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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】モジュール式の溶融ガラス供給装置
(51)【国際特許分類】
   C03B 5/167 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
C03B5/167
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021516893
(86)(22)【出願日】2019-09-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 US2019052601
(87)【国際公開番号】W WO2020068750
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】62/737,498
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/896,702
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】デ アンジェリス,ギルバート
(72)【発明者】
【氏名】イサザ,ファン カミロ
【審査官】末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-216535(JP,A)
【文献】特表2016-521248(JP,A)
【文献】特開2016-216323(JP,A)
【文献】特開2012-031053(JP,A)
【文献】国際公開第2018/110217(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 5/00 - 7/22
F27D 3/00 - 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融ガラス供給装置を備えるガラス製造装置であって、前記溶融ガラス供給装置は、少なくとも1つのモジュールを備え、前記少なくとも1つのモジュールは、
複数の下側キャリッジローラを含む下側キャリッジと、
前記下側キャリッジに支持された上側レールシステムであって、水平に対して0度よりも大きな仰角αに向けられた一対の上側支持レールを含む、上側レールシステムと、
上側キャリッジであって、
水平に対して0度よりも大きな仰角βに向けられたベースプレートと、
前記ベースプレートに接続され、前記上側レールシステムの前記一対の上側支持レールに係合された複数の上側キャリッジローラと
を含む上側キャリッジと
前記上側キャリッジに支持された溶融ガラス供給導管アセンブリであって、
耐火セラミック材料から形成された上側クレードルブロックと、耐火セラミック材料から形成された下側クレードルブロックとを含むクレードルアセンブリと、
前記クレードルアセンブリ内に配置され、前記溶融ガラス供給導管アセンブリの長手方向に延びる管アセンブリであって、耐火セラミック材料から形成された上側管部分と、耐火セラミック材料から形成された下側管部分とを含む管アセンブリと、
前記管アセンブリ内に配置され、前記長手方向に延びる供給導管であって、耐火金属から形成された供給導管と
を備える、溶融ガラス供給導管アセンブリ、
を備える、ガラス製造装置。
【請求項2】
一対の下側支持レールを含む下側レールシステムをさらに備え、前記下側キャリッジの前記複数の下側キャリッジローラは、前記一対の下側支持レールに係合されている、請求項1記載のガラス製造装置。
【請求項3】
前記下側キャリッジに接続された膨張支援部材をさらに備え、前記膨張支援部材は、前記下側キャリッジに膨張支援力を加えるように構成されている、請求項1または2記載のガラス製造装置。
【請求項4】
前記上側キャリッジおよび前記上側レールシステムに接続された質量補償部材をさらに備え、前記質量補償部材は、前記上側レールシステムに沿って前記上側キャリッジに上向きの質量補償力を加えるように構成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のガラス製造装置。
【請求項5】
前記下側キャリッジに接続された膨張支援部材をさらに備え、前記膨張支援部材は、前記下側キャリッジに膨張支援力を加えるように構成されている、請求項4記載のガラス製造装置。
【請求項6】
前記上側キャリッジの前記ベースプレートに接続された支持フレームをさらに備え、前記支持フレームは、
前記ベースプレートに対して横方向に変位可能であるように、側方ばね要素によって前記ベースプレートに接続された鉛直支持部材と、
水平支持部材であって、前記水平支持部材が前記鉛直支持部材に対して鉛直方向に変位可能であり、かつ前記鉛直支持部材が前記水平支持部材に対して横方向に変位可能であるように、鉛直ばね要素および前記側方ばね要素によって前記鉛直支持部材に接続された水平支持部材と
を備える、請求項1から5までのいずれか1項記載のガラス製造装置。
【請求項7】
前記下側管部分と前記下側クレードルブロックとの間に形成されたキー溝であって、前記長手方向を横切る横方向に延びるキー溝と、
前記キー溝内に配置され、前記下側管部分と前記下側クレードルブロックとを接続するキーと
をさらに備える、請求項1から6までのいずれか1項記載のガラス製造装置。
【請求項8】
前記溶融ガラス供給導管アセンブリは、前記クレードルアセンブリの周囲に配置された耐火ブロックをさらに備え、前記耐火ブロックは耐火セラミック材料から形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のガラス製造装置。
【請求項9】
前記下側クレードルブロックと前記耐火ブロックとの間に形成されたキー溝であって、前記長手方向を横切る横方向に延びるキー溝と、
前記キー溝内に配置され、前記下側クレードルブロックと前記耐火ブロックとを接続するキーと
をさらに備える、請求項記載のガラス製造装置。
【請求項10】
前記供給導管の長手方向端部にて前記供給導管に接続された少なくとも1つのフランジをさらに備え、前記少なくとも1つのフランジは、供給ケーブルに接続されたバス部分と、前記供給導管に接触する分配部分とを備え、前記ガラス製造装置は、前記バス部分に接続された移動可能な支持体と、前記バス部分に鉛直方向で力を加えるように構成されたばね要素とをさらに備える、請求項1から9までのいずれか1項記載のガラス製造装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この出願は、2019年9月6日に出願された米国仮出願第62/896,702号および2018年9月27日に出願された米国仮出願第62/737,498号の優先権の利益を主張するものであり、これらの内容が依拠され、全体を参照により、以下に完全に記載されているかのように本明細書に援用するものとする。
【技術分野】
【0002】
本明細書は、ガラス製造装置に関し、より詳細には、モジュール式の溶融ガラス供給装置と、これと共に使用するための溶融ガラス供給導管とを有するガラス製造装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ガラス製造装置は、ガラスの溶融、処理および成形するための様々な個別の構成要素を含むことができる。例えば、典型的なガラス製造装置は、他の構成要素の中でも、ガラス構成成分のバッチを溶融して溶融材料前駆体(例えば、溶融ガラス)を形成するための溶融炉と、溶融ガラスから溶存ガスを除去するための清澄システムと、溶融ガラスを均質化するための混合容器と、溶融ガラスを所望の形状(例えば、リボン、シリンダ、チューブなど)に成形するための成形装置とを含んでよい。ガラス製造装置の構成要素は、ある構成要素から次の構成要素へと溶融ガラスを通流させる複数の供給導管によって直列に接続されてよい。供給導管は、溶融ガラスの比較的高い温度および腐食性に耐えるように、白金、白金合金などの耐火金属から形成されてよい。
【0004】
ガラス製造装置の構成要素は、長期間にわたって高温にさらされる場合がある。室温条件とガラス製造装置の高温動作条件との間の繰り返しにより、ガラス製造装置の構成要素に応力が導入される場合がある。ガラス製造装置の構成要素に応力が規則的かつ連続的に導入されることにより、構成要素が早期に故障してしまう場合がある。さらに、ガラス製造装置を通る溶融ガラスのスループットを増加させるには、ガラス製造装置を通る溶融ガラスの適切な流れを確保するために、より高い温度の利用が必要となる場合がある。より高い動作温度により、ガラス製造装置の構成要素に導入される応力がさらに増大し、ひいては、構成要素の耐用年数が短くなってしまう場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、ガラス製造装置の構成要素にかかる応力を軽減し、それにより、構成要素の耐用年数を延ばす、構成要素の代替的な設計が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
態様1において、溶融ガラス供給装置を備えるガラス製造装置であって、溶融ガラス供給装置は、少なくとも1つのモジュールを備え、少なくとも1つのモジュールは、複数の下側キャリッジローラを含む下側キャリッジと、下側キャリッジに支持された上側レールシステムであって、水平に対して0度よりも大きな仰角αに向けられた一対の上側支持レールを含む、上側レールシステムと、上側キャリッジであって、水平に対して0度よりも大きな仰角βに向けられたベースプレートと、ベースプレートに接続され、上側レールシステムの一対の上側支持レールに係合された複数の上側キャリッジローラとを含む上側キャリッジとを備える、ガラス製造装置。
【0007】
態様2は、仰角αは仰角βに等しい、態様1記載のガラス製造装置を含む。
【0008】
態様3は、一対の下側支持レールを含む下側レールシステムをさらに備え、下側キャリッジの複数の下側キャリッジローラは、一対の下側支持レールに係合されている、態様1記載のガラス製造装置を含む。
【0009】
態様4は、下側キャリッジに接続された膨張支援部材をさらに備え、膨張支援部材は、下側キャリッジに膨張支援力を加えるように構成されている、態様1から3までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0010】
態様5は、上側キャリッジおよび上側レールシステムに接続された質量補償部材をさらに備え、質量補償部材は、上側レールシステムに沿って上側キャリッジに上向きの質量補償力を加えるように構成されている、態様1から4までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0011】
態様6は、下側キャリッジに接続された膨張支援部材をさらに備え、膨張支援部材は、下側キャリッジに膨張支援力を加えるように構成されている、態様1から5までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0012】
態様7は、上向きの質量補償力の水平成分が、膨張支援力の水平成分とは逆である、態様1から6までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0013】
態様8は、上側キャリッジのベースプレートに接続された支持フレームをさらに備え、支持フレームは、ベースプレートに対して横方向に変位可能であるように、側方ばね要素によってベースプレートに接続された鉛直支持部材と、水平支持部材であって、水平支持部材が鉛直支持部材に対して鉛直方向に変位可能であり、かつ鉛直支持部材が水平支持部材に対して横方向に変位可能であるように、鉛直ばね要素および側方ばね要素によって鉛直支持部材に接続された水平支持部材とを備える、態様1から7までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0014】
態様9は、支持フレームは、鉛直支持部材に接続され、かつ鉛直支持部材と溶融ガラス供給管アセンブリとの間に配置された鉛直支持プレートと、水平支持部材に接続され、かつ水平支持部材と溶融ガラス供給管アセンブリとの間に配置された水平支持プレートとを備える、態様1から8までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0015】
態様10は、上側キャリッジに支持された溶融ガラス供給導管アセンブリをさらに備え、溶融ガラス供給導管アセンブリは、耐火セラミック材料から形成された上側クレードルブロックと、耐火セラミック材料から形成された下側クレードルブロックとを含むクレードルアセンブリと、クレードルアセンブリ内に配置され、溶融ガラス供給導管アセンブリの長手方向に延びる管アセンブリであって、耐火セラミック材料から形成された上側管部分と、耐火セラミック材料から形成された下側管部分とを含む管アセンブリと、管アセンブリ内に配置され、長手方向に延びる供給導管であって、耐火金属から形成された供給導管とを備える、態様1から10までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0016】
態様11は、下側管部分と下側クレードルブロックとの間に形成されたキー溝であって、長手方向を横切る横方向に延びるキー溝と、キー溝内に配置され、下側管部分と下側クレードルブロックとを接続するキーとをさらに備える、態様1から10までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0017】
態様12は、溶融ガラス供給導管アセンブリは、クレードルアセンブリの周囲に配置された耐火ブロックをさらに備え、耐火ブロックは耐火セラミック材料から形成されている、態様1から11までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0018】
態様13は、下側クレードルブロックと耐火ブロックとの間に形成されたキー溝であって、長手方向を横切る横方向に延びるキー溝と、キー溝内に配置され、下側クレードルブロックと耐火ブロックとを接続するキーとをさらに備える、態様1から12までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0019】
態様14は、上側管部分は、長手方向に延びかつ供給導管の一部の周囲にアーチ状に配置された複数の管セグメントを含む、態様1から13までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0020】
態様15は、供給導管の長手方向端部にて供給導管に接続された少なくとも1つのフランジをさらに備える、態様1から14までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0021】
態様16は、少なくとも1つのフランジは、供給ケーブルに接続されたバス部分と、供給導管に接触する分配部分とを備える、態様1から15までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0022】
態様17は、バス部分に接続された移動可能な支持体と、バス部分に鉛直方向で力を加えるように構成されたばね要素とをさらに備える、態様1から16までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0023】
態様18は、移動可能な支持体は、少なくとも1つのフランジのバス部分から電気的に絶縁されている、態様1から17までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0024】
態様19は、溶融ガラス供給導管アセンブリを備えるガラス製造装置であって、溶融ガラス供給導管アセンブリは、耐火セラミック材料から形成された上側クレードルブロックと、耐火セラミック材料から形成された下側クレードルブロックとを含むクレードルアセンブリと、クレードルアセンブリ内に配置され、溶融ガラス供給導管アセンブリの長手方向に延びる管アセンブリであって、耐火セラミック材料から形成された上側管部分と、耐火セラミック材料から形成された下側管部分とを含む管アセンブリと、下側管部分と下側クレードルブロックとの間に形成されたキー溝であって、長手方向を横切る横方向に延びるキー溝と、キー溝内に配置され、下側管部分と下側クレードルブロックとを接続するキーとを備える、ガラス製造装置を含む。
【0025】
態様20は、クレードルアセンブリの周囲に配置された耐火ブロックをさらに備え、耐火ブロックは耐火セラミック材料から形成されている、態様1から19までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0026】
態様21は、下側クレードルブロックと耐火ブロックとの間に形成されたキー溝であって、溶融ガラス供給導管アセンブリの長手方向を横切る横方向に延びるキー溝と、キー溝内に配置され、下側クレードルブロックと耐火ブロックとを接続するキーとをさらに備える、態様1から20までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0027】
態様22は、上側管部分は、長手方向に延びかつアーチ状に配置された複数の管セグメントを備える、態様1から21までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0028】
態様23は、管アセンブリ内に配置され、長手方向に延びる、耐火金属から形成された供給導管をさらに備える、態様1から22までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0029】
態様24は、供給導管の長手方向端部にて供給導管に接続されたフランジをさらに備える、態様1から23までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0030】
本明細書に記載するモジュール式の溶融ガラス供給装置およびそれを備えるガラス製造装置の付加的な特徴および利点は、以下の詳細な説明に記載されており、部分的に、その説明から当業者にとって容易に明らかになるか、または以下の詳細な説明、請求項および添付図面を含む本明細書に記載する実施形態を実践することによって認識されるであろう。
【0031】
前述した概略的な説明と以下の詳細な説明とが両方とも、様々な実施形態を記載していること、また特許請求される主題の性質および特徴を理解するための概要または枠組みを提供することを意図していることを理解されたい。添付図面は、様々な実施形態の更なる理解のために含まれており、本明細書に組み込まれ、その一部を構成している。図面は、本明細書に記載する様々な実施形態を示しており、特許請求される主題の原理および動作を本説明と共に説明している。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本明細書に示し、記載する1つ以上の実施形態によるガラス製造装置を概略的に示す図である。
図2】本明細書に示し、記載する1つ以上の実施形態による、複数のモジュールを含むモジュール式の溶融ガラス供給装置を概略的に示す図である。
図3】本明細書に示し、記載する1つ以上の実施形態による、図2のモジュール式の溶融ガラス供給装置のモジュールを概略的に示す図である。
図4】本明細書に示し、記載する1つ以上の実施形態による、図3のモジュールの断面を、溶融ガラス供給導管アセンブリなしで概略的に示す図である。
図5】本明細書に示し、記載する1つ以上の実施形態による、図3のモジュールの断面を、溶融ガラス供給導管アセンブリと共に概略的に示す図である。
図6A】本明細書に示し、記載する1つ以上の実施形態による、図5のモジュールの溶融ガラス供給導管アセンブリの鉛直断面を概略的に示す図である。
図6B図6Aの溶融ガラス供給導管アセンブリの一部の分解図を概略的に示す図である。
図6C】本明細書に示し、記載する1つ以上の実施形態による、図5のモジュールの溶融ガラス供給導管アセンブリの鉛直断面を、フランジが固定された状態で概略的に示す図である。
図7】本明細書に示し、記載する1つ以上の実施形態による、図5のモジュールの溶融ガラス供給導管アセンブリの別の鉛直断面を概略的に示す図である。
図8】本明細書に示し、記載する1つ以上の実施形態による、モジュール式の溶融ガラス供給装置の隣接するモジュールのフランジ間に形成されたガラスシールを概略的に示す図である。
図9】本明細書に示し、記載する1つ以上の実施形態による、供給導管を加熱するためのフランジの一実施形態を概略的に示す図である。
図10】本明細書に示し、記載する1つ以上の実施形態による、供給導管を加熱するためのフランジの一実施形態を概略的に示す図である。
図11】本明細書に示し、記載する1つ以上の実施形態による、供給導管を加熱するためのフランジの一実施形態を概略的に示す図である。
図12】本明細書に示し、記載する1つ以上の実施形態による、供給導管を加熱するためのフランジの一実施形態を概略的に示す図である。
図13】本明細書に示し、記載する1つ以上の実施形態による、供給導管を加熱するためのフランジの一実施形態を概略的に示す図である。
図14】本明細書に示し、記載する1つ以上の実施形態による、外部支持フレームを含むモジュール式の溶融ガラス供給装置のモジュールの一実施形態を概略的に示す図である。
図15】本明細書に示し、記載する1つ以上の実施形態による、供給導管用のフランジを支持するための移動可能な支持体を概略的に示す図である。
図16】本明細書に示し、記載する1つ以上の実施形態による、フランジに接続された供給ケーブルを支持するためのオーバーヘッド支持構造体を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ここで、本明細書に記載するモジュール式の溶融ガラス供給装置およびそれを備えるガラス製造装置の実施形態について詳細に言及し、それらの例を添付図面に示す。可能な場合には、同じまたは同様の部分を参照するために、図面を通して同じ参照数字を使用する。モジュール式の溶融ガラス供給装置のモジュールの一実施形態を図3に概略的に示す。モジュールは、複数の下側キャリッジローラを含む下側キャリッジを備えることができる。上側レールシステムは下側キャリッジに支持されてよい。上側レールシステムは、水平に対して0度よりも大きな仰角αに向けられた一対の上側支持レールを含んでよい。モジュールは上側キャリッジをさらに備えてよい。上側キャリッジは、水平に対して0度よりも大きな仰角βに向けられたベースプレートと、ベースプレートに接続され、上側レールシステムの一対の上側支持レールに係合して、上側レールシステム上での上側キャリッジの移動を促すための複数の上側キャリッジローラとを含んでよい。支持フレームが、ベースプレートに接続されてよく、溶融ガラス供給導管アセンブリが、支持フレーム内でベースプレートに支持されてよい。モジュール式の溶融ガラス供給装置、それと共に使用する溶融ガラス供給導管、およびそれらを備えるガラス製造装置の様々な実施形態について、添付図面を具体的に参照しながら本明細書でさらに詳細に説明する。
【0034】
本明細書では、「約」ある特定の値から、かつ/または「約」別の特定の値までとして、範囲を表現する可能性がある。そのような範囲を表現するときに、別の実施形態が、ある特定の値から、かつ/または他の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」の使用により近似値として値を表現するときに、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるであろう。各範囲の終点は、他の終点との関係でも、他の終点から独立してでも、有意であることがさらに理解されるであろう。
【0035】
本明細書で使用する方向を示す用語、例えば、上、下、右、左、前、後、頂、底は、描かれた図についてのみ言及しており、絶対的な向きを示唆することを意図していない。
【0036】
特に明示しない限り、本明細書に記載する任意の方法が、そのステップを特定の順序で実行することを要求していると解釈されることも、装置の任意の特定の向きを要求していると解釈されることも意図していない。したがって、方法の請求項がそのステップが従うべき順序を実際に記載していない場合、装置の請求項が個々の構成要素に対する順序もしくは向きを実際に記載していない場合、ステップが特定の順序に限定されることを請求項もしくは明細書が特に具体的に記載していない場合、または装置の構成要素に対する特定の順序もしくは向きを記載していない場合に、いかなる観点でも順序または向きが推測されることを決して意図していない。このことは、ステップの配列、動作フロー、構成要素の順序、または構成要素の向きに関する論理的な事項、文法的な構成または句読点から得られる平易な意味、および本明細書に記載する実施形態の数または種類を含む、解釈のためのあらゆる潜在的な明示されていない根拠に当てはまる。
【0037】
本明細書で使用するとき、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が別段に明示していない限り、複数の参照対象を含む。したがって、例えば、「1つの(a)」構成要素についての言及は、文脈が別段に明示していない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する態様を含む。
【0038】
例として図1を参照すると、溶融ガラスからガラス物品を形成するためのガラス製造装置10の一実施形態が概略的に示されている。ガラス製造装置10は、溶融炉11、清澄システム13、混合容器14、供給容器18、および成形装置20を含んでよい。ガラスバッチ材料が、バッチ入口ポート12を通して溶融炉11に導入される。バッチ材料は、溶融炉11内で溶融されて、溶融ガラス16を形成する。溶融炉11は、接続管50によって清澄システム13に流体接続される。溶融ガラス16は、溶融炉11から接続管50を通って清澄システム13に流れ込む。
【0039】
清澄システム13は、溶融炉11からの溶融ガラス16を受け入れる高温処理エリアを含んでよい。溶融ガラス16が清澄システム13内にある間に、溶存ガスおよび/または気泡が溶融ガラス16から除去される。清澄システム13は、接続管15によって混合容器14に流体接続されてよい。すなわち、清澄システム13から混合容器14に流れる溶融ガラスが、接続管15を通って流れてよい。溶融ガラス16が混合容器14を通過するときに、溶融ガラス16は、攪拌されて均質化されてよい。混合容器14は、混合容器14から供給容器18に流れる溶融ガラスが接続管17を通って流れるように、接続管17によって供給容器18に流体接続されてよい。
【0040】
供給容器18は、溶融ガラス16を下降管19を通して成形装置20に供給する。成形装置20は、例えば、限定するわけではないが、溶融ガラスをリボン、チューブ、ブールなどのガラス物品に形成するための、フュージョンドロー機械または別の成形装置であってよい。図1に示す実施形態では、成形装置20は、入口24および成形容器30が内部に配置された筐体22を含むフュージョンドロー機械である。下降管19からの溶融ガラス16は、入口24に流れ込み、入口は成形容器30につながる。成形容器30は、溶融ガラス16を受け入れる開口32を含む。溶融ガラス16は、トラフ33に流れ込んで溢れ、成形容器30の2つの収束側面34a,34bで流れ落ちてから、2つの側面が接合する成形容器30の基部36にて融合した後に、接触して下流方向41に引き出されて、連続したガラスリボン38を形成してよい。
【0041】
図1は、フュージョンドロー機械を使用してガラスリボンを形成するためのガラス製造装置10を概略的に示しているが、限定するわけではないが、フロートガラスプロセス、スロットドロープロセスなどの他のプロセスを使用して、ガラスリボンを形成してよい。さらに、ガラス製造装置10が、ガラスリボンの形成のために使用されるように示されているが、他のガラス製造装置が、限定するわけではないが、ガラスチューブ、ガラスシリンダ、ブールなど、ガラスシート以外のガラスストック材の形成のために使用されてよい。
【0042】
ガラス製造装置10は、室温で構成された後に高温で動作させられてよい。ガラス製造装置10の構成要素を動作温度まで加熱すると、それぞれの熱膨張係数に従って構成要素の寸法サイズが大きくなる。例えば、接続管15,17および50は、耐火金属から形成され、加熱時に熱膨張する場合がある。熱膨張により、接続管15,17および50に応力が導入される。接続管の熱膨張が、ガラス製造装置10内の隣接する構成要素によって拘束されると、接続管15,17および50に付加的な応力が付与される場合がある。例えば、接続管50は、溶融炉11と清澄システム13との間に配置され、両者に接続されており、両者もそれぞれ、加熱時に熱膨張する場合がある。溶融炉11および清澄システム13の熱膨張により、接続管50の熱膨張が拘束または抑制され、それにより接続管50に付加的な応力が導入される場合がある。耐火金属の動作温度が高いため、接続管15,17および50の耐火金属に付与される応力のレベルが低くても、耐火金属のクリープが生じ、それにより接続管の耐用年数が短くなり、故障のリスクが高まる場合がある。接続管の修理および/または交換は、高価で時間を要し、修理および/または交換を容易にするためにガラス製造装置を長時間にわたって停止させると、製造量が減少する場合がある。
【0043】
本明細書は、モジュール式の溶融ガラス供給装置と、それと共に使用する溶融ガラス供給導管と、それらを備えるガラス製造装置とを開示する。モジュール式の溶融ガラス供給装置は、例えば、接続管15,17および50など、ガラス製造装置の様々な構成要素間の接続管として使用してよい。モジュール式の溶融ガラス供給装置は、モジュール式の溶融ガラス供給装置の耐火金属に導入される応力を低減または軽減し、それにより、モジュール式の溶融ガラス供給装置の耐用年数を延ばし、製造量を増大させ、ガラス製造装置の運転およびメンテナンスコストを低減するように構成される。
【0044】
ここで図1図2を参照すると、モジュール式の溶融ガラス供給装置100の例が概略的に示されている。図2に示す実施形態では、モジュール式の溶融ガラス供給装置は、接続管50の代わりに、ガラス製造装置10(図1)の溶融炉11(図1)を清澄システム13(図1)に接続するように構成される。しかし、モジュール式の溶融ガラス供給装置100は、限定するわけではないが、清澄システム13と混合容器14(すなわち、接続管15の代わりに)、混合容器14と供給容器18(すなわち、接続管17の代わりに)など、ガラス製造装置10の他の構成要素を接続するために使用してよい。モジュール式の溶融ガラス供給装置100は、少なくとも1つのモジュールを含んでよい。図2に示す実施形態では、モジュール式の溶融ガラス供給装置100は、2つのモジュール(モジュール102aおよびモジュール102b)を含む。しかし、モジュール式の溶融ガラス供給装置100は、1つのモジュールまたは2つよりも多くのモジュールを含んでよい。モジュール102a,102bはそれぞれ、下側キャリッジ104、上側レールシステム106、上側キャリッジ108、および溶融ガラス供給導管アセンブリ110(図5図7に概略的に示す)を備えてよい。
【0045】
ここで図3および図4を参照すると、モジュール式の溶融ガラス供給装置100の一方のモジュール(モジュール102a)が、側面(図3)および鉛直断面(図4)で概略的に示されている。具体的に、図4は、図示する座標軸のX-Z平面におけるモジュール102aの断面を示す。説明を容易にするために、図4は、モジュール102aを、溶融ガラス供給導管アセンブリ110(本明細書でさらに詳細に説明する)なしで示す。本明細書では、モジュール102aの構成要素および構造について具体的に言及しているが、モジュール102bは、モジュール102aと同じ構成要素を含み、同様に構成されることを理解すべきである。
【0046】
図3および図4に示すように、モジュール102aの下側キャリッジ104は、下側キャリッジフレーム114と、下側キャリッジフレーム114に接続された複数の下側キャリッジローラ(図3および図4に示す3つの下側キャリッジローラ116a,116b,116c)とを含んでよい。実施形態では、モジュール102aは、下側レールシステム112をさらに備えてよい。下側レールシステム112は、一対の下側支持レール118a,118bを含んでよい。下側支持レール118a,118bは、互いに平行であり、モジュール102aの長手方向(すなわち、図示する座標軸の+/-Y方向)に延びてよい。下側支持レール118a,118bは、実質的に水平な向きを有してよい(すなわち、下側支持レール118a,118bは、図示する座標軸のX-Y平面と平行な平面に配置される)。実施形態では、複数の下側キャリッジローラ116a,116b,116cはそれぞれ、下側支持レール118a,118bの一方に係合して、図示する座標軸の+/-Y方向で、下側レールシステム112上での下側キャリッジフレーム114(ひいては下側キャリッジ104)の移動を促してよい。本明細書に記載する実施形態では、下側キャリッジフレーム114および下側支持レール118a,118bは、例えば、限定するわけではないが、構造用鋼または同様の荷重支持材料などの荷重支持材料から形成されてよい。
【0047】
また図3および図4を参照すると、モジュール102aは、上側レールシステム106をさらに備えてよい。上側レールシステム106は、下側キャリッジ104の下側キャリッジフレーム114に支持されてよい。上側レールシステム106は、一対の上側支持レール120a,120bを含んでよい。上側支持レール120a,120bは、互いに平行であり、水平に対して(すなわち、図示する座標軸のX-Y平面に対して)仰角αに向けられてよい。本明細書に記載する実施形態では、仰角αは、0度よりも大きくてよい。実施形態では、仰角αは、0度よりは大きくて90度よりは小さくてもよく、0度よりは大きくて45度よりは小さくあってさえよい。幾つかの実施形態では、仰角αは、0度よりは小さくて-90度よりは大きくてもよく、0度よりは小さくて-45度よりは大きくあってさえよい。図3および図4に示すモジュール102aの実施形態では、上側支持レール120a,120bと下側キャリッジフレーム114との間の間隔が、図示する座標軸の+Y方向で大きくなる。上側支持レール120a,120bは、下側キャリッジ104の下側キャリッジフレーム114に支柱(図3および図4に示す3つの支柱122a,122b,122c)によって支持されてよい。支柱122a,122bと支柱122cとの高さの差により、水平に対する上側支持レール120a,120bの仰角αが決定されてよい。したがって、図3および図4に示すモジュール102aの実施形態では、支柱122a,122bの高さは、支柱122cの高さよりも低くてよい。下側支持レール118a,118bおよび下側キャリッジフレーム114と同様に、上側支持レール120a,120bおよび支柱122a,122b,122cは、例えば、限定するわけではないが、構造用鋼または同様の荷重支持材料などの荷重支持材料から形成されてよい。本明細書に記載する実施形態では、支柱122a,122b,122cは、溶接および/または機械的な締結具によって、下側キャリッジフレーム114および上側支持レール120a,120bに接続されてよい。
【0048】
本明細書に記載する実施形態では、モジュール102aの上側キャリッジ108は、下側キャリッジ104に支持されてよい。具体的に、上側キャリッジ108は、ベースプレート124と、ベースプレート124に接続された複数の上側キャリッジローラ(図3および図4に示す3つの上側キャリッジローラ126a,126b,126c)とを含んでよい。実施形態では、複数の上側キャリッジローラ126a,126b,126cはそれぞれ、上側支持レール120a,120bの一方に係合して、上側レールシステム106上でのベースプレート124(ひいては上側キャリッジ108)の移動を促してよい。上側キャリッジ108のベースプレート124は、水平に対して(すなわち、図示する座標軸のX-Y平面に対して)仰角βに向けられてよい。本明細書に記載する実施形態では、仰角βは、0度よりも大きくてよい。実施形態では、仰角βは、0度よりは大きくて90度よりは小さくてもよく、0度よりは大きくて45度よりは小さくあってさえよい。実施形態では、仰角βは、0度よりは小さくて-90度よりは大きくてもよく、0度よりは小さくて-45度よりは大きくあってさえよい。実施形態では、仰角βは、仰角αと等しくてよい。上側キャリッジ108のベースプレート124の角度方向および上側支持レール120a,120bの角度方向により、上側支持レール120a,120b上での上側キャリッジ108の移動運動の主要ベクトル成分が、図示する座標軸の+/-Y方向と平行であってよい。本明細書に記載する実施形態では、上側キャリッジ108のベースプレート124は、例えば、限定するわけではないが、構造用鋼または同様の荷重支持材料のような荷重支持材料から形成されてよい。
【0049】
また図3および図4を参照すると、上側キャリッジ108は、ベースプレート124に接続された支持フレーム128をさらに含んでよい。支持フレーム128は、支持フレーム128およびベースプレート124によって囲まれた容積部142内に配置された溶融ガラス供給導管アセンブリ110(図5図7に示す)を支持および補強する。実施形態では、支持フレーム128は、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の横方向(すなわち、図示する座標軸の+/-X方向)での溶融ガラス供給導管アセンブリ110の熱膨張および熱収縮を吸収するように構成されてもよい。実施形態では、支持フレーム128は、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の鉛直方向(すなわち、図示する座標軸の+/-Z方向)での溶融ガラス供給導管アセンブリ110の熱膨張および熱収縮を吸収するように構成されてもよい。
【0050】
例えば、実施形態では、支持フレーム128は、複数の鉛直支持部材(図3および図4に示す鉛直支持部材130a,130b,130c)と、複数の水平支持部材132a,132bとを含んでよい。鉛直支持部材130a,130b,130cおよび水平支持部材132a,132bは、例えば、限定するわけではないが、構造用鋼または同様の荷重支持材料などの荷重支持材料から形成されてよい。鉛直支持部材130a,130b,130cの下端部(すなわち、図示する座標軸の-Z方向での鉛直支持部材の端部)が、側方ばね要素134によって上側キャリッジ108のベースプレート124に接続されてよい。同様に、鉛直支持部材130a,130b,130cの上端部(すなわち、図示する座標軸の+Z方向での鉛直支持部材の端部)が、側方ばね要素134によって水平支持部材132a,132bに接続されてよい。側方ばね要素134は、例えば、限定するわけではないが、圧縮ばね、皿ばね、ばねボルトおよび/またはそれらの組み合わせであってよい。
【0051】
側方ばね要素134は、図示する座標軸の+/-X方向(すなわち、側方)での鉛直支持部材130a,130b,130cの変位を可能にして、上側キャリッジ108の支持フレーム128およびベースプレート124によって囲まれた容積部142内に配置された溶融ガラス供給導管アセンブリ110の熱膨張および熱収縮を吸収してよい。すなわち、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が、支持フレーム128およびベースプレート124によって囲まれた容積部142内で加熱されると、溶融ガラス供給導管アセンブリ110は、膨張して、鉛直支持部材130a,130b,130cに+/-X方向の力を及ぼす場合がある。側方ばね要素134は、+/-X方向での鉛直支持部材130a,130b,130cの変位を可能にし、それにより溶融ガラス供給導管アセンブリ110の熱膨張を吸収してよい。同様に、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が、支持フレーム128およびベースプレート124によって囲まれた容積部142内で冷えると、溶融ガラス供給導管アセンブリ110は、収縮して、鉛直支持部材130a,130b,130cから離れる。側方ばね要素134は、鉛直支持部材130a,130b,130cが溶融ガラス供給導管アセンブリ110との接触を維持するように、+/-X方向での鉛直支持部材130a,130b,130の変位を可能にして、それにより、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が冷えて収縮するときに同アセンブリを支持してよい。
【0052】
側方ばね要素134に加えて、支持フレーム128は、鉛直ばね要素136を含んでもよい。具体的に、鉛直支持部材130a,130b,130cの上端部(すなわち、図示する座標軸の+Z方向での鉛直支持部材の端部)が、鉛直ばね要素136によって水平支持部材132a,132bに接続されてよい。鉛直ばね要素136は、例えば、限定するわけではないが、圧縮ばね、皿ばね、ばねボルトおよび/またはそれらの組み合わせであってよい。
【0053】
鉛直ばね要素136は、図示する座標軸の+/-Z方向(すなわち、鉛直方向)での水平支持部材132a,132bの変位を可能にして、支持フレーム128およびベースプレート124によって囲まれた容積部142内に配置された溶融ガラス供給導管アセンブリ110の熱膨張および熱収縮を吸収してよい。すなわち、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が、支持フレーム128およびベースプレート124によって囲まれた容積部142内で加熱されると、溶融ガラス供給導管アセンブリ110は、膨張して、水平支持部材132a,132bに+Z方向の力を及ぼす場合がある。鉛直ばね要素136は、+Z方向での水平支持部材132a,132bの変位を可能にし、それにより溶融ガラス供給導管アセンブリ110の熱膨張を吸収してよい。同様に、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が、支持フレーム128およびベースプレート124によって囲まれた容積部142内で冷えると、溶融ガラス供給導管アセンブリ110は、収縮して、水平支持部材132a,132bから離れる。鉛直ばね要素136は、水平支持部材132a,132bが溶融ガラス供給導管アセンブリ110との接触を維持するように、-Z方向での水平支持部材132a,132bの変位を可能にして、それにより、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が冷えて収縮するときに同アセンブリを支持してよい。
【0054】
実施形態では、上側キャリッジ108の支持フレーム128は、支持フレーム128およびベースプレート124によって囲まれた容積部142内に配置された溶融ガラス供給導管アセンブリ110に付加的な支持をもたらすために、鉛直支持プレート(図3および図4には、2つの鉛直支持プレート138a,138bを示す)および/または水平支持プレート(図3および図4には、1つの水平支持プレート140を示す)をさらに含んでよい。例えば、実施形態では、支持フレーム128は、支持フレーム128およびベースプレート124によって囲まれた容積部142内に配置された鉛直支持プレート138a,138bをさらに含んでよい。鉛直支持プレート138aは、支持フレーム128およびベースプレート124によって囲まれた容積部142内に配置された溶融ガラス供給導管アセンブリ110と鉛直支持部材130a,130bとの間に鉛直支持プレート138aが配置されるように(例えば、図5に示すように)、溶接、機械的な締結具などによって鉛直支持部材130a,130bに接続されてよい。同様に、鉛直支持プレート138bは、支持フレーム128およびベースプレート124によって囲まれた容積部142に配置された溶融ガラス供給導管アセンブリ110と鉛直支持部材130cとの間に鉛直支持プレート138bが配置されるように(例えば、図5に示すように)、溶接、機械的な締結具などによって鉛直支持部材130cに接続されてよい。鉛直支持プレート138a,138bは、例えば、限定するわけではないが、構造用鋼または同様の荷重支持材料のような荷重支持材料から形成されてよい。鉛直支持プレート138a,138bは、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が鉛直支持部材130a,130b,130cに(かつその逆に)及ぼす力を溶融ガラス供給導管アセンブリ110の長手方向長さ(すなわち、図示する座標軸の概ね+/-Y方向での溶融ガラス供給導管アセンブリ110の長さ)に沿って一様に分散させることを可能にし、それにより、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が、熱膨張中および熱収縮中ならびに熱膨張と熱収縮との間の期間に支持フレーム128によって均一に支持されてよい。
【0055】
実施形態では、支持フレーム128は、支持フレーム128およびベースプレート124によって囲まれた容積部142内に配置された水平支持プレート140をさらに含む。水平支持プレート140は、水平支持プレート140が、支持フレーム128およびベースプレート124によって囲まれた容積部142内に配置された溶融ガラス供給導管アセンブリ110と水平支持部材132a,132bとの間に配置されるように(例えば、図5に示すように)、溶接、機械的な締結具などによって水平支持部材132a,132bに接続されてよい。水平支持プレート140は、例えば、限定するわけではないが、構造用鋼または同様の荷重支持材料のような荷重支持材料から形成されてよい。水平支持プレート140は、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が水平支持部材132a,132bに(かつその逆に)及ぼす力を溶融ガラス供給導管アセンブリ110の長手方向長さに沿って一様に分散させることを可能にし、それにより、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が、熱膨張中および熱収縮中ならびに熱膨張と熱収縮との間の期間に支持フレーム128によって均一に支持されてよい。
【0056】
また図3および図4を参照すると、実施形態では、モジュール102aは、下側レールシステム112の下側支持レール118a,118bに沿った下側キャリッジ104の移動を支援する膨張支援部材144をさらに備えてよい。具体的に、支持フレーム128およびベースプレート124によって囲まれた容積部142内に配置された溶融ガラス供給導管アセンブリ110の熱膨張中および熱収縮中に、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の全部または一部の長手方向長さが、増加(熱膨張)または減少(熱収縮)し、下側キャリッジ104を下側レールシステム112の下側支持レール118a,118bに沿って移動させる場合がある。下側キャリッジ104と下側支持レール118a,118bとの間に複数の下側キャリッジローラ116a,116b,116cが組み込まれているにもかかわらず、モジュール102aの質量が大きいことで、モジュール102aの静止慣性を克服し、それによりモジュール102aを複数の下側キャリッジローラ116a,116b,116cで始動させることが困難になる場合がある。モジュール102aの静止慣性が克服されない場合、付加的な応力が溶融ガラス供給導管アセンブリ110に付与され、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の損傷および/または故障をもたらす場合がある。膨張支援部材144は、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が加熱されたときに、長手方向の膨張(すなわち、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の長手方向長さの方向の膨張)の方向の膨張支援力を下側キャリッジ104にもたらすことにより、モジュール102aの静止慣性を克服することを支援してよい。
【0057】
具体的に、膨張支援部材144は、空気圧シリンダ、液圧シリンダ、圧縮ばねなどのばね要素で構成され、一方向に付勢力を及ぼしてよい(すなわち、膨張支援部材は、単動シリンダとして挙動する)。本明細書に記載する実施形態では、付勢力は、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の長手方向の膨張の方向(すなわち、図示する座標軸の+/-Y方向)であってよい。膨張支援部材144は、膨張支援部材144が下側支持レール118aに機械的に設置されるように、キャリッジブラケット146によって下側キャリッジ104に接続され、レールブラケット148によって下側支持レール118aに接続されてよい。膨張支援部材144は、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が加熱されて熱膨張すると、モジュール102aの静止慣性を克服し、下側キャリッジ104の移動を促すことを支援するために、キャリッジブラケットによって下側キャリッジ104に+または-Y方向いずれかの膨張支援力を加えてよい。
【0058】
実施形態では、モジュール102aは、上側レールシステム106の上側支持レール120a,120bに沿った上側キャリッジ108および溶融ガラス供給導管アセンブリ110の質量を打ち消し、それにより上側レールシステム106の上側支持レール120a,120bに沿った上側キャリッジ108の望ましくない動きを防ぐための、質量補償部材150をさらに備えてよい。具体的に、本明細書で述べるように、上側レールシステム106の上側支持レール120a,120bは、水平に対して仰角αに向けられてもよく、複数の上側キャリッジローラ126a,126b,126cは、上側レールシステム106の上側支持レール120a,120bに係合される。したがって、付加的な補償または拘束がなければ、上側キャリッジ108は、重力により移動して、上側支持レール120a,120bを下る。その上、モジュール102aの構成要素が膨張するときに、モジュール102aに作用する重力の力によって膨張が抑制される場合があり、これにより、構成要素に応力が導入される場合がある。この望ましくない動きを防ぎ、応力の導入を軽減するために、モジュール102aは、上側レールシステム106に沿って上側キャリッジ108に上向きの質量補償力を加えるように構成された質量補償部材150を備えてよい。
【0059】
具体的に、質量補償部材150は、空気圧シリンダ、液圧シリンダ、圧縮ばねなどのばね要素で構成され、一方向に付勢力を及ぼしてよい(すなわち、質量補償部材150は、単動シリンダとして挙動する)。本明細書に記載する実施形態では、質量補償部材150は、質量補償部材150が上側支持レール120aに機械的に設置され、質量補償部材150の付勢力が、上向き鉛直方向(すなわち、図示する座標軸の+Z方向)の力成分を伴って上側支持レール120aと平行になるように、キャリッジブラケット152によって上側キャリッジ108に接続され、レールブラケット154によって上側支持レール120aに接続されてよい。質量補償部材150は、重力により上側支持レール120a,120bを下る上側キャリッジ108の動きを防ぐために、上側レールシステム106に沿って(具体的には上側支持レール120a,120bに沿って)、またキャリッジブラケット152によって上側キャリッジ108に上向きの質量補償力を加えてよい。実施形態では、質量補償部材150によって加えられる上向きの質量補償力の水平成分が、膨張支援部材144によって加えられる膨張支援力の水平成分とは逆であってもよい。質量補償部材150はまた、モジュール102aに作用する重力の下向きの力に抗して上側レールシステム106上での上側キャリッジ108の移動を促すことにより、モジュール102aが加熱されるときの溶融ガラス供給導管アセンブリ110の熱膨張を吸収することを支援してよい。
【0060】
再び図2および図3を参照すると、実施形態では、モジュール102aの下側キャリッジ104は、下側キャリッジフレーム114に固定されたキャリッジカプラ170を含んでよい。実施形態では、キャリッジカプラ170は、カラーブロック171およびねじ山付きロッド172を含んでよい。ねじ山付きロッド172は、カラーブロック171に挿通され、ロックナット173によって所定の位置に固定されてよい。キャリッジカプラ170は、例えば、モジュール102aを隣接するモジュール102bに固定し、それによりモジュール同士の相対位置を維持するために使用してよい。
【0061】
ここで図5図7を参照すると、図5は、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が、支持フレーム128およびベースプレート124によって囲まれた容積部内に配置された状態で、モジュール102aの断面を概略的に示し、図6Aは、図示する座標軸のX-Z平面を通る、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の断面を概略的に示し、図6Bは、図6Aの溶融ガラス供給導管アセンブリ110の一部の分解図を概略的に示し、図6Cは、図示する座標軸のX-Z平面を通る、フランジ220を含む溶融ガラス供給導管アセンブリ110の断面を概略的に示し、図7は、図示する座標軸のY-Z平面を通る、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の断面を示す。実施形態では、溶融ガラス供給導管アセンブリ110は、クレードルアセンブリ180、管アセンブリ190、および供給導管200を含んでよい。実施形態では、溶融ガラス供給導管アセンブリ110は、供給導管200に電気的に接続された少なくとも1つのフランジ220をさらに含んでよい。実施形態では、クレードルアセンブリ180および管アセンブリ190は、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が加熱されたり、冷えたりするときに、クレードルアセンブリ180と管アセンブリ190とが互いに摺動するのを防ぐように構成されてよい。しかし、供給導管200は、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が加熱されたり、冷えたりするときに、クレードルアセンブリ180および管アセンブリ190に対して自由に摺動する。
【0062】
具体的に、図6Aおよび図6Bを参照すると、溶融ガラス供給導管アセンブリ110は、溶融ガラスが通って流れる供給導管200を含んでよい。実施形態では、供給導管200は、導管を通って流れる溶融ガラスの高温および腐食性に耐えられるように、例えば、限定するわけではないが、白金、モリブデン、パラジウム、ロジウム、イリジウム、レニウム、タンタル、チタン、タングステン、それらの合金および/またはそれらの組み合わせなどの耐火金属から形成されてよい。図は、供給導管200を円形断面で示しているが、限定するわけではないが、楕円形断面の供給導管、長円形断面の供給導管、卵形断面の供給導管などの、他の断面が考えられ、可能である。実施形態では、ヒータ巻線201が、供給導管200の加熱を促すためにかつ/または供給導管200の加熱を補うために、供給導管200に巻き付けられてよい。
【0063】
実施形態では、供給導管200は、供給導管200および管アセンブリがともに溶融ガラス供給導管アセンブリ110の長手方向に延びるように、管アセンブリ190内に配置されてよい。管アセンブリ190は、供給導管200および導管を通って流れる溶融ガラスを断熱し、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の半径方向の温度変化(すなわち、図示する座標軸の+/-Y方向と鉛直な方向の温度変化)を最小限に抑える耐火セラミック材料で構成されてよい。管アセンブリ190は、例えば、限定するわけではないが、アルミナ、ジルコニア、安定化ジルコニアおよび/またはそれらの組み合わせから形成されてよい。実施形態では、管アセンブリ190は、供給導管200の周囲に組み立てられる複数の個別の部分から形成されてよい。例えば、実施形態では、管アセンブリ190は、図6Bに示すように、下側管部分192および上側管部分194から構成されてよい。実施形態では、下側管部分192および/または上側管部分194は、複数の個別のセグメントから構成されてよい。例えば、図6Bに示すように、上側管部分194は、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の長手方向に延びかつ供給導管200の少なくとも一部の周囲にアーチ状に配置された複数の管セグメント196a,196b,196cで構成されてよい。図6Bは、上側管部分194が複数の管セグメント196a,196b,196cから構成されるように示しているが、下側管部分192が複数の管セグメントから構成される実施形態、下側管部分192および上側管部分194が両方とも複数の管セグメントから構成される実施形態など、他の実施形態が考えられ、可能である。
【0064】
本明細書に記載する実施形態では、供給導管200は、管アセンブリ190に付着または取り付けられておらず、よって、供給導管200は、管アセンブリ190に対して自由に摺動する。その結果、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が加熱されたり、冷えたりするときに、供給導管200は、管アセンブリ190に対して自由に熱膨張および熱収縮し、それにより、供給導管200に付加的な応力が導入されることが避けられる。
【0065】
また図6Aおよび図6Bを参照すると、供給導管200および管アセンブリ190は、供給導管200、管アセンブリ190、およびクレードルアセンブリ180が溶融ガラス供給導管アセンブリ110の長手方向に延びるように、クレードルアセンブリ180内に配置されてよい。クレードルアセンブリ180は、管アセンブリ190、供給導管200、および導管を通って流れる溶融ガラスを断熱し、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の半径方向の温度変化を最小限に抑える耐火セラミック材料で構成されてよい。クレードルアセンブリ180は、例えば、限定するわけではないが、アルミナ、ジルコニア、安定化ジルコニアおよび/またはそれらの組み合わせから形成されてよい。実施形態では、クレードルアセンブリ180は、管アセンブリ190の周囲で組み立てられる複数の個別の部分から形成されてよい。例えば、実施形態では、クレードルアセンブリ180は、図6Bに示すように、下側クレードルブロック182および上側クレードルブロック184から構成されてよい。
【0066】
ここで図5および図6Aを参照すると、断熱耐火ブロック202および/または耐火ボードが、供給導管200、管アセンブリ190、クレードルアセンブリ180、および導管を通って流れる溶融ガラスに更なる断熱をもたらすために、クレードルアセンブリ180の周囲に配置されてよい。実施形態では、耐火ブロック202は、例えば、限定するわけではないが、アルミナ、ジルコニア、安定化ジルコニアおよび/またはそれらの組み合わせから形成されてよい。
【0067】
本明細書で述べるように、モジュール式の溶融ガラス供給装置100の個々のモジュールの構成要素および構成は概ね同じであってよい。しかし、実施形態では、例えばクレードルアセンブリ180および管アセンブリ190に使用する耐火セラミック材料は、モジュールごとに異なってよい。具体的に、耐火セラミック材料は、モジュール式の溶融ガラス供給装置100の特定のモジュールでは、モジュール式の溶融ガラス供給装置の別のモジュールに使用する耐火セラミック材料にかかわらずに、所望の断熱量または逆に所望の伝熱量をもたらすように選択されてよい。
【0068】
ここで図7を参照すると、実施形態では、クレードルアセンブリ180と管アセンブリ190とは、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が加熱されたり、冷えたりするときのクレードルアセンブリ180と管アセンブリ190との間の相対運動を防ぐために接合されてよい。これにより、溶融ガラス供給導管アセンブリ110および上側キャリッジを、例えば質量補償部材150によって、単一の一体的な固体物として支持することが可能になる。同様に、実施形態では、クレードルアセンブリ180と耐火ブロック202とは、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が加熱されたり、冷えたりするときのクレードルアセンブリ180と耐火ブロック202との間の相対運動を防ぐために接合される。例えば、実施形態では、1つ以上のキー溝230が、各キー溝230の一部が下側管部分192に配置され、キー溝230の一部が下側クレードルブロック182に配置されるように、下側管部分192と下側クレードルブロック182との間に形成されてよい。キー溝230は、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の長手方向を横切る、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の横方向に延びてよい。キー232が、各キー溝230内に配置され、それにより、下側管部分192と下側クレードルブロック182とを接続し、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が加熱されたり、冷えたりするときの下側管部分192と下側クレードルブロック182との間の相対的な動きを防いでよい。実施形態では、各キー溝230内のキー232は、例えば、限定するわけではないが、耐火セラミック材料および耐火金属などの耐火材料から形成されてよい。代替的に、キー232は、例えば、限定するわけではないが、構造用鋼などの荷重支持材料から形成されてよい。代替的または付加的に、上側管部分194および上側クレードルブロック184は、下側管部分192および下側クレードルブロック182の場合と同様に接続されてよい。
【0069】
同様に、1つ以上のキー溝230が、各キー溝230の一部が耐火ブロック202に配置され、キー溝230の一部が下側クレードルブロック182に配置されるように、耐火ブロック202と下側クレードルブロック182との間に形成されてよい。キー溝230は、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の長手方向を横切る、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の横方向に延びる。キー232が、各キー溝230内に配置され、それにより、耐火ブロック202と下側クレードルブロック182とを接続し、溶融ガラス供給導管アセンブリ110が加熱されたり、冷えたりするときの耐火ブロック202と下側クレードルブロック182との間の相対的な動きを防ぐ。実施形態では、各キー溝230内のキー232は、例えば、限定するわけではないが、耐火セラミック材料および耐火金属などの耐火材料から形成されてよい。代替的に、キー232は、例えば、限定するわけではないが、構造用鋼などの荷重支持材料から形成されてよい。代替的または付加的に、耐火ブロック202および上側クレードルブロック184は、耐火ブロック202および下側クレードルブロック182の場合と同様に接続されてよい。
【0070】
ここで図2および図6C図8を参照すると、実施形態では、モジュール式の溶融ガラス供給装置100の各モジュール102a,102bは、別個の供給導管200を備えてよい。これらの実施形態では、溶融ガラス供給導管アセンブリ110は、供給導管200の両端部に配置されたフランジ220を含んでよい。フランジ220は、例えば、モジュール式の溶融ガラス供給装置100の個々のモジュール102a,102bの溶融ガラス供給導管アセンブリ110の間にガラスシールを形成することを容易にする。例えば、モジュール式の溶融ガラス供給装置100は、本明細書で述べるように、直列に配置された複数のモジュールを備えてよい。溶融ガラスは、モジュールを通って直列的に流れる(すなわち、あるモジュールを通った後に次のモジュールを通って流れる)。モジュール式の溶融ガラス供給装置の隣接し合うモジュール102a,102bの間では、溶融ガラスの比較的高い温度および腐食性ならびにモジュールの構成要素の比較的大きな熱膨張のため、従来のシールを使用しない。代わりに、溶融ガラスは、隣接し合うモジュール102a,102bの間で漏れる。溶融ガラスが冷えて固化すると、隣接し合うモジュール102a,102bの間にガラスシールが形成される。図8に示す実施形態では、溶融ガラスは、隣接し合うモジュール102a,102bのフランジ220の間で漏れ、フランジ220の間で固化し、それによりガラスシール229を形成する。
【0071】
実施形態では、フランジ220は、フランジ220ひいては供給導管200を通して電流を流すことによって供給導管200の加熱を促すために導電性であってよい。これらの実施形態では、フランジ220は供給導管200に外接し、供給導管200の外面と電気的に接触した状態に維持される。電流が、フランジ220を通って供給導管200に流れ込んで、供給導管200および供給導管200内の溶融ガラスを加熱する。様々な実施形態では、フランジ220は、供給導管200の少なくとも一部に外接し、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の長手方向端部に配置することができる。供給導管200の電気抵抗のため、電流は、供給導管を直接加熱し、それにより供給導管200の内部の溶融ガラスを加熱する。
【0072】
例として図6Cを具体的に参照すると、フランジ220は、バス部分222および分配部分224を含んでよく、分配部分224は、供給導管200の周囲に一様な断面幅を有する。しかし、他の実施形態が考えられ、可能である。
【0073】
特に、図9図13は、供給導管200と共に使用するためのフランジの様々な代替的な構成を示す。例えば図9は、バス部分262および分配部分264を含むフランジ260の別の実施形態を示し、分配部分264は、供給導管200の周囲に一様でない断面幅を有する。図10は、分配部分364から延びる複数のバス部分362を含むフランジ360の一実施形態を示す。図11は、2つのバス部分462を含むフランジ460であって、2つのバス部分が、分配部分464から横方向(すなわち、図示する座標軸の+/-X方向)に延び、電気リード線との接続のために鉛直方向(すなわち、図示する座標軸の+Z方向)に延びる少なくとも一部を含む、フランジの一実施形態を示す。図12は、分配部分562から互いに反対方向に、例えば互いに反対の鉛直方向に延びる2つのバス部分564を含むフランジ560の一実施形態を示す。図13は、電気リード線との接続のために分配部分664から互いに反対方向で横方向に延びる2つのバス部分662を含むフランジ660の一実施形態を示す。フランジ220,260,360,460,560,660の様々な構成は、溶融ガラスの目標とされる加熱および/または高効率な加熱のために供給導管200への電流の導入を促してもよく、供給導管200に送られる電流の大きさおよび電流源との接続のためのバス部分のアクセス性に少なくとも基づいて選択されてよい。
【0074】
本明細書に記載する実施形態では、フランジ220,260,360,460,560,660は、低抵抗金属、例えば、限定するわけではないが、電気グレード(electrical grade)ニッケル600/601などの遷移金属、および/または高温耐火金属、例えば、限定するわけではないが、白金もしくはその合金などから作られてよく、これらは、ガラス製造において経験される高温での使用に適している。様々な実施形態では、フランジ220,260,360,460,560,660は、例えば、空気冷却または水冷却によって冷却されてよい。様々な実施形態では、冷却流体は、フランジ220,260,360,460,560,660に接続され、その周囲に延びる冷却管(図示せず)によって導くことができる。他の実施形態では、冷却流体を使用して、フランジ220,260,360,460,560,660の選択された部分を冷却することができる。
【0075】
図2および図6C図8は、モジュール式の溶融ガラス供給装置100の各モジュール102a,102bを、別個の供給導管200を備えるものとして示しているが、他の実施形態が、考えられ、可能である。例えば、他の実施形態(図示せず)では、モジュール式の溶融ガラス供給装置100は、複数のモジュール102a,102bを貫通してそれらの間に延びる単一の供給導管200を備えてよい。これらの実施形態では、フランジ220,260,360,460,560,660は、単一の供給導管200の両端部に配置されてよい。幾つかの実施形態では、単一の供給導管200は、隣接するモジュール間の導管に配置された付加的なフランジをさらに含んでよい。
【0076】
ここで図14および図15を参照すると、実施形態では、モジュール102aは、外部支持フレーム250をさらに備えてよい。外部支持フレーム250は、溶接、機械的な締結具などによって外部水平支持部材254(図14に示すもの)に接合される外部鉛直支持部材252を含んでよい。外部支持フレーム250は、外部支持フレーム250が下側キャリッジ104と共に移動可能であるように、例えば、限定するわけではないが、ブラケット256によって下側キャリッジ104の下側キャリッジフレーム114に接続されてよい。実施形態では、フランジ220は、溶融ガラス供給導管アセンブリ110のフランジおよび他の構成要素の熱膨張時および熱収縮時のフランジ220の移動に適応するために、外部支持フレーム250に接続される。例えば、外部支持フレーム250は、外部支持フレーム250の外部水平支持部材254に接続されたフランジ支持部材240を含んでよい。フランジ220は、移動可能な支持体410によってフランジ支持部材240に接続されてよい。移動可能な支持体410は、フランジ支持部材240に接続された支持プレート411と、支持プレート411に対して鉛直方向84に移動する接続ブラケット416とを含んでよい。接続ブラケット416は、フランジ220のバス222に固定されてよい。移動可能な支持体410は、接続ブラケット416に接触する伝達ロッド413によって接続ブラケット416に上向きの力を加えるばね412を含んでよい。電気絶縁体(図示せず)が、接続ブラケット416と支持プレート411とが互いに電気的に絶縁されるように、伝達ロッド413と接続ブラケット416との間に配置されてよい。ばね412は、移動可能な支持体410の接続ブラケット416を伝達ロッド413によってフランジ220のバス部分222に接触させる。ばね412によって加えられる力は、フランジ220の重さによって供給導管200に付与されたであろう荷重(および関連する応力)を打ち消す。ばね412は、フランジ220および溶融ガラス供給導管アセンブリ110の他の構成要素の熱膨張および熱収縮に適応してもよい。
【0077】
例えば、供給導管200が加熱されるかまたは冷えると、供給導管200は、熱膨張または熱収縮する。供給導管の熱膨張および熱収縮は、フランジ220の高さを変化させる。ばね412は、フランジ220の重さによって供給導管に付与される応力を最小限に抑えながら、膨張中および収縮中にフランジ220の支持を維持する。供給導管200の長手方向の膨張および収縮は、長手方向(すなわち、図示する座標軸の+/-Y方向)でのフランジ220の位置も変化させる。移動可能な支持体410は、フランジ220の長手方向の位置の変化に適応して再配置可能である。例えば、ばね412は、支持プレート411に沿って長手方向に摺動してよい。
【0078】
図示していないが、実施形態では、外部支持フレーム250は、外部支持フレーム250に取り付けられて、それにより溶融ガラス供給導管アセンブリ110の周囲にカプセルを形成するパネルをさらに含んでよい。溶融ガラス供給導管アセンブリ110のカプセル封じにより、溶融ガラス供給導管アセンブリ110のすぐ周りの雰囲気を制御することを可能にし、それにより、例えば、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の白金成分による水素透過が防がれる。
【0079】
ここで図14および図16を参照すると、実施形態では、フランジ220のバス部分222が、クランプ399および電力供給ケーブル380によって電源(図示せず)に接続されてよい。供給ケーブル380は、供給ケーブル380を溶融することなく供給導管200の加熱に必要な電力供給に適応するために、比較的大きな質量を有する場合がある。分配ケーブルの重さの一部が、フランジ220によって供給導管200に伝達され、それにより供給導管200に付加的な応力を導入する場合がある。実施形態では、供給導管に付与される供給ケーブル380の重さを相殺するために(ひいては、供給導管200に付与される応力を低減するために)、供給ケーブルは、図16に示すようにオーバーヘッド支持構造体400によって支持されてよい。オーバーヘッド支持構造体400は、モジュール102aの上に吊り下げられたレール401を含んでよい。オーバーヘッド支持構造体400は、レール401から延びるハンガ402をさらに含んでよい。ハンガ402は、供給ケーブル380がレール401から吊り下げられるように、供給ケーブル380に接続されてよい。ハンガ402は、供給ケーブル380の重さによって供給導管200に付与される応力を最小限に抑えるように、供給ケーブル380の重さを支持する。実施形態では、ハンガ402は、レール401に沿って移動可能なトロリ404によって支持されてよい。トロリ404は、ハンガ402が供給ケーブル380を支持しながら移動することを可能にし、それにより、供給導管200が膨張および収縮するときに、供給ケーブル380が接続されるフランジ220と供給ケーブル380との位置ずれを最小限に抑えてよい。例えば、モジュール102aが加熱されたり、冷えたりすると、供給導管200が膨張および収縮し、フランジ220を長手方向に移動させる場合がある。トロリ404は、フランジ220の位置が変化すると、ハンガ402が供給ケーブル380を支持するように供給ケーブル380をフランジ220と共に移動させることを可能にし、それにより、供給ケーブル380によって供給導管200に付与される応力を低減してよい。
【0080】
実施形態では、ハンガ402は、ばね支持体406を含んでよい。ばね支持体406は、供給ケーブル380が鉛直方向(すなわち、図示する座標軸の+/-Z方向)に変位したときに、ばね支持体406が供給ケーブル380に対する連続的な鉛直支持をもたらすことを可能にするばね定数を有してよい。例えば、供給導管200が加熱されたり、冷えたりすると、供給導管200は、半径方向(すなわち、図示する座標軸の+/-Y方向に対して鉛直な方向)および長手方向(すなわち、図示する座標軸の+/-Y方向)の両方に熱膨張する。供給導管200の半径方向の膨張および収縮により、フランジ220の鉛直方向の高さが変化する。導体フランジ220の重さによって供給導管200に付与される応力を最小限に抑えるために、ばね支持体406は、導体フランジ220の位置が鉛直方向にシフトしたときでも、導体フランジ220に鉛直力が加えられるように選択されて、装着されてよい。したがって、ばね支持体406は、オーバーヘッド支持構造体400に対する供給ケーブル380の位置にかかわらず、供給ケーブル380を支持する。したがって、ハンガ402は、モジュール102aが加熱されたり、冷えたりすると、モジュール102aの構成要素、例えば供給導管200への応力の導入を最小限に抑えてよい。
【0081】
ここで、ガラス製造装置10によるモジュール式の溶融ガラス供給装置100の動作を、図1図5を具体的に参照してさらに詳細に説明する。溶融炉11と清澄システム13とを接続する接続管50に代わるモジュール式の溶融ガラス供給装置100の使用について言及する。
【0082】
最初、モジュール102a,102bは、下側レールシステム112上で溶融炉11と清澄システム13との間に配置されてよい。各モジュール102a,102bの供給導管200は、モジュール式の溶融ガラス供給装置100のモジュール102a,102bを介した溶融炉11から清澄システム13への溶融ガラス16の流れを促すために、溶融炉11の出口と清澄システム13の入口とに互いに位置合わせされてよい。次いで、供給導管200が溶融炉11から溶融ガラス16の流れを受け入れる前に供給導管200を予熱するために、電流をフランジ220(および/またはヒータ巻線201(図6B))に導入してよい。
【0083】
その後、溶融ガラス16は、供給導管200がフランジ220および/またはヒータ巻線201によって加熱されている間にモジュール102a,102bの供給導管200を通って清澄システム13に導かれてよい。モジュール102a,102bの温度が上昇すると、モジュール102a,102bの構成要素が、本明細書に記載するように、それぞれの熱膨張係数により半径方向および長手方向に熱膨張する場合がある。例えば、供給導管200が長手方向に膨張すると、モジュール102a,102bは、互いにかつ/または溶融炉11および清澄システム13に抗して力を及ぼしてよい。これらの力により、モジュール102a,102bの下側レールシステム112に沿った下側キャリッジ104の変位および上側レールシステム106に沿った上側キャリッジ108の変位が生じ、それにより、供給導管200など、モジュール102a,102bの構成部分に静的応力が導入されることなく、モジュール式の溶融ガラス供給装置100のモジュール102a,102bの長手方向の熱膨張が長手方向で吸収されてよい。下側キャリッジ104の変位は、例えば、本明細書に記載するように、膨張支援部材144および質量補償部材150によって支援されてよい。
【0084】
モジュール102a,102bの構成要素の半径方向の熱膨張は、支持フレーム128の側方ばね要素134および鉛直ばね要素136によって吸収されてよい。具体的に、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の構成要素が半径方向に熱膨張し、鉛直支持部材130a,130b,130cおよび水平支持部材132a,132bに押し付けられるときに、側方ばね要素134および鉛直ばね要素136は、それぞれ鉛直支持部材130a,130b,130cおよび水平支持部材132a,132bの変位を可能にし、それにより、溶融ガラス供給導管アセンブリ110の半径方向の熱膨張を吸収し、供給導管200への応力の導入を軽減してよい。
【0085】
図2および図14図16を参照すると、モジュール102a,102bのオーバーヘッド支持構造体400および移動可能な支持体410は、モジュール式の溶融ガラス供給装置100が加熱されるときのモジュール102a,102bのフランジ220の変位を吸収する。具体的に、移動可能な支持体410のばね412は、支持プレート411と接続ブラケット416との間で伸長するとともに支持プレート411に沿って摺動して、フランジ220の長手方向の変位を吸収し、これにより、フランジ220による供給導管200への応力の導入を軽減する。同時に、ばね支持体406は、鉛直方向上向きに後退し、フランジ220を介して供給導管200に加わる供給ケーブル380の重さを低減し、供給導管200への応力の導入を軽減することにより、フランジ220および取り付けられた供給ケーブル380の鉛直変位を吸収する。
【0086】
再び図1図3を参照すると、モジュール式の溶融ガラス供給装置100のモジュール102a,102bの温度が平衡化し、ガラス製造装置10の構成要素の熱膨張が低減する、例えば終わると、キャリッジカプラ170は、モジュール102a,102bの下側キャリッジ104を互いに接続し、それによりモジュール102a,102b間の相対的な動きを防ぐために使用される。
【0087】
本明細書に記載したモジュール式の溶融ガラス供給装置は、モジュール式の溶融ガラス供給装置の構成要素内の応力を低減または軽減し、それにより、モジュール式の溶融ガラス供給装置の耐用年数を延ばし、製造量を増大させ、ガラス製造装置の運転およびメンテナンスコストを低減するために使用してよい。例えば、記載したモジュール式の溶融ガラス供給装置は、装置の構成要素の熱膨張を吸収することにより、装置の構成要素の熱膨張によって生じる応力を低減することができる。構成要素の熱膨張を吸収することにより、より高い動作温度を実現し、ひいては、より大きな流量の溶融ガラスが装置を通ること(すなわち、溶融ガラスの時間当たり質量の増加)を可能にし、それにより、生産量を増大させると同時に、応力による損傷または故障のリスクを低減してよい。
【0088】
本明細書に記載した実施形態に対して、特許請求される主題の主旨および範囲から逸脱せずに、様々な修正および変形を行えることは、当業者にとって明らかであろう。それゆえに、本明細書は、本明細書に記載した様々な実施形態の修正および変形を、そのような修正および変形が添付の請求項およびそれらの均等物の範囲内であることを条件として、カバーすることを意図している。
【0089】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0090】
実施形態1
溶融ガラス供給装置を備えるガラス製造装置であって、前記溶融ガラス供給装置は、少なくとも1つのモジュールを備え、前記少なくとも1つのモジュールは、
複数の下側キャリッジローラを含む下側キャリッジと、
前記下側キャリッジに支持された上側レールシステムであって、水平に対して0度よりも大きな仰角αに向けられた一対の上側支持レールを含む、上側レールシステムと、
上側キャリッジであって、
水平に対して0度よりも大きな仰角βに向けられたベースプレートと、
前記ベースプレートに接続され、前記上側レールシステムの前記一対の上側支持レールに係合された複数の上側キャリッジローラと
を含む上側キャリッジと
を備える、ガラス製造装置。
【0091】
実施形態2
前記仰角αは前記仰角βに等しい、実施形態1記載のガラス製造装置。
【0092】
実施形態3
一対の下側支持レールを含む下側レールシステムをさらに備え、前記下側キャリッジの前記複数の下側キャリッジローラは、前記一対の下側支持レールに係合されている、実施形態1記載のガラス製造装置。
【0093】
実施形態4
前記下側キャリッジに接続された膨張支援部材をさらに備え、前記膨張支援部材は、前記下側キャリッジに膨張支援力を加えるように構成されている、実施形態1記載のガラス製造装置。
【0094】
実施形態5
前記上側キャリッジおよび前記上側レールシステムに接続された質量補償部材をさらに備え、前記質量補償部材は、前記上側レールシステムに沿って前記上側キャリッジに上向きの質量補償力を加えるように構成されている、実施形態1記載のガラス製造装置。
【0095】
実施形態6
前記下側キャリッジに接続された膨張支援部材をさらに備え、前記膨張支援部材は、前記下側キャリッジに膨張支援力を加えるように構成されている、実施形態5記載のガラス製造装置。
【0096】
実施形態7
前記上向きの質量補償力の水平成分が、前記膨張支援力の水平成分とは逆である、実施形態6記載のガラス製造装置。
【0097】
実施形態8
前記上側キャリッジの前記ベースプレートに接続された支持フレームをさらに備え、前記支持フレームは、
前記ベースプレートに対して横方向に変位可能であるように、側方ばね要素によって前記ベースプレートに接続された鉛直支持部材と、
水平支持部材であって、前記水平支持部材が前記鉛直支持部材に対して鉛直方向に変位可能であり、かつ前記鉛直支持部材が前記水平支持部材に対して横方向に変位可能であるように、鉛直ばね要素および前記側方ばね要素によって前記鉛直支持部材に接続された水平支持部材と
を備える、実施形態1記載のガラス製造装置。
【0098】
実施形態9
前記支持フレームは、
前記鉛直支持部材に接続された鉛直支持プレートと、
前記水平支持部材に接続された水平支持プレートと
を備える、実施形態8記載のガラス製造装置。
【0099】
実施形態10
前記上側キャリッジに支持された溶融ガラス供給導管アセンブリをさらに備え、前記溶融ガラス供給導管アセンブリは、
耐火セラミック材料から形成された上側クレードルブロックと、耐火セラミック材料から形成された下側クレードルブロックとを含むクレードルアセンブリと、
前記クレードルアセンブリ内に配置され、前記溶融ガラス供給導管アセンブリの長手方向に延びる管アセンブリであって、耐火セラミック材料から形成された上側管部分と、耐火セラミック材料から形成された下側管部分とを含む管アセンブリと、
前記管アセンブリ内に配置され、前記長手方向に延びる供給導管であって、耐火金属から形成された供給導管と
を備える、実施形態1記載のガラス製造装置。
【0100】
実施形態11
前記下側管部分と前記下側クレードルブロックとの間に形成されたキー溝であって、前記長手方向を横切る横方向に延びるキー溝と、
前記キー溝内に配置され、前記下側管部分と前記下側クレードルブロックとを接続するキーと
をさらに備える、実施形態10記載のガラス製造装置。
【0101】
実施形態12
前記溶融ガラス供給導管アセンブリは、前記クレードルアセンブリの周囲に配置された耐火ブロックをさらに備え、前記耐火ブロックは耐火セラミック材料から形成されている、実施形態10記載のガラス製造装置。
【0102】
実施形態13
前記下側クレードルブロックと前記耐火ブロックとの間に形成されたキー溝であって、前記長手方向を横切る横方向に延びるキー溝と、
前記キー溝内に配置され、前記下側クレードルブロックと前記耐火ブロックとを接続するキーと
をさらに備える、実施形態12記載のガラス製造装置。
【0103】
実施形態14
前記上側管部分は、前記長手方向に延びかつ前記供給導管の一部の周囲にアーチ状に配置された複数の管セグメントを含む、実施形態10記載のガラス製造装置。
【0104】
実施形態15
前記供給導管の長手方向端部にて前記供給導管に接続された少なくとも1つのフランジをさらに備える、実施形態10記載のガラス製造装置。
【0105】
実施形態16
前記少なくとも1つのフランジは、供給ケーブルに接続されたバス部分と、前記供給導管に接触する分配部分とを備える、実施形態15記載のガラス製造装置。
【0106】
実施形態17
前記バス部分に接続された移動可能な支持体と、前記バス部分に鉛直方向で力を加えるように構成されたばね要素とをさらに備える、実施形態16記載のガラス製造装置。
【0107】
実施形態18
前記移動可能な支持体は、前記少なくとも1つのフランジの前記バス部分から電気的に絶縁されている、実施形態17記載のガラス製造装置。
【0108】
実施形態19
溶融ガラス供給導管アセンブリを備えるガラス製造装置であって、前記溶融ガラス供給導管アセンブリは、
耐火セラミック材料から形成された上側クレードルブロックと、耐火セラミック材料から形成された下側クレードルブロックとを含むクレードルアセンブリと、
前記クレードルアセンブリ内に配置され、前記溶融ガラス供給導管アセンブリの長手方向に延びる管アセンブリであって、耐火セラミック材料から形成された上側管部分と、耐火セラミック材料から形成された下側管部分とを含む管アセンブリと、
前記下側管部分と前記下側クレードルブロックとの間に形成されたキー溝であって、前記長手方向を横切る横方向に延びるキー溝と、
前記キー溝内に配置され、前記下側管部分と前記下側クレードルブロックとを接続するキーと
を備える、ガラス製造装置。
【0109】
実施形態20
前記クレードルアセンブリの周囲に配置された耐火ブロックをさらに備え、前記耐火ブロックは耐火セラミック材料から形成されている、実施形態19記載のガラス製造装置。
【0110】
実施形態21
前記下側クレードルブロックと前記耐火ブロックとの間に形成されたキー溝であって、前記溶融ガラス供給導管アセンブリの前記長手方向を横切る横方向に延びるキー溝と、
前記キー溝内に配置され、前記下側クレードルブロックと前記耐火ブロックとを接続するキーと
をさらに備える、実施形態20記載のガラス製造装置。
【0111】
実施形態22
前記上側管部分は、前記長手方向に延びかつアーチ状に配置された複数の管セグメントを備える、実施形態19記載のガラス製造装置。
【0112】
実施形態23
前記管アセンブリ内に配置され、前記長手方向に延びる、耐火金属から形成された供給導管をさらに備える、実施形態19記載のガラス製造装置。
【0113】
実施形態24
前記供給導管の長手方向端部にて前記供給導管に接続されたフランジをさらに備える、実施形態23記載のガラス製造装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16