(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】内視鏡用スネア
(51)【国際特許分類】
A61B 17/32 20060101AFI20240405BHJP
A61B 1/018 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
A61B17/32 528
A61B1/018 515
(21)【出願番号】P 2019536289
(86)(22)【出願日】2018-01-09
(86)【国際出願番号】 US2018013017
(87)【国際公開番号】W WO2018129551
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2021-01-07
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-14
(32)【優先日】2017-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503423661
【氏名又は名称】ユナイテッド ステイツ エンドスコピー グループ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウスペンスキ アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ケイ クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】モハンマドプール レザ
(72)【発明者】
【氏名】ムーア クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】ラナーロ シンシア アン
(72)【発明者】
【氏名】ウィンスタンリー ジョン
【合議体】
【審判長】佐々木 正章
【審判官】内藤 真徳
【審判官】井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-530965(JP,A)
【文献】特開平6-198351(JP,A)
【文献】特開2001-252280(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0105789(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/32
A61B 17/22 - 17/221
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡と共に使用するための組織除去ツールであって、
一本のワイヤで形成され、開放位置と閉鎖位置との間を移動可能であり、近位部と遠位部とにより前記開放位置で規定され、一部がコイニングされたループと、
少なくとも前記ループの前記遠位部に配置され、前記ループの前記近位部よりも細いワイヤを備える切除部と、
伝達アセンブリと、を備え、
前記伝達アセンブリは、ハンドルと、リンクとを備え、
前記リンクは、前記ハンドルに取り付けられた第1端と、前記ループに取り付けられた第2端と、を備え、前記ループは、前記ハンドルの動作により、前記開放位置と前記閉鎖位置との間を移動可能であり、
前記ループの最大幅部は、前記ループの長さの中間点よりも前記ループの近位端に近く、
前記切除部は、
その両端に小孔を有する切除エレメントを備え、
前記ワイヤは、前記小孔をスライドし、所定の位置において前記切除エレメントに接合される、ことを特徴とする、組織除去ツール。
【請求項2】
請求項1に記載の組織除去ツールであって、前記ループの前記長さの前記中間点から前記ループの前記最大幅部までの距離は、前記長さの約3%~45%であることを特徴とする、組織除去ツール。
【請求項3】
請求項2に記載の組織除去ツールであって、前記ループの前記長さの前記中間点から前記ループの前記最大幅部までの前記距離は、前記長さの約10%~35%であることを特徴とする、組織除去ツール。
【請求項4】
請求項3に記載の組織除去ツールであって、前記ループの前記長さの前記中間点から前記ループの前記最大幅部までの前記距離は、前記長さの約12%~25%であることを特徴とする、組織除去ツール。
【請求項5】
請求項1に記載の組織除去ツールであって、支持アセンブリを更に備え、前記支持アセンブリは、基体と、細長い管状部材とを備え、前記ハンドルは、前記基体に対して移動可能であり、前記リンクは、前記管状部材の少なくとも一部を通って延びていることを特徴とする、組織除去ツール。
【請求項6】
請求項1に記載の組織除去ツールであって、前記切除部は、前記ループの前記遠位部において、前記ループの約1/3~1/2を含むことを特徴とする、組織除去ツール。
【請求項7】
請求項1に記載の組織除去ツールであって、前記切除部は、前記ループの遠位端から両方向へ約5mm~15mm延びていることを特徴とする、組織除去ツール。
【請求項8】
請求項7に記載の組織除去ツールであって、前記切除部は、前記ループの前記遠位端から両方向へ約10mm延びていることを特徴とする、組織除去ツール。
【請求項9】
請求項1に記載の組織除去ツールであって、前記切除部は、0.36mm以下の直径を有することを特徴とする、組織除去ツール。
【請求項10】
請求項1に記載の組織除去ツールであって、前記切除部は、0.30mm以下の直径を有することを特徴とする、組織除去ツール。
【請求項11】
請求項1に記載の組織除去ツールであって、前記ループは、内側ループと外側ループとを備え、前記内側ループは、少なくとも1つの場所で前記外側ループに接合され、前記内側ループは、前記外側ループよりも細いことを特徴とする、組織除去ツール。
【請求項12】
請求項1に記載の組織除去ツールであって、前記ループの前記コイニングされた遠位部は、鋭い内側縁を備えることを特徴とする、組織除去ツール。
【請求項13】
請求項12に記載の組織除去ツールであって、前記コイニングされた位置は、前記ループの中心線に対して対称であることを特徴とする、組織除去ツール。
【請求項14】
請求項1に記載の組織除去ツールであって、前記ループは、ねじれ先端を有する中実の矩形ワイヤフィラメントループであることを特徴とする、組織除去ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本発明は、2017年1月9日に出願された、「回収装置(RETRIEVAL DEVICE)」に係る米国仮特許出願第62/444,144号の利益を主張するものであり、その全ての開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本主題は、内視鏡用スネアに関する。
【背景技術】
【0003】
ポリープ切除又はポリープ除去は、今日、消化器内視鏡検査において、最も一般的な内視鏡処置の一つとなっている。その相対的な単純性は、しばしば、大腸癌の予防における処置の有効性と矛盾する。全米ポリープ研究(The National Polyp Study (NPS))は、大腸内視鏡ポリープ切除後、大腸癌の発生率が76%~90%減少することを証明した。ポリープ切除のための通常の方法は、電気焼灼又はホットスネアを使用していた。電気焼灼又はホットスネアは、電流による凝固作用により、出血の危険性を減らす。しかしながら、電気焼灼は、不注意により、健康な組織を損傷させることもあり、出血の危険性がない小さなポリープには必要ない可能性がある。
【0004】
ユナイテッドステイツエンドスコピーグループ社のExacto(商標登録)スネアのようなコールドスネアは、小さいポリープに対するポリープ切除処置のために設計されている。コールドスネアは、切除部位からのポリープの散乱を減らすきれいな切除を可能にする。Exacto(商標登録)スネアと、ホットスネアとを比較した研究によると、3~8mmの範囲の小さなポリープでは、ポリープ切除後の出血には差がなく、Exacto(商標登録)スネアは、安全且つ効果的であると同時に、ホットスネアよりも使用時間が短い。
【発明の概要】
【0005】
本主題は、内視鏡と共に使用される組織除去ツールについて記載する。ツールは、一本のワイヤで形成され、開放位置と閉鎖位置との間を移動可能なループと、伝達アセンブリと、を備え、伝達アセンブリは、ハンドルと、リンクとを備え、リンクは、ハンドルに取り付けられた第1端と、ループに取り付けられた第2端と、を備え、ループ部分は、ハンドルの動作により、開放位置と閉鎖位置との間を移動可能であり、ループは、近位部と、遠位部とにより、開放位置で規定され、ループの最大幅部は、ループの長さの中間点よりもループの近位端に近い。
【0006】
本主題は、さらに、ループの遠位部に沿って配置された切除部を有する組織除去ツールについて記載する。
【0007】
一般的な発明の概念の特徴と利点とは、添付図面を参照してなされる以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、回収装置の概略図であり、開放位置におけるスネアを示す。
【
図2】
図2は、
図1の回収装置の一部の拡大断面図であり、導管内での閉鎖位置におけるスネアを示す。
【
図3】
図3は、一般的なケーブル形状デザインを有するループの実施例を示す。
【
図4】
図4は、一般的なものモノフィラメント形状デザインを有するループの実施例を示す。
【
図5】
図5は、別々のワイヤで形成された近位部と、遠位切除部とを有するループの第1実施例を示す。
【
図6a】
図6aは、ミクロトーム又は切除エレメントを有するループの第2実施例を示す。
【
図6b】
図6bは、ミクロトーム又は切除エレメントを有するループの第2実施例を示す。
【
図7】
図7は、ねじれ先端を有するループの第3実施例を示す。
【
図8a】
図8aは、別々のループエレメントを有する第4実施例を示す。
【
図8b】
図8bは、別々のループエレメントを有する第4実施例を示す。
【
図8c】
図8cは、別々のループエレメントを有する第4実施例を示す。
【
図9a】
図9aは、テーパー形状又はグランド部を有するループの第5実施例を示す。
【
図9b】
図9bは、テーパー形状又はグランド部を有するループの第5実施例を示す。
【
図10】
図10は、
コイニングされた(coined)近位部を有するループの第6実施例を示す。
【
図11】
図11は、
コイニングされた又は
コイニングされていない(non-coined)近位部と、
コイニングされた遠位部とを有するループの第7実施例を示す。
【
図12a】
図12aは、複数の
コイニングされた部分を有するループの第8実施例を示す。
【
図12b】
図12bは、複数の
コイニングされた部分を有するループの第8実施例を示す。
【
図13】
図13は、切除エレメントを取り付けるための方法を示すループの第9実施例を示す。
【
図14】
図14は、ループを詳述するループの別の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この詳細な説明は、一般的な発明の概念に従って例示的な実施例を単に説明するものであり、発明の範囲又は特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。実際、特許請求の範囲に記載した発明は、本明細書に記載した例示的な実施例よりも広く、実施例に限定されるものではない。また、特許請求の範囲に使用する用語は、当該用語の通常の意味を有する。
【0010】
本発明の例示的な実施例を参照しながら、一般的な発明の概念を説明する。しかしながら、この一般的な発明の概念は、異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載した実施例に限定解釈されるべきではない。本開示が十分かつ完全であり、一般的な発明の概念の範囲を当業者に十分に伝えるように実施例を提示する。
【0011】
特に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術的且つ科学的な用語は、一般的な発明の概念を包含する技術における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。詳細な説明に記載している用語は、特定の実施例を説明するためだけのものであり、一般的な発明の概念を限定することを意図するものではない。詳細な説明及び特許請求の範囲で使用しているように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈において明示しない限り、複数形を含むことを意図している。
【0012】
本明細書及び特許請求の範囲に使用する全ての数、例えば、大きさ及び物理的特徴を表す数は、他に記載しない限り、全ての例において、「約」という用語により修正され得ると理解されたい。従って、特に明記しない限り、本明細書及び特許請求の範囲の記載の数値は、本発明の実施例において得られる適切な特性に応じて変動する近似値である。広い範囲の一般的な発明の概念を説明する数値範囲及びパラメータは近似値であるが、特定の実施例に記載した数値は可能な限り正確に記載している。しかしながら、いずれの数値も、各々の測定において発見される誤差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含んでいる。
【0013】
本出願は、内視鏡と共に使用される組織除去ツールについて記載する。組織除去ツールは、一本のワイヤで形成され、開放位置と閉鎖位置との間を移動可能なループと、ハンドルと、ハンドルに取り付けられた第1端と、ループに取り付けられた第2端とを有するリンクと、を備え、ループは、ハンドルの動作により、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であり、ループは、近位部及び遠位部により、開放位置で規定される。
【0014】
図1を参照すると、例示的なツール10は、一本のワイヤ14で形成されたループ12を有する。例えば、ステンレス、ニチロールのような金属、プラスチック若しくはカーボンナノチューブ、ガラス繊維、又は、ハイブリッド技術のような任意の適切な材料のワイヤを使用して、ループを形成することができる。モノフィラメント又はケーブルにより、ループを形成することもできる。予備形成されたワイヤを所望の形状及び向きに機械的に曲げる又はねじることにより、ワイヤの長さに沿ったワイヤの向き及び形状を変化させることができる、又は、予備形成されたプラスチック部品のように、所望の形状及び向きを有するように、最初からワイヤを製造することもできる。適切な材料は、柔軟性があり、ループの展開及び回収を可能にする記憶材料である。ワイヤは、耐圧潰性屈曲部により分離された複数のセグメントを形成し、ループの開口部を規定する。ループは、開放位置又は展開位置と、閉鎖位置又は回収位置との間で移動可能である。ループ12は、
図1では、開放位置において示されている。ループは多角形であり、特に、ループは、通常、ひし形である。
図2では、ループ12は、ツール10の遠位部内で閉鎖位置において示されている。本明細書において記載されている通り、ループ12は導管18内にある。この閉鎖位置又は回収位置において、例示的なループは長さL
1を有する。
【0015】
ツールは、支持アセンブリと、開放位置と閉鎖位置との間でループを移動させるための伝達
アセンブリとを有することもできる。
図1に示された例示的なツール10では、支持アセンブリは、基体又は本体16及び細長い中空管と、管状部材又は導管18とを有する。伝達アセンブリは、本体16とリンク22とに対して移動可能なハンドル20を有する。リンクの一端はハンドルに固定され、第2端は本体から離れている。
図1、2に示されたように、リンク22は、実質的に、導管18の長さにわたって延びている。導管18を任意の適切な小径のチューブとすることができる。このチューブは、低摩擦可撓性材料で形成されている。この材料は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、高密度ポリエチレン、ポリエーテルブロックアミド、又は、他の類似の材料である。導管18は、
図2に示されたように、遠位第2端28に開口部を有する内腔を規定する。
図2は、ツール10の遠位部の断面図である。導管の近位第1端30は、本体16に固定されている。
【0016】
オペレータは、ハンドルにより、
図1に示された展開位置と、
図2に示された閉鎖位置との間でループを前後に動かすことができる。
図1を再度参照すると、本体16は、近位端に固定リング24を有する。オペレータは、ハンドル20を用いて、特に、2つのリング26a、26bの一方又は両方を用いて、本体16に対してハンドル20をスライドさせることができる。ハンドル20は、本体16の細長い部分に取り付けられており、本体に対して、方向D
1へ移動可能であり、ループを展開し、反対方向D
2へ移動可能であり、ループ12を閉鎖する。例えば、オペレータは、指を各リング26a、26bに置くことができ、同じ手の親指を本体リング24に置くことができる。方向D
1へ2本の指を動かすことにより、オペレータは、本体16に対してハンドル20を移動させることができる。ハンドルのこの動きは、ループを展開する。反対に、親指に向かって指を引くことにより、反対方向D
2へハンドル20をスライドさせることができ、ループが閉鎖する。
【0017】
リンク22は、ハンドル20に接続されており、ハンドル20から装置の他の部分に軸方向の動きを伝達する。リンクを、任意の適切な剛性材料から構成することもでき、中実、中空、又は、任意の適切な細長い物体、又は、物体の組み合わせとすることもできる。リンクを1つの部品から形成することもでき、皮下チューブ、かしめ接続、及び、ケーブルのような一連の部品及び接続から形成することもできる。リンク22は、ハンドル20に固定された第1端と、本体16から離れた第2端とを有する。図に示されたように、リンクは、実質的に、導管18を通って延びている。
【0018】
図3は、ケーブルコールド切除スネアループの一般的な形状を示す。
図4は、モノフィラメントコールド切除スネアループの一般的な形状を示す。ループ12は、遠位部120と、近位部130とを備える。ループは、ループ12の遠位部120に沿った切除部140を備える。切除部140は、ループ12のおよそ1/3~1/2を含み、連続又は不連続とすることができる。実施例では、切除部140は、遠位端150から両方向へ約1~5mm延びている。実施例では、切除部140は、遠位端150から両方向へ約5mm~15mm延びている。実施例では、切除部140は、遠位端150から両方向へ約10mm延びている。実施例では、切除部140は、遠位端150から両方向へ約5mm~15mm延びている。組織に切除圧を付与するために、切除部140を十分に薄くする必要がある。切除部140は、0.36mm以下の直径を有し、組織のコールド切除を可能にする。実施例では、直径は0.30
mm以下である。スネアが管状部材18に後退すると、引張機構により、スネアの遠位部120で切除が行われる。後退中、変形しないように、ストレスを均等に散らすように、遠位端150を最適化することもできる。
【0019】
ループ12の近位部130は、通常、切除を行わないが、切除のために、組織を取り囲み、取り込むことを補助し、支持する。近位部の剛性を上げることにより、組織をより大きくへこませることができ、組織の取り込みを向上させることができる。より剛性の高い近位部130をループ12の約1/3~1/2とすることができる。近位部の剛性を、その長さに沿って、変えることができる。
【0020】
図5に示す実施例では、近位部130は、フラットワイヤ又は
コイニングされた (coined)ケーブルを備える。切除部140は、通常、近位部130よりも細いワイヤを備える。溶接、接着、圧着、かしめ、はんだ付け、又は、当業者に知られた他の技術により、これらの分離部分を接合することもできる。
【0021】
図6a及び6bに示された実施例では、切除部140は、他の非切除スネアワイヤに配置された切除ブレードを備える。
【0022】
図7に示された実施例では、ループ12は、その形状を維持するために、ねじれ先端150を有する中実の矩形ワイヤフィラメントループである。
【0023】
図8a~8cに示されたように、実施例では、ループ12は、内側ループ170(例えば、切除部)と、外側ループ160とを備える。内側ループ170は、少なくとも1つの場所で、外側ループ160に接合(例えば、溶接、又は、他の公知の適切な接合方法)されている。内側ループ170は、コールド切除により有効なより細いワイヤを備える。外側ループ160は、内側ループ170よりも太くて硬い。外側ループ160により、ループ12をへこませ、組織を取り入れることができる。実施例では、ループ12の遠位/中位部において、切除が実際に行われることから、内側ループ170は、ループ12の遠位/中位部のみを含む。実施例では、内側ループ170は、固定/製造をより有効にすることから、完全なループである。実施例では、内側ループ170は、円形断面を有する。実施例では、内側ループ170は、フラット又は四角ワイヤである。
【0024】
図9a、9bに示された実施例では、ループ12は、テーパー形状ワイヤ又はアースワイヤを備える。近位部130は、遠位部120よりも太い。ツールは、さらに、回転リンク22のような、本体内でループ12の位置決めを促進させる機構を備える。実施例では、リンク22は、ループ12の脚部よりも大幅に低いねじり剛性を有する。
【0025】
図10に示された実施例では、ループ12は、
コイニングされた近位部130と、
コイニングされていない(non-coined)遠位部120とを有するケーブル又はモノフィラメントループを備える。
【0026】
図11に示された実施例では、ループ12は、
コイニングされた遠位部120を有するケーブル又はモノフィラメントループを備える。
コイニングされた遠位部120は、切除動作を行う鋭い内側縁を形成する。実施例では、近位部を、遠位部に対する垂直面において
コイニングすることもできる。
【0027】
図12a、12bに示された実施例では、ループ12は、組織の切除又は把持に有効となるように、多くの場所180において、
コイニングされている。ループは、いくつかの小さなレベルの断面の変化があり、少し長い断面を有し、ループの中心線(垂直及び水平)に対して対称又は非対称である。
【0028】
図13に示された実施例では、切除部は、小孔200を有する切除エレメント190を備える。ワイヤは、小孔200をスライドし、所定の位置において、圧着、溶接、接着、又は、他の方法で接合されている。小孔200を、円形又は四角のような任意の開口とすることができる。
【0029】
図4を参照すると、例示的なループ12では、ワイヤは、遠位先端150で曲げられており、ねじれ先端、又は、約360°の円形先端を形成する。この先端により、スネアを介してストレスを消失させることができる。これは、ホットスネアに比べて比較的大きな力を使用することから、小さいスネアに特に重要である。これを容易にするための一つの特徴は、マルチフィラメントケーブルを使用することである。ケーブルのストランドは、互いに移動し、スネア本体により均等にストレスを分散させることができ、モノフィラメントワイヤと同じ効果を達成し、先端の切除厚を増加させることなく標準のねじれバネをまねたループを形成することができる。先端はループであり、簡単な曲げではないことから、閉鎖時、ストレスが全周にわたりより均等に分配され、プラスチック変形が最小限に抑えられる。
【0030】
工具の遠位先端150は、別の形状を有することもできる。米国特許公開第2014/0052142号及び米国特許公開第2015/0066045号は、多数の遠位ループ又はコイル先端デザインを開示しており、これらの明細書に記載の内容は、本明細書に組み込まれる。ワイヤは、180°の曲げによるねじれ先端を形成することもできる。別の遠位先端では、180°の曲げ内のワイヤは、横向きでもよい。別の例示的な遠位先端では、ループは、2つの部分を有するワイヤにより形成されている。2つのワイヤ部分は、最遠位点において、損害を与えない先端を形成する。組み立てられたように、ワイヤ部分は、本明細書において記載されたように、同じ方法でループとして機能する。
【0031】
本主題の別の面は、ループの新しい形を提供することである。
図14を参照すると、実施例では、ループ152は、最大幅部166と、近位端と遠位端との間で測定された長さLと、を備える。近位端は、ループの物理的な接続とは無関係に、管状部材への取り込み中、ループの閉鎖が開始する場所で規定される。遠位端は、ループ152の最遠位端又は端で規定される。近位脚部が過剰に長い、及び/又は、遠位端が反対になる若しくは他の特別な形状の場合、中間点は、形状の広い部分に対してのみ考慮され、近位端と、遠位端との間で規定される。ループ152の最大幅部166は、ループ152の長さLの中間点よりも管状部材18に近接している。すなわち、最大幅部166は、ループ152の長さLの中間点よりも管状部材18に近い。その結果、処置中に、ループ152をより簡単に制御することができる。実施例では、ループ152の長さLの中間点からループ152の最大幅部166までの距離Dは、長さLの約3%~45%である。実施例では、ループ152の長さLの中間点からループ152の最大幅部166までの距離Dは、長さLの約10%~35%である。実施例では、ループ152の長さLの中間点からループ152の最大幅部166までの距離Dは、長さLの約12%~25%である。
【0032】
上記したいくつか又は全ての特徴は、スネア針装置、マルチステージスネア、又は、内視鏡用回収装置のような任意の適切な内視鏡装置又は内視鏡装置の組み合わせに適用されることを理解されたい。
【0033】
上記スネアの特徴は、コールド切除のために設計されているが、組織の収集及び切除に役立つ特徴を損なわずに、それらを、電気焼灼と共に使用することもできることは当業者であれば理解されたい。
【0034】
本主題に記載された内視鏡装置が支持アセンブリ(基体及び細長い管状部材)及び/又は伝達アセンブリ(ハンドル及びリンク)を備える必要がないことは当業者であれば理解されたい。ハンドルを、ループの近位端により形成することができ、又は、ループの近位端に接続することができる。
【0035】
以上、一般的な発明の概念に係る種々の態様や概念や特徴について、複数の例示的な実施例を用いて説明・図示したが、これらの態様や概念や特徴は、代替例においても、それぞれ個別又は組合せて適用可能である。本開示において特別に除外するものでない限り、あらゆる組み合わせが、一般的な発明の概念に範囲に含まれる。また、本発明の種々の態様や概念や特徴(例えば、代替物質・構成・構造・方法・回路・装置・部品、又は他の形成方法、組立方法、機能の実現方法)を有する代替例についても触れたが、これらの記載には、現在又は将来において本実施例を実現可能な代替例を限定する意図は一切ない。また、当業者であれば、仮に本願に明記したものでなくとも、本開示の発明の態様や特徴や概念の1つ又は複数を採用し、一般的な発明の概念の範囲内においてこれを利用することもできるであろう。さらに、いくつかの態様、概念及び特徴にあっては、本開示において好適な構成や方法として記載されていたかもしれないが、かかる記載は、明示のない限り、そのような特徴が必須であると提案するものではない。さらに、本開示の理解を助けるために一例となる又は代表的な数値や範囲を示したが、かかる数値や範囲は、明示のない限り、限定的なものでなく、かつ、重要なものを示しているわけでもない。さらに、本開示においては、発明又は発明の一部を構成するものとして種々の態様や概念や特徴について特定したかもしれないが、かかる特定に排他的な意図ではなく、本発明を構成する一部として、その態様や概念や特徴を十分に説明するためのものに過ぎない。加えて、例示した方法やプロセスは、明示のない限り、これらの処理のステップを常に必要なものとして含めるよう限定するものではなく、また、ここで示す処理の順番に限定するものでもない。