(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】行動推定システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20240405BHJP
A63F 9/08 20060101ALI20240405BHJP
A63H 33/04 20060101ALI20240405BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20240405BHJP
【FI】
G06Q10/04
A63F9/08 501Z
A63H33/04 A
G06Q50/20
(21)【出願番号】P 2019195446
(22)【出願日】2019-10-28
【審査請求日】2022-08-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】山本 佑香
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-57025(JP,A)
【文献】特開2013-214218(JP,A)
【文献】特開2019-109739(JP,A)
【文献】特開2014-134923(JP,A)
【文献】特開2009-76039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A63F 9/08
A63H 33/04
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ユーザによって立案された所定期間における前記第一ユーザの行動の予定を示す予定情報、及び、前記所定期間における前記第一ユーザの実際の行動を示す結果情報の少なくとも一方の情報を取得する取得部と、
取得された前記少なくとも一方の情報に基づいて、複数の行動のそれぞれが予定または実行された時間または回数に関するパラメータを算出し、算出したパラメータを機械学習モデルに入力するか、または、算出したパラメータを統計処理することにより、前記複数の行動のそれぞれに対する前記第一ユーザの興味の度合いを示す第一興味度情報を生成する生成部と、
生成された前記第一興味度情報と、各々が他のユーザを対象として生成された複数の第二興味度情報との比較を行うことにより、前記複数の行動以外に前記第一ユーザが興味を有する第一行動を推定する推定部とを備える
行動推定システム。
【請求項2】
前記推定部は、前記比較を行うことにより、前記複数の第二興味度情報の中から前記第一興味度情報に類似する第二興味度情報を特定し、特定した前記第二興味度情報に含まれる行動を、前記第一行動として推定する
請求項1に記載の行動推定システム。
【請求項3】
前記第一興味度情報は、前記複数の行動に対する前記第一ユーザの興味の度合いを順位付けした情報であり、
前記推定部は、前記比較を行うことにより、前記複数の第二興味度情報の中から前記第一興味度情報に順位づけが類似する第二興味度情報を特定し、特定した前記第二興味度情報に含まれる行動を、前記第一行動として推定する
請求項2に記載の行動推定システム。
【請求項4】
前記取得部は、前記予定情報及び前記結果情報の両方を取得し、
前記生成部は、取得された前記予定情報及び前記結果情報に基づいて定まる、行動の予定時間、行動の予定回数、行動の予定時間の経時変化、行動の実行時間、行動の実行回数
、行動の実行時間の経時変化、行動の実行時間/行動の予定時間、及び、行動の実行回数/行動の予定回数の1つ以上を用いて、前記第一興味度情報を生成する
請求項1~3のいずれか1項に記載の行動推定システム。
【請求項5】
前記取得部は、前記少なくとも一方の情報を情報端末から取得し、
前記行動推定システムは、さらに、推定された前記第一行動を示す第一行動情報を前記情報端末へ送信する送信部を備える
請求項1~4のいずれか1項に記載の行動推定システム。
【請求項6】
前記送信部は、前記第一行動情報が送信されてから一定期間の間に、前記第一行動が予定された予定情報が前記取得部によって取得されなかった場合に、前記複数の行動以外に前記第一ユーザが興味を有すると推定される、前記第一行動と異なる第二行動を示す第二行動情報を前記情報端末へ送信する
請求項5に記載の行動推定システム。
【請求項7】
前記行動推定システムは、さらに、前記情報端末を備え、
前記情報端末は、
前記第一行動情報を受信する第一通信部と、
受信された前記第一行動情報に基づいて、前記第一行動を示す画像を表示する表示部とを備える
請求項5または6に記載の行動推定システム。
【請求項8】
前記第一ユーザは、幼児であり、
前記行動推定システムは、さらに、複数のブロック及び前記複数のブロックを収容するケースを有する玩具であって、前記第一ユーザが前記ケース内の複数のブロックの配置を入れ替えることが可能な玩具を備え、
前記情報端末は、さらに、
前記ケース内の前記複数のブロックの配置を示す配置情報を前記玩具から受信する第二通信部と、
受信された前記配置情報によって定まる前記複数のブロックの配置を、前記第一ユーザによって立案された前記所定期間における前記第一ユーザの行動の予定とみなして前記予定情報を生成する制御部とを備える
請求項7に記載の行動推定システム。
【請求項9】
ユーザによって立案された所定期間における前記ユーザの行動の予定を示す予定情報を取得する取得部と、
取得された前記予定情報に基づいて、複数の行動のそれぞれが予定された時間または回数に関するパラメータを算出し、算出したパラメータを機械学習モデルに入力するか、または、算出したパラメータを統計処理することにより、前記複数の行動のそれぞれに対する前記ユーザの興味の度合いを示す興味度情報を生成する生成部とを備える
行動推定システム。
【請求項10】
前記取得部は、前記予定情報を情報端末から取得し、
前記行動推定システムは、さらに、前記興味度情報を前記情報端末に送信する送信部を備える
請求項9に記載の行動推定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが興味を有している行動を推定する行動推定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、天板に取り付けられたスイッチと、特定の行動(行為)を促す一連の言葉が蓄積されたメモリを備える音声出力制御部と、スピーカと、を備える音声出力装置を、幼児用机に取り付けることが記載されている。この幼児用机では、スイッチが押されると、音声出力制御部は、特定の行動を促す一連の言葉を順次スピーカから音声出力する。
【0003】
さらに、特許文献1には、時間帯毎に、この時間帯に応じた特定の行動を促す一連の言葉を対応付けておき、スイッチが押された時間帯に対応付けられている特定の行動を促す一連の言葉を順次音声出力することも記載されている。これにより、幼児がスイッチを押すたびに音声出力装置から特定の行動を促す一連の言葉が順次音声出力されるため、幼児は、幼児用机との会話を通じて特定の行動を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザが潜在的にどのような行動に興味があるかを知ることは難しい。
【0006】
本発明は、ユーザが興味を有する行動を推定することができる行動推定システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る行動推定システムは、第一ユーザによって立案された所定期間における前記第一ユーザの行動の予定を示す予定情報、及び、前記所定期間における前記第一ユーザの実際の行動を示す結果情報の少なくとも一方の情報を取得する取得部と、取得された前記少なくとも一方の情報に基づいて、複数の行動のそれぞれに対する前記第一ユーザの興味の度合いを示す第一興味度情報を生成する生成部と、生成された前記第一興味度情報と、各々が他のユーザを対象として生成された複数の第二興味度情報との比較を行うことにより、前記複数の行動以外に前記第一ユーザが興味を有する第一行動を推定する推定部とを備える。
【0008】
本発明の一態様に係る行動推定システムは、ユーザによって立案された所定期間における前記ユーザの行動の予定を示す予定情報を取得する取得部と、取得された前記予定情報に基づいて、複数の行動のそれぞれに対する前記ユーザの興味の度合いを示す興味度情報を生成する生成部とを備える。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、複数のブロック及び前記複数のブロックを収容するケースを有する玩具であって、ユーザが前記ケース内の複数のブロックの配置を入れ替えることが可能な玩具から、前記ケース内の前記複数のブロックの配置を示す配置情報を受信する第一受信ステップと、受信された前記配置情報に基づいて、所定期間における前記ユーザの行動の予定を示す予定情報を生成する生成ステップと、生成された予定情報をサーバ装置に送信する送信ステップと、を含む情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の行動推定システム等は、ユーザが興味を有する行動を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る行動推定システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る玩具の外観斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る情報端末の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る行動推定システムの動作例1のフローチャートである。
【
図5】
図5は、予定情報及び結果情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第一興味度情報及び第二興味度情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、機械学習モデルによって行われる処理を概念的に示す図である。
【
図8】
図8は、第一行動を示す画像の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施の形態に係る行動推定システムの動作例2のフローチャートである。
【
図10】
図10は、第一興味度を示す画像の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、コンピュータを実施の形態の情報端末として動作させるためのプログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0014】
また、以下の実施の形態における「直後」及び「即座」などのタイミングを表す用語については、厳密な意味に解釈されるべきではない。
【0015】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る行動推定システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る行動推定システムの機能構成を示すブロック図である。
【0016】
実施の形態に係る行動推定システム10は、幼児が興味を有する行動を推定するためのシステムである。行動推定システム10は、具体的には、幼児が保護者または保育士等(以下、保護者等と記載される)と一緒に立てた行動の予定と、幼児が実際に実行した行動とに基づいて、幼児が興味を有する行動を推定する。
【0017】
図1に示されるように、行動推定システム10は、玩具20と、情報端末30と、サーバ装置40とを備える。玩具20及び情報端末30は、例えば、建物80内に設置される。建物80は、例えば、集合住宅または戸建住宅などの住宅であるが、保育施設などであってもよい。
【0018】
[玩具]
行動推定システム10においては、幼児が保護者等と一緒に行動の予定を立てるためのユーザインタフェースとして玩具20が使用される。まず、玩具20の構成について説明する。
図2は、玩具20の外観斜視図である。
【0019】
玩具20は、各々が長尺板状の複数のブロック21と、複数のブロック21を収容するケース22と、ケース22に内蔵されたセンサ23(
図1に図示)を有する。
【0020】
複数のブロック21は、当該ブロック21の色によって6種類に区別される。6種類のブロック21は6種類の行動に対応する。6種類の行動とは、おえかき、こうさく、こうえん、えほん、電車あそび、及び、DVDなどの幼児Aが取りうる行動である。どの色のブロック21にどの行動を紐づけるかは、保護者Pが情報端末30を操作することで情報端末30の記憶部34に登録される。つまり、記憶部34には、どの色のブロック21(より詳細には、後述の無線タグが発する識別情報)にどの行動が紐づけられているかを示す対応関係情報が記憶される。なお、行動の候補としては、例えば、20種類程度準備されており、保護者P等は、幼児Aと相談の上20種類の中からブロックに紐づける6種類を選択することになる。なお、ブロックの種類の数(上記例では、6つ)は、特に限定されない。
【0021】
1つのブロック21がケース22に収容されることは、当該ブロック21が示す行動を一定時間(例えば、10分)行う予定立てることに相当する。
図2に示されるように、幼児Aが「おえかき」に対応する色のブロック21をケース22の左端に4つ連続して並べることは、「おえかき」を40分間行う予定を立てることに相当する。4つの「おえかき」に対応する色のブロック21のすぐ右隣に「こうさく」に対応する色のブロックを2つ連続して並べることは、「おえかき」を40分間行った後、「こうさく」を20分間行う予定を立てることを意味する。
【0022】
複数のブロック21のそれぞれには、RFタグなどの無線タグが内蔵されており、ブロック21は、当該ブロック21に内蔵された無線タグから識別情報を発する。無線タグは、例えば、パッシブ型であるが、アクティブ型であってもよい。玩具20は、無線タグリーダなどのセンサ23によってブロック21が発する識別情報をセンシングすることにより、ケース22内でブロック21がどのように並べられているかを示す配置情報を情報端末30に送信することができる。
【0023】
配置情報は、より詳細には、ケース22内のブロック21の収容位置を示す収容位置情報(左から何番目、などを示す情報)と、当該収容位置においてセンシングされたブロック21の識別情報とが対応付けられた情報である。情報端末30は、配置情報と記憶部34に記憶された対応関係情報とを照合することで、どのような行動の予定が立てられたかを認識することができる。
【0024】
このように、玩具20によれば、幼児Aは遊び感覚で自身の予定を立てることができ、情報端末30は幼児Aが立てた予定を認識することができる。言い換えれば、幼児Aは遊び感覚で自身の予定を情報端末30に入力することができる。
【0025】
また、玩具20によれば、情報端末30は、幼児Aが「おえかき」などの各行動を何時に実行したかを認識することもできる。
図2の例では、幼児Aは、実際に「おえかき」を開始する際に、連続的に配置された4つの「おえかき」に対応する色のブロック21のいずれかのプッシュボタン21aを押下し、「おえかき」を終了するときには、再度、4つの「おえかき」に対応する色のブロック21のいずれかのプッシュボタン21aを押下する。玩具20は、「おえかき」に対応する色のブロック21プッシュボタン21aが押下されるごとに、通知情報を情報端末30に送信する。これにより、情報端末30は、1回目の通知情報の受信時刻を「おえかき」の開始時刻として認識し、2回目の通知情報の受信時刻を「おえかき」の終了時刻として認識することができる。
【0026】
このように、玩具20によれば、幼児Aは遊び感覚でプッシュボタン21aを押下することで、自身が何時にどのような行動を実行したか(以下、行動の結果とも記載される)を情報端末30に入力することができる。
【0027】
[情報端末]
次に、情報端末30について説明する。情報端末30は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末などの汎用の携帯端末であるが、行動推定システム10の専用端末であってもよい。また、情報端末30は、建物80内に設置されるHEMS(Home Energy Management System)コントローラなどのホームコントローラであってもよい。情報端末30は、具体的には、操作受付部31と、表示部32と、制御部33と、記憶部34と、第一通信部35と、第二通信部36とを備える。
【0028】
操作受付部31は、保護者P等の操作を受け付ける。操作受付部31は、例えば、保護者P等から、ブロック21の色(種類)と行動とを紐づけるための操作(登録操作)を受け付ける。操作受付部31は、例えば、静電容量方式のタッチパネルであるが、抵抗膜方式のタッチパネルであってもよい。
【0029】
表示部32は、画像を表示する。表示部32は、例えば、玩具20を介して入力された、幼児Aの行動の予定と、幼児Aの行動の結果とを表示することができる。
図3は、表示部32の表示画面の一例を示す図である。表示部32は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルである。
【0030】
制御部33は、玩具20を介して入力された幼児Aの行動の予定に基づいて予定情報を生成する。制御部33は、具体的には、第二通信部36によって受信された配置情報によって定まる複数のブロック21の配置を、幼児Aによって立案された幼児Aの行動の予定とみなして予定情報を生成する。
【0031】
また、制御部33は、玩具20を介して入力された幼児Aの行動の結果に基づいて結果情報を生成する。制御部33は、具体的には、ブロック21に設けられたプッシュボタン21aの押下に応じて第二通信部36が受信する通知情報に基づいて、結果情報を生成する。
【0032】
その他に、制御部33は、表示部32への画像の表示制御なども行う。制御部33は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0033】
記憶部34は、制御部33によって実行されるプログラムなどが記憶される記憶装置である。また、記憶部34には、上述の対応関係情報なども記憶される。記憶部34は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0034】
第一通信部35は、情報端末30がサーバ装置40とインターネットなどの広域通信ネットワーク70を介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第一通信部35は、例えば、制御部33によって生成された予定情報及び結果情報をサーバ装置40へ送信する。第一通信部35によって行われる通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0035】
第二通信部36は、情報端末30が、玩具20と局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第二通信部36は、例えば、上述の配置情報、及び、通知情報を玩具20から受信する。第二通信部36によって行われる通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても、特に限定されない。なお、第二通信部36と玩具20との間の通信は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)に準拠する。
【0036】
[サーバ装置]
次に、サーバ装置40について説明する。サーバ装置40は、情報端末30から予定情報及び結果情報を取得し、取得した予定情報及び結果情報に基づいて幼児Aが興味を有する行動を推定するための情報処理を行うクラウドサーバである。サーバ装置40は、通信部41と、情報処理部42と、記憶部43とを備える。
【0037】
通信部41は、サーバ装置40が情報端末30と広域通信ネットワーク70を介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部41は、具体的には、予定情報及び結果情報を取得する取得部44と、上記情報処理が行われた結果、幼児Aが興味を有すると推定される行動を示す行動情報を情報端末30に送信する送信部45とを含む。通信部41によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0038】
情報処理部42は、取得部44によって取得された予定情報及び結果情報に基づいて幼児Aが興味を有する行動を推定するための情報処理を行う。情報処理部42は、具体的には、生成部46及び推定部47を含む。情報処理部42は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0039】
記憶部43は、情報処理部42によって実行されるプログラム、及び、上記情報処理を行うために用いられる各種情報などが記憶される記憶装置である。また、記憶部43は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などによって実現される。
【0040】
[動作例1]
以下、行動推定システム10の動作例1について説明する。
図4は、行動推定システム10の動作例1のフローチャートである。
【0041】
まず、サーバ装置40の取得部44は、幼児Aによって立案された所定期間における幼児Aの行動の予定を示す予定情報を情報端末30から取得する(S11)。
図5に示されるように、予定情報は、上述の20種類程度の行動の少なくとも一部と、その予定時刻(時間帯)とが対応付けられた情報である。
図5は、予定情報の一例を示す図である。
【0042】
所定期間は、例えば、1か月であるが特に限定されない。取得部44は、予定情報を毎日取得することで最終的に1か月分の予定情報を取得してもよいし、情報端末30の記憶部34に蓄積された1か月分の予定情報を1回でまとめて取得してもよい。
【0043】
また、取得部44は、上記所定期間における幼児Aの実際の行動を示す結果情報を情報端末30から取得する(S12)。上記
図5は、結果情報の一例を示す図でもあり、
図5に示されるように、結果情報は、上述の20種類程度の行動の少なくとも一部と、その実行時刻(時間帯)とが対応付けられた情報である。
【0044】
取得部44は、結果情報を毎日取得することで最終的に1か月分の予定情報を取得してもよいし、情報端末30の記憶部34に蓄積された1か月分の結果情報を1回でまとめて取得してもよい。
【0045】
次に、生成部46は、取得された予定情報、及び、結果情報に基づいて、複数の行動のそれぞれに対する幼児Aの興味の度合いを示す第一興味度情報を生成する(S13)。第一興味度情報は、例えば、複数の行動に対する幼児Aの興味の度合いを順位付けした情報である。
図6は、第一興味度情報の一例を示す図である。
図6では、幼児Aと異なる幼児Bの第二興味度情報も合わせて図示されている。
【0046】
第一興味度情報によって幼児Aの興味の度合いが示される複数の行動には、1か月分の予定情報において1度でも予定された行動(言い換えれば、1か月の間に6種類のブロックのいずれかに1度でも紐づけられた行動)が全て含まれる。しかしながら、第一興味度情報によって幼児Aの興味の度合いが示される複数の行動には、1か月分の予定情報において1度も予定されなかった行動(言い換えれば、1か月の間に6種類のブロックのいずれかに1度も紐づけられなかった行動)は含まれない。
【0047】
上述のように6種類のブロック21に一度に紐づけることができる行動は6つであるが、保護者P等は、日々この紐づけを変更することができるため、1か月分の予定情報には、6種類を超える行動が含まれる。つまり、
図6に示唆されるように、上記複数の行動の数は、6つよりも大きい場合がある。本実施の形態では行動の候補が20種類程度準備されており上記複数の行動の数は最大で20であるが、ここでは説明のために上記複数の行動の数を15程度であるとする。
【0048】
以下、生成部46による第一興味度情報の生成方法について詳細に説明する。生成部46は、例えば、1か月分の予定情報に含まれる複数の行動のそれぞれについて、予定されていた時間(つまり、予定時間)の合計、予定されていた回数(つまり、予定回数)の合計、予定時間の経時変化を算出する。なお、予定時間の経時変化とは、例えば、その行動が最初に予定されたときの時間の長さと、その行動が最後に予定されたときの時間の長さとの差である。
【0049】
また、生成部46は、例えば、1か月分の結果情報に含まれる複数の行動のそれぞれについて、実行された時間(つまり、実行時間)の合計、実行された回数(つまり、実行回数)の合計、実行時間の経時変化を算出する。なお、実行時間の経時変化とは、例えば、その行動が最初に実行されたときの時間の長さと、その行動が最後に実行されたときの時間の長さとの差である。
【0050】
さらに、生成部46は、実行時間の合計/予定時間の合計、及び、実行回数の合計/実行回数の合計を算出する。
【0051】
そして、生成部46は、算出した情報をあらかじめ構築された機械学習モデルに入力する。機械学習モデルは、例えば、記憶部43にあらかじめ記憶されている。機械学習モデルは、算出された情報を入力情報として、1か月分の予定情報及び結果情報に含まれる複数の行動に対する幼児Aの興味の度合いを出力するように構築された識別器(分類器)である。
図7は、機械学習モデルによって行われる処理を概念的に示す図である。生成部46は、機械学習モデルによって出力された複数の行動に対する興味の度合いを順位づけすることで、第一興味度情報を生成することができる。なお、機械学習モデルは、例えば、あらかじめ複数の被験者(幼児)を対象として取得されたデータに基づく教師あり学習によって構築される。
【0052】
なお、
図7に示される全ての入力情報が使用されることは必須ではなく、少なくとも1つの入力情報が使用されればよい。例えば、予定情報から算出されるパラメータのみが入力情報として使用されるような場合には、ステップS12の結果情報の取得処理は省略されてもよい。同様に、例えば、実行情報から算出されるパラメータ(行動の実行時間など)が入力情報として使用される場合には、ステップS11の予定情報の取得処理は省略されてもよい。つまり、取得部44は、予定情報、及び、結果情報の少なくとも一方の情報を取得すればよい。
【0053】
ここで、生成部46は、第一興味度情報を記憶部43に記憶する。生成部46は、過去に、幼児A以外の他の幼児である幼児Bを対象として生成した第二興味度情報も記憶部43に記憶している。つまり、記憶部43には、各々が幼児Bを対象として生成された複数の第二興味度情報が蓄積されている。
【0054】
推定部47は、生成された第一興味度情報と、複数の第二興味度情報との比較を行うことにより、1か月分の予定情報及び結果情報に含まれる複数の行動以外に幼児Aが興味を有する第一行動を推定する(S14)。
【0055】
推定部47は、具体的には、上記比較を行うことにより、複数の第二興味度情報の中から第一興味度情報に類似する第二興味度情報を特定する(S14a)。言い換えれば、推定部47は、幼児Aと興味のパターンが類似している幼児Bを特定する。推定部47は、例えば、第一興味度情報において上位10位に属する10種類の行動と、第二興味度情報において上位10位に属する10種類の行動とを比較し、共通する行動の数(最大で10)が多い第二興味度情報ほど類似していると判定する。上記
図6の例では、共通する行動の数は5つである。
【0056】
例えば、推定部47は、共通する行動の数が所定数(例えば、5つ)以上である第二興味度情報を、類似する第二興味度情報であるとして特定する。つまり、推定部47は、第一興味度情報に順位づけが類似する第二興味度情報を特定する。推定部47は、最も類似する(共通する行動の数が最も多い)第二興味度情報を、類似する第二興味度情報として特定してもよい。特定された第二興味度情報が複数ある場合には、ランダムに1つが選択されてもよいし、順位の違いを考慮した類似度を評価すること等によりさらなる絞り込みが行われてもよい。
【0057】
そして、推定部47は、特定された第二興味度情報に含まれている行動のうち、第一興味度情報に含まれていない行動を、幼児Aが興味を有している第一行動であると推定する。例えば、
図6に示される幼児Bの第二興味度情報が最も類似すると判定された場合には、第一興味度情報に含まれておらず、第二興味度情報に含まれている「人形遊び」が第一行動として選択される。
【0058】
なお、要件を満たす行動が複数ある場合、この複数の行動の全てが第一行動として選択されてもよいし、ランダムに1つが選択されてもよいし、順位が最も高い行動が選択されてもよい。また、要件を満たす行動が複数ある場合、推定部47は、これらの行動のうち第一行動として選択されなかった行動を、後述の第二行動の候補として記憶部43に記憶しておいてもよい。
【0059】
次に、送信部45は、推定された第一行動を示す第一行動情報を情報端末30へ送信する(S15)。情報端末30の制御部33は、第一通信部35によって第一行動情報が受信されると、受信された第一行動情報に基づいて、第一行動を示す画像を表示部32に表示させる。
図8は、第一行動を示す画像の一例を示す図である。
図8の画像は、言い換えれば、これまで保護者P等が玩具20のブロック21に紐づけていなかった第一行動を、ブロック21に対応付ける(登録操作を行う)ことをレコメンドする画像である。
【0060】
さらに、推定部47は、送信部45によって第一行動情報が送信されてから一定期間の間に、第一行動が予定された予定情報が取得部44によって取得されたか否かを判定する(S16)。一定期間は、例えば、1か月などであるが、特に限定されない。一定期間の間に第一行動が予定された予定情報が取得されたと判定される場合(S16でYes)とは、言い換えれば、保護者P等がステップ
図8の画像を見て、第一行動を6種類のブロック21のいずれかに紐づける登録操作を行ったことを意味する。この場合は、動作終了となる。
【0061】
一方で、一定期間の間に第一行動が予定された予定情報が取得されなかったと判定される場合(S16でNo)とは、言い換えれば、保護者P等が、第一行動を6種類のブロック21のいずれかに紐づける登録操作を行っていないことを意味する。このような場合、送信部45は、他の行動を保護者P等にレコメンドするために、第一行動と異なる第二行動を示す第二行動情報を情報端末30へ送信する(S17)。
【0062】
第二行動は、ステップS11~ステップS14の処理を再度行うことにより推定されてもよいし、上述のように第一行動を推定する際に第二行動の候補が記憶部43に記憶されている場合には、第二行動の候補の中から選択されてもよい。
【0063】
以上説明したように、行動推定システム10は、幼児Aが興味を有している行動を推定し、保護者P等に提示することができる。上述のように、行動推定システム10においては、6種類のブロックと行動との紐づけは保護者P等によって行われる。つまり、保護者P等が幼児Aの行動を選定することになる。
【0064】
ここで、幼児Aの自己肯定感を向上し、かつ、幼児Aの主体性を伸ばすためには、幼児Aが興味を有している行動をとることが重要であるという研究結果が知られている。幼児Aが興味を有する行動をとるために、保護者P等が幼児Aの様々な行動を想定して上記の紐づけを行うことができればよいが、保護者P等は、「我が子は〇〇に興味があるはず」という思い込みにより、無意識に行動を限定してしまいがちである。行動推定システム10は、このように無意識に行動を限定してしまいがちな保護者P等が、幼児Aが興味を有する行動を発見することを支援することができる。
【0065】
[動作例2]
行動推定システム10は、第一興味度情報を保護者P等に提供することもできる。以下、このような行動推定システム10の動作例2について説明する。
図9は、行動推定システム10の動作例2のフローチャートである。なお、動作例2は、実行情報を用いない動作例であるが、動作例1と同様に実行情報がさらに用いられてもよい。
【0066】
まず、サーバ装置40の取得部44は、幼児Aによって立案された所定期間における幼児Aの行動の予定を示す予定情報を情報端末30から取得する(S21)。
図5に示されるように、予定情報は、上述の20種類程度の行動の少なくとも一部と、その予定時刻(時間帯)とが対応付けられた情報である。
【0067】
次に、生成部46は、取得された予定情報に基づいて、複数の行動のそれぞれに対する幼児Aの興味の度合いを示す第一興味度情報を生成する(S22)。上記
図6に示されるように、第一興味度情報は、例えば、複数の行動に対する幼児Aの興味の度合いを順位付けした情報である。生成部46は、例えば、予定時間、予定回数、予定時間の経時変化などを入力情報とする機械学習モデルを用いて第一興味度情報を生成する。
【0068】
次に、送信部45は、生成された第一興味度情報を情報端末30へ送信する(S23)。情報端末30の第一通信部35は、第一興味度情報を受信し、制御部33は、第一通信部35によって第一興味度情報が受信されると、受信された第一興味度情報に基づいて、第一興味度情報を示す画像を表示部32に表示させる。
図10は、第一興味度情報を示す画像の一例を示す図である。
【0069】
以上説明したように、行動推定システム10は、幼児Aの各行動に対する興味の度合いを推定し、推定結果を保護者P等に提示することができる。つまり、行動推定システム10は、保護者P等が幼児Aが興味を有する行動を発見することを支援することができる。
【0070】
[変形例]
上記実施の形態では、玩具20がユーザインタフェースとして使用された。しかしながら、情報端末30の操作受付部31への操作によって幼児Aの行動の予定と、幼児Aの行動の結果が直接入力されてもよい。つまり、行動推定システム10は、玩具20を備えていなくてもよい。
【0071】
また、上記実施の形態では、第一興味度情報を生成するために機械学習モデルが使用されたが、機械学習モデルが使用されることは必須ではない。例えば、第一興味度情報を生成する最もシンプルな方法としては、例えば、予定情報に含まれる複数の行動のそれぞれについて1か月の間の予定時間の合計を算出し、予定時間の合計が多い順に順位付けを行う方法が考えられる。予定時間以外のパラメータ(予定回数または実行時間など)を用いた同様の方法により、第一興味度情報を生成することもできる。このように、第一興味度情報の生成には、統計的手法が用いられてもよい。
【0072】
また、上記実施の形態では、行動推定システム10は、幼児を対象としたが、高齢者など幼児以外の年齢層の人を対象としてもよい。行動推定システム10は、様々なユーザを対象として、当該ユーザが気づいていなかった、当該ユーザが興味があると考えられる行動を提案することができる。
【0073】
[効果等]
動作例1では、行動推定システム10は、第一ユーザによって立案された所定期間における第一ユーザの行動の予定を示す予定情報、及び、所定期間における第一ユーザの実際の行動を示す結果情報の少なくとも一方の情報を取得する取得部44と、取得された少なくとも一方の情報に基づいて、複数の行動のそれぞれに対する第一ユーザの興味の度合いを示す第一興味度情報を生成する生成部46と、生成された第一興味度情報と、各々が他のユーザを対象として生成された複数の第二興味度情報との比較を行うことにより、複数の行動以外に第一ユーザが興味を有する第一行動を推定する推定部47とを備える。上記実施の形態では、第一ユーザは、幼児Aである。
【0074】
このような行動推定システム10は、第一ユーザが幼児Aである場合に、幼児Aが興味を有する行動を推定することができる。
【0075】
また、例えば、推定部47は、上記比較を行うことにより、複数の第二興味度情報の中から第一興味度情報に類似する第二興味度情報を特定し、特定した第二興味度情報に含まれる行動を、第一行動として推定する。
【0076】
このような行動推定システム10は、第一興味度情報に類似する第二興味度情報に基づいて、第一ユーザが興味を有する第一行動を推定することができる。
【0077】
また、例えば、第一興味度情報は、複数の行動に対する第一ユーザの興味の度合いを順位付けした情報である。推定部47は、比較を行うことにより、複数の第二興味度情報の中から第一興味度情報に順位づけが類似する第二興味度情報を特定し、特定した第二興味度情報に含まれる行動を、第一行動として推定する。
【0078】
このような行動推定システム10は、第一興味度情報に順位づけが類似する第二興味度情報に基づいて、第一ユーザが興味を有する第一行動を推定することができる。
【0079】
また、例えば、取得部44は、予定情報及び結果情報の両方を取得する。生成部46は、取得された予定情報及び結果情報に基づいて定まる、行動の予定時間、行動の予定回数、行動の予定時間の経時変化、行動の実行時間、行動の実行回数、行動の実行時間の経時変化、行動の実行時間/行動の予定時間、及び、行動の実行回数/行動の予定回数の1つ以上を用いて、第一興味度情報を生成する。
【0080】
このような行動推定システム10は、これらのパラメータの1つ以上を用いて、第一興味度情報を生成することができる。
【0081】
また、例えば、取得部44は、少なくとも一方の情報を情報端末30から取得する。行動推定システム10は、さらに、推定された第一行動を示す第一行動情報を情報端末へ送信する送信部45を備える。
【0082】
このような行動推定システム10は、これらのパラメータの1つ以上を用いて、第一興味度情報を生成することができる。
【0083】
また、例えば、送信部45は、第一行動情報が送信されてから一定期間の間に、第一行動が予定された予定情報が取得部44によって取得されなかった場合に、複数の行動以外に第一ユーザが興味を有すると推定される、第一行動と異なる第二行動を示す第二行動情報を情報端末30へ送信する。
【0084】
このような行動推定システム10は、情報端末30の所有者(保護者P等)が、第一ユーザ(幼児A)が興味を有する行動を発見することを支援することができる。
【0085】
また、例えば、行動推定システム10は、さらに、情報端末30を備え、情報端末30は、第一行動情報を受信する第一通信部35と、受信された第一行動情報に基づいて、第一行動を示す画像を表示する表示部32とを備える。
【0086】
このような行動推定システム10は、第一行動を示す画像を表示部32に表示することにより、情報端末30の所有者(保護者P等)が、第一ユーザ(幼児A)が興味を有する行動を発見することを支援することができる。
【0087】
また、例えば、第一ユーザは、幼児Aであり、行動推定システム10は、さらに、複数のブロック21及び複数のブロック21を収容するケース22を有する玩具であって、第一ユーザがケース22内の複数のブロック21の配置を入れ替えることが可能な玩具20を備える。情報端末30は、さらに、ケース22内の複数のブロック21の配置を示す配置情報を玩具20から受信する第二通信部36と、受信された配置情報によって定まる複数のブロック21の配置を、第一ユーザによって立案された所定期間における第一ユーザの行動の予定とみなして予定情報を生成する制御部33とを備える。
【0088】
このような行動推定システム10は、幼児Aがケース22内にブロック21を配置することによって定まる予定情報に基づいて、幼児Aが興味を有する行動を推定することができる。
【0089】
また、動作例2では、行動推定システム10は、ユーザによって立案された所定期間におけるユーザの行動の予定を示す予定情報を取得する取得部44と、取得された予定情報に基づいて、複数の行動のそれぞれに対するユーザの興味の度合いを示す第一興味度情報を生成する生成部46とを備える。上記実施の形態では、第一ユーザは、幼児Aである。
【0090】
このような行動推定システム10は、第一ユーザが幼児Aである場合に、幼児Aが興味を有する行動を推定することができる。
【0091】
また、例えば、取得部44は、少なくとも一方の情報を情報端末30から取得する。行動推定システム10は、さらに、第一興味度情報を情報端末30に送信する送信部45を備える。
【0092】
このような行動推定システム10は、情報端末30の所有者(保護者P等)が、第一ユーザ(幼児A)が興味を有する行動を発見することを支援することができる。
【0093】
また、汎用のコンピュータを情報端末30として動作させるためのプログラムは、
図11のような処理を行う。
図11は、このようなプログラムの処理手順を示すフローチャートである。このプログラムは、複数のブロック21及び複数のブロック21を収容するケース22を有する玩具20であって、ユーザがケース22内の複数のブロック21の配置を入れ替えることが可能な玩具20から、ケース22内の複数のブロック21の配置を示す配置情報を受信する第一受信ステップ(S31)と、受信された配置情報に基づいて、所定期間におけるユーザの行動の予定を示す予定情報を生成する生成ステップ(S32)と、生成された予定情報をサーバ装置40に送信する送信ステップ(S33)とを含む情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。上記実施の形態では、ユーザは、幼児Aである。
【0094】
このようなプログラムは、コンピュータに、幼児Aがケース22内にブロック21を配置することによって定まる予定情報をサーバ装置40へ送信させることができる。つまり、このようなプログラムは、サーバ装置40による幼児Aが興味を有する行動の推定を支援することができる。
【0095】
また、例えば、情報処理方法は、送信ステップ(S33)の後にサーバ装置40によって推定されたユーザが興味を有する行動を示す行動情報をサーバ装置40から受信する第二受信ステップ(S34)と、受信された行動情報に基づいて、上記行動を示す画像を表示する表示ステップ(S35)とを含む。
【0096】
このようなプログラムは、上記行動を示す画像を表示することにより、コンピュータの所有者(保護者P等)が、ユーザ(幼児A)が興味を有する行動を発見することを支援することができる。
【0097】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0098】
例えば、上記実施の形態では、行動推定システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、行動推定システムは、サーバ装置に相当する単一の装置として実現されてもよい。行動推定システムが複数の装置によって実現される場合、行動推定システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0099】
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
【0100】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、上記実施の形態の動作例1、動作例2、及び、変形例は任意に組み合わされてよい。
【0101】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0102】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0103】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0104】
例えば、本発明は、行動推定システムなどのコンピュータが実行する行動推定方法として実現されてもよいし、このような行動推定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、汎用のコンピュータを上記実施の形態の情報端末として動作させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、これらのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0105】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0106】
10 行動推定システム
20 玩具
21 ブロック
22 ケース
30 情報端末
31 操作受付部
32 表示部
33 制御部
34 記憶部
35 第一通信部
36 第二通信部
40 サーバ装置
41 通信部
42 情報処理部
43 記憶部
44 取得部
45 送信部
46 生成部
47 推定部
A、B 幼児
P 保護者