IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ナイキ イノベイト シーブイの特許一覧

特許7466033分割されたスプール・システムを備えた電動式テンショニング・デバイスを含むフットウェアの物品
<>
  • 特許-分割されたスプール・システムを備えた電動式テンショニング・デバイスを含むフットウェアの物品 図1
  • 特許-分割されたスプール・システムを備えた電動式テンショニング・デバイスを含むフットウェアの物品 図2
  • 特許-分割されたスプール・システムを備えた電動式テンショニング・デバイスを含むフットウェアの物品 図3
  • 特許-分割されたスプール・システムを備えた電動式テンショニング・デバイスを含むフットウェアの物品 図4
  • 特許-分割されたスプール・システムを備えた電動式テンショニング・デバイスを含むフットウェアの物品 図5
  • 特許-分割されたスプール・システムを備えた電動式テンショニング・デバイスを含むフットウェアの物品 図6
  • 特許-分割されたスプール・システムを備えた電動式テンショニング・デバイスを含むフットウェアの物品 図7
  • 特許-分割されたスプール・システムを備えた電動式テンショニング・デバイスを含むフットウェアの物品 図8
  • 特許-分割されたスプール・システムを備えた電動式テンショニング・デバイスを含むフットウェアの物品 図9
  • 特許-分割されたスプール・システムを備えた電動式テンショニング・デバイスを含むフットウェアの物品 図10
  • 特許-分割されたスプール・システムを備えた電動式テンショニング・デバイスを含むフットウェアの物品 図11
  • 特許-分割されたスプール・システムを備えた電動式テンショニング・デバイスを含むフットウェアの物品 図12
  • 特許-分割されたスプール・システムを備えた電動式テンショニング・デバイスを含むフットウェアの物品 図13
  • 特許-分割されたスプール・システムを備えた電動式テンショニング・デバイスを含むフットウェアの物品 図14
  • 特許-分割されたスプール・システムを備えた電動式テンショニング・デバイスを含むフットウェアの物品 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】分割されたスプール・システムを備えた電動式テンショニング・デバイスを含むフットウェアの物品
(51)【国際特許分類】
   A43C 11/16 20060101AFI20240404BHJP
   A43B 3/34 20220101ALI20240404BHJP
   B65H 79/00 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A43C11/16
A43B3/34
B65H79/00
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023072536
(22)【出願日】2023-04-26
(62)【分割の表示】P 2021097772の分割
【原出願日】2016-05-13
(65)【公開番号】P2023103288
(43)【公開日】2023-07-26
【審査請求日】2023-05-23
(31)【優先権主張番号】62/168,055
(32)【優先日】2015-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】ピアーズ、ティファニー エイ.
(72)【発明者】
【氏名】オーウィングス、アンドリュー エイ.
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第29817003(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43C 11/00 - 11/24
A43B 3/34、11/00、23/02
B65H 79/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパーと、
前記アッパーに取り付けられているソール構造体と、
ギヤ減速システムによってシャフト部材に連結されているモータ・アッセンブリを含んでなる電動式テンショニング・デバイスと、
からなるフットウェアの物品において、
前記ギヤ減速システムは、第2のギヤ部材と噛み合わせられた第1のギヤ部材を含んでなり、
前記モータ・アッセンブリは、前記電動式テンショニング・デバイスが活性化させられるときに、前記ギヤ減速システムを作動させ、
前記電動式テンショニング・デバイスが活性化させられるときに、前記ギヤ減速システムは、前記第1のギヤが前記第2のギヤに第1の回転方向に運動を移送することを可能にし、
前記ギヤ減速システムは、前記第2のギヤが前記第1のギヤに運動を移送することを防止し、
前記電動式テンショニング・デバイスは、第1のリール部材に固定されている第1のレース部材と、第2のリール部材に固定されている第2のレース部材とを含む、フットウェアの物品。
【請求項2】
前記第1のギヤ部材及び前記第2のギヤ部材は、ウォーム・ドライブを含む、請求項1に記載のフットウェアの物品。
【請求項3】
前記シャフト部材が前記モータ・アッセンブリによって回転させられるときに、前記第1のレース部材は、前記第1のリール部材の上に巻き取られ、前記第2のレース部材は、前記第2のリール部材の上に巻き取られる、請求項に記載のフットウェアの物品。
【請求項4】
前記第1のリール部材は、第1の直径を有しており、前記第2のリール部材は、第2の直径を有しており、
前記第1の直径は、前記第2の直径とは異なっている、請求項に記載のフットウェアの物品。
【請求項5】
前記電動式テンショニング・デバイスは、ハウジング・ユニット、バッテリー、及び制御ユニットを含んでなり、
前記モータ・アッセンブリは、長手方向軸線に沿って、前記ハウジング・ユニットの中に、前記バッテリーと前記制御ユニットとの間に配設されている、請求項1に記載のフットウェアの物品。
【請求項6】
アッパーをソール構造体に取り付けることと、
電動式テンショニング・デバイスを前記ソール構造体及び前記アッパーの少なくとも1つに固定し、前記電動式テンショニング・デバイスがギヤ減速システムによってシャフト部材に連結されているモータ・アッセンブリを含んでなることと、
を含むフットウェアの物品を製造する方法であって、
前記ギヤ減速システムは、第2のギヤ部材と噛み合わせられた第1のギヤ部材を含んでなり、
前記モータ・アッセンブリは、前記電動式テンショニング・デバイスが活性化させられるときに、前記ギヤ減速システムを作動させ、
前記電動式テンショニング・デバイスが活性化させられるときに、前記ギヤ減速システムは、前記第1のギヤが前記第2のギヤに第1の回転方向に運動を移送することを可能にし、
前記ギヤ減速システムは、前記第2のギヤが前記第1のギヤに運動を移送することを防止し、
前記電動式テンショニング・デバイスは、第1のリール部材に固定されている第1のレース部材と、第2のリール部材に固定されている第2のレース部材とを含む、方法。
【請求項7】
前記第1のギヤ部材及び前記第2のギヤ部材は、ウォーム・ドライブを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記シャフト部材が前記モータ・アッセンブリによって回転させられるときに、前記第1のレース部材は、前記第1のリール部材の上に巻き取られ、前記第2のレース部材は、前記第2のリール部材の上に巻き取られる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のリール部材は、第1の直径を有しており、前記第2のリール部材は、第2の直径を有しており、
前記第1の直径は、前記第2の直径とは異なっている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記電動式テンショニング・デバイスは、ハウジング・ユニット、バッテリー、及び制御ユニットを含んでなり、
前記モータ・アッセンブリは、長手方向軸線に沿って、前記ハウジング・ユニットの中に、前記バッテリーと前記制御ユニットとの間に配設されている、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、概して、テンショニング・システムを含むフットウェア及びアパレルの
物品に関する。
【背景技術】
【0002】
フットウェアの物品は、一般的に、2つの主要な要素、すなわち、アッパー及びソール
構造体を含む。アッパーは、複数の材料要素(たとえば、テクスタイル、ポリマー・シー
ト層、発泡体層、皮革、合成皮革)から形成されることが多く、複数の材料要素は、一緒
に縫い合わせられ、又は、接着剤によって結合され、快適にしっかりと足を受け入れるた
めに、フットウェアの内部に空洞を形成する。より具体的には、アッパーは、足の甲エリ
ア及びつま先エリアにわたって、足の内側及び外側に沿って、ならびに、足のヒール・エ
リアの周りに延在する、構造体を形成している。また、アッパーは、レーシング・システ
ムを組み込み、フットウェアのフィット感を調節することが可能であり、アッパーの中の
空洞へ足の進入、及び、空洞からの足の引き出しを可能にする。同様に、いくつかのアパ
レルの物品は、アパレルのフィット感を調節するためのさまざまな種類のクロージャ・シ
ステムを含むことが可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
1つの態様では、フットウェアの物品は、アッパーと、アッパーに取り付けられている
ソール構造体であって、ソール構造体は、ミッドフット領域を含む、ソール構造体と、を
備える。ミッドフット領域は、固定して取り付けられている電動式テンショニング・デバ
イスを含む。電動式テンショニング・デバイスは、ギヤ減速システムによってシャフト部
材に連結されているモータ・アッセンブリを含む。ギヤ減速システムは、第2のギヤ部材
と噛み合わせられた第1のギヤ部材を含む。モータ・アッセンブリは、電動式テンショニ
ング・デバイスが活性化させられるときに、ギヤ減速システムを作動させる。電動式テン
ショニング・デバイスが活性化させられるときに、ギヤ減速システムは、第1のギヤが第
2のギヤに第1の回転方向に運動を移送することを可能にする。ギヤ減速システムは、第
2のギヤが第1のギヤに運動を移送することを防止する。
【0004】
別の態様では、フットウェアの物品は、アッパーと、アッパーに取り付けられているソ
ール構造体であって、ソール構造体は、ミッドフット領域を含む、ソール構造体と、を備
える。ミッドフット領域は、固定して取り付けられている電動式テンショニング・デバイ
スを含む。電動式テンショニング・デバイスは、第1のリール部材と、第1のリール部材
に取り付けられている第1のレース部材とを含み、電動式テンショニング・デバイスは、
第2のリール部材と、第2のリール部材に取り付けられている第2のレース部材とを含む
。第1のレース部材及び第2のレース部材は、第1のリール部材及び第2のリール部材か
ら、アッパーの内側及び外側に配設されている側壁部分を通してルーティングされており
、第1のレース部材及び第2のレース部材の一部分が、アッパーのタンの上に、平行な構
成で配置されている。電動式テンショニング・デバイスは、ソール構造体に印加される圧
力によって活性化させられる。第1のレース部材の第1の部分は、アッパーの第1の領域
を通って延在しており、アッパーの第1の領域は、電動式テンショニング・デバイスが活
性化させられるときに調節される。第2のレース部材の第2の部分は、アッパーの第2の
領域を通って延在しており、アッパーの第2の領域は、電動式テンショニング・デバイス
が活性化させられるときに調節される。第1の領域は、第2の領域とは異なっている。
【0005】
別の態様では、フットウェアの物品は、アッパーと、アッパーに取り付けられているソ
ール構造体であって、ソール構造体は、ミッドフット領域を含む、ソール構造体と、を備
える。ミッドフット領域は、固定して取り付けられている電動式テンショニング・デバイ
スを含む。電動式テンショニング・デバイスは、シャフト部材、第1のレース部材、第2
のレース部材を含む。第1のレース部材は、第1のテンショニング部分及び第2のテンシ
ョニング部分を含む。第2のレース部材は、第3のテンショニング部分及び第4のテンシ
ョニング部分を含む。第1のテンショニング部分及び第2のテンショニング部分は、第1
の量のテンションに関連付けられている。第3のテンショニング部分及び第4のテンショ
ニング部分は、第2の量のテンションに関連付けられている。第1の量のテンションは、
第2の量のテンションとは異なっている。
【0006】
本実施形態の他のシステム、方法、特徴、及び利点は、以下の図及び詳細な説明を検討
すると、当業者に明らかであることとなり、又は、当業者に明らかになることとなる。す
べてのそのような追加的なシステム、方法、特徴、及び利点は、この説明及びこの概要の
中に含まれ、実施形態の範囲の中にあり、また以下の特許請求の範囲によって保護される
ということが意図されている。
【0007】
実施形態は、以下の図面及び説明を参照して、より良好に理解され得る。図の中の構成
部品は、必ずしも縮尺通りになっているわけではなく、その代わりに、本発明の原理を図
示することに強調が置かれている。そのうえ、図において、同様の参照番号は、異なる図
の全体を通して、対応するパーツを指定している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】テンショニング・システムを備えたフットウェアの物品の実施形態の概略側 面図。
図2】テンションをかけられていない状態の、テンショニング・システムを備えた フットウェアの物品の実施形態の概略等角図。
図3】テンションをかけられた状態の、テンショニング・システムを備えたフット ウェアの物品の実施形態の概略等角図。
図4】テンショニング・システムを備えたフットウェアの物品の実施形態の概略図 。
図5】フットウェアの物品の上の電動式テンショニング・デバイスの実施形態の隔 離された構成部品の概略拡大図。
図6】フットウェアの物品の上の電動式テンショニング・デバイスの実施形態の隔 離された構成部品の概略拡大図。
図7】電動式テンショニング・デバイスの実施形態の概略等角図。
図8】電動式テンショニング・デバイスの実施形態の概略分解図。
図9】電動式テンショニング・デバイスを備えたフットウェアの物品の上のレース のルーティングの実施形態の概略図。
図10】電動式テンショニング・デバイスのためのレーシング実施形態の概略図。
図11】電動式テンショニング・デバイスのためのレーシング実施形態の概略図。
図12】電動式テンショニング・デバイスのためのレーシング実施形態の概略図。
図13】電動式テンショニング・デバイスを備えたフットウェアの物品の概略底面 図。
図14】電動式テンショニング・デバイスの実施形態の概略等角図。
図15】リール部材の実施形態の概略等角図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、テンショニング・システム150を備えて構成されているフットウェアの物品
100の実施形態の概略側面図を図示している。本実施形態では、フットウェアの物品1
00は、以降では、単に物品100とも称されており、フットウェアの物品100は、運
動靴の形態で示されている。しかし、他の実施形態では、テンショニング・システム15
0は、それに限定されないが、ハイキング・ブーツ、サッカー・シューズ、フットボール
・シューズ、スニーカ、ランニング・シューズ、クロス・トレーニング・シューズ、ラグ
ビー・シューズ、バスケットボール・シューズ、ベースボール・シューズ、及び、他の種
類のシューズを含む、任意の他の種類のフットウェアとともに使用され得る。そのうえ、
いくつかの実施形態では、物品100は、それに限定されないが、スリッパ、サンダル、
ハイヒールのフットウェア、ローファ、及び、任意の他の種類のフットウェアを含む、さ
まざまな種類の非スポーツ関連のフットウェアとともに使用するように構成され得る。下
記にさらに詳細に議論されているように、テンショニング・システムは、フットウェアに
限定されなくてもよく、他の実施形態では、テンショニング・システムは、衣類、スポー
ツウェア、スポーツ機器、及び、他の種類のアパレルを含む、さまざまな種類のアパレル
とともに使用され得る。さらなる他の実施形態では、テンショニング・システムは、医療
用ブレースなどのようなブレースとともに使用され得る。
【0010】
図1を参照すると、参照の目的のために、物品100は、フォアフット領域101、ミ
ッドフット領域103及びヒール領域105に分割され得る。フォアフット領域101は
、一般的に、つま先、及び、中足骨と指骨を接続する関節に関連付けられ得る。ミッドフ
ット領域103は、一般的に、土踏まずに関連付けられ得る。同様に、ヒール領域105
は、一般的に、踵骨を含む足のかかとに関連付けられ得る。フォアフット領域101、ミ
ッドフット領域103、及びヒール領域105は、単に説明の目的のためのものであると
いうことが意図されており、物品100の正確な領域を画定することは意図されていない
ということが理解されることとなる。
【0011】
一貫性及び便宜のために、方向の形容詞が、また、図示されている実施形態に対応する
この詳細な説明の全体を通して用いられている。この詳細な説明の全体を通して、及び、
特許請求の範囲の中で使用されているような「横」又は「横方向」という用語は、構成部
品又は要素の幅に沿って延在する方向を表している。たとえば、物品の横方向軸線191
は、足の内側141と外側143との間に延在することが可能である。追加的に、この詳
細な説明の全体を通して、及び、特許請求の範囲の中で使用されているような「長手」又
は「長手方向」という用語は、要素又は構成部品(たとえば、ソール部材など)の長さ又
は広がりにわたって延在する方向を表している。いくつかの実施形態では、長手方向軸線
181は、足のフォアフット領域101からヒール領域105へ延在することが可能であ
る。また、これらの方向の形容詞のそれぞれは、アッパー及び/又はソール部材などのよ
うな、フットウェアの物品の個々の構成部品に適用され得るということが理解されること
となる。それに加えて、垂直方向軸線171は、長手方向軸線181及び横方向軸線19
1によって画定される水平方向の表面に対して垂直な軸線を表している。これらの方向の
形容詞のそれぞれは、物品100を含む実施形態に示されているさまざまな構成部品、及
び、テンショニング・システム150の構成部品に適用され得るということが理解される
こととなる。
【0012】
物品100は、アッパー102及びソール構造体104を含むことが可能である。一般
的に、アッパー102は、任意のタイプのアッパーであることが可能である。とりわけ、
アッパー102は、任意の設計、形状、サイズ、及び/又は色を有することが可能である
。たとえば、物品100がバスケットボール・シューズである実施形態では、アッパー1
02は、足首の上にハイ・サポートを提供するように形状決めされたハイ・トップ・アッ
パーであることが可能であり、物品100がランニング・シューズである実施形態では、
アッパー102は、ロー・トップ・アッパーであることが可能である。
【0013】
いくつかの実施形態では、ソール構造体104は、物品100のためのトラクションを
提供するように構成され得る。トラクションを提供することに加えて、ソール構造体10
4は、ウォーキング、ランニング、又は、他の歩行活動の間に、足と地面との間で圧縮さ
れるときに、地面反力を軽減することが可能である。ソール構造体104の構成は、異な
る実施形態において、さまざまな従来の又は非従来の構造体を含むように、著しく変化す
ることが可能である。いくつかのケースでは、ソール構造体104の構成は、ソール構造
体104がその上で使用され得る1つ又は複数のタイプの地面表面に従って構成され得る
。地面表面の例は、それに限定されないが、天然芝、人工芝、土、及び、他の表面を含む
【0014】
異なる実施形態では、ソール構造体104は、異なる構成部品を含むことが可能である
。たとえば、ソール構造体104は、アウトソール、ミッドソール、及び/又はインソー
ルを含むことが可能である。それに加えて、いくつかのケースでは、ソール構造体104
は、地面表面とのトラクションを増加させるように構成されている1つ又は複数のクリー
ト部材又はトラクション・要素を含むことが可能である。
【0015】
いくつかの実施形態では、ソール構造体104は、アッパー102と接合され得る。い
くつかのケースでは、アッパー102は、足に巻き付いて、ソール構造体104を足に固
定するように構成されている。いくつかのケースでは、アッパー102は、開口部130
を含むことが可能であり、開口部130は、物品100の内部キャビティー135へのア
クセスを提供している。
【0016】
いくつかの実施形態は、着用者の足に対する物品の調節を促進させるための設備を含む
ことが可能である。いくつかの実施形態では、これらの設備は、テンショニング・システ
ムを含むことが可能である。いくつかの実施形態では、テンショニング・システムは、そ
れに限定されないが、電動式テンショニング・デバイス、ハウジング・ユニット、テンシ
ョニング部材、モータ、ギヤ、スプール、又はリールを含むように、他の構成部品をさら
に含むことが可能である。そのような構成部品は、着用者の足に固定すること、及び、着
用者の足へのカスタム・フィットを提供することを支援することが可能である。これらの
構成部品、及び、さまざまな実施形態において、どのようにそれらが物品を着用者の足に
固定してカスタム・フィットを提供することができるかということが、さらに詳細に下記
に説明されることとなる。
【0017】
異なる実施形態では、テンショニング・システムは、テンショニング部材を含むことが
可能である。この詳細な説明及び特許請求の範囲の全体を通して使用されているような「
テンショニング部材」という用語は、概して細長い形状及び高い引張強度を有する任意の
構成部品を表している。また、いくつかのケースでは、テンショニング部材は、一般的に
低い弾性を有することが可能である。異なるテンショニング部材の例は、それに限定され
ないが、レース、ケーブル、ストラップ、及びコードを含む。いくつかのケースでは、テ
ンショニング部材は、衣類及び/又はフットウェアの物品を含む、物品を留める及び/又
は締め付けるために使用され得る。他のケースでは、テンショニング部材は、いくつかの
構成部品又はシステムを作動させる目的のために、所定の場所にテンションを印加するた
めに使用され得る。
【0018】
テンショニング・システムは、着用者の足に対する物品のカスタマイズ可能な及び快適
なフィット感を提供するための設備を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、
設備は、内部キャビティー135の寸法を修正し、それによって、着用者の足の周りのア
ッパー102を締め付ける(又は、緩める)ための、さまざまな構成部品及びシステムか
ら構成され得る。いくつかの実施形態では、テンショニング・システム150は、テンシ
ョニング部材又はレース152、及び、電動式テンショニング・デバイス160を含むこ
とが可能である。
【0019】
いくつかの実施形態では、レース152は、(図10図12の中の仮想線に示されて
いるような)さまざまな異なるレーシング・ガイド154を通過するように構成され得、
レーシング・ガイド154は、スロート開口部132の縁部にさらに関連付けられ得る。
いくつかのケースでは、レーシング・ガイド154は、アッパーの上の伝統的なアイレッ
トと同様の機能を提供することが可能であり、とりわけ、レース152が引っ張られ又は
テンションをかけられるときに、スロート開口部132は、一般的に収縮することが可能
であり、アッパー102が足の周りに締め付けられるようになっている。1つの実施形態
では、レーシング・ガイド154は、(図10図12に示されているように、)第1の
レーシング・ガイド163、第2のレーシング・ガイド165、第3のレーシング・ガイ
ド167、第4のレーシング・ガイド169、第5のレーシング・ガイド173、及び第
6のレーシング・ガイド175を含むことが可能である。
【0020】
いくつかの実施形態では、レーシング・ガイド154は、異なる構成でレースを配置さ
せるために使用され得る。さらに、レーシング・ガイド154は、さまざまなテンション
の状態にあるときに、レース152を締め付けること又は緩めることを促進させるために
使用され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、レース152が、テンションをかけ
られた状態又は締め付けられた状態に構成されているときに、レーシング・ガイド154
が膨張することが可能である。この配置によって、レース152は、物品にテンションを
かけるときに、より多くの空間が提供される。同様に、いくつかの実施形態では、レース
152が、テンションをかけられた状態から、テンションをかけられていない状態又は緩
い状態へ構成されるときに、レーシング・ガイド154は圧縮することが可能である。い
くつかの実施形態では、レース152は、レーシング・ガイド154を通して位置決めさ
れており、レース152は、さまざまな構成で配置され得る。図1図10図12を参
照すると、1つの実施形態では、レース152は、アッパーの上に平行な構成で配置され
ている。いくつかの他の実施形態では、レース152は、十字交差パターンで配置され得
る。いくつかの他の実施形態では、レース152は、レーシング・ガイド154を介して
、異なる構成で配置され得る。
【0021】
この実施形態では、レーシング・ガイド154の配置は、単に例示的なものであるとい
うことが意図されており、他の実施形態は、レーシング・ガイド154に関して特定の構
成に限定されないということが理解されることとなる。そのうえ、実施形態に図示されて
いる特定のタイプのレーシング・ガイド154も、例示的なものであり、他の実施形態は
、任意の他の種類のレーシング・ガイド又は同様のレーシング設備を組み込むことが可能
である。いくつかの他の実施形態では、たとえば、レース152は、伝統的なアイレット
を通して挿入され得る。実施形態の中に組み込まれ得るレース・ガイディング設備のいく
つかの例が、2011年6月30日に出願された「レース・ガイド(Lace Guid
e)」という標題のコッターマンら(Cotterman et al.)による米国特
許出願公開第2012/0000091号(ここで、米国出願第13/174,527号
)に開示されており、それは、その全体が本明細書に援用されている。追加的な例は、2
011年4月29日に出願された「リール・ベースのレーシング・システム(Reel
Based Lacing System)」(「リール・ベースのレーシング用途(R
eel Based Lacing Application)」)という標題のグッド
マンら(Goodman et al.)による米国特許出願公開第2011/0266
384号(ここで、米国出願第13/098,276号)に開示されており、それは、そ
の全体が本明細書に援用されている。レース・ガイドのさらなる追加的な例は、2011
年1月21日に出願された「レーシング・システムのためのガイド(Guides Fo
r Lacing Systems)」という標題のケルンスら(Kerns et a
l.)による米国特許出願公開第2011/0225843号(ここで、米国出願第13
/011,707号)に開示されており、それは、その全体が本明細書に援用されている
【0022】
レース152は、当技術分野で公知の任意のタイプのレーシング材料を含むことが可能
である。使用され得るレースの例は、低い弾性係数及び高い引張強度を有するケーブル又
はファイバーを含む。レースは、単一のストランドの材料を含むことが可能であり、又は
、複数のストランドの材料を含むことが可能である。レースに関する例示的な材料は、H
oneywell of Morris Township NJによって製造されてい
るSPECTRA(商標)であるが、他の種類の拡張鎖(extended chain
)の高弾性ポリエチレン・ファイバー材料も、レースとして使用され得る。一層さらなる
例示的なレースの特性が、上述のリール・ベースのレーシング用途の中に見出され得る。
【0023】
物品100は、制御コマンドを開始させることができる複数の制御ボタン182を含む
ことが可能である。いくつかの実施形態では、制御ボタン182は、ユーザが1つ又は両
方の靴を同時に締め付けることを可能にすることができる。随意的に、いくつかの実施形
態は、「完全に締め付ける」コマンドを含むことが可能であり、「完全に締め付ける」コ
マンドは、所定の閾値(たとえば、閾値圧力、巻き取り距離など)が実現されるまで、フ
ットウェアを締め付けることとなる。また、物品100は、好適なテンション設定を記憶
及び使用するための設備を含むことが可能であり、いくつかの実施形態では、制御ボタン
182は、アッパー102に沿ってどこかに配設され得る。1つの実施形態では、制御ボ
タン182は、図1図3に示されているように、開口部130に隣接して配設され得る
。テンショニング・システムを締め付けるか又は緩めるための制御ボタン182の動作が
、さらに詳細に下記に説明されることとなる。
【0024】
図2は、物品100が、足200の進入の直前の、完全に開けられた状態又はテンショ
ンをかけられていない状態になっていることを示している。この状態では、レース152
は、十分に緩くなっており、ユーザが自分の足を開口部130の中へ挿入することを可能
にするにことができる。図2において見られるように、いくつかの実施形態では、テンシ
ョニング・システム150が開いた状態のときに、足は、容易にかつ快適にフットウェア
100から引き出され得る。
【0025】
一般的に、テンショニング・システム150は、任意の数のレースを含むことが可能で
ある。いくつかの実施形態では、単一のレースだけが、設けられ得る。他の実施形態では
、複数のレースが設けられ得る。この実施形態では、レース152は、第1のレース15
5、第2のレース157、及び第3のレース159を集合的に表してもよく、それらは、
物品100の一部分を通してルーティングされている。さらに、レース152のルーティ
ングは、第1のレース155、第2のレース157、及び第3のレース159の一部分を
、アッパー102のタン・セクション134の上に配設することが可能である。1つの実
施形態では、タン・セクション134の上のこれらの部分は、第1のテンショニング部分
202、第2のテンショニング部分204、第3のテンショニング部分206、第4のテ
ンショニング部分208、第5のテンショニング部分210、及び、第6のテンショニン
グ部分212を含むことが可能である。明確化のために、第1のテンショニング部分20
2、第2のテンショニング部分204、第3のテンショニング部分206、第4のテンシ
ョニング部分208、第5のテンショニング部分210、及び、第6のテンショニング部
分212は、集合的にテンショニング・セット215と称され得る。
【0026】
いくつかの実施形態は、着用者の足に対する物品のカスタム・フィットを提供する設備
を含むことが可能である。この詳細な説明及び特許請求の範囲の中で使用されているよう
に、カスタム・フィットは、アッパー全体とは対照的に、アッパーの特定の局所化された
部分又は領域を調節し、物品の形状及び輪郭を着用者の足に快適にフィットさせることを
表すことが可能である。いくつかの実施形態では、設備は、アッパー102の一部分を調
節することができる構成部品から構成された(図4に示されているような)電動式テンシ
ョニング・デバイス160を含む。いくつかの実施形態では、設備は、制御ボタン182
などのような制御メカニズムをさらに含むことが可能であり、制御ボタン182は、レー
ス152、及び、とりわけ、テンショニング・セット215をインクリメンタルに締め付
けるか又は緩めることを可能にすることができる。
【0027】
図2図4を参照すると、テンショニング・システム150は、レース152を締め付
け、それによって、さまざまな方式でアッパー102を調節することが可能である。いく
つかの実施形態では、活性化の前に、レース152は、図2に示されているように、テン
ションなしの状態190になっているものとして特徴付けられ得る。いくつかの実施形態
では、たとえば、着用者が足を挿入し、ソール構造体104を踏み込むときなどに、圧力
が、電動式テンショニング・デバイス160を活性化させることが可能である。圧力は、
電動式テンショニング・デバイス160が構成部品を作動させ、ハウジング・ユニット4
12の中へレース152を引き込むことを結果として生じさせることが可能である。代替
的に、いくつかの実施形態では、インクリメンタルに締め付けるコマンドは、制御ボタン
182を押すことによって、電動式テンショニング・デバイス160に送られ得る。この
コマンドは、電動式テンショニング・デバイス160がインクリメンタルに締め付けるモ
ードに進入することを引き起こす。この時点において、レース152のテンションは増加
させられ、アッパー102を足200の周りに締め付ける。とりわけ、レース152がハ
ウジング・ユニット412の中へ引き込まれるときに、テンショニング・セット215は
、スロート開口部132を収縮させることが可能である。さらに、増加したレース152
のテンションは、レース152のルーティングに起因して、アッパー102の異なる領域
を調節することとなる。いくつかの実施形態では、この事象の間に、レース152は、テ
ンションの状態191にあるものとして特徴付けられ得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、電動式テンショニング・デバイス160が活性化させられる
ときに、レース152の一部分、とりわけ、テンショニング・セット215は、アッパー
102の局所化された領域を調節することが可能である。この詳細な説明及び特許請求の
範囲の中で使用されているように、局所化された領域は、アッパーの特定のゾーン、部分
、又はエリアを表すことが可能である。いくつかの実施形態では、局所化された領域は、
内側141と外側143との間に横方向軸線191に沿って延在することが可能である。
いくつかのケースでは、局所化された領域は、開口部130から間隔を離して配置され得
る。いくつかの他のケースでは、局所化された領域は、フォアフット領域101とミッド
フット領域103との間に延在する長手方向軸線181に沿って、間隔を置いて配置され
得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、アッパー102の局所化された領域を調節することによって
、テンショニング・セット215は、同様に、異なる量の下向きかつ内向きの圧力をアッ
パー102に印加することが可能である。1つの実施形態では、第1のレース155は、
第1のテンショニング部分202及び第2のテンショニング部分204を含むことが可能
であり、第1のテンショニング部分202及び第2のテンショニング部分204は、動作
の間にアッパー102の第1の領域230を調節する。第1のテンショニング部分202
及び第2のテンショニング部分は、下向きかつ内向きの圧力をアッパー102に印加する
、第1の量のテンションに関連付けられ得る。さらに、第2のレース157は、第3のテ
ンショニング部分206及び第4のテンショニング部分208を含むことが可能であり、
第3のテンショニング部分206及び第4のテンショニング部分208は、動作の間にア
ッパー102の第2の領域232を調節し、第2の領域232は、第1の領域230から
間隔を離して配置され、第1の領域230とは異なっている。同様に、第3のテンショニ
ング部分206及び第4のテンショニング部分208は、第2の量のテンションに関連付
けられ得、第2の量のテンションは、第1の量のテンションとは異なっている。また、第
2の量のテンションも、下向きかつ内向きの圧力をアッパー102に印加することとなる
【0030】
いくつかのケースでは、このインクリメンタルな締め付けは、離散的な段階で起こるこ
とが可能であり、着用者が制御ボタン182と相互作用するたびに、(たとえば、所定の
角度にわたって、電動式テンショニング・デバイス160の中のスプール又はリール部材
を回転させることによって、)レース152が所定の量だけ取り込まれるようになってい
る。他のケースでは、このインクリメンタルな締め付けは、連続的な様式で起こることが
可能である。いくつかのケースでは、締め付けの速度は、システムが好適なレベルの緊張
を通り過ぎない(すなわち、システムは、十分にタイトではない状態と過度にタイトな状
態との間をあまりに急速には移動しない)ように設定され得、一方、また、物品100を
完全に締め付けるために過度に長い時間がかかることを回避するために十分に大きくなっ
ている。
【0031】
図4は、フットウェア100に取り付けられているときの電動式テンショニング・デバ
イス160の例示的な設置を概略的に図示している。いくつかの実施形態では、電動式テ
ンショニング・デバイス160のいくつかの構成部品は、ハウジング・ユニット412の
中に配設され得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、レース152は、電動式テンショニング・デバイス160か
らアッパー102の全体を通してルーティングされ得、レース152が、側壁部分170
に沿って位置決めされている内部チャネル411を通過するようになっている(図1~図
4において見られるように)。いくつかの実施形態では、内部チャネル411は、アッパ
ー102の内側141及び外側143において、側壁部分170の上に配設されている。
内部チャネル411は、電動式テンショニング・デバイス160から離れるように、及び
、電動式テンショニング・デバイス160に向けて戻るように、レース152をガイドす
ることが可能である。電動式テンショニング・デバイス160からアッパー102を通し
て電動式テンショニング・デバイス160に向けて戻るレース152のルーティングが、
さらに詳細に下記に説明されることとなる。
【0033】
電動式テンショニング・デバイス160からアッパー102の領域を通るレース152
のルーティングは、明白な利点を提供することが可能であるということが留意されるべき
である。いくつかの実施形態では、レース152がルーティングされる配置に起因して、
レース152の長さの大部分は、ハウジング・ユニット142の外側に配設され得る。し
たがって、より大きい空間が、ハウジング・ユニット412の中に提供されてもよく、ギ
ヤ、モータ、又はバッテリーなどのような、他の構成部品を収容する。さらに、ハウジン
グ・ユニット412はレース152のために少ないスペースしか必要としないので、ハウ
ジング・ユニット412は、サイズが低減され得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、電動式テンショニング・デバイス160は、ソール構造体1
04の領域に沿って装着され得る。1つの実施形態では、電動式テンショニング・デバイ
ス160は、ソール構造体104の下側表面420(物品100がユーザによって着用さ
れているときに、足から離れる方を向く表面)の上に装着され得る。いくつかの実施形態
では、電動式テンショニング・デバイス160は、ソール構造体104のミッドフット領
域103に沿って装着され得る。1つの実施形態では、ソール構造体104の下側表面4
20の上に位置付けされている外部キャビティー450は、電動式テンショニング・デバ
イス160を受け入れるように構成され得る。いくつかの他の実施形態では、電動式テン
ショニング・デバイス160は、当技術分野で公知の他の方式で、下側表面420の上に
装着され得る。
【0035】
いくつかのケースでは、電動式テンショニング・デバイス160は、レース152の一
部分を受け入れるための設備を含むことが可能である。いくつかのケースでは、レース1
52は、図5において見られるように、アッパー102の内部チャネル411を出ていき
、電動式テンショニング・デバイス160のハウジング・ユニット412に進入する前に
、アパーチャ156を通過することが可能である。
【0036】
電動式テンショニング・デバイス160をソール構造体104に装着するための設備は
、異なる実施形態において変化することが可能である。いくつかのケースでは、電動式テ
ンショニング・デバイス160は、取り外し可能に取り付けられ得、電動式テンショニン
グ・デバイス160がユーザによって容易に取り外されて修正され得るようになっている
(たとえば、レースが変更されなければならないとき)。他のケースでは、電動式レーシ
ング・デバイス160は、ソール構造体104に恒久的に固定して取り付けられ得る。1
つの実施形態では、たとえば、外部ハーネス(図示せず)が、ミッドフット領域103に
おいて、電動式テンショニング・デバイス160をソール構造体104に装着するために
使用され得る。他の実施形態では、電動式レーシング・デバイス160が、機械的な取り
付け、接着剤、及び/又は成形を含む、任意の様式で、下側表面420に接合され得る。
【0037】
以前に述べられたように、電動式テンショニング・デバイス160は、アッパー102
を締め付ける及び緩める目的のために、テンションをレース152に自動的に印加するよ
うに構成され得る。さらに詳細に下記に説明されているように、電動式テンショニング・
デバイス160は、電動式テンショニング・デバイス160の内部のリール・要素の上に
レース152を巻き取るための、及び、リール・要素からレース152を巻き出すための
、設備を含むことが可能である。そのうえ、設備は、モータ・アッセンブリを含むことが
可能であり、モータ・アッセンブリは、さまざまな入力又は制御に応答して、リール・要
素の上のレース152の巻き取り及び巻き出しを促進させるための構成部品を作動させる
【0038】
詳細な説明の全体を通して、及び、特許請求の範囲の中に、テンショニング・システム
のさまざまな動作モード又は構成が説明されている。これらの動作モードは、テンショニ
ング・システム自体の状態を表すことが可能であり、また、テンショニング・システムの
個々のサブシステム及び/又は構成部品の動作モードを表すことが可能である。例示的な
モードは、「インクリメンタルに締め付けるモード」、「インクリメンタルに緩めるモー
ド」、及び、「完全に緩める」モードを含む。後半の2つのモードは、「インクリメンタ
ルな解放モード」及び「完全な解放モード」とも称され得る。インクリメンタルに締め付
けるモードでは、電動式締め付けデバイス160は、レース152をインクリメンタルに
(又は、徐々に)を締め付けるか、又は、レース152のテンションを増加させる様式で
、動作することが可能である。インクリメンタルに緩めるモードでは、電動式締め付けデ
バイス160は、レース152をインクリメンタルに(又は、徐々に)緩めるか、又は、
レース152のテンションを解放する様式で、動作することが可能である。さらに下記に
議論されているように、インクリメンタルに締め付けるモード、及び、インクリメンタル
に緩めるモードは、離散的な段階で、又は、連続的に、レースを締め付ける及び緩めるこ
とが可能である。完全な解放モードでは、ユーザが自分の足を物品から容易に引き出すこ
とができるレベルまで、システムによってレースに印加されるテンションが実質的に低減
されるような様式で、電動式締め付けデバイス160は動作することが可能である。これ
は、インクリメンタルな解放モードとは対照的であり、インクリメンタルな解放モードで
は、システムは、レースに関して、現在のテンションに対して、より低いテンションを実
現するように動作するが、必ずしも、レースからテンションを完全に除去するように動作
するわけではない。そのうえ、完全な解放モードは、ユーザが物品を取り外すことができ
るように、レース・テンションを急速に解放するために利用され得るが、インクリメンタ
ルな解放モードは、ユーザが所望の量のテンションを探すときに、レース・テンションに
対して小さい調節を行うために利用され得、それによって、ユーザにカスタム・フィット
を提供する。実施形態は、動作の3つの可能なモード(及び、関連の制御コマンド)を説
明しているが、他の動作モードも可能であり得る。たとえば、いくつかの実施形態は、完
全に締め付ける動作モードを組み込むことが可能であり、完全に締め付ける動作モードで
は、電動式締め付けデバイス160は、所定のテンションが実現されるまで、レース15
2を締め付け続ける。
【0039】
図7図8、及び図13は、電動式テンショニング・デバイス160の例示的な構成部
品を図示している。図示の目的のために、電動式テンショニング・デバイス160のいく
つかの構成部品は、省略されているか、又は、他の構成部品から切り離して示されている
【0040】
図7を参照すると、電動式締め付けデバイス160のいくつかの構成部品は、ハウジン
グ・ユニット412の一部分の中に示されている。いくつかの実施形態では、ハウジング
・ユニット412は、電動式テンショニング・デバイス160の構成部品の配置を最適化
するように形状決めされ得る。たとえば、構成部品の配置は、ハウジング・ユニット41
2がハウジング・ユニット412の垂直方向軸線に対してテーパ付きの厚さを有すること
を可能にすることができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、ハウジング・ユニット412は、図7に示されているように
、テーパ付きの垂直方向のプロファイルを有することが可能である。換言すれば、ハウジ
ング・ユニット412は、垂直方向軸線171に関して、第1の高さ684を有する第1
の端部680と、第2の高さ686を有する反対側の第2の端部682とを有することが
可能であり、第1の高さ684は、第2の高さ686よりも大きい。いくつかの実施形態
では、第1の端部680及び第2の端部682は、長手方向軸線181に沿って位置決め
され得るということが留意されるべきである。他の実施形態では、第1の端部680及び
第2の端部682は、横方向軸線191に沿って位置決めされ得る。
【0042】
ハウジング・ユニット412は、内側ハウジング部分416及び外側ハウジング部分4
18をさらに含むことが可能であり、外側ハウジング部分418は、ベース・パネル41
0及び外側カバー414を含むことが可能であり、一般的に、電動式テンショニング・デ
バイス160の構成部品をカバーするための保護アウターを提供している。内側ハウジン
グ部分416は、電動式テンショニング・デバイス160の構成部品を支持するように形
状決めされ得、アパーチャ490及びキャビティー492を含むことが可能である(図8
に示されているように)。いくつかのケースでは、内側ハウジング部分416の一部分は
、以下で詳細に述べられるように、いくつかの構成部品の可動性を制限するように機能す
る。
【0043】
いくつかの実施形態では、電動式テンショニング・デバイス160は、モータ・アッセ
ンブリ620を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、モータ・アッセンブリ
620は、電気モータを含むことが可能である。しかし、他の実施形態では、モータ・ア
ッセンブリ620は、当技術分野で公知の任意の種類の非電気モータを含むことが可能で
ある。使用され得る異なるモータの例は、それに限定されないが、DCモータ(たとえば
、永久磁石モータ、ブラシ付きDCモータ、ブラシレスDCモータ、スイッチト・リラク
タンス・モータなど)、ACモータ(たとえば、スライディング・ロータを備えたモータ
、同期電気モータ、非同期電気モータ、誘導モータなど)、ユニバーサル・モータ、ステ
ッパー・モータ、圧電モータ、及び、当技術分野で公知の任意の他の種類のモータを含む
。モータ・アッセンブリ620は、モータ・クランクシャフト622をさらに含むことが
可能であり、モータ・クランクシャフト622は、電動式テンショニング・デバイス16
0の1つ又は複数の構成部品を駆動するために使用され得る。さまざまな種類のバッテリ
ーを含む、モータ・アッセンブリ620に給電するための設備が、下記に詳細に議論され
ている。
【0044】
いくつかの実施形態では、電動式テンショニング・デバイス160は、モータ・アッセ
ンブリ620の出力速度を低減させるための、及び、モータ・アッセンブリ620によっ
て発生させられるトルクを増加させるための設備を含むことが可能である。いくつかの実
施形態では、電動式テンショニング・デバイス160は、1つ又は複数のギヤ減速アッセ
ンブリ及び/又はギヤ減速システムを含むことが可能である。いくつかの実施形態では、
電動式テンショニング・デバイス160は、単一のギヤ減速アッセンブリを含むことが可
能である。他の実施形態では、電動式テンショニング・デバイス160は、2つ以上のギ
ヤ減速アッセンブリを含むことが可能である。図8の分解図を参照すると、1つの実施形
態では、電動式テンショニング・デバイス160は、第1のギヤ減速アッセンブリ630
及び第2のギヤ減速アッセンブリ632を含み、それらは、集合的にギヤ減速システム6
28と称され得る。第1のギヤ減速アッセンブリ630は、モータ・アッセンブリ620
及び/又はクランクシャフト622(図13にも示されている)に概して整合させられる
ギヤ減速アッセンブリであることが可能である。それとは対照的に、第2のギヤ減速アッ
センブリ632は、クランクシャフト622の配向に対して概して垂直な方向に延在する
追加的なギヤ減速を提供することが可能である。1つの実施形態では、ギヤ減速システム
628は、モータ・アッセンブリ620と機械的に連結され得る。ハウジング・ユニット
412に関して、いくつかの実施形態では、第1のギヤ減速アッセンブリ630は、ハウ
ジング・ユニット412の横方向軸線191に沿って延在することが可能であるが、第2
のギヤ減速アッセンブリ632は、ハウジング・ユニット412の長手方向軸線181に
沿って延在することが可能である。クランクシャフト622の配向に対して、インライン
・ギヤ及び水平方向に間隔を置いて配置されたギヤの組み合わせを使用することによって
、モータ・アッセンブリ620は、スプール及び対応するリール・シャフトに平行に配置
され得る(下記にさらに詳細に議論されているように)。この配置は、電動式テンショニ
ング・デバイス160のすべての構成部品をハウジング・ユニット412の中にフィット
させるために必要とされる長手方向のスペースを低減させることが可能である。
【0045】
それぞれのギヤ減速アッセンブリは、1つ又は複数のギヤを含むことが可能である。い
くつかの実施形態では、第1のギヤ減速アッセンブリ630は、1つ又は複数のギヤを含
む。いくつかの実施形態では、第1のギヤ減速アッセンブリ630は、クランクシャフト
622によって駆動され得、また、第1のギヤ634、第2のギヤ635、及び、第3の
ギヤ636を含むことが可能である。
【0046】
1つの実施形態では、第2のギヤ減速アッセンブリ632は、第4のギヤ637を含む
、追加的なステージのギヤとともに構成され得る。この実施形態では、第4のギヤ637
は、下記にさらに詳細に説明されているように、電動式テンショニング・デバイス160
の追加的な構成部品を回すために、第3のギヤ636と関連して作用する。いくつかの実
施形態では、第3のギヤ636は、ウォームを含むことが可能であり、第4のギヤ637
は、ウォーム・ホイールを含むことが可能である。1つの実施形態では、第3のギヤ63
6及び第4のギヤ637の動作及び/又はカップリングは、下記にさらに議論されること
となる、ウォーム・ギヤ又はウォーム・ドライブ639と称され得る(図13にも示され
ている)。
【0047】
第2のギヤ減速アッセンブリ632の本実施形態は、1つのギヤを含む。しかし、他の
実施形態は、任意の他の数のギヤを使用することが可能である。同様に、第1のギヤ減速
アッセンブリ630を構成するギヤの数は、異なる実施形態において変化することが可能
である。追加的に、異なる実施形態では、第1のギヤ減速アッセンブリ630及び/又は
第2のギヤ減速アッセンブリ632の中で使用されるギヤのタイプは、変化することが可
能であり、いくつかのケースでは、平歯車が使用され得る。使用され得るギヤの他の例は
、それに限定されないが、ヘリカル・ギヤ、外歯歯車、内歯歯車、傘歯車、クラウン・ギ
ヤ、ウォーム・ギヤ、非円形歯車、ラック・アンド・ピニオン・ギヤ、エピサイクリック
・ギヤ、遊星ギヤ、ハーモニック・ドライブ(登録商標)・ギヤ、ケージ・ギヤ、磁気歯
車、及び、任意の他の種類のギヤ、ならびに/又は、さまざまな種類のギヤの任意の組み
合わせを含む。ギヤ減速システム628に関するギヤの数、タイプ、及び配置は、電動式
テンショニング・デバイス160のサイズ、トルク、及び速度の間の所望のトレードオフ
を実現するように選択され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、電動式テンショニング・デバイス160は、レースの一部分
を巻き取る及び巻き出すための設備を含むことが可能である。以前に述べられているよう
に、いくつかの実施形態では、電動式テンショニング・デバイス160は、1つ又は複数
のスプール又はリール部材を含むことが可能である。いくつかのケースでは、電動式テン
ショニング・デバイス160は、第1のリール部材640及び第2のリール部材641を
含むことが可能である。第1のリール部材640及び第2のリール部材641は、集合的
にリール部材663と称され得る。
【0049】
いくつかの実施形態は、レース152をいくつかのリール部材663の上に固定する異
なる組み合わせを可能にする。いくつかの実施形態では、第1のレース155は、第1の
リール部材640に固定されている第1の端部と、第2のリール部材641に固定されて
いる第2の端部とを有することが可能である。複数のレースが存在する実施形態では、任
意の組み合わせが、レース152又は複数のレース部材をリール部材663の上に固定す
るために使用され得る。図6及び図8を参照すると、1つの実施形態では、第1のレース
155、第2のレース157、及び、第3のレース159は、一方の端部を第1のリール
部材640に固定された状態にすることが可能である。同様に、第1のレース155、第
2のレース157、及び、第3のレース159は、反対側端部を第2のリール部材641
に固定された状態にすることが可能である。いくつかの他の実施形態では、第1のレース
155は、両方の端部を第1のリール部材640に取り付けられた状態にすることが可能
であるが、一方、第2のレース157は、そのそれぞれの端部を第2のリール部材641
に取り付けられた状態にすることが可能である(図9に概略的に示されているように)。
さらなるいくつかの他の実施形態では、第1のレース155及び第2のレース157は、
第1のリール部材640及び第2のリール部材641の両方に取り付けられ得、一方、第
3のレース159は、その端部を第2のリール部材641に取り付けられた状態にするこ
とが可能である。この配置によって、引き込みレート195、つまりリール部材663の
周りでの巻き取りレース152の速度が変化させられ得る。これらの変形例は、アッパー
102に関連するレース152のテンションをカスタマイズし、カスタム・フィットを提
供することを可能にすることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、リール部材663は、着用者にカスタム・フィットをさらに
提供するように寸法決めされ得る。いくつかの実施形態では、リール部材663の直径は
、レース152の引き込みレート195に適応するように変化させられ得る。たとえば、
図7及び図8に示されているように、第1のリール部材640は、第2のリール部材64
1の第2の直径198よりも大きい第1の直径196を有することが可能である。ギヤ減
速システム628と組み合わせられるときに、変化する直径は、ハウジング・ユニット4
12の中へ引き込まれるときに、レース152の異なる引き込みレートに適応することを
可能にする。
【0051】
また、いくつかの実施形態では、動作の間に、ハウジング・ユニット412からの第1
のレース155、第2のレース157、及び第3のレース159のルーティングは、レー
ス152及びテンショニング・セット215のテンションを変化させることが可能である
。テンションを変化させることによって、アッパー102の局所化された領域又はゾーン
にかけられる下向きかつ内向きの圧力の量が、着用者の足の上でバランスさせられ変化さ
せられ得る。
【0052】
例示的な実施形態では、第1のレース155は、一方の端部が第1のリール部材640
に固定されている状態で、ハウジング・ユニット412を出ていくことが可能である(全
体的に、図4図5、及び図9に示されているように)。次いで、第1のレース155は
、アッパー102の側部部分の上の第1の内側内部チャネル430に沿って上向きに延在
し、(図2及び図12において見られるように、)第1のテンショニング部分202とし
て、タン・セクション134の上に位置決めされているレーシング・ガイド154を通っ
て続き、次いで、(全体的に図1に示されているように)アッパーの反対側の外側143
の上の第1の外側内部チャネル440を通って下向きに続くことが可能である。次いで、
第1のレース155は、第1のループ・チャネル447を通過することが可能であり、第
1のループ・チャネル447は、第1のレース155をハウジング・ユニット412へル
ーティングして戻す(図6及び図12に示されているように)。したがって、第1のレー
ス155は、第1の外側内部チャネル440に隣接する第2の外側内部チャネル442を
上向きに通過し(図1に示されているように)、次いで、(図2及び図12に示されてい
るように)第2のテンショニング部分204として、レーシング・ガイド154を通って
延在するように構成され得る。図4を参照すると、第1のレース155は、次いで、第1
の内側内部チャネル430に隣接する第2の内側内部チャネル432を通って下向きに続
き、ハウジング・ユニット412の中へ戻ることとなり、第2の端部が、第2のリール部
材641に固定されている。同様に、第2のレース157、及び第3のレース159が、
同様の方式でルーティングされ得る。先に議論されているように、いくつかの他の実施形
態では、第3のレース159は、たとえば、両方の端部を第2のリール部材641に固定
された状態にすることが可能である。
【0053】
別の実施形態では、第1のレース155が外側143からハウジング・ユニット412
へ戻すようにルーティングされるときに、第1のレース155は、隣接していない内部チ
ャネル411を通過するように構成され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、第1
のレース155が外側143からハウジング・ユニット412へ戻すようにルーティング
されるときに、第1のレース155は、第3の外側内部チャネル444を通過するように
構成され得、第3の外側内部チャネル444は、第1の外側内部チャネル440に隣接し
ていない(図1に示されているように)。第1のループ・チャネル447は、第1の外側
チャネル440から第3の外側チャネル444へ、第1のレース155をルーティングす
るように構成され得るということに留意するべきである。続いて、第1のレース155は
、第3のテンショニング部分206として、レーシング・ガイド154を通って続くこと
が可能であり、次いで、第2の端部がハウジング・ユニット412に進入して第2のリー
ル部材641に固定される前に、第3の内側内部チャネル434を通してルーティングさ
れる。他の実施形態では、レース152は、異なる内部チャネル411を通してルーティ
ングされ、テンショニング・セット215の異なる部分として、レーシング・ガイド15
4の中に位置決めされ得る。この配置によって、動作の間にアッパー102の異なる領域
にかかる圧力の量を変化させるために、異なるテンションが、レース152及びテンショ
ニング・セット215に印加され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、平行な構成で配置されているレーシング・ガイド154と組
み合わせられるときに、開口部130の近位の第1のテンショニング部分202のテンシ
ョンの量は、フォアフット領域101の近位の第6のテンショニング部分212のテンシ
ョンの量よりも小さくなることが可能である。いくつかの実施形態では、第2のテンショ
ニング部分204、第3のテンショニング部分206、第4のテンショニング部分208
、及び第5のテンショニング部分210も、さまざまな程度のテンションを有することが
可能である。物品の上部の近くの第1のテンショニング部分202のテンションの減少は
、着用者の足の上部にかけられる圧力の量を低減させ、そして、それは、着用者の足と物
品100との間の摩擦を低減させる。この配置によって、アッパー102の全体を通して
変化する圧力を伴って、カスタム・フィットが提供される。特に、及び、アッパーを通し
てルーティングされる単一のレースとは対照的に、アッパーの異なる領域の周りをループ
するいくつかのレース部材を独立して制御することは、それらの異なる領域において、圧
力又は負荷をバランスさせることとなる。さらに、この圧力のバランシングは、電動式テ
ンショニング・デバイス160の動作の間に同時に起こる。
【0055】
図8を参照すると、いくつかの実施形態では、第1のリール部材640は、レースを受
け入れるための第1の受け入れ部分642をさらに含むことが可能であり、第2のリール
部材641は、レースを受け入れるための第2の受け入れ部分644を含むことが可能で
ある。そのうえ、いくつかのケースでは、第1の受け入れ部分642は、第1のレース巻
き取り領域646及び第2のレース巻き取り領域648を含むことが可能であり、それら
は、いくつかのケースでは、レースの2つの端部を別々に巻き取るために使用され得る。
それに加えて、第2の受け入れ部分644は、第3のレース巻き取り領域647及び第4
のレース巻き取り領域649を含むことが可能である。レース152の直径が増大すると
きにトルク出力が下がるので、それぞれのレース端部に関して別々の巻き取り領域を使用
することは、リール部材663の上に巻き取られたレースの直径を減少させることを助け
、それによって、トルク出力低減を最小化することが可能である。いくつかのケースでは
、第1のレース巻き取り領域646及び第2のレース巻き取り領域648は、分割部分6
43によって分離され得、分割部分643は、レースの一部分を第1のリール部材640
の上に恒久的に保持するためのレース受け入れチャネル645を含むことが可能である(
図15に示されているように)。レース152は、当技術分野で公知の任意の方法によっ
て、リール部材663に固定され得る。いくつかのケースでは、リール・アパーチャ15
02が、レース152を挿入するために、及び、端部を縛って結び目を作るために使用さ
れ得る。他のケースでは、異なる方法が使用され得る。
【0056】
しかし、他のケースでは、第1の受け入れ部分642は、単一のレース巻き取り領域を
含むことが可能である。同様に、第3のレース巻き取り領域647及び第4のレース巻き
取り領域649は、分割部分によって分離され得、分割部分は、レースの一部分を第2の
リール部材641の上に恒久的に保持するためのレース受け入れチャネルを含むことが可
能である。しかし、他のケースでは、第2の受け入れ部分644は、単一のレース巻き取
り領域を含むことが可能である。
【0057】
電動式レーシング・システム160は、第1のギヤ減速アッセンブリ630と第2のギ
ヤ減速アッセンブリ632との間でトルクを移送するための設備を含むことが可能である
。そのうえ、いくつかの実施形態では、電動式レーシング・システム160は、レースを
インクリメンタルに締め付けること、インクリメンタルに緩めること、及び、完全に緩め
ることを可能にする様式で、第2のギヤ減速アッセンブリ632から(又は、より全体的
には、ギヤ減速システム628から)第1のリール部材640及び/又は第2のリール部
材641へトルクを移送するための設備を含むことが可能である。1つの実施形態では、
電動式レーシング・システム160は、レース152を巻き取る(又は、巻き出す)ため
に、ウォーム・ドライブ639から第1のリール部材640及び/又は第2のリール部材
641へのトルクの伝達のための一次的手段として、トルク伝達システムとともに構成さ
れ得る。
【0058】
図7及び図13を参照すると、トルク伝達システム650は、さまざまなアッセンブリ
及び構成部品をさらに含むことが可能である。いくつかの実施形態では、トルク伝達シス
テム650は、第1のシャフト及び第2のシャフト、ならびに、回転制御アッセンブリを
含むことが可能である。1つの実施形態では、第1のシャフトは、ウォーム・シャフト6
53であり、第2のシャフトは、リール・シャフト654であり、回転制御アッセンブリ
は、ウォーム・ドライブ639の形態になっている。より具体的には、これらの構成部品
は、インクリメンタルに締め付けること(スプール巻き取り)、インクリメンタルに緩め
ること(スプール巻き出し)、及び、完全なテンション解放(完全なテンション解放の間
に、トルクは、第4のギヤ637から第1のリール部材640及び第2のリール部材64
1へ実質的に移送されない)を可能にする様式で動作する。
【0059】
また、いくつかの実施形態は、固定軸受を含むことが可能であり、固定軸受は、リール
・シャフト654の端部に関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、リール・シャフ
ト654の端部部分は、内側ハウジング部分416の凹部の中に受け入れられ得る。いく
つかの実施形態では、リール・シャフト654の両方の端部が、内側ハウジング部分41
6の中に受け入れられ得る。たとえば、図7に示されているように、第1の端部部分65
5は、第1の凹部667の中に配設され得、第2の端部部分666は、第2の凹部668
の中に配設され得る。
【0060】
いくつかのケースでは、異なる利点は、トルク伝達システム650の中の異なる場所に
リール部材663を位置決めすることから結果として生じる。図14を参照すると、1つ
の実施形態では、第1のリール部材640及び第2のリール部材641は、リール・シャ
フト654の反対側端部に位置決めされて同心円状に装着され得る。換言すれば、第1の
リール部材640は、リール・シャフト654の第1の端部部分655に同心円状に装着
され得、第2のリール部材641は、第2の端部部分666に同心円状に装着され得る。
【0061】
いくつかの他の実施形態では、リール・シャフト654の反対側端部にリール部材66
3を位置決めすることは、よりロバストな能力をギヤ減速システム628に提供し、ソー
ル構造体104に働かされるテンション及び圧力の量の増加に耐えることが可能である。
いくつかのケースでは、この方式でリール部材663を位置決めすることは、動作の間に
、アッパー102の全体にわたって、レース152に関するテンションの量をさらに変化
させることが可能である。
【0062】
図13において見られるように、リール・シャフト654の第1の端部部分655は、
ハウジング・ユニット412に取り付けられ得る。さらに、第1のシャフト距離755は
、トルク伝達システム650とハウジング・ユニット412の内側ハウジング部分416
との間に配設され得る。第1のシャフト距離755が比較的に短いので、リール・シャフ
ト654の第1の端部部分655をハウジング・ユニット412の中へ固定することは、
より大きい構造的能力を電動式テンショニング・デバイス160に提供する。同様に、第
2のシャフト距離757は、第2の端部部分666に関連付けられ得る。リール・シャフ
トがトルク伝達システムとハウジング・ユニットとの間で比較的に長いシャフト距離を有
する実施形態とは対照的に、第1のシャフト距離755のより短い長さは、増加した構造
的完全性を電動式テンション・デバイス160に提供する。この増加した構造的完全性は
、より小さい構成部品がハウジング・ユニット412の中に設置されて使用されることを
可能にする。さらに、いくつかの実施形態では、トルク伝達システム650に対して、第
1のシャフト距離755及び第2のシャフト距離757のより短い長さは、より大きいト
ルクが動作の間に適用されることを可能にする。
【0063】
いくつかの実施形態では、電動式テンショニング・デバイス160は、1つ又は複数の
フィードバック信号に従ってモータ・アッセンブリ620の動作を調節するための設備を
含むことが可能である。いくつかの実施形態では、たとえば、電動式テンショニング・デ
バイス160は、リミット・スイッチ・アッセンブリを含むことが可能である。一般的に
、リミット・スイッチ・アッセンブリは、システムの一部分を横切る電流を検出し、検出
された電流に従ってモータ・アッセンブリ620の動作を変化させることが可能である。
【0064】
参照の目的のために、以下の詳細な説明は、軸線の周りの1つ又は複数の構成部品の回
転方向を説明する際に、「第1の回転方向」及び「第2の回転方向」という用語を使用す
る。便宜上の目的のために、第1の回転方向及び第2の回転方向は、リール・シャフト6
54の長手方向軸線181の周りの回転方向を表しており、一般的に、反対の回転方向で
ある。第1の回転方向は、リール・シャフト654の第2の端部部分666の視点から構
成部品を見たときに、長手方向軸線181の周りの構成部品の時計回りの回転を表すこと
が可能である。次いで、第2の回転方向は、同じ視点から構成部品を見たときに、長手方
向軸線181の周りの構成部品の反時計回りの回転によって特徴付けされ得る。
【0065】
ここで、電動式テンショニング・デバイス160の動作の概要が説明される。図7、図
13、及び図14を参照すると、インクリメンタルに締め付けるモードにおいて、モータ
・アッセンブリ620は、クランクシャフト622を回転させるために動作し始めること
が可能である。クランクシャフト622は、第1のギヤ減速アッセンブリ630の入力ギ
ヤ(ここでは、第1のギヤ634)を回すことが可能であり、第1のギヤ減速アッセンブ
リ630の出力ギヤ(ここでは、第2のギヤ635)が、第3のギヤ636を駆動するよ
うになっている。したがって、第2のギヤ635及び第3のギヤ636が両方とも回転し
、それは、第4のギヤ637を第1の回転方向750に駆動する。第4のギヤ637が回
転するときに、第4のギヤ637は、トルク伝達システム650に係合して駆動すること
が可能であり、第1のリール部材640及び第2のリール部材641が、第1の回転方向
750に回転し始めることができるようになっている。これは、第1のリール部材640
の第1の受け入れ部分642、及び、第2のリール部材641の第2の受け入れ部分64
4の上に、レース152が巻き付くことを引き起こすことが可能である。
【0066】
そのうえ、インクリメンタルに緩めるモードにおいて、モータ・アッセンブリ620は
、クランクシャフト622を回転させるように動作することが可能である。緩めるモード
では、モータ・アッセンブリ620及びクランクシャフト622は、締め付けることに関
連付けられる方向の反対側方向に回る。次いで、第2のギヤ減速アッセンブリ632の第
4のギヤ637が第2の回転方向752に回転するように、ギヤ減速システム628が駆
動される。インクリメンタルに締め付けるモードとは対照的に、インクリメンタルに緩め
るモードでは、第4のギヤ637は、トルク伝達システム650、第1のリール部材64
0、及び第2のリール部材641の一部分を直接的に駆動しない。その代わりに、第2の
回転方向752への第4のギヤ637の運動は、トルク伝達システム650が第1のリー
ル部材640及び第2のリール部材641を瞬間的に解放することを引き起こし、第1の
リール部材640及び第2のリール部材641が所定の量だけ巻き出すことを可能にし、
その後に、トルク伝達システムは、第1のリール部材640及び第2のリール部材641
に再係合し、さらなる巻き出しを防止する。第1のリール部材640及び第2のリール部
材641を解放すること及びキャッチすることのこのシーケンスは、第4のギヤ637が
第2の回転方向752に回転する限り、何度も繰り返して起こる。
【0067】
最後に、開けるモード又は完全に緩めるモードにおいて、トルク伝達システムは、トル
クがトルク伝達システム650の任意の構成部品から第1のリール部材640及び第2の
リール部材641に実質的に伝達されないように動作する。このモードの間に、第1のリ
ール部材640及び第2のリール部材641は、リール・シャフト654の周りで、巻き
出し方向又は第2の回転方向752に、より容易に回転することが可能である。
【0068】
異なる実施形態では、第3のギヤ636及び第4のギヤ637を参照すると、トルクは
、ウォーム・シャフト653とリール・シャフト654との間で伝達され得る。第3のギ
ヤ636は、内部にネジ山の付いたキャビティーを含むことが可能であり、内部にネジ山
の付いたキャビティーは、ウォーム・シャフト653の上のネジ切り部に係合することが
可能である。第4のギヤ637は、内部にネジ山の付いたキャビティーを含むことが可能
であり、内部にネジ山の付いたキャビティーは、リール・シャフト654の上のネジ切り
部に係合することが可能である。第3のギヤ636及び/又は第4のギヤ637を1つの
アッセンブリの一部として特徴付けることは、それが異なるアッセンブリに関連付けられ
ることを妨げないということが理解されるべきである。
【0069】
以前に述べられたように、電動式テンショニング・デバイス160は、ソール構造体又
は制御ボタンにかかる圧力によって活性化させられ得る。活性化すると、モータ・アッセ
ンブリ620は、ギヤ減速システム628を作動させることが可能である。そして、それ
は、ウォーム・シャフト653及び付着された第3のギヤ636が横方向軸線191に関
して回転することを結果として生じさせることとなる。第3のギヤ636は、第4のギヤ
637と噛み合わせられており、集合的にウォーム・ドライブ639と称されており、第
3のギヤ636を回転させることは、次いで、第4のギヤ637を駆動することとなり、
そして、第4のギヤ637は、リール・シャフト654を回転させる。第1のリール部材
640及び第2のリール部材642がリール・シャフト654に同心円状に装着されてい
るので、リール・シャフト654の回転は、第1のリール部材640及び第2のリール部
材641を回転させ、それに応答して、リール部材663の上にレース152を巻き取る
。リール部材663の上のレース152の巻き取りは、上記に説明されているように、レ
ース152の引き込みレート195に関連付けられ得る。1つの実施形態では、動作の間
に、レース152を伴う第1のリール部材640は、第1の引き込みレート295を有す
ることが可能であるが、一方、レース152を伴う第2のリール部材641は、第1の引
き込みレートとは異なる第2の引き込みレート296を有することが可能である。異なる
引き込みレートは、それに限定されないが、物品100の全体を通るレース152のルー
ティング、リール部材663の異なる直径サイズ、及び、ギヤ減速システム628のギヤ
・サイズを含む、さまざまな要因によって影響を与えられ得る。以前に述べられているよ
うに、著しい速度の低減が、第3のギヤ636、第4のギヤ637、及びリール部材66
3の相対的な直径サイズに起因して起こる。この速度の低減は、モータ・アッセンブリ6
20のモータ速度に関連して、レース152の巻き取り又は巻き出しのより良好な制御を
可能にする。
【0070】
動作の間に、ウォーム・ドライブ639は、セルフ・ロッキング・メカニズムとも称さ
れる、単一方向の又は一方向の伝達の特徴を有している。この詳細な説明及び特許請求の
範囲の中で使用されているように、一方向の伝達は、回転が第3のギヤ636から第4の
ギヤ637へのみ伝達され得るという特徴を表している。さらに、回転は、第4のギヤ6
37から第3のギヤ636へ伝達されることができない。換言すれば、第3のギヤ636
は、第4のギヤ637を駆動することだけが可能であり、その逆は可能ではない。この配
置によって、レース152は、容易に緩められ(巻き出される)ことができず、所望の量
のテンションにおいて維持することとなる。
【0071】
本明細書で示されているウォーム・ドライブ639は、単に、トルクをリール部材に伝
達するために使用され得る一方向トルク伝達メカニズムの例示であることが意図されてい
る。他の実施形態は、ウォーム状のメカニズムに限定されず、他の一方向メカニズムを含
むことが可能である。使用され得る他の一方向メカニズムの例は、それに限定されないが
、ローラ軸受、スプラグ式クラッチ、ラチェット式のホイール及び爪、ならびに、他のメ
カニズムを含む。
【0072】
図7及び図8を参照すると、異なる実施形態では、ウォーム・シャフト653は、第1
の端部領域673及び第2の端部領域675を含むことが可能である。いくつかの実施形
態では、第1の端部領域673は、ネジ切り部を含むことが可能である。いくつかのケー
スでは、ネジ切り部は、第3のギヤ636の内部にネジ山の付いたキャビティーに係合す
ることが可能であり、内部にネジ山の付いたキャビティーは、リール・シャフト654に
沿った第4のギヤ637の相対的な軸線方向の移動を促進させることが可能である。また
、ウォーム・シャフト653は、第2の端部領域675を含むことが可能であり、第2の
端部領域675は、いくつかの実施形態では、第2のギヤ635に関連付けられ得る。い
くつかの実施形態では、ウォーム・シャフト653の中間領域626が、第1の端部領域
673と第2の端部領域675との間に配設され得る。1つの実施形態では、中間領域6
26は、第2のギヤ635と第3のギヤ636との間に延在することが可能である。
【0073】
したがって、ウォーム・シャフト653及びリール・シャフト654のさまざまな部分
が、トルク伝達システム650の構成部品を受け入れるように構成され得る。そのうえ、
リール・シャフト654は、リール・シャフト654の第1の端部部分655において、
第1のリール部材640及び第2のリール部材641を受け入れるように構成され得、リ
ール部材663がリール・シャフト654と同軸になるようになっている。いくつかの実
施形態では、リール・シャフト654の第2の端部部分666は、回転制御アッセンブリ
又はウォーム・ドライブ639に関連付けられ得る。いくつかの他の実施形態では、リー
ル・シャフト654は、リール・シャフト654の反対側端部において、第1のリール部
材640及び第2のリール部材641を受け入れるように構成され得、リール部材663
がリール・シャフト654と同軸になるようになっている。いくつかの実施形態では、リ
ール・シャフト654の中央部分677は、回転制御アッセンブリ又はウォーム・ドライ
ブ639に関連付けられ得る。
【0074】
他の実施形態では、代替的な方法が、シャフト及びリール部材を連結するために使用さ
れ得る。例は、他の種類の物理的なインターロッキング・フィーチャを含み、又は、摩擦
増加フィーチャを含む。1つの例として、軸線方向の柔軟な摩擦カップリングが、ウェー
ブ・ワッシャー又はBellevilleワッシャーを使用して実現され得る。
【0075】
異なる実施形態では、電動式テンショニング・デバイス160の場所は、ある実施形態
から別の実施形態へ変化することが可能である。図示されている実施形態は、ミッドフッ
ト領域103に沿ってソール構造体の上に配設されている電動式テンショニング・デバイ
スを示している。しかし、他の実施形態は、ソール構造体のフォアフット領域101及び
ミッドフット領域103を含む、フットウェアの物品の任意の他の場所に、電動式テンシ
ョニング・デバイスを組み込むことが可能である。さらなる他の実施形態では、電動式テ
ンショニング・デバイスは、物品のアッパーの中に、又は、物品のアッパーに沿って配設
され得る。電動式テンショニング・デバイスの場所は、それに限定されないが、サイズの
制約、製造の制約、審美的な好み、最適なレーシング設置、取り外しやすさ、及び、場合
によっては他の要因を含む、さまざまな要因に従って選択され得る。
【0076】
いくつかの実施形態は、物品の取り外し可能な構成部品の中に電動式テンショニング・
デバイスを組み込むための設備を含むことが可能である。1つの実施形態では、電動式テ
ンショニング・デバイスは、外部ソール構造体ケーシング又はラッピングの中へ組み込ま
れ得、それは、物品に電動式テンショニング・デバイスを装着するためのハーネスとして
機能することが可能である。レース・テンショニング・デバイスとともに使用するように
構成されているヒール・カウンターの例が、2012年5月25日に出願された「制御デ
バイスのための保護部材を備えたフットウェアの物品(Article of Foot
wear with Protective Member for a Contro
l Device)」という標題のゲーバー(Gerber)による米国特許第_号(こ
こで、米国特許出願第13/481,132号)に開示されており、その全体は、本明細
書に援用されている。
【0077】
実施形態は、電動式テンショニング・デバイス160に給電及び制御するように構成さ
れたバッテリー及び/又は制御ユニットを含むことが可能である。図7及び図8は、バッ
テリー691、バッテリー・アッセンブリ720、及び制御ユニット693の実施形態の
概略図を図示している。示されている実施形態では、電動式テンショニング・デバイス1
60、バッテリー691、バッテリー・アッセンブリ720、及び制御ユニット693は
、すべてハウジング・ユニット412の中に配設されており、ハウジング・ユニット41
2は、これらの構成部品を受け入れて保護するように機能することが可能である。しかし
、他の実施形態では、これらの構成部品のいずれかは、アッパー及び/又はソール構造体
を含む、物品の任意の他の部分の中に配設され得る。
【0078】
バッテリー691は、単に、電動式締め付けデバイス160に給電するために使用され
得る1つ又は複数のタイプのバッテリー技術の概略代表図として意図されている。使用さ
れ得る1つの可能性のあるバッテリー技術は、リチウム・ポリマー・バッテリーである。
バッテリー(又は、複数のバッテリー)は、平坦な、円筒形状の、又はコイン形状として
パッケージ化された、再充電可能な又は交換可能なユニットであることが可能である。そ
れに加えて、バッテリーは、単一のセルであるか、又は、直列もしくは並列の複数のセル
であることが可能である。
【0079】
再充電可能なバッテリーは、適切な場所で再充電され得、又は、再充電のために物品か
ら取り外され得る。いくつかの実施形態では、充電回路が、ボードの中及び上に構築され
得る。他の実施形態では、充電回路は、リモート・チャージャの中に位置付けされ得る。
別の実施形態では、電磁誘導充電が、1つ又は複数のバッテリーを充電するために使用さ
れ得る。たとえば、充電アンテナが、物品のソール構造体の中に配設され得、次いで、物
品が、充電マットの上に設置され、バッテリーを再充電することが可能である。
【0080】
追加的な設備が、バッテリー・パワーを最大化するために、及び/又は、そうでなけれ
ば使用を改善するために、組み込まれ得る。また、たとえば、バッテリーは、スーパ・キ
ャパシターと組み合わせて使用され、ピーク電流要件に対応することが可能であるという
ことが企図される。他の実施形態では、エネルギー・ハーベスティング技法が組み込まれ
得、それは、ランナーの体重及び一つ一つの踏み込みを利用して、バッテリーを充電する
ためのパワーを発生させる。
【0081】
制御ユニット693は、単に、モータ・テンショニング・デバイス160とともに使用
され得る1つ又は複数の制御技術の概略図として意図されている。たとえば、速度及び方
向の制御を可能にするために用いられ得るモータ制御に対するさまざまなアプローチが存
在している。いくつかの実施形態に関して、マイクロコントローラ・ユニットが使用され
得る。マイクロコントローラは、内部割込みにより発生させられるタイミング・パルスを
使用し、パルス幅変調(PWM)出力を生成させることが可能である。このPWM出力は
、Hブリッジに送られ、Hブリッジは、高電流PWMパルスが速度制御によって時計回り
及び反時計回りの両方にモータを駆動することを可能にする。しかし、当技術分野で公知
のモータ制御の任意の他の方法も使用され得る。
【0082】
上記に説明されているようなテンショニング・システムは、フットウェアの物品に限定
されず、たとえば、アパレルとともに使用され得る。1つの特定の例として、テンショニ
ング・システムは、ショルダー・パッドを調節するために使用され得、ショルダー・パッ
ドは、アメリカン・フットボールをするユーザによって着用され、アメリカン・フットボ
ールでは、ショルダー・パッドは一般的である。しかし、他の実施形態は、たとえば、ホ
ッケー、ラクロス、及び、ショルダー・パッドを必要とする任意の他のスポーツ又はアク
ティビティーを含む、任意の他のスポーツにおいてプレイヤーによって着用されるように
構成されている任意の他の種類の衣類とともに、この調節可能なショルダー・パッド構成
を使用することが可能である。そのうえ、ここで議論されている原理は、それに限定され
ないが、エルボ・パッド、ニー・パッド、すねパッド、手及び腕に関連付けられるパディ
ング、足及び脚に関連付けられるパディング、胴体に関連付けられるパディング、頭部に
関連付けられるパディング、ならびに、当技術分野で公知の任意の他の種類のパディング
を含む、任意の種類のパディングを調節するために使用され得るということが理解される
べきである。
【0083】
さらなる他の実施形態では、電動式テンショニング・デバイスを含むテンショニング・
システムは、それに限定されないが、バックパック、ハット、グローブ、シャツ、パンツ
、ソックス、スカーフ、ジャケット、及び、他の物品を含む、任意の他の種類のアパレル
及び/又はスポーツ機器とともに使用され得る。物品の他の例は、それに限定されないが
:すねガード、ニー・パッド、エルボ・パッド、ショルダー・パッド、及び、任意の他の
タイプの保護機器を含む。追加的に、いくつかの実施形態では、フレキシブル製造システ
ムが、バッグ、ダッフル・バッグ、パース、バックパック、旅行カバン、さまざまな種類
のスポーツウェア及び/又はスポーツ機器とともに使用され得る。
【0084】
さまざまな実施形態が説明されてきたが、説明は、限定するというよりもむしろ、例示
的であるということが意図されており、本実施形態の範囲の中にある、より多くの実施形
態及び実装形態が可能であるということが当業者に明らかになることとなる。特徴の多く
の可能な組み合わせが、添付の図に示されており、この詳細な説明の中で議論されている
が、開示されている特徴の多くの他の組み合わせが可能である。任意の実施形態の任意の
特徴は、具体的に制限されていなければ、任意の他の実施形態の中の任意の他の特徴又は
要素と組み合わせて使用され得、又は、それと代替され得る。したがって、本開示におい
て示され、及び/又は議論されている特徴のいずれかは、任意の適切な組み合わせで一緒
に実装され得るということが理解されることとなる。したがって、添付されている特許請
求の範囲及びその均等物の観点を除いて、実施形態は、制限されるべきではない。また、
さまざまな修正及び変化が、添付されている特許請求の範囲の中で行われ得る。
【0085】
疑義を避けるために記すと、本開示は、以下の付番された段落又は「項」の主題に拡張
する。
項1.
アッパーと、
アッパーに取り付けられているソール構造体であって、ソール構造体は、ミッドフット
領域を有している、ソール構造体と、
ミッドフット領域に固定して取り付けられている電動式テンショニング・デバイスと、
からなるフットウェアの物品であって、
電動式テンショニング・デバイスは、ギヤ減速システムによってシャフト部材に連結さ
れているモータ・アッセンブリを含み、
ギヤ減速システムは、第2のギヤ部材と噛み合わせられた第1のギヤ部材を含み、
モータ・アッセンブリは、電動式テンショニング・デバイスが活性化させられるときに
、ギヤ減速システムを作動させ、
電動式テンショニング・デバイスが活性化させられるときに、ギヤ減速システムは、第
1のギヤが第2のギヤに第1の回転方向に運動を移送することを可能にし、
ギヤ減速システムは、第2のギヤが第1のギヤに運動を移送することを防止する、フッ
トウェアの物品。
【0086】
項2.
第1のギヤ部材及び第2のギヤ部材は、ウォーム・ドライブを含む、項1に記載のフッ
トウェアの物品。
【0087】
項3.
シャフト部材は、第1の端部部分、中央部分、及び第2の端部部分を有しており、第1
のリール部材は、第1の端部部分に同心円状に装着されており、第2のリール部材は、第
2の端部部分に同心円状に装着されており、第1のギヤ及び第2のギヤは、中央部分に位
置決めされている、項1又は2に記載のフットウェアの物品。
【0088】
項4.
電動式テンショニング・デバイスは、第1のリール部材に固定されている第1のレース
部材と、第2のリール部材に固定されている第2のレース部材とを含む、項3に記載のフ
ットウェアの物品。
【0089】
項5.
シャフト部材がモータ・アッセンブリによって回転させられるときに、第1のレース部
材は、第1のリール部材の上に巻き取られ、第2のレース部材は、第2のリール部材の上
に巻き取られる、項4に記載のフットウェアの物品。
【0090】
項6.
記第1のリール部材は、第1の直径を有しており、第2のリール部材は、第2の直径を
有しており、
第1の直径は、第2の直径とは異なっている、項5に記載のフットウェアの物品。
【0091】
項7.
電動式テンショニング・デバイスは、ハウジング・ユニット、バッテリー、及び制御ユ
ニットを含み、
モータ・アッセンブリは、長手方向軸線に沿って、ハウジング・ユニットの中に、バッ
テリーと制御ユニットとの間に配設されている、項1乃至6のいずれか一項に記載のフッ
トウェアの物品。
【0092】
項8.
アッパーと、
アッパーに取り付けられているソール構造体であって、ソール構造体は、ミッドフット
領域を有している、ソール構造体と、
ミッドフット領域に固定して取り付けられている電動式テンショニング・デバイスと、
からなるフットウェアの物品であって、
電動式テンショニング・デバイスは、第1のリール部材と、第1のリール部材に取り付
けられている第1のレース部材とを含み、電動式テンショニング・デバイスは、第2のリ
ール部材と、第2のリール部材に取り付けられている第2のレース部材とを含み、
第1のレース部材及び第2のレース部材は、第1のリール部材及び第2のリール部材か
ら、アッパーの内側及び外側に配設されている側壁部分を通してルーティングされており
、第1のレース部材及び第2のレース部材の一部分が、アッパーのタンの上に、平行な構
成で配置されており、
電動式テンショニング・デバイスは、ソール構造体に印加される圧力によって活性化さ
せられ、
第1のレース部材の第1の部分は、アッパーの第1の領域を通って延在しており、アッ
パーの第1の領域は、電動式テンショニング・デバイスが活性化させられるときに調節さ
れ、
第2のレース部材の第2の部分は、アッパーの第2の領域を通って延在しており、アッ
パーの第2の領域は、電動式テンショニング・デバイスが活性化させられるときに調節さ
れ、
第1の領域は、第2の領域とは異なっている、フットウェアの物品。
【0093】
項9.
電動式テンショニング・デバイスは、ギヤ減速システムを含み、ギヤ減速システムは、
第2のギヤ部材と噛み合わせられた第1のギヤ部材を含む、項8に記載のフットウェアの
物品。
【0094】
項10.
電動式テンショニング・デバイスは、シャフト部材を含み、シャフト部材は、第1の端
部部分、中央部分、及び第2の端部部分を有しており、第1のリール部材は、第1の端部
部分に同心円状に装着されており、第2のリール部材は、第2の端部部分に同心円状に装
着されており、第1のギヤ及び第2のギヤは、中央部分に位置決めされている、項9に記
載のフットウェアの物品。
【0095】
項11.
電動式テンショニング・デバイスは、ハウジング・ユニットを含み、シャフト部材の第
1の端部部分は、ハウジング・ユニットに取り付けられている、項10に記載のフットウ
ェアの物品。
【0096】
項12.
第1のレース部材は、第1の内側内部チャネル、第1の外側内部チャネル、第2の外側
内部チャネル、及び、第2の内側内部チャネルを通してさらにルーティングされ、
第1の内側内部チャネル及び第2の内側内部チャネルは、互いに隣接しており、
第1の外側内部チャネル及び第2の外側内部チャネルは、互いに隣接している、項8に
記載のフットウェアの物品。
【0097】
項13.
第1のレース部材は、第1の内側内部チャネル、第1の外側内部チャネル、第3の外側
内部チャネル、及び、第3の内側内部チャネルを通してさらにルーティングされており、
第2の内側内部チャネルは、第1の内側内部チャネルと第3の内側内部チャネルとの間
に配設されており、
第2の外側内部チャネルは、第1の外側内部チャネルと第3の外側内部チャネルとの間
に配設されている、項8乃至12のいずれか一項に記載のフットウェアの物品。
【0098】
項14.
アッパーと、
アッパーに取り付けられているソール構造体であって、ソール構造体は、ミッドフット
領域を有している、ソール構造体と、
ミッドフット領域に固定して取り付けられている電動式テンショニング・デバイスと、
からなるフットウェアの物品であって、
電動式テンショニング・デバイスは、第1のレース部材及び第2のレース部材を含み、
第1のレース部材は、第1のテンショニング部分及び第2のテンショニング部分を含み

第2のレース部材は、第3のテンショニング部分及び第4のテンショニング部分を含み

第1のテンショニング部分及び第2のテンショニング部分は、第1の量のテンションに
関連付けられており、
第3のテンショニング部分及び第4のテンショニング部分は、第2の量のテンションに
関連付けられており、
第1の量のテンションは、第2の量のテンションとは異なっている、フットウェアの物
品。
【0099】
項15.
第1のギヤ部材及び第2のギヤ部材は、ウォーム・ドライブを含む、項14に記載のフ
ットウェアの物品。
【0100】
項16.
電動式テンショニング・デバイスは、シャフト部材を含み、シャフト部材は、第1の端
部部分、中央部分、及び第2の端部部分を有しており、第1のリール部材は、第1の端部
部分に同心円状に装着されており、第2のリール部材は、第2の端部部分に同心円状に装
着されており、第1のギヤ及び第2のギヤは、中央部分に位置決めされている、項15に
記載のフットウェアの物品。
【0101】
項17.
第1のレース部材及び第2のレース部材は、第1のリール部材及び第2のリール部材か
ら、アッパーの内側及び外側の上に配設されている側壁部分を通してルーティングされて
おり、第1のレース部材及び第2のレース部材の一部分が、アッパーのタンの上に、平行
な構成で配置されるようになっている、項16に記載のフットウェアの物品。
【0102】
項18.
第1のレース部材は、第1の内側内部チャネル、第1の外側内部チャネル、第2の外側
内部チャネル、及び、第2の内側内部チャネルを通してさらにルーティングされ、
第1の内側内部チャネル及び第2の内側内部チャネルは、隣接しており、
第1の外側内部チャネル及び第2の外側内部チャネルは、隣接している、項17に記載
のフットウェアの物品。
【0103】
項19.
第1のレース部材は、第1の内側内部チャネル、第1の外側内部チャネル、第3の外側
内部チャネル、及び、第3の内側内部チャネルを通してさらにルーティングされており、
第2の内側内部チャネルは、第1の内側内部チャネルと第3の内側内部チャネルとの間
に配設されており、
第2の外側内部チャネルは、第1の外側内部チャネルと第3の外側内部チャネルとの間
に配設されている、項17に記載のフットウェアの物品。
【0104】
項20.
電動式テンショニング・デバイスは、モータ・アッセンブリ、ハウジング・ユニット、
バッテリー、及び制御ユニットを含み、
モータ・アッセンブリは、ハウジング・ユニットの中に、バッテリーと制御ユニットと
の間に配設されている、項14乃至19のいずれか一項に記載のフットウェアの物品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15