバック補正データ、第1補正データ及び第3補正データを取得し、被検出物をスキャンして第3出力電気信号を獲得した後、第1補正データ、第3補正データを用いて第3出力電気信号に対して補正する。各検出の前にセンサーの作動状態が一致しなくても、この検出方法では、被検出物をスキャンする前に、センサーの現在の作動状態に対応するフィードバック補正データ、第1補正データ及び第3補正データを取得し、被検出物をスキャンして得た電気信号に対してリアルタイムに補正することで、正確な検出結果を獲得するため、従来技術における補正方法の各スキャンの前にセンサーの作動状態が一致しないことに起因して検出結果が不正確になる問題を回避する。
【0025】
本願の一部を構成する図面は、本願をさらに理解させるためのものであり、本願における例示的な実施例及びその説明は本願を解釈するためのものにすぎず、本願を不当に限定しない。図面において、
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本願による検出装置の実施例の構造模式図である。
図2】他の検出装置の部分構造模式図である。
図3】本願のまた他の検出装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の詳細な説明はいずれも例示的なものであり、本願に対するさらの説明を提供するためのものであることが指摘されるべきである。特別な説明がない限り、本文に使用されるすべての技術的及び科学的用語は、当業者が通常に理解した意味と同じ意味を持っている。
ここで使用される用語は、あくまでも具体的な実施形態を説明するためのものであり、本願による例示的な実施形態を限定することを意図していないことに注意すべきである。ここで使用されるように、文脈上、別途の明確な指示がない限り、単数形態は複数形態も含む。また、本明細書に「含有」及び/又は「含む」という用語が使用される場合は、特徴、ステップ、操作、デバイス、アセンブリー及び/又はそれらの組み合わせがあることが理解されるべきである。
【0028】
ある要素(例えば、層、フィルム、領域、又は基板)が他の要素の「上」にあると説明されている場合、該要素が該他の要素の上に直接存在してもよく、或いは、介在要素が存在してもよいことが理解されるべきである。そして、明細書及び特許請求の範囲において、ある要素が他の要素に「接続」されると説明されている場合、該要素が該他の要素に「直接接続」されていてもよく、或いは、第3要素を介して該他の要素に「接続」されていてもよい。
【0029】
センサーを例として、背景技術に紹介されたように、センサーを用いた従来の検出では、補正方法は、スタートアップ補正、または、必要に応じた手動補正がほとんどであり、各スキャンの前にセンサーの作動状態が一致しないため、スキャンした画像と実際の画像に差異が生じ、後の識別や判断に大きな影響を与え、誤判断や見落としなどを引き起こす可能性があり、検出結果が不正確になる。以上のような課題を解決するために、本願は、検出方法、検出装置及び検出過程を提案する。
【0030】
本願の典型的な一実施形態では、検出方法が提供され、この検出方法は、センサーで空スキャンして第1出力電気信号を獲得し、上記第1出力電気信号に対してフィードバック補正を行うことでノイズを除去して、第1補正データを獲得することと、上記センサーで補正サンプルをスキャンして第2出力電気信号を獲得し、上記第2出力電気信号に対してフィードバック補正を行うことでノイズを除去して、第2補正データを獲得することと、上記第1補正データ、上記第2補正データ及び電気信号所定値によって第3補正データを算出することと、上記センサーで被検出物をスキャンして第3出力電気信号を獲得することと、上記第1補正データ、第3補正データによって上記第3出力電気信号に対して補正することと、を含む。
【0031】
上記検出方法において、検出するたびに、第1補正データ及び第3補正データを取得し、被検出物をスキャンして第3出力電気信号を獲得した後、第1補正データ、第3補正データを用いて第3出力電気信号に対して補正する。検出するたびにセンサーの作動状態が一致しなくても、この検出方法では、検出するたびに、センサーの現在の作動状態に対応するフィードバック補正データ、第1補正データ及び第3補正データを取得し、第3補正データによって、被検出物をスキャンして得た電気信号に対してリアルタイムに補正し、正確な検出結果を獲得するため、従来技術における補正方法では、各スキャンの前にセンサーの作動状態が一致しないことに起因して検出結果が不正確になる問題を回避し、外部環境の変化によるスキャンした画像の差異を大幅に低減し、検出結果をより正確にする。
【0032】
なお、上記検出方法において、フィードバック補正データ、第1補正データ及び第3補正データを取得するステップは決まっており、即ち、まずフィードバック補正データを取得し、その後、フィードバック補正された第1出力電気信号によって第1補正データを獲得し、さらに第1補正データによって第3補正データを取得する。
【0033】
本願の具体的な一実施例において、フィードバック補正後に、上記第1補正データ、上記第2補正データ、及び電気信号所定値によって第3補正データを算出する過程は、上記第2補正データから上記第1補正データを減算して明出力を獲得し、所望の画像階調値が対応する電圧である上記電気信号所定値と上記明出力との比が上記第3補正データであることを含む。例えば、第1補正データをVdとし、第2出力電気信号をVpとし、電気信号所定値を255とすると、第3補正データ=255/(Vp-Vd)である。
【0034】
正確な検出データをさらに獲得するために、本願の一実施例において、上記第3出力電気信号に対して補正する過程は、上記第3出力電気信号から第1補正データを減算し、有効出力電気信号を獲得することと、第3補正データに上記有効出力電気信号を乗算し、補正後の第3出力電気信号を獲得することと、を含む。第1補正データ及び第3補正データが1つしかない場合、第3出力電気信号に対して1回だけ補正し、この場合、この補正の過程は、上述したステップで構成される。第1補正データ及び第3補正データが複数のレベルがある場合、第3出力電気信号に対して複数のレベルの補正を順次行い、ここで、第1レベルの補正は上述したステップに従って行われ、後続のレベルの補正は、大体、上述したステップに従い行われるが、第3出力電気信号は後続の各レベルの補正出力信号であり、第1補正データ及び第3補正データは対応するレベルの補正データである。
【0035】
本願の他の一実施例において、上記センサーは、複数の検知素子を備える検知素子アレイを含み、上記第1補正データを取得する過程は、上記検知素子が1行を空スキャンして第1プリ出力電気信号を獲得するステップA1と、上記第1プリ出力電気信号に対して差動増幅を行うステップA2と、増幅された上記第1プリ出力電気信号を処理し、第1フィードバック補正データを獲得するステップA3と、上記第1フィードバック補正データを用いて上記第1プリ出力電気信号に対して補正するステップA4と、補正された上記第1プリ出力電気信号に対して差動増幅を行い、第1レベルの第1プリ補正データを獲得するステップA5と、を含む。
【0036】
この実施例において、増幅された出力信号を処理して得たフィードバック補正データを用いて入力信号に対して補正し、補正された入力信号に対して差動増幅を行うごとで、補正された出力信号を獲得する。フィードバック補正後に、出力信号に対する環境ノイズの影響が大幅に低減されたため、各検知素子から出力した電気信号は、増幅された後一致になる。第1補正データを取得する過程がステップA1~A5のみによって構成される場合、上記第1レベルの第1プリ補正データが第1補正データであり、第1補正データによって第3補正データを獲得して、第3出力電気信号に対して補正する。
【0037】
もちろん、本願の上記フィードバック補正は、一つのレベルに限られず、複数のレベルであってもよく、即ち、検知素子から出力した第1プリ出力信号に対して複数のレベルの差動増幅を行い、各レベルの出力を用いて入力に対して補正し、最後に補正後の電気信号が差動増幅された後、補正後の出力信号を獲得して、補正後の出力信号を次のレベルの差動増幅回路の入力電気信号とする。
【0038】
本願の具体的な一実施例において、上記第1プリ補正データは複数のレベルがあり、複数のレベルの上記第1プリ補正データを取得する過程は、上記ステップA2乃至上記ステップA5を順次に少なくとも1回繰り返し、少なくとも第2レベルの上記第1プリ補正データを獲得することをさらに含む。即ち、1番目のステップA5の後に第1レベルの第1プリ補正データを獲得し、その後、ステップA2~A5を少なくとも1回順次に再実行して、少なくとも第2レベルの第1プリ補正データを獲得する。このように、被検出物を検出する際に、複数のレベルの第1プリ補正データを用いて複数の第3補正データを獲得したうえで、複数の第3補正データを用いて複数の第3出力電気信号をそれぞれ補正することができ、このようにして検出された信号は、必要な出力振幅に達することができるとともに、信号に対する他の干渉要素の影響が大幅に低減されて、出力をより正確にする。
【0039】
上記ステップA3の効率を高めるとともに、より正確なフィードバック補正データを獲得するために、本願の一実施例において、上記ステップA3は、増幅された上記第1プリ出力電気信号を第1デジタル信号に変換することと、上記第1デジタル信号と所望の画像階調値である目標値との減算によって差を得て、第1プリフィードバック補正データを獲得することと、上記第1プリフィードバック補正データをアナログ信号に変換し、第1フィードバック補正データを獲得することと、を含む。
もちろん、本願の上記ステップA3は上記過程に限られず、フィードバック補正データを獲得することができれば、従来技術における他の過程であってもよい。当業者は実際の状況に応じて適切な処理方法によりフィードバック補正データを獲得することができる。
【0040】
より正確な第3補正データをさらに獲得し、最終の検出結果をより正確にするために、本願の一実施例において、上記センサーは、複数の検知素子を備える検知素子アレイを含み、上記第2補正データを取得する過程は、上記検知素子が上記補正サンプルを1行スキャンして第2プリ出力電気信号を獲得するステップB1と、上記第2プリ出力電気信号に対して差動増幅を行うステップB2と、増幅された上記第2プリ出力電気信号を処理し、第2フィードバック補正データを獲得するステップB3と、上記第2フィードバック補正データを用いて上記第2プリ出力電気信号に対して補正するステップB4と、補正された上記第2プリ出力電気信号に対して差動増幅を行い、第1レベルの第2プリ補正データを獲得するステップB5と、を含む。
【0041】
第2補正データを取得する過程が上述したステップB1~B5のみによって構成される場合、上記第1レベルの第2プリ補正データが第2補正データであり、この第2補正データによって第3補正データを獲得し、第3出力電気信号に対して補正する。
本願の具体的な一実施例において、上記第2プリ補正データは複数のレベルがあり、複数のレベルの上記第2プリ補正データを取得する過程は、上記ステップB2乃至上記ステップB5を順次に少なくとも1回繰り返し、少なくとも第2レベルの上記第2プリ補正データを獲得することをさらに含む。即ち、1番目のステップB5の後に第1レベルの第2プリ補正データを獲得し、その後、ステップB2~B5を順次に少なくとも1回再実行し、少なくとも第2レベルの第2プリ補正データを獲得する。このように、被検出物を検出する際に、複数のレベルの第2プリ補正データを用いて複数の第3補正データを獲得したうえで、複数の第3補正データを用いて複数の第3出力電気信号をそれぞれ補正することができ、このようにして検出された信号は、必要な出力振幅に達することができるとともに、信号に対する他の干渉要素の影響が大幅に低減されて、出力をより正確にする。
【0042】
上記ステップB3の効率を高めるとともに、より正確なフィードバック補正データを獲得するために、本願の一実施例において、上記ステップB3は、増幅された上記第2プリ出力電気信号を第2デジタル信号に変換することと、上記第2デジタル信号と所望の画像階調値である目標値との減算によって差を得て、第2プリフィードバック補正データを獲得することと、上記第2プリフィードバック補正データをアナログ信号に変換し、第2フィードバック補正データを獲得することと、を含む。
もちろん、本願の上記ステップB3は上記過程に限られず、フィードバック補正データを獲得することができれば、従来技術における他の過程であってもよい。当業者は実際の状況に応じて適切な処理方法によりフィードバック補正データを獲得することができる。
【0043】
より正確な各レベルの補正データを獲得するために、本願の一実施例において、各レベルの上記第1補正データ及び/又は各レベルの上記第2補正データを取得する過程は、N(Nは2以上の正整数である)行を繰り返してスキャンし、複数の各レベルの上記第1プリ補正データ及び/又は複数の各レベルの上記第2プリ補正データを獲得することと、複数の各レベルの上記第1プリ補正データの平均値を求めて、各レベルの上記第1補正データを獲得し、及び/又は、複数の各レベルの上記第2プリ補正データの平均値を求めて、各レベルの上記第2補正データを獲得することと、をさらに含む。例えば、第1補正データを取得する際に、3行を繰り返してスキャンし、ステップA1~A5を3回繰り返した後、第1レベルの第1プリ補正データを3つ獲得し、3つの第1レベルの第1プリ補正データの平均値を求めて、第1レベルの第1補正データを獲得する。
【0044】
本願の一実施例において、上記第1補正データ及び上記第2補正データはそれぞれ複数のレベルがあり、複数のレベルの上記第1補正データ、複数のレベルの上記第2補正データ及び上記電気信号所定値によって複数のレベルの上記第3補正データを算出し、複数のレベルの上記第1補正データ及び複数のレベルの上記第3補正データを用いて上記第3出力電気信号に対して複数のレベルの補正を行い、上記複数のレベルの補正の過程は、第1レベルの第1補正データ及び第1レベルの上記第3補正データを用いて上記第3出力電気信号に対して第1レベルの補正を行うステップC1と、上記第1レベルの補正が行われた上記第3出力電気信号に対して第1レベルの差動増幅を行い、第1レベルの補正出力信号を獲得するステップC2と、第2レベルの第1補正データ及び第2レベルの上記第3補正データを用いて上記第1レベルの補正出力信号に対して第2レベルの補正を行うステップC3と、上記第2レベルの補正が行われた上記第3出力電気信号に対して第2レベルの差動増幅を行い、第2レベルの補正出力信号を獲得するステップC4と、上記ステップC3とステップC4を順次に少なくとも1回繰り返し、即ち、少なくとも第3レベルの補正を行い、具体的には、第3レベルの第1補正データ及び第3レベルの上記第3補正データを用いて上記第2レベルの補正出力信号に対して第3レベルの補正を行うこと、及び上記第3レベルの補正が行われた上記第3出力電気信号に対して第3レベルの差動増幅を行い、第3レベルの補正出力信号を獲得することを含むことと、を含む。繰り返し過程は、前レベルの補正により得られた出力信号に対して次のレベルの補正を行い、補正後の信号に対して差動増幅を行うことであり、最後のレベルの補正出力信号が上記複数のレベルの補正による出力信号である。
【0045】
具体的には、複数のレベルの補正において、第1レベルの補正の過程は、上述したステップに従って行われることができ、上記第2レベルの補正及び後続の各レベルの補正の過程は、第3出力電気信号が各レベルの出力信号であり、第1補正データ及び第3補正データが対応するレベルの補正データであることを除き、第1レベルの補正の過程とほぼ同様である。具体的には、後続のレベルの補正の過程は、各レベルの補正出力信号から対応するレベルの第1補正データを減算し、有効出力電気信号を獲得することと、対応するレベルの第3補正データに上記有効出力電気信号を乗算し、補正後の第3出力電気信号を獲得することと、を含む。
【0046】
正確な検出結果をさらに取得するために、本願の一実施例において、上記第1補正データを取得する前に、上記検出方法は、上記センサーに対してスタートアップキャリブレーションを行うことをさらに含む。
上記スタートアップキャリブレーションは、機器メーカーが定義したスタートアップキャリブレーションである。
【0047】
本願の他の典型的な実施形態では、検出装置が提供され、この検出装置は、センサー10と、補正手段20と、制御手段とを含み、センサー10は、空スキャンして得た第1補正データ、サンプルをスキャンして得た第2補正データ、及び被検出物をスキャンして得た第3出力電気信号を取得する。補正手段20は上記センサー10に電気的に接続され、計算モジュールと、上記計算モジュールに電気的に接続される補正モジュールとを含み、上記計算モジュールは、上記第1補正データ、上記第2補正データ及び電気信号所定値によって第3補正データを算出し、上記補正モジュールは、少なくとも上記第1補正データ、第3補正データによって上記第3出力電気信号に対して補正する。制御手段は上記センサー及び上記補正手段に電気的に接続され、上記センサー及び上記補正手段の作動を制御する。
【0048】
上記検出装置はセンサー、補正手段及び制御手段を含み、検出するたびに、センサーはフィードバック補正データ、第1補正データ及び第3補正データを取得し、被検出物をスキャンして第3出力電気信号を獲得した後、補正手段は、第1補正データ、第3補正データを用いて第3出力電気信号に対して補正する。検出するたびにセンサーの作動状態が一致しなくても、この検出装置は、検出するたびに、センサーの現在の作動状態に対応するフィードバック補正データ、第1補正データ及び第3補正データを取得し、被検出物をスキャンして得た電気信号をリアルタイムに補正し、正確な検出結果を獲得するため、従来技術における検出装置の各スキャンの前にセンサーの作動状態が一致しないことに起因して検出結果が不正確になる問題を回避し、外部環境の変化によるスキャンした画像の差異を大幅に低減し、検出結果をより正確にする。
【0049】
本願の具体的な一実施例において、上記電気信号所定値は、所望の画像階調値が対応する電圧であり、上記計算モジュールは、上記センサーに電気的に接続され、上記第2補正データから上記第1補正データを減算して明出力を獲得する減算サブモジュールと、上記減算サブモジュールに電気的に接続され、上記電気信号所定値を上記明出力で除算して上記第3補正データを獲得する除算サブモジュールと、を含む。
【0050】
正確な検出データをさらに獲得するために、本願の一実施例において、上記補正モジュールは、第1補正サブモジュールと第2補正サブモジュールとを含み、第1補正サブモジュールは、上記第1補正データにより上記第3出力電気信号に対して補正し、有効出力電気信号を獲得する。第2補正サブモジュールは、第3補正データに上記有効出力電気信号を乗算し、補正後の第3出力電気信号を獲得する。
【0051】
本願の他の一実施例において、図1に示すように、上記センサー10は、本体11、差動増幅回路12及びフィードバック補正回路13を含む。本体11は、順番に並んでいる複数の検知素子110を含み、上記本体11はスキャンすることで出力電気信号を獲得する。本体が空スキャンする際に(即ち、スキャン対象物がない場合のスキャン)、第1出力電気信号を獲得し、補正サンプルを本体でスキャンして第2出力電気信号を獲得し、上記センサーを用いて被検出物をスキャンして第3出力電気信号を獲得する。差動増幅回路12は、上記検知素子110に電気的に接続される第1入力端を含み、上記出力電気信号に対して差動増幅を行う。フィードバック補正回路13は、一端が上記差動増幅回路12の出力端に電気的に接続され、他端が上記第1入力端に電気的に接続され、フィードバック補正データを取得し、上記フィードバック補正データを用いて上記本体の空スキャン時の出力電気信号、及び、上記本体で補正サンプルをスキャンする時の出力電気信号それぞれに対してフィードバック補正し、即ち、フィードバック補正回路は、上記第1出力電気信号及び第2出力電気信号それぞれに対してフィードバック補正し、フィードバック補正された出力電気信号をそれぞれ上記第1入力端に入力して差動増幅を行い、第1補正データ又は第2補正データを獲得する。この実施例において、増幅された出力信号を処理して得たフィードバック補正データを用いて入力信号に対して補正し、補正された入力信号に対して差動増幅を行い、補正された出力信号を獲得し、フィードバック補正後に、各検知素子から出力された電気信号は、増幅された後一致になる。
【0052】
もちろん、本願のフィードバック補正は、一つのレベルに限られず、複数のレベルであってもよく、図1に示すように、上記差動増幅回路12及び上記フィードバック補正回路13はそれぞれ複数あり、かつ複数の上記差動増幅回路12は順次に直列に接続されいて、複数の上記差動増幅回路12のうち1番目の差動増幅回路12の上記第1入力端が上記検知素子110に電気的に接続され、各上記フィードバック補正回路13は上記差動増幅回路12に一対一に電気的に接続される。検知素子から出力された電気信号が第1出力電気信号又は第2出力電気信号である場合、制御手段は、各フィードバック補正回路が、それに接続される差動増幅回路から出力された第1出力電気信号又は第2出力電気信号に対してフィードバック補正するように制御し、補正された出力信号を次の差動増幅回路12の入力電気信号とする。このような検出装置はより正確なフィードバック補正データを獲得する。図2に示す構造において、複数の差動増幅回路12の出力信号は、順にSIG1、SIG2、SIG3、・・・SIGn-1及びSIGnであり、n-1番目の差動増幅回路12の最後の出力信号SIGn-1をn番目の差動増幅器の入力信号にし、この信号を差動増幅した後、SIGn’を獲得し、SIGn’をフィードバック補正回路13により処理した後、フィードバック補正データを獲得し、このデータによりSIGn-1を補正し、補正後のSIGn-1を差動増幅した後、SIGnを獲得する。
【0053】
なお、上記フィードバック補正回路は、差動増幅回路によって増幅された第1出力電気信号及び差動増幅回路によって差動増幅された第2出力電気信号のみに対してフィードバック補正し、差動増幅回路によって差動増幅された第3出力電気信号に対してフィードバック補正しない。具体的には、制御手段は、フィードバック補正回路の作動過程を制御し、検知素子から出力された電気信号が第3出力電気信号である場合、フィードバック補正回路が作動しないように制御し、つまり、差動増幅回路によって差動増幅された第3出力電気信号に対してフィードバック補正しない。
【0054】
本願の具体的な一実施例において、図2に示すように、上記フィードバック補正回路13は、順次に直列に接続された第1アナログ-デジタル変換モジュール131、処理モジュール132及び第2アナログ-デジタル変換モジュールを含み、ここで、第1アナログ-デジタル変換モジュールは差動増幅モジュールの出力端に電気的に接続され、差動増幅された出力電気信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号が処理モジュール132に入力して処理されて、プリフィードバック補正データを獲得する。具体的な処理過程は、デジタル信号を演算することで、各ポイントから出力された対応するデジタル信号の出力値がほぼ同じ所望の画像階調値である目標値に到達するようにする差を獲得し、ひいてはプリフィードバック補正データを獲得して、その後、第2アナログ-デジタル変換モジュール133が上記プリフィードバック補正データをアナログ信号に変換し、フィードバック補正データを獲得することであってもよい。この実施例において、フィードバック補正回路の構造が簡単で、より正確なフィードバック補正データを獲得する。図2において、出力端と入力端との間に抵抗14がさらに備えられ、入力端にも抵抗14が備えられ、双方の抵抗値は同じであってもよいし、異なってもよいし、具体的には、実際の状況に応じて決めることができる。
【0055】
本願の具体的な一実施例において、上記検出装置は、第1検知部材30と第2検知部材40の2つの検知素子をさらに含み、図3に示すように、2つの検知素子はそれぞれセンサー10の両端に位置し、かつセンサー10から離間して設けられている。検出装置は、ローラー50をさらに含み、ローラー50は、被スキャン物01をセンサー10に密着させることができる。磁気センサーがスタートアップ補正し、第1検知部材30が物体の通過を感知すると、センサー10が作動し始め、物体はローラー50によってセンサー10に密着されてスキャンされる。第2検知部材40が被スキャン物01が全部通過してスキャンが終了したことを感知すると、すぐにセンサー10に対して補正し、次のスキャン原稿が到着する前に、補正を完了させる。ここで、スキャン原稿は、異なるサイズのものであってもよく、各物体のスキャン完了後の補正時間は同じである。スキャン時間に補正時間を加算した時間が被検出物の検出時間である。
【0056】
本願のまた他の一実施例において、検出過程が提供され、この検出過程は、複数の検出ステップを含み、各上記検出ステップは、1つの被検出物を検出するためのもので、且つ本願の上述した何れかの検出方法によって実施される。即ち、各被検出物の検出時、以下のステップを少なくとも1回実行するが、
センサーで空スキャンして第1出力電気信号を獲得し、上記第1出力電気信号に対してフィードバック補正を行うことでノイズを除去して、第1補正データを獲得することと、
【0057】
上記センサーで補正サンプルをスキャンして第2出力電気信号を獲得し、上記第2出力電気信号に対してフィードバック補正を行うことでノイズを除去して、第2補正データを獲得することと、
上記第1補正データ、上記第2補正データ及び電気信号所定値によって第3補正データを算出することと、
上記センサーで被検出物をスキャンして第3出力電気信号を獲得することと
上記第1補正データ、第3補正データによって上記第3出力電気信号に対して補正することである。
【0058】
上記検出過程において、各被検出物を検出する際に、センサーの現在の作動状態に対応するフィードバック補正データ、第1補正データ及び第3補正データを取得し、第1補正データ、第3補正データによって、被検出物をスキャンして得た電気信号をリアルタイムに補正し、正確な検出結果を獲得するため、従来技術における補正方法の各スキャンの前にセンサーの作動状態が一致しないことに起因して検出結果が不正確になる問題を回避し、外部環境の変化によるスキャンした画像の差異を大幅に低減し、検出結果をより正確にする
【0059】
以上の説明から分かるように、本願の上記実施例は以下のような技術効果を実現する。
1)本願の検出方法において、検出するたびに、フィードバック補正データ、第1補正データ及び第3補正データを取得し、被検出物をスキャンして第3出力電気信号を獲得した後、第1補正データ、第3補正データを用いて第3出力電気信号に対して補正する。検出するたびにセンサーの作動状態が一致しなくても、この検出方法では、検出するたびに、センサーの現在の作動状態に対応するフィードバック補正データ、第1補正データ及び第3補正データを取得し、第1補正データ、第3補正データによって、被検出物をスキャンして得た電気信号をリアルタイムに補正し、正確な検出結果を獲得するため、従来技術における補正方法の各スキャンの前にセンサーの作動状態が一致しないことに起因して検出結果が不正確になる問題を回避し、外部環境の変化によるスキャンした画像の差異を大幅に低減し、検出結果をより正確にする。
【0060】
2)本願の検出装置は、センサーと補正手段とを含み、検出するたびに、センサーは、フィードバック補正データ、第1補正データ及び第3補正データを取得し、被検出物をスキャンして第3出力電気信号を獲得した後、第1補正データ、第3補正データを用いて第3出力電気信号に対して補正する。検出するたびにセンサーの作動状態が一致しなくても、この検出装置は、検出するたびに、センサーの現在の作動状態に対応するフィードバック補正データ、第1補正データ及び第3補正データを取得し、被検出物をスキャンして得た電気信号をリアルタイムに補正し、正確な検出結果を獲得するため、従来技術における検出装置の各スキャンの前にセンサーの作動状態が一致しないことに起因して検出結果が不正確になる問題を回避し、外部環境の変化によるスキャンした画像の差異を大幅に低減し、検出結果をより正確にする。
【0061】
以上は、本願の好適な実施例に過ぎず、本願を限定することを意図していない。当業者にとって、本願に様々な変更や変形が可能である。本願の思想や原則内の全ての修正、均等の置き換え、改良などは、本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0062】
01…被スキャン物、10…センサー、20…補正手段、11…本体、110…検知素子、12…差動増幅回路、13…フィードバック補正回路、131…第1アナログ-デジタル変換モジュール、132…処理モジュール、133…第2アナログ-デジタル変換モジュール、14…抵抗、30…第1検知部材、40…第2検知部材、50…ローラー
図1
図2
図3