(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240404BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20240404BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20240404BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240404BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20240404BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240404BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240404BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
G09F9/00 309A
G02F1/1333
G02F1/1345
G06F3/041 412
G06F3/041 450
G06F3/041 470
G06F3/041 522
G06F3/044 120
G09F9/30 349Z
G09G3/20 624C
G09G3/20 670E
G09G3/20 680G
G09G3/20 691D
G09G3/36
(21)【出願番号】P 2023061142
(22)【出願日】2023-04-05
(62)【分割の表示】P 2018230647の分割
【原出願日】2018-12-10
【審査請求日】2023-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】河野 孝明
(72)【発明者】
【氏名】大脇 義雄
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-151914(JP,A)
【文献】特開2017-102386(JP,A)
【文献】特開2015-152681(JP,A)
【文献】特開2018-147116(JP,A)
【文献】特開2010-072272(JP,A)
【文献】特開2009-192976(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0087065(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0132148(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0269744(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133-1/1334
1/1339-1/135
G06F3/03-3/047
G09F9/00-9/46
G09G3/00-3/08
3/12
3/16
3/19-3/26
3/30
3/34
3/38
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板と、
前記アレイ基板の第1領域に対向する対向基板と、
前記アレイ基板の端部において前記対向基板と対向しない第2領域に配置された半導体装置と、
前記アレイ基板および前記対向基板を覆おう透光性カバー部材と、含み、
前記アレイ基板および前記対向基板は、外部近接物体を検出するための複数の駆動電極を有し、
前記透光性カバー部材と前記半導体装置との間に導電層を有し、
前記導電層は、平面視において、前記半導体装置の全ての領域を覆
い、
前記導電層と前記複数の駆動電極とは、同相で駆動される、表示装置。
【請求項2】
前記導電層は、平面視において、前記第2領域と前記第1領域の一部に跨って配置されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記導電層と前記透光性カバー部材との間に加飾層が設けられた、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記導電層は、平面視において、前記半導体装置を囲むように設けられたスリットを有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記スリットは複数のサブスリットに分割された、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記アレイ基板上において、前記複数の駆動電極を有する検出領域の外側にシールド電極が配置され、
前記シールド電極と前記導電層とは、平面視において重畳している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記シールド電極と前記導電層とは、電気的にカップリングしている、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記アレイ基板上において、前記複数の駆動電極を有する検出領域の外側にシールド電極が配置され、
前記複数の駆動電極と前記
シールド電極とは、同層である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記導電層は、前記半導体装置の裏面に、絶縁膜を介して設けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記複数の駆動電極は行列状に配置され、表示用の共通電極と共用され、セルフ検出方式にてタッチ検出が行われる、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、特に、タッチセンサを備えた表示装置に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
インセルタイプの表示装置であってセルフ検出方式を適用することできるセンサ付表示装置及びその駆動方方法が提案されている(たとえば、特開2015-164033号公報)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
センサ付表示装置の表面は、カバーガラスによって覆われている。カバーガラスに水滴が付着した場合、タッチセンサが誤判定してしまう場合があった。
【0005】
本発明の目的は、水滴が付着しても、ゴーストの発生を防止することが可能な表示装置を提供することにある。
【0006】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0008】
すなわち、表示装置は、アレイ基板の端部に半導体装置が配置された表示パネルと、前記表示パネルを覆おう透光性カバー部材と、含む。前記表示パネルは、外部検出物体を検出するための複数の駆動電極を有し、前記透光性カバー部材と前記半導体装置との間に導電層を有する。前記導電層と前記半導体装置とは、平面視において、少なくとも一部がオーバーラップする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態のセンサ付き表示装置における表示装置の概略の構成を示す図である。
【
図2】実施の形態のセンサ付き表示装置の構造を示す断面図である。
【
図3A】実施の形態に係るセンサ付き表示装置のミューチャル検出方式の代表的な基本構成を示す図である。
【
図3B】実施の形態に係るセルフ(Self)検出方式の代表的な基本構成を示す図である。
【
図4A】実施の形態のセンサ付き表示装置のミューチャル検出方式の駆動方法を説明するための図である。
【
図4B】実施の形態のセンサ付き表示装置のセルフ検出方式との駆動方法を説明するための図である。
【
図5】実施の形態に係るセンサ付き表示装置におけるセンサの構成例を概念的に示す平面図である。
【
図6】実施の形態に係るセンサ付き表示装置におけるセンサの他の構成例を概念的に示す平面図である。
【
図7】実施の形態に係るセンサ付き表示装置の平面図である。
【
図8】
図7のA-A線に沿うセンサ付き表示装置の断面図である。
【
図9】
図8のセンサ付き表示装置の概念的な平面図である。
【
図10】比較例に係るセンサ付き表示装置の断面図である。
【
図11】比較例に係るセンサ付き表示装置の水滴の影響を説明する等価回路である。
【
図12】
図8のセンサ付き表示装置の等価回路である。
【
図13】変形例1に係るセンサ付き表示装置の断面図である。
【
図14】変形例2に係るセンサ付き表示装置の断面図である。
【
図15】変形例2に係るセンサ付き表示装置の概念的な平面図である。
【
図16】
図15から導電層を取り除いた状態におけるセンサ付き表示装置の概念的な平面図である。
【
図17】変形例2に係るセンサ付き表示装置の等価回路である。
【
図18】変形例3に係るセンサ付き表示装置の断面図である。
【
図19】変形例4に係る第1の構成のセンサ付き表示装置の断面図である。
【
図20】変形例4に係る第2の構成のセンサ付き表示装置の断面図である。
【
図21】変形例5に係る第1の構成のセンサ付き表示装置の断面図である。
【
図22】変形例5に係る第2の構成のセンサ付き表示装置の断面図である。
【
図23】変形例6に係るセンサ付き表示装置の概念的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0012】
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0013】
本実施形態においては、表示装置の一例として、液晶表示装置を開示する。この液晶表示装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、パーソナルコンピュータ、テレビ受像装置、車載装置、ゲーム機器等の種々の装置に用いることができる。
【0014】
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、図面を説明する際の「上」、「下」などの表現は、着目する構造体と他の構造体との相対的な位置関係を表現している。具体的には、側面から見た場合において、第1基板(アレイ基板)から第2基板(対向基板)に向かう方向を「上」と定義し、その逆の方向を「下」と定義する。
【0015】
また、「内側」及び「外側」とは、2つの部位における、表示領域を基準とした相対的な位置関係を示す。すなわち、「内側」とは、一方の部位に対し相対的に表示領域に近い側を指し、「外側」とは、一方の部位に対し相対的に表示領域から遠い側を指す。ただし、ここで言う「内側」及び「外側」の定義は、液晶表示装置を折り曲げていない状態におけるものとする。
【0016】
「表示装置」とは、表示パネルを用いて映像を表示する表示装置全般を指す。「表示パネル」とは、電気光学層を用いて映像を表示する構造体を指す。例えば、表示パネルという用語は、電気光学層を含む表示セルを指す場合もあるし、表示セルに対して他の光学部材(例えば、偏光部材、バックライト、タッチパネル等)を装着した構造体を指す場合もある。ここで、「電気光学層」には、技術的な矛盾を生じない限り、液晶層、エレクトロクロミック(EC)層などが含まれ得る。したがって、後述する実施形態について、表示パネルとして、液晶層を含む液晶パネルを例示して説明するが、上述した他の電気光学層を含む表示パネルへの適用を排除するものではない。
【0017】
(実施形態)
図1は、実施の形態のセンサ付き表示装置における表示装置の概略の構成を示す図である。なお、実施の形態において、表示装置は液晶表示装置である。
【0018】
センサ付き表示装置DSPは、表示パネルPNLと、表示パネルPNLを背面側から照明するバックライトBLTと、を備えている。そして表示パネルPNLには、マトリクス状に配置された表示画素PXを含む表示部が設けられている。
【0019】
図1に示すように、表示部においては、複数の表示画素PXが配列する行に沿って延びるゲート線G(G1、G2…)と、複数の表示画素PXが配列する列に沿って延びるソース線S(S1、S2…)と、ゲート線(走査線)Gとソース線(信号線)Sが交差する位置近傍に配置された画素スイッチSWとが備えられている。複数の表示画素PXの各々は画素電極PEと共通電極COMEを有し、対向する画素電極PEと共通電極の間に液晶分子を含む液晶層を有する。複数の行方向(X方向)に延在された複数の共通電極Comeは列方向(Y方向)に配置される。尚、複数の列方向(Y方向)に延在された複数の共通電極Comeを行方向(X方向)に配置する構成としてもよい。
【0020】
画素スイッチSWは薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を備えている。画素スイッチSWのゲート電極は対応するゲート線Gと電気的に接続されている。画素スイッチSWのソース電極は対応するソース線Sと電気的に接続されている。画素スイッチSWのドレイン電極は対応する画素電極PEと電気的に接続されている。
【0021】
また、複数の表示画素PXを駆動する駆動手段として、ゲートドライバGD(左側GD-Lおよび右側GD-R)、ソースドライバSD、共通電極駆動回路CDとが設けられている。複数のゲート線Gは各々ゲートドライバGDの出力部と電気的に接続されている。
複数のソース線Sは各々ソースドライバSDの出力部と電気的に接続されている。共通電極COME(複数の共通電極Come)は共通電極駆動回路CDの出力部と電気的に接続されている。
図1においては、ソースドライバSDと共通電極駆動回路CDとが、駆動回路(Driver circuit)内に設けられるように描かれている。各々のゲートドライバGD、ソースドライバSD、共通電極駆動回路、およびバックライトBLTの制御信号を生成する制御回路CTR(Control circuit)も駆動回路(Driver circuit)内に設けられる。尚、駆動回路(Driver circuit)は1チップの半導体集積回路(IC)に含まれるが、複数のチップで構成されるようにしてもよい。また、制御回路CTR(Control circuit)は表示パネルPNLの外部に設けるようにしてもよい。
【0022】
ゲートドライバGDとソースドライバSDと共通電極駆動回路CDとは、表示部の周囲の周辺領域(額縁領域)あるいは表示パネルPNLに接続されたフレキシブル基板上に配置してもよい。ゲートドライバGDは複数のゲート線Gにオン電圧を順次印加して、選択されたゲート線Gに電気的に接続された画素スイッチSWのゲート電極にオン電圧を供給する。ゲート電極にオン電圧が供給された画素スイッチSWの、ソース電極-ドレイン電極間が導通する。ソースドライバSDは、複数のソース線Sのそれぞれに対応する出力信号を供給する。ソース線Sに供給された信号は、ソース電極-ドレイン電極間が導通した画素スイッチSWを介して対応する画素電極PEに供給される。
【0023】
表示パネルPNLの外部に設けられたホスト装置(Host)から画像信号、制御信号等が制御回路CTR(Control circuit)に入力され、ゲートドライバGDとソースドライバSDと共通電極駆動回路CDは、表示パネルPNLの外部あるいは内部に配置された制御回路CTR(Control circuit)により動作を制御される。さらに、制御回路CTRは、バックライト駆動回路(BL Drive Circuit)の動作を制御し、バックライトBLTはバックライト駆動回路(BL Drive Circuit)で駆動される。
【0024】
図2は、実施の形態のセンサ付き表示装置の構造を示す断面図である。
【0025】
センサ付き表示装置DSPは、インセル型のタッチセンサを有するものであり、表示パネルPNL、バックライトBLT、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2を備えている。図示した例では、表示パネルPNLは、液晶表示パネルであるが、有機エレクトロルミネッセンス表示パネルなどの他のフラットパネルであっても良い。また、図示した表示パネルPNLは、表示モードとして横電界モードに対応した構成を有しているが、他の表示モードに対応した構成を有していても良い。
【0026】
表示パネルPNLは、第1基板(アレイ基板ともいう)SUB1、第2基板(対向基板ともいう)SUB2、及び、液晶層LQを備えている。第1基板SUB1と第2基板SUB2とは所定のセルギャップを形成した状態で貼り合わされている。液晶層LQは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間のセルギャップに保持されている。
【0027】
第1基板SUB1は、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する第1絶縁基板10を用いて形成されている。第1基板SUB1は、第1絶縁基板10の第2基板SUB2に対向する側に、ソース線S、共通電極COME、画素電極PE、第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、第3絶縁膜13、第1配向膜AL1などを備えている。
【0028】
ここで、画素電極PE及び共通電極COMEは、これら電極間に配置される液晶層の画素領域とともに表示画素を構成し、表示画素は表示パネルPNLにマトリクス状に配置されている。
【0029】
第1絶縁膜11は、第1絶縁基板10の上に配置されている。なお、詳述しないが、第1絶縁基板10と第1絶縁膜11との間には、ゲート線G、スイッチング素子のゲート電極や半導体層などが配置されている。ソース線Sは、第1絶縁膜11の上に形成されている。また、スイッチング素子のソース電極やドレイン電極なども第1絶縁膜11の上に形成されている。図示した例では、ソース線Sは、共通電極COMEと平行して第2方向Yに延出している。
【0030】
第2絶縁膜12は、ソース線S及び第1絶縁膜11の上に配置されている。共通電極COMEは、第2絶縁膜12の上に形成されている。図示した例では、共通電極COMEは、複数のセグメントによって構成されている。共通電極COMEの各セグメントは、それぞれ第2方向Yに延出し、間隔をおいて第1方向Xに並んでいる。このような共通電極COMEは、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成されている。なお、図示した例では、共通電極COMEの上に金属層MLが形成され、共通電極COMEを低抵抗化しているが、金属層MLは省略しても良い。
【0031】
第3絶縁膜13は、共通電極COME、金属層ML、及び第2絶縁膜12の上に配置されている。画素電極PEは、第3絶縁膜13の上に形成されている。各画素電極PEは、隣接するソース線Sの間にそれぞれ位置し、共通電極COMEと対向している。また、各画素電極PEは、共通電極COMEと対向する位置にスリットSLを有している。このような画素電極PEは、例えば、ITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成されている。第1配向膜AL1は、画素電極PE及び第3絶縁膜13を覆っている。
【0032】
一方、第2基板SUB2は、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する第2絶縁基板20を用いて形成されている。第2基板SUB2は、第2絶縁基板20の第1基板SUB1に対向する側に、ブラックマトリクスBM、カラーフィルタCFR、CFG、CFB、オーバーコート層OC、第2配向膜AL2などを備えている。
【0033】
ブラックマトリクスBMは、第2絶縁基板20の内面に形成され、各画素を区画している。カラーフィルタCFR、CFG、CFBは、それぞれ第2絶縁基板20の内面に形成され、それらの一部がブラックマトリクスBMに重なっている。カラーフィルタCFRは例えば赤色カラーフィルタであり、カラーフィルタCFGは例えば緑色カラーフィルタであり、カラーフィルタCFBは例えば青色カラーフィルタである。オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFR、CFG、CFBを覆っている。オーバーコート層OCは、透明な樹脂材料によって形成されている。第2配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。
【0034】
検出電極DETEは、第2絶縁基板20の外面に形成されている。この検出電極DETEは、共通電極COMEの各セグメントと交差する方向に延出しており、図示した例では、第1方向Xに延出している。このような検出電極DETEは、例えば、ITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成されている。
【0035】
バックライトBLTは、表示パネルPNLの背面側に配置されている。バックライトBLTとしては、種々の形態が適用可能であり、光源として発光ダイオード(LED)を利用したものや冷陰極管(CCFL)を利用したものなどのいずれでも適用可能である。
【0036】
第1光学素子OD1は、第1絶縁基板10とバックライトBLTとの間に配置されている。第2光学素子OD2は、検出電極DETEの上に配置されている。第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2は、それぞれ少なくとも偏光板を含んでおり、必要に応じて位相差板を含んでいても良い。
【0037】
次に、センサ付き表示装置DSPに用いられるタッチセンサについて説明する。タッチセンサにおいて、タッチパネルに対して利用者の指或いはペン等の外部近接物体が触れていること、或いは近接していることを検出する方式として、ミューチャル(Mutual)検出方式と、セルフ(Self)検出方式と、がある。
【0038】
<ミューチャル(Mutual)検出方式>
図3Aは、実施の形態に係るセンサ付き表示装置のミューチャル検出方式の代表的な基本構成を示す図である。センサとしては、共通電極COMEと検出電極DETEとが利用される。
【0039】
共通電極COMEは、複数の共通電極Come(Come1,Come2,Come3・・・・)を含む。複数の共通電極Comeは、例えば、ストライプ状とされる。この複数の共通電極Come(Come1,Come2,Come3・・・・)が走査(駆動)方向(Y方向またはX方向)に配列されている。
【0040】
一方、検出電極DETEは、複数の検出電極Dete(Dete1,Dete2,Dete3,・・・・)(共通電極よりも細い)を含む。複数の検出電極Deteは、例えば、ストライプ状とされる。この複数の検出電極Dete(Dete1,Dete2,Dete3,・・・・)は、共通電極(Tx)と直交あるいは交差する方向(X方向またはY方向)に配列されている。
【0041】
共通電極COMEと検出電極DETEは、間隔を置いて配置される。このために、複数の共通電極Comeと、複数の検出電極Deteとの間には、基本的に静電容量としての容量Cc(Baseline容量)が存在する。
【0042】
複数の共通電極Comeは映像表示期間(表示期間)には共通して所定の電圧が印加され、タッチ検出期間(検出期間)にはパルス状の駆動パルス(交流信号)が印加される。
そのため、検出期間においては、複数の共通電極Comeの各々は駆動電極(Tx)ということもできる。複数の検出電極Deteは複数の共通電極Comeからの信号を受信するため、Rx(Rx1、Rx2、Rx3、・・・・)と表記することもできる。
【0043】
複数の共通電極Come、すなわち、タッチ検出時の駆動電極Tx(Tx1、Tx2、Tx3・・・・)は所定の周期で駆動パルス(Sig)により走査される。今、ユーザの指が検出電極Rx2と駆動電極Tx2の交差部に近接して存在するものとする。この時、駆動電極Tx2に駆動パルス(Sig)が供給されると検出電極Rx(Rx1、Rx2、Rx3、・・・・)にはパルス状の波形が得られ、検出電極Rx2からは、他の検出電極から得られるパルスよりも振幅レベルの低いパルスが得られる。検出電極Rx(Rx1、Rx2、Rx3、・・・・)は駆動電極Tx(Tx1、Tx2、Tx3・・・・)からのフリンジ電界を監視しており、指のような導電物が近接すると、このフリンジ電界を遮蔽する効果がある。フリンジ電界が遮蔽されることで、検出電極Rxの検出電位が低下する。
【0044】
ミューチャル検出では、この検出電位の差を、ポジションDETPの検出パルスとして取り扱うことができる。図示される容量Cxは、ユーザの指が検出電極DETEに近い場合と、遠い場合とで異なる。このために検出パルスのレベルもユーザの指が検出電極DETEに近い場合と、遠い場合とで異なる。よって、タッチパネルの平面に対する指の近接度を検出パルスの振幅レベルで判断することができる。駆動パルスSigによる電極駆動タイミングと、検出パルスの出力タイミングにより、タッチパネルの平面上の指の2次元上の位置を検出することができる。
【0045】
<セルフ(Self)検出方式>
図3Bは、実施の形態に係るセルフ(Self)検出方式の代表的な基本構成を示す図である。セルフ(Self)検出方式では、複数の検出電極Dete及び複数の共通電極Comeにパルス状の自己検出用駆動パルスを順次供給して、外部近接物体であるユーザの指の位置や座標を検出する。
図3Bには、例示的に、検出電極Dete2と共通電極Come2を示しており、また、検出電極Dete2と共通電極Come2との交点部分に、ユーザの指O1が接近または接触している場合を示している。ユーザの指O1により、検出電極Dete2の静電容量は、Dete2の自己容量とユーザの指O1による容量Cx1とが加算された値に増加となる。同様に、共通電極Come2の静電容量は、共通電極Come2の自己容量とユーザの指O1による容量Cx2とが加算された値となる。この状態において、例えば、最初に、検出電極Dete2が所定のインピーダンスR1を介して自己検出用駆動パルスSig1(交流信号)により駆動され、検出電極Dete2の増加された静電容量が自己検出用駆動パルスSig1により充電される。検出回路DET1は、容量Cx1により増加した充電電圧の値に基づいて検出電極Dete2にユーザの指O1が有ることを検出する。次に、共通電極Come2が所定のインピーダンスR2を介して自己検出用駆動パルスSig2により駆動され、共通電極Come2(Tx2)の増加された静電容量が自己検出用駆動パルスSig2により充電される。検出回路DET2は、容量Cx2により増加した充電電圧の値に基づいて検出電極Dete2にユーザの指O1が有ることを検出する。これにより、検出電極Dete2と共通電極Come2との交点にユーザの指O1が有ることが検出され、タッチパネルの平面上のユーザの指O1の位置や座標が検出される。
【0046】
図3Bには図示されないが、
図3Aと同様に、センサとしては、共通電極COMEと検出電極DETEとが利用される。自己検出用駆動パルスSig2により順次駆動(走査)される複数の共通電極Comeは、
図3Aと同様に、複数のストライプ状の共通電極(Come1,Come2,Come3・・・・)を含む。この複数の共通電極ComeがY方向またはX方向に配列されている。同様に、自己検出用駆動パルスSig1により順次駆動(走査)される検出電極DETEは、複数のストライプ状の検出電極(Dete1,Dete2,Dete3,・・・・)(実際には、
図3Aと同様に、ストライプ状の共通電極よりも細い)を含む。この複数の検出電極Deteは、複数の共通電極Comeと直交または交差する方向(X方向またはY方向)に配列されている。
図3Bに示されるような構成を用いて、複数の検出電極Deteと複数の共通電極Comeの両方をセルフ検出方式で順次駆動(走査)することにより、複数の検出電極Deteと複数の共通電極Comeの交点における外部近接物体O1の位置を検出できる。なお、セルフ検出方式における検出期間において、複数の検出電極Deteと複数の共通電極Comeとは、いずれも検出電極と見做すことが出来る。
【0047】
また、このようなセルフ検出方式はタッチセンサが低消費電力モード時において検出電極DETEのみを自己検出用駆動パルスSig1により駆動し、指等の外部近接物体の有無のみを検出し、ミューチュアル検出に切り替え外部近接物体の座標を検出するようにしてもよい。また、検出電極DETEを設けないで、複数の共通電極Comeを個別に行方向(X方向)と列方向(Y方向)にマトリックス状に配置し、複数の共通電極Comeのみのよるセルフ検出方式にて指等の外部近接物体の座標を検出するようにしてもよい。
【0048】
尚、
図3A、
図3Bには図示されないが、スイッチ等によりミューチャル(Mutual)検出方式と、セルフ(Self)検出方式とを切り替え可能な構成にしてもよい。また、
図3Bに示すセルフ検出方式の構成は一例であり、これに限定されるものではない。
【0049】
図4A,
図4Bは実施の形態のセンサ付き表示装置のミューチャル検出方式とセルフ検出方式との駆動方法を説明するための図である。上述のように、映像表示に使用される共通電極COMEがタッチ位置検知用の電極としても共用されているため、映像表示動作とタッチ位置検知動作とを時分割(タイムシェアリング)で駆動する。
【0050】
図4Aに示すミューチャル検出方式では、映像を表示する期間とタッチ位置を検出する期間とをそれぞれ分割し、分割された映像表示期間と分割されたタッチ位置検出期間とを交互に繰り返して1フレーム表示期間を構成する。即ち、RGBの3色を選択する信号(SELR/G/B)に対応して色毎の映像信号(SIGn)を出力する動作を分割された複数の表示行について実行した後、分割された複数の駆動電極Txに駆動パルスSigを入力するミューチャル検出動作を実行する。そして、この動作を分割された複数の表示行と複数の駆動電極Txについて順次繰り返して実行する。この例では、1フレーム表示期間に、2フレームのタッチ検出が行われる。1フレームのタッチ検出期間には、駆動電極Tx1,Tx2,Tx3・・・・が順次、駆動パルスSigにより走査され、タッチ位置の検出が行われる。
【0051】
図4Bに示すセルフ検出方式では、1フレームの映像を表示した後、全検出電極DETEに自己検出用駆動パルス(Sig1)を入力してセルフ検出動作を実行する。即ち、RGBの3色を選択する信号(SELR/G/B)に対応して色毎の映像信号(SIGn)を出力する動作を全表示行について実行した後、全検出電極DETEを対象として自己検出用駆動パルス(Sig1)を入力してセルフ検出動作を実行する。なお、全検出電極DETE(Rx)を自己検出用駆動パルス(Sig1)で走査し、その後、全共通電極COME(Tx)を自己検出用駆動パルス(Sig2)で走査してセルフ検出動作を実行してもよい。セルフ検出方式で分割せずに一括してセンシング動作を行うのは、まとめてセンシングデータを取得することでセンシングの感度を高めることができるからである。尚、セルフ検出方式はミューチャル検出方式よりも高感度でセンシングすることができる方式である。また、
図4Bの方式に限定されず
図4Aに示す検出期間にセルフセンシングしても良い(分割方式)。
【0052】
次に、図面を用いて、実施の形態に係るセンサの構成の概略を説明する。なお、以下の説明において、複数の共通電極Come1,Come2,Come3・・・・は、駆動電極Tx1、Tx2、Tx3、・・・・の記号を付して示す。また、複数の検出電極Dete1,Dete2,Dete3,・・・・は、Rx1、Rx2、Rx3、・・・・の記号を付して示す。また、理解を容易とするためおよび図面を見やすくするため、駆動電極(Tx1、Tx2等)は点線で描かれ、検出電極(Rx1、Rx2等)は実線で描かれている。また、引き出し線(W11、W12等)は細い実線で描かれている。
【0053】
図5は、実施の形態に係るセンサ付き表示装置におけるセンサの構成例を概念的に示す平面図である。センサ付き表示装置DSPは、センサの活性領域(タッチ検出領域)AAとその周りに設けられた周辺領域(額縁領域)Eとを含む表示パネルPNLを有する。センサの活性領域(タッチ検出領域)AAは、表示パネルPNLの表示領域とほぼ同じ領域と見做すことができる。表示パネルPNLは、図面において、第1辺(左辺)と、第1辺に対向する第2辺(右辺)と、第1辺および第2辺との間に設けられた第3辺(上辺)と、第3辺に対向する第4辺(下辺)と、有する。センサの活性領域(タッチ検出領域)AAの周りの周辺領域(額縁領域)Eには、左側の額縁領域E1と右側の額縁領域E2が例示される。
【0054】
センサの活性領域AAには、例示的に示されるように、Y方向に並走して設けられた複数の駆動電極Tx1、Tx2、Tx3、・・・、Tx8、および、Y方向と交差するX方向に並走して設けられた複数の検出電極Rx1、Rx2、Rx3、・・・・、Rx8が設けられる。
【0055】
図5において、左側の額縁領域E1には、複数の検出電極Rx1、Rx2、Rx3、・・・・、Rx8にそれぞれ結合された複数の引き出し配線W11、W12,W13、W14、・・・・、W18が設けられる。複数の引き出し配線W11、W12,W13、W14、・・・・、W18は、タッチ検出回路(タッチコントローラ、制御回路)TCに接続される。
【0056】
複数の駆動電極Tx1、Tx2、Tx3、・・・、Tx8は、複数の引き出し配線W2及び共通電極駆動回路CD(図示されない)を介して表示制御装置DIに接続されており、タッチセンサの検出期間において、表示制御装置DIからの指示に従って共通電極駆動回路CDから駆動パルスSigにより順次駆動されるようになっている。なお、タッチ検出回路TCは、表示制御装置DI内に設けられてもよい。
【0057】
図6は、実施の形態に係るセンサ付き表示装置におけるセンサの他の構成例を概念的に示す平面図である。
図6は、セルフ(Self)検出方式に利用可能なセンサ付き表示装置DSPであり、センサ用の電極Sx(Sx11、Sx12、Sx13,Sx21,Sx22、Sx23、...、Sx81,Sx82、Sx83)が、マトリクス状(行列状)に、センサの活性領域(タッチ検出領域)AA上に配置された個別電極として形成される。
センサ用の電極Sx(Sx11~Sx83)は、映像表示期間において、表示用の共通電極COMEとして機能し、タッチセンサの検出期間においては、駆動電極および検出電極の機能を有する。以下では、センサ用の電極Sx(Sx11~Sx83)を、検出電極として説明することとする。
【0058】
検出電極Sx11~Sx83と対向して、複数の画素PXが形成されている。検出電極Sx11~Sx83は、複数の引き出し配線W11、W12、W13,W21,W22、W23、...、W81,W82、W83によって表示制御装置DIに接続される。検出電極Sx11~Sx83は、タッチセンサの検出期間において、表示制御装置DIからの指示に従って共通電極駆動回路CDから駆動パルスにより順次駆動される。検出電極Sx11~Sx83の各個別電極からの検出信号は、引き出し配線W11、W12、W13,W21,W22、W23、...、W81,W82、W83を介して表示制御装置DI内に設けられたタッチ検出回路TCに供給され、直ちに、タッチ位置を割り出すことが出来る。一方、検出電極Sx11~Sx83は、映像表示期間において、共通電極COMEとして機能し、所定の電圧(VCOM)が印加される。
【0059】
図7は、実施の形態に係るセンサ付き表示装置の平面図である。センサ付き表示装置DSPは、画像を表示させるための表示領域Adと、表示領域Adの外側に設けられた額縁領域Gdと、を有する。表示領域Adは、
図5および
図6に示されるセンサの活性領域AAとほぼ同じ領域と見做すことが可能である。額縁領域Gdは、
図5および
図6に示される額縁領域Eとほぼ同じ領域と見做すことが可能である。センサ付き表示装置DSPの上面部分は、カバー部材101に覆われている。カバー部材101は、ガラスなどの透明(透光性を有する)な部材により構成されている。カバー部材101は、透光性カバー部材であり、たとえば、カバーガラスと言うこともできる。カバー部材101において、額縁領域Gdに対応するカバー部材101の下面の領域には、加飾層102が設けられる。加飾層102は、カバー部材101よりも光の透過率が小さい着色層であり、額縁領域Gdに重畳して設けられる配線や回路等が観察者に視認されることを抑制することができる。つまり、加飾層102は、遮光性を有する。加飾層102は、単層に限定されず、複数の層を重ねた構成であってもよい。
【0060】
以下の説明では、主に、
図6に示すセルフ(Self)検出方式のセンサ付き表示装置DSPを代表例として説明するが、ミューチャル検出方式のセンサ付き表示装置DSPにも適用可能である。
【0061】
図8は、
図7のA-A線に沿うセンサ付き表示装置の断面図である。
図9は、
図8のセンサ付き表示装置の概念的な平面図である。
【0062】
図8に示すように、センサ付き表示装置DSPは、アレイ基板SUB1と対向基板SUB2とを含む表示パネルPNLと、カバー部材101と、カバー部材101と対向基板SUB2とを接着する接着層103と、を有する。アレイ基板SUB1の端部には、タッチ検出回路TCを含む表示制御装置DIが設けられる。表示制御装置DIは、半導体装置であり、表示制御装置DIの素子形成領域である表面(半導体装置の素子、配線、接続端子等が形成されている面)は、アレイ基板SUB1に対向するように設けられている。表示制御装置DIの裏面は、接地電位が供給されており、カバー部材101に対向するように設けられている。表示制御装置DIの表面に形成された複数の電極(接続端子等)は、アレイ基板SUB1の複数の電極(接続端子等)に電気的に接続されている。表示制御装置DIの表面に形成される複数の電極の一部の電極は、アレイ基板SUB1の複数の電極の一部を介して、フレキシブル配線基板FPC1に設けられた複数の配線に、電気的に接続されている。表示領域Ad(活性領域AA)に対応するアレイ基板SUB1の領域には、
図6で示された複数の検出電極Sx(Sx82、Sx72,Sx62)が形成される。複数の検出電極Sx(Sx82、Sx72,Sx62)は表示を行う表示期間には画素電極との間に液晶の配向を制御するための電界を発生させる共通電極として用いられ、タッチ検出期間にセルフ検出方式にてタッチ検出を行う場合は、セルフ検出を行うための駆動信号が供給されるため駆動電極ということもできる。なお、
図8には、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に設けられている液晶層LQの図示は、図面の簡素化の為、省略されている。
【0063】
図8に示す様に、額縁領域Gdに対応するカバー部材101の下面には、加飾層102が形成されている。加飾層102の下面には、表示制御装置DIを覆う様に、導電層104が形成されている。また、
図9に示す様に、導電層104は、平面視において、表示制御装置DIを覆う様に設けられる。導電層104は、ITO等の透明な導電材料で構成された透明電極や金属材料で構成された金属電極によって構成することができる。導電層104には、フレキシブル配線基板FPC2が接続されており、複数の検出電極Sx(Sx82、Sx72,Sx62)に供給される自己検出用駆動パルスSigと同相の駆動パルス(Sig’)が供給されるようになっている。尚、駆動パルス(Sig’)は複数の検出電極Sx(Sx82、Sx72,Sx62)に供給される自己検出用駆動パルスSigと実質同等の振幅が望ましい。導電層104は、フレキシブル配線基板FPC2によって、直接駆動される。たとえば、フレキシブル配線基板FPC2は、表示制御装置DIに設けられたタッチ検出回路TCに接続されて、タッチ検出回路TCによって自己検出用駆動パルスSigと同相の駆動パルス(Sig’)が供給される様に構成することができる。
したがって、導電層104は、複数の検出電極Sxと同相同振幅で駆動することが可能となる。なお、導電層104は、平面視において、表示パネルPNLの表示領域Adに対向する表示制御装置DIの辺DISをすべて覆う様に設けられる。また、導電層104と表示制御装置DIとは、少なくとも一部がオーバーラップするということもできる。
【0064】
図10は、比較例に係るセンサ付き表示装置の断面図である。
図11は、比較例に係るセンサ付き表示装置の水滴の影響を説明する等価回路である。
図10は、
図8と同様に、
図7のA-A線に沿う断面図に対応する。
図10が
図8と異なる点は、
図10において、導電層104およびフレキシブル配線基板FPC2が設けられていない点である。他の構成は、
図8と同じであるので、説明は省略する。
【0065】
図10に示す様に、水滴WTPが、カバー部材101の上面において、検出電極Sx82近傍と表示制御装置DIとに間に跨るように付着すると、検出電極Sx82と表示制御装置DIの裏面との間に経路200が形成される場合がある。この場合、タッチ検出動作期間において、タッチパネルが誤動作してゴーストが発生し、正しいタッチ検出出力を得ることができない場合があった。
【0066】
つまり、
図11に示す様に、水滴WTPが存在すると、検出電極Sxと接地電位との間の容量値C1と、水滴WTPと表示制御装置DIの裏面の接地電位の間の容量C2とが並列に接続されたような状態となるため、検出電極Sxの容量値が増えたように見えてしまう。この状態で、タッチ検出動作期間において、検出電極Sxに自己検出用駆動パルスSigを印加すると、検出電圧Vdetは、Vdet=V1+a(aは、水滴WTPによる容量C2の影響分)として検出されることになる。一方、水滴WTPが無い状態において、指やペン等の外部近接物体が検出電極Sxに接近した場合、検出電圧Vdetは、Vdet=V1+b(+bは、指やペン等の外部近接物体による容量の影響分)として正常に検出される。このとき、指やペン等の外部近接物体による容量の影響分と水滴WTPによる容量C2の影響分が近いと水滴WTPを指やペン等の外部近接物体と誤判断する場合がある。尚、ミューチュアル検出方式においては検出電圧は、Vdet=V1-a、Vdet=V1-b(-aは、水滴WTPによる容量C2の影響分、-bは、指やペン等の外部近接物体による容量の影響分)となる。
【0067】
図12は、
図8のセンサ付き表示装置の等価回路である。この例では、水滴WTPと表示制御装置DIの裏面の接地電位の間に、検出電極Sxに供給される自己検出用駆動パルスSigと同相の駆動パルスSig’が印加される導電層104が存在する。つまり、検出電極Sxと導電層104とが同電位となるため、検出電極Sxと表示制御装置DIの裏面との間の容量を抑制することができる。したがって、水滴WTPが検出電極Sx82近傍と表示制御装置DIとに間に跨るように付着しても、タッチ検出動作期間において、タッチパネルの誤動作が防止され、ゴーストの発生を防止でき、正しいタッチ検出出力を得ることができる。
【0068】
(変形例1)
図13は、変形例1に係るセンサ付き表示装置の断面図である。
図13が
図8と異なる部分は、
図13において、加飾層102aが導電材料を含む構成へ変更された点である。この変更に伴い、フレキシブル配線基板FPC2は加飾層102aに接続されている。つまり、導電材料を含む加飾層102aが
図8の導電層104と同等の導電層として機能する。他の構成は、
図8と同じであるので、説明は省略する。
【0069】
(変形例2)
図14~
図17を用いて、変形例2を説明する。変形例2のセンサ付き表示装置では、アレイ基板SUB1に、複数の検出電極Sxの外周を囲む様に、シールド電極としてのガードリングGRが設けられている。そして、導電層(104a)とガードリングGRとをカップリング容量によって電気的に結合させることにより、ガードリングGRを駆動させることで、導電層(104a)を検出電極Sxと同相の駆動パルスで駆動させるものである。尚、導電層(104a)は、検出電極Sxと同相同電圧の駆動パルスで駆動させるようにすることが望ましい。
図14は、変形例2に係るセンサ付き表示装置の断面図である。
図15は、変形例2に係るセンサ付き表示装置の概念的な平面図である。
図16は、
図15から導電層を取り除いた状態におけるセンサ付き表示装置の概念的な平面図である。
【0070】
図14が
図8と異なる点は、
図14において、導電層104aにフレキシブル配線基板FPC2が接続されていない点と、ガードリングGR(GR1)がアレイ基板SUB1に設けられている点である。ガードリング(シールド電極)GRは、複数の検出電極Sxと同層の配線層で設けられてもよいし、別層であってもよく、
図16に示す様に、複数の検出電極Sxの外周を囲む様に設けられる。つまり、ガードリングGRは、
図6に示す表示パネルPNLのセンサの活性領域(タッチ検出領域)AAを囲む様に設けられた額縁領域Eに設けられている。ガードリングGRは、表示制御装置DIに対向するように設けられた第1辺GR1と、第1辺GR1に対向する第2辺GR2と、第1辺GR1と第2辺GR2との間に設けられた第3辺GR3と、第3辺GR3に対向する第4辺GR4と、を有し、表示制御装置DIまたはアレイ基板SUB1上に設けられた制御部にて駆動される。
【0071】
導電層104aは、
図15に示す様に、表示制御装置DIないし第1辺GR1を覆う様に設けられた第1領域1041と、第3辺GR3を覆う様に設けられた第2領域1042と、第4辺GR4を覆う様に設けられた第3領域1043と、を含む。また、導電層104aは第2辺GR2を覆う様に設けられた領域を含むように構成されてもよい。導電層104aの第1領域1041、第2領域1042および第3領域1043は、ガードリングGRの第1辺GR1、第3辺GR3および第4辺GR4と、オーバーラップして設けられている。したがって、導電層104aの第1領域1041、第2領域1042および第3領域1043とガードリングGRの第1辺GR1、第3辺GR3および第4辺GR4とは、カップリング容量によって電気的にカップリングしていることになる。導電層104aの第1領域1041は、平面視において、表示パネルPNLの表示領域Adに対向する表示制御装置DIの辺DISをすべて覆う様に、設けられる。
【0072】
ガードリングGRは、検出電極Sxに印加される駆動パルスSigと同相の駆動パルスSig’’で駆動される。これにより、検出電極Sxと表示パネルPNLの額縁領域との間の容量を抑制することができる。
【0073】
図17は、変形例2に係るセンサ付き表示装置の等価回路である。
図17が
図12と異なる点は、
図17において、ガードリングGR(GR1)が検出電極Sxと導電層104aとの間に設けられる点である。そして、ガードリングGRと導電層104aとの間には、カップリング容量C3が存在している。ガードリングGR(GR1)は、検出電極Sxに印加される駆動パルスSigと同相の駆動パルスSig’’で駆動される。導電層104aは、カップリング容量C3によって、駆動パルスSig’’と同相の駆動パルスSig’によって駆動されることになる。なお、導電層104aとガードリングGRとの間のカップリング容量C3の容量値は、導電層104aと表示制御装置DIの裏面との間の容量C2の容量値より、大きい値(C3>C2)に設定するのが好ましい。つまり、C3>C2の関係となるように、導電層104aを配置するのが望ましい。また、導電層104aの振幅が検出電極Sxの振幅と実質同等になるようにガードリングGRの振幅、および容量C2、C3の値を設定することが望ましい。また、ガードリングGRの振幅が検出電極Sxの振幅と実質同等になるようにしてもよい。
【0074】
変形例2によれば、ガードリングGRと導電層104aとの間の電気的なカップリングを利用し、かつ、導電層104aを検出電極Sxと同相で駆動させることで、検出電極Sxと表示制御装置DIの容量を抑制することができる。そのため、水滴WTPが検出電極Sx82近傍と表示制御装置DIとに間に跨るように付着しても、タッチ検出動作期間において、タッチパネルの誤動作が防止され、正しいタッチ検出出力を得ることができる。
【0075】
(変形例3)
変形例2では、導電層104aとガードリングGRとをカップリング容量によって電気的に結合させる構成であったが、これに限定されない。変形例3では、導電層104aとガードリングGRとをビア電極(TGV)により電気的に接続した構成を説明する。
図18は、変形例3に係るセンサ付き表示装置の断面図である。
【0076】
図18が
図14と異なる点は、導電層104aとガードリングGR(GR1)とを接続するビア電極TGVが設けられている点である。ビア電極TGVは、アレイ基板SUB1、対向基板SUB2および接着層103に設けられたスルーホールに金属材料を埋め込むことにより構成することができる。他の構成は、
図12と同じである。
【0077】
(変形例4)
実施の態様、変形例1~3では、カバー部材101に設けた導電層(104、104a)や導電材料を含む加飾層102aを用いた構成を説明したが、これに限定されない。カバー部材101と表示制御装置DIの裏面との間に、検出電極Sxに印加される駆動パルスSigと同相の駆動パルスで駆動される導電層を有するフレキシブル配線基板の様な部品を導電層(104、104a)や導電材料を含む加飾層102aの代わりとして設けてもよい。
図19は、変形例4に係る第1の構成のセンサ付き表示装置の断面図である。
図20は、変形例4に係る第2の構成のセンサ付き表示装置の断面図である。
【0078】
図19では、カバー部材101の加飾層102と表示制御装置DIの裏面との間に、部品としてのフレキシブル配線基板FPC3が設けられる。フレキシブル配線基板FPC3は、検出電極Sxに印加される駆動パルスSigと同相の駆動パルスで駆動される導電層を有する。フレキシブル配線基板FPC3上の導電層は、平面視において、
図9の導電層104と同様に、表示制御装置DIを覆う様に設けられる。フレキシブル配線基板FPC3の一端は、たとえば、フレキシブル配線基板FPC2に接続され、フレキシブル配線基板FPC3上の導電層はフレキシブル配線基板FPC2を介して表示制御装置DIに設けられたタッチ検出回路TCに接続される。そのため、フレキシブル配線基板FPC3上の導電層はタッチ検出回路TCによって自己検出用駆動パルスSigと同相の駆動パルスで駆動することができる。尚、フレキシブル配線基板FPC3上の導電層は自己検出用駆動パルスSigと実質同相、同振幅の駆動パルスで駆動することが望ましい。
【0079】
図20では、カバー部材101の加飾層102と表示制御装置DIの裏面との間に、部品としてのフレキシブル配線基板FPC4が設けられる。フレキシブル配線基板FPC4の一端は、表示制御装置DIと対向基板SUB2との間のアレイ基板SUB1の表面に接続される。フレキシブル配線基板FPC4上の導電層は、検出電極Sxに印加される駆動パルスSigと同相の駆動パルスで駆動される。フレキシブル配線基板FPC4上の導電層は、平面視において、
図9の導電層104と同様に、表示制御装置DIを覆う様に設けられる。フレキシブル配線基板FPC4の他端は、たとえば、レキシブル配線基板FPC2に接続され、表示制御装置DIに設けられたタッチ検出回路TCに接続され、タッチ検出回路TCによって自己検出用駆動パルスSigと同相の駆動パルスで駆動することができる。尚、フレキシブル配線基板FPC4上の導電層は自己検出用駆動パルスSigと実質同相、同振幅の駆動パルスで駆動することが望ましい。
【0080】
変形例4では、導電層(104、104a)や導電材料を含む加飾層102aがフレキシブル配線基板FPC3、FPC4と一体化されているとみなすことが可能である。フレキシブル配線基板FPC3、FPC4上の導電層は、平面視において、表示パネルPNLの表示領域Adに対向する表示制御装置DIの辺DISをすべて覆う様に、設けられる。
【0081】
図19および
図20の構成でも、実施の態様と同様な効果を得ることができる。
【0082】
(変形例5)
変形例5では、表示制御装置DIの裏面に絶縁膜を形成し、絶縁膜の上にさらに導電層を設けた構成を説明する。この場合、導電層は、金属電極または導電性テープにより構成し、金属電極または導電性テープを検出電極Sxに印加される駆動パルスSigと同相の駆動パルスで駆動するものである。
図21は、変形例5に係る第1の構成のセンサ付き表示装置の断面図である。
図22は、変形例5に係る第2の構成のセンサ付き表示装置の断面図である。
【0083】
図21に示されるように、絶縁膜300が表示制御装置DIの裏面に設けられ、絶縁膜300の上に、金属電極302が設けられる。金属電極302は、フレキシブル配線基板FPC4の一端に接続される。フレキシブル配線基板FPC4の他端は、たとえば、フレキシブル配線基板FPC1に接続されて、金属電極302はフレキシブル配線基板FPC4およびフレキシブル配線基板FPC1を介して表示制御装置DIに設けられたタッチ検出回路TCの駆動出力部に接続される。これにより、金属電極302は、タッチ検出回路TCにより、検出電極Sxに印加される自己検出用駆動パルスSigと同相の駆動パルスで駆動することができる。尚、金属電極302は自己検出用駆動パルスSigと実質同相、同振幅の駆動パルスで駆動することが望ましい。
【0084】
図22に示されるように、絶縁膜300が表示制御装置DIの裏面に設けられ、絶縁膜300の上に、導電性テープ304が設けられる。導電性テープ304の一端は、たとえば、フレキシブル配線基板FPC1を介して、表示制御装置DIに設けられたタッチ検出回路TCに電気的に接続される。これにより、導電性テープ304は、タッチ検出回路TCにより、検出電極Sxに印加される自己検出用駆動パルスSigと同相の駆動パルスで駆動することができる。尚、導電性テープ304は自己検出用駆動パルスSigと実質同相、同振幅の駆動パルスで駆動することが望ましい。また、導電性テープ304はフレキシブル配線基板FPC1を経由せずに、第1基板(アレイ基板)SUB1上の配線を経由してタッチ検出回路TCの駆動出力部に接続されるようにしてもよい。
【0085】
変形例5によれば、表示制御装置DIの裏面に設けられた金属電極302または導電性テープ304が導電層104として機能し、かつ、検出電極Sxに印加される自己検出用駆動パルスSigと同相の駆動パルスで駆動されるので、検出電極Sxと表示制御装置DIの容量を抑制することができる。そのため、水滴WTPが検出電極Sx82近傍と表示制御装置DIとに間に跨るように付着しても、タッチ検出動作期間において、タッチパネルの誤動作が防止され、正しいタッチ検出出力を得ることができる。
【0086】
(変形例6)
図9に示す導電層104は、ITO等の透明な導電材料や金属材料によって、表示制御装置DIを覆う様な広い面積に一様に形成する構成を示したが、これに限定されない。導電層104には、複数の開口の様な複数のスリットを設けてもよい。
図23は、変形例6に係るセンサ付き表示装置の概念的な平面図である。
図23が
図9と異なる点は、
図23において、複数のスリット400が導電層104bに設けられている点である。他の構成は、
図9と同じである。複数のスリット400は、複数の開口と言い換えることも可能である。
図15に示される導電層104aの第1領域1041や
図15に示される導電層104aも、複数のスリット400を有する導電層104bのように構成してもよい。また、
図19および
図20のフレキシブル配線基板FPC3、FPC4、
図21の金属電極302、
図22の導電性テープ304も、複数のスリットまたは複数の開口を設けた構成としてもよい。
【0087】
導電層104は、複数のスリット400を有する導電層104bの構成に限定されない。たとえば、導電層104は、メッシュ状に構成された金属配線の様な構成としてもよい。
【0088】
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0089】
たとえば、変形例2のガードリングGRの構成は、実施の態様、変形例1、3~6の構成に採用することができる。
【0090】
本発明の実施の形態として上述した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0091】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、上述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0092】
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【0093】
上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0094】
DSP:表示装置 PNL:表示パネル
SUB1:第1基板(アレイ基板)
SUB2:第2基板(対向基板)
Sx:検出電極
DI:表示制御装置(半導体装置)
TC:タッチ検出回路
FPC1、FPC2:フレキシブル配線基板
GR:ガードリング(シールド電極)
TGV:ビア電極
101:カバー部材(カバーガラス)
102:加飾層
104:導電層
300:絶縁膜
302:金属電極
304:導電性テープ
400:スリット