(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】試料および/または試料容器の特性評価のための背景照明の較正を提供する方法および装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/27 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
G01N21/27 F
(21)【出願番号】P 2022525243
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(86)【国際出願番号】 US2020056914
(87)【国際公開番号】W WO2021086718
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-07-22
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】イャオ-ジェン・チャン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ヴィスマン
(72)【発明者】
【氏名】ルートヴィヒ・リスティル
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・エス・ポラック
(72)【発明者】
【氏名】ラムクリシュナ・ジャンガル
(72)【発明者】
【氏名】ラヤル・ラジュ・プラサド・ナラム・ヴェンカット
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンカテッシュ・ナラシムハムルシー
(72)【発明者】
【氏名】アンカー・カプール
【審査官】清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-212097(JP,A)
【文献】特開2013-079833(JP,A)
【文献】特表2014-517271(JP,A)
【文献】特表2019-505802(JP,A)
【文献】特開2012-042229(JP,A)
【文献】国際公開第2018/089935(WO,A1)
【文献】中国特許第105352969(CN,B)
【文献】特表2019-510963(JP,A)
【文献】国際公開第2019/018313(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/958
G01N 35/00 - G01N 35/10
G01N 33/48 - G01N 33/98
G01B 11/00 - G01B 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
較正方法であって:
各撮像デバイスに対して撮像デバイスによって撮影された画像に含まれる各ライトパネルの領域内の撮像エリアを識別する工程と;
各撮像デバイスについての各ライトパネルの撮像エリアの中心位置を決定する工程と;
各ライトパネルの物理的中心からずらされた、各センサ光学中心からそれぞれの光源への垂直投影により得られる位置を使用して、撮像装置の最適な光学中心を決定する工程と;
トラック上のキャリアに管較正ツールを設置する工程と;
管較正ツールの中心が撮像装置の最適な光学中心に最も近い位置になるようにキャリアをトラック上で移動させる工程と;
管較正ツールの中心を使用して、バックライト較正に関する関心領域の中心を決定する工程と
を含む前記較正方法。
【請求項2】
中心位置は、各ライトパネルでのマスクされない撮像エリアの中心によって決定される、請求項1に記載の較正方法。
【請求項3】
関心領域の背景較正を実行する工程をさらに含む、請求項1に記載の較正方法。
【請求項4】
関心領域に隣接する第1の側にあるライトパネルの複数の光要素への第1の駆動電流をオンにする工程と;
関心領域での代表的な強度が事前設定値に達するまで、第1の側にあるライトパネルの複数の光要素への第1の駆動電流を調整する工程と;
第1の側にあるライトパネルの複数の光要素に駆動電流がまだ駆動されている状態で、関心領域の代表的な強度が第2の事前設定強度値に達するまで、第2の側にあるライトパネルの複数の光要素への駆動電流を調整する工程と
を含む請求項
3に記載のライトパネル較正方法。
【請求項5】
まず、関心領域に最も近い第1の側にあるライトパネルの複数の光要素への第1の駆動電流をオンにする工程をさらに含む、請求項
4に記載の較正方法。
【請求項6】
ライトパネルの少なくとも1つの他の領域の平均強度を、関心領域の第2の事前設定強度値の平均強度と比較する工程をさらに含む、請求項1に記載の較正方法。
【請求項7】
平均強度を比較する工程は、第2の事前設定強度値の平均強度に対する、少なくとも1つの他の領域それぞれに関する平均強度値のパーセンテージを表示する工程を含む、請求項
6に記載の較正方法。
【請求項8】
ライトパネルの別の領域の平均強度を、参照試料品質チェックシステムからの同等の領域の平均強度値と比較する工程を含む、請求項1に記載の較正方法。
【請求項9】
干渉物質に関して試料管を事前スクリーニングする前に行われる、請求項1に記載の較正方法。
【請求項10】
いくつかの試料管が事前スクリーニングされた後、または事前スクリーニングを開始した後の特定の期間後に行われる、請求項1に記載の較正方法。
【請求項11】
各光源の中心位置は、それぞれの検索窓内の中央セグメントの境界を位置特定することによって光学的に位置特定され、中央セグメントは、検索窓とマスクされていない領域との交差に基づく、請求項1に記載の較正方法。
【請求項12】
ライトパネルの複数の光要素は、赤色光要素、緑色光要素、および青色光要素を含む、請求項1に記載の較正方法。
【請求項13】
ライトパネルの複数の光要素は白色光要素を含む、請求項
12に記載のライトパネル較正方法。
【請求項14】
第1の側は、関心領域に最も近い側である、請求項
4に記載のライトパネル較正方法。
【請求項15】
複数の光要素は赤色光要素を含む、請求項
4に記載のライトパネル較正方法。
【請求項16】
複数の光要素は緑色光要素を含む、請求項
4に記載のライトパネル較正方法。
【請求項17】
複数の光要素は青色光要素を含む、請求項
4に記載のライトパネル較正方法。
【請求項18】
複数の光要素は白色光要素を含む、請求項
4に記載のライトパネル較正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月31日に出願された「METHODS AND APPARATUS PROVIDING CALIBRATION OF BACKGROUND ILLUMINATION FOR SAMPLE AND/OR SAMPLE CONTAINER CHARACTERIZATION」という名称の米国仮特許出願第62/929,058号の利益を主張し、その開示全体は、あらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、試料管(検体容器)を撮像するように適用された撮像方法および撮像装置に関し、より詳細には、撮像装置を較正するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
自動試験システムは、血清、血漿、尿、間質液、脳脊髄液などの生体試料中の分析物または他の成分を識別するために1つまたはそれ以上の試薬および/または他の物質を使用して臨床化学分析およびアッセイを行うことができる。利便性および安全性の面から、これらの試料は、大抵は試料管(例えば採血管)に常に含まれている。試料管にはキャップを被せることができ、いくつかの場合には、キャップは、実施予定の試験のタイプ、管に含まれる添加剤のタイプ(例えば、血清分離剤、トロンビンなどの凝固剤、または抗凝固剤およびその特定のタイプ、例えばEDTAやK2EDTA、もしくはクエン酸ナトリウム、および/または抗グリコーシス添加剤)、および試料管が真空機能を備えているかどうかなどに関する情報を提供することができるキャップの色および/またはキャップのタイプを含むことがある。
【0004】
自動試験の改良は、バッチ準備、試料成分を分離するための試料の遠心分離、試料へのアクセスを容易にするためのキャップの取り外し(キャップ除去)、アリコート準備、ならびに溶血(H)、黄疸(I)、および/または脂肪血症(L)(本明細書では以後、「HIL」と呼ぶ)、もしくは正常性(N)に関する事前スクリーニング、ならびに血餅、気泡、もしくは泡など他のアーチファクトについての事前スクリーニングなど、自動の分析前試料処理の対応する進歩を伴ってきた。そのような自動の分析前試料処理は、検査室自動システム(LAS)の一部であり得る。いくつかの場合には、LASは、試料管に含まれる試料を、分析前試料処理のために自動的に輸送し、さらに、試験用の臨床化学分析器および/またはアッセイ機器(本明細書では、個々におよび総称して「分析器」と呼ぶ)を含む分析ステーションに自動的に輸送する。試験は、試料に含まれる分析物または他の成分の濃度を決定するために読み取られる、および/または他の方法で操作される変化を生み出す反応を含む。
【0005】
LASは、ラベルを付けられた試料管(例えばバーコードラベルを含む)に含まれる任意の数の異なる試料を一度に処理することができ、試料管は、様々なキャップのスタイル(形状)および色を含め、すべての異なるサイズおよび管アセンブリタイプのものでよく、これらが混ざり合っていることもある。LASは、分析前処理操作のために試料管を自動的に輸送することができ、すべての分析前処理操作は、試料が実際に1つまたはそれ以上の分析器による臨床分析またはアッセイを受ける前に行われる。
【0006】
自動の分析前試料処理のいくつかの実施形態では、品質チェックモジュールは、試料を含む試料管を受け取り、HILなどの干渉物質の存在について試料を事前スクリーニングすることができる。HILに関する事前スクリーニングは、試料管および試料の1つまたはそれ以上のデジタル画像をキャプチャし、次いでこの画像データを処理して、H、I、および/またはLが存在するかどうか、および場合により、存在する場合にはH、I、および/またはLに関する指標(相対量)を決定することを含み、または試料が正常(N)であると決定することがある。試料中の干渉物質の存在は、場合によっては、後で分析器から取得される分析物または成分測定の試験結果に悪影響を及ぼすことがある。
【0007】
特定の装置では、試料容器および試料は、例えば人工知能(例えば、畳み込みニューラルネットワーク、CNN)を使用することによって、コンピュータ支援のモデルベースのシステムなどを用いてデジタルで撮像および処理され、干渉物質(HILまたはN)の有無を決定することができる。キャップのタイプおよび色を区別することもできる。撮像中、試料管(キャップを含む)および試料の画像を複数の視点からキャプチャすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、そのような装置は、特定の条件下では、性能のばらつき、さらには撮像システムごとの性能のばらつきをもたらすことがある。したがって、そのような試料および/または試料容器を撮像するための改良された方法および装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様によれば、較正方法が提供される。較正方法は、各撮像デバイスに対して各ライトパネル上の撮像エリアを識別する工程と;各撮像デバイスについての各ライトパネルの撮像エリアの中心位置を決定する工程と;各撮像デバイスについての各ライトパネルの中心位置を使用して、撮像装置の最適な光学中心を決定する工程と;トラックに置かれたキャリアに管較正ツールを設置する工程と;管較正ツールの中心が撮像装置の最適な光学中心に最も近い位置になるようにキャリアをトラック上で移動させる工程と;管較正ツールの中心を使用して、バックライト較正に関する関心領域(ROI)の中心を決定する工程とを含む。
【0010】
別の態様では、ライトパネル較正方法が提供される。ライトパネル較正方法は、関心領域に最も近い第1の側にあるライトパネルの複数の光要素への第1の駆動電流をオンにする工程と;関心領域での代表的な強度が事前設定値に達するまで、第1の側にある光源の複数の光要素への第1の駆動電流を調整する工程と;第1の側にある光源の複数の光要素に駆動電流がまだ駆動されている状態で、ROIの代表的な強度が第2の事前設定強度値に達するまで、第2の側にある光源の複数の光要素への駆動電流を調整する工程とを含む。
【0011】
本開示のさらなる他の態様、構成、および利点は、いくつかの例示的実施形態を示す以下の説明から容易に明らかになり得る。本発明は他の異なる実施形態も可能であり得て、本発明のいくつかの詳細は、すべて本開示の範囲から逸脱することなく様々な点で修正することができる。さらに、特定の利点が列挙されているが、様々な実施形態は、列挙された利点のすべてもしくは一部を含むことがあり、または1つも含まないこともある。本開示は、特許請求の範囲の範囲内に含まれるすべての修正形態、均等形態、および代替形態を網羅するためのものである。
【0012】
以下に述べる図面は、例示目的のものであり、必ずしも原寸に比例して描かれているわけではない。図面は、本発明の範囲をなんら限定することを意図するものではない。したがって、図面は本質的に例示とみなされるべきであり、限定とみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】1つまたはそれ以上の実施形態による較正方法が使用される撮像装置を含む品質チェック装置の上面斜視概略図である。
【
図2】分離された(例えば遠心分離された)試料を含む試料管の側面平面図である。
【
図3】分離された(例えば遠心分離された)試料を含み、さらにゲルセパレータを含む試料容器の側面平面図である。
【
図4A】1つまたはそれ以上の実施形態による、説明のために上部が取り除かれた、撮像装置と、撮像位置で特性評価予定の試料を含む試料管とを含む品質チェック装置の上面図である。
【
図4B】1つまたはそれ以上の実施形態による、パネル化された光源と、キャリア内の撮像位置に設置された試料管とを含む、説明のためにハウジングが取り除かれた品質チェック装置の撮像装置の正面斜視図である。
【
図4C】1つまたはそれ以上の実施形態による、キャリアの別の実施形態に取り付けられた管較正ツールの斜視図である。
【
図4D】1つまたはそれ以上の実施形態による、段状構成を含む
図4Cの管較正ツールの側面図である。
【
図5A】1つまたはそれ以上の実施形態による、説明のためにハウジングが取り除かれた、機械的中心および最適な光学中心を示す品質チェック装置の撮像装置の上面概略図である。
【
図5B】1つまたはそれ以上の実施形態による、ライトパネル104Bに位置し、画像の横方向の幾何学的中心にあり、垂直方向でパネルの高さにわたって延びる光学領域を含む、撮像デバイス106Bによって撮影されたピクセル化画像を示す図である。
【
図5C】1つまたはそれ以上の実施形態による、ライトパネル104Aに位置し、画像の横方向の幾何学的中心にあり、垂直方向でパネルの高さにわたって延びる光学領域を含む、撮像デバイス106Aによって撮影されたピクセル化画像を示す図である。
【
図5D】1つまたはそれ以上の実施形態による、ライトパネル104Cに位置し、画像の横方向の幾何学的中心にあり、垂直方向でパネルの高さにわたって延びる光学領域を含む、撮像デバイス106Cによって撮影されたピクセル化画像を示す図である。
【
図5E】1つまたはそれ以上の実施形態による、ライトパネル104B上のLCDマスクによって形成されたマスク領域を含み、画像の第2の光学領域(マスクされていない領域)を示す、撮像デバイス106Bによって撮影されたピクセル化画像を示す図である。
【
図5F】1つまたはそれ以上の実施形態による、ライトパネル104C上のLCDマスクによって形成されたマスク領域を含み、画像の第2の光学領域(マスクされていない領域)を示す、撮像デバイス106Cによって撮影されたピクセル化画像を示す図である。
【
図5G】1つまたはそれ以上の実施形態による、ライトパネル104A上のLCDマスクによって形成されたマスク領域を含み、画像の第2の光学領域(マスクされていない領域)を示す、撮像デバイス106Aによって撮影されたピクセル化画像を示す図である。
【
図5H】1つまたはそれ以上の実施形態による、較正ツールが最適な光学中心のできるだけ近くに位置している、キャリアに受け取られた較正ツールを含む撮像デバイス106Bによって撮影されたピクセル化画像を示す図である。
【
図5I】1つまたはそれ以上の実施形態による、較正ツールが最適な光学中心のできるだけ近くに位置している、キャリアに受け取られた較正ツールを含む撮像デバイス106Cによって撮影されたピクセル化画像を示す図である。
【
図5J】1つまたはそれ以上の実施形態による、較正ツールが最適な光学中心のできるだけ近くに位置している、キャリアに受け取られた較正ツールを含む撮像デバイス106Aによって撮影されたピクセル化画像を示す図である。
【
図6】1つまたはそれ以上の実施形態による、撮像装置を較正するように適用された較正方法のフローチャートを示す図である。
【
図7A】1つまたはそれ以上の実施形態による、ライトパネルを較正するように適用された較正方法のフローチャートを示す図である。
【
図7B】
図7Bは、1つまたはそれ以上の実施形態による、それぞれの側面に複数の光要素を含むライトパネルの概略正面図である。
図7B’は、1つまたはそれ以上の実施形態による、LCDマスクを含むライトパネルの概略正面図である。
【
図7C】1つまたはそれ以上の実施形態による、第1の側にある複数の光要素の照明後に撮像デバイス106Bによって撮影されたライトパネル104Bのピクセル化画像の正面図である。
【
図7D】1つまたはそれ以上の実施形態による、第1の側および第2の側にある複数の光要素の照明後に撮像デバイス106Bによって撮影されたライトパネル104Bのピクセル化画像の正面図である。
【
図8】1つまたはそれ以上の実施形態による、複数のオフセンタ関心領域(ROI)(点線および一点鎖線のボックス)および中央ROI(実線のボックス)の位置のピクセル化画像を示す図である。各ROI内の数は、パーセンテージで表した、その平均強度を中央ROIの平均強度と比較した比である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
背景照明較正は、特に、試料容器に含まれる試料の液体(例えば血清または血漿部分)の色に基づいて溶血、黄疸、脂肪血症(HIL)などの干渉物質の存在を検査するために、試料管品質チェックを達成するために使用される。本開示において、複数のスペクトルおよび複数の機械(例えば試料管品質チェック装置)にわたって実質的に一貫した照明を保証するために、試料管品質チェック装置内の撮像装置の背景照明較正を実行するための方法および装置が提供される。各ライトパネルの関心領域(ROI)の中心を把握するためにセットアップごとに機械的中心が識別されるので、一貫した背景照明を実現することができる。これにより、この方法を使用して、このROIでの所定の強度値に達するように電流を調整して、複数のスペクトルおよび複数の機械にわたって実質的に一貫した背景照明を提供することができる。いくつかの実施形態は、各照光パネルに関するROIを推測するために機械的中心を見出す方法を提供する。他の実施形態では、側面照光ライトパネルへの駆動電流を調整する方法が提供される。
【0015】
複数の品質チェック装置(機械)にわたって一貫した照光により、流体の色分布に基づくHIL干渉物質スクリーニングなどの試料管品質チェック機能をより正確に行うことができる。これは、分析器での試験との関係など、HIL試験のための時間およびリソースを節約するのに非常に役立つ。
【0016】
特に、本開示は、様々な光スペクトルを用いた照光を含むことができる試料管品質チェック装置での背景照明を較正する方法に関する。さらに、試料管品質チェック装置は、それぞれのバックライトパネルの2つの側面(例えば横方向側面)から照明される光要素(例えばLED)を含むバックライトパネルを含む光源で試料管および試料管内の試料を照光することを含むことができる。取り得る代替解決策は、光度計を利用して輝度を手動で測定する、および/または分光計を使用して試料管の照明エリア(本明細書では以後、撮像位置)での色分布を手動で測定することができる。パネル較正中、背景照明源の駆動電流/電圧を調整することができる。場合により、センサの露出を調整することができる。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、本開示は、一貫性のある正確な背景照明を保証するために、例えば試料管特性評価装置(例えば品質チェック装置)内での背景照明の較正を実行するためにセットアップおよび使用される方法および装置に関する。背景照明較正の改良により、例えば、試料でのHILN検出および/またはアーチファクト検出(気泡、泡、または血餅の検出)に関する区別機能を改良することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、本開示は、複数の試料管特性評価装置にわたって(例えば、複数の品質チェック装置または同様の機械にわたって)背景照明較正を実行するためにセットアップおよび使用される方法および装置に関する。背景照明とは、本明細書で使用するとき、試料管の後ろの1つまたはそれ以上の位置にある1つまたはそれ以上の照明源による試料管の後部/裏側の照明を意味し、ここで、撮像デバイスは試料管の前にある。例えば、いくつかの実施形態では、背景照明は、1つまたはそれ以上の照明デバイス(例えば1つまたはそれ以上のライトパネル)からの背景照光を含むことがあり、それらの照明デバイスは試料管の後ろにあり、すなわち、試料管は、光源と対応する撮像デバイスとの間にある。
【0019】
さらに、本開示の実施形態は、撮像装置の背面照明装置を較正するように構成された方法および装置を提供し、撮像装置は、試料管および試験管内の試料の1つまたはそれ以上の画像をキャプチャすることができ、1つまたはそれ以上のキャプチャされた画像を使用して、例えばHILNおよび/またはアーチファクトの存在など、試料の1つまたはそれ以上の特徴を特性評価することができる。品質チェック装置では、検体の品質のチェックを利用して、試料に対して実施予定の1つまたはそれ以上の試験の妥当性を保証する。例えば、試料がH、I、および/またはLを含む場合、エラーのフラグを立てることができ、試料を再抽出し、および/または干渉物質を改善するためにさらに処理することができる。したがって、背景照明の改良により、試料の特性評価を改良することができる。したがって、試料の異常が識別された場合、分析器に送られる前に試料を取り除くことができ、分析器のリソースを節約し、場合により、誤った結果をもたらす可能性のある試験を避けることができる。
【0020】
特に、本開示の実施形態は、適切に較正された1つまたはそれ以上の撮像デバイスから改良された画像データを提供するように構成された較正装置および較正方法を対象とする。さらなる実施形態では、1つまたはそれ以上の同様の撮像装置(例えば、実質的なクローン)の迅速な較正を可能にする方法および装置が提供される。
【0021】
次に、
図2および3を参照すると、いくつかの実施形態では、本明細書で述べる試料212(検体)は、採血管などの試料管102に収集され、図示されるように分離後(例えば遠心分離を使用した分画後)に沈降血液部分212SBと血清および血漿部分212SPとを含むことがある。沈降血液部分212SB(「パックドセル部分」と呼ばれることもある)は、白血球、赤血球、血小板などの血液細胞から構成され、これらの血液細胞は凝集されて、血清または血漿部分212SPから分離される。沈降血液部分212SBは、一般に試料管102の底部に見られる。血清または血漿部分212SPは、沈降血液部分212SBの一部ではない血液の液体成分である。血清または血漿部分212SPは、一般に沈降血液部分212SBの上に見られる。血漿と血清は、主として凝固成分、主にフィブリノーゲンの含有量が異なる。血漿は、凝固していない液体であり、血清は、内因性の酵素または外因性の成分もしくは凝固剤の影響下で凝固されている血漿を表す。
【0022】
いくつかの試料管102では、小さなゲルセパレータ313(例えば
図3に示されるようなプラグ)が使用され、これは、分画中に沈降血液部分212SBと血清または血漿部分212SPとの間に位置する。ゲルセパレータ313は、2つの部分どうしの混合を防止するためのバリアとして働き、従来の様式で分画前に試料管102に提供される。
【0023】
図1に、本開示による背景較正方法を使用することができる試料管品質チェック装置100の一実施形態が示されている。
図1は、複数の光源104A~104C(例えばライトパネル)および複数の撮像デバイス106A~106Cを含む品質チェック装置100内の光学撮像装置101の一例を示す。いくつかの作動方法では、ライトパネル104A~104Cは、試料管102の裏側から試料管102を背面照明するために主に使用され、それにより、試料管102の前の各撮像デバイス(例えば、光検出器、電荷結合素子(CCD)、デジタルカメラ、相補型金属酸化物半導体(CMOS)センサなど)がそれぞれ、試料管102内の試料212の流体特性を検査することができる。流体特性は、例えば、HILN、試料212の1つもしくはそれ以上の成分の体積もしくは寸法、または試料212中のアーチファクト(例えば、血餅、気泡、泡)の存在でよい。前景照明(前面照光)とは対照的に、背景照明が本較正法の主題である。
【0024】
HIL干渉物質事前スクリーニングなどの流体品質検査のために、バックライトパネルを構成する光源は、異なる干渉物質タイプが異なるスペクトルにわたって異なる挙動をする可能性があるので、様々なスペクトルを放出する発光ダイオード(LED)を利用することができる。各品質チェック装置100(例えば機械)は、撮像デバイス(例えばカメラやセンサなど)、バックライトパネル、および試料管トラックのわずかに異なるセットアップを有することがあるので、背景照明較正は、品質チェック装置100内でおよび複数の他の品質チェック装置(他の機械)にわたって一貫した観察を保証するために、これらのばらつきのいくらかまたはすべてを考慮に入れるべきである。
【0025】
このために、背景較正方法の第1の態様によれば、複数の段階で背景照明を行うことが提案されている:
(1)光学中心の位置特定、
(2)機械的中心の位置特定、および
(3)LED調整。
【0026】
その後、LEDヘルスチェックが行われる。LEDヘルスチェックは、ライトパネルでの1つまたはそれ以上の他の領域(複数の他の領域であり得る)の局所強度を調べ、これらの局所強度値を関心領域(ROI)の事前設定された強度値と比較することを含むことがある。他の領域のそのようなヘルスチェックは、1つまたはそれ以上の領域に不具合があり得る時を決定することができる。単一の品質チェック装置100に関する、特に複数の撮像品質チェック装置(品質チェック装置100と同様の)にわたる一貫した背景照光を可能にすることにより、適切であり一貫した性能および試料特性評価を保証することができる。ヘルスチェックをさらに実施することで、場合により、バックライトパネルおよび/または撮像デバイスの欠陥領域を識別することができることがある。
【0027】
図1に示されるように、ライトパネル104A~104Cおよび撮像デバイス106A~106Cは、1つまたはそれ以上の異なる横方向の視点(例えば、図示されているように3つの視点1、2、および3)から、試料容器102および試料容器102内の試料212の横方向2D画像を提供するように配置することができる。より多数またはより少数の視点を使用することもできる。試料特性評価のための画像キャプチャ中、試料容器102および試料212は、バックライト照明され、すなわち試料容器102および試料212の後ろから照明される。例えば、背景照光は、ライトパネル104A(例えばライトパネル)によって撮像デバイス106Aに対して、ライトパネル104B(例えばライトパネル)によって撮像デバイス106Bに対して、およびライトパネル104C(例えばライトパネル)によって撮像デバイス106Cに対して提供される。光源104A~104C(例えばライトパネル)を用いたバックライティングは、撮像デバイス106A~106Cによって撮影された画像の高ダイナミックレンジ(HDR)画像処理およびその処理と組み合わせることができる。任意の適切な特性評価方法を使用して、試料212を定量化および特性評価することができ、特性評価は、画像窓内の様々な空間位置での試料212を通る光透過の強度の定量化を含む。撮像窓は、血清または血漿部分212SP、沈降血液部分1212SB、またはゲルセパレータ313(
図2~3を参照)など、特性評価することを望まれる部分の画像をキャプチャするのに十分な大きさにすべきである。
【0028】
いくつかの実施形態では、特性評価方法および装置を使用して、血清または血漿部分212SPおよび/または沈降血液部分212SB、および/またはゲルセパレータ313の界面境界の位置、ならびにこれらの成分の体積および/または深さを、背景照明と共に画像処理(例えばHDR画像処理)を使用して高精度で決定することができる。簡潔には、1つまたはそれ以上の視点(例えば視点1~3)に関する照明された2D画像データセットを使用して、試料212を特性評価することができる。特に、光源104A~104Cを用いた背景照光で得られた2D画像データセットを使用して、溶血(H)、黄疸(I)、および/または脂肪血症(L)(本明細書では以後「HIL」)などの干渉物質が試料中に存在するかどうか、または試料が正常(N)であるかどうか、または試料中のアーチファクト(例えば血餅、気泡、泡など)の存在など、試料212に関する情報を決定することもできる。
【0029】
再び
図1を参照すると、1つまたはそれ以上の実施形態では、品質チェックモジュール100は、LASの一部として提供される。LASはトラック108(一部のみ図示)を含むことができ、トラック108は、1つまたはそれ以上の分析器(図示せず)に、およびトラック108上のまたはトラック108に沿った任意の適切な位置に提供される品質チェックモジュール100に試料容器102を輸送するように機能する。例えば、品質チェックモジュール100は、分析器に隣接する、もしくはその一部の装填ステーションに、またはトラック108に沿った他の場所に位置され、試料212および試料容器102を事前スクリーニングおよび特性評価することができる。特定の実施形態では、特性評価は、トラック108に沿って可動なキャリア122に試料容器102が置かれた状態で行うことができる。しかし、明確にするために、背景照光を含む品質チェックモジュール100はトラック108に含まれないことがあり、試料212を含む試料容器102は、例えば手動でまたはロボットのアクションによって品質チェックモジュール100に装填および装填解除される。例えば、ロボットは、試料容器を装填ステーションから装填解除し、試料容器を遠心分離し、装填ステーションまたはトラック108の次の品質チェックモジュールのホルダに試料容器を配置し、次いで、撮像して事前スクリーニングを達成した後、試料容器102をトラック108上のキャリアに配置することがある。
【0030】
いくつかの実施形態では、特性評価は、複数の露光(例えば露光時間)で背景照明を用いて複数の画像をキャプチャすることを含む(例えばHDR画像処理の)データ処理を含むことがある。画像処理は、異なる公称波長を有する複数の異なるスペクトルを使用することを含むことがある。複数の画像は、複数の視点1~3に関して撮像デバイス106A~106Cを使用して、場合により複数の視点1~3それぞれに関して複数の異なるスペクトルを使用する背面照明を用いて取得することができる。
【0031】
画像は、各視点1~3に関して(例えばライトパネルを使用する)パネル照明を使用して生成される。背景照明用のスペクトル光源は、赤色(R)光源、緑色(G)光源、および青色(B)光源を含むことがある。場合により、白色光(W)、近赤外(NIR)、または赤外(IR)光源も使用される。各スペクトルに関する複数の露光時間での画像が、品質チェックモジュール100によって取得される。例えば、各スペクトル(または波長範囲)で、異なる露光時間で4~8枚の画像が取得される。次いで、これらの複数の画像をコンピュータ143によってさらに処理して、試料の特性評価結果を生成することができる。任意の適切なセグメンテーションおよび/または特性評価方法を使用することができる。
【0032】
画像処理の一部として、画像強度を適切に調整するために較正が実行され、背景照光が、各画像キャプチャデバイス106A~106Cについて、照明に使用される光の各スペクトル(例えばR、G、Bなど)に関して適切な強度であることを保証する。品質チェックモジュール100の撮像装置101の較正方法のさらなる詳細を、本明細書で
図1~8を参照してさらに述べる。
【0033】
通常、自動処理予定の試料212(
図2および3)は試料容器102内に提供され、試料容器102は、キャップ214を被せられていることがある。キャップ214は、異なる形状および/または色(例えば、赤、ロイヤルブルー、ライトブルー、ダークグリーン、ライトグリーン、黒、灰色、黄褐色、橙色、もしくは黄色、または色の組合せ)を有することがあり、試料容器102が何の試験に使用されるか、試料容器102に含まれる添加剤のタイプ、検体が真空状態であるかどうかなどについて意味を有することがある。他の色を使用することもできる。一態様によれば、キャップ214を撮像して、キャップ214に関する情報を特性評価し、それを使用して試験注文とのクロスチェックを実施し、注文された試験に正しい試料管102が使用されたかを検証することができることが望ましいことがある。例えば、いくつかの実施形態では、背景照光を使用して、キャップ214の不透明度を撮像することができる。
【0034】
試料容器102はそれぞれ、機械可読であり得るバーコード、アルファベット、数字、英数字、またはそれらの組合せなどの識別情報218i(すなわち印)を備える。識別情報218iは、検査室情報システム(LIS)147によって、例えば患者の識別、および試料212に対して実施予定の試験、または検査室情報システム(LIS)からの他の情報を示すことがあり、またはそのような情報に相関されることがある。そのような識別情報218iは、一般に、試料容器102に接着された、または他の方法で試料容器102の側面に提供されたラベル218に提供される。ラベル218は、一般に、試料容器102の全周にわたって、または試料容器102の全高に沿っては延びていない。いくつかの実施形態では、複数のラベル218が接着され、互いにわずかに重なることがある。したがって、ラベル218は、試料212の一部を見えなくすることがあるが、試料212の他の部分は、1つまたはそれ以上の視点1~3から依然として見ることができる。特性評価方法および品質チェックモジュール100の1つまたはそれ以上の実施形態は、複数の視点(例えば視点1、2、および3)から試料212を撮像することによって、試料容器102の望ましくない回転を伴わずに試料212の特性評価を可能にすることができる。他の数の複数の視点を使用することもできる。
【0035】
図2および3に最も良く示されているように、試料212は、管215内に含まれる血清または血漿部分212SPおよび沈降血液部分212SBを含むことがある。空気216が血清または血漿部分212SPの上に提供され、空気216と血清または血漿部分212SPとの境界線は、液体-空気界面(LA)として定義される。血清または血漿部分212SPと沈降血液部分212SBとの境界線は、本明細書では血清-血液界面(SB)として定義され、
図2に示されている。空気216とキャップ214との界面は、本明細書では管-キャップ界面(TC)と呼ばれる。血清または血漿部分212SPの高さは(HSP)であり、血清または血漿部分212SPの上部から、沈降血液部分212SBの上部までの高さとして定義される。沈降血液部分212SBの高さは(HSB)であり、沈降血液部分212SBの底部から、
図2のSBでの沈降血液部分212SBの上部までの高さとして定義される。
図2でのHTOTは、試料212の全高であり、HTOT=HSP+HSBである。
【0036】
ゲルセパレータ313が使用される場合(
図3参照)、血清または血漿部分212SPの高さは(HSP)であり、LAでの血清または血漿部分212SPの上部からSGでのゲルセパレータ313の上部までの高さとして定義される。沈降血液部分212SBの高さは(HSB)であり、沈降血液部分212SBの底部から、
図3のBGでのゲルセパレータ313の底部までの高さとして定義される。
図3でのHTOTは、試料212の全高であり、HTOT=HSP+HSB+(ゲルセパレータ313の高さ)として定義される。
【0037】
いずれの場合も、試料容器102の壁厚はTw、外幅はW、内幅はWiである。管の高さ(HT)は、本明細書では、管215の最下端部からキャップ214の底部までの高さとして定義される。前景照明および/または背景照明を使用する特性評価方法を使用して、これらの幾何学的属性の任意のものを決定することができる。
【0038】
上で論じたように、キャリア122は、
図1および4A~4Bで示されるように、試料容器102をトラック108に沿って移動させ、品質チェック装置100での撮像位置109で停止させることができる。キャリア122は、トラック108は可動である場合、トラック108で単一の試料容器102を搬送するように構成された受動的な非電動パックであってもよく、またはキャリア122は自動化されて、トラック108を移動して撮像位置109などの事前にプログラムされた位置で停止するようにプログラムされた搭載型駆動モータを含んでもよい。いずれの場合も、キャリア122は、例えば1つの視点から(
図4B)または複数の視点1~3から(例えば
図1および4A)容易に撮像することができるように試料容器102を直立した向きに保持するように構成されたホルダを含むことがある。ホルダは、試料容器102をキャリア122内で支持して固定することができるが、それらのいくつかは、横方向に可動または可撓性であり、受け取られる試料容器102の様々なサイズ(幅)に対応することができる複数のフィンガもしくは板ばね、それらの組合せ、または他の適切なメカニズムを含むことがある。
【0039】
品質チェック装置100は、適切なメモリと、様々な自動装置構成要素を作動するための適切な調整電子回路、ドライバ、およびソフトウェアとを有するマイクロプロセッサベースの中央処理装置(CPU)であり得るコンピュータ143によって制御される。コンピュータ143は、品質チェック装置100の動作、ならびに本明細書で述べる特性評価、処理、照明、および撮像を制御することができる。
【0040】
試料212の事前スクリーニングは、血清または血漿部分212SPおよび/または沈降血液部分212SBの相対量、および/またはそれらの比の正確な定量化も可能にする。さらに、事前スクリーニングは、TC、LA、SB、SG、および/またはBG、および/または試料容器102の最下部の物理的な垂直位置を決定することができる。定量化は、注文された試験を実施するために十分な量の血清または血漿部分212SPが利用可能でない場合には、試料212が1つまたはそれ以上の分析器に進むのを止めることができることを保証する。このようにして、起こり得る空気の吸引を回避することによって不正確な試験結果をなくすことができる。LAおよびSBまたはSGの物理的位置を正確に定量化できることで、空気を吸引する可能性を最小限に抑えるだけでなく、沈降血液部分212SBまたはゲルセパレータ313(存在する場合)を吸引する可能性も最小限に抑えることができる。したがって、分析器用にまたはアリコートステーションで血清または血漿部分212SPを吸引するために使用される試料吸引ピペットの詰まりおよび汚染を回避するまたは最小限に抑えることができる。
【0041】
図1および4Aを参照して、スペクトル切り替え可能な光源を含むことがあるライトパネルアセンブリとして具現化された光源104A~104Cを含む品質チェック装置100の第1の実施形態を図示して述べる。品質チェック装置100によって取得された画像は、例えば、正確な吸引ピペットの位置決め、注文された試験に十分な量(例えば体積または高さHSP)の血清または血漿部分212SPが利用可能であるという決定、および/またはH、I、および/またはL、またはN(本明細書では以後、HILN)の識別を可能にすることがある。したがって、品質チェックモジュール100の使用は、ピペットの詰まり、ピペットによる空気の吸引を回避し、および/または受け入れられないレベルのHILを識別する助けとなり得て、貴重な分析器リソースが無駄にならず、試験結果の信頼性を向上させることができる。
【0042】
次に
図4Aを参照すると、品質チェック装置100の一実施形態が示されている。品質チェック装置100は、複数の横方向の視点(例えば視点1~3)から、撮像位置109でデジタル画像(すなわちピクセル化画像)をキャプチャするように構成された撮像デバイス106A~106Cを含むことがある。撮像デバイス106A~106Cは、デジタルカメラ、電荷結合素子(CCD)、光検出器のアレイ、CMOSセンサなど、任意の適切なタイプのデジタル撮像デバイスでよい。撮像デバイス106A~106Cは、少なくとも血清または血漿部分212SP、ならびにいくつかの実施形態では沈降血液部分212SBおよびキャップ214の画像をキャプチャするために、任意の適切な画像サイズを有するデジタル画像(ピクセルを含むピクセル化画像)を撮影することが可能であり得る。他の画像サイズを使用することもできる。
【0043】
撮像デバイス106A~106Cは、予想される試料容器102の位置を含む撮像位置109でのビューウィンドウの近傍に提供され、ビューウィンドウをキャプチャするように訓練または合焦される。いくつかの実施形態では、例えばトラック108上で停止することにより、またはロボット(図示せず)によって撮像位置109に配置されることにより、試料容器102が撮像位置109に配置または停止され、試料容器102は、ほぼビューウィンドウの中央に位置される。
【0044】
図1および4Aを再び参照すると、品質チェック装置100は、スペクトル切り替え可能な照光(望みに応じてバックライティング)の提供を可能にするために、図示されるようにライトパネルアセンブリによって提供されるスペクトル切り替え可能な光源104A~104Dを含むことがある。スペクトル切り替え可能な光源104A~104Cは、少なくとも2つの光スペクトル間、およびいくつかの実施形態では3つ以上の異なる光スペクトル間でスペクトル切り替え可能であり得る。光源104A~104Cは、例えば米国特許出願公開第2018/0372648号で述べられているように構成することができる。
【0045】
光源104A~104Dは、切り替え可能なマルチスペクトル照明を提供することができる。例えば、
図4Aに示される一実施形態では、光源104Aは、照光要素445のアレイを有するライトパネルでよい。
図4Aでの他のパネルは、
図4Bと同様に構成することができる。各ライトパネル(例えば光源104A~104C)は、複数の独立して切り替え可能な照光要素445を含むことがあり、または照光要素445は、異なる発光スペクトルを有するLEDなど、グループで切り替え可能であり得る。照光要素445(LED)は、
図4Bおよび7Bに示されるように、パネルのそれぞれの側面に沿って配置される。照光要素445の切り替えは、適切な電源および電流ドライバ(744、
図7B)と結合されたコンピュータ143上で動作可能なソフトウェアによって達成される。したがって、ライトパネル104A~104Cは、一回での照明のために照光要素のいくつかのみを選択することによって、異なる公称波長を有する複数の異なるスペクトルで照明される。
【0046】
例えば、LEDは、異なる公称波長で光スペクトルを放出する赤色LED(R)、緑色LED(G)、および青色LED(B)など異なる色のLEDを含むことがある。ライトパネルアセンブリは、例えば634nm±35nmでの赤色光、537nm±35nmでの緑色光、および455nm±35nmでの青色光を放出することができる。特に、ライトアレイは、ライトアレイの高さに沿って反復パターンで配置されるR、G、およびBのLEDのクラスタを含むことがある。同じ色のLEDはそれぞれ、一度に点灯されることがある。例えば、各赤色LEDを同時にオンにして、ライトパネルアセンブリから赤色照明を提供して、撮像中に撮像位置109にある試料容器102および試料212を背面照明することができる。同様に、各緑色LEDを同時にオンにして、撮像中に撮像位置109の緑色照明を提供することもできる。同様に、各青色LEDを同時にオンにして、撮像中に撮像位置109で青色照明を提供することもできる。
【0047】
R、G、およびBは単なる例にすぎず、他の波長の光要素445が使用されることもあり、例えば、特定のタイプの背景および/または前景光撮像には、白色光要素(例えば約400nm~約700nmの波長範囲)が選択されることがあることを理解されたい。他の実施形態では、UV(約10nm~約400nmの波長範囲)、近赤外(NIR、約700nm~約1250nmの波長範囲)、または赤外(IR、約1250nm~約2500nmの波長範囲)が含まれることがあり、特定のタイプの撮像の時にオンに切り替えられる。複数のパネルおよび視点が使用されるとき、各カラー画像はそれぞれ、その特定の撮像デバイス106A~106Cのための背面照明のみが照明された状態で個別に撮影される。
【0048】
較正方法
次に
図5Aを参照すると、品質チェック装置100の撮像装置101での様々な撮像デバイス106A~106Cおよび光源104A~104Cの概略図が示されている。また、試料管102を搬送するキャリア122(
図1)が移動するトラック108の中心線108CLも示されている。
【0049】
図6も参照すると、第1の段階で、較正方法600は、撮像装置101の光源104A~104Cでの光学中心位置を位置特定するように動作し、次いでこの光学中心位置を使用して、試料管102および試料管102内に受け取られた試料212のバックライティングおよび特性評価のための最適な照光を受けることができる試料品質チェック装置100の撮像装置101内の関心領域(ROI)を定義することができる。これは、まず、撮像装置101の最適な光学中心525を位置特定することによって行うことができる。この位置特定は、撮像デバイス106A~106Cの各センサ106SA~106SCのセンサ光学中心を、それぞれの光源104A~104Cの対応する各投影中心511A~511Cにつなぐことを含むことができる。投影中心511A~511Cは、各センサ光学中心からそれぞれの光源104A~104Cへの垂直投影により得られる位置である。したがって、投影中心511A~511Cは、特に光源104B、104Cに関して、それぞれの光源104A~104Cの物理的中心からずらされる。最適な光学中心525は、
図5Aに示されるように、これらの3本の線513A~513Cの交点に最も近い点に位置する。機械的中心535は、最適な光学中心525からずれた位置にあり、トラック108の中心線108CLに沿った位置である。
【0050】
最適な光学中心525を位置特定するために、まず、各バックライトパネル104A~104Cの中心線(物理的な垂直中心線)を検出する。物理的中心は、
図5B~5Dに示されている。直接面している撮像デバイス106A~106Cによって観察される3つの光源104A~104Cが
図5B~5Dに示されており、ここで、各画像内の長方形は、試料管102を背面照明するための予想される撮像エリア538A~538Cである光学領域を示す。
図5B~5Dは、それぞれの撮像デバイス106A~106Cからの(それらによって撮影された)画像537A~537Cを示し、それぞれの光源104A~104C(ライトパネル)の向きを示し、撮像エリア538A~538Cが画像537A~537C内に位置されて示されている。識別された撮像エリア538A~538Cは、任意の幅の窓であるが、横方向で、各画像537Bおよび537Cの中心位置(×印541A~541Cによって識別される)に中心合わせされている。見て分かるように、ライトパネル(照光されたエリア)は、画像537A~537Cに中心合わせされていない。×印541A~541Cは、各画像538A~538Cそれぞれの幅の中央にある水平位置を有するものとして示されている。×印541A~541Cの垂直位置は、それぞれの光源104A~104Cのほぼ垂直中心として示されている。したがって、ブロック602で、各撮像デバイス106A~106Cに関して撮像エリア538A~538Cが識別される。撮像エリア538A~538Cは、例えば試料管102の予想される幅を収容するのに十分な幅にすることができ、光源104A~104Cの照明されるパネルエリアをほぼ上から下までほぼ覆うのに十分な高さおよび十分な低さまで延びることができる。複数の異なる幅の試料管102が撮像される場合、撮像エリア538A~538Cは、最も幅の広い管を収容するのに十分な幅にすることができる。
【0051】
次に、ブロック604で、各光源104A~104Cのマスクされていない撮像エリア539A~539Cの中心位置544A~544Cが決定される。例えば、LDCマスク層は、各光源104A~104Cに重ね合わされる。これは、各光源104A~104Cの前でLCDマスク755を使用することによって行うことができる。LCDマスク755のマスクされた部分は、
図7B’にハッチングで示されている。光源104Bおよび光源104Cが光源104Aに比べて撮像位置109の機械的中心535からさらに離れている
図1および4Aに示されるような一実施形態におけるライトパネルのセットアップを仮定すると、同等の照明を提供するために光源104Bおよび光源104Cを光源104Aよりも大きくすることができる。
【0052】
光源104A~104Cの前の予想されるマスクされない撮像エリア539A~539Cを除くすべての光を例えばLCDマスク755を用いてマスク除去することにより、各光源104A~104Cの中心位置544A~544Cは、検索窓540A~540C内の中央セグメントの境界を位置特定することによって光学的に位置特定することができる。検索窓540A~540Cの水平方向サイズは、光源104A~104Cの横方向の幅によって決定される。検索窓540A~540Cの垂直方向サイズは、100ピクセルなどの固定サイズの使用、または撮像エリア538A~538Cの高さの1/4などにより、経験的に事前に決定することができる。検索窓540A~540Cは、それぞれの画像キャプチャデバイス106A~106Cから見たとき、それぞれの光源104A~104Cの照明された照光エリアに基づいて、垂直方向でそれぞれの光源104A~104Cの垂直中心に位置される。
【0053】
図5E~5Gに示されるように、方法600は、まず、
図5B~5Dに見られるように光源104A~104Cのサイズ(幅)に従って検索窓540A~540C(境界ボックス)を定義する。検索窓540A~540C内で、撮像エリア539A~539Cの境界は、検索窓540A~540C内で垂直に延びる垂直線で示されて容易に位置特定することができ、それに応じて、各光源104A~104Cの検索窓540A~540C内に位置する撮像エリア内の正確な中心位置(×印544A~544Cとして描かれる)を導出することができる。撮像装置101での撮像デバイス106A~106Cが較正されており、任意の2つの撮像デバイス間の相対的な姿勢が分かっていると仮定すると、三角測量アルゴリズムを使用して、3D空間内で最適な光学中心525を見つけることができる。
【0054】
したがって、ブロック606で、撮像装置101の最適な光学中心525は、各撮像デバイス104A~104CのLCDマスクの中心位置544A~544C、およびセンサ106SA~106SCの中心を使用して決定される。代替として、LCDマスク層を使用しないセットアップでは、最適な光学中心525は、撮像エリア538A~538Cの中心位置541A~541Cから直接決定される。照明されたパネル領域と画像中心とにより、撮像エリア538A~538C、したがって撮像エリア538A~538Cの中心位置541A~541Cを決定する。次いで、三角測量アルゴリズムを適用して、3D空間内で最適な光学中心525を導出することができる。
【0055】
機械的中心の位置特定
背面照明のために試料管102を配置するには、最適な光学中心525が好ましい位置であるが、機械的制限により、その点に試料管102を配置することが物理的に実現可能でないこともある。したがって、機械的中心の位置特定に関する目標は、最適な光学中心525に最も近い、試料管102を配置することができるトラック108に沿った空間内の位置を見出すことである。このために、本方法は、キャリア122に設置された管較正ツール450(
図4C~4D)を使用することができる。管較正ツール450は、
図4Cに示される機械的位置でキャリア122のレセプタクル422Rに受け入れることができる管状部材を含むことができる。キャリア122のレセプタクル422Rは、支持体422Sによって形成することができる。より多数またはより少数の支持体を使用することもできる。したがって、ブロック608で、トラック108に置かれたキャリア122に管較正ツール450が設置される。
【0056】
管較正ツール450は、任意の適切な方法によってトラック108に沿って移動するキャリア122に配置され、方法600に従った較正は、中心点442(特性評価のための管102の中心線上の物理的な3D中心)の位置を正確に較正する。管較正ツール450は、米国特許出願公開第2018/0372648号に示されているキャリアと同様のキャリア122のレセプタクル422Rに置くことができる。他の適切なキャリアを使用することもできる。管較正ツール450は、
図4Dに示されるような段差426を含むことができる。この段差426およびより小さな寸法の部分427を使用して、
図5H~5Jに示されるように、画像に対する管較正ツール450の中心点442を位置特定することができる。各視点1、2、3に関する中心点542A~542Cは、段差426の平面と、より小さな寸法の部分427の横方向中心線との交点である。
【0057】
中心検出ルーチンによって、
図5H~5Jに示されるように各画像504A’~504B’において各視点1、2、3からツール中心542A~542Cを検出することによって、ツール中心点542A~542Cを位置特定することができ、三角測量アルゴリズムを使用してツールの3D中心点442を決定することができる。次いで、方法600は、現在の機械的中心位置を最適な光学中心525と比較し、管較正ツール450の中心点542A~542Cが最適な光学中心に最も近い位置に達するまで、トラック108に沿ってキャリア122の位置を調整する。これは、数回の反復を必要とすることがある。この最終位置での管較正ツール450の中心点542A~542Cは、機械的中心535とみなされる。
【0058】
機械的中心535を識別すると、各撮像デバイス104A~104Cからその対応するバックライトパネル104A~104Cに中心を逆投影し、機械的中心535に試料管102を配置して固定サイズ領域を有する関心領域(ROI)747をそれに応じて定義するときに、照光中心を試料管102の真後ろにすることができる。
【0059】
したがって、ブロック610で、管較正ツール450の中心(例えば、より小さな寸法の部分427の中心)が撮像装置101の最適な光学中心525に最も近い位置になるように、キャリア122がトラック108上を移動され、最適な光学中心525は、最適な光学中心525を中心とする
図5H~5Jに示される長方形のボックスによって表される。したがって、管較正ツール450の中心点442は、各撮像デバイス106A~106Cの各視点1~3でのバックライト較正に関する関心領域(ROI)747(例えば
図7B)の中心位置を決定するために使用される。したがって、ブロック612で、バックライト較正に関する関心領域(ROI)747(例えば
図7B)が決定される。ROI747は、試料管102または検体212で特性評価されるエリアに関連するサイズになるように選択することができる。例えば、ROI747は、予想される血清または血漿部分212SPのサイズまたはそれよりもわずかに大きいサイズとなるように選択することができる。関心領域ROI747が選択されると、ブロック614でROI747を較正することができる。上記の手順は、ブロック616ですべての視点1~3について繰り返すことができる。ライトパネル104A~104Cにおいて方法600で識別された関心領域(ROI)を較正するための1つの適切な較正方法700を以下に述べる。
【0060】
LED調整
デバイス(例えば品質チェックモジュール100の撮像装置101)の目標の用途の場合、パネル照明が均一である/さらには所定の照明強度であることが望ましい。パネルの照明強度は、主に、LEDストリップに含まれることがあるそれぞれのLEDを駆動するために使用される駆動電流に依存する。駆動電流は既知であるが、同様に強度に影響を与えるいくつかの未知の因子がある。例えば:
-個々のLED効率(放射束対電流)
-LED対光ガイドの光結合損失、例えば機械的公差および表面品質
-光ガイド材料組成の公差
【0061】
これらの未知の因子により、駆動電流は、再現可能な照明強度を実現するためにすぐに再現することはできない;そうではなく、
図7を参照して以下の較正方法700において以下に述べるように較正される。
【0062】
光源(例えば、光源104A、104B、104C)の関心領域(ROI)747での照明均一性は、主に、それぞれの照光源104A~104Cのそれぞれの側(例えば、第1の横方向側面746および第2の横方向側面748)での複数の光要素445(例えばLEDのストリップとして配置される。
図4Bおよび7Bを参照)にわたる照明パワーの分布に依存する。ROI747、したがって複数の光要素445(例えばライトストリップ)からの距離は、上で論じた機械的中心位置の較正に応じて変化し得るので、本較正方法700は、それぞれの光源104A、104B、104Cを対向する撮像デバイス106A、106B、106Cによって観察しながら、複数の光要素445それぞれへの駆動電流を、それらのライトパネル(例えば、光源104A、104B、104C)に関して2段階で調整するように作動する。
【0063】
方法700によれば、ブロック702で、まず、例えばROI747により近い第1の側(例えば第1の横方向側面746)に位置する複数の光要素445(例えばLEDストリップに配置される)がオンにされる。
【0064】
次に、ブロック704で、ROI747での代表的な強度Ir(例えば第1の平均強度)が第1の事前設定強度値Ip1(例えば、デジタル画像において、0~256のグレースケール範囲内で100)に達するまで、第1の側746に関する光要素445(例えばLED)への駆動電流Cs1が調整される。次に、方法700は、第1の側746にある光要素445にライン450Rで流れる駆動電流Cs1を実質的に事前設定強度値Ipに保ち、ブロック706で、ROI747の代表的な強度(例えば平均強度)が第2の事前設定強度値(例えば、デジタル画像において0~256のグレースケール範囲内で180)に達するまで、第2の側748にある光要素445(例えば、ストリップまたはアレイに配置されるLED)へのライン450Lでの駆動電流Cs2を調整する。
【0065】
平均強度が第1の事前設定強度レベル(例えば、0~256のグレースケール範囲の範囲のうち100)に達するまでROI747(境界ボックス参照)に近づける複数の光要素(LEDストリップ)の第1の較正において、光要素(LED)調整の例のピクセル化画像(写真)が示され、次いで、
図7Dに示されるように、代表的な強度Ir(例えば平均強度)が第2の事前設定された強度値Ip2に達するまで、ROI747から離れた光要素(LEDストリップ)の駆動電流が調整され、第2の事前設定された強度値Ip2は、背面照明に関して十分な期待値である(例えば、0~256のグレースケール範囲のうち180)。
【0066】
ROIの中心が両側からほぼ等しい距離にあるパネル(例えば光源104A)の場合、光要素445(LED)の両側746、748に同じ電流を設定し、ROI747の平均強度が最終事前設定値(例えば、画像において0~256の範囲のうち180)に達するまでその電流を調整する。電流調整手順を高速化するために、2つ以上の事前に選択された電流設定をメモリに保存することができ、次いで対応する強度を測定することができる。これらの値を使用して、方法700は、目標強度を生成するために印加することができる電流を予測するために1次または2次方程式のいずれかで電流強度曲線を近似することができる。したがって、通常は数回の反復でROI747の最終目標強度に達することができる。この較正方法700は、例えば各光源104A~104Cに関して、R、G、B、W、UV、IR、および/またはNIRなど対象の各波長について実施することができる。
【0067】
ヘルスチェック
光要素445(例えばLEDストリップ)を較正するために中央ROI747を使用している間、光源全体またはその代表的な部分(例えば、光源104A、104B、104C)にわたる光分布を検証して、複数の試料品質チェック装置100内およびそれら全体にわたる一貫性のない照光を防止するまたは最小限に抑えることが望ましいことがある。ライトパネル104A~104C全体のエリアに対する中央ROI747の位置に基づいて、複数のオフセンタ領域を選択することができ、次いでオフセンタ領域(エリア)の代表的な強度(例えば平均強度)を中央ROI747の平均強度と比較することができる。領域のエリアは、任意のサイズでよいが、いくつかの実施形態では中央ROI747と同じサイズであり得る。
【0068】
図8は、領域(点線および一点鎖線のボックス)の例示的なピクセル化画像と、パーセンテージで表される、中央ROI747の位置に対応する中央ROI(実線のボックス)と比較したパネルの他の領域の平均強度とを示す。参照試料品質チェックシステムを使用して、または複数の優良な試料品質チェックシステムからの統計を使用して、各領域ごとの公称強度値を設定することにより、任意のライトパネルの一貫性を検証することができる。これを使用してLEDヘルスチェックを行うことができ、LEDヘルスチェックは、定期的にまたは任意の所望の間隔で実施することができる。
【0069】
次に、撮像装置101を較正するために使用される較正方法600を述べる。較正方法600は、理想的には、事前スクリーニング撮像測定が実際に行われる前に品質チェックモジュール100の撮像装置101によって行われる撮像を含む。したがって、複数の事前スクリーニング操作(例えば複数の試料管102の事前スクリーニング)に較正方法600を使用することができ、その後、再較正が再び実施される。較正方法600は、HILNなどの干渉物質の存在や、血餅、気泡、または泡などのアーチファクトなどについて、任意の試料管102の事前スクリーニングの前に行うことができる。いくつかの実施形態では、単一の較正方法600が、試料管102の特定のラックに関して、多数の試料管102に関して、例えばシフト、1日、1週間、もしくは1カ月の期間もしくは他の期間にわたって、特定の数の試料管102が事前スクリーニングされた後に、または任意の他の適切な較正期間もしくは間隔で行われる。したがって、較正方法は、いくつかの試料管が事前スクリーニングされた後、または事前スクリーニングを開始した後の特定の期間後に行うことができる。
【0070】
本開示は様々な修正形態および代替形態を取り得るが、その特定のシステム、装置、および方法の実施形態を例として図面に示し、本明細書で詳細に述べている。しかし、開示される特定のシステム、装置、または方法に本開示を限定することは意図されておらず、逆に、意図は、特許請求の範囲の範囲内に含まれるすべての修正形態、均等形態、および代替形態を網羅することであることを理解されたい。