(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20240405BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20240405BHJP
G07F 9/00 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
G06Q30/0251
G06Q30/06
G07F9/00 110A
(21)【出願番号】P 2019195063
(22)【出願日】2019-10-28
【審査請求日】2022-09-06
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517066755
【氏名又は名称】株式会社パンフォーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】矢野 健太
【審査官】西村 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-196720(JP,A)
【文献】登録実用新案第3208181(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07F 1/00ー19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の団体の敷地内で無人で商品が販売される
際に当該団体に属する者が当該商品の購入者
となる場合に当該購入者に情報を提供する情報処理装置において、
前記購入者が前記商品を購入する際の決済として汎用の決済媒体を利用し、決済処理端末において当該決済媒体から読み取られた決済情報に紐づく前記購入者の個人情報が当該決済
処理端末から送信されてきたとき、当該購入者の当該個人情報を、属性情報として取得する属性情報取得手段と、
前記属性情報により示される前記購入者の属性に基づいて、前記商品以外に関する1以上の情報の中から、前記購入者に提供するための情報
であって、前記団体に属する者より提供された情報を提供情報として決定する提供情報決定手段と、
当該提供情報を前記購入者に提供する提供手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
所定の団体の敷地内で無人で商品が販売される
際に当該団体に属する者が当該商品の購入者
となる場合に当該購入者に情報を提供する情報処理装置
が実行する情報処理方法において、
前記購入者が前記商品を購入する際の決済として汎用の決済媒体を利用し、決済処理端末において当該決済媒体から読み取られた決済情報に紐づく前記購入者の個人情報が当該決済
処理端末から送信されてきたとき、当該購入者の当該個人情報を、属性情報として取得する属性情報取得ステップと、
前記属性情報により示される前記購入者の属性に基づいて、前記商品以外に関する1以上の情報の中から、前記購入者に提供するための情報
であって、前記団体に属する者より提供された情報を提供情報として決定する提供情報決定ステップと、
当該提供情報を前記購入者に提供する提供ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項3】
所定の団体の敷地内で無人で商品が販売される
際に当該団体に属する者が当該商品の購入者
となる場合に当該購入者に情報を提供するコンピュータに、
前記購入者が前記商品を購入する際の決済として汎用の決済媒体を利用し、決済処理端末において当該決済媒体から読み取られた決済情報に紐づく前記購入者の個人情報が当該決済
処理端末から送信されてきたとき、当該購入者の当該個人情報を、属性情報として取得する属性情報取得ステップと、
前記属性情報により示される前記購入者の属性に基づいて、前記商品以外に関する1以上の情報の中から、前記購入者に提供するための情報
であって、前記団体に属する者より提供された情報を提供情報として決定する提供情報決定ステップと、
当該提供情報を前記購入者に提供する提供ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動販売機において販売される商品自体の情報を購入者に伝達する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、無人で商品が販売される際に各種各様な情報を購入者に伝達することが要求されているが、特許文献1を含め従来の技術では、このような要望に十分に応えることができていない状況である。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、無人で商品等が販売される際に各種各様な情報を消費者に伝達することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する為、本発明の一態様の情報処理装置は、
無人で商品が販売される際に当該商品の購入者に情報を提供する情報処理装置において、
前記商品以外に関する1以上の情報の中から、前記購入者に提供するための情報を提供情報として決定する提供情報決定手段と、
当該情報を前記購入者に提供する提供手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、無人で商品等が販売される際に各種各様な情報を消費者に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムが適用されるパン購入サービスの概要に関する図である。
【
図2】
図1のパン購入サービスを伴うパン購入の手順を説明する図である。
【
図3】
図1のパン購入サービスで購入者に利用される各種設備の設置例を示す図である。
【
図4】
図1のパン購入サービスに適用される、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムの構成図である。
【
図5】
図4の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】
図5に示すサーバ、並びに、表示端末、決済処理端末、及び情報提供者端末の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図7】
図5の機能的構成を有する、表示端末、決済処理端末、サーバ、及び情報提供者端末の夫々により実行される提供情報の送信処理及び提供情報の表示処理の流れを説明するアローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず、本発明の実施形態を説明する前に、
図1乃至
図3を参照して、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムが適用されるパン購入サービスの概要について説明する。
【0010】
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムが適用されるパン購入サービスの概要に関する図である。
パン購入サービスは、
図1に示すサービスSA1乃至SA10から構成されるサービスである。
即ち、パン購入サービスとは、サービス提供者により、自身やパン屋等で製作されたパンを、その購入者に対して販売するために行われる各種サービスSA1乃至SA10の集合体である。
【0011】
パン購入サービスを構成する
図1のサービスSA1乃至SA5の夫々は、各販売チャネルにおけるサービスを夫々示している。
【0012】
サービスSA1では、パンの販売チャネルは、企業のオフィスである。即ち、サービスSA1では、オフィスで勤務する者が、パンの購入者である。このように、オフィスにおいてパンが販売される際に、商品としてのパンに関する情報は勿論のこと、広告等のパン以外の各種情報が提供されるサービスが、サービスSA1である。
【0013】
サービスSA2では、パンの販売チャネルは、飲食物を提供する飲食店である。即ち、サービスSA2では、オリジナルパンを提供したいと考える飲食店が、パンの購入者である。このように、飲食店において、パターンオーダーでOEM注文されることによりパンが販売(提供)されるサービスが、サービスSA2である。
また、購入者が希望するパンの種類を入力等することで、当該種類を提供しているパン屋を選定して当該購入者に通知するサービスも、サービスSA2に含まれる。
【0014】
サービスSA3では、パンの販売チャネルは、病人である。即ち、サービスSA3では、病人自身が、パンの購入者である。病人の健康診断のデータ等を元に、個別に最適化されたパン、つまりパーソナライズド方法によりパンが製造される。そして、これらの、パーソナライズド方法により製造されたパンが病人に対して販売されるサービスが、サービスSA3である。
【0015】
サービスSA4では、パンの販売チャネルは、無人店舗である。即ち、サービスSA4では、無人店舗に来訪する者が、パンの購入者である。即ち、無人店舗において購入者自身によりパンが解凍されて販売されるサービスが、サービスSA4である。
【0016】
サービスSA5では、パンの販売チャネルは、C2C(Consumer to consumer)である。即ち、サービスSA5では、C2Cのサービス提供者が、パンの購入者である。例えば料理教室等の場所で生徒により製造されたパンが、サービス提供者により買取られて、当該サービス提供者によりその他の販売チャネルを介して販売されるサービスが、サービスSA5である。
【0017】
サービスSA6は、サービス提供者によるパンの管理システムにおける、パン屋の最適化とアセンブリについてのサービスである。具体的には例えば、パンの管理システムにおいて、パンを食する者の嗜好に合わせたパン及びパン屋が自動で選定されるサービスや、パンを仕入れる為に最適な物流ルートが選定されるサービスが、サービスSA6である。
【0018】
サービスSA7は、サービス提供者によるパンの管理システムにおける、パンのデータ管理についてのサービスである。具体的には例えば、パンの管理システムにおいて、サービス提供者は、食品表示法の観点から、ラベル作成のためにパンの原料及びレシピデータを管理システムに対して入力する。入力されたデータが元となり、原料メーカからのレコメンドをサービス提供者が受けることや、さらには、パンのレシピデータが個人や海外メーカに販売されることが可能となる。これらのことが実現可能となるサービスが、サービスSA7である。
【0019】
サービスSA8は、サービス提供者により行われる、パン屋に対する冷凍方法指導に関するサービスである。具体的には例えば、美味しくパンを食すために最適なパンの冷凍方法の確立、及びその冷凍方法の規格化がサービス提供者によりなされる。この冷凍方法が、パン屋に対してライセンスされる。
【0020】
サービスSA9は、サービス提供者により行われる、原料メーカとの取り組みに関するサービスである。即ち、サービス提供者により、パン屋に対し原料のレコメンドがなされたり、加工食品業者に対するマーケティングがなされる。また、サービス提供者により、原料メーカやコンテンツホルダに対し、コラボ商品の提案の機会が提供される。
【0021】
サービスSA10は、サービス提供者と、購入者との取り組みに関するサービスである。即ち、購入者に、パンのフィードバックや、パンや具材、そして商品についてのリクエストをさせる等、パン屋と購入者とがコミュニケーションをすることにより可能となるサービスが、サービスSA10である。
【0022】
以下、上述のパン購入サービスのうちサービスSA1について詳細に説明する。
【0023】
サービス提供者は、サービスSA1を提供する旨の契約を所定企業と締結すると、1以上のパンの格納が可能な冷凍庫を、当該所定企業により指定されるオフィスに設置する。
そのオフィスに勤務する者は、購入者として、パンの料金を所定の方法で支払い、冷凍庫からパンを取り出すことで、そのパンを無人で購入することができる。パンの支払いを行うための所定の方法は、特に限定されず、冷凍庫の近傍に設置された容器に現金を投入する方法でもよいが、ここでは、クレジットカード等で決済をする方法が採用されているものとする。
クレジットカード等で決済がなされると、冷凍庫の近傍に設置等されたディスプレイに対して、商品としてのパンに関する情報は勿論のこと、パン以外の各種情報が表示される。ただし、以下の例では説明の便宜上、パン以外の情報として表示される情報は、広告であるものとする。
サービスSA1のさらなる詳細を
図2や
図3で説明する。
【0024】
図2は、
図1のパン購入サービスのうちサービスSA1によるパン購入の手順を説明する図である。
【0025】
図2(A)に示すように、サービス提供者は、冷凍庫R、表示端末1、及び決済処理端末2を、購入者のオフィスに設置する。
冷凍庫Rには、サービス提供者の商品として販売される複数のパンSが格納される。さらに冷凍庫Rには、サービス提供者以外の者により販売される商品、例えば飲料水Jも格納される。
表示端末1は、広告等を表示するための端末であり、例えば、タブレット等で構成され、冷凍庫Rの上に配置される。
決済処理端末2は、購入者Cによってパンが購入される際にその決済処理を実行する端末であり、冷凍庫Rの上に配置される。ここで、決済処理とは、支払いや代金の受け渡し等の処理をいう。決済処理が終了すると、売買の取引が成立することになる。
【0026】
図2(B)に示すように、購入者は、冷凍庫R内に格納された商品(
図2の例ではパンSや飲料水J)のうち、例えばパンS1の購入を希望する際に、そのパンS1の料金をクレジットカードPで支払う。
このため、決済処理端末2は、そのクレジットカードPから情報を読み取るための外付けのリーダライタRWを有している。
この場合、パンS1の購入者Cは、クレジットカードPをリーダライタRWに対して接触又は近接させる操作(以下、このような操作を「タッチ操作」と呼ぶ)を行う。
決済処理端末2は、このタッチ操作がされたときに、クレジットカードPから購入者Cの決済情報をリーダライタRWを介して取得して、その決済情報に基づいて決済処理を行う。その際、決済処理端末2は、決済情報に紐づく購入者Cについての個人情報、例えば性別や年齢等の個人の特性を示す情報を取得して、サービス提供者により管理されるサーバ(後述の
図4のサーバ3)に送信する。
【0027】
図2(C)に示すように、詳細については後述するが、サーバは、購入者Cの個人情報を決済処理端末2から受信すると、その個人情報に基づいて、購入者Cの特性に応じた広告の画像Gを表示端末1のディスプレイVに表示させる制御を実行する。
これにより、購入者Cは、冷凍庫Rの近傍に設置された表示端末1のディスプレイVに表示された画像Gを介して、自身の特性に応じた広告の提供を受けることができる。
【0028】
図3は、パン購入サービスで購入者に利用される各種設備の設置例を示す図である。
【0029】
図3の例では、冷凍庫R1及びR2、表示端末1-1及び1-2、並びに決済処理端末2-1及び2-2が、購入者C1及びC2が存在するオフィスB1に設置される。
【0030】
具体的には例えば、サービス提供者は、冷凍庫R1及びR2、表示端末1-1及び1-2、並びに決済処理端末2-1及び2-2といった購入者C1及びC2により利用される各装置を、オフィスB1に設置する。
各装置の設置場所は、オフィスB1内であれば足り、
図3の例のようにオフィスB1の異なる階層でもよいが、同じ階層あるいは同じ部屋でもよい。
購入者C1又はC2は、冷凍庫R1又はR2内に格納されたパンSの購入を希望する際に、決済処理端末2-1又は2-2が有するリーダライタRWにクレジットカードPを翳してタッチ操作を行う。
決済処理端末2-1又は2-2は、このタッチ操作がなされたときに、クレジットカードPから購入者C1又はC2の決済情報をリーダライタRWを介して取得して、その決済情報に基づいて決済処理を行う。
この際、決済処理端末2-1又は2-2は、決済情報に紐づく購入者C1又はC2についての個人情報、例えば性別や年齢等の個人の特性を示す情報を取得して、サービス提供者により管理されるサーバ(
図3には図示せず。例えば後述の
図4のサーバ3)に送信する。
【0031】
ここで、オフィスB2は、情報提供者Tが勤務するオフィスであり、情報提供者Tにより管理される情報提供者端末4が設置される場所である。
情報提供者Tは、購入者C1又はC2に提供される広告に関する情報を提供する者であり、この例では便宜上、購入者C1及びC2が勤務する企業の顧客とする。
情報提供者Tは、情報提供者端末4に対して、購入者C1及びC2の夫々に提供する広告に関する情報(例えば
図2の画像Gの情報)を入力する。これにより、情報提供者端末4は、購入者C1及びC2の夫々に対して提供する広告に関する情報を取得するので、その情報をサーバに送信する。
【0032】
サーバは、オフィスB1の決済処理端末2-1又は2-2から購入者C1又はC2についての個人情報が送信されてくると、その個人情報に基づいて、複数の広告の候補の中から、購入者C1又はC2の特性に応じた広告を選択する。
ここでは、オフィスB2の情報提供者端末4から送信されてきた情報により示される広告が選択されたものとする。
この場合、サーバは、オフィスB2の情報提供者端末4から送信されてきた情報に基づいて、当該情報により示される広告の画像を表示端末1-1又は1-2のディスプレイVに表示させる制御を実行する。
【0033】
このように、サービス提供者は、パンSが格納された冷凍庫Rをオフィスに設置する。購入者C1又はC2は、そのパンSの購入を希望するとき、クレジットカードPを冷凍庫Rの近傍に設置された決済処理端末2に対してタッチ操作をする。
これにより、購入者C1又はC2は、自身の特性に応じた広告の提供を表示端末1-1又は1-2により受けることができる。
【0034】
以下、
図1のパン購入サービスのサービスSA1が適用される本発明の実施形態について
図4以降を用いて説明する。
なお、以下、パン購入サービスと記載している場合、特にことわりのない限り、それはサービスSA1を意味するものとする。
【0035】
図4は、
図1のパン購入サービスに適用される、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムの構成図である。
【0036】
上述のパン購入サービスを可能とすべく、本発明の情報処理装置の一実施形態に係る情報処理システムは、
図4に示すように、表示端末1及び決済処理端末2、サーバ3、並びに情報提供者端末4を含むように構成される。
表示端末1及び決済処理端末2、サーバ3、情報提供者端末4とはインターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されている。
【0037】
図5は、
図4の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0038】
サーバ3は、CPU(Central Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)33と、バス34と、入出力インターフェース35と、出力部36と、入力部37と、記憶部38と、通信部39と、ドライブ40とを備えている。
【0039】
CPU31は、ROM32に記録されている各種プログラム、又は、記憶部38からRAM33にロードされた各種プログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM33には、CPU31が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0040】
CPU31、ROM32及びRAM33は、バス34を介して相互に接続されている。このバス34にはまた、入出力インターフェース35も接続されている。入出力インターフェース35には、出力部36、入力部37、記憶部38、通信部39及びドライブ40が接続されている。
【0041】
出力部36は、各種液晶ディスプレイ等で構成され、各種情報を出力する。
入力部37は、各種ハードウェア等で構成され、各種情報を入力する。
記憶部38は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部39は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(
図4の表示端末1、決済処理端末2、及び情報提供者端末4)との間で行う通信を制御する。
【0042】
ドライブ40は、必要に応じて設けられる。ドライブ40には磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア50が適宜装着される。ドライブ40によってリムーバブルメディア50から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部38にインストールされる。またリムーバブルメディア50は、記憶部38に記憶されている各種データも、記憶部38と同様に記憶することができる。
【0043】
表示端末1、決済処理端末2、及び情報提供者端末4のハードウェア構成は、サーバ3の構成と基本的に同様であるので、ここではそれらの説明は省略する。
【0044】
次に
図6を参照して、
図5に示すハードウェア構成を有する表示端末1、決済処理端末2、サーバ3、及び情報提供者端末4の機能的構成について説明する。
図6は、
図5に示す表示端末1、決済処理端末2、サーバ3、及び情報提供者端末4の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0045】
表示端末1のCPU11においては、提供情報取得部101と、表示制御部102とが機能する。
決済処理端末2のCPU21においては、決済処理部201と、属性情報送信部202とが機能する。決済処理部201には、決済情報取得部211と、属性取得部212とが設けられている。
サーバ3のCPU31においては、属性情報取得部301と、提供候補情報取得部302と、提供情報決定部303と、提供情報提供部304とが機能する。
情報提供者端末4のCPU41においては、提供候補情報管理部401と、提供候補情報送信制御部402が機能する。
情報提供者端末4の記憶部48の一領域には、提供候補情報DB403が設けられている。
【0046】
決済処理端末2の決済情報取得部211は、購入者CによりリーダライタRWに対してクレジットカードPのタッチ操作がなされると、クレジットカードPから購入者Cの決済情報をリーダライタRWを介して取得する。
クレジットカードPに記録されている決済情報には、代金の支払いをするための情報に紐付けられて、購入者Cについての個人情報、例えば性別や年齢等の個人の特性を示す情報(以下、「属性情報」と呼ぶ)が記録されているものとする。このため、決済情報取得部211により決済情報が取得されると、取得された決済情報から、属性取得部212により購入者の個人情報が取得される。
属性情報送信部202は、属性取得部212で取得された属性情報を、通信部29を介してサーバ3へ送信する為の制御を実行する。
【0047】
情報提供者端末4の提供候補情報管理部401は、提供候補情報DB403に格納された提供候補情報を管理する。
ここで、提供候補情報とは、購入者Cに提供される広告の候補に関する情報をいう。例えば、この例では説明の便宜上、商品であるパンSに関する情報以外の広告をいう。情報提供者端末4が提供候補情報を取得する方法は、特に限定されない。例えば、情報提供者端末4は、情報提供者Tにより情報提供者端末4を用いて手動で入力された情報を、提供候補情報として取得してもよい。また、例えば、情報提供者端末4は、情報提供者Tの操作により、クラウド上の情報等外部の情報を、提供候補情報として取得してもよい。
提供候補情報送信制御部402は、提供候補情報管理部401で管理される提供候補情報を、通信部49を介して、サーバ3に送信する為の制御を実行する。
【0048】
サーバ3の属性情報取得部301は、決済処理端末2から送信されてきた属性情報を、通信部39を介して取得する。
提供候補情報取得部302は、情報提供者端末4から送信されてきた提供候補情報を、通信部39を介して取得する。
【0049】
提供情報決定部303は、属性情報取得部301により取得された購入者Cの属性情報、及び提供候補情報取得部302により取得された提供候補情報(
図6の例では、1つの情報提供者端末4しか図示されていないが、実際には複数社の情報提供者端末の夫々から送信された提供候補情報)に基づいて、購入者Cへ提供する広告を決定する。ここで、購入者Cへ提供される広告は、複数の広告の中から、その購入者Cの属性情報により特定される属性に合致した広告が決定される。具体的には例えば、予め、どのような属性の者に対し、どのような広告を提供するかについて定めておき、そして、その定めに従って、購入者に提供される広告が、提供情報決定部303により決定されるようにしてもよい。
提供情報提供部304は、提供情報決定部303にて提供することが決定された広告に関する情報(以下、「提供情報」と呼ぶ)を通信部39を介して表示端末1へ提供する。
【0050】
表示端末1の提供情報取得部101は、このようにしてサーバ3から提供された提供情報を取得する。
表示制御部102は、提供情報取得部101で取得された提供情報に基づいて、広告の画像を表示部103に表示させるための制御を実行する。
【0051】
以上、表示端末1、決済処理端末2、サーバ3、及び情報提供者端末4の機能的構成例について
図6を参照して説明した。
次に、
図7を参照して、
図6の機能的構成を有する、表示端末1、決済処理端末2、サーバ3、及び情報提供者端末4が実行する処理の流れについて説明する。
【0052】
図7は、表示端末1側の処理、決済処理端末2側の処理、サーバ3側の処理、及び情報提供者端末4側の処理との関係を説明するアローチャートである。
【0053】
上述したように、パンSの購入者Cは、その購入に際し、クレジットカードPをリーダライタRWに対してタッチ操作する。
これにより
図7の処理が開始され、次のような一連の処理が実行される。
【0054】
ステップS251において、決済処理端末2の決済情報取得部211は、リーダライタRWから出力された決済情報を取得する。
ステップS252において、決済処理端末2の属性取得部212は、決済情報に紐づく購入者Cの属性を取得する。
ステップS253において、決済処理端末2の属性情報送信部202は、サーバ3へ属性情報を送信する。
【0055】
そして、ステップS351において、サーバ3の属性情報取得部301は、属性情報を取得する。
【0056】
ステップS451において、情報提供者端末4の提供候補情報管理部401は、提供候補情報DB403から提供候補情報を取得する。
ステップS452において、情報提供者端末4の提供候補情報送信制御部402は、サーバ3へ提供候補情報を送信する。
【0057】
ステップS352において、サーバ3の提供候補情報取得部302は、提供候補情報を取得する。
なお、
図7の例では、1つの情報提供者端末4しか図示されていないが、実際には複数の情報提供者端末4が存在し、サーバ3の提供候補情報取得部302により複数の提供候補者情報が取得される。
また、
図7の例では、説明の便宜上、提供候補情報は、提供元の企業等の広告の画像等の情報とされ、表示端末1に供給されれば当該広告の画像が表示可能であるとする。
ステップS353において、提供情報決定部303は、複数の提供候補情報の中から提供情報を決定する。
ステップS354において、提供情報提供部304は、表示端末1に提供情報を送信する。
【0058】
ステップS151において、表示端末1の提供情報取得部101は、サーバ3から送信されてきた提供情報を取得する。
ステップS152において、表示端末1の表示制御部102は、提供情報取得部101により取得された提供情報を表示部103に表示させる。
【0059】
このように、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバ3は、商品たるパンS以外に関する1以上の提供候補情報(ここでは広告の情報)の中から、購入者Cに提供する為の情報を提供情報として決定してそれを購入者Cに提供することができる。
これにより、購入者Cは、購入対象の商品たるパンS以外の情報(ここでは広告)の提供を受けることが可能になる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれるものとする。
【0061】
上述の実施形態において、
図2に示した冷凍庫Rには、サービス提供者の商品として販売されるパンS、及び、サービス提供者以外の者により販売される商品として飲料水Jが格納されている。上述の実施形態では、購入者CがパンSを購入する際に、パン以外に関する1以上の情報の中から、購入者Cに適した情報がその購入者Cに提供されたが、この情報の提供のタイミングは、これに限定されない。例えば、購入者Cが、サービス提供者以外の者により販売される飲料水Jやの購入をするとき等任意のタイミングで、購入者Cに適した情報がその購入者Cに提供されるようにしてもよい。
【0062】
また、上述の実施形態において、サービス提供者により販売される商品はパンSとしたが、これに限定されない。例えば飲料水など、無人で販売可能なものであればよい。
【0063】
また、上述の実施形態において、
図2に示す表示端末1の外観や設置場所は例示であり、これに限定されない。上述の実施形態では、表示端末1はタブレットであり、冷凍庫R上に設置されているが、表示端末1は、例えばスマートフォンであってもよく、また、冷凍庫Rの扉にディスプレイVが設置されていてもよい。
【0064】
また、上述の実施形態において、パンSの販売チャネルは企業のオフィスとしたが、これに限定されない。例えば、公的機関のオフィス、個人、美術館等の施設、学会やコンサート等のイベントが短期的に開催される場合の開催者等でもよい。
【0065】
また、上述の実施形態において、
図3に示す設置例は例示であり、これに限定されない。
即ち、上述の実施形態では、購入者C1及びC2と、情報提供者Tとは、オフィスB1とオフィスB2とのように夫々別の建物に存在しているが、購入者C1及びC2並びに情報提供者Tは同一の建物(構内)に存在していてもよい。
【0066】
また、上述の実施形態において、情報提供者Tは購入者が勤務するオフィスの顧客としたが、これに限定されない。
例えば、サービス提供者が情報提供者Tとなってもよい。また、食品メーカ、原料メーカ等の法人や団体が情報提供者Tとなってもよい。さらには、飲料ブランド、エンターテイメント、あるいはアーティストが情報提供者Tとなってもよい。飲料ブランド、エンターテイメント等自体の広告を提供情報とすることで、広告掲載費やアフィリエイトによる利益が期待できる。
そしてさらには、購入者C自身を含む、購入者Cが勤務する企業の従業員が情報提供者Tとなってもよい。
【0067】
上述のように、情報提供者Tはどのような者であってもよく、情報提供者Tによって提供される提供候補情報は、広告に限定されず、どのような情報であってもよい。
【0068】
例えば、食品メーカや原料メーカが情報提供者Tとなる場合、嗜好データや、使用原料、類似商品等の購買情報を提供候補情報としてもよい。
また例えば、アーティストが情報提供者Tとなる場合は、アーティストの好きな商品(パンSの種類等)についての情報を提供候補情報としてもよい。
また例えば、情報提供者Tが購入者Cを含む、購入者Cが勤務する企業の従業員となる場合、購入者Cが勤務する企業の社内コンテンツ等を提供候補情報としてもよい。社内コンテンツとしては、例えば、部長の好きなパン、社員の誕生日、社内イベントの写真等でもよい。また、商品であるパンのメニュー、ニュース、災害情報、スポーツ中継等がある。またここで提供される情報は、社内SNSのように社内全員が閲覧可能な情報のみならず、部署間の連絡や個人間の連絡等、権限がある者のみが閲覧可能な情報としてもよい。その際にクレジットカードP等から得られる属性情報に基づいて、その情報を閲覧できる権限があるか否か(適しているか否か)が判断され、権限を有する者がパンSを購入した際に当該情報の提供を受けることができる、という構成にしてもよい。
【0069】
ここで決済処理に用いるものは、クレジットカードPだけではなく、決済処理端末2によって購入者Cの属性情報を取得することが可能であれば足り、例えば専用のアプリケーションソフトウェアがインストールされた購入者Cのスマートフォン等の端末や、購入者Cが勤務する企業の社員証等でもよい。
【0070】
また、購入者Cの属性情報として、上述したクレジットカードP等だけではなく、購入者Cのコンテクスト情報が参照されてもよい。
ここで、「コンテクスト(context)」とは、購入者Cの内的状態及び外的状態の全てを指す概念である。購入者Cの内的状態には、ユーザの体調、又は情動(気分や心理状態)等が含まれる。また、購入者Cの外的状態には、ユーザの空間的、又は時間的な配置位置(時間的な配置位置には、例えば「現在時刻」が含まれる)の他、購入者Cの周囲の空間方向若しくは時間方向に分布する(又はいずれの方向にも分布する)所定の状態が含まれる。
【0071】
「コンテクスト情報」には、例えば、購入者Cがこれまで購入した商品の購買履歴、購入者の特性(健康状態、収入、家族構成、出身地)、購入者Cが閲覧したインターネットサイトの閲覧履歴、購入者Cが勤務する企業の企業情報等を含めることができる。提供情報の決定は、購入者Cのコンテクスト情報に基づいて決定されるようにしてもよい。
【0072】
なお、購入者Cのコンテクスト情報を取得する具体的手法は特に限定されないが、例えば、情報提供者端末4から入力できるようにしてもよいし、決済処理端末2から入力できるようにしてもよい。また、別途管理されている外部サーバ等から取得できるようにしてもよい。
【0073】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置が適用されるパン購入サービスにおいては、サービス提供者は、購入者Cが勤務する企業のオフィスに対して冷凍庫Rを設置する。その設置にかかる費用は、購入者C又は購入者が勤務する企業が負担することもあるが、設置料金の一部を情報提供者Tが負担してもよい。
例えば、情報提供者Tが、購入者C、あるいは購入者Cが勤務する企業ではない第三者である場合、情報提供者Tが冷凍庫Rの設置料金の一部を負担するため、冷凍庫Rは、情報提供者Tの負担分だけ安い金額で設置されうる。
一方で、情報提供者Tが、購入者C、あるいは購入者Cが勤務する企業と同一である場合、購入者C、あるいは購入者Cが勤務する企業が冷凍庫Rの設置料金を負担することになる。この場合、本発明の一実施形態に係る情報処理装置が適用されるパン購入サービスには、冷凍庫Rの設置料金のみの負担で情報処理装置を使用することができるというサービスも含まれる。即ち、購入者C、あるいは購入者Cが勤務する企業は、冷凍庫Rの設置料金で、本発明に係る情報処理装置を自由に使用することができる。
【0074】
以上をまとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることが出来る。
即ち、本発明が適用される情報処理装置は、
無人で商品が販売される際に当該商品(例えば、
図2のパンS)の購入者(例えば、
図2のC)に情報を提供する情報処理装置において、
前記商品以外に関する1以上の情報の中から、前記購入者に提供するための情報を提供情報として決定する提供情報決定手段(例えば
図6の提供情報決定部303)と、
当該情報を前記購入者に提供する提供手段(例えば
図6の表示部103)と、
を備える。
これにより、購入者が商品を購入する際に、当該商品以外についての情報の提供を受けることができる。
【0075】
また、前記個人の属性を示す情報を、属性情報として取得する属性情報取得手段(例えば
図6の属性取得部212)をさらに備え、
前記提供情報決定手段は、前記1以上の情報の中から、前記属性情報により示される前記属性に基づいて、前記提供情報を決定する。
これにより、本情報処理装置によれば、購入者が商品を購入する際に、購入者の特性に応じた情報の提供を受けることができる、という効果を奏する。
【符号の説明】
【0076】
1・・・表示端末、2・・・決済処理端末、3・・・サーバ、4・・・情報提供者端末、S・・・パン、R・・・冷凍庫、P・・・クレジットカード、C・・・購入者、T・・・情報提供者、V・・・表示画面、101・・・提供情報取得部、102・・・表示制御部、103・・・表示部、201・・・決済処理部、202・・・属性情報送信部、211・・・決済情報取得部、212・・・属性取得部、301・・・属性情報取得部、302・・・提供候補情報取得部、303・・・提供情報取得部、304・・・提供情報提供部、401・・・提供候補情報管理部、402・・・提供候補情報送信制御部、403・・・提供候補情報DB、RW・・・リーダライタ