(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】発光玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 33/42 20060101AFI20240404BHJP
A63H 33/30 20060101ALI20240404BHJP
A63H 33/22 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A63H33/42 B
A63H33/30 Z
A63H33/22 Z
(21)【出願番号】P 2022142605
(22)【出願日】2022-09-07
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】青木 武
(72)【発明者】
【氏名】丸山 洋平
(72)【発明者】
【氏名】森實 千賀
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-039655(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0373443(KR,Y1)
【文献】特開2003-344115(JP,A)
【文献】中国実用新案第213192524(CN,U)
【文献】特開2013-111086(JP,A)
【文献】特開2004-087160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部と、
前記発光部が発した光を反射可能に配置された反射体と、
前記反射体で反射した反射光が照射される被照射
部であって、当該被照射
部に照射された照射光を透過する光透過性を有する被照射
部と、
前記被照射部に比べて光透過率の低い第1の部分と、
を備
え、
前記被照射部における前記発光部からの反射光が照射される被照射面は、当該被照射面の平面視において、前記発光部の周囲に配置され、
前記第1の部分は、前記平面視において、前記被照射部に囲まれて設けられている、
発光玩具。
【請求項2】
請求項
1に記載の発光玩具であって、
前記被照射
部は、前記平面視において環状に構成されている、
発光玩具。
【請求項3】
請求項
2に記載の発光玩具であって、
前記反射体は、前記反射光を前記被照射
部に向って導光する湾曲面を有している、
発光玩具。
【請求項4】
請求項
1に記載の発光玩具であって、
前記平面視において、前記第1の
部分は、前記発光部と重なるように配置されている、
発光玩具。
【請求項5】
請求項
1に記載の発光玩具であって、
前記平面視において、前記被照射
部に比べて光透過率の低い第2の
部分が
当該被照射
部を囲むように設けられている、
発光玩具。
【請求項6】
請求項
5に記載の発光玩具であって、
前記被照射
部は、図柄を表す図柄部が表面に設けられる、
発光玩具。
【請求項7】
請求項
6に記載の発光玩具であって、
前記図柄部は、前記第1の
部分および前記第2の
部分の表面から突出するように設けられている、
発光玩具。
【請求項8】
請求項
1に記載の発光玩具であって、
前記発光部は、異なる色の光を発する複数の発光素子を含む、
発光玩具。
【請求項9】
請求項
8に記載の発光玩具であって、
前記複数の発光素子は、当該複数の発光素子が発した光の各照射光が前記被照射
部の異なる位置を照射するように所定の間隔をとって配置されている、
発光玩具。
【請求項10】
請求項
8に記載の発光玩具であって、
前記複数の発光素子は、3つの発光素子であって、
前記3つの発光素子は、それぞれの発光素子間の距離が略等距離となるように配置されている、
発光玩具。
【請求項11】
請求項
8に記載の発光玩具であって、
前記被照射部は、図柄を表す図柄部が表面に設けられ、
前記複数の発光素子は、前記図柄部における図柄の主要ポイントに合わせて配置されている、
発光玩具。
【請求項12】
請求項1に記載の発光玩具であって、
前記反射体は、
前記発光部に対面する第1の反射体と、
前記被照射
部に対面する第2の反射体と、を含む複数の反射体を備えている、
発光玩具。
【請求項13】
請求項
12に記載の発光玩具であって、
前記第1の反射体は、前記発光部に向って突状に膨らむ凸面に構成され、
前記第2の反射体は、前記被照射
部に向って導光可能な凹面に構成されている、
発光玩具。
【請求項14】
請求項1に記載の発光玩具であって、
前記発光部を駆動する駆動部は、前記被照射
部に対して反対側に配置されている、
発光玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1には、玩具本体部分である第一主玩具体と、第一主玩具体に対して開閉可能な蓋部材の第二主玩具体と、を有し、更に、第一主玩具体に設けられた、副玩具体が装着される副玩具体装着部と、演出出力部と、を備えており、副玩具体を、副玩具体装着部に装着し且つ回転することで、第二主玩具体が閉状態から開状態に変化可能に構成された演出出力玩具、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された演出出力玩具は、その演出においては、音声や音楽による音演出、及び光による発光演出が行われ、興趣性の高い玩具が提供されている。この種の玩具では、例えば光演出等において、更に興趣性を高める工夫を考慮した場合、多くの場合、電子制御による発光制御(発光の変化)が考えられる。しかし、電子制御を用いた発光の制御の場合には、玩具自体が複雑化し、コストが嵩むという問題を抱えてるのが現状である。
【0005】
本発明は、構造が簡単で効果的な装飾が可能な発光玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の発光玩具は、
発光部と、
前記発光部が発した光を反射可能に配置された反射体と、
前記反射体で反射した反射光が照射される被照射体であって、当該被照射体に照射された照射光を透過する光透過性を有する被照射体と、を備える、
ものである。
また、本発明の一態様の発光玩具は、
発光部と、
前記発光部が発した光を反射可能に配置された反射体と、
前記反射体で反射した反射光が照射される被照射部であって、当該被照射部に照射された照射光を透過する光透過性を有する被照射部と、
前記被照射部に比べて光透過率の低い第1の部分と、
を備え、
前記被照射部における前記発光部からの反射光が照射される被照射面は、当該被照射面の平面視において、前記発光部の周囲に配置され、
前記第1の部分は、前記平面視において、前記被照射部に囲まれて設けられている。
【0007】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記被照射体は略平坦な被照射面を有し、当該被照射面と平行な面における平面視において、前記発光部の周囲に配置されている、
ものである。
【0008】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記被照射体は、前記平面視において環状に構成されている、
ものである。
【0009】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記反射体は、前記反射光を前記被照射体に向って導光する湾曲面を有している、
ものである。
【0010】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記平面視において、前記被照射体に比べて光透過率の低い第1の部材が当該被照射体に囲まれて設けられている、
ものである。
【0011】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記平面視において、前記第1の部材は、前記発光部と重なるように配置されている、
ものである。
【0012】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記平面視において、前記被照射体に比べて光透過率の低い第2の部材が前記被照射体を囲むように設けられている、
ものである。
【0013】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記被照射体は、図柄を表す図柄部が表面に設けられる、
ものである。
【0014】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記図柄部は、前記第1の部材および前記第2の部材の表面から突出するように設けられている、
ものである。
【0015】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記発光部は、異なる色の光を発する複数の発光素子を含む、
ものである。
【0016】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記複数の発光素子は、当該複数の発光素子が発した光の各照射光が前記被照射体の異なる位置を照射するように所定の間隔をとって配置されている、
ものである。
【0017】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記複数の発光素子は、3つの発光素子であって、
前記3つの発光素子は、それぞれの発光素子間の距離が略等距離となるように配置されている、
ものである。
【0018】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記複数の発光素子は、前記図柄部における図柄の主要ポイントに合わせて配置されている、
ものである。
【0019】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記反射体は、
前記発光部に対面する第1の反射体と、
前記被照射体に対面する第2の反射体と、を含む複数の反射体を備えている、
ものである。
【0020】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記第1の反射体は、前記発光部に向って突状に膨らむ凸面に構成され、
前記第2の反射体は、前記被照射体に向って導光可能な凹面に構成されている、
ものである。
【0021】
本発明の一態様の発光玩具であって、
前記発光部を駆動する駆動部は、前記被照射体に対して反対側に配置されている、
ものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、構造が簡単で効果的な装飾が可能な発光玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】発明の一態様の発光玩具を示す斜視図であって、(a)は、外観を示す斜視図であり、(b)は、発光玩具の蓋部を開いた状態の斜視図である。
【
図4】発光部と他の部位材との位置関係を示す本体部の平面図である。
【
図5】複数の発光素子による光の広がり方を図柄部の平面視に対応して示す模式図である。
【
図6】
図1に示した発光玩具の本体部の平面図であって、(a)は、発光部が発光する前の状態を示す平面図であり、(b)は、発光部が発光したときの状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の発光玩具の一態様について、図を参照して説明する。
図1は、発明の一態様の発光玩具を示す斜視図であって、(a)は、外観を示す斜視図であり、(b)は、発光玩具の蓋部を開いた状態の斜視図である。
【0025】
図1に示す発光玩具1は、例えばその外観は、
図1の(a)に示すように、平面視で円形であると共に側面視で略楕円形の形状した容器型玩具である。そして、玩具筐体は、下側の本体部2と、外面に装飾が施されて本体部2を覆う蓋部3と、を備えている。
【0026】
蓋部3は、
図1の(b)に示すように、本体部2の一端側に設けられたヒンジ部4を支点にして開閉可能に構成されている。蓋部3は、例えば、ヒンジ部4に設けられたトーションばね(不図示)によりその開方向に付勢されており、ヒンジ部4とは反対側に設けられた係止片5が、本体部2に設けられた係止孔6に係合して閉じ状態が維持される構成となっている。また、本体部2は、リボン(形象物)を模した環状の図柄部10aを有する被照射体10が配置されている。環状のリボンを模した図柄部10aは、後述する発光部8(
図2参照)の光によって照射されて明るく輝く部分であり、被照射体10自体は、中央に孔10h(
図2参照)を有する円盤形状であり、その内側(図柄部10aの内側)、及び外側(図柄部10aの外側)には、後述するように、第1の部材11、及び第2の部材12が設けられている。
【0027】
図2は、
図1に示す本体部2の分解斜視図である。
図2に示すように、本体部2は、その構成を大別すると、本体ケース2aと、被照射体10と、被照射体10に重なり合う部材の第1の部材11、及び第2の部材12と、被照射体10の裏側に取り付けられる第1の反射体21と、第1の反射体21に対して所定の間隔を開けて配置される第2の反射体22と、第1の反射体21に対面し配置される発光部8と、を備えている。なお、本態様においては、発光部8の光を反射する反射体20として、前掲の如く2つの反射体(第1の反射体21、第2の反射体22)を設けた構成である。
【0028】
被照射体10は、中央に第1の反射体21を取り付ける孔10hが設けられ、孔10hと外縁側の図柄部10aとの間には平坦な第1の部材11の取付け面10fが設けられている。この被照射体10は、光透過性の素材にて形成されている。被照射体10は、乳半で構成されていることが好ましく、その光透過率は、30%~70%となっていることが好ましい。第1の部材11は、中央部分がダイヤモンドカット形状に盛り上がった飾り部11aを備え、外縁輪郭部11eが図柄部10aの内周縁10ieに対応する構成となっている。また、第1の部材11は、被照射体10に比べて光透過性が低い部材にて構成されている。
【0029】
第2の部材12は、被照射体10の外縁部10ueに対応する開口12hが設けられてた環状構造であり、裏面側には、本体ケース2aとの固定に供するボス部12bが設けられている。また、第2の部材12は、被照射体10に比べて光透過性が低い部材にて構成されている。発光部8は、回路基板7上に設けられた、例えば3個のLEDの発光素子8a,8b,8cにて構成されている。本体ケース2aは、その内部の略中央付近に回路基板7が取り付けられ、回路基板7に隣接して電源などの駆動部40が設けられている。すなわち、回路基板7や駆動部40は、被照射体10に対して第2の反射体22を挟んだ反対側(裏面側)に配置されている。
【0030】
図3は、
図1に示すA-A断面図である。
第1の反射体21は、
図3に示すように、本体ケース2aの中央には発光部8を有する回路基板7が取り付けられている。第2の反射体22は、回路基板7の外縁部7eにその開口部22hが対応するように設けられている。すなわち、第2の反射体22は、その中央の開口部22hが発光部8を囲むように本体ケース2aに取り付けられている。そして、第2の反射体22は、光を反射する第2の反射面22rを備えている。この第2の反射面22rは、開口部22hの部分以外の部分は凹形状の湾曲面に構成されている。第2の反射体22が光を反射可能とする構成については、例えば、第2の反射面22rの表面性を鏡面仕上げにすると共に白色系の色で構成することができる。
【0031】
発光部8の上側には、第1の反射体21が設けられている。第1の反射体21は、被照射体10の中央裏面側に、例えば、取付ネジ60等を介して固定されている。なお、この固定は、被照射体10を挟んで表側に配置される第1の部材11と共に固定されている。また、第1の反射体21は、発光部8に向って膨出するような凸状の湾曲面にて構成されている。また、その外径寸法(図中の左右方向の寸法)は、第2の反射体22の開口部22hの寸法よりも大きく構成されている。第1の反射体21が光を反射可能とする構成については、前掲の第2の反射面22rと同様な構成することができる。このように、第1の反射体21、及び第2の反射体22によって、発光部8の光が通過可能な導光空間SPが形成される。
【0032】
被照射体10は、前掲したように、外縁側に図柄部10aが設けられているが、この図柄部10aが図柄部表面(図中上側)に向って適宜高さHにて突出した構成となっている。被照射体10の外縁部10tは、図柄部10aとは反対側(裏面側)に向って突出した構造となっており、その突出先端が第2の反射面22rに接するように構成されている。
図柄部10aの内側に配置された第1の部材11は、図柄部10aの突出高さよりも薄く構成されている。したがって、図柄部10aは、第1の部材11の表面11sから段差d1をもって突出した構成となっている。図柄部10aは、外縁部10ueに接するように配置された第2の部材12についても、当該第2の部材12の表面12sに対して段差d2を有するように構成されている。
【0033】
このように配置された発光部8が発光することで、その光が図柄部10aを照射する。このとき、発光素子8a,8b,8cから出た光(La,Lb,Lc)は、例えば、一例として、第1の反射面21rにて反射され、その反射光が第2の反射面22rにて反射されて図柄部10aの裏面側の平坦な被照射面10b(裏面側)に導光される。
【0034】
図4は、発光部8と他の部位材との位置関係を示す本体部2の平面図である。
図4に示すように、発光部8は、前述の如く3つの発光素子(発光素子8a,8b,8c)が設けられており、例えば、第1の発光素子8aがレッド(R)、第2の発光素子8bがグリーン(G)、第3の発光素子8cがブルー(B)として配置することができる。また、各発光素子8a,8b,8cの配置は、例えば、中心点Cp(
図2及び
図5を参照)を中心にして略等間隔に配置されている。また、
図4に示すように、平面視において、第1の部材11は、発光部8と重なるように配置されている。そして、第1の部材11の外側に被照射体10の図柄部10aが位置している。
【0035】
3つの発光素子8a,8b,8cは、当該発光素子8a,8b,8cが発した光の各照射光が図柄部10aの異なる位置を照射するように所定の間隔d3をとって発光素子間の距離が略等距離(略正三角形の頂点の位置)となるように配置されている。この3つの発光素子8a,8b,8cは、例えば、図柄部10aにおける主要ポイント10A,10B,10Cに合わせて配置されている。すなわち、各発光素子8a,8b,8cは、中心点Cpと主要ポイント10A,10B,10Cとのそれぞれの間に配置されている。
【0036】
図5は、複数の発光素子8a,8b,8cによる光の広がり方を図柄部10aの平面視に対応して示す模式図である。
各発光素子8a,8b,8cは、所定間隔で配置されていることで、平面視で見た場合、
図5に示すように、各発光素子8a,8b,8cによって、それぞれの色の領域が形成される。例えば、第1の発光素子8aによってレッド領域(R)が形成され、第2の発光素子8bによってグリーン領域(G)が形成され、第3の発光素子8cによってブルー領域(B)が形成される。
【0037】
ここで、各発光素子8a,8b,8cから放射される光量は、当該各発光素子8a,8b,8cの真上方向を最大として横方向に傾くのに伴って少なくなる。また、第1の反射面21rに反射された反射光は、凸面によって横に広がる方向に反射されて第2の反射面22r側に導光され、最終的に被照射面10bに到達する。このような光の導光経路、並びに各発光素子8a,8b,8cの配置を考慮すると、当該各発光素子8a,8b,8cが主要ポイント10A,10B,10Cに合わせて配置されていることで、この主要ポイント10A,10B,10Cの部分が各色の原色に近い色で輝くことになる。
なお、発光部8の真上の部分は、第1の反射体21が設けられていると共に、第1の部材11が設けられていることで図柄部10aに合せるように輝かない。
【0038】
一方、レッド領域(R)、グリーン領域(G)、及びブルー領域(B)は、それぞれ色混合した領域を形成する。特に、図柄部10aに合せた環状に範囲で見ると、レッド・グリーン領域(R+G)、ブルー・グリーン領域(B+G)、及びレッド・ブルー領域(R+B)が形成される。なお、図示においては、各領域を図示模様(ハッチング)によって区画するように図示しているが、実際の色の混じり合いが生じ、色の変化が徐々に変化していく状態(色相(色み)の状態)となる。また、この色の混じり合いによって生じる変化は、色相の変化だけでなく、明るさ(明度)、彩度(色の鮮やかさ)といった所謂色調について、各発光素子8a,8b,8cからの距離によって徐々に変化するグラデーションとなる。
【0039】
図6は、本体部2の平面図であって、(a)は、発光部8が発光する前の状態を示す平面図であり、(b)は、発光部8が発光したときの平面図である。
前掲のように、発光部8が消えているときには、
図6(a)に示すように、図柄部10aは第1の部材11、及び第2の部材12と共に光っておらず、その元の色として示されている。しかし、発光部8が点灯したときには、図柄部10aは、
図6(b)に示すように、その内側の第1の部材11及び周りの第2の部材12に比べて明るく光る。そして、図柄部10aの輝き方については、前掲したように、主要ポイント10A,10B,10Cの部分最も強く輝き、更に、各色の原色(R、G、B)に近い色で発色する。
【0040】
また、主要ポイント10A,10B,10Cの部分から離れた図柄部10aの部分においては、離れた距離に伴って、明度が低下すると共に混合色の色合いが出るように輝く。このように、環状の図柄部10aは、円周方向において、明度、色合いが3つの周期で変化する。また、図柄部10aは、第1の部材11、及び第2の部材12の表面から突出しているので、斜め横方向から見た時に浮き上がったように輝く。
【0041】
図7は、本態様における変形例を示す要部断面図である。
図7に示す構成においては、
図3に示した本体部2の構造とは、発光部8の配置並びに反射体20の構造が異なるが、それ以外は、前掲のものと同じ構成である。
図7に示すように、
図3において第1の反射体21が設けられた位置に、複数の発光素子8a,8b,8cを有する回路基板7が設けられている。更に、図中において、回路基板7の下側に設けられた発光部8に対面するように、前掲の第2の反射体22と略同じ位置に、凹面形状の第1の反射面21rを備える第1の反射体21が配置されている。
【0042】
また、
図7に示した反射体20については、全体的に凹面形状の構成であるが、必ずしもこの形状に限るものではない。例えば、反射体20の形状は、発光部8に対面した領域の形状が平坦形状、発光部側に膨らむ凸形状、若しくは発光部側に突出する円錐形状などを有する構造としても良い。
【0043】
以上述べたように、本態様の発光玩具1は、反射体20による発光部8の反射光によって被照射体10を照らすので、発光部8と被照射体10との位置関係を、反射体20により調整することができる。また、被照射体10は、照射された照射光を透過する光透過性を有するので、透過した光によって図柄部10aを表すことができる。
【0044】
本態様の発光玩具1においては、発光部8と被照射体10の図柄部10aとの間に反射体20が設けられるので、この反射体20によって発光部8の配置に対して被照射体10の位置や向きを自在に制御することができる。例えば、第1の反射体21が発光部8に向って突状に膨らむ凸面に構成されていることで、発光部8の光を当該発光部8の中心から外側に向って広がる方向へ案内できる。
また、第2の反射体22が被照射体10に向って導光可能な凹面に構成されていることで、被照射体10を効果的に照らすことができる。例えば、本態様の発光玩具1の被照射体10の被照射面10bは、平面視において発光部8の外側に離れた環状に配置されているが、反射体20が発光部8の反射光を被照射体10に向って導光する湾曲面を有していることにより、発光部8の光を環状形状の被照射面10bに効果的に導光できる。
【0045】
本態様の発光玩具1においては、被照射体10の図柄部10aは、当該被照射体10に比べて光透過率の低い第1の部材11及び第2の部材12により囲まれていることで、発光部8が発光したときに図柄部10aの輝きをより際立つように効果的な演出できる。また、平面視において第1の部材11が発光部8と重なる配置とされるので、被照射体10越しに発光部8を含む内部構造が見えない構成とすることができる。
【0046】
また、本態様の発光玩具1においては、発光部8の駆動部40は、被照射体10とは第2の反射体22を挟んで反対側に設けられていることで、被照射体10の配置や形状、更には導光空間SPに影響を及ぼすことが無く、被照射体10の図柄部10aを配置し易く大きいサイズにできる。
【0047】
本態様の発光玩具1においては、図柄部10aは、実質的に光らない第1の部材11および第2の部材12の表面から突出するように設けられているので、発光時の図柄部10aを立体的形状に演出することができる。
【0048】
本態様の発光玩具1における発光部8は、異なる色の光を発する複数の発光素子8a,8b,8cを含むことにより、色彩を表現することができる。また、複数の発光素子8a,8b,8cが発した光の各照射光が被照射体10の異なる位置を照射するように所定の間隔をとって配置されていることで、複数色の色彩表現に加えて、色彩のグラデーションを表現することができる。
特に、3つの光の三原色の発光素子8a,8b,8cで当該発光素子8a,8b,8c間の距離が略等距離(略正三角形)となるように配置されている構成においては、平面視において、3つの発光素子8a,8b,8cの円の円周上の色調を3等間隔の豊富な色変化で演出することができる。更に、3つの発光素子8a,8b,8cを図柄部10aの主要ポイント10A,10B,10Cに合わせて配置することによって、図柄部10aの主要ポイント10A,10B,10Cが各三原色に近い明るく、鮮やかなポイントとして強調することができ、また、主要ポイントから離れるのに伴って他の色の変化を楽しむことができるグラデーション演出ができる。
【0049】
以上、本発明の一態様について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記態様においては、発光部8の発光素子8a,8b,8cを3つの構成としたが、この構成に限るものではなく、2つ或いは4つ以上の構成であっても良い。また、複数の発光素子の配置についても、前掲の図示の配置に何ら制限されるものではなく、図柄部10aの配置や形状によって適宜な位置に配置することができる。
【0050】
また、上記の態様においては、反射体20の構成は、凸状、凹状の形状としたが、この形状に限るものではなく、平面状の構成であっても良く、また、湾曲面と平面の組合せ構成であっても良い。
【0051】
また、上記の態様においては、反射面(第1の反射面21r、第2の反射面22r)の構成については、白色系の色とともに鏡面仕上げにより形成した構造としたが、この構成に限るものではなく、例えば反射面のメッキ仕上げ等によって構成しても良い。
【符号の説明】
【0052】
1 発光玩具
2 本体部
3 蓋部
8 発光部
8a,8b,8c 発光素子
10 被照射体
10a 図柄部
10b 被照射面
11 第1の部材
12 第2の部材
20 反射体
21 第1の反射体(反射体)
22 第2の反射体(反射体)
SP 導光空間