(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】学習支援システムおよび学習支援方法
(51)【国際特許分類】
G09B 5/06 20060101AFI20240405BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20240405BHJP
【FI】
G09B5/06
G06Q50/20
(21)【出願番号】P 2023204249
(22)【出願日】2023-12-01
【審査請求日】2023-12-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503128216
【氏名又は名称】株式会社フォーサイト
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩司
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/147435(WO,A1)
【文献】特開2023-089080(JP,A)
【文献】特開2022-163854(JP,A)
【文献】特開2004-220169(JP,A)
【文献】特開2007-011389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00-9/56
G09B 17/00-19/26
G06Q 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義を提供する学習支援システムであって、
受講者の属性に関する情報である受講者属性情報を記憶する受講者属性情報記憶部と、
前記受講者属性情報および/または前記受講者に対する前記講義の提供における特定のタイミングであって前記アバター講師が映像および音声によって前記受講者に語りかける行動である声かけを行うタイミングである声かけタイミングに基づいて、前記声かけタイミングに提供する声かけの話題である声かけ話題を特定する声かけ話題特定部と、
前記受講者属性情報に基づいて、前記声かけに用いる態様である声かけ態様を特定する声かけ態様特定部と、
前記声かけタイミングに、前記声かけ話題および前記声かけ態様による声かけを出力する声かけ出力部と、
を有し、
前記声かけ態様は、声かけに用いる言語体系である声かけ言語体系であり、
前記受講者属性情報は、前記受講者の住所の情報と、前記受講者が希望する言語体系である希望言語体系の情報とを含み、
前記声かけ態様特定部は、前記住所および前記希望言語体系に基づいて前記声かけ言語体系を特定する
、
学習支援システム。
【請求項2】
講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義を提供する学習支援システムであって、
受講者の属性に関する情報である受講者属性情報を記憶する受講者属性情報記憶部と、
前記受講者属性情報および/または前記受講者に対する前記講義の提供における特定のタイミングであって前記アバター講師が映像および音声によって前記受講者に語りかける行動である声かけを行うタイミングである声かけタイミングに基づいて、前記声かけタイミングに提供する声かけの話題である声かけ話題を特定する声かけ話題特定部と、
前記受講者属性情報に基づいて、前記声かけに用いる態様である声かけ態様を特定する声かけ態様特定部と、
前記声かけタイミングに、前記声かけ話題および前記声かけ態様による声かけを出力する声かけ出力部と、
を有し、
前記声かけ態様は、声かけに用いる言語体系である声かけ言語体系であり、
前記受講者属性情報は、前記受講者の住所の情報と、前記受講者が好きな動物である嗜好動物の情報とを含み、
前記声かけ言語体系は、各地域に特有の言語体系である方言と、語尾に動物の鳴き声を模擬する擬音語または動物の行動を模擬する擬態語を付加する動物言葉と、を合成したものであり、
前記声かけ態様特定部は、前記住所から定まる方言と、前記嗜好動物から定まる動物言葉とに基づいて前記声かけ言語体系を特定する
、
学習支援システム。
【請求項3】
講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義を提供する学習支援システムであって、
受講者の属性に関する情報である受講者属性情報を記憶する受講者属性情報記憶部と、
前記受講者属性情報および/または前記受講者に対する前記講義の提供における特定のタイミングであって前記アバター講師が映像および音声によって前記受講者に語りかける行動である声かけを行うタイミングである声かけタイミングに基づいて、前記声かけタイミングに提供する声かけの話題である声かけ話題を特定する声かけ話題特定部と、
前記受講者属性情報に基づいて、前記声かけに用いる態様である声かけ態様を特定する声かけ態様特定部と、
前記声かけタイミングに、前記声かけ話題および前記声かけ態様による声かけを出力する声かけ出力部と、
を有し、
前記声かけ態様特定部は、前記受講者の前記受講者属性情報に基づいて、前記アバター講師に前記受講者と類似する嗜好をもった人柄を設定し、前記人柄に基づく声かけ態様を特定する
、
学習支援システム。
【請求項4】
講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義を提供する学習支援システムであって、
受講者の属性に関する情報である受講者属性情報を記憶する受講者属性情報記憶部と、
前記受講者属性情報および/または前記受講者に対する前記講義の提供における特定のタイミングであって前記アバター講師が映像および音声によって前記受講者に語りかける行動である声かけを行うタイミングである声かけタイミングに基づいて、前記声かけタイミングに提供する声かけの話題である声かけ話題を特定する声かけ話題特定部と、
前記受講者属性情報に基づいて、前記声かけに用いる態様である声かけ態様を特定する声かけ態様特定部と、
前記声かけタイミングに、前記声かけ話題および前記声かけ態様による声かけを出力する声かけ出力部と、
を有し、
前記声かけタイミングは、前記講義の提供を開始する前のタイミングである講義前タイミングであり、
前記学習支援システムは、前記講義を受講する受講者を撮影するために取得された画像に基づいて、前記受講者が前記講義に集中しているか否かに関する判定を行い、該判定の結果に基づく集中判定結果情報を記録する集中判定部を更に有し、
前記声かけ話題特定部は、前記声かけ話題と、前記声かけ話題による声かけの後の講義に対応する集中判定結果情報との関係に基づいて、前記講義前タイミングに提供する声かけ話題を選択する
、
学習支援システム。
【請求項5】
前記集中判定部は、前記声かけ話題のそれぞれについて声かけ後の講義に対する前記受講者の集中度を示す話題別集中度を算出し、
前記声かけ話題特定部は、前記話題別集中度が高い話題の比率が前記話題別集中度が低い話題の比率よりも低くなるように、声かけ話題を選択する、
請求項
4に記載の学習支援システム。
【請求項6】
前記声かけ話題特定部は、前記声かけ話題のそれぞれの比率が、前記話題別集中度の合計値に対する前記声かけ話題の集中度の割合と一致させるように、声かけ話題を選択する、
請求項
5に記載の学習支援システム。
【請求項7】
処理装置と記憶装置とを有するコンピュータによって、講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義を提供する学習支援方法であって、
前記記憶装置が、受講者の属性に関する情報である受講者属性情報を記憶し、
前記処理装置が、
前記受講者属性情報および/または前記受講者に対する前記講義の提供における特定のタイミングであって前記アバター講師が映像および音声によって前記受講者に語りかける行動である声かけを行うタイミングである声かけタイミングに基づいて、前記声かけタイミングに提供する声かけの話題である声かけ話題を特定し、
前記受講者属性情報に基づいて、前記声かけに用いる態様である声かけ態様を特定し、
前記声かけタイミングに、前記声かけ話題および前記声かけ態様による声かけを出力する、
方法において、
前記声かけ態様は、声かけに用いる言語体系である声かけ言語体系であり、
前記受講者属性情報は、前記受講者の住所の情報と、前記受講者が希望する言語体系である希望言語体系の情報とを含み、
前記処理装置が、前記住所および前記希望言語体系に基づいて前記声かけ言語体系を特定する、
学習支援方法。
【請求項8】
処理装置と記憶装置とを有するコンピュータによって、講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義を提供する学習支援方法であって、
前記記憶装置が、受講者の属性に関する情報である受講者属性情報を記憶し、
前記処理装置が、
前記受講者属性情報および/または前記受講者に対する前記講義の提供における特定のタイミングであって前記アバター講師が映像および音声によって前記受講者に語りかける行動である声かけを行うタイミングである声かけタイミングに基づいて、前記声かけタイミングに提供する声かけの話題である声かけ話題を特定し、
前記受講者属性情報に基づいて、前記声かけに用いる態様である声かけ態様を特定し、
前記声かけタイミングに、前記声かけ話題および前記声かけ態様による声かけを出力する、
方法において、
前記声かけ態様は、声かけに用いる言語体系である声かけ言語体系であり、
前記受講者属性情報は、前記受講者の住所の情報と、前記受講者が好きな動物である嗜好動物の情報とを含み、
前記声かけ言語体系は、各地域に特有の言語体系である方言と、語尾に動物の鳴き声を模擬する擬音語または動物の行動を模擬する擬態語を付加する動物言葉と、を合成したものであり、
前記処理装置が、前記住所から定まる方言と、前記嗜好動物から定まる動物言葉とに基づいて前記声かけ言語体系を特定する、
学習支援方法。
【請求項9】
処理装置と記憶装置とを有するコンピュータによって、講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義を提供する学習支援方法であって、
前記記憶装置が、受講者の属性に関する情報である受講者属性情報を記憶し、
前記処理装置が、
前記受講者属性情報および/または前記受講者に対する前記講義の提供における特定のタイミングであって前記アバター講師が映像および音声によって前記受講者に語りかける行動である声かけを行うタイミングである声かけタイミングに基づいて、前記声かけタイミングに提供する声かけの話題である声かけ話題を特定し、
前記受講者属性情報に基づいて、前記声かけに用いる態様である声かけ態様を特定し、
前記声かけタイミングに、前記声かけ話題および前記声かけ態様による声かけを出力する、
方法において、
前記処理装置が、前記受講者の前記受講者属性情報に基づいて、前記アバター講師に前記受講者と類似する嗜好をもった人柄を設定し、前記人柄に基づく声かけ態様を特定する、
学習支援方法。
【請求項10】
処理装置と記憶装置とを有するコンピュータによって、講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義を提供する学習支援方法であって、
前記記憶装置が、受講者の属性に関する情報である受講者属性情報を記憶し、
前記処理装置が、
前記受講者属性情報および/または前記受講者に対する前記講義の提供における特定のタイミングであって前記アバター講師が映像および音声によって前記受講者に語りかける行動である声かけを行うタイミングである声かけタイミングに基づいて、前記声かけタイミングに提供する声かけの話題である声かけ話題を特定し、
前記受講者属性情報に基づいて、前記声かけに用いる態様である声かけ態様を特定し、
前記声かけタイミングに、前記声かけ話題および前記声かけ態様による声かけを出力する、
方法において、
前記声かけタイミングは、前記講義の提供を開始する前のタイミングである講義前タイミングであり、
前記処理装置が、前記講義を受講する受講者を撮影するために取得された画像に基づいて、前記受講者が前記講義に集中しているか否かに関する判定を行い、該判定の結果に基づく集中判定結果情報を記録し、
前記声かけ話題と、前記声かけ話題による声かけの後の講義に対応する集中判定結果情報との関係に基づいて、前記講義前タイミングに提供する声かけ話題を選択する、
学習支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計算機システムを利用して学習を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、映像と音声を含む講義を提供する学習システムが開示されている。学習システムは、講義を受講する受講者を撮影するために取得された画像に基づいて、受講者が講義に集中しているか否かに関する判定を行い、その判定の結果に基づく集中判定結果情報を記録し、画像と集中判定結果情報とに基づいて、受講者が講義の内容を理解しているか否かに関する判定を行い、その判定の結果に基づく理解判定結果情報を記録し、集中判定結果情報および理解判定結果情報に基づいて講義を制御する。当該受講者の集中の度合いと理解の度合いに応じて講義を制御するので、各受講者における効果的な学習を支援することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現実の人間である講師が受講者に対面で授業を行う場合、適切なタイミングで適切な声かけを行うと、受講者のモチベーションや集中の度合いが上がり、学習の効果が向上することが知られている。しかしながら、コンピュータを利用してアバター講師による映像と音声で講義を提供する技術分野においては、効果的な声かけの工夫についてほとんど検討がなされていない。
【0005】
本開示のひとつの目的は、受講者への効果的な声かけによる学習支援を実現する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のひとつの実施態様による学習支援システムは、講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義を提供する学習支援システムであって、受講者の属性に関する情報である受講者属性情報を記憶する受講者属性情報記憶部と、前記受講者に対する前記講義の提供における特定のタイミングを、前記アバター講師が映像および音声によって前記受講者に語りかける行動である声かけを行うタイミングである声かけタイミングとして特定する声かけタイミング特定部と、前記受講者属性情報および/または前記声かけタイミングに基づいて、前記声かけタイミングに提供する声かけの話題である声かけ話題を特定する声かけ話題特定部と、前記受講者属性情報に基づいて、前記声かけに用いる態様である声かけ態様を特定する声かけ態様特定部と、前記声かけタイミングに、前記声かけ話題および前記声かけ態様による声かけを出力する声かけ出力部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に含まれるひとつの態様によれば、受講者への効果的な声かけによる学習支援が可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態による学習支援システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】学習支援システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】声かけ話題特定処理のフローチャートである。
【
図8】第2の実施形態による学習支援システムの機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
<第1の実施形態>
本実施形態の学習支援システムは、講師を模した姿を有する仮想的な人物(以下「アバター講師」ともいう)により、受講者に、映像および音声で構成された講義コンテンツを提供する計算機システムである。また、学習支援システムは、講義コンテンツの提供における特定のタイミングでアバター講師から受講者に声かけを行い、受講者の学習効果を向上させる。
【0011】
図1は、第1の実施形態による学習支援システムの機能構成を示すブロック図である。
【0012】
図1を参照すると、学習支援システム10は、講義出力部19、声かけタイミング特定部11、声かけ話題特定部12、声かけ態様特定部13、声かけ出力部14、および記憶部15を有している。記憶部15には、サービスを実行するのに必要な予め準備されたデータが記録されている。一例として、講義出力部19、声かけタイミング特定部11、声かけ話題特定部12、声かけ態様特定部13、および声かけ出力部14は、その処理がソフトウェアプログラムにより規定され、プロセッサがそのソフトウェアプログラムを実行することにより実現される。
【0013】
図2は、学習支援システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0014】
図2を参照すると、学習支援システム10は、サーバ20と、インターネット等の通信ネットワーク経由でサーバ20に接続可能なパーソナルコンピュータやスマートホン等の情報端末とで構成されている。受講者90は、情報端末30上のブラウザ33を用いてサーバ20に接続し、サーバ20から提供されるサービスを利用する。サービスは、学習に関連するコンテンツを提供するサービスである。サービスは
図1に示した各部により実現される。
【0015】
図2に示すように、サーバ20は、ハードウェアとして、処理装置21、メインメモリ22、記憶装置23、通信装置24、入力装置25、および表示装置26を有し、それらがバス27に接続されている。
【0016】
記憶装置23は、書込みおよび読み出しが可能にデータを記憶するものである。
図1に示した記憶部15はこの記憶装置23によって実現される。処理装置21は、記憶装置23に記憶されたデータをメインメモリ22に読み出し、メインメモリ22を利用してソフトウェアプログラムの処理を実行するプロセッサである。処理装置21によって、
図1に示した講義出力部19、声かけタイミング特定部11、声かけ話題特定部12、声かけ態様特定部13、および声かけ出力部14が実現される。
通信装置24は、処理装置21にて処理された情報を有線または無線あるいはそれら両方を含む通信ネットワークを介して送信し、また通信ネットワークを介して受信した情報を処理装置21に伝達する。受信した情報は処理装置21にてソフトウェアの処理に利用される。入力装置25は、キーボードやマウスなどオペレータによる操作入力による情報を受け付ける装置であり、入力された情報は処理装置21にてソフトウェア処理に利用される。表示装置26は、処理装置21によるソフトウェア処理に伴って画像やテキストの情報をディスプレイ画面に表示する装置である。入力装置25および表示装置26は、主には、受講者90ではなく管理者(不図示)が利用するために設けられている。
【0017】
図1に戻り、記憶部15は、講義コンテンツと、受講者属性情報と、講義前話題リストと、講義後話題リストとを予め記憶している。講義コンテンツとしては、学習すべき内容の単位毎に講義を収めたコンテンツが準備されている。受講者属性情報として、各受講者90のそれぞれの属性に関する情報が記録されている。講義前話題リストは、講義コンテンツを提供する前のタイミングで提供する声かけに用いる話題のリストである。講義後話題リストは、講義コンテンツを提供した後のタイミングで提供する声かけに用いる話題のリストである。
【0018】
【0019】
受講者属性情報D01のテーブルには、各受講者90のそれぞれの受講者番号(No.)、氏名、住所、嗜好、生年月日、および希望方言が登録されている。氏名は当該受講者90の氏名を示す。住所は、当該受講者90の住所を示す。嗜好は、当該受講者90の嗜好を示す。生年月日は、当該受講者90の生年月日を示す。希望方言は、当該受講者90がアバター講師に使ってほしいと希望する方言を示す。方言は、特定の地域で用いられている言語体系である。例えば、受講者番号が1である受講者90は、氏名が「特許 一郎」であり、「愛知県名古屋市・・・」に住んでおり、「ネコ」と「中日ドラゴンズ」を嗜好し、2001年10月1日生まれであり、アバター講師に「名古屋弁」を使ってほしいと希望している。
【0020】
講義出力部19は、個々の受講者90の要求および学習の進捗に応じて、記憶部15に記憶されている講義コンテンツを、情報端末30のブラウザ33を通じて受講者90に提供する。
【0021】
声かけタイミング特定部11、声かけ話題特定部12、声かけ態様特定部13、および声かけ出力部14は、連携して、受講者90に声かけを行う一連の処理を実行する。以下、この一連の処理を声かけ処理ともいう。
【0022】
【0023】
ステップ101にて、声かけタイミング特定部11は、当該受講者90に対する講義コンテンツの提供における特定のタイミングを、アバター講師が映像および音声によって受講者90に語りかける行動である声かけを行うタイミングである声かけタイミングとして特定する。声かけタイミング特定部11は、例えば、講義コンテンツの提供を開始前のタイミングである講義前タイミングを、声かけタイミングとして特定する。講義前の声かけは、その後の講義の効果に影響する重要なタイミングである。そのタイミングで適切な声かけを行うことにより、受講者90のモチベーションや集中の度合いが高い状態で講義の提供を開始することがができる。また、声かけタイミング特定部11は、例えば、講義コンテンツの提供を終了した後のタイミングである講義後タイミングを、声かけタイミングとして特定する。講義を聞いただけでなく、その次に講義内容の復習や、講義に関連する問題の演習を行うことで学力を効果的に向上させることができる。そのタイミングで適切な声かけを行うことにより、講義を受けた後の学習に対する受講者90のモチベーションを高めることができる。
【0024】
ステップ102にて、声かけ話題特定部12は、受講者属性情報D01および/または声かけタイミングに基づいて、当該受講者90に対して、声かけタイミングに提供する声かけの話題である声かけ話題を特定する。以下、この声かけ話題を特定する処理を声かけ話題特定処理ともいう。
【0025】
図5は、声かけ話題特定処理のフローチャートである。
【0026】
ステップ201にて、声かけ話題特定部12は、特定された声かけタイミングが講義前タイミングか講義後タイミングか判定する。
【0027】
声かけタイミングが講義前タイミングであれば、ステップ202にて、声かけ話題特定部12は、講義前話題リストから1つ以上の声かけ話題を決定する。
【0028】
【0029】
講義前話題リストD02には、講義コンテンツを開始する前に好適な声かけの話題として、「激励」、「リアルタイム話題」、および「嗜好話題」が設定されている。「激励」は、受講者のモチベーションを直接的に上げるような話題である。「リアルタイム話題」は、当該受講者が興味を示しそうなリアルタイムの話題であり、例えば、当該受講者の地元の天気やニュースや当日のスポーツの結果などが含まれる。実際のリアルタイムの天気、ニュース、スポーツの結果の情報は例えば外部のサイトから取得可能である。「嗜好話題」は、当該受講者が好きな物に関する話題であり、例えば、当該受講者がネコ好きであれば、飼いネコに関する話などが該当する。「リアルタイム話題」および「嗜好話題」には、当該受講者の意識を講義に向かせる効果があると考えられる。
【0030】
声かけ話題特定部12が講義前話題リストD02から1つ以上の声かけ話題を決定する方法は特に限定されない。例えば、声かけ話題特定部12は、講義前話題リストD02からランダムに1つ以上の声かけ話題を選択してもよい。あるいは、声かけ話題特定部12は、講義前話題リストD02の話題を巡回するように声かけ話題を順次選択してもよい。
【0031】
声かけタイミングが講義後タイミングであれば、ステップ203にて、声かけ話題特定部12は、講義後話題リストから1つ以上の声かけ話題を決定する。
【0032】
【0033】
講義後話題リストD03には、講義コンテンツを終えた後に好適な声かけの話題として、「労い」および「嗜好話題」が設定されている。「労い」は、講義の受講を労って、その後の学習のモチベーションを上げるような話題である。「嗜好話題」は、当該受講者が好きな物に関する話題であり、当該受講者の疲れを取り、その後の学習に向かうモチベーションを上げる効果があると考えられる。
【0034】
声かけ話題特定部12が講義後話題リストD03から1つ以上の声かけ話題を決定する方法は特に限定されない。例えば、声かけ話題特定部12は、講義後話題リストD03からランダムに1つ以上の声かけ話題を選択してもよい。あるいは、声かけ話題特定部12は、講義後話題リストD03の話題を巡回するように声かけ話題を順次選択してもよい。
【0035】
図4に戻り、ステップ103にて、声かけ態様特定部13は、受講者属性情報D01に基づいて、当該受講者90への声かけに用いる態様である声かけ態様を特定する。本実施形態における声かけ態様は、一例として、声かけに用いる言語体系である声かけ言語体系である。例えば、声かけ態様特定部13は、受講者属性情報D01に、希望方言(言語体系)が登録されていれば、その言語体系を、当該受講者90への声かけ言語体系として特定してもよい。また、受講者属性情報D01に、希望方言(言語体系)が登録されていなければ、声かけ態様特定部13は、受講者属性情報D01に登録されている住所が示す地域の方言を、当該受講者90への声かけ言語体系として特定してもよい。あるいは、受講者属性情報D01に、希望方言(言語体系)が登録されていなければ、声かけ態様特定部13は、日本の標準語を、当該受講者90への声かけ言語体系として特定してもよい。
【0036】
また、声かけ態様特定部13は、声かけ言語体系として、いずれかひとつの言語体系を選択してもよいが、複数の言語体系を組み合わせて声かけ言語体系としてもよい。例えば、
図3の受講者属性情報D01において、受講者番号が「1」の受講者「特許 一郎」は、「名古屋弁」を希望し、「ネコ」を嗜好しているので、声かけ態様特定部13は、「名古屋弁」と「ネコ」を模擬する言葉(動物言葉)とを合成した声かけ態様を特定してもよい。一例として、「こんにちは。特許一郎くん。今日は名古屋はどえりゃー暑いですね。体調大丈夫ですか? 特許一郎くんの好きな中日ドラゴンズは昨夜も勝ちましたニャン。特許一郎くんもしっかり勉強しましょう。それでは講義を開始しますニャン。」といった声かけが可能となる。
【0037】
続いて、ステップ104にて、声かけ出力部14は、当該声かけタイミングに、当該声かけ話題および当該声かけ態様による声かけの映像および音声を、情報端末30のブラウザ33を通じて、当該受講者90に出力する。
【0038】
<第2の実施形態>
第2の実施形態の学習支援システムは、第1の実施形態のものと同等の機能に加え、講義を受講している受講者の画像および音声から受講者の状態を取得し、取得した受講者の状態の情報を、その後の声かけの制御に利用することにより、声かけの効果の向上を図るものである。
【0039】
第2の実施形態の学習支援システムは、第1の実施形態のものと同様の構成および動作を有するので、以下では、主に第2の実施形態における第1の実施形態と異なる部分について説明する。
【0040】
図8は、第2の実施形態による学習支援システムの機能構成を示すブロック図である。第2の実施形態の学習支援システムのハードウェア構成は
図2に示した第1の実施形態のものと同様である。
【0041】
第2の実施形態では、学習支援システム10は、講義出力部19、声かけタイミング特定部11、声かけ話題特定部12、声かけ態様特定部13、声かけ出力部14、および記憶部15に加え、集中判定部16を有している。集中判定部16は、講義出力部19、声かけタイミング特定部11、声かけ話題特定部12、および声かけ態様特定部13と同様に、ソフトウェアプログラムの処理を実行するプロセッサである処理装置21によってが実現される。
【0042】
集中判定部16は、情報端末30のカメラ31によって受講者90を撮影するために取得された画像に基づいて、受講者90が講義に集中しているか否かに関する判定を行い、その判定の結果に基づく集中判定結果情報を記録する。集中判定の方法は特に限定されないが、例えば、受講者90が端末の前におり、良好な体勢をとっており、眼が開いており、画面を見ているという条件が揃っていれば、集中していると判定することにしてもよい。
【0043】
図9は、集中判定結果情報の一例を示す図である。ここでは講義前の声かけに関する集中判定結果情報およびその算出方法について説明するが、講義後の声かけに関する集中判定結果情報およびその算出方法も同様にしてもよい。講義前の声かけの場合、声かけ後の講義における受講者の画像を基に集中判定を行うが、講義後の声かけの場合、講義後の復習や問題演習における受講者の画像を基に集中判定を行えばよい。
【0044】
集中判定結果情報D04には、講義コンテンツを開始する声かけの各話題に対応付けて、当該話題の各回集中度と話題別集中度とが記録されている。話題別集中度の算出方法は特に限定されないが、例えば、集中判定部16は、当該話題の声かけが行われる毎に、その後の講義に対する集中度である各回集中度を算出して蓄積し、蓄積された各回集中度の話題別の平均値を算出し、話題別集中度とすることにしてもよい。また、その中の各回集中度の算出方法も特に限定されないが、例えば、集中判定部16は、一定時間毎に画像を基に受講者が集中しているか否か判定し、集中か非集中かを示す集中フラグを記録し、講義中の集中と非集中の回数比によって5段階評価し、評価結果を各回集中度とすることにしてもよい。また、集中判定部14は、声かけが行われる毎に話題別集中度を更新してもよいし、所定期間毎に更新してもよい。
【0045】
図9の例では、「激励」という話題については、各回集中度が4,5,5,5,4,4,5・・・であり、話題別集中度が4.5である。本例では、各回集中度は「1」から「5」までの5段階で表されている。「5」が最も集中していることを示し、「1」が最も集中していないことを示す。「リアルタイム話題」という話題については、各回集中度が4,3,3,3,4,3,3・・・であり、話題別集中度が3.2である。「嗜好話題」という話題については、各回集中度が3,4,4,4,3,4・・・であり、話題別集中度が3.8である。
【0046】
声かけ話題特定部12は、声かけの後の受講者90の講義に対応する集中判定結果情報に基づいて、講義前タイミングの声かけ話題および講義後タイミングの声かけ話題を選択する。声かけ話題の選択方法は特に限定されないが、例えば、声かけ話題特定部12は、話題別集中度の高い話題の比率が高く、話題別集中度の低い話題の比率が低くなるように、それ以降の話題を選択していけばよい。例えば、声かけ話題特定部12は、各話題の比率を、話題別集中度の合計値に対する各話題の集中度の割合と一致させるように、話題を選択してもよい。これにより、過度に同じ話題が集中することなくまた話題別集中度の更新も可能にしながら、受講者に効果の高い声かけを多く与えることが可能となる。
【0047】
講義前タイミングについては、声かけ話題特定部12は、受講者90に提供された声かけの声かけ話題と、その声かけ話題による声かけの後の受講者90の講義に対応する集中判定結果情報とを集計してそれらの相関関係を算出し、その相関関係に基づいて、講義前タイミングに提供する声かけ話題を選択する。
【0048】
例えば、嗜好話題として、講義前に野球の時事ネタの声かけをしたら、講義への集中度が高かったら、その後、講義前に野球の時事ネタの声かけの頻度を高めてもよい。また、講義前にネコに関する声かけをしたら、講義への集中度が高かったら、その後、講義前にネコに関する声かけの頻度を高めてもよい。講義前に食べ物に関する声かけをしたら、講義への集中度が高かったら、その後、講義前に食べ物に関する声かけの頻度を高めてもよい。
【0049】
講義後タイミングについては、声かけ話題特定部12は、受講者90の講義に対応する集中判定結果情報に基づいて、その講義の講義後タイミングに提供する声かけ話題を選択する。
【0050】
<第3の実施形態>
第3の実施形態の学習支援システムは、アバター講師に対して受講者に合わせた人柄を設定し、その人柄に基づく声かけを行う。現実世界では、受講者が講師に好感や親近感を持っていると、受講者の講義への集中度や学習へのモチベーションが高まることが知られているが、アバター講師は現実の人間である講師とは異なるので、受講者がアバター講師に対する好感や親近感を持ちにくい。本実施形態では、アバター講師に人柄(パーソナリティ)を持たせることにより、受講者がアバター講師に好感や親近感を持ちやすやすくすることができる。
【0051】
第3の実施形態の学習支援システムは、第1の実施形態のものと同様の構成および動作を有するので、以下では、主に第3の実施形態における第1の実施形態と異なる部分について説明する。
【0052】
第3の実施形態による学習支援システムの機能構成およびハードウェア構成は、それぞれ
図1および
図2に示した第1の実施形態のものと同様である。
【0053】
第3の実施形態では、声かけ態様特定部13は、当該受講者90の受講者属性情報に基づいて、アバター講師に人柄を設定し、その人柄に基づく声かけ態様を特定する。それにより、声かけ出力部14から受講者90に提供される声かけは、設定された人柄のアバター講師による声かけとなる。人柄は、例えば、嗜好、性格、態度、しゃべり方などによって設定することができる。
【0054】
例えば、声かけ態様特定部13は、受講者90の受講者属性情報に基づいて、アバター講師に受講者90と類似する嗜好をもった人柄を設定し、その人柄に基づく声かけ態様を特定してもよい。これにより、受講者がアバター講師に対する親近感を感じやすくなる。
【0055】
例えば、受講者がイヌ好きだったらアバター講師の人柄としてイヌ好きという嗜好を設定することが考えられる。そうすると、例えば、嗜好話題の声かけにおいては、イヌ好きのアバター講師がイヌの話題の声かけを行うこととなり、受講者はアバター講師に好感や親近感を持ちやすくなる。
【0056】
<付記>
以上、本発明の実施形態について述べてきたが、本発明は、これらの実施形態だけに限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内において、これらの実施形態を組み合わせて使用したり、一部の構成を変更したりしてもよい。
【0057】
また、上述した実施形態には以下に示す事項が含まれている。ただし、上述した実施形態に含まれる事項が以下に示すものだけに限定されることはない。
【0058】
(事項1)
講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義を提供する学習支援システムであって、受講者の属性に関する情報である受講者属性情報を記憶する受講者属性情報記憶部と、前記受講者に対する前記講義の提供における特定のタイミングを、前記アバター講師が映像および音声によって前記受講者に語りかける行動である声かけを行うタイミングである声かけタイミングとして特定する声かけタイミング特定部と、前記受講者属性情報および/または前記声かけタイミングに基づいて、前記声かけタイミングに提供する声かけの話題である声かけ話題を特定する声かけ話題特定部と、前記受講者属性情報に基づいて、前記声かけに用いる態様である声かけ態様を特定する声かけ態様特定部と、前記声かけタイミングに、前記声かけ話題および前記声かけ態様による声かけを出力する声かけ出力部と、を有する学習支援システム。
【0059】
これによれば、講義の提供に伴って、適切なタイミングに適切な態様によって適切な話題の声かけを行うので、受講者の学習効果を高める効果的な声かけが可能になる。
【0060】
(事項2)
事項1に記載の学習支援システムにおいて、前記声かけ態様は、声かけに用いる言語体系である声かけ言語体系である。これによれば、方言など特定の言語体系の言葉遣いで声かけが行われるので、効果的な声かけが可能となる。
【0061】
(事項3)
事項2に記載の学習支援システムにおいて、前記受講者属性情報は、前記受講者の住所の情報と、前記受講者が希望する言語体系である希望言語体系の情報とを含み、前記声かけ態様特定部は、前記住所および前記希望言語体系に基づいて前記声かけ言語体系を特定する。これによれば、受講者の地元の方言や好感を持った言葉遣いで声かけが行われるので、効果的な声かけが可能となる。
【0062】
(事項4)
事項2に記載の学習支援システムにおいて、前記受講者属性情報は、前記受講者の住所の情報と、前記受講者が好きな動物である嗜好動物の情報とを含み、前記声かけ言語体系は、各地域に特有の言語体系である方言と、語尾に動物の鳴き声を模擬する擬音語または動物の行動を模擬する擬態語を付加する動物言葉と、を合成したものであり、前記声かけ態様特定部は、前記住所から定まる方言と、前記嗜好動物から定まる動物言葉とに基づいて前記声かけ言語体系を特定する。
【0063】
(事項5)
事項1に記載の学習支援システムにおいて、前記声かけ態様特定部は、前記受講者の前記受講者属性情報に基づいて、前記アバター講師に人柄を設定し、前記人柄に基づく声かけ態様を特定する。これによれば、アバター講師に人柄(パーソナリティ)を持たせることにより、受講者がアバター講師に好感や親近感を持ちやすやすくすることができる。
【0064】
(事項6)
事項5に記載の学習支援システムにおいて、前記声かけ態様特定部は、前記受講者の前記受講者属性情報に基づいて、前記アバター講師に前記受講者と類似する嗜好をもった人柄を設定し、前記人柄に基づく声かけ態様を特定する。これによれば、受講者がアバター講師に対する親近感を感じや少なる。
【0065】
(事項7)
事項1に記載の学習支援システムにおいて、前記声かけタイミング特定部は、前記講義の提供を開始する前のタイミングである講義前タイミングを、前記声かけタイミングとして特定する。これによれば、講義前のタイミングで適切な声かけを行うことにより、受講者のモチベーションや集中の度合いが高い状態で講義の提供を開始することがができる。
【0066】
(事項8)
事項7に記載の学習支援システムにおいて、前記声かけ話題特定部は、前記講義前タイミングに提供する声かけ話題として、その後に提供される前記講義への前記受講者のモチベーションが高い声かけ話題を選択する。これによれば、講義前に受講者のモチベーションを効果的に高めることができる。
【0067】
(事項9)
事項8に記載の学習支援システムにおいて、前記講義を受講する受講者を撮影するために取得された画像に基づいて、前記受講者が前記講義に集中しているか否かに関する判定を行い、該判定の結果に基づく集中判定結果情報を記録する集中判定部を更に有し、前記声かけ話題特定部は、前記声かけ話題と、前記声かけ話題による声かけの後の講義に対応する集中判定結果情報との関係に基づいて、前記講義前タイミングに提供する声かけ話題を選択する。これによれば、実際に測定された結果に基づいて効果の高い声かけを選択することが可能になる。
【0068】
(事項10)
事項1に記載の学習システムにおいて、前記集中判定部は、前記声かけ話題のそれぞれについて声かけ後の講義に対する前記受講者の集中度を示す話題別集中度を算出し、前記声かけ話題特定部は、前記話題別集中度が高い話題の比率が前記話題別集中度が低い話題の比率よりも低くなるように、声かけ話題を選択する。これによれば、過度に同じ話題が集中することなくまた話題別集中度の更新も可能にしながら、受講者に効果の高い声かけを多く与えることが可能となる。
【0069】
(事項11)
事項10に記載の学習システムにおいて、前記声かけ話題特定部は、前記声かけ話題のそれぞれの比率が、前記話題別集中度の合計値に対する前記声かけ話題の集中度の割合と一致させるように、声かけ話題を選択する。
【0070】
(事項12)
事項1に記載の学習支援システムにおいて、前記声かけタイミング特定部は、前記講義の提供を終了した後のタイミングである講義後タイミングを、前記声かけタイミングとして特定する。これによれば、講義後に適切な声かけを行うことにより、講義を受けた後の学習に対する受講者のモチベーションを高めることができる。
【0071】
(事項13)
処理装置と記憶装置とを有するコンピュータによって、講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義を提供する学習支援方法であって、前記記憶装置が、受講者の属性に関する情報である受講者属性情報を記憶し、前記処理装置が、前記受講者に対する前記講義の提供における特定のタイミングを、前記アバター講師が映像および音声によって前記受講者に語りかける行動である声かけを行うタイミングである声かけタイミングとして特定し、前記受講者属性情報および/または前記声かけタイミングに基づいて、前記声かけタイミングに提供する声かけの話題である声かけ話題を特定し、前記受講者属性情報に基づいて、前記声かけに用いる態様である声かけ態様を特定し、前記声かけタイミングに、前記声かけ話題および前記声かけ態様による声かけを出力する。
【符号の説明】
【0072】
10:学習支援システム、11:タイミング特定部、12:話題特定部、13:態様特定部、14:出力部、15:記憶部、16:集中判定部、19:講義出力部、20:サーバ、21:処理装置、22:メインメモリ、23:記憶装置、24:通信装置、25:入力装置、26:表示装置、27:バス、30:情報端末、31:カメラ、33:ブラウザ、90:受講者、D01:受講者属性情報、D02:講義前話題リスト、D03:講義後話題リスト
【要約】
【課題】受講者への効果的な声かけによる学習支援を実現する技術を提供する。
【解決手段】講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義を提供する学習支援システムは、受講者の属性に関する情報である受講者属性情報を記憶し、受講者に対する講義の提供における特定のタイミングを、アバター講師が映像および音声によって受講者に語りかける行動である声かけを行うタイミングである声かけタイミングとして特定し、受講者属性情報および/または声かけタイミングに基づいて、声かけタイミングに提供する声かけの話題である声かけ話題を特定し、受講者属性情報に基づいて、声かけに用いる態様である声かけ態様を特定し、声かけタイミングに、声かけ話題および声かけ態様による声かけを出力する。
【選択図】
図1