(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】接客サポートシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240404BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021171428
(22)【出願日】2021-10-20
【審査請求日】2023-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000128603
【氏名又は名称】株式会社オートバックスセブン
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】山原 猛
(72)【発明者】
【氏名】永島 由美
【審査官】西村 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-084182(JP,A)
【文献】特開2006-318065(JP,A)
【文献】特開2015-090654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の各売場を撮影するカメラと、
店舗販売に従事するスタッフが操作するスタッフ端末と、
売場別の各カメラで撮影された撮影データが入力され、前記撮影データ内に存在する人物認識処理を行い、認識された人物の売場での滞留時間を計測して滞留情報を出力する滞留管理部と、前記スタッフ端末それぞれに前記滞留情報を通知する滞留通知制御部と、を含む管理装置と、を有する接客サポートシステムであって、
前記滞留情報は、人物が認識された売場のエリア情報及び認識された人物の静止画像を含み、
前記スタッフ端末は、通知された前記滞留情報の人物への接客に関する接客アクションを入力可能に制御するとともに、スタッフによって前記接客アクションが入力された場合に、前記接客アクションに応じた対応ステータスを前記管理装置に送信し、
前記滞留通知制御部は、受信した前記対応ステータスを該当する前記滞留情報と紐付け、既に前記スタッフ端末に通知された前記滞留情報の人物と同じ人物の滞留情報が新たに出力された場合、既に通知された前記滞留情報に紐付く前記対応ステータスに基づいて、新たに出力された滞留情報の不通知及び再通知を決定する通知制御を行うことを特徴とする接客サポートシステム。
【請求項2】
前記スタッフ端末は、対応ボタン及び対応不要ボタンを含む接客アクションボタンを通じて前記接客アクションの入力を受け付ける入力制御と、前記対応不要ボタンに関連して予め設定された複数の対応不要理由の中から少なくとも1つの対応不要理由を選択可能に制御する選択制御と、を行い、
前記スタッフ端末は、前記接客アクションとして前記対応不要ボタンが選択された場合、対応不要を示す前記対応ステータスと前記対応不要理由とを前記管理装置に送信し、
前記滞留通知制御部は、既に通知された前記滞留情報に紐付く前記対応ステータスが対応不要である場合、前記対応不要理由に基づいて新たに出力された滞留情報の不通知及び再通知を決定することを特徴とする請求項1に記載の接客サポートシステム。
【請求項3】
前記対応不要理由は、滞留情報の不通知に関連付く、同一人物、対応済み、お連れ様、スタッフ及び関係者の少なくとも1つを含む第1対応不要理由と、滞留情報の再通知に関連付く、お客様不在、見込み客の少なくとも1つを含む第2対応不要理由と、を含み、
前記滞留通知制御部は、既に通知された前記滞留情報に紐付く前記対応ステータスが対応不要である場合に、紐付く対応不要理由が前記第1対応不要理由であれば、新たに出力された滞留情報が通知されないように不通知の決定をし、紐付く対応不要理由が前記第2対応不要理由であれば、新たに出力された滞留情報が通知されるように再通知の決定をすることを特徴とする請求項2に記載の接客サポートシステム。
【請求項4】
前記滞留通知制御部は、該当する前記滞留情報に受信した前記対応ステータスを紐付けるに際し、受け付けた前記対応ステータスが他の前記スタッフ端末で共有できるように通知更新処理を行い、
前記滞留通知制御部は、前記通知更新処理において、前記対応ステータスが対応不要である場合、前記対応不要理由を含む前記滞留情報の更新情報を生成して、前記スタッフ端末に送信することを特徴とする請求項2又は3に記載の接客サポートシステム。
【請求項5】
前記スタッフ端末は、滞留通知サポート制御部を備え、
前記滞留通知サポート制御部は、通知された前記滞留情報別に、前記滞留情報と、前記接客アクションの入力を受け付けるための対応ボタン及び対応不要ボタンを含む接客アクションボタンと、を含むように表示し、前記接客アクションボタンが選択された前記滞留情報を、前記接客アクションボタンの選択の有無、又は/及び選択された前記接客アクションボタンに応じて分類し、分類されたグループ毎に前記滞留情報を表示することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の接客サポートシステム。
【請求項6】
前記滞留情報は、各売場を撮影した前記カメラのカメラIDと紐付いており、
前記管理装置は、前記スタッフ端末から前記滞留情報別の映像配信要求を受け付け、受け付けた前記映像配信要求に基づいて該当の前記カメラで現在撮影中の映像を前記スタッフ端末に中継する映像配信部をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の接客サポートシステム。
【請求項7】
店舗の各売場を撮影するカメラと、店舗販売に従事するスタッフが操作するスタッフ端末と、がネットワークを通じて接続する管理装置を含み、前記スタッフ端末を通じてスタッフに接客サポートを提供する方法であって、
前記管理装置が、前記カメラで撮影された売場の撮影データ内に存在する人物認識処理を行い、認識された人物の売場での滞留時間を計測して滞留情報を出力し、前記スタッフ端末それぞれに前記滞留情報を通知するステップと、
前記スタッフ端末が、前記滞留情報に含まれる、人物が認識された売場のエリア情報及び認識された人物の静止画像を表示するとともに、通知された前記滞留情報の人物への接客に関する接客アクションを入力可能に制御するステップと、
前記スタッフ端末が、スタッフによって前記接客アクションが入力された場合に、前記接客アクションに応じた対応ステータスを前記管理装置に送信するステップと、
前記管理装置が、受信した前記対応ステータスを該当する前記滞留情報と紐付け、既に前記スタッフ端末に通知された前記滞留情報の人物と同じ人物の滞留情報が新たに出力された場合、既に通知された前記滞留情報に紐付く前記対応ステータスに基づいて、新たに出力された滞留情報の不通知及び再通知を決定する通知制御を行うステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店員による来店客への接客をサポートする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗での接客は、販売機会の向上及び客満足度の向上などに寄与する。一方で、近年は、深刻な人手不足であり、店舗スタッフ(店員)の業務負担が大きくなっているので、接客業務を効率良く行う必要がある。
【0003】
このような課題に対し、例えば、特許文献1に記載の技術を利用することができる。特許文献1の情報提供システムは、カメラで撮影した画像から客を特定し、特定された客が商品を見ている時間(滞留時間)が長いときは、店員用のディスプレイに表示したりする。陳列されている商品の売場に滞留していた時間に基づいて、商品を購入する見込みのある客か否かを判定し、客の情報を店員に提供することにより、店員は、客への働きかけ(接客)を効率的に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術は、売場での滞留時間に応じて接客の要/不要を判断するので、商品を購入する見込みがない客への接客をしなくてもよくなり、接客業務の非効率性を改善できる点において有用な手段であるが、単に、滞留状態を通知するだけでは接客業務の非効率性を改善することは難しい。
【0006】
1)一度接客した客や接客を断られた客に対し、他の店員がそれを知らずに接客すると、客満足度を低下させるおそれがある。また、客の連れ添いで来店している場合もあり、このような連れ添い客には接客は不要である。しかしながら、従来の仕組みでは、接客不要の情報を、店舗スタッフ側のアクションで(判断で)管理・共有することができなかった。つまり、サーバ側が滞留通知制御を行うが、その制御はサーバ側で設定されたルールに基づいて行われており、店舗スタッフのその場での判断が、滞留通知制御に反映できなかった。また、ルールを設定しようにもサーバ側の設定作業には手間が掛かり、さらにはその設定が反映されるまでにタイムラグが生じてしまう。このため、従来の仕組みでは、店舗スタッフの現場業務に合わせたサポートというよりは、サーバ側から提供するシステムのルールに合わせて現場業務を行う必要があり、店舗スタッフ側の自由度が逆に制限されてしまうおそれがある。
【0007】
2)また、接客自体を必要としない来店者も居る。例えば、売場に陳列される商品の視察等に来店する商品メーカー担当者などの関係者である。この場合は、その関係者を予め登録しておき、滞留検知されても通知しないようにシステム構築することが考えられるが、予め登録する手間を考慮すると現実的ではなく、さらには担当者が変わったり、客と見分けがつかないことも多く、サーバ側の人物認識処理で除外するのはシステムの肥大化と共にコスト増につながる。特に、店舗毎に関係者も異なるため、サーバ側でこれらを管理運用するのは効率的ではない。
【0008】
3)一方で、通知が発出されたときには売場に居たものの、通知を受けたスタッフが売場に行ったときには、または行くときに確認したら、既に立ち去った後であることもある。つまり、滞留していた客の不在というケースもある。この場合、通知に対して接客対応が不要になってしまったが、実際には接客が必要な客として捉えることができる。このため、リアルタイムに変化する店舗の状況に応じ、不在により接客できなかった客が再度滞留していれば通知するなどの滞留通知の制御を店舗スタッフ側のアクションで行えるほうが、接客業務の効率化を図ることができる。
【0009】
4)このように、店舗側のアクションに追随して接客の要/不要を管理運用できる仕組みが今までなく、店舗側のリアルタイムの現場の状況に応じて滞留通知をコントロールすることができなかった。
【0010】
そこで、本発明は、店舗側で接客の要/不要の管理運用を行うことができ、接客業務の効率化を図ることができる接客サポートシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明の接客サポートシステムは、店舗の各売場を撮影するカメラと、店舗販売に従事するスタッフが操作するスタッフ端末と、売場別の各カメラで撮影された撮影データが入力され、撮影データ内に存在する人物認識処理を行い、認識された人物の売場での滞留時間を計測して滞留情報を出力する滞留管理部と、スタッフ端末それぞれに滞留情報を通知する滞留通知制御部と、を含む管理装置と、を有する。ここで、滞留情報は、人物が認識された売場のエリア情報及び認識された人物の静止画像を含む。
【0012】
そして、スタッフ端末は、通知された滞留情報の人物への接客に関する接客アクションを入力可能に制御するとともに、スタッフによって接客アクションが入力された場合に、接客アクションに応じた対応ステータスを管理装置に送信し、滞留通知制御部は、受信した対応ステータスを該当する滞留情報と紐付け、既にスタッフ端末に通知された滞留情報の人物と同じ人物の滞留情報が新たに出力された場合、既に通知された滞留情報に紐付く対応ステータスに基づいて、新たに出力された滞留情報の不通知及び再通知を決定する通知制御を行う。
【0013】
(2)上記(1)において、上記スタッフ端末は、対応ボタン及び対応不要ボタンを含む接客アクションボタンを通じて接客アクションの入力を受け付ける入力制御と、対応不要ボタンに関連して予め設定された複数の対応不要理由の中から少なくとも1つの対応不要理由を選択可能に制御する選択制御と、を行うように構成することができる。そして、上記スタッフ端末は、接客アクションとして対応不要ボタンが選択された場合、対応不要を示す対応ステータスと対応不要理由とを管理装置に送信する。滞留通知制御部は、既に通知された滞留情報に紐付く対応ステータスが対応不要である場合、対応不要理由に基づいて新たに出力された滞留情報の不通知及び再通知を決定する。
【0014】
(3)上記(2)において、上記対応不要理由は、滞留情報の不通知に関連付く、同一人物、対応済み、お連れ様、スタッフ及び関係者の少なくとも1つを含む第1対応不要理由と、滞留情報の再通知に関連付く、お客様不在、見込み客の少なくとも1つを含む第2対応不要理由と、を含むように構成することができる。上記滞留通知制御部は、既に通知された滞留情報に紐付く対応ステータスが対応不要である場合に、紐付く対応不要理由が第1対応不要理由であれば、新たに出力された滞留情報が通知されないように不通知の決定をし、紐付く対応不要理由が第2対応不要理由であれば、新たに出力された滞留情報が通知されるように再通知の決定をするように構成することができる。
【0015】
(4)上記(2)から(3)において、上記滞留通知制御部は、該当する滞留情報に受信した対応ステータスを紐付けるに際し、受け付けた対応ステータスが他のスタッフ端末で共有できるように通知更新処理を行うことができる。このとき、上記滞留通知制御部は、通知更新処理において、対応ステータスが対応不要である場合、対応不要理由を含む滞留情報の更新情報を生成して、スタッフ端末に送信するように構成することができる。
【0016】
(5)上記(1)から(4)において、上記スタッフ端末は、滞留通知サポート制御部を備えるように構成することができる。滞留通知サポート制御部は、通知された滞留情報別に、上記滞留情報と、接客アクションの入力を受け付けるための対応ボタン及び対応不要ボタンを含む接客アクションボタンと、を含むように表示することができる。そして、接客アクションボタンが選択された滞留情報を、接客アクションボタンの選択の有無、又は/及び選択された接客アクションボタンに応じて分類し、分類されたグループ毎に滞留情報を表示するように構成することができる。
【0017】
(6)上記(1)から(5)において、上記滞留情報は、各売場を撮影した前記カメラのカメラIDと紐付くように構成することができ、上記管理装置は、スタッフ端末から滞留情報別の映像配信要求を受け付け、受け付けた映像配信要求に基づいて該当のカメラで現在撮影中の映像をスタッフ端末に中継する映像配信部を備えるように構成することができる。
【0018】
(7)本発明の方法は、店舗の各売場を撮影するカメラと、店舗販売に従事するスタッフが操作するスタッフ端末とがネットワークを通じて接続する管理装置を含み、スタッフ端末を通じてスタッフに接客サポートを提供する。本方法は、管理装置が、カメラで撮影された売場の撮影データ内に存在する人物認識処理を行い、認識された人物の売場での滞留時間を計測して滞留情報を出力し、スタッフ端末それぞれに滞留情報を通知するステップと、スタッフ端末が、滞留情報に含まれる、人物が認識された売場のエリア情報及び認識された人物の静止画像を表示するとともに、通知された滞留情報の人物への接客に関する接客アクションを入力可能に制御するステップと、スタッフ端末が、スタッフによって接客アクションが入力された場合に、接客アクションに応じた対応ステータスを管理装置に送信するステップと、管理装置が、受信した対応ステータスを該当する滞留情報と紐付け、既にスタッフ端末に通知された滞留情報の人物と同じ人物の滞留情報が新たに出力された場合、既に通知された滞留情報に紐付く対応ステータスに基づいて、新たに出力された滞留情報の不通知及び再通知を決定する通知制御を行うステップと、を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、スタッフ端末において人物が認識された売場のエリア情報及び認識された人物の静止画像を含む滞留情報が表示されると共に、通知された滞留情報の人物への接客に関する接客アクションを入力可能に制御し、スタッフが選択した接客アクションボタンに応じた対応ステータスを該当の滞留情報と紐付けて管理装置に反映する。
【0020】
そして、既にスタッフ端末に通知された滞留情報の人物と同じ人物の滞留情報が新たに出力された場合、既に通知された滞留情報に紐付く対応ステータスに基づいて、新たに出力された滞留情報の不通知及び再通知を決定する。
【0021】
このように構成することで、店舗側で滞留通知の制御を行うことができる。つまり、店舗側で滞留情報の人物への接客に関する対応ステータスを割り当てることで、同一人物に対する今後の滞留情報の不通知及び再通知を制御することができる。したがって、店舗毎に、現場の状況に応じた接客の要/不要を管理・運用することができ、接客業務の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1実施形態の接客サポートシステムのネットワーク構成図である。
【
図2】第1実施形態の接客サポートシステムを構成する各機器の機能ブロック図である。
【
図3】第1実施形態の滞留管理、滞留通知、スタッフ端末との連携を含む機能説明図である。
【
図4】第1実施形態のスタッフ端末に表示される滞留通知画面及び滞留通知カードの一例を示す図である。
【
図5】第1実施形態の滞留通知カードを説明するための図である。
【
図6】第1実施形態のスタッフ端末での滞留通知カードのカード属性(対応ステータス)の更新及び分類処理を説明するための図である。
【
図7】第1実施形態のスタッフ端末での滞留通知カードのカード属性(対応ステータス)の更新及び分類処理を説明するための図である。
【
図8】第1実施形態の接客サポートシステムの処理フローを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1実施形態)
図1から
図8は、第1実施形態を説明するための図である。
図1は、本実施形態の接客サポートシステムのネットワーク構成図である。
【0024】
図1に示すように、店舗の商品が陳列される売場には、カメラ1が設置されている。カメラ1は、ネットワークを介して管理装置100に接続されており、売場の撮影データが管理装置100に入力される。管理装置100は、カメラ1から受信した撮影データ内の来店客を含む人物の人物認識処理を行い、認識された人物別に滞留時間(売場に留まっている時間)を計測する。管理装置100は、カメラ1が設置された店舗のスタッフ(店員、販売員等の店舗販売に従事するスタッフ)が操作するスタッフ端末300とネットワークを介して接続しており、売場に人物が滞留していることをスタッフ端末300に通知する。
【0025】
カメラ1は、1つの売場に少なくとも1つ以上設置することができ、各売場それぞれに1つ又は複数のカメラを設置することができる。説明の便宜上、カメラ1と称しているが、店舗毎に又は売場毎に1つ又は複数のカメラ1~カメラnが設置される。カメラ1は、どの売場を撮影しているのかを識別するカメラIDで管理され、カメラ1から管理装置100に出力される撮影データにはカメラIDが含まれる。カメラIDは、さらに店舗別に識別可能に管理される。本システムは、複数の各店舗別に接客サポートサービスを提供するように構成することができる。
【0026】
本実施形態の接客サポートシステムは、カメラ1の撮影データに基づく人物の滞留検知を行い、これを店舗スタッフに通知する滞留検知・通知技術を前提としつつ、店舗側で接客の要/不要の管理・運用を行うことができる仕組みを導入している。
【0027】
第1に、人物が認識された売場(店舗の商品販売エリア情報)、認識された人物の静止画像を含む滞留情報がスタッフ端末300に通知され、スタッフ端末300が、通知された滞留情報の人物への接客に関する接客アクションを入力可能に制御するとともに、管理装置100で、スタッフによって選択された接客アクションに応じた対応ステータスを把握する。
【0028】
そして、既にスタッフ端末300に通知された滞留情報の人物と同じ人物の滞留情報が新たに出力された場合、既に通知された滞留情報に紐付く対応ステータスに基づいて、当該新たに出力された滞留情報の不通知及び再通知を決定する通知制御を行う。
【0029】
すなわち、本実施形態の接客サポートシステムは、一度通知した滞留情報と同一の人物を店舗側に通知するか否かを、店舗側のアクションで仕分けする滞留通知仕分け機能を提供する。接客アクションに対応する対応ステータスは、同一人物への接客の要/不要を仕分けする滞留通知仕分け情報としてスタッフ端末300から管理装置100に送られ、各スタッフ端末300から上がって来る滞留通知仕分け情報を一括して管理し、滞留情報の通知制御を、店舗別の現場の状況または店舗において日々変化する状況に応じてカスタマイズすることができる。これにより、店舗毎に、現場の状況に応じた接客の要/不要を容易にかつ柔軟に運用することができ、接客業務の効率化を図ることができる。
【0030】
以下、本システムについて詳細に説明する。
図2は、接客サポートシステムを構成する各機器の機能ブロック図である。
図3は、滞留管理、滞留通知、スタッフ端末300との連携を含む機能説明図である。
【0031】
図2に示すように、管理装置100は、通信装置110、制御装置120、記憶装置130を備えている。通信装置110は、店舗別に通信を区画した通信制御を行い、店舗のカメラ1及びスタッフ端末300とデータ通信を行う。通信装置110は、IP網や4G/5G/LTE回線(携帯電話回線を介したモバイルデータ通信)などの移動通信網を通じ、カメラ1及びスタッフ端末300と通信する。
【0032】
制御装置120は、滞留管理部121、滞留通知制御部121、ライブ配信部123を含んで構成される。
【0033】
図3に示すように、滞留管理部121は、カメラ1で撮影された撮影データ内に存在する人物認識処理を行い、認識された1つ又は複数の各人物別に識別ID(人物ID)を割り当てる。そして、同一人物判定処理を行い、同一人物の滞留時間を計測する滞留検知処理を行う。人物IDが割り当てられた各人物の滞留時間の計測は、滞留管理情報132として記憶装置130に保持・管理される。
【0034】
なお、滞留検知処理は、公知の手法を適用することができる。また、人物認識処理や同一人物判定処理などは、例えば、AIアルゴリズムで構築された学習済みモデルを使用することができる。
【0035】
また、滞留管理部121は、特定人物を除外する処理を行うこともできる。例えば、店舗のスタッフは、専用のユニホームやネームプレート、腕章などを着用しているケースがあり、例えば、スタッフしか着用していない特徴部分を予め登録し、人物認識処理においてその特徴部分が抽出された人物を除外した滞留検知処理を行うように構成することができる。例えば、スタッフと判定された人物に対する滞留時間の計時を行わないように制御したり、滞留通知制御部121への滞留情報の出力の際に、スタッフと判定された人物の滞留情報を除外したりすることができる。
【0036】
滞留管理部121は、計測された同一人物の滞留時間が所定の時間を超えた場合、滞留通知制御部121に、カメラID、人物ID、人物を含む静止画像、検知日時、滞留時間、エリア(売場)名などを含む滞留情報を出力する。なお、所定の時間は、任意に設定することができ、分刻みや秒刻みで、例えば、5分、10分などを設定することができる。また、滞留時間の計測としては、例えば、所定時間の間、常に該当の人物が映っていた時間を計測する態様と、その売場に複数回に渡って来場し、時間を空けて複数回撮影データで認識された合計の時間を滞留時間とする態様と、を含むように構成することができる。
【0037】
検知日時は、撮影データ内で最初に人物として検知された日時又は滞留時間が所定の時間を超えたときの日時である。静止画像は、撮影データから抽出された(切り取られた)サムネイル画像である。滞留情報は、後述する滞留通知仕分け情報と共に滞留情報133として記憶装置130に格納される。
【0038】
滞留通知制御部122は、滞留管理部121から出力された滞留情報を、店舗のスタッフ端末300に送信する滞留通知制御と、スタッフ端末300から送信される滞留情報別の各滞留通知仕分け情報を受け付け、該当の滞留情報に滞留通知仕分け情報(対応ステータス、対応不要理由)を紐付ける処理を行う。
【0039】
ライブ配信部123は、スタッフ端末300からのライブ配信要求を受け付け、該当するカメラで撮影されている映像(動画像)をスタッフ端末300に中継配信する映像配信機能を提供する。
【0040】
記憶装置130は、各種情報が記憶される。カメラ1及びスタッフ端末300は、店舗別にグループ化され、カメラID、スタッフ端末300の識別IDがマスタ情報(店舗情報131)として予め登録される。また、滞留管理情報132、滞留情報133、滞留通知仕分けマスタ情報134を格納する。
【0041】
滞留通知仕分けマスタ情報134は、
図3に示すように、通知された滞留情報の人物への接客に関してスタッフが入力する接客アクションと、接客アクション別に対応ステータスとを定義した情報であり、さらに、対応ステータス又は対応不要理由に応じた、同じ人物の滞留情報が新たに出力された場合の当該滞留情報の不通知及び再通知の設定情報を含んで構成されている。不通知及び再通知の設定情報は、滞留通知制御部122による滞留通知処理に使用される。
【0042】
接客アクションは、「対応」、「対応不要」の2つのアクションを含み、「購入」及び「非購入」は、接客アクション「対応」に付随した接客した結果のアクションである。「対応」、「対応不要」、「購入」及び「非購入」は、接客アクションボタンとしてスタッフ端末300で滞留情報別に表示され、スタッフによって操作(選択)される。なお、通知された滞留情報に対して「何もしないで一定時間経過した」事象も、接客アクション(未対応のアクション)として管理することができる。
【0043】
接客アクション「対応」には、対応ステータスとして「対応中」が紐付けられ、「購入」のアクションには、対応ステータス「完了(購入)」が、「非購入」のアクションには、対応ステータス「完了(非購入)」がそれぞれ紐付けられている。接客結果として商品・サービスを購入したか、購入しなかったことのログ収集は、フィードバック情報として活用することができる。例えば、後日来店した同一人物の滞留情報を通知する際に、当該人物IDで過去の滞留通知仕分け情報を参照し、対応ステータス「完了(購入)」である場合には、追加情報として「以前購入客」などの情報を付加するようにしてもよい。
【0044】
一方、接客アクション「対応不要」には、対応ステータスとして「対応不要」が紐付けられるが、さらに、「対応不要」とした理由として、「対応不要理由」が紐付くように定義されている。「対応不要理由」は、「同一人物」、「対応済み」、「お連れ様」、「スタッフ」及び「関係者」の第1グループと、「お客様不在」及び「見込み客」の第2グループと、が含まれる。
【0045】
第1グループの対応不要理由は、同一人物が再度滞留検知処理で抽出されてもスタッフ端末300に通知しない「滞留情報の不通知」に関連付いている。また、第2グループの対応不要理由は、同一人物が再度滞留検知処理で抽出されたとき、スタッフ端末300に通知する「滞留情報の再通知」に関連付いている。
【0046】
この滞留通知仕分けマスタ情報134は、各スタッフ端末300にも提供され、管理装置100との間で同期している。
図3に示すように、管理装置100から通知された滞留情報は、通知ID別に滞留通知カードとしてスタッフ端末300で表示され、スタッフ端末300は、通知された滞留情報の人物への接客に関する接客アクションを入力可能に制御する。滞留通知カードに対し、スタッフは「対応」、「対応不要」、「購入」及び「非購入」の各接客アクションに対応するボタンを、接客対応に合わせて操作する。スタッフによって接客アクションが入力されると、滞留通知サポート制御部330は、接客アクションが「対応不要」であれば、通知IDと紐付けて対応ステータス「対応不要」と「対応不要理由」を含む滞留通知仕分け情報を管理装置100に送信し、接客アクションが「対応不要」以外であれば、通知IDと紐付けて対応ステータスを含む滞留通知仕分け情報を管理装置100に送信する。
【0047】
滞留通知制御部122は、スタッフ端末300から滞留通知仕分け情報を受け付け、通知IDをキーに該当の滞留情報に受信した滞留通知仕分け情報を関連付ける。
図3の例では、対応ステータス及び対応不要理由の各項目が含まれるように滞留情報133を構成し、受信した滞留通知仕分け情報を格納している。
【0048】
滞留通知制御部122は、該当の滞留情報に受信した滞留通知仕分け情報を紐付けるに際し、受け付けた対応ステータスが他のスタッフ端末300で共有できるように通知更新処理を行う。具体的には、滞留情報に紐付く滞留通知仕分け情報を更新情報として各スタッフ端末300に送信する。このとき、滞留通知制御部122は、対応ステータスが「対応不要」である場合、「対応不要理由」を含む更新情報を生成して、スタッフ端末300に送信する。
【0049】
そして、滞留通知制御部122は、既にスタッフ端末300に通知された滞留情報の人物と同じ人物の滞留情報が新たに出力された場合、言い換えれば、新たな滞留情報が滞留管理部121から出力された場合、当該新たな滞留情報の人物IDを用いて、既に通知された滞留情報を照合し、同じ人物IDを含む既通知の滞留情報があるか否かを判別する。同じ人物IDを含む既通知の滞留情報がなければ、新たな滞留情報としてスタッフ端末300に送信する滞留通知処理を行う。このとき、同じ売場であることが条件となる。つまり人物IDは同じでも別の売場で検知された場合、個別の通知IDによって管理され、当該別の売場で検知された滞留情報に対しては、既通知された滞留情報の再通知/不通知と関係なく滞留通知処理が行われる。上述のように、同じ売場に複数台のカメラを設置することもできるので、売場毎に通知IDが異なるように管理され、異なる売場での滞留検知が混在しないように制御する。
【0050】
一方、同じ人物IDを含む既通知の滞留情報が存在する場合、抽出された既通知の滞留情報に紐付く滞留通知仕分け情報を参照し、対応ステータス又は対応不要理由に応じて再通知/不通知を決定する。滞留通知制御部122は、対応ステータスが「対応不要」以外であれば、同じ人物IDを含む新たな滞留情報を通知しない不通知の決定をする。また、滞留通知制御部122は、対応ステータスが「対応不要」である場合、さらに「対応不要理由」を考慮し、第1グループの対応不要理由であれば、同じ人物IDを含む新たな滞留情報を通知しない不通知の決定をし、第2グループの対応不要理由であれば、同じ人物IDを含む新たな滞留情報を通知する再通知の決定をする。滞留通知制御部122は、再通知の決定に伴い、同じ人物IDを含む新たな滞留情報をスタッフ端末300に通知(送信)する。
【0051】
なお、滞留通知制御部122は、同じ人物IDを含む新たな滞留情報を再通知する滞留通知処理を行う場合、該当の滞留情報に紐付く滞留通知仕分け情報をリセット(削除)したり、再通知された滞留情報に対するスタッフの対応アクションに基づく滞留通知仕分け情報を受信して更新したりするように構成することができる。また、滞留通知仕分け情報が第2グループの場合、再通知時は当初の1枚目の滞留通知カードとは別に、新たに2枚目の滞留通知カードが表示されるように制御することもできる。この場合、1枚目の滞留通知カードの滞留通知仕分け情報は、後述する滞留通知画面上で確認出来るよう保持することができる。また、新たに表示される2枚目の滞留通知カードは、滞留通知仕分け情報がリセットされた状態で、後述のカテゴリ「要対応」分類する表示制御を行うことができる。
【0052】
このように本実施形態の接客サポートシステムは、スタッフの接客アクションの入力(操作)に応じた対応ステータス/対応不要理由が、既通知の滞留情報と同じ人物の滞留情報が新たに出力された場合、それを不通知とするか再通知するのかの通知制御と連動する。
【0053】
次に、スタッフ端末300について説明する。スタッフ端末300は、一例として、各スタッフが携帯して持ち歩くことができるタブレット端末を適用することができる。スタッフ端末300は、無線通信機能を備えた通信部310、タッチパネル方式の表示入力部320、滞留通知サポート制御部330、再生制御部340、記憶部350を含んで構成されている。なお、スタッフ端末300は、その他にマイクやスピーカ等の各種機能を備えることができ、通信機能及び演算機能(CPU、メモリ等)を備えた情報処理装置を適宜採用することができる。また、接客業務を行う利便性を考慮し、スタッフが持ち運び可能なタブレット端末を一例に挙げたが、例えば、店舗のバックオフィスに設置される据え置き型のコンピュータ装置であってもよい。この場合、例えば、マネージャーがバックオフィスで各滞留通知カードを見て、スタッフに接客に向かうよう指示を出しつつ、対応アクションを入力したりすることもできる。
【0054】
滞留通知サポート制御部330は、スタッフ端末300に事前にインストールされたアプリケーションであり、管理装置100から提供される滞留情報に基づいた滞留通知サポート機能を提供する。再生制御部350は、動画再生機能を提供し、カメラ1からのライブ配信映像の再生処理を行う。
【0055】
図4は、スタッフ端末300に表示される滞留通知画面及び滞留通知カードの一例を示す図である。
図5は、滞留通知カードを説明するための図である。
【0056】
図4に示すように、滞留通知サポート制御部330は、通知された滞留情報別に、当該滞留情報と、接客アクションの入力を受け付けるための対応ボタン及び対応不要ボタンを含む接客アクションボタンと、を含むように表示する。一例として、人物が認識された売場のエリア情報、検知日時、滞留時間、ユーザID(人物ID)、認識された人物の静止画像、及び接客アクションボタンを含むカード形式の滞留通知カードで、各滞留情報を表示するように構成することができる。
【0057】
対応アクションボタンは、滞留通知仕分けマスタ情報134の「対応」、「対応不要」、「購入」、「非購入」に基づいて設けられ、「対応不要」ボタンは、
図5に示すように、さらに、複数の対応不要理由が選択可能に表示される。なお、滞留通知カードには、取り消しボタンが含まれるように構成することができる。例えば、滞留通知サポート制御部330は、滞留通知カードに対して取り消しボタンが表示されるように制御し、対応アクションボタンを選択した後に他の対応アクションボタンに選択し直したい場合、スタッフは、取り消しボタンを選択する。滞留通知サポート制御部330は、取り消しボタンが選択された滞留通知カードに対し、対応アクションボタンが未選択の状態に戻すように制御し、改めていずれかの対応アクションボタンを選択できるようにすることができる。
【0058】
また、滞留通知サポート制御部330は、接客アクションボタンが選択された滞留通知カードを、接客アクションボタンの選択の有無、又は/及び選択された接客アクションボタンに応じて分類し、分類されたグループ毎に滞留情報を表示するように制御することができる。
図4に示すように、要対応、対応不要、対応完了、未対応の各カテゴリを設けることができる。
【0059】
図6及び
図7は、スタッフ端末300での各滞留通知カードの分類処理を説明するための図である。
図6に示すように、滞留通知サポート制御部330は、滞留情報を受け取った際、デフォルトで滞留通知カードに対し、対応ステータスが関連付けられていない「滞留中」のカード属性が関連付け、カテゴリ「要対応」に分類することができる。つまり、接客アクションボタンが選択されていない滞留通知カードとして、カード属性「滞留中」に紐付くカテゴリ「要対応」に分類することができる。このとき、滞留通知サポート制御部330は、「対応」ボタンと「対応不要」ボタンを選択可能にアクティブにし、「購入」、「非購入」の各ボタンを非アクティブにする表示制御を行う。
【0060】
滞留通知カードを見て接客に向かうとき、スタッフは、「対応」ボタンを押す。これにより滞留通知カードのカード属性は「対応中」となる。カード属性「対応中」は、滞留通知仕分けマスタ情報134の対応ステータス「対応中」に相当する。カード属性「対応中」は、カテゴリ「要対応」と紐付いている。滞留通知サポート制御部330は、「対応」ボタンが選択されたことに伴い、「購入」ボタン及び「非購入」ボタンを選択可能にアクティブにし、「対応不要」ボタンを非アクティブにする。
【0061】
スタッフは、「対応」ボタンを押して接客した結果、来店客が商品を購入する意志があると判断した場合、「購入」ボタンを押す。一方、商品を購入しないとの心証を得た場合、「非購入」ボタンを押す。「購入」ボタンはカード属性「完了(購入)」、「非購入」ボタンは、カード属性「完了(非購入)」と関連しており、それぞれカテゴリ「対応完了」と紐付いている。これらのカード属性も、滞留通知仕分けマスタ情報134の対応ステータス「完了(購入)」、「完了(非購入)」に相当する。「対応中」ボタンが押された後、「購入」ボタン又は「非購入」ボタンが押されると、当該滞留通知カードの分類先が「要対応」から「対応完了」に変る。滞留通知サポート制御部330は、この分類先の変化(変更)に伴い、例えば、カテゴリ「要対応」に表示されていた滞留通知カードを、カテゴリ「対応完了」に移動させて表示する表示制御を行うことができる。
【0062】
また、滞留通知サポート制御部330は、いずれかの対応アクションボタンも選択されず、「滞留中」のカード属性のままである滞留通知カードに対し、いずれの対応アクションボタンも選択されていない状態が所定時間経過したか否かを判別し、所定期間経過した場合は、カード属性を「未対応」に変更し、カテゴリ「要対応」からカテゴリ「未対応」に移動させる。カード属性「未対応」も、滞留通知仕分けマスタ情報134の対応ステータス「未対応」に相当する。
【0063】
この場合、滞留通知サポート制御部330は、いずれの対応アクションボタンも選択されなかった時間が所定時間を経過したことに伴い、滞留通知仕分け情報として対応ステータス「未対応」を管理装置100に送信することができる。また、対応ステータス「未対応」の制御については、管理装置100で行うように構成することもできる。例えば、滞留情報を通知した後の時間を計時し、スタッフ端末300から滞留通知仕分け情報を受信しない時間が所定の時間を超える場合、管理装置100側で該当の滞留情報の対応ステータスを「未対応」の更新し、各スタッフ端末300に、管理装置100側で更新した滞留通知仕分け情報「未対応」を提供するように構成することができる。
【0064】
なお、対応ステータス「未対応」は、対応ステータス「対応不要」の第2グループの対応不要理由と同様に、不通知ではなく再通知の通知制御となるように構成することができる。
【0065】
次に、カテゴリ「対応不要」は、接客アクションボタン「対応不要」と紐付いており、接客アクションボタン「対応不要」が選択された滞留通知カードは、カード属性が「対応不要」となり、デフォルトのカテゴリ「要対応」からカテゴリ「対応不要」に分類変更される。カード属性「対応不要」は、滞留通知仕分けマスタ情報134の対応ステータス「対応不要」に相当する。ここで、上述のように、滞留通知サポート制御部330は、接客アクションボタン「対応不要」の選択制御において、必ず対応不要理由を選択するように制御する。このため、カード属性は、対応不要理由を含むように構成することができる。なお、滞留通知サポート制御部330は、対応不要理由が選択されると、
図5に示すように、ブランクで表示されていた対応不要理由の表示欄に、選択された対応不要理由を表示する表示処理を行うことができる。
【0066】
このように本実施形態では、スタッフ端末300において、通知された滞留情報別に滞留通知カードが表示され、各カードに対してスタッフが接客アクションを入力することで、カード属性、すなわち、対応ステータスを付与又は変化させ、滞留情報を仕分けすることができる。仕分けに際しては、仕分けした各カード属性に応じて各カテゴリ(分類)に滞留通知カードを移動させるなどの表示制御を行うことができる。
【0067】
滞留通知サポート制御部330は、スタッフが操作した通知された滞留情報に対するカード属性の変更、すなわち、対応ステータスの付与又は変更の履歴を、通知ID別に滞留通知仕分け情報として、管理装置100に送信する。
【0068】
なお、カテゴリ「対応不要」及び「未対応」に分類表示された滞留通知カードに対して再通知の滞留情報を受け取った場合、滞留通知サポート制御部330は、該当の滞留通知カードのカード属性を「滞留中」に更新し、カテゴリ「対応不要」又は「未対応」からカテゴリ「要対応」に移動させて表示することができる。
【0069】
図8は、本実施形態の接客サポートシステムの処理フローを示す図である。
【0070】
管理装置100は、店舗毎に当該店舗に属する各売場のカメラ1で撮影された撮影データを、ネットワークを介して受け付ける。管理装置100は、撮影データ内に存在する人物認識処理を行い(S101)、認識された人物毎に識別ユーザIDを採番して人物IDを割り当て(S103)、滞留管理情報をして記録する。このとき、管理装置100は、同一人物判定を行い(S102)、既に採番された人物と同一人物であれば、ステップS103を行わない。
【0071】
管理装置100は、認識された人物の滞留時間を計測するが、当該滞留時間の計測対象として予め設定した特定の人物を除外することができる(S104)。一例として、上述したように店員であるか否かを判別し、店員である場合は(S104のYES)、その人物IDに対する滞留時間の計測を行わず、かつ滞留情報の出力、通知の対象から除外する(S108)。
【0072】
一方、除外する特定の人物ではない場合(S104のNO)、管理装置100は、認識した人物の画像データ(サムネイル画像)を、撮影データに基づいて更新(取得)し(S105)、計測されている滞留時間が予め設定された所定の時間を超えたか否かを判定する(S106)。計測された滞留時間が所定の時間を超えていないと判定された場合は(S106のNO)、ステップS101に戻り、人物認識処理及び同じ人物の滞留時間計測処理を引き続き行う。
【0073】
ステップS106において、計測されている滞留時間が予め設定された所定の時間を超えたと判定された場合(S106のYES)、管理装置100は、滞留情報を出力する。そして、出力された滞留情報に対し、滞留通知仕分け情報に基づく通知条件判定処理を行う(S107)。滞留通知仕分け情報に基づく通知条件判定処理の結果、通知条件を満たさないと判定された場合(S107のNO)、ステップS108に進み、当該滞留情報をスタッフ端末300に通知しない「不通知」制御を行う。通知条件を満たすと判定された場合(S107のYES)、ステップS109に進み、当該滞留情報を複数の各スタッフ端末300に通知する(S109,再通知を含む)。
【0074】
スタッフ端末300では、通知された滞留情報に対して、既通知の滞留情報と同一の滞留情報であるか否かを判定し(S301)、新しい滞留情報であると判定された場合は、新たな滞留通知カードを生成して表示する処理を行う(S302)。既通知と同じ滞留情報であると判定された場合は、既に生成された滞留通知カードに対する更新処理を行う(S303)。
【0075】
スタッフ端末300では、各滞留通知カードに紐付くカメラ1の撮影データを閲覧することができ、「LIVE」ボタンを選択することで、現在のカメラ1の映像を再生することができる。スタッフ端末300は、「LIVE」ボタンが選択されると、カメラIDを含むライブ配信要求を管理装置100に送信し、管理装置100が該当のカメラの撮影映像をスタッフ端末300に配信する(S304,S110)。
【0076】
スタッフは、各滞留通知カード別に接客アクションを選択し、スタッフ端末300は、選択された接客アクションに応じた滞留通知仕分け情報を当該滞留情報に関連付け(S306)、滞留通知仕分け情報を管理装置100に送信する(S307)。また、スタッフ端末300は、関連付けられた滞留通知仕分け情報に応じた滞留通知カードの表示(分類)処理を行う(S308)。
【0077】
管理装置100は、スタッフ端末300から受信した滞留通知仕分け情報を該当の滞留情報に紐付け(S111)、他のスタッフ端末300への同期処理として、受け付けた滞留通知仕分け情報を配信する(S112)。他のスタッフ端末300は、同期処理のための滞留通知仕分け情報を管理装置100から受け取ると、該当の滞留通知カードの滞留通知仕分け情報を更新し、ステップS308と同様に、更新された滞留通知仕分け情報に応じた滞留通知カードの表示(分類)処理を行う。
【0078】
管理装置100は、リセット処理を行うことができる(S113)。例えば、本実施形態の滞留通知の各制御は、日単位でリセットすることができる。つまり、既通知の滞留情報に対する再通知/不通知は、店舗のその日の営業時間内に行われ、翌日の既通知の滞留情報に対する再通知/不通知は、先日の既通知の滞留情報に対する再通知/不通知とは独立して行うように構成することができる。
【0079】
なお、滞留情報は、各日別に履歴情報として管理装置100に格納しておくことができる。また、一度認識した人物については、翌日以降の滞留検知処理において同じ人物IDで管理・運用したり、過去に認識したことのある人物でも、その日毎に改めて人物IDを割り当てて管理・運用したりすることができる。
【0080】
本実施形態の接客サポートシステムは、店舗側で滞留情報の人物への接客に関する対応ステータスを割り当ることで、同一人物に対する今後の滞留情報の不通知及び再通知を制御することができる。したがって、店舗毎に、現場の状況に応じた接客の要/不要を管理・運用することができ、接客業務の効率化を図ることができる。
【0081】
特に、管理装置100側で滞留検知された各人物に対する再通知/不通知のための判断処理を行う必要がないため、システムの肥大化及びコスト増を抑制し、簡素化されたシステム構成とすることができる。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明したが、管理装置100を構成する各制御装置及び各記憶装置は、1つ又は複数のコンピュータ装置で実現することができ、また、複数のコンピュータ装置に各処理部を任意に分散させて構築することもできる、
【0083】
また、管理装置100の各機能は、プログラムによって実現可能であり、各機能を実現するために予め用意されたコンピュータプログラムが補助記憶装置に格納され、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された該プログラムを制御部が実行することで、各部の機能を動作させることができる。
【0084】
また、上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、コンピュータに提供することも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD-ROM等の光ディスク、DVD-ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、本発明の目的のために特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1 カメラ
100 管理装置
110 通信装置
120 制御装置
121 滞留管理部
122 滞留通知制御部
123 ライブ配信部
130 記憶装置
131 店舗情報
132 滞留管理情報
133 滞留情報
134 滞留通知仕分けマスタ情報
300 スタッフ端末
310 通信部
320 表示入力部
330 滞留通知サポート制御部
340 再生制御部
350 記憶部