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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】識別子を有するポーションカプセル
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/44 20060101AFI20240404BHJP
   A47J 31/06 20060101ALI20240404BHJP
   A47J 31/36 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A47J31/44 510
A47J31/06 323
A47J31/36 328
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022108369
(22)【出願日】2022-07-05
(62)【分割の表示】P 2021096118の分割
【原出願日】2011-07-22
(65)【公開番号】P2022133388
(43)【公開日】2022-09-13
【審査請求日】2022-07-13
(31)【優先権主張番号】102011010534.4
(32)【優先日】2011-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102010044251.8
(32)【優先日】2010-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102010031988.0
(32)【優先日】2010-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513014514
【氏名又は名称】ケイ‐フィー システム ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100111372
【弁理士】
【氏名又は名称】津野 孝
(72)【発明者】
【氏名】クリューガー,マルク
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0048621(US,A1)
【文献】特表2004-525829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/44
A47J 31/06
A47J 31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を製造するためのポーションカプセルであって、
空洞を有して飲料原料を備える基本要素と、前記基本要素から水平に延長した円環状フランジと、前記空洞を閉鎖するように前記円環状フランジの上側に張り付けた膜と、それぞれのポーションカプセルを区別可能にする識別子と、を備え、
前記基本要素が、底部領域と、前記円環状フランジと前記底部領域との間で延長する壁領域を備え、
前記識別子が、前記円環状フランジの底側に設けられたバーコードであって前記円環状フランジの全周にわたり延長し、
前記円環状フランジの底側が、前記膜を張り付ける前記円環状フランジの上側と反対側であり、
前記基本要素の壁領域が、前記壁領域の外側にほぼ垂直かつ部分的に延長した複数の溝を備え、
前記複数の溝が、前記底部領域に向けられて前記円環状フランジと前記底部領域との間の境界領域の上に広がり、前記空洞に面する前記壁領域の内側で対応する隆起を形成するとともに、前記境界領域と前記底部領域との間に配置される前記壁領域の20%~80%を被覆していることを特徴とする、ポーションカプセル。
【請求項2】
前記複数の溝が、前記壁領域の全周にわたって配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のポーションカプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料原料が提供される空洞を有する基本要素を備え、基本要素に固定される膜によって閉じられる、飲料を製造するためのポーションカプセルに関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなポーションカプセルは、既知であり、豊富な種類のものが市場に販売されている。
これらのポーションカプセルは、非常に類似しているため、或る製造者のポーションカプセルが、別の製造者によって設計されたコーヒーメーカーにおいて、そのコーヒーメーカーに対して適切でないにもかかわらず、使用される。
このために、重大な安全上の問題がもたらされる場合があり、かつ/または、コーヒーメーカーが損傷を受ける場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それゆえ、本発明の目的は、それのみが特定のコーヒーメーカーに適したポーションカプセルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本発明の目的は、飲料を製造するためのポーションカプセルであって、飲料原料が提供される空洞を有する基本要素を備え、基本要素に固定される膜によって閉じられる、飲料を製造するためのポーションカプセルによって達成され、このポーションカプセルは、それぞれのポーションカプセルを区別する識別子を有している。
【0005】
本発明は、飲料または食料品を製造するためのポーションカプセルであって、飲料原料が提供される空洞を有する基本要素を備えたポーションカプセルに関する。
そのようなポーションカプセルは、たとえば、プラスチック、天然材料、および/または、生分解性材料から成り、基本要素、特に深絞り基本要素を有し、すなわち、円錐台形状にまたは円筒形状に設計されている。
飲料原料は、ポーションカプセルの空洞内に配置され、抽出され、かつ/または、液体、特に水に溶解される。
飲料原料が空洞内に充填された後、基本要素は、通常、膜によって密封される。
特に、膜は、基本要素の底部の反対側に配置されている。
この膜は、基本要素と同じか、異なる材料から成り、シーリングや接着により基本要素に付着される。
加えて、空洞は、たとえば、フィルタ、不織布、フェルト、遮蔽装置、および/または、それらに類似のもののような、1つ、または、いくつかの内蔵要素を含む。
不織布およびフェルトが空洞内に配置される事例について、それらは、相互接続されることが好ましい。
不織布および/またはフェルトは、いくつかの層が、その出発原料、および/または、その調製品の種類が異なるように、作成される。
その上、膜および/または底部には、複数の陥凹部(穴)を設けられている。
【0006】
本発明によれば、ポーションカプセルは、それぞれのポーションカプセルを区別できる識別子を有している。
本発明における区別とは、それぞれのポーションカプセルがそのコーヒーメーカーに適切なポーションカプセルのグループに割り当てられることを意味する。
コーヒーメーカーが、ポーションカプセルを指定、および/または、特定する必要はない。
事実、コーヒーメーカーがポーションカプセルをコーヒーメーカーに適したポーションカプセルのグループに関連付けることの方が、重要である。
特に、区別することは、コーヒーメーカーにとって適切でないポーションカプセルが、コーヒーメーカー内の、ポーションカプセルのために設計されるホルダ内に挿入されたり直接落とし込まれることができないこと、ならびに/または、コーヒーメーカーが、対応するポーションカプセルによってのみ動作することを意味する。
センサ/検出システムが、識別子をハンドリングし、それを記憶されている基準と比較するのが好ましい。
特に、コーヒーメーカーの水供給圧力ポンプは、検出された識別子が基準と一致する場合に起動されるのが好ましい。
そうでない場合、コーヒーメーカーは、動作を開始しない。
そして、検出システムは、ポーションカプセルのために設計されたコーヒーメーカーの媒体シュートの領域内に配置されるのが良い。
本発明の別の実施例によれば、検出システムは、抽出チャンバ(brewing chamber)の領域内に配置されてもよい。
本発明の別の実施例は、識別子が、ポーションカプセルがコーヒーメーカー内に挿入されることを妨げるように設けられる。
特に、機械的手段、より好ましくは、1つまたは複数の歯車が、誤ったポーションカプセルが媒体シュートを通過することによってコーヒーメーカー内に挿入されることができないことを保証するために、媒体シュート内に追加されてもよい。
【0007】
そして、識別子は、異なる光学的特質、たとえば、反射を有する表面領域から成るのが良い。
これらの表面は、ポーションカプセルの膜、側壁、および/または、底部上に配置される。
そして、ポーションカプセルは、それらの光学的特質、たとえば、反射特性が異なる少なくとも2つの領域を有するのが良い。
【0008】
陥凹および/または隆起を検出することも、好ましい。
好ましくは、陥凹と隆起とは、交互に配置され、かつ/または、少なくとも2つの陥凹または隆起が、互いから離間して配置される。
特に、陥凹および/もしくは隆起が、外縁に付着される歯車を形成し、かつ/または、ポーションカプセルの壁領域まで少なくとも部分的に延在することが可能である。
陥凹および/または隆起は、たとえば、深絞りなどの任意の成形方法によって作成されるのが好ましい。
【0009】
さらに、陥凹は、材料を除去することによって実現される。
特に、材料の除去は、この処理が、ポーションカプセルの材料内に配置される障壁層に損傷を与えず、それによって、水分や芳香がポーションカプセルから逃げたり水蒸気や酸素がカプセルに入ったりすることが妨げられることを条件として、打ち抜きやレーザの使用によって達成される。
陥凹や隆起に符号化される識別子の読み取りは、たとえば、機械的および/または光学的な方法によりもたらされる。
識別子は、ポーションカプセルがコーヒーメーカー内に挿入されることを回避するために使用される。
これは、媒体シュートに特に当てはまる。
たとえば、リングギアであって、ポーションカプセルの外周上に配置され、媒体シュート内に配置される別のリングギアとかみ合う、リングギアを備えるポーションカプセルを設計することが、可能である。
媒体シュートのリングギアは、ポーションカプセルのリングギアのためにのみ回転し、その回転によって、ポーションカプセルが通過することが可能になり、適切なリングギアを備えたポーションカプセルのみが挿入ロックを通過することになる。
【0010】
さらに、識別子は、膜内に含まれる。
好ましくは、識別子は、膜の層、または、部分層である。
そのような識別子は、たとえば、蛍光材料などの光学的に検出可能な材料である。
さらに、識別子は、それぞれ、膜の中または上の、金属もしくは鉄金属から成る層、または、金属もしくは鉄金属から成る筋(stripes)によって設計される。
【0011】
また、識別子は、機械可読インプリントであるのが好ましい。
これは、食品承認着色料(food spproved color)のプリントによって実現される。
紙またはプリント材料のような蛍光材料であって、その光学的特質が温度の影響下で変化するものが良い。
そして、プリントは、バーコード、ロゴ、または、繰り返し柄(rapport)であるのが好ましい。
【0012】
さらに、識別子は、導電性区画であり、これは、ポーションカプセル上のどこにでも配置されるが、好ましくは、側壁、端部、および/または、底部に位置する。
コーヒーメーカー内に挿入される導電性区画は、電気回路の一部になり、測定可能な変化を引き起こすことによってそれぞれのポーションカプセルが識別される。
さらなる実施例では、識別子は、強磁性材料から成る区画である。
【0013】
別の構築の仕方としては、RFIDチップが、識別子であってもよい。
【0014】
ポーションカプセルがカスタマイズされる場合、コーヒーメーカーと合わないポーションカプセルが、コーヒーメーカー内に挿入されることが妨げられる。
さらに、識別子は、たとえば、温度、圧力、および/または、水の量を調整することによって飲料または食料品の製造プロセスが制御されるように、抽出チャンバ内に配置されるポーションカプセルを識別することができる。
【0015】
さらに、ポーションカプセルの材料は、たとえば、レーザを使用することによって、選択的に材料を除去することで底部領域において薄くされる。
マンドレルを使用してポーションカプセルに穴を開けるために、このように薄くしている。
この手順は、飲料を準備するために必要とされる。
材料がレーザによって処理され、マンドレルを使用して穴を開けられるが、この区画において材料が薄くされるため、ポーションカプセルに穴を開けるために必要とされる力の度合いが軽減される。
そのようなコーヒーメーカーのマンドレルには、通常、力を制限する力制限部が設けられており、マンドレルのポーションカプセルの底部に対する圧迫専用になっている。
これによって、適切に薄くされていないポーションカプセルが、このようなコーヒーメーカーにおいて使用される可能性が回避される。
したがって、このように薄くすることは、もう一つの種類の識別子を表している。
【0016】
さらに、ポーションカプセルは、基本要素に付着される端部領域を有しているのが好ましい。
そして、この端部領域は、基本要素の底部領域の反対側に位置するのが良い。
原料がポーションカプセル内に充填された後、たとえば、膜は、この端部領域に付着される。
その上、この端部領域は、ポーションカプセルを抽出チャンバ内に適切に位置づけるために、ポーションカプセルを媒体シュート内にも誘導するように設計されることができる。
同時に、この端部領域の表面を遮断、および/または、シーリングに使用することが、可能である。
【0017】
そして、ポーションカプセルに、端部領域におけるかみ合い固定、摩擦固定、および/または、検出のための手段が設けられるのが好ましい。
かみ合い固定や摩擦固定のための手段は、ポーションカプセルのコーヒーメーカーへの挿入、および/または、ポーションカプセルがコーヒーメーカーに対応するか否かに応じて制御ユニットへの信号を送信する、歯車のようなセンサの始動を可能にするために、コーヒーメーカー内に配置される、相補的な機構を起動するために使用される。
検出器は、ポーションカプセルがそれぞれのコーヒーメーカーに適切であるかをチェックするために、かみ合い固定や摩擦固定や検出のための手段を識別することができる。
【0018】
そして、かみ合い固定や摩擦固定や検出のための手段は、特に、端部領域の外側領域内に配置される歯車、または、歯車の断片であるのが良い。
歯車、または、歯車の断面の歯、たとえば、ギア製造の専門家によって既知である、任意の一般的に使用されている形状に成形される。
これらの歯は、三角形、長方形、正方形、または、波形であるように設けられるのが好ましい。
【0019】
好ましくは、シール面が、歯車、または、歯車の断片に対して内側に配置される。
【0020】
別の好ましい最先端技術は、基本要素であって、中に飲料原料が提供され、この基本要素に固定される膜によって閉じられる空洞を有する、円錐台形状または円筒形状に設計される、基本要素を備えた飲料を製造するためのポーションカプセルであって、基本要素は壁領域と膜の反対側に配置される底部領域とを有し、壁領域はいくつかの溝を有し、膜と底部領域との間に配置される溝は、少なくとも部分的にその高さに沿って壁領域を覆う。
そして、このような溝は、端部領域、特に端部領域の外側領域にも配置される。
【0021】
このポーションカプセルは、たとえば、溝が基本要素の壁領域を補強するという、最先端技術によるポーションカプセルにまさる利点を有する。
一方、これらの溝は、ポーションカプセルを機械力に対してより安定させ、ポーションカプセルが変形および座屈するのを防止している。
加えて、壁領域に配置される溝の配置、特に、膜と底部領域との間で壁領域に部分的に延在する溝の配置は、抽出プロセスの品質と信頼性を大幅に向上させるため、抽出チャンバ内で抽出液がこの溝に沿って流れている間のポーションカプセルの性能を改善する。
また、このような溝を使用することによって物理的安定性が向上するため、基本要素の厚さが低減される。
それゆえ、ポーションカプセルの製造が、はるかに安価で、より環境を配慮したものとなる。
他方、溝は、ポーションカプセルの壁領域と抽出チャンバの壁との間の接触を低減、または、回避している。
そのため、ポーションカプセルの抽出チャンバからの排出または除去が、容易になる。
複数の溝を使用することの別の利点は、基本要素に沿って空洞内を流れる抽出液の流れが、たとえば、壁領域において、一方では抽出液のより良好な、もしくは、より強い乱流、または、他方では、抽出液のより一様な(層流の)流れを生成することが可能である溝の構造を選択することによって、最適化できることである。
その液体の制御は、溝の構造自体によって、または、付加的に単純な手段を使用することによって得られる。
既知のものと比較してより強い乱流は、原料内で意図しない偶然の本流が形成されないという利点を有する。
代わりに、抽出液は、どのような容積の原料においても均一に流れる。
したがって、抽出プロセスは、より効率的でより精密に再現性良く制御される。
【0022】
特に、原料は、コーヒー粉末(特に、挽いたローストコーヒー)、粉末チョコレート、粉ミルク、茶などである。
代替的には、原料は、たとえば、インスタントコーヒーのような飲料の抽出物である。
【0023】
特に、溝は、陥凹および隆起であり、これらは、主延在方向に沿って向けられ、壁部分または端部領域の環状に沿って延在するのが好ましい。
そして、この溝は、ウェブや切り欠きとして形成されるのが、より好ましい。
歯車は、たとえば、溝によって得られる。
それゆえ、溝は、任意選択的に空洞の方を向いている内側や空洞の反対の方を向いている外側に配置される、基本要素の壁の一部である。
【0024】
本発明の実施例によれば、溝が、ポーションカプセルを区別可能にする識別子を形成するように設けられている。
本発明における区別とは、それぞれのポーションカプセルが、それぞれのコーヒーメーカーや飲料製造装置に適切なカプセルのグループに割り当てられることを意味する。
コーヒーメーカーや飲料製造装置が、ポーションカプセルを指定したり特定したりする必要はない。
飲料製造装置、特に、コーヒーメーカーは、それぞれに適切なポーションカプセルのグループに、ポーションカプセルを関連付けることの方がより重要である。
特に、区別することは、コーヒーメーカー(または、飲料製造装置)にとって適切でないポーションカプセルが、コーヒーメーカー(または、飲料製造装置)内のポーションカプセルのために設計されるホルダ内に挿入したり直接落とし込まれたりすることができないこと、ならびに/または、コーヒーメーカー(または、飲料製造装置)が、対応するポーションカプセル(「適切なポーションカプセル」)によってのみ動作することを意味する。
特に、区別するとは、使用されるポーションカプセルがカスタマイズされていない場合に、コーヒーメーカーや飲料製造装置が適切に動作しないことを意味する。
好ましくは、コーヒーメーカーや飲料製造装置に取付けられているセンサ/検出システムが、識別子を記録し、実質的に、それを記憶されている基準と比較する。
特に、そのような識別プロセスが、飲料製造装置またはコーヒーメーカーに付着され、ポーションカプセルと相互作用する機械的なかみ合い、特に、歯車、または、歯車に相当する輪郭のかみ合いに基づくことが可能である。
飲料製造装置、または、コーヒーメーカーが、識別子が基準に一致するか、または、機械的なかみ合いが互いに一致する場合にのみ動作することが好ましい。
この場合、飲料製造装置は、動作を開始し、特に圧力やウォーターポンプを起動する。
検出または機械的なかみ合いのための手段は、媒体シュートの領域、または、飲料製造装置の領域内に配置される。
すなわち、識別子または機械的なかみ合いは、不適切なポーションカプセルが飲料製造装置内に挿入されることを回避する。
本発明のポーションカプセルは、飲料製造装置のために設計されていないポーションカプセルが飲料製造装置に挿入できないようになっている。
そして、識別子は、飲料製造装置、特にコーヒーメーカーが、ポーションカプセルの分類を指定し、それによって、たとえば、圧力、温度、および/または、水の量を適合させることによって飲料、および、食料品の製造プロセスを制御することを可能にする。
【0025】
本発明のさらに好ましい実施例によれば、溝の少なくとも一部が、少なくとも膜の主面に平行な部分領域において、歯車状に成形されるように設けられている。
【0026】
本発明によれば、抽出液の増大した乱流を実現するために、それによって、たとえば、材料の厚さなどのような、同じ条件下で抽出のプロセスを向上させるために、ポーションカプセルの壁領域の安定性を向上させることができる。
また、飲料製造装置に属するかみ合いツールと一致する機械的な識別子、または、機械的なかみ合いを生成することが容易である。
さらに、たとえば、飲料製造装置に取付けられて媒体シュートなどの領域に配置される歯車は、ポーションカプセルの歯車の輪郭と相互作用することができる。
このように、ポーションカプセルを適切なものとして区別すること、および/または、ポーションカプセルの分類を指定すること、および/または、歯車の構成を使用することによって、膜の主面に垂直な回転軸を中心としてポーションカプセルを回転させることが可能な、機械的なかみ合いを生成することができる。
本発明の実施例は、ポーションカプセルが、飲料製造装置によって(その角度位置について)常に同じ場所で開かれ、それによって、原料が同じように抽出されることを可能にする。
その上、溝は、ポーションカプセルがコーヒーメーカー内に挿入されることを妨げる。
【0027】
本発明の好ましい形態では、膜を基本要素に固定するために、フランジ/端部領域が底部領域から避けられるように設けられ、フランジ/端部領域と底部領域との間の壁領域が好ましくは境界領域を有し、溝が好ましくはこの境界領域まで延在している。
【0028】
このため、本発明は、一方では、壁領域が安定した補強された形で構築され、他方では、壁領域に配置される溝の歯車形状の輪郭が比較的高い負荷を吸収することができる。
これによって、ポーションカプセルが、容易に、かつ、飲料製造装置内でポーションカプセルが一切損傷を受けることなく回転する。
【0029】
そして、基本要素の直径は、境界領域において、この境界領域から底部領域まで及ぶ壁領域と比較して大きくなっているのが好ましい。
【0030】
これによって、ポーションカプセル、または、ポーションカプセルの基本要素を容易に、かつ、ロバストに積み重ねるという有利な可能性が生じる。
【0031】
その上、溝の少なくとも一部が歯車形状であり、部分的に歯車形状である少なくとも1つの平面が、歯車形状の外見が境界領域またはフランジ/端部領域の上に広がるように、膜に平行であることが好ましい。
【0032】
本発明のさらなる形態は、以下の特性のうちの1つまたは2つ以上を実装するポーションカプセルに関する:
-基本要素が境界領域においてフランジの方向に先細りになる、
-底部領域に向けられる溝が境界領域の上に広がる、
-溝が、境界領域と底部領域との間に配置される壁領域の20%~80%、好ましくは40%~60%をほぼ被覆する、
-壁領域が補強され、かつ/または、溝が抽出液の空洞内での乱流を引き起こすように、溝が構築される。
【0033】
本発明の他の好ましい形態は、フランジに隣接する、基本要素の壁領域の直径とフランジの直径との比が0.85~0.89であり、特に、0.87であるように製造されるポーションカプセルに関する。
【0034】
好ましい形態では、フランジに隣接している壁領域の直径は、39ミリメートルであり、フランジの直径は、45ミリメートルである。
本発明の別形態として、基本要素が、底部領域とフランジとの間の壁領域と比較して、境界領域においてより厚い壁領域を有することが好ましい。
壁領域内に溝を含むポーションカプセルの設計は、その安定性を向上させるため、ポーションカプセルを製造することによって材料を節約し、ポーションカプセルの製造に必要とされるコストおよびエネルギーを削減することが可能である。
【0035】
本発明によれば、フィルタ要素が、空洞内に配置されるように設けられている。
そのようなフィルタ要素は、空洞に飲料原料を収容するための第1の領域と飲料抽出物を収容するための第2の領域とに分割する。
特に、フィルタ要素が不織材料から成るように設けられている。
【0036】
さらに、本発明によるポーションカプセルは、高温飲料を調製するように意図される。
以下において、本発明が、図1から図22に基づいて説明される。
これらの説明は、本発明の概念を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】光学的に異なる区画を含むポーションカプセルを示す図。
図2】バーコードを含むポーションカプセルを示す図。
図3】陥凹および隆起を有するポーションカプセルを示す図。
図4】光学的に異なる区画を含むポーションカプセルを示す図。
図5】主要な機能を有するポーションカプセルを示す図。
図6】導電性である、ポーションカプセルの壁を示す図。
図7】光学的に異なる区画を含むポーションカプセルの壁を示す図。
図8】ポーションカプセルの壁の拡大されたポット構造を示す図。
図9】導電性である端部領域を示す図。
図10】導電性である底部を含むポーションカプセルを示す図。
図11】金属検出器によって検出される層を含む実施例を示す図。
図12】金属ろ過器を示す図。
図13】強磁性区画を含むポーションカプセルを示す図。
図14】バーコードを含むポーションカプセルを示す図。
図15】壁内に導電性である区画を含むポーションカプセルを示す図。
図16】抽出チャンバ内に歯車が配置されるポーションカプセルを示す図。
図17a図16によるポーションカプセルの一実施例を示す図。
図17b図16によるポーションカプセルの一実施例を示す図。
図17c図16によるポーションカプセルの一実施例を示す図。
図18】ポーションカプセルが歯車とかみ合い固定しているときの図16および図17によるポーションカプセルを示す図。
図19】本発明の実施例によるポーションカプセルの概略図。
図20】本発明の実施例によるポーションカプセルの概略図。
図21】本発明の実施例によるポーションカプセルの1つの断面図。
図22】本発明の実施例によるポーションカプセルの1つの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1の右側は、壁領域2.1と底部領域2.2とを有する基本要素2を備えたポーションカプセル1を示している。
壁領域2.1と底部領域2.2とは、空洞3を画定し、この空洞3は、原料と場合によっては内蔵要素とを含んでいる。
充填後、この空洞3は、膜4によってシールされ、この膜4は、シールまたは接着材を用いて基本要素2の端部領域2.4に付着されている。
このようなポーションカプセル1は、液体、特に、水が流れる抽出チャンバ内に挿入される。
この工程で原料が、抽出または溶解されて、飲料が生成される。
本発明によれば、ポーションカプセル1は、それぞれのポーションカプセルがコーヒーメーカーの抽出チャンバと組になるか否か、および、処理するためのパラメータが適切に選択されるか否かを判定する1つの識別子を有している。
そうでない場合、重大な安全上の問題が生じる。
たとえば、誤ったポーションカプセルを挿入することは、抽出チャンバの気密性を危険にさらす。
この場合、熱水が高圧下で放出され、ユーザの安全が損なわれる可能性がある。
他の面では、誤ったポーションカプセルを挿入することが、コーヒーメーカーに損傷を与える可能性もある。
この例において、識別子は、いくつかの隆起した領域8によって表され、この隆起した領域8は、隆起した領域8の間の区画と反射特性が異なっている。
矢印で示すように、たとえば、反射のような光学的特質を有する不均一な区画5、6を区別可能な検出手段(ここでは、光学検出器)が、隆起を通過する。
異なる区画の間の切り替え、または、隆起8の数が、識別子を表す。
識別子が読み出された後、識別子は、記憶されている基準と比較される。
識別子が基準と一致する場合、コーヒーメーカーは、動作を開始する。
特に、熱水を抽出チャンバを通じて押し出すポンプは、識別子が基準と一致しない場合には、動作を開始しない。
【0039】
識別子に関するすべての注記は、すべての例に当てはまる。
【0040】
図2は、本発明によるポーションカプセルの別の実施例を示している。
このポーションカプセルは、膜の上面の領域に配置されたバーコードを有している。
そして、このバーコードは、材料を除去することによって印刷されるか、または、ホイル内に一体化される媒体によって生成され、蛍光剤などによって光学的に検出される。
代替的には、金属リングが、ホイルの一部であってよく、または、ホイルに付着されてもよい。
バーコードの区画は、強磁性材料から成ってもよい。
矢印15で示すように、バーコードは、代替的に、膜を避けて基本要素2の端部領域に付着されることができる。
そのようなバーコードは、媒体シュート内に配置される検出手段13によって読み出される。
バーコードは、本発明による識別子を表す。
【0041】
図3は、本発明によるポーションカプセルの別の実施例を示している。
本事例においては、識別子は、陥凹7および隆起8を含み、これらは、ポーションカプセルの壁領域2.1の例に示されるように、材料除去、または、ポーションカプセルの再形成からもたらされる。
本実施例では、陥凹7および隆起8は、検出手段13と相互作用し、これは鍵のように動作し、コーヒーメーカーの動作は、すべての要素13がそれぞれの陥凹7内に配置される場合にのみ、開始する。
それゆえ、電気回路が、変化または閉じられることができる。
【0042】
図4は、図1に示す実施例と同様なポーションカプセルの実施例を示している。
本発明の代替的な形態として、この図は、光学的特質の異なっている区画が、バーコードの形態のカバーホイルに付着されていることを示している。
【0043】
図5は、図3に示す実施例と同様なポーションカプセルの実施例を示している。
ここでも、陥凹7は、鍵のような部分(key bit)を表している。
陥凹7が、対応する隆起8と相互作用し、それゆえ、電気回路がそれぞれ変更される場合にのみ、コーヒーメーカーは、動作を開始する。
そのようなシステムの配置は、抽出チャンバに限定されない。
たとえば、このシステムは、ポーションカプセルの媒体シュート内に配置されてもよい。
【0044】
図6は、隆起した形態を有する包囲リングを形成した電気材料を含む本発明の実施形態を示している。
導電性材料が、媒体シュート内に配置されるとともに、ポーションカプセルが挿入されている間に、電気回路の電気接点を形成するスライド電気接点によってスキャンされる。
【0045】
図7は、図6に示す実施例と同様なポーションカプセルの実施例を示し、リング領域が、被覆状態の反射区画5またはマット区画6を有し、媒体シュート内に配置されるとともに、ポーションカプセルが挿入されている間に制御電流の一部である光学的検出手段によって読み出されるように設けられている。
【0046】
図8は、識別子を表す相対的に広く隆起したリングを示している。
媒体シュートには、ポーションカプセルが適切な識別子を有するか否かをテストする、対応する空孔が備え付けられている。
そして、広いリングは、媒体シュート内に配置されるとともに、ポーションカプセルが挿入されている間に電気回路の接点を閉じる機械センサによってスキャンされる。
【0047】
図9は、本発明によるポーションカプセルの別の実施例を示している。
本事例においては、導電性コートが、端部領域2.4の裏に堆積され、媒体シュート内に配置されるとともに、ポーションカプセルが挿入されている間に、電気回路の電気接点を形成するスライド電気接点によってスキャンされる。
【0048】
図10は、本発明によるポーションカプセルの別の実施例を示している。
本事例では、ポーションカプセルは、導電性ワニス層またはアルミニウムホイルのような導電性コートを有している。
この導電性コートは、ポーションカプセルが挿入されている間に、電気回路の電気接点を形成するスライド電気接点によってスキャンされる。
【0049】
図11は、同じように、ポーションカプセルの底部領域2.2に配置されるとともに、ポーションカプセルが挿入されている間に、媒体シュート内に配置されて、たとえば、誘導的に検出する金属センサによって識別される導電性コートを有するポーションカプセルの形態を示す。
【0050】
図12に示す本発明の実施例は、金属検出器によって識別子として認識される金属から成る内蔵要素(ここではろ過器19)を有している。
【0051】
図13に示す本発明の実施例は、ポーションカプセルの底部領域2.2に配置される強磁性材料を含む。
識別子は、たとえば、ポーションカプセルが挿入されている間に、媒体シュート内に配置される磁石によってスキャンされる。
強磁性材料は、識別子として動作する。
【0052】
図14は、カバーホイルの領域内に配置されるバーコードを含む別の実施例を示している。
【0053】
図15に示す実施例によれば、金属リングが、壁内に一体化され、抽出チャンバの領域内に配置されている電気回路を閉じる。
【0054】
図16は、本発明によるポーションカプセル1の別の実施例を示している。
このポーションカプセルは、円錐形状であり、底部領域2.2と壁領域2.1とを有する基本要素2を特徴とする。
この基本要素2が、原料、および、必要な場合には、フィルタのような内蔵要素を収容するように設けられている。
当業者には、内蔵要素が他の内蔵要素を含んでもよいことは既知である。
カバーホイルをシールするために使用される円形のフランジ/端部領域2.4が、底部の反対側に配置される基本要素の末端に付着されている。
フランジ/端部領域2.4は、外側領域(外周)において、かみ合い固定や摩擦固定やや検出のための手段2.4.2を有している。
図17aから図17cに示すように、本実施例では、かみ合い固定や摩擦固定や検出のための手段2.4.2は、端部領域2.4に均等に配置されるいくつかの陥凹/隆起によって形成される歯車である。
そして、この端部領域2.4が、歯車の内側で抽出チャンバ27に付着されるシーリング21とシールするように相互作用するシール面2.4.1を有するように設けられている。
シーリング21は、水口28から来る水がマンドレル29によって作成された開口を通過することによって、ポーションカプセルの周りではなく、ポーションカプセルを通じて流れることを確実にする。
【0055】
図17aから図17cは、かみ合い固定や摩擦固定や検出のための手段2.4.2の異なる複数の実施例を示している。
図17aでは、歯車は、45本の歯を有する。
図17bまたは図17cでは、歯車は、それぞれ22本または29本の歯を有する。
当業者には、製造される歯は、任意に成形できることが既知である。
図17aから図17cのすべてが、ポーションカプセル1が、2つの保持アーム30を使用して抽出チャンバ27の一部によってどのように保持されるかを実証している。
保持アームは、かみ合い固定や摩擦固定や検出のための手段2.4.2と相互作用する。
かみ合い固定や摩擦固定や検出のための手段2.4.2が利用可能でない場合、保持アームは、ポーションカプセルを保持せず、ポーションカプセルは、抽出チャンバ27内に挿入されず、代わりに抽出チャンバ27を通って落下ボックス内に落ちる。
【0056】
図18は、コーヒーメーカーに装着され、小歯車からなるかみ合い固定手段24とともに、かみ合い固定や摩擦固定や検出のための手段2.4.2を示している。
かみ合い固定手段24が、ポーションカプセルをコーヒーメーカー内に挿入するためのポートを有する媒体シュート26内に配置されるように設けられている。
ポーションカプセルの内壁と小歯車24との間の距離は、かみ合い固定のための手段2.4.2が小歯車24と相補的に形成される場合にのみ、ポーションカプセルがポートを通過するように設計される。
この場合にのみ、ポーションカプセルは、落下しながらかみ合い固定手段24を回転させる。
回転と落下の両方が、図面において矢印によって表されている。
ポーションカプセルは、媒体シュート26のポートを通過するとともに、その後意図される位置へと落下するために回転を必要とする。
ポーションカプセルが、かみ合い固定のための手段を有していないか、または、誤ったかみ合い固定のための手段を有している場合、媒体シュート26を通過することによってポーションカプセルを意図する位置に配置することは不可能である。
付加的にまたは代替的に、かみ合い固定手段24は、回転運動を検出してその運動を制御ユニットに伝達するピックアップを有するように設けられている。
回転が、少なくとも規定の回転要素に対応する場合、制御ユニットは、抽出ユニットを起動させる。
当業者には、ポーションカプセルの境界が、或る手段、たとえば、端部領域2.4と相互作用する摩擦固定のための手段を含み、その手段を変位させ、それによって、その変位が検出されて、それゆえ、抽出チャンバが起動されることが既知である。
【0057】
当業者には、さらに、かみ合い固定や摩擦固定や検出のための手段2.4.2の形態を検出する、たとえば、カメラであるセンサが、媒体シュート26内に設置されてもよいことが既知である。
本事例においては、形態や歯の間の距離が、検出される。
適切なポーションカプセルが挿入された場合、結果として生じる信号が、制御ユニットに送信され、それによって抽出チャンバが起動される。
【0058】
図19は、本発明の実施例による別のポーションカプセルの形態を概略的に示す。
図20は、同じポーションカプセルを異なる視点から概略的に示す。
図19は、ポーションカプセルの正面図を示す。
図20は、下の角度から見たポーションカプセルを示す。
すべての図面において、ポーションカプセルは、符号1を付されている。
ポーションカプセルは、円錐台形状の基本要素2を有し、これはポットと同様に形成され、空洞3を内包している。
空洞3は、膜4によってシールされている。
図19の見ている方向は、膜4が位置している面と平行であるため、図面は、ポーションカプセルの上縁において膜1の輪郭を示しているに過ぎない。
特に、基本要素2は、深絞りされている柔軟な、半剛体または剛体のプラスチック材料を含む。
膜4は、プラスチック材料、または、アルミニウムから成るホイルを含む。
そして、基本要素2は、膜4の領域内に環状装着フランジ17を有し、膜4と環状装着フランジ17とは、溶着または接着によって強く接合される。
図面には、具体的に描かれていないフィルタ要素が、基本要素2内に配置されているのが好ましい。
たとえば、フィルタ要素は、ポリプロピレンのような熱可塑性樹脂から成る。
また、フィルタ要素は、熱可塑性樹脂のような不織材料から成る可能性もある。
好ましくは、フィルタ要素は、空洞3を2つの区画に分割する。
第1の区画には、原料が充填され、第2の区画には、抽出プロセスの間に図示されていない飲料の抽出物が充填され、特に収集されるように設けられている。
両方の区画は、個別には示されていない。
【0059】
ポーションカプセル1は、ここでは図示されていない抽出チャンバまたは飲料製造装置内に挿入するようになっている。
特に、このような飲料製造装置は、コーヒーメーカーである。
飲料製造装置は、茶飲料、チョコレート飲料、または、任意の他の飲料を製造する機械である可能性もある。
好ましくは、特に水または熱水である抽出液が、高圧下で飲料製造装置の抽出チャンバ内に運搬される。
抽出液は、飲料の抽出物、または、飲料が生成されるように、飲料の原料と相互作用する。
特に、フィルタ要素は、飲料の抽出のためのろ過器として利用される。
【0060】
本発明によれば、基本要素2は、壁領域12、および、底部領域11を有する。
壁領域12は、環状装着フランジ17から底部領域11までに及ぶ。
いくつかの溝15が、壁領域内に配置される。
特に、これらの溝は、壁領域12内に一体化され、空洞3の方を向き、環状装着フランジ17から底部領域11までに及ぶ(すなわち、図19にしたがって垂直に走る)キー溝である。
本発明によれば、溝15が、壁領域にわたって垂直に延在しており、すなわち、環状装着フランジ17から底部領域11まで真っ直ぐに走っているが、溝15は、全体の長さにわたって延在する必要はない。
溝15は、この溝15によって壁領域が補強され、または、硬化されるように形成される。
その上、壁領域12にわたって分布する複数の溝15が、抽出プロセス後に、壁領域12と、飲料製造装置の抽出チャンバの壁との間の密着を実現する。
これによって、ポーションカプセルが、自動的に抽出チャンバからより容易に排出されるようになる。
図19に表されているポーションカプセルの形態は、環状装着フランジ17から底部領域11までにわたる壁領域12に配置され、すなわち、底部領域11の方を向いて環状装着フランジ17に隣接する円周境界領域16を備えている。
この円周境界領域16は、円周境界領域16から底部領域11までに及ぶ壁領域と比較して広がった直径(膜4に平行な)を有する。
円周境界領域16の輪郭は、円周境界領域16の直径が環状装着フランジ17に向かって先細りになるように設けられている。
【0061】
図19に示す本発明の実施例によれば、溝15が、第1の部分においては、円周境界領域16内に配置され、第2の部分においては、円周境界領域16から底部領域11まで壁領域12にわたって部分的に、そして、最終的には終端するように設けられている。
溝15は、全部で、たとえば、環状装着フランジ17から底部領域11までに及ぶ壁領域12の広がりの約50%を被覆し、溝15の広がりの3分の1が円周境界領域16内に位置しており、溝15の広がりの3分の2が、円周境界領域16から底部領域11までに及ぶ残りの壁領域12に位置している。
【0062】
本発明によるポーションカプセルが、図21においてポーションカプセル1の高さに関してポーションカプセル1の広がりに沿った断面図として示されており、すなわち、断面の平面が膜4の主面に垂直である。
図22も、膜4の主面に平行な断面を描いた、本発明によるポーションカプセルの断面図を図示している。
ポーションカプセルの空洞の内部が、図21において示されている。
ポーションカプセルの材料または基本要素の材料は、図19に示すように、外側において溝を実装することによって内部において対応する凸状部およびへこみがもたらされるほどに、薄い。
図22は、ポーションカプセルの壁領域内に溝を挿入してもたらされる歯車形状の輪郭を示している。
【符号の説明】
【0063】
1 ・・・ カプセル
2 ・・・ 基本要素
2.1 ・・・ 壁領域
2.2 ・・・ 底部領域
2.3 ・・・ 包囲リング
2.4 ・・・ 端部領域(フランジ)
2.4.1 ・・・ シール面
2.4.2 ・・・ かみ合い固定や摩擦固定や検出のための手段
3 ・・・ 空洞
4 ・・・ 膜
5 ・・・ 反射面
6 ・・・ マット面
7 ・・・ 陥凹
8 ・・・ 隆起
9 ・・・ インプリント
10 ・・・ 導電性領域
11 ・・・ 底部領域
12 ・・・ 壁領域
13 ・・・ 検出手段(センサ、スキャナ)
14 ・・・ 光線
15 ・・・ 溝
16 ・・・ 円周境界
17 ・・・ バーコード、環状装着フランジ
18 ・・・ カプセルの広がり
19 ・・・ 内蔵要素(ろ過器)
20 ・・・ 強磁性材料から成る区画
21 ・・・ シーリング
22 ・・・ 媒体シュートのポート
23 ・・・ 媒体シュートのハウジング
24 ・・・ かみ合い固定手段(小歯車)
25 ・・・ 媒体シュートの内壁
26 ・・・ 媒体シュート
27 ・・・ 抽出チャンバ
28 ・・・ 水口
29 ・・・ マンドレル
30 ・・・ 支持するための手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17a
図17b
図17c
図18
図19
図20
図21
図22