IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ▲優▼奈柯恩(北京)科技有限公司の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】光学装置及びヘッドマウント機器
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20240405BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/30
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022560011
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(86)【国際出願番号】 CN2021081209
(87)【国際公開番号】W WO2021197062
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-11-14
(31)【優先権主張番号】202010241548.0
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522385256
【氏名又は名称】▲優▼奈柯恩(北京)科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】肖 冰
【審査官】河村 麻梨子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/154432(WO,A1)
【文献】米国特許第05596451(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01-02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学装置であって、
画像ユニットと、第1光学ユニットと、第2光学ユニットと、第3光学ユニットとを含み、ここで、
前記画像ユニットは、画像光線を発することに用いられ、
前記画像ユニット、第1光学ユニット、第2光学ユニット及び第3光学ユニットは、前記画像光線が前記第1光学ユニットを透過して前記第2光学ユニットに到達し、次に前記第2光学ユニットにより前記第3光学ユニットへ反射され、その後、前記第3光学ユニットにより反射されて前記第2光学ユニットに戻り、且つ前記第2光学ユニットを透過してユーザーの目に入るように配置され、
前記第2光学ユニットは、前記第2光学ユニットに入射した干渉光線が前記ユーザーの目に入ることを阻止するように配置され、
前記第3光学ユニットは、前記画像光線が前記第3光学ユニットを通り抜けて外部環境に入ることを阻止するように配置され
前記第1光学ユニットは、第3偏光状態を有する光線の通過を可能にするために用いられ、
前記第2光学ユニットは、前記第1光学ユニットから前記第2光学ユニットに出射した第3偏光状態を有する光線を第1偏光状態を有する光線に変換し、その後、前記第1偏光状態を有する光線を前記第3光学ユニットに入射しようとする第3偏光状態を有する光線に変換し、前記第3光学ユニットから前記第2光学ユニットに出射した第4偏光状態を有する光線を、前記ユーザーの目に入ろうとする第2偏光状態を有する光線に変換し、及び前記第2光学ユニットに入射した干渉光線を、前記第1光学ユニットに入射しようとする第4偏光状態を有する光線に変換することに用いられ、
前記第3光学ユニットは、前記第2光学ユニットから前記第3光学ユニットに出射した第3偏光状態を有する光線を、前記第2光学ユニットに入射しようとする第4偏光状態を有する光線に変換し、及び前記第3光学ユニットに入射した環境光線を、前記第2光学ユニットに入射しようとする第4偏光状態を有する光線に変換することに用いられ、
ここで、前記第3偏光状態及び前記第4偏光状態の両者の回転方向は反対であり、第1偏光状態及び前記第2偏光状態の両者の方向は垂直である、光学装置。
【請求項2】
前記第1光学ユニット及び前記第2光学ユニットは、前記第2光学ユニットに入射した干渉光線を、前記第2光学ユニットを透過させた後に、前記第1光学ユニットで吸収するように配置される、請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記第3光学ユニット及び前記第2光学ユニットは、前記第3光学ユニットに入射した環境光線を、前記第3光学ユニット及び前記第2光学ユニットに順次に透過させて前記ユーザーの目に入るように配置される、請求項1に記載の光学装置。
【請求項4】
前記第1光学ユニットは第1偏光板と、第1波長板とを含み、ここで、前記第1偏光板は前記画像ユニットに近い一側に設置され、前記第1波長板は前記第2光学ユニットに近い一側に設置され、前記第1偏光板は第1偏光状態を有する光線を通過させ、且つ第2偏光状態を有する光線を吸収することに用いられ、前記第1波長板は、第1偏光状態を有する光線を、第3偏光状態を有する光線に変換させ、第3偏光状態を有する光線を、第1偏光状態を有する光線に変換させ、第2偏光状態を有する光線を、第4偏光状態を有する光線に変換させ、及び第4偏光状態を有する光線を、第2偏光状態を有する光線に変換させることに用いられる、請求項に記載の光学装置。
【請求項5】
前記第2光学ユニットは第2波長板と、偏光ビームスプリッタと、直線偏光素子とを含み、ここで、前記第2波長板は前記第1光学ユニットに近い一側に設置され、前記直線偏光素子は前記第1光学ユニットから離れる一側に設置され、前記偏光ビームスプリッタは前記第2波長板と前記直線偏光素子との間に設置され、
前記第2波長板は、第1偏光状態を有する光線を、第3偏光状態を有する光線に変換させ、第3偏光状態を有する光線を、第1偏光状態を有する光線に変換させ、第2偏光状態を有する光線を、第4偏光状態を有する光線に変換させ、及び第4偏光状態を有する光線を、第2偏光状態を有する光線に変換させることに用いられ、
前記偏光ビームスプリッタは第2偏光状態を有する光線を通過させ、且つ第1偏光状態を有する光線を反射することに用いられ、
前記直線偏光素子は第2偏光状態を有する光線のみを通過させることに用いられる、請求項に記載の光学装置。
【請求項6】
前記画像光線は第1角度で前記第2光学ユニットに入射し、且つ前記画像光線は第2角度で前記第2光学ユニットから出射し、
ここで、前記第2波長板の厚さ及び規格は前記第1角度及び前記第2角度に基づいて決定される、請求項に記載の光学装置。
【請求項7】
前記第3光学ユニットは半反射半透過素子と、円偏光素子とを含み、ここで、前記半反射半透過素子は前記第2光学ユニットに近い一側に設置され、前記円偏光素子は前記第2光学ユニットから離れる一側に設置され、
前記半反射半透過素子は、入射した光線を部分的に反射及び部分的に透過することに用いられ、
前記円偏光素子は、第4偏光状態を有する光線を通過させ、且つ第3偏光状態を有する光線を吸収することに用いられる、請求項に記載の光学装置。
【請求項8】
前記円偏光素子は第2偏光板と、第3波長板とを含み、ここで、前記第3波長板は半反射半透過素子に近い一側に設置され、前記第2偏光板は前記半反射半透過素子から離れる一側に設置され、前記第2偏光板は、第2偏光状態を有する光線を通過させ、且つ第1偏光状態を有する光線を吸収することに用いられ、前記第3波長板は、第1偏光状態を有する光線を、第3偏光状態を有する光線に変換させ、第3偏光状態を有する光線を、第1偏光状態を有する光線に変換させ、第2偏光状態を有する光線を、第4偏光状態を有する光線に変換させ、及び第4偏光状態を有する光線を、第2偏光状態を有する光線に変換させることに用いられる、請求項に記載の光学装置。
【請求項9】
前記画像ユニットは画像ソースを含み、又は前記画像ユニットは画像ソースとレンズとを含む、請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項10】
前記画像ユニット及び前記第1光学ユニットの両者の中心法線は一致し、前記第3光学ユニットの中心法線の方向と前記第3光学ユニットに入射した前記画像光線の中心光線の方向とは一致する、請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項11】
前記第1偏光板及び前記第1波長板は一体に貼り合わせられる、請求項に記載の光学装置。
【請求項12】
前記第1光学ユニットは前記画像ユニットに平行に設置され、前記画像ユニットは前記第3光学ユニットに垂直に設置され、前記第1光学ユニットの中心法線と前記第2光学ユニットの中心法線との間の角度は20°~70°の間にある、請求項1に記載の光学装置。
【請求項13】
前記偏光ビームスプリッタの両側は前記第2波長板及び前記直線偏光素子に貼り合わせられる、請求項に記載の光学装置。
【請求項14】
ヘッドマウント機器であって、請求項1~13のうちのいずれか一項に記載の光学装置を含み、ここで、前記ヘッドマウント機器はヘルメット形状又は眼鏡形状を有する、ヘッドマウント機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の実施例は光学技術分野に関し、且つより具体的に、光学装置及びヘッドマウント機器に関する。
【背景技術】
【0002】
光学技術及び他の技術(例えばコンピュータ技術等)の発展に伴って、ユーザーは光学装置を含む各種の機器によって仮想画像又は実際のシーン等を感知することができる。たとえば、一種の典型的な応用は拡張現実(Augmented Reality、AR)技術であり、この技術とは、一般的に、コンピュータ技術から提供される情報によって現実シーンに対するユーザーの感知を高める技術を指し、具体的に言えば、AR技術では、コンピュータ技術を利用して仮想情報を実際の世界に応用することができ、つまり、実際のシーンと仮想画像(例えば、仮想物体、及び仮想シーン等)とを同一の画面下にリアルタイムに重ね合わせ、人間の目に実際のシーンと仮想画像との混合画像を同時に見せ、それにより拡張現実の効果を達成する。
【0003】
現状では、このタイプの機器はまだ発展中であり、悪いユーザーエクスペリエンスを引き起こしやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術に対して、本明細書の実施例は光学装置及びヘッドマウント機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本明細書の実施例は光学装置を提供し、それは、画像ユニットと、第1光学ユニットと、第2光学ユニットと、第3光学ユニットとを含み、ここで、前記画像ユニットは、画像光線を発することに用いられ、
前記画像ユニット、第1光学ユニット、第2光学ユニット及び第3光学ユニットは、前記画像光線が前記第1光学ユニットを透過して前記第2光学ユニットに到達し、次に前記第2光学ユニットにより前記第3光学ユニットに反射され、その後、前記第3光学ユニットにより反射されて前記第2光学ユニットに戻り、且つ前記第2光学ユニットを透過してユーザーの目に入るように配置され、
前記第2光学ユニットは、前記第2光学ユニットに入射した干渉光線が前記ユーザーの目に入ることを阻止するように配置され、
前記第3光学ユニットは、前記画像光線が前記第3光学ユニットを通り抜けて外部環境に入ることを阻止するように配置される。
【0006】
他の態様では、本明細書の実施例はヘッドマウント機器を提供し、それは前記光学装置を含み、ここで、前記ヘッドマウント機器はヘルメット形状又は眼鏡形状を有する。
【発明の効果】
【0007】
本明細書の実施例において、第2光学ユニットは干渉光線がユーザーの目に入ることを阻止するため、画像光線及び環境光線に対する干渉光線の干渉を回避し、画像形成品質を向上させることができる。また、第3光学ユニットはそれに入射した画像光線が第3光学ユニットを通り抜けて外部環境に入ることを阻止するため、画像光線が外部環境に漏れることを回避し、ユーザーのプライバシーを効果的に保護することができる。
【0008】
図面と併せることによって本明細書の実施例をより詳細に記述し、本明細書の実施例の上記及び他の目的、特徴及び優位性はより明らかになり、ここで、本明細書の実施例において、同じ図面符号は、通常、同じ要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】1つの実施例に係る光学装置の模式的な構造図である。
図1B】1つの実施例に係る画像ユニットの模式的な構造図である。
図1C】1つの実施例に係る第1光学ユニットの模式的な構造図である。
図1D】1つの実施例に係る第2光学ユニットの模式的な構造図である。
図1E】1つの実施例に係る第3光学ユニットの模式的な構造図である。
図2A】異なる実施例に係る光学装置の模式的な構造図である。
図2B】異なる実施例に係る光学装置の模式的な構造図である。
図2C】異なる実施例に係る光学装置の模式的な構造図である。
図3】1つの実施例に係るヘッドマウント機器の模式的な構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
現在、各実施例を参照して本明細書で記述される主題を検討する。理解すべきであるように、これらの実施例の検討は、単に当業者に本明細書で記述される主題をよりよく理解させ且つ実現させることができるためであり、特許請求の範囲で論述される保護範囲、使用適合性又は例に対する制限ではない。特許請求の範囲の保護範囲を逸脱しない状況下で、検討される要素の機能及び配列を変更することができる。各々の実施例は必要に応じて、各種の過程又はユニットを省略、置換又は追加することができる。
【0011】
本明細書で使用されるように、用語「含む」及びその変形は開放的用語を示し、「含むが、それに限定されない」を意味する。用語「基づく」は「少なくとも部分的に基づく」を示す。用語「1つの実施例」及び「一実施例」は「少なくとも1つの実施例」を示す。用語「別の実施例」は「少なくとも1つの他の実施例」を示す。用語「第1」、及び「第2」等は異なる又は同じ対象を指すことができる。以下、明示的にも暗黙的にも関わらず、他の定義を含んでもよく、文脈が明示的に指示しない限り、1つの用語の定義は明細書全体において一致する。
【0012】
本明細書において、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、及び「外」等で指示される方位又は位置関係は図面に示される方位又は位置関係に基づくものであってもよく、それは単に記述を容易にするためであり、装置、ユニット又は素子等が必ず特定の方位を有し又は特定の方位で構成及び操作することを表さず、従って、このような用語は本明細書の技術的手段の範囲に対して何らの制限を及ぼさない。
【0013】
現状では、ユーザーは光学装置を含む各種の機器によって仮想画像又は実際のシーン等を感知することができる。しかし、この機器はまだ発展中であるため、悪いユーザーエクスペリエンスを及ぼす場合が多い。例えば、光学装置に生じた画像光線及び外部の環境光線に加えて、干渉光線が光学装置を通過して人間の目に入るようになる可能性もあり、光学装置の画像形成効果が悪くなることを引き起こし、画像内容の混乱を起こし、また、画像光線が光学装置を経由して外部環境に入る可能性があり、これにより、他の人はユーザーが見ている内容を見る恐れがあり、ユーザーのプライバシーの漏れを及ぼす。
【0014】
これに鑑み、本明細書は光学装置及び相応なヘッドマウント機器を提供する。以下、具体的な実施例と併せて記述する。注意すべきである点として、各図面に示される各要素間の縮尺は単に例を挙げて説明するためであり、必ずしも実際の縮尺で描かれていない。
【0015】
図1Aは1つの実施例に係る光学装置の模式的な構造図である。
【0016】
図1Aに示すように、光学装置100は画像ユニット102、第1光学ユニット104、第2光学ユニット106及び第3光学ユニット108を含んでもよい。
【0017】
図1Aにおいて、説明及び理解を容易にするために、矢印付き線を使用して各種の光線の中心光線の大まかな伝播経路の例を示すことができる。明らかなように、実践において、各種の光線は実際に光線の集まりである可能性があり、それは必ずしも単一の方向に伝播するものではない。
【0018】
画像ユニット102は画像光線を発することに用いることができる。例えば、画像光線は仮想画像を示すことができる。
【0019】
画像ユニット102、第1光学ユニット104、第2光学ユニット106及び第3光学ユニット108は、画像光線を所定の経路に応じてユーザーの目110に伝播させるように配置されてもよい。
【0020】
例えば、画像光線の伝播経路において、画像ユニット102、第1光学ユニット104、第2光学ユニット106及び第3光学ユニット108は順に配置されてもよい。
【0021】
たとえば、画像ユニット102、第1光学ユニット104、第2光学ユニット106及び第3光学ユニット108は、画像ユニット102から発された画像光線が第1光学ユニット104を透過して第2光学ユニット106に到達し、次に第2光学ユニット106により第3光学ユニット108に反射され、その後、第3光学ユニット108により反射されて第2光学ユニット106に戻り、且つ第2光学ユニット106を透過してユーザーの目110に入るように配置されてもよい。
【0022】
第2光学ユニット106は、第2光学ユニット106に入射した干渉光線がユーザーの目110に入ることを阻止するように配置されてもよい。
【0023】
第3光学ユニット108は、画像光線が第3光学ユニット108を通り抜けて外部環境に入ることを阻止するように配置されてもよい。
【0024】
理解できるように、干渉光線は各々の方向からのものである可能性があり、しかし、通常、主に図示される方向からの干渉光線に起因する干渉は他の方向の干渉光線に比べてより顕著である可能性があり、従って、該方向からの干渉光線の干渉を回避することは画像形成効果を顕著に強化することができる。
【0025】
上記からわかるように、該実施例において、干渉光線が第2光学ユニット106を通った後に、ユーザーの目に入ることが阻止され得るため、例えば、第2光学ユニット106箇所でユーザーの目の外の領域に反射され、又は第1光学ユニット104箇所で吸収され、ユーザーの目に入る干渉光線がないようにし、それにより、画像光線及び環境光線に対する干渉光線の干渉を回避し、画像形成品質を向上させることができる。
【0026】
また、第3光学ユニット108は画像光線が第3光学ユニット108を通り抜けて外部環境に入ることを阻止するため、画像光線が外部環境に漏れることを回避し、ユーザーのプライバシーを効果的に保護することができる。
【0027】
1つの実施例において、第1光学ユニット104及び第2光学ユニット106は、第2光学ユニット106に入射した干渉光線が第2光学ユニット106を透過した後に、第1光学ユニット104箇所で吸収されるように配置されてもよい。それによって、干渉光線がユーザーの目に入ることを効果的に回避することができ、このように、画像形成品質を向上させるだけでなく、且つユーザーエクスペリエンスを向上させる。
【0028】
1つの実施例において、図1Aに示すように、第3光学ユニット108及び第2光学ユニット106は、第3光学ユニット108に入射した環境光線が第3光学ユニット108及び第2光学ユニット106を順に透過してユーザーの目に入るように配置されてもよい。このように、画像光線及び環境光線の両者がユーザーの目に入り、ユーザーに仮想画像と実際のシーンとを相互に重ね合わせる画像を見せることができ、それにより拡張現実の効果を実現する。
【0029】
1つの実施例において、第1光学ユニット104は第3偏光状態を有する光線のみを通過させることができる。
【0030】
第2光学ユニット106は、第1光学ユニット104から第2光学ユニット106に出射した第3偏光状態を有する光線を、第3光学ユニット108に入射しようとする第3偏光状態を有する光線に変換し、第3光学ユニット108から第2光学ユニット106に出射した第4偏光状態を有する光線を、ユーザーの目110に入ろうとする第2偏光状態を有する光線に変換し、及び第2光学ユニット106に入射した干渉光線を、第1光学ユニット104に入射しようとする第4偏光状態を有する光線に変換することができる。
【0031】
第3光学ユニット108は、第2光学ユニット106から第3光学ユニット108に出射した第3偏光状態を有する光線を、第2光学ユニット106に入射しようとする第4偏光状態を有する光線に変換し、及び第3光学ユニット108に入射した環境光線を、第2光学ユニット106に入射しようとする第4偏光状態を有する光線に変換することができる。
【0032】
このように、各々の光学ユニットの偏光特性及び光学特性を効果的に利用することによって、画像光線及び環境光線をユーザーの目に入れることができ、そして干渉光線がユーザーの目に反射されることがなく、それにより画像形成効果を向上させることができ、且つ耐干渉性を強化し、ユーザーエクスペリエンスの向上に寄与する。
【0033】
理解できるように、各々の図面でブロックを利用して各々の光学素子を示したが、各々の光学素子は円弧板形状又は平板形状を有してもよく、本明細書はこれを限定しない。
【0034】
1つの実施例において、第3偏光状態及び第4偏光状態の両者の回転方向は反対であってもよい。例えば、第3偏光状態は右回転特性を有してもよいが、第4偏光状態は左回転特性を有してもよい。例えば、第3偏光状態を有する光線は右回転円偏光光又は右回転楕円偏光光であってもよく、第4偏光状態を有する光線は左回転円偏光光又は左回転楕円偏光光であってもよい。
【0035】
1つの実施例において、第1偏光状態及び第2偏光状態の両者の振動方向は垂直であってもよい。例えば、第1偏光状態及び第2偏光状態を有する光線は直線偏光光である。例えば、第1偏光状態を有する光線はP光であってもよく、第2偏光状態を有する光線はS光であってもよい。P光とS光との振動方向は互いに垂直であってもよい。
【0036】
1つの実施例において、図1Bにおける(1)に示すように、画像ユニット102は画像ソース102aを含んでもよい。画像ソース102aは画像光線を発することができる。画像ソース102aは本分野で知られている何らの適切な素子を採用して実現され得る。例えば、画像ソース102aは平面画像ソース、たとえば光源が統合された画像ソース又は単一の画像ソースを含んでもよい。例えば、画像ソース102aは、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)、シリコン系液晶(Liquid Crystal On Silicon、LCOS)、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、微小電気機械表示システム(Microelectromechanical System、MEMS)、及びデジタルマイクロミラー素子(Digital Micro-mirror Device、DMD)等のデバイスのうちの何らの項目を採用して実現され得る。
【0037】
1つの実施例において、図1Bにおける(2)に示すように、画像ユニット102は画像ソース102a及びレンズ102bを含んでもよい。レンズ102bは画像光線を収束することに用いることができる。
【0038】
1つの実施例において、図1Cに示すように、第1光学ユニット104は第1偏光板104a及び第1波長板104bを含んでもよい。第1偏光板104aは画像ユニット102に近い一側に設置されてもよいが、第1波長板104bは第2光学ユニット106に近い一側に設置されてもよい。
【0039】
第1偏光板104aは第1偏光状態を有する光線を通過させ、且つ第2偏光状態を有する光線を吸収することができる。
【0040】
第1波長板104bは光線を第1偏光状態と第3偏光状態との間で変換させ、及び第2偏光状態と第4偏光状態との間で変換させることができる。例えば、第1波長板は、第1偏光状態を有する光線を、第3偏光状態を有する光線に変換させ、第3偏光状態を有する光線を、第1偏光状態を有する光線に変換させ、第2偏光状態を有する光線を、第4偏光状態を有する光線に変換させ、及び第4偏光状態を有する光線を、第2偏光状態を有する光線に変換させることができる。
【0041】
例えば、第1波長板104bは本分野に適用される何らの波長板、たとえば1/4波長板又は3/4波長板であってもよい。1/4波長板又は3/4波長板は光線を第1偏光状態と第3偏光状態との間で変換させ、及び光線を第2偏光状態と第4偏光状態との間で変換させることができる。例えば、図1Aと併せて、画像ユニット102が画像光線を発した後に、画像光線はまず第1偏光板104aに入射する。第1偏光板104aが第1偏光状態を有する光線のみの通過を許可するため、画像光線は第1偏光板104aを通った後に、第1偏光状態を有する画像光線に変換され、その後、第1波長板104b箇所で第3偏光状態を有する画像光線に変換される。
【0042】
理解できるように、図1Cにおいて、説明を容易にするために、第1偏光板104a及び第1波長板104bを互いに分離することが示される。しかし、具体的に実現するときに、適用する各種の方式を採用して第1偏光板104a及び第1波長板104bを配置してもよい。例えば、第1偏光板104a及び第1波長板104bは一体に貼り合わせられてもよく、又は分離し且つ機構部材によって相対的に固定されてもよい。
【0043】
1つの実施例において、図1Dに示すように、第2光学ユニット106は第2波長板106a、偏光ビームスプリッタ106b及び直線偏光素子106cを含んでもよい。第2波長板106aは第1光学ユニット104に近い一側に設置されてもよく、直線偏光素子106cは第1光学ユニット104から離れる一側に設置されてもよく、偏光ビームスプリッタ106bは第2波長板106aと直線偏光素子106cとの間に設置されてもよい。
【0044】
第1波長板104aと類似し、第2波長板106aは、光線を第1偏光状態と第3偏光状態との間で変換し、及び光線を第2偏光状態と第4偏光状態との間で変換することができる。例えば、第1波長板104aと類似し、第2波長板106aは、第1偏光状態を有する光線を、第3偏光状態を有する光線に変換させ、第3偏光状態を有する光線を、第1偏光状態を有する光線に変換させ、第2偏光状態を有する光線を、第4偏光状態を有する光線に変換させ、及び第4偏光状態を有する光線を、第2偏光状態を有する光線に変換させることができる。
【0045】
第2波長板106aは本分野に適用される何らの波長板であってもよい。例えば、第2波長板106aは1/4波長板又は3/4波長板であってもよい。
【0046】
偏光ビームスプリッタ106bは第1偏光状態を有する光線を反射し、及び第2偏光状態を有する光線を通過させることができる。
【0047】
直線偏光素子106cは第2偏光状態を有する光線のみの通過を許可することができる。
【0048】
例えば、図1Aと併せて、画像光線は第1光学ユニット104を通った後に、第3偏光状態を有する画像光線に変換される。第3偏光状態を有する画像光線は第2波長板106aに入射し、第1偏光状態を有する画像光線に変換される。その後、第1偏光状態を有する画像光線は偏光ビームスプリッタ106b箇所で反射され、再び第2波長板106aに到達する。このように、第1偏光状態を有する画像光線は第2波長板106aにより第3偏光状態を有する画像光線に変換され、次に第3偏光状態を有する画像光線は第3光学ユニット108に入射する。
【0049】
理解できるように、偏光ビームスプリッタ106bが第1偏光状態を有する光線を反射するため、画像光線は直線偏光素子106cに到達しない。
【0050】
ここで、直線偏光素子106cは主に干渉光線がユーザーの目に到達することを回避するためのものである。例えば、図1Aと併せて、干渉光線は図1Aに示される方向から直線偏光素子106cに入射し、直線偏光素子106cが第2偏光状態を有する光線のみの通過を許可するため、直線偏光素子106cから出射した干渉光線は第2偏光状態を有する。第2偏光状態を有する干渉光線の全部は偏光ビームスプリッタ106bを透過して第2波長板106aに到達することができる。第2波長板106aは第2偏光状態を有する干渉光線を、第4偏光状態を有する干渉光線に変換することができる。次に、第4偏光状態を有する干渉光線は第1光学ユニット104に到達する。第1光学ユニット104は第3偏光状態を有する光線のみの通過を許可し、第4偏光状態を有する干渉光線は第1光学ユニット104箇所で吸収され得る。このように、干渉光線がユーザーの目に入って画像形成効果を干渉することを効果的に回避することができる。
【0051】
理解できるように、説明を容易にするために、図1Dにおいて、第2波長板106a、偏光ビームスプリッタ106b及び直線偏光素子106cを互いに分離することが示されるが、具体的に実現するときに、適用する各種の形式を採用して第2波長板106a、偏光ビームスプリッタ106b及び直線偏光素子106cを配置してもよい。例えば、第2波長板106a、偏光ビームスプリッタ106b及び直線偏光素子106cは一体に貼り合わせられてもよく、又は互いに分離し且つ機構部材によって相対的に固定されてもよい。
【0052】
1つの実施例において、図1Eに示すように、第3光学ユニット108は半反射半透過素子108a及び円偏光素子108bを含んでもよい。
【0053】
半反射半透過素子108aは第2光学ユニット106に近い一側に設置されてもよいが、円偏光素子108bは第2光学ユニット106から離れる一側に設置されてもよい。
【0054】
半反射半透過素子は入射した光線を部分的に反射及び部分的に透過することができる。円偏光素子108bは第4偏光状態を有する光線を通過させ、且つ第3偏光状態を有する光線を吸収することができる。
【0055】
例えば、図1Aと併せて、第2光学ユニット106により反射された画像光線は第3偏光状態を有し、それでは、第3偏光状態を有する画像光線は半反射半透過素子108aに到達するときに、半反射半透過素子108aにより部分的に反射及び部分的に透過される。反射された画像光線は第4偏光状態を有し、透過された画像光線は依然として第3偏光状態を有する。透過された第3偏光状態を有する画像光線は円偏光素子108bに到達した後に、円偏光素子108bは第4偏光状態を有する光線のみの通過を許可し、第3偏光状態を有する画像光線は円偏光素子108b箇所で吸収され得る。それにより画像光線が外部環境に漏れることを防止し、それによってユーザーのプライバシーを効果的に保護する。
【0056】
1つの実施例において、円偏光素子108bは第2偏光板及び第3波長板を含んでもよい。第3波長板は半反射半透過素子108aに近い一側に設置されてもよいが、第2偏光板は半反射半透過素子108aから離れる一側に設置されてもよい。
【0057】
第2偏光板は第2偏光状態を有する光線の通過を許可し且つ第1偏光状態を有する光線を吸収することができる。
【0058】
第3波長板は光線を第2偏光状態と第4偏光状態との間で変換し、及び光線を第1偏光状態と第3偏光状態との間で変換することができる。例えば、第3波長板は、第1偏光状態を有する光線を、第3偏光状態を有する光線に変換させ、第3偏光状態を有する光線を、第1偏光状態を有する光線に変換させ、第2偏光状態を有する光線を、第4偏光状態を有する光線に変換させ、及び第4偏光状態を有する光線を、第2偏光状態を有する光線に変換させることができる。
【0059】
第3波長板は本分野に適用される何らの波長板であってもよい。例えば、第3波長板は1/4波長板又は3/4波長板であってもよい。
【0060】
例えば、図1A及び図1Eと併せて、半反射半透過素子108aを透過した第3偏光状態を有する画像光線は第3波長板に到達し、それは第1偏光状態を有する画像光線に変換される。第2偏光板は第2偏光状態を有する光線のみの通過を許可し、第1偏光状態を有する画像光線は第2偏光板箇所で吸収され得る。それにより画像光線が外部環境に漏れることを防止し、ユーザーのプライバシーを効果的に保護する。
【0061】
1つの実施例において、画像光線は、第1角度で第2光学ユニット106に入射し、且つ第2角度で第2光学ユニットから出射することができる。
【0062】
通常、波長板は垂直入射の状況下で製造される可能性がある。従って、該実施例において、第2波長板の厚さ及び規格は第1角度及び第2角度に基づいて決定されてもよい。
【0063】
1つの実施例において、画像ユニット102の中心法線と第1光学ユニット104の中心法線とは一致してもよい。例えば、画像ユニット102と第1光学ユニット104とは平行に置かれてもよいように見える。例えば、画像ユニット102に含まれる画像ソース102aの発光領域の中心を、画像ユニット102に含まれるレンズ102bの光軸が通過し、第1光学ユニット104の光軸はレンズ102bの光軸と重なる。
【0064】
第3光学ユニット108の中心法線の方向と第3光学ユニットに入射した画像光学光線の中心光線の方向とは一致してもよい。例えば、これは、画像光線の中心光線が第3光学ユニット108に垂直に入射してもよいと理解できる。
【0065】
例えば、一種の具体的な実現方式において、画像ユニット102と第1光学ユニット104とは大まかに平行に置かれていると見えてもよいが、第2光学ユニット106は第1光学ユニット102に対して所定の角度をなすように置かれてもよく、例えば、第1光学ユニット102の中心法線と第2光学ユニット104の中心法線との間の角度は20°~70°の間にある。
【0066】
また、更に理解できるように、図1Aにおいて、説明を容易にするために、画像ユニット102及び第1光学ユニット104を互いに分離することが示されるが、具体的に実現するときに、適用する各種の方式を採用して第1光学ユニット104及び画像ユニット102を配置してもよい。例えば、第1光学ユニット104及び画像ユニット102は一体に貼り合わせられてもよく、又は適用するある機構部材によって画像ユニット102に相対的に固定される。
【0067】
図2A~2Cは異なる実施例に係る光学装置の模式的な構造図を示す。理解すべきであるように、図2A~2Cの光学装置の例は単に当業者が本明細書における技術的手段をよりよく理解することを助けるためであり、その範囲を制限しない。
【0068】
まず、図2Aの例と併せて記述する。
【0069】
上記のように、光学装置200Aは画像光線及び環境光線をユーザーの目110に伝播することができる。また、外部環境からの干渉光線は光学装置に入射する可能性がある。以下、画像光線、環境光線及び干渉光線の伝播経路と併せて光学装置200Aを記述する。記述及び理解を容易にするために、図2Aにおいて、画像光線の中心光線、干渉光線の中心光線及び環境光線の中心光線の伝播経路を例として、これらの光線の大まかな伝播経路を示す。
【0070】
まず、光学装置200Aにおける画像光線の伝播経路を記述する。
【0071】
画像ソース102aは画像光線を発する。画像光線はまず第1偏光板104aに垂直に入射する。第1偏光板104aが第1偏光状態を有する光線のみの通過を許可するため、第1偏光板104aから出射した画像光線は第1偏光状態を有する。
【0072】
第1偏光状態を有する画像光線は引き続き第1波長板104bに入射し、第3偏光状態を有する画像光線に変換される。第1波長板104bから出射した第3偏光状態を有する画像光線は引き続き第2波長板106aに伝播され、第1偏光状態を有する画像光線に変換される。
【0073】
第2波長板106aから出射した第1偏光状態を有する画像光線は偏光ビームスプリッタ106bに伝播され、偏光ビームスプリッタ106bにより反射され、再び第2波長板106aに入射し、このように第1偏光状態を有する画像光線は第2波長板106aにより第3偏光状態を有する画像光線に変換される。
【0074】
第3偏光状態を有する画像光線は半反射半透過素子108aに伝播され、半反射半透過素子108aにより部分的に反射及び部分的に透過される。
【0075】
半反射半透過素子108aにより部分的に反射された画像光線は第4偏光状態を有し、それは第2波長板106aに到達した後に、第2偏光状態に変換される。第2波長板106aから出射した第2偏光状態を有する画像光線は偏光ビームスプリッタ106bにより透過され、且つ更に直線偏光素子106cを通り抜け、その後、ユーザーの目110に入る。
【0076】
半反射半透過素子108aにより部分的に透過された画像光線は伝播されて円偏光素子108bに到達し、それは依然として第3偏光状態を有する。円偏光素子108bが第4偏光状態を有する光線のみの通過を許可し且つ第3偏光状態を有する光線を吸収するため、半反射半透過素子108aにより部分的に透過された画像光線は円偏光素子108b箇所で吸収される。このように、画像光線が外部環境に漏れることを効果的に防止することができ、それによりユーザーのプライバシーを保護する。
【0077】
以下、光学装置200Aにおける環境光線の伝播経路を記述する。
【0078】
環境光線は円偏光素子108bに入射する。円偏光素子108bが第4偏光状態を有する光線のみの通過を許可するため、円偏光素子108bから出射した環境光線は第4偏光状態を有する。第4偏光状態を有する環境光線は半反射半透過素子108aにより部分的に透過され、透過された環境光線の偏光状態は変わらないように維持する。
【0079】
半反射半透過素子108aを透過した第4偏光状態を有する環境光線は伝播されて第2波長板106aに到達し、第2偏光状態を有する環境光線に変換される。第2偏光状態を有する環境光線は偏光ビームスプリッタ106b及び直線偏光素子106cを通り抜け、次にユーザーの目に入る。
【0080】
このように、ユーザーの目は実際のシーンと仮想画像との重ね合わせ画像を見ることができ、それにより拡張現実の効果を達成する。
【0081】
以下、光学装置200Aにおける干渉光線の伝播経路を更に記述する。
【0082】
干渉光線は直線偏光素子106cに入射する。直線偏光素子106cが第2偏光状態を有する光線のみの通過を許可するため、直線偏光素子106cから出射した干渉光線は第2偏光状態を有する。
【0083】
第2偏光状態を有する干渉光線の全部は偏光ビームスプリッタ106bを通り抜け、第2波長板106aに伝播される。このように、干渉光線が反射されることなく偏光ビームスプリッタ106bを通り抜けるため、ユーザーの目110に入る干渉光線がなくなり、それにより画像形成効果に対する干渉光線の干渉を効果的に回避し、光学装置200Aの耐干渉性を強化することができる。
【0084】
第2波長板106aは第2偏光状態を有する干渉光線を、第4偏光状態を有する干渉光線に変換する。第4偏光状態を有する干渉光線は引き続き第1波長板104bに伝播される。
【0085】
第1波長板104bは第4偏光状態を有する干渉光線を、第2偏光状態を有する干渉光線に変換する。
【0086】
第1偏光板104aが第1偏光状態を有する光線のみの通過を許可するため、第2偏光状態を有する干渉光線は第1偏光板104a箇所で吸収される。
【0087】
該実施例において、干渉光線が直線偏光素子に入射した後に、第1偏光板104a箇所に伝播され且つ第1偏光板104a箇所で吸収され、ユーザーの目に入らないため、画像光線及び環境光線に対する干渉光線の干渉を回避し、画像形成品質を向上させることができる。また、円偏光素子108bはそれに入射した画像光線が外部環境に入ることを阻止することができるため、画像光線が外部環境に漏れることを回避し、ユーザーのプライバシーを効果的に保護することができる。
【0088】
また、注意すべきである点として、光学装置200Aがレンズ102bを更に含む状況下で、画像ソース102aと第2波長板106a、偏光ビームスプリッタ106bとの距離は所定の光学設計を満たす必要がある。
【0089】
理解すべきであるように、図2Aにおいて、第1偏光板104a及び第1波長板104bを貼り合わせて配置することが示されたが、異なる実施例において、第1偏光板104a及び第1波長板104bは分離して配置され且つ相応な機械構造によって相対的に固定されてもよい。
【0090】
また、図2Aにおいて、第2波長板106a、偏光ビームスプリッタ106b及び直線偏光素子106cを貼り合わせて配置することが示されたが、異なる実施例において、第2波長板106a、偏光ビームスプリッタ106b及び直線偏光素子106cは分離して配置され且つ相応な機械機構によって相対的に固定されてもよい。
【0091】
また、図2Aにおいて、画像ソース102aと第1偏光板104a、及び第1波長板104bとを分離して配置することが示されたが、異なる実施例において、画像ソース102aは第1偏光板104a、及び第1波長板104bと貼り合わせて配置されてもよい。
【0092】
また、図2Aにおいて、半反射半透過素子108a及び円偏光板108bを分離して配置することが示されたが、異なる実施例において、半反射半透過素子108a及び円偏光板108bは貼り合わせて配置されてもよい。
【0093】
本明細書はこれらの具体的な配置方式を限定しない。
【0094】
また、理解できるように、図2Aにおいて、画像ソース102a、第1偏光板104a及び第1波長板104bの三者を半反射半透過素子108a及び円偏光板108bの両者と大まかに垂直に配置することが示されたが、異なる実施例において、更に他の異なる配置方式を採用してもよい。異なる配置方式において、画像ソース102a、第1偏光板104a及び第1波長板104bの三者はいずれも大まかに平行に配置されてもよく、半反射半透過素子108a及び円偏光板108bの中心法線の方向は、入射した画像光線の中心光線の方向と大まかに一致してもよく、例えば、画像光線の中心光線が半反射半透過素子108a及び円偏光板108bの両者に大まかに垂直に入射してもよいと理解できる。
【0095】
例えば、図2B~2Cは各々の光学素子の異なる配置方式の2つの例を示す。
【0096】
図2B~2Cの例において、画像光線、環境光線及び干渉光線の伝播経路は図2Aの例と類似し、記述を簡略化するために、ここで再度詳細に説明しない。
【0097】
図2Bの例において、画像ソース102a、第1偏光板104a及び第1波長板104bの三者は半反射半透過素子108a及び円偏光板108bの両者と大まかに1つの鋭角をなしてもよい。理解できるように、図2Bの例において、画像ソース102a、第1偏光板104a及び第1波長板104bの三者の中心法線は一致してもよく、これはこの三者が大まかに平行に配置されると理解することもできる。また、半反射半透過素子108a及び円偏光板108bの両者の中心法線の方向は入射した画像光線の中心光線の方向と一致してもよく、これは、画像光線の中心光線が半反射半透過素子108a及び円偏光板108bの両者に大まかに垂直に入射すると理解することもできる。
【0098】
図2Cの例において、画像ソース102a、第1偏光板104a及び第1波長板104bの三者は半反射半透過素子108a及び円偏光板108bの両者と大まかに1つの鈍角をなしてもよい。理解できるように、図2Bの例において、画像ソース102a、第1偏光板104a及び第1波長板104bの三者の中心法線は一致してもよく、これはこの三者が大まかに平行に配置されると理解することもできる。また、半反射半透過素子108a及び円偏光板108bの両者の中心法線の方向は入射した画像光線の中心光線の方向と一致してもよく、これは、画像光線の中心光線が半反射半透過素子108a及び円偏光板108bの両者に大まかに垂直に入射すると理解することもできる。
【0099】
1つの実施例において、光学装置は、画像ユニットと、第1偏光板と、第1波長板と、第2波長板と、偏光ビームスプリッタと、半反射半透過素子と、を含んでもよく、画像ユニットは、画像光線を発することに用いられ、第1偏光板は、画像ユニットから発された画像光線を受け、且つ第1偏光状態の画像光線を出射することに用いられ、第1波長板は、第1偏光板から出射した第1偏光状態の画像光線を受け、且つ第3偏光状態の画像光線を出射することに用いられ、第2波長板は、第1波長板から出射した第3偏光状態の画像光線を受け、且つ第1偏光状態の画像光線を出射することに用いられ、偏光ビームスプリッタは、第2波長板から出射した第1偏光状態の画像光線を受け、且つ第1偏光状態の画像光線を反射することに用いられ、偏光ビームスプリッタから反射された第1偏光状態の画像光線は第2波長板を通過した後に第3偏光状態の画像光線を出射し、半反射半透過素子は、第2波長板から出射した第3偏光状態の画像光線を受け、且つ第4偏光状態の画像光線を反射することに用いられ、半反射半透過素子により反射された第4偏光状態の画像光線は第2波長板を通過して第2偏光状態の画像光線に変換され、第2偏光状態の画像光線は偏光ビームスプリッタを通過してユーザーの目に入り、ここで、環境光線は半反射半透過素子、第2波長板及び偏光ビームスプリッタを順に通過した後に、第2偏光状態の環境光線はユーザーの目に入り、ここで、第3偏光状態及び第4偏光状態の両者の回転方向は反対であり、第1偏光状態及び第2偏光状態の両者の方向は垂直である。
【0100】
1つの実施例において、第1偏光板及び第1波長板は一体に貼り合わせられ、第1偏光板は画像ユニットに近い一側に設置され、第2波長板及び偏光ビームスプリッタは一体に貼り合わせられ、第2波長板は第1波長板に近い一側に設置され、半反射半透過素子は第2波長板に近い一側に設置される。
【0101】
1つの実施例において、光学装置は直線偏光素子を更に含み、直線偏光素子は偏光ビームスプリッタの第2波長板から離れる一側に貼り合わせられ、直線偏光素子は第2偏光状態を有する光線のみを通過させることに用いられる。
【0102】
1つの実施例において、光学装置は円偏光素子を更に含み、円偏光素子は半反射半透過素子の第2波長板から離れる一側に貼り合わせられ、円偏光素子は第4偏光状態を有する光線を通過させ、且つ第3偏光状態を有する光線を吸収することに用いられる。
【0103】
1つの実施例において、画像ユニットは第1偏光板、及び第1波長板に平行に設置され、半反射半透過素子は画像ユニットと鈍角又は鋭角をなすように設置される。
【0104】
図3の例において、ヘッドマウント機器300はハウジング301と、ハウジング301内に収容される光学装置200A、200B、200C(図2A~2Cを参照する)とを含む。例えば、ハウジング301の形状はヘルメット形状又は眼鏡形状である。
【0105】
光学装置は画像ユニット、第1光学ユニット、第2光学ユニット及び第3光学ユニットを含んでもよい。画像ユニットは画像光線を発することに用いられ、第1光学ユニットは画像ユニットに平行に設置され、それによって第1光学ユニットは画像ユニットから発された画像光線を受け、第1光学ユニットから出射した画像光線は第1角度で第2光学ユニットに入射し、且つ画像光線は第2角度で第2光学ユニットから出射し、干渉光は第2光学ユニットに入射した後に、第1光学ユニットに向かって伝播され、且つ第1光学ユニットにより吸収され、第2光学ユニットから出射した画像光線は第3光学ユニットにより反射された後に、再び第2光学ユニットを透過してユーザーの目に入り、第3光学ユニットは画像光線が第3光学ユニットを通り抜けて外部環境に入ることを阻止し、ここで、環境光線は第3光学ユニット及び第2光学ユニットを順に通過してユーザーの目に入る。
【0106】
また、本明細書における光学装置100又は200A~200Cはヘッドマウント機器300に応用できる。例えば、ヘッドマウント機器300はヘルメット形状又は眼鏡形状を有してもよい。たとえば、ヘッドマウント機器300の一例はAR機器であってもよい。例えば、AR機器は上記図1A図2Cにおけるいずれかの実施例に記述された光学装置を含んでもよい。AR機器はクランプ部材を更に含んでもよく、それはAR機器をユーザーの頭部、及び耳等に固定することができる。
【0107】
本明細書全体において使用される用語「例示的」は、「例、実例又は例示とする」を意味し、他の実施例よりも「好ましい」又は「優位性を有する」を意味しない。記述される技術に対する理解を提供する目的で、具体的な実施形態は具体的な細部を含む。しかし、これらの具体的な細部がない状況下でこれらの技術を実施することができる。いくつかの実例において、記述される実施例の概念の理解を困難にすることを回避するために、公知の構造及び装置はブロック図の形式で示される。
【0108】
以上は図面と併せて本開示内容の実施例の選択可能な実施形態を詳細に記述し、しかし、本開示内容の実施例は上記実施形態における具体的な細部に限定されず、本開示内容の実施例の技術的発想範囲内に、本開示内容の実施例の技術的手段に対して複数種の変形を行うことができ、これらの変形はいずれも本開示内容の実施例の保護範囲に属する。
【0109】
本開示内容の上記記述は、当業者に本開示内容を実現又は使用させることができるために提供される。当業者にとって、本開示内容に対して行われる各種の修正は明らかであり、且つ、本開示内容の保護範囲を逸脱しない状況下で、本明細書で定義された一般的な原理を他の変形に応用することもできる。従って、本開示内容は本明細書に記述された例及び設計に限定されず、本明細書に開示されている原理及び新規性特徴に合致する最も広い範囲と一致する。
【符号の説明】
【0110】
100:光学装置 102:画像ユニット
104:第1光学ユニット 106:第2光学ユニット
108:第3光学ユニット 110:ユーザーの目
102a:画像ソース 102b:レンズ
104a:第1偏光板 104b:第1波長板
106a:第2波長板 106b:偏光ビームスプリッタ
106c:直線偏光素子 108a:半反射半透過素子
108b:円偏光素子 200A:光学装置
200B:光学装置 200C:光学装置
300:ヘッドマウント機器 301:ハウジング
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図3