(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240405BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2021091087
(22)【出願日】2021-05-31
【審査請求日】2022-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】平野 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】森 圭史
【審査官】篠崎 正
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-024513(JP,A)
【文献】特開2016-105901(JP,A)
【文献】特開2009-240705(JP,A)
【文献】特開2007-098011(JP,A)
【文献】特開2007-097799(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技板の後方で隙間を空けて対向し、それぞれ装飾部が形成された2枚の透明板と、前記2枚の透明板の辺同士を連結する連結部材と、を有する透明板ユニットを備え、
前記透明板ユニットでは、前記2枚の透明板の上辺及び両側辺が前記連結部材により連結されている一方、
前後方向で対向する下辺同士の間が通気口として開放されている遊技機。
【請求項2】
遊技板の後方で隙間を空けて対向し、それぞれ装飾部が形成された2枚の透明板と、前記2枚の透明板の辺同士を連結する連結部材と、を有する透明板ユニットを備え、
前記透明板ユニットでは、前記2枚の透明板の上辺及び両側辺が前記連結部材により連結されている一方、下辺同士の間が通気口として開放され、
前記連結部材には、前記2枚の透明板のうち前記通気口を構成する辺と異なる一辺に対応する位置に、前記2枚の透明板同士の空間に連通する貫通孔が形成されている遊技機。
【請求項3】
前記2枚の透明板には、側端面から内部に入射された光を前方に反射することで発光状態に視認される発光装飾部が形成されている請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記連結部材には、前記透明板の側端面に光を導入する発光素子を有する発光基盤が内蔵されている請求項2に記載の遊技機。
【請求項5】
前記発光基盤は、前記連結部材のうち2辺に配され、
前記貫通孔は、前記連結部材のうち前記発光基盤が配されていない1辺に配されている請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記遊技板には、表示装置に対向する表示開口が形成され、
前記2枚の透明板は、前記表示開口の全体に後ろから対向している請求項1から5の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、装飾部が形成された透明板を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-58040号公報([0031],[0032]、
図10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した遊技機においては、装飾部の趣向性を向上することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の遊技機は、遊技板の後方で隙間を空けて対向し、それぞれ装飾部が形成された2枚の透明板と、前記2枚の透明板の辺同士を連結する連結部材と、を有する透明板ユニットを備え、前記透明板ユニットでは、前記2枚の透明板の上辺及び両側辺が前記連結部材により連結されている一方、前後方向で対向する下辺同士の間が通気口として開放されている遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る遊技機によれば、装飾部が形成された透明板が2枚対向して設けられているので、装飾部の趣向性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示されるように、本実施形態の遊技機10は、パチンコ遊技機であって、前面枠10Zを前面に備え、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、遊技板11の前面に形成された遊技領域R1が視認可能になっている。
【0009】
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射ハンドル28が備えられている。そして、発射ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
【0010】
図2に示されるように、遊技領域R1は全体が略円形状となっていて、ガイドレール12により囲まれている。遊技板11のうち遊技領域R1の中央には、表示開口11Hが貫通形成され、この表示開口11Hを通して、表示装置13の表示画面13Gが前方から視認可能となっている。表示装置13の表示画面13Gには、遊技に関する種々の演出が表示される。また、遊技板11は透明なアクリル板の一部に装飾が施されてなり、遊技板11のうち表示開口11Hより外側部分を通しても、遊技板11の裏側が視認可能となっている。
【0011】
表示開口11Hの開口縁には、表示装飾枠23が取り付けられている。詳細には、表示装飾枠23は、遊技板11の前面側から表示開口11Hに嵌め込まれて遊技板11の前面から突出し、遊技領域R1を流下する遊技球が表示装飾枠23の内側に進入することを規制している。
【0012】
表示装飾枠23の下側には、第1始動入賞口14が備えられ、表示装飾枠23の右方には、始動ゲート18と第2始動入賞口15とが設けられている。第1始動入賞口14の右方には、大入賞口16が備えられている。また、遊技領域R1には、始動入賞口14,15及び大入賞口16のほかに、複数の一般入賞口17が備えられている。
【0013】
一般入賞口17と第1始動入賞口14とは常時開放しており、遊技球が1球ずつ入球可能となっている。第2始動入賞口15と大入賞口16とは、常には遊技球が入球不可能(又は入球困難)であり、所定の条件が成立すると、遊技球が入球可能となる。
【0014】
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われる。この普通図柄当否判定の結果が当りとなったときに、第2始動入賞口15が入球可能となる。
【0015】
始動入賞口14,15に遊技球が入球(入賞)すると、特別図柄当否判定が行われる。特別図柄当否判定の結果は、表示装置13の表示画面13G等に表示される。そして、特別図柄当否判定の結果が当りであると、大入賞口16が入球可能となる大当り遊技が実行される。なお、表示画面13Gにおいては、例えば、数字や文字等で構成される特別図柄の変動、停止が行われ、停止した特別図柄の組合せによって特別図柄当否判定の結果が表示される。
【0016】
各入賞口14,15,16,17に遊技球が入球すると、所定個数の賞球が上皿26(
図1参照)に払い出される。上述した各入賞口14,15,16,17の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端部に設けられたアウト口20に全て取り込まれる。アウト口20に取り込まれた遊技球は、図示しない球回収装置に回収される。
【0017】
図3に示すように、遊技板11の裏面には、機構枠90が取り付けられている。機構枠90は、前後より上下左右に大きく扁平な筐体構造をなし、前面全体が開口している。この機構枠90は、前面が遊技板11の後面に重ねられた状態で固定されている。機構枠90の後面には、表示開口11Hに対する画面用開口90Aが形成され、その画面用開口90Aが表示装置13の表示画面13G(
図2参照)によって後方から閉塞されている。
【0018】
機構枠90は、役物ユニット30とパネルユニット40とを備えている。役物ユニット30は、ハート形の可動役物31を上下動可能に有し、機構枠90の後端下部に配されている。パネルユニット40は、その平面形状が機構枠90の平面形状より一回り小さく、機構枠90の前端部に配されている。
【0019】
詳細には、
図4に示すように、パネルユニット40の平面形状は、正方形の右下部を切り欠いた形状をなしている。
図5及び
図6に示すように、パネルユニット40は、前枠45と後枠50とを有している。後枠50は、四角形の枠状をなし、前枠45は、後枠50の上辺部50Aと左辺部50Bと右辺部50Cとに対応する3辺(上辺部45A、左辺部45B、右辺部45C)を有し、下方に開放したコの字状をなしている。前枠45及び後枠50の右辺部45C,50Cは、パネルユニット40の右下の切り欠き部40Kに対応して段付き状に右方へ屈曲した屈曲部45K,50Kを有している。後枠50の屈曲部50Kは、右辺部50Cの下部1/4程を左方へ屈曲してなる。前枠45の屈曲部45Kは、右辺部45Cの中央部より下方部のうち板厚方向の前側1/2~2/3程を複数回屈曲させてなる。また、前枠45の右辺部45Cには、屈曲部45Kより後方に、屈曲部45Kより右方に張り出した張り出し部45Hが形成されている。張り出し部45Hは、屈曲部45Kより上方位置から下方へ延び、後枠50の右縁部より右方に張り出した第1張り出し部45H1と、第1張り出し部45H1の下方に配され、後枠50の右縁部と面一になった第2張り出し部45H2と、第2張り出し部45H2の下方に配され、後枠50の右縁部より左方に位置する第3張り出し部45H3と、を備えている。
【0020】
図7~
図9に示すように、前枠45及び後枠50は、その外縁に配されて前後方向に延びた外縁壁46,51と、前枠45の外縁壁46の前端部及び後枠50の外縁壁51の後端部から内側に張り出した張り出し壁47,52と、を備える。また、前枠45の張り出し壁47には、後方に突出したリブ47Lが形成され、後枠50の張り出し壁52には、前方に突出したリブ52Lが形成されている。前枠45のリブ47Lは、後枠50のリブ52Lより突出量が大きくなっている。なお、前枠45の左辺部45Bの中央部には、前面に透明なカバー部材45Zが取り付けられている。
【0021】
図6及び
図7に示すように、前枠45と後枠50との間には、スペーサー55,56,60,61を挟んで3枚の透光パネル41~43が組み付けられている。これら3枚の透光パネル41~43を区別するときは、前側から順に、第1透光パネル41、第2透光パネル42、第3透光パネル43、という。そして、第1透光パネル41と第2透光パネル42との間に前側スペーサー55,56が配され、第2透光パネル42と第3透光パネル43との間に後側スペーサー60,61が配されている。
【0022】
前側スペーサー55,56及び後側スペーサー60,61は、後枠50の上辺部50Aと左辺部50Bと右辺部50Cとに対応する3辺を有し、下方が開放したコの字状をなした第1スペーサー55,60と、後枠50の右下部に配される第2スペーサー56,61と、からなる。第1スペーサー55,60の左辺部55A,60Aは、後枠50の左辺部の上端寄り位置と下端寄り位置との間を延びる一方、右辺部55B,60Bは、後枠50の右辺部のうち前枠45の屈曲部45Kより上方部分を延びている。第2スペーサー56,61は、後枠50の屈曲部50Kの左隣で上下方向に延びている。
【0023】
図10に示すように、前側の第1スペーサー55及び第2スペーサー56の前に第1の透光パネル41を重ねると、第1の透光パネル41の下辺部と、右辺部の中央下部がスペーサー55,56に当接しない状態になる。
【0024】
図5及び
図7に示すように、第1~第3の透光パネル41~43は、前枠45、後枠50及びスペーサー55,56,60,61により外縁部を挟持され、空間を有する状態で互いに対向して固定されている。なお、第1~第3の透光パネル41~43の外縁部には、切り欠きや貫通孔が形成され、前枠45や後枠50には、これら切り欠きや貫通孔を挿通して透光パネル41~43を位置決めする突出部が形成されている。透光パネル41~43は、公差のため遊びがある状態で組み付けられている。
【0025】
本実施形態の第1~第3の透光パネル41~43には、遊技の進行に応じて発光する凹凸装飾部41A~43Aが備えられている。
図11には、例として、第1~第3の透光パネル41~43のうち第1の透光パネル41の凹凸装飾部41Aが示されている。凹凸装飾部41A~43Aは、透光パネル41の後面に陥没形成された凹部41B~43Bにより構成され、通常は視認困難となっている。凹部41B~43Bは、透光パネル41~43の後面に対して直交した直交面41C~43Cと、透光パネル41~43の後面に対して傾斜した傾斜面41D~43Dと、を有している。
【0026】
そして、透光パネル41~43の外周面から内部に光が入射されたときは、透光パネル41~43内を通過する光が凹部41B~43Bの傾斜面41D~43Dで前方へ反射されることで、凹凸装飾部41A~43Aが浮かび上がったように発光して視認可能となる。なお、第1の透光パネル41の凹凸装飾部41Aと、第2の透光パネル42の凹凸装飾部42Aと、第3の透光パネル43の凹凸装飾部43Aと、は異なる絵柄が描かれており、例えば、第1の透光パネル41の凹凸装飾部41Aはハート模様、第2の透光パネル42の凹凸装飾部42Aはキャラクター、第3の透光パネル43の凹凸装飾部43Aはストライプ模様が描かれている。
【0027】
図6及び
図7に示すように、パネルユニット40には、第1~第3の透光パネル41~43に光を照射する発光素子70(例えば、LED)を備える発光基板71が備えられている。具体的には、前枠45、後枠50の外縁壁46,51の上辺部及び左辺部と第1~第3の透光パネル41~43との間にそれぞれ1つずつ発光基板71が配されている。
【0028】
図7及び
図8に示すように、第2の透光パネル42の左側端面は、左辺部の発光基板71と近接している一方、第1の透光パネル41及び第3の透光パネル43の左側端面は、第2の透光パネル42の左側端面よりも内側(右方)に位置し、発光基板71との間に透光帯板65が配されている。
図10に示すように、透光帯板65は、左辺部65Aが直線状である一方、右辺部65Bが、半円状の円弧部65Cが複数並んだ形状をなし、上下方向に延びている。そして、左辺部の発光基板71の発光素子70から射出された光は、第2の透光パネル42に左側端面から直接入光すると共に、第1の透光パネル41及び第3の透光パネル43に透光帯板65を介して入光する。
【0029】
また、第1の透光パネル41及び第3の上端面は、発光基板71と近接している一方、第2の透光パネル42の上端面は、第1の透光パネル41及び第3の透光パネル43の上端面よりも内側(下方)に位置し、発光基板71との間に透光帯板65が配されている(
図6参照)。上辺部の発光基板71の発光素子70から射出された光は、第1の透光パネル41及び第3の透光パネル43に上端面から直接入光すると共に、第2の透光パネル42に透光帯板65を介して入光する。
【0030】
これにより、各透光パネル41~43は、通常は、凹凸装飾部41A~43Aが視認困難で、その後方の表示画面13Gを見やすい状態になっており、上辺部及び左辺部の発光基板71の発光素子70が発光すると、各凹凸装飾部41A~43Aが浮かび上がったように発光し、表示画面13Gの前方で凹凸装飾部41A~43Aが目立つようになる。
【0031】
なお、傾斜面41D~43Dの向きが異なる2つの凹凸装飾部41A~43Aを備え、上辺部の発光素子70のみを発光させたときと左辺部の発光素子70のみを発光させたときとで異なる絵柄が浮かび上がるように構成してもよい。また、各透光パネル41~43に対向する発光素子70が同時に発光する構成であってもよいし、異なるタイミングで発光する構成であってもよい。
【0032】
さて、
図8及び
図12に示すように、前側の第1スペーサー55の左辺部55Aの前面には、内縁部に、上下方向に延びた凹部55Uが上下に並んで形成されている。この凹部55Uにより、第1スペーサー55の左辺部55Aは、前面のうち内縁部に内縁リブ55L1が配され、凹部55U同士の間に幅リブ55L2が配された構成になっている。また、
図9及び
図12に示すように、前側の第1スペーサー55の右辺部55B及び上辺部55Cと、第2スペーサー56と、には、前面に、内縁に沿って延びる内縁リブ55L1,56L1と、内縁リブ55L1,56L1から外方へ外縁まで延びる幅リブ55L2,56L2と、が突出形成されている。
【0033】
図8及び
図13に示すように、第1の透光パネル41の左縁部は、第1スペーサー55の左辺部55Aの幅リブ55L2の左端よりも右方に位置している。また、
図14に示すように、第1の透光パネル41の上縁部は、第1スペーサー55の上辺部55Cの幅リブ55L2の上端と略同位置に位置し、
図9及び
図14に示すように、第1の透光パネル41の右縁部は、第1スペーサー55の右辺部55Bの幅リブ55L2の右端よりも左方に位置している。
【0034】
図12~
図14に示すように、前枠45の内縁は、左辺部45Bの上下方向の中央部と右辺部45Cの上部とでは、前側の第1スペーサー55の内縁リブ55L1よりも外側に位置し、左辺部45Bの上部及び下部と上辺部45Aと右辺部45Cの下部とでは、前側の第1スペーサー55及び第2スペーサー56の内縁リブ55L1,56L1も内側に位置している。また、前側の第1スペーサー55の内縁リブ55L1のうちの上辺部55Cの中央部以外と第2スペーサー56の内縁リブ56L1とは、略全体が、遊技板11の表示開口11Hより外方に位置している。
【0035】
図7~
図9及び
図15~
図17に示すように、前枠45には、リブ47Lとして、張り出し壁47の内縁から後方に突出した内縁リブ47L1と、内縁リブ47L1より外側に部分的に配されて、その後端面が内縁リブ47L1の後端面よりも後方に位置する当接リブ47L2と、が設けられている。
【0036】
これにより、第1の透光パネル41が前枠45と前側のスペーサー55,56とに挟まれると、前側のスペーサー55,56のうち内縁リブ55L1,56L1及び幅リブ55L2,56L2と、前枠45の当接リブ47L2とが第1の透光パネル41に当接して挟持する。
【0037】
また、上述したように、後枠50は、四角形の枠状をなし、前枠45は、下方に開放したコの字状をなしている。これにより、
図18に示すように、第1の透光パネル41と第2の透光パネル42との間には、下辺部に、下方へ開放した通気口40Tが設けられている。
【0038】
後枠50の下辺部50Dには、張り出し壁52から第2透光パネル42の下端面と対向する位置まで突出した下壁51が設けられていて、第2の透光パネル42と第3の透光パネル43との間の下辺部はこの下壁51により下方から見て覆われている。下壁51は、第2の透光パネル42と第3の透光パネル43との間の下辺部のうち右端部から左端寄り位置までの間で延びていて、第2の透光パネル42と第3の透光パネル43との間の下辺部の左端部は下方へ開放されている。
【0039】
また、
図12及び
図19に示すように、第1の透光パネル41と第2の透光パネル42との間のうち前側の第1スペーサー55と第2スペーサー56との間に位置する部分は、その右方空間(第1の透光パネル41及び第2の透光パネル42と、前枠45及び後枠50の外縁壁46,51と、の間の空間)と通じている。そして、
図20に示すように、前枠45の外縁壁46には、第3張り出し部45H4の右側面に、2つの貫通孔46Kが形成されている。これにより、第1の透光パネル41と第2の透光パネル42との間の空間は、通気口40T及び貫通孔46Kを介してパネルユニット40の外方と連通している。
【0040】
本実施形態の遊技機10の構成は以上である。次に、遊技機10の作用効果について説明する。本実施形態の遊技機10では、例えば、特別図柄の変動中や大当り遊技中等に発光する第1~第3の透光パネル41~43が備えられている。第1~第3の透光パネル41~43は、互いに対向して配置されていて、凹凸装飾部41A~43Aを別々のタイミングで発光させたり、同時に発光させる等、演出のバリエーションが増え、趣向性が向上する。また、同時に発光させた場合、凹凸装飾部41A~43Aの発光に奥行きを持たせることができ、趣向性が向上する。
【0041】
これら第1~第3の透光パネル41~43は、前枠45、後枠50及びスペーサー55,56,60,61により外縁部を挟持され、空間を有する状態で互いに対向して固定されている。
【0042】
ここで、第1~第3の透光パネル41~43ががたつき、前枠45、後枠50及びスペーサー55,56,60,61に対して擦れて透光パネル41~43が削れて粉が出てきたときに、その粉が前方から視認されると遊技者が興ざめしてしまう虞がある。特に、最も前側に配される第1の透光パネル41が、それを挟持する前枠45及び前側のスペーサー55,5により削れた粉が出たときにそのような事態が起こり得る。これに対して本実施形態の遊技機10では、前側の第1スペーサー55及び第2スペーサー56の内縁リブ55L1,56L1は、略全体が、遊技板11の表示開口11H又は前枠45の内縁より外方に位置している、即ち、第1の透光パネル41のうち前側の第1スペーサー55及び第2スペーサー56の内縁リブ55L1,56L1と擦れ得る部分はその僅かに内側部分まで遊技板11又は前枠45により前方から覆われているので、第1の透光パネル41から削り出た粉が前方から視認されにくくなっている。
【0043】
このように、本実施形態では、第1の透光パネル41を挟持するためのリブ(前側の第1スペーサー55及び第2スペーサー56の内縁リブ55L1,56L1)を設けて第1の透光パネル41と擦れる部分を定めた上で、その近傍部分を遊技板11又は前枠45により覆う構成となっているので、第1の透光パネル41から削り出た粉が前方から視認されにくくなり、透光パネル41の見た目の悪化が防がれる。
【0044】
また、前枠45のうち第1の透光パネル41と当接する当接リブ47L2が、前枠45の内縁より外側に配されているので、前枠45の当接リブ47L2により削れた粉が前方から視認されにくくなっている。しかも、前枠45の内縁(張り出し壁47の内縁)から内縁リブ47L1が後方に突出しているので、前枠45の当接リブ47L2により削れた粉が前枠45より内側に移動しにくくなっている。
【0045】
ところで、本実施形態のように、複数枚の透光パネル41~43が重ねられ、それらの外縁部が支持されている場合、透光パネル41~43同士の間に、削り出た粉や埃等のゴミが入ってしまうと、それらのゴミを取り出せず、見栄えが悪くなったり、凹凸装飾部41A~43Aの発光に影響する虞がある。そのような事態を避けるために、本実施形態では、第1の透光パネル41と第2の透光パネル42との間のうち下辺部に、下方へ開放した通気口40Tが設けられている。第1の透光パネル41と第2の透光パネル42との間に配されたゴミは、この通気口40Tから排出可能となる。
【0046】
特に本実施形態では、第1の透光パネル41及び第2の透光パネル42が遊技板11の表示開口11Hと全体的に対向しており、その間にゴミがあると視認されやすくなっているので、上述した効果をより享受することができる。
【0047】
また、前枠45の外縁壁46に、第1の透光パネル41と第2の透光パネル42との間の空間に連通する貫通孔46Kが形成されているので、この貫通孔46Kからエアを吹き込むと、通気口40Tから抜け出る。これにより、第1の透光パネル41と第2の透光パネル42との間に配されたゴミを容易に排出することができる。
【0048】
また、貫通孔46Kは、パネルユニット40のうち発光基板71が配された上辺部及び左辺部とは異なる右辺部に配されているので、貫通孔46Kから吹き込まれたエアが発光基板71に勢いよく当たることが防がれると共に、エアを吹き込む角度を調節しやすくなっている。
【0049】
なお、第2の透光パネル42と第3の透光パネル43との間の空間も第2の透光パネル42と前枠45又は後枠50の外縁壁46,51との間の空間を通じて連通している。また、第2の透光パネル42と第3の透光パネル43との間の下辺部のうち下壁51より左方部は下方へ開放している。これにより、貫通孔46Kからエアを吹き込むと、その一部が第2の透光パネル42と第3の透光パネル43との間の空間を通過するので、第2の透光パネル42と第3の透光パネル43との間のゴミも一部排出される。
【0050】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、透光パネル41~43が3枚備えられていえたが、1枚であってもよいし、2枚であってもよい。
【0051】
(2)上記実施形態では、透光パネル41~43が1辺を除いてコの字状に挟持されていたが、外縁全体が挟持されていてもよい。また、2辺(対向する2辺又は隣り合う2辺)のみが挟持されていてもよい。
【0052】
(3)上記実施形態では、透光パネル41~43は凹凸装飾部41A~43Aが発光する構成であったが、発光しなくてもよい。また、非透光部を有していてもよい。
【0053】
(4)貫通孔46Kが設けられていなくてもよい。この場合であっても、通気口40Tからエアを吹き込めば、ゴミが排出されると考えられる。
【0054】
<付記>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群Aについて、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0055】
(発明群A)
発明群Aは、遊技機に関し、「従来、この種の遊技機として、装飾部が形成された透明板を備えるものが知られている(例えば、特開2015-58040号公報([0031],[0032]、
図10)参照)。」という背景技術について、「上述した遊技機においては、装飾部の趣向性を向上することが求められている。」という課題をもってなされたものと考えることができる。
【0056】
[特徴A1]
遊技板の後方で隙間を空けて対向し、それぞれ装飾部(41A,42A)が形成された2枚の透明板(41,42)と、前記2枚の透明板の辺同士を連結する連結部材(45,50,55,56)と、を有する透明板ユニット(40)を備え、
前記透明板ユニットでは、前記2枚の透明板の3辺が前記連結部材により連結されている一方、残りの1辺同士の間が通気口(40T)として開放されている遊技機。
【0057】
特徴A1に係る遊技機によれば、装飾部が形成された透明板が2枚対向して設けられているので、装飾部の趣向性を向上することが可能となる。
【0058】
[特徴A2]
前記連結部材には、前記2枚の透明板のうち前記通気口を構成する辺と異なる一辺に対応する位置に、前記2枚の透明板同士の空間に連通する貫通孔(46K)が形成されている特徴A1に記載の遊技機。
【0059】
[特徴A3]
前記2枚の透明板には、側端面から内部に入射された光を前方に反射することで発光状態に視認される発光装飾部(41A,42A)が形成されている特徴A1又はA2に記載の遊技機。
【0060】
[特徴A4]
前記連結部材には、前記透明板の側端面に光を導入する発光素子(70)を有する発光基盤(71)が内蔵されている特徴A2に記載の遊技機。
【0061】
[特徴A5]
前記発光基盤は、前記連結部材のうち2辺に配され、
前記貫通孔は、前記連結部材のうち前記発光基盤が配されていない1辺に配されている特徴A4に記載の遊技機。
【0062】
[特徴A6]
前記遊技板には、表示装置に対向する表示開口が形成され、
前記2枚の透明板は、前記表示開口の全体に後ろから対向している特徴A1からA5の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0063】
(発明群B)
発明群Bは、装飾体を備える遊技機に関し、「この種の遊技機として、透明板を備えるものが知られている(例えば、特開2015-58040号公報([0031],[0032]、
図10)参照)。」という背景技術について、「上述した遊技機においては、透明板の見た目の悪化を防ぐことが求められている。」という課題をもってなされたものと考えることができる。
【0064】
[特徴B1]
遊技板に形成された表示開口に後ろから対向する透明板(41)の外縁部を前後方向で挟持する前側及び後側の支持部材(45,55,56)を備える遊技機であって、
前記前側又は前記後側の支持部材に設けられ、前記透明板を挟持するために当接する当接リブ(47L2,55L1,56L1,55L2,56L2)と、
前記前側の支持部材又は前記遊技板に設けられ、前記透明板のうち前記当接リブに当接する部分及びその内側部分を覆う覆い部と、を備える遊技機。
【0065】
特徴B1に係る遊技機によれば、挟持するための当接リブを設けて支持部材において透明板と擦れる部分を定めた上で、その当接リブの内側部分を覆い部により覆う構成としてので、透明板から削り出た粉が前方から視認されにくくなり、透明板の見た目の悪化が防がれる。なお、上記実施形態では、前枠45及び遊技板11のうち当接リブ(47L2,55L1,56L1,55L2,56L2)より内側部分が「覆い部」に相当する。
【0066】
[特徴B2]
前記当接リブは、前記前側の支持部材に配され、
前記覆い部は、前記前側の支持部材を前記当接リブよりも内側に張り出してなる特徴B1に記載の遊技機。
【0067】
[特徴B3]
前記覆い部の内縁には、前記透明板に当接しない位置まで延びた内縁リブ(47L1)が設けられている特徴B2に記載の遊技機。
【0068】
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
【符号の説明】
【0069】
10 遊技機
11H 表示開口
40 パネルユニット
40T 通気口
41~43 透光パネル
41A~43A 凹凸装飾部
45 前枠
46 外縁壁
46K 貫通孔
47L1 内縁リブ
47L2 当接リブ
50 後枠
55,56,60,61 スペーサー
55L1,56L1 内縁リブ
55L2,56L2 幅リブ
70 発光素子
71 発光基板