(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240404BHJP
H04W 28/084 20230101ALI20240404BHJP
【FI】
G06Q50/10
H04W28/084
(21)【出願番号】P 2023055763
(22)【出願日】2023-03-30
【審査請求日】2023-06-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】小峯 敏彦
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-186379(JP,A)
【文献】特開2021-158605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H04W 28/084
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエリアにおいて実施されるイベントに参加するための所定商品
であって、前記イベントの実施時間において前記イベントが開催されるエリアにおいて無線通信ネットワークを仮想的に分割したネットワークであるスライスネットワークの適用を受ける権利が付された所定商品を識別する商品識別情報と、前記所定のエリアの位置を示すエリア位置情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記所定商品を販売する販売装置から、前記所定商品を購入したユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記所定商品の商品識別情報とを
受信し、受信した前記ユーザ識別情報と、前記所定商品の商品識別情報とを関連付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記ユーザ識別情報と、前記ユーザが使用するユーザ端末が存在する位置を特定するための位置特定用情報とを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記ユーザ識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶されている商品識別情報と、前記イベントが実施される時間であるイベント実施時間とを特定し、前記ユーザ識別情報を取得した時刻が、特定した前記イベント実施時間に対応し、かつ、取得した前記位置特定用情報が示す前記ユーザ端末の位置が、特定した商品識別情報に関連付けられているエリア位置情報に対応している
ことを条件に、前記ユーザ端末の通信に、前記所定のエリアにおいて提供される
前記スライスネットワークを適用する適用部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
複数のエリアそれぞれの通信品質の履歴を示す履歴情報に基づいて、前記スライスネットワークを適用することにより通信品質が改善するエリアを前記所定のエリアとして抽出する抽出部をさらに有し、
前記記憶部は、前記抽出部が抽出した前記所定のエリアにおいて実施されるイベントに対応する前記商品識別情報と、前記エリア位置情報とを関連付けて記憶する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記スライスネットワークの通信容量と、前記スライスネットワークが保証する通信品質とに基づいて前記スライスネットワークを適用可能なユーザ端末の数を算出し、前記所定商品の販売先に、前記所定商品の販売数の上限値が、算出したユーザ端末の数であることを通知する通知部をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記適用部は、前記スライスネットワークの通信容量と、前記スライスネットワークが保証する通信品質とに基づいて前記スライスネットワークを適用可能なユーザ端末の数を適用可能数として算出し、算出した適用可能数のユーザ端末に限定して、当該ユーザ端末の通信に前記スライスネットワークを適用する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記所定商品の商品識別情報に、前記所定商品を購入したユーザのユーザ端末に適用するスライスネットワークの通信品質を示す通信品質情報を関連付けて記憶し、
前記適用部は、前記ユーザ端末の通信にスライスネットワークを適用する場合に、取得した前記ユーザ識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶されている商品識別情報に関連付けられている通信品質情報が示す通信品質を保証するスライスネットワークを適用する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記所定商品それぞれの商品識別情報と、前記通信品質情報としての前記所定商品に対応するスライスネットワークの通信品質の種別とを関連付けて記憶する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記所定商品の商品識別情報に、前記スライスネットワークを適用する通信の種別を関連付けて記憶し、
前記適用部は、前記ユーザ端末の通信の種別を特定し、特定した通信の種別が、取得した前記ユーザ識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶されている商品識別情報に関連付けられている通信の種別と一致している場合に、前記スライスネットワークを適用する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記記憶制御部は、前記ユーザ端末から、前記スライスネットワークを適用するユーザを変更する変更要求であって、前記商品識別情報と、変更後のユーザ識別情報を含む変更要求を取得し、取得した前記変更要求に含まれている前記商品識別情報に関連付けて記憶されているユーザ識別情報を、前記変更要求に含まれているユーザ識別情報に変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記記憶部は、前記商品識別情報と、前記エリア位置情報と、前記イベントが実施される時間であるイベント実施時間を示すイベント時間情報とを関連付けて記憶し、
前記適用部は、前記取得部が取得した前記ユーザ識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶されている商品識別情報を特定し、特定した商品識別情報に関連付けられている前記イベント時間情報に基づいて、前記イベント実施時間を特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する、
所定のエリアにおいて実施されるイベントに参加するための所定商品
であって、前記イベントの実施時間において前記イベントが開催されるエリアにおいて無線通信ネットワークを仮想的に分割したネットワークであるスライスネットワークの適用を受ける権利が付された所定商品を販売する販売装置から、前記所定商品を購入したユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記所定商品の商品識別情報とを
受信し、受信した前記ユーザ識別情報と、前記所定商品の商品識別情報とを関連付けて記憶部に記憶させるステップと、
前記ユーザ識別情報と、前記ユーザが使用するユーザ端末が存在する位置を特定するための位置特定用情報とを取得するステップと、
取得した前記ユーザ識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶されている商品識別情報と、前記イベントが実施される時間であるイベント実施時間とを特定し、前記ユーザ識別情報を取得した時刻が、特定した前記イベント実施時間に対応し、かつ、前記位置特定用情報が示す前記ユーザ端末の位置が、前記商品識別情報に関連付けられている前記所定のエリアの位置を示すエリア位置情報に対応している
ことを条件に、前記ユーザ端末の通信に、前記所定のエリアにおいて提供される
前記スライスネットワークを適用するステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イベントに参加したユーザの端末に、イベントに対応するコンテンツを配信することが行われている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イベント会場では多くのユーザが集まることから、多くのユーザの端末が通信を行うことにより通信が混雑し、ユーザ端末の通信の通信品質が低下するという問題が発生する。イベントに参加するユーザの中には、配信されるコンテンツを楽しむために、通信品質の改善を望むユーザが存在する。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、通信品質の改善を望むユーザの端末の通信品質を改善できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、所定のエリアにおいて実施されるイベントに参加するための所定商品を識別する商品識別情報と、前記所定のエリアの位置を示すエリア位置情報とを関連付けて記憶する記憶部と、前記所定商品を購入したユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記所定商品の商品識別情報とを関連付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザが使用するユーザ端末が存在する位置を特定するための位置特定用情報とを取得する取得部と、前記取得部が取得した前記ユーザ識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶されている商品識別情報と、前記イベントが実施される時間であるイベント実施時間とを特定し、前記ユーザ識別情報を取得した時刻が、特定した前記イベント実施時間に対応し、かつ、取得した前記位置特定用情報が示す前記ユーザ端末の位置が、特定した商品識別情報に関連付けられているエリア位置情報に対応している場合に、前記ユーザ端末の通信に、前記所定のエリアにおいて提供される、無線通信ネットワークを仮想的に分割したネットワークであって、所定の通信品質を保証するネットワークであるスライスネットワークを適用する適用部と、を有する。
【0007】
前記情報処理装置は、複数のエリアそれぞれの通信品質の履歴を示す履歴情報に基づいて、前記スライスネットワークを適用することにより通信品質が改善するエリアを前記所定のエリアとして抽出する抽出部をさらに有し、前記記憶部は、前記抽出部が抽出した前記所定のエリアにおいて実施されるイベントに対応する前記商品識別情報と、前記エリア位置情報とを関連付けて記憶してもよい。
【0008】
前記情報処理装置は、前記スライスネットワークの通信容量と、前記スライスネットワークが保証する通信品質とに基づいて前記スライスネットワークを適用可能なユーザ端末の数を算出し、前記所定商品の販売先に、前記所定商品の販売数の上限値が、算出したユーザ端末の数であることを通知する通知部をさらに有してもよい。
【0009】
前記適用部は、前記スライスネットワークの通信容量と、前記スライスネットワークが保証する通信品質とに基づいて前記スライスネットワークを適用可能なユーザ端末の数を適用可能数として算出し、算出した適用可能数のユーザ端末に限定して、当該ユーザ端末の通信に前記スライスネットワークを適用してもよい。
【0010】
前記記憶部は、前記所定商品の商品識別情報に、前記所定商品を購入したユーザのユーザ端末に適用するスライスネットワークの通信品質を示す通信品質情報を関連付けて記憶し、前記適用部は、前記ユーザ端末の通信にスライスネットワークを適用する場合に、取得した前記ユーザ識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶されている商品識別情報に関連付けられている通信品質情報が示す通信品質を保証するスライスネットワークを適用してもよい。
【0011】
前記記憶部は、前記所定商品それぞれの商品識別情報と、前記通信品質情報としての前記所定商品に対応するスライスネットワークの通信品質の種別とを関連付けて記憶してもよい。
【0012】
前記記憶部は、前記所定商品の商品識別情報に、前記スライスネットワークを適用する通信の種別を関連付けて記憶し、前記適用部は、前記ユーザ端末の通信の種別を特定し、特定した通信の種別が、取得した前記ユーザ識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶されている商品識別情報に関連付けられている通信の種別と一致している場合に、前記スライスネットワークを適用してもよい。
【0013】
前記記憶制御部は、前記ユーザ端末から、前記スライスネットワークを適用するユーザを変更する変更要求であって、前記商品識別情報と、変更後のユーザ識別情報を含む変更要求を取得し、取得した前記変更要求に含まれている前記商品識別情報に関連付けて記憶されているユーザ識別情報を、前記変更要求に含まれているユーザ識別情報に変更してもよい。
【0014】
前記記憶部は、前記商品識別情報と、前記エリア位置情報と、前記イベントが実施される時間であるイベント実施時間を示すイベント時間情報とを関連付けて記憶し、前記適用部は、前記取得部が取得した前記ユーザ識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶されている商品識別情報を特定し、特定した商品識別情報に関連付けられている前記イベント時間情報に基づいて、前記イベント実施時間を特定してもよい。
【0015】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、所定のエリアにおいて実施されるイベントに参加するための所定商品を購入したユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記所定商品の商品識別情報とを関連付けて記憶部に記憶させるステップと、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザが使用するユーザ端末が存在する位置を特定するための位置特定用情報とを取得するステップと、取得した前記ユーザ識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶されている商品識別情報と、前記イベントが実施される時間であるイベント実施時間とを特定し、前記ユーザ識別情報を取得した時刻が、特定した前記イベント実施時間に対応し、かつ、前記位置特定用情報が示す前記ユーザ端末の位置が、前記商品識別情報に関連付けられている前記所定のエリアの位置を示すエリア位置情報に対応している場合に、前記ユーザ端末の通信に、前記所定のエリアにおいて提供される、無線通信ネットワークを仮想的に分割したネットワークであって、所定の通信品質を保証するネットワークであるスライスネットワークを適用するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通信品質の改善を望むユーザの端末の通信品質を改善することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図5】情報処理装置のスライスネットワークの適用に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[情報処理装置1の概要]
図1は、情報処理装置1の概要を説明する図である。情報処理装置1は、無線通信ネットワークを仮想的に分割したネットワークであって、所定の通信品質が保証されたスライスネットワークのユーザ端末2への適用を制御するコンピュータである。
【0019】
無線通信ネットワークは、例えば、第5世代通信(5G)専用の通信設備と5Gの基地局とにより無線通信を行う方式(5G SA方式)の携帯電話ネットワークである。無線通信ネットワークを利用するユーザ端末の通信に割り当てられるリソースブロックの割当を制御する技術であるネットワークスライシングを用いることにより、ユーザ端末の通信に対して所定の通信品質を保証することができる。ネットワークスライシングによりユーザ端末の通信に適用される仮想的なネットワークをスライスネットワークという。
【0020】
本実施の形態では、一つの無線通信ネットワークにおいて、一以上のスライスネットワークのいずれかを適用可能であるものとする。また、ユーザは、所定の対価を支払うことにより、ユーザが使用するスマートフォン等のユーザ端末2の通信にスライスネットワークの適用を受けることができるものとする。なお、無線通信ネットワークは、通信品質が保証されないものとするが、これに限らず、スライスネットワークの通信品質よりも低い通信品質が保証されていてもよい。また、スライスネットワークにおける「通信品質の保証」には、所定の通信品質を保証するものだけでなく、スライスネットワークを適用した適用ユーザに対し、スライスネットワークを適用していない非適用ユーザよりも優先してリソースブロックを割り当てることにより、適用ユーザの通信品質を非適用ユーザの通信品質に対して向上させることを保証することも含まれるものとする。
【0021】
情報処理装置1は、所定のエリアにおいて実施されるイベントに参加するための所定商品を識別するための商品識別情報と、所定のエリアの位置を示すエリア位置情報とを関連付けて記憶する(
図1における(1))。所定商品は、イベントに参加するために必要なチケットのうち、イベントの実施時間において所定のエリアにおいてスライスネットワークの適用を受ける権利が付されたチケットである。以下の説明において、スライスネットワークの適用を受ける権利が付されたチケットを、スライス付きチケットという。また、スライス付きチケットを識別するための商品識別情報をチケットIDとして説明を進める。
【0022】
情報処理装置1は、例えば、イベントに参加するために必要なチケットをユーザに販売するチケット販売装置3と接続されている。イベントに参加するために必要なチケットには、スライス付きチケットと、スライスネットワークの適用を受ける権利が付されていない通常のチケットとが含まれている。
【0023】
チケット販売装置3は、ユーザに対してスライス付きチケットを販売すると(
図1における(2))、スライス付きチケットを購入したユーザを識別するためのユーザIDと、当該スライス付きチケットを識別するチケットIDとを情報処理装置1に送信する(
図1における(3))。情報処理装置1は、チケット販売装置3からユーザIDと、チケットIDとを受信すると、受信したユーザIDとチケットIDとを関連付けて記憶する(
図1における(4))。
【0024】
その後、情報処理装置1は、例えばユーザ端末2から、ユーザのユーザIDと、ユーザ端末2が存在する位置を特定するための位置特定用情報とを取得する(
図1における(5))。情報処理装置1は、取得したユーザIDと関連付けられているチケットIDを特定するとともに、所定のエリアにおいて実施されるイベントのイベント実施時間を特定する。
【0025】
情報処理装置1は、ユーザIDを取得した時刻が、特定したイベント実施時間に対応し、かつ、位置特定用情報が示すユーザ端末2の位置が、特定したチケットIDに関連付けられているエリア位置情報に対応している場合に、ユーザ端末2の通信にスライスネットワークを適用する(
図1における(6))。このようにすることで、情報処理装置1は、通信品質の改善を望んでスライス付きチケットを購入したユーザの端末の通信品質を改善することができる。
【0026】
[情報処理装置1の機能構成]
続いて、情報処理装置1の機能構成について説明する。
図2は、情報処理装置1の機能構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0027】
通信部11は、ユーザ端末2、チケット販売装置3、及び、無線通信ネットワークを管理する通信装置等の外部装置とデータを送受信するための通信インターフェースである。
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、制御部13を、抽出部131、通知部132、記憶制御部133、取得部134、及び適用部135として機能させるプログラムを記憶する。
【0028】
また、記憶部12は、所定のエリアにおいて実施されるイベントに参加するためのスライス付きチケットを識別するチケットIDと、所定のエリアの位置を示すエリア位置情報とを少なくとも関連付けた登録チケット情報を記憶する。
【0029】
図3は、登録チケット情報の一例を示す図である。
図3に示すように、登録チケット情報は、所定のエリアの位置を示すエリア位置情報と、所定のエリアにおいて実施されるイベントの実施時間を示すイベント時間情報と、スライス付きチケットのチケットIDと、当該チケットに対応するスライスネットワークの通信品質の種別とを関連付けた情報である。
【0030】
エリア位置情報は、例えば、無線通信ネットワークを提供するための携帯電話の基地局の位置を示す緯度及び経度と、当該基地局の通信可能距離とを含んでおり、基地局の位置から通信可能距離までの範囲が所定エリアとなる。なお、エリア位置情報は、地域を予め定められた大きさの正方形に区切った複数のエリアであるメッシュの範囲を示す情報であってもよい。ここで、エリア位置情報は、携帯電話の基地局の位置を示す緯度及び経度と、当該基地局の通信可能距離とを含むこととしたが、これに限らない。エリア位置情報は、イベントの対象エリアをカバーする基地局であって、通信ネットワーク上において当該基地局を識別するための基地局ID、又は複数の基地局IDに関連付けられたエリアを識別するためのエリアIDであってもよい。
【0031】
イベント時間情報が示すイベントの実施時間は、例えば、イベントの開始日時と開始日時とを含んでいる。イベントが複数日にわたって開催される場合、イベントの実施時間には、複数の日のそれぞれのイベントの開始日時と開始日時とが含まれていてもよい。
【0032】
通信品質の種別は、スライス付きチケットを購入したユーザのユーザ端末2に適用するスライスネットワークの通信品質を示す情報である。通信品質の種別は、所定のエリアの無線通信ネットワークに対して設定される一以上のスライスネットワークそれぞれの通信品質に対応している。
【0033】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、抽出部131、通知部132、記憶制御部133、取得部134、及び適用部135として機能する。
【0034】
抽出部131は、複数のエリアそれぞれの通信品質の履歴を示す履歴情報に基づいて、スライスネットワークを適用することにより通信品質が改善するエリアを所定のエリアとして抽出する。ここで、通信品質は、スループットであるが、これに限らず、通信遅延時間、パケットエラー率、パケットの到達間隔のゆらぎ、無線リソース利用率、無線リソースの混雑度合い等であってもよい。
【0035】
抽出部131は、複数のエリアそれぞれの通信品質の履歴を示す履歴情報を取得するとともに、複数のエリアそれぞれに対応する無線通信ネットワークに対応するスライスネットワークを適用することによるスループットの理論値を示す理論値情報を取得する。そして、抽出部131は、複数のエリアのうち、取得した履歴情報が示す通信混雑時における混雑時スループットと、取得した理論値情報が示すスループットの理論値との差が所定の値以上であるエリアを、所定のエリアとして抽出する。なお、抽出部131は、最大スループットの理論値に対する混雑時スループットの割合が所定の割合未満のエリア、すなわち、混雑時にスループットが低下するエリアを所定のエリアとして抽出してもよい。
【0036】
通知部132は、所定のエリアにおいて実施されるイベントに対応するスライス付きチケットの販売先に対して、所定商品の販売数の上限値を通知する。例えば、通知部132は、所定のエリアに対応する無線通信ネットワークに対して適用されるスライスネットワークの通信容量と、当該スライスネットワークが保証する通信品質とに基づいて、スライスネットワークを適用可能なユーザ端末の数を算出する。
【0037】
そして、通知部132は、スライス付きチケットの販売先が使用する販売者端末(不図示)に、所定エリアにおけるスライス付きチケットの販売数の上限値が、算出したユーザ端末の数であることを通知する。このようにすることで、スライス付きチケットの販売者は、スライス付きチケットの販売数の上限値を把握することができる。なお、通知部132は、所定のエリアに対応する無線通信ネットワークに対して複数のスライスネットワークが適用される場合には、複数のスライスネットワークそれぞれに対応するユーザ端末の数を算出し、販売数の上限値として販売者端末に通知する。
【0038】
記憶制御部133は、抽出部131が抽出した所定のエリアにおいて実施されるイベントに対応するスライス付きチケットのチケットIDと、所定のエリアの位置を示すエリア位置情報とを関連付けて記憶部12に記憶させる。例えば、記憶制御部133は、スライス付きチケットの販売先が使用する販売者端末から、抽出部131が抽出した所定のエリアを示す情報と、所定のエリアにおいて実施されるイベントの実施時間を示すイベント時間情報と、当該イベントに対応する複数のスライス付きチケットのチケットIDと、スライス付きチケットに対応するスライスネットワークの品質種別とを取得する。
【0039】
所定のエリアを示す情報は、例えば、住所情報であり、記憶部12には、住所情報と、住所情報に対応するエリアの位置を示すエリア位置情報とが関連付けて記憶されている。記憶制御部133は、所定のエリアを示す情報を取得すると、当該情報に関連付けられているエリア位置情報を、所定のエリアの位置を示すエリア位置情報として特定する。記憶制御部133は、取得したイベント時間情報、チケットID及び品質種別と、特定したエリア位置情報とを関連付けて登録チケット情報として記憶部12に記憶させる。
【0040】
記憶制御部133は、スライス付きチケットを購入したユーザを識別するためのユーザIDと、スライス付きチケットのチケットIDとを関連付けて購入ユーザ情報として記憶部12に記憶させる。例えば、チケット販売装置3は、ユーザにスライス付きチケットを販売する際に、ユーザのユーザIDを取得する。チケット販売装置3は、ユーザに販売したスライス付きチケットのチケットIDと、当該ユーザのユーザIDとを情報処理装置1に送信する。記憶制御部133は、チケット販売装置3から、スライス付きチケットを購入したユーザのユーザIDと、当該ユーザが購入したスライス付きチケットのチケットIDとを受信する。記憶制御部133は、受信したユーザIDと、チケットIDとを関連付けて購入ユーザ情報として記憶部12に記憶させる。
【0041】
図4は、購入ユーザ情報の一例を示す図である。
図4に示すように、スライス付きチケットを購入したユーザのユーザIDと、当該スライス付きチケットのチケットIDとが関連付けられていることが確認できる。
【0042】
なお、記憶制御部133は、ユーザ端末2から、スライスネットワークを適用するユーザを変更する変更要求であって、チケットIDと、変更後のユーザIDとを含む変更要求を取得してもよい。そして、記憶制御部133は、記憶部12に記憶されている購入ユーザ情報において、取得した変更要求に含まれているチケットIDに関連付けて記憶されているユーザIDを、変更要求に含まれているユーザIDに変更してもよい。
【0043】
この場合、例えば、購入ユーザ情報において、チケットIDと、ユーザがスライス付きチケットを購入した際にチケット販売装置3が発行した認証コードであって、ユーザに通知される認証コードとを関連付けて記憶させておく。記憶制御部133は、ユーザ端末2から、変更要求とともに認証コードを取得する。そして、記憶制御部133は、購入ユーザ情報において、取得した認証コードと、変更要求に含まれているチケットIDとが関連付けられていることを条件として、取得した変更要求に含まれているチケットIDに関連付けて記憶されているユーザIDを、変更要求に含まれているユーザIDに変更してもよい。このようにすることで、スライス付きチケットを購入したユーザは、スライス付きチケットを購入した後に、スライスネットワークの適用を受ける権利を他のユーザに譲渡することができる。
【0044】
取得部134は、ユーザのユーザIDと、当該ユーザが使用するユーザ端末2が存在する位置を特定するための位置特定用情報とを取得する。例えば、取得部134は、購入ユーザ情報に含まれているユーザIDに対応するユーザ端末2から、所定時間おきに当該ユーザが接続されている携帯電話ネットワークの基地局がカバーするセルのセルIDを位置特定用情報として取得するとともに、ユーザIDを取得する。
【0045】
なお、取得部134は、セルIDを位置特定用情報として取得したがこれに限らず、ユーザ端末2の位置を示す端末位置情報を位置特定用情報として取得してもよい。また、取得部134は、所定のエリアに対応する無線通信ネットワークを提供する基地局から、当該基地局と通信可能に接続されたユーザ端末2のユーザIDを取得するとともに、当該基地局に対応するセルIDを位置特定用情報として取得してもよい。
【0046】
適用部135は、取得部134が取得したユーザIDに対応するユーザ端末2が、スライス付きチケットを購入したユーザのユーザ端末2であり、イベントが実施される時間であるイベント実施時間に所定エリアに存在していることを条件として、当該ユーザ端末2にスライスネットワークを適用する。
【0047】
具体的には、適用部135は、取得部134が取得したユーザIDと関連付けて記憶部12に記憶されているチケットIDを特定する。適用部135は、所定のエリアにおいて実施されるイベントが実施される時間であるイベント実施時間を特定する。例えば、適用部135は、登録チケット情報を参照し、特定したチケットIDに関連付けられているイベント時間情報に基づいてイベント実施時間を特定する。また、適用部135は、登録チケット情報を参照し、特定したチケットIDに関連付けられているエリア位置情報と、通信品質の種別を特定する。適用部135は、特定した通信品質の種別に対応するスライスネットワークの通信品質を特定する。
【0048】
また、適用部135は、取得した位置特定用情報に基づいて、ユーザ端末2の位置を特定する。例えば、適用部135は、位置特定用情報がセルIDである場合には、当該セルIDに対応する基地局の位置をユーザ端末2の位置と特定する。
【0049】
続いて、適用部135は、取得部134がユーザIDを取得した時刻が、特定したベント実施時間に対応し、かつ、取得した位置特定用情報が示すユーザ端末2の位置が、特定したチケットIDに関連付けられているエリア位置情報に対応している場合に、ユーザ端末2の通信に、所定のエリアにおいて提供されるスライスネットワークを適用する。ここで、基地局IDをエリア位置情報とした場合、適用部135は、位置特定用情報としてのセルIDと、エリア位置情報としてのセルIDとが一致している場合に、ユーザ端末2の通信に、所定のエリアにおいて提供されるスライスネットワークを適用してもよい。
【0050】
適用部135は、ユーザ端末2の通信にスライスネットワークを適用する場合に、取得したユーザIDと関連付けて記憶部12に記憶されているチケットIDに関連付けられている通信品質を保証するスライスネットワークを適用する。適用部135は、所定のエリアにおいてユーザ端末2に対して異なる通信品質の複数のスライスネットワークのいずれかを適用可能である場合、特定した通信品質の種別に対応するスライスネットワークを適用する。
【0051】
例えば、適用部135は、スライスネットワークを提供する通信制御装置に対し、取得部134が取得したユーザIDに対応するユーザ端末2の通信に、特定した通信品質に対応するスライスネットワークを適用する指示を行うことにより、当該ユーザ端末2の通信に当該スライスネットワークを適用する。このようにすることで、情報処理装置1は、スライス付きチケットに対応するスライスネットワークをユーザ端末2の通信に適用することができる。
【0052】
ここで、適用部135は、スライスネットワークの通信容量と、スライスネットワークが保証する通信品質とに基づいてスライスネットワークを適用可能なユーザ端末の数を適用可能数として算出してもよい。例えば、適用部135は、スライスネットワークの単位時間当たりの通信容量を、スライスネットワークが保証するスループットで除算することにより、適用可能数を算出する。そして、適用部135は、算出した適用可能数のユーザ端末に限定して、当該ユーザ端末の通信にスライスネットワークを適用する。このようにすることで、情報処理装置1は、スライスネットワークが適用されたユーザ端末2の通信の通信品質が、スライスネットワークが保証する通信品質を満たさなくなることを抑制することができる。
【0053】
[動作フロー]
続いて、情報処理装置1のスライスネットワークの適用に係る処理の流れについて説明する。
図5は、情報処理装置1のスライスネットワークの適用に係る処理の流れを示すフローチャートである。なお、本フローチャートを実施する前に、登録チケット情報及び購入ユーザ情報が記憶部12に記憶されているものとする。
【0054】
まず、取得部134は、ユーザのユーザIDと、当該ユーザが使用するユーザ端末2が存在する位置を特定するための位置特定用情報とを取得する(S1)。
続いて、適用部135は、取得したユーザIDに対応するユーザ端末2にスライスネットワークを適用中であるか否かを判定する(S2)。適用部135は、スライスネットワークを適用中であると判定すると(S2のYES)、本フローチャートに係る処理を終了し、スライスネットワークを適用中でないと判定すると(S2のNO)、S3に処理を移す。
【0055】
続いて、適用部135は、記憶部12に記憶されている購入ユーザ情報を参照し、取得したユーザIDに関連付けられているチケットIDを特定する(S3)。
続いて、適用部135は、特定したチケットIDに基づいて、イベント実施時間、エリア位置情報、ユーザに適用するスライスネットワークの通信品質を特定する(S4)。具体的には、適用部135は、登録チケット情報において、特定したチケットIDに関連付けられているイベント時間情報、通信品質の種別、エリア位置情報に基づいて、イベント実施時間、エリア位置情報、ユーザに適用するスライスネットワークの通信品質を特定する。
【0056】
続いて、適用部135は、取得したユーザIDに対応するユーザ端末2にスライスネットワークを適用可能か否かを判定する(S5)。適用部135は、スライスネットワークを適用可能と判定すると(S5のYES)、S6に処理を移し、スライスネットワークを適用可能ではないと判定すると(S5のNO)、本フローチャートに係る処理を終了する。
【0057】
適用部135は、ユーザIDを取得した時刻が、特定したイベント実施時間が示すイベント開始時間からイベント終了時間までの期間内であり、かつ、取得した位置特定用情報が示すユーザ端末2の位置が、特定したエリア位置情報が示すエリアに含まれている場合(S5のYES)に、ユーザ端末2の通信に、特定した通信品質に対応するスライスネットワークを適用する(S6)。
【0058】
[変形例1]
上述の実施形態において、適用部135は、登録チケット情報においてチケットIDに関連付けられているイベント時間情報に基づいてイベント実施時間を特定したが、これに限らない。適用部135は、イベントを運営する事業者から、イベントが開始したことを示すイベント開始情報を取得したことに応じてイベントが開催されたことを特定してもよい。また、適用部135は、イベントを運営する事業者から、イベントが終了したことを示すイベント終了情報を取得したことに応じてイベントが終了したことを特定してもよい。
【0059】
そして、適用部135は、イベント開始情報を取得しイベント終了情報を取得する前に、ユーザIDを取得し、かつ、取得した位置特定用情報が示すユーザ端末2の位置が、特定したエリア位置情報が示すエリアに含まれている場合に、ユーザ端末2の通信に、特定した通信品質に対応するスライスネットワークを適用してもよい。
【0060】
[変形例2]
適用部135は、取得したユーザIDに対応するユーザ端末2にスライスネットワークを適用可能と判定すると、ユーザ端末2の通信に、特定した通信品質に対応するスライスネットワークを適用することとしたが、これに限らない。
【0061】
例えば、記憶部12は、スライス付きチケットのチケットIDに、スライスネットワークを適用する通信の種別を関連付けて記憶してもよい。ここで、通信の種別は、例えば、通信データに対応するアプリケーションの種別、又は、動画データや音声データといった、通信データの種別である。
【0062】
そして、適用部135は、取得したユーザIDに対応するユーザ端末2にスライスネットワークを適用可能と判定した後に、ユーザ端末2において行われる複数の通信それぞれの通信の種別を特定してもよい。そして、適用部135は、特定した通信の種別が、取得したユーザIDと関連付けて記憶部12に記憶されているチケットIDに関連付けられている通信の種別と一致している場合に、当該通信に対してスライスネットワークを適用してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、イベントに対応する通信に限定してスライスネットワークを適用することができる。
【0063】
[変形例3]
上述の実施形態において、スライス付きチケットは、チケット販売装置3により販売されるものとしたが、これに限らない。例えば、情報処理装置1の制御部13が販売部を有し、ユーザに対して直接販売してもよい。この場合、販売部は、ユーザ端末2から、ユーザIDを含む、スライス付きチケットの購入要求を取得したことに応じて、スライス付きチケットをユーザIDに対応するユーザに販売してもよい。そして、取得部134は、販売部が販売したスライス付きチケットのチケットIDと、ユーザIDとを販売部から取得してもよい。
【0064】
[変形例4]
上述の実施形態において、適用部135は、スライス付きチケットを購入したユーザに対してスライスネットワークを適用することとしたが、これに限らない。例えば、スライス付きチケットとは異なる、スライスネットワークが適用される権利が付されたグッズ等の各種商品を購入したユーザに対して、スライスネットワークが適用されるようにしてもよい。
【0065】
[変形例5]
上述の実施の形態において、取得部134が、所定時間おきに、ユーザのユーザIDと、位置特定用情報とを取得したが、これに限らない。例えば、ユーザがスライス付きチケットを購入したことに応じて、ユーザ端末2に、スライスネットワークが適用されるエリアと、スライスネットワークが適用される適用可能期間とを示す適用可能範囲を示す接続用情報を記憶させておいてもよい。そして、ユーザ端末2は、接続用情報を参照し、自身の位置が、スライスネットワークが適用されるエリア内であり、現在時刻が適用可能期間に含まれる場合に、情報処理装置1に、ユーザのユーザIDと、位置特定用情報とを送信するようにしてもよい。
【0066】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る情報処理装置1は、所定のエリアにおいて実施されるイベントに参加するためのスライス付きチケットを識別するチケットIDと、所定のエリアの位置を示すエリア位置情報とを関連付けて記憶し、スライス付きチケットを購入したユーザを識別するためのユーザIDと、スライス付きチケットのチケットIDとを関連付けて記憶部12に記憶させる。情報処理装置1は、ユーザIDと、ユーザ端末2が存在する位置を特定するための位置特定用情報とを取得し、当該ユーザIDと関連付けて記憶されているチケットIDを特定し、ユーザIDを取得した時刻が、イベントの実施時間に対応し、かつ、取得した位置特定用情報が示すユーザ端末2の位置が、特定したチケットIDに関連付けられているエリア位置情報に対応している場合に、ユーザ端末2の通信に、所定のエリアにおいて提供される、無線通信ネットワークを仮想的に分割したネットワークであって、所定の通信品質を保証するネットワークであるスライスネットワークを適用する。このようにすることで、情報処理装置1は、通信品質の改善を望んでスライス付きチケットを購入したユーザのユーザ端末の通信品質を改善することができる。
【0067】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0068】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0069】
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 抽出部
132 通知部
133 記憶制御部
134 取得部
135 適用部
2 ユーザ端末
3 チケット販売装置
【要約】 (修正有)
【課題】通信品質の改善を望むユーザの端末の通信品質を改善する情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、スライス付きチケットを購入したユーザを識別するためのユーザIDと、チケットIDとを関連付けて記憶部12に記憶させる記憶制御部133と、ユーザIDと、ユーザ端末2が存在する位置を特定するための位置特定用情報とを取得する取得部134と、取得したユーザIDと関連付けられているチケットIDと、ユーザIDを取得した時刻が、イベントの実施時間に対応し、かつ、取得した位置特定用情報が示すユーザ端末2の位置が、特定したチケットIDに関連付けられているエリア位置情報に対応している場合に、ユーザ端末2の通信に、所定のエリアにおいて提供される、所定の通信品質を保証する無線通信ネットワークを仮想的に分割したネットワークであるスライスネットワークを適用する適用部135と、を有する。
【選択図】
図2