(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】MEMSガスセンサー及びそのアレイ、ガス検知及び製造方法
(51)【国際特許分類】
G01N 27/12 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
G01N27/12 B
G01N27/12 M
(21)【出願番号】P 2023500115
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(86)【国際出願番号】 CN2020101406
(87)【国際公開番号】W WO2021189718
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-09-20
(31)【優先権主張番号】202010222341.9
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522372522
【氏名又は名称】ウィーナー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュー,レイ
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ドンチェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ドンリャン
【審査官】黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-153135(JP,A)
【文献】特開平02-138858(JP,A)
【文献】特開昭58-103654(JP,A)
【文献】国際公開第2011/115321(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0314700(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0097421(KR,A)
【文献】特開2017-090188(JP,A)
【文献】特開2015-200644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00-27/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小電気機械システム(MEMS)ガスセンサーであって、第1表面にキャビティーが開設される第1基板と、キャビティーの開口に設置されるガス検知アセンブリと、を備え、
前記ガス検知アセンブリは、前記キャビティーの開口の第1エッジと第2エッジに架設されるサポートブリッジ、及び前記サポートブリッジにおける前記キャビティーから離れる一側に設置されるガス検知部を含み、前記ガス検知部は順に積層設置されるストリップ加熱電極部、絶縁層、ストリップ検知電極部及びガス感応材料部を含み、前記ストリップ検知電極部は第1検知電極部及び第2検知電極部を含み、前記第1検知電極部と第2検知電極部との間に第1開口が設置され、前記ガス感応材料部は前記第1開口の位置に設置され、前記ガス感応材料部の第1端は前記第1検知電極部に接続され、前記ガス感応材料部の第2端は前記第2検知電極部に接続さ
れ、
前記MEMSガスセンサーは、前記第1基板に設置される加熱電極ピン、第1グランドピン、検知電極ピン及び第2グランドピンを更に備え、
前記加熱電極ピンは前記ストリップ加熱電極部の第1端に接続され、前記ストリップ加熱電極部の第2端は前記第1グランドピンに接続され、
前記第1検知電極部の第1端は前記ガス感応材料部の第1端に接続され、前記第1検知電極部の第2端は前記検知電極ピンに接続され、
前記第2検知電極部の第1端は前記ガス感応材料部の第2端に接続され、前記第2検知電極部の第2端は前記第2グランドピンに接続され、
前記キャビティーは複数含み、いずれか1つのキャビティーのキャビティー開口での複数のガス検知アセンブリはピンを共用し、又はいずれか複数のキャビティーのキャビティー開口での複数のガス検知アセンブリはピンを共用し、前記複数のガス検知アセンブリがピンを共用することは、
前記複数のガス検知アセンブリのストリップ加熱電極部が前記第1グランドピンを共用すること、
前記複数のガス検知アセンブリのストリップ検知電極部が前記第2グランドピンを共用すること、
前記複数のガス検知アセンブリのストリップ検知電極部が前記検知電極ピンを共用すること、のうちの1つ又は複数の方式を含む、微小電気機械システム(MEMS)ガスセンサー。
【請求項2】
前記キャビティーは
複数含み、
いずれか1つのキャビティーのキャビティー開口の異なる位置にはそれぞれガス検知アセンブリが設置され、又は、
いずれか複数のキャビティーのうちの各キャビティーのキャビティー開口の異なる位置にはそれぞれガス検知アセンブリが設置さ
れる、請求項
1に記載のMEMSガスセンサー。
【請求項3】
前記いずれか複数のキャビティーのキャビティー開口での複数のガス検知アセンブリがピンを共用することは、
前記いずれか複数のキャビティーのうちの第1キャビティーのキャビティー開口でのm個のガス検知アセンブリと、前記いずれか複数のキャビティーのうちの第2キャビティーのキャビティー開口でのn個のガス検知アセンブリとが第1グランドピンと第2グランドピンを共用し、mとnがいずれも正整数であることを含む、請求項
1に記載のMEMSガスセンサー。
【請求項4】
前記m個のガス検知アセンブリは第1検知電極ピンを共用し、前記n個のガス検知アセンブリは第2検知電極ピンを共用し、又は、
前記m個のガス検知アセンブリとn個のガス検知アセンブリは1つの検知電極ピンを共用する、請求項
3に記載のMEMSガスセンサー。
【請求項5】
前記MEMSガスセンサーは複数のガス検知アセンブリを備える場合、
複数のガス感応材料部に採用されるガス感応材料はいずれも異なり、又は、
少なくとも2つのガス感応材料部に採用されるガス感応材料は同じである、請求項
2に記載のMEMSガスセンサー。
【請求項6】
前記第1表面に第1キャビティーと第2キャビティーが開設され、各キャビティーの開口にそれぞれ複数のガス検知アセンブリが設置され、前記第1キャビティーと第2キャビティーとの間に層を分けて第1グランドピンと第2グランドピンが設置され、前記複数のガス検知アセンブリにおける複数の加熱電極部は前記第1グランドピンに接続され、前記複数のガス検知アセンブリにおける複数の第2検知電極部は前記第2グランドピンに接続される、請求項1に記載のMEMSガスセンサー。
【請求項7】
前記キャビティーは複数を含む場合、前記複数のキャビティーは、並列配列、直線に沿う配列、及び所定の幾何学的図形に従う配列のうちのいずれか1つ又は複数の方式で配列される、請求項
2に記載のMEMSガスセンサー。
【請求項8】
いずれか1つのキャビティーに複数のガス検知アセンブリが含まれる場合、前記複数のガス検知アセンブリは、並列配列、及び所定の幾何学的図形に従う配列のうちのいずれか1つ又は複数の方式で配列される、請求項
2に記載のMEMSガスセンサー。
【請求項9】
前記キャビティーは複数を含み、各キャビティーの開口に複数のガス検知アセンブリが含まれる場合、複数のキャビティーの複数のガス検知アセンブリはミラー対称に配列される、請求項
8に記載のMEMSガスセンサー。
【請求項10】
微小電気機械システム(MEMS)ガスセンサーのガス検知方法であって、前記MEMSガスセンサーは請求項1~
9のいずれか1項に記載のMEMSガスセンサーであり、前記方法は、
前記MEMSガスセンサーにおけるいずれか1つ又は複数のガス検知部を選択して、前記ガス検知部におけるストリップ加熱電極部に加熱電圧を印加し、前記ガス検知部における第1検知電極部と第2検知電極部との間の電圧値を取得することを含む、微小電気機械システム(MEMS)ガスセンサーのガス検知方法。
【請求項11】
複数のストリップ加熱電極部に加熱電圧を印加する場合、いずれか2つのストリップ加熱電極部の電圧が同じであり又は異なる、請求項
10に記載のガス検知方法。
【請求項12】
複数の請求項1~
9のいずれか1項に記載のMEMSガスセンサーを含む、微小電気機械システム(MEMS)ガスセンサーアレイ。
【請求項13】
微小電気機械システム(MEMS)ガスセンサーの製造方法であって、前記MEMSガスセンサーは請求項1~
9のいずれか1項に記載のMEMSガスセンサーであり、前記方法は、
第1基板を用意することと、
前記第1基板の第1表面に支持膜を形成することと、
前記支持膜にガス検知部を形成し、前記ガス検知部は順に積層設置されるストリップ加熱電極部、絶縁層、ストリップ検知電極部及びガス感応材料部を含み、前記ストリップ検知電極部は第1検知電極部及び第2検知電極部を含み、前記第1検知電極部と第2検知電極部との間に第1開口が設置され、前記ガス感応材料部は前記第1開口の位置に設置され、前記ガス感応材料部の第1端は前記第1検知電極部に接続され、前記ガス感応材料部の第2端は前記第2検知電極部に接続されることと、
前記支持膜を加工してサポートブリッジを取得し、前記第1基板の第1表面に1つ又は複数のキャビティーを形成し、前記サポートブリッジは前記キャビティーの開口の第1エッジと第2エッジに架設されることと、を含む微小電気機械システム(MEMS)ガスセンサーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2020年3月26日に中国特許庁に提出された、出願番号が202010222341.9であり、発明名称が「MEMSガスセンサー及びそのアレイ、ガス検知及び製造方法」である中国特許出願の優先権を要求し、その内容は引用の方式で本願に取り込まれるように理解されるべきである。
【0002】
本願はガス検知の技術分野に関するが、それに限らず、特にMEMSガスセンサー及びそのアレイ、ガス検知及び製造方法を指す。
【背景技術】
【0003】
匂いの識別はガスセンサーの重要な適用分野の1つである。金属酸化物半導体式ガスセンサーはその低消費電力、低コスト、高集積度、複数種のガスに対する良好な応答等の優れた特性により、匂い識別装置に幅広く適用される。MOS(Metal-Oxide Semiconductor、金属酸化物半導体)類MEMS(Micro-Electro-Mechanical System、微小電気機械システム)ガスセンサーは、主に閉鎖膜式と懸濁膜式に基づく研究が多く、前者は比較的高い機械強度を有し、後者は比較的速い熱応答速度を有する。しかし、上記タイプのガスセンサーには依然として消費電力が比較的高いという問題が存在する。
【発明の概要】
【0004】
以下は、本明細書に記載されるテーマに対する概要である。本概要は特許請求の範囲の保護範囲を限定するものではない。
【0005】
本開示の実施例はMEMSガスセンサー及びそのアレイ、ガス検知及び製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様で、本開示の実施例はMEMSガスセンサーを提供し、第1表面にキャビティーが開設される第1基板と、キャビティーの開口に設置されるガス検知アセンブリと、を備えてもよく、
前記ガス検知アセンブリは、前記キャビティーの開口の第1エッジと第2エッジに架設されるサポートブリッジ、及び前記サポートブリッジにおける前記キャビティーから離れる一側に設置されるガス検知部を含んでもよく、前記ガス検知部は順に積層設置されるストリップ加熱電極部、絶縁層、ストリップ検知電極部及びガス感応材料部を含み、前記ストリップ検知電極部は第1検知電極部及び第2検知電極部を含み、前記第1検知電極部と第2検知電極部との間に第1開口が設置され、前記ガス感応材料部は前記第1開口の位置に設置され、前記ガス感応材料部の第1端は前記第1検知電極部に接続され、前記ガス感応材料部の第2端は前記第2検知電極部に接続される。
【0007】
他の態様で、本開示の実施例はMEMSガスセンサーのガス検知方法を更に提供し、前記MEMSガスセンサーは上記のいずれか1つのMEMSガスセンサーであり、前記方法は、
前記MEMSガスセンサーにおけるいずれか1つ又は複数のガス検知部を選択して、前記ガス検知アセンブリにおけるストリップ加熱電極部に加熱電圧を印加し、前記ガス検知部における第1検知電極部と第2検知電極部との間の電圧値を取得することを含んでもよい。
【0008】
他の態様で、本開示の実施例は複数の上記のいずれか1つのMEMSガスセンサーを含んでもよいMEMSガスセンサーアレイを提供する。
【0009】
更なる態様で、本開示の実施例はMEMSガスセンサーの製造方法を提供し、前記MEMSガスセンサーは上記のMEMSガスセンサーであり、前記方法は、
第1基板を用意することと、
前記第1基板の第1表面に支持膜を形成することと、
前記支持膜にガス検知部を形成し、前記ガス検知部は順に積層設置されるストリップ加熱電極部、絶縁層、ストリップ検知電極部及びガス感応材料部を含み、前記ストリップ検知電極部は第1検知電極部及び第2検知電極部を含み、前記第1検知電極部と第2検知電極部との間に第1開口が設置され、前記ガス感応材料部は前記第1開口の位置に設置され、前記ガス感応材料部の第1端は前記第1検知電極部に接続され、前記ガス感応材料部の第2端は前記第2検知電極部に接続されることと、
前記支持膜を加工してサポートブリッジを取得し、前記第1基板の第1表面に1つ又は複数のキャビティーを形成し、前記サポートブリッジは前記キャビティーの開口の第1エッジと第2エッジに架設されることと、を含んでもよい。
【0010】
図面及び詳細の説明を読んで理解した後、他の方面を理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は本開示の1つの例示的な実施例におけるMEMSガスセンサーの構成構造断面図である。
【
図2】
図2は本開示の1つの例示的な実施例におけるMEMSガスセンサーの構成構造上面図である。
【
図3】
図3は本開示の例示的な実施例の第1基板に1つのキャビティーが設置され、1つのキャビティーの開口に複数のガス検知アセンブリが設置される模式図である。
【
図4】
図4は本開示の例示的な実施例の第1基板に複数のキャビティーが設置され、複数のキャビティーの開口に複数のガス検知アセンブリが設置される模式図である。
【
図5】
図5は本開示の例示的な実施例の第1基板に複数のキャビティーが設置され、各キャビティーの開口に1つのガス検知アセンブリが設置される模式図である。
【
図6a】
図6aは本開示の例示的な実施例のキャビティーの配列模式図である。
【
図6b】
図6bは本開示の例示的な実施例のキャビティーの配列模式図である。
【
図6c】
図6cは本開示の例示的な実施例のキャビティーの配列模式図である。
【
図6d】
図6dは本開示の例示的な実施例のキャビティーの配列模式図である。
【
図7a】
図7aは本開示の例示的な実施例のいずれか1つのキャビティーにおけるガス検知アセンブリ又はガス検知部の配列模式図である。
【
図7b】
図7bは本開示の例示的な実施例のいずれか1つのキャビティーにおけるガス検知アセンブリ又はガス検知部の配列模式図である。
【
図7c】
図7cは本開示の例示的な実施例のいずれか1つのキャビティーにおけるガス検知アセンブリ又はガス検知部の配列模式図である。
【
図8】
図8は本開示の例示的な実施例の第1キャビティーの複数のガス検知アセンブリと第2キャビティーの複数のガス検知アセンブリがピンを共用する模式図である。
【
図9】
図9は本開示の例示的な実施例の魚骨形のMEMSガスセンサーの構成構造模式図である。
【
図10】
図10は本開示の例示的な実施例の魚骨形のMEMSガスセンサーにおける魚骨構造の模式図である。
【
図11】
図11は本開示の例示的な実施例のガス感応材料層の模式図である。
【
図12】
図12は本開示の例示的な実施例のガス検知電極層の模式図である。
【
図13】
図13は本開示の例示的な実施例の隔離膜層の模式図である。
【
図14】
図14は本開示の例示的な実施例のヒーター層の模式図である。
【
図15】
図15は本開示の例示的な実施例のMEMSガスセンサーの電圧入出力の模式図である。
【
図16】
図16は本開示の例示的な実施例のMEMSガスセンサーの加熱回路の等価模式図である。
【
図17】
図17は本開示の例示的な実施例のMEMSガスセンサーのガス検知回路の第1等価模式図である。
【
図18】
図18は本開示の例示的な実施例のMEMSガスセンサーのガス検知回路の第2等価模式図である。
【
図19】
図19は本開示の例示的な実施例の支持膜層の模式図である。
【
図20】
図20は本開示の例示的な実施例の基板層の模式図である。
【
図21】
図21は本開示の例示的な実施例のMEMSガスセンサーのガス検知方法のフローチャートである。
【
図22】
図22は本開示の例示的な実施例のMEMSガスセンサーの製造方法のフローチャートである。
【
図23】
図23は本開示の例示的な実施例の支持膜においてガス検知部、加熱電極ピン、第1グランドピン、検知電極ピン及び第2グランドピンを製造する方法のフローチャートである。
【
図24】
図24は本開示の例示的な実施例のMEMSガスセンサーの各層を製造する方法のフローチャートである。
【
図25】
図25は本開示の例示的な実施例のMEMSガスセンサーアレイの構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本文は複数の実施例を説明するが、該説明は例示的なものであり、制限のためのものではない。特に制限しない限り、いかなる実施例のいかなる特徴又は要素は、いかなる他の実施例におけるいかなる他の特徴又は要素とを組合わせて使用でき、又はいかなる他の実施例におけるいかなる他の特徴又は要素を替えることができる。
【0013】
1つの例示的な実施例において、MEMSガスセンサーAを提供し、
図1、
図2に示すように、第1表面にキャビティーA1が開設される第1基板A2と、キャビティーの開口に設置されるガス検知アセンブリA3と、を備えてもよく、
前記ガス検知アセンブリA3は、前記キャビティーの開口の第1エッジA21と第2エッジA22に架設されるサポートブリッジA31、及び前記サポートブリッジA31における前記キャビティーから離れる一側に設置されるガス検知部A32を含んでもよく、前記ガス検知部A32は順に積層設置されるストリップ加熱電極部A321、絶縁層A322、ストリップ検知電極部A323及びガス感応材料部A324を含み、前記ストリップ検知電極部A323は第1検知電極部A323-1及び第2検知電極部A323-2を含み、前記第1検知電極部A323-1と第2検知電極部A323-2との間に第1開口A325が設置され、前記ガス感応材料部A324は前記第1開口A325の位置に設置され、前記ガス感応材料部A324の第1端は前記第1検知電極部A323-1に接続され、前記ガス感応材料部A324の第2端は前記第2検知電極部A323-2に接続される。
【0014】
1つの例示的な実施例において、キャビティーA1は1つ又は複数を含んでもよく、ガス検知アセンブリA3は1つ又は複数であってもよく、対応的に、各キャビティーA1に架設されるサポートブリッジA31は1つ又は複数を含んでもよい。本文はキャビティーA1、サポートブリッジA31の数量を制限しない。
【0015】
1つの例示的な実施例において、キャビティーA1は必ずしも第1基板A2の1つの表面に設置されるとは限らず、第1基板A2の複数の表面にキャビティーA1を設置し、対応的に異なる表面におけるキャビティーA1に1つ又は複数のガス検知アセンブリA3を設置するようにしてもよい。
【0016】
本開示の実施例に記載のMEMSガスセンサーは、MEMSプロセスにより製造され、単一プロセスセンサーの製造パッケージングを実現し、ガスセンサー大量製造過程は簡単化され、コストは大幅に低減され、効率は向上し、製造周期は短縮され、センサーの一致性と安定性の向上に役立つ。ストリップサポートブリッジ構造を採用して、センサーの有効領域をストリップサポートブリッジに製作することにより、蛇行巻き、らせん巻き、又は折返し巻きのヒーター構造及び櫛型電極構造を省略し、ガスセンサーの消費電力を大幅に低減し、熱応答速度を向上させることができる。キャビティーの2つのエッジにより上記サポートブリッジを支持することで、ガス検知アセンブリにおける加熱電極部が通電した後、特にガス感応材料を比較的高い温度に加熱する必要がある場合、依然として比較的良い支持性を確保できる。
【0017】
該実施例の方案により、サポートブリッジをガスセンサーの感知部位(即ち、ガス感応材料部)とすることで、熱質量が小さく、消費電力が低い。
【0018】
1つの例示的な実施例において、
図1と
図2を参照すると、前記MEMSガスセンサーAは、以下のようなピン接続方式を採用してもよい。即ち、前記MEMSガスセンサーAは、前記第1基板A2に設置される加熱電極ピンA4、第1グランドピンA5、検知電極ピンA6及び第2グランドピンA7を備え、
前記加熱電極ピンA4は前記ストリップ加熱電極部A321の第1端に接続され、前記ストリップ加熱電極部A321の第2端は前記第1グランドピンA5に接続され、それにより加熱回路を形成し、
前記第1検知電極部A323-1の第1端は前記ガス感応材料部A324の第1端に接続され、前記第1検知電極部A323-1の第2端は前記検知電極ピンA6に接続され、前記第2検知電極部A323-2の第1端は前記ガス感応材料部A324の第2端に接続され、前記第2検知電極部A323-2の第2端は前記第2グランドピンA7に接続され、それにより検知回路を形成する。
【0019】
1つの例示的な実施例において、前記キャビティーA1は1つ又は複数を含んでもよく、
いずれか1つのキャビティーA1のキャビティー開口の異なる位置にはそれぞれ複数のガス検知アセンブリA3が設置されてもよく、又は、
いずれか複数のキャビティーA1のうちの各キャビティーのキャビティー開口の異なる位置にはそれぞれガス検知アセンブリA3が設置されてもよく、又は、
いずれか複数のキャビティーA1のうちの各キャビティーのキャビティー開口には1つのガス検知アセンブリA3が設置されてもよく、又は、
いずれか1つのキャビティーA1のキャビティー開口には1つのガス検知アセンブリA3が設置されてもよい。
【0020】
例えば、1つの例示的な実施例において、該基板にはガス検知アセンブリが設置される1つのキャビティーが含まれてもよく、該1つのキャビティーには1つのみのガス検知アセンブリが設置されてもよく、又は該キャビティーの異なる位置に複数のガス検知アセンブリが設置されてもよい。他の例示的な実施例において、該基板にはガス検知アセンブリが設置される複数(2つ以上)のキャビティーが含まれてもよく、各キャビティーには1つのみのガス検知アセンブリが設置されてもよく、又は各キャビティーには複数のガス検知アセンブリが設置され、又は前記複数のキャビティーのうち、一部のキャビティーには1つのみのガス検知アセンブリが設置され、他の一部のキャビティーには複数のガス検知アセンブリが設置される。
【0021】
更に例えば、他の例示的な実施例において、該基板には複数のキャビティーが含まれてもよく、一部のキャビティーには1つ又は複数のガス検知アセンブリが設置されてもよく、他の一部のキャビティーにはガス検知アセンブリが設置されなくてもよい。
【0022】
他の例示的な実施例において、ガス検知アセンブリが複数のキャビティーに跨る場合は除外されない。例えば、複数のキャビティーA1の上方には1つのガス検知アセンブリA3が架設され、又は複数のキャビティーA1の上方には複数のガス検知アセンブリA3が架設される。ここで、各ガス検知アセンブリA3はいずれも複数のキャビティーA1の上方に架設される。
【0023】
図2は第1基板A2に1つのキャビティーA1が設置され、1つのキャビティーA1に1つのサポートブリッジA31が架設される例示的な実施例を示す。即ち、該例示的な実施例において、1つのキャビティーA1のキャビティー開口には1つのガス検知アセンブリA3が設置される。
【0024】
図3は第1基板A2に1つのキャビティーA1が設置され、1つのキャビティーA1に複数のサポートブリッジA31が架設される例示的な実施例を示す。即ち、該例示的な実施例において、1つのキャビティーA1には複数のガス検知アセンブリA3が設置される。
【0025】
図4は第1基板A2に複数のキャビティーA1が設置され、各キャビティーA1に複数のサポートブリッジA31が架設される例示的な実施例を示す。即ち、該例示的な実施例において、各キャビティーA1には複数のガス検知アセンブリA3が設置される。
図4は3つのキャビティーを例とするが、他の実施例において、2つのキャビティー又は3つ以上のキャビティーを設置してもよい。
【0026】
図5は第1基板A2に複数のキャビティーA1が設置され、各キャビティーA1に1つのサポートブリッジA31が架設される例示的な実施例を示す。即ち、該例示的な実施例において、各キャビティーA1には1つのガス検知アセンブリA3が設置される。
図5におけるキャビティー数は例に過ぎず、実際の数量は需要に応じて設定されてもよい。
【0027】
本開示の例示的な実施例において、キャビティーA1の開口形状は限らず、例えば正方形、矩形、円形、リング又は不規則な形状等であってもよい。
【0028】
本開示の例示的な実施例において、複数のキャビティーA1の間の配列方式は、並列配列、直線に沿う配列、及び所定の幾何学的図形に従う配列のうちのいずれか1つ又は複数の方式を含んでもよいが、それらに限らない(例えば、アレイに配列され、又は対称幾何学的図形に配列され、又は非対称幾何学的図形に配列されてもよい)。
図6a~6dに示すように、
図6aはキャビティーが並列配列される例であり、
図6bはキャビティーが直線に沿う配列される例であり、
図6cと
図6dは幾何学的図形に配列される例である。
図6a~6dはキャビティーが長方形であることを例示し、キャビティーの個数も例に過ぎない。他の実施例において、キャビティーの個数と形状はいずれも需要に応じて設定されてもよい。いずれか1つのキャビティーA1の開口での複数のサポートブリッジA31の配列方式は、キャビティーの配列形式によって複数種類の変化を有してもよい。例えば、並列配列、及び所定の図形に従う配列のうちのいずれか1つ又は複数の方式を含んでもよいが、それらに限らない(前記所定の幾何学的図形は対称のもの又は非対称のものであってもよい)。ストリップガス検知アセンブリの並列配列の例については
図3又は
図4を参照し、ストリップガス検知アセンブリの所定の図形に従う配列については
図7a~7cを参照する(図面はガス検知アセンブリのキャビティーでの概略のみを示す)。
図7a~7cはキャビティーが長方形であることを例示し、ストリップガス検知アセンブリの個数も例に過ぎない。他の実施例において、キャビティーの個数及びストリップガス検知アセンブリの個数はいずれも需要に応じて設定されてもよい。
【0029】
図2、
図3、
図4、
図5に示す例において、サポートブリッジA31の形状はストリップである。
図4、
図5に示す例において、複数のキャビティーA1が存在する場合、複数のキャビティーが並列配列される実施例は示される。
図3、
図4に示す例において、1つのキャビティーの開口に複数のサポートブリッジA31が含まれる場合、複数のサポートブリッジA31が並列配列される実施例は示される。
【0030】
1つの例示的な実施例において、1つのキャビティーの開口に複数のサポートブリッジA31が含まれる場合、複数のサポートブリッジA31は対称に配列されてもよく、消費電力を低減できる。
【0031】
1つの例示的な実施例において、1つのキャビティーの開口での複数のサポートブリッジA31が対称に配列される場合、対称の多角形、円形、楕円形又はミラー対称図形に囲んで構成してもよい。例えば、複数のサポートブリッジA31は正多角形(例えば、正三角形、正方形又は正五角形等)となるように架設されてもよい。また例えば、複数のサポートブリッジA31を弧形に設置してもよく、複数の弧形のサポートブリッジは円形又は楕円形を構成してもよい。更に例えば、複数のサポートブリッジはある面を軸としてミラー対称図形に配列されてもよい。更に例えば、1つのキャビティーの開口での複数のV字形のサポートブリッジA31は、主骨のない魚骨形を構成してもよい。
【0032】
1つの例示的な実施例において、複数のキャビティーの開口でのサポートブリッジA31は一緒に1つ又は複数の形状(該形状は幾何学的形状、文字形状及び/又は任意の所定のパターン等、例えば商標、商標略称等を含んでもよいが、それらに限らない)を構成してもよい。該形状は対称形状であってもよい。例えば、2つのキャビティーの開口に設置されるサポートブリッジA31は、一緒に魚骨形(該魚骨形に主骨がある)を構成する。
【0033】
例えば、複数のキャビティーがある場合、複数のキャビティーの開口での複数のサポートブリッジA31はミラー対称に配列され、ミラー対称図形を構成してもよい。例えば、2つのキャビティーが設置される場合、各キャビティーの開口に複数のサポートブリッジが並列配列され、2つのキャビティーの開口でのサポートブリッジは、2つのキャビティーの間の、基板に垂直する面を軸として対称に配列される。2つのキャビティーの開口でのサポートブリッジは魚骨のように配列される。
【0034】
上記例示的な実施例において、説明の都合上、サポートブリッジの配列を例として説明し、ガス検知アセンブリ又はガス検知部の配列はサポートブリッジの配列と同じである。
図1から分かるように、各サポートブリッジには1つのガス検知部がある。サポートブリッジはストリップである場合、サポートブリッジでのガス検知部における加熱電極部、絶縁層、検知電極部もストリップである。
【0035】
1つの例示的な実施例において、前記キャビティーA1は1つ又は複数を含んでもよく、いずれか1つのキャビティーA1のキャビティー開口での複数のガス検知アセンブリA3はピンを共用してもよく、又はいずれか複数のキャビティーA1のキャビティー開口での複数のガス検知アセンブリA3はピンを共用してもよい。ピンの共用により配線空間を節約できる。前記複数のガス検知アセンブリA3がピンを共用することは、
前記複数のガス検知アセンブリA3のストリップ加熱電極部A321が前記第1グランドピンA5を共用すること、
前記複数のガス検知アセンブリA3のストリップ検知電極部A323が前記第2グランドピンA7を共用すること、
前記複数のガス検知アセンブリA3のストリップ検知電極部A323が前記検知電極ピンA6を共用すること、のうちの1つ又は複数の方式を含んでもよい。
【0036】
1つの例示的な実施例において、
図8に示すように、前記いずれか複数のキャビティーA1は第1キャビティーA1-1と第2キャビティーA1-2を含んでもよい。第1キャビティーA1-1と第2キャビティーA1-2を例として説明すると、前記いずれか複数のキャビティーA1のキャビティー開口での複数のガス検知アセンブリA3がピンを共用することは、
前記いずれか複数のキャビティーのうちの第1キャビティーA1-1のキャビティー開口でのm個のガス検知アセンブリA3と、前記いずれか複数のキャビティーのうちの第2キャビティーA1-2のキャビティー開口でのn個のガス検知アセンブリA3とが第1グランドピンA5と第2グランドピンA7を共用することを含んでもよい。例えば、m個のガス検知アセンブリA3におけるm個のストリップ加熱電極部とn個のガス検知アセンブリA3におけるn個のストリップ加熱電極部とは前記第1グランドピンA5を共用し、m個のガス検知アセンブリA3におけるm個のストリップ検知電極部とn個のガス検知アセンブリA3におけるn個のストリップ検知電極部とは前記第2グランドピンA7を共用する。
図8に示すピンの形状と配線方式は例に過ぎず、他の実施例において、グランドピンの形状及び/又は位置は異なってもよい。例えば、グランドピンの面積はより小さくしてもよく、対応的に、電極部とグランドピンとの間のリード全長は増加してもよい。リードによる接続の他、例示的な実施例において、電極部とピンは直接に接続されてもよい。
【0037】
1つの例示的な実施例において、mとnはいずれも正整数であり、mとnは同じであってもよく、異なってもよい。
【0038】
1つの例示的な実施例において、前記第1グランドピンA5と第2グランドピンA7は、前記第1キャビティーA1-1と第2キャビティーA1-2との間に設置されてもよい。
【0039】
1つの例示的な実施例において、前記第1グランドピンA5と第2グランドピンA7はいずれもリングに製作されてもよく、該リングは複数のキャビティーA1(例えば、第1キャビティーA1-1と第2キャビティーA1-2)周りに設置されてもよい。それにより、複数のキャビティーにおけるガス検知アセンブリA3は、第1グランドピンA5及び第2グランドピンA7に接続される。
【0040】
1つの例示的な実施例において、前記m個のガス検知アセンブリとn個のガス検知アセンブリは1つの検知電極ピンA6を共用してもよい。他の例示的な実施例において、検知電極ピンA6は第1検知電極ピンと第2検知電極ピンを含んでもよく、前記m個のガス検知アセンブリA3は第1検知電極ピンを共用してもよく、前記n個のガス検知アセンブリは第2検知電極ピンを共用してもよい。
【0041】
1つの例示的な実施例において、第1キャビティーA1-1と第2キャビティーA1-2は、それぞれ自体の共用する検知電極ピン(例えば、第1検知電極ピンと第2検知電極ピン)を設置してもよく、1つの検知電極ピンを共用してもよい。
【0042】
1つの例示的な実施例において、
図8に示すように、第1キャビティーA1-1と第2キャビティーA1-2が1つの検知電極ピンA6を共用する実施例の模式図は示される。
【0043】
1つの例示的な実施例において、複数のガス感応材料部A324に採用されるガス感応材料はいずれも異なってもよく、又は、少なくとも2つのガス感応材料部A324に採用されるガス感応材料は同じである。
【0044】
1つの例示的な実施例において、前記ガス感応材料は、酸化スズ、酸化インジウム、酸化タングステン及び酸化亜鉛のうちのいずれか1つ又は複数のものを含んでもよい。
【0045】
以下では、魚骨形のMEMSガスセンサーの例示的な実施例を示す。該例示的な実施例において、第1基板の表面に複数のガス検知アセンブリが設置され、該複数のガス検知アセンブリは魚骨のように配列される。
【0046】
1つの例示的な実施例において、魚骨形のMEMSガスセンサーは2つのキャビティーを備えてもよい。各キャビティーには複数のガス検知アセンブリ、即ち複数、例えば2つ、3つ、4つ又はより多くのサポートブリッジA31が設置されてもよく、ガス検知アセンブリの数は需要に応じて設定されてもよく、又はセンサーの大きさ即ち第1基板の表面積に応じて決定されてもよい。各サポートブリッジA31には1つのガス検知部A32が設置されてもよい。
【0047】
1つの例示的な実施例において、魚骨形のMEMSガスセンサーは、複数のガス検知部A32における複数のストリップ加熱電極部A321に対応する複数の加熱電極ピンA4を備えてもよい。2つのキャビティーが設置され、且つ各キャビティーの開口に4つのガス検知アセンブリが設置されることを例として、1つのキャビティーに4つのサポートブリッジA31が設置されると、対応的に4つのストリップ加熱電極部があり、このため、基板の表面において、該キャビティーの一側に4つの加熱電極ピンA4が設置され、2つのキャビティーには合計8つのサポートブリッジA31が設置され、8つのストリップ加熱電極部が対応的に設置され、対応的に、合計8つの加熱電極ピンA4が設置される。加熱電極ピンA4の数は加熱電極部の数に応じて決定される。
【0048】
2つのキャビティーが設置されることを例として、魚骨形のMEMSガスセンサーは2つの検知電極ピンA6を備えてもよい。各キャビティーの開口でのガス検知アセンブリにおけるストリップ検知電極部A323は1つの検知電極ピンA6を共用し、即ち、検知電極ピンの数はキャビティーの数に応じて決定されてもよい。他の例示的な実施例において、該検知電極ピンA6は1つのみ設置されてもよく、即ちすべてのガス検知アセンブリにおけるストリップ検知電極部A323は、1つの検知電極ピンA6を共用する。
【0049】
1つの例示的な実施例において、魚骨形のMEMSガスセンサーは、1つの第1グランドピンA5と1つの第2グランドピンA7を備えてもよい。2つのキャビティーの開口での複数のガス検知アセンブリにおけるストリップ検知電極部A323はいずれも第2グランドピンA7を共用し、2つのキャビティーの開口での複数のガス検知アセンブリにおけるストリップ加熱電極部A321はいずれも第1グランドピンA5を共用する。
【0050】
1つの例示的な実施例において、空間を節約するために、魚骨形のMEMSガスセンサーの1つの第1グランドピンA5と1つの第2グランドピンA7は、いずれも2つのキャビティーの間の位置に設置され、且つ異なる層に設置されてもよい。
【0051】
1つの例示的な実施例において、
図9に示すように、魚骨形のMEMSガスセンサーAは上から下へ、ガス感応材料層1(ガス感応材料部A324の所在する層)、ガス検知電極層2(ストリップ検知電極部A323、検知電極ピンA6及び第2グランドピンA7の所在する層)、隔離膜層3(ストリップ加熱電極部A321とストリップ検知電極部A323との間の絶縁層A322の所在する層)、ヒーター層4(ストリップ加熱電極部A321、加熱電極ピンA4及び第1グランドピンA5の所在する層)、支持膜層5(サポートブリッジA31の所在する層)及び基板層6(第1基板A2の所在する層)を順に備えてもよい。
【0052】
1つの例示的な実施例において、
図10に示すように、魚骨形のMEMSガスセンサーにおける魚骨構造21は、主骨211(1つの第1グランドピンA5と1つの第2グランドピンA7が設置される)、及び前記主骨211の両側に配列される分岐骨212(ガス検知アセンブリからなり、各ガス検知アセンブリはサポートブリッジA31及びサポートブリッジA31に設置されるガス検知部A32を含む)を含んでもよい。分岐骨の数は限らず、ガス検知アセンブリの数に応じて決定され、例示的な実施例において、前記主骨211の両側のうちの各側には4つの分岐骨212が含まれてもよい。ガス検知電極ピン22(即ち、検知電極ピンA6)は、第1検知電極部A323-1を介して電極検知部位23(即ち、第1開口A325)でのガス感応材料部A324に接続される。
【0053】
1つの例示的な実施例において、該魚骨形のMEMSガスセンサーは魚骨形のプログラマブルMEMSガスセンサーであってもよく、複数の加熱電極ピンを備え、加熱電極ピンを介してプログラミングされた電圧が入力されてもよい。主骨211と分岐骨212の幅は実際の需要に応じて自主的に定義されてもよく、分岐骨212の数も実際の需要に応じて自主的に定義されてもよく、ここでは制限しない。
図9、
図10は魚骨構造に8つの分岐骨212が設置される実施例の方案を示し、後続の図面ではいずれも8つの分岐骨212を例として説明する。
【0054】
ガスセンサーの空間と体積が一定である場合、分岐骨212の数が多ければ多いほど、その分、分岐骨212の幅は小さくなる。
【0055】
1つの例示的な実施例において、8つのガス検知部A32は8つのストリップサポートブリッジに設置され、8つの分岐骨を構成し、ストリップ分岐骨をガスセンサーの感知部位とすることにより、熱質量が小さく、消費電力が低い。
【0056】
1つの例示的な実施例において、各分岐骨212、即ち各ガス検知アセンブリは、いずれも1つの独立のガスセンサーとして使用してもよい。そのうちのいずれか1つのガス検知アセンブリが壊れても、他のガス検知アセンブリの使用に影響を与えず、互換性が良い。
【0057】
1つの例示的な実施例において、分岐骨212、即ちガス検知アセンブリの数は需要に応じて設計されてもよく、実施例における数は例に過ぎず、対応的に増加又は減少してもよい。分岐骨212の数の増加により、プログラミングの組合せが倍増し、拡張性が良い。
【0058】
1つの例示的な実施例において、ガスセンサーが8つのガス検知アセンブリを備えることを例として、8つのガス検知アセンブリに設置されるガス感応材料11はいずれも異なってもよく、即ち各ガス検知アセンブリに1種のガス感応材料が設置され、合計8種が設置される。他の例示的な実施例において、8つのガス検知アセンブリのうち、少なくとも2つのガス検知アセンブリに設置されるガス感応材料11は同じであってもよく、同じガス感応材料を設置することで、検知結果を検証できる。
【0059】
1つの例示的な実施例において、
図11に示すように、ガス感応材料層1は、8つの互いに独立するガス感応材料部A324の1-1、1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7及び1-8を含んでもよく、同一又は複数の異なる種類のガス感応材料を採用してもよく、いずれか1種又は複数種の可能なガス感応材料を任意に組合わせてもよい。
【0060】
1つの例示的な実施例において、電極検知部位23、即ち
図1における第1開口A325は各分岐骨212の中間位置に設置されてもよく、又は
図1に示すキャビティー断面の垂直中線に設置されてもよい。
【0061】
1つの例示的な実施例において、ガス感応材料11は前記電極検知部位23の位置をカバーしてもよい。例えば、第1検知電極部と第2検知電極部との間の第1開口A325をカバーしてもよく、又は該第1開口A325の内部に充填されてもよく、それぞれ第1検知電極部及び第2検知電極部との有効な電気的な接続を確保すればよい。
【0062】
1つの例示的な実施例において、
図12はガス検知電極層2の模式図を示す。図面における主骨211は第1公共場24、即ち第2グランドピンA7であってもよい。該第1公共場24はガス検知電極ピン22(図面における第1公共ガス検知電極ピン221と第2公共ガス検知電極ピン222を含む)と協力してガス検知電圧を出力してもよい。
【0063】
1つの例示的な実施例において、
図12に示すように、ガス検知電極層2の模式図は示される。
図12から分かるように、主骨211を構成するための1つの第1公共場24、分岐骨212(主骨211の各側にそれぞれ4つの分岐骨212が設置される)を構成するための8つのストリップ検知電極部及びガス検知電極ピンを含む。各ストリップ検知電極部は第1検知電極部と第2検知電極部を含み、各第1検知電極部と第2検知電極部との間に1つの電極検知部位があり、合計8つの電極検知部位23(主骨211の一側に設置される231、232、233、234、及び主骨211の他側に設置される235、236、237、238を含み、対応的に8つのガス感応材料部A324が設置される)が設置される。各第2検知電極部はいずれも第1公共場24に接続され、4つの第1検知電極部ごとに1つのガス検知電極ピン22が接続される。図示のように、主骨の一側の4つの第1検知電極部は第1公共ガス検知電極ピン221に接続され、主骨の他側の4つの第1検知電極部は第2公共ガス検知電極ピン222に接続される。図示のガス検知電極層のパターンは例に過ぎず、他の実施例において、グランドピンの大きさ、検知ピンの位置、検知電極部とグランドピンとの間の角度、検知電極部と検知ピンとの配線位置等はいずれも調整してもよく、対応的に、他の層における対応の部品の位置も調整すべきである。
【0064】
電極検知部位231、232、233、234、235、236、237、238には、それぞれ前記のガス感応材料部A324の1-1、1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7及び1-8が対応的にカバーしてもよく、これらのガス感応材料部A324にはそれぞれガス感応材料111、112、113、114、115、116、117、118が採用されてもよい。
【0065】
1つの例示的な実施例において、ガス検知電極ピン22が第1公共ガス検知電極ピン221と第2公共ガス検知電極ピン222を含む場合、
図10、
図12に示すように、前記主骨211の第1側の分岐骨212におけるガス感応材料11からなる材料抵抗は並列抵抗を構成し、前記第1公共ガス検知電極ピン221を介してガス検知電圧を出力し、及び/又は、
前記主骨211の第2側の分岐骨212におけるガス感応材料11からなる材料抵抗は並列抵抗を構成し、前記第2公共ガス検知電極ピン222を介してガス検知電圧を出力する。
【0066】
1つの例示的な実施例において、電極検知部位231、232、233、234、235、236、237、238にガス感応材料部A324を設置した後、電極検知部位231、232、233、234において、所在する分岐骨を介して第1公共ガス検知電極ピン221と電気的に接続する時に、ガス感応材料部A324のうちの1-1、1-2、1-3、1-4のガス感応材料111、112、113、114は並列接続される4つの材料抵抗を形成し、第1公共ガス検知電極ピン221は該並列接続される4つの材料抵抗の電圧値を出力できる。電極検知部位235、236、237、238において、所在する分岐骨を介して第2公共ガス検知電極ピン222と電気的に接続する時に、ガス感応材料部A324のうちの1-5、1-6、1-7、1-8のガス感応材料115、116、117、118は並列接続される他の4つの材料抵抗を形成し、第2公共ガス検知電極ピン222は該並列接続される他の4つの材料抵抗の電圧値を出力できる。
【0067】
1つの例示的な実施例において、前記ガス検知電極ピン22は1つである場合、前記8つの分岐骨212におけるガス感応材料A324からなる材料抵抗は並列抵抗を構成し、前記ガス検知電極ピン22を介してガス検知電圧を出力する。
【0068】
ガス検知電圧を出力した後、ガスセンサーは検知を完成する。1つの例示的な実施例において、取得したガス検知電圧は他のパラメータ、例えばガス濃度等を組合わせて、ガス成分の判断を行うことができる。他の例示的な実施例において、初期ガス検知電圧を取得した後、単一のガス感応材料の下方のヒーターの加熱温度を逐一的に変更することで、ガス検知電圧スペクトルを取得し、波形変化の観察によりガスセンサーの検知したガスを判断することができる。
【0069】
1つの例示的な実施例において、
図13は隔離膜層の模式図を示す。前記隔離膜層3は前記ガス検知電極層2と前記ヒーター層4を隔離することに用いられてもよい。前記隔離膜層3は第1絶縁膜31を含んでもよい。前記第1絶縁膜31には第1ウィンドウ311と第2ウィンドウ312が設置されてもよい。
前記第1ウィンドウ311は、ヒーターの加熱電極ピンと第1グランドピンを露出させることに用いられる。
前記第2ウィンドウ312はキャビティーを露出させることに用いられる。該第2ウィンドウはエッチングウィンドウ、即ちキャビティーをエッチングするためのウィンドウと見なされてもよく、複数のサブウィンドウを含んでもよい。第1形状に設置されてもよい。前記第1形状は、前記魚骨構造21の中空部分が前記隔離膜層3に垂直投影することによる形状を有してもよい。
【0070】
1つの例示的な実施例において、前記第2ウィンドウ312は湿式エッチングのためのウィンドウであってもよい。
【0071】
1つの例示的な実施例において、隔離膜層3は絶縁膜であり、ヒーター層3とガス検知電極層2を隔離することに用いられる。第1ウィンドウ311はヒーターの電極ピンウィンドウであり、ヒーターのパッド(ピン)とグランドピンを露出させることに用いられる。第2ウィンドウ312はエッチングウィンドウである。
【0072】
1つの例示的な実施例において、
図14に示すように、前記ヒーター層4には前記魚骨構造21の形状に対応する魚骨形の加熱アセンブリが設置されてもよい。前記魚骨形の加熱アセンブリは、第2公共場41(即ち、第1グランドピンA5)、ヒーター42(即ち、ストリップ加熱電極部A321)及び加熱電極ピン43(即ち、加熱電極ピンA4)を含んでもよく、
第2公共場41は2つのキャビティーの間に設置されてもよく、主骨を構成することに用いられ、8つのヒーター42は8つの分岐骨に位置する。
【0073】
8つのヒーター42の一端は前記第2公共場41に接続され、8つのヒーター42の他端はそれぞれN個の加熱電極ピン43に接続される。
【0074】
1つの例示的な実施例において、
図14は魚骨形の加熱アセンブリの実施例の模式図を示す。前記魚骨形の加熱アセンブリにおける主骨の各側には4つの分岐骨が設置されてもよく、各分岐骨には1つのヒーターが設置される。例えば、主骨の第1側にはヒーター421、422、423、424が設置されてもよく、主骨の第2側にはヒーター425、426、427、428が設置されてもよい。
【0075】
1つの例示的な実施例において、ヒーター421、422、423、424、425、426、427、428に対応して設置され、且つ接続される8つの加熱電極ピンは431、432、433、434、435、436、437、438である。
【0076】
1つの例示的な実施例において、すべてのヒーターは1つの場を共用し、ピン(パッド)の数を効果的に減少する。
【0077】
該例示的な実施例の方案における8つのガス検知アセンブリは全部で11個又は12個のパッドを設置でき、即ち全部で11個又は12個の電極ピン(8つの加熱電極ピン、1つ又は2つのガス検知電極ピン、2つの公共場電極ピンを含む)を必要とする。ピンの数を大幅に減少し、リード及び関連の回路設計に寄与する。該例示的な実施例では8つのガス検知アセンブリを1つのガスセンサーに集積し、1つのガス検知アセンブリは1つの従来のガスセンサーに相当する。
【0078】
1つの例示的な実施例において、各ヒーターは幅が異なるように設計されてもよい。加熱電極ピンを介して同じ加熱電圧を印加する場合、発生するジュール熱が異なるため、異なる幅の分岐骨に合わせて同じ又は異なる加熱温度を取得できる。
【0079】
通常、半導体ガス感応材料は異なる作動温度での異なるガスに対する感度が異なる。同一のセンサーは300度でAガスに対する応答が最も良いが、400度でBガスに対する応答が最も良い場合がある。現在の応用では、ガスセンサーはそのヒーターに固定の電圧を印加してガス感応材料を一定の温度に到達させる。複数種のガスの同時検知を実現するために、複数の異なるガスセンサーを設置する必要があり、異なる供給電圧も必要である。本開示の実施例に記載のガスセンサーによれば、加熱電極ピンにより異なるガス検知アセンブリにおけるヒーターに異なる電圧を印加することができ、各ガス検知アセンブリは1つの独立のガスセンサーであり、複数種のガスの測定を行う場合、利用率が高く、コストが低い。
【0080】
1つの例示的な実施例において、入力される加熱電圧をプログラミングすることで、2N種の異なる感応電圧を取得でき、複数種のガス識別への適用、ガスセンサーの適用範囲の拡張、及びガスセンサーの利用率の向上に寄与する。
【0081】
1つの例示的な実施例において、前記8つの加熱電極ピンのうちのいずれか1つ又は複数の加熱電極ピンは組合わせて、複数種の組合せ方式を取得することができる。各組合せ方式における加熱電極ピンにはそれぞれ異なる加熱電圧が印加され、又は少なくとも2つの加熱電極ピンには同じ加熱電圧が印加されるようにしてもよい。28種の電圧印加方式を取得し、対応的に28種の加熱温度を取得することができる。
【0082】
1つの例示的な実施例において、
図15は魚骨形のプログラマブルMEMSガスセンサーの電圧入出力の模式図を示す。V
H1、V
H2、V
H3、V
H4、V
H5、V
H6、V
H7及びV
H8はヒーターにおける加熱電圧であり、GND1は加熱電圧の共用する場(即ち、第2公共場41)であり、V
S1とV
S2は材料感応電圧(即ち、第1公共ガス検知電極ピン221が出力する電圧と第2公共ガス検知電極ピン222が出力する電圧)である。Vs1は電圧成分V
S11、V
S12、V
S13、V
S14からなり、該4つの電圧成分は、主骨211の第1側の4つの分岐骨212におけるガス感応材料からなる材料抵抗の分圧である。Vs2は電圧成分V
S25、V
S26、V
S27、V
S28からなり、該4つの電圧成分は主骨211の第2側の4つの分岐骨212におけるガス感応材料からなる材料抵抗の分圧である。GND2はV
S1、V
S2の共用する場(即ち、第1公共場24)である。
【0083】
図16は魚骨形のプログラマブルMEMSガスセンサーの加熱回路の等価模式図を示す。R
H1、R
H2、R
H3、R
H4、R
H5、R
H6、R
H7、R
H8はヒーターの抵抗であり、V
HN(N=1,2,3,4……,8)が通電する場合、R
HN(N=1,2,3,4……,8)にはジュール熱が発生してガス感応材料を一定の作動温度に加熱する。V
H1が通電すると、R
H1にはジュール熱が発生してガス感応材料111の抵抗を変更し、他の材料抵抗は変わらない。また、V
H1とV
H6に同時に電力を供給する場合、R
H1とR
H6にはジュール熱が発生して、それぞれ材料111、116の抵抗を変更する。
【0084】
図17は魚骨形のプログラマブルMEMSガスセンサーのガス検知回路の第1等価模式図を示し、2つの検知電極ピンの例に対応する。V
S1とV
S2は検知電圧(即ち、材料感応電圧)であり、V
L1とV
L2は測定電圧であり、R
L1とR
L2はマッチング抵抗であり、R
S1、R
S2、R
S3、R
S4、R
S5、R
S6、R
S7、R
S8はそれぞれガス感応材料111、112、113、114、115、116、117、118の抵抗を代表する。R
S1、R
S2、R
S3、R
S4のうちのいずれか1つの抵抗が変化する場合、V
S1は変化し、R
S5、R
S6、R
S7、R
S8のうちのいずれか1つの抵抗が変化する場合、V
S2は変化する。測定電圧V
Lはマッチング抵抗R
Lを介してガス検知電極ピンに接続される。
図17に示すように、V
S1とR
L1の両端の電圧との和はV
L1に等しく、V
S2とR
L2の両端の電圧との和はV
L1に等しく、V
S1とV
S2はセンサーの出力電圧(以下、出力電圧と略称する)である。使用する時にV
S1とV
S2を測定して取得し、又はマッチング抵抗に負荷する電圧を測定することができる。
【0085】
図18は魚骨形のプログラマブルMEMSガスセンサーのガス検知回路の第2等価模式図を示し、1つの検知電極ピンの例に対応する。そうすると、V
S1とV
S2を接続して、1つのV
Sを取得し、且つ同一のマッチング抵抗R
Lと測定電圧V
Lを使用することに相当する。R
S1、R
S2、R
S3、R
S4、R
S5、R
S6、R
S7、R
S8のうちのいずれか1つの抵抗が変化する場合、V
Sは変化する。
【0086】
1つの例示的な実施例において、仮にRHN(N=1,2,3,4……,8)を通電することを、VHN(N=1,2,3,4……,8)が高い電気的レベル1(1はある固定正電圧又はいくつかの異なる固定正電圧の組合せである)であることで表示し、通電しないことを低い電気的レベル0で表示すると、ヒーターの入力電圧をプログラミングすることができる。例えば、1000000はVH1のみが高い電気的レベルであることを代表し、10010001はVH1、VH4及びVH8が高い電気的レベルであることを代表する。00000000~11111111の全部で28種の状況があり、材料感応抵抗は8!種の異なる組合せを有し、同時に28種の異なるVS出力を有することを意味する。VS1とVS2、又はVSを検知することで、検知の目的を達成できる。
【0087】
1つの例示的な実施例において、前記28種の加熱温度は8つの分岐骨における1種又は複数種のガス感応材料と任意に組合わせて、複数種のガスに対する検知を実現することができる。
【0088】
1つの例示的な実施例において、
図19は支持膜層の模式図を示す。前記支持膜層5には第2絶縁膜51が設置されてもよい。前記第2絶縁膜51にはエッチングウィンドウが開設されてもよい。第2形状52が設置され、前記第2形状52は第1形状と同じであってもよい。
【0089】
1つの例示的な実施例において、支持膜層5も絶縁膜であってもよい。第2絶縁膜51は分岐骨212の支持膜であり、サポートブリッジとすることに用いられる。第2形状52はエッチングウィンドウであってもよく、魚骨形のプログラマブルMEMSガスセンサーの構造形状を形成して湿式の方式で構造を形成することに用いられる。
【0090】
1つの例示的な実施例において、
図20に示すように、第1基板はシリコン基板であってもよく、前記シリコン基板層6には2つの中空溝が設置されてもよく、
図20における第1中空溝61と第2中空溝62のように、それぞれ前記の第1キャビティーと第2キャビティーに対応してもよい。
【0091】
前記2つの中空溝は前記魚骨構造21の主骨を中心として互いに対称に設置されてもよい。
【0092】
1つの例示的な実施例において、シリコン基板層6は<100>結晶配向のシリコン基板であってもよく、第1中空溝61、第2中空溝62は湿式エッチングによる中空溝であってもよい。
【0093】
上記実施例に記載の魚骨形のMEMSガスセンサーは例に過ぎず、他の例示的な実施例において、上記魚骨形のMEMSガスセンサーに対して様々な変形を行ってもよい。1つの例示的な実施例において、半魚骨形のMEMSガスセンサーを設置してもよく、即ち、
図9における主骨と上半部の分岐骨のみを含み、又は
図9における主骨と下半部の分岐骨のみを含む。他の例示的な実施例において、非対称魚骨形のMEMSガスセンサーを設置してもよく、例えば、主骨の両側の分岐骨の位置は非対称であってもよく、又は主骨の両側の分岐骨の数は異なる。本開示の実施例は主骨と分岐骨との間の角度を制限しない。
【0094】
一方、本開示の実施例はMEMSガスセンサーのガス検知方法(又は検知方法と称する)を更に提供し、前記MEMSガスセンサーは上記のいずれか1つの実施例に記載のMEMSガスセンサーであってもよく、即ち上記のMEMSガスセンサーの実施例の方案におけるいずれかの実施例も該ガス検知方法の実施例に適用する。ここでは繰り返して説明しない。
図21に示すように、ガス検知を行う場合、前記方法はステップS11、S12を含んでもよい。
【0095】
ステップS11では、前記MEMSガスセンサーにおけるいずれか1つ又は複数のガス検知アセンブリ(即ち、ガス検知部)を選択して、前記ガス検知アセンブリにおけるストリップ加熱電極部に加熱電圧を印加する。
【0096】
ステップS12では、前記ガス検知部における第1検知電極部と第2検知電極部との間の電圧値を取得する。
【0097】
上記電圧値を取得した後、センサーは検知を完成する。取得した電圧値に基づいて、ガスの検知を実現できる。
【0098】
複数のストリップ加熱電極部に加熱電圧を印加する場合、いずれか2つのストリップ加熱電極部の電圧は同じであり又は異なる。
【0099】
第1検知電極部と第2検知電極部との間の電圧値を取得することは、第1検知電極部と第2検知電極部との間の電圧値を直接に採集することであってもよく、又はマッチング抵抗の両端の電圧を採集して、測定電圧を組合わせて算出することであってもよい。
【0100】
1つの例示的な実施例において、前記複数種の異なるガスは2N(Nはガス検知アセンブリの数であり、1つのガス検知アセンブリは1つのサポートブリッジ、及び該サポートブリッジに設置される1つのガス検知部を含み、Nは正整数である)種のガスを含んでもよい。
【0101】
更に、本開示の実施例はMEMSガスセンサーの製造方法を提供し、前記MEMSガスセンサーは上記のいずれか1つの実施例に記載のガスセンサーである。該実施例に記載の「構図プロセス」は膜層の堆積、フォトレジストのコーティング、マスク露出、現像、エッチング及びフォトレジストの取り除き等の処理を含むが、それらに限らない。
図22に示すように、前記方法はステップS21~S24を含んでもよい。
【0102】
ステップS21では、第1基板を用意する。
【0103】
1つの例示的な実施例において、前記第1基板は例えばシリコン基板であってもよい。
【0104】
例えば、<100>結晶配向の単面又は両面研磨シリコンウェーハを第1基板として選択してもよい。
【0105】
ステップS22では、前記第1基板の第1表面に支持膜を形成する。
【0106】
1つの例示的な実施例において、前記第1基板の第1表面に支持膜を形成することは、
前記第1基板の第1面に第1所定厚さの第1ケイ素化合物の単層膜又は複合膜を前記支持膜として堆積することを含んでもよい。
【0107】
例えば、酸化ケイ素膜、又は窒化ケイ素膜、又は酸化ケイ素層及び窒化ケイ素層からなる複合膜であってもよい。1セットの酸化ケイ素層及び窒化ケイ素層であってもよく、複数セットの酸化ケイ素層及び窒化ケイ素層であってもよい。熱酸化、プラズマ増強化学気相堆積又は低圧化学気相堆積等の方法を採用して、第1基板の第1表面に順に酸化ケイ素層及び/又は窒化ケイ素層を成長してもよい。
【0108】
1つの例示的な実施例において、前記方法は更に、前記第1基板の第1面に前記支持膜を形成した後、前記第1基板の第2面(例えば、第1表面に対向する表面)に、第2所定厚さの第2ケイ素化合物を保護膜として堆積することを含んでもよい。1つの例示的な実施例において、前記第1面と第2面に成膜する材料は同じであってもよく、異なってもよい。また、第1面と第2面における膜は同時に形成されてもよく、順に形成されてもよい。
【0109】
ステップS23では、前記支持膜にガス検知部を形成し、前記ガス検知部は順に積層設置されるストリップ加熱電極部、絶縁層、ストリップ検知電極部及びガス感応材料部を含み、前記ストリップ検知電極部は第1検知電極部及び第2検知電極部を含み、前記第1検知電極部と第2検知電極部との間に第1開口が設置され、前記ガス感応材料部は前記第1開口の位置に設置され、前記ガス感応材料部の第1端は前記第1検知電極部に接続され、前記ガス感応材料部の第2端は前記第2検知電極部に接続される。
【0110】
1つの例示的な実施例において、前記支持膜にガス検知部、加熱電極ピン、第1グランドピン、検知電極ピン及び第2グランドピンを形成してもよい。
【0111】
1つの例示的な実施例において、
図23に示すように、前記支持膜にガス検知部、加熱電極ピン、第1グランドピン、検知電極ピン及び第2グランドピンを形成することは、ステップS231~S234を含んでもよい。
【0112】
ステップS231では、前記支持膜にガス検知部におけるストリップ加熱電極部、加熱電極ピン及び第1グランドピンを形成する。
【0113】
選択肢として、1つの例示的な実施例において、加熱電極部と加熱電極ピンとの間にリードを更に形成し、及び/又は、加熱電極部と第1グランドピンとの間にリードを形成してもよい。リードを形成するかどうかは、加熱電極部とピンとの距離により決定されてもよい。
【0114】
1つの例示的な実施例において、上記ステップS231は、
支持膜における1つ又は複数の第1領域に第3所定厚さの金属体を前記ストリップ加熱電極部として堆積して、前記第1領域以外の1つ又は複数の第2領域に第3所定厚さの金属体を加熱電極ピン及び第1グランドピンとして堆積することを含んでもよい。
【0115】
選択肢として、1つの例示的な実施例において、加熱電極ピンと加熱電極部との間にリードを更に形成し、及び/又は、第1グランドピンと加熱電極部との間にリードを形成してもよい。
【0116】
例えば、支持膜に金属薄膜を堆積し、構図プロセスにより金属薄膜に対して構図を行い、加熱電極部パターン、加熱電極ピンパターン、第1グランドピンパターンを含むヒーター層パターンを形成する。
【0117】
ステップS232では、前記第1基板において、前記ストリップ加熱電極部、前記加熱電極ピン及び第1グランドピンの上層に隔離膜を形成し、前記ストリップ加熱電極部における隔離膜はストリップ加熱電極部とストリップ検知電極部との間の絶縁層(ストリップ絶縁層)を構成する。
【0118】
前記第1基板において、前記ストリップ加熱電極部、前記加熱電極ピン及び第1グランドピンの上層に隔離膜を形成することは、
前記第1基板において、前記ストリップ加熱電極部、前記加熱電極ピン及び第1グランドピンの上層に第4所定厚さの第3ケイ素化合物を隔離膜として堆積することを含んでもよい。例えば、ステップS231における前記第3所定厚さの金属体の上層に絶縁薄膜を堆積する。1つの例示的な実施例において、構図プロセスにより絶縁薄膜に対して構図を行って、隔離膜層パターン、即ち絶縁層パターンを形成してもよい。
【0119】
ステップS233では、前記ストリップ加熱電極の上方の絶縁層においてストリップ検知電極部を形成して、前記隔離膜における非絶縁層の領域において検知電極ピンと第2グランドピンを形成し、前記ストリップ検知電極部は第1検知電極部と第2検知電極部を含み、前記第1検知電極部と前記第2検知電極部との間には第1開口が設置される。
【0120】
製造の時、前記加熱電極ピン及び第1グランドピンの上層の隔離膜をエッチングして、前記加熱電極ピン及び前記第1グランドピンを露出させる。
【0121】
1つの例示的な実施例において、検知電極ピンと検知電極部との間にリードを形成し、及び/又は、第2グランドピンと検知電極部との間にリードを形成することを更に含んでもよい。
【0122】
前記ストリップ加熱電極の上方の絶縁層においてストリップ検知電極部を形成して、前記隔離膜における非絶縁層の領域において検知電極ピンと第2グランドピンを形成することは、
前記絶縁層の第1部分に第5所定厚さの導体を前記第1ストリップ検知電極部として堆積し、前記絶縁層の第2部分に第5所定厚さの導体を前記第2ストリップ検知電極部として堆積し、前記第1部分と第2部分との間の部分が前記第1開口を構成することを含んでもよい。選択肢として、第1ストリップ検知電極部と第2ストリップ検知電極部を同時に堆積してもよく、前記絶縁層は前記第1部分、前記第2部分及び第3部分を含み、前記第3部分は前記第1部分と前記第2部分との間に位置し、前記第1開口に対応する。
【0123】
例えば、ステップS232において形成した隔離膜の上層に金属薄膜を堆積し、構図プロセスにより金属薄膜に対して構図を行い、ストリップ検知電極部パターン、検知電極ピンパターン及び第2グランドピンパターンを含むガス検知電極層パターンを形成する。前記ストリップ検知電極部パターンの基板での投影と前記ストリップ加熱電極部の基板での投影との位置は完全に重なり、又は大部分で重なってもよく、それによりストリップ加熱電極部が検知電極部の間のガス感応材料を加熱できるように確保する。
【0124】
1つの例示的な実施例において、前記ストリップ加熱電極の上方の絶縁層においてストリップ検知電極部を形成して、前記隔離膜における非絶縁層の領域において検知電極ピンと第2グランドピンを形成した後、前記方法は更に、
前記加熱電極ピン及び第1グランドピンの上層の隔離膜を加工して、前記加熱電極ピン及び前記第1グランドピンを露出させることを含んでもよい。1つの例示的な実施例において、フォトリソグラフィプロセス及び/又は乾式エッチングプロセスを採用して、前記加熱電極ピンと第1グランドピンの上方の隔離膜をエッチングしてもよい。
【0125】
ステップS234では、前記第1開口の間にガス感応材料部を形成する。
【0126】
前記ガス感応材料部は気相法、液相法又は固相法により製造されてもよい。該ステップはステップ24の後に、即ちキャビティーのエッチングの後に製造してもよい。
【0127】
ステップS24では、前記支持膜を加工してサポートブリッジを取得し、前記第1基板の第1表面に1つ又は複数のキャビティーを形成し、前記サポートブリッジは前記キャビティーの開口の第1エッジと第2エッジに架設される。
【0128】
1つの例示的な実施例において、前記支持膜を加工してサポートブリッジを取得することは、前記支持膜において乾式エッチングプロセス(例えば、反応性イオンエッチング)を採用して、少なくとも2つの中空形状を形成して、2つの中空形状の間に前記サポートブリッジを形成することを含んでもよい。
【0129】
1つの例示的な実施例において、前記第1基板の第1表面において1つ又は複数のキャビティーを形成することは、前記第1基板において所定化合物の異方性エッチング液を採用して前記キャビティーを形成することを含んでもよい。
【0130】
例えば、エッチングの時、前記キャビティーが第1基板を貫くようにし、又は、前記キャビティーの深さを制御して、前記ガス検知アセンブリと前記キャビティーの底部との間に断熱のための隙間を保留することができる。
【0131】
1つの例示的な実施例において、エッチングの時、層ごとに隔離膜と支持膜を一度エッチングすることができる。支持膜をエッチングする時、まず反応性イオンエッチングプロセス又はイオンビームエッチングプロセスを利用して支持膜をエッチングし、ガス検知アセンブリを支持するためのサポートブリッジパターン(例えば、ガス検知アセンブリの正投影位置でのパターン)及びキャビティー境界を定義し、シリコン基板を露出させてエッチングウィンドウを形成する。それから、水酸化テトラメチルアンモニウム又は水酸化カリウム等のシリコンの異方性ウェットエッチャント、又は等方性ウェットエッチャント、又は等方性ドライエッチングガスを採用して、エッチングウィンドウによりシリコン基板をエッチングし、サポートブリッジの下方のシリコン基板を空洞化してキャビティーを形成する。エッチングに採用される材料と方法によって、キャビティーの側壁の形状は異なってもよい(垂直、傾斜、又は屈曲)。例えば、異方性エッチングによるキャビティーの断面は逆台形又はV字型であってもよく、等方性エッチングによるキャビティーの断面はほぼ楕円形である。上記方法により、一回的に1つ又は複数のキャビティーをエッチングすることができる。キャビティーの開口での、前記ガス検知アセンブリを支持するためのストリップ支持膜は保留され、サポートブリッジとする。
【0132】
以下、1つの例示的な実施例で、上記魚骨形のMEMSガスセンサーの製造方法を説明する。該例示的な実施例において、
図24に示すように、順にシリコン基板層、支持膜層、ヒーター層、隔離膜層、ガス検知電極層及びガス感応材料層を製造し、ステップS31~S39を含んでもよい。
【0133】
ステップS31では、シリコン基板を選択して第1基板を製作し、該第1基板はシリコン基板層を含んでもよいがそれに限らず、前記シリコン基板は片面研磨又は両面研磨シリコンウェーハを含んでもよい。
【0134】
該例示的な実施例において、<100>結晶配向の片面研磨又は両面研磨シリコンウェーハを基板として選択してもよい。
【0135】
ステップS32では、前記第1基板の第1面に第1所定厚さの第1ケイ素化合物の単層膜又は複合膜を支持膜として堆積し、支持膜層を形成し、前記第1基板の第2面に第2所定厚さの第2ケイ素化合物を保護膜として堆積する。
【0136】
前記第1所定厚さは1.5ミクロン~2.5ミクロンを含んでもよく、前記第1ケイ素化合物は酸化ケイ素及び/又は窒化ケイ素を含んでもよい。前記第2所定厚さは200ナノ~500ナノを含んでもよく、前記第2ケイ素化合物は窒化ケイ素を含んでもよい。
【0137】
シリコンウェーハの正面(即ち上記の第1面であり、通常は研磨面であり、非研磨面であってもよい)において、PECVD(plasma enhanced chemical vapor deposition、プラズマ増強化学気相堆積)又はLPCVD(low pressure chemical vapor deposition、低圧化学気相堆積)により、第1ケイ素化合物(例えば、酸化ケイ素及び窒化ケイ素)の単層膜又は複合膜を支持膜として堆積してもよく、総厚さ(即ち、上記第1所定厚さ)は2ミクロンであってもよい。
【0138】
1つの例示的な実施例において、シリコンウェーハの裏面(即ち上記の第2面であり、通常は非研磨面であり、研磨面であってもよい)において、PECVD又はLPCVDにより200ナノ~500ナノ(第2所定厚さ)の第2ケイ素化合物(例えば、窒化ケイ素)を湿式エッチングの保護膜として堆積してもよい。該保護膜は第1基板の1つの面又は複数の面に設置されてもよい。
【0139】
ステップS33では、支持膜に第3所定厚さの金属体をヒーターとして堆積し、ヒーター層を形成する。
【0140】
前記第3所定厚さは150ナノ~250ナノを含んでもよく、前記金属体材料はプラチナを含んでもよい。
【0141】
フォトリソグラフィプロセス及び金属コーティングプロセスを採用して、支持膜に第3所定厚さ(例えば、200ナノ)の金属体(例えば、プラチナ)を堆積して、ヒーター層を形成してもよい。
【0142】
前記フォトリソグラフィプロセスは紫外線リソグラフィであってもよく、コーティングプロセスは、電子ビーム蒸着コーティング又はマグネトロンスパッタリングコーティングであってもよい。
【0143】
ステップS34では、前記ヒーター層に第4所定厚さの第3ケイ素化合物を隔離膜として堆積し、隔離膜層を形成する。
【0144】
前記第4所定厚さは350ナノ~500ナノを含んでもよく、前記第3ケイ素化合物は窒化ケイ素を含んでもよい。
【0145】
PECVDを採用して第4所定厚さ(例えば、350ナノ~500ナノ)の第3ケイ素化合物(例えば、窒化ケイ素)を隔離膜として堆積してもよい。
【0146】
ステップS35では、隔離膜に第5所定厚さの導体をガス検知電極として堆積し、ガス検知電極層を形成する。
【0147】
前記第5所定厚さは150ナノ~250ナノを含んでもよく、前記金属体はプラチナ又は金を含んでもよい。
【0148】
ステップS233に記載のプロセスを採用してガス検知電極層を製作してもよい。即ち、隔離膜に第5所定厚さ(例えば、200ナノ)の導体を検知電極として堆積し、検知電極材料はプラチナ又は金であってもよい。
【0149】
ステップS36では、前記隔離膜において加工して、ヒーターの加熱電極領域を露出させる。
【0150】
フォトリソグラフィプロセス及び乾式エッチングプロセスを採用して加工し、ヒーターの加熱電極領域を露出させてもよい。乾式エッチングプロセスは反応性イオンエッチング(RIE)又は誘導結合プラズマエッチング(ICP-Etch)であってもよい。
【0151】
ステップS37では、所定の加工プロセスを採用して、前記隔離膜において前記魚骨構造の主骨と分岐骨を加工し得て、エッチングウィンドウを形成する。
【0152】
前記所定の加工プロセスはフォトリソグラフィプロセス及び/又は乾式エッチングプロセスを含んでもよい。即ち、フォトリソグラフィプロセス及び乾式エッチングプロセス(RIE又はICP-Etch)を採用して、魚骨形のプログラマブルガスセンサーの主骨と分岐骨構造を形成してもよい。
【0153】
ステップS38では、所定化合物の異方性エッチング液を採用して、エッチングウィンドウによりシリコン基板に中空溝を形成する。
【0154】
前記所定化合物は水酸化カリウム(KOH)又は水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)溶液を含んでもよい。即ち、水酸化カリウム又は水酸化テトラメチルアンモニウム溶液等のシリコンの異方性エッチング液を採用して主骨と分岐骨構造を形成し、同時にシリコン基板に中空溝を形成してもよい。
【0155】
ステップS39では、前記電極検知部位にガス感応材料を添加する。
【0156】
1つの例示的な実施例において、ステップS39はステップS37又はS38の前に実施されてもよい。
【0157】
電極検知部位に半導体ガス感応材料、例えば酸化スズ、酸化インジウム、酸化タングステン又は酸化亜鉛等を添加してもよい。
【0158】
更に、本開示の実施例はMEMSガスセンサーアレイBを更に提供し、
図25に示すように、前記MEMSセンサーアレイは複数の上記実施例に記載のMEMSガスセンサーを含む。
【0159】
1つの例示的な実施例において、該ガスセンサーアレイBは複数のガスセンサー装置により構成されてもよい。少なくとも1つのガスセンサー装置は本開示の実施例に記載のガスセンサーAである。
【0160】
以上は本開示の実施例に過ぎず、本開示の保護範囲を制限するためのものではない。当業者が理解できるように、本開示の実施例の技術方案の精神と範囲を逸脱せずに、本開示の実施例の技術方案に対して変更又は等同置換を行うことができる。それらの変更又は等同置換はいずれも本願の請求項の範囲に含まれるべきである。