(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】導電性シールおよび導電性ハウジングを用いて電磁妨害(EMI)からコネクタアセンブリを遮蔽および接地する方法
(51)【国際特許分類】
H01R 43/00 20060101AFI20240404BHJP
H01R 13/6581 20110101ALI20240404BHJP
【FI】
H01R43/00 B
H01R13/6581
(21)【出願番号】P 2021506495
(86)(22)【出願日】2019-08-09
(86)【国際出願番号】 US2019045971
(87)【国際公開番号】W WO2020176129
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-08-08
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507164434
【氏名又は名称】ジェイ.エス.ティー.コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100128912
【氏名又は名称】松岡 徹
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド デマラトス
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-177189(JP,U)
【文献】特開2000-340304(JP,A)
【文献】特開2017-045507(JP,A)
【文献】米国特許第08058569(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 43/00
H01R 31/06
H01R 24/54
H01R 13/6581
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁妨害(EMI)からコネクタアセンブリを遮蔽および接地する方法であって、
(a)前記EMIを複数の導電性シールに導く工程であって、
前記複数の導電性シールとして、第1のシール、第2のシールおよび第3のシールを含み、前記第1のシールは、第1のワイヤシールド
と前記第1のワイヤシールドに接触する第1のフェルールとの接合部である第1の接合部を包囲するとともに前記第1の接合部に接触し
、前記第3のシールは、第2のワイヤシールドと前記第2のワイヤシールドに接触する第2のフェルールとの接合部である第2の接合部を包囲するとともに前記第2の接合部に接触し、前記EMIを、前記第1のシールに導き、その後に前記第2のシールに導き、さらにその後に前記第3のシールに導くことを特徴とする工程と、
(b)前記EMIを少なくとも
、第1のワイヤシールドと前記第1のワイヤシールドに接触する第1のフェルールとの接合部である第1の接合部を包囲するとともに前記第1の接合部に接触する第1の導電性シールが内側に配置される第1の導電性ハウジングに導
き、その後に、第2のワイヤシールドと前記第2のワイヤシールドに接触する第2のフェルールとの接合部である第2の接合部を包囲するとともに前記第2の接合部に接触する第2の導電性シールが内側に配置される第2の導電性ハウジングに導く工程と、
の少なくとも一方を特徴とする方法。
【請求項2】
前記EMI
を少なくとも
、前記第1の導電性ハウジング
に導き、その後に前記第2の導電性ハウジングに導く工程が、
(i)前記EMIを
前記第1の導電性ハウジングとしてのオス側の導電性ハウジングに導く工程と、
(ii)前記EMIを
前記第2の導電性ハウジングとしてのメス側の導電性ハウジングに導く工程と、の少なくとも一方を含むことを特徴とする、請求項1に記載の前記EMIから前記コネクタアセンブリを遮蔽および接地する方法。
【請求項3】
前記オス側の導電性ハウジングおよび前記メス側の導電性ハウジングの少なくとも一方が外側ハウジングであることを特徴とする、請求項2に記載の前記EMIから前記コネクタアセンブリを遮蔽および接地する方法。
【請求項4】
前記
第1のシール
、前記第2のシールおよび前記第3のシールが、金属注入または金属充填された物質であることを特徴とし、前記物質が、シリコーン等からなる群から選ばれた物質であることをさらに特徴
とする、請求項1に記載の前記EMIから前記コネクタアセンブリを遮蔽および接地する方法。
【請求項5】
前記
第1のシール
、前記第2のシールおよび前記第3のシールの前記金属注入または金属充填された物質が金属を含むことを特徴とし、前記金属が、ステンレス鋼等からなる群から選ばれた導電性金属であることをさらに特徴とする、請求項4に記載の前記EMIから前記コネクタアセンブリを遮蔽および接地する方法。
【請求項6】
前記
第1の導電性ハウジング
および前記第2の導電性ハウジングが、金属注入または金属充填された物質から形成されていることを特徴とし、前記物質が、樹脂、プラスチック、ナイロン等からなる群から選ばれることをさらに特徴とする、請求項1に記載の前記EMIから前記コネクタアセンブリを遮蔽および接地する方法。
【請求項7】
金属注入または金属充填された
前記第1の導電性ハウジング
および前記第2の導電性ハウジングが金属を含むことを特徴とし、前記金属が、ステンレス鋼等からなる群から選ばれた導電性金属であることをさらに特徴とする、請求項6に記載の前記EMIから前記コネクタアセンブリを遮蔽および接地する方法。
【請求項8】
少なくとも導電性シールおよび導電性ハウジングを用いて電磁妨害(EMI)からコネクタアセンブリを遮蔽および接地する方法であって、
前記コネクタアセンブリのオス側コネクタアセンブリ内の少なくともケーブルアセンブリによって発生する前記EMIを、オス側ワイヤシールドに導くことと、
前記EMIを
前記オス側ワイヤシールドから当該オス側ワイヤシールドに接触する第1のフェルールを介して第1の導電性シールに導くことと、
前記EMIを
前記第1の導電性シールからオス側の導電性外側ハウジングに導くことと、
前記EMIを
前記オス側の導電性外側ハウジングから導電性接合部シールに導くことと、
前記EMIを
前記導電性接合部シールからメス側の導電性外側ハウジングに導くことであって、前記導電性接合部シールは、前記オス側の導電性外側ハウジングと前記メス側の導電性外側ハウジングとの間の接合部を封止していることと、
前記EMIを
前記メス側の導電性外側ハウジングから第2の導電性シールに導くことと、
その後に、前記EMIを
前記第2の導電性シールから第2のフェルールを介して当該第2のフェルールに接触するメス側ワイヤシールドに導くことと、からなる工程を特徴とする方法。
【請求項9】
前記コネクタアセンブリ
のメス側コネクタアセンブリ内の少なくともケーブルアセンブリによって発生する前記EMIを、
前記メス側ワイヤシールドに導くことと、
前記EMIを前記
第2の導電性シールに導くことと、
前記EMIを前記メス側の導電性外側ハウジングに導くことと、
前記EMIを前記導電性接合部シールに導くことと、
前記EMIを前記オス側の導電性外側ハウジングに導くことと、
前記EMIを前記
第1の導電性シールに導くことと、
その後に、前記EMIを前記オス側ワイヤシールドに導くことと、の工程をさらに特徴とする請求項8に記載の前記EMIから前記コネクタアセンブリを遮蔽および接地する方法。
【請求項10】
前記EMIを
前記オス側ワイヤシールドから前記
第1の導電性シールに導く前記工程が、前記EMIを
前記オス側ワイヤシールド
と前記オス側ワイヤシールドに接触する前記第1のフェルール
との接合部に導く工程を含むことを特徴とし、
前記EMIを
前記第2の導電性シールから前記メス側ワイヤシールドに導く前記工程が、前記EMIを
前記メス側ワイヤシールド
と前記メス側ワイヤシールドに接触する前記第2のフェルール
との接合部に導く工程を含むことを特徴とする、請求項8に記載の前記EMIから前記コネクタアセンブリを遮蔽および接地する方法。
【請求項11】
前記EMIを前記
第2の導電性シールに導く前記工程が、前記EMIを
前記メス側ワイヤシールド
と前記メス側ワイヤシールドに接触する前記第2のフェルール
との接合部に導く工程を含むことを特徴とし、
前記EMIを前記オス側ワイヤシールドに導く前記工程が、前記EMIを
前記オス側ワイヤシールド
と前記オス側ワイヤシールドに接触する前記第1のフェルール
との接合部に導く工程を含むことを特徴とする、請求項9に記載の前記EMIから前記コネクタアセンブリを遮蔽および接地する方法。
【請求項12】
前記
第1の導電性シール、前記導電性接合部シールおよび前記
第2の導電性シールのうちの少なくとも1つが金属注入または金属充填された物質であることを特徴とし、前記物質が、シリコーン等からなる群から選ばれた物質であることをさらに特徴とする、請求項8に記載の前記EMIから前記コネクタアセンブリを遮蔽および接地する方法。
【請求項13】
前記
第1の導電性シール、前記導電性接合部シールおよび前記
第2の導電性シールのうちの少なくとも1つの前記金属注入または金属充填された物質が金属を含むことを特徴とし、前記金属が、ステンレス鋼等からなる群から選ばれた導電性金属であることをさらに特徴とする、請求項12に記載の前記EMIから前記コネクタアセンブリを遮蔽および接地する方法。
【請求項14】
前記オス側の導電性
外側ハウジングおよび前記メス側の導電性
外側ハウジングの少なくとも一方が金属注入または金属充填された物質から形成されていることを特徴とし、前記物質が、樹脂、プラスチック、ナイロン等からなる群から選ばれることをさらに特徴とする、請求項8に記載の前記EMIから前記コネクタアセンブリを遮蔽および接地する方法。
【請求項15】
金属注入または金属充填された
前記オス側の導電性
外側ハウジング
および前記メス側の導電性外側ハウジングが金属を含むことを特徴とし、前記金属が、ステンレス鋼等からなる群から選ばれた導電性金属であることをさらに特徴とする、請求項14に記載の前記EMIから前記コネクタアセンブリを遮蔽および接地する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2019年2月25日に出願された米国仮特許出願第62/810,107号に対する優先権を主張するものであり、この出願は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
コネクタアセンブリ(好適には高電圧コネクタアセンブリ)が受ける電磁妨害(EMI)の低減または抑制が望まれている。
【0003】
図1および
図2に、従来型コネクタアセンブリを示す。符号1で概して示すコネクタアセンブリは、EMIの遮蔽または封じ込めを行うためのプレス加工されたシールドを有している。従来のアセンブリ1は、互いに結合されたメス側コネクタアセンブリ20およびオス側コネクタアセンブリ25を有している。メス側コネクタアセンブリ20およびオス側コネクタアセンブリ25の内部には、バッテリケーブルアセンブリ28,30がそれぞれ含まれている。メス側コネクタアセンブリ20内に収容されたバッテリケーブルアセンブリ28の周囲には、対応するメス側ワイヤシールド5が、対応するフェルール8によってその周りを固定されている。収容されているフェルール8は、メス側の内側ハウジング10に接触している。プレス加工されたメス側シールド13は、部分的に、メス側の内側ハウジング10を包囲している。また、プレス加工されたメス側シールド13は、メス側の外側ハウジング15によって包囲されている。プレス加工されたメス側シールド13は、プレス加工された中間シールド28の方向に延びて中間シールド28に接続されており、中間シールド28は、プレス加工されたオス側シールド32に接続されている。プレス加工されたオス側シールド32は、オス側の内側ハウジング35とオス側の外側ハウジング40との間を延びている。オス側の内側ハウジング35は、フェルール44に接触してフェルール44を部分的に包囲しており、フェルール44は、対応するオス側ワイヤシールド48に接触してオス側ワイヤシールド48を包囲している。
【0004】
さらに、
図1に示される従来型コネクタアセンブリ1は、メス側コネクタアセンブリ20およびオス側コネクタアセンブリ25にそれぞれ挿入されてその中で各端子を固定するメス側端子位置保証(TPA)機構50およびオス側端子位置保証(TPA)機構55を有している。プラスチック製の背面カバー58,60が、メス側およびオス側のコネクタアセンブリ20,25のそれぞれの端部に固定されている。メス側コネクタアセンブリ20のプラスチック背面カバー58の近傍にはシリコーンワイヤシール63が配置されており、オス側コネクタアセンブリ25のプラスチック背面カバー60の近傍にはシリコーンワイヤシール65が配置されている。メス側の外側ハウジング15とオス側の外側ハウジング40との間の結合部は、シリコーンリングシール70によって封止されている。
【0005】
従来型コネクタアセンブリ1において、対応するメス側の内側ハウジング10、メス側の外側ハウジング15、オス側の内側ハウジング35およびオス側の外側ハウジング40は、プラスチック、樹脂、ナイロンまたは非導電性材料からなる。同様に、従来型コネクタアセンブリ1では、対応するシール(メス側コネクタアセンブリ20のシリコーンワイヤシール63、オス側コネクタアセンブリ25のシリコーンワイヤシール65ならびにメス側およびオス側コネクタアセンブリ20,25間の結合部のシリコーンリングシール70を含む)は、非導電性材料から形成されている。
【0006】
従来の非導電性樹脂、ナイロンまたはプラスチック製の、メス側コネクタアセンブリ20のメス側の内側および外側ハウジング10,15と、従来の非導電性樹脂、ナイロンまたはプラスチック製の、オス側コネクタアセンブリ25のオス側の内側および外側ハウジング35,40と、非導電性のシリコーンシール63,65,70とが備えられていることによって、プレス加工されたメス側シールド13、プレス加工された中間シールド28およびプレス加工されたオス側シールド32を有する従来型コネクタアセンブリ1で発生するEMIのEMI接地経路が限定されている。これについて、
図2および
図3を参照して以下に説明する。
【0007】
図2および
図3に示されるように、例えば、導電性バッテリケーブルアセンブリ28(メス側コネクタアセンブリ20内に収容される)およびオス側コネクタアセンブリ25内に収容された導電性バッテリケーブルアセンブリ30で発生するEMIは、従来型コネクタアセンブリ1内においてメス側ワイヤシールド5とオス側ワイヤシールド48との間を進む流路80,88を有している。詳細には、従来型コネクタアセンブリ1で発生するEMIは、メス側ワイヤシールド5とオス側ワイヤシールド48との間を、各メス側ワイヤシールド5および隣接するフェルール8、プレス加工されたメス側シールド13、プレス加工されたオス側シールド32、隣接するフェルール44および各オス側ワイヤシールド48を通って進む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、装置に接続される高電圧コネクタアセンブリであって、動作時に受けるEMIが低減または抑制される高電圧コネクタアセンブリを提供する。オス側コネクタアセンブリ内に収容されたバッテリケーブルアセンブリ等において発生するEMIの流路は、例えば、オス側ワイヤシールド、オス側導電性シール、オス側の導電性外側ハウジング、導電性接合部シール、メス側の導電性外側ハウジングおよびメス側導電性シールを経て最終的にはメス側ワイヤシールドに流れるが、これに限定されない。さらに、例えば、メス側コネクタアセンブリ内において、コネクタアセンブリの反対側の端部にある別のケーブルアセンブリ等で発生するEMIの流路は、例えば、メス側ワイヤシールド、メス側導電性シール、メス側の導電性外側ハウジング、導電性接合部シール、オス側の導電性外側ハウジングおよびオス側導電性シールを経て最終的にはオス側ワイヤシールドに流れるが、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1はプレス加工されたシールドを用いた、オス側コネクタアセンブリおよびメス側コネクタアセンブリを有する従来型コネクタアセンブリである。
【
図2】
図2はEMIの封じ込めにプレス加工されたシールドを使用する従来型コネクタアセンブリのEMI経路を示す。
【
図3】
図3は従来型コネクタアセンブリを通って流れるEMIの流路を少なくとも示すフローチャートである。
【
図4】
図4はオス側コネクタおよびメス側コネクタを有するコネクタアセンブリの構造配置であって、少なくとも導電性シールおよび導電性ハウジングを用いてEMIからのコネクタアセンブリの遮蔽および接地を行うことを説明する図である。
【
図5】
図5は少なくとも導電性シールおよび導電性ハウジングを用いる
図4のコネクタアセンブリにおける、本発明の遮蔽および接地EMI経路を示す。
【
図6】
図6はEMI遮蔽および接地のために、少なくとも導電性シールおよび導電性ハウジングを用いる
図4および5に示すコネクタアセンブリを通って流れる本発明のEMIの流路を少なくとも示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図4に本発明のコネクタアセンブリの第1の実施形態を示す。コネクタアセンブリは概して符号100で示されている。本発明のコネクタアセンブリ100は好適には高電圧コネクタアセンブリであり、オス側コネクタアセンブリ103およびメス側コネクタアセンブリ105を有している。オス側コネクタアセンブリ103は、バッテリケーブルアセンブリ108を収容している。コネクタアセンブリ100の反対側では、メス側コネクタアセンブリ105が別のバッテリケーブルアセンブリ110を収容している。バッテリケーブルアセンブリ108は、内側ワイヤ絶縁体115に包囲されており、一方、別のバッテリケーブルアセンブリ110は、別のワイヤ絶縁体117に包囲されている。
【0011】
オス側コネクタアセンブリ103内では、ワイヤシールド120が内側ワイヤ絶縁体115を包囲している。他方、メス側コネクタアセンブリ105内では、ワイヤシールド123が、別の内側ワイヤ絶縁体117を包囲している。ワイヤシールド120の外側において、オス側コネクタアセンブリ103の端部近傍に外側ワイヤ絶縁体130が位置している。ワイヤシールド123の外側において、メス側コネクタアセンブリ105の端部近傍に外側ワイヤ絶縁体132が位置している。オス側コネクタアセンブリ103内のワイヤシールド120の別の部分は、フェルール150に接触していてもよい(すなわち、ワイヤシールド120/フェルール150の接合部)。コネクタアセンブリ100の他端では、メス側コネクタアセンブリ105内のワイヤシールド123の別の部分が、フェルール155に接触していてもよい(すなわち、ワイヤシールド123/フェルール155の接合部)。好適には、フェルール150,155は導電性の金属材料等からなる。
【0012】
図4にさらに示すように、導電性シール160は、オス側コネクタアセンブリ103のワイヤシールド120およびフェルール150を包囲している(すなわち、ワイヤシールド120/フェルール150の接合部を包囲している)。
図4に示すように、導電性シール165は、メス側コネクタアセンブリ105のワイヤシールド123およびフェルール155を包囲している(すなわち、ワイヤシールド123およびフェルール155を包囲している(すなわち、ワイヤシールド123/フェルール155の接合部を包囲している)。オス側コネクタアセンブリ103において、導電性シール160は、ワイヤシールド120/フェルール150の接合部とオス側の導電性外側ハウジング170との間に配置されている。メス側コネクタアセンブリ105において、導電性シール165は、ワイヤシールド123/フェルール155の接合部とメス側の導電性外側ハウジング175との間に配置されている。
【0013】
オス側コネクタアセンブリ103の端部において、プラスチック背面カバー180が、導電性シール160およびオス側の外側ハウジング170の端部を遮蔽している。メス側コネクタアセンブリ105の端部において、プラスチック背面カバー185が、導電性シール165およびメス側の外側ハウジング175の端部を遮蔽している。
【0014】
オス側の外側ハウジング170とメス側の外側ハウジング175との間の接合部は、導電性接合部シール182(リング等の形態または形状を有する)で封止されている。
【0015】
オス側コネクタアセンブリ103の導電性シール160、メス側コネクタアセンブリ105の導電性シール165および導電性接合部シール182は、それぞれ導電性の金属注入シリコーンまたは導電性の金属充填シリコーン等からなり、金属は、例えば、ステンレス鋼等である。
【0016】
オス側コネクタアセンブリ103のオス側の外側ハウジング170およびメス側コネクタアセンブリ105のメス側の外側ハウジング175は、それぞれ導電性金属注入物質または導電性金属充填物質等からなり、この物質は、プラスチック、樹脂またはナイロン等である。オス側の外側ハウジング170またはメス側の外側ハウジング175の金属注入または金属充填された物質中の導電性金属は、例えば、ステンレス鋼等である。オス側の導電性外側ハウジング170またはメス側の導電性外側ハウジング175の導電性金属注入物質または導電性金属充填物質の例としては、RTP社製のステンレス鋼充填樹脂またはステンレス鋼注入樹脂が挙げられる。
【0017】
オス側端子位置保証(TPA)機構190と、メス側端子位置保証(TPA)機構195と、オス側コネクタアセンブリ103のバッテリケーブルアセンブリ108およびメス側コネクタアセンブリ105のバッテリケーブルアセンブリ110からそれぞれ延びるオス側端子200/メス側端子210の接合部とは、オス側の外側ハウジング170およびメス側の外側ハウジング175の内部に概して含まれている。
【0018】
本発明のコネクタアセンブリ100を電磁妨害(EMI)から遮蔽および接地する方法を、
図5および6に示し、以下に説明する。EMI流路300,320は、説明のためにのみ
図5においてはそれぞれ一本の破線として示されているが、コネクタアセンブリ100全体にわたって、コネクタアセンブリ100の様々な要素を通って進む。通る様々な要素には、オス側導電性シール160、オス側の導電性外側ハウジング170、導電性接合部シール182、メス側の導電性外側ハウジング175およびメス側導電性シール165が含まれるが、これらに限定されない。
【0019】
図5および6に示されるように、例えば、オス側コネクタアセンブリ103の高電圧バッテリケーブルアセンブリ108で発生するEMIは、オス側ワイヤシールド120と隣接するフェルール150(金属製)とへオス側導電性シール160(例えば、ステンレス鋼等の繊維充填または繊維注入シリコーン等からなる)を介して伝導される流路300を有している。EMIはそれから、オス側の導電性外側ハウジング170と導電性接合部シール182(例えばリング等の形状)とを介してさらに伝導される。前述したように、導電性接合部シール182は、オス側の外側ハウジング170とメス側の外側ハウジング175との間の接合部を封止している。導電性接合部シール182を通過したEMIは、さらにメス側の導電性外側ハウジング175、メス側導電性シール165、隣接するフェルール155(金属製)を経てからメス側ワイヤシールド123に伝導される。
【0020】
上記発明の別の実施形態では、オス側コネクタアセンブリ103のオス側ワイヤシールド120/フェルール150の接合部におけるフェルール150と、メス側コネクタアセンブリ105のメス側ワイヤシールド123/フェルール155の接合部におけるフェルール155とが、省略可能な任意の部品である。このような場合、EMI流路300は、オス側ワイヤシールド120を通り、オス側導電性シール160に直接流れる。また、このような場合、EMI流路300は、メス側導電性シール165を通り、メス側ワイヤシールド123に直接流れる。
【0021】
図5および6を参照して、本発明のコネクタアセンブリ100をEMIから遮蔽および接地する方法をさらに説明する。例えば、メス側コネクタアセンブリ105の高電圧バッテリケーブルアセンブリ110等で発生するEMIは、メス側ワイヤシールド123と隣接するフェルール155(金属製)とへメス側導電性シール165(例えば、ステンレス鋼等の繊維充填または繊維注入シリコーン等からなる)を介して伝導される流路320を有している。EMIはそれから、メス側の導電性外側ハウジング175と導電性接合部シール182とを介してさらに伝導される。導電性接合部シール182は、前述したように、リング等の形状であってよく、メス側の導電性外側ハウジング175とオス側の導電性外側ハウジング170との間の接合部を封止している。導電性接合部シール182を通過したEMIは、さらにオス側の導電性外側ハウジング170と、オス側コネクタアセンブリ103のオス側導電性シール160と、隣接するフェルール150とを経て、最終的にはオス側ワイヤシールド120に伝導される。
【0022】
本発明の別の実施形態では、メス側コネクタアセンブリ105のメス側ワイヤシールド123/フェルール155の接合部におけるフェルール155と、オス側コネクタアセンブリ103のオス側ワイヤシールド120/フェルール150の接合部におけるフェルール150とが、省略可能な任意の部品である。このような場合、EMI流路320は、メス側ワイヤシールド123を通り、メス側導電性シール165に直接流れる。また、このような場合、EMI流路320は、オス側導電性シール160を通り、オス側ワイヤシールド120に直接流れる。
【0023】
本発明の好適な実施形態について上記説明したが、他の変形例および変更例は当業者にとって明らかであり、本発明の精神または範囲から逸脱することなく実施可能である。さらに、本発明の一実施形態に関連して説明された構造、構造配置または特徴は、上記で明示されていない場合であっても、他の実施形態と組み合わせて使用できる。