(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】熱間成形プレス、熱間成形プレスのための加熱ボックス、及び加工対象物の熱間成形プレスの方法
(51)【国際特許分類】
B30B 15/34 20060101AFI20240405BHJP
B21D 22/20 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
B30B15/34 A
B21D22/20 H
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019189982
(22)【出願日】2019-10-17
【審査請求日】2022-10-17
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サンダーズ, ダニエル ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】ラーセン, ロバート チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】コナウェイ, ドナルド ロイド
【審査官】堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】実公昭46-035353(JP,Y1)
【文献】特表2005-531411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 15/34
B21D 22/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直軸に沿って移動可能な下方プレスアセンブリ(102)であって、
下方ダイ(106)、及び
前記下方ダイ(106)を受容するように構成された下方加熱ボックス部分(104)、
を備える下方プレスアセンブリ(102)と、
前記下方プレスアセンブリ(102)の上方で前記垂直軸に沿って移動可能な上方プレスアセンブリ(108)であって、
上方ダイ(112)、及び
前記上方ダイ(112)が前記下方ダイ(106)に向かい合って配置されるよう、前記上方ダイ(112)を受容するように構成されている上方加熱ボックス部分(110)、
を備える上方プレスアセンブリ(108)と、
前記下方プレスアセンブリ(102)に動作可能に連結され、前記垂直軸に沿って前記下方プレスアセンブリ(102)を移動するように構成された下方並進機構(118)と、
上方プレスヘッド(134)と、
前記垂直軸に沿って前記上方プレスアセンブリ(108)を
前記上方プレスヘッド(134)に対して垂直に移動するように構成された上方並進機構(120)と
、
前記上方プレスアセンブリ(108)に固定された少なくとも1つの固定ロッド(138)と、
少なくとも1つのロッドクランプ(140)と
を備える熱間成形プレス(100)であって、
前記下方ダイ(106)と前記上方ダイ(112)は、前記下方ダイ(106)と前記上方ダイ(112)との間に受容される加工対象物(114)に成形圧力を印加するように構成されており、
前記下方加熱ボックス部分(104)と前記上方加熱ボックス部分(110)は前記加工対象物(114)を加熱するように構成されており、
前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)は、装填配置まで垂直移動するように構成され、当該装填配置において、前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)は、前記下方ダイ(106)と前記上方ダイ(112)との間に前記加工対象物(114)を受容するように離間されており、
前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)は、閉鎖配置まで垂直移動するように構成され、当該閉鎖配置において、前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)は、前記下方ダイ(106)と前記上方ダイ(112)との間の前記加工対象物(114)に前記成形圧力を印加するように配置されており、
前記少なくとも1つのロッドクランプ(140)は、前記上方プレスヘッド(134)に固定され、かつ前記少なくとも1つの固定ロッド(138)を選択的にクランプして、前記上方プレスアセンブリ(108)を前記閉鎖配置において不動化させるように構成されており、
前記下方並進機構(118)は、前記成形圧力を発生させるため、成形力を印加するように構成されており、
前記上方並進機構(120)は、前記成形圧力を発生させるため、成形力を印加するようには構成されていない、熱間成形プレス(100)。
【請求項2】
垂直支持体(116)をさらに備え、
前記下方プレスアセンブリ(102)は前記垂直支持体(116)に沿って移動可能で、
前記上方プレスアセンブリ(108)は前記垂直支持体(116)に沿って移動可能で、
前記下方プレスアセンブリ(102)はさらに、前記下方加熱ボックス部分(104)の下方に配置され、前記下方加熱ボックス部分(104)を垂直に支持する下方ボルスタープレート(128)を備え、
前記垂直支持体(116)は前記下方ボルスタープレート(128)を通って延在する、請求項
1に記載の熱間成形プレス(100)。
【請求項3】
前記上方プレスアセンブリ(108)はさらに、前記上方加熱ボックス部分(110)の上方に配置され、前記上方加熱ボックス部分(110)を垂直に支持する上方ボルスタープレート(130)を備え、
前記垂直支持体(116)は前記上方ボルスタープレート(130)を通って延在する、請求項
2に記載の熱間成形プレス(100)。
【請求項4】
下方プレスヘッド(126)をさらに備え、
前記下方並進機構(118)は少なくとも1つの油圧シリンダ(124)を備え、
前記下方プレスアセンブリ(102)は、前記下方プレスヘッド(126)に対して垂直に移動可能で、
少なくとも1つの前記油圧シリンダ(124)は、前記下方プレスアセンブリ(102)を前記下方プレスヘッド(126)に対して垂直に移動し、前記加工対象物(114)に成形圧力を印加するため、前記下方プレスアセンブリ(102)と前記下方プレスヘッド(126)との間に動作可能に連結される、請求項1から
3のいずれか一項に記載の熱間成形プレス(100)。
【請求項5】
上方プレスヘッド(134)をさらに備え、
前記上方並進機構(120)は1つの駆動ねじアセンブリ(132)を備え、
前記上方プレスアセンブリ(108)は、前記上方プレスヘッド(134)に対して垂直に移動可能で、
前記1つの駆動ねじアセンブリ(132)は、前記上方プレスアセンブリ(108)を前記上方プレスヘッド(134)に対して垂直に移動するため、前記上方プレスアセンブリ(108)と前記上方プレスヘッド(134)との間に動作可能に連結される、請求項1から
4のいずれか一項に記載の熱間成形プレス(100)。
【請求項6】
前記下方プレスアセンブリ(102)はダイ設定配置まで垂直に移動されるように構成されており、前記下方ダイ(106)は、当該ダイ設定配置において、前記下方ダイ(106)の選択的な除去と交換のため、前記下方加熱ボックス部分(104)から離間されている、請求項1から
5のいずれか一項に記載の熱間成形プレス(100)。
【請求項7】
前記下方加熱ボックス部分(104)の中へ延在し、前記下方ダイ(106)に動作可能に係合するように配置された少なくとも1つの下方ダイリフトピン(136)をさらに備え、
前記下方プレスアセンブリ(102)は、少なくとも1つの前記下方ダイリフトピン(136)に対して垂直移動可能で、
前記下方プレスアセンブリ(102)が前記ダイ設定配置まで垂直に移動されると、少なくとも1つの前記下方ダイリフトピン(136)は、前記下方ダイ(106)の選択的な除去と交換のため、前記下方ダイ(106)を前記下方加熱ボックス部分(104)の上方に配置する、請求項
6に記載の熱間成形プレス(100)。
【請求項8】
前記下方加熱ボックス部分(104)は、
下方ハウジング(142)と、
前記下方ハウジング(142)内に受容され、前記下方ダイ(106)に接触するように構成され、別個の複数の下方領域(146)を備える下方加熱プレート(144)と、
前記下方ハウジング(142)と前記下方加熱プレート(144)との間に配置された下方絶縁層(148)と、を備え、
前記下方プレスアセンブリ(102)はさらに、前記下方加熱プレート(144)の前記別個の複数の下方領域(146)に能動的に決定された熱量を供給するように構成された下方熱源(150)を備える、請求項1から
7のいずれか一項に記載の熱間成形プレス(100)。
【請求項9】
前記下方加熱プレート(144)と前記下方ハウジング(142)は、全体として下方加熱ロッド経路(152)を画定し、
前記下方熱源(150)は、前記下方加熱ロッド経路(152)の中へ延在する下方加熱ロッド(154)を備え、
前記下方加熱ロッド(154)は、前記下方加熱ロッド(154)の全長に沿って直線的である、請求項
8に記載の熱間成形プレス(100)。
【請求項10】
前記下方熱源(150)はさらに、
下方接続ボックス(158)と、
前記下方加熱ロッド(154)を前記下方接続ボックス(158)に相互接続する下方接続ケーブル(160)と、を備え、
前記下方プレスアセンブリ(102)はさらに、前記下方加熱ボックス部分(104)の下方に配置され、前記下方加熱ボックス部分(104)を垂直に支持する下方ボルスタープレート(128)を備え、
前記下方接続ボックス(158)は前記下方ボルスタープレート(128)に装着され、
前記下方ボルスタープレート(128)は、前記下方加熱ボックス部分(104)から熱が放射されるとき、前記熱から前記下方接続ボックス(158)をシールドする、請求項
9に記載の熱間成形プレス(100)。
【請求項11】
前記成形力は、少なくとも50メートルトンである、請求項1から
10のいずれか一項に記載の熱間成形プレス(100)。
【請求項12】
加工対象物(114)を熱間成形する方法(400)であって、
下方プレスアセンブリ(102)と上方プレスアセンブリ(108)を共に装填配置まで垂直移動するステップであって、当該装填配置において、前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)は、前記加工対象物(114)を受容するために離間されている、垂直移動するステップと、
前記加工対象物(114)を、前記下方プレスアセンブリ(102)の下方ダイ(106)と前記上方プレスアセンブリ(108)の上方ダイ(112)との間に配置するステップと、
前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)を共に閉鎖配置まで垂直移動するステップであって、当該閉鎖配置において、前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)は、前記加工対象物(114)に成形圧力を印加するように配置される、垂直移動するステップと、
前記上方プレスアセンブリ(108)を
前記閉鎖配置において不動化する
ために、上方プレスアセンブリ(108)に固定された固定ロッド(138)をロッドクランプ(140)によってクランプするステップと、
前記加工対象物(114)に前記成形圧力を印加するため、前記下方プレスアセンブリ(102)を前記上方プレスアセンブリ(108)に向かって移動するステップと、
前記加工対象物(114)を加熱するステップと、
を含み、前記成形圧力は成形力によって発生され、前記成形力は、前記下方プレスアセンブリ(102)に動作可能に連結された下方並進機構(118)によって印加され
、垂直軸に沿って前記上方プレスアセンブリ(108)を垂直に移動するように構成された上方並進機構(120)によっては印加されない、方法(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は熱間成形プレスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の熱間成形プレスは高価である。例えば、航空宇宙産業では、大型部品を処理できる熱間成形プレスは、250万ドルを超える費用がかかること、1000万ドルを超える費用がかかることすらありうる。しかも、従来の熱間成形プレスは高価な維持費を要し、予測できないダウンタイムが発生しがちで、製造サイクルタイムに悪影響を及ぼす。加えて、熱間成形プレスの操作が失敗すると、失敗時のプレスによって処理された部品の高価な修正作業がしばしば必要になる。最悪の場合には、このような部品は廃棄しなければならず、莫大な追加費用が発生する結果となる。
【発明の概要】
【0003】
したがって、少なくとも上述の懸念に対処することを意図した装置及び方法が有用性を見いだすであろう。
【0004】
以下の記載は、本発明による主題の実施例の非網羅的なリストである。これらの実施例は、特許請求される場合があり、されない場合もある。
【0005】
本発明による主題の一実施例は、熱間成形プレスに関する。熱間成形プレスは、下方プレスアセンブリと上方プレスアセンブリとを備える。下方プレスアセンブリは、垂直軸に沿って移動可能で、下方ダイと、下方ダイを受容するように構成された下方加熱ボックス(hot-box)部分とを備える。上方プレスアセンブリは、下方プレスアセンブリの上方で垂直軸に沿って移動可能で、上方ダイと上方加熱ボックス部分とを備える。上方加熱ボックス部分は、上方ダイが下方ダイに向かい合って配置されるよう、上方ダイを受容するように構成されている。下方ダイと上方ダイは、下方ダイと上方ダイとの間に受容される加工対象物に成形圧力を印加するように構成されている。下方加熱ボックス部分と上方加熱ボックス部分とは、加工対象物を加熱するように構成されている。
【0006】
垂直軸に沿って移動可能な下方プレスアセンブリと上方プレスアセンブリとを共に有することにより、加工対象物に印加される成形圧力(例えば、数トンの熱間成形プレス)を発生させる成形力を印加する熱間成形プレスの構成要素は、加工対象物の動作可能な配置と成形された部品の熱間成形プレスからの除去、並びに成形力の印加を可能にするための大きなストローク長を有する必要はない。同様に、成形圧力を発生させる成形力を印加する熱間成形プレスの構成要素は、下方ダイ及び上方ダイの除去と交換を可能にするためのストローク長を有する必要はない。したがって、成形圧力を発生させる成形力を印加する熱間成形プレスの構成要素は、同じサイクル数では従来技術の熱間成形プレスよりも受ける応力が小さいため、熱間成形プレスの寿命に対して必要となる保守及び修理は少なくなる。
【0007】
本発明による主題の別の実施例は、熱間成形プレスの加熱ボックスに関する。加熱ボックスは、下方加熱ボックス部分と上方加熱ボックス部分とを備える。下方加熱ボックス部分は、下方ハウジング、下方加熱プレート、及び下方絶縁層を備える。下方加熱プレートは下方ハウジング内に受容され、下方ダイを支持するように構成されている。下方絶縁層は、下方ハウジングと下方加熱プレートとの間に配置されている。上方加熱ボックス部分は、下方加熱ボックス部分の上方に配置可能で、上方ハウジング、上方加熱プレート、及び上方絶縁層を備える。上方加熱プレートは上方ハウジング内に受容され、上方ダイを支持するように構成されている。上方絶縁層は、上方ハウジングと上方加熱プレートとの間に配置されている。下方加熱ボックス部分と上方加熱ボックス部分が互いに接触しているとき、下方加熱ボックス部分と上方加熱ボックス部分は、下方ダイと上方ダイとの間に受容される加工対象物の周囲に熱バリアを提供する。
【0008】
加熱ボックスは、熱間成形プレスが加工対象物から部品を動作可能に成形しているとき、下方ダイと上方ダイ、及びその結果として加工対象物に供給される熱を維持するため、熱バリアを提供する。下方ハウジングは、下方加熱ボックス部分の他の構成要素を支持するための構造体を提供する。下方絶縁層は、下方ダイを支持し、そこに熱を伝導するように構成されている下方加熱プレートを絶縁し、その結果、下方ダイから外への伝導を制限することによって、下方ダイの効率的な加熱を促進する。同様に、上方ハウジングは、上方加熱ボックス部分の他の構成要素を支持するための構造体を提供する。上方絶縁層は、上方ダイを支持し、そこに熱を伝導するように構成されている上方加熱プレートを絶縁し、その結果、上方ダイから外への伝導を制限することによって、上方ダイの効率的な加熱を促進する。
【0009】
本発明による主題の別の例は、加工対象物を熱間成形する方法に関する。方法は、下方プレスアセンブリと上方プレスアセンブリが加工対象物を受容するように離間されている装填配置(loading configuration)まで、下方プレスアセンブリと上方プレスアセンブリを共に垂直に移動するステップを含む。方法は、下方プレスアセンブリの下方ダイと上方プレスアセンブリの上方ダイとの間に加工対象物を配置するステップを含む。方法はさらに、下方プレスアセンブリと上方プレスアセンブリが加工対象物に成形圧力を印加するように配置される閉鎖配置(closed configuration)まで、下方プレスアセンブリと上方プレスアセンブリを共に垂直に移動するステップを含む。方法はまた、上方プレスアセンブリを不動化するステップを含む。方法はさらに、加工対象物に成形圧力を印加するため、下方プレスアセンブリを上方プレスアセンブリに向かって移動するステップを含む。方法はまた、加工対象物を加熱するステップを含む。
【0010】
装填配置と閉鎖配置との間で、下方プレスアセンブリと上方プレスアセンブリが共に垂直移動するため、加工対象物に加えられる成形圧力(例えば、数トンの熱間成形プレス)を発生させる成形力を印加する熱間成形プレスの構成要素は、加工対象物の動作可能な配置と成形された部品の熱間成形プレスからの除去、並びに成形力の印加を可能にするための大きなストローク長を有する必要はない。同様に、成形圧力を発生させる成形力を印加する熱間成形プレスの構成要素は、下方ダイ及び上方ダイの除去と交換を可能にするためのストローク長を有する必要はない。したがって、成形圧力を発生させる成形力を印加する熱間成形プレスの構成要素は、同じサイクル数では従来技術の熱間成形プレスよりも受ける応力が小さいため、熱間成形プレスの寿命に対して必要となる保守及び修理は少なくなる。
【0011】
上方プレスアセンブリを不動化することによって、上方プレスアセンブリの垂直移動に関連する構成要素は、加工対象物を動作可能に変形するのに欠かせない成形圧力を発生させるのに十分な成形力を印加可能である必要はない。むしろ、下方プレスアセンブリの垂直移動に関連する構成要素だけが、加工対象物を動作可能に変形するため、必要な成形圧力を発生させるのに十分な成形力を印加可能であることが必要になる。その結果、上方プレスアセンブリの垂直移動に関連する構成要素は、下方プレスアセンブリの垂直移動に関連する構成要素よりも大幅に安価になりうる。
【0012】
本発明による主題の別の例は、加工対象物を熱間成形する方法に関する。方法は、熱間成形プレスの加熱ボックスの下方加熱ボックス部分の下方加熱プレートの別個の下方領域に、又は、加熱ボックスの上方加熱ボックス部分の上方加熱プレートの明確な上方領域に、能動的に決定された熱量を供給するステップを含む。
【0013】
装填配置と閉鎖配置との間で、下方プレスアセンブリと上方プレスアセンブリが共に垂直移動するため、加工対象物に加えられる成形圧力(例えば、数トンの熱間成形プレス)を発生させる成形力を印加する熱間成形プレスの構成要素は、加工対象物の動作可能な配置と成形された部品の熱間成形プレスからの除去、並びに成形力の印加を可能にするための大きなストローク長を有する必要はない。同様に、成形圧力を発生させる成形力を印加する熱間成形プレスの構成要素は、下方ダイ及び上方ダイの除去と交換を可能にするためのストローク長を有する必要はない。したがって、成形圧力を発生させる成形力を印加する熱間成形プレスの構成要素は、同じサイクル数では従来技術の熱間成形プレスよりも受ける応力が小さいため、熱間成形プレスの寿命に対して必要となる保守及び修理は少なくなる。
【0014】
上方プレスアセンブリを不動化することによって、上方プレスアセンブリの垂直移動に関連する構成要素は、加工対象物を動作可能に変形するのに欠かせない成形圧力を発生させるのに十分な成形力を印加可能である必要はない。むしろ、下方プレスアセンブリの垂直移動に関連する構成要素だけが、加工対象物を動作可能に変形するため、必要な成形圧力を発生させるのに十分な成形力を印加可能であることが必要になる。その結果、上方プレスアセンブリの垂直移動に関連する構成要素は、下方プレスアセンブリの垂直移動に関連する構成要素よりも大幅に安価になりうる。
【0015】
このように、本発明の一又は複数の実施例を一般論として説明したが、次に、添付図面を参照する。これらは必ずしも正寸で描かれている訳ではない。また、複数の図を通して、類似の参照記号は同一又は類似の部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1A】
図1Bと共に、本開示の一又は複数の実施例による熱間成形プレスのブロック図を示す。
【
図1B】
図1Aと共に、本開示の一又は複数の実施例による熱間成形プレスのブロック図を示す。
【
図2A】
図2Bと共に、本開示の一又は複数の実施例による熱間成形プレスの加熱ボックスのブロック図を示す。
【
図2B】
図1Aと共に、本開示の一又は複数の実施例による熱間成形プレスの加熱ボックスのブロック図を示す。
【
図3】本開示の一又は複数の実施例による、
図1の熱間成形プレスの斜視図である。
【
図4】本開示の一又は複数の実施例による、
図1の熱間成形プレスの別の斜視図である。
【
図5】本開示の一又は複数の実施例による、
図1の熱間成形プレスの一部の斜視図である。
【
図6】本開示の一又は複数の実施例による、
図1の熱間成形プレスの一部の断面斜視図である。
【
図7】本開示の一又は複数の実施例による、
図1の熱間成形プレスの一部の断面斜視図である。
【
図8】本開示の一又は複数の実施例による、
図2の加熱ボックス並びに
図1の熱間成形プレスの加熱ボックスの斜視図である。
【
図9】本開示の一又は複数の実施例による、
図2の加熱ボックス並びに
図1の熱間成形プレスの加熱ボックスの断面斜視図である。
【
図10】本開示の一又は複数の実施例による、
図2の加熱ボックス並びに
図1の熱間成形プレスの加熱ボックスの別の断面斜視図である。
【
図11】本開示の一又は複数の実施例による、
図2の加熱ボックスの上方加熱ボックス部分並びに
図1の熱間成形プレスの加熱ボックスの分解斜視図である。
【
図12】本開示の一又は複数の実施例による、
図2の加熱ボックスの上方加熱ボックス部分並びに
図1の熱間成形プレスの加熱ボックスの別の分解斜視図である。
【
図13】本開示の一又は複数の実施例による、
図2の加熱ボックスの上方加熱ボックス部分の一部並びに
図1の熱間成形プレスの加熱ボックスの断面図である。
【
図14】本開示の一又は複数の実施例による、
図2の加熱ボックスの下方加熱ボックス部分並びに
図1の熱間成形プレスの加熱ボックスの分解斜視図である。
【
図15】本開示の一又は複数の実施例による、
図2の加熱ボックスの下方加熱ボックス部分の一部並びに
図1の熱間成形プレスの加熱ボックスの断面図である。
【
図16】本開示の一又は複数の実施例による、
図1の熱間成形プレスの加熱ロッドの概略側面図である。
【
図17】本開示の一又は複数の実施例による、
図1の熱間成形プレスのディスプレイの正面図である。
【
図18】本開示の一又は複数の実施例による、
図1の熱間成形プレスの上方ダイと下方ダイを加工対象物と共に示した断面図である。
【
図19】本開示の一又は複数の実施例による、
図1の熱間成形プレスのディスプレイ正面図である。
【
図20A】
図20Bと共に、本開示の一又は複数の実施例による加工対象物を熱間成形する方法のブロック図を示す。
【
図20B】
図20Aと共に、本開示の一又は複数の実施例による加工対象物を熱間成形する方法のブロック図を示す。
【
図21】本開示の一又は複数の実施例による、加工対象物を熱間成形する別の方法のブロック図を示す。
【
図22】航空機の製造及び保守方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上記の
図1及び2で、様々な要素及び/または構成要素を接続する実線が存在する場合、これらの実線は、機械的、電気的、流体的、光学的、電磁的、及びその他の連結、並びに/またはその組合せを表わしうる。本書における「連結され(coupled)」とは、直接的に並びに間接的に関連付けられていることを意味する。例えば、部材Aは部材Bに直接的に関連付けられるか、又は、例えば、別の部材Cを介して間接的に関連付けられうる。様々な開示された要素間のすべての関係が必ずしも表わされているわけではないことが理解されるであろう。そのため、ブロック図に示されているもの以外の連結も存在しうる。様々な要素及び/又は構成要素を示すブロックを接続する破線が存在する場合、これらの破線は、機能及び目的の点で実線によって表されているものに類似した連結を表わす。しかしながら、破線によって表わされた連結は、選択的に設けられるか、又は、本開示の代替的な実施例に関連するかのいずれかでありうる。同様に、破線で表わされた要素及び/又は構成要素が存在する場合、それらは本開示の代替的な実施例を示す。実線及び/又は破線で示されている一又は複数の要素は、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の実施例から省略してもよい。環境要素が存在する場合、それらは点線で表わされる。仮想的な(架空の)要素も、明確性のために示されうる。
図1及び
図2に示す特徴のうちの幾つかは、
図1及び
図2、他の図面、並びに/または付随する開示に記載された他の特徴を含むことを必要とせずに、様々な方法で組み合わされうることを(一又は複数のかかる組み合わせは本書で明示的に示されていないが)、当業者は理解するであろう。同様に、提示されている実施例に限定されない追加的な特徴が、本明細書で示され且つ記載されている特徴のうちの幾つか又は全てと組み合わされてもよい。
【0018】
上記の
図20~
図22では、ブロックは、工程及び/又はその一部を表すことが可能であり、様々なブロックを接続する線は、工程群又はその一部の任意の特定の順序又は従属関係を示唆していない。破線で示されるブロックは、代替的な工程群及び/又はその一部を表わす。様々なブロックを接続する破線がある場合、その破線は、工程群又はその一部の代替的な従属関係を表わす。様々な開示された工程間のすべての従属関係が必ずしも表わされるわけではないことが理解されよう。本書に明記された一又は複数の方法の工程を説明する、
図20~
図22及び付随する開示は、必ずしも、動作が実行されるシーケンスを決定すると解釈すべきではない。むしろ、ある例示的な順序が示されているが、工程の順序は、適切な場合、修正することができることを理解されたい。したがって、ある特定の工程は、異なる順序で、又は同時に実施されうる。加えて、当業者であれば、説明されているすべての工程を実施する必要はないことを認識するであろう。
【0019】
以下の説明において、開示された概念の完全な理解をもたらすために、多数の特定の詳細が明記されるが、その概念はこれらの特定事項の一部又はすべてがなくとも実施されうる。他の事例においては、開示を不必要に分かりにくくすることを避けるために、既知のデバイス及び/又はプロセスの詳細が省略されている。一部の概念は特定の例と併せて説明されるが、これらの例は、限定を目的とするものではないと理解されよう。
【0020】
別途指示されない限り、「第1(first)」、「第2(second)」などの語は、本書では単に符号として使用されており、これらの語が表わすアイテムに、順序的、位置的、又は序列的な要件を課すことを意図するものではない。さらに、例えば「第2」のアイテムへの言及は、例えば「第1」の、又はより小さい数が振られたアイテム、及び/又は、例えば「第3」の、又はより大きな数が振られたアイテムの存在を、必要とすることも、排除することもない。
【0021】
本書における「一実施例」への言及は、その実施例に関連して説明される一又は複数の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実装形態に含まれることを意味する。明細書内で頻出する「一実施例」という表現は、同一の実施例を表わすこともあり、又は同一の実施例を表わさないこともある。
【0022】
本書において、特定の機能を実施するように「構成された(configured to)」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、実際には、いかなる変更も伴わずにその特定の機能を実施することが可能であり、さらなる改変の後にその特定の機能を実施する可能性があるにすぎないというものではない。言い換えると、特定の機能を実施するように「構成された」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、その特定の機能を実施するという目的のために、特に選択、創出、実装、利用、プログラミング及び/又は設計される。本書において、「構成された」という表現は、システム、装置、構造物、物品、要素、構成要素、又はハードウェアがさらなる改変を伴わずに特定の機能を実施することを可能にする、システム、装置、構造物、物品、要素、構成要素、又はハードウェアの特性が、存在することを意味する。この開示において、特定の機能を実施する「よう構成/設定され」ていると説明されているシステム、装置、構造物、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、追加的又は代替的には、その機能を実施するよう「適合している(adapted to)」、及び/又は、実施するよう「動作可能である(operative to)」とも説明されうる。
【0023】
本開示による主題の例示的で非網羅的な実施例が、以下で提供される。これらの実施例は、特許請求されることもあり、又はされないこともある。
【0024】
一般的に
図1を、具体的には例えば
図3~
図7を参照して、熱間成形プレス100が開示されている。熱間成形プレス100は、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108とを備える。下方プレスアセンブリ102は、垂直軸に沿って移動可能で、下方ダイ106と、下方ダイ106を受容するように構成された下方加熱ボックス部分104とを備える。上方プレスアセンブリ108は、下方プレスアセンブリ102の上方で垂直軸に沿って移動可能で、上方ダイ112と上方加熱ボックス部分110とを備える。上方加熱ボックス部分110は、上方ダイ112が下方ダイ106の反対側に配置されるように、上方ダイ112を重要するように構成されている。下方ダイ106と上方ダイ112は、下方ダイ106と上方ダイ112との間に受容される加工対象物114に成形圧力を印加するように構成されている。下方加熱ボックス部分104と上方加熱ボックス部分110は、加工対象物114を加熱するように構成されている。この段落の前述の主題は、本開示の実施例1を特徴づけるものである。
【0025】
垂直軸に沿って移動可能な下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108とを共に有することにより、加工対象物114に印加される成形圧力(例えば、数トンの熱間成形プレス)を発生させる成形力を印加する熱間成形プレス100の構成要素は、加工対象物114の動作可能な配置と成形された部品の熱間成形プレス100からの除去、並びに成形力の印加を可能にする大きなストローク長を有する必要はない。同様に、成形圧力を発生させる成形力を印加する熱間成形プレス100の構成要素は、下方ダイ106及び上方ダイ112の除去と交換を可能にするためのストローク長を有する必要はない。したがって、成形圧力を発生させる成形力を印加する熱間成形プレス100の構成要素は、同じサイクル数では従来技術の熱間成形プレスよりも受ける応力が小さいため、熱間成形プレス100の寿命に対して必要となる保守及び修理は少なくなる。
【0026】
下方加熱ボックス部分104及び上方加熱ボックス部分110は、それぞれ下方ダイ106と上方ダイ112を支持するだけではなく、加工対象物114の動作可能な成形のため、下方ダイ106と上方ダイ112の加熱も行う構造体である。
【0027】
一般的に
図1を参照すると、下方加熱ボックス部分104と上方加熱ボックス部分110は、加工対象物114を少なくとも250°C、少なくとも500°C、又は少なくとも750°Cまで、或いは250~1000°Cの範囲の温度まで加熱するように構成されている。この段落の前述の主題は、本開示の実施例2を特徴づけており、実施例2は、上述の実施例1による主題も含む。
【0028】
加工対象物114を所望の温度まで加熱することによって、熱間成形プレス100のオペレータは、加工対象物114の、また最終的には加工対象物114から成形される部品の降伏強度、硬度、及び延性を制御することができる。すなわち、加工対象物114の材料選択に応じて、温度又は温度範囲は、例えば、成形工程中の材料のストリング硬化(string hardening)を避けるため、材料の再結晶温度を上回って選択されうる。しかも、加工対象物114の加熱により、冷間成形工程で必要とされるよりも低い成形圧力で、高強度材料を成形することができる。
【0029】
加工対象物114に使用される材料の例示的で非排他的な材料の例には、(限定するものではないが)様々なアルミニウム、チタン合金及び鋼が含まれる。
【0030】
一般的に
図1を参照すると、成形圧力は、少なくとも50メートルトン、少なくとも100メートルトン、少なくとも300メートルトン、少なくとも500メートルトン、少なくとも700メートルトン、少なくとも1000メートルトン、又は少なくとも2000メートルトン、或いは50~2250メートルトンの範囲内の成形力から生ずる。この段落の前述の主題は、本開示の実施例3を特徴づけており、実施例3は、上述の実施例1又は2による主題をさらに含む。
【0031】
成形圧力は、加工対象物114の材料特性及び加工対象物114から成形される部品の複雑度に基づいて選択される。しかも、成形圧力が高い場合には、加工対象物114から成形される部品が所望の材料特性になるように、より低い温度要件がもたらされうる。
【0032】
一般的に
図1を、具体的には例えば
図3~
図7を参照すると、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108は、装填配置まで垂直移動するように構成されており、当該装填配置において、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108は、下方ダイ106と上方ダイ112との間に加工対象物114を受容するように離間されている。下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108は、閉鎖配置まで垂直移動するように構成されており、当該閉鎖配置において、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108は、下方ダイ106と上方ダイ112との間に加工対象物114に成形圧力を印加するように配置されている。この段落の上述の主題は、本開示の実施例4を特徴づけており、実施例4は、上記の実施例1から3のいずれかによる主題も含む。
【0033】
装填配置は、オペレータ又はロボットアームが、下方ダイ106と上方ダイ112との間に加工対象物114を動作可能に配置するための十分な空間を提供する。閉鎖配置は、加工対象物114に成形圧力を印加するように下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108とを配置するだけでなく、加工対象物114を所望の温度まで加熱する。
【0034】
いくつかの実施例では、装填配置はまた、熱間成形プレス100が部品を成形した後に、オペレータ又はロボットアームが、成形された部品を加工対象物114から除去するための十分な空間を提供する。したがって、いくつかの実施例では、装填配置はまた、取外し配置とも称されうる。しかしながら、いくつかの実施例では、装填配置は、下方プレスアセンブリ102及び上方プレスアセンブリ108からの下方ダイ106及び上方ダイ112の除去と交換のために、十分な空間を提供しないことがありうる。
【0035】
一般的に
図1、及び具体的には、例えば
図4を参照すると、上方プレスアセンブリ108は、閉鎖配置で選択的に固定されるように構成されている。この段落の前述の主題は、本開示の実施例5を特徴づけており、実施例5は、上述の実施例4による主題も含む。
【0036】
上方プレスアセンブリ108を閉鎖配置に固定することによって、加工対象物114に成形圧力を発生させるために必要な成形力は、下方プレスアセンブリ102だけによって印加されることが必要になる。したがって、上方プレスアセンブリ108を垂直移動させる熱間成形プレス100の構成要素は、所望の成形圧力を発生させるのに要求されうるような大きな力を印加できる必要はなく、むしろ、少なくとも装填配置と閉鎖配置との間で上方プレスアセンブリを移動できることが必要となる。
【0037】
一般的に
図1、及び具体的には
図3~
図6を参照すると、熱間成形プレス100はさらに、上方プレスヘッド134、少なくとも1つの固定ロッド138、及び少なくとも1つのロッドクランプ140を備える。上方プレスアセンブリ108は、上方プレスヘッド134に対して垂直移動可能である。少なくとも1つの固定ロッド138は、上方プレスアセンブリ108に固定されている。上方プレスヘッド134に対して上方プレスアセンブリ108を不動化するため、少なくとも1つのロッドクランプ140は上方プレスヘッド134に固定され、少なくとも1つの固定ロッド138を選択的に固定するように構成されている。この段落の前述の主題は、本開示の実施例6を特徴づけており、実施例6は、上述の実施例5による主題も含む。
【0038】
少なくとも1つのロッドクランプ140によって、少なくとも1つの固定ロッド138が固定されると、上方プレスアセンブリ108は上方プレスヘッド134に対して不動化される。したがって、下方プレスアセンブリ102が成形圧力を発生させるために成形力を印加すると、変形のために加工対象物114に加えられる成形圧力を発生させるため、上方プレスアセンブリ108は本来的に等しく向かい合う成形力を印加する。
【0039】
熱間成形プレス100は、
図3~
図6に示したように、4つの固定ロッドと対応する4つのロッドクランプを備えるが、熱間成形プレス100のサイズ、熱間成形プレス100のトン数、並びに固定ロッドとロッドクランプの強度と容量などに応じて、任意の好適な数の固定ロッドとロッドクランプが使用されうる。少なくとも1つのロッドクランプ140が固定ロッド138を受容し、固定ロッド138の相対運動を選択的に固定するように構成されるように、固定ロッドとロッドクランプは任意の好適な構成を取りうる。ロッドクランプは、追加的に又は代替的に固定ユニット(locking unit)と称されることがあり、少なくとも1つのロッドクランプ140の非排他的な例は、ドイツのSITEMA Gmbh & Co. KGから市販されているLocking Unit KBである。
【0040】
加工対象物114の変形用の成形圧力を発生させるため、下方プレスアセンブリ102が成形力を印加するとき、上方プレスアセンブリ108を不動化するため、上方プレスヘッド134が十分な剛性を提供するように、上方プレスヘッド134は任意の好適な構成を取りうる。
図3~
図6に示したように、一又は複数の実施例では、上方プレスヘッド134は、2つのプレート間の鋼鉄リブ、上方プレスヘッド134の上部に連結されたロッドクランプ、及び上方プレスヘッド134を通って延在する固定ロッドによって構造的に強化された2つの離間された鋼鉄プレートによって構成される。上方プレスヘッド134、及び以下で議論される下方プレスヘッド126と垂直支持体116は、熱間成形プレス100のフレームを画定するように説明されうる。
【0041】
一般的に
図1を、及び具体的に例えば
図3~
図7を参照すると、熱間成形プレス100は、垂直支持体116をさらに備える。下方プレスアセンブリ102は、垂直支持体116に沿って移動可能である。上方プレスアセンブリ108は、垂直支持体116に沿って移動可能である。この段落の上述の主題は、本開示の実施例7を特徴づけており、実施例7は、上記の実施例1から6のいずれかによる主題も含む。
【0042】
垂直支持体116は、熱間成形プレス100の垂直軸に沿って、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108の運動を抑制する。
【0043】
図3~
図7に示したように、一又は複数の実施例では、4つの垂直支持体116が含まれ、一般的に熱間成形プレス100の四隅に配置される。例示した実施例は、一般的に円筒形の垂直支持体116を有しており、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108が、装填配置と閉鎖配置、並びにオプションにより以下で議論される設定配置との間で移行するときに、揃って移動するよう、垂直支持体116がトラック又はガイドとしての役割を果たすように、垂直支持体116の任意の好適な構成は、熱間成形プレス100に組み込まれうる。いくつかの実施例では、垂直支持体116はクロムめっきされた鋼鉄シリンダになりうる。
【0044】
一般的に
図1を、及び具体的には例えば
図3、
図4、
図6及び
図7を参照すると、下方プレスアセンブリ102は下方ボルスタープレート128をさらに備える。下方ボルスタープレート128は下方加熱ボックス部分104の下方に配置され、下方加熱ボックス部分104を垂直に支持する。垂直支持体116は、下方ボルスタープレート128を通って延在する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例8を特徴づけており、実施例8は、上述の実施例7による主題も含む。
【0045】
下方ボルスタープレート128は下方加熱ボックス部分104を支持し、下方加熱ボックス部分104の絶縁機能に影響を与えることなく、垂直支持体116に沿って並進するための構造を、下方プレスアセンブリ102に提供する。
【0046】
図3、
図4、
図6、及び
図7に示したように、一又は複数の実施例では、下方ボルスタープレート128は、2つのプレート間の鋼鉄リブ、下方ボルスタープレート128の上面に連結された下方加熱ボックス部分104、及び下方ボルスタープレート128を通って延在する垂直支持体116によって構造的に強化された2つの離間された鋼鉄プレートによって構成される。下方ボルスタープレート128は、追加的に又は代替的に下方プレスアセンブリ102の下方ラム(ram)又は下方支持フレームと称されうる。
【0047】
一般的に
図1を、及び具体的には
図3~
図6を参照すると、上方プレスアセンブリ108は上方ボルスタープレート130をさらに備える。上方ボルスタープレート130は上方加熱ボックス部分110の上方に配置され、上方加熱ボックス部分110を垂直に支持する。垂直支持体116は、上方ボルスタープレート130を通って延在する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例9を特徴づけており、実施例9は、上述の実施例7又は8による主題をさらに含む。
【0048】
上方ボルスタープレート130は上方加熱ボックス部分110を支持し、上方加熱ボックス部分110の絶縁機能に影響を与えることなく、垂直支持体116に沿って並進するための構造を、上方プレスアセンブリ108に提供する。
【0049】
図3~
図6に示したように、一又は複数の実施例では、上方ボルスタープレート130は、2つのプレート間の鋼鉄リブ、上方ボルスタープレート130の下面に連結された上方加熱ボックス部分110、及び上方ボルスタープレート130を通って延在する垂直支持体116によって構造的に強化された2つの離間された鋼鉄プレートによって構成される。上方ボルスタープレート130は、追加的に又は代替的に上方プレスアセンブリ108の上方ラム(ram)又は上方支持フレームと称されうる。
【0050】
一般的に
図1を、及び具体的に例えば
図3~
図6を参照すると、熱間成形プレス100は、下方並進機構118をさらに備える。下方並進機構118は下方プレスアセンブリ102に動作可能に連結され、垂直軸に沿って下方プレスアセンブリ102を移動するように構成されている。熱間成形プレス100はまた、上方並進機構120を含む。上方並進機構120は、垂直軸に沿って上方プレスアセンブリ108を垂直移動するように構成されている。この段落の上述の主題は、本開示の実施例10を特徴づけており、実施例10は、上記の実施例1から9のいずれかによる主題も含む。
【0051】
説明したように、下方並進機構118と上方並進機構120はそれぞれ、垂直軸に沿って下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108を移動する。したがって、一又は複数の実施例では、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108は、加工対象物114の装填と加工対象物114から成形された部品の取外しを可能にするため、下方ダイ106と上方ダイ112の挿入と除去を可能にするため、また、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108の様々な構成要素部品の維持を可能にするため、互いに対して様々な垂直位置に選択的に配置される。
【0052】
一又は複数の実施例では、下方並進機構118と上方並進機構120は、(限定するものではないが)本書で開示され図解されている特定の実施例を含む、様々な形態を取りうる。例示的で非排他的な実施例では、下方並進機構118と上方並進機構120の各々は、油圧シリンダ、駆動ねじアセンブリ、空気圧アセンブリ、ギアアセンブリ、及び/又はプーリーアセンブリのうちの一又は複数を備える。
【0053】
一般的に
図1を、及び具体的に例えば
図4及び
図6を参照すると、下方並進機構118は、成形圧力を発生させるため、成形力を印加するように構成されている。この段落の前述の主題は、本開示の実施例11を特徴づけており、実施例11は、上述の実施例10による主題も含む。
【0054】
成形圧力は、下方ダイ106と上方ダイ112との間の加工対象物114を動作可能に変形する。
【0055】
一般的に
図1を参照すると、上方並進機構120は、成形圧力を発生させるため、成形力を印加するように構成されている。この段落の前述の主題は、本開示の実施例12を特徴づけており、実施例12は、上述の実施例10又は11による主題をさらに含む。
【0056】
成形力を印加しない上方並進機構120を有することによって、上方並進機構120は、加工対象物114を動作可能に変形して成形部品にするために必要な成形圧力を発生させるのに十分な成形力を印加できる必要はない。したがって、一又は複数の実施例では、上方並進機構120は、下方並進機構118よりも安価で、かつ維持が容易で、加工対象物114の動作可能に変形するための成形圧力を発生させるのに必要な成形力を印加するように、また、印加できるように構成されている。しかも、成形力を印加しない上方並進機構120を有することによって、一又は複数の実施例では、上方並進機構120は、熱間成形プレス100を装填配置に再配置するなどのために、下方並進機構118よりもかなり長いストロークを有するように構成される。その結果、一又は複数の実施例では、下方並進機構118は、従来技術の熱間成形プレスの対応する機構よりも大幅に安価になる。
【0057】
一般的に
図1を、及び具体的に例えば
図4及び
図6を参照すると、下方並進機構118は、少なくとも1つの油圧シリンダ124を備える。この段落の上述の主題は、本開示の実施例13を特徴づけており、実施例13は、上記の実施例10から12のいずれかによる主題も含む。
【0058】
油圧シリンダは必要な成形力を印加して、加工対象物114を動作可能に変形するために必要な成形圧力を発生させることができる。
【0059】
状況にしたがって、例えば、熱間成形プレス100のトン数、油圧シリンダの仕様などに応じて、任意の数の油圧シリンダが使用に適している。
図4の熱間成形プレス100の例示的な実施例では、下方プレスヘッド126と下方ボルスタープレート128との間に4つの油圧シリンダが配置されている。2つ以上の油圧シリンダ124を有することによって、熱間成形プレス100の所望のトン数に達するため、安価な既製の油圧シリンダが一又は複数の実施例で使用される。
【0060】
一般的には
図1を、及び具体的には例えば
図4及び
図6を参照すると、熱間成形プレス100は、下方プレスヘッド126及び少なくとも1つの油圧シリンダ124をさらに含む。下方プレスアセンブリ102は、下方プレスヘッド126に対して垂直に移動可能である。下方プレスヘッド126に対して下方プレスアセンブリ102を垂直に移動するため、また、加工対象物114に成形圧力を印加するため、少なくとも1つの油圧シリンダ124は、下方プレスアセンブリ102と下方プレスヘッド126との間に動作可能に連結されている。この段落の前述の主題は、本開示の実施例14を特徴づけており、実施例14は、上述の実施例13による主題も含む。
【0061】
下方プレスヘッド126は、下方プレスアセンブリ102を垂直移動するため、また、加工対象物114に成形圧力を動作可能に印加するため、少なくとも1つの油圧シリンダ124を押圧する固定された構造を提供する。
【0062】
図4及び
図6の熱間成形プレス100の例示的な実施例では、下方プレスヘッド126は、熱間成形プレス100が実装される製造環境の床面101の下方に配置される。したがって、一又は複数の実施例では、例えば、下方ダイ106の維持、挿入及び除去などのため、熱間成形プレス100のオペレータが下方プレスアセンブリ102及びその構成要素部品に容易にアクセスできるように、下方プレスアセンブリ102は床面101に対して配置される。
【0063】
一般的に
図1を、及び具体的には例えば
図3~
図6を詳細に参照すると、上方並進機構120は1つの駆動ねじアセンブリ132を備える。この段落の上述の主題は、本開示の実施例15を特徴づけており、実施例15は、上記の実施例10から14のいずれかによる主題も含む。
【0064】
1つの駆動ねじアセンブリ132のみを含むことによって、上方並進機構120のコストは従来技術の熱間成形プレスよりも大幅に低減される。しかも、1つの駆動ねじアセンブリ132のみを含むことによって、一又は複数の実施例では、駆動ねじは上方プレスアセンブリ108と上方プレスヘッド134の中心に配置される。これによって、成形された部品の除去及び加工対象物114の装填のために、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108が装填配置にあるときなど、成形が行われると、下方ダイ106、上方ダイ112、及び加工対象物114からを含め、加熱ボックス300から放出される放射熱から、1つの駆動ねじアセンブリ132をシールドする。
【0065】
図3~
図6に描かれた熱間成形プレス100の実施例では、1つの駆動ねじアセンブリ132は、上方プレスヘッド134の上方に装着された直接駆動電気モーター121と、上方プレスヘッド134を通って延在し、直接駆動電気モーター121と上方ボルスタープレート130との間に動作可能に連結された駆動ねじ123とを備える。
【0066】
一般的に
図1を、及び具体的に例えば
図3~
図6を参照すると、熱間成形プレス100は、上方プレスヘッド134をさらに備える。上方プレスアセンブリ108は、上方プレスヘッド134に対して垂直移動可能である。1つの駆動ねじアセンブリ132は、上方プレスアセンブリ108を上方プレスヘッド134に対して垂直移動するため、上方プレスアセンブリ108と上方プレスヘッド134との間に動作可能に連結される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例16を特徴づけており、実施例16は、上述の実施例15による主題も含む。
【0067】
一又は複数の実施例では、上方プレスヘッド134は、上方プレスアセンブリ108を垂直に並進させる1つの駆動ねじアセンブリ132に対して、固定された構造を提供する。
【0068】
一般的に
図1を、及び具体的に例えば
図6及び
図7を参照すると、下方プレスアセンブリ102はダイ設定配置まで垂直移動されるように構成されており、当該ダイ設定配置において、下方ダイ106の選択的な除去及び交換のため、下方ダイ106は下方加熱ボックス部分104から離間されている。この段落の上述の主題は、本開示の実施例17を特徴づけており、実施例17は、上記の実施例1から16のいずれかによる主題も含む。
【0069】
一又は複数の実施例で、ダイ設定配置に示されているように、下方ダイ106は下方加熱ボックス部分104から除去され交換される。したがって、一又は複数の実施例では、熱間成形プレス100は、様々な部品の成形のために選択的に構成されている。
【0070】
一般的に
図1を、及び具体的に例えば
図6及び
図7を参照すると、熱間成形プレス100は、少なくとも1つの下方ダイリフトピン136を備える。少なくとも1つの下方ダイリフトピン136は、下方加熱ボックス部分104の中へ延在し、下方ダイ106に動作可能に係合するように配置されている。下方プレスアセンブリ102は、少なくとも1つの下方ダイリフトピン136に対して垂直移動可能である。下方プレスアセンブリ102がダイ設定配置まで垂直移動されると、下方ダイ106の選択的な除去及び交換のために、少なくとも1つの下方ダイリフトピン136は、下方ダイ106を下方加熱ボックス部分104の上方に配置する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例18を特徴づけており、実施例18は、上述の実施例17による主題も含む。
【0071】
一又は複数の実施例で、下方ダイ106を下方加熱ボックス部分104の上方に動作可能に配置することによって、下方ダイ106を除去し交換することが可能である。したがって、様々な部品の成形のため、熱間成形プレス100を選択的に構成することが可能である。
【0072】
任意の好適な好適な数及び構成の下方ダイリフトピンを、熱間成形プレス100に一体化することができる。一般的に、下方ダイリフトピン136は、下方ダイ106と係合するため、下方加熱ボックス部分104を通って延在する細長い構造体である。より具体的には、
図6及び
図7の熱間成形プレス100では、4つの下方ダイリフトピンは、下方ボルスタープレート128を通って部分的に延在するペデスタル137によって、また、下方ボルスタープレート128を通り、さらに、下方ダイ106に係合する下方加熱ボックス部分104を通って、ペデスタル137から延在する下方ダイリフトピンによって、下方プレスヘッド126の上面に固定されている対応するペデスタル137によって支持されている。したがって、下方並進機構118が、下方プレスアセンブリ102をダイ設定配置まで垂直に下げるとき、下方加熱ボックス部分104の残りの部分が下方ダイ106に対して下げられているように、下方ダイリフトピンは下方ダイ106に係合したまま留まる。その結果、下方ダイ106は、下方加熱ボックス部分104の残りの部分から上方に離間された状態になり、下方プレスアセンブリ102からの選択的な除去を可能にする。例えば、一又は複数の実施例では、下方プレスアセンブリ102から下方ダイ106を持ち上げ除去するのにフォークリフトが使用される。同様に、一又は複数の実施例では、新しい下方ダイを下方ダイリフトピン136の上に配置するのにフォークリフトが使用される。
【0073】
一般的に
図1と
図2を、及び具体的には例えば
図6~
図10と
図14を参照すると、下方加熱ボックス部分104は、下方ハウジング142、下方加熱プレート144、及び下方絶縁層148を備える。下方加熱プレート144は、下方ハウジング142内に受容され、下方ダイ106に接触するように構成され、別個の下方領域146を備える。下方絶縁層148は、下方ハウジング142と下方加熱プレート144との間に配置される。下方プレスアセンブリ102は、下方加熱プレート144の別個の下方領域146に能動的に決定された熱量を供給するように構成されている下方熱源150をさらに備える。この段落の上述の主題は、本開示の実施例19を特徴づけており、実施例19は、上記の実施例1から18のいずれかによる主題も含む。
【0074】
下方ハウジング142は、下方加熱ボックス部分104の他の構成要素を支持するための構造を提供する。下方絶縁層148は、下方ダイ106に接触する下方加熱プレート144を絶縁し、これによって、下方ダイ106から外への伝導を制限することで、下方ダイ106の効率的な加熱を促進する。下方加熱プレート144の別個の下方領域146に能動的に決定された熱量を供給する下方熱源150を有することによって、別個の下方領域146に供給される熱量を制御し、これによって別個の下方領域146の温度を制御し、下方ダイ106及び加工対象物114の対応する領域に所望の熱を供給することが可能になる。例えば、加工対象物114に成形されるよりタイトな屈曲に対応する下方ダイ106の一部を加熱することが望ましくなりうる。追加的に又は代替的に、下方絶縁層148を通る伝導熱損失により、下方ダイ106の内側領域よりも下方ダイ106の外側領域により多くの熱を供給することが望ましくなりうる。
【0075】
一又は複数の実施例では、下方ハウジング142は、下方加熱ボックス部分104の他の構成要素を支持するように、任意の好適な材料と任意の好適な構成で構築される。
図6~
図10及び
図14の下方加熱ボックス部分104では、下方ハウジング142は、インコネルなどの合金で作られた下方ベースプレート302と下方側壁304を備える。
【0076】
追加的に又は代替的に、下方加熱プラテンとして説明されうる下方加熱プレート144は、一又は複数の実施例で、下方熱源150から熱を受容し、その熱を下方ダイ106に供給するように構成されるよう、任意の好適な形態をとる。
図6~
図10及び
図14に示され、本書で説明されているように、下方加熱プレート144は、下方熱源150の対応する下方加熱ロッドが延在する下方加熱ロッド経路152の一部を画定する。
【0077】
一般的に
図1と
図2を、及び具体的には
図6~
図8、
図10、及び
図14を参照すると、下方加熱プレート144は、下方ダイ106が内部に配置される下方加熱プレート空間320を画定する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例20を特徴づけており、実施例20は、上述の実施例19による主題も含む。
【0078】
下方ダイ106が内部に配置される下方加熱プレート空間320を画定することにより、下方加熱プレート144は、下方ダイ106の下からだけでなく、下方ダイ106の側面からも下方ダイ106に熱を供給することができる。その結果、下方ダイ106の加熱は効率的になる。
【0079】
一般的に
図1を、及び具体的には例えば
図6、
図7、
図9、
図10、
図14、及び
図15を参照すると、下方加熱プレート144と下方ハウジング142は全体として、下方加熱ロッド経路152を画定する。下方熱源150は、下方加熱ロッド経路152へ延在する下方加熱ロッド154を備える。この段落の前述の主題は、本開示の実施例21を特徴づけており、実施例21は、上述の実施例19又は20による主題をさらに含む。
【0080】
下方熱源150の下方加熱ロッド154は、下方加熱プレート144の、また、結果として、下方加熱プレート144のスパン全体を横断する下方ダイ106の制御された加熱を可能にする。その結果、下方加熱プレート144の様々な部分の効果的かつ効率的な温度制御が可能になる。
【0081】
一又は複数の実施例では、下方加熱ロッド154は、下方加熱プレート144に熱を供給するように構成されるよう、様々な形態をとる。例示的で非排他的な実施例として、下方加熱ロッド154は、セラミック層によって封入され、ステンレス鋼シースに包み込まれたニッケル鋼から構成される細長い加熱素子を備える。セラミック層は、加熱素子の酸化を制限するため、酸素を吸収する。
【0082】
下方加熱プレート144のサイズ、熱間成形プレス100に要求される温度制御の程度などに応じて、任意の好適な数の下方加熱ロッド154、及び対応する下方加熱ロッド経路を提供することができる。
図6、
図7、
図9、
図10、及び
図14の例示的な実施例では、下方加熱プレート144及び下方ハウジング142によって、40個の下方加熱ロッド経路152が画定される。
【0083】
下方絶縁層148が下方加熱プレート144の側面に延在する下方加熱ボックス部分104の実施例では、下方絶縁層148は、下方加熱プレート144及び下方ハウジング142と共に、下方加熱ロッド経路152を画定する。
【0084】
一般的に
図1を、及び具体的には例えば
図16を参照すると、下方加熱ロッド154は、下方加熱ロッド154の全長に沿って直線的である。この段落の前述の主題は、本開示の実施例22を特徴づけており、実施例22は、上述の実施例21による主題も含む。
【0085】
下方加熱ロッド154はその全長に沿って直線的であるため、下方加熱ロッド154の完全性は損傷を受けずに長期間維持され、したがって、高価な交換が不要となる。
【0086】
例えば、下方加熱ロッド154のセラミック層は、従来技術の屈曲した加熱ロッドのように割れないため、下方加熱ロッド154への空気の侵入、下方加熱ロッド154の加熱素子の望ましくない酸化及び劣化を回避できる。
【0087】
一般的に
図1を、及び具体的には例えば
図3、
図4、
図6、及び
図7を参照すると、下方熱源150は、下方加熱ロッド154を下方接続ボックス158に相互接続する下方接続ボックス158及び下方接続ケーブル160をさらに備える。下方プレスアセンブリ102はさらに、下方加熱ボックス部分104の下方に配置され、下方加熱ボックス部分104を支持するように配置された下方ボルスタープレート128を備える。下方接続ボックス158は下方ボルスタープレート128に装着される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例23を特徴づけており、実施例23は、上述の実施例21又は22による主題をさらに含む。
【0088】
周辺部又は下方側面などで下方ボルスタープレート128に装着された下方接続ボックス158を有することによって、また、一又は複数の実施例で、下方加熱ロッド154を下方接続ボックス158に相互接続する下方接続ケーブル160を有することによって、熱間成形プレス100が装填配置にあるとき、下方接続ボックス158は、下方ダイ106及び上方ダイ112から放出される放射熱からシールドされる、或いは少なくとも離間される。
【0089】
これとは対照的に、従来技術の熱間成形プレスでは、接続ケーブル及びボックスは一般的に熱間成形プレスの高温面に連結されるか、直接触れるため、これらの構成要素の寿命は短くなり、メンテナンスや交換を頻繁に行うことが必要になる。
【0090】
一般的に
図1を参照すると、下方加熱ボックス部分104から熱が放出されるとき、下方ボルスタープレート128は下方接続ボックス158を熱からシールドする。この段落の前述の主題は、本開示の実施例24を特徴づけており、実施例24は、上述の実施例23による主題も含む。
【0091】
下方加熱ボックス部分104から放出される熱から下方接続ボックス158をシールドすることによって、下方接続ボックス158は保護され、従来技術の熱間成形プレスの接続ボックスよりも長い寿命を有する。
【0092】
一般的に
図1を、及び具体的に例えば
図16を参照すると、下方加熱ロッド154はそれぞれ、下方加熱ゾーン162を備える。下方加熱ゾーン162の温度は個別に制御される。下方加熱ゾーン162は、下方加熱プレート144の別個の下方領域146と一致する。この段落の上述の主題は、本開示の実施例25を特徴づけており、実施例25は、上記の実施例21から24のいずれかによる主題も含む。
【0093】
下方加熱ゾーン162に分割されることによって、下方加熱ロッド154を使用して、下方加熱プレート144の別個の下方領域146に供給され、結果として下方ダイ106の別個の領域に供給される熱を個別に制御することが可能になる。既に述べたように、別個の下方領域146に供給される熱量、したがって、その温度を制御して、下方ダイ106と加工対象物114の対応する領域に所望の加熱を提供することが可能になる。例えば、いくつかの場合には、加工対象物114に成形されるよりタイトな屈曲に対応する下方ダイ106の一部を加熱することが望ましい。追加的に又は代替的に、いくつかの場合には、下方絶縁層148を通る伝導熱損失により、下方ダイ106の内側領域よりも下方ダイ106の外側領域により多くの熱を供給することが望ましくなりうる。さらに、下方絶縁層148が下方加熱プレート144の反対側で異なる厚みを有する下方加熱ボックス部分104の実施例では、このような薄い領域でのより大きな熱損失により、下方絶縁層148の薄い領域に近接した下方加熱プレート144により多くの熱を供給することが可能である。
【0094】
一般的に
図1を、及び具体的に例えば
図16を参照すると、下方加熱ゾーン162は、外側下方ゾーン168と、外側下方ゾーン168の間に配置された少なくとも1つの内側下方ゾーン170を備える。外側下方ゾーン168は、少なくとも1つの内側下方ゾーン170よりも高い熱容量を有する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例26を特徴づけており、実施例26は、上述の実施例25による主題も含む。
【0095】
いくつかの場合には、外側下方ゾーン168に近接した下方加熱プレート144の領域は、少なくとも1つの内側下方ゾーン170に近接した下方加熱プレート144の領域よりも大きい速度で熱を失うため、少なくとも1つの内側下方ゾーン170よりも外側下方ゾーン168に、より多くの熱量を供給することが望ましいか、必要になる。したがって、一又は複数の実施例では、外側下方ゾーン168よりも低い熱容量を有する少なくとも1つの内側下方ゾーン170を備える下方加熱ロッド154は、長さに沿って一様な熱容量を有する加熱ロッドよりも安価である。
【0096】
図16に示すように、一又は複数の実施例では、下方加熱ロッド154は追加的に、対応する下方接続ケーブルに近接した下方ステム領域155を含み、下方ステム領域155はそこから熱を伝導しないように構成されており、例えば、下方加熱ロッド154の加熱素子は、外側下方ゾーン168と少なくとも1つの内側下方ゾーン170のみを通って延在する。さらに、一又は複数の実施例では、下方ステム領域155は下方加熱ボックス部分104から外に延在し、この場合、下方ステム領域155は加熱されないことが望ましい。
【0097】
一般的に
図1と
図2を、及び具体的には例えば
図3と
図4を参照すると、下方加熱ボックス部分104は、下方前面172と下方背面174を有する。下方加熱ボックス部分104は、下方背面174よりも下方前面172に近い位置に下方ダイ106を受容するように構成されている。下方前面172に近接した外側下方ゾーン168は、下方背面174に近接した外側下方ゾーン168よりも高い熱容量を有する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例27を特徴づけており、実施例27は、上述の実施例26による主題も含む。
【0098】
下方前面172の近くに配置されているため、熱間成形プレス100のオペレータは、下方前面172から、下方ダイ106、並びに上方ダイ112と加工対象物114に容易にアクセスすることができ、加工対象物114の挿入及び除去などが促進される。
【0099】
しかしながら、下方ダイ106を下方前面172の近くに配置することによって、また、下方背面174よりも下方前面172の上により薄い下方絶縁層148を有することによって、いくつかの場合には、このような薄い領域では熱損失が大きいため、下方絶縁層148の薄い領域に近接した下方加熱プレート144の領域により多くの熱を供給することが必要になる。このような実施例では、下方前面172に近接した下方加熱ロッドの外側下方ゾーンは、下方背面174に近接した下方加熱ロッドの外側下方ゾーンよりも高い熱容量を有する。
【0100】
一般的に
図1を参照すると、熱間成形プレス100は下方温度センサ164とコントローラ156をさらに備える。下方温度センサ164は、下方加熱プレート144の別個の下方領域146の温度を検知するように構成されている。コントローラ156は、下方接続ボックス158に動作可能に連結されており、下方加熱プレート144の別個の下方領域146の温度の少なくとも一部に基づいて、下方加熱プレート144の別個の下方領域146に供給される、能動的に決定された熱量を制御するように構成されている。この段落の上述の主題は、本開示の実施例28を特徴づけており、実施例28は、上記の実施例19から27のいずれかによる主題も含む。
【0101】
下方加熱プレート144の別個の下方領域146の温度を検知することによって、コントローラ156は、検知された温度に基づいて、別個の下方領域146に供給される熱量を決めることが可能で、下方加熱プレート144の別個の下方領域146と、その結果として、下方ダイ106の対応する領域が、熱間成形プレス100の特定の操作のため所望の温度まで加熱されるように保証する。
【0102】
下方温度センサ164は、下方加熱プレート144の別個の下方領域146の温度を検知するように構成されるよう、任意の好適な形態をとることができる。例えば、一又は複数の実施例では、下方温度センサ164は、下方加熱プレート144内に埋め込まれる熱電対になる。
【0103】
一般的に
図1を参照すると、熱間成形プレス100は下方ダイ温度センサ166とコントローラ156をさらに備える。下方ダイ温度センサ166は、下方ダイ106の温度を検知するように構成されている。コントローラ156は、下方ダイ106の温度を記録又は表示するように構成されている。コントローラ156は、下方ダイ106の温度に基づいて、下方加熱プレート144の別個の下方領域146に供給される、能動的に決定された熱量を制御しないように構成されている。この段落の前述の主題は、本開示の実施例29を特徴づけており、実施例29は、上述の実施例28による主題も含む。
【0104】
例えば、下方ダイ106の所望の温度範囲内での温度適合性、又は所望の温度範囲内からの偏差を示すレポートの作成を含め、品質管理を目的として、下方ダイ106の温度を記録又は表示することが可能である。追加的に又は代替的に、オペレータが補正動作を行うため、或いは、対処が必要となりうる一又は複数の問題点を記録するため、警告を発することができる。
【0105】
一般的に
図1を、及び具体的に例えば
図3、
図4、及び
図17を参照すると、熱間成形プレス100はディスプレイ176をさらに備える。ディスプレイ176は動作可能にコントローラ156に連結され、下方加熱プレート144の別個の下方領域146の温度を表示するように構成されている。この段落の前述の主題は、本開示の実施例30を特徴づけており、実施例30は、上述の実施例28又は29による主題をさらに含む。
【0106】
下方加熱プレート144の別個の下方領域146の温度を表示することによって、熱間成形プレスのオペレータが品質管理の目的で、このような温度をリアルタイムで監視することができる。
【0107】
図17に示したように、ディスプレイ176は、下方加熱プレート144の別個の下方領域146などに関連する熱情報を提供する。ディスプレイ176の例示的な実施例では、監視される下方加熱プレート144の12の領域がある。各領域は、対応する下方加熱ロッドの下方加熱ゾーン162に関連する各回路に供給される電流量を制御するための、各領域に関連する別個のコントローラ又はアンプスタックを有する。これらの別個のコントローラはまた、下方加熱ロッドに問題がないかどうかを監視し、下方加熱ロッド154が正しく温度を保持しているかどうかを、或いはより多くのエネルギーを必要としているかどうかを、コントローラ156とやりとりする。別個のコントローラの各々は、下方温度センサ164によって検知された温度に基づいて、対応する下方加熱ロッドに、多かれ少なかれ電力を供給することができる。
【0108】
図17のディスプレイ176の例示的な実施例では、下方温度センサ164によって検知された温度は、温度範囲を表わすアナログメーターの表示の上に重ねられたデジタルの「針」又はラインで示される。中央に許容可能な温度範囲が表示され、アナログメーターの左側と右側に望ましくない温度範囲が表示される。したがって、針が中間の範囲内にあるときには、下方加熱プレート144の対応する下方領域は所望の温度になっている。しかしながら、針が左側の範囲内にあるときには、下方加熱プレート144の対応する領域は温度が低すぎ、下方加熱ロッド154の関連する1つの対応する領域は欠陥がありうるか、正常に機能していない。針が右側の範囲内にあるときには、下方加熱プレート144は温度が高すぎ、下方加熱ロッド154の関連する1つの対応する領域は欠陥がありうるか、正常に機能していない。一又は複数の実施例では、針が中間の範囲内にあるときには、中間の範囲は緑色又は別の色で表示され、これによって、対応する領域が正常に機能していることをオペレータに警告している。一又は複数の実施例では、針が左側の範囲内、又は右側の範囲内にあるときには、中間の範囲は黄色又は別の色で表示され、これによって、対応する領域が正常に機能していないことをオペレータに警告している。
【0109】
図17に示したように、熱間成形プレス100のオペレータは、温度に対する許容可能な偏差をカスタマイズすることができる。例示的な実施例では、偏差は50度に設定される。
【0110】
一般的に
図1と
図2を、及び具体的には例えば
図6~
図10、
図14及び
図15を参照すると、下方加熱ボックス部分104は下方冷却プレート178を備える。下方冷却プレート178は、少なくとも部分的に下方絶縁層148と下方ハウジング142の間に配置され、下方加熱ボックス部分104から熱を取り去るように構成されている。この段落の上述の主題は、本開示の実施例31を特徴づけており、実施例31は、上記の実施例19から30のいずれかによる主題も含む。
【0111】
下方冷却プレート178は、下方加熱プレート144から下方絶縁層148を通って伝導する熱を下方加熱ボックス部分104から取り去る。したがって、下方冷却プレート178は、熱間成形プレス100のオペレータのために、下方ハウジング142と下方ボルスタープレート128が熱くなりすぎるのを防止する。
【0112】
下方冷却プレート178は熱伝導デバイスで、下方加熱ボックス部分104から効果的に熱を取り去るように実装されている。例えば、一又は複数の実施例では、下方冷却プレート178は、ステンレス鋼で作られ、下方冷却プレート178を通って延在する一又は複数の冷却チャネルを備え、一又は複数の冷却チャネルを通って循環する冷却剤(例えば、グリコール)を備える。いくつかの実施例では、下方冷却プレート178は、溶接された2つの別々の部品からなる。このような2つの部品の構成にすることにより、各部品での1つの曲がりくねった冷却チャネルの機械加工が容易になる。代替的に、一又は複数の実施例では、下方冷却プレート178は1つの部品として作られるが、これは冷却剤の漏れを防止し、2部品構成の場合の2つの部品間のガスケットを不要にする。このような1つの部品構成の場合、一又は複数の実施例では、冷却チャネルは下方冷却プレート178を貫通するようにガンドリルで穿孔されているため、冷却チャネルを接続する外部配管を必要とする。一又は複数の実施例では、冷却剤は供給され、工場ベースの冷却剤システムを介して、下方冷却プレート178から引き出される。
【0113】
一般的に
図1と
図2を、及び具体的には例えば
図7、
図10、
図14、及び
図15を参照すると、下方加熱ボックス部分104は、下方ハウジング142、下方加熱プレート144、及び下方絶縁層148を動作可能に相互接続する、下方加熱ボックスファスナ180をさらに含む。下方加熱ボックスファスナ180は、下方ボルト182とばね式下方ナットアセンブリ184とを備える。ばね式下方ナットアセンブリ184は、下方ボルト182に動作可能に連結され、下方加熱ボックス部分104を損傷することなく、下方加熱ボックス部分104が拡張及び収縮できるように構成されている。この段落の上述の主題は、本開示の実施例32を特徴づけており、実施例32は、上記の実施例19から31のいずれかによる主題も含む。
【0114】
熱間成形プレス100が使用されるときも使用されないときも、下方加熱ボックス部分104によってもたらされる大幅な温度範囲の結果として、下方加熱ボックスファスナ180は、下方加熱ボックス部分104のアセンブリの拡張及び収縮を可能にする。
【0115】
下方加熱ボックスファスナ180は、それ自体に損傷を与えることなく、下方加熱ボックス部分104の拡張及び収縮を可能にするように実装される。例えば、
図15を参照すると、下方ボルト182は2つの部分で構成され、ボルトヘッドを含みスーパーサームなどの高温合金で構成された第1の下方ボルト部分183と、低温で安価なインコネルなどの合金で構成され、第1の下方ボルト部分183に溶接された第2の下方ボルト部分185とを含む。一実施例として、ばね式下方ナットアセンブリ184は、ベルビルワッシャのスタックを備える。
【0116】
一般的に
図1と
図2を、及び具体的には
図6、
図7、及び
図9~
図12を参照すると、上方加熱ボックス部分110は上方ハウジング186、上方加熱プレート188、及び上方絶縁層192を備える。上方加熱プレート188は上方ハウジング186内に受容され、上方ダイ112に接触するように構成され、別個の上方領域190を備える。上方絶縁層192は、上方ハウジング186と上方加熱プレート188との間に配置される。上方プレスアセンブリ108は、上方熱源122をさらに備える。上方熱源122は、上方加熱プレート188の別個の上方領域190に能動的に決定された熱量を供給するように構成されている。この段落の上述の主題は、本開示の実施例33を特徴づけており、実施例33は、上記の実施例1から32のいずれかによる主題も含む。
【0117】
上方ハウジング186は、上方加熱ボックス部分110の他の構成要素を支持するための構造を提供する。上方絶縁層192は、上方ダイ112に接触している上方加熱プレート188を絶縁し、これにより、上方ダイ112からの伝導を制限することによって、上方ダイ112の効率的な加熱を促進する。上方加熱プレート188の別個の上方領域190に能動的に決定された熱量を供給する上方熱源122を有することによって、別個の上方領域190に供給される熱量を制御し、これによって別個の上方領域190の温度を制御し、上方ダイ112及び加工対象物114の対応する領域に所望の熱を供給することが可能になる。例えば、いくつかの場合には、加工対象物114に成形されるよりタイトな屈曲に対応する上方ダイ112の一部を加熱することが望ましい。追加的に又は代替的に、いくつかの場合には、上方絶縁層192を通る伝導熱損失により、上方ダイ112の内側領域よりも上方ダイ112の外側領域により多くの熱を供給することが望ましい。
【0118】
一又は複数の実施例では、上方ハウジング186は、上方加熱ボックス部分110の他の構成要素を支持するように、任意の好適な材料と任意の好適な構成で構築される。
図6、
図7、及び
図9~
図12に示すように、一又は複数の実施例では、上方ハウジング186は、インコネルなどの合金で作られた上方トッププレート330と上方側壁332を備える。
【0119】
追加的に又は代替的に、上方加熱プラテンとして説明されうる上方加熱プレート188は、上方熱源122から熱を受容し、その熱を上方ダイ112に供給するように構成されるよう、任意の好適な形態で実装される。
図6、
図7、及び
図9~
図12に示され、本書で説明されているように、一又は複数の実施例では、上方加熱プレート188は上方熱源122の対応する上方加熱ロッドが延在する上方加熱ロッド経路194の一部を画定する。
【0120】
一般的に
図1と
図2を、及び具体的には例えば
図6、
図7、
図9、
図10、及び
図12を参照すると、上方加熱プレート188は、上方ダイ112が内部に配置される上方加熱プレート空間346を画定する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例34を特徴づけており、実施例34は、上述の実施例33による主題も含む。
【0121】
上方ダイ112が内部に配置される上方加熱プレート空間346を画定することにより、上方加熱プレート188は、上方ダイ112の上からだけでなく、上方ダイ112の側面からも上方ダイ112に熱を供給することができる。その結果、上方ダイ112の加熱は効率的になる。
【0122】
一般的に
図1を、及び具体的には例えば
図6、
図7、及び
図9~
図12を参照すると、上方加熱プレート188と上方ハウジング186は全体として、上方加熱ロッド経路194を画定する。上方熱源122は、上方加熱ロッド経路194へ延在する上方加熱ロッド196を備える。この段落の前述の主題は、本開示の実施例35を特徴づけており、実施例35は、上述の実施例33又は34による主題をさらに含む。
【0123】
上方熱源122の上方加熱ロッド196は、上方加熱プレート188の、また、結果として、上方加熱プレート188のスパン全体を横断する上方ダイ112の制御された加熱を可能にする。その結果、上方加熱プレート188の様々な部分の効果的かつ効率的な温度制御が可能になる。
【0124】
上方加熱ロッド196は、上方加熱プレート188に熱を供給するように構成されるよう、実装される。例示的で非排他的な実施例として、上方加熱ロッド196は、セラミック層によって封入され、ステンレス鋼シースに包み込まれたニッケル鋼から構成される細長い加熱素子を備える。セラミック層は、加熱素子の酸化を制限するため、酸素を吸収する。一又は複数の実施例では、上方加熱ロッド196は下方加熱ロッド154と同じか、又は類似している。
【0125】
上方加熱プレート188のサイズ、熱間成形プレス100に要求される温度制御の程度などに応じて、任意の好適な数の上方加熱ロッド196、及び対応する上方加熱ロッド経路194を提供することができる。
図6、
図7、及び
図9~
図12の例示的な実施例では、上方加熱プレート188及び上方ハウジング186によって、28個の上方加熱ロッド経路194が画定される。
【0126】
上方絶縁層192が上方加熱プレート188の側面に延在する上方加熱ボックス部分110の実施例では、上方絶縁層192は、上方加熱プレート188及び上方ハウジング186と共に、上方加熱ロッド経路194を画定する。
【0127】
一般的に
図1を、及び具体的には例えば
図16を参照すると、上方加熱ロッド196は、上方加熱ロッド196の全長に沿って直線的である。この段落の前述の主題は、本開示の実施例36を特徴づけており、実施例36は、上述の実施例35による主題も含む。
【0128】
上方加熱ロッド196はその全長に沿って直線的であるため、上方加熱ロッド196の完全性は損傷を受けずに長期間維持することが可能で、したがって、高価な交換が不要となる。
【0129】
例えば、上方加熱ロッド196のセラミック層は、従来技術の屈曲した加熱ロッドのように割れないため、上方加熱ロッド196への空気の侵入、上方加熱ロッド196の加熱素子の望ましくない酸化及び劣化を回避できる。
【0130】
一般的に
図1を、及び具体的には例えば
図3~
図4、及び
図16を参照すると、上方熱源122は、上方加熱ロッド196を上方接続ボックス198に相互接続する上方接続ボックス198及び上方接続ケーブル200をさらに備える。上方プレスアセンブリ108は、上方ボルスタープレート130をさらに備える。上方ボルスタープレート130は上方加熱ボックス部分110の上方に配置され、上方加熱ボックス部分110を垂直に支持する。上方接続ボックス198は上方ボルスタープレート130に装着される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例37を特徴づけており、実施例37は、上述の実施例35又は36による主題をさらに含む。
【0131】
周辺部又は上方側面などで上方ボルスタープレート130に装着された上方接続ボックス198を有することによって、また、上方加熱ロッド196を上方接続ボックス198に相互接続する上方接続ケーブル200を有することによって、熱間成形プレス100が装填配置にあるとき、上方接続ボックス198は、下方ダイ106及び上方ダイ112から放出される放射熱からシールドされる、或いは少なくとも離間されることが可能である。
【0132】
これとは対照的に、従来技術の熱間成形プレスでは、接続ケーブル及びボックスは一般的に熱間成形プレスの高温面に連結されるか、直接触れるため、これらの構成要素の寿命は短くなり、メンテナンスや交換を頻繁に行うことが必要になる。
【0133】
一般的に
図1を参照すると、上方ボルスタープレート130は、上方加熱ボックス部分110から熱が放射されるとき、熱から上方接続ボックス198をシールドする。この段落の前述の主題は、本開示の実施例38を特徴づけており、実施例38は、上述の実施例37による主題も含む。
【0134】
上方加熱ボックス部分110から放出される熱から上方接続ボックス198をシールドすることによって、上方接続ボックス198は保護され、従来技術の熱間成形プレスの接続ボックスよりも長い寿命を有する。
【0135】
一般的に
図1を、及び具体的に例えば
図16を参照すると、上方加熱ロッド196はそれぞれ、上方加熱ゾーン202を備える。上方加熱ゾーン202の温度は個別に制御される。上方加熱ゾーン202は、上方加熱プレート188の別個の上方領域190と一致する。この段落の上述の主題は、本開示の実施例39を特徴づけており、実施例39は、上記の実施例35から38のいずれかによる主題も含む。
【0136】
上方加熱ゾーン202に分割されることによって、上方加熱ロッド196を使用して、上方加熱プレート188の別個の上方領域190に供給され、結果として上方ダイ112の別個の領域に供給される熱を個別に制御することが可能になる。既に述べたように、別個の上方領域190に供給される熱量、したがって、その温度を制御して、上方ダイ112と加工対象物114の対応する領域に所望の加熱を提供することが可能になる。例えば、いくつかの場合には、加工対象物114に成形されるよりタイトな屈曲に対応する上方ダイ112の一部を加熱することが望ましい。追加的に又は代替的に、いくつかの場合には、上方絶縁層192を通る伝導熱損失により、上方ダイ112の内側領域よりも上方ダイ112の外側領域により多くの熱を供給することが望ましい。さらに、上方絶縁層192が上方加熱プレート188の反対側で異なる厚みを有する上方加熱ボックス部分110の実施例では、このような薄い領域でのより大きな熱損失により、上方絶縁層192の薄い領域に近接した上方加熱プレート188により多くの熱を供給することが可能である。
【0137】
一般的に
図1を、及び具体的に例えば
図16を参照すると、上方加熱ゾーン202は、外側上方ゾーン204と、外側上方ゾーン204の間に配置された少なくとも1つの内側上方ゾーン206を備える。外側上方ゾーン204は、少なくとも1つの内側上方ゾーン206よりも高い熱容量を有する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例40を特徴づけており、実施例40は、上述の実施例39による主題も含む。
【0138】
いくつかの場合には、外側上方ゾーン204に近接した上方加熱プレート188の領域は、少なくとも1つの内側上方ゾーン206に近接した上方加熱プレート188の領域よりも大きな速度で熱を失うため、少なくとも1つの内側上方ゾーン206よりも外側上方ゾーン204に、より多くの熱量を供給することが望ましいか、必要になる。したがって、一又は複数の実施例では、外側上方ゾーン204よりも低い熱容量を有する少なくとも1つの内側上方ゾーン206を備える上方加熱ロッド196は、長さに沿って一様な熱容量を有する加熱ロッドよりも安価である。
【0139】
図16に示すように、一又は複数の実施例では、上方加熱ロッド196は追加的に、対応する上方接続ケーブルに近接した上方ステム領域197を含み、上方ステム領域197はそこから熱を伝導しないように構成されており、例えば、上方加熱ロッド196の加熱素子は、外側上方ゾーン204と少なくとも1つの内側上方ゾーン206のみを通って延在する。さらに、一又は複数の実施例では、上方ステム領域197は上方加熱ボックス部分110から外に延在し、この場合、上方ステム領域197は加熱されないことが望ましい。
【0140】
一般的に
図1と
図2を、及び具体的には例えば
図3と
図4を参照すると、上方加熱ボックス部分110は、上方前面208と上方背面210を有する。上方加熱ボックス部分110は、上方背面210よりも上方前面208に近い位置に上方ダイ112を受容するように構成されている。上方前面208に近接した外側上方ゾーン204は、上方背面210に近接した外側上方ゾーン204よりも高い熱容量を有する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例41を特徴づけており、実施例41は、上述の実施例40による主題も含む。
【0141】
上方前面208の近くに配置されているため、熱間成形プレス100のオペレータは、上方前面208から、上方ダイ112、並びに下方ダイ106と加工対象物114に容易にアクセスすることができ、加工対象物114の挿入及び除去などが促進される。
【0142】
しかしながら、上方ダイ112を上方前面208の近くに配置することによって、また、上方背面210よりも上方前面208の上により薄い上方絶縁層192を有することによって、いくつかの場合には、このような薄い領域では熱損失が大きいため、上方絶縁層192の薄い領域に近接した上方加熱プレート188の領域により多くの熱を供給することが必要になる。このような実施例では、上方前面208に近接した上方加熱ロッドの外側上方ゾーンは、上方背面210に近接した上方加熱ロッドの外側上方ゾーンよりも高い熱容量を有する。
【0143】
一般的に
図1を参照すると、熱間成形プレス100は上方温度センサ212とコントローラ156をさらに備える。上方温度センサ212は、上方加熱プレート188の別個の上方領域190の温度を検知するように構成されている。コントローラ156は、上方接続ボックス198に動作可能に連結されており、上方加熱プレート188の別個の上方領域190の温度の少なくとも一部に基づいて、上方加熱プレート188の別個の上方領域190に供給される、能動的に決定された熱量を制御するように構成されている。この段落の上述の主題は、本開示の実施例42を特徴づけており、実施例42は、上記の実施例33から41のいずれかによる主題も含む。
【0144】
上方加熱プレート188の別個の上方領域190の温度を検知することによって、コントローラ156は、検知された温度に基づいて、別個の上方領域190に供給される熱量を決めることが可能で、上方加熱プレート188の別個の上方領域190と、その結果として、上方ダイ112の対応する領域が、熱間成形プレス100の特定の操作のため所望の温度まで加熱されるように保証する。
【0145】
一又は複数の実施例では、上方温度センサ212は、上方加熱プレート188の別個の上方領域190の温度を検知するように構成されるよう、実装されている。例えば、一又は複数の実施例では、上方温度センサ212は、上方加熱プレート188内に埋め込まれる熱電対になる。
【0146】
一般的に
図1を参照すると、熱間成形プレス100は、上方ダイ112の温度を検知するように構成された上方ダイ温度センサ214をさらに備える。コントローラ156は、上方ダイ112の温度を記録又は表示するように構成されている。コントローラ156は、上方ダイ112の温度に基づいて、上方加熱プレート188の別個の上方領域190に供給される、能動的に決定された熱量を制御しないように構成されている。この段落の前述の主題は、本開示の実施例43を特徴づけており、実施例43は、上述の実施例42による主題も含む。
【0147】
一又は複数の実施例では、例えば、上方ダイ112の所望の温度範囲内での温度適合性、又は所望の温度範囲内からの偏差を示すレポートの作成を含め、品質管理を目的として、上方ダイ112の温度を記録又は表示することが実行される。追加的に又は代替的に、一又は複数の実施例では、オペレータが補正動作を行うため、或いは、対処が必要となりうる一又は複数の問題点を記録するため、警告が発せられる。
【0148】
一般的に
図1を、及び具体的に例えば
図3、
図4、及び
図17を参照すると、熱間成形プレス100は、コントローラ156に動作可能に連結され、上方加熱プレート188の別個の上方領域190の温度を表示するように構成されたディスプレイ176をさらに備える。この段落の前述の主題は、本開示の実施例44を特徴づけており、実施例44は、上述の実施例42又は43による主題をさらに含む。
【0149】
一又は複数の実施例では、下方加熱プレート144の別個の下方領域146の温度を表示することによって、熱間成形プレスのオペレータが品質管理の目的で、このような温度をリアルタイムで監視することができる。
【0150】
図17に示したように、ディスプレイ176は、上方加熱プレート188の別個の上方領域190に関連するなどの熱情報を提供する。ディスプレイ176の例示的な実施例では、監視される上方加熱プレート188の12の領域がある。各領域は、対応する上方加熱ロッド196の上方加熱ゾーン202に関連する各回路に供給される電流量を制御するための、各領域に関連する別個のコントローラ又はアンプスタックを有する。これらの別個のコントローラはまた、上方加熱ロッドに問題がないかどうかを監視し、上方加熱ロッド196が正しく温度を保持しているかどうかを、或いはより多くのエネルギーを必要としているかどうかを、コントローラ156とやりとりする。別個のコントローラの各々は、上方温度センサ212によって検知された温度に基づいて、対応する上方加熱ロッドに、多かれ少なかれ電力を供給することができる。
【0151】
図17のディスプレイ176の例示的な実施例では、上方温度センサ212によって検知された温度は、温度範囲を表わすアナログメーターの表示の上に重ねられたデジタルの「針」又はラインで示される。中央に許容可能な温度範囲が表示され、アナログメーターの左側と右側に望ましくない温度範囲が表示される。したがって、針が中間の範囲内にあるときには、上方加熱プレート188の対応する上方領域は所望の温度になっている。しかしながら、針が左側の範囲内にあるときには、上方加熱プレート188の対応する領域は温度が低すぎ、上方加熱ロッド196の関連する1つの対応する領域は欠陥がありうるか、正常に機能していない。針が右側の範囲内にあるときには、上方加熱プレート188の対応する領域は温度が高すぎ、上方加熱ロッド196の関連する1つの対応する領域は欠陥がありうるか、正常に機能していない。一又は複数の実施例では、針が中間の範囲内にあるときには、中間の範囲は緑色又は別の色で表示され、これによって、対応する領域が正常に機能していることをオペレータに警告している。一又は複数の実施例では、針が左側の範囲内、又は右側の範囲内にあるときには、中間の範囲は黄色又は別の色で表示され、これによって、対応する領域が正常に機能していないことをオペレータに警告している。
【0152】
図17に示したように、熱間成形プレス100のオペレータは、温度に対する許容可能な偏差をカスタマイズすることができる。例示的な実施例では、偏差は50度に設定される。
【0153】
一般的に
図1と
図2を、及び具体的には例えば
図6、
図8、及び
図8~13を参照すると、上方加熱ボックス部分110は上方冷却プレート216をさらに備える。上方冷却プレート216は、少なくとも部分的に上方絶縁層192と下方ハウジング186との間に配置され、上方加熱ボックス部分110から熱を取り去るように構成されている。この段落の上述の主題は、本開示の実施例45を特徴づけており、実施例45は、上記の実施例33から44のいずれかによる主題も含む。
【0154】
上方冷却プレート216は、上方加熱プレート188から上方絶縁層192を通って伝導する熱を上方加熱ボックス部分110から取り去る。したがって、上方冷却プレート216は、熱間成形プレス100のオペレータのために、上方ハウジング186と上方ボルスタープレート130が熱くなりすぎるのを防止する。
【0155】
上方冷却プレート216は熱伝導デバイスで、上方加熱ボックス部分110から効果的に熱を取り去るように実装されている。例えば、一又は複数の実施例では、上方冷却プレート216は、ステンレス鋼で作られ、上方冷却プレート216を通って延在する一又は複数の冷却チャネルを備え、一又は複数の冷却チャネルを通って循環する冷却剤(例えば、グリコール)を備える。いくつかの実施例では、上方冷却プレート216は、溶接された2つの別々の部品からなる。このような2つの部品の構成にすることにより、各部品での1つの曲がりくねった冷却チャネルの機械加工が容易になる。代替的に、一又は複数の実施例では、上方冷却プレート216は1つの部品として作られるが、これは冷却剤の漏れを防止し、2部品構成の場合の2つの部品間のガスケットを不要にする。このような1つの部品構成の場合、いくつかの実施例では、冷却チャネルは上方冷却プレート216を貫通するようにガンドリルで穿孔されているため、冷却チャネルを接続する外部配管を必要とする。一又は複数の実施例では、冷却剤は供給され、工場ベースの冷却剤システムを介して、上方冷却プレート216から引き出される。
【0156】
一般的に
図1と
図2を、及び具体的には例えば
図7、及び
図10~
図13を参照すると、上方加熱ボックス部分110は、上方ハウジング186、上方加熱プレート188、及び上方絶縁層192を動作可能に相互接続する、上方加熱ボックスファスナ218をさらに含む。上方加熱ボックスファスナ218は、上方ボルト220と、上方ボルト220に動作可能に連結され、上方加熱ボックス部分110を損傷することなく、上方加熱ボックス部分110が拡張及び収縮できるように構成されているばね式上方ナットアセンブリ222とを備える。この段落の上述の主題は、本開示の実施例46を特徴づけており、実施例46は、上記の実施例33から45のいずれかによる主題も含む。
【0157】
熱間成形プレス100が使用されるときも使用されないときも、上方加熱ボックス部分110によってもたらされる大幅な温度範囲の結果として、上方加熱ボックスファスナ218は、上方加熱ボックス部分110のアセンブリの拡張及び収縮を可能にする。
【0158】
一又は複数の実施形態では、上方加熱ボックスファスナ218は、それ自体に損傷を与えることなく、上方加熱ボックス部分110の拡張及び収縮を可能にするように実装される。
図13を参照すると、例えば、上方ボルト220は2つの部分で構成され、ボルトヘッドを含みスーパーサームなどの高温合金で構成された第1の上方ボルト部分221と、低温で安価なインコネルなどの合金で構成され、第1の上方ボルト部分221に溶接された第2の上方ボルト部分223とを含む。一実施例として、ばね式上方ナットアセンブリ222は、ベルビルワッシャのスタックを備える。
【0159】
一般的に
図1を、及び具体的に例えば
図18を参照すると、熱間成形プレス100は、ガス圧力システム224をさらに備える。加工対象物114が下方ダイ106と上方ダイ112との間に動作可能に配置されているときに、並びに、下方ダイ106と上方ダイ112が加工対象物114に成形圧力を印加しているときに、ガス圧力システム224は、加工対象物114の内部チャンバ226にガスを供給するように構成される。この段落の上述の主題は、本開示の実施例47を特徴づけており、実施例47は、上記の実施例1から46のいずれかによる主題も含む。
【0160】
ガス圧力システム224を含めることによって、熱間成形プレス100はマルチシート加工対象物から部品を成形することができる。より具体的には、加工対象物114が下方ダイ106と上方ダイ112との間に保持されているときに、並びに、熱間成形プレス100がトン単位の荷重を印加しているときに、高い圧力で加工対象物114の内部チャンバ226にガスを供給することによって、下方ダイ106と上方ダイ112を使用して、加工対象物114を所望の形態に曲げることが可能であるだけでなく、ガス圧力が加工対象物114を放射状に押圧して係合させる際に、下方ダイ106と上方ダイ112を金型として使用し、下方ダイ106と上方ダイ112を一致させることも可能である。
【0161】
図18を参照して、一又は複数の実施例では、加工対象物114は複数枚の材料シート225を含む。例示的で非排他的な実施例として、加工対象物114はチタンで構成され、ガス圧力システム224によって導入されるガスは、チタンの酸化を低減する又はなくすのに適したアルゴン又はその他のガスになる。
【0162】
より具体的な実施例として、部品は4枚のチタンシートから形成される。2枚の内側のシートは、加工対象物114が熱間成形プレス100に装填される前に、シート間にすきまポケットを形成するため、最初に溶接される。次に、加工対象物114が熱間成形プレス100に装填され、ガス圧力システム224によって、内側のシート間にガスが導入され、これによってシート内のポケットを膨張させ、サンドイッチ構造を形成する。2つの内側のシートが2つの外側のシートに触れるところはどこでも、チタンが拡散接合される。
【0163】
一又は複数の実施例では、必要な用途に応じて、ガス圧力システム224は0~600psiの範囲内、又はこれを超えるガス圧力の印加を制御するように構成されている。ガス圧力が高まると、熱間成形プレス100によって印加されるトン単位の荷重は、熱間成形プレス100を閉鎖配置に保つために、同じ量だけ増やさなければならない。言い換えるならば、ガス圧力システム224を利用するときには、熱間成形プレス100によって印加されるトン単位の荷重は、ガス圧力システム224によって印加されるガス圧力に関連づけられるように管理されている。
【0164】
ガス圧力システム224によって加工対象物114のシート間にガス圧力を印加できるようにするため、加工対象物114は一般的に、加工対象物114の内部空間にガス圧力を供給するため、シート上に溶接されたガス管を組み込んでいる。
【0165】
一又は複数の実施例では、ガス圧力システム224は、内部チャンバ226に印加されるガス圧力を測定するための圧力トランスジューサと、ガス圧力を制御するためのモーターによって動作される電子圧力調整器とを備える。
【0166】
図19は、熱間成形プレス100がガス圧力システム224を備えるときに生成される、ディスプレイ176の例を示している。
【0167】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図3、
図4、及び
図6~
図15を参照して、熱間成形プレス100の加熱ボックス300が開示されている。加熱ボックス300は、下方加熱ボックス部分104と上方加熱ボックス部分110とを備える。下方加熱ボックス部分104は、下方ハウジング142、下方加熱プレート144、及び下方絶縁層148を備える。下方加熱プレート144は下方ハウジング142内に受容され、下方ダイ106を支持するように構成される。下方絶縁層148は、下方ハウジング142と下方加熱プレート144との間に配置される。上方加熱ボックス部分110は、下方加熱ボックス部分104の上方に配置可能で、上方ハウジング186、上方加熱プレート188、及び上方絶縁層192を備える。上方加熱プレート188は上方ハウジング186内に受容され、上方ダイ112を支持するように構成されている。上方絶縁層192は、上方ハウジング186と上方加熱プレート188との間に配置される。下方加熱ボックス部分104と上方加熱ボックス部分110が互いに接触しているとき、下方加熱ボックス部分104と上方加熱ボックス部分110は、下方ダイ106と上方ダイ112との間に受容される加工対象物114の周囲に熱バリアを提供する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例48を特徴づけるものである。
【0168】
加熱ボックス300は、熱間成形プレス100が加工対象物114から部品を動作可能に成形しているとき、下方ダイ106と上方ダイ112、及びその結果として加工対象物114に供給される熱を維持するため、熱バリアを提供する。下方ハウジング142は、下方加熱ボックス部分104の他の構成要素を支持するための構造を提供する。下方絶縁層148は、下方ダイ106を支持するように構成された下方加熱プレート144を絶縁し、これによって、下方ダイ106から外への伝導を制限することで、下方ダイ106の効率的な加熱を促進する。同様に、上方ハウジング186は、上方加熱ボックス部分110の他の構成要素を支持するための構造を提供する。上方絶縁層192は、上方ダイ112を支持し、熱を伝導するように構成されている上方加熱プレート188を絶縁し、これにより、上方ダイ112からの伝導を制限することによって、上方ダイ112の効率的な加熱を促進する。
【0169】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図3、
図4、
図6~
図11、
図14、及び
図15を参照すると、下方ハウジング142は、下方ベースプレート302と、下方ベースプレート302の上方に配置された下方側壁304とを備える。この段落の前述の主題は、本開示の実施例49を特徴づけており、実施例49は、上述の実施例48による主題も含む。
【0170】
下方ベースプレート302は、下方加熱ボックス部分104の他の構成要素の下からの支持を提供し、下方側壁304は、下方ハウジング142と下方加熱プレート144との間の動作位置に、下方絶縁層148を維持するための横方向支持を提供する。加えて、下方冷却プレート178も備える下方加熱ボックス部分104の実施例では、下方ハウジング142の2部品構成は、下方冷却プレート178に接続される冷却剤ラインへのアクセスを提供する。
【0171】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図6、
図7、
図9、及び
図14を参照すると、下方ベースプレート302、下方絶縁層148、及び下方加熱プレート144は全体として、少なくとも1つの下方リフトピン経路306を画定する。少なくとも1つの下方リフトピン経路306は、下方ダイ106との動作可能な係合のため、また、下方加熱ボックス部分104からの下方ダイ106の分離のため、少なくとも1つの下方ダイリフトピン136を受容するように構成されている。この段落の前述の主題は、本開示の実施例50を特徴づけており、実施例50は、上述の実施例49による主題も含む。
【0172】
少なくとも1つの下方リフトピン経路306は、下方ダイリフトピン136のための滑り導管を提供する。より具体的には、加熱ボックス300が熱間成形プレス100の構成要素であるとき、少なくとも1つの下方リフトピン経路306と下方ダイリフトピン136は、本書で説明したように、熱間成形プレス100をダイ設定配置まで移動させることができる。
【0173】
下方冷却プレート178も備える下方加熱ボックス部分104の実施例では、下方冷却プレート178はまた、下方ベースプレート302、下方絶縁層148、及び下方加熱プレート144と共に全体として、少なくとも1つの下方リフトピン経路306を画定する。
【0174】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図7、
図10、
図14、及び
図15を参照すると、下方ベースプレート302、下方絶縁層148、及び下方加熱プレート144は全体として、下方ボルト経路308を画定する。下方加熱ボックス部分104は、下方ボルト182とばね式下方ナットアセンブリ184とをさらに備える。下方ボルト182は下方ボルト経路308を通って延在する。ばね式下方ナットアセンブリ184は、下方ボルト182に動作可能に連結され、下方加熱ボックス部分104を損傷することなく、下方加熱ボックス部分104が拡張及び収縮できるように構成されている。この段落の前述の主題は、本開示の実施例51を特徴づけており、実施例51は、上述の実施例49又は50による主題をさらに含む。
【0175】
下方ボルト経路308、下方ボルト182、及びばね式下方ナットアセンブリ184は、下方加熱ボックス部分104の構成要素部品に動作可能に連結され、熱間成形プレス100の一部として実装されると、下方加熱ボックス部分104によってもたらされる大きな温度範囲の結果として、下方加熱ボックス部分104のアセンブリが拡張及び収縮するのを可能にする。
【0176】
下方冷却プレート178も備える下方加熱ボックス部分104の実施例では、下方冷却プレート178はまた、下方ベースプレート302、下方絶縁層148、及び下方加熱プレート144と共に全体として、下方ボルト経路308を画定する。
【0177】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図7、
図9、
図10、
図14及び
図15を参照すると、ばね式下方ナットアセンブリ184は下方ベースプレート302を内に配置される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例52を特徴づけており、実施例52は、上述の実施例51による主題も含む。
【0178】
下方ベースプレート302内に配置されているため、ばね式下方ナットアセンブリ184は下方加熱プレート144から放出される熱からシールドされている。
【0179】
一般的に
図2を、及び具体的に例えば
図7、
図10、
図14及び
図15を参照すると、下方ボルト経路308は下方円形カウンタボア310を備える。下方ボルト182は、下方円形カウンタボア310に係合するように構成された下方円形ヘッド312を備える。この段落の前述の主題は、本開示の実施例53を特徴づけており、実施例53は、上述の実施例51又は52による主題をさらに含む。
【0180】
下方ボルト182の下方円形カウンタボア310と下方円形ヘッド312との間の界面は、下方加熱プレート144と下方ボルト182によってもたらされる熱サイクルの結果として、亀裂形成につながりうる応力集中部の発生を防止する。
【0181】
一般的に
図2を、及び具体的に例えば
図7、
図10、
図14、及び
図15を参照すると、下方加熱プレート144は下方円形カウンタボア310を画定する。下方円形ヘッド312は、下方加熱プレート144内に配置される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例54を特徴づけており、実施例54は、上述の実施例53による主題も含む。
【0182】
下方ボルト182の下方円形ヘッド312を下方加熱プレート144内に配置することによって、下方円形ヘッド312は、下方加熱プレートと下方ダイ106との係合を妨げない。さらに、ばね式下方ナットアセンブリ184は必要に応じて、下方加熱プレート144から離して配置され、その結果、下方加熱プレート144から放出される熱からシールドされる。
【0183】
一般的に
図2を、及び具体的に例えば
図6、
図7、
図9、及び
図10を参照すると、下方絶縁層148は下方絶縁空間314を画定する。下方加熱プレート144は、下方絶縁空間314内に配置される。この段落の上述の主題は、本開示の実施例55を特徴づけており、実施例55は、上記の実施例49から54のいずれかによる主題も含む。
【0184】
下方絶縁層148は、下方加熱プレート144の下から及び側面から、下方加熱プレート144を絶縁し、これによって、下方加熱プレート144から外へ伝導する熱に関して、下方絶縁層148の絶縁機能を最大化する。
【0185】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図6、
図7、
図9、
図10、及び
図14を参照すると、硬化エネルギー316の供給源148は、少なくとも1つの光源318を備える。下方セラミックシート316は、下方加熱プレート144と下方側壁304との間に配置される。少なくとも1つの下方セラミックブロック318は、下方加熱プレート144と下方ベースプレート302との間に配置される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例56を特徴づけており、実施例56は、上述の実施例55による主題も含む。
【0186】
下方セラミックシート316と少なくとも1つの下方セラミックブロック318の使用は、下方加熱ボックス部分104の組み立てを促進する。
【0187】
しかしながら、下方絶縁空間314を画定し、その結果として、下方加熱プレート144の下及び側面から下方加熱プレート144を絶縁する単一のモノリシック絶縁ブロックを備える下方絶縁層148も、本開示の範囲内にある。
【0188】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図6、
図7、
図9、
図10、及び
図14を参照すると、下方加熱プレート144は、下方ダイ106を受容し、動作可能に配置するようにサイズ決定される下方加熱プレート空間320を画定する。この段落の上述の主題は、本開示の実施例57を特徴づけており、実施例57は、上記の実施例49から56のいずれかによる主題も含む。
【0189】
下方ダイ106を受容する下方加熱プレート空間320を有することによって、下方加熱プレート144は、下方ダイ106の下からだけではなく、下方ダイ106の側面及び端部からも下方ダイ106を加熱することができる。
【0190】
一般的に
図2を参照すると、下方加熱ボックス部分104は、下方前面172と下方背面174とを有する。下方加熱プレート空間320は、下方背面174よりも下方前面172の近くに配置される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例58を特徴づけており、実施例58は、上述の実施例57による主題も含む。
【0191】
下方加熱プレート空間320を下方背面174よりも下方前面172の近くに配置することによって、下方ダイ106はしたがって、下方背面174よりも下方前面172の近くに配置される。その結果、熱間成形プレス100のオペレータは、下方前面172から、下方ダイ106、並びに上方ダイ112と加工対象物114に容易にアクセスすることができ、加工対象物114の挿入及び除去などが促進される。
【0192】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図6、
図7、
図9、
図10、
図13、及び
図14を参照すると、下方加熱プレート144と下方側壁304は全体として、下方加熱ロッド154を受容するように構成された下方加熱ロッド経路152を画定する。この段落の上述の主題は、本開示の実施例59を特徴づけており、実施例59は、上記の実施例49から58のいずれかによる主題も含む。
【0193】
下方加熱ロッド経路152は、下方加熱ロッド154の挿入のための導管を提供する。本書で説明しているように、下方加熱ロッド154は、下方加熱プレート144の、また、結果として、下方加熱プレート144のスパン全体を横断する下方ダイ106の制御された加熱を可能にする。その結果、下方加熱プレート144の様々な部分の効果的かつ効率的な温度制御が可能になる。
【0194】
下方絶縁層148が下方加熱プレート144の側面に延在する下方加熱ボックス部分104の実施例では、下方絶縁層148は、下方加熱プレート144及び下方側壁304と共に、下方加熱ロッド経路152を画定する。
【0195】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図14を参照すると、下方加熱ボックス部分104は、下方前面172と下方背面174を有する。下方加熱ロッド経路152は、下方背面174上の下方側壁304だけを通って延在する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例60を特徴づけており、実施例60は、上述の実施例59による主題も含む。
【0196】
下方加熱ボックス部分104の下方背面174上の下方側壁304を通って延在することによってのみ、下方加熱ロッド経路152は、対応する下方加熱ロッドの熱間成形プレス100の背面からの実装を行う。したがって、対応する下方接続ケーブルはすべて、熱間成形プレス100の背面を経由し、熱間成形プレス100の前面は、オペレータが加工対象物114の挿入及び除去を行えるよう、或いは加熱ボックス300にアクセスできるように開放されている。
【0197】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図6、
図7、
図9、
図10、及び
図14を参照すると、下方加熱プレート144は、下方加熱プレート144に対して下方ダイ106を動作可能に保持するため、下方カプラ324を受容するように構成されている下方スロット322を画定する。この段落の上述の主題は、本開示の実施例61を特徴づけており、実施例61は、上記の実施例49から60のいずれかによる主題も含む。
【0198】
下方スロット322と下方カプラ321により、下方ダイ106は下方加熱プレート144に連結され、保持される。
【0199】
一又は複数の実施例では、下方スロット322はTスロットとして記述されるか、Tスロットの形になり、下方カプラ324はTピーンとして記述されるか、Tピーンの形になる。
【0200】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図3、
図4、
図8、及び
図14を参照すると、下方側壁304は、下方カプラ324の動作可能な挿入及び除去のため、下方スロット322へのアクセスを提供するように構成されている下方アクセス経路328を画定する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例62を特徴づけており、実施例62は、上述の実施例61による主題も含む。
【0201】
図に示すように、下方アクセス経路328は、下方カプラ324の動作可能な挿入及び除去のため、下方スロット322へのアクセスを提供する。
【0202】
下方加熱プレート144と下方側壁304との間に下方絶縁層148を含む下方加熱ボックス部分104の実施例では、下方絶縁層148は、下方側壁304によって下方アクセス経路328を画定する。
【0203】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図3、
図4、
図6~
図10、及び
図14を参照すると、下方ベースプレート302は、下方加熱ボックス部分104を熱間成形プレス100の下方ボルスタープレート128に動作可能に連結するように構成された下方外周フランジ326を備える。この段落の上述の主題は、本開示の実施例63を特徴づけており、実施例63は、上記の実施例49から62のいずれかによる主題も含む。
【0204】
下方外周フランジ326は、下方ボルト式ブラケット327などによって、下方加熱ボックス部分104を下方ボルスタープレート128に連結するための構造を提供する。
【0205】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図3、
図4、
図6~
図10、
図14、及び
図15を参照すると、下方加熱ボックス部分104は、下方絶縁層148と下方ベースプレート302との間に配置され、加熱ボックス300から熱を取り去るように構成された下方冷却プレート178をさらに備える。この段落の上述の主題は、本開示の実施例64を特徴づけており、実施例64は、上記の実施例49から63のいずれかによる主題も含む。
【0206】
下方冷却プレート178は、下方加熱プレート144から下方絶縁層148を通って伝導する熱を下方加熱ボックス部分104から取り去る。したがって、下方冷却プレート178は、熱間成形プレス100のオペレータのために、下方ハウジング142と下方ボルスタープレート128が熱くなりすぎるのを防止する。
【0207】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図3、
図4、
図6~
図10、
図14、及び
図15を参照すると、下方冷却プレート178は下方ベースプレート302と下方側壁304との間に延在する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例65を特徴づけており、実施例65は、上述の実施例64による主題も含む。
【0208】
下方冷却プレート178を下方ベースプレート302と下方側壁304との間に延在させることによって、冷却剤ラインは下方冷却プレート178に容易に接続される。
【0209】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図3、
図4、
図6、及び
図8~
図12を参照すると、上方ハウジング186は、上方トッププレート330と、上方トッププレート330の下方に配置された上方側壁332とを備える。この段落の上述の主題は、本開示の実施例66を特徴づけており、実施例66は、上記の実施例48から65のいずれかによる主題も含む。
【0210】
上方トッププレート330は、上方加熱ボックス部分110の他の構成要素の上からの支持を提供し、上方側壁332は、上方ハウジング186と上方加熱プレート188との間の動作位置に、上方絶縁層192を維持するための横方向支持を提供する。加えて、上方冷却プレート216も備える上方加熱ボックス部分110の実施例では、上方ハウジング186の2部品構成は、上方冷却プレート216に接続される冷却剤ラインへのアクセスを提供する。
【0211】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図7~
図13を参照すると、上方トッププレート330、上方絶縁層192、及び上方加熱プレート188は全体として、上方ボルト経路334を画定する。上方加熱ボックス部分110は、上方ボルト220とばね式上方ナットアセンブリ222を備える。上方ボルト220は上方ボルト経路334を通って延在する。ばね式下方ナットアセンブリ222は、下方ボルト220に動作可能に連結され、上方加熱ボックス部分110を損傷することなく、上方加熱ボックス部分110が拡張及び収縮できるように構成されている。この段落の前述の主題は、本開示の実施例67を特徴づけており、実施例67は、上述の実施例66による主題も含む。
【0212】
上方ボルト経路334、上方ボルト220、及びばね式上方ナットアセンブリ222は、上方加熱ボックス部分110の構成要素部品に動作可能に連結され、熱間成形プレス100の一部として実装されると、上方加熱ボックス部分110によってもたらされる大きな温度範囲の結果として、上方加熱ボックス部分110のアセンブリが拡張及び収縮するのを可能にする。
【0213】
上方冷却プレート216も備える上方加熱ボックス部分110の実施例では、上方冷却プレート216はまた、上方トッププレート330、上方絶縁層192、及び上方加熱プレート188と共に全体として、上方ボルト経路334を画定する。
【0214】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図9、
図10、及び
図13を参照すると、ばね式上方ナットアセンブリ222は上方トッププレート330を内に配置される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例68を特徴づけており、実施例68は、上述の実施例67による主題も含む。
【0215】
上方トッププレート330内に配置されているため、ばね式上方ナットアセンブリ222は上方加熱プレート188から放出される熱からシールドされている。
【0216】
一般的に
図2を、及び具体的に例えば
図7及び
図10~
図13を参照すると、上方ボルト経路334は上方円形カウンタボア336を備える。上方ボルト220は、上方円形カウンタボア336に係合するように構成された上方円形ヘッド338を備える。この段落の前述の主題は、本開示の実施例69を特徴づけており、実施例69は、上述の実施例67又は68による主題をさらに含む。
【0217】
上方ボルト220の上方円形カウンタボア336と上方円形ヘッド338との間の界面は、上方加熱プレート188と上方ボルト220によってもたらされる熱サイクルの結果として、亀裂形成につながりうる応力集中部の発生を防止する。
【0218】
一般的に
図2を、及び具体的に例えば
図7、
図10及び
図13を参照すると、上方加熱プレート188は上方円形カウンタボア336を備える。上方円形ヘッド338は、上方加熱プレート188内に配置される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例70を特徴づけており、実施例70は、上述の実施例69による主題も含む。
【0219】
上方ボルト220の上方円形ヘッド338を上方加熱プレート188内に配置することによって、上方円形ヘッド338は、上方加熱プレートと上方ダイ112との係合を妨げない。さらに、ばね式上方ナットアセンブリ222は必要に応じて、上方加熱プレート188から離して配置され、その結果、上方加熱プレート188から放出される熱からシールドされる。
【0220】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図6、
図7、
図9、及び
図10を参照すると、上方絶縁層192は上方絶縁空間340を画定し、上方加熱プレート188は上方絶縁空間340内に配置される。この段落の上述の主題は、本開示の実施例71を特徴づけており、実施例71は、上記の実施例66から70のいずれかによる主題も含む。
【0221】
上方絶縁層192は、上方加熱プレート188の上から及び側面から、上方加熱プレート188を絶縁し、これによって、上方加熱プレート188から外へ伝導する熱に関して、上方絶縁層192の絶縁機能を最大化する。
【0222】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図6、
図7、及び
図9~
図13を参照すると、上方絶縁層192は、上方セラミックシート342と、少なくとも1つの上方セラミックブロック344を備える。上方セラミックシート342は、上方加熱プレート188と上方側壁332との間に配置される。少なくとも1つの下方セラミックブロック344は、上方加熱プレート188と上方トッププレート330との間に配置される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例72を特徴づけており、実施例72は、上述の実施例71による主題も含む。
【0223】
上方セラミックシート342と少なくとも1つの上方セラミックブロック344の使用は、上方加熱ボックス部分110の組み立てを促進する。
【0224】
しかしながら、上方絶縁空間340を画定し、その結果として、上方加熱プレート188の上及び側面から上方加熱プレート188を絶縁する単一のモノリシック絶縁ブロックを備える上方絶縁層192も、本開示の範囲内にある。
【0225】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図6、
図7、
図9、
図10、及び
図12を参照すると、上方加熱プレート188は、上方ダイ112を受容し、動作可能に配置するようにサイズ決定された上方加熱プレート空間346を画定する。この段落の上述の主題は、本開示の実施例73を特徴づけており、実施例73は、上記の実施例66から72のいずれかによる主題も含む。
【0226】
上方ダイ112を受容する上方加熱プレート空間346を有することによって、上方加熱プレート188は、上方ダイ112の上からだけではなく、上方ダイ112の側面及び端部からも上方ダイ112を加熱することができる。
【0227】
一般的に
図2を参照すると、上方加熱ボックス部分110は、上方前面208と上方背面210とを有する。上方加熱プレート空間346は、上方背面210よりも上方前面208の近くに配置される。この段落の前述の主題は、本開示の実施例74を特徴づけており、実施例74は、上述の実施例73による主題も含む。
【0228】
上方加熱プレート空間346を上方背面210よりも上方前面208の近くに配置することによって、上方ダイ112はしたがって、上方背面210よりも上方前面208の近くに配置される。その結果、熱間成形プレス100のオペレータは、上方前面208から、上方ダイ112、並びに下方ダイ106と加工対象物114に容易にアクセスすることができ、加工対象物114の挿入及び除去などが促進される。
【0229】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図6、
図7、及び
図9~
図13を参照すると、上方加熱プレート188と上方側壁332は全体として、上方加熱ロッド196を受容するように構成された上方加熱ロッド経路194を画定する。この段落の上述の主題は、本開示の実施例75を特徴づけており、実施例75は、上記の実施例66から74のいずれかによる主題も含む。
【0230】
上方加熱ロッド経路194は、上方加熱ロッド196の挿入のための導管を提供する。本書で説明しているように、上方加熱ロッド196は、上方加熱プレート188の、また、結果として、上方加熱プレート188のスパン全体を横断する上方ダイ112の制御された加熱を可能にする。その結果、上方加熱プレート188の様々な部分の効果的かつ効率的な温度制御が可能になる。
【0231】
上方絶縁層192が上方加熱プレート188の側面に延在する上方加熱ボックス部分110の実施例では、上方絶縁層192は、上方加熱プレート188及び上方側壁332と共に、上方加熱ロッド経路194を画定する。
【0232】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図11と
図12を参照すると、上方加熱ボックス部分110は、上方前面208と上方背面210を有する。上方加熱ロッド経路194は、上方背面210上の上方側壁332だけを通って延在する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例76を特徴づけており、実施例76は、上述の実施例75による主題も含む。
【0233】
上方加熱ボックス部分110の上方背面210上の上方側壁332を通って延在することによってのみ、上方加熱ロッド経路194は、対応する上方加熱ロッドの熱間成形プレス100の背面からの実装を行う。したがって、対応する上方接続ケーブルはすべて、熱間成形プレス100の背面を経由し、熱間成形プレス100の前面は、オペレータが加工対象物114の挿入及び除去を行えるよう、或いは加熱ボックス300にアクセスできるように開放されている。
【0234】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図6、
図7、
図9、
図10、及び
図12を参照すると、上方加熱プレート188は、上方加熱プレート188に対して上方ダイ112を動作可能に保持するため、上方カプラ350を受容するように構成されている上方スロット348を画定する。この段落の上述の主題は、本開示の実施例77を特徴づけており、実施例77は、上記の実施例66から76のいずれかによる主題も含む。
【0235】
上方スロット348と上方カプラ350により、上方ダイ112は上方加熱プレート188に連結され、保持される。
【0236】
一又は複数の実施例では、下方スロット348はTスロットとして記述されるか、Tスロットの形になり、下方カプラ350はTピーンとして記述されるか、Tピーンの形になる。
【0237】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図3、
図4、
図8、
図11、及び
図12を参照すると、上方側壁332は、上方カプラ350の動作可能な挿入及び除去のため、上方スロット348へのアクセスを提供するように構成されている上方アクセス経路352を画定する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例78を特徴づけており、実施例78は、上述の実施例77による主題も含む。
【0238】
図に示すように、上方アクセス経路352は、上方カプラ350の動作可能な挿入及び除去のため、上方スロット348へのアクセスを提供する。
【0239】
上方加熱プレート188と上方側壁332との間に上方絶縁層192を含む上方加熱ボックス部分110の実施例では、上方絶縁層192は、上方側壁332によって上方アクセス経路352を画定する。
【0240】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図6及び
図8~
図12を参照すると、上方トッププレート330は、上方加熱ボックス部分110を熱間成形プレス100の上方ボルスタープレート130に動作可能に連結するように構成された上方外周フランジ354を備える。この段落の上述の主題は、本開示の実施例79を特徴づけており、実施例79は、上記の実施例66から78のいずれかによる主題も含む。
【0241】
上方外周フランジ354は、上方ボルト式ブラケット355などによって、上方加熱ボックス部分110を上方ボルスタープレート130に連結するための構造を提供する。
【0242】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図3、
図4、図
図6及び
図8~
図13を参照すると、上方加熱ボックス部分110は上方冷却プレート216をさらに備える。上方冷却プレート216は、上方絶縁層192と上方トッププレート330との間に配置され、加熱ボックス300から熱を取り去るように構成されている。この段落の上述の主題は、本開示の実施例80を特徴づけており、実施例80は、上記の実施例66から79のいずれかによる主題も含む。
【0243】
上方冷却プレート216は、上方加熱プレート188から上方絶縁層192を通って伝導する熱を上方加熱ボックス部分110から取り去る。したがって、上方冷却プレート216は、熱間成形プレス100のオペレータのために、上方ハウジング186と上方ボルスタープレート130が熱くなりすぎるのを防止する。
【0244】
一般的に
図2を、及び具体的には例えば
図3、
図4、
図6、及び
図8~
図13を参照すると、上方冷却プレート216は上方トッププレート330と上方側壁332との間に延在する。この段落の前述の主題は、本開示の実施例81を特徴づけており、実施例81は、上述の実施例80による主題も含む。
【0245】
上方冷却プレート216を上方トッププレート330と上方側壁332との間に延在させることによって、冷却剤ラインは上方冷却プレート216に容易に接続される。
【0246】
一般的に
図20を、及び具体的には例えば
図1、
図3、
図4、及び
図6を参照すると、加工対象物114の熱間成形の方法400が開示されている。方法400は、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108が加工対象物114を受容するように離間されている装填配置まで、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108を共に垂直に移動するステップ(ブロック402)を含む。方法400はまた、下方プレスアセンブリ102の下方ダイ106と上方プレスアセンブリ108の上方ダイ112との間に加工対象物114を配置するステップ(ブロック404)を含む。方法400はさらに、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108が加工対象物114に成形圧力を印加するように配置される閉鎖配置まで、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108を共に垂直に移動するステップ(ブロック406)を含む。方法400は追加的に、上方プレスアセンブリ108を不動化するステップ(ブロック408)を含む。方法400はさらに、加工対象物114に成形圧力を印加するため、下方プレスアセンブリ102を上方プレスアセンブリ108に向かって移動するステップ(ブロック410)を含む。方法400はまた、加工対象物114を加熱するステップ(ブロック412)を含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例82を特徴づけるものである。
【0247】
装填配置と閉鎖配置との間で、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108が共に垂直移動するため、加工対象物114に加えられる成形圧力(例えば、数トンの熱間成形プレス100)を発生させる成形力を印加する熱間成形プレス100の構成要素は、加工対象物114の動作可能な配置と成形された部品の熱間成形プレス100からの除去、並びに成形力の印加を可能にするための大きなストローク長を有する必要はない。同様に、成形圧力を発生させる成形力を印加する熱間成形プレス100の構成要素は、下方ダイ106及び上方ダイ112の除去と交換を可能にするためのストローク長を有する必要はない。したがって、成形圧力を発生させる成形力を印加する熱間成形プレス100の構成要素は、同じサイクル数では従来技術の熱間成形プレスよりも受ける応力が小さいため、熱間成形プレス100の寿命に対して必要となる保守及び修理は少なくなる。
【0248】
上方プレスアセンブリ108を不動化することによって、上方プレスアセンブリ108の垂直移動に関連する構成要素は、加工対象物114を動作可能に変形するのに欠かせない成形圧力を発生させるのに十分な成形力を印加可能である必要はない。むしろ、下方プレスアセンブリ102の垂直移動に関連する構成要素だけが、加工対象物114を動作可能に変形するため、必要な成形圧力を発生させるのに十分な成形力を印加可能であることが必要になる。その結果、一又は複数の実施例では、上方プレスアセンブリ108の垂直移動に関連する構成要素は、下方プレスアセンブリ102の垂直移動に関連する構成要素よりも大幅に安価である。
【0249】
一般的に
図20を参照すると、方法400に従って、加工対象物114を加熱するステップ(ブロック412)は、加工対象物114を少なくとも250°C、少なくとも500°C、又は少なくとも750°Cの温度まで、或いは250~1000°Cの範囲の温度まで加熱することを含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例83を特徴づけており、実施例83は、上述の実施例82による主題も含む。
【0250】
加工対象物114を所望の温度まで加熱することによって、加工対象物114の、また最終的には加工対象物114から成形される部品の降伏強度、硬度、及び延性を制御することができる。すなわち、加工対象物114の材料選択に応じて、一又は複数の実施例では、温度又は温度範囲は、成形工程中の材料のストリング硬化を避けるため、材料の再結晶温度を上回って選択される。しかも、加工対象物114の加熱により、冷間成形工程で必要とされるよりも低い成形圧力で、高強度材料を成形することができる。
【0251】
一般的に
図20を参照すると、方法400に従って、成形圧力は、少なくとも50メートルトン、少なくとも100メートルトン、少なくとも300メートルトン、少なくとも500メートルトン、少なくとも700メートルトン、少なくとも1000メートルトン、又は少なくとも2000メートルトン、或いは50~2250メートルトンの範囲内の成形力から生ずる。この段落の前述の主題は、本開示の実施例84を特徴づけており、実施例84は、上述の実施例82又は83による主題をさらに含む。
【0252】
成形圧力は、加工対象物114の材料特性及び加工対象物114から成形される部品の複雑度に基づいて選択される。しかも、一又は複数の実施例では、成形圧力が高い場合には、加工対象物114から成形される部品が所望の材料特性になるように、より低い温度要件がもたらされる。
【0253】
一般的に
図20を、及び具体的には例えば
図1及び
図7を参照すると、方法400はさらに、下方ダイ106が下方プレスアセンブリ102の下方加熱ボックス部分104から離間されるダイ設定構成まで、下方プレスアセンブリ102を垂直移動するステップ(ブロック414)を含む。方法400はまた、下方プレスアセンブリ102がダイ設定配置にある間に、下方加熱ボックス部分104から下方ダイ106を除去及び交換するステップ(ブロック416)を含む。この段落の上述の主題は、本開示の実施例85を特徴づけており、実施例85は、上記の実施例82から84のいずれかによる主題も含む。
【0254】
ダイ設定配置では、一又は複数の実施例で、下方ダイ106は下方加熱ボックス部分104から除去され、交換される。したがって、様々な部品の成形のため、熱間成形プレス100を選択的に構成することが可能である。
【0255】
一般的に
図20を、及び具体的には例えば
図1及び
図7を参照すると、方法400に従って、下方プレスアセンブリ102をダイ設定配置まで垂直移動するステップ(ブロック414)は、下方ダイ106が下方加熱ボックス部分104と共に下がるのを防止するため、下方加熱ボックス部分104の中へ延在し、下方ダイ106に動作可能に係合する少なくとも1つの下方ダイリフトピン136に対して、下方加熱ボックス部分104を下げること(ブロック418)を含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例86を特徴づけており、実施例86は、上述の実施例85による主題も含む。
【0256】
下方ダイ106が下方加熱ボックス部分104と共に下がるのを防止することにより、下方ダイ106は下方加熱ボックス部分104の上方に配置される。したがって、一又は複数の実施例では、下方ダイ106はフォークリフトなどによって除去され交換される。
【0257】
一般的に
図20を、及び具体的には例えば
図1、
図3、
図4、及び
図6を参照すると、方法400に従って、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108を装填配置まで垂直移動するステップ(ブロック402)と、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108を閉鎖配置まで垂直移動するステップ(ブロック406)とは、少なくとも1つの油圧シリンダ124によって下方プレスアセンブリ102を垂直移動すること(ブロック420及び422)を含む。この段落の上述の主題は、本開示の実施例87を特徴づけており、実施例87は、上記の実施例82から86のいずれかによる主題も含む。
【0258】
油圧シリンダは必要な成形力を印加して、加工対象物114を動作可能に変形するために必要な成形圧力を発生させることができる。したがって、一又は複数の実施例では、少なくとも1つの油圧シリンダ124は、成形圧力の印加と、装填配置と閉鎖配置との間での下方プレスアセンブリ102の再構成に使用される。加えて、実施例87がまた、実施例86による主題を含むときには、一又は複数の実施例では、少なくとも1つの油圧シリンダ124は、下方プレスアセンブリ102をダイ設定配置に再構成するために使用される。
【0259】
一般的に
図20を、及び具体的には例えば
図1及び
図3~
図6を参照すると、方法400に従って、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108を装填配置まで垂直移動するステップ(ブロック402)と、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108を閉鎖配置まで垂直移動するステップ(ブロック406)とは、1つの駆動ねじアセンブリ132によって、上方プレスアセンブリ108を垂直移動すること(ブロック424及び426)を含む。この段落の上述の主題は、本開示の実施例88を特徴づけており、実施例88は、上記の実施例82から87のいずれかによる主題も含む。
【0260】
1つの駆動ねじアセンブリ132を利用することによって、上方プレスアセンブリ108を垂直移動するために使用される構成要素のコストは、従来技術の熱間形成プレスより大幅に低減される。しかも、一又は複数の実施例では、1つの駆動ねじアセンブリ132は上方プレスアセンブリ108の中心に配置される。これによって、成形された部品の除去及び加工対象物114の装填のために、下方プレスアセンブリ102と上方プレスアセンブリ108が装填配置にあるときなど、成形が行われると、下方ダイ106、上方ダイ112、及び加工対象物114からを含め、加熱ボックス300から放出される放射熱から、1つの駆動ねじアセンブリ132をシールドする。
【0261】
一般的に
図20を、及び具体的には例えば
図1を参照すると、方法400に従って、加工対象物114を加熱するステップ(ブロック412)は、下方プレスアセンブリ102の下方加熱ボックス部分104の下方加熱プレート144の別個の下方領域146の温度を検知するステップ(ブロック428)を含む。加工対象物114を加熱するステップ(ブロック412)はまた、別個の下方領域146の温度の検知に応答して、別個の下方領域146に供給される熱を能動的かつ独立に制御するステップ(ブロック430)を含む。この段落の上述の主題は、本開示の実施例89を特徴づけており、実施例89は、上記の実施例82から88のいずれかによる主題も含む。
【0262】
下方加熱プレート144の別個の下方領域146の温度を検知することによって、一又は複数の実施例では、別個の下方領域146に供給される熱量は、下方加熱プレート144の別個の下方領域146と、その結果として、下方ダイ106の対応する領域が、特定の操作のため所望の温度まで加熱されるように保証するため、検知した温度に基づいている。
【0263】
一般的に
図20を、及び具体的には例えば
図1を参照すると、方法400に従って、別個の下方領域146は、外側下方領域228と、外側下方領域228の間に配置された内側下方領域230を含む。別個の下方領域146に供給される熱を能動的かつ独立に制御するステップ(ブロック430)は、内側下方領域230よりも外側下方領域228により多くの熱量を供給すること(ブロック432)を含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例90を特徴づけており、実施例90は、上述の実施例89による主題も含む。
【0264】
内側下方領域230よりも外側下方領域228により多くの熱量を供給することにより、一又は複数の実施例では、下方加熱プレート144から外への伝導により、外側下方領域228は内側下方領域230よりも急速に熱を失うため、下方加熱プレート144のスパン全体にわたって、一様な或いは所望の温度プロファイルが確立される。
【0265】
一般的に
図20を、及び具体的には例えば
図1を参照すると、方法400に従って、加工対象物114を加熱するステップ(ブロック412)は、上方プレスアセンブリ108の上方加熱ボックス部分110の上方加熱プレート188の別記の上方領域190の温度を検知するステップ(ブロック434)を含む。加工対象物114を加熱するステップ(ブロック412)はまた、別個の上方領域190の温度の検知に応答して、別個の上方領域190に供給される熱を能動的かつ独立に制御するステップ(ブロック436)を含む。この段落の上述の主題は、本開示の実施例91を特徴づけており、実施例91は、上記の実施例82から90のいずれかによる主題も含む。
【0266】
上方加熱プレート188の別個の上方領域190の温度を検知することによって、一又は複数の実施例では、別個の上方領域190に供給される熱量は、上方加熱プレート188の別個の上方領域190と、その結果として上方ダイ112の対応する領域が、特定の操作のため所望の温度まで加熱されるように保証するため、検知した温度に基づいている。
【0267】
一般的に
図20を、及び具体的には例えば
図1を参照すると、方法400に従って、別個の上方領域190は、外側上方領域232と、外側上方領域232の間に配置された内側上方領域234を含む。別個の上方領域190に供給される熱を能動的かつ独立に制御するステップ(ブロック436)は、内側上方領域234よりも外側上方領域232により多くの熱量を供給すること(ブロック438)を含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例92を特徴づけており、実施例92は、上述の実施例91による主題も含む。
【0268】
内側上方領域234よりも外側上方領域232により多くの熱量を供給することにより、一又は複数の実施例では、上方加熱プレート188から外への伝導により、外側上方領域232は内側上方領域234よりも急速に熱を失うため、上方加熱プレート188のスパン全体にわたって、一様な或いは所望の温度プロファイルが確立される。
【0269】
一般的に
図21を、及び具体的には例えば
図1を参照すると、加工対象物114を熱間成形する方法500が開示されている。方法500は、熱間成形プレス100の加熱ボックス300の下方加熱ボックス部分104の下方加熱プレート144の別個の下方領域146に、或いは、加熱ボックス300の上方加熱ボックス部分110の上方加熱プレート188の別個の上方領域190に、能動的に決定された熱量を供給するステップ(ブロック502)を含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例93を特徴づけるものである。
【0270】
別個の下方領域146及び/又は別個の上方領域190に能動的に決定された熱量を供給することにより、一又は複数の実施例では、別個の下方領域146及び/又は別個の上方領域190の温度は、加工対象物114の対応する領域に所望の熱を供給するように制御されている。例えば、いくつかの場合には、加工対象物114に成形されるよりタイトな屈曲に対応する加工対象物114の一部を加熱することが望ましい。追加的に又は代替的に、いくつかの場合には、加工対象物114の外周からの伝導及び放射の熱損失により、加工対象物114の内側領域よりも加工対象物114の外側領域により多くの熱を供給することが望ましい。
【0271】
一般的に
図21を参照すると、方法500に従って、能動的に決定された熱量を供給するステップ(ブロック502)は、加工対象物114を少なくとも250°C、少なくとも500°C、又は少なくとも750°Cの温度まで、或いは250~1000°Cの範囲の温度まで加熱すること(ブロック504)を含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例94を特徴づけており、実施例94は、上述の実施例93による主題も含む。
【0272】
加工対象物114を所望の温度まで加熱することによって、加工対象物114の、また最終的には加工対象物114から成形される部品の降伏強度、硬度、及び延性を制御することができる。すなわち、加工対象物114の材料選択に応じて、一又は複数の実施例では、温度又は温度範囲は、成形工程中の材料のストリング硬化を避けるため、材料の再結晶温度を上回って選択される。しかも、加工対象物114の加熱により、冷間成形工程で必要とされるよりも低い成形圧力で、高強度材料を成形することができる。
【0273】
一般的に
図21を参照すると、方法500はさらに、加工対象物114に少なくとも50メートルトン、少なくとも100メートルトン、少なくとも300メートルトン、少なくとも500メートルトン、少なくとも700メートルトン、少なくとも1000メートルトン、少なくとも2000メートルトン、或いは50~2250メートルトンの成形力を印加するステップ(ブロック506)を含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例95を特徴づけており、実施例95は、上述の実施例93又は94による主題をさらに含む。
【0274】
成形圧力は、加工対象物114の材料特性及び加工対象物114から成形される部品の複雑度に基づいて選択される。しかも、一又は複数の実施例では、成形圧力が高い場合には、加工対象物114から成形される部品が所望の材料特性になるように、より低い温度要件がもたらされる。
【0275】
一般的に
図21を、及び具体的には例えば
図1を参照すると、方法500はさらに、別個の下方領域146の温度を、或いは別個の上方領域190の温度を検知するステップ(ブロック508)を含む。能動的に決定された熱量は、少なくともこれらの温度に基づいている。この段落の上述の主題は、本開示の実施例96を特徴づけており、実施例96は、上記の実施例93から95のいずれかによる主題も含む。
【0276】
別個の下方領域146及び/又は別個の上方領域190の温度を検知することによって、別個の下方領域146及び/又は別個の上方領域190に供給される熱量は、一又は複数の実施例では、検知された温度に基づいているため、別個の下方領域146及び/又は別個の上方領域190が特定の操作に関して所望の温度まで加熱されることを保証する。
【0277】
一般的に
図21を、及び具体的には例えば
図1を参照すると、方法500に従って、別個の下方領域146は、外側下方領域228と、外側下方領域228の間に配置された内側下方領域230を含む。別個の上方領域190は、外側上方領域232と内側上方領域234とを含み、外側上方領域232の間に配置される。能動的に決定された熱量を供給するステップ(ブロック502)は、内側下方領域230よりも外側下方領域228に能動的に決定された熱量の大部分を供給すること(ブロック510)、或いは、内側上方領域234よりも外側上方領域232に能動的に決定された熱量の大部分を供給すること(ブロック512)を含む。この段落の前述の主題は、本開示の実施例97を特徴づけており、実施例97は、上述の実施例96による主題も含む。
【0278】
内側下方領域230及び/又は内側上方領域234よりも、外側下方領域228及び/又は外側上方領域232により大きな熱量を供給することにより、一又は複数の実施例では、下方加熱プレート144と上方加熱プレート188からの伝導によって、外側下方領域228と外側上方領域232は、内側下方領域230と内側上方領域234よりも急速に熱を失うため、加工対象物114の幅全体にわたって一様な又は所望の温度プロファイルが確立される。
【0279】
本開示は、以下に列挙している例示的かつ非限定的な例をさらに含み、これらの例は、特許請求されることも、されないこともある。
【0280】
例1. 垂直軸に沿って移動可能な下方プレスアセンブリ(102)であって、
下方ダイ(106)、及び
前記下方ダイ(106)を受容するように構成された下方加熱ボックス部分(104)、
を備える下方プレスアセンブリ(102)と、
前記下方プレスアセンブリ(102)の上方で前記垂直軸に沿って移動可能な上方プレスアセンブリ(108)であって、
上方ダイ(112)、及び
前記上方ダイ(112)が前記下方ダイ(106)に向かい合って配置されるよう、前記上方ダイ(112)を受容するように構成されている上方加熱ボックス部分(110)、
を備える上方プレスアセンブリ(108)と、を備える熱間成形プレス(100)であって、
前記下方ダイ(106)と前記上方ダイ(112)は、前記下方ダイ(106)と前記上方ダイ(112)との間に受容される加工対象物(114)に成形圧力を印加するように構成されており、
前記下方加熱ボックス部分(104)と前記上方加熱ボックス部分(110)は前記加工対象物(114)を加熱するように構成されている、熱間成形プレス(100)。
【0281】
例2. 前記下方加熱ボックス部分(104)と前記上方加熱ボックス部分(110)は、前記加工対象物(114)を少なくとも250°C、少なくとも500°C、又は少なくとも750°Cの温度まで、或いは250~1000°Cの範囲の温度まで加熱するように構成されている、例1に記載の熱間成形プレス(100)。
【0282】
例3. 前記成形圧力は、少なくとも50メートルトン、少なくとも100メートルトン、少なくとも300メートルトン、少なくとも500メートルトン、少なくとも700メートルトン、少なくとも1000メートルトン、又は少なくとも2000メートルトン、或いは50~2250メートルトンの範囲内の成形力から生ずる、例1又は2に記載の熱間成形プレス(100)。
【0283】
例4. 前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)は、装填配置まで垂直移動するように構成され、当該装填配置において、前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)は、前記下方ダイ(106)と前記上方ダイ(112)との間に前記加工対象物(114)を受容するように離間されており、
前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)は、閉鎖配置まで垂直移動するように構成され、当該閉鎖配置において、前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)は、前記下方ダイ(106)と前記上方ダイ(112)との間の前記加工対象物(114)に前記成形圧力を印加するように配置されている、例1から3のいずれか一例に記載の熱間成形プレス(100)。
【0284】
例5. 前記上方プレスアセンブリ(108)は、前記閉鎖配置で選択的に固定されるように構成されている、例4に記載の熱間成形プレス(100)。
【0285】
例6. 上方プレスヘッド(134)であって、前記上方プレスアセンブリ(108)が前記上方プレスヘッド(134)に対して垂直に移動可能な上方プレスヘッド(134)と、
前記上方プレスアセンブリ(108)に固定された少なくとも1つの固定ロッド(138)と、
前記上方プレスヘッド(134)に対して前記上方プレスアセンブリ(108)を不動化するため、少なくとも1つの前記固定ロッド(138)を選択的に固定するように構成されている、少なくとも1つのロッドクランプ(140)と、
をさらに備える、例5に記載の熱間成形プレス(100)。
【0286】
例7. さらに、垂直支持体(116)を備え、
前記下方プレスアセンブリ(102)は前記垂直支持体(116)に沿って移動可能であり、
前記上方プレスアセンブリ(108)は前記垂直支持体(116)に沿って移動可能である、例1から6のいずれか一例に記載の熱間成形プレス(100)。
【0287】
例8. 前記下方プレスアセンブリ(102)はさらに、前記下方加熱ボックス部分(104)の下方に配置され、前記下方加熱ボックス部分(104)を垂直に支持する下方ボルスタープレート(128)を備え、
前記垂直支持体(116)は前記下方ボルスタープレート(128)を通って延在する、例7に記載の熱間成形プレス(100)。
【0288】
例9. 前記上方プレスアセンブリ(108)はさらに、前記上方加熱ボックス部分(110)の上方に配置され、前記上方加熱ボックス部分(110)を垂直に支持する上方ボルスタープレート(130)を備え、
前記垂直支持体(116)は前記上方ボルスタープレート(130)を通って延在する、例7又は8に記載の熱間成形プレス(100)。
【0289】
例10. 前記下方プレスアセンブリ(102)に動作可能に連結され、前記垂直軸に沿って前記下方プレスアセンブリ(102)を移動するように構成された下方並進機構(118)と、
前記垂直軸に沿って前記上方プレスアセンブリ(108)を垂直に移動するように構成された上方並進機構(120)と、
をさらに備える、例1から9のいずれか一例に記載の熱間成形プレス(100)。
【0290】
例11. 前記下方並進機構(118)は、前記成形圧力を発生させるため、成形力を印加するように構成されている、例10に記載の熱間成形プレス(100)。
【0291】
例12. 前記上方並進機構(120)は、前記成形圧力を発生させるため、成形力を印加するようには構成されていない、例10又は11に記載の熱間成形プレス(100)。
【0292】
例13. 前記下方並進機構(118)は少なくとも1つの油圧シリンダ(124)を備える、例10から12のいずれか一例に記載の熱間成形プレス(100)。
【0293】
例14. 下方プレスヘッド(126)をさらに備え、
前記下方プレスアセンブリ(102)は、前記下方プレスヘッド(126)に対して垂直に移動可能で、
少なくとも1つの前記油圧シリンダ(124)は、前記下方プレスアセンブリ(102)を前記下方プレスヘッド(126)に対して垂直に移動し、前記加工対象物(114)に前記成形圧力を印加するため、前記下方プレスアセンブリ(102)と前記下方プレスヘッド(126)との間に動作可能に連結される、例13に記載の熱間成形プレス(100)。
【0294】
例15. 前記上方並進機構(120)は1つの駆動ねじアセンブリ(132)を備える、例10から14のいずれか一例に記載の熱間成形プレス(100)。
【0295】
例16. 上方プレスヘッド(134)をさらに備え、
前記上方プレスアセンブリ(108)は、前記上方プレスヘッド(134)に対して垂直に移動可能で、
前記1つの駆動ねじアセンブリ(132)は、前記上方プレスアセンブリ(108)を前記上方プレスヘッド(134)に対して垂直に移動するため、前記上方プレスアセンブリ(108)と前記上方プレスヘッド(134)との間に動作可能に連結される、例15に記載の熱間成形プレス(100)。
【0296】
例17. 前記下方プレスアセンブリ(102)はダイ設定配置まで垂直に移動されるように構成されており、当該ダイ設定配置において、前記下方ダイ(106)は、前記下方ダイ(106)の選択的な除去と交換のため、前記下方加熱ボックス部分(104)から離間されている、例1から16のいずれか一例に記載の熱間成形プレス(100)。
【0297】
例18. 前記下方加熱ボックス部分(104)の中へ延在し、前記下方ダイ(106)に動作可能に係合するように配置された少なくとも1つの下方ダイリフトピン(136)をさらに備え、
前記下方プレスアセンブリ(102)は、少なくとも1つの前記下方ダイリフトピン(136)に対して垂直移動可能で、
前記下方プレスアセンブリ(102)が前記ダイ設定配置まで垂直に移動されると、少なくとも1つの前記下方ダイリフトピン(136)は、前記下方ダイ(106)の選択的な除去と交換のため、前記下方ダイ(106)を前記下方加熱ボックス部分(104)の上方に配置する、例17に記載の熱間成形プレス(100)。
【0298】
例19. 前記下方加熱ボックス部分(104)は、
下方ハウジング(142)と、
前記下方ハウジング(142)内に受容され、前記下方ダイ(106)に接触するように構成され、別個の下方領域(146)を備える下方加熱プレート(144)と、
前記下方ハウジング(142)と前記下方加熱プレート(144)との間に配置された下方絶縁層(148)と、を備え、
前記下方プレスアセンブリ(102)はさらに、前記下方加熱プレート(144)の前記別個の下方領域(146)に能動的に決定された熱量を供給するように構成された下方熱源(150)を備える、例1から18のいずれか一例に記載の熱間成形プレス(100)。
【0299】
例20. 前記下方加熱プレート(144)は、前記下方ダイ(106)が内部に配置される下方加熱プレート空間(320)を画定する、例19に記載の熱間成形プレス(100)。
【0300】
例21. 前記下方加熱プレート(144)と前記下方ハウジング(142)は、全体として下方加熱ロッド経路(152)を画定し、
前記下方熱源(150)は、前記下方加熱ロッド経路(152)の中へ延在する下方加熱ロッド(154)を備える、例19又は20に記載の熱間成形プレス(100)。
【0301】
例22. 前記下方加熱ロッド(154)は、前記下方加熱ロッド(154)の全長に沿って直線的である、例21に記載の熱間成形プレス(100)。
【0302】
例23. 前記下方熱源(150)はさらに、
下方接続ボックス(158)と、
前記下方加熱ロッド(154)を前記下方接続ボックス(158)に相互接続する下方接続ケーブル(160)と、を備え、
前記下方プレスアセンブリ(102)はさらに、前記下方加熱ボックス部分(104)の下方に配置され、前記下方加熱ボックス部分(104)を垂直に支持する下方ボルスタープレート(128)を備え、
前記下方接続ボックス(158)は前記下方ボルスタープレート(128)に装着されている、例21又は22に記載の熱間成形プレス(100)。
【0303】
例24. 前記下方ボルスタープレート(128)は、前記下方加熱ボックス部分(104)から熱が放射されるとき、前記熱から前記下方接続ボックス(158)をシールドする、例23に記載の熱間成形プレス(100)。
【0304】
例25. 前記下方加熱ロッド(154)はそれぞれ下方加熱ゾーン(162)を備え、
前記下方加熱ゾーン(162)の温度は独立に制御され、
前記下方加熱ゾーン(162)は、前記下方加熱プレート(144)の前記別個の下方領域(146)に一致する、例21から24のいずれか一例に記載の熱間成形プレス(100)。
【0305】
例26. 前記下方加熱ゾーン(162)は、外側下方ゾーン(168)と、前記外側下方ゾーン(168)の間に配置された少なくとも1つの内側下方ゾーン(170)とを備え、
前記外側下方ゾーン(168)は、少なくとも1つの前記内側下方ゾーン(170)よりも高い熱容量を有する、例25に記載の熱間成形プレス(100)。
【0306】
例27. 前記下方加熱ボックス部分(104)は、下方前面(172)と下方背面(174)を有し、
前記下方加熱ボックス部分(104)は、前記下方背面(174)よりも前記下方前面(172)に近い位置に、前記下方ダイ(106)を受容するように構成されており、
前記下方前面(172)に近接した前記外側下方ゾーン(168)は、前記下方背面(174)に近接した前記外側下方ゾーン(168)よりも高い熱容量を有する、例26に記載の熱間成形プレス(100)。
【0307】
例28. 前記下方加熱プレート(144)の前記別個の下方領域(146)の温度を検知するように構成された下方温度センサ(164)と、
前記下方接続ボックス(158)に動作可能に連結され、前記下方加熱プレート(144)の前記別個の下方領域(146)の前記温度に少なくとも部分的に基づいて、前記下方加熱プレート(144)の前記別個の下方領域(146)に供給される、前記能動的に決定された熱量を制御するように構成されたコントローラ(156)と、を備える、例19から27のいずれか一例に記載の熱間成形プレス(100)。
【0308】
例29. 前記下方ダイ(106)の温度を検知するように構成された下方ダイ温度センサ(166)をさらに備え、
前記コントローラ(156)は、前記下方ダイ(106)の前記温度を記録又は表示するように構成されており、
前記コントローラ(156)は、前記下方ダイ(106)の前記温度に基づいて、前記下方加熱プレート(144)の前記別個の下方領域(146)に供給される、前記能動的に決定された熱量を制御するように構成されている、例28に記載の熱間成形プレス(100)。
【0309】
例30. 前記コントローラ(156)に動作可能に連結され、前記下方加熱プレート(144)の前記別個の下方領域(146)の前記温度を表示するように構成されているディスプレイ(176)をさらに備える、例28又は29に記載の熱間成形プレス(100)。
【0310】
例31. 前記下方加熱ボックス部分(104)はさらに、前記下方絶縁層(148)と前記下方ハウジング(142)との間に少なくとも部分的に配置され、前記下方加熱ボックス部分(104)から熱を取り去るように構成された下方冷却プレート(178)を備える、例19から30のいずれか一例に記載の熱間成形プレス(100)。
【0311】
例32. 前記下方加熱ボックス部分(104)はさらに、前記下方ハウジング(142)、前記下方加熱プレート(144)、及び前記下方絶縁層(148)を動作可能に相互接続する下方加熱ボックスファスナ(180)を備え、
前記下方加熱ボックスファスナ(180)は、
下方ボルト(182)と、
前記下方ボルト(182)に動作可能に連結され、前記下方加熱ボックス部分(104)を損傷することなく、前記下方加熱ボックス部分(104)が拡張及び収縮できるように構成された、ばね式下方ナットアセンブリ(184)と、
を備える、例19から31のいずれか一例に記載の熱間成形プレス(100)。
【0312】
例33. 前記上方加熱ボックス部分(110)は、
上方ハウジング(186)と、
前記上方ハウジング(186)内に受容され、前記上方ダイ(112)に接触するように構成され、別個の上方領域(190)を備える上方加熱プレート(188)と、
前記上方ハウジング(186)と前記上方加熱プレート(188)との間に配置された上方絶縁層(192)と、を備え、
前記上方プレスアセンブリ(108)はさらに、前記上方加熱プレート(188)の前記別個の上方領域(190)に能動的に決定された熱量を供給するように構成された上方熱源(122)を備える、例1から32のいずれか一例に記載の熱間成形プレス(100)。
【0313】
例34. 前記上方加熱プレート(188)は、前記上方ダイ(112)が内部に配置される上方加熱プレート空間(346)を画定する、例33に記載の熱間成形プレス(100)。
【0314】
例35. 前記上方加熱プレート(188)と前記上方ハウジング(186)は、全体として上方加熱ロッド経路(194)を画定し、
前記上方熱源(122)は、前記上方加熱ロッド経路(194)の中へ延在する上方加熱ロッド(196)を備える、例33又は34に記載の熱間成形プレス(100)。
【0315】
例36. 前記上方加熱ロッド(196)は、前記上方加熱ロッド(196)の全長に沿って直線的である、例35に記載の熱間成形プレス(100)。
【0316】
例37. 前記上方熱源(122)はさらに、
上方接続ボックス(198)と、
前記上方加熱ロッド(196)を前記上方接続ボックス(198)に相互接続する上方接続ケーブル(200)と、を備え、
前記上方プレスアセンブリ(108)はさらに、前記上方加熱ボックス部分(110)の上方に配置され、前記上方加熱ボックス部分(110)を垂直に支持する上方ボルスタープレート(130)を備え、
前記上方接続ボックス(198)は前記上方ボルスタープレート(130)に装着されている、例35又は36に記載の熱間成形プレス(100)。
【0317】
例38. 前記上方ボルスタープレート(130)は、前記上方加熱ボックス部分(110)から熱が放射されるとき、前記熱から前記上方接続ボックス(198)をシールドする、例37に記載の熱間成形プレス(100)。
【0318】
例39. 前記上方加熱ロッド(196)はそれぞれ上方加熱ゾーン(202)を備え、
前記上方加熱ゾーン(202)の温度は独立に制御され、
前記上方加熱ゾーン(202)は、前記上方加熱プレート(188)の前記別個の上方領域(190)に一致する、例35から38のいずれか一例に記載の熱間成形プレス(100)。
【0319】
例40. 前記上方加熱ゾーン(202)は、外側上方ゾーン(204)と、前記外側上方ゾーン(204)の間に配置された少なくとも1つの内側上方ゾーン(206)とを備え、
前記外側上方ゾーン(204)は、少なくとも1つの前記内側上方ゾーン(206)よりも高い熱容量を有する、例39に記載の熱間成形プレス(100)。
【0320】
例41. 前記上方加熱ボックス部分(110)は、上方前面(208)と上方背面(210)を有し、
前記上方加熱ボックス部分(110)は、前記上方背面(210)よりも前記上方前面(208)に近い位置に、前記上方ダイ(112)を受容するように構成されており、
前記上方前面(208)に近接した前記外側上方ゾーン(204)は、前記上方背面(210)に近接した前記外側上方ゾーン(204)よりも高い熱容量を有する、例40に記載の熱間成形プレス(100)。
【0321】
例42. 前記上方加熱プレート(188)の前記別個の上方領域(190)の温度を検知するように構成された上方温度センサ(212)と、
前記上方接続ボックス(198)に動作可能に連結され、前記上方加熱プレート(188)の前記別個の上方領域(190)の前記温度に少なくとも部分的に基づいて、前記上方加熱プレート(188)の前記別個の上方領域(190)に供給される、前記能動的に決定された熱量を制御するように構成されたコントローラ(156)と、を備える、例33から41のいずれか一例に記載の熱間成形プレス(100)。
【0322】
例43. 前記上方ダイ(112)の温度を検知するように構成された上方ダイ温度センサ(214)をさらに備え、
前記コントローラ(156)は、前記上方ダイ(112)の前記温度を記録又は表示するように構成されており、
前記コントローラ(156)は、前記上方ダイ(112)の前記温度に基づいて、前記上方加熱プレート(188)の前記別個の上方領域(190)に供給される、前記能動的に決定された熱量を制御するように構成されている、例42に記載の熱間成形プレス(100)。
【0323】
例44. 前記コントローラ(156)に動作可能に連結され、前記上方加熱プレート(188)の前記別個の上方領域(190)の前記温度を表示するように構成されているディスプレイ(176)をさらに備える、例42又は43に記載の熱間成形プレス(100)。
【0324】
例45. 前記上方加熱ボックス部分(110)はさらに、前記上方絶縁層(192)と前記上方ハウジング(186)との間に少なくとも部分的に配置され、前記上方加熱ボックス部分(110)から熱を取り去るように構成された上方冷却プレート(216)を備える、例33から44のいずれか一例に記載の熱間成形プレス(100)。
【0325】
例46. 前記上方加熱ボックス部分(110)はさらに、前記上方ハウジング(186)、前記上方加熱プレート(188)、及び前記上方絶縁層(192)を動作可能に相互接続する上方加熱ボックスファスナ(218)を備え、
前記上方加熱ボックスファスナ(218)は、
上方ボルト(220)と、
前記上方ボルト(220)に動作可能に連結され、前記上方加熱ボックス部分(110)を損傷することなく、前記上方加熱ボックス部分(110)が拡張及び収縮できるように構成された、ばね式上方ナットアセンブリ(222)と、
を備える、例33から45のいずれか一例に記載の熱間成形プレス(100)。
【0326】
例47. 前記加工対象物(114)が前記下方ダイ(106)と前記上方ダイ(112)との間に動作可能に配置されているときに、並びに、前記下方ダイ(106)と前記上方ダイ(112)が前記加工対象物(114)に前記成形圧力を印加しているときに、前記加工対象物(114)の内部チャンバ(226)にガスを供給するように構成されたガス圧力システム(224)をさらに備える、例1から46のいずれか一例に記載の熱間成形プレス(100)。
【0327】
例48. 熱間成形プレス(100)の加熱ボックス(300)であって、前記加熱ボックス(300)は、
下方加熱ボックス部分(104)であって、
下方ハウジング(142)、
前記下方ハウジング(142)内に受容され、下方ダイ(106)を支持するように構成された下方加熱プレート(144)、及び
前記下方ハウジング(142)と前記下方加熱プレート(144)との間に配置された下方絶縁層(148)、を備える下方加熱ボックス部分(104)と、
前記下方加熱ボックス部分(104)の上方に配置可能な上方加熱ボックス部分(110)であって、
上方ハウジング(186)、
前記上方ハウジング(186)内に受容され、上方ダイ(112)を支持するように構成された上方加熱プレート(188)、及び
前記上方ハウジング(186)と前記上方加熱プレート(188)との間に配置された上方絶縁層(192)、を備える上方加熱ボックス部分(110)と、
を備え、
前記下方加熱ボックス部分(104)と前記上方加熱ボックス部分(110)は、前記下方加熱ボックス部分(104)と前記上方加熱ボックス部分(110)が互いに接触するときに、前記下方ダイ(106)と前記上方ダイ(112)との間に受容される加工対象物(114)の周囲に熱バリアを提供する、加熱ボックス(300)。
【0328】
例49. 前記下方ハウジング(142)は、下方ベースプレート(302)と前記下方ベースプレート(302)の上方に配置された下方側壁(304)とを備える、例48に記載の加熱ボックス(300)。
【0329】
例50. 前記下方ベースプレート(302)、前記下方絶縁層(148)、及び前記下方加熱プレート(144)は全体として、前記下方ダイ(106)との動作可能な係合と、前記下方加熱ボックス部分(104)からの前記下方ダイ(106)の分離のため、少なくとも1つの下方ダイリフトピン(136)を受容するように構成された少なくとも1つの下方リフトピン経路(306)を画定する、例49に記載の加熱ボックス(300)。
【0330】
例51. 前記下方ベースプレート(302)、前記下方絶縁層(148)、及び前記下方加熱プレート(144)は全体として、下方ボルト経路(308)を画定し、
前記下方加熱ボックス部分(104)はさらに、
前記下方ボルト経路(308)を通って延在する下方ボルト(182)と、
前記下方ボルト(182)に動作可能に連結され、前記下方加熱ボックス部分(104)を損傷することなく、前記下方加熱ボックス部分(104)が拡張及び収縮できるように構成された、ばね式下方ナットアセンブリ(184)と、
を備える、例49又は50に記載の加熱ボックス(300)。
【0331】
例52. 前記ばね式下方ナットアセンブリ(184)は、前記下方ベースプレート(302)内に配置される、例51に記載の加熱ボックス(300)。
【0332】
例53. 前記下方ボルト経路(308)は下方円形カウンタボア(310)を備え、
前記下方ボルト(182)は、前記下方円形カウンタボア(310)と係合するように構成された下方円形ヘッド(312)を備える、例51又は52に記載の加熱ボックス(300)。
【0333】
例54. 前記下方加熱プレート(144)は前記下方円形カウンタボア(310)を画定し、
前記下方円形ヘッド(312)は前記下方加熱プレート(144)内に配置される、例53に記載の加熱ボックス(300)。
【0334】
例55. 前記下方絶縁層(148)は下方絶縁空間(314)を画定し、
前記下方加熱プレート(144)は前記下方絶縁空間(314)内に配置される、例49から54のいずれか一例に記載の加熱ボックス(300)。
【0335】
例56. 前記下方絶縁層(148)は、
前記下方加熱プレート(144)と前記下方側壁(304)との間に配置された下方セラミックシート(316)と、
前記下方加熱プレート(144)と前記下方ベースプレート(302)との間に配置された少なくとも1つの下方セラミックブロック(318)と、を備える、例55に記載の加熱ボックス(300)。
【0336】
例57. 前記下方加熱プレート(144)は、前記下方ダイ(106)を受容し、動作可能に配置するようにサイズ決定された下方加熱プレート空間(320)を画定する、例49から56のいずれか一例に記載の加熱ボックス(300)。
【0337】
例58. 前記下方加熱ボックス部分(104)は、下方前面(172)と下方背面(174)を有し、
前記下方加熱プレート空間(320)は、前記下方背面(174)よりも前記下方前面(172)の近くに配置される、例57に記載の加熱ボックス(300)。
【0338】
例59. 前記下方加熱プレート(144)と前記下方側壁(304)は全体として、下方加熱ロッド(154)を受容するように構成された下方加熱ロッド経路(152)を画定する、例49から58のいずれか一例に記載の加熱ボックス(300)。
【0339】
例60. 前記下方加熱ボックス部分(104)は、下方前面(172)と下方背面(174)を有し、
前記下方加熱ロッド経路(152)は、前記下方側壁(304)を通って、前記下方背面(174)上だけに延在する、例59に記載の加熱ボックス(300)。
【0340】
例61. 前記下方加熱プレート(144)に対して前記下方ダイ(106)を動作可能に保持するため、前記下方加熱プレート(144)は、下方カプラ(324)を受容するように構成された下方スロット(322)を画定する、例49から60のいずれか一例に記載の加熱ボックス(300)。
【0341】
例62. 前記下方側壁(304)は、前記下方カプラ(324)の動作可能な挿入と除去のため、前記下方スロット(322)へのアクセスを提供するように構成された下方アクセス経路(328)を画定する、例61に記載の加熱ボックス(300)。
【0342】
例63. 前記下方ベースプレート(302)は、前記熱間成形プレス(100)の下方ボルスタープレート(128)に前記下方加熱ボックス部分(104)を動作可能に連結するように構成された、下方外周フランジ(326)を備える、例49から62のいずれか一例に記載の加熱ボックス(300)。
【0343】
例64. 前記下方加熱ボックス部分(104)はさらに、前記下方絶縁層(148)と前記下方ベースプレート(302)との間に配置され、前記加熱ボックス(300)から熱を取り去るように構成された下方冷却プレート(178)を備える、例49から63のいずれか一例に記載の加熱ボックス(300)。
【0344】
例65. 前記下方冷却プレート(178)は、前記下方ベースプレート(302)と前記下方側壁(304)との間に延在する、例64に記載の加熱ボックス(300)。
【0345】
例66. 前記上方ハウジング(186)は、上方トッププレート(330)と前記上方トッププレート(330)の上方に配置された上方側壁(332)とを備える、例48から65のいずれか一例に記載の加熱ボックス(300)。
【0346】
例67. 前記上方トッププレート(330)、前記上方絶縁層(192)、及び前記上方加熱プレート(188)は全体として、上方ボルト経路(334)を画定し、
前記上方加熱ボックス部分(110)はさらに、
前記上方ボルト経路(334)を通って延在する上方ボルト(220)と、
前記上方ボルト(220)に動作可能に連結され、前記上方加熱ボックス部分(110)を損傷することなく、前記上方加熱ボックス部分(110)が拡張及び収縮できるように構成された、ばね式上方ナットアセンブリ(222)と、
を備える、例66に記載の加熱ボックス(300)。
【0347】
例68. 前記ばね式上方ナットアセンブリ(222)は、前記上方トッププレート(330)内に配置される、例67に記載の加熱ボックス(300)。
【0348】
例69. 前記上方ボルト経路(334)は上方円形カウンタボア(336)を備え、
前記上方ボルト(220)は、前記上方円形カウンタボア(336)と係合するように構成された上方円形ヘッド(338)を備える、例67又は68に記載の加熱ボックス(300)。
【0349】
例70. 前記上方加熱プレート(188)は前記上方円形カウンタボア(336)を画定し、
前記上方円形ヘッド(338)は前記上方加熱プレート(188)内に配置される、例69に記載の加熱ボックス(300)。
【0350】
例71. 前記上方絶縁層(192)は上方絶縁空間(340)を画定し、
前記上方加熱プレート(188)は前記上方絶縁空間(340)内に配置される、例66から70のいずれか一例に記載の加熱ボックス(300)。
【0351】
例72. 前記上方絶縁層(192)は、
前記上方加熱プレート(188)と前記上方側壁(332)との間に配置された上方セラミックシート(342)と、
前記上方加熱プレート(188)と前記上方トッププレート(330)との間に配置された少なくとも1つの上方セラミックブロック(344)と、を備える、例71に記載の加熱ボックス(300)。
【0352】
例73. 前記上方加熱プレート(188)は、前記上方ダイ(112)を受容し、動作可能に配置するようにサイズ決定された上方加熱プレート空間(346)を画定する、例66から72のいずれか一例に記載の加熱ボックス(300)。
【0353】
例74. 前記上方加熱ボックス部分(110)は、上方前面(208)と上方背面(210)を有し、
前記上方加熱プレート空間(346)は、前記上方背面(210)よりも前記上方前面(208)の近くに配置される、例73に記載の加熱ボックス(300)。
【0354】
例75. 前記上方加熱プレート(188)と前記上方側壁(332)は全体として、上方加熱ロッド(196)を受容するように構成された上方加熱ロッド経路(194)を画定する、例66から74のいずれか一例に記載の加熱ボックス(300)。
【0355】
例76. 前記上方加熱ボックス部分(110)は上方前面(208)と上方背面(210)を有し、
前記上方加熱ロッド経路(194)は前記上方側壁(332)を通って、前記上方背面(210)上だけに延在する、例75に記載の加熱ボックス(300)。
【0356】
例77. 前記上方加熱プレート(188)に対して前記上方ダイ(112)を動作可能に保持するため、前記上方加熱プレート(188)は、上方カプラ(350)を受容するように構成された上方スロット(348)を画定する、例66から76のいずれか一例に記載の加熱ボックス(300)。
【0357】
例78. 前記上方側壁(332)は、前記上方カプラ(350)の動作可能な挿入と除去のため、前記上方スロット(348)へのアクセスを提供するように構成された上方アクセス経路(352)を画定する、例77に記載の加熱ボックス(300)。
【0358】
例79. 前記上方トッププレート(330)は、前記熱間成形プレス(100)の上方ボルスタープレート(130)に前記上方加熱ボックス部分(110)を動作可能に連結するように構成された、上方外周フランジ(354)を備える、例66から78のいずれか一例に記載の加熱ボックス(300)。
【0359】
例80. 前記上方加熱ボックス部分(110)はさらに、前記上方絶縁層(192)と前記上方トッププレート(330)との間に配置され、前記加熱ボックス(300)から熱を取り去るように構成された上方冷却プレート(216)を備える、例66から79のいずれか一例に記載の加熱ボックス(300)。
【0360】
例81. 前記上方冷却プレート(216)は、前記上方トッププレート(330)と前記上方側壁(332)との間に延在する、例80に記載の加熱ボックス(300)。
【0361】
例82. 加工対象物(114)を熱間成形する方法(400)であって、
下方プレスアセンブリ(102)と上方プレスアセンブリ(108)を共に装填配置まで垂直移動するステップであって、当該装填配置において、前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)は、前記加工対象物(114)を受容するために離間されている、垂直移動するステップと、
前記加工対象物(114)を、前記下方プレスアセンブリ(102)の下方ダイ(106)と前記上方プレスアセンブリ(108)の上方ダイ(112)との間に配置するステップと、
前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)を共に閉鎖配置まで垂直移動するステップであって、当該閉鎖配置において、前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)は、前記加工対象物(114)に成形圧力を印加するように配置される、垂直移動するステップと、
前記上方プレスアセンブリ(108)を不動化するステップと、
前記加工対象物(114)に前記成形圧力を印加するため、前記下方プレスアセンブリ(102)を前記上方プレスアセンブリ(108)に向かって移動するステップと、
前記加工対象物(114)を加熱するステップと、
を含む方法(400)。
【0362】
例83. 前記加工対象物(114)を加熱する前記ステップは、前記加工対象物(114)を少なくとも250°C、少なくとも500°C、又は少なくとも750°Cの温度まで、或いは250~1000°Cの範囲の温度まで加熱することを含む、例82に記載の方法(400)。
【0363】
例84. 前記成形圧力は、少なくとも50メートルトン、少なくとも100メートルトン、少なくとも300メートルトン、少なくとも500メートルトン、少なくとも700メートルトン、少なくとも1000メートルトン、又は少なくとも2000メートルトン、或いは50~2250メートルトンの範囲内の成形力から生ずる、例82又は83に記載の方法(400)。
【0364】
例85. 前記下方プレスアセンブリ(102)をダイ設定配置まで垂直移動することであって、当該ダイ設定配置において、前記下方ダイ(106)は前記下方プレスアセンブリ(102)の下方加熱ボックス部分(104)から離間されている、垂直移動することと、
前記下方プレスアセンブリ(102)がダイ設定配置にある間に、前記下方加熱ボックス部分(104)から前記下方ダイ(106)を除去及び交換することと
を含む、例82から84のいずれか一例に記載の方法(400)。
【0365】
例86. 前記下方プレスアセンブリ(102)を前記ダイ設定配置まで垂直移動するステップは、前記下方ダイ(106)が前記下方加熱ボックス部分(104)と共に下がるのを防止するため、前記下方加熱ボックス部分(104)の中へ延在し、前記下方ダイ(106)に動作可能に係合する少なくとも1つの下方ダイリフトピン(136)に対して、前記下方加熱ボックス部分(104)を下げることを含む、例85に記載の方法(400)。
【0366】
例87. 前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)とを前記装填配置まで垂直移動する前記ステップと、前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)とを前記閉鎖配置まで垂直移動する前記ステップは、前記下方プレスアセンブリ(102)を少なくとも1つの油圧シリンダ(124)と共に垂直移動することを含む、例82から86のいずれか一例に記載の方法(400)。
【0367】
例88. 前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)とを前記装填配置まで垂直移動する前記ステップと、前記下方プレスアセンブリ(102)と前記上方プレスアセンブリ(108)とを前記閉鎖配置まで垂直移動する前記ステップは、前記上方プレスアセンブリ(108)を1つの駆動ねじアセンブリ(132)と共に垂直移動することを含む、例82から87のいずれいか一例に記載の方法(400)。
【0368】
例89. 前記加工対象物(114)を加熱する前記ステップは、
前記下方プレスアセンブリ(102)の下方加熱ボックス部分(104)の下方加熱プレート(144)の別個の下方領域(146)の温度を検知するステップと、
前記別個の下方領域(146)の温度検知に応答して、前記別個の下方領域(146)に供給される熱を能動的かつ独立に制御するステップと、を含む、例82から88のいずれか一例に記載の方法(400)。
【0369】
例90. 前記別個の下方領域(146)は、外側下方領域(228)と、前記外側下方領域(228)の間に配置された内側下方領域(230)とを含み、
前記別個の下方領域(146)に供給される熱を能動的かつ独立に制御する前記ステップは、前記内側下方領域(230)よりも前記外側下方領域(228)により多くの熱量を供給することを含む、例89に記載の方法(400)。
【0370】
例91. 前記加工対象物(114)を加熱する前記ステップは、
前記上方プレスアセンブリ(108)の上方加熱ボックス部分(110)の上方加熱プレート(188)の別個の上方領域(190)の温度を検知するステップと、
前記別個の上方領域(190)の温度検知に応答して、前記別個の上方領域(190)に供給される熱を能動的かつ独立に制御するステップと、を含む、例82から90のいずれか一例に記載の方法(400)。
【0371】
例92. 前記別個の上方領域(190)は、外側上方領域(232)と、前記外側上方領域(232)の間に配置された内側上方領域(234)とを含み、
前記別個の上方領域(190)に供給される熱を能動的かつ独立に制御する前記ステップは、前記内側上方領域(234)よりも前記外側上方領域(232)により多くの熱量を供給することを含む、例91に記載の方法(400)。
【0372】
例93. 加工対象物(114)の熱間成形の方法(500)であって、熱間成形プレス(100)の加熱ボックス(300)の下方加熱ボックス部分(104)の下方加熱プレート(144)の別個の下方領域(146)に、或いは、前記加熱ボックス(300)の上方加熱ボックス部分(110)の上方加熱プレート(188)の別個の上方領域(190)に、能動的に決定された熱量を供給するステップを含む、方法(500)。
【0373】
例94. 前記能動的に決定された熱量を供給する前記ステップは、前記加工対象物(114)を少なくとも250°C、少なくとも500°C、又は少なくとも750°Cの温度まで、或いは250~1000°Cの範囲の温度まで加熱することを含む、例93に記載の方法(500)。
【0374】
例95. 少なくとも50メートルトン、少なくとも100メートルトン、少なくとも300メートルトン、少なくとも500メートルトン、少なくとも700メートルトン、少なくとも1000メートルトン、少なくとも2000メートルトン、或いは50~2250メートルトンの範囲内の成形力を前記加工対象物(114)に印加するステップをさらに含む、例93又は94に記載の方法(500)。
【0375】
例96. 前記別個の下方領域(146)の、或いは前記別個の上方領域(190)の温度を検知するステップをさらに含み、前記能動的に決定された熱量は、少なくとも部分的に温度に基づいている、例93から95のいずれか一例に記載の方法(500)。
【0376】
例97. 前記別個の下方領域(146)は、外側下方領域(228)と、前記外側下方領域(228)の間に配置された内側下方領域(230)とを含み、
前記別個の上方領域(190)は、外側上方領域(232)と、前記外側上方領域(232)の間に配置された内側上方領域(234)とを含み、
前記能動的に決定された熱量を供給する前記ステップは、前記内側下方領域(230)よりも前記外側下方領域(228)に、能動的に決定された熱量の大部分を供給すること、又は、前記内側上方領域(234)よりも前記外側上方領域(232)に能動的に決定された熱量の大部分を供給することを含む、例96に記載の方法(500)。
【0377】
本開示の実施例は、
図22に示す航空機の製造及び保守方法1100、並びに
図23に示す航空機1102に照らして説明することができる。製造前の段階で、例示的な方法1100は、航空機1102の仕様及び設計(ブロック1104)と材料調達(ブロック1106)とを含みうる。製造段階では、航空機1102の構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1108)と、システムインテグレーション(ブロック1110)とが行われうる。その後、航空機1102は認可及び納品(ブロック1112)を経て運航(ブロック1114)に供されうる。運航中、航空機1102には、定期的な整備及び保守(ブロック1116)が予定されうる。定期的な整備及び保守は、航空機1102の一又は複数のシステムの改変、再構成、改修等を含みうる。
【0378】
例示的な方法1100の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば、顧客)によって実行又は実施されうる。本明細書の目的のために、システムインテグレータとは、限定しないが、任意の数の航空機製造者及び主要システムの下請業者を含んでもよく、第三者とは、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含んでもよく、オペレータとは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであってもよい。
【0379】
図23に示すように、例示的な方法1100によって製造された航空機1102は、複数の高レベルのシステム1120及び内装1122を有する機体1118を含みうる。高レベルシステム1120の実施例には、推進システム1124、電気システム1126、油圧システム1128、及び環境システム1130のうちの一又は複数が含まれる。任意の数の他のシステムも含まれてよい。ここでは航空宇宙産業の実施例を示したが、本書で開示される原理は、自動車産業のような他の産業にも適用することができる。そのため、本書で開示される原理は、航空機1102に加えて、他のビークル(例えば、陸上ビークル、海洋ビークル、宇宙ビークル等)にも適用することができる。
【0380】
本明細書で示され、又は説明された装置及び方法は、製造及び保守方法1100の、1つ又は複数の任意の段階において利用することができる。例えば、構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1108)に対応する構成要素又はサブアセンブリは、航空機1102の運航(ブロック1114)中に製造される構成要素又はサブアセンブリと同様の様態で製作又は製造され得る。さらに、装置、方法、又はこれらの組み合わせの1つ又は複数の実施例は、例えば、航空機1102の組立てを著しく効率化するか、又はコストを削減することにより、製造段階1108及び1110において利用することができる。同様に、装置又は方法を実現する1つ又は複数の実施例、或いはこれらの組み合わせは、例えば、限定するわけではないが、航空機1102の運航(ブロック1114)中に、及び/又は整備及び保守(ブロック1116)において利用することができる。
【0381】
本明細書で開示された装置及び方法の種々の実施例は、多種多様な構成要素、特徴、及び機能を含む。本明細書で開示された装置及び方法の様々な実施例は、本明細書で開示された装置及び方法のその他の任意の実施例の任意の構成要素、特徴、及び機能を任意の組み合わせで含んでもよく、かかる可能性は全て本開示の範囲内に含まれることが意図されていることを理解すべきである。
【0382】
上記の説明及び添付図面に提示された教示を利用して、本開示が関係する当業者には、本明細書に明記された実施例の多数の修正例が、想起されるであろう。
【0383】
したがって、本開示は例示された特定の実施例に限定されることがないことと、修正例及びその他の実施例は添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることとを理解されたい。さらに、上述の記載及びこれに関連する図面では、要素及び/または機能の特定の例示的な組み合わせに照らして本開示の実施例が記載されているが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、代替的な実装形態によって、要素及び/又は機能の異なる組み合わせを提供することができることを理解するべきである。そのため、添付の特許請求の範囲で括弧でくくられた参照番号は、例示目的でのみ提示されており、特許請求される主題の範囲を本開示で提供される特定の実施例に限定することを意図しているわけではない。