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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/10 20200101AFI20240405BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20240405BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20240405BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20240405BHJP
【FI】
H05B45/10
H05B47/155
H05B45/20
H05B47/105
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022174789
(22)【出願日】2022-10-31
【審査請求日】2023-06-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504174434
【氏名又は名称】レボックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 温
(74)【代理人】
【識別番号】100135862
【弁理士】
【氏名又は名称】金木 章郎
(72)【発明者】
【氏名】幅崎 智靖
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/056762(WO,A1)
【文献】特開2017-016778(JP,A)
【文献】特開2011-034794(JP,A)
【文献】特開2012-243456(JP,A)
【文献】特開2013-084564(JP,A)
【文献】特開2019-061854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00 ー 39/10
H05B 45/00 ー 45/58
H05B 47/00 ー 47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに波長域が異なる光を発する複数の光源部と、
前記複数の光源部の各々に対応する調光値の比率を示す調光値比率を記憶する記憶部と、
前記調光値比率を維持しつつ、前記複数の光源部の各々から発する光の明るさに対応する駆動用調光値を前記複数の光源部の各々に対応する調光値に基づいて決定し、前記駆動用調光値に基づいて前記複数の光源部ごとに、一の明るさを発するための一の前記駆動用調光値に対応する一定の値を有する駆動信号を生成して前記複数の光源部に供給する制御部と、を備える照明装置。
【請求項2】
複数の光源部の各々から発する光の明るさは、前記駆動用調光値に対して線形性を有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記制御部は、調光値比率を構成する調光値のうち、最も大きい最大調光値よりも小さい調光値に基づいて、調光値比率を維持しつつ、前記駆動信号を再生成する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記制御部は、調光値比率を構成する調光値のうち、最も大きい最大調光値よりも小さい調光値に基づいて、調光値比率を維持しつつ、前記駆動用調光値を決定し直す、請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記調光値は、所定の量子化ビット数で量子化されたデジタル信号の値であり、
前記制御部は、調光値比率を構成する調光値のうち、最も大きい最大調光値よりも小さい調光値に対して、調光値比率を維持しつつ、前記調光値を示すデジタル信号の分解能を調整する、請求項2に記載の照明装置。
【請求項6】
前記制御部は、調光値比率を構成する調光値のうち、最も大きい最大調光値よりも小さい調光値に基づいて、調光値比率を維持しつつ、前記光源部から発する光の明るさの範囲を切り替える、請求項2に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光部から出射される光の色合いを調整できる照明装置が知られている(例えば、特許文献1など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-253309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の照明装置は、発光部から出射される光を受光する受光部を有する。従来の照明装置は、発光部から出射された光を受光部で受光して、受光した結果に応じて、色合いを調整するフィードバック制御をする。
【0005】
従来の照明装置は、受光部を有するため構成が複雑にならざるを得なかった。さらに、発光素子の発光特性だけでなく、受光素子の感度などの特性に応じた調整を要し、受光素子の特性と発光素子の特性とを対応付けて、各色について事前に整合性を図る必要があった。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものである。その目的は、受光素子の特性と発光素子の特性との整合性を図ることなく、所望する色合いを保って光を発することができる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による照明装置の特徴は、
互いに波長域が異なる光を発する複数の光源部と、
前記複数の光源部の各々に対応する調光値の比率を示す調光値比率を記憶する記憶部と、
前記調光値比率を維持しつつ、前記複数の光源部の各々から発する光の明るさに対応する駆動用調光値を前記複数の光源部の各々に対応する調光値に基づいて決定し、前記駆動用調光値に基づいて前記複数の光源部ごとに、一の明るさを発するための一の前記駆動用調光値に対応する一定の値を有する駆動信号を生成して前記複数の光源部に供給する制御部と、を備えることである。
【発明の効果】
【0008】
受光素子の特性と発光素子の特性との整合性を図ることなく、色合いを調整でき、所望する色合いの光を発することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態による照明装置100の構成を示す斜視図である。
図2】照明装置100の機能を示す機能ブロック図である。
図3】電源電圧供給部120、赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182B及び定電流回路基板150の構成を示す概略図である。
図4】照明装置100において実行される調光制御の処理を示すフローチャートである。
図5】LED182の特性を補正するための調光値と、調光値に対応付けられたDAC値との関係を示す図である。
図6】通常調光値テーブルを生成するための補間用のデータを示す図である。
図7】通常調光値テーブルを示す図である。
図8】色合いの具体例を示す図である。
図9】操作者の操作によって所望する色合いを設定するための処理を示すフローチャートである。
図10】操作者の操作によって所望する色合いを設定するための処理を示すフローチャートである。
図11】調光値比率の具体例を示すテーブルである。
図12】赤色と緑色と青色との調光値比率が、888:1023:967のときに、主調整量子化調光値に対応付けられたDAC値の例である。
図13】赤色と緑色と青色との調光値比率が、230:1023:230のときに、主調整量子化調光値に対応付けられたDAC値の例である。
図14】色合い固定調光値テーブルを生成する処理を示すフローチャートである。
図15】色合い固定調光値テーブルを生成するための補間用のデータを示す図である。
図16】分解能を変更して、線形補間近似により0~1023に亘ってDAC値を割り当て直して生成した色合い固定調光値テーブルの例を示す図である。
図17】分解能を変更して、線形補間近似により0~1023に亘ってDAC値を割り当て直して生成した色合い固定調光値テーブルの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<<<<本実施の形態の概要>>>>
<<第1の態様>>
第1の態様の一つの目的は、受光素子の特性と発光素子の特性との整合性を図ることなく、所望する色合いを保って光を発することができる照明装置を提供することにある。さらに、複数の光源部の各々の明るさを別個に調節することなく、色合いを保持しつつ、複数の光源部の全体の明るさを調整することができる照明装置を提供することである。
【0011】
第1の態様によれば、
互いに波長域が異なる光を発する複数の光源部(例えば、後述する赤色発光部180Rや緑色発光部180Gや青色発光部180Bなど)と、
前記複数の光源部の各々に対応する調光値の比率を示す調光値比率(例えば、後述する図11のテーブルなど)を記憶する記憶部(例えば、後述する制御部140のRAMなど)と、
前記調光値比率を維持しつつ、前記複数の光源部の各々から発する光の明るさに対応する駆動用調光値(例えば、後述するDAC値など)を前記複数の光源部の各々に対応する調光値に基づいて決定し(例えば、後述する図4のステップS415、S429、S435など)、前記駆動用調光値に基づいて前記複数の光源部ごとに駆動信号を生成して(例えば、後述する赤色用定電流供給部160Rや緑色用定電流供給部160Gや青色用定電流供給部160Bなど)前記複数の光源部に供給する制御部(例えば、後述する制御部140のCPUなど)と、を備える照明装置が提供される。
【0012】
第1の態様による照明装置は、複数の光源部と記憶部と制御部とを備える。
【0013】
複数の光源部は、互いに波長域が異なる光を発する。
【0014】
記憶部は、複数の光源部の各々に対応する調光値の比率を示す調光値比率を記憶する。調光値は、互いに波長域が異なる光の明るさに対応する値である。
【0015】
制御部は、まず、調光値比率を維持しつつ、駆動用調光値を調光値に基づいて決定する。駆動用調光値は、複数の光源部の各々から発する光の明るさに対応する値である。
【0016】
制御部は、駆動用調光値に基づいて駆動信号を生成する。制御部は、生成した駆動信号を複数の光源部に供給する。
【0017】
調光値比率を維持しつつ、駆動用調光値に基づいて複数の光源部を駆動するための駆動信号を生成するので、複数の光源部の各々の明るさを別個に調節することなく、色合いを保持しつつ、複数の光源部の全体の明るさを調整することができる。
【0018】
<<第2の態様>>
複数の光源部の特性によることなく、発する光の明るさが、調光値に対して線形に変化する照明装置が望まれている。
【0019】
第2の態様は、第1の態様において、
複数の光源部の各々から発する光の明るさは、前記調光値に対して線形性を有する。
【0020】
線形性を有するので、光源部の特性によることなく、調光値によって所望する光の明るさを制御しやすくできる。
【0021】
<<第3の態様>>
調光値比率を構成する少なくとも2つの調光値が大きく異なるときには、調光値比率を構成する調光値が小さい光源の明るさを粗く制御せざるを得ない場合がある。
【0022】
第3の態様は、第1の態様において、
前記制御部は、調光値比率を構成する調光値のうち、最も大きい最大調光値よりも小さい調光値に基づいて、調光値比率を維持しつつ、前記駆動信号を再生成する。
【0023】
調光値比率を維持しつつ、前記駆動信号を再生成するので、調光値比率を構成する少なくとも2つの調光値が大きく異なる場合であっても、調光値比率を構成する調光値が小さい光源に対する駆動信号を改めて生成して、明るさを細かく制御することができる。
【0024】
<<第4の態様>>
調光値比率を構成する少なくとも2つの調光値が大きく異なるときには、調光値比率を構成する調光値が小さい光源の明るさを粗く制御せざるを得ない場合がある。
【0025】
第4の態様は、第1の態様において、
前記制御部は、調光値比率を構成する調光値のうち、最も大きい最大調光値よりも小さい調光値に基づいて、調光値比率を維持しつつ、前記駆動用調光値を決定し直す。
【0026】
調光値比率を維持しつつ、駆動用調光値を決定し直すので、調光値比率を構成する少なくとも2つの調光値が大きく異なる場合であっても、調光値比率を構成する調光値が小さい光源に対する駆動用調光値を改めて決定して、明るさを細かく制御することができる。
【0027】
<<第5の態様>>
調光値比率を構成する少なくとも2つの調光値が大きく異なるときには、調光値比率を構成する調光値が小さい光源の明るさを粗く制御せざるを得ない場合がある。
【0028】
第5の態様は、第2の態様において、
前記調光値は、所定の量子化ビット数で量子化されたデジタル信号の値であり、
前記制御部は、調光値比率を構成する調光値のうち、最も大きい最大調光値よりも小さい調光値に対して、調光値比率を維持しつつ、前記調光値を示すデジタル信号の分解能を調整する。
【0029】
調光値比率を維持しつつ、調光値を示すデジタル信号の分解能を調整するので、調光値比率を構成する少なくとも2つの調光値が大きく異なる場合であっても、調光値比率を構成する調光値が小さい光源に対する調光値を示すデジタル信号の分解能を調整して、明るさを細かく制御することができる。
【0030】
<<第6の態様>>
調光値比率を構成する少なくとも2つの調光値が大きく異なるときには、調光値比率を構成する調光値が小さい光源の明るさを粗く制御せざるを得ない場合がある。
【0031】
第6の態様は、第2の態様において、
前記制御部は、調光値比率を構成する調光値のうち、最も大きい最大調光値よりも小さい調光値に基づいて、調光値比率を維持しつつ、前記光源部から発する光の明るさの範囲を切り替える。
【0032】
調光値比率を維持しつつ、光源部から発する光の明るさの範囲を切り替えるので、調光値比率を構成する少なくとも2つの調光値が大きく異なる場合であっても、調光値比率を構成する調光値が小さい光源に対する光の明るさの範囲を切り替えて、明るさを細かく制御することができる。
【0033】
さらに、
前記光源部から発せられる光の明るさの目標値を出力する操作部であって、操作者の操作によって、出力する目標値が変更される操作部を、さらに備え、
前記制御部は、前記目標値に対応させて前記調光値を決定するのが好ましい。
【0034】
操作者が所望する目標値にして光を発することができる。
【0035】
さらにまた、前記複数の光源部は、互いに異なる色の単色光を発する。
【0036】
単色光を発するので、所望する色合いの光を発することができる。
【0037】
<<<<本実施の形態の詳細>>>>
<<<<色合いの固定(保持)>>>>
本実施の形態による照明装置100では、照明装置100から発する光の色合いを固定して、明るさを変更することができる。後述するように、照明装置100から赤色の光と緑色の光と青色の光とを、それぞれの明るさで発することができる。すなわち、赤色の光と緑色の光と青色の光とをそれぞれの明るさで同時に発して、赤色の光と緑色の光と青色の光とが混ざった状態の光を発することで、様々な中間色などの色の光を発することができる。
【0038】
<色合い>
「色あい」とは、色の加減や色調や色の具合をいう。「色あい」は、色相と同義である。本実施の形態では、赤色の光と緑色の光と青色の光との混ざり具合によって、色あいが決定される。具体的には、赤色の光の明るさに対応する調光値と、緑色の光の明るさに対応する調光値と、青色の光の明るさに対応する調光値との比率によって、色あいが決定される。言い換えれば、赤色の調光値と、緑色の調光値と、青色の調光値との比率によって、色あいが決定される。ここで、比率とは、二つ以上の数量を比較したときの割合や比であり、発光される光の全体の調光値のうちの、所定の光の色の調光値が占める割合や比をいう(図8参照)。以下では、色あいを決定するための調光値の比率を調光値比率と称する。なお、調光値については、後述する。
【0039】
<色合いを固定(保持)する意義>
照明装置100から発する光の明るさを変える場合には、調光値を変更する必要がある。赤色の光の調光値と緑色の光の調光値と青色の光の調光値とを変更することで、光の明るさを変えることができる。さらに、対象物を、ある色合いの光で照明するときに、色合いは保持しつつ全体の明るさを変更したい場合がある。しかしながら、赤色の光の調光値と緑色の光の調光値と青色の光の調光値とを別個に変更せざるを得ない照明装置の場合には、一の色の光の調光値のみを変更することで、明るさだけでなく色合いも変わってしまい、所望する色合いになるように、繰り返し調光値を調整する必要が生ずる。このようなことから、色合いを保ったまま、明るさを調整できる照明装置が望まれる場合もある。
【0040】
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0041】
<<照明装置100の構成の概略>>
図1は、本実施の形態による照明装置100の構成を示す斜視図である。
【0042】
<筐体102>
照明装置100は、筐体102を有する。筐体102は、略直方体状の形状を有する。筐体102は、出射口104と、液晶ディスプレイ106と、スイッチ108a~108dとを有する。筐体102の前面に、出射口104と、液晶ディスプレイ106と、スイッチ108a~108dとが設けられている。
【0043】
<出射口104>
出射口104は、略円筒状の形状を有する。出射口104は、略円状の出射面104aを有する。出射面104aは、後述する赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182Bから発せられた光を出射する。
【0044】
赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182Bから発せられた光は、照明装置100の内部で光路が調整され、照明装置100から同じ光路に沿って進むように出射される。
【0045】
出射口104には、ファイバーなどの導光体(図示せず)が接続される。導光体を介して出射口104から出射された光が案内される。導光体は可撓性を有するものが好ましい。
【0046】
<液晶ディスプレイ106>
液晶ディスプレイ106には、照明装置100の状態を示す各種の状態情報や、照明装置100の状態を設定するための各種の設定情報などが表示される。
【0047】
<スイッチ108a~108d>
スイッチ108a~108dは、操作者によって操作されることができる。スイッチ108aの操作によって、液晶ディスプレイ106に表示された設定項目や値を選択することができる。また、スイッチ108aの操作によって、調光値の大きさが入力されたり、各種設定が行われたりすることができる。なお、調光値については、後述する。スイッチ108bの操作によって、光源の点灯状態又は消灯状態を切り替える。スイッチ108cの操作によって、メニュー画面が液晶ディスプレイ106に表示される。スイッチ108dの操作によって、照明装置100の電源のオン又はオフが制御される。
【0048】
<<<照明装置100の機能>>>
図2は、照明装置100の機能を示す機能ブロック図である。照明装置100は、電源電圧供給部120と、操作部130と、制御部140と、定電流回路基板150と、発光部180とを有する。
【0049】
<電源電圧供給部120>
電源電圧供給部120は、制御部140や、定電流回路基板150や、赤色発光部180Rや、緑色発光部180Gや、青色発光部180Bなどに所定の電源電圧を供給する。電源電圧の供給により、制御部140や、定電流回路基板150や、赤色発光部180Rや、緑色発光部180Gや、青色発光部180Bなどが駆動される。
【0050】
電源電圧供給部120は、後述する制御部140から発せられた指示や情報などに従って、電源電圧の値を変更することができる。
【0051】
<操作部130>
操作部130は、操作者が操作できる部材や部品などである。操作者が操作することができ、操作に応じて各種のコマンドや情報を入力できるものであればよい。
【0052】
操作部130は、スイッチ108aと、スイッチ108bと、スイッチ108cと、スイッチ108dとを有する。
【0053】
操作者が操作部130を操作することによって、調光値が設定される。調光値は、以下で説明するように、発光部180から発する光の明るさに対応付けられた値である。
【0054】
<調光及び調光値>
調光とは、赤色発光部180Rや緑色発光部180Gや青色発光部180Bから発する光の明るさを調整することを意味する。なお、赤色発光部180Rから発する光の明るさを変え、緑色発光部180Gから発する光の明るさを変え、青色発光部180Bから発する光の明るさを変えることで、光の色の混ざり具合(色合い)を変更することも調光に含まれる。
【0055】
調光値とは、赤色発光部180Rや緑色発光部180Gや青色発光部180Bから発する光の明るさに対応付けられた値である。以下では、赤色発光部180Rを制御するための調光値を赤色調光値と称し、緑色発光部180Gを制御するための調光値を緑色調光値と称し、青色発光部180Bを制御するための調光値を青色調光値と称する。赤色調光値、緑色調光値、青色調光値は、前述した操作部130を操作者が操作することによって設定されて、制御部140のRAMに記憶される。
【0056】
調光値が小さいと、暗い光が発せられ、調光値が大きいと、明るい光が発せられる。調光値は、アナログ値でもデジタル値でもよい。アナログ値の場合には、電圧の大きさによって、調光値を示すことができる。デジタル値の場合には、所定の量子化ビット数で表現可能な範囲の数値によって、調光値を表すことができる。
【0057】
前述したように、赤色調光値と緑色調光値と青色調光値とを操作部130によって調節することで、出射口104から出射する光の色合いを決定することができる。決定された色合いによって調光値比率が定まる。
【0058】
<制御部140>
制御部140は、プロセッサ(CPU(中央処理装置)など)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、I/O(入出力)、I/F(通信インターフェース装置)などを有する。ROMには、後述する制御部処理などの処理を実行するためのプログラムや定数などが記憶される。RAMには、プログラムが実行されたときに用いる変数の値が一時的に記憶される。
【0059】
I/Oを介して、後述するADC(アナログデジタル変換器)やDAC(デジタルアナログ変換器)などで用いる各種のデジタルデータが入出力される。
【0060】
I/Fを介して、照明装置100が外部の制御装置(図示せず)などと接続されたときに、各種のコマンドやデータが入出力される。
【0061】
制御部140は、調光値からDAC値に変換するための調光値テーブル(後述する図6図16図17など)を参照して、赤色調光値に対応する赤色DAC値を読み出し、緑色調光値に対応する緑色DAC値を読み出し、青色調光値に対応する青色DAC値を読み出す。調光値テーブルを参照することで、赤色調光値を赤色DAC値に変換し、緑色調光値を緑色DAC値に変換し、青色調光値を青色DAC値に変換することができる。以下では、赤色DAC値、緑色DAC値、青色DAC値を、特に区別しない場合には、単にDAC値と称する。DAC値は、発光部180に供給する電流の電流値を指示するためのデジタル値であり、発光部180から発する光の明るさを指定するための値である。調光値テーブルや、DAC値や、調光値からDAC値への変換については、後述する。
【0062】
<<定電流回路基板150>>
定電流回路基板150は、赤色発光部180Rと緑色発光部180Gと青色発光部180Bとに定電流を供給するための回路基板である。定電流回路基板150は、赤色発光部180Rと緑色発光部180Gと青色発光部180Bとは、互いに独立して構成される。
【0063】
<赤色用定電流供給部160R、緑色用定電流供給部160G、青色用定電流供給部160B>
定電流回路基板150は、赤色用定電流供給部160Rと緑色用定電流供給部160Gと青色用定電流供給部160Bとを有する。赤色用定電流供給部160Rは、赤色発光部180Rに定電流を供給する。緑色用定電流供給部160Gは、緑色発光部180Gに定電流を供給する。青色用定電流供給部160Bは、青色発光部180Bに定電流を供給する。
【0064】
赤色用定電流供給部160Rと緑色用定電流供給部160Gと青色用定電流供給部160Bとは、定電流回路基板150において、互いに独立して構成される。赤色用定電流供給部160Rは、定電流を生成して赤色発光部180Rのみに供給する。緑色用定電流供給部160Gは、定電流を生成して緑色発光部180Gのみに供給する。青色用定電流供給部160Bは、定電流を生成して青色発光部180Bのみに供給する。
【0065】
赤色用定電流供給部160Rと緑色用定電流供給部160Gと青色用定電流供給部160Bとは、安定して定電流を生成できればよく、リニア方式の電源が好ましい。赤色用定電流供給部160Rと緑色用定電流供給部160Gと青色用定電流供給部160Bとの具体的な構成は、後述する。
【0066】
以下では、赤色用定電流供給部160Rと緑色用定電流供給部160Gと青色用定電流供給部160Bとを、特に区別する必要がない場合には、単に定電流供給部160と称する。
【0067】
<赤色用電圧検出部170R、緑色用電圧検出部170G、青色用電圧検出部170B>
定電流回路基板150は、赤色用電圧検出部170Rと緑色用電圧検出部170Gと青色用電圧検出部170Bとを有する。
【0068】
赤色用電圧検出部170Rは、赤色発光部180Rに供給された電圧を検出する。具体的には、赤色用電圧検出部170Rは、赤色発光部180Rの低電位側の電圧を検出する。
【0069】
緑色用電圧検出部170Gは、緑色発光部180Gに供給された電圧を検出する。具体的には、緑色用電圧検出部170Gは、緑色発光部180Gの低電位側の電圧を検出する。
【0070】
青色用電圧検出部170Bは、青色発光部180Bに供給された電圧を検出する。具体的には、青色用電圧検出部170Bは、青色発光部180Bの低電位側の電圧を検出する。
【0071】
赤色発光部180Rに供給された電圧と、緑色発光部180Gに供給された電圧と、青色発光部180Bに供給された電圧とから、電源電圧供給部120から赤色発光部180Rと緑色発光部180Gと青色発光部180Bとに供給された電源電圧が適切か否かを判断することができる。判断の詳細は、後述する。
【0072】
以下では、赤色用電圧検出部170Rと緑色用電圧検出部170Gと青色用電圧検出部170Bとを、特に区別する必要がない場合には、単に電圧検出部170と称する。
【0073】
<<発光部180>>
発光部180は、赤色発光部180R、緑色発光部180G、青色発光部180Bを有
する。
【0074】
赤色発光部180Rは、赤色の光を発する。例えば、赤色発光部180Rは、光の発光強度が最大となるピーク波長が、622nmの光を発する。赤色発光部180Rは、単色の光を発するLEDが好ましい。赤色発光部180Rは、赤色の光を発するLED(Light-emitting diode)が好ましい。
【0075】
緑色発光部180Gは、緑色の光を発する。例えば、緑色発光部180Gは、光の発光強度が最大となるピーク波長が、520nmの光を発する。緑色発光部180Gは、単色の光を発するLEDが好ましい。緑色発光部180Gは、緑色の光を発するLEDが好ましい。
【0076】
青色発光部180Bは、青色の光を発する。例えば、青色発光部180Bは、光の発光強度が最大となるピーク波長が、450nmの光を発する。青色発光部180Bは、単色の光を発するLEDが好ましい。青色発光部180Bは、青色の光を発するLEDが好ましい。
【0077】
以下では、赤色発光部180Rと緑色発光部180Gと青色発光部180Bとを、特に区別する必要がない場合には、単に発光部180と称する。
【0078】
<<具体的な構成>>
図3は、電源電圧供給部120、赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182B及び定電流回路基板150の具体的な構成を示す概略図である。なお、赤色発光部180Rの一例として赤色LED182Rを用い、緑色発光部180Gの一例として緑色LED182Gを用い、青色発光部180Bの一例として青色LED182Bを用いるものとする。なお、赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182Bを、特に区別する必要がない場合には、単にLED182と称する。
【0079】
<電源122>
電源電圧供給部120は、電源122を有する。電源122は、例えば、スイッチング電源からなる。電源122は、一定の直流の電源電圧を出力する。電源122は、赤色LED182Rと緑色LED182Gと青色LED182Bとに共通して接続される。電源122からの電源電圧は、赤色LED182Rと緑色LED182Gと青色LED182Bとに共通して供給される。赤色LED182Rと緑色LED182Gと青色LED182Bとには同じ電圧値の電源電圧が供給される。
【0080】
<赤色用定電流供給部160R、緑色用定電流供給部160G、青色用定電流供給部160Bの具体的構成>
赤色用定電流供給部160Rは、主に、
DAC162Rと
オペアンプ164Rと
FET(Field-effect transistor)166Rと
センス抵抗168Rとを有する。
【0081】
緑色用定電流供給部160Gは、主に、
DAC162Gと
オペアンプ164Gと
FET166Gと
センス抵抗168Gとを有する。
【0082】
青色用定電流供給部160Bは、主に、
DAC162Bと
オペアンプ164Bと
FET166Bと
センス抵抗168Bとを有する。
【0083】
赤色用定電流供給部160Rと緑色用定電流供給部160Gと青色用定電流供給部160Bを、このように互いに独立した構成としたことにより、赤色LED182Rに供給する電流と、緑色LED182Gに供給する電流と、青色LED182Bに供給する電流とを互いに別個に制御することができる。
【0084】
すなわち、照明装置100は、赤色LED182Rと緑色LED182Gと青色LED182Bとに電源122から電源電圧を共通して供給するとともに、赤色LED182Rに供給する電流と、緑色LED182Gに供給する電流と、青色LED182Bに供給する電流とを互いに別個に制御する。
【0085】
DAC162RとDAC162GとDAC162Bとは、同等の性能及び機能を有する。DAC162Rは、赤色DAC値を示すデジタル信号を、赤色LED182R用のアナログ信号に変換する。赤色DAC値は、赤色LED182R用のアナログ信号の電圧値に対応する。DAC162Gは、緑色DAC値を示すデジタル信号を、緑色LED182G用のアナログ信号に変換する。緑色DAC値は、緑色LED182G用のアナログ信号の電圧値に対応する。DAC162Bは、青色DAC値を示すデジタル信号を、青色LED182B用のアナログ信号に変換する。青色DAC値は、青色LED182B用のアナログ信号の電圧値に対応する。
【0086】
赤色DAC値は、赤色LED182Rに供給する電流の電流値を指示するためのデジタル値であり、赤色LED182Rから発する光の明るさを指定するための値である。緑色DAC値は、緑色LED182Gに供給する電流の電流値を指示するためのデジタル値であり、緑色LED182Gから発する光の明るさを指定するための値である。青色DAC値は、青色LED182Bに供給する電流の電流値を指示するためのデジタル値であり、青色LED182Bから発する光の明るさを指定するための値である。
【0087】
以下では、特に区別する必要がない場合には、DAC162RとDAC162GとDAC162Bとを単にDAC162と称する。
【0088】
オペアンプ164Rとオペアンプ164Gとオペアンプ164Bとは、同等の性能及び機能を有する。以下では、特に区別する必要がない場合には、オペアンプ164Rとオペアンプ164Gとオペアンプ164Bとを単にオペアンプ164と称する。
【0089】
FET166RとFET166GとFET166Bとは、同等の性能及び機能を有する。以下では、特に区別する必要がない場合には、FET166RとFET166GとFET166Bとを単にFET166と称する。
【0090】
センス抵抗168Rとセンス抵抗168Gとセンス抵抗168Bとは、同等の性能及び機能を有する。以下では、特に区別する必要がない場合には、センス抵抗168Rとセンス抵抗168Gとセンス抵抗168Bとを単にセンス抵抗168と称する。
【0091】
赤色用定電流供給部160Rと緑色用定電流供給部160Gと青色用定電流供給部160Bとは、同等の性能及び機能を有する。以下では、特に区別する必要がない場合には、赤色用定電流供給部160Rと緑色用定電流供給部160Gと青色用定電流供給部160Bとを単に定電流供給部160と称する。
【0092】
定電流供給部160の定電流回路は、いわゆる吸い込み型と称される。すなわち、定電流供給部160の外部(電源122)から電源電圧がLED182に供給される。
【0093】
DAC162は、制御部140のI/Oに通信可能に接続されている。DAC162は、I/Oを介してCPUから出力されたDAC値を示すデジタル信号をアナログ信号(調光電圧)に変換する。前述したように、調光値は、LED182から発する光の明るさを定めるための値をいう。調光値は、アナログ信号の電圧値に対応する。
【0094】
DAC162によって変換されたアナログ信号は、オペアンプ164に供給される。オペアンプ164の仮想短絡の機能により、オペアンプ164のプラス側の端子の電位とマイナス側の端子の電位は、同じ電位になる。センス抵抗168の高電位側の端子は、オペアンプ164のマイナス側の端子に電気的に接続されている。DAC162によって変換されたアナログ信号の電圧は、センス抵抗168の高電位側の端子と低電位側の端子とに印加される。LED182に供給される電流は、アナログ信号の電圧値をセンス抵抗168の抵抗値で除した値となる。
【0095】
前述したように、調光値から変換されたDAC値は、アナログ信号の電圧値に対応する。調光値が小さければ、アナログ信号の電圧値も小さくなり、それに応じて、LED182に供給される電流値も小さくなり、LED182から暗い光が発せられる。一方、調光値が大きければ、アナログ信号の電圧値も大きくなり、それに応じて、LED182に供給される電流値も大きくなり、LED182から明るい光が発せられる。
【0096】
FET166は、ドレイン端子とソース端子との間の電位差の変化を吸収するように動作する。具体的には、FET166のドレイン端子とソース端子との間の電位差が大きくなると、FET166での電力消費が多くなり、FET166の発熱が大きくなる。FET166のドレイン端子とソース端子との間の電位差が小さくなると、FET166での電力消費が少なくなり、FET166の発熱が小さくなる。
【0097】
LED182を安定させて駆動するためには、様々な要因による変動を想定して、電源122の電源電圧の電圧値を大きめにするのが好ましい。しかしながら、電源122の電源電圧の電圧値を過剰に大きくすると、FET166の発熱が大きくなり、不安定になりやすくなり好ましくない。
【0098】
したがって、LED182の駆動に必要な電流を供給しつつ、FET166のドレイン端子とソース端子との間の電位差を下げることで、FET166の発熱を抑えることができる。すなわち、LED182の駆動に必要な電流値の電流を供給しつつ、FET166のドレイン端子とソース端子との間の電位差が小さくなるように、電源122の電源電圧の電圧値を調整すればよい。
【0099】
電源122からの電源電圧の電圧値は、
LED182の高電位側の端子と低電位側の端子との間の電位差Vfと、
FET166のドレイン端子とソース端子との間の電位差Vdsと、
センス抵抗168の高電位側の端子と低電位側の端子との間の電位差Vrと、
の総和となる。
【0100】
さらに、本実施の形態では、各種の変動などを想定して、安定化のために、マージンとして冗長電圧値Vmを考慮する。冗長電圧値Vmの具体的な値は、照明条件や使用環境のほか、LED182やFET166の特性などに応じて適宜に定めればよい。
【0101】
すなわち、VfとVdsとVrとVmとの総和が、電源122からの電源電圧の電圧値となるように、電源122を制御することで、LED182を安定して駆動しつつ、FET166の発熱を抑えることができるとともに、電源122やFET166の消費電力を少なくできる。
【0102】
<赤色用電圧検出部170R、緑色用電圧検出部170G、青色用電圧検出部170Bの具体的構成>
赤色用電圧検出部170Rは、主に、ADC172Rを有する。ADC172Rは、赤色LED182Rの低電位側の端子とFET166のドレイン端子とを接続する接続線124Rの電圧値を検出する。前述したように、ADC172Rは、定電流回路基板150に設けられている。ADC172Rは、接続線124Rのうちの定電流回路基板150側での電圧を検出する。
【0103】
ADC172Rの出力端子は、制御部140のI/Oに通信可能に接続されている。ADC172Rは、検出した電圧値をデジタル信号に変換する。ADC172Rは、制御部140のI/Oを介して、変換したデジタル信号を制御部140のCPUに供給する。制御部140のCPUは、ADC172Rが検出した電圧値を取得することができる。ADC172Rが検出した電圧値は、VdsとVrとVmと和の値である。すなわち、制御部140のCPUは、LED182Rの高電位側の端子と低電位側の端子との間の電圧値Vfを除いた電圧値を取得する。
【0104】
緑色用電圧検出部170Gは、主に、ADC172Gを有する。緑色用電圧検出部170Gは、赤色用電圧検出部170Rと同様の構成を有する。したがって、制御部140のCPUは、ADC172Gが検出した電圧値を取得することができる。ADC172Gが検出した電圧値は、VdsとVrとVmとの和の値である。
【0105】
青色用電圧検出部170Bは、主に、ADC172Bを有する。青色用電圧検出部170Bも赤色用電圧検出部170Rと同様の構成を有する。したがって、制御部140のCPUは、ADC172Bが検出した電圧値を取得することができる。ADC172Bが検出した電圧値は、VdsとVrとVmとの和の値である。
【0106】
前述したように、ADC172Rが検出する電圧値は、LED182Rの高電位側の端子と低電位側の端子との間の電圧値Vfを除いた電圧値(VdsとVrとVmとの和)である。ADC172Gが検出する電圧値は、LED182Gの高電位側の端子と低電位側の端子との間の電圧値Vfを除いた電圧値(VdsとVrとVmとの和)である。ADC172Bが検出する電圧値は、LED182Bの高電位側の端子と低電位側の端子との間の電圧値Vfを除いた電圧値(VdsとVrとVmとの和)である。以下では、簡便のため、ADC172R、ADC172G及びADC172Bが検出する電圧値を、LED低電位電圧値と称する。
【0107】
<<調光値と明るさ(照度)とのリニアリティ及び定電流供給部160の動作>>
<調光値からDAC値への変換>
調光値は、前述したように、LED182から発する光の明るさに対応付けられた値である。調光値は、制御部140で処理可能なデジタル値(量子化調光値)である。調光値は、通常調光値テーブルや色合い固定調光値テーブルなど(後述する図6図16図17など)を参照してDAC値に変換される。DAC値は、LED182に供給する電流の電流値を指示するためのデジタル値であり、LED182から発する光の明るさを指定するための値である。
【0108】
<リニアリティ(線形性、直線性)>
LED182は、供給された電流の大きさに応じた明るさの光を発する。発光ダイオードなどの発光素子は、供給された電流の大きさに対して、光の明るさが線形に変化しない特性を有する場合がある。しかしながら、調整や制御の簡便の観点から、発する光の明るさ(照度)が、調光値に対して線形に変化する関係を形成することで、調光値から光の明るさを制御しやすくできる。
【0109】
通常調光値テーブルや色合い固定調光値テーブルなどの調光値テーブルは、調光値と照度との間でリニアリティ(線形性、直線性)を有するように、調光値にDAC値が事前に割り当てられたテーブルである。調光値テーブルを参照することで、調光値に対して、リニアリティの関係を有するDAC値に変換できる。言い換えれば、調光値の変化に対して線形に変化(例えば、比例など)するようにDAC値を決定することができる。
【0110】
調光値テーブルは、LED182から発せられる光の照度を計測することで形成できる。LED182の互いに異なる複数の明るさ(照度)を実測し、複数の照度の各々に対応する調光値に、その照度となるDAC値を対応づけて記憶させることで調光値テーブルを生成できる。LED182の明るさは、照度計などを用いて測定する。
【0111】
<百分率調光値及び量子化調光値>
本実施の形態では、調光値として、百分率調光値及び量子化調光値を用いる。百分率調光値は、百分率で表現した調光値である。百分率調光値は、0~100%の値となる。百分率調光値が0%は、LED182は消灯された状態である。百分率調光値が100%は、LED182は最も明るく点灯された状態である。最も明るく点灯された状態は、制御することができかつ必要とされる明るさよりも明るい任意の状態にすればよい。量子化調光値は、所定の量子化ビット数で表現可能な範囲の数値(本実施の形態では、ゼロ及び正の整数)によって、調光値を表すことができる。量子化ビット数を10ビットとしたときには、量子化調光値は、0~1023の1024個のいずれかの値となる。量子化ビット数を8ビットとしたときには、量子化調光値は、0~255の256個のいずれかの値となる。
【0112】
百分率調光値と量子化調光値とは、対応づけることができる。例えば、量子化ビット数が10ビットである場合には、以下のように対応する。百分率調光値の0%は、量子化調光値の0に対応する。百分率調光値の25%は、量子化調光値の256に対応する。百分率調光値の50%は、量子化調光値の512に対応する。百分率調光値の75%は、量子化調光値の768に対応する。百分率調光値の100%は、量子化調光値の1023に対応する。以下では、通常調光の場合には、百分率調光値が100%であるときの量子化調光値を最大量子化調光値と称する。なお、色合い固定調光値の場合には、調光値比率に応じて定まる最大の調光値を最大量子化調光値と称する。
【0113】
<調光値テーブルの生成>
調光値テーブルの生成の手順について説明する。
【0114】
まず、百分率調光値が100%の照度でLED182から光を発したときの量子化調光値とDAC値とを対応付ける。この百分率調光値が100%のときの照度を、調光値テーブルの生成のための基準照度とする。
【0115】
次に、調光値を減少させて、LED182から発する光の照度が基準照度の75%となる照度を検出する。基準照度の75%となったときの量子化調光値とDAC値とを対応付ける。
【0116】
さらに、調光値を減少させて、LED182から発する光の照度が基準照度の50%となる照度を検出する。基準照度の50%となったときの量子化調光値とDAC値とを対応付ける。
【0117】
同様にして、LED182から発する光の照度が基準照度の25%となるときの量子化調光値とDAC値とを対応付ける。LED182から発する光の照度が基準照度の1%となるときの量子化調光値とDAC値とを対応付ける。
【0118】
このようにして。基準照度の1%、25%、50%、75%、100%の照度の各々について、量子化調光値とDAC値とを対応付けることができる。
【0119】
図5は、赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182Bの各々について、基準照度の1%、25%、50%、75%、100%の照度の各々で、量子化調光値とDAC値とを対応付けたテーブルの一例である。DAC値は、制御部140のCPUが処理できる範囲の値であればよい。
【0120】
図5に示す例では、赤色LED182Rについては、量子化調光値が1のときのDAC値は356であり、量子化調光値が256のときのDAC値は4,902であり、量子化調光値が512のときのDAC値は13,489であり、量子化調光値が767のときのDAC値は19,665であり、量子化調光値が1023のときのDAC値は34,459である。
【0121】
緑色LED182Gについては、量子化調光値が1のときのDAC値は426であり、量子化調光値が256のときのDAC値は8,600であり、量子化調光値が512のときのDAC値は16,933であり、量子化調光値が767のときのDAC値は30,333であり、量子化調光値が1023のときのDAC値は48,900である。
【0122】
青色LED182Bについては、量子化調光値が1のときのDAC値は399であり、量子化調光値が256のときのDAC値は8,001であり、量子化調光値が512のときのDAC値は15,634であり、量子化調光値が767のときのDAC値は24,888であり、量子化調光値が1023のときのDAC値は40,255である。
【0123】
<DAC値の補間>
基準照度の1%、25%、50%、75%、100%の照度の各々について、量子化調光値とDAC値とを対応付けた5つの関係から、量子化調光値0~1023の全ての範囲に対応するDAC値を補間計算により決定する。なお、補間計算は、DAC値が量子化調光値に対応付けられていない範囲のDAC値に対して実行される。
【0124】
具体的には、以下のようにして決定する。量子化調光値21~255の範囲のDAC値は、量子化調光値1のDAC値と、量子化調光値256のDAC値との2つのDAC値とから、線形補間近似により決定する。量子化調光値257~511の範囲のDAC値は、量子化調光値256のDAC値と、量子化調光値512のDAC値との2つのDAC値とから、線形補間近似により決定する。量子化調光値513~766の範囲のDAC値は、量子化調光値512のDAC値と、量子化調光値767のDAC値との2つのDAC値とから、線形補間近似により決定する。量子化調光値768~1022の範囲のDAC値は、量子化調光値768のDAC値と、量子化調光値1023のDAC値との2つのDAC値とから、線形補間近似により決定する。
【0125】
図6は、赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182Bの各々について、量子化調光値0~1023のすべての範囲に対応するDAC値を補間計算により決定したテーブルである。この図6に示すテーブルが、通常調光値テーブルである。
【0126】
例えば、量子化調光値230のときの赤色LED182RのDAC値は4438であり、緑色LED182GのDAC値は7767であり、青色LED182BのDAC値は7226である。また、量子化調光値888のときの赤色LED182RのDAC値は26657であり、緑色LED182GのDAC値は39109であり、青色LED182BのDAC値は32151である。さらに、量子化調光値967のときの赤色LED182RのDAC値は31223であり、緑色LED182GのDAC値は44838であり、青色LED182BのDAC値は36893である。
【0127】
図7は、図6の通常調光値テーブルをグラフ化した図である。赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182Bの各々について、0~255、257~511、513~766、768~1022のそれぞれの量子化調光値の範囲において、DAC値は直線で近似されて補間されている。
【0128】
<DAC値からアナログ信号への変換>
前述したように、調光値は、通常調光値テーブル(図6)や色合い固定調光値テーブル(後述する図16図17)などを参照してDAC値に変換される。DAC値は、DAC162によって、アナログ信号に変換される。変換されたアナログ信号の電圧値がLED182に供給される電流の電流値に対応する。アナログ信号の電圧値によって、LED182に供給される電流の電流値を決定することができる。
【0129】
<アナログ信号から電流への変換>
定電流供給部160の定電流回路は、DAC162によって変換されたアナログ信号の電圧値に応じた電流値の定電流を生成する。定電流供給部160の定電流回路によって生成された電流は、LED182に供給される。
【0130】
以上説明したように、調光値から調光値テーブルを参照してDAC値に変換され、DAC値からアナログ信号(電圧値)に変換され、アナログ信号からLED182に供給される定電流に変換される。LED182は、供給された電流の電流値に応じた明るさ(照度)の光を発する。リニアリティを有するように、調光値からDAC値に変換されるので、調光値は、LED182から発する光の明るさ(照度)とリニアリティを有する。より詳細には、各色について、以下のように処理される。
【0131】
<赤色>
赤色調光値から調光値テーブルを参照することで赤色DAC値に変換される。DAC162Rによって、赤色DAC値からアナログ信号(電圧値)に変換される。アナログ信号は、FET166Rなどによって定電流に変換される。変換された定電流は、赤色LED182Rに供給される。赤色LED182Rは、供給された定電流の電流値に応じた明るさ(照度)の赤色の光を発する。
【0132】
<緑色>
緑色調光値から調光値テーブルを参照することで緑色DAC値に変換される。DAC162Gによって、緑色DAC値からアナログ信号(電圧値)に変換される。アナログ信号は、FET166Gなどによって定電流に変換される。変換された定電流は、緑色LED182Gに供給される。緑色LED182Gは、供給された定電流の電流値に応じた明るさ(照度)の緑色の光を発する。
【0133】
<青色>
青色調光値から調光値テーブルを参照することで青色DAC値に変換される。DAC162Bによって、青色DAC値からアナログ信号(電圧値)に変換される。アナログ信号は、FET166Bなどによって定電流に変換される。変換された定電流は、青色LED182Bに供給される。青色LED182Bは、供給された定電流の電流値に応じた明るさ(照度)の青色の光を発する。
【0134】
<<<<照明装置100における処理>>>>
図4は、照明装置100において実行される調光制御の処理を示すフローチャートである。調光制御の処理では、まず、通常調光をするか、又は色合い固定調光をするか否かを判断する。通常調光をする場合には、図4のステップS413~S417の処理が実行される。
【0135】
さらに、色合い固定調光をする場合には、量子化調光値の分解能を維持するか、又は量子化調光値の分解能を高めるか否かを判断する。量子化調光値の分解能を維持する場合には、図4のステップS423~S429の処理が実行される。量子化調光値の分解能を高める場合には、図4のステップS431~S435の処理が実行される。
【0136】
通常調光は、色合いを保持しない通常の調光をいう。通常調光では、赤色の光の明るさと、緑色の光の明るさと、青色の光の明るさとを、互いに独立して調整することができる。通常調光に対して、色合い固定調光は、色合いを保持(固定)して明るさを変更できる調光をいう。色合い固定調光は、赤色の光の明るさと緑色の光の明るさと青色の光の明るさとの比率(図8参照)を保持(固定)しつつ、発光する光の全体の明るさを変更できる調光をいう。具体的には、赤色の調光値と緑色の調光値と青色の調光値との調光値比率を保持することで、色合いを固定しつつ、発光する光の全体の明るさを変更することができる。
【0137】
図4の調光制御の処理において、制御部140のCPUは、最初に、通常調光をするか否かを判断する(ステップS411)。
【0138】
<<通常調光>>
制御部140のCPUは、通常調光をすると判断したときには(YES)、通常調光値テーブル(例えば、図6参照)を選択する(ステップS413)。通常調光値テーブルは、通常調光において、調光値からDAC値に変換するためのテーブルである。
【0139】
制御部140のCPUは、操作者の操作部130の操作によって設定され、制御部140のRAMに記憶されている赤色調光値、緑色調光値、青色調光値を読み出し、赤色調光値、緑色調光値、青色調光値から通常調光値テーブルを参照して赤色DAC値、緑色DAC値、青色DAC値を読み出す(ステップS415)。例えば、図6に示すような通常調光値テーブルを参照して、調光値に対応するDAC値を読み出す。これにより、調光値に対して、リニアリティを有するDAC値を決定することができる。
【0140】
次に、制御部140のCPUは、読み出した赤色DAC値、緑色DAC値、青色DAC値に基づいて、赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182Bの発光制御し(ステップS417)、本サブルーチンを終了する。
【0141】
前述したように、読み出したDAC値は、DAC162によってアナログ信号(電圧値)に変換され、アナログ信号からLED182に供給される電流に変換される。変換された電流値の電流がLED182に供給される。LED182は、供給された電流の電流値に応じた明るさ(照度)の光を発する。
【0142】
具体的には、赤色LED182Rからは、供給された電流の電流値に応じた明るさの赤色の光を発する。緑色LED182Gからは、供給された電流の電流値に応じた明るさの緑色の光を発する。青色LED182Bからは、供給された電流の電流値に応じた明るさの青色の光を発する。
【0143】
<<色合い固定調光>>
図8は、色合いの具体例を示す図である。前述したように、色あいは、赤色の調光値と、緑色の調光値と、青色の調光値との調光値比率によって決定される。
【0144】
図8(a)は、赤色の調光値と、緑色の調光値と、青色の調光値との調光値比率が、888:1023:967であるときの調光値比率を示す図である。最も調光値が大きい色は緑色で、緑色の最大量子化調光値は1023である。赤色の最大量子化調光値は888であり、青色の最大量子化調光値は967である。通常調光の場合には、百分率調光値が100%であるときの量子化調光値を最大量子化調光値としたが、色合い固定調光の場合には、調光値比率に応じて最も大きくできる量子化調光値を最大量子化調光値とする。すなわち、色合い固定調光の場合には、赤色の最大量子化調光値と緑色の最大量子化調光値と青色の最大量子化調光値との比が、色合いを示す調光値比率となる。
【0145】
図8(a)に示すように、3%、10%、50%などの100%以外の百分率調光値であるときでも、赤色の調光値と、緑色の調光値と、青色の調光値との調光値比率である888:1023:967は保持される。
【0146】
図8(b)は、赤色の調光値と、緑色の調光値と、青色の調光値との調光値比率が、230:1023:230であるときの調光値比率を示す図である。最も調光値が大きい色は緑色で、緑色の最大量子化調光値は1023である。赤色の最大量子化調光値及び青色の最大量子化調光値は230である。図8(a)と同様に、赤色の最大量子化調光値と緑色の最大量子化調光値と青色の最大量子化調光値との比が、色合いを示す調光値比率である。
【0147】
図8(b)に示すように、3%、10%、50%などの100%以外の百分率調光値であるときでも、赤色の調光値と、緑色の調光値と、青色の調光値との調光値比率である230:1023:230は保持される。
【0148】
<主調整調光値(主調整量子化調光値)>
色合い固定調光では、調光値比率を保ちつつ、発光部180から発する赤色の光と緑色の光と青色の光との全ての色の光の明るさを調整することができる。全ての色の光の明るさは、操作者が操作部130を操作することで決定される。色合い固定調光では、明るさを調整するための単一の調光値が、操作部130の操作で決定される。
【0149】
この単一の調光値によって、調光値比率を保ちつつ、赤色の光と緑色の光と青色の光との全ての色の光の明るさを決定することができる。すなわち、単一の調光値は、いわゆるマスターボリュームとして機能する。以下では、この単一の調光値を主調整調光値又は主調整量子化調光値と称する。主調整調光値によって、赤色調整調光値(赤色調整量子化調光値)、緑色調整調光値(緑色調整量子化調光値)、青色調整調光値(青色調整量子化調光値)が、調光値比率に従って、一義的に決定される。
【0150】
赤色調整調光値(赤色調整量子化調光値)は、色合い固定調光において、赤色DAC値を決定するための調光値である。緑色調整調光値(緑色調整量子化調光値)は、色合い固定調光において、緑色DAC値を決定するための調光値である。青色調整調光値(青色調整量子化調光値)は、色合い固定調光において、青色DAC値を決定するための調光値である。
【0151】
主調整調光値という単一の調光値を用いることで、赤色の光の明るさと緑色の光の明るさと青色の光の明るさとを別個に調整することなく、色合いを保ちつつ、赤色の光と緑色の光と青色の光との全ての色の光の明るさを調整することができる。
【0152】
なお、本実施の形態では、操作者の操作によって色合い(調光値比率)は、事前に設定される。色合いを設定する色合い設定処理については後述する(図9及び図10参照)。
【0153】
図4の調光制御の処理において、制御部140のCPUは、通常調光をしないと判断したときには(NO)、制御部140のRAMから調光値比率を読み出す(ステップS419)。図9及び図10に示す色合い設定処理によって、操作者が所望する色合いが決定されて、決定された色合いは、制御部140のRAMに、調光値比率として記憶される(図11参照)。
【0154】
図11は、調光値比率の具体例を示すテーブルである。本実施の形態では、4通りの調光値比率が、制御部140のRAMに記憶される。
【0155】
第1の調光値比率は、赤色と緑色と青色とについて888:1023:967である。第2の調光値比率は、赤色と緑色と青色とについて230:1023:230である。第3の調光値比率は、赤色と緑色と青色とについて1023:1023:102である。第4の調光値比率は、赤色と緑色と青色とについて100:200:1023である。
【0156】
次に、図4の調光制御の処理において、制御部140のCPUは、ステップS419の処理の後、量子化調光値の分解能を変更するか否かを判断する(ステップS421)。量子化調光値の分解能及び分解能の変更については後述する。
【0157】
<量子化調光値の分解能を変更しない場合>
次に、制御部140のCPUは、量子化調光値の分解能を変更しないと判断したときには(NO)、赤色、緑色、青色のうち、調光値比率を構成する調光値が最も大きい色を決定する(ステップS423)。
【0158】
例えば、図11に示す例で、第1の調光値比率及び第2の調光値比率では、調光値比率を構成する調光値が最も大きい色は緑色である。第3の調光値比率では、調光値比率を構成する調光値が最も大きい色は赤色及び緑色である。第4の調光値比率では、調光値比率を構成する調光値が最も大きい色は青色である。
【0159】
次に、制御部140のCPUは、ステップS423の処理で決定した色に基づいて、主調整量子化調光値を決定する(ステップS425)。前述したように、主調整量子化調光値は、調光値比率を保ちつつ、赤色の光と緑色の光と青色の光との全ての色の光の明るさを決定する。主調整量子化調光値によって、赤色調整量子化調光値、緑色調整量子化調光値、青色調整量子化調光値が、調光値比率に従って、一義的に決定される。以下では、赤色調整量子化調光値、緑色調整量子化調光値、青色調整量子化調光値を区別する必要がない場合には、調整量子化調光値と称する。
【0160】
<赤色量子化調光値、緑色量子化調光値、青色量子化調光値>
図11の第1の調光値比率の例では、調光値比率を保ちつつ、赤色量子化調光値は0~888の範囲で変化することができ、緑色量子化調光値は0~1023の範囲で変化することができ、青色量子化調光値は0~967の範囲で変化することができる。この場合には、赤色の最大量子化調光値は888であり、緑色の最大量子化調光値は1023であり、青色の最大量子化調光値は967である。
【0161】
図11の第2の調光値比率の例では、調光値比率を保ちつつ、赤色量子化調光値は0~230の範囲で変化することができ、緑色量子化調光値は0~1023の範囲で変化することができ、青色量子化調光値は0~230の範囲で変化することができる。この場合には、緑色の最大量子化調光値は1023であり、赤色及び青色の最大量子化調光値は230である。
【0162】
図11の第3の調光値比率の例では、調光値比率を保ちつつ、赤色量子化調光値は0~1023の範囲で変化することができ、緑色量子化調光値は0~1023の範囲で変化することができ、青色量子化調光値は0~102の範囲で変化することができる。この場合には、赤色及び緑色の最大量子化調光値は1023であり、青色の最大量子化調光値は102である。
【0163】
図11の第4の調光値比率の例では、調光値比率を保ちつつ、赤色量子化調光値は0~100の範囲で変化することができ、緑色量子化調光値は0~200の範囲で変化することができ、青色量子化調光値は0~1023の範囲で変化することができる。この場合には、赤色の最大量子化調光値は100であり、緑色の最大量子化調光値は200であり、青色の最大量子化調光値は1023である。
【0164】
本実施の形態では、調光値比率を保ちつつ、赤色調整量子化調光値と緑色調整量子化調光値と青色調整量子化調光値とを決定する際には、調光値比率を構成する調光値が最も大きい色の調整量子化調光値を基準にする。すなわち、調光値比率を構成する調光値が最も大きい色は、0~1023の最も広い範囲(量子化ビット数で決定される最も広い範囲)で調整量子化調光値を決定することができる。本実施の形態では、調光値比率を構成する調光値が最も大きい色の調整量子化調光値を主調整量子化調光値とする。
【0165】
このようにすることで、主調整量子化調光値は、0~1023の最も広い範囲(量子化ビット数で決定される最も広い範囲)のいずれかの値となる。単一の主調整量子化調光値を基準にすることで、調光値比率を保ちつつ、調光値比率を構成する調光値が小さい色の調整量子化調光値を決定することができる。
【0166】
次に、図4の調光制御の処理において、制御部140のCPUは、調光値比率を構成する調光値が最も大きい色の調光値よりも小さい色の調整量子化調光値を主調整量子化調光値から算出する(ステップS427)。
【0167】
例えば、図11の第1の調光値比率の例では、調光値比率を構成する調光値が最も大きい色は緑色である。緑色の調整量子化調光値を主調整量子化調光値として、調光値比率を構成する調光値が、緑色の調光値よりも小さい赤色及び青色の赤色調整量子化調光値及び青色調整量子化調光値を決定する。前述したように、緑色調整量子化調光値は0~1023の範囲で変化することができるが、赤色調整量子化調光値は0~888の範囲でのみ変化でき、青色調整量子化調光値は0~967の範囲でのみ変化できる。
【0168】
例えば、主調整量子化調光値である緑色調整量子化調光値が、操作部130の操作に応じて215であった場合に、赤色調整量子化調光値rxは、緑色の最大量子化調光値1023と赤色の最大量子化調光値888とを用いることで調光値比率を保持して、1023:888=215:rxから算出することができる。この式から、rx=888/1023×215=195と赤色調整量子化調光値を算出できる。このように調光値比率を保持して、調光値比率の調光値が小さい色の調整量子化調光値を算出することができる。
【0169】
次に、制御部140のCPUは、赤色調整量子化調光値から赤色DAC値を決定し、緑色調整量子化調光値から緑色DAC値を決定し、青色調整量子化調光値から青色DAC値を決定し(ステップS429)、ステップS417の処理を実行する。ステップS429の処理は、図6に示す通常調光値テーブルを参照してDAC値を決定する。
【0170】
<<量子化調光値の分解能を変更しない場合のDAC値>>
量子化調光値の分解能を変更しない場合に、ステップS429の処理で決定されるDAC値の例を図12及び図13に示す。
【0171】
図12は、赤色と緑色と青色との調光値比率が、888:1023:967(図11に示した第1の調光値比率)のときに、主調整量子化調光値に対応付けられたDAC値の例である。調光値比率を構成する調光値の最小は、赤色の888であり、調光値比率を構成する調光値の最大は、緑色の1023であり、調光値比率を構成する調光値の差は135で、最大量子化調光値の1023の1/2である512よりも小さい。
【0172】
この場合には、主調整量子化調光値11及び12は、赤色の元の調光値の10に対応し、DAC値は、516である。すなわち、連続する2つの主調整量子化調光値11及び12に対応するDAC値は同じ516となる。また、主調整量子化調光値13に対応するDACは516とは異なる534となる。
【0173】
連続する複数の主調整量子化調光値に対して同じDAC値となることで、DAC値は階段状に変化する。DAC値が階段状に変化する現象は、赤色の場合には、主調整量子化調光値が18及び19や26及び27や1004及び1005や1011及び1012や1019及び1020などで生ずる。青色の場合には、主調整量子化調光値が9及び10や27及び28や1013及び1014などで生ずる。
【0174】
図13は、赤色と緑色と青色との調光値比率が、230:1023:230(図11に示した第2の調光値比率)のときに、主調整量子化調光値に対応付けられたDAC値の例である。調光値比率を構成する調光値の最小は、赤色及び青色の230であり、調光値比率を構成する調光値の最大は、緑色の1023であり、調光値比率を構成する調光値の差は793で、最大量子化調光値の1023の1/2である512よりも大きい。
【0175】
この場合には、DAC値が階段状に変化する現象は、赤色及び青色については、主調整量子化調光値が1~6や7~11や12~15や16~20など多くの主調整量子化調光値で生ずる。DAC値が階段状に変化すると、主調整量子化調光値の変化に対して、LEDから発せられる光の明るさが突然に変化することになり、連続的に明るさを変化させることが困難となる。
【0176】
DAC値が階段状に変化する現象は、調光値比率を構成する調光値の最大と最小の差が大きい場合に生じやすくなる。したがって、図4のステップS421の量子化調光値の分解能を変更するか否かの判断処理は、調光値比率を構成する調光値の最大と最小の差が所定値(例えば、最大量子化調光値の1023の1/2である512)よりも大きい場合には、量子化調光値の分解能を変更するのが好ましい。
【0177】
<量子化調光値の分解能を変更する場合>
量子化調光値の分解能を変更する場合にも、主調整調光値によって、赤色調整調光値(赤色調整量子化調光値)、緑色調整調光値(緑色調整量子化調光値)、青色調整調光値(青色調整量子化調光値)が、調光値比率に従って、一義的に決定される。
【0178】
制御部140のCPUは、図4の調光制御の処理において、ステップS421の判断処理で、量子化調光値の分解能を変更すると判断したときには(YES)、既に使用している調光値比率と同じ調光値比率を継続して使用するか否かを判断する(ステップS431)。
【0179】
制御部140のCPUは、既に使用している調光値比率と同じ調光値比率を継続して使用しないと判断したときには(NO)、後述する色合い固定調光値テーブル生成の処理を呼び出して実行する(ステップS433)。
【0180】
制御部140のCPUは、ステップS433の処理を実行した後、又はステップS431の判断処理で既に決定している調光値比率と同じ調光値比率を継続して使用すると判断したときには(YES)、既に生成している色合い固定調光値テーブルからDAC値を読み出し(ステップS435)、ステップS417の処理を実行する。
【0181】
具体的には、ステップS435の処理は、ステップS433で生成した色合い固定調光値テーブルを参照して、赤色調整量子化調光値から赤色DAC値を決定し、緑色調整量子化調光値から緑色DAC値を決定し、青色調整量子化調光値から青色DAC値を決定する。
【0182】
<色合い固定調光値テーブル生成処理>
図14は、色合い固定調光値テーブルを生成する処理を示すフローチャートである。この処理は、前述したステップS433の処理で呼び出されて実行される。
【0183】
最初に、制御部140のCPUは、調光値比率を構成する調光値が最も大きい色を決定する(ステップS1411)。この処理は、前述した図4のステップS423の処理と同様の処理である。図11に示す調光値比率の具体例の場合には、第1の調光値比率及び第2の調光値比率では、調光値比率を構成する調光値が最も大きい色は緑色であり、第3の調光値比率では、調光値比率を構成する調光値が最も大きい色は赤色及び緑色であり、第4の調光値比率では、調光値比率を構成する調光値が最も大きい色は青色である。
【0184】
次に、制御部140のCPUは、調光値比率を構成する調光値が小さい色の最大量子化調光値に対応するDAC値を通常調光値テーブルから読み出す(ステップS1413)。
【0185】
例えば、図11に示す第1の調光値比率では、赤色及び青色が、調光値比率を構成する調光値が小さい色であり、赤色の最大量子化調光値888に対応するDAC値26657と、青色の最大量子化調光値967に対応するDAC値の36893とを通常調光値テーブル(図6)から読み出す。
【0186】
また、図11に示す第2の調光値比率では、赤色及び青色が、調光値比率を構成する調光値が小さい色であり、赤色の最大量子化調光値230に対応するDAC値4438と、青色の最大量子化調光値230に対応するDAC値の7226とを通常調光値テーブル(図6)から読み出す。
【0187】
次に、制御部140のCPUは、図14の色合い固定調光値テーブル生成処理において、調光値比率を構成する調光値が最も大きい色の量子化調光値の分解能に応じて、調光値比率を構成する調光値が小さい色の最大量子化調光値を決定する(ステップS1415)。具体的には、調光値比率を構成する調光値が小さい色の最大量子化調光値を、調光値比率を構成する調光値が最も大きい色の最大量子化調光値に一致させることで、全ての色の最大量子化調光値を揃える。なお、量子化調光値の分解能を変更する場合でも、調光値比率を構成する調光値が最も大きい色の調整量子化調光値を主調整量子化調光値とする。
【0188】
例えば、図11に示す第1の調光値比率では、赤色及び青色が、調光値比率を構成する調光値が小さい色であり、赤色の元の最大量子化調光値は888であり、青色の元の最大量子化調光値は967である。赤色及び青色の新たな最大量子化調光値を、緑色の最大量子化調光値1023と同じ1023にして、全ての色の最大量子化調光値を揃える。
【0189】
また、図11に示す第2の調光値比率では、赤色及び青色が、調光値比率を構成する調光値が小さい色であり、赤色の元の最大量子化調光値は230である。赤色及び青色の新たな最大量子化調光値を、緑色の最大量子化調光値1023と同じ1023にして、全ての色の最大量子化調光値を揃える。
【0190】
次に、制御部140のCPUは、最大量子化調光値を揃えた後の最大量子化調光値に通常調光値テーブルから読み出したDACを割り当てる(ステップS1417)。
【0191】
例えば、図11に示す第1の調光値比率では、赤色及び青色が、調光値比率を構成する調光値が小さい色であり、赤色の新たな最大量子化調光値1023に、元の最大量子化調光値888に対応するDAC値26657を割り当て、青色の新たな最大量子化調光値1023に、元の最大量子化調光値967に対応するDAC値36893を割り当てる。
【0192】
また、図11に示す第2の調光値比率では、赤色及び青色が、調光値比率を構成する調光値が小さい色であり、赤色の新たな最大量子化調光値1023に、元の最大量子化調光値230に対応するDAC値4438を割り当て、青色の新たな最大量子化調光値1023に、元の最大量子化調光値230に対応するDAC値7226を割り当てる。
【0193】
次に、制御部140のCPUは、補間処理用テーブルを生成する(ステップS1419)。例えば、図15に示すテーブルを生成する。具体的には、変換前の元の最大量子化調光値に応じて、補間処理に使用する量子化調光値を選択して補間処理用テーブルを生成する。量子化調光値の選択は、1%、25%、50%、75%、100%の百分率調光値に対応する量子化調光値の数が最も多くなるように量子化調光値を選択する。
【0194】
図15(a)に示すように、赤色の変換前の元の最大量子化調光値は888である。最大量子化調光値888は、75%の百分率調光値に対応する量子化調光値767と、100%の百分率調光値に対応する量子化調光値1023との間の値である。この場合には、1%、25%、50%、75%の百分率調光値に対応する量子化調光値と、量子化調光値888とを利用する。
【0195】
すなわち、図15(a)に示すように、赤色の場合には、
1%の百分率調光値に対応する量子化調光値1と、そのDAC値356と、
25%の百分率調光値に対応する量子化調光値295と、そのDAC値4902と、
50%の百分率調光値に対応する量子化調光値590と、そのDAC値13489と、
75%の百分率調光値に対応する量子化調光値884と、そのDAC値19665と、
新たな最大量子化調光値1023と、元の最大量子化調光値888のDAC値26657と、
を補間のために使用する。
【0196】
また、図15(a)に示すように、緑色は、主調整量子化調光値であるので、通常調光の量子化調光値と、そのDAC値とをそのまま利用する。
【0197】
さらに、図15(a)に示すように、青色の変換前の元の最大量子化調光値は967である。最大量子化調光値967は、75%の百分率調光値に対応する量子化調光値767と、100%の百分率調光値に対応する量子化調光値1023との間の値である。この青色の場合にも、1%、25%、50%、75%の百分率調光値に対応する量子化調光値と、量子化調光値967とを利用する。
【0198】
すなわち、図15(a)に示すように、青色の場合には、
1%の百分率調光値に対応する量子化調光値1と、そのDAC値399と、
25%の百分率調光値に対応する量子化調光値271と、そのDAC値8001と、
50%の百分率調光値に対応する量子化調光値542と、そのDAC値15634と、
75%の百分率調光値に対応する量子化調光値811と、そのDAC値24888と、
新たな最大量子化調光値1023と、元の最大量子化調光値967のDAC値36893と、
を補間のために使用する。
【0199】
さらにまた、図15(b)に示すように、赤色及び青色の変換前の元の最大量子化調光値は230である。最大量子化調光値230は、1%の百分率調光値に対応する量子化調光値1と、25%の百分率調光値に対応する量子化調光値256との間の値である。この場合には、1%の百分率調光値に対応する量子化調光値と、量子化調光値230とを利用する。
【0200】
すなわち、図15(b)に示すように、赤色の場合には、
1%の百分率調光値に対応する量子化調光値1と、そのDAC値356と、
新たな最大量子化調光値1023と、元の最大量子化調光値230のDAC値4438と、
を補間のために使用する。
【0201】
また、図15(b)に示すように、緑色は、主調整量子化調光値であるので、通常調光の量子化調光値と、そのDAC値とをそのまま利用する。
【0202】
また、図15(b)に示すように、青色の場合には、
1%の百分率調光値に対応する量子化調光値1と、そのDAC値399と、
新たな最大量子化調光値1023と、元の最大量子化調光値230のDAC値7226と、
を補間のために使用する。
【0203】
このように、量子化調光値の数が最も多くなるように量子化調光値を選択して補間計算に用いる。
【0204】
次に、制御部140のCPUは、図14の色合い固定調光値テーブル生成処理において、赤色、緑色、青色の各々について、量子化調光値と、量子化調光値の各々に対応するDAC値とから、線形補間近似により決定する(ステップS1421)。
【0205】
例えば、量子化調光値2~255の範囲のDAC値は、量子化調光値1のDAC値と、量子化調光値256のDAC値との2つのDAC値とから、線形補間近似により決定する。また。量子化調光値768~1022の範囲のDAC値は、量子化調光値767のDAC値と、量子化調光値1023のDAC値との2つのDAC値とから、線形補間近似により決定する。
【0206】
次に、制御部140のCPUは、算出したDAC値を主調整量子化調光値に対応付けて色合い固定調光値テーブルとして記憶し(ステップS1423)、本サブルーチンを終了する。
【0207】
図16及び図17は、分解能を変更して、線形補間近似により0~1023に亘ってDAC値を割り当て直して生成した色合い固定調光値テーブルの例を示す。
【0208】
図16は、図11に示す第1の調光値比率について、赤色、緑色、青色の各々に対して、主調整量子化調光値0~1023の範囲に亘って、赤色DAC値と緑色DAC値と青色DAC値とを割り当て直している。図17は、図11に示す第2の調光値比率について、赤色、緑色、青色の各々に対して、主調整量子化調光値0~1023の範囲に亘って、赤色DAC値と緑色DAC値と青色DAC値とを割り当て直している。
【0209】
このように、色合い固定調光値テーブルを生成することによって、主調整量子化調光値の変化に対して、赤色DAC値と緑色DAC値と青色DAC値とのいずれのDAC値も階段状に変化することを防止し、赤色DAC値と緑色DAC値と青色DAC値とが連続して変化するように主調整量子化調光値に割り当てることができる。赤色DAC値と緑色DAC値と青色DAC値が連続して変化するように主調整量子化調光値に割り当てることによって、色合いを保ちつつ、主調整量子化調光値の変化に対して、明るさが連続して変化するように、赤色LED182R、緑色LED182G、青色LED182Bの全てから光を発することができる。
【0210】
<<<色合い設定処理>>>
図9及び図10は、操作者の操作によって所望する色合いを設定するための処理を示すフローチャートである。
【0211】
最初に、制御部140のCPUは、操作者の操作によって赤色の調整が選択されたか否かを判断する(ステップS911)。
【0212】
制御部140のCPUは、操作者の操作によって赤色の調整が選択されたと判断したときには(YES)、操作者の操作によって赤色の調光値の操作がされたか否かを判断する(ステップS913)。
【0213】
制御部140のCPUは、操作者の操作によって赤色の調光値の操作がされたと判断したときには(YES)、操作者の操作によって赤色の調光値が決定されたか否かを判断する(ステップS915)。
【0214】
制御部140のCPUは、操作者の操作によって赤色の調光値が決定されたと判断したときには(YES)、決定された赤色の調光値を記憶し(ステップS917)、本サブルーチンを終了する。
【0215】
制御部140のCPUは、ステップS911の判断処理で、操作者の操作によって赤色の調整が選択されていないと判断したときには(NO)、制御部140のCPUは、操作者の操作によって緑色の調整が選択されたか否かを判断する(ステップS921)。
【0216】
制御部140のCPUは、操作者の操作によって緑色の調整が選択されたと判断したときには(YES)、操作者の操作によって緑色の調光値の操作がされたか否かを判断する(ステップS923)。
【0217】
制御部140のCPUは、操作者の操作によって緑色の調光値の操作がされたと判断したときには(YES)、操作者の操作によって緑色の調光値が決定されたか否かを判断する(ステップS925)。
【0218】
制御部140のCPUは、操作者の操作によって緑色の調光値が決定されたと判断したときには(YES)、決定された緑色の調光値を記憶し(ステップS927)、本サブルーチンを終了する。
【0219】
制御部140のCPUは、ステップS921の判断処理で、操作者の操作によって緑色の調整が選択されていないと判断したときには(NO)、制御部140のCPUは、操作者の操作によって青色の調整が選択されたか否かを判断する(ステップS1011)。
【0220】
制御部140のCPUは、操作者の操作によって青色の調整が選択されたと判断したときには(YES)、操作者の操作によって青色の調光値の操作がされたか否かを判断する(ステップS1013)。
【0221】
制御部140のCPUは、操作者の操作によって青色の調光値の操作がされたと判断したときには(YES)、操作者の操作によって青色の調光値が決定されたか否かを判断する(ステップS1015)。
【0222】
制御部140のCPUは、操作者の操作によって青色の調光値が決定されたと判断したときには(YES)、決定された青色の調光値を記憶し(ステップS1017)、本サブルーチンを終了する。
【0223】
この処理により、赤色の調光値と緑色の調光値と青色の調光値との調光値比率を、操作者の所望するように決定することができる。
【0224】
<変形例1>
分解能を変更することで、明るさが階段状(段階的)に変化することを防止して、連続的に明るさが変化するように制御する構成を示した。
【0225】
連続的に明るさを変化させるのは、これに限られず、センス抵抗の大きさを切り替えることで、明るさの範囲を切り替えることができる。明るさの範囲を拡大することで、連続的に明るさが変化するようにできる。
【0226】
<変形例2>
前述した例では、図4のステップS421の判断処理で量子化調光値の分解能を変更するか否かを判断する構成を示したが、量子化調光値の分解能を変更するか否かの判断を省いてもよい。この場合には、常に量子化調光値の分解能を変更せずにDACを決める照明装置、又は、常に量子化調光値の分解能を変更してDACを決める照明装置のいずれか一方となる。前述したように、使用する調光値比率(色合い)を構成する調光値の差によって、いずれか一方の処理のみを有する照明装置にすればよい。
【0227】
<<<<実施の形態の範囲>>>>
上述したように、本実施の形態を記載した。しかし、この開示の一部をなす記載及び図面は、限定するものと理解すべきでない。ここで記載していない様々な実施の形態等が含まれる。
【符号の説明】
【0228】
100 照明装置
120 電源電圧供給部
160R、160G、160B 定電流供給部
170R、170G、170B 電圧検出部
180 発光部
【要約】
【課題】 受光素子の特性と発光素子の特性との整合性を図ることなく、色合いを調整でき、所望する色合いの光を発することができる照明装置を提供する。
【解決手段】 互いに波長域が異なる光を発する複数の光源部と、前記複数の光源部の各々に対応する調光値の比率を示す調光値比率を記憶する記憶部と、前記調光値比率を維持しつつ、前記複数の光源部の各々から発する光の明るさに対応する駆動用調光値を前記複数の光源部の各々に対応する調光値に基づいて決定し、前記駆動用調光値に基づいて前記複数の光源部ごとに駆動信号を生成して前記複数の光源部に供給する制御部と、を備える。
【選択図】 図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17