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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240405BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021184176
(22)【出願日】2021-11-11
(65)【公開番号】P2023071412
(43)【公開日】2023-05-23
【審査請求日】2022-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 仁
【審査官】袴田 知弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-228564(JP,A)
【文献】特開2016-182481(JP,A)
【文献】特開2020-174839(JP,A)
【文献】「令和2年1月6日改正の技術上の規格解釈基準についての質疑応答(メモ)」,「変動時間短縮機能」に関する技術資料,日本遊技機工業組合,2019年12月26日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の抽選の結果が特定の結果であることに基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機であって、
可変始動口への入賞が容易な入賞容易状態と、前記可変始動口への入賞が容易ではない非入賞容易状態とに設定可能であり、
前記非入賞容易状態には、
前記所定の抽選の結果が前記特別遊技の実行契機とならない非特定の結果である場合に前記入賞容易状態に設定され得る特定非入賞容易状態と、
前記所定の抽選の結果が前記非特定の結果であっても前記入賞容易状態に設定されない非特定非入賞容易状態と、が含まれ、
前記非特定非入賞容易状態には、
前記所定の抽選の結果が前記特定の結果である場合に前記特定非入賞容易状態に設定され得る有利非特定非入賞容易状態と、
前記所定の抽選の結果が前記特定の結果である場合に前記特定非入賞容易状態に設定されることがない非有利非特定非入賞容易状態と、が含まれ
前記有利非特定非入賞容易状態も前記非有利非特定非入賞容易状態も、前記可変始動口とは異なる他の始動口への入賞を狙って遊技を進める遊技状態であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機であって、
前記有利非特定非入賞容易状態に設定されている場合に第1態様をとり、前記非有利非特定非入賞容易状態に設定されている場合に第2態様をとる状態報知手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技機であって、
前記状態報知手段は、前記特定非入賞容易状態に設定されている場合にも前記第2態様をとることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項3に記載の遊技機であって、
前記有利非特定非入賞容易状態は、前記所定の抽選において前記特定の結果と判定される確率が高い遊技状態であり、
前記非有利非特定非入賞容易状態および前記特定非入賞容易状態は、前記所定の抽選において前記特定の結果と判定される確率が低い遊技状態であることを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記入賞容易状態に設定された場合、前記特別遊技が実行されるまで当該入賞容易状態が継続し、前記特別遊技が実行されることなく当該入賞容易状態が終了することがないよう構成されていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の1つであるパチンコ遊技機では、始動口に遊技球が入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定の結果を報知する特別図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるという結果が導出されると、遊技者に有利な大当たり遊技が実行される(特許文献1参照)。そして特許文献1に係る遊技機では、大当たり遊技が実行された後に、開閉可能な可変始動口に非時短状態よりも遊技球が入球し易い時短状態になることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-88993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、開閉可能な可変始動口に非時短状態よりも遊技球が入球し易い遊技状態になることがある遊技機については、遊技の興趣について未だ改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る遊技機は、
所定の抽選の結果が特定の結果であることに基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機であって、
可変始動口への入賞が容易な入賞容易状態と、前記可変始動口への入賞が容易ではない非入賞容易状態とに設定可能であり、
前記非入賞容易状態には、
前記所定の抽選の結果が前記特別遊技の実行契機とならない非特定の結果である場合に前記入賞容易状態に設定され得る特定非入賞容易状態と、
前記所定の抽選の結果が前記非特定の結果であっても前記入賞容易状態に設定されない非特定非入賞容易状態と、が含まれ、
前記非特定非入賞容易状態には、
前記所定の抽選の結果が前記特定の結果である場合に前記特定非入賞容易状態に設定され得る有利非特定非入賞容易状態と、
前記所定の抽選の結果が前記特定の結果である場合に前記特定非入賞容易状態に設定されることがない非有利非特定非入賞容易状態と、が含まれ
前記有利非特定非入賞容易状態も前記非有利非特定非入賞容易状態も、前記可変始動口とは異なる他の始動口への入賞を狙って遊技を進める遊技状態であることを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、新たな興趣を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る遊技機の正面図である。
図2】同遊技機が備える遊技盤の正面図である。
図3図2に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
図4】同遊技機の遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図5】同遊技機の演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図6】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
図7】(A)大当たり判定テーブルである。(B)大当たり図柄種別判定テーブルである。(C)ハズレ図柄種別判定テーブルである。(D)リーチ判定テーブルである。
図8】大当たり図柄種別判定テーブルであり、大当たりの種類を説明する表である。
図9】ハズレ図柄種別判定テーブルであり、ハズレの種類を説明する表である。
図10】(A)普通図柄当たり判定テーブルである。(B)普通図柄変動パターン判定テーブルである。(C)電チューの開放パターン決定テーブルである。
図11】(A)低確非時短状態用の特図変動パターン判定テーブルである。(B)低確微時短状態、高確非時短状態、及び高確微時短状態に共通の特図変動パターン判定テーブルである。
図12】(A)低確通常時短状態用の特図変動パターン判定テーブルである。(B)高確通常時短状態用の特図変動パターン判定テーブルである。
図13】主制御メイン処理のフローチャートである。
図14】電源投入時処理のフローチャートである。
図15】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
図16】センサ検出処理のフローチャートである。
図17】ゲート通過処理のフローチャートである。
図18】普通動作処理のフローチャートである。
図19】特別動作処理のフローチャートである。
図20】特別図柄待機処理のフローチャートである。
図21】大当たり判定処理のフローチャートである。
図22】変動パターン選択処理のフローチャートである。
図23】特別図柄変動中処理のフローチャートである。
図24】特別図柄確定処理のフローチャートである。
図25】遊技状態管理処理のフローチャートである。
図26】特殊ハズレ処理のフローチャートである。
図27】遊技状態リセット処理のフローチャートである。
図28】特別電動役物処理のフローチャートである。
図29】遊技状態設定処理のフローチャートである。
図30】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
図31】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
図32】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
図33】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
図34】実施形態に係る遊技機の遊技フローを説明する図である。
図35】(A)通常モードの背景画像を示す図である。(B)天国前兆モードの背景画像を示す図である。(C)天国Aモードの背景画像を示す図である。(D)天国Bモードの背景画像を示す図である。
図36】変動演出における通常変動の具体例を示す説明図である。
図37】変動演出におけるNリーチ(ノーマルリーチ)の具体例を示す説明図である。
図38】変動演出におけるSPリーチ(スーパーリーチ)の具体例を示す説明図である。
図39】変動演出における時短突入演出の具体例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.遊技機の構成
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
【0009】
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2と、遊技機枠2内に取り付けられた遊技盤1(図2参照)とを備えている。遊技機枠2は、パチンコ遊技機PY1の外郭を形成するものであり、外側に配されている外枠22と、外枠22の内側に組付けられる内枠21と、外枠22及び内枠21の前面側に配されている前扉23(前枠)とを備えている。前扉23は、遊技盤1を保護する縦長方形状のものであり、外枠22及び内枠21に対して回動自在になっている。前扉23の中央部には、遊技者が後述する遊技領域6を視認できるように、透明のガラス板23t(窓部)が取付けられている。
【0010】
前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
【0011】
図2に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
【0012】
遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(表示手段)が配されている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)EZの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
【0013】
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリア(後述する左演出図柄領域50b1)には左演出図柄EZ1が表示され、中の図柄表示エリア(後述する中演出図柄領域50b2)には中演出図柄EZ2が表示され、右の図柄表示エリア(後述する右演出図柄領域50b3)には右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組合せによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄(特図1)および第2特別図柄(特図2)の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0014】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「263」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能である。
【0015】
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
【0016】
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて第1保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する第1保留アイコン表示領域がある。第1保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83a(図3参照)にて表示される第1特図保留(特図1保留)の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。また、後述する第2特図保留の記憶数に応じて第2保留アイコンHB(演出保留画像)を表示する第2保留アイコン表示領域がある。第2保留アイコンHBの表示により、後述の第2特図保留表示器83b(図3参照)にて表示される第2特図保留(特図2保留)の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。
【0017】
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ部61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部61sへ遊技球を流出させるワープ部61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
【0018】
遊技領域6における画像表示装置50の下方で、左右方向の中央には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(入球口の一例)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄(特図1)の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。第1始動口11を、特図1始動口や、固定入球口、第1入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、特図1始動入賞装置や、固定入球手段、第1入球手段ともいう。
【0019】
また、遊技領域6における第1始動口11の右方には、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12(入球口の一例)を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄(特図2)の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。第2始動口12を、特図2始動口や、可変始動口、可変入球口、第2入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。また電チュー12Dを、特図2始動入賞装置や、可変入球手段、第2入球手段、第2始動入賞装置ともいう。電チュー12Dは、前後方向に移動(進退)可能であって開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12kを備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。
【0020】
電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、後方側に退避していて、第2始動口12への遊技球の入球が可能になる。一方、電チュー開閉部材12kが閉状態にあるときには、前方側に進出していて、第2始動口12への遊技球の入球が不可能になる。こうして、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。また電チューは、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材を有するものに限られず、回動可能な開閉部材や、左右方向に移動可能な開閉部材を有するものであっても良い。
【0021】
また、遊技領域6における電チュー12Dの左上方には、大入賞口14(特別入賞口の一例)を備えた大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとるAT開閉部材14kを備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、大入賞口ソレノイド14s(図5参照)により駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この大入賞口14は、後述する大当たり遊技の実行中に開放される。
【0022】
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの右上方には、遊技球が通過可能なゲート16が設けられている。ゲート16を、通過口や通過領域ともいう。ゲート16への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部であって第1始動口11への左方には、一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
【0023】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
【0024】
第1流路R1上には、特図1の抽選の契機となる第1始動口11と、一般入賞口10と、アウト口19が配されている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。
【0025】
一方、第2流路R2上には、特図2の抽選の契機となる第2始動口12(電チュー12D)と、大入賞口14(大入賞装置14D)と、ゲート16と、アウト口19とが配されている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打込むことで、第2始動口12や大入賞口14への入賞、ゲート16への通過を狙うことができる。
【0026】
また図2に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図3に示すように、第1特別図柄(第1図柄、識別図柄の一例)を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄(第2図柄、識別図柄の一例)を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
【0027】
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留、特図1保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留、特図2保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
【0028】
また表示器類8には、後述する高確率状態であるか否かを示唆する状態報知ランプ85(状態報知手段の一例)が含まれている。状態報知ランプ85は、1つのLED(Light Emitting Diode)で構成されており、高確率状態である場合に点灯され、高確率状態でない場合(低確率状態である場合)に消灯される。
【0029】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
【0030】
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり図柄(大当たり停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。大当たり遊技における大入賞口14の開放パターンについては後述する。
【0031】
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレ(後述の複数種類のハズレのうちの一つ)である場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0032】
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11又は第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定情報)は、後述の特図保留記憶部105(図4参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11(特図1始動口)への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12(特図2始動口)への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
【0033】
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11又は第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち、特別図柄の変動表示中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0034】
特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0035】
普通図柄の可変表示は、ゲート16への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート16への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12(電チュー12Dに係る始動口)を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
【0036】
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0037】
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート16への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106(図4参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
【0038】
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート16への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0039】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
【0040】
2.遊技機の電気的構成
次に図4及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図4及び図5に示すようにパチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
【0041】
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ610、盤ランプ54、枠ランプ212、盤可動体55k等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
【0042】
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
【0043】
また電源基板190には、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ(RAMクリア操作手段)193が設けられている。なお、RAMクリアスイッチ193は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された電源基板190上に設けられている。そのため、遊技機枠2を開放可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ193を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ193は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。なお、RAMクリアスイッチ193は、タクトスイッチであり、RAMクリアスイッチ193が押下操作されると、RAMクリアスイッチ193がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。RAMクリアスイッチ193が押されている状態をRAMクリアスイッチ193のON状態といい、RAMクリアスイッチ193が押されていない状態をRAMクリアスイッチ193のOFF状態という。遊技用RAM104のクリア(RAMクリア)を行う場合には、RAMクリアスイッチ193を押しながら電源スイッチ191のON操作を行う。遊技用RAM104をクリアするための操作を、RAMクリア操作と言う。RAMクリア操作は、所定の状態設定操作の一例である。また、RAMクリアを伴う電源投入を、特定条件を満たした電源投入と言い、RAMクリアは特定条件にあたる。
【0044】
図4に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106が設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
【0045】
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ16a、大入賞口センサ14a、および一般入賞口センサ10aが接続されている。
【0046】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて、第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて、第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ16aは、ゲート16内に設けられてゲート16を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて、大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10内に設けられて、一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
【0047】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、及び、大入賞口ソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。大入賞口ソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
【0048】
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、普図保留表示器84、および状態報知ランプ85が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0049】
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
【0050】
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
【0051】
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0052】
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0053】
図5に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
【0054】
また図5に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、およびサブドライブ基板162が接続されている。サブドライブ基板162には、枠ランプ212、盤ランプ54、盤可動体55kが接続されている。
【0055】
演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
【0056】
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データ(音声データともいう)は、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
【0057】
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光データ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光データに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光データの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0058】
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0059】
また演出制御基板120には、演出ボタン検知センサ40a及びセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。演出ボタン検知センサ40aは、演出ボタン40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン40kが押下操作されると演出ボタン検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
【0060】
なお図4及び図5は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図4及び図5に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図4又は図5に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図4又は図5に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
【0061】
3.遊技機における主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて、特図関係乱数を取得する。特図関係乱数には、図6(A)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数とも言う)、図柄種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は、大当たりの当否判定に用いられる。特別図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。図柄種別乱数は、大当たり図柄の種別判定やハズレ図柄の種別判定に用いられる。図柄種別乱数は、0~199までの範囲で値をとる。
【0062】
また、リーチ乱数は、当否判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。なお、リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このような停止表示を、仮停止表示と称し、全く動いていない停止表示を、確定停止表示(確定的な停止表示)や最終停止表示(最終的な停止表示)と称する。
【0063】
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、乱数を判定情報とも言う。
【0064】
また、パチンコ遊技機PY1は、ゲート16への遊技球の通過に基づいて、図6(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)を取得する。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
【0065】
パチンコ遊技機PY1は、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得した大当たり乱数を、図7(A)に示す大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たりか否かを決定する。本形態では、大当たり当選確率の異なる2つの遊技状態がある。通常確率状態(低確率状態)と高確率状態である。図7(A)に示すように、低確率状態では、第1始動口11への入賞に基づく第1特別図柄(特図1)の抽選も、第2始動口12への入賞に基づく第2特別図柄(特図2)の抽選も、大当たり当選確率は約1/100である。一方、高確率状態では、特図1の抽選も特図2の抽選も、大当たり当選確率は約1/93である。このように高確率状態は、低確率状態よりも大当たりに当選し易い遊技状態である。但し本形態では、低確率状態における大当たり当選確率と高確率状態における大当たり当選確率にそれほど大きな差はない。なお、大当たり当選確率は遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
【0066】
パチンコ遊技機PY1は、大当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、図7(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を決定する。特図1の抽選では、約33%の割合で「特図1_大当たり図柄A」に決定し、約67%の割合で「特図1_大当たり図柄B」に決定する。一方、特図2の抽選では、50%の割合で「特図2_大当たり図柄C」に決定し、50%の割合で「特図2_大当たり図柄D」に決定する。当選した大当たり図柄の種別が異なると、大当たり遊技における大入賞口14の開放パターンや大当たり遊技の終了後の遊技状態が異なる(図8参照)。この点については後述する。
【0067】
またパチンコ遊技機PY1は、大当たりに当選していないと判定した場合(つまりハズレと判定した場合)、図柄種別乱数を、図7(C)に示すハズレ図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、ハズレ図柄の種別を決定する。特図1の抽選では、95%の割合で、「特図1_ハズレ図柄A」に決定し、5%の割合で、「特図1_ハズレ図柄B」に決定する。一方、特図2の抽選では、100%の割合で、「特図2_ハズレ図柄C」に決定する。ハズレ図柄の種別の違いは、ハズレ図柄が停止表示された後の遊技状態に関する設定に影響を与える(図9参照)。この点については後述する。
【0068】
またパチンコ遊技機PY1は、ハズレと判定した場合、リーチ乱数を、図7(D)に示すリーチ判定テーブルに従って判定することにより、変動演出において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチにするか否かを決定することが可能である。リーチ有りと判定される確率は、遊技状態が後述の通常時短状態であるか否かによって異なっている。
【0069】
次に、大当たりの種類について、図8に基づいて詳細に説明する。上述したように、特別図柄抽選(特図1の抽選や特図2の抽選)の結果には、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。大当たり図柄には、「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」、「特図2_大当たり図柄C」、「特図2_大当たり図柄D」がある。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。なおハズレ図柄には、「特図1_ハズレ図柄A」、「特図1_ハズレ図柄B」、「特図2_ハズレ図柄C」がある(図9参照)。
【0070】
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0071】
特別図柄抽選の結果、大当たり(特定の結果の一例)に当選すると、大入賞口14を開放させる大当たり遊技が実行される。本形態では図8に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第1特図表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種別は2種類あり、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第2特図表示器81bに停止表示される大当たり図柄)の種別は2種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_大当たり図柄A」又は「特図1_大当たり図柄B」に当選する可能性があり、特図2の抽選では、「特図2_大当たり図柄C」又は「特図2_大当たり図柄D」に当選する可能性がある。
【0072】
図8に示すように、「特図1_大当たり図柄A」及び「特図1_大当たり図柄B」は、4R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの大入賞口14の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。また、「特図2_大当たり図柄C」及び「特図2_大当たり図柄D」は、10R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの大入賞口14の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。各大当たり図柄に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、当選時の遊技状態によって異なっている。
【0073】
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態について簡単に説明する。本形態では、大当たりの当選確率が異なる2つの遊技状態、すなわち低確率状態(通常確率状態)および高確率状態と、電チュー12Dへの入球し易さに関する設定が異なる3つの遊技状態、すなわち非時短状態、微時短状態、および通常時短状態とが適宜組み合わされて、1つの遊技状態が設定される。具体的には本形態では、低確非時短状態(低確率状態且つ非時短状態)、低確微時短状態(低確率状態且つ微時短状態)、低確通常時短状態(低確率状態且つ通常時短状態)、高確非時短状態(高確率状態且つ非時短状態)、高確微時短状態(高確率状態且つ微時短状態)、高確通常時短状態(高確率状態且つ通常時短状態)に設定されることがある。通常時短状態は、非時短状態よりも、電チュー12Dに遊技球が入賞し易い遊技状態である。微時短状態は、電チュー12Dへの入賞し易さに関わるパラメータ(普図抽選の当選確率、普通図柄の変動パターン、電チュー12Dの開放パターンなど)の設定が非時短状態よりも電チュー12Dに入賞し易い設定となっているものの、実質的には電チュー12Dへの入賞し易さが非時短状態と変わらない遊技状態である。非時短状態および微時短状態では、遊技者は左打ちを行って第1始動口11への入賞に基づく特図1の抽選によって遊技を進行する。一方、通常時短状態では、遊技者は右打ちを行って第2始動口12への入賞に基づく特図2の抽選によって遊技を進行する。
【0074】
なお本形態では、確変リミッタの機能を搭載しており、確変リミッタの回数(リミッタ回数)は1回に設定されている。確変リミッタとは、大当たり遊技の終了後に高確率状態に制御した連続回数が所定のリミッタ回数に至ると、高確率状態の制御契機となる大当たり図柄に当選していた場合であっても、大当たり遊技の終了後の遊技状態を低確率状態に制御する機能である。本形態では、何れの大当たり図柄も高確率状態の制御契機となる確変図柄であるが、確変リミッタの回数が1回に設定されているため、低確率状態において当選した場合には大当たり遊技の終了後の遊技状態が必ず高確率状態に設定される一方、高確率状態において当選した場合には大当たり遊技の終了後の遊技状態が必ず低確率状態に設定される。
【0075】
また本形態では、高確率状態に制御された場合の確変回数(高確率状態における特図変動の上限実行回数)は、10000回に設定される。また、時短状態(通常時短状態、微時短状態)に制御された場合の時短回数(時短状態における特図変動の上限実行回数)は、高確率状態と共に時短状態に制御された場合は、確変回数と同数の10000回に設定される。一方、低確率状態且つ時短状態に制御された場合は、1200回に設定される。どちらの場合も、次の大当たりに当選するまで時短状態が続くような回数となっている。つまり本形態では、時短状態に制御された場合、次の大当たりに当選するまで実質的に時短状態が継続する。また、高確率状態に制御された場合、次の大当たりに当選するまで実質的に高確率状態が継続する。
【0076】
図8に示すように、大当たり当選時の遊技状態が「低確非時短状態」である場合、当選した大当たり図柄が「大当たり図柄A」であっても「大当たり図柄B」であっても、大当たり遊技の終了後の遊技状態は「高確微時短状態」に設定される。また、大当たり当選時の遊技状態が「低確微時短状態」である場合、当選した大当たり図柄が「大当たり図柄A」であれば大当たり遊技の終了後の遊技状態は「高確非時短状態」に設定され、「大当たり図柄B」であれば大当たり遊技の終了後の遊技状態は「高確微時短状態」に設定される。また、大当たり当選時の遊技状態が「高確非時短状態」である場合、当選した大当たり図柄が「大当たり図柄A」であれば大当たり遊技の終了後の遊技状態は「低確非時短状態」に設定され、「大当たり図柄B」であれば大当たり遊技の終了後の遊技状態は「低確微時短状態」に設定される。また、大当たり当選時の遊技状態が「高確微時短状態」である場合、当選した大当たり図柄が「大当たり図柄A」であっても「大当たり図柄B」であっても、大当たり遊技の終了後の遊技状態は「低確非時短状態」に設定される。
【0077】
また、大当たり当選時の遊技状態が「低確通常状態」である場合、当選した大当たり図柄が「大当たり図柄C」であれば大当たり遊技の終了後の遊技状態は「高確通常時短状態」に設定され、当選した大当たり図柄が「大当たり図柄D」であれば大当たり遊技の終了後の遊技状態は「高確非時短状態」に設定される。また、大当たり当選時の遊技状態が「高確通常状態」である場合、当選した大当たり図柄が「大当たり図柄C」であっても「大当たり図柄D」であっても、大当たり遊技の終了後の遊技状態は「低確通常時短状態」に設定される。なお、各遊技状態の意義については後に詳述する。
【0078】
また特別図柄抽選の結果、ハズレと判定されると、ハズレ図柄の種別が決定される。図9に示すように、特図1の抽選で決定されるハズレ図柄(第1特図表示器81aに停止表示されるハズレ図柄)の種別は2種類あり、特図2の抽選で決定されるハズレ図柄(第2特図表示器81bに停止表示されるハズレ図柄)の種別は1種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_ハズレ図柄A」又は「特図2_ハズレ図柄B」に決定され、特図2の抽選では、「特図2_ハズレ図柄C」に決定される。
【0079】
「特図1_ハズレ図柄A」及び「特図2_ハズレ図柄C」は、通常ハズレであり、「特図1_ハズレ図柄B」は、特殊ハズレ(非特定の結果の一例)である。特殊ハズレは、通常時短状態の制御契機となるハズレである。つまり特別図柄抽選の結果が特殊ハズレである場合、遊技制御用マイコン101は、ハズレ図柄の停止表示後の遊技状態を、通常時短状態(より詳細には低確通常時短状態)に制御する。但し、通常時短状態への制御タイミングにおいて既に時短状態である場合(すなわち後述する時短フラグがONである場合)及び高確率状態である場合(すなわち後述する確変フラグがONである場合)には、遊技状態の設定を変更しない。言い換えれば、特殊ハズレ(ハズレ図柄B)の停止表示に応じた通常時短状態の設定は、低確非時短状態である場合のみ行われる。
【0080】
そして、「ハズレ図柄B」に基づく通常時短状態(低確通常時短状態)では、時短回数が1200回に設定される。このため、次の大当たりに当選するまで実質的に通常時短状態が継続する。なお、特殊ハズレを、時短ハズレとも称する。
【0081】
ここで、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態について詳細に説明する。上述したように本形態のパチンコ遊技機PY1は、大当たり遊技状態(大当たり遊技の実行中の遊技状態)以外の遊技状態として、低確非時短状態(低確率状態且つ非時短状態)、低確微時短状態(低確率状態且つ微時短状態)、低確通常時短状態(低確率状態且つ通常時短状態)、高確非時短状態(高確率状態且つ非時短状態)、高確微時短状態(高確率状態且つ微時短状態)、高確通常時短状態(高確率状態且つ通常時短状態)に設定することが可能である。
【0082】
高確率状態は、図7(A)に示すように、低確率状態(通常確率状態)と比べて、大当たりの当選確率が高い遊技状態である。すなわち、高確率状態では、特図表示器81の確率変動機能が作動する。高確率状態は、所定の上限実行回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。高確率状態における上限実行回数(確変回数)は、何れの確変大当たりに当選した場合でも、10000回に設定される(図8参照)。
【0083】
時短状態(通常時短状態、微時短状態)は、電チュー12Dに係る第2始動口12への入球し易さに関わる各種のパラメータ(普通図柄の変動パターンや電チュー12Dの開放パターン等)の設定が非時短状態と異なる遊技状態である。時短状態には、第2始動口12に遊技球が入球し易い設定の通常時短状態と、通常時短状態よりも第2始動口12に遊技球が入球し難い設定の微時短状態(非通常時短状態)とがある。また、非時短状態は、通常時短状態よりも第2始動口12に遊技球が入球し難い設定の遊技状態である。微時短状態は、非時短状態に比べればわずかに第2始動口12に遊技球が入球し易い設定となっているものの、第2始動口12に頻繁に遊技球が入球可能なわけではなく、第2始動口12への入球し易さは非時短状態と実質的にそれほど変わらない。
【0084】
時短状態についてより詳細に説明する。本形態では、図10(A)に示すように、時短状態(通常時短状態、微時短状態)における普通図柄抽選の当選確率は、非時短状態における普通図柄の当選確率と同じである。具体的には本形態では、非時短状態、通常時短状態、微時短状態のいずれの遊技状態においても、普通図柄抽選で当たりと判定される確率は、65535/65536に設定されている。つまり、いずれの遊技状態においても普通図柄抽選では、ほぼ当たりと判定される。なお、時短状態では普通図柄抽選の当選確率が非時短状態よりも高くなる構成(言い換えれば時短状態では普図表示器82の確率変動機能が作動する構成)としてもよい。
【0085】
また時短状態(通常時短状態、微時短状態)では、図10(B)に示すように、普通図柄の変動時間が、非時短状態よりも短くなる。具体的には本形態では、普通図柄の変動時間は、非時短状態では60秒であるが、通常時短状態では1秒であり、微時短状態では30秒である。すなわち時短状態では、普図表示器82の変動時間短縮機能が作動する。なお、普通図柄の停止時間は、いずれの遊技状態であっても0.5秒である。
【0086】
また時短状態(通常時短状態、微時短状態)では、図10(C)に示すように、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなる。具体的には本形態では、電チュー12Dの開放時間は、非時短状態では1回あたり0.05秒であるが、通常時短状態では2.5秒であり、微時短状態では0.1秒である。すなわち時短状態では、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動する。
【0087】
また時短状態では、図10(C)に示すように、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が、非時短状態よりも多くなることがある。具体的には本形態では、電チュー12Dの開放回数は、非時短状態、微時短状態では1回であるが、通常時短状態では2回である。すなわち通常時短状態では、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動する。
【0088】
ここで非時短状態では、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなるものの、普通図柄の変動時間が60秒と長く、補助遊技における電チュー12Dの開放は0.05秒の開放が1回と極短時間である。よって非時短状態では、電チュー12Dが開放されてもそのタイミングで第2始動口12に遊技球が入球することは難しい。
【0089】
これに対して通常時短状態では、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなり、普通図柄の変動時間も1秒と短く、また、補助遊技における電チュー12Dの開放は2.5秒の開放が2回と十分に長い。よって通常時短状態では、右打ち(ゲート16への通過が見込める打方)にて遊技を行うことで、電チュー12Dへの入賞が頻繁に生じ得る。すなわち通常時短状態は、非時短状態と比べて、電チュー12Dへの入賞が容易な設定の遊技状態であると言える。
【0090】
一方、微時短状態では、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなるものの、普通図柄の変動時間は30秒と長く、また、補助遊技における電チュー12Dの開放は0.1秒の開放が1回と短い。よって微時短状態では、電チュー12Dへの入賞し易さに関係する各種のパラメータ(普通図柄抽選の当選確率、普通図柄の変動時間や停止時間、電チュー12Dの開放パターン)が非時短状態に比べれば、電チュー12Dへ入賞し易い設定となっているものの、第2始動口12への入賞し易さは実質的には非時短状態と変わらない。つまり、微時短状態では、電チュー12Dが開放されてもそのタイミングで第2始動口12に遊技球が入球することは難しい。
【0091】
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1は、非時短状態(低確非時短状態、高確非時短状態)あるいは微時短状態(低確微時短状態、高確微時短状態)である場合には、電チュー12Dが頻繁に開放されないため、第1始動口11に遊技球が入球可能な左打ちで遊技が行われることを前提としており、通常時短状態(低確通常時短状態、高確通常時短状態)である場合には、電チュー12Dが頻繁に開放されるため、電チュー12Dに係る第2始動口12に遊技球が入球可能な右打ちで遊技が行われることを前提としている。言い換えれば、本形態のパチンコ遊技機PY1は、非時短状態及び微時短状態では左打ちでの遊技が推奨され、通常時短状態では右打ちでの遊技が推奨される。
【0092】
なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。また、通常時短状態は入賞容易状態に相当し、非時短状態および微時短状態は非入賞容易状態に相当する。また、低確非時短状態は特定非入賞容易状態に相当し、低確微時短状態、高確非時短状態、及び、高確微時短状態はそれぞれ、非特定非入賞容易状態の一例である。また、高確非時短状態は第1の非特定非入賞容易状態に相当し、高確微時短状態は第2の非特定非入賞容易状態に相当する。また、高確非時短状態及び高確微時短状態はそれぞれ、有利非特定非入賞容易状態の一例であり、低確微時短状態は非有利非特定非入賞容易状態に相当する。また、通常時短状態を特定遊技状態と称することができ、非時短状態及び微時短状態を、非特定遊技状態と称することができる。
【0093】
ちなみに、通常時短状態では、非時短状態と比べて、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。よって、通常時短状態を「高ベース状態」ともいい、非時短状態を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。微時短状態も低ベース状態である。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dの作動により第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。
【0094】
なお、工場出荷後に初めてパチンコ遊技機PY1の電源が投入されたとき(電源スイッチ191のON操作をしたとき)の遊技状態は、低確非時短状態である。その後は、電源が遮断されたとき(電源スイッチ191のOFF操作をしたとき)の遊技状態が、次回の電源投入時の遊技状態となる。電源投入に際してRAMクリアスイッチ193が押されている場合(すなわちRAMクリア操作がなされた場合)は、遊技用RAM104の情報がクリアされるため、遊技状態が低確非時短状態に設定される。
【0095】
次に、特別図柄の変動パターン(特図変動パターン)の決定について説明する。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態に応じて異なる特図変動パターン判定テーブルに従って特図変動パターンを決定する(図11及び図12参照)。具体的には、パチンコ遊技機PY1は、低確非時短状態では図11(A)に示す特図変動パターン判定テーブルに基づいて特図変動パターンを選択し、低確微時短状態、高確非時短状態、及び高確微時短状態では図11(B)に示す特図変動パターン判定テーブルに基づいて特図変動パターンを選択し、低確通常時短状態では図12(A)に示す特図変動パターン判定テーブルに基づいて特図変動パターンを選択し、高確通常時短状態では図12(B)に示す特図変動パターン判定テーブルに基づいて特図変動パターンを選択する。
【0096】
各遊技状態毎の特図変動パターン判定テーブルについて具体的に説明する。まず、図11(A)に基づいて低確非時短状態における特図変動パターン判定テーブルについて説明する。低確非時短状態では、左打ちにて遊技が進行されるため、主に特図1の抽選が行われる。特図1の抽選結果には大当たりとハズレとがあり、ハズレ図柄には、通常時短状態の制御契機となるハズレ図柄B(特殊ハズレ)が含まれる(図9参照)。ハズレ図柄Bは、ハズレ時の1/20で選択される。
【0097】
図11(A)に示すように、低確非時短状態において特図1の抽選がなされると、大当たり判定の結果や、図柄種別判定の結果、リーチ判定の結果、保留球数等に応じて、特図1の変動パターンが選択される(特図変動パターンP1~P7)。低確非時短状態における特図1の抽選の結果がハズレ図柄Bであった場合には、特図変動パターンP7が選択される。特図変動パターンP7が選択された場合、時短突入演出が実行される。時短突入演出の詳細は後述するが、時短突入演出は、遊技状態が通常時短状態に変更されることを示唆する演出である。なおイレギュラーなケースであるが、低確非時短状態において特図2の抽選がなされた場合には、大当たりであれば、70秒の変動時間の変動パターン(P51)が選択され、ハズレであれば、13秒の変動時間の変動パターン(P52)が選択される。
【0098】
次に、図11(B)に基づいて低確微時短状態、高確非時短状態、及び、高確微時短状態に共通で用いられる特図変動パターン判定テーブルについて説明する。これらの遊技状態では、低確非時短状態と同様、左打ちにて遊技が進行されるため、主に特図1の抽選が行われる。但し、これらの遊技状態(すなわち時短フラグ及び確変フラグの少なくとも一方がONである状態)では、特殊ハズレに係るハズレ図柄(ハズレ図柄B)が停止表示されても遊技状態に関する設定は変更されない。すなわち本形態では、低確微時短状態、高確非時短状態、及び、高確微時短状態中の特殊ハズレは、単なる通常ハズレとして機能する。
【0099】
図11(B)に示すように、低確微時短状態、高確非時短状態、及び、高確微時短状態において特図1の抽選がなされると、大当たり判定の結果やリーチ判定の結果、保留球数等に応じて、特図1の変動パターンが選択される(特図変動パターンP11~P16)。ここで、低確微時短状態、高確非時短状態、及び、高確微時短状態における特図1の抽選の結果がハズレ図柄Bであった場合は、ハズレ図柄Aである場合と同様の特図変動パターン(P13~P16)が選択される。なお、低確微時短状態、高確非時短状態、及び、高確微時短状態において特図2の抽選がなされた場合には、大当たりであれば、70秒の変動時間の変動パターン(P61)が選択され、ハズレであれば、13秒の変動時間の変動パターン(P62)が選択される。
【0100】
次に、図12(A)に基づいて低確通常時短状態における特図変動パターン判定テーブルについて説明する。本形態では、低確通常時短状態では、右打ちにて遊技が進行されるため、主に特図2の抽選が行われる。なお本形態では、低確通常時短状態中の特殊ハズレは単なる通常ハズレとして機能する。
【0101】
図12(A)に示すように、低確通常時短状態において特図2の抽選がなされると、大当たり判定の結果や図柄種別判定の結果、リーチ判定の結果、保留球数等に応じて、特図2の変動パターンが選択される(特図変動パターンP71~P78)。低確通常時短状態においては大当たり図柄Cに当選した場合と大当たり図柄Dに当選した場合とで大当たり遊技の終了後の遊技状態が異なるため、大当たり図柄Cに当選した場合に選択される特図変動パターンと、大当たり図柄Dに当選した場合に選択される特図変動パターンとは異なっている。なお、低確通常時短状態において特図1の抽選がなされた場合には、大当たりであれば、70秒の変動時間の変動パターン(P21)が選択され、ハズレであれば、13秒の変動時間の変動パターン(P22)が選択される。
【0102】
次に、図12(B)に基づいて高確通常時短状態における特図変動パターン判定テーブルについて説明する。本形態では、高確通常時短状態では、右打ちにて遊技が進行されるため、主に特図2の抽選が行われる。なお本形態では、高確通常時短状態中の特殊ハズレは単なる通常ハズレとして機能する。
【0103】
図12(B)に示すように、高確通常時短状態において特図2の抽選がなされると、大当たり判定の結果や、リーチ判定の結果、保留球数等に応じて、特図2の変動パターンが選択される(特図変動パターンP81~P86)。高確通常時短状態においては大当たり図柄Cに当選した場合と大当たり図柄Dに当選した場合とで大当たり遊技の終了後の遊技状態が同じであるため、大当たり図柄Cに当選した場合に選択される特図変動パターンと、大当たり図柄Dに当選した場合に選択される特図変動パターンとは共通している。なお、低確通常時短状態において特図1の抽選がなされた場合には、大当たりであれば、70秒の変動時間の変動パターン(P31)が選択され、ハズレであれば、13秒の変動時間の変動パターン(P32)が選択される。
【0104】
なお本形態では、通常時短状態(低確通常時短状態、高確通常時短状態)では、非時短状態(低確非時短状態、高確非時短状態)および微時短状態(低確微時短状態、高確微時短状態)に比べて、保留球数に応じた変動時間の短縮機能が作動し易い(図11図12参照)。
【0105】
4.遊技制御用マイコン101の動作
[主制御メイン処理]次に図13図29に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から図13に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず電源投入時処理(ステップS001)を行う。電源投入時処理では例えば、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。特段の記載がない場合、基本的には、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお電源投入時処理(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0106】
電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図7に示した種々の乱数カウンタ値を1だけ加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0107】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0108】
[電源投入時処理]図14に示すように電源投入時処理(S001)では、まず遊技用RAM104へのアクセスの許可設定を行う(S011)。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ193が操作されたか否か(ONか否か)を判定する(S012)。RAMクリアスイッチ193がONであれば(S012でYES)、ステップS018に進む。これに対して、ONでなければ(S012でNO)、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する(S013)。電源断フラグは、電断の発生に応じてONにされるフラグである。
【0109】
電源断フラグがONでなければ(S013でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS018に進む。一方、電源断フラグがONであれば(S013でYES)、チェックサムを算出して(S014)、これを電断時に算出しておいたチェックサムと比較する(S015)。チェックサムの値が一致しなければ(S015でNO)、遊技用RAM104の記憶内容が正常ではないため、ステップS018に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S015でYES)、遊技用RAM104の記憶内容が正常であると判断し、ステップS016に進む。
【0110】
ステップS016では、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定処理を行う。この設定処理では、遊技用ROM103から復電時情報を読み出し、この復電時情報を遊技用RAM104の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグをOFFして(S017)、ステップS021に進む。
【0111】
また、ステップS018では、遊技用RAM104に記憶されている全ての遊技情報をクリアする(S018)。その後、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の作業領域の初期設定を行う(S019)。この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。ステップS018及びS019が行われた場合の遊技状態は低確非時短状態となる。一方、ステップS018及びS019が行われなかった場合の遊技状態は、電源遮断時の遊技状態となる。
【0112】
続いて遊技制御用マイコン101は、RAMクリアを行ったことを通知するためのRAMクリア通知コマンドを演出制御基板120に対して出力する(S020)。そして、ステップS021に進む。ステップS021ではその他の初期設定として、例えば、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行う。
【0113】
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図15に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理を実行する(S101)。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
【0114】
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a等(図4参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報として遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。賞球情報が払出制御基板170に出力されると、払出制御基板170は、賞球情報に応じた賞球の払出を行う。なお、各入賞口への入賞に応じた賞球数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜設定可能である。また入力処理(S102)では、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
【0115】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図13の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図6に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0116】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)を実行する。その後、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図保留球数に基づいて特図保留表示器83をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(図13参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0117】
[センサ検出処理]図16に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、遊技球がゲート16を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ16aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート16を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS203に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述するゲート通過処理(S202)を行って、ステップS203に進む。
【0118】
ステップS203では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合には(S203でNO)ステップS209に進むが、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S204)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合には(S204でYES)、ステップS209に進むが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S205)。
【0119】
続いて、特図1関係乱数取得処理を行う(S206)。特図1関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Aの値)、図柄種別乱数カウンタの値(ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1の値)を取得し(つまり図6(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部105aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0120】
続いてセンサ検出処理(S104)では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合には(S209でNO)本処理を終えるが、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S210)。そして、特図2保留球数が、「4」に達している場合には(S210でYES)、本処理を終えるが、特図2保留球数が「4」に達していない場合には(S210でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S211)。
【0121】
続いて特図2関係乱数取得処理を行う(S212)。特図2関係乱数取得処理(S212)では、特図1関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図6(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部105bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0122】
[ゲート通過処理]図17に示すようにゲート通過処理(S202)ではまず、普図保留球数(普図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S221)。そして、普図保留球数が「4」に達している場合には(S221でYES)、本処理を終えるが、普図保留球数が「4」未満である場合には(S221でNO)、普図保留球数に「1」を加算する(S222)。
【0123】
続いて、普図関係乱数取得処理を行う(S223)。普図関係乱数取得処理(S223)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Hの値、図6(B)参照)を取得し、その取得乱数値を普図保留記憶部106のうち現在の普図保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0124】
[普通動作処理]遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(図15参照)。図18に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー12Dの作動中か否かを判定する(S401)。電チュー12Dの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
【0125】
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理を行う(S405)。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部106に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出し、非時短状態であれば、非時短状態用の普通図柄当たり判定テーブル(図10(A)に示すテーブルの非時短状態の欄参照)に基づいて当たりか否か判定し、時短状態(通常時短状態、微時短状態)であれば、各時短状態用の普通図柄当たり判定テーブル(図10(A)に示すテーブルの各時短状態の欄参照)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
【0126】
続いて遊技制御用マイコン101は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S407)。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図10(B)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が60秒の普通図柄変動パターンを選択する。また、遊技状態が通常時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。また、遊技状態が微時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
【0127】
次いで遊技制御用マイコン101は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部106における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部106における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン101は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、演出制御基板120に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0128】
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、演出制御基板120に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間(本形態では500ms、図10(B)参照)をセットして(S414)、本処理を終える。
【0129】
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー12Dの開放パターンをセットする(S417)。詳細には、非時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして非時短状態用の開放パターン(図10(C)の電チュー開放TBL1参照)をセットする。また、通常時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして通常時短状態用の開放パターン(図10(C)の電チュー開放TBL2参照)をセットする。また、微時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして微時短状態用の開放パターン(図10(C)の電チュー開放TBL3参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー12Dを作動させる(S418)。
【0130】
また、上述のステップS401にて電チュー12Dの作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー12Dの作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー12Dの作動を終了させる(S420)。
【0131】
[特別動作処理]図19に示すように特別動作処理(S106)では、特図表示器81および大入賞装置14Dに関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1001でYES)、特別図柄待機処理(S1002)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1001でNO、S1003でYES)、特別図柄変動中処理(S1004)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1001,S1003で共にNO、S1005でYES)、特別図柄確定処理(S1006)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1001,S1003,S1005の全てがNO)、大当たり遊技としての特別電動役物処理(S1007)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0132】
[特別図柄待機処理]図20に示すように、特別図柄待機処理(S1002)ではまず、第2始動口12の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口11の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1207)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1207でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置50の表示画面50aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1213)、そうであれば(S1213でYES)処理を終え、そうでなければ(S1213でNO)、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする(S1214)。客待ち待機コマンドを受信した演出制御基板120は客待ち演出を画像表示装置50等にて実行する。
【0133】
ステップS1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1202)及び特図2変動パターン選択処理(S1203)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1204)。そして、第2特図保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1205)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理(S1206)を実行する。特図2変動開始処理(S1206)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1206)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1202)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0134】
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES且つS1207でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1208)及び特図1変動パターン選択処理(S1209)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1210)。そして、第1特図保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1211)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理(S1212)を実行する。特図1変動開始処理(S1212)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1212)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1208)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1209)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0135】
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たりに当選しやすくなっている(図8参照)。
【0136】
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1202)と特図1大当たり判定処理(S1208)とは、処理の流れが同じであるため図21に基づいてまとめて説明する。図21に示すように、特図2大当たり判定処理(S1202)又は特図1大当たり判定処理(S1208)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1301)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1202)では、遊技用RAM104の第2特図保留記憶部105bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1208)では、遊技用RAM104の第1特図保留記憶部105aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
【0137】
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図7(A))をセットする(S1302)。すなわち、通常確率状態(低確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち低確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち高確率状態用のテーブルをセットする。
【0138】
続いて遊技制御用マイコン101は、ステップS1302でセットした大当たり判定テーブル(図7(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1304)。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1304でYES)、大当たりフラグをONする(S1305)。そして、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図7(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄の種別を判定するとともに(S1306)、その大当たり図柄の種別に対応する特図停止図柄データをセットして(S1307)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1304でNO)、図柄種別乱数カウンタ値を読み出して、図7(C)に示すハズレ図柄種別判定テーブルに基づいてハズレ図柄の種別を判定するとともに(S1308)、そのハズレ図柄の種別に対応する特図停止図柄データをセットして(S1309)、処理を終える。
【0139】
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1203)と特図1変動パターン選択処理(S1209)とは、処理の流れが同じであるため図22に基づいてまとめて説明する。図22に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)又は特図1変動パターン選択処理(S1209)ではまず、遊技状態が低確率状態であるか否か(確変フラグがOFFか否か)を判定する(S1401)。そして低確率状態であれば(S1401でYES)、続いて、非時短状態であるか否か(時短フラグがOFFか否か)を判定する(S1402)。非時短状態であれば(S1402でYES)、低確非時短状態用のテーブル(図11(A)に示すテーブル)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。図11(A)に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
【0140】
なお、変動パターンには変動演出が関連付けられており、変動パターンが決定されると、その変動パターンに応じた変動演出が実行される。具体的には例えば、変動パターンP1に基づく変動演出ではスーパーリーチ(SPリーチ)が実行される。なお本形態のパチンコ遊技機PY1は、リーチ演出としてノーマルリーチ(Nリーチ)とスーパーリーチ(SPリーチ)を実行可能である。SPリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
【0141】
またステップS1402において、非時短状態でないと判定した場合は続いて、通常時短状態であるか否かを判定する(S1404)。なお、通常時短状態であるか否かは後述する遊技状態フラグ(図25に示す表参照)の値に基づいて判定する。ステップS1404において通常時短状態であると判定した場合は、低確通常時短状態用のテーブル(図12(A)に示すテーブル)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1405)。これに対して、ステップS1404において通常時短状態でないと判定した場合は、微時短状態であるため、低確微時短状態用のテーブル(図11(B)に示すテーブル、高確非時短状態および高確微時短状態と共通)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。
【0142】
またステップS1401において、低確率状態でないと判定した場合は、続いて、非時短状態であるか否か(時短フラグがOFFか否か)を判定する(S1407)。非時短状態でなければ(S1407でNO)、続いて、通常時短状態であるか否かを判定する(S1408)。そして、ステップS1408において通常時短状態であると判定した場合は(S1408でYES)、高確通常時短状態であるため、高確通常時短状態用のテーブル(図12(B)に示すテーブル)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。
【0143】
一方、ステップS1407で非時短状態であると判定した場合は(S1407でYES)、高確非時短状態であるため、高確非時短状態用のテーブル(図11(B)に示すテーブル、低確微時短状態および高確微時短状態と共通)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。また、ステップS1408で通常時短状態でないと判定した場合は(S1408でNO)、高確微時短状態であるため、高確微時短状態用のテーブル(図11(B)に示すテーブル、低確微時短状態および高確非時短状態と共通)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。
【0144】
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、選択した特図変動パターンをセットして(S1440)、本処理を終える。ステップS1440でセットした特図変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1002)におけるステップS1206又はS1212でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)に含められる。
【0145】
[特別図柄変動中処理]図23に示すように、特別図柄変動中処理(S1004)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1203又はS1209で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図11図12参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
【0146】
一方、変動時間が経過していれば(S1801でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1802)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1803)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1804)、この処理を終える。
【0147】
[特別図柄確定処理]図24に示すように、特別図柄確定処理(S1006)ではまず、特別図柄の停止時間(本形態では500ms、図11及び図12参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。
【0148】
一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、後述の遊技状態管理処理(S1902)を行う。次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットする(S1904)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。
【0149】
遊技制御用マイコン101は、ステップS1904に続いて、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1905)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1906)、大当たり遊技のオープニングを開始し(S1907)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1908)。
【0150】
また、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ(S1903でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1909)処理を終える。
【0151】
[遊技状態管理処理]図25に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、確変フラグがONか否か判定し(S2001)、ONであれば、高確率状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定して(S2003)、「0」であれば確変フラグをOFFする(S2004)。そして、状態報知ランプ85を高確率状態でないことを示唆する態様(消灯している消灯態様)にするとともに(S2005-1)、高確率状態に制御した連続回数をカウントするリミッタ作動カウンタの値を「0」にクリアし(S2005-2)、ステップS2006に進む。また、ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2006に進む。なお、本パチンコ遊技機PY1では、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」にセットされるようになっている。
【0152】
ステップS2006では時短フラグがONか否か判定し、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2007)、時短カウンタの値が「0」か否か判定して(S2008)、「0」であれば時短フラグをOFFして(S2009)、ステップS2010に進む。また、ステップS2006又はS2008の判定結果がNOであれば、ステップS2010に進む。なお、本パチンコ遊技機PY1では、高確率状態と共に時短状態に移行する場合は時短カウンタの値が「10000」にセットされ、低確率状態且つ時短状態に設定される場合は時短カウンタの値が「1200」にセットされるようになっている。
【0153】
ステップS2010では、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態を示す遊技状態フラグの値を更新する遊技状態フラグ更新処理を実行する。図25中の表に示すように、遊技状態フラグの値は、低確非時短状態であれば「1」にセットされ、低確微時短状態であれば「2」にセットされ、高確非時短状態であれば「3」にセットされ、高確微時短状態であれば「4」にセットされ、低確通常時短状態であれば「5」にセットされ、高確通常時短状態であれば「6」にセットされる。なお、同表に示すように、状態報知ランプ85は、低確率状態(低確非時短状態、低確微時短状態、低確通常時短状態)では消灯され、高確率状態(高確非時短状態、高確微時短状態、高確通常時短状態)では点灯される。つまり状態報知ランプ85は、点灯することで高確率状態であることを示唆し、消灯することで高確率状態でないこと(低確率状態であること)を示唆する。
【0154】
ステップS2010に続いて、遊技制御用マイコン101は、後述する特殊ハズレ処理(S2011)を行う。そして、遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S2012)、本処理を終える。このコマンドが出力されることにより、演出制御基板120に現在の遊技状態の情報が通知される。
【0155】
[特殊ハズレ処理]特殊ハズレ処理(S2011)は、低確非時短状態においてハズレ図柄B(特殊ハズレ)が停止表示されたことに基づいて、低確通常時短状態に設定するための処理である。図26に示すように、特殊ハズレ処理(S2011)ではまず、遊技制御用マイコン101は、確変フラグがOFFであるか否かを判定する(S2020)。確変フラグがOFFであれば、続いて、時短フラグがOFFであるか否かを判定する(S2021)。時短フラグがOFFであれば、続いて、停止表示されている特別図柄が、特殊ハズレ(ハズレ図柄B)であるか否かを判定する(S2022)。そして、特殊ハズレであれば、時短フラグをONするとともに(S2023)、ハズレ図柄の種別に応じた時短回数(本形態では「1200」、図9参照)を時短カウンタにセットし(S2024)、遊技状態フラグ更新処理(S2025)を行って、本処理を終える。この遊技状態フラグ更新処理(S2025)では、ハズレ図柄Bに基づいて通常時短状態に制御したところであるため、遊技状態フラグの値を、低確通常時短状態に対応する値「5」に設定する。ステップS2020でNOと判定した場合、ステップS2021でNOと判定した場合、及び、ステップS2022でNOと判定した場合には、ステップS2023~S2025の処理を行うことはなく、直ちに本処理を終える。このように本形態では、高確率状態である場合(確変フラグがONである場合)や時短状態である場合(時短フラグがONである場合)には、特殊ハズレ(ハズレ図柄B)に基づく時短状態の設定がなされることはない。
【0156】
[遊技状態リセット処理]図27に基づいて遊技状態リセット処理(S1905)について説明する。図27に示すように、遊技状態リセット処理(S1905)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2401)、ONであれば確変フラグをOFFするとともに(S2402-1)、状態報知ランプ85を消灯する(S2402-2)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2403)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2404)。そして、確変カウンタの値を「0」にリセットするとともに(S2405)、時短カウンタの値を「0」にリセットして(S2406)、本処理を終える。
【0157】
[特別電動役物処理]特別電動役物処理は、大当たり遊技の実行のための処理である。図28に示すように、特別電動役物処理(S1007)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置14Dの開放が全て終了したことを示すフラグである。
【0158】
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、大入賞口14の開放中か否か(すなわち大入賞装置14Dの開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、大入賞口14を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して大入賞口14の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2703)。
【0159】
ステップS2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2703の判定結果がYESであれば、大当たりの種類に応じた開放パターン(図8参照)に従って大入賞口14を開放させる(S2704)。続いてステップS2705では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行って、本処理を終える。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2705)では、ステップS2704での大入賞口14の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口14の開放がなされることはない。そのため、このステップS2705では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
【0160】
特別電動役物処理(S1007)のステップS2702において、大入賞口14の開放中であれば、大入賞口14の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2706)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口14への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり10個)に達したこと、又は、大入賞口14を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口14を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口14の閉鎖条件が成立していなければ(S2706でNO)、処理を終える。
【0161】
これに対して、大入賞口14の閉鎖条件が成立している場合(S2706でYES)には、大入賞口14を閉鎖(閉塞)する(S2707)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2708)。終了していなければ(S2708でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2708でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2709)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2710)。「0」でなければ(S2710でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
【0162】
一方「0」であれば(S2710でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2711)、大当たりのエンディングを開始する(S2712)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2713)、処理を終える。
【0163】
またステップS2701において大当たり終了フラグがONであれば(S2701でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たり遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2714)、エンディング時間が経過していなければ(S2714でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2714でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2715)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2716)。続いて、大当たりフラグをOFFする(S2717)。その後、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2718)、本処理を終える。
【0164】
[遊技状態設定処理]図29に示すように、遊技状態設定処理(S2716)ではまず、リミッタ作動カウンタが上限値の「1」であるか否かを判定し(S2801)、リミッタ作動カウンタの値が「1」に達していなければ(S2801でNO)、確変フラグをONするとともに(S2802-1)、状態報知ランプ85を点灯させる(S2802-2)。そして、リミッタ作動カウンタの値に「1」を加算し(S2803)、確変カウンタの値を「10000」にセットして(S2804)、ステップS2810に進む。一方、ステップS2801でYESと判定した場合、高確率状態への連続制御回数が上限値に達しているため、高確率状態に設定することなく、リミッタ作動カウンタの値を「0」にクリアして(S2805)、ステップS2810に進む。このように本形態のパチンコ遊技機PY1は、所謂確変リミッタを搭載しており、大当たり遊技後の遊技状態が2回以上連続して高確率状態に制御されることがないようになっている。
【0165】
ステップS2810では、今回の大当たり遊技の実行契機となった大当たり図柄が、当選時の遊技状態に鑑みて、大当たり遊技の終了に応じて時短状態に設定する図柄であるか否かを判定する。ステップS2810の判定結果がYESである場合、時短フラグをONするとともに(S2811)、時短カウンタの値をセットして(S2812)、ステップS2813に進む。ステップS2812において時短カウンタの値は、高確時短状態とともに時短状態に設定する場合であれば「10000」にセットされ、低確率状態且つ時短状態に設定する場合であれば「1200」にセットされる(図8参照)。一方、ステップS2810の判定結果がNOである場合、時短状態に設定することなく、ステップS2813に進む。
【0166】
ステップS2813では、遊技状態フラグ更新処理を行う。この遊技状態フラグ更新処理(S2813)では、当選時の遊技状態の情報、及び、今回の大当たり遊技の実行契機となった大当たり図柄の情報に基づいて、移行先の遊技状態に対応する遊技状態フラグの値(図25中の表参照)に設定する。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、図8に示した通りに設定される。
【0167】
そして、遊技制御用マイコン101は、今設定した遊技状態の情報(遊技状態フラグの情報)を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S2814)、本処理を終える。遊技状態指定コマンドが出力されることにより、演出制御基板120に現在の遊技状態の情報が通知される。
【0168】
5.演出制御用マイコン121の動作
次に、図30図33に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
【0169】
[サブ制御メイン処理]演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図30に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、サブ側電源断フラグ(電断時にONされるフラグ)がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4001)。そしてこの判定結果がNOであれば、つまり、サブ側電源断フラグがONでない場合、又はサブ側電源断フラグがONであっても演出用RAM124の内容が正常でない場合には、演出用RAM124の初期化をして(S4002)、ステップS4003に進む。
【0170】
一方、ステップS4001の判定結果がYESであれば、つまり、電断によりサブ側電源断フラグがONとなったが演出用RAM124の内容が正常に保たれている場合には、続いて、RAMクリア通知コマンドを受信しているか否かを判定する(S4004)。RAMクリア通知コマンドを受信していれば(S4004でYES)、遊技制御基板100の遊技用RAM104はクリアされている。そのため、演出制御基板120の演出用RAM124をクリアして(S4002)、ステップS4003に進む。これに対して、RAMクリア通知コマンドを受信していなければ(S4004でNO)、演出用RAM124をクリアすることなく、ステップS4003に進む。
【0171】
ステップS4003では、その他の初期設定を行う。その他の初期設定では例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。また、サブ側電源断フラグがONであればOFFにする。
【0172】
次に、演出制御用マイコン121は、割り込みを禁止し(S4006)、乱数更新処理を実行する(S4007)。乱数更新処理(S4007)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
【0173】
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4008)。コマンド送信処理(S4008)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示画面50a(表示部)に画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して盤ランプ54や枠ランプ212を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、盤可動体55kを作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(変動演出、保留演出、可動体演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
【0174】
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4009)。以降、ステップS4006~S4009をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
【0175】
受信割り込み処理(S4010)は、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011,S4012)に優先して実行される。
【0176】
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図31に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
【0177】
入力処理では、演出ボタン検知センサ40aやセレクトボタン検知センサ42aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出用データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ212、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データ(ランプデータ)をサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ212、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動体制御処理では、入力処理や後述する演出用データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで盤可動体55kなどの可動体を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、盤可動体55kなどを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
【0178】
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、図32に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
【0179】
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。受信コマンド解析処理については後に詳述する。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、演出ボタン40kやセレクトボタン42kといった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ610からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御基板161への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
【0180】
ここで、演出制御用マイコン121が遊技制御用マイコン101からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン121が受信するコマンドは、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201)において、変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SPリーチに関連付けられた変動パターン)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4008)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、特別遊技に伴う演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出、演出モードの制御などの他の演出についても基本的には同じである。
【0181】
[受信コマンド解析処理]次に、受信コマンド解析処理(S4201)について、図33に基づいて詳述する。受信コマンド解析処理(S4201)ではまず、図33に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態指定コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば演出モード更新処理(S4404)を行う。演出モード更新処理(S4404)では、遊技状態指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、演出モードの選択を行い、その選択に応じた演出モードに設定するための演出モード設定コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0182】
具体的には演出モード更新処理(S4404)では、図33中の表に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態が「低確非時短状態」である場合には「天国前兆モード」に設定し、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態が「低確微時短状態」である場合には「通常Aモード」に設定し、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態が「高確非時短状態」である場合には「通常Bモード」に設定し、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態が「高確微時短状態」である場合には「通常Cモード」に設定する。また、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態が「低確通常時短状態」である場合には「天国Aモード」に設定し、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態が「高確通常時短状態」である場合には「天国Bモード」に設定する。なお本形態のパチンコ遊技機PY1では、演出用RAM124の初期化(S4002)がなされた場合、すなわち、遊技制御基板100の遊技用RAM104がクリアされて遊技状態が「低確非時短状態」である場合には、演出モードは、「天国前兆モード」に設定される。各演出モードについては、後に具体的に説明する。
【0183】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば変動演出開始処理(S4406)を行う。変動演出開始処理(S4406)では、変動開始コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、変動演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。変動演出の演出内容については、後に具体的に説明する。
【0184】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述の変動演出終了処理(S4408)を行う。変動演出終了処理(S4408)では、変動停止コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を確定的に停止表示させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0185】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればオープニング演出選択処理(S4410)を行う。オープニング演出選択処理(S4410)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、特別遊技(大当たり遊技)のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RMA124の出力バッファにセットする。
【0186】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればラウンド演出選択処理(S4412)を行う。ラウンド演出選択処理(S4412)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、ラウンド遊技中に実行するラウンド演出(開放遊技演出)のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RMA124の出力バッファにセットする。
【0187】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していればエンディング演出選択処理(S4414)を行う。エンディング演出選択処理(S4414)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RMA124の出力バッファにセットする。
【0188】
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S4415)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
【0189】
6.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1における遊技の進行の流れについて、図34に基づいて説明する。まず、本形態のパチンコ遊技機PY1で設定され得る6つの遊技状態の役割について説明する。上述した通り、本形態のパチンコ遊技機PY1における遊技状態には、低確非時短状態、低確微時短状態、高確非時短状態、高確微時短状態、低確通常時短状態、高確通常時短状態の6つの遊技状態がある。低確非時短状態、低確微時短状態、高確非時短状態、及び、高確微時短状態は、電サポ制御のない遊技状態である。よってこれらの遊技状態では、図34に示すように、左打ちを行って、特図1に係る第1始動口11への入賞を狙う。低確非時短状態は、特殊ハズレ(ハズレ図柄B)を引くことによって低確通常時短状態に移行させることが可能な唯一の遊技状態である。すなわち、低確非時短状態は、電サポ制御を獲得するチャンスとして機能する。低確非時短状態である場合には、演出モードは天国前兆モードに設定される。
【0190】
これに対して、低確微時短状態、高確非時短状態、高確微時短状態は、特殊ハズレ(ハズレ図柄B)を引いても通常ハズレとして扱われる遊技状態である。すなわち、特殊ハズレを引いても通常時短状態に移行させることができない遊技状態である。これらの遊技状態である場合には、大当たり当選によって遊技状態が変更されることを目指して遊技を行う。低確微時短状態は、大当たりに当選しても低確非時短状態(天国前兆モード)に設定されることがない遊技状態である。また、高確非時短状態は、大当たりに当選した場合、33%の割合(第1の確率の一例)で低確非時短状態(天国前兆モード)に移行可能な遊技状態である。また、高確微時短状態は、大当たりに当選した場合、必ず(すなわち100%の割合(第2の確率の一例)で)低確非時短状態(天国前兆モード)に設定される遊技状態である。大当たり当選時の低確非時短状態への移行し易さという観点でみれば、高確微時短状態が最も有利な遊技状態であり、低確微時短状態が最も不利な遊技状態であると言える。
【0191】
低確微時短状態である場合には、演出モードは通常Aモードに設定され、高確非時短状態である場合には、演出モードは通常Bモードに設定され、高確微時短状態である場合には、演出モードは通常Cモードに設定される。後述するように、通常Aモードと通常Bモードと通常Cモードは、共通の背景画像(図35(A)に示す背景画像)が表示画面50aに表示される。通常Aモードと通常Bモードと通常Cモードとをまとめて、通常モードと称する。
【0192】
また図34に示すように、低確通常時短状態および高確通常時短状態は、電サポ制御のある遊技状態である。よってこれらの遊技状態では、右打ちを行って、特図2に係る第2始動口12への入賞を狙う。低確通常時短状態は、大当たりに当選した場合、50%の割合で高確通常時短状態に移行し、残りの50%の割合で高確非時短状態(通常Bモード)に移行する遊技状態である。また、高確通常時短状態は、大当たりに当選した場合、必ず(すなわち100%の割合で)低確通常時短状態に設定される遊技状態である。本形態では、低確通常時短状態及び高確通常時短状態はいずれも、実質的に次の大当たりに当選するまで継続する。よって、低確通常時短状態に設定されていれば、電サポ制御がある中で少なくとも1回の大当たりを獲得することが可能である。また、高確通常時短状態に設定されていれば、電サポ制御が続く中で少なくとも後2回の大当たり(高確通常時短状態における大当たりと、その後の低確通常時短状態における大当たり)を獲得することが可能である。
【0193】
低確通常時短状態である場合、演出モードは天国Aモードに設定される。また、高確通常時短状態である場合、演出モードは天国Bモードに設定される。
【0194】
本形態のパチンコ遊技機PY1は、RAMクリアスイッチ193の操作を伴う電源入力がなされることで、フラグ等が初期設定の状態で起動する。つまり、図34に示すように、電源投入に応じてRAMクリアがなされた場合においては、遊技状態は、電サポ制御のない低確非時短状態(天国前兆モード)である。
【0195】
低確非時短状態において左打ちにより第1始動口11に遊技球が入球すると、特図1の抽選がなされる。低確非時短状態における大当たり当選確率は約1/100に設定されており、ハズレ時の1/20でハズレ図柄Bが選択される。よって、低確非時短状態における特図1の抽選では、大当たりに当選するよりも前にハズレ図柄Bを引く可能性が極めて高い。ハズレ図柄Bを引いた場合には、ハズレ図柄Bの停止表示に応じて、低確通常時短状態(天国Aモード)に移行することとなる。なお可能性は極めて低いが、低確非時短状態において特殊ハズレよりも先に大当たりを引いた場合には、大当たり図柄が大当たり図柄Aおよび大当たり図柄Bの何れであっても、高確微時短状態(通常Cモード)に設定される。
【0196】
低確通常時短状態(天国Aモード)において右打ちにより電チュー12Dに係る第2始動口12に遊技球が入球すると、特図2の抽選がなされる。この遊技状態では電サポ制御により持ち球を大きく減らすことなく、大当たり当選を目指すことができる。特図2の抽選で大当たりに当選した場合、大当たり図柄が大当たり図柄C(振分率50%)であれば、高確通常時短状態(天国Bモード)に設定される。高確通常時短状態でも、電サポ制御により持ち球を大きく減らすことなく、大当たり当選を目指すことができる。高確通常時短状態における特図2の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり図柄が大当たり図柄Cおよび大当たり図柄Dの何れであっても、低確通常時短状態(天国Aモード)に設定される。低確通常時短状態(天国Aモード)と高確通常時短状態(天国Bモード)とをループする限り、遊技者は持ち球を大きく減らすことなく大当たりを獲得し続けることが可能である。
【0197】
低確通常時短状態(天国Aモード)において特図2の抽選で当選した大当たりが大当たり図柄D(振分率50%)であれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は、高確非時短状態(通常Bモード)に設定される。高確非時短状態では電サポ制御がないため、左打ちを行って特図1の抽選に基づく大当たり当選を目指す。高確非時短状態において特図1の抽選で当選した大当たりが大当たり図柄A(振分率33%)であれば、低確非時短状態(天国前兆モード)に設定される。これにより、特殊ハズレ(ハズレ図柄B)による通常時短状態への移行のチャンスとなる。
【0198】
一方、高確非時短状態(通常Bモード)において特図1の抽選で当選した大当たりが大当たり図柄B(振分率67%)であれば、低確微時短状態(通常Aモード)に設定される。低確微時短状態でも、左打ちを行って特図1の抽選に基づく大当たり当選を目指す。低確微時短状態では、大当たりに当選しても大当たり遊技の終了後に低確非時短状態(天国前兆モード)に設定されることはない。低確微時短状態において特図1の抽選で当選した大当たりが大当たり図柄A(振分率33%)であれば、再び高確非時短状態(通常Bモード)に設定される。高確非時短状態(通常Bモード)と低確微時短状態(通常Aモード)とをループする限り、電サポ制御を得られないまま遊技が続くこととなる。
【0199】
これに対して、低確微時短状態(通常Aモード)において特図1の抽選で当選した大当たりが大当たり図柄B(振分率67%)であれば、高確微時短状態(通常Cモード)に設定される。高確微時短状態でも、左打ちを行って特図1の抽選に基づく大当たり当選を目指す。高確微時短状態において特図1の抽選で大当たりに当選した場合、大当たり図柄が大当たり図柄Aであっても大当たり図柄図柄Bであっても、低確非時短状態(天国前兆モード)に設定される。つまり、高確微時短状態(通常Cモード)に設定されれば、後1回の大当たり当選で必ず低確非時短状態(天国前兆モード)に設定されることとなる。そして、低確非時短状態に設定されれば、ハズレ時の1/20という高確率でハズレ図柄Bが選択されて、低確通常時短状態(天国Aモード)に設定されることとなる。
【0200】
このように本形態のパチンコ遊技機PY1は、種々の遊技状態を活用した斬新な遊技性となっている。具体的には、まず低確非時短状態(天国前兆モード)に設定されることを目指し、そこで特殊ハズレ(ハズレ図柄B)を引くことで電サポ制御のある低確通常時短状態(天国Aモード)に移行させ、その後は、低確通常時短状態(天国Aモード)と高確通常時短状態(天国Bモード)とをいかにループさせるかが多数の賞球獲得の鍵となる、という遊技性となっている。
【0201】
そしてこのような遊技性に対して、本形態のパチンコ遊技機PY1では、RAMクリアを伴う電源投入がなされた場合には、低確非時短状態(天国前兆モード)に設定されるようになっている。よって、この特典を受けるために、開店後まだ誰も遊技していない本形態のパチンコ遊技機PY1を遊技しようと考える遊技者が増えることが見込まれ、開店直後の稼働が向上することが見込まれる。
【0202】
ここで、本形態のパチンコ遊技機PY1は、状態報知ランプ85を備えている。状態報知ランプ85は、高確率状態(高確非時短状態、高確微時短状態、高確通常時短状態)であれば点灯態様(点灯している状態、第1態様に相当)に制御され、低確率状態(低確非時短状態、低確微時短状態、低確通常時短状態)では消灯態様(消灯している状態、第2態様に相当)に制御される(図25中の表参照)。よって、開店後まだ誰も遊技していない本形態のパチンコ遊技機PY1を遊技しようと考えた遊技者が、状態報知ランプ85の態様を手掛かりに、低確非時短状態(天国前兆モード)に設定されている遊技台を探すことが可能となっている。つまり、状態報知ランプ85が消灯態様である遊技台を選ぶことによって、低確非時短状態(天国前兆モード)に設定されている可能性がある遊技台で遊技することが可能となっている。
【0203】
但し、本形態のパチンコ遊技機PY1では、状態報知ランプ85が消灯態様である場合、低確微時短状態(通常Aモード)に設定されている可能性がある。この遊技状態は、大当たりに当選してもその後の遊技状態が低確非時短状態に設定されることが無い点で、高確非時短状態(通常Bモード)や高確微時短状態(通常Cモード)よりも遊技者にとって不利な遊技状態である。このため遊技者は、あえて状態報知ランプ85が点灯態様である遊技台を選ぶことによって、低確微時短状態(通常Aモード)に設定されている可能性がない遊技台で遊技することも可能となっている。すなわち遊技者は、状態報知ランプ85が点灯している遊技台を選択することで、高確非時短状態(通常Bモード)若しくは高確微時短状態(通常Cモード)に設定されており、大当たりに当選すれば低確非時短状態(天国前兆モード)に設定される可能性がある遊技台を積極的に選択して遊技を行うことが可能となっている。
【0204】
7.本形態における演出例
7-1.演出モード
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1における演出例について、図35図39に基づいて説明する。まず、演出モードについて説明する。演出モードとは、画像表示装置50、スピーカ610、盤ランプ54、及び枠ランプ212等を用いた演出の態様であり、演出モードが異なると、例えば画像表示装置50に表示されるキャラクタやアイテム、背景画像等が異なり、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を用いた変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
【0205】
本形態の演出モードには、図35(A)に示すように、通常の昼の背景画像が表示画面50aに表示される通常モード、図35(B)に示すように、通常の昼の背景画像が表示画面50aに表示されるとともに、チャンスの文字を含む帯画像OGが表示画面50aの上部および下部に表示される天国前兆モード、図35(C)に示すように、通常の昼の背景画像と炎のエフェクト画像とを組み合わせた特別な昼の背景画像が表示画面50aに表示される天国Aモード、図35(D)に示すように、宇宙の背景画像が表示画面50aに表示される天国Bモードが含まれている。
【0206】
通常モード(図35(A))は、低確微時短状態、高確非時短状態、及び、高確微時短状態である場合に設定される演出モードである。つまり、低確微時短状態、高確非時短状態、又は、高確微時短状態であって、電サポ制御がなく、特殊ハズレ(ハズレ図柄B)を引いても通常時短状態に設定されない中で、第1始動口11に係る特図1の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。通常モードは、通常Aモード、通常Bモード、及び、通常Cモードの総称であり、詳細には、低確微時短状態であれば通常Aモードに設定され、高確非時短状態であれば通常Bモードに設定され、高確微時短状態であれば通常Cモードに設定される。通常Aモード、通常Bモード、及び、通常Cモードでは何れも、背景画像として図35(A)に示す背景画像が表示される。よって背景画像からでは遊技者は何れのモードであるか認識できない。しかし本形態では、各モード毎に、所定のモード示唆演出(例えば演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動開始時に飛行機が飛ぶ画像を表示する演出など)の実行頻度が異なっているものとする。遊技者は、所定のモード示唆演出の実行状況から、何れのモードであるか(すなわち、低確微時短状態、高確非時短状態、又は、高確微時短状態のいずれであるか)を推測できるようになっている。なお、通常Aモード、通常Bモード、通常Cモードのそれぞれの背景画像が互いに異なるように構成してもよい。このように構成すれば、背景画像の違いによって何れのモードであるか(すなわち、低確微時短状態、高確非時短状態、又は、高確微時短状態のいずれであるか)を遊技者に常に示すことが可能である。通常モードは、本形態における通常の遊技状態であることを示唆する演出として機能する。
【0207】
天国前兆モード(図35(B))は、低確非時短状態である場合に設定される演出モードである。つまり、低確非時短状態であって、電サポ制御はないが特殊ハズレ(ハズレ図柄B)を引けば低確通常時短状態に設定される状況で、第1始動口11に係る特図1の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。天国前兆モードは、低確非時短状態に制御されており、電サポ制御がある低確通常時短状態に移行させるチャンスであることを遊技者に示唆する演出として機能する。なお、低確非時短状態は、低確微時短状態、高確非時短状態、及び、高確微時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。
【0208】
天国Aモード(図35(C))は、低確通常時短状態である場合に設定される演出モードである。つまり、低確通常時短状態であって、電サポ制御がある中で、第2始動口12に係る特図2の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。天国Aモードは、低確通常時短状態に制御されており、電サポ制御によって持ち球を大きく減らすことなく次の大当たりを狙うことができる点で遊技者にとって有利であることを示唆する演出として機能する。低確通常時短状態は、低確非時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。
【0209】
天国Bモード(図35(D))は、高確通常時短状態である場合に設定される演出モードである。つまり、高確通常時短状態であって、電サポ制御がある中で、第2始動口12に係る特図2の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。本形態では、高確通常時短状態において大当たりに当選した場合には大当たり遊技の終了後の遊技状態が必ず低確通常時短状態に設定されるため、高確通常時短状態は、低確通常時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。天国Bモードは、高確通常時短状態に制御されており、電サポ制御が続く中で後2回の大当たり(高確通常時短状態における大当たりと、その後の低確通常時短状態における大当たり)の獲得が見込める点で遊技者にとって有利であることを示唆する演出として機能する。
【0210】
なお、天国Aモード(図35(C))および天国Bモード(図35(D))では、右打ちにて第2始動口12への入賞を狙って遊技を進行させるため、演出制御用マイコン121は、右打ちにて遊技を行うべき旨を報知する右打ち報知画像G108を表示画面50aの右上部に表示する。なお、通常モード(図35(A))および天国前兆モード(図35(B))では、演出制御用マイコン121は、右打ち報知画像G108を表示しない。このことは、左打ちにて第1始動口11への入賞を狙って遊技を進行させるべき旨を遊技者に示していると言える。つまり本形態のパチンコ遊技機PY1は、低確通常時短状態および高確通常時短状態では右打ちが推奨され、それ以外の遊技状態(低確非時短状態、低確微時短状態、高確非時短状態、高確微時短状態)では左打ちが推奨されている遊技機である。
【0211】
7-2.変動演出
次に、変動演出について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特別図柄の変動表示が開始されると、特別図柄の変動表示に係る変動パターンおよび特別図柄抽選の結果(大当たり判定の結果、図柄種別判定の結果、リーチ判定の結果、および、変動パターン判定の結果)などに基づいて、変動演出を実行する。変動演出では、表示画面50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が行われる。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動した後に停止する。すなわち、特別図柄の変動時間にわたって、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示によって特別図柄抽選の結果が報知される。
【0212】
7-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示画面50aには、図36(A)に示すように、表示画面50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3が設けられている。左演出図柄領域50b1は、変動演出における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
【0213】
また、図36(A)に示すように、表示画面50aの上端部の左端の一区画(左上部)には、小図柄領域50cが設けられている。小図柄領域50cは、特別図柄の変動表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は、変動演出中に非表示となることがあるのに対して、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は非表示となることがない。この点において、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の役割を補う図柄として機能する。
【0214】
なお、図36(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。また、各領域の範囲は適宜に変更可能である。
【0215】
7-2-2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特別図柄の変動表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
【0216】
特別図柄の変動表示が開始されると、例えば、図36(A)に示すように、表示画面50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特別図柄の変動表示が行われておらず、特別図柄の変動表示を待機している状態から、図36(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」(リーチ無しハズレの変動)の場合には、図36(C―1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、図36(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」(ノーマルリーチによってハズレが示されるリーチ有りハズレの変動)などのリーチ有りの変動パターンの場合には、図36(C―2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
【0217】
7-2-3.Nリーチ(ノーマルリーチ)
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0218】
Nリーチでは、図37(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、図37(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図37(C―1)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「N大当たり変動」(ノーマルリーチによって大当たり当選が示される大当たり変動)の場合には、図37(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
【0219】
また、ハズレを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止態様に関して、リーチが成立しない場合のバラケ目を「非リーチバラケ目」や「非リーチハズレ目」と称し、リーチが成立する場合のバラケ目を「リーチバラケ目」や「リーチハズレ目」と称する。非リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・3・1」や「5・8・6」等)、および、リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・1・2」や「5・4・5」等)は、演出制御用マイコン121によって選択される。また、大当たりを示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・2・2」や「7・7・7」等)は、当選した大当たり図柄の種別に基づいて、演出制御用マイコン121によって選択される。
【0220】
7-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0221】
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図38(A)に示すように、表示画面50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示画面50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図38(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」(SPリーチによって大当たり当選が示される大当たり変動)の場合には、図38(C―1)に示すように、表示画面50aに、大当たりを示唆する成功演出(例えば、主人公キャラクタ(味方キャラクタの一人)がバトルに勝利して仁王立ちしている表示、勝利演出)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」(SPリーチによってハズレが示されるリーチ有りハズレの変動)の場合には、図38(C―2)に示すように、ハズレを示唆する失敗演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示、敗北演出)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
【0222】
7-2-5.ハズレ図柄Bに基づく低確通常時短状態への移行時の演出モードの変更
次に、ハズレ図柄Bに基づく低確通常時短状態への移行時の演出モードの変更について、図39に基づいて説明する。上述したように、遊技制御用マイコン101(遊技制御基板100)は、低確非時短状態においてハズレ図柄Bが停止表示されたことに応じて低確通常時短状態に移行させる。これに伴って演出制御用マイコン121(演出制御基板120)は、低確非時短状態に対応する天国前兆モードから、低確通常時短状態に対応する天国Aモードへと演出モードを変更する。本形態のパチンコ遊技機PY1は、この演出モードの変更をスムーズに繋げるため、低確非時短状態における特図1のハズレ変動に係る変動演出の終了に際して、図39(A)~(C)に示すように、シャッター画像GSが表示画面50aの外側から内側に向かって閉塞する動きをするシャッター閉塞演出を行う。
【0223】
シャッター画像GSは、背景画像や帯画像OGや演出図柄EZ1,EZ2,EZ3よりも前面側のレイヤに表示される。よって、シャッター画像GSが閉塞しているときには、背景画像も帯画像OGも演出図柄EZ1,EZ2,EZ3も共に、遊技者から視認不能となる(図39(B)(C)参照)。つまり、シャッター閉塞演出は、背景画像や帯画像OGや演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を隠す演出である。本形態では、シャッター閉塞演出は、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3がリーチ状態で停止表示され、中演出図柄EZ2が停止に向けて変動速度を遅くしているときに開始される(図39(A)(B)参照)。これにより遊技者は、非時短状態における特図1の抽選結果が大当たりではなく特殊ハズレ(ハズレ図柄B)であったことを認識することができる。そして、シャッター画像GSが背景画像や帯画像OGや演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を完全に隠している後ろで、リーチハズレ目を構成するように中演出図柄EZ2が停止表示されて、変動演出が終了する(図39(C)(D)参照)。
【0224】
変動演出の終了に際して小図柄KZ1,KZ2,KZ3も停止表示されるが、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は、シャッター画像GSよりも前面側のレイヤに表示されている(図39(C)(D)参照)。そのため遊技者は、シャッター画像GSにより演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が隠されても、小図柄KZ1,KZ2,KZ3を視認することで、変動中である否かを確認することが可能である。
【0225】
そしてパチンコ遊技機PY1は、次の特図変動に係る変動演出の開始に際して、図39(D)~(F)に示すように、閉じた状態で表示されているシャッター画像GSが表示画面50aの内側から外側に向かって開放する動きをするシャッター開放演出を行う。また、パチンコ遊技機PY1は、このタイミングで、演出モードを天国前兆モードから天国Aモードに変更している。よって、シャッター画像GSが開放される動きをすることで視認可能となる背景画像および演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は、天国Aモードの演出態様のものである。なお、シャッター閉塞演出とシャッター開放演出とを合わせてシャッター演出と称する。シャッター演出は、特殊ハズレに基づく通常時短状態への移行を報知する演出としても機能する。このため、シャッター演出を、時短突入演出とも称する。
【0226】
本形態では、このようにして、ハズレ図柄Bに基づく低確通常時短状態への移行時の演出モードの変更がスムーズになされる。特に、演出モードの変更がなされると、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の表示態様が天国前兆モードの表示態様から天国Aモードの表示態様に変更されることとなるが、シャッター演出を行うことなく演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が遊技者から視認されている状態で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の表示態様の変更を行ってしまうと、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が確定的に停止表示されていない、すなわち低確非時短状態における特図1のハズレ変動に係る変動演出が終了していないように見えてしまう可能性がある。そこで本形態では、低確非時短状態における特図1のハズレ変動に係る変動演出の終了に際してシャッター演出(時短突入演出)を行うことで、低確非時短状態における特図1のハズレ変動と、低確通常時短状態に移行してからの新たな特図変動との境目が分かり難くなってしまうのを抑制することが可能である。
【0227】
8.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、まず高確非時短状態(通常Bモード)あるいは高確微時短状態(通常Cモード)における特図1の抽選で大当たりを引くことで、大当たり遊技を経て、低確非時短状態(天国前兆モード)に移行させることができ、次にその低確非時短状態(天国前兆モード)における特図1の抽選で特殊ハズレ(ハズレ図柄B)を引くことで、第2始動口12への入賞が容易な低確通常時短状態(天国Aモード)に移行させることができる、という段階的で斬新なゲーム性を提供可能である(図34参照)。その結果、新たな遊技興趣を提供可能である。
【0228】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態(通常Bモード)よりも高確微時短状態(通常Cモード)の方が大当たり当選時に高い確率で低確非時短状態(天国前兆モード)に移行させることができるため、通常モードに応じた遊技状態の種類(高確微時短状態、高確非時短状態、低確微時短状態)に対して関心を持たせることが可能となり、遊技興趣の向上が見込める。
【0229】
特に本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態(通常Bモード)であるときに大当たりを引いても低確非時短状態(天国前兆モード)に移行するかわからないが、高確微時短状態(通常Cモード)であるときに大当たりを引いた場合には必ず低確非時短状態(天国前兆モード)に設定される。また、低確微時短状態(通常Aモード)であるときに大当たりを引いても低確非時短状態(天国前兆モード)に移行することはない。よって、高確微時短状態(通常Cモード)、高確非時短状態(通常Bモード)、低確微時短状態(通常Aモード)の役割の違いが明確となっており、通常モードに応じた遊技状態の種類(高確微時短状態、高確非時短状態、低確微時短状態)に対する関心をより高めさせることが可能となって、遊技興趣を向上可能である。
【0230】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、低確通常時短状態(天国Aモード)に設定されれば大当たり遊技を獲得するまで実質的にこの遊技状態で遊技し続けることが可能であるため(図9参照)、低確通常時短状態(天国Aモード)への移行のチャンスとなる低確非時短状態(天国前兆モード)に設定されることに対する遊技意欲を高めることが可能となり、遊技興趣の向上が見込める。
【0231】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、例えば遊技場の従業員等がRAMクリア操作を行うことによって低確非時短状態(天国前兆モード)に設定することが可能である(図34参照)。つまり、低確通常時短状態(天国Aモード)に移行可能な低確非時短状態(天国前兆モード)という特典を意図的に用意可能な遊技機とすることができる。
【0232】
特に本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、低確非時短状態(天国前兆モード)に設定するためのRAMクリア操作は、電源投入時の操作であるため、遊技場の開店のための電源投入に際して、パチンコ遊技機PY1の遊技状態を低確非時短状態(天国前兆モード)に設定することが可能である。これにより、遊技場が開店してからまだ誰も遊技していない遊技機に、低確通常時短状態(天国Aモード)への移行を期待する遊技者を誘導することが可能となる。
【0233】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、低確非時短状態(天国前兆モード)における特図1の抽選で特殊ハズレ(ハズレ図柄B)を引くことで、第2始動口12への入賞が容易な低確通常時短状態(天国Aモード)に移行させることができる、という構成を前提としつつ、高確非時短状態(通常Bモード)あるいは高確微時短状態(通常Cモード)であれば大当たりを引くことで低確非時短状態(天国前兆モード)に移行する可能性があるが、低確微時短状態(通常Aモード)であれば大当たりを引いても低確非時短状態(天国前兆モード)に移行させることができないように構成されている(図34参照)。そのため、通常モードに応じた遊技状態の種類(高確微時短状態、高確非時短状態、低確微時短状態)に対して関心を持たせることが可能となり、遊技興趣の向上が見込めるとともに、新たなゲーム性を提供可能である。
【0234】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、状態報知ランプ85が高確率状態では点灯態様となり低確率状態では消灯態様となる(図25の表参照)。よって、状態報知ランプ85の態様によって、低確非時短状態(天国前兆モード)に移行可能な高確非時短状態(通常Bモード)あるいは高確微時短状態(通常Cモード)であるか、低確非時短状態(天国前兆モード)に移行できない低確微時短状態(通常Aモード)の可能性があるかを、遊技者が確認することが可能であるため、遊技興趣の向上が見込める。
【0235】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、低確通常時短状態(天国Aモード)に移行可能な低確非時短状態(天国前兆モード)である場合と、低確非時短状態(天国前兆モード)に移行できない低確微時短状態(通常Aモード)である場合とで、状態報知ランプ85が同じ消灯態様をとる。そのため、状態報知ランプ85が点灯態様をとっている遊技機を選択すれば、低確非時短状態(天国前兆モード)に移行可能な高確非時短状態(通常Bモード)あるいは高確微時短状態(通常Cモード)であるという中程度の有利度合の遊技状態であることを認識して遊技することができる。一方、状態報知ランプ85が消灯態様をとっている遊技機を選択すれば、高確非時短状態(通常Bモード)及び高確微時短状態(通常Cモード)よりも有利な低確非時短状態(天国前兆モード)であるか、高確非時短状態(通常Bモード)及び高確微時短状態(通常Cモード)よりも不利な低確微時短状態(通常Aモード)であるかわからない中で低確非時短状態(天国前兆モード)であることに期待して遊技することができる。これにより、遊技台を選択する楽しみを提供可能であり、遊技興趣の向上が見込める。
【0236】
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0237】
上記形態では、高確非時短状態を第1の非特定非入賞容易状態の一例とし、高確微時短状態を第2の非特定非入賞容易状態の一例としたが、電チュー12Dへの入賞し易さに関するパラメータの設定が異なる複数の微時短状態(例えば第1微時短状態、第2微時短状態)に設定可能に構成し、低確率状態且つ第1微時短状態を第1の非特定非入賞容易状態とし、低確率状態且つ第2微時短状態を第2の非特定非入賞容易状態としてもよい。この場合、高確率状態に設定できない構成としてもよい。
【0238】
また上記形態では、高確微時短状態(第2の非特定非入賞容易状態)で大当たりに当選した場合には必ず低確非時短状態(天国前兆モード)に設定される構成としたが、高確微時短状態における大当たり当選時の低確非時短状態への移行確率は、高確非時短状態における大当たり当選時の低確非時短状態への移行確率よりも高ければ、100%でなくてもよい。
【0239】
また上記形態において、特図1の抽選における各大当たり図柄の振分率、及び、特図2の抽選における各大当たり図柄の振分率は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。また上記形態において、各時短状態の時短回数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。また上記形態において、各種の時短状態におけるパラメータ(普通図柄の変動時間や停止時間、電チュー12Dの開放パターンなど)は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。また上記形態において、各ハズレ図柄の種類や振分率は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。また上記形態における特別図柄の変動時間は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。また上記形態における大当たり当選確率は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
【0240】
また上記形態では、高確率状態や時短状態に制御した場合には、その遊技状態における特図変動の上限実行回数として極めて大きい値をカウンタにセットすることで高確率状態や時短状態が実質的に次回の大当たり当選まで継続する構成とした(図8図9参照)。これに対して、特図変動の上限実行回数をカウントするカウンタを設けることなく、一旦設定された高確率状態や時短状態が次の大当たり遊技が実行されるまで継続する構成としてもよい。すなわち、高確率状態や時短状態の終了条件に、特図変動の実行回数に係る条件を含まない構成としてもよい。
【0241】
また上記形態では、RAMクリアスイッチ193を用いたRAMクリア操作を、低確非時短状態に設定するための状態設定操作としたが、状態設定操作は、RAMクリアスイッチ193を用いない操作(RAMクリアを伴わない操作)であってもよい。たとえば、低確非時短状態に設定するための専用スイッチを設け、当該専用スイッチを押すことによって、低確非時短状態に設定される構成としてもよい。この場合、専用スイッチを有効に操作できる期間が、電源投入時以外の期間であってもよい。具体的には例えば、客待ち状態(客待ち演出を行っている状態)中に、専用スイッチが押されたことによって、非時短状態に設定される構成としてもよい。なお、専用スイッチは、遊技制御基板100上に実装するなど、遊技者が任意に操作できない位置に設けることが好ましい。つまり専用スイッチは、RAMクリアスイッチ193と同様、遊技機枠2を開放しなければ操作できない位置に設けることが好ましい。
【0242】
また上記形態では、低確微時短状態(通常Aモード)で大当たりに当選した場合に、高確非時短状態(通常Bモード)に移行する場合と、高確微時短状態(通常Cモード、高確非時短状態よりも大当たり当選時の低確非時短状態への移行確率が高い遊技状態)に移行する場合とがある構成とした。これに対して、低確微時短状態(通常Aモード)で大当たりに当選した場合には必ず高確微時短状態(通常Cモード)に移行する構成としてもよい。このような構成とすれば、所定回数(この構成では3回)の大当たりを引くことで確実に低確非時短状態(天国前兆モード)に移行可能な遊技機とすることが可能である。すなわち、高確非時短状態(通常Bモード)における大当たり(1回目の大当たり)→低確微時短状態(通常Aモード)における大当たり(2回目の大当たり)→高確微時短状態(通常Cモード)における大当たり(3回目の大当たり)と大当たりを重ねていくことで確実に低確非時短状態(天国前兆モード)に制御され得る遊技性を提供可能である。
【0243】
また上記形態では、低確非時短状態(天国前兆モード)で大当たりに当選した場合には大当たり図柄が大当たり図柄Aであっても大当たり図柄Bであっても高確微時短状態(通常Cモード)に設定される構成としたが、大当たり図柄A及び大当たり図柄Bの少なくとも一方の当選時には、大当たり遊技後の遊技状態が高確非時短状態(通常Bモード)に設定される構成としてもよい。
【0244】
また上記形態において、低確通常時短状態(天国Aモード)では大当たり図柄Cに当選した場合も大当たり図柄Dに当選した場合も高確通常時短状態(天国Bモード)に設定される構成とし、高確通常時短状態(天国Bモード)では大当たり図柄Cに当選した場合は低確通常時短状態(天国Aモード)に設定されるが、大当たり図柄Dに当選した場合は低確微時短状態(通常Aモード)に設定される構成としてもよい。このような構成とした場合、高確非時短状態(通常Bモード)に設定することがない構成としてもよい。そしてこの場合には、低確微時短状態(通常Aモード)では大当たり図柄Aに当選した場合も大当たり図柄Bに当選した場合も、高確微時短状態(通常Cモード)に設定される構成とするとよい。
【0245】
また上記形態では、高確非時短状態および高確微時短状態を有利非特定非入賞容易状態の一例とし、低確微時短状態を非有利非特定非入賞容易状態の一例としたが、電チュー12Dへの入賞し易さに関するパラメータの設定が異なる複数の微時短状態(例えば第1微時短状態、第2微時短状態、第3微時短状態)に設定可能に構成し、低確率状態且つ第1微時短状態、及び、低確率状態且つ第2微時短状態を、有利非特定非入賞容易状態とし、低確率状態且つ第3微時短状態を、非有利非特定非入賞容易状態としてもよい。この場合、有利非特定非入賞容易状態の種類は1種類であってもよい。また、高確率状態に設定できない構成としてもよい。
【0246】
また上記形態では、状態報知ランプ85が高確率状態である場合に点灯態様(第1態様の一例)とされ、低確率状態である場合に消灯態様(第2態様の一例)とされる構成としたが、高確率状態および低確率状態における状態報知ランプ85の態様は、互いに異なっていればよく、点滅態様など適宜変更可能である。また上記形態では、高確率状態であるか否かを示唆可能な状態報知手段として、LEDからなる状態報知ランプ85を採用したが、状態報知手段は、高確率状態である場合と低確率状態である場合とで異なる態様をとることができれば、画像表示装置50、スピーカ610、盤可動体55kなど別の手段であってもよい。
【0247】
また上記形態では、天国前兆モード(図35(B))と通常モード(図35(A))とでは表示画面50aに表示される画像が異なるため(具体的には帯画像OGの有無の違い)、どちらのモードにあるか(言い換えれば低確非時短状態であるか否か)を遊技者が認識可能であった。これに対して、天国前兆モードと通常モードとで表示画面50aに表示される画像を共通にすることで(例えばどちらのモードも昼の背景画像を表示するが帯画像OGを表示しないようにすることで)、どちらのモードにあるか(低確非時短状態であるか否か)を遊技者が認識不可能に構成してもよい。なおこの場合、天国前兆モードである場合には、天国前兆モードであることを示唆する特定の示唆演出が適宜実行され得る構成とするとよい。特定の示唆演出としては、例えば、天国前兆モードであることを示唆するセリフを表示するセリフ予告(いわゆる予告演出の一種)や天国前兆モードであることを示唆するキャラクタを表示するキャラ表示演出などが挙げられる。
【0248】
また上記形態では、大当たり乱数を用いた判定の結果がハズレであり、図柄種別乱数を用いた判定の結果が特殊ハズレ(ハズレ図柄B)である場合に、大当たり遊技を実行することなく時短状態に制御し得る構成とした。これに対して、時短状態に制御するか否かの抽選(時短抽選)のための乱数(時短乱数)を別途取得することとし、特別図柄の変動表示の開始前に、時短乱数を用いて時短抽選(時短状態にするか否かの判定)を行う構成としてもよい。この場合、時短抽選は、大当たりであるか否かの判定の前に行ってもよいし、後に行ってもよい。また時短抽選を行う構成とする場合、時短乱数に代えて、大当たり乱数や図柄種別乱数を用いて時短抽選を行う構成としてもよい。
【0249】
また上記形態では、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数(時短回数)は、特図1の変動表示が実行されても特図2の変動表示が実行されてもカウントされる合算上限実行回数としたが、この合算上限実行回数とは別に、特図1の変動表示だけをカウント対象とした特図1上限実行回数や、特図2の変動表示だけをカウント対象とした特図2上限実行回数を設け、いずれかの回数が満たされると時短状態が終了するように構成してもよい。なお、特図1上限実行回数や特図2上限実行回数は、合算上限実行回数とは異なる値に設定することができる。また、合算上限実行回数を設けることなく、特図1上限実行回数と特図2上限実行回数とを設け、いずれかの回数が満たされると時短状態が終了するように構成したり、特図2上限実行回数だけを設け、この回数が満たされると時短状態が終了するように構成したりしてもよい。
【0250】
また上記形態では、変動演出を行う表示部を、1つの表示装置の表示画面(画像表示装置50の表示画面50a)によって構成したが、2つ以上の表示装置の各表示画面によって構成してもよい。例えば、メイン表示装置としての画像表示装置50の他に、サブ表示装置を備えている構成では、メイン表示装置の表示画面にて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動演出を行い、サブ表示装置の表示画面にて小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動演出を行うように構成してもよい。なお、タッチセンサと液晶表示装置からなるタッチパネルを遊技機枠2に搭載し、このタッチパネルにおける液晶表示装置をサブ表示装置としてもよい。
【0251】
また上記形態では、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たり図柄及びハズレ図柄の種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
【0252】
また上記形態において、遊技制御用マイコン101が電源投入からの総賞球数および総発射数をカウントし、これらの総賞球数と総発射数との差玉が一定数(例えば+12万球)となった場合には、所定の発動タイミングで、遊技停止とする(第1始動口センサ11aや第2始動口センサ12a等の各種の遊技球の検知センサが遊技球を検知しても無効とし、一切の抽選や賞球を行わないようにする)構成としてもよい。この場合、遊技停止の発動タイミングは、総賞球数と総発射数との差玉が一定数に到達した大当たり遊技の終了時とするのが好ましい。また、遊技停止とするのに代えて、発射停止とする(ハンドル72kが操作されても遊技球を発射しないようにする)構成としたり、遊技停止と発射停止の両方を行う構成としたりしてもよい。なお、電源投入からの総発射数は、遊技領域6に発射されて各種の入賞口(第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10)やアウト口19を通過した遊技球が最終的に通過する1つの通路上に設けられたアウト口センサの検知に基づいてカウントされるものとする。なお、各種の入賞口(第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10)への入賞を検知するセンサ、アウト口19への通過を検知するセンサの各々の検知をカウントすることで、総発射数を求めてもよい。或いは、レール部材62の端部に戻り球防止部が設けられていて、この戻り球防止部に遊技球を検知可能なセンサが設けられている場合に、このセンサの検知をカウントすることで、総発射数を求めてもよい。また、総賞球数と総発射数との差玉のカウントは、電源投入に基づいて(すなわち電源スイッチ191のON操作に基づいて)、クリアされるものとする。また、遊技停止や発射停止となった場合には、電源を遮断した後、RAMクリア操作(RAMクリアスイッチ193を押しながらの電源スイッチ191のON操作)がなされたことに応じて、遊技可能な状態に復帰されるものとする。このような電源投入からの総賞球数と総発射数との差玉が一定数(例えば+12万球)となった場合に遊技停止や発射停止とする構成を、過賞球防止手段と称する。過賞球防止手段は、パチンコ遊技機PY1が一日の遊技において過剰な賞球を行ってしまう不都合を防止するための機能である。なお、遊技停止や発射停止の発動条件となる総賞球数と総発射数との差玉数は、適宜変更可能である。
【0253】
ここで、遊技制御用マイコン101が過賞球防止手段を備える場合には、次のような構成を付帯させるとよい。例えば、電源投入からの総賞球数と総発射数との差玉(以下「特定差玉」と言う)が一定数(例えば+12万球)に到達した場合には、そのことを示す所定の信号を外部端子板からホールコンピュータに向けて出力する構成とするとよい。外部端子板は、パチンコ遊技機PY1から、遊技場に設置されているホールコンピュータ等の外部に向けて種々の信号を出力するための基板であり、パチンコ遊技機PY1は、遊技制御用マイコン101がセットした信号を、外部端子板を介して、当該パチンコ遊技機PY1の外部に出力することが可能であるとする。このような構成とすれば、特定差玉が一定数に到達したことを、遊技場の従業員等がホールコンピュータによって確認することが可能となる。なお、このような構成に代えて、若しくは、このような構成と共に、特定差玉が一定数(例えば+12万球)よりも小さい所定数(例えば+11万球)に到達したタイミングで、そのことを示す外端信号(外部端子板から外部に出力される信号)を出力する構成としてもよい。この外端信号は、特定差玉が一定数に到達しそうであることを示す信号として機能する。
【0254】
また、過賞球防止手段によって遊技停止や発射停止が行われた場合には、その旨を示す画像を画像表示装置50に表示したり、その旨を示す発光態様で枠ランプ212や盤ランプ54を発光させたり、その旨を示す音声をスピーカ610から出力したりする構成とするとよい。このような報知によって、遊技場の従業員や遊技者等が状況(特定差玉が一定数に到達したこと)を把握できるからである。
【0255】
また、電源投入からの総賞球数と総発射数との差玉が一定数に到達すると遊技停止や発射停止となる旨の報知を、遊技中の演出として行ったり(例えば変動演出に伴う予告演出の1つとして行ったり)、客待ち演出において行ったりするとよい。遊技停止や発射停止になる場合があることを、遊技者に事前に知らせることができるからである。
【0256】
また、電源投入に基づいて(すなわち電源スイッチ191のON操作に基づいて)、総賞球数と総発射数との差玉(特定差玉)のカウントがクリアされた場合には、その旨を示す画像を画像表示装置50に表示したり、その旨を示す発光態様で枠ランプ212や盤ランプ54を発光させたり、その旨を示す音声をスピーカ610から出力したりするとよい。特定差玉のカウントのクリアを、遊技場の従業員や遊技者等に知らせることができるからである。
【0257】
なお、総賞球数と総発射数との差玉(特定差玉)のカウントのクリアは、単なる電源投入では行われず、電源投入に際してRAMクリアスイッチ193を操作したときに行われる構成としたり、RAMクリアスイッチ193とは異なる特定差玉のカウントのクリア用のスイッチを設けて、このスイッチを電源投入に際して操作したときに行われる構成としたりしてもよい。又は、電源投入に際して遊技制御基板100に設けられている設定キーシリンダを操作すると、特定差玉のカウントがクリアされるようにしてもよい。或いは、電源投入時に拘わらず、特定差玉のカウントのクリア用のスイッチを操作するだけで、特定差玉のカウントがクリアされるようにしてもよい。また、総賞球数と総発射数との差玉のカウントのクリアが、客待ち状態(特別遊技(大当たり遊技や、所謂小当たり遊技)も特図変動も行われておらず特図保留が1つも無い状態)になってから所定時間(例えば15分)が経過したタイミングで行われる構成としてもよい。また、総賞球数と総発射数との差玉のカウントのクリアが、通常遊技状態以外の遊技状態から通常遊技状態に変更されたタイミングで行われる構成としてもよい。又は、通常遊技状態が所定時間(例えば1時間)継続したり、通常遊技状態にて遊技球が発射されない状態が特定時間(例えば1時間)継続することで、総賞球数と総発射数との差玉のカウントがクリアされるようにしてもよい。なお、RAMクリア操作以外の手法で特定差玉のカウントのクリアを行う構成の場合には、RAMクリア操作時には特定差玉のカウントのクリアは行われない構成としてもよい。この場合、特定差玉の記憶情報は、不揮発性の記憶手段(例えばFRAM(登録商標))に記憶されるようにしたり、遊技用RAM104の記憶領域うちRAMクリア操作時に消去されない非消去記憶領域に記憶されるようにしてもよい。
【0258】
なお、過賞球防止手段を備える構成とした場合、総賞球数と総発射数との差玉(特定差玉)のカウントの始期を、所謂初当たり(通常の遊技状態における当選に基づく大当たり)からとしてもよい。このような構成とすれば、初当たりに至るまでの特定差玉のマイナス分がカウントされないこととなり、遊技停止の契機となる特定差玉の数を、初当たり以降に増えた持ち球の数と同じにすることが可能である。
【0259】
また、過賞球防止手段を備える構成とした場合、遊技停止や発射停止の発動タイミングを、総賞球数と総発射数との差玉(特定差玉)が一定数に到達した連荘期間の終了時としてもよい。連荘期間とは、通常の遊技状態における当選に基づく大当たり遊技の開始から再び通常の遊技状態に戻るまで(若しくは通常の遊技状態に戻って特図2の保留が無くなるまで)の遊技期間である。このような構成とした場合、連荘期間中に特定差玉が一定数を越えたときには、当該連荘期間が終了すると、遊技停止や発射停止となる旨の報知を、表示画面50aでの画像表示やランプ(枠ランプ212、盤ランプ54)の発光、スピーカ610からの音声出力によって行う構成とするとよい。
【0260】
なお上記では、総賞球数と総発射数との差玉(特定差玉)が一定数に到達したことに基づいて、遊技停止や発射停止を行ったが、その他の特定計測値に基づいて、遊技停止や発射停止を行うようにしてもよい。例えば、特定計測値は、総賞球数と総発射数との割合であるベース(例えば連荘期間中のベース)や、単に総賞球数(連荘期間中の総賞球数)としてもよく、総賞球数に基づく計測値であれば、適宜変更可能である。
【0261】
10.本明細書に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明が開示されている。以下の説明では、実施形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1~A6の総称である。また、発明Bは、以下の発明B1~B7の総称である。
【0262】
発明A1:
所定の抽選の結果が特定の結果(大当たり)であることに基づいて、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行可能な遊技機(パチンコ遊技機PY1)であって、
可変始動口(第2始動口12)への入賞が容易な入賞容易状態(通常時短状態)と、前記可変始動口への入賞が容易ではない非入賞容易状態(非時短状態、微時短状態)とに設定可能であり、
前記非入賞容易状態には、
前記所定の抽選の結果が前記特別遊技の実行契機とならない非特定の結果(特殊ハズレ、詳細にはハズレ図柄B)である場合に前記入賞容易状態に設定され得る特定非入賞容易状態(低確非時短状態)と、
前記所定の抽選の結果が前記非特定の結果であっても前記入賞容易状態に設定されないが、前記所定の抽選の結果が前記特定の結果である場合に前記特定非入賞容易状態に設定され得る非特定非入賞容易状態(高確非時短状態、高確微時短状態)と、が含まれる(図34参照)ことを特徴とする遊技機。
【0263】
この構成の遊技機によれば、まず非特定非入賞容易状態における所定の抽選で特定の結果を引くことで、特別遊技を経て、特定非入賞容易状態に移行させることができ、次にその特定非入賞容易状態における所定の抽選で非特定の結果を引くことで、可変始動口への入賞が容易な入賞容易状態に移行させることができる、という段階的で斬新なゲーム性を提供可能である。その結果、新たな遊技興趣を提供可能である。
【0264】
発明A2:
発明A1に記載の遊技機であって、
前記非特定非入賞容易状態には、
前記所定の抽選の結果が前記特定の結果(大当たり)である場合に第1の確率(33%)で前記特定非入賞容易状態(低確非時短状態)に設定される第1の非特定非入賞容易状態(高確非時短状態)と、
前記所定の抽選の結果が前記特定の結果(大当たり)である場合に前記第1の確率よりも高い第2の確率(100%)で前記特定非入賞容易状態(低確非時短状態)に設定される第2の非特定非入賞容易状態(高確微時短状態)と、が含まれる(図34参照)ことを特徴とする遊技機。
【0265】
この構成の遊技機によれば、第1の非特定非入賞容易状態からは特定の結果を引いても第1の確率でしか特定非入賞容易状態に移行できないが、第2の非特定非入賞容易状態であれば特定の結果を引くことで第1の確率よりも高い第2の確率で特定非入賞容易状態に移行させることができるため、非特定非入賞容易状態の種類に対して関心を持たせることが可能となり、遊技興趣の向上が見込める。
【0266】
発明A3:
発明A2に記載の遊技機であって、
前記第2の確率は100%であることを特徴とする遊技機。
【0267】
この構成の遊技機によれば、第1の非特定非入賞容易状態であるときに特定の結果を引いても特定非入賞容易状態に移行するかわからないが、第2の非特定非入賞容易状態であるときに特定の結果を引いた場合には必ず特定非入賞容易状態に設定されるため、非特定非入賞容易状態の種類毎の役割が明確となり、非特定非入賞容易状態の種類に対する関心をより高めさせることが可能となり、遊技興趣を向上可能である。
【0268】
発明A4:
発明A1から発明A3までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記入賞容易状態に設定された場合、前記特別遊技が実行されるまで当該入賞容易状態が継続する又は実質的に継続するよう構成されている(図9参照)ことを特徴とする遊技機。
【0269】
この構成の遊技機によれば、入賞容易状態に設定されれば特別遊技を獲得するまでこの遊技状態で遊技することが可能であるため、入賞容易状態への移行のチャンスとなる特定非入賞容易状態に設定されることに対する遊技意欲を高めることが可能となり、遊技興趣の向上が見込める。
【0270】
発明A5:
発明A1から発明A4までのいずれかに記載の遊技機であって、
所定の状態設定操作(RAMクリアスイッチ193を押しながら電源スイッチ191をオンにするRAMクリア操作)に基づいて前記特定非入賞容易状態(低確非時短状態)に設定可能であることを特徴とする遊技機。
【0271】
この構成の遊技機によれば、例えば遊技場の従業員等が状態設定操作を行うことによって、入賞容易状態に移行可能な特定非入賞容易状態に設定することが可能である。つまり、特定非入賞容易状態という特典を意図的に用意可能な遊技機とすることができる。
【0272】
発明A6:
発明A5に記載の遊技機であって、
前記所定の状態設定操作は、電源投入に際して行われる操作であることを特徴とする遊技機。
【0273】
この構成の遊技機によれば、入賞容易状態に移行可能な特定非入賞容易状態に設定するための状態設定操作は、電源投入時の操作であるため、遊技場の開店のための電源投入に際して、遊技機の遊技状態を特定非入賞容易状態に設定することが可能である。これにより、遊技場が開店してからまだ誰も遊技していない遊技機に、入賞容易状態への移行を期待する遊技者を誘導することが可能となる。
【0274】
発明B1:
所定の抽選の結果が特定の結果(大当たり)であることに基づいて、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行可能な遊技機(パチンコ遊技機PY1)であって、
可変始動口(第2始動口12)への入賞が容易な入賞容易状態(通常時短状態)と、前記可変始動口への入賞が容易ではない非入賞容易状態(非時短状態、微時短状態)とに設定可能であり、
前記非入賞容易状態には、
前記所定の抽選の結果が前記特別遊技の実行契機とならない非特定の結果(特殊ハズレ、詳細にはハズレ図柄B)である場合に前記入賞容易状態に設定され得る特定非入賞容易状態(低確非時短状態)と、
前記所定の抽選の結果が前記非特定の結果であっても前記入賞容易状態に設定されない非特定非入賞容易状態(高確微時短状態、高確非時短状態、低確微時短状態)と、が含まれ(図34参照)、
前記非特定非入賞容易状態には、
前記所定の抽選の結果が前記特定の結果である場合に前記特定非入賞容易状態に設定され得る有利非特定非入賞容易状態(高確微時短状態、高確非時短状態)と、
前記所定の抽選の結果が前記特定の結果である場合に前記特定非入賞容易状態に設定されることがない非有利非特定非入賞容易状態(低確微時短状態)と、が含まれることを特徴とする遊技機。
【0275】
この構成の遊技機によれば、特定非入賞容易状態における所定の抽選で非特定の結果を引くことで、可変始動口への入賞が容易な入賞容易状態に移行させることができる、という構成を前提としつつ、有利非特定非入賞容易状態であれば特定の結果を引くことで特定非入賞容易状態に移行する可能性があるが、非有利非特定非入賞容易状態であれば特定の結果を引いても特定非入賞容易状態に移行させることができないように構成されているため、非特定非入賞容易状態の種類に対して関心を持たせることが可能となり、遊技興趣の向上が見込めるとともに、新たなゲーム性を提供可能である。
【0276】
発明B2:
発明B1に記載の遊技機であって、
前記有利非特定非入賞容易状態(高確微時短状態、高確非時短状態)に設定されている場合に第1態様(点灯態様)をとり、前記非有利非特定非入賞容易状態(低確微時短状態)に設定されている場合に第2態様(消灯態様)をとる状態報知手段(状態報知ランプ85)を備えている(図3参照)ことを特徴とする遊技機。
【0277】
この構成の遊技機によれば、状態報知手段の態様によって、特定非入賞容易状態に移行可能な有利非特定非入賞容易状態であるか、特定非入賞容易状態に移行できない非有利非特定非入賞容易状態であるかを、遊技者が確認することが可能であるため、遊技興趣の向上が見込める。
【0278】
発明B3:
発明B2に記載の遊技機であって、
前記状態報知手段は、前記特定非入賞容易状態(低確非時短状態)に設定されている場合にも前記第2態様(消灯態様)をとることを特徴とする遊技機。
【0279】
この構成の遊技機によれば、入賞容易状態に移行可能な特定非入賞容易状態である場合と、特定非入賞容易状態に移行できない非有利非特定非入賞容易状態である場合とで、状態報知手段が同じ態様をとる。そのため、状態報知手段が第1態様をとっている遊技機を選択すれば、特定非入賞容易状態に移行可能な有利非特定非入賞容易状態であるという中程度の有利度合の遊技状態であることを認識して遊技することができる。一方、状態報知手段が第2態様をとっている遊技機を選択すれば、有利非特定非入賞容易状態よりも有利な特定非入賞容易状態であるか、有利非特定非入賞容易状態よりも不利な非有利非特定非入賞容易状態であるかわからない中で特定非入賞容易状態であることに期待して遊技することができる。これにより、遊技台を選択する楽しみを提供可能であり、遊技興趣の向上が見込める。
【0280】
発明B4:
発明B3に記載の遊技機であって、
前記有利非特定非入賞容易状態(高確微時短状態、高確非時短状態)は、前記所定の抽選において前記特定の結果と判定される確率が高い遊技状態(高確率状態)であり、
前記非有利非特定非入賞容易状態(低確微時短状態)および前記特定非入賞容易状態(低確非時短状態)は、前記所定の抽選において前記特定の結果と判定される確率が低い遊技状態(低確率状態)であることを特徴とする遊技機。
【0281】
この構成の遊技機によれば、所定の抽選において特定の結果と判定される確率が高い遊技状態にあるのか低い遊技状態にあるのかに応じて態様が変わる状態報知手段を用いて、有利非特定非入賞容易状態であるのか、あるいは、非有利非特定非入賞容易状態又は特定非入賞容易状態であるのかを、遊技者に把握させることが可能となる。
【0282】
発明B5:
発明B1から発明B4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記入賞容易状態に設定された場合、前記特別遊技が実行されるまで当該入賞容易状態が継続する又は実質的に継続するよう構成されている(図9参照)ことを特徴とする遊技機。
【0283】
この構成の遊技機によれば、入賞容易状態に設定されれば特別遊技を獲得するまでこの遊技状態で遊技することが可能であるため、入賞容易状態への移行のチャンスとなる特定非入賞容易状態に設定されることに対する遊技意欲を高めることが可能となり、遊技興趣の向上が見込める。
【0284】
発明B6:
発明B1から発明B5までのいずれかに記載の遊技機であって、
所定の状態設定操作(RAMクリアスイッチ193を押しながら電源スイッチ191をオンにするRAMクリア操作)に基づいて前記特定非入賞容易状態(低確非時短状態)に設定可能であることを特徴とする遊技機。
【0285】
この構成の遊技機によれば、例えば遊技場の従業員等が状態設定操作を行うことによって、入賞容易状態に移行可能な特定非入賞容易状態に設定することが可能である。つまり、特定非入賞容易状態という特典を意図的に用意可能な遊技機とすることができる。
【0286】
発明B7:
発明B6に記載の遊技機であって、
前記所定の状態設定操作は、電源投入に際して行われる操作であることを特徴とする遊技機。
【0287】
この構成の遊技機によれば、入賞容易状態に移行可能な特定非入賞容易状態に設定するための状態設定操作は、電源投入時の操作であるため、遊技場の開店のための電源投入に際して、遊技機の遊技状態を特定非入賞容易状態に設定することが可能である。これにより、遊技場が開店してからまだ誰も遊技していない遊技機に、入賞容易状態への移行を期待する遊技者を誘導することが可能となる。
【0288】
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば特開2018-88993号公報に記載されている遊技機が知られている。この遊技機では、始動口に遊技球が入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定の結果を報知する特別図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるという結果が導出されると、遊技者に有利な大当たり遊技が実行される。そしてこの遊技機では、大当たり遊技が実行された後に、開閉可能な可変始動口に非時短状態よりも遊技球が入球し易い時短状態になることがある。しかしながら、開閉可能な可変始動口に非時短状態よりも遊技球が入球し易い遊技状態になることがある遊技機については、遊技の興趣について未だ改善の余地がある。
【0289】
上記した発明Aは、特開2018-88993号公報に記載の遊技機に対して、「可変始動口への入賞が容易ではない非入賞容易状態には、所定の抽選の結果が特別遊技の実行契機とならない非特定の結果である場合に入賞容易状態に設定され得る特定非入賞容易状態と、所定の抽選の結果が非特定の結果であっても入賞容易状態に設定されないが、所定の抽選の結果が特定の結果である場合に特定非入賞容易状態に設定され得る非特定非入賞容易状態と、が含まれる」という点で相違している。また上記した発明Bは、特開2018-88993号公報に記載の遊技機に対して、「可変始動口への入賞が容易ではない非入賞容易状態には、所定の抽選の結果が特別遊技の実行契機とならない非特定の結果である場合に入賞容易状態に設定され得る特定非入賞容易状態と、所定の抽選の結果が非特定の結果であっても入賞容易状態に設定されない非特定非入賞容易状態と、が含まれ、非特定非入賞容易状態には、所定の抽選の結果が特定の結果である場合に特定非入賞容易状態に設定され得る有利非特定非入賞容易状態と、所定の抽選の結果が特定の結果である場合に特定非入賞容易状態に設定されることがない非有利非特定非入賞容易状態と、が含まれる」という点で相違している。これにより、発明Aおよび発明Bは、「新たな興趣を提供する」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【符号の説明】
【0290】
PY1…パチンコ遊技機
12…第2始動口(可変始動口)
12D…電チュー
85…状態報知ランプ(状態報知手段)
101…遊技制御用マイコン
121…演出制御用マイコン
191…電源スイッチ
193…RAMクリアスイッチ
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