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特許7466106マスククリーナ、スクリーン印刷装置およびスクリーン印刷方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】マスククリーナ、スクリーン印刷装置およびスクリーン印刷方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 35/00 20060101AFI20240405BHJP
   B41F 15/12 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
B41F35/00 C
B41F15/12 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020112209
(22)【出願日】2020-06-30
(65)【公開番号】P2022011218
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】萬谷 正幸
(72)【発明者】
【氏名】村上 俊行
(72)【発明者】
【氏名】末安 祐介
(72)【発明者】
【氏名】山内 仁史
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-155674(JP,A)
【文献】特開2000-238243(JP,A)
【文献】特開2002-036494(JP,A)
【文献】特開2010-280088(JP,A)
【文献】特開平11-058678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 35/00
B41F 15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクを介して基板にペーストを印刷するスクリーン印刷装置に備えられ、前記マスクの下面に付着したペーストを掻き取るマスククリーナであって、
前記マスクの下方を前記マスクに平行なペースト掻取り方向に移動するベース体と、
前記ペースト掻取り方向と交差する水平方向を長手方向として延びて両端部および下側のエッジが前記ベース体によって支持され、上側のエッジがペースト掻取りエッジとして前記マスクの下面に当接されるブレードと、
前記ベース体に取り付けられ、前記ブレードの前記長手方向の両端部を上方から押さえる一対の押さえ部材と、
前記ベース体に装着され、前記ブレードの前記長手方向の中間部を前記ベース体に固定するブレード固定具とを備えた、マスククリーナ。
【請求項2】
前記ブレードは樹脂製である、請求項1に記載のマスククリーナ。
【請求項3】
前記ブレード固定具は、前記ブレードの前記長手方向の中間部に設けられたロッド挿通孔にロッド部を挿通して前記ブレードを前記ベース体に固定する、請求項1または2に記載のマスククリーナ。
【請求項4】
前記ブレードは上下方向に対向して位置する第1のエッジと第2のエッジのうちの任意の一方を前記ペースト掻取りエッジとして使用できるようになっており、前記ロッド挿通孔は前記第1のエッジと前記第2のエッジとの双方から等距離の位置に設けられている、請求項3に記載のマスククリーナ。
【請求項5】
前記ブレードは前記ペースト掻取り方向に複数枚平行に並んで前記ベース体に取り付けられており、前記ロッドは前記複数のブレードそれぞれに設けられた前記ロッド挿通孔を一括して挿通することで前記複数のブレードのそれぞれを前記ベース体に固定する、請求項3または4に記載のマスククリーナ。
【請求項6】
マスクを介して基板にペーストを印刷する印刷ヘッドと、前記マスクの下面に付着したペーストを掻き取るマスククリーナとを備えたスクリーン印刷装置であって、
前記マスククリーナは、
前記マスクの下方を前記マスクに平行なペースト掻取り方向に移動するベース体と、
前記ペースト掻取り方向と交差する水平方向を長手方向として延びて両端部および下側のエッジが前記ベース体によって支持され、上側のエッジがペースト掻取りエッジとして前記マスクの下面に当接されるブレードと、
前記ベース体に取り付けられ、前記ブレードの前記長手方向の両端部を上方から押さえる一対の押さえ部材と、
前記ベース体に装着され、前記ブレードの前記長手方向の中間部を前記ベース体に固定するブレード固定具とを備えた、スクリーン印刷装置。
【請求項7】
マスクを介して基板にペーストを印刷する印刷工程と、前記印刷工程で前記マスクの下面に付着したペーストをマスククリーナによって掻き取るマスククリーニング工程とを含むスクリーン印刷方法であって、
前記マスククリーナは、
前記マスクの下方を前記マスクに平行なペースト掻取り方向に移動するベース体と、
前記ペースト掻取り方向と交差する水平方向を長手方向として延びて両端部および下側のエッジが前記ベース体によって支持され、上側のエッジがペースト掻取りエッジとして前記マスクの下面に当接されるブレードと、
前記ベース体に取り付けられ、前記ブレードの前記長手方向の両端部を上方から押さえる一対の押さえ部材と、
前記ベース体に装着され、前記ブレードの前記長手方向の中間部を前記ベース体に固定するブレード固定具とを備えた、スクリーン印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクを介して基板にペーストを印刷するスクリーン印刷装置に備えられるマスククリーナ、このマスククリーナを備えたスクリーン印刷装置およびスクリーン印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷装置は、マスクを基板に接触させ、マスクに形成されたパターン孔を通じて基板にペーストを印刷する。このようなスクリーン印刷装置では定期的にマスクの下面からペーストを掻き取ってクリーニングすることにより、後続の基板に対する印刷品質を低下させないようにしている。
【0003】
マスクのクリーニングに用いられるマスククリーナは、マスクの下方をマスクに平行な方向(ペースト掻取り方向と称する)に移動するベース体と、ベース体に取り付けられてマスクの下面に当接されるクリーニング部材とを備えている。クリーニング部材は従来、紙製の部材(クリーニングペーパー)が一般的であったが、樹脂製の「へら」状のブレードを用いたものも知られている(例えば、下記の特許文献1)。特許文献1に記載のマスククリーナでは、ブレードは、長手方向の両端部および下側のエッジがベース体によって支持されるとともに、ベース体に取り付けられた一対の押さえ部材によって両端部が上方から押さえられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-155674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のマスククリーナでは、マスクの下面に付着したペーストを除去した後、ブレードをマスクの下面から離間させるためにベース体をマスクの下方に移動させると、マスクの下面に残存しているペーストの粘着性によって樹脂製のブレードがベース体の上方に引っ張られて中間部が持ち上げられるように変形し、両端部が一対の押さえ部材から内側(押さえ部材同士が互いに向き合う側)に抜け出てブレードがベース体から分離してしまうおそれがあるという問題点があった。
【0006】
そこで本発明は、ブレードの下面に残存したペーストの粘着性によってブレードがベース体から分離してしまう事態を防止することができるマスククリーナ、スクリーン印刷装置およびスクリーン印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のマスククリーナは、マスクを介して基板にペーストを印刷するスクリーン印刷装置に備えられ、前記マスクの下面に付着したペーストを掻き取るマスククリーナであって、前記マスクの下方を前記マスクに平行なペースト掻取り方向に移動するベース体と、前記ペースト掻取り方向と交差する水平方向を長手方向として延びて両端部および下側のエッジが前記ベース体によって支持され、上側のエッジがペースト掻取りエッジとして前記マスクの下面に当接されるブレードと、前記ベース体に取り付けられ、前記ブレードの前記長手方向の両端部を上方から押さえる一対の押さえ部材と、前記ベース体に装着され、前記ブレードの前記長手方向の中間部を前記ベース体に固定するブレード固定具とを備えた。
【0008】
本発明のスクリーン印刷装置は、マスクを介して基板にペーストを印刷する印刷ヘッドと、前記マスクの下面に付着したペーストを掻き取るマスククリーナとを備えたスクリーン印刷装置であって、前記マスククリーナは、前記マスクの下方を前記マスクに平行なペースト掻取り方向に移動するベース体と、前記ペースト掻取り方向と交差する水平方向を長手方向として延びて両端部および下側のエッジが前記ベース体によって支持され、上側のエッジがペースト掻取りエッジとして前記マスクの下面に当接されるブレードと、前記ベース体に取り付けられ、前記ブレードの前記長手方向の両端部を上方から押さえる一対の押さえ部材と、前記ベース体に装着され、前記ブレードの前記長手方向の中間部を前記ベース体に固定するブレード固定具とを備えた。
【0009】
本発明のスクリーン印刷方法は、マスクを介して基板にペーストを印刷する印刷工程と、前記印刷工程で前記マスクの下面に付着したペーストをマスククリーナによって掻き取るマスククリーニング工程とを含むスクリーン印刷方法であって、前記マスククリーナは、前記マスクの下方を前記マスクに平行なペースト掻取り方向に移動するベース体と、前記ペースト掻取り方向と交差する水平方向を長手方向として延びて両端部および下側のエッジが前記ベース体によって支持され、上側のエッジがペースト掻取りエッジとして前記マスクの下面に当接されるブレードと、前記ベース体に取り付けられ、前記ブレードの前記長手方向の両端部を上方から押さえる一対の押さえ部材と、前記ベース体に装着され、前記ブレードの前記長手方向の中間部を前記ベース体に固定するブレード固定具とを備えた。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、マスクの下面に残存したペーストの粘着性によってブレードがベース体から分離してしまう事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置の斜視図
図2】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置の側面図
図3】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置が備えるマスククリーナをマスクとともに示す側面図
図4】本発明の一実施の形態におけるマスククリーナの斜視図
図5】本発明の一実施の形態におけるマスククリーナの(a)平面図(b)側面図(c)下面図
図6】本発明の一実施の形態におけるマスククリーナおよび移動ベースの分解斜視図
図7】本発明の一実施の形態におけるマスククリーナのベース体の斜視図
図8】本発明の一実施の形態におけるマスククリーナのベース体を構成するブロック部材の平面図
図9】本発明の一実施の形態におけるマスククリーナのベース体を構成するブロック部材の斜視図
図10】本発明の一実施の形態におけるマスククリーナのベース体の一部の一部の斜視図
図11】本発明の一実施の形態におけるマスククリーナのブレードの側面図
図12】本発明の一実施の形態におけるマスククリーナの一部の平面図
図13】(a)(b)本発明の一実施の形態におけるマスククリーナの一部の拡大断面図
図14】本発明の一実施の形態におけるマスククリーナの断面図
図15】本発明の一実施の形態におけるマスククリーナの断面図
図16】本発明の一実施の形態におけるマスククリーナが備えるブレード固定具の(a)斜視図(b)分解斜視図
図17】本発明の一実施の形態におけるマスククリーナの一部の分解斜視図
図18】(a)(b)本発明の一実施の形態におけるマスククリーナの側端面図
図19】本発明の一実施の形態におけるマスククリーナの(a)斜視図(b)一部の拡大斜視図
図20】(a)(b)本発明の一実施の形態におけるマスククリーナのベース体にブレード固定具を取り付ける手順を説明するマスククリーナの側断面図
図21】本発明の一実施の形態におけるマスククリーナおよび移動ベースの側断面図
図22】(a)(b)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置の動作を説明する図
図23】本発明の一実施の形態におけるマスククリーナによりマスクの下面をクリーニングしている状態を示す図
図24】本発明の一実施の形態におけるマスククリーナによりマスクの下面をクリーニングしている状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1および図2は本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷装置1を示している。スクリーン印刷装置1は上流工程側から供給された基板KBを搬入し、その基板KBの表面に設けられた複数のランドLDのそれぞれに半田等のペーストPstを印刷して下流工程側に搬出する装置である。ここでは説明の便宜上、作業者OPから見たスクリーン印刷装置1の前後方向をY軸方向、作業者OPから見た左右方向(基板KBの搬送方向)をX軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。また、Y軸方向のうち、作業者OPから見た手前側を前方、作業者OPから見た奥側を後方とする。
【0013】
図1および図2において、スクリーン印刷装置1は、基台11、ステージ12、マスク13、印刷ヘッド14、カメラ15およびマスククリーナ16を備えている。ステージ12は基台11上に設けられており、マスク13はステージ12の上方に設置されている。印刷ヘッド14はマスク13の上方を水平方向に移動自在に設けられている。カメラ15とマスククリーナ16は、ステージ12とマスク13の間の領域に対して水平方向に進退自在に設けられている。
【0014】
図2において、ステージ12は基板保持部21と保持部移動機構22から構成されている。基板保持部21はY軸方向に平行に並んで設けられた基板搬送用の一対の搬送コンベア31と、搬送コンベア31によって搬送されてきた基板KBの下面を支持する下受け部32と、一対の搬送コンベア31の上部に設けられてY軸方向に開閉自在な一対のクランパ33を備えている。
【0015】
基板保持部21は搬送コンベア31によって基板KBを受け取り、所定の位置まで搬送する。下受け部32は搬送コンベア31が所定の位置に搬送した基板KBを下方から支持する。一対のクランパ33は、下受け部32が支持した基板KBの両端を側方から挟んでクランプする。保持部移動機構22は直交座標テーブル機構等によって構成されており、基板KBを保持した基板保持部21をXY面内方向、Z軸方向およびZ軸回り方向に移動させる。
【0016】
図1および図2において、マスク13はXY平面に広がった矩形形状を有している。マスク13は金属製の板状部材から構成されており、四辺が矩形の枠体13Wによって支持されている。マスク13の中央部には、基板KBのランドLDの配置に対応して形成されたパターン孔13Hが設けられている。
【0017】
図1および図2において、印刷ヘッド14は、X軸方向に延びた形状のヘッドベース41の下方に2つのスキージ42を備えている。2つのスキージ42はX軸方向に延びた「へら」状の部材から成り、Y軸方向に対向して配置されている。ヘッドベース41の上面には2つのスキージ42を個別に昇降させるスキージ昇降駆動部43が設けられている。ヘッドベース41は印刷ヘッド移動機構44(図2)の作動によってマスク13の上方をY軸方向に往復移動する。
【0018】
図1において、マスク13の下方にはX軸方向に延びた移動ビーム51が配置されている。移動ビーム51はビーム移動機構52(図2)によってY軸方向に移動自在になっている。移動ビーム51には、カメラ15とマスククリーナ装着部53が取り付けられている(図1および図2)。
【0019】
図3において、カメラ15は上方領域を撮像する上方撮像部15aと下方領域を撮像する下方撮像部15bを備えている。カメラ15は、図示しないカメラ移動機構によって、移動ビーム51に沿ってX軸方向に移動することができる。カメラ15は、移動ビーム51のY軸方向への移動と、カメラ15自身の移動ビーム51に沿ったX軸方向への移動とによって、マスク13とステージ12との間の領域を水平面内方向に移動しつつ、上方撮像部15aによってマスク13を下方から撮像し、下方撮像部15bによって基板KB(基板保持部21に保持された基板KB)を上方から撮像する。
【0020】
図2および図3において、マスククリーナ装着部53には昇降機構54を介して移動ベース55が設けられており、マスククリーナ16は移動ベース55に取り付けられている。移動ビーム51によって移動ベース55がY軸方向に移動することでマスククリーナ装着部53がY軸方向に移動し、これによりマスククリーナ16がマスク13の下方領域をY軸方向に移動する。昇降機構54が移動ベース55を昇降させると、マスククリーナ16は移動ビーム51に対して昇降する(図3中に示す矢印A)。
【0021】
図4図5(a),(b),(c)および図6において、マスククリーナ16はベース体61、複数(ここでは6枚)のブレード62、一対の押さえ部材63、整流板64およびブレード固定具65を備えている。
【0022】
ベース体61は、図6および図7に示すように、マスククリーナ16によるペーストPstの掻取り方向(ペースト掻取り方向)であるY軸方向と交差する水平方向(X軸方向)を長手方向として延びた形状を有している。ベース体61は、長手方向に延びた形状のクリーナベース71と、クリーナベース71に取り付けられたブレード保持部72を備えている。
【0023】
図6において、クリーナベース71の中央部には上下方向に貫通した開口71Sが設けられている。ブレード保持部72はクリーナベース71の上面に取り付けられており、その下方に開口71Sが位置した状態となっている。
【0024】
図5(a)、図6および図7において、ブレード保持部72はクリーナベース71の長手方向(X軸方向)に並んで着脱自在に取り付けられる複数(ここでは7個)のブロック部材72Bから構成されている。各ブロック部材72Bは、ペースト掻取り方向(Y軸方向)に対して斜めに交差した方向に延びた2つの梁部73を有している。これら2つの梁部73は平面視においてV字状に配置されている。図8はブロック部材72Bを上方から見た図を示しており、図9はブロック部材72Bの単体を斜め上方から見た図を示している。
【0025】
図10において、各ブロック部材72Bは、ベース体61の長手方向(X軸方向)に延びてペースト掻取り方向(Y軸方向)に対向する平行な一対の縁部74を有している。V字状に配置された2つの梁部73はこれら一対の縁部74の間に掛け渡されて延びている(図8および図9も参照)。
【0026】
各ブロック部材72Bが有する2つの梁部73それぞれには、図8図9および図10に示すように、複数のブレード62を挿入するための複数列(ここでは6列)の溝部75がX軸方向(ベース体61の長手方向)に延びて設けられている。これら複数列(6列)の溝部75は互いに平行であり、それぞれ上端側がペーストPstの掻取り時のマスククリーナ16の進行方向とは反対の方向(すなわち後方)に傾斜した状態となっている。
【0027】
図6および図11に示すように、ブレード62はベース体61の長手方向に延びた形状を有している。各ブレード62は樹脂製であり、ブレード62の面内方向および面外方向に可撓性を有している。6枚のブレード62は、複数(7つ)のブロック部材72Bによって構成されるブレード保持部72の6列の溝部75のそれぞれに、長手方向(X軸方向)に延びた姿勢で上方から取り付けられている(図12)。
【0028】
図11において、各ブレード62は上下方向に対称な形状を有しており、上下方向に対向する2つのエッジ(第1のエッジ62aおよび第2のエッジ62b)を有している。このため各ブレード62は任意の一方のエッジ(第1のエッジ62aまたは第2のエッジ62b)がペースト掻取りエッジ62Eとなるようにベース体61に取り付けることができる(図13(a),(b))。
【0029】
図11および図13(a),(b)に示すように、各ブレード62の端部には、第1のエッジ62aと第2のエッジ62bを識別するための識別マーク62M(識別表示)が付されている。識別マーク62Mは、ブレード62がベース体61に取り付けられている状態で外部から視認することができる(図12)。このため作業者は、ベース体61からブレード62を取り外すことなく、そのブレード62の第1のエッジ62aと第2のエッジ62bのどちらがペースト掻取りエッジ62Eとなっているかを知ることができる。
【0030】
図6および図11において、各ブレード62の長手方向の中間部には、そのブレード62の厚さ方向に貫通したロッド挿通孔62Kが設けられている。ロッド挿通孔62Kは、上下方向に対向して位置する第1のエッジ62aと第2のエッジ62bとの双方から等距離の位置(ブレード62の高さ方向の中央の位置)に設けられている。
【0031】
6枚のブレード62は、ブレード保持部72に設けられた6列の溝部75に挿入されることによって、図12図14および図15に示すように、ベース体61上において、ペースト掻取り方向(Y軸方向に)に互いに平行に並んだ状態となっている。前述したように各溝部75は上端側が後方に傾斜しているので、溝部75に挿入された各ブレード62は、開口71S内で上端側を後方に傾斜させた姿勢となっている。ここで、図14図12における矢視V1-V1から見た断面図(ひとつの梁部73の全部を横断する断面図)であり、図15図12における矢視V2-V2から見た断面図(梁部73を横断しない断面図)である。
【0032】
図14および図15において、6枚のブレード62のうちの2枚は、ペーストPstの掻取り時のマスククリーナ16の進行方向(図14および図15における紙面右方)の前後両端に位置する2列の溝部75によって支持されており、6枚のブレード62のうちの他の4枚は、ブレード保持部72に設けられた4列の溝部75によって支持されている。すなわち、進行方向から見て先頭と最後尾に位置する2枚のブレード62は縁部74に設けられた溝部75によって長手方向のほぼ全領域が支持されており、それらの中間に位置する4枚は、梁部73に設けられた溝部75によって、長手方向の中間部が部分的に支持されている。
【0033】
図4図5(a),(b),(c)、図6および図7において、一対の押さえ部材63はベース体61の長手方向(Y軸方向)の両端部に取り付けられている。各押さえ部材63はそれぞれ樹脂製であり、XY方向に広がった平らな上面63Fを備えている。
【0034】
各押さえ部材63はペースト掻取り方向(Y軸方向)に並んで形成された2つの螺子孔63Hを有しており、これら2つの螺子孔63Hに2つの螺子63Sが挿通されている。2つの螺子63Sがベース体61の長手方向の両端部に設けられた螺子取付け穴61H(図6)に螺入されることによって、各押さえ部材63はベース体61に着脱自在に装着されている。
【0035】
図11において、各ブレード62の長手方向の両端部には当接突起62Hが形成されている。当接突起62Hは、ブレード62の長手方向の外側に突出しており、上下に対称な凸形状を有している。一対の押さえ部材63がベース体61の両端部に取り付けられると、複数のブレード62それぞれの当接突起62Hに押さえ部材63の突起部63Tが上方から当接し(図13(a),(b))、複数(6枚)のブレード62が一括してクリーナベース71に固定される。
【0036】
図14図15および図13(a),(b)において、一対の押さえ部材63によってクリーナベース71に固定された複数のブレード62それぞれの上縁は、各押さえ部材63の上面よりも上方に突出した状態となる。このため、ベース体61に取り付けられた各押さえ部材63の上面は各ブレード62の上縁よりも低い位置に位置しており、ベース体61の上方に突出したブレード62の上縁は、マスク13のクリーニングの際、マスク13の下面に当接されてペーストPstを掻き取るペースト掻取りエッジ62Eとなる(図11)。
【0037】
図5(c)、図6図14および図15に示すように、整流板64は、ベース体61の開口71Sを下方から覆う位置に、複数の整流板装着螺子64Sによってベース体61に着脱自在に装着されている(図6図14および図15)。整流板64はベース体61の長手方向に並んで設けられた複数の整流孔64Hを有している。
【0038】
図6において、移動ベース55の上面のベース体61(クリーナベース71)と接触する部分には、複数(ここでは2つ)の位置決め孔55Hが設けられている。一方、クリーナベース71の下面には、複数の位置決め孔55Hに対応して配置された複数(ここでは2つ)の位置決めピン61Pが下方に延びて設けられている(図5(b),(c))。
【0039】
図4および図5(a),(b),(c)において、ブレード固定具65は、ベース体61の長手方向(X軸方向)の中間部の側面に装着されている。ブレード固定具65は、図16(a),(b)および図17に示すように、固定具ベース81、ブロック部82およびロッド部83を備えている。
【0040】
図16(a),(b)および図17において、固定具ベース81は板状の部材が曲げ成型されて成り、水平部91と、水平部91の縁から下方に延びた左右の垂直部92を有している。垂直部92の左右の一方側92aは下端側が水平に折り曲げられており、作業者が指で把持ことができる把持部93となっている。垂直部92の左右の他方側92bには、下縁側から上方に延びた形状のスリット94が形成されている。
【0041】
図16(a),(b)において、ブロック部82は、固定具ベース81の水平部91の下面(把持部93が形成されている側)に、複数のブロック固定螺子82Sによって取り付けられている。ブロック部82の上面側にはY軸方向(すなわち複数のブレード62の並び方向)に延びた螺子挿入溝82Mが形成されている。ロッド部83は、一方側の端部(基端部83a)が、ブロック部82の螺子挿入溝82Mと固定具ベース81の水平部91との間に挟まれて固定具ベース81に固定されている。
【0042】
図17において、ベース体61の長手方向に中間部には、Y軸方向に対向して配置されたロッド貫通孔61Qとロッド先端部受容穴61Rが設けられている。ベース体61に取り付けられた複数(6枚)のブレード62それぞれのロッド挿通孔62Kは、ロッド貫通孔61Qとロッド先端部受容穴61Rとの間に(ロッド貫通孔61Qとロッド先端部受容穴61Rとを結ぶ線上に)一列に並んで位置している。
【0043】
ブレード固定具65は、ロッド部83の先端部83b(基端部83aとは反対側の端部)をロッド貫通孔61Q、複数のブレード62それぞれのロッド挿通孔62Kの順で貫通させた後、ロッド先端部受容穴61Rに受容させるようにしてベース体61に取り付けられる(図18(a)→図18(b))。そして、スリット94をY軸方向に挿通させた固定具装着螺子65Sを、ベース体61の側面に設けられた螺子穴61Jに螺入させる(図17および図18(b))。これによりブレード固定具65がベース体61に固定される。このためブレード固定具65は、固定具装着螺子65Sをベース体61に取り付けることでベース体61に装着することができ、固定具装着螺子65Sをベース体61から取り外すことでベース体61から取り外すことができる。
【0044】
図4および図19(a)に示すように、ブレード固定具65はベース体61の長手方向のほぼ中央部に装着される。このためブレード固定具65のロッド部83は、ベース体61の長手方向のほぼ中央部をY軸方向に延びて複数のブレード62を貫通して延び、これら複数のブレード62を一括してベース体61に固定した状態となっている(図19(a)における領域ARの拡大図である図19(b)参照)。
【0045】
このように、複数のブレード62はそれぞれ、両端部が一対の押さえ部材63によって上方からベース体61に押さえられるだけでなく、長手方向の中間部がブレード固定具65のロッド部83に挿通されてベース体61に固定されている。このため各ブレード62はベース体61に対する上下方向の変形が拘束され、上方への引っ張り力が作用したとしても、その力によってブレード62の全体が上方に大きく撓むことが抑制される。よって各ブレード62は、その両端部が押さえ部材63の内側(押さえ部材同士が互いに向き合う側)に抜け出ることがなく、ベース体61から分離してしまうおそれがない。
【0046】
上記構成のマスククリーナ16を移動ベース55に取り付けるときは、マスククリーナ16のベース体61に設けられた複数の位置決めピン61Pを、移動ベース55に設けられた複数の位置決め孔55Hに上方から挿入させる(図20(a)中に示す矢印B)。ここで、移動ベース55は磁性体材料から構成されており、ベース体61には、下面に表面を露出させた複数の磁石61Mが埋設されている(図5(b),(c)、図14および図15)。このため、マスククリーナ16が移動ベース55上の規定の位置に取り付けられると、クリーナベース71に埋設された複数の磁石61Mそれぞれが移動ベース55の上面を磁力で吸着し、マスククリーナ16が移動ベース55に固定された状態となる(図20(b))。
【0047】
図21は、図20(b)における矢視V3-V3から見た断面図である。この図に示すように、マスククリーナ16が移動ベース55に取り付けられた状態では、マスククリーナ16の開口71Sが移動ベース55に形成された内部空間55S(図6も参照)と連通する。
【0048】
移動ベース55には内部空間55Sに設けられた空気通路55R(図6および図20(a),(b)も参照)を通じて外部に延びる真空吸引管路55Tが設けられている(図3および図21)。この真空吸引管路55Tには吸出し機構100が接続されており(図3および図21)、吸出し機構100が真空吸引管路55Tを介して空気を吸引すると、マスククリーナ16の上方の空気が開口71Sおよび整流板64に設けられた整流孔64Hを通じて内部空間55S側に引き込まれ、マスク13の下面やパターン孔13H内に付着したペーストPstがマスククリーナ16側に吸い出される。
【0049】
次に、スクリーン印刷装置1によってスクリーン印刷作業を行う手順、すなわちスクリーン印刷方法について説明する。ここで、スクリーン印刷装置1によって行うスクリーン印刷方法は、以下に述べるように、マスク13を介して基板KBにペーストPstを印刷する印刷工程と、印刷工程でマスク13の下面に付着したペーストPstをマスククリーナ16によって掻き取るマスククリーニング工程とを含んでいる。
【0050】
スクリーン印刷装置1によってスクリーン印刷作業を行う場合には、先ず、印刷工程を実行する。印刷工程では、はじめに、スクリーン印刷装置1の外部から供給された基板KBを搬送コンベア31が受け取って所定の位置まで搬入する。そして、下受け部32が上昇して基板KBを下方から支持し、次いでクランパ33が作動して基板KBをY軸方向からクランプする。
【0051】
このようにして基板保持部21が基板KBを保持したら、カメラ15がマスク13と基板KBとの間の領域に進出してマスク13と基板KBをそれぞれ撮像する。カメラ15がマスク13と基板KBの双方を撮像することによってマスク13に対する基板KBの相対位置が求められたら、保持部移動機構22は基板KBのランドLDとマスク13のパターン孔13Hとが合致するように基板保持部21を(すなわち基板KB)を移動させて、マスク13の下面に基板KBを接触させる。
【0052】
マスク13の下面に基板KBを接触させたら、マスク13上にペーストPstが供給されている状態でスキージ昇降駆動部43を作動させて、2つのスキージ42のうちの一方をマスク13の上面に当接させる。スキージ42がマスク13の上面に当接したら印刷ヘッド移動機構44がヘッドベース41をY軸方向に移動させる。これによりマスク13上のペーストPstがスキージ42によって掻き寄せられ(図2)、マスク13のパターン孔13Hを通じて基板KBの各ランドLDにペーストPstが塗布される。
【0053】
基板KBの各ランドLDにペーストPstが塗布されたら、保持部移動機構22が基板保持部21を下降させて基板KBをマスク13から分離(版離れ)させる。これにより基板KBへのペーストPstの印刷が終了する。基板KBへのペーストPstの印刷が終了したら搬送コンベア31が作動し、基板KBをスクリーン印刷装置1の外部に搬出する。
【0054】
搬送コンベア31によって基板KBがスクリーン印刷装置1の外部に搬出されたら、マスククリーナ16によるマスククリーニング作業を実行する(マスククリーニング工程)。マスククリーニング作業では、ビーム移動機構52が移動ビーム51をY軸方向に移動させることで、マスククリーナ16をマスク13の後下方の領域に進出させる。そして、昇降機構54が作動してマスククリーナ16を上昇させ、マスククリーナ16を(詳細には6枚のブレード62のペースト掻取りエッジ62Eを)マスク13の下面に当接させる(図22(a))。
【0055】
このときベース体61に装着された一対の押さえ部材63は、過剰な力でブレード62をマスク13に押し当てないようにするためのストッパとして機能する。すなわち、押さえ部材63の上面63Fがマスク13の下面に当接することでブレード62の変形が一定範囲に保たれ、ブレード62の摩耗の進行が想定の範囲内にコントロールされる。
【0056】
マスククリーナ16がマスク13の下面に当接したら、ビーム移動機構52が作動して移動ビーム51を前方に移動させる。これによりマスククリーナ16が備える6枚のブレード62がマスク13の下面を摺動し、各ブレード62のペースト掻取りエッジ62Eによってマスク13の下面に付着したペーストPstが掻き取られていく(図22(b)および図23)。そして、この間(6枚のブレード62がマスク13の下面に付着したペーストPstを掻き取っている間)、吸出し機構100は空気を吸引する。これによりマスク13に付着しているペーストPstは隣接するブレード62の間の空間(図21)からマスククリーナ16の開口71Sを通じて強制的に吸い出され、マスク13の下面に付着したペーストPstは効率よく掻き取られる(図24)。ここで、図24は、図23中に示す一点鎖線領域Raの拡大図である。
【0057】
また、ブレード62がマスク13の下面を摺動してマスククリーニング作業が実行されているとき、一対の押さえ部材63はマスク13の下面に下方から当接するので、マスククリーニング中に、ブレード62で挟まれた空間62Sの側方から開口71Sにエアが流入するのが防止される。このためクリーニングに寄与しない箇所から流入するエアによってマスククリーナ16の吸引力が損なわれることが防止される。
【0058】
このように本実施の形態のマスククリーナ16は、マスク13の下方をマスク13に平行なペースト掻取り方向(Y軸方向)に移動するベース体61と、ペースト掻取り方向と交差する水平方向(X軸方向)を長手方向として延びて両端部および下側のエッジがベース体61によって支持され、上側のエッジがペースト掻取りエッジ62Eとしてマスク13の下面に当接されるブレード62と、ベース体61に取り付けられ、ブレード62の長手方向の両端部を上方から押さえる一対の押さえ部材63とを備え、ブレード62の上縁がマスク13の下面に当接した状態でベース体61がペースト掻取り方向に移動することで、ブレード62の上縁がペースト掻取りエッジ62Eとしてマスク13の下面に付着したペーストPstを掻き取る構成となっている。
【0059】
ここで、本実施の形態におけるスクリーン印刷装置1では、マスククリーナ16のブレード62は樹脂製であるため、ブレード62を清掃する際、誤ってブレード62を大きく曲げてしまったとしても塑性変形することがなく、ブレード62の変形によってペースト掻取りエッジ62Eがマスク13の下面に面当りしなくなるような不都合が発生しない。このためブレード62の変形等に起因するクリーニング品質の低下が起きにくい。
【0060】
また、各ブレード62は上下方向に対向して位置する2つのエッジ(第1のエッジ62aおよび第2のエッジ62b)のうちの任意の一方をペースト掻取りエッジ62Eとして使用できるため、一方のエッジがペーストPstの掻取りの耐用限度に達したときはブレード62をベース体61から取り外し、上下を反転させてベース体61に取り付けなおすことで、ブレード62の耐用限度(寿命)を増大させることができる。従ってマスククリーニング作業にかかるコストを大きく低減することができる。
【0061】
上記のようにしてマスククリーナ16によりマスク13の下面のクリーニング作業が終了したら、マスククリーナ装着部53の昇降機構54が移動ベース55を下降させる。これにより移動ベース55に連結されたマスククリーナ16が下降し、ベース体61に取り付けられた一対の押さえ部材63がマスク13の下面より離れ、次いで各ブレード62の上縁(ペースト掻取りエッジ62E)がマスク13の下面から離間する。このとき、マスク13の下面に残留しているペーストPstがある場合には、そのペーストPstの粘着性によって、各ブレード62はマスク13の下面から離間するのが妨げられる。
【0062】
このため各ブレード62は相対的にベース体61の上方に引っ張られ、その中間部が上方に凸となる形状に撓もうとするところであるが、本実施の形態では、各ブレード62の中間部にブレード固定具65のロッド部83が挿通されていて各ブレード62の撓み変形は押さえられるので、両端部が一対の押さえ部材63から内側(押さえ部材同士が互いに向き合う側)に抜け出てしまうことがなく、従ってブレード62がベース体61から分離してしまうおそれがない。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態におけるスクリーン印刷装置1が備えるマスククリーナ16は、長手方向の両端部と中間部がベース体61によって支持されるブレード62が、ベース体61に取り付けられた一対の押さえ部材63によって両端部が上方から押さえられるだけでなく、ベース体61に装着されたブレード固定具65によって、長手方向の中間部がベース体61に固定されるようになっている。このためマスク13の下面に残存したペーストPstの粘着性によってブレード62が上方に引っ張られたとしてもブレード62の中間部が持ち上げられるように変形することはなく、ブレード62の両端部が一対の押さえ部材63から抜け出てしまってブレード62がベース体61から分離してしまう事態を防止することができる。
【0064】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されず、種々の変形等が可能である。例えば、上述の実施の形態では、各ブレード62が第1のエッジ62aと第2のエッジ62bのいずれがペースト掻取りエッジ62Eとなるように取り付けられた場合であってもロッド部83がブレード62を挿通する箇所が共通となるようにするために第1のエッジ62aと第2のエッジ62bとの双方から等距離の位置にロッド挿通孔62Kを設けていた。しかし、これは一例であり、第1のエッジ62aがペースト掻取りエッジ62Eとなる場合と第2のエッジ62bがペースト掻取りエッジ62Eとなる場合とでロッド部83が挿通する箇所が異なってもよいのであれば、第1のエッジ62aがペースト掻取りエッジ62Eとなるように取り付けた場合にロッド部83が挿通する第1のロッド挿通孔と、第2のエッジ62bがペースト掻取りエッジ62Eとなるように取り付けた場合にロッド部83が挿通する第2のロッド挿通孔との2つのロッド挿通孔をブレード62に設けるようにしてもよい。
【0065】
また、上述の実施の形態では、ベース体61に取り付けられるブレード62の数は6枚であったが、これは一例に過ぎず、何枚であっても(1枚であっても)構わない。また、上述の実施の形態では、ブレード62の長手方向の中間部がベース体61に固定される箇所の数は1つであり、従ってベース体61に装着されるブレード固定具65は1つであったが、ブレードの62の長手方向の中間部がベース体61に固定される数は2つ以上であってもよい。この場合はベース体61に装着されるブレード固定具65の数も2つ以上となる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
ブレードの下面に残存したペーストの粘着性によってブレードがベース体から分離してしまう事態を防止することができるマスククリーナ、スクリーン印刷装置およびスクリーン印刷方法を提供する。
【符号の説明】
【0067】
1 スクリーン印刷装置
13 マスク
14 印刷ヘッド
16 マスククリーナ
61 ベース体
62 ブレード
62a 第1のエッジ
62b 第2のエッジ
62E ペースト掻取りエッジ
62K ロッド挿通孔
63 押さえ部材
65 ブレード固定具
83 ロッド部
Pst ペースト
KB 基板
図1
図2
図3
図4
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