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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】操作装置及び建設機械
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04847 20220101AFI20240404BHJP
   G06F 3/0362 20130101ALI20240404BHJP
   E02F 3/43 20060101ALI20240404BHJP
   E02F 9/26 20060101ALI20240404BHJP
   G05G 1/08 20060101ALI20240404BHJP
   G05G 25/00 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
G06F3/04847
G06F3/0362 461
E02F3/43 C
E02F9/26 A
G05G1/08 E
G05G25/00 C
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021036993
(22)【出願日】2021-03-09
(65)【公開番号】P2022137477
(43)【公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100187562
【弁理士】
【氏名又は名称】沼田 義成
(72)【発明者】
【氏名】蔭山 侃杜
(72)【発明者】
【氏名】出口 貴司
(72)【発明者】
【氏名】田村 一樹
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-345499(JP,A)
【文献】特開2001-075712(JP,A)
【文献】特開2015-001716(JP,A)
【文献】特開2020-166858(JP,A)
【文献】特開2014-204258(JP,A)
【文献】特開2013-178516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/04847
G06F 3/0362
E02F 3/43
E02F 9/26
G05G 1/08
G05G 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作装置であって、
回転操作を受け付ける回転操作部と、
記憶部と、を備え、
前記回転操作部の回転操作量が所定の単位時間当たり所定の操作量閾値未満である第1操作に応じて、前記回転操作量に従った第1操作内容を操作対象に適用する一方、
前記回転操作量が前記単位時間当たり前記操作量閾値以上である第2操作に応じて、前記第1操作内容と異なる第2操作内容を操作対象に適用し、
前記第1操作により前記操作対象を所定の候補値に遷移させている場合に、前記第2操作に応じて前記候補値を前記記憶部に保存することを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記第1操作に応じて前記操作対象を前記回転操作量に従った変化量で遷移させる一方、
前記第2操作に応じて前記操作対象を予め設定された変化量で遷移させることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記第1操作に応じて前記操作対象を前記回転操作量に従った変化量で遷移させる一方、
前記第2操作に応じて前記操作対象を予め設定された規定状態に遷移させることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項4】
前記操作対象を表示可能な表示部を更に備え、
前記表示部は、前記規定状態を識別可能な態様で表示することを特徴とする請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
前記操作対象を表示可能な表示部を更に備え、
前記表示部は、前記候補値が前記記憶部に保存されている間、前記候補値を識別可能な態様で表示することを特徴とする請求項に記載の操作装置。
【請求項6】
前記候補値が前記記憶部に保存されているとき、前記第2操作に応じて前記操作対象を前記候補値に遷移させることを特徴とする請求項又はに記載の操作装置。
【請求項7】
前記操作対象を表示可能な表示部を更に備え、
前記表示部は、前記操作対象として複数の選択肢を選択可能に表示し、
前記第1操作に応じて前記選択肢の選択を遷移させる一方、
前記第2操作に応じて前記選択肢の選択を決定することを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項8】
前記操作対象を表示可能な表示部を更に備え、
前記表示部は、前記操作対象として複数の選択肢を択一的に表示し、
正回転方向の前記第2操作に応じて一方の選択肢を選択及び決定し、
逆回転方向の前記第2操作に応じて他方の選択肢を選択及び決定することを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項9】
前記操作対象を表示可能な表示部を更に備え、
前記表示部は、前記操作対象として複数の選択肢を行列状に表示し、
前記第1操作に応じて前記操作対象を行方向又は列方向である第1方向へ遷移させる一方、
前記第2操作に応じて前記操作対象を前記第1方向と直交する第2方向へ遷移させることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項10】
前記操作対象を表示可能な表示部を更に備え、
前記表示部は、遷移可能な複数の画面を表示し、
前記表示部に表示される画面を前記操作対象として、前記第2操作に応じて現在表示中の画面に代えて他の画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項11】
前記操作対象を表示可能な表示部を更に備え、
前記表示部は、遷移可能な複数の画面を表示し、
前記画面毎に前記第2操作による前記第2操作内容を設定可能とすることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項12】
前記第2操作の前記第2操作内容を示す標識を更に備えることを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載の操作装置。
【請求項13】
前記第2操作の操作モードを切り替える切替操作部を更に備えることを特徴とする請求項1~12の何れか1項に記載の操作装置。
【請求項14】
請求項1~13の何れか1項に記載の操作装置を備えることを特徴とする建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置及びこの操作装置を備える建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設機械は、様々な機能を設定操作するための操作装置を備えている。操作装置は、例えば、回転操作部を備えたジョグダイヤルで構成され、回転操作部の回転操作量に従って設定値や選択肢等の操作対象を遷移させる。
【0003】
例えば、特許文献1に開示される作業機の表示装置は、入力操作を行うための入力操作部を有し、入力操作部は、第1操作具を有している。第1操作具は、回転操作を行う回転操作部及び押圧操作が可能な押圧操作部を有し、例えば、ロータリエンコーダスイッチである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-104931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した建設機械の操作装置では、回転操作部の回転操作量に応じた入力量を操作対象に適用していて、即ち、回転操作部は単一操作のみを操作対象に適用可能としている。しかしながら、建設機械は様々な機能に対して設定操作できるようにする必要があるので、建設機械の操作装置にとって、単一操作だけの回転操作部は操作性が十分ではない。
【0006】
本発明は、回転操作部の操作性を向上することができる操作装置及びこの操作装置を備える建設機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の操作装置は、回転操作を受け付ける回転操作部を備え、前記回転操作部の回転操作量が所定の単位時間当たり所定の操作量閾値未満である第1操作に応じて、前記回転操作量に従った第1操作内容を操作対象に適用する一方、前記回転操作量が前記単位時間当たり前記操作量閾値以上である第2操作に応じて、前記第1操作内容と異なる第2操作内容を操作対象に適用することを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の建設機械は、上記した何れかの操作装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、回転操作部の操作性を向上することができる操作装置及びこの操作装置を備える建設機械を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る建設機械のブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る建設機械の操作装置の例を示す正面図である。
図3】本発明の実施形態に係る建設機械におけるホーム画面の例を示す平面図である。
図4】本発明の実施形態に係る建設機械における明るさ調整画面の例を示す平面図である。
図5】本発明の実施形態に係る建設機械における日付調整画面の例を示す平面図である。
図6】本発明の実施形態に係る建設機械におけるパスコード画面の例を示す平面図である。
図7】本発明の実施形態に係る建設機械における機能選択画面の例を示す平面図である。
図8】本発明の実施形態に係る建設機械における履歴カレンダー画面の例を示す平面図である。
図9】本発明の実施形態に係る建設機械における温度単位設定画面の例を示す平面図である。
図10】本発明の実施形態に係る建設機械におけるホーム画面の他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態による建設機械1について図を参照して説明する。図1は、本実施形態の建設機械1を示すブロック図である。
【0012】
建設機械1は、作業者の操作に応じて土木作業や建築作業等の作業を行う油圧ショベル等である。建設機械1は、例えば、走行部2、作業部3、表示部4、操作部5、制御部6及び記憶部7を備えている。
【0013】
走行部2は、作業者の操作に応じて建設機械1の走行や旋回を行うものである。走行部2は、走行可能な一対のクローラを備えた下部走行体と、キャビン及びエンジン8を備えた上部旋回体とから構成されている。上部旋回体は、下部走行体の上方に旋回可能に支持されている。走行部2は、エンジン8から動力を受けて駆動することによって走行や旋回を行う。
【0014】
作業部3は、作業者の操作に応じて土砂の掘削作業や破砕作業等の各種作業を行うもので、走行部2の上部旋回体に取り付けられている。作業部3は、ブームと、アームと、バケット等のアタッチメントとから構成されている。作業部3は、油圧アクチュエータを備えていて、作動油の油圧動力によってブーム、アーム及びアタッチメントを駆動する。作業部3は、走行部2のエンジンで生じた動力を利用して、油圧タンクから作動油を油圧ポンプによって油圧アクチュエータへ供給し、油圧ポンプによって加圧された作動油を動力伝達媒体として油圧アクチュエータを駆動する。
【0015】
表示部4及び操作部5は、上部旋回体のキャビン内に設けられている。表示部4は、各種情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示装置であり、操作部5の操作に応じて各種画面を表示する。例えば、表示部4に表示される画面には、操作部5の操作装置10による入力操作や設定操作の対象となる設定項目が表示される。
【0016】
操作部5は、作業者の操作を受け付けるものである。操作部5は、走行部2の走行及び旋回や作業部3の各種作業を操作するための操作レバーや操作ボタン等の操縦装置を備えている。また、操作部5は、各種情報の入力操作や設定操作を行うための操作装置10を備えている。
【0017】
操作装置10は、いわゆるジョグダイヤルであり、図2に示すように、本体11に対して、回転操作を受け付ける回転操作部12と、押圧操作を受け付ける押圧操作部13と、操作モードの切替操作を受け付ける切替操作部14とを備えている。
【0018】
回転操作部12は、円柱状に形成されていて回転可能に設けられ、時計回り方向(正方向)及び反時計回り方向(逆方向)において所定の回転角度毎に回転するダイヤル本体で構成される。回転操作部12は、所定の回転角度の回転を1クリックの操作として受け付け、即ち、1回転で所定数(例えば、12)のクリックの操作を受け付けるように構成される。回転操作部12は、所定の操作対象に対してクリック操作に応じた入力操作や設定操作等を受け付けるもので、クリック操作に応じた操作信号を制御部6へ出力する。
【0019】
特に、回転操作部12は、連続したクリック操作の回転操作量(例えば、クリック数)が所定の単位時間(例えば、0.1秒間)当たり所定の操作量閾値(5クリック)未満である場合、各クリック操作を第1操作とする。一方、回転操作部12は、連続したクリック操作の回転操作量(例えば、クリック数)が所定の単位時間(例えば、0.1秒間)当たり所定の操作量閾値(5クリック)以上である場合、連続した一連のクリック操作を1つの第2操作とする。
【0020】
例えば、回転操作部12は、第1操作に応じて、回転操作部12の回転操作量に従った第1操作内容を操作対象に適用する一方、回転操作部12の第2操作に応じて、第1操作内容と異なる第2操作内容を操作対象に適用する。なお、第1操作内容は、回転操作部12の回転操作量に従った内容であり、操作対象を1クリック当たり1つずつ遷移(変更)させる。第2操作内容は、操作対象によって異なる内容である。本体11には、回転操作部12による第1操作の第1操作内容を示す第1標識15と、回転操作部12による第2操作の第2操作内容を示す第2標識16とが設けられる。
【0021】
押圧操作部13は、回転操作部12の正面側で一体的に設けられ、回転操作部12に対して押圧可能なボタン等で構成される。押圧操作部13は、所定の操作対象に対して押圧操作に応じた選択確定操作や決定操作等を受け付けるもので、押圧操作に応じた操作信号を制御部6へ出力する。あるいは、押圧操作部13は、回転操作部12とは別個に設けられてもよい。
【0022】
切替操作部14は、回転操作部12及び押圧操作部13とは別個に取り付けられ、押圧可能なボタン等で構成される。切替操作部14は、回転操作部12の操作モードの切替操作を受け付けるもので、押圧操作に応じた操作信号を制御部6へ出力する。
【0023】
なお、操作装置10及び表示部4は、連動して動作可能であり、操作装置10は、表示部4に表示された画面や画面上の設定項目等を操作対象として入力操作や設定操作等を受け付ける一方、表示部4は、操作装置10による入力操作や設定操作等に応じて操作対象の表示を遷移(変更)させる。そのため、回転操作部12、押圧操作部13及び切替操作部14に加えて表示部4を含んだ構成を、操作装置10としてもよい。また、操作装置10は、表示部4の画面に拘わらず、エンジン8の回転数等のように予め指定された操作対象に対する入力操作や設定操作等を受け付けることも可能である。
【0024】
制御部6は、CPU等で構成され、建設機械1の各部の動作を制御する。例えば、制御部6は、操作部5の操縦装置や操作装置10から出力された操作信号を入力して、操作信号に応じて各部を制御する。記憶部7は、ROMやRAM等の記憶媒体で構成され、建設機械1の各部及び各機能を制御するためのプログラムやデータを記憶する。
【0025】
制御部6は、記憶部7に記憶されたプログラムやデータに基づいて演算処理を実行することにより、建設機械1の各部及び各機能を制御する。例えば、制御部6は、プログラムを実行することで、操作判定部20と、表示制御部21として機能する。なお、操作装置10及び制御部6は、連動して動作可能である。そのため、回転操作部12、押圧操作部13及び切替操作部14に加えて、制御部6を含んだ構成を、操作装置10としてもよく、操作装置10は、更に表示部4を含んでもよい。
【0026】
操作判定部20は、操作装置10からの操作信号に基づいて操作装置10の操作を判定する。例えば、操作判定部20は、回転操作部12からの操作信号に基づいて、回転操作部12のクリック操作が第1操作か第2操作かを判定する。操作判定部20は、回転操作部12の連続したクリック操作の回転操作量が所定の単位時間当たり所定の操作量閾値未満である場合、各クリック操作を第1操作と判定する。一方、操作判定部20は、回転操作部12の連続したクリック操作の回転操作量が所定の単位時間当たり所定の操作量閾値以上である場合、連続した一連のクリック操作を1つの第2操作と判定する。
【0027】
例えば、操作判定部20は、表示部4に表示された画面や画面上の設定項目である操作対象や、画面表示に拘わらず予め指定された操作対象に対して、回転操作部12の第1操作又は第2操作による入力操作や設定操作等に応じて操作対象を遷移(変更)させる。操作判定部20は、必要に応じて、遷移後の操作対象の情報を記憶部7に記憶する。
【0028】
また、操作判定部20は、押圧操作部13からの操作信号に基づいて、操作対象の選択確定操作や決定操作等を受け付ける。例えば、操作判定部20は、回転操作部12による入力操作や設定操作等が行われた操作対象に対して、押圧操作部13による選択確定操作や決定操作等に応じて操作対象を更新する。操作判定部20は、記憶部7に記憶されている操作対象に代えて、押圧操作部13による選択確定操作や決定操作等によって更新された操作対象の情報を記憶部7に記憶する。
【0029】
操作判定部20は、切替操作部14からの操作信号に基づいて、回転操作部12による第1操作及び第2操作の操作モードの切替操作を受け付ける。回転操作部12の操作モードには、操作対象を操作する設定操作モードと表示部4に表示された画面や画面上の設定項目を選択操作する画面操作モードとがある。操作判定部20は、設定操作モードの第1操作と画面操作モードの第1操作とで異なる第1操作内容を受け付け、設定操作モードの第2操作と画面操作モードの第2操作とで異なる第2操作内容を受け付ける。
【0030】
表示制御部21は、表示部4を制御して表示部4に各種画面を表示させる。表示制御部21は、表示部4の各種画面に複数の選択項目を有するメニューバー4aを表示する。メニューバー4aの各選択項目は、画面操作モードにおいて回転操作部12の第1操作及び第2操作に応じて選択可能である。例えば、操作判定部20は、メニューバー4aにおける選択項目の選択を正方向の第1操作に応じて右に1つずらし、逆方向の第1操作に応じて左に1つずらす。また、操作判定部20は、メニューバー4aにおける選択項目の選択を、正方向の第2操作に応じて右端までずらし、逆方向の第2操作に応じて左端までずらす。表示制御部21は、操作判定部20による選択項目の選択に応じて、選択された選択項目をハイライト表示する。また、表示制御部21は、表示部4の各種画面に操作対象を表示してよい。
【0031】
例えば、表示制御部21は、建設機械1を稼働したときに、基本的な画面としてホーム画面30(図3参照)を表示部4に表示させる。ホーム画面30では、画面操作モードにおいて選択可能な複数のメニュー項目を操作対象としてメニューバー4aに表示している。選択中のメニュー項目は、ハイライト表示され、各メニュー項目の選択確定操作に応じて、ホーム画面30から各メニュー項目に対応する画面へ切り替わることになる。ホーム画面30では、設定操作モードにおいて増減可能なエンジン回転数設定値30aを表示している。
【0032】
表示制御部21は、建設機械1の各種設定画面として、表示部4の画面の明るさを調整するための明るさ調整画面31(図4参照)や、建設機械1の内部時計の日付や時刻を調整するための日付調整画面32(図5参照)を表示部4に表示させる。明るさ調整画面31では、設定操作モードにおいて増減可能な明るさ設定値31aを操作対象として表示し、日付調整画面32では、設定操作モードにおいて増減可能な日時時刻設定値32aを操作対象として表示している。選択中の操作対象は、ハイライト表示される。明るさ調整画面31及び日付調整画面32では、画面操作モードにおいて、前の画面に戻る操作や、操作対象の選択操作や、操作対象の調整の決定操作の何れかを選択可能な複数の選択項目を操作対象としてメニューバー4aに表示している。選択中の選択項目は、ハイライト表示される。
【0033】
表示制御部21は、建設機械1のパスコードや暗証番号を入力するためのパスコード画面33(図6参照)を表示部4に表示させる。パスコード画面33では、設定操作モードにおいてパスコードの各入力桁を増減可能なパスコード設定値33aを操作対象として行列状に表示している。選択中のパスコード設定値33aの入力桁は、ハイライト表示される。パスコード画面33では、画面操作モードにおいて選択可能な複数の選択項目を操作対象としてメニューバー4aに表示している。各選択項目の操作は、パスコードの入力桁を増減させる操作や、入力桁の削除操作、入力桁の決定操作を含む。画面操作モードでは、入力桁を決定すると、次の入力桁に移動し、入力桁を削除すると、前の入力桁に移動することになる。
【0034】
表示制御部21は、建設機械1の各種設定画面として、建設機械1の複数の機能のそれぞれの機能設定画面を選択するための機能選択画面34を表示部4に表示させる(図7参照)。機能選択画面34では、複数の機能にそれぞれ対応する複数の選択領域34a(選択肢)を表示している。機能選択画面34では、設定操作モードにおいて複数の選択領域34aを操作対象として選択可能にしている。機能選択画面34では、画面操作モードにおいて、前の画面に戻る操作や、選択領域34aの選択操作や、選択領域34aの選択決定操作の何れかを選択可能な複数の選択項目を操作対象としてメニューバー4aに表示している。選択中の選択項目は、ハイライト表示される。何れの操作モードにおいても、選択中の選択領域34aは、ハイライト表示され、選択領域34aの選択確定操作に応じて、機能選択画面34から機能設定画面へ切り替わることになる。
【0035】
表示制御部21は、建設機械1の各種設定画面として、建設機械1の機能として作業履歴のカレンダーを提示するための履歴カレンダー画面35を表示部4に表示させる(図8参照)。履歴カレンダー画面35では、設定操作モードにおいて各日付を選択可能なカレンダー35aを操作対象として表示している。選択中の日付は、ハイライト表示され、選択中の日付に対応する作業履歴が履歴カレンダー画面35に表示される。履歴カレンダー画面35では、画面操作モードにおいて、前の画面に戻る操作や、日付の選択操作の何れかを選択可能な複数の選択項目を操作対象としてメニューバー4aに表示している。選択中の選択項目は、ハイライト表示される。
【0036】
表示制御部21は、建設機械1の各種設定画面として、建設機械1の水温や油温、気温を表示部4に表示する際の温度の単位を設定するための温度単位設定画面36を表示部4に表示させる(図9参照)。温度単位設定画面36では、設定操作モードにおいて択一的に選択可能な複数の温度単位選択肢36aを操作対象として表示している。選択中の温度単位選択肢36aは、ハイライト表示される。温度単位設定画面36では、画面操作モードにおいて、前の画面に戻る操作や、温度単位選択肢36aの選択操作や、温度単位選択肢36aの決定操作の何れかを選択可能な複数の選択項目を操作対象としてメニューバー4aに表示している。選択中の選択項目は、ハイライト表示される。
【0037】
次に、建設機械1における操作装置10の回転操作部12による第1操作及び第2操作の第1実施例について説明する。第1実施例では、増減可能な設定値を操作対象として、制御部6の操作判定部20は、回転操作部12の第1操作に応じて、操作対象を回転操作部12の回転操作量に従った変化量で遷移(変位)させる。そして、第1実施例の第1具体例では特に、制御部6の操作判定部20は、回転操作部12の第2操作に応じて、操作対象の設定値を予め設定された変化量で遷移(変位)させる。
【0038】
例えば、表示部4にホーム画面30が表示されている場合や、表示部4に操作対象が表示されていない場合であって、操作モードが設定操作モードで且つ操作対象がエンジン回転数である場合を説明する。この場合、操作判定部20は、回転操作部12の第1操作に応じて、1クリック当たり第1変化量(例えば、20rpm)でエンジン回転数を変位させる一方、回転操作部12の第2操作に応じて、クリック数に拘らず第1変化量と異なる第2変化量(例えば、100rpm)でエンジン回転数を変位させる。この場合、メニューバー4aの選択項目等の決定操作がないため、第1操作及び第2操作と同時にエンジン回転数を確定してよい。操作判定部20は、変位後のエンジン回転数を確定して記憶部7に記憶し、制御部6は、変位後のエンジン回転数でエンジン8を制御する。
【0039】
なお、図3に示すように、表示部4にエンジン回転数設定値30aを含むホーム画面30が表示されている場合、表示制御部21は、変位後のエンジン回転数設定値30aを表示する。第1変化量及び第2変化量は、予め設定して記憶部7に記憶し、また、操作判定部20は、操作装置10の操作に応じて第1変化量及び第2変化量の設定操作を受け付け、任意に設定された第1変化量及び第2変化量を記憶部7に記憶してもよい。
【0040】
なお、上記では、表示部4に操作対象が表示されていない場合に操作対象をエンジン回転数とする例を説明したが、エンジン回転数以外でもよく、任意に設定可能にしてもよい。
【0041】
更に、第1実施例では、図4に示す明るさ調整画面31や図5に示す日付調整画面32のように、明るさ設定値31aや日時時刻設定値32a等の増減可能な設定値を操作対象とする場合にも、上記と同様に、第1操作と第2操作とで異なる変化量を設定値に適用する。なお、明るさ調整画面31や日付調整画面32のように、メニューバー4aの選択項目に決定操作がある場合、決定操作に応じて遷移(変位)後の設定値を確定する。
【0042】
または、第1実施例の第2具体例では、制御部6の操作判定部20は、回転操作部12の第2操作に応じて操作対象の設定値を予め設定された規定状態に遷移させる。例えば、操作対象である増減可能な設定値に対して、規定状態として所定の既定値や初期値を予め設定して記憶部7に記憶する。そして、操作判定部20は、回転操作部12の正方向の第2操作に応じて、操作対象の設定値を既定値へ遷移(変位)させる一方、回転操作部12の逆方向の第2操作に応じて、操作対象の設定値を初期値へ遷移(変位)させる。また、表示制御部21は、操作対象の設定値を表示している表示部4の画面において、予め設定された規定状態を設定値と識別可能な態様で表示する。規定状態は、設定値の近傍に表示されてよい。
【0043】
あるいは、第1実施例の第3具体例では、制御部6の操作判定部20は、回転操作部12の第2操作に応じて、第1操作により変位させた設定値の決定を行う。上記のようにメニューバー4aの選択項目等の決定操作がない場合でも、第2操作によって設定値を確定できる。明るさ調整画面31や日付調整画面32のように、メニューバー4aの選択項目に決定操作がある場合でも、操作判定部20は、決定操作に拘らず、第2操作に応じて変位後の設定値を確定する。
【0044】
若しくは、第1実施例の第4具体例では、制御部6の操作判定部20は、回転操作部12の第1操作により操作対象の設定値を所定の候補値に遷移(変位)させている場合に、回転操作部12の正方向の第2操作に応じて候補値を記憶部7に(一時的に)記憶する。また、表示制御部21は、候補値が記憶部7に保存されているとき、操作対象の設定値を表示している表示部4の画面において、候補値を設定値と識別可能な態様で表示する。候補値は、設定値の近傍に表示されてよい。また、操作判定部20は、候補値が記憶部7に保存されているとき、回転操作部12の逆方向の第1操作に応じて、操作対象の設定値を候補値へ遷移(変位)させる。
【0045】
または、第1実施例の第5具体例では、制御部6の操作判定部20は、表示部4の画面に行列状に表示された操作対象の設定値を、回転操作部12の第1操作に応じて行方向又は列方向である第1方向へ遷移させる一方、回転操作部12の第2操作に応じて第1方向と直交する第2方向へ遷移させる。
【0046】
例えば、図6に示すパスコード画面33では、設定操作モードにおいて、パスコードの各入力桁を列方向に並べたパスコード設定値33aが操作対象として表示されている。操作判定部20は、回転操作部12の正方向の第1操作に応じて選択中の入力桁を1つずつ増加させる一方、逆方向の第1操作に応じて選択中の入力桁を1つずつ減少させ、即ち、選択中の入力桁を行方向に遷移させる。一方、操作判定部20は、回転操作部12の正方向の第2操作に応じて入力桁の選択を右にずらし、逆方向の第2操作に応じて入力桁の選択を左にずらし、即ち、入力桁を列方向に遷移させる。操作判定部20は、パスコード設定値33aの全ての入力桁が入力された状態で、設定操作モードにおける第2操作又は画面操作モードにおける決定操作に応じて、パスコード設定値33aを確定する。
【0047】
上記では、第1実施例における回転操作部12の第2操作による第2操作内容の例を記載したが、第2操作内容は、これらの例に限定されず、操作判定部20は、他の操作を行うように構成してもよい。また、第1実施例において、第2操作の第2操作内容は、設定値である操作対象毎に異なり、設定値を表示する表示部4の各種画面毎に異なる。そこで、操作判定部20は、各種画面の設定操作モード時の操作対象に対して、第2操作の第2操作内容の設定操作を操作装置10の操作に応じて受け付け、画面毎に任意に設定された第2操作内容を記憶部7に記憶してもよい。
【0048】
次に、建設機械1における操作装置10の回転操作部12による第1操作及び第2操作の第2実施例について説明する。第2実施例では、選択可能な選択項目や選択肢を操作対象として、制御部6の操作判定部20は、回転操作部12の第1操作に応じて、操作対象を回転操作部12の回転操作量に従った変化量で遷移させる。そして、第2実施例の第1具体例では特に、制御部6の操作判定部20は、回転操作部12の第2操作に応じて、操作対象を予め設定された変化量で遷移させる。
【0049】
例えば、表示部4にホーム画面30等の各種画面が表示されている場合であって、操作モードが画面操作モードで操作対象がメニューバー4aの選択項目である場合を説明する。この場合、操作判定部20は、回転操作部12の第1操作に応じて、1クリック当たり第1変位量(例えば、1つ分)で選択項目の選択を遷移させる一方、回転操作部12の正方向の第2操作に応じて、クリック数に拘らず第1変位量と異なる第2変位量(例えば、3つ分)で選択項目の選択を遷移させる。また、操作判定部20は、回転操作部12の逆方向の第2操作に応じて、選択項目の選択を初期位置(例えば、左端)へ遷移させる。
【0050】
または、第2実施例の第2具体例では、表示部4に表示された複数の選択肢を操作対象として、操作モードが設定操作モードである場合、制御部6の操作判定部20は、回転操作部12の第2操作に応じて、第1操作により遷移させた選択肢の決定を行う。
【0051】
例えば、表示部4に図7に示す機能選択画面34等が表示されている場合であって、操作モードが設定操作モードで操作対象が複数の選択領域34a等の選択肢である場合を説明する。この場合、操作判定部20は、回転操作部12の第1操作に応じて、1クリック当たり第1変位量(例えば、1つ分)で選択領域34aの選択を遷移させる一方、回転操作部12の正方向の第2操作に応じて、クリック数に拘らず第1操作により遷移させた選択領域34aの選択を確定する。機能選択画面34のように、メニューバー4aの選択項目に決定操作がある場合でも、操作判定部20は、決定操作に拘らず、第2操作に応じて遷移後の選択領域34aを確定する。なお、操作判定部20は、回転操作部12の逆方向の第1操作により3クリックされた場合や逆方向の第2操作が行われた場合、戻る操作を確定して前の画面に戻るようにしてもよい。
【0052】
あるいは、第2実施例の第3具体例では、表示部4が遷移可能な複数の画面を表示できる場合、制御部6の操作判定部20は、表示部4に表示される画面を操作対象として、回転操作部12の第2操作に応じて現在表示中の画面に代えて他の画面の表示を選択する。
【0053】
例えば、図3に示すように、表示部4に表示されるホーム画面30等の各種画面では、1画面のメニューバー4aに所定数(例えば、6つ)の選択項目を表示できるところ、メニューバー4aは、複数頁に亘って所定数を超える選択項目を有することがある。例えば、図3に示す1頁目のメニューバー4aに表示される選択項目と、図10に示す2頁目のメニューバー4aに表示される選択項目とは異なる。
【0054】
操作モードが画面操作モードで操作対象がメニューバー4aの選択項目である場合、操作判定部20は、回転操作部12の第1操作に応じてメニューバー4aの選択項目の選択を遷移させるところ、図3に示す1頁目のメニューバー4aの最終(右端)の選択項目が選択されている状態で、更に第1操作が行われると、操作判定部20は、図10に示す2頁目のメニューバー4aの表示を選択すると共に、2頁目のメニューバー4aの最初(左端)の選択項目を選択する。ところで、第3具体例では、表示部4のホーム画面30等に1頁目のメニューバー4aが表示されている状態で、操作判定部20は、正方向の第2操作に応じて2頁目のメニューバー4aの表示を選択する。また、表示部4のホーム画面30等に2頁目のメニューバー4aが表示されている状態で、操作判定部20は、逆方向の第2操作に応じて1頁目のメニューバー4aの表示を選択する。
【0055】
なお、第3具体例において、第2操作は、上記のような同階層の1画面における複数画面間の遷移だけでなく、異階層の複数画面間の遷移も受け付けてよい。例えば、ホーム画面30のメニューバー4aで所定の選択項目が選択されている状態において、操作判定部20は、正方向の第2操作に応じて、選択中の選択項目に対応する機能選択画面34や機能設定画面の表示を選択する。
【0056】
若しくは、第2実施例の第4具体例では、制御部6の操作判定部20は、回転操作部12の第2操作に応じて操作対象の画面を予め設定された規定状態の画面に遷移させる。例えば、操作対象と規定状態とをそれぞれ異なる画面とする場合、図3に示すように、表示部4にホーム画面30等の各種画面が表示されている状態において、操作モードが画面操作モードである場合、操作判定部20は、回転操作部12の第2操作に応じて、予め設定された機能選択画面34や機能設定画面等の規定画面の表示を選択する。なお、規定画面は、予め設定して記憶部7に記憶し、また、操作判定部20は、操作装置10の操作に応じて規定画面の設定操作を受け付け、任意に設定された規定画面を記憶部7に記憶してもよい。
【0057】
または、第2実施例の第5具体例では、制御部6の操作判定部20は、回転操作部12の第2操作に応じて操作対象の選択項目や選択肢を予め設定された規定状態の選択項目や選択肢に遷移させる。例えば、操作対象と規定状態とをそれぞれ選択項目や選択肢とする場合、図7に示すように、表示部4に機能選択画面34等が表示されている状態において、操作モードが画面操作モードである場合、操作判定部20は、回転操作部12の第2操作に応じて、規定選択肢として予め設定された選択領域34aを選択する。なお、規定選択肢は、予め設定して記憶部7に記憶し、また、操作判定部20は、操作装置10の操作に応じて規定選択肢の設定操作を受け付け、任意に設定された規定選択肢を記憶部7に記憶してもよい。
【0058】
あるいは、第2実施例の第6具体例では、制御部6の操作判定部20は、表示部4の画面に行列状に表示された操作対象の選択項目や選択肢を、回転操作部12の第1操作に応じて行方向又は列方向である第1方向へ遷移させる一方、回転操作部12の第2操作に応じて第1方向と直交する第2方向へ遷移させる。
【0059】
例えば、図7に示す機能選択画面34では、設定操作モードにおいて複数の選択領域34aを操作対象として、複数の選択領域34aが選択肢として行方向及び列方向に並んで表示されている。操作判定部20は、回転操作部12の正方向の第1操作に応じて選択領域34aの選択を行方向に1つずつ進行させる一方、逆方向の第1操作に応じて選択領域34aの選択を1つずつ後退させ、即ち、選択領域34aを行方向に遷移させる。一方、操作判定部20は、回転操作部12の正方向の第2操作に応じて選択領域34aの選択を列方向に1つずつ進行させる一方、逆方向の第2操作に応じて選択領域34aの選択を1つずつ後退させ、即ち、選択領域34aを列方向に遷移させる。
【0060】
また、図8に示す履歴カレンダー画面35では、設定操作モードにおいてカレンダー35aを操作対象として、複数の日付が選択肢として行方向及び列方向に並んで表示されている。操作判定部20は、回転操作部12の正方向の第1操作に応じて日付の選択を行方向に1つずつ進行させる一方、逆方向の第1操作に応じて日付の選択を1つずつ後退させ、即ち、日付を行方向に遷移させる。一方、操作判定部20は、回転操作部12の正方向の第2操作に応じて日付の選択を列方向に1つずつ進行させる一方、逆方向の第2操作に応じて日付の選択を1つずつ後退させ、即ち、日付を列方向に遷移させる。
【0061】
若しくは、第2実施例の第7具体例では、制御部6の操作判定部20は、表示部4の画面に択一的に表示された操作対象の選択項目や選択肢に対して、回転操作部12の第1操作に応じて一方の選択肢を選択及び決定する一方、回転操作部12の第2操作に応じて他方の選択肢を選択及び決定する。
【0062】
例えば、図9に示す温度単位設定画面36では、設定操作モードにおいて複数の温度単位選択肢36aを操作対象として、摂氏(°C)及び華氏(°F)の温度単位選択肢36aが選択肢として択一的に表示されている。操作判定部20は、回転操作部12の第1操作に応じて温度単位選択肢36aの選択を変更させる。一方、操作判定部20は、回転操作部12の正方向の第2操作に応じて一方の温度単位選択肢36aの選択を確定させる一方、逆方向の第2操作に応じて他方の温度単位選択肢36aの選択を確定させる。
【0063】
上記では、第2実施例における回転操作部12の第2操作による第2操作内容の例を記載したが、第2操作内容は、これらの例に限定されず、操作判定部20は、他の操作を行うように構成してもよい。また、第2実施例において、第2操作の第2操作内容は、選択項目や選択肢である操作対象毎に異なり、選択項目や選択肢を表示する表示部4の各種画面毎に異なる。そこで、操作判定部20は、各種画面の設定操作モード時の操作対象に対して、第2操作の第2操作内容の設定操作を操作装置10の操作に応じて受け付け、画面毎に任意に設定された第2操作内容を記憶部7に記憶してもよい。
【0064】
上記のように、本実施形態によれば、建設機械1の操作装置10は、回転操作を受け付ける回転操作部12を備える。操作装置10を制御する制御部6は、回転操作部12の回転操作量が所定の単位時間当たり所定の操作量閾値未満である第1操作に応じて、回転操作量に従った第1操作内容を操作対象に適用する一方、回転操作量が単位時間当たり操作量閾値以上である第2操作に応じて、第1操作内容と異なる第2操作内容を操作対象に適用する。
【0065】
これにより、操作装置10は、1つの回転操作部12の異なる操作毎に、異なる操作内容を操作対象に対して適用するので、1つの回転操作部12を備えるだけで複数の操作内容の何れかを操作対象に適用することができる。従って、建設機械1の様々な機能に対して操作内容の幅が広がるため、回転操作部12の操作性を向上した操作装置10を提供することができる。
【0066】
例えば、操作装置10を制御する制御部6は、回転操作部12の第1操作に応じて操作対象を回転操作量に従った変化量で遷移させる一方、回転操作部12の第2操作に応じて操作対象を予め設定された変化量で遷移させる。これにより、1つの回転操作部12の異なる操作によって、異なる変化量を選択的に操作対象に適用することが可能となり、回転操作部12の操作性を向上することができる。
【0067】
若しくは、操作装置10を制御する制御部6は、回転操作部12の第1操作に応じて操作対象を回転操作量に従った変化量で遷移させる一方、回転操作部12の第2操作に応じて操作対象を予め設定された規定状態に遷移させる。これにより、1つの回転操作部12の異なる操作によって、操作量に応じた遷移及び予め設定された遷移を選択的に操作対象に適用することが可能となり、回転操作部12の操作性を向上することができる。
【0068】
また、操作装置10において、操作対象を表示可能な表示部4は、規定状態を識別可能な態様で表示する。これにより、操作対象が遷移される状態を作業者に知らせることができ、回転操作部12の操作性を向上することができる。
【0069】
あるいは、操作装置10を制御する制御部6は、回転操作部12の第1操作により操作対象を所定の候補値に遷移させている場合に、回転操作部12の第2操作に応じて候補値を記憶部7に保存する。これにより、1つの回転操作部12の異なる操作によって、操作対象の遷移と一時保存とを選択的に行うことができ、回転操作部12の操作性を向上することができる。
【0070】
また、操作装置10において、操作対象を表示可能な表示部4は、候補値が記憶部7に保存されている間、候補値を識別可能な態様で表示する。これにより、一時保存した候補値を作業者に知らせることができ、回転操作部12の操作性を向上することができる。
【0071】
また、操作装置10を制御する制御部6は、候補値が記憶部7に保存されているとき、回転操作部12の第2操作に応じて操作対象を候補値に遷移させる。これにより、回転操作部12の簡易な第2操作によって、一時保存した候補値を操作対象に適用することができ回転操作部12の操作性を向上することができる。
【0072】
あるいは、操作装置10において、操作対象を表示可能な表示部4は、操作対象として複数の選択肢を選択可能に表示する。操作装置10を制御する制御部6は、回転操作部12の第1操作に応じて選択肢の選択を遷移させる一方、回転操作部12の第2操作に応じて選択肢の選択を決定する。これにより、1つの回転操作部12の異なる操作によって、操作対象である選択肢の選択と選択肢の決定とを選択的に行うことができ、回転操作部12の操作性を向上することができる。
【0073】
または、操作装置10において、操作対象を表示可能な表示部4は、操作対象として複数の選択肢を択一的に表示する。操作装置10を制御する制御部6は、回転操作部12の正回転方向の第2操作に応じて一方の選択肢を選択及び決定し、回転操作部12の逆回転方向の第2操作に応じて他方の選択肢を選択及び決定する。これにより、1つの回転操作部12の異なる操作によって、操作対象である択一的な選択肢の一方の選択確定と他方の選択確定とを選択的に行うことができ、回転操作部12の操作性を向上することができる。
【0074】
若しくは、操作装置10において、操作対象を表示可能な表示部4は、操作対象として複数の選択肢を行列状に表示する。操作装置10を制御する制御部6は、回転操作部12の第1操作に応じて操作対象を行方向又は列方向である第1方向へ遷移させる一方、回転操作部12の第2操作に応じて操作対象を前記第1方向と直交する第2方向へ遷移させる。これにより、1つの回転操作部12の異なる操作によって、行列状に配置された複数の選択肢の選択を簡易に行うことができ、回転操作部12の操作性を向上することができる。
【0075】
または、操作装置10において、操作対象を表示可能な表示部4は、遷移可能な複数の画面を表示する。操作装置10を制御する制御部6は、表示部4に表示される画面を操作対象として、第2操作に応じて現在表示中の画面に代えて他の画面を表示する。これにより、1つの回転操作部12の簡易な第2操作によって、表示部4に表示される画面を切り替えることができ、回転操作部12の操作性を向上することができる。
【0076】
また、操作装置10を制御する制御部6は、画面毎に回転操作部12の第2操作による第2操作内容を設定可能とする。これにより、複数の画面のそれぞれに表示される操作対象について、各操作対象に適した第2操作内容を適用することができる。従って、1つの回転操作部12の簡易な第2操作によって、作業者の所望する第2操作内容を操作対象に適用することができ、回転操作部12の操作性を向上することができる。
【0077】
更に、操作装置10は、回転操作部12の第2操作の第2操作内容を示す第2標識16を更に備える。これにより、作業者は第2標識16によって第2操作内容を確認することができ、第2操作の利用が促進され回転操作部12の操作性を向上することができる。
【0078】
また、操作装置10は、回転操作部12の第2操作の操作モードを切り替える切替操作部を更に備える。これにより、操作モードに応じて異なる操作内容を設定することで、1つの回転操作部12によって、更に操作内容の幅を広げることができ、回転操作部12の操作性を向上することができる。
【0079】
上記した実施形態では、操作装置10が、建設機械1に適用される例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、他の実施形態では、操作装置10は、建設機械1以外の作業機械に適用されてもよい。
【0080】
なお、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う操作装置及び建設機械もまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1 建設機械
2 走行部
3 作業部
4 表示部
5 操作部
6 制御部
7 記憶部
8 エンジン
10 操作装置
12 回転操作部
13 押圧操作部
14 切替操作部
15 第1標識
16 第2標識
20 操作判定部
21 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10