IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシーの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】フォトレジスト剥離組成物
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/42 20060101AFI20240404BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240404BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
G03F7/42
H01L21/304 647A
H01L21/30 572B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022512457
(86)(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(86)【国際出願番号】 CN2019103609
(87)【国際公開番号】W WO2021035671
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チー
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シュエ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、シン
(72)【発明者】
【氏名】ムー、チエンハイ
(72)【発明者】
【氏名】キング、ステファン ダブリュー.
【審査官】川口 真隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-273768(JP,A)
【文献】特表2004-536910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/42
H01L 21/304
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(1)を有する有機アミンを含むフォトレジスト剥離組成物であって、
【化1】
式中、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cアルキルからなる群から選択され、ただし、R およびR の両方が水素またはエチル基である場合を除く、フォトレジスト剥離組成物。
【請求項2】
およびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cアルキルからなる群から選択される、請求項1に記載のフォトレジスト剥離組成物。
【請求項3】
およびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cアルキルからなる群から選択される、請求項1に記載のフォトレジスト剥離組成物。
【請求項4】
上記式(1)を有する前記有機アミンは、以下の化合物を含む、請求項1に記載のフォトレジスト剥離組成物。
【化2】
【請求項5】
前記組成物は、水を含む、請求項1に記載のフォトレジスト剥離組成物。
【請求項6】
前記組成物は、1つ以上のグリコールエーテルを含む、請求項1に記載のフォトレジスト剥離組成物。
【請求項7】
フォトレジストを剥離する方法であって、
(1)フォトレジストを有する基板を提供することと、
(2)フォトレジスト剥離組成物を前記基板にスプレーするか、または前記基板をフォトレジスト剥離組成物に浸漬することと、を含み、前記フォトレジスト剥離組成物は、以下の式(1)を有する有機アミンを含み、
【化3】
式中、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cアルキルからなる群から選択され、ただし、R およびR の両方が水素またはエチル基である場合を除く、方法。
【請求項8】
前記基板は、半導体ウェーハ、プリント配線板、OLEDディスプレイ、および液晶ディスプレイからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
フォトレジスト剥離組成物における有機アミンの使用であって、前記有機アミンは、以下の式(1)を有し、
【化4】
式中、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~C アルキルからなる群から選択され、ただし、R およびR の両方が水素またはエチル基である場合を除く、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フォトレジスト剥離組成物、特に電子製造用途のためのフォトレジスト剥離組成物に関する。
【0002】
序論
有機アミンは、電子処理用のフォトレジスト剥離および洗浄組成物に広く使用されており、例えば、ディスプレイでRGB色素を調製するためのフォトレジスト剥離組成物、半導体製造におけるリソグラフィープロセスのためのフォトレジスト剥離組成物、半導体およびディスプレイパネルの製造における配線材料および電極材料のドライまたはウェットエッチング後のフォトレジスト、損傷したフォトレジスト層、および側壁保護堆積膜などを除去するためのフォトレジスト剥離組成物などがある。有機アミンは、多くの極性ポリマー、モノマー、および化合物を溶解できる。しかしながら、有機アミンの強い塩基性は、銅およびアルミニウムなどの金属の腐食を引き起こし、それによって、有機アミンを含むフォトレジスト剥離および洗浄組成物によって処理される配線板、半導体マイクロチップおよびディスプレイピクセルなどのデバイスの欠陥を引き起こす可能性がある。
【0003】
フォトレジストを剥離または洗浄するための従来のプロセスは、フォトレジストを有する基板をフォトレジスト剥離および洗浄組成物中に浸漬することである。近年、半導体およびディスプレイの両方にスプレー剥離プロセスが使用され、生産効率を高め、フォトレジスト剥離および洗浄組成物の量を減らし、大型の半導体ウェーハおよび大型画面ディスプレイなどの大型のデバイスの処理を容易にしている。スプレー剥離プロセス中に、剥離組成物が基板上にスプレーされる。しかしながら、フォトレジストを完全に除去することができないので、従来のフォトレジスト剥離組成物をこのスプレープロセスに適用することはできない。
【0004】
金属腐食性は弱いが、フォトレジストなどの電子材料への溶解性は良好なフォトレジスト剥離および洗浄組成物を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明者は、特定の有機アミンを含むフォトレジスト剥離組成物が金属腐食性はより弱いが、フォトレジストなどの電子材料への溶解性は良好であり得ることを予期せず発見した。
【0006】
本開示は、以下の式(1)を有する有機アミンを含むフォトレジスト剥離組成物を提供し、
【化1】
式中、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cアルキルからなる群から選択される。
【0007】
本開示はさらに、フォトレジストを剥離する方法を提供し、この方法は、
(1)フォトレジストを有する基板を提供することと、
(2)フォトレジスト剥離組成物を基板にスプレーするか、または基板をフォトレジスト剥離組成物に浸漬することと、を含み、フォトレジスト剥離組成物は、以下の式(1)を有する有機アミンを含み、
【化2】
式中、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cアルキルからなる群から選択される。
【0008】
本開示はさらに、フォトレジスト剥離組成物における有機アミンの使用を提供し、この有機アミンは、以下の式(1)を有し、
【化3】
式中、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cアルキルからなる群から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に開示される場合、「組成物」、「配合物」、または「混合物」という用語は、物理的手段によって異なる成分を単に混合することによって得られる、異なる成分の物理的なブレンドを指す。
【0010】
本明細書に開示される場合、「剥離」または「洗浄」または「除去」という用語は同じ意味を有し、すなわち、フォトレジストが基板から除去される。
【0011】
本明細書に開示される場合、組成物のすべての成分のすべてのパーセンテージおよび割合は、重量を指す。組成物のすべての成分のすべてのパーセンテージは、組成物の総重量に基づいて計算される。組成物のすべての成分のパーセンテージの合計は、100%である。
【0012】
本明細書の開示として、「アルキル」という用語は、1~20個の炭素原子、典型的には1~10個の炭素原子、より典型的には1~6個の炭素原子、最も典型的には1~4個の炭素原子を有するアルキル基を指す。
【0013】
一態様では、本開示は、以下の式(1)を有する有機アミンを含むフォトレジスト剥離組成物を提供し、
【化4】
式中、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cアルキルからなる群から選択される。
【0014】
一実施形態では、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cアルキルからなる群から選択される。別の実施形態において、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cアルキルからなる群から選択される。別の実施形態において、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cアルキルからなる群から選択される。別の実施形態において、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素およびCアルキルからなる群から選択される。別の実施形態において、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、イソブチルおよびブチルからなる群から選択される。
【0015】
上記式(1)において、「C~Cアルキル」という用語は、1~4個の炭素原子を有する直鎖または分枝状のアルキル基を指し、好ましくは、「C~Cアルキル」という用語は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチルまたはブチルを含む。
【0016】
一実施形態では、上記式(1)を有する有機アミンは、以下の化合物を含む。
【化5】
【0017】
一般に、フォトレジスト剥離組成物は、フォトレジスト剥離組成物の総重量に基づいて、上記有機アミンの0.1~80重量%、典型的には1~70重量%、より典型的には5~60重量%、最も典型的には10~55重量%を含む。
【0018】
組成物は、1つ以上のグリコールエーテルをさらに含み得る。グリコールエーテルの例には、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテルなどが含まれ得る。
【0019】
例示的な実施形態では、本開示の組成物は、組成物の総重量に基づいて、0~99.9重量%の1つ以上のグリコールエーテル、典型的には5~95重量%、より典型的には10~90重量%、最も典型的には15~80重量%を含む。
【0020】
組成物は、さらに水を含み得る。例示的な実施形態では、本開示の組成物は、組成物の総重量に基づいて、極性溶媒の0~99.9重量%、典型的には10~90重量%、より典型的には15~80重量%、最も典型的には20~75重量%を含む。
【0021】
フォトレジスト剥離組成物は、窒素を含む極性溶媒をさらに含み得る。窒素を含む極性溶媒は、基板から分離したフォトレジストパターンを単位分子に分解することができる。フォトレジストパターンを除去するために、単位分子を組成物に溶解することができる。特に、極性溶媒の官能基は、窒素を含み、有機アミンがフォトレジストパターンに浸透してフォトレジストパターンを除去のためにゲル状態に変換するのを助ける。さらに、窒素を含む極性溶媒は、有機アミンに化学的引力を有し、それにより、フォトレジストを除去するための組成物の気化による成分変化を最小限に抑える。
【0022】
窒素を含む極性溶媒の例には、N-アルキル-2-ピロリドンが含まれてもよく、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、N-メチルアセトアミド、N,N’-ジメチルアセトアミド、アセトアミド、N’-エチルアセトアミド、N,N’-ジエチルアセトアミド、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N’-ジメチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N’-ジエチルホルムアミド、N,N’-ジメチルイミダゾール、N-アリールホルムアミド、N-ブチルホルムアミド、N-プロピルホルムアミド、N-ペンチルホルムアミド、N-メチルピロリドンなどがある。
【0023】
本開示の組成物は、組成物の総重量に基づいて、窒素を含む極性溶媒の30~80重量%を含み得る。
【0024】
本開示の組成物は、腐食防止剤をさらに含み得る。腐食防止剤は、非共有電子対を有する窒素原子、硫黄原子、酸素原子などを含む化合物を含み得る。特に、化合物は、ヒドロキシル基、硫化水素基などを含み得る。腐食防止剤の反応基は、金属を含む金属薄層の腐食を防ぐために、金属に物理的および化学的に結合し得る。
【0025】
腐食防止剤にはトリアゾール化合物が含まれている。トリアゾール化合物の例には、ベンゾトリアゾール、トリルトリゾールなどが含まれ得る。
【0026】
本開示の組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.1~3重量%の腐食防止剤を含み得る。
【0027】
本開示の組成物は、界面活性剤をさらに含み得る。界面活性剤は、不溶性フォトレジスト残留物の除去と、強塩基への曝露下で発生する可能性のあるシリコンエッチングの低減の両方を支援するために追加することができる。適切な界面活性剤には、これらに限定されないが、アニオン性、カチオン性、非イオン性界面活性剤が含まれ、例えば、フルオロアルキル界面活性剤、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンもしくはポリプロピレングリコールエーテル、カルボン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸またはそれの塩、ポリアクリレートポリマー、シリコーンもしくは修飾シリコーンポリマー、アセチレンジオールもしくは修飾アセチレンジオール、アルキルアンモニウムもしくは修飾アルキルアンモニウム塩、ならびに前述の界面活性剤の少なくとも1つを含む組み合わせがある。
【0028】
例示的な実施形態において、本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて、20重量%以下、典型的には15重量%以下、より典型的には1~10重量%の界面活性剤を含む。
【0029】
別の態様では、本開示は、フォトレジストを剥離する方法をさらに提供し、この方法は、
(1)フォトレジストを有する基板を提供することと、
(2)フォトレジスト剥離組成物を基板にスプレーすること、または基板をフォトレジスト剥離組成物に浸漬することと、を含み、フォトレジスト剥離組成物は、以下の式(1)を有する有機アミンを含み、
【化6】
式中、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cアルキルからなる群から選択される。
【0030】
本明細書で使用されるフォトレジストは、一般に、フォトレジストを含む任意の層に適用可能である。したがって、例えば、本開示の教示によれば、本明細書の組成物および方法を使用して、フォトレジストならびにフォトレジスト残留物を除去することができる。
【0031】
本明細書で使用される基板には、半導体ウェーハ、プリント配線板、OLEDディスプレイおよび液晶ディスプレイが含まれるが、これらに限定されない。一般に、基板は、銅相互接続、モリブデン相互接続、およびアルミニウム相互接続などの金属相互接続をさらに含むことができる。
【0032】
一実施形態では、この方法は、ステップ(2)で得られた基板を水ですすぐステップをさらに含み得る。
【0033】
別の態様では、本開示は、フォトレジスト剥離組成物における有機アミンの使用をさらに提供し、この有機アミンは、以下の式(1)を有し、
【化7】
式中、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cアルキルからなる群から選択される。
【0034】
本開示による有機アミンは、銅、モリブデン、およびアルミニウムなどの相互接続金属の腐食を抑制し得る。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
以下の式(1)を有する有機アミンを含むフォトレジスト剥離組成物であって、
【化1】
式中、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cアルキルからなる群から選択される、フォトレジスト剥離組成物。
項2.
およびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cアルキルからなる群から選択される、項1に記載のフォトレジスト剥離組成物。
項3.
およびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cアルキルからなる群から選択される、項1に記載のフォトレジスト剥離組成物。
項4.
上記式(1)を有する前記有機アミンは、以下の化合物を含む、項1に記載のフォトレジスト剥離組成物。
【化2】
項5.
前記組成物は、水を含む、項1に記載のフォトレジスト剥離組成物。
項6.
前記組成物は、1つ以上のグリコールエーテルを含む、項1に記載のフォトレジスト剥離組成物。
項7.
フォトレジストを剥離する方法であって、
(1)フォトレジストを有する基板を提供することと、
(2)フォトレジスト剥離組成物を前記基板にスプレーするか、または前記基板をフォトレジスト剥離組成物に浸漬することと、を含み、前記フォトレジスト剥離組成物は、以下の式(1)を有する有機アミンを含み、
【化3】
式中、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cアルキルからなる群から選択される、方法。
項8.
前記基板は、半導体ウェーハ、プリント配線板、OLEDディスプレイ、および液晶ディスプレイからなる群から選択される、項7に記載の方法。
項9.
フォトレジスト剥離組成物における有機アミンの使用であって、前記有機アミンは、以下の式(1)を有し、
【化4】
式中、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素およびC~Cからなる群から選択される、使用。
項10.
前記使用は、相互接続金属の腐食を抑制することを含む、項9に記載の使用。
【実施例
【0035】
材料:
フォトレジスト:SFP-1400溶液(MERCK製)。
溶媒:ジエチレングリコールブチルエーテル(Dow Chemical Companyから、99%)。
アミン:3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(DU-HOPE INTERNATIONAL GROUP COMPANYから入手可能;モノエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンおよびアミノエチルエタノールアミン(すべてDow Chemical Companyから入手可能、99%)
厚さ1mmの銅箔(Alfa Aesar製、99.999%)
【0036】
様々な化学物質の用語を以下に示す。
BuCb:ジエチレングリコール-ブチルエーテル
DMAPD:3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール
MEA:モノエタノールアミン
NMEA:N-メチルエタノールアミン
MIPA:モノイソプロパノールアミン
AEEA:アミノエチルエタノールアミン
MAPD:1-(メチルアミノ)-2,3-プロパンジオール(Adamas Reagent Co.,Ltd純度98%)
【0037】
実施例1~6および比較例1~24
フォトレジスト剥離組成物は、以下の表1にリストされている成分を混合することによって調製された。
【表1】
【0038】
実施例7
2mLのSFP-1400フォトレジスト溶液を100mm×100mm×1mmのサイズのガラス基板の表面にコーティングした。基板を500rpmの回転速度で10秒間回転させた後、回転速度を1000rpmに加速して30秒間維持した。スピンコーティングされた基板を130℃で10分間ベークして、溶媒を完全に蒸発させ、フォトレジストフィルムを硬化させた。次の剥離ステップでは、上記の各実施例または比較例の30gを容器内に調製した。焼き付けた基板を22℃で振とうしながら容器に入れた。最後に、基板からフォトレジストを完全に除去するための時間を記録した。結果を以下の表2および表3に示す。
【0039】
実施例または比較例のフォトレジスト剥離結果を以下の表に示した。性能は剥離時間によって評価された。基板からフォトレジストフィルムを除去するのにかかる時間が短いほど、剥離溶液のパフォーマンスが向上する。より高い含水量は、剥離時間を短縮することができる。MEA、NMEA、MIPA、およびAEEAは、フォトレジスト剥離組成物に使用される典型的な有機アミンである。表2および表3に示すように、剥離時間は比較のために4つのグループに分類された。3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオールも同様の性能を発揮し得る。
【表2】
【表3】
【0040】
実施例8
カレンダリングの厚さが1mmの高純度銅箔(Alfa Aesar製、99.999%)を、重量0.90±0.01gの正方形にカットした。銅箔の表面に酸化銅(CuOまたはCuO)パッシベーション層が形成された。次に、不動態化層を完全に除去し、99.999%の純度を確保するために、銅片を5%HCl水溶液に5分間浸漬した。酸処理した銅片を20mLのDI水ですすぎ、窒素ガス流で乾燥させた。各銅片を、実施例または比較例の5gの配合物と一緒に、10mLガラス瓶に54℃で30分間入れた。その後、銅片を取り出した。ICP-OES(PerkinElmer 5300DV)を使用して、溶媒に残っている銅イオンの含有量を測定した。結果を以下の表4および表5に示す。
【0041】
銅の腐食性能を評価するために、配合物中の銅イオンの量を検出した。ppmレベルの銅イオンも4つのグループに分類される。表4および表5に示すように、MEA、NMEA、およびMIPAは、液体配合物中に大量の銅イオンが検出されたため、深刻な銅腐食を引き起こした。3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオールおよびAEEAを含む配合物は、遅延腐食効果を示した。
【表4】
【表5】
【0042】
実施例9~13および比較例25~46
カレンダリングの厚さが1mmの高純度銅箔(Alfa Aesar製、99.999%)を1cm*1cmにカットした。次に、銅片を2%HCl水溶液に5分間浸漬して、CuOまたはCuOを完全に除去した。各銅片を、以下の表6および表7の実施例または比較例の5gの配合物と一緒に、10mLガラス瓶に入れた。ボトルを2~3分間すばやく振とうした後、60℃のオーブンで4時間保持した。その後、銅片を取り出した。ICP-OES(PerkinElmer 5300DV)を使用して、溶液中に残っている銅イオンの含有量を測定した。結果を以下の表6および表7に示す。
【表6】
【表7】