IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エイアイエル カンパニー,リミテッドの特許一覧

特許7466223デュアル電源スイッチング構造基盤の非接触式通信決済カードの実時間残額表示が可能なデバイス
<>
  • 特許-デュアル電源スイッチング構造基盤の非接触式通信決済カードの実時間残額表示が可能なデバイス 図1
  • 特許-デュアル電源スイッチング構造基盤の非接触式通信決済カードの実時間残額表示が可能なデバイス 図2
  • 特許-デュアル電源スイッチング構造基盤の非接触式通信決済カードの実時間残額表示が可能なデバイス 図3
  • 特許-デュアル電源スイッチング構造基盤の非接触式通信決済カードの実時間残額表示が可能なデバイス 図4
  • 特許-デュアル電源スイッチング構造基盤の非接触式通信決済カードの実時間残額表示が可能なデバイス 図5
  • 特許-デュアル電源スイッチング構造基盤の非接触式通信決済カードの実時間残額表示が可能なデバイス 図6
  • 特許-デュアル電源スイッチング構造基盤の非接触式通信決済カードの実時間残額表示が可能なデバイス 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】デュアル電源スイッチング構造基盤の非接触式通信決済カードの実時間残額表示が可能なデバイス
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20240405BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
G06K7/10 252
G06K19/07 230
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022115834
(22)【出願日】2022-07-20
(65)【公開番号】P2024009728
(43)【公開日】2024-01-23
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0085213
(32)【優先日】2022-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522290776
【氏名又は名称】エイアイエル カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ジェチョン
(72)【発明者】
【氏名】パク,テソン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジョンウク
【審査官】田名網 忠雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-016932(JP,A)
【文献】特開2021-193765(JP,A)
【文献】特開2006-313987(JP,A)
【文献】特開2011-060169(JP,A)
【文献】特開2011-180878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
G06K 19/07
H02J 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触式通信決済カードとRFデータ通信を遂行するための第1RFアンテナを含む通信部と、
バッテリー及び前記バッテリーの電源供給を制御するスイッチを含む第1電源部と、
RF端末機から誘導されるRF電力を受信する第2RFアンテナ、及び、前記第2RFアンテナに励起されたRF誘導電力を電源に変換するRFハーベスティング電源変換部を含む第2電源部と、
前記第1RFアンテナが受信した非接触式通信決済カードのRFデータを演算処理するRFデータ受信部、前記RFデータ受信部で演算処理したデータを受信して演算処理するプロセッサ、前記RFハーベスティング電源変換部で電源が変換されたかを感知するRF通信判断部、及び、前記RF通信判断部の信号をスイッチング信号として受信し、前記第1電源部の電源及び前記第2電源部の電源のうちいずれか一つの電源を選択して出力するデュアル電源スイッチング素子を含む制御部と、
実時間残額を表示するディスプレイと、を含むデバイスであって、
前記第2RFアンテナが前記RF電力を受信して、前記RFハーベスティング電源変換部が励起されたRF誘導電力を電源に変換し、且つ前記RF通信判断部が電源が変換されたことを感知した場合、前記デュアル電源スイッチング素子は、前記RF通信判断部から前記RFハーベスティング電源変換部で電源が変換されたというスイッチング信号を受信したときに、前記第2電源部の電源をデバイスに供給するように制御し、
前記第2RFアンテナが前記RF電力を受信しない場合、前記RFハーベスティング電源変換部が励起されたRF誘導電力を電源に変換しない場合、又は前記RF通信判断部が電源が変換されたことを感知しない場合、前記デュアル電源スイッチング素子は、前記RF通信判断部から前記RFハーベスティング電源変換部で電源が変換されたというスイッチング信号を受信しないことによって、前記第1電源部の電源をデバイスに供給するように制御し、
前記第1RFアンテナは、前記デュアル電源スイッチング素子の制御の如何にかかわらず、前記非接触式通信決済カードのRFデータを受信可能である、デバイス。
【請求項2】
非接触式通信決済カードとRFデータ通信を遂行し、RF端末機から誘導されるRF電力受信するRFアンテナと、
バッテリー及び前記バッテリーの電源供給を制御するスイッチを含む第1電源部と、
前記RFアンテナに励起されたRF誘導電力を電源に変換するRFハーベスティング電源変換部を含む第2電源部と、
前記RFアンテナが受信した非接触式通信決済カードのRFデータを演算処理するRFデータ受信部、前記RFデータ受信部で演算処理したデータを受信して演算処理するプロセッサ、前記RFハーベスティング電源変換部で電源が変換されたかを感知するRF通信判断部、及び、前記RF通信判断部の信号をスイッチング信号として受信し、前記第1電源部の電源及び前記第2電源部の電源のうちいずれか一つの電源を選択して出力するデュアル電源スイッチング素子を含む制御部と、
実時間残額を表示するディスプレイと、を含むデバイスであって、
前記RFアンテナが前記RF電力を受信して、前記RFハーベスティング電源変換部が励起されたRF誘導電力を電源に変換し、且つ前記RF通信判断部が電源が変換されたことを感知した場合、前記デュアル電源スイッチング素子は、前記RF通信判断部から前記RFハーベスティング電源変換部で電源が変換されたというスイッチング信号を受信したときに、前記第2電源部の電源をデバイスに供給するように制御し、
前記RFアンテナが前記RF電力を受信しない場合、前記RFハーベスティング電源変換部が励起されたRF誘導電力を電源に変換しない場合、又は前記RF通信判断部が電源が変換されたことを感知しない場合、前記デュアル電源スイッチング素子は、前記RF通信判断部から前記RFハーベスティング電源変換部で電源が変換されたというスイッチング信号を受信しないことによって、前記第1電源部の電源をデバイスに供給するように制御し、
前記RFアンテナは、前記デュアル電源スイッチング素子の制御の如何にかかわらず、前記非接触式通信決済カードのRFデータを受信可能である、デバイス。
【請求項3】
前記ディスプレイは、電源供給が切れた状態でも画面表示を維持する特性を有している電子ペーパー(electronic paper)を使用することで、デバイスへの電源供給が遮断されても残額情報の表示を維持することを特徴とする、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
使用者の生体情報を保存するメモリと、生体情報を認識するセンサーとをさらに含むことで、前記センサーが認識した生体情報と、前記メモリに保存された生体情報とが一致するかを判断することを特徴とする、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記センサーは、指紋情報、虹彩情報、顔面情報、音声情報、及び、静脈情報のうちの少なくとも一つの生体情報を認識することを特徴とする、請求項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記RFデータ通信は、NFC、RFID、IR通式、ブルートゥース(登録商標)、BLE、ジグビー、Wi-Fi(登録商標)、LTE(登録商標)、及びLoRA(登録商標)のうちの少なくとも一つの通信方式によることを特徴とする、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項7】
非接触式通信決済機能を有する交通チップをさらに含むことで、前記RF端末機との通信によって非接触式通信決済機能を果たすことを特徴とする、請求項1または2に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデュアル電源スイッチング構造基盤の非接触式通信決済カードの実時間残額表示が可能なデバイスに関し、より詳しくはRF通信を用いて前払型交通系ICカードなどのような非接触式通信決済カードの残額を実時間で表記し、RFハーベスティング技術を用いてデバイスに電源を供給する、デュアル電源スイッチング構造基盤の非接触式通信決済カードの実時間残額表示が可能なデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
交通系ICカードに使われる技術としてRF通信を用いる交通系ICカードの場合、地下鉄などに設置されたRF端末機に交通系ICカードを当てれば、RF端末機との電磁誘導現象によって交通系ICカードに誘導電流が流れ、交通系ICカードに内蔵されたRF通信モジュールを介してRF端末機と通信して交通料金を精算する。
【0003】
しかし、プリペイド式交通系ICカードは、交通料金を先にチャージした後、使用の後にチャージ金額から差し引く方式であるので、地下鉄などに設置されたRF端末機と交通系ICカードとが通信して決済するときにのみ、交通系ICカードの残額がいくらであるかをRF端末機の画面を介して確認することができる。このようなプリペイド式交通系ICカードの特性上、普段には残額がいくら残っているかを確認しにくい欠点がある。
【0004】
本発明の技術分野に係わる従来技術として、韓国登録特許10-0798858号では携帯用交通系ICカードの残額を照会することができる照会機及びその残額照会機が一体に結合された交通系ICカードについて開示しており、韓国公開特許10-2022-0080886号では近距離RF通信と遠距離RF通信とを区別し、自動で電源を選択するスイッチング構造を備えたRF通信デバイスを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国登録特許10-0798858号公報
【文献】韓国公開特許10-2022-0080886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はプリペイド式交通系ICカードの欠点である、実時間で残額を確認しにくいという欠点を改善しようとする。具体的には、交通系ICカードに残っている残額の確認が難しいから、使用先で残額がないか足りなくて決済ができなくなる不便さを解決するために、実時間で交通系ICカードの残額を表示することができるディスプレイを含み、正当な権利者ではない無権利者の不正使用を防止するために生体認識センサーを内蔵し、RFハーベスティング技術及びデュアル電源スイッチング素子を用いてバッテリーの電力消耗を最小化することができるデバイスを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した目的を達成するために、非接触式通信決済カードとRFデータ通信を遂行するための第1RFアンテナを含む通信部と、バッテリー及び前記バッテリーの電源供給を制御するスイッチを含む第1電源部と、RF端末機から誘導されるRF電力を受信する第2RFアンテナ、及び前記第2RFアンテナに励起されたRF誘導電力を電源に変換するRFハーベスティング電源変換部を含む第2電源部と、前記第1RFアンテナが受信した非接触式通信決済カードのRFデータを演算処理するRFデータ受信部、前記RFデータ受信部で演算処理したデータを受信して演算処理するプロセッサ、前記RFハーベスティング電源変換部で電源が変換されたかを感知するRF通信判断部、及び前記RF通信判断部の信号をスイッチング信号として受信し、前記第1電源部の電源及び前記第2電源部の電源のうちいずれか一つの電源を選択して出力するデュアル電源スイッチング素子を含む制御部と、実時間残額を表示するディスプレイとを含むデバイスを提供する。
【0008】
また、本発明は、上述した目的を達成するために、非接触式通信決済カードとRFデータ通信を遂行し、RF端末機から誘導されるRF電力受信するRFアンテナと、バッテリー及び前記バッテリーの電源供給を制御するスイッチを含む第1電源部と、前記RFアンテナに励起されたRF誘導電力を電源に変換するRFハーベスティング電源変換部を含む第2電源部と、前記RFアンテナが受信した非接触式通信決済カードのRFデータを演算処理するRFデータ受信部、前記RFデータ受信部で演算処理したデータを受信して演算処理するプロセッサ、前記RFハーベスティング電源変換部で電源が変換されたかを感知するRF通信判断部、及び前記RF通信判断部の信号をスイッチング信号として受信し、前記第1電源部の電源及び前記第2電源部の電源のうちいずれか一つの電源を選択して出力するデュアル電源スイッチング素子を含む制御部と、実時間残額を表示するディスプレイとを含むデバイスを提供する。
【0009】
前記ディスプレイは、電源供給が切れた状態でも画面表示を維持する特性を有している電子ペーパー(electronic paper)を使用することで、デバイスへの電源供給が遮断されても残額情報の表示を維持することができる。
【0010】
また、前記デュアル電源スイッチング素子は、前記RF通信判断部から前記RFハーベスティング電源変換部で電源が変換されたというスイッチング信号を受信すれば、前記第2電源部の電源をデバイスに供給するように制御することができる。
【0011】
また、前記デュアル電源スイッチング素子は、前記RF通信判断部から前記RFハーベスティング電源変換部で電源が変換されたというスイッチング信号を受信しなければ、前記第1電源部の電源をデバイスに供給するように制御することができる。
【0012】
また、使用者の生体情報を保存するメモリと、生体情報を認識するセンサーとをさらに含むことで、前記センサーが認識した生体情報と前記メモリに保存された生体情報とが一致するかを判断することができる。
【0013】
また、前記センサーは、指紋情報、虹彩情報、顔面情報、音声情報、及び静脈情報のうちの少なくとも一つの生体情報を認識することができる。
【0014】
また、前記通信部は、NFC、RFID、IR通式、ブルートゥース(登録商標)、BLE、ジグビー、Wi-Fi(登録商標)、LTE(登録商標)、及びLoRA(登録商標)のうちの少なくとも一つの通信方式を支援することができる。
【0015】
また、非接触式通信決済機能を有する交通チップをさらに含むことで、前記RF端末機との通信によって非接触式通信決済機能を果たすことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、デュアル電源スイッチング構造基盤の非接触式通信決済カードの実時間残額表示が可能なデバイス提供することで、使用者は手軽くプリペイド式交通系ICカードの残額情報を確認することができるので、効果的に残額管理及び料金チャージを遂行することができ、生体認識センサーを備えることで、正当な権利者ではない無権利者の不正な使用を防止することができ、RFハーベスティング技術及びデュアル電源スイッチング素子によってデバイスの電力消耗を最小化することができる効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明によるデバイスの全体的な構成を示す図である。
図2】本発明によるデバイスの一実施例を示す図である。
図3】本発明によるデバイスの一実施例を示す図である。
図4】本発明によるデバイスの一実施例を示す図である。
図5】本発明によるデバイスの一実施例を示す図である。
図6】本発明によるデバイスの一実施例を示す図である。
図7】本発明によるデバイスの一実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明のいくつかの実施例を例示的な図面に基づいて詳細に説明する。各図の構成要素に参照符号を付けるにあたり、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図にも表示されていても、できるだけ同じ符号をつけることに気をつけなければならない。また、本発明の実施例の説明において、関連した公知の構成または機能についての具体的な説明が当該実施例の要旨をあいまいにする可能性があると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0019】
本実施例の構成要素の説明において、第1、第2、a)、b)などの符号を使うことができる。このような符号は当該構成要素を他の構成要素と区別するためのものであるだけで、その符号によって当該構成要素の本質、順番または順序などが限定されない。また、明細書で、ある部分がある構成要素を「含む」または「備える」というとき、これは明示的な反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。また、明細書で、「連結する」、「設置する」または「付着する」というとき、これは構成要素間の直接的な連結または直接的な設置や付着のみを意味するものではなく、間接的な連結または直接的な設置や付着または他の構成要素を介しての連結、設置または付着を含むものと最大限広義に解釈されなければならない。
【0020】
本発明によるデュアル電源スイッチング構造基盤の非接触式通信決済カードCの実時間残額表示が可能なデバイス1(以下、「デバイス」という)の構成及び作用をより具体的に説明するために、非接触式通信決済カードC、RF端末機R、及び相互通信機能について説明する。
【0021】
ここで言及する非接触式通信決済カードCの一実施例として、交通料金システムで使われるプリペイド式交通系ICカードを例として挙げることができる。プリペイド式交通系ICカードは前もってチャージした金額から交通料金の分だけを差し引いて精算する方式の交通系ICカードである。RF端末機Rは非接触式通信決済カードCと通信して非接触式通信決済カードCの交通料金を精算する装置であって、バスの出入口または地下鉄の改札口などで交通料金の取立てのために一般的に使われる装置である。
【0022】
前述した非接触式通信決済カードCとRF端末機Rが通信して交通料金を精算する過程について具体的に説明すると、使用者が非接触式通信決済カードC(交通系ICカード)をRF端末機R(バスや地下鉄などに設置された端末機)に当てれば、電磁誘導によって非接触式通信決済カードCの内部で電流が生成され、生成された電流によって非接触式通信決済カードCに内蔵されたアンテナ及び通信モジュールなどが動作する。すると、非接触式通信決済カードCはアンテナを介して既保存の情報をRF端末機Rに提供し、さらにRF端末機Rから交通運賃を精算した金額についてのデータを受けて残額をアップデートするか保存する。
【0023】
本発明によるデバイス1は非接触式通信決済カードC(交通系ICカード)の残額情報をディスプレイ500を介して示す装置である。デバイス1は交通系ICカードを収納することができる形態であってもよい。このような形態の場合、本発明によるデバイス1は交通系ICカードなどのような非接触式通信決済カードCを収納するとともに収納した非接触式通信決済カードCの残額を確認することができる装置になる。
【0024】
以下では、本発明によるデバイス1の一実施例として、非接触式通信決済カードCがデバイス1に収納された状態で使われる場合を説明する。ただ、このような使用態様は一例であるだけで、必ずしも非接触式通信決済カードCを収納しているときにのみデバイス1を使うことができるものではない。本発明によるデバイス1は無線通信を用いるので、収納有無に関係なく、デバイス1が非接触式通信決済カードCまたはRF端末機Rに近い距離にあれば、基本的な機能である残額確認の機能を果たすことができる。また、本発明によるデバイス1の一実施例として、デバイス1は非接触式通信決済機能を有する交通チップ800を内蔵して一般の交通系ICカードのように非接触式通信決済の機能も果たすことができる。すなわち、このような場合、デバイス1は交通料金の決済も遂行するとともに実時間で交通料金残額まで確認することができる装置になる。
【0025】
本発明によるデバイス1の機能及び作用について説明する。
【0026】
図4及び図5を参照すると、本発明によるデバイス1は、非接触式通信決済カードCと通信して残額情報を受信し、その残額情報をディスプレイ500に表示する。
【0027】
ただ、デバイス1に供給する電源としては、状況によって、第1電源部200の電源を使うかまたは第2電源部300の電源を使う。図4を参照すると、デバイス1がRF端末機Rと相互作用する場合には、第2電源部300の電源を供給し、図5を参照すると、デバイス1とRF端末機Rとが相互作用しない場合、第1電源部200の電源を供給する。デバイス1がRF端末機Rと相互作用する状況とは、バスや地下鉄などでRF端末機Rを介して交通料金を支払う状況を例として挙げることができる。具体的には、非接触式通信決済カードC(交通系ICカード)をデバイス1に収納した状態でRF端末機Rに接触して交通料金を決済する状況を考慮することができる。この場合、RF端末機Rと交通系ICカードとは互いに通信して交通料金を精算し、デバイス1はRF端末機Rからエネルギーを生成し(ハーベスティング)、生成したエネルギーをデバイス1の電源として使用する一方で、交通系ICカードからは精算された残額情報を受信してディスプレイ500に表示する。
【0028】
デバイス1がRF端末機Rと相互作用しない場合とは、RF端末機Rが存在しない状況でデバイス1を駆動して交通系ICカードの残額を確認する場合を例として挙げることができる。この場合、デバイス1はRF端末機Rと相互作用しないので、RF電力も発生しなく、よってデバイス1は第2電源部300から電源を受けることができない。したがって、デバイス1は第1電源部200の電源を用いて作動し、交通系ICカードと通信して残額情報を受信してディスプレイ500に表示する。一般的に、交通系ICカードの残額は交通料金の決済が発生するときに、RF端末機Rに表示された金額から確認することができるが、本発明によるデバイス1を用いれば、交通料金の決済状況でない場合にも簡便に残額を確認することができるという利点がある。すなわち、RF端末機Rがなくても第1電源部200の電源を用いてデバイス1を駆動させることで、ディスプレイ500を介して交通系ICカードの残額を確認することができる。
【0029】
図4を参照すると、デバイス1がRF端末機Rに接触するか近接してRF端末機Rとの相互作用によってRF電力を受信する場合、デバイス1は第2電源部300の電源を使う。具体的に説明すると、デバイス1は、第2RFアンテナ310を介してRF端末機Rから誘導されるRF電力受信し、励起されたRF誘導電力を電源に変換してデバイス1に供給する。すなわち、デバイス1はRF端末機Rの電磁波からエネルギーをハーベスティングしてデバイス1に電源を供給するものである。また、デバイス1は非接触式通信決済カードCと通信し、非接触式通信決済カードCの残額情報を受信してディスプレイ500に表示する。
【0030】
図5を参照すると、デバイス1がRF端末機Rと相互作用しない場合、第2電源部300によるエネルギーハーベスティングが発生しないので、デバイス1は内蔵した第1電源部200の電源を使う。また、デバイス1は非接触式通信決済カードCと通信し、非接触式通信決済カードCの残額情報を受信してディスプレイ500に表示する。
【0031】
以下では、図1図3を参照して本発明によるデバイス1の構成要素を詳細に説明する。本発明によるデバイス1は、通信部100、第1電源部200、第2電源部300、制御部400、ディスプレイ500、及びセンサー600を含むことができる。
【0032】
通信部100は第1RFアンテナ110を含む。第1RFアンテナ110はRFデータ通信を介して非接触式通信決済カードCから料金残額についての情報を受信する。本発明の一実施例として、通信部100は、NFC、RFID、IR通信、ブルートゥース、BLE、ジグビー、Wi-Fi、LTE、及びLoRAのうちの少なくとも一つの通信方式を支援することができる。
【0033】
第1電源部200は、バッテリー210と、スイッチ230とを含む。スイッチ230はバッテリー210の電源供給を制御する。第1電源部200のバッテリー210は基本的に常時電源を供給する。特に、第2電源部300が電源を供給しない場合にはデバイス1に電源を供給する役割を果たす。第2電源部300が電源を供給しない場合とはデバイス1がRF端末機Rからエネルギーハーベスティングを遂行することができないか遂行しない状況であるので、自ら内蔵されたバッテリー210を用いてデバイス1の駆動のための電源を供給する場合である。
【0034】
第2電源部300はエネルギーハーベスティング技術を用いてデバイス1に電源を供給する役割を果たす。第2電源部300は、RF端末機Rから誘導されるRF電力を受信する第2RFアンテナ310と、RFハーベスティング電源変換部330とを含む。第2RFアンテナ310ではRF端末機Rとの電磁誘導現象によるRF誘導電力が発生する。すなわち、第2RFアンテナ310はRF端末機Rの電磁波からエネルギーをハーベスティングする役割を果たす。RFハーベスティング電源変換部330は第2RFアンテナ310に励起されたRF誘導電力を電源に変換する。すなわち、誘導されたRF電力デバイス1が動作することができる電源に変換させる。デバイス1を作動させるための電源供給方法として第1電源部200のバッテリー210を常時使うが、RF端末機Rとの相互作用によって第2電源部300がエネルギーハーベスティングする場合は、第1電源部200のバッテリー210ではない第2電源部300の電源をデバイス1に供給することで、バッテリー210の電力消耗を最少化することができる。
【0035】
制御部400は、第1RFアンテナ110が受信した非接触式通信決済カードCのRFデータを演算処理するRFデータ受信部410と、RFデータ受信部410が演算処理したデータを受信して演算処理するプロセッサ470と、RF通信判断部430と、デュアル電源スイッチング素子450とを含む。RF通信判断部430は、RFハーベスティング電源変換部330で電源が変換されたかを感知してデュアル電源スイッチング素子450の動作を制御する。すなわち、RF通信判断部430は、RF端末機Rとデバイス1とが通信連結され、受信電力が存在するかを判断する。RFハーベスティング電源変換部330で電源が変換された場合とは、RF端末機Rとの相互作用によって第2電源部300がエネルギーハーベスティングを遂行した場合である。ここで、RF通信判断部430は、第1電源部200のバッテリー210の代わりに、第2電源部300の電源を供給するようにデュアル電源スイッチング素子450を制御する。デュアル電源スイッチング素子450はRF通信判断部430の信号をスイッチング信号として受信し、前記第1電源部200の電源及び前記第2電源部300の電源のうちの一つの電源を選択して出力することができる。本発明の一実施例によれば、デュアル電源スイッチング素子450は常時第1電源部200のバッテリー210の電源を供給するが、RFハーベスティング電源変換部330で電源が変換されたというスイッチング信号を受信すれば、前記第2電源部300の電源をデバイス1に供給するように制御することができる。このように、本発明によるデバイス1は第1電源部200及び第2電源部300の2種の電源を状況によって異なるように運用するので、バッテリー210を保護することができ、早い電源消耗を防止することができる。
【0036】
ディスプレイ500は実時間残額情報を表記する。本発明の一実施例として、ディスプレイ500は電源供給が切れた状態でも画面表示を維持する特性を有している電子ペーパー(electronic paper)を使用することで、デバイス1への電源供給が遮断されても残額情報の表示を維持することができる。このように、残額情報を表示することにより、繰り返してデバイス1を作動して残額情報を確認する必要がないので、デバイス1のバッテリー210の消耗を最小化することができる効果がある。
【0037】
図2及び図3を参照すると、本発明によるデバイス1は前述した第1RFアンテナ110及び第2RFアンテナ310を含まず、第1RFアンテナ110及び第2RFアンテナ310の両者の役割を果たす単一のRFアンテナ700のみを含んでなることができる。具体的には、一実施例として、デバイス1は、非接触式通信決済カードCとRFデータ通信を遂行し、RF端末機Rから誘導されるRF電力を受信するRFアンテナ700を含むことができる。
【0038】
図6及び図7を参照すると、本発明によるデバイス1は交通チップ800をさらに含むことができる。本発明の一実施例として、デバイス1は非接触式通信決済機能を有する交通チップ800をさらに含むことで、前記RF端末機Rとの通信によって非接触式通信決済機能を果たすことができる。ここで、交通チップ800とはRFアンテナ、通信モジュールなどを含めて非接触式通信決済機能を果たすことができるチップであり、前述した交通系ICカードのような原理で作動し、RF端末機Rとの通信によって非接触式通信決済機能を果たすことができる。すなわち、デバイス1が交通系ICカードのように交通料金決済機能も果たすように、デバイス1に交通チップ800を実装する。その場合、デバイス1は残額情報表示の機能はもちろんのこと、一般交通系ICカードと同様な使用性によって交通料金決済までも可能である。図6のように、デバイス1がRF端末機Rと相互通信する場合、デバイス1はRF端末機RからRF電力を受けるので、第2電源部300の電源を使って交通チップ800と通信して残額情報を受信し、ディスプレイ500に表示する。図7のように、RF端末機Rが存在しない場合、デバイス1は内蔵した第1電源部200の電源を用いて交通チップ800と通信して残額情報を受信し、ディスプレイ500に表示する。
【0039】
図3を参照すると、本発明によるデバイス1はセンサー600をさらに含むことができる。具体的には、本発明の一実施例として、使用者の生体情報を保存したメモリと、生体情報を認識するセンサー600とをさらに含むことで、センサー600が認識した生体情報とメモリに保存された生体情報とが一致するかを判断することができる。本発明の一実施例として、センサー600は、指紋情報、虹彩情報、顔面情報、音声情報、及び静脈情報のうちの少なくとも一つの生体情報を認識することを特徴とすることができる。このように、生体認識センサー600を含むことにより、正当な権利者ではない無権利者の不正な使用を防止することができる。
【0040】
以上では本開示の好適な実施例について図示しながら説明したが、本開示は上述した特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲で請求する本開示の要旨を外れない範囲内で本開示が属する当該技術分野で通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能であることは言うまでもなく、このような変形実施は本開示の技術的思想や見込みから個別的に理解されてはいけないであろう。
【符号の説明】
【0041】
1 デバイス
100 通信部
110 第1RFアンテナ
200 第1電源部
210 バッテリー
230 スイッチ
300 第2電源部
310 第2RFアンテナ
330 RFハーベスティング電源変換部
400 制御部
410 RFデータ受信部
430 RF通信判断部
450 デュアル電源スイッチング素子
470 プロセッサ
500 ディスプレイ
600 センサー
700 RFアンテナ
800 交通チップ
R RF端末機
C 非接触式通信決済カード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7