(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240404BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023088377
(22)【出願日】2023-05-30
【審査請求日】2023-08-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】茂木 信二
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 綱太
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-159900(JP,A)
【文献】特開2023-181713(JP,A)
【文献】国際公開第2021/261188(WO,A1)
【文献】特開2022-6502(JP,A)
【文献】特開2020-144876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間上の施設である仮想施設に対応する仮想空間上のエリアに第1ユーザのアバターである第1アバターを表示させない設定である非表示設定の要求を受け付けることにより、前記第1アバターの非表示設定を行う設定部と、
前記設定部が前記非表示設定を行っていない場合に前記第1アバターと前記第1ユーザと異なる第2ユーザのアバターである第2アバターとが前記エリアに存在するとき、前記第2ユーザの端末に前記エリアを表示させるとともに前記エリアに前記第1アバターを表示させ、前記設定部が前記非表示設定を行った場合に前記第1アバターと前記第2アバターとが前記エリアに存在するとき、前記第2ユーザの端末に前記エリアを表示させるとともに前記エリアに前記第1アバターを表示させないように制御する仮想空間制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記仮想空間制御部は、前記設定部が前記非表示設定を行った場合に、前記第1アバターと、前記仮想施設の関係者である前記第2ユーザの前記第2アバターとが前記エリアに存在するとき、前記第2ユーザの端末に前記エリアを表示させるとともに前記エリアに前記第1アバターを表示させないように制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記仮想空間制御部は、前記第1アバターと、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザとは異なる、前記仮想施設の関係者ではない第3ユーザのアバターである第3アバターとが前記エリアに存在するとき、前記設定部が前記非表示設定を行ったか否かに関わらず、前記第3ユーザの端末に前記エリアを表示させるとともに前記エリアに前記第1アバターを表示させる、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定部は、前記仮想空間を提供する仮想空間提供者又は前記仮想空間を管理する仮想空間管理者から、前記アバターの非表示に関連する設定である関連設定の要求を受け付けることにより、前記関連設定を行い、
前記仮想空間制御部は、前記関連設定に基づいて、前記第1アバターを非表示とする動作を制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記関連設定として、前記アバターの非表示期間を設定し、
前記仮想空間制御部は、前記設定部が前記非表示設定を行った場合に前記第1アバターと前記第2アバターとが前記エリアに存在するとき、前記第2ユーザの端末に前記エリアを表示させるとともに、前記設定部が設定した前記非表示期間にわたって前記エリアに前記第1アバターを表示させないように制御する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記設定部は、前記関連設定として、前記エリアに含まれる部分エリアにおいて前記第1アバターの前記非表示設定の適用の可否を受け付けることにより、前記部分エリアにおける前記非表示設定の適用の可否を設定し、
前記仮想空間制御部は、前記設定部が前記非表示設定を行った場合に、前記第2アバターが前記エリアに存在し、かつ、前記第1アバターが前記エリアに含まれる部分エリアに存在するとき、当該部分エリアに設定されている前記非表示設定の適用の可否に基づいて、前記第2ユーザの端末に前記第1アバターを表示させるか否かを制御する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記設定部は、前記仮想空間を提供する仮想空間提供者又は前記仮想空間を管理する仮想空間管理者から、前記アバターを非表示にする設定が可能なユーザの属性の条件である設定可能条件を受け付けることにより前記設定可能条件を設定し、前記ユーザの属性が前記設定可能条件を満たす場合に、前記ユーザのアバターを非表示にする設定を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記設定部は、前記非表示設定が行われている場合における前記第1ユーザに対して制限される行動である制限行動を設定し、
前記設定部が前記非表示設定を行った場合に、前記設定部により設定された制限行動を前記第1ユーザが行うことを制限する行動制御部をさらに有する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記仮想空間制御部は、前記設定部が前記非表示設定を行った場合に前記第1アバターと前記第2アバターとが前記エリアに存在するとき、前記第2ユーザの端末に前記第1アバターのユーザを匿名にした状態で、前記第1アバターが存在することを示す情報を表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記設定部により前記非表示設定が行われているか否かに関わらず、前記エリアにおける前記第1ユーザの行動履歴を示す行動履歴情報を記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記仮想空間を管理する仮想空間管理者に前記行動履歴情報を通知する通知部と、
をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記仮想空間制御部は、前記設定部が前記非表示設定を行った場合に前記第1アバターと、前記第2アバター又は前記エリアにおける障害物とが前記エリアに存在するとき、前記第1アバターと、前記第2アバター又は前記障害物とが干渉しないように制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する、
仮想空間上の施設である仮想施設に対応する仮想空間上のエリアに第1ユーザのアバターである第1アバターを表示させない設定である非表示設定の要求を受け付けることにより、前記第1アバターの非表示設定を行うステップと、
前記第1アバターの前記非表示設定を行っていない場合に前記第1アバターと前記第1ユーザと異なる第2ユーザのアバターである第2アバターとが前記エリアに存在するとき、前記第2ユーザの端末に前記エリアを表示させるとともに前記エリアに前記第1アバターを表示させ、前記第1アバターの前記非表示設定を行った場合に前記第1アバターと前記第2アバターとが前記エリアに存在するとき、前記第2ユーザの端末に前記エリアを表示させるとともに前記エリアに前記第1アバターを表示させないように制御するステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗や商品、店員等の3Dモデリングデータを含む仮想モールを生成し、仮想モールにおいてユーザが自身に対応するアバターを操作することによりショッピングを可能とするシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシステムでは、仮想店舗に来店したユーザのアバターに対し、仮想店舗に対応する店舗のアバターが接客を行うことができる。これに対し、仮想店舗に来店しようとするユーザの中には店員に声を掛けられることに抵抗を感じ、来店をためらうユーザが存在する。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、仮想店舗に対するユーザの来店が抑制されないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、仮想空間上の施設である仮想施設に対応する仮想空間上のエリアに第1ユーザのアバターである第1アバターを表示させない設定である非表示設定の要求を受け付けることにより、前記第1アバターの非表示設定を行う設定部と、前記設定部が前記非表示設定を行っていない場合に前記第1アバターと前記第1ユーザと異なる第2ユーザのアバターである第2アバターとが前記エリアに存在するとき、前記第2ユーザの端末に前記エリアを表示させるとともに前記エリアに前記第1アバターを表示させ、前記設定部が前記非表示設定を行った場合に前記第1アバターと前記第2アバターとが前記エリアに存在するとき、前記第2ユーザの端末に前記エリアを表示させるとともに前記エリアに前記第1アバターを表示させないように制御する仮想空間制御部と、を有する。
【0007】
前記仮想空間制御部は、前記設定部が前記非表示設定を行った場合に、前記第1アバターと、前記仮想施設の関係者である前記第2ユーザの前記第2アバターとが前記エリアに存在するとき、前記第2ユーザの端末に前記エリアを表示させるとともに前記エリアに前記第1アバターを表示させないように制御してもよい。
【0008】
前記仮想空間制御部は、前記第1アバターと、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザとは異なる、前記仮想施設の関係者ではない第3ユーザのアバターである第3アバターとが前記エリアに存在するとき、前記設定部が前記非表示設定を行ったか否かに関わらず、前記第3ユーザの端末に前記エリアを表示させるとともに前記エリアに前記第1アバターを表示させてもよい。
【0009】
前記設定部は、前記仮想空間を提供する仮想空間提供者又は前記仮想空間を管理する仮想空間管理者から、前記アバターの非表示に関連する設定である関連設定の要求を受け付けることにより、前記関連設定を行い、前記仮想空間制御部は、前記関連設定に基づいて、前記第1アバターを非表示とする動作を制御してもよい。
【0010】
前記設定部は、前記関連設定として、前記アバターの非表示期間を設定し、前記仮想空間制御部は、前記設定部が前記非表示設定を行った場合に前記第1アバターと前記第2アバターとが前記エリアに存在するとき、前記第2ユーザの端末に前記エリアを表示させるとともに、前記設定部が設定した前記非表示期間にわたって前記エリアに前記第1アバターを表示させないように制御してもよい。
【0011】
前記設定部は、前記関連設定として、前記エリアに含まれる部分エリアにおいて前記第1アバターの前記非表示設定の適用の可否を受け付けることにより、前記部分エリアにおける前記非表示設定の適用の可否を設定し、前記仮想空間制御部は、前記設定部が前記非表示設定を行った場合に、前記第2アバターが前記エリアに存在し、かつ、前記第1アバターが前記エリアに含まれる部分エリアに存在するとき、当該部分エリアに設定されている前記非表示設定の適用の可否に基づいて、前記第2ユーザの端末に前記第1アバターを表示させるか否かを制御してもよい。
【0012】
前記設定部は、前記仮想空間を提供する仮想空間提供者又は前記仮想空間を管理する仮想空間管理者から、前記アバターを非表示にする設定が可能なユーザの属性の条件である設定可能条件を受け付けることにより前記設定可能条件を設定し、前記ユーザの属性が前記設定可能条件を満たす場合に、前記ユーザのアバターを非表示にする設定を行ってもよい。
【0013】
前記設定部は、前記非表示設定が行われている場合における前記第1ユーザに対して制限される行動である制限行動を設定し、前記情報処理装置は、前記設定部が前記非表示設定を行った場合に、前記設定部により設定された制限行動を前記第1ユーザが行うことを制限する行動制御部をさらに有してもよい。
【0014】
前記仮想空間制御部は、前記設定部が前記非表示設定を行った場合に前記第1アバターと前記第2アバターとが前記エリアに存在するとき、前記第2ユーザの端末に前記第1アバターのユーザを匿名にした状態で、前記第1アバターが存在することを示す情報を表示してもよい。
【0015】
前記情報処理装置は、前記設定部により前記非表示設定が行われているか否かに関わらず、前記エリアにおける前記第1ユーザの行動履歴を示す行動履歴情報を記憶部に記憶させる記憶制御部と、前記仮想空間を管理する仮想空間管理者に前記行動履歴情報を通知する通知部と、をさらに有してもよい。
【0016】
前記仮想空間制御部は、前記設定部が前記非表示設定を行った場合に前記第1アバターと、前記第2アバター又は前記エリアにおける障害物とが前記エリアに存在するとき、前記第1アバターと、前記第2アバター又は前記障害物とが干渉しないように制御してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、仮想空間上の施設である仮想施設に対応する仮想空間上のエリアに第1ユーザのアバターである第1アバターを表示させない設定である非表示設定の要求を受け付けることにより、前記第1アバターの非表示設定を行うステップと、前記第1アバターの前記非表示設定を行っていない場合に前記第1アバターと前記第1ユーザと異なる第2ユーザのアバターである第2アバターとが前記エリアに存在するとき、前記第2ユーザの端末に前記エリアを表示させるとともに前記エリアに前記第1アバターを表示させ、前記第1アバターの前記非表示設定を行った場合に前記第1アバターと前記第2アバターとが前記エリアに存在するとき、前記第2ユーザの端末に前記エリアを表示させるとともに前記エリアに前記第1アバターを表示させないように制御するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、仮想店舗に対するユーザの来店が抑制されないようにすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図7】ユーザ端末に仮想空間が表示された例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[情報処理装置1の概要]
図1は、情報処理装置1の概要を説明する図である。情報処理装置1は、ユーザが使用するユーザ端末2を含む端末に、実空間に存在する施設である実空間施設に対応する仮想空間上の施設である仮想施設のエリアであって、ユーザに対応するアバターを配置したエリアを表示させ、実空間施設が提供するサービスを仮想空間上においても提供するためのコンピュータである。
【0021】
実空間施設は、例えばアパレルショップ等の店舗であり、実空間施設が提供するサービスは、例えば商品の販売サービスである。また、仮想施設のエリアは、例えば実空間施設の内部空間を模したエリアである。アバターは、仮想空間上において、ユーザを表す人物等の三次元モデルである。なお、実空間施設は、店舗に限らず、役所等の公共施設やイベント施設等であってもよい。以下、実空間施設は実際に存在する実店舗であり、仮想空間施設は当該実店舗に対応する仮想店舗であるものとして説明を進める。
【0022】
まず、情報処理装置1は、仮想店舗のエリアを表示させる前に、仮想空間上のエリアにユーザのアバターを表示させないことを所望するユーザから、当該エリアに当該アバターを表示させる設定又は当該アバターを非表示にする設定の設定要求を受けつける(
図1における(1))。情報処理装置1は、アバターを非表示にする設定要求を受けつけると、非表示設定を行う。
【0023】
その後、情報処理装置1は、仮想店舗のエリアを表示させるにあたり、まず、複数の仮想店舗のいずれかの選択を受け付けるための選択受付画面をユーザ端末2に表示させ、ユーザ端末2から、複数の仮想店舗のいずれかの選択を受け付ける(
図1における(2))。
【0024】
情報処理装置1は、ユーザ端末2から、ユーザを識別するためのユーザ識別情報としてのユーザID(Identification)と、選択受付画面において選択された仮想店舗に対応する店舗を識別するための施設識別情報としての店舗IDとを取得する(
図1における(3))。
【0025】
情報処理装置1は、ユーザIDと、店舗IDとを取得すると、当該店舗IDが示す仮想店舗に対応する仮想空間上のエリアをユーザ端末2に表示させるとともに、取得したユーザIDに対応するアバターをユーザ端末2に表示させる(
図1における(4))。
【0026】
また、情報処理装置1は、ユーザ端末2のユーザのアバターに対して非表示設定を行っていない場合、当該アバターを当該仮想空間上のエリアを表示している店舗端末3に表示させる(
図1における(5-1))。この場合、ユーザ端末2のユーザは、ユーザ端末2を操作することにより、仮想店舗の店員、すなわち仮想店舗に対応する実店舗の店員とコミュニケーションを取り商品に関する相談を行ったりして、商品を購入することができる。
【0027】
一方、情報処理装置1は、ユーザ端末2のユーザのアバターに対して非表示設定を行っている場合に、当該アバターを当該仮想空間上のエリアを表示している店舗端末3に表示させないように制御する(
図1における(5-2))。このようにすることで、ユーザ端末2のユーザは、自身が店員に声を掛けられたくない場合に、自身のアバターの非表示設定を行い店舗端末3に自身のアバターを表示させず、店員に声を掛けられない状態で、店舗内のエリアに設けられている商品アバター等を閲覧することができる。このようにすることで、情報処理装置1は、仮想店舗に対する、店員に声を掛けられることに抵抗を感じるユーザの来店が抑制されないようにすることができる。
【0028】
続いて、情報処理装置1の機能構成について説明する。なお、以下の説明において、ユーザ端末2のユーザを第1ユーザという。また、店舗端末3のユーザ、すなわち、仮想施設の関係者であるユーザを第2ユーザという。また、第1ユーザと異なるユーザであって、仮想施設の関係者ではないユーザを第3ユーザという。
【0029】
[情報処理装置1の機能構成]
図2は、情報処理装置1の機能構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0030】
通信部11は、ユーザ端末2や店舗端末3とデータを送受信するための通信インターフェースである。
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、制御部13を、設定部131、受付部132、仮想空間制御部133、行動制御部134、購入処理部135、記憶制御部136、及び通知部137として機能させるプログラムを記憶する。
【0031】
記憶部12は、ユーザのユーザIDと、当該ユーザの種別と、当該ユーザのアバターとを関連付けて記憶する。ユーザの種別は、ユーザが仮想店舗の店員等の仮想店舗の関係者であるか、仮想店舗の利用客であるかを示す情報である。
【0032】
また、記憶部12は、ユーザのユーザIDと、ユーザのアバターを仮想店舗に対応する仮想空間上のエリアに表示させるか否かを示す非表示フラグとを関連付けた非表示設定情報を記憶する。
図3は、非表示設定情報の一例を示す図である。
図3に示すように、非表示フラグとして、「0」又は「1」が設定される。ユーザのアバターを仮想店舗に対応する仮想空間上のエリアに表示させる場合には、非表示フラグの値が「0」に設定される。またユーザのアバターを仮想店舗に対応する仮想空間上のエリアに表示させない場合には、非表示フラグの値が「1」に設定されるものとする。また、非表示フラグの値の初期値は「0」であるものとする。
【0033】
また、記憶部12は、複数の仮想店舗それぞれを識別する店舗IDと、仮想店舗名と、仮想店舗に対応する実店舗に関する情報としての実店舗関連情報と、仮想空間に対応する仮想空間IDとを関連付けて店舗情報として記憶する。また、記憶部12は、仮想店舗の仮想空間に対応する仮想空間IDと、当該仮想空間を示す仮想店舗モデルとを関連付けて記憶する。
【0034】
図4は、店舗情報の一例を示す図である。
図4に示すように、店舗情報において、店舗IDと、仮想店舗名と、実店舗関連情報と、仮想空間IDとが関連付けて記憶されていることが確認できる。実店舗関連情報は、例えば、実店舗が所在する場所に関する情報、実店舗の業種、実店舗が販売する商品又はサービスに対応する情報である。実店舗が所在する場所に関する情報は、例えば、実店舗が所在する国や地域を示す情報、及び、実店舗が所在する商店街やモール、モール内のエリア等の商業施設を示す情報である。実店舗が販売する商品又はサービスに対応する情報は、例えば、実店舗が販売する商品等のカテゴリである。
図4に示す例では、実店舗関連情報として、実店舗が所在するエリアと、実店舗が販売する商品等のカテゴリとが含まれていることが確認できる。
【0035】
仮想空間モデルは、例えば、仮想店舗に対応する実店舗の三次元スキャンを行うことにより生成される、実店舗と同じ空間構成を有する三次元空間情報である。なお、本実施の形態では、全ての仮想店舗が実店舗を有していることとしたが、これに限らず、実店舗を有していない仮想店舗が存在してもよい。この場合、実店舗を有していない仮想店舗の店舗IDには実店舗関連情報が関連付けられていなくてもよい。
【0036】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、設定部131、受付部132、仮想空間制御部133、行動制御部134、購入処理部135、記憶制御部136、及び通知部137として機能する。
【0037】
[アバターの表示・非表示の設定]
まず、ユーザのアバターの表示・非表示の設定に係る処理について説明する。設定部131は、仮想空間を提供する仮想空間提供者又は仮想空間を管理する仮想空間管理者から、アバターの非表示に関連する設定である関連設定の要求を受け付けることにより、関連設定を行う。
【0038】
例えば、設定部131は、仮想空間を提供する仮想空間提供者又は仮想空間を管理する仮想空間管理者が使用する管理端末(不図示)から、関連設定を行うための関連設定画面の表示要求を取得する。設定部131は、関連設定画面の表示要求を取得したことに応じて関連設定画面をユーザ端末2に表示させる。設定部131は、関連設定画面を介して、管理端末から、関連設定の要求を受け付けることにより、関連設定を行う。
【0039】
図5は、関連設定画面の一例を示す図である。
図5に示すように、仮想空間提供者又は仮想空間管理者は、関連設定画面を介して、アバターの非表示期間の設定と、アバターの非表示設定を可能なユーザの属性の設定と、アバターを非表示にするエリアの設定とを行うことができる。
【0040】
例えば、仮想空間提供者又は仮想空間管理者が、
図5に示される非表示設定が行われたアバターの非表示期間を設定するための入力フィールドFに非表示期間を入力し、当該入力欄の横に表示されている設定ボタンB1を押下すると、管理端末は、非表示設定が行われたアバターの非表示期間の設定要求を情報処理装置1に送信する。設定部131は、非表示期間の設定要求を受け付けることにより、関連設定としてのアバターの非表示期間を設定する。例えば、設定部131は、アバターの非表示期間を示す非表示期間情報を記憶部12に記憶させることにより、アバターの非表示期間を設定する。
【0041】
また、仮想空間提供者又は仮想空間管理者が、
図5に示されるアバターを非表示に設定可能なユーザの属性の設定を行うための設定ボタンB2を押下すると、別ウィンドウが表示される。仮想空間提供者又は仮想空間管理者は、別ウィンドウにおいて、アバターを非表示にする設定が可能なユーザの属性の条件である設定可能条件を指定することができる。
【0042】
ユーザの属性の条件は、例えば、ユーザの年齢が所定範囲に含まれること、ユーザの所定期間における所定の決済手段(例えば、電子マネー決済やクレジットカード決済)を用いた決済額が所定金額以上であることである。管理端末は、設定可能条件が指定されると、指定された設定可能条件を情報処理装置1に送信する。設定部131は、設定可能条件を受け付けることにより、設定可能条件を設定する。例えば、設定部131は、設定可能条件を示す設定可能条件情報を記憶部12に記憶させることにより、設定可能条件を設定する。
【0043】
また、仮想空間提供者又は仮想空間管理者が、
図5に示されるアバターを非表示にするエリアの設定を行うための設定ボタンB3を押下すると、仮想店舗を選択するための別ウィンドウが表示され、仮想店舗が選択されると、当該仮想店舗に対応する仮想空間のエリアの間取り図を含み、当該エリアに含まれる部分エリアにおいて第1アバターの非表示に関する設定を適用するか否かを設定するための非表示エリア設定画面を表示させる。非表示エリア設定画面では、例えば、間取り図が示すエリアの一部の範囲を部分エリアとして選択することが可能である。
【0044】
設定部131は、非表示エリア設定画面を介して、関連設定として、仮想店舗に対応する仮想空間のエリアに含まれる部分エリアにおいて第1アバターの非表示設定を適用するか否かを受け付けることにより、部分エリアにおける当該非表示設定の適用の可否を設定する。例えば、設定部131は、仮想店舗に対応する店舗IDと、選択された部分エリアを示す情報と、適用可否を示す適用可否情報とを関連付けて部分エリア情報として記憶部12に記憶させる。
【0045】
また、仮想空間提供者又は仮想空間管理者が、
図5に示されるアバターが非表示に設定されている場合の行動制限に関する設定を行うための設定ボタンB4を押下すると、管理端末に別ウィンドウが表示される。仮想空間提供者又は仮想空間管理者は、別ウィンドウにおいて、アバターが非表示に設定されている場合に制限する行動を指定することができる。設定部131は、管理端末から、非表示設定が行われている場合におけるユーザの、仮想店舗に対応する仮想空間のエリアにおいてユーザに対して制限される行動である制限行動を受け付けることにより、当該制限行動を設定する。例えば、設定部131は、制限行動を示す制限行動情報を記憶部12に記憶させる。非表示設定が行われている場合に制限される行動は、例えば、仮想空間のエリアにおいて商品を購入するために選択する行動(商品をカートに入れる行動)や、当該エリアに存在する他のアバターに対してチャットを行う行動である。
【0046】
また、設定部131は、ユーザ端末2から、仮想空間上の施設である仮想店舗に対応する仮想空間上のエリアに、ユーザ端末2のユーザである第1ユーザのアバターである第1アバターを表示させない設定である非表示設定の要求を受け付けることにより、第1アバターの非表示設定を行う。設定部131は、第1ユーザの属性が記憶部12に記憶されている設定可能条件情報が示す設定可能条件を満たす場合に、ユーザのアバターを非表示にする設定を行う。
【0047】
例えば、設定部131は、ユーザ端末2からアバターの表示設定を行うための設定画面の表示要求を取得する。設定画面の表示要求には、ユーザIDが含まれている。設定部131は、設定画面の表示要求に含まれているユーザIDに関連付けられている第1ユーザの属性を特定する。そして、設定部131は、特定した第1ユーザの属性が、記憶部12に記憶されている設定可能条件情報が示す設定可能条件を満たすことを条件として、設定画面をユーザ端末2に表示させる。
【0048】
設定部131は、設定画面を介して、ユーザ端末2から第1アバターを表示させない非表示設定の要求、又は第1アバターを表示させる表示設定の要求を受け付ける。非表示設定の要求及び表示設定の要求には、ユーザ端末2のユーザ、すなわち第1ユーザのユーザIDが含まれている。
【0049】
設定部131は、非表示設定の要求を受け付けると、記憶部12に記憶されている設定情報を参照し、非表示設定の要求に含まれているユーザIDに関連付けられている非表示フラグの値を「1」に設定する。また、設定部131は、表示設定の要求を受け付けると、記憶部12に記憶されている設定情報を参照し、表示設定の要求に含まれているユーザIDに関連付けられている非表示フラグの値を「0」に設定する。
【0050】
[仮想店舗の選択の受付]
続いて、仮想店舗の選択の受付に係る処理について説明する。受付部132は、複数の仮想店舗を示す仮想店舗情報をユーザが使用するユーザ端末2に表示させ、複数の仮想店舗のいずれかの選択を受け付ける。仮想店舗は、上述したように、実空間に存在する店舗である実店舗に対応する仮想空間上の店舗である。
【0051】
例えば、受付部132は、ユーザ端末2から選択受付画面の表示要求を受け付けると、複数の仮想店舗それぞれを示すオブジェクトを、複数の実店舗が所在する場所に関する情報に基づいて配置した選択受付画面を仮想店舗情報としてユーザ端末2に表示させる。具体的には、まず、受付部132は、ユーザ端末2から選択受付画面の表示要求を受け付ける。受付部132は、表示要求を受け付けると、記憶部12に記憶されている店舗情報を参照し、実店舗関連情報に含まれる実店舗が所在するエリアごとに仮想店舗名を配置した選択受付画面を生成し、生成した選択受付画面を仮想店舗情報としてユーザ端末2に表示させる。
図6は、選択受付画面の一例を示す図である。選択受付画面には、エリアごとに仮想店舗名が表示されているとともに、「絞り込み」と表示され、エリアを絞り込むためのボタンが表示されていることが確認できる。
【0052】
受付部132は、選択受付画面における仮想店舗の絞り込み情報として、仮想店舗の名称、仮想店舗に対応するカテゴリ、仮想店舗に対応する実店舗の場所のうち、少なくともいずれかを受け付けることにより仮想店舗の絞り込みを行い、絞り込まれた仮想店舗を示す情報を選択受付画面に表示させる。
【0053】
なお、選択受付画面は、実店舗関連情報に含まれる実店舗が所在するエリアごとに仮想店舗名を配置したものであることとしたが、これに限らない。選択受付画面は、複数の実店舗が販売する商品又はサービスに対応する情報に基づいて配置した画面等の、複数の仮想店舗を複数の実店舗に関する情報に基づいて分類して表示した画面であってもよい。
【0054】
[仮想空間の表示]
続いて、仮想空間の表示に係る処理について説明する。仮想空間制御部133は、受付部132が選択を受け付けた仮想店舗に対応する仮想空間上のエリアであって、仮想店舗に対応する実店舗の内部空間を示すエリアをユーザ端末2に表示させるとともに、受付部132が取得したユーザIDに対応する第1アバターを当該エリアに表示させる。
【0055】
まず、受付部132は、ユーザ端末2において仮想店舗の選択を受け付けたことに応じて、ユーザ端末2から、仮想店舗を識別する店舗IDと、ユーザ端末2のユーザである第1ユーザのユーザIDとを取得する。
【0056】
仮想空間制御部133は、受付部132が仮想店舗の店舗IDと、ユーザ端末2のユーザIDとを取得すると、記憶部12に記憶されている店舗情報を参照し、店舗IDに関連付けられている仮想空間IDを特定する。
【0057】
記憶部12には、仮想空間IDに対して、当該仮想空間IDに関連付けられている仮想空間にアバターとして存在している他のユーザ、すなわち、現時点において仮想空間を表示させている端末のユーザのユーザIDと、当該ユーザIDに対応するアバターの当該仮想空間内における位置及び向きとが関連付けて記憶されている。他のユーザには、仮想店舗に対応する実店舗の店員等の仮想店舗の関係者である第2ユーザと、仮想店舗の関係者ではないユーザ、すなわち仮想店舗に来店したユーザである第3ユーザとが含まれる。以下の説明において、第2ユーザのアバターを第2アバターともいう。また、第3ユーザのアバターを第3アバターともいう。
【0058】
仮想空間制御部133は、特定した仮想空間IDに関連付けられている他のユーザのユーザIDを特定し、特定したユーザIDに対応するアバターの仮想空間内の位置及び向きを特定する。そして、仮想空間制御部133は、特定した仮想空間IDに関連付けられている仮想空間モデルが示す仮想空間に対し、特定したアバターの位置及び向きに基づいて当該アバターを配置する。また、仮想空間制御部133は、受付部132が取得した第1ユーザのユーザIDに対応する第1アバターを当該エリアの所定位置に所定の向きで配置する。所定位置は、例えば、仮想空間に対して予め定められた仮想空間の入口に対応する位置であり、所定の向きは、例えば、当該入口に対応する位置から仮想空間の中心を視認する向きである。
【0059】
仮想空間制御部133は、第1アバターに対応する位置(例えば、当該第1アバターの頭部後方の上部)に仮想カメラを設置し、当該仮想カメラから当該第1アバターが向いている方向を撮像して得られる仮想空間内のエリアを示す画像をユーザ端末2に表示させる。
図7は、ユーザ端末2に仮想空間が表示された例を示す図である。
図7に示すように、仮想店舗に対応するエリア内に第1アバターAが表示されていることが確認できる。ここで、仮想空間制御部133は、設定部131が第1アバターの非表示設定を行っておらず、第1アバターを第2ユーザが視認可能である場合には、
図7(a)に示すように、第1アバターを透過させずに表示させる。他方、仮想空間制御部133は、設定部131が第1アバターの非表示設定を行っており、第1アバターを第2ユーザが視認できない場合には、
図7(b)に示すように、第1アバターを透過させて表示させる。このようにすることで、第1ユーザは、第1アバターが第2アバターに対して非表示になっているか否かを認識させることができる。
【0060】
仮想空間制御部133は、ユーザ端末2から第1アバターの移動操作を受け付けることにより、当該第1アバターと、当該第1アバターに対応する仮想カメラを移動させ、仮想カメラが撮像した仮想空間内のエリアを示す画像をユーザ端末2に表示させる。これにより、情報処理装置1は、第1ユーザによる第1アバターの移動操作に応じて、ユーザ端末2に表示させる仮想空間内のエリアの表示領域を変化させることができる。
【0061】
また、仮想空間制御部133は、設定部131が第1アバターの非表示設定を行っていない場合に第1アバターと第2アバターとが、特定した仮想空間IDに対応する仮想空間内のエリアに存在するとき、第2ユーザの端末である店舗端末3にエリアを表示させるとともにエリアに第1アバターを表示させる。また、仮想空間制御部133は、設定部131が第1アバターの非表示設定を行った場合に第1アバターと第2アバターとが、特定した仮想空間IDに対応する仮想空間内のエリアに存在するとき、店舗端末3にエリアを表示させるとともに当該エリアに第1アバターを表示させないように制御する。
【0062】
具体的には、仮想空間制御部133は、設定部131が第1アバターの非表示設定を行った場合に、第2アバターが特定した仮想空間IDに対応する仮想空間内のエリアに存在し、かつ、第1アバターが当該エリアに含まれる部分エリアに存在するとき、当該部分エリアに設定されている非表示設定の適用の可否に基づいて、店舗端末3に第1アバターを表示させるか否かを制御する。
【0063】
より具体的には、まず、仮想空間制御部133は、第2ユーザが使用する店舗端末3に対し、第2ユーザのアバターである第2アバターが存在する仮想空間内のエリアを示す画像を表示させる場合に、当該仮想空間内に、第2アバターを配置するとともに第2アバターとは異なる他のアバターを配置する。仮想空間制御部133は、記憶部12に記憶されている非表示設定情報を参照し、当該仮想空間の仮想空間IDに関連付けられているユーザIDのうち、非表示設定を行っているユーザのユーザIDと、非表示設定を行っていないユーザのユーザIDとを特定し、これらのユーザIDそれぞれに対応するアバターの仮想空間内の位置及び向きを特定する。
【0064】
そして、仮想空間制御部133は、非表示設定を行っていないユーザのアバターの位置及び向きに基づいて当該アバターを配置する。一方、仮想空間制御部133は、記憶部12に記憶されている部分エリア情報を参照し、非表示設定を行っているユーザ(例えば第1ユーザ)に対応するアバター(例えば第1アバター)の位置において非表示設定が適用されるか否かを判定する。仮想空間制御部133は、アバターの位置において非表示設定が適用されていないと判定した場合に当該アバターの位置及び向きに基づいて当該アバターを配置し、当該アバターの位置において非表示設定が適用されていると判定した場合に当該アバターを配置しないように制御する。
【0065】
そして、仮想空間制御部133は、店舗端末3を使用する第2ユーザの第2アバターに対応する位置(例えば、当該第2アバターの頭部後方の上部)に仮想カメラを設置し、当該仮想カメラから当該第2アバターが向いている方向を撮像して得られる仮想空間内のエリアを示す画像を店舗端末3に表示させる。
【0066】
これにより、情報処理装置1は、第1ユーザが第1アバターの非表示設定を行っている場合に、店舗端末3を使用する第2ユーザ(仮想店舗の店員)が、第1ユーザに対して接客を行うことができないようにすることができる。
【0067】
また、仮想空間制御部133は、記憶部12に記憶されている関連設定情報が示す関連設定に基づいて、第1アバターを非表示とする動作を制御する。具体的には、仮想空間制御部133は、設定部131が非表示設定を行った場合に第1アバターと第2アバターとがエリアに存在するとき、店舗端末3に当該エリアを表示させるとともに、設定部131が設定した非表示期間にわたって当該エリアに第1アバターを表示させないように制御する。
【0068】
例えば、仮想空間制御部133は、店舗端末3に表示される仮想空間のエリアに第1アバターを非表示にする制御を開始した時刻から、関連設定情報が示す非表示期間が経過するまでの間において、当該エリアにおける第1アバターの非表示を維持し、非表示期間が経過すると、店舗端末3に表示される仮想空間のエリアに第1アバターを表示させる。このようにすることで、情報処理装置1は、長期間にわたって第1ユーザが第1アバターを非表示にした状態で店舗に滞在することを防止することができる。
【0069】
なお、仮想空間制御部133は、設定部131が第1アバターの非表示設定を行った場合に第1アバターと第2アバターとがエリアに存在するとき、店舗端末3に第1アバターのユーザを匿名にした状態で、第1アバターが存在することを示す情報を表示するようにしてもよい。例えば、仮想空間制御部133は、店舗端末3に仮想空間のエリアを表示させるとともに、「匿名で入店しているユーザが一名います」といった、当該エリアに匿名のユーザが入店していることを示す情報を店舗端末3に表示させるようにしてもよい。このようにすることで、店舗端末3を使用する店員に、匿名ではあるものの第1ユーザが入店していることを通知することができる。
【0070】
また、仮想空間制御部133は、設定部131が第1アバターと、第2アバターとがエリアに存在するとき、第1アバターの非表示設定が行われているか否かに基づいて第1アバターと、第2アバターとが干渉するかしないかを制御してもよい。例えば、仮想空間制御部133は、設定部131が第1アバターの非表示設定を行っておらず、第2ユーザが使用する店舗端末3に第1アバターが表示される場合には、第1アバターと第2アバターとが同じ位置になることを禁止してアバターの移動制御を行う。また、この場合において、仮想空間制御部133は、第1アバターと第2アバターとが所定距離以内となった場合には、アバター同士が接触したことを示す効果音を互いの端末に出力させる。
【0071】
一方、仮想空間制御部133は、設定部131が第1アバターの非表示設定を行った場合に第1アバターと、第2アバターとがエリアに存在するとき、第1アバターと、第2アバターとが干渉しないように制御する。例えば、仮想空間制御部133は、設定部131が第1アバターの非表示設定を行っておらず、第2ユーザが使用する店舗端末3に第1アバターが表示される場合には、第1アバターと第2アバターとが同じ位置になることを許容してアバターの移動制御を行う。また、この場合において、仮想空間制御部133は、第1アバターと第2アバターとが所定距離以内となった場合に、アバター同士が接触したことを示す効果音を互いの端末に出力させないように制御する。情報処理装置1は、このように第2ユーザが把握できない第1アバターと第2アバターとが干渉しないようにすることで、第2ユーザに違和感を与えないようにすることができる。
【0072】
また、仮想空間制御部133は、第1アバターと、仮想施設の関係者ではない第3ユーザのアバターである第3アバターとが仮想店舗に対応するエリアに存在するとき、設定部131が非表示設定を行ったか否かに関わらず、第3ユーザが使用する端末(不図示)にエリアを表示させるとともにエリアに第1アバターを表示させる。
【0073】
具体的には、仮想空間制御部133は、第3ユーザの端末に対し、第3ユーザの第3アバターが存在する仮想空間内のエリアを示す画像を表示させる場合に、記憶部12に記憶されている非表示設定情報を参照せず、当該仮想空間の仮想空間IDに関連付けられているユーザIDを特定し、当該ユーザIDに対応するアバターの仮想空間内の位置及び向きを特定する。そして、仮想空間制御部133は、仮想空間に対し、特定したアバターの位置及び向きに基づいて当該アバターを配置する。これにより、仮想空間には、当該仮想空間に存在する全てのアバターが配置される。
【0074】
そして、仮想空間制御部133は、第3アバターに対応する位置(例えば、当該第3アバターの頭部後方の上部)に仮想カメラを設置し、当該仮想カメラから当該第3アバターが向いている方向を撮像して得られる仮想空間内のエリアを示す画像を、第3ユーザの端末に表示させる。
【0075】
[仮想空間の表示中のユーザの行動の制御]
続いて、仮想空間の表示中のユーザの行動の制御について説明する。行動制御部134は、仮想空間のエリアを表示中のユーザの行動を制御する。具体的には、行動制御部134は、設定部131が第1ユーザの第1アバターの非表示設定を行った場合に、記憶部12に記憶されている制限行動情報に基づいて、仮想空間のエリア内における第1ユーザの行動を制御する。例えば、行動制御部134は、第1アバターの非表示設定を行った場合に、商品をカートに入れる行動が制限されている場合、ユーザ端末2において商品をカードに入れる操作を受け付けるための操作ボタンを表示させないように制御する。
【0076】
[商品の購入に係る処理]
続いて、ユーザによる商品の購入に係る処理について説明する。購入処理部135は、ユーザ端末2のユーザから、仮想店舗の仮想空間内に設けられており、仮想店舗で販売されている商品アバターの選択を受け付ける。そして、購入処理部135は、当該商品の購入を受け付ける。購入処理部135は、商品の購入を受け付けると、ユーザから、商品の配送先に係る情報と、決済手段に係る情報を受け付け、受け付けた情報に基づいて商品の購入額の決済を行う。購入処理部135は、決済が完了すると、ユーザが購入した商品を示す情報と、配送先に係る情報とを、仮想店舗の店舗端末3に通知する。これにより、仮想店舗の店員は、商品の発送に係る処理を行うことができる。
【0077】
[仮想空間におけるユーザの行動履歴の管理]
続いて、仮想空間におけるユーザの行動履歴の管理について説明する。記憶制御部136は、仮想空間に対応する仮想店舗の店舗IDと、仮想空間におけるアバターを用いたユーザの行動を示す行動情報と、ユーザが行動を行った日時と、ユーザのユーザIDとを関連付けて行動履歴情報として記憶部12に記憶させる。アバターを用いたユーザの行動は、商品の閲覧行動、商品の購買行動、他のユーザとのチャット行動である。
【0078】
ここで、記憶制御部136は、設定部131により第1アバターの非表示設定が行われているか否かに関わらず、仮想空間内のエリアにおける第1ユーザの行動履歴を示す行動履歴情報を記憶部12に記憶させる。
【0079】
通知部137は、仮想空間を管理する仮想空間管理者や、仮想店舗の店員等に、記憶部12に記憶されている行動履歴情報を通知する。例えば、通知部137は、仮想空間管理者が使用する管理端末や、店舗端末3から、店舗IDを含む行動履歴情報の取得要求を取得したことに応じて、当該店舗IDに対応する行動履歴情報を通知する。
【0080】
なお、記憶制御部136は、記憶部12に行動履歴情報を記憶させる場合に、第1アバターの非表示設定が行われているか否かを示す非表示設定フラグを行動履歴情報に含めるようにしてもよい。このようにすることで、非表示設定を行ったユーザと、非表示設定を行っていないユーザとの行動履歴との違いを分析することができる。
【0081】
[変形例1]
上述の説明において、設定部131は、
図5に示す関連設定画面を介して、アバターの非表示期間、アバターを非表示にする設定が可能なユーザの属性の条件である設定可能条件、ユーザの制限行動を設定したが、これらの設定を複数の店舗それぞれに対して個別に設定できるようにしてもよい。
【0082】
この場合、設定部131は、アバターの非表示期間、アバターを非表示にする設定が可能なユーザの属性の条件である設定可能条件、又はユーザの制限行動の設定を受け付ける場合に、当該設定を適用する仮想店舗の店舗IDを受け付ける。このようにすることで、情報処理装置1は、仮想店舗それぞれで、アバターの非表示に関連する関連設定を柔軟に設定することができる。
【0083】
[変形例2]
また、設定部131は、非表示設定の要求を受け付ける場合に、第1アバターを非表示にする仮想店舗の選択を受け付けてもよい。そして、設定部131は、非表示設定の要求に含まれているユーザIDに関連付けられている非表示フラグの値を「1」に設定するとともに、当該ユーザID及び非表示フラグと、選択された仮想店舗の店舗IDとを関連付けて記憶させる。
【0084】
そして、仮想空間制御部133は、第1アバターの非表示設定の対象の仮想店舗、すなわち、非表示フラグ「1」に関連付けられている店舗IDに対応する仮想店舗に関連する第2ユーザが使用する店舗端末3に対し、第1アバターを表示させないようにする。このようにすることで、情報処理装置1は、第1アバターを非表示にすることをユーザが選択した仮想店舗に限定して第1アバターを非表示にすることができる。
【0085】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る情報処理装置1は、仮想空間上の施設である仮想施設に対応する仮想空間上のエリアに第1ユーザのアバターである第1アバターを表示させない設定である非表示設定の要求を受け付けることにより、第1アバターの非表示設定を行う。そして、情報処理装置1は、第1アバターの非表示設定を行っていない場合に第1アバターと第1ユーザと異なる第2ユーザのアバターである第2アバターとがエリアに存在するとき、第2ユーザの端末に当該エリアを表示させるとともに当該エリアに第1アバターを表示させ、第1アバターの非表示設定を行った場合に第1アバターと第2アバターとがエリアに存在するとき、第2ユーザの端末に当該エリアを表示させるとともに当該エリアに第1アバターを表示させないように制御する。このようにすることで、情報処理装置1は、仮想店舗に対するユーザの来店が抑制されないようにすることができる。
【0086】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0087】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0088】
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 設定部
132 受付部
133 仮想空間制御部
134 行動制御部
135 購入処理部
136 記憶制御部
137 通知部
2 ユーザ端末
3 店舗端末
【要約】
【課題】仮想店舗に対するユーザの来店が抑制されないようにする。
【解決手段】情報処理装置1は、仮想空間上の施設である仮想施設に対応する仮想空間上のエリアに第1ユーザのアバターである第1アバターを表示させない設定である非表示設定の要求を受け付けることにより、第1アバターの非表示設定を行う設定部131と、設定部131が非表示設定を行っていない場合に第1アバターと第1ユーザと異なる第2ユーザのアバターである第2アバターとがエリアに存在するとき、第2ユーザの端末に当該エリアを表示させるとともに当該エリアに第1アバターを表示させ、設定部131が非表示設定を行った場合に第1アバターと第2アバターとがエリアに存在するとき、第2ユーザの端末に当該エリアを表示させるとともに当該エリアに第1アバターを表示させないように制御する仮想空間制御部133と、を有する。
【選択図】
図2