(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】型アセンブリ
(51)【国際特許分類】
B22C 9/06 20060101AFI20240405BHJP
B22D 17/22 20060101ALI20240405BHJP
B29C 33/00 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
B22C9/06 C
B22D17/22 C
B29C33/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020034020
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2023-02-27
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウィレンジェ ブローム-シーバー, アドリアーナ
(72)【発明者】
【氏名】シーバー, ジャック
【審査官】岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-294116(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0002131(US,A1)
【文献】国際公開第97/046371(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22C 9/06
B22D 17/22
B22D 17/26
B29C 45/64
B29C 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の型構成要素(102A)であって、型穴(118)の第1の部分及び前記第1の型構成要素の第1の表面(116)
に沿って延伸する第1のスロット(122、例えば122A)を画定し、前記第1の型構成要素の前記第1の表面
に沿って延伸する前記第1のスロットが、第1の保持溝(214)の第1の部分に相当する、第1の型構成要素(102A)、
第2の型構成要素(102B)であって、前記型穴の第2の部分及び前記第2の型構成要素の第1の表面
に沿って延伸する第1のスロットを画定し、前記第2の型構成要素の前記第1の表面
に沿って延伸する前記第1のスロットが、前記第1の保持溝の第2の部分に相当する、第2の型構成要素(102B)、並びに
前記第1の保持溝の断面形状に対応する断面形状を有する第1のコネクタ(104A)であって
、前記第1の型構成要素
及び前記第2の型構成要素の材料の熱膨張
係数未満の熱膨張係数を有する第1の材料を含み、前記第1のコネクタが、前記第1の保持溝の中に挿入されたときに、前記第1の型構成要素、前記第2の型構成要素、及び前記第1のコネクタを加熱することによって、
該熱膨張
係数の差異が、前記第1の型構成要素と前記第2の型構成要素の間に締め付け力(222)をもたらす、第1のコネクタ(104A)を備える、アセンブリ(100)。
【請求項2】
前記第1の保持溝の前記断面形状が、C形状、H形状、又はくびれた形状に一致する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記第1のコネクタの前記断面形状が、凹領域(220)を画定する、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の型構成要素が、前記第1の型構成要素の前記第1の表面内の第2のスロット(122、例えば122B)を更に画定し、前記第1の型構成要素の前記第1の表面内の前記第2のスロットが、第2の保持溝の第1の部分に相当し、前記第2の型構成要素が、前記第2の型構成要素の前記第1の表面内の第2のスロットを更に画定し、前記第2の型構成要素の前記第1の表面内の前記第2のスロットが、前記第2の保持溝の第2の部分に相当し、前記アセンブリが、前記第2の保持溝の断面形状に対応する断面形状を有する第2のコネクタ(104B)を更に備え、前記第2のコネクタが、前記第1の材料を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
第3の型構成要素(102C)であって、前記型穴の第3の部分及び前記第3の型構成要素の第1の表面内の第1のスロットを画定し、前記第3の型構成要素の前記第1の表面内の前記第1のスロットが、第3の保持溝の第1の部分に相当し、前記第1の型構成要素が、前記第1の型構成要素の第2の表面内の第3のスロットを更に画定し、前記第1の型構成要素の前記第2の表面内の前記第3のスロットが、前記第3の保持溝の第2の部分に相当する、第3の型構成要素(102C)、並びに
前記第3の保持溝の断面形状に対応する断面形状を有する第3のコネクタ(104C)であって、前記第1の型構成要素
及び前記第3の型構成要素の材料の熱膨張
係数未満の熱膨張
係数を有する前記第1の材料又は別の材料を含む、第3のコネクタ(104C)を更に備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第3の型構成要素が、前記第3の型構成要素の前記第1の表面内の第2のスロットを更に画定し、前記第3の型構成要素の前記第1の表面内の前記第2のスロットが、第4の保持溝の第1の部分に相当し、前記第2の型構成要素が、前記第2の型構成要素の第2の表面内の第3のスロットを更に画定し、前記第2の型構成要素の前記第2の表面内の前記第3のスロットが、前記第4の保持溝の第2の部分に相当し、前記アセンブリが、前記第4の保持溝の断面形状に対応する断面形状を有する第4のコネクタ(104D)を更に備え、前記第4のコネクタが、前記第2の型構成要素
及び前記第3の型構成要素の前記材料の前記熱膨張
係数未満の熱膨張
係数を有する前記第1の材料又は前記別の材料を含む、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記第3のコネクタが、前記第3の保持溝の長さより長い長さを有する、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記第3の型構成要素が、前記第1のコネクタの端部を受け入れるための凹部(134)を更に画定する、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記第1のコネクタが、前記第1の保持溝の長さより長い長さを有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の型構成要素の前記第1の表面内の前記第1のスロットが、前記第1の型構成要素の前記第1の表面を横断する距離の第1の部分だけ延在し、前記第1の型構成要素が、前記距離の残りの部分だけ延在するパンチ孔(124)を更に画定する、請求項1から9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記第1のコネクタが、前記第1の保持溝から前記第1のコネクタを引き出すことを容易にするために、一端部において孔(126又は138)を画定する、請求項1から10のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記第1の型構成要素と前記第2の型構成要素のうちの少なくとも一方に連結され又は前記少なくとも一方の範囲内にある、1以上の熱交換要素(312)を更に備える、請求項1から11のいずれか請求に記載のアセンブリ。
【請求項13】
複数の型構成要素(102)
と、前記複数の型構成要素(102)の熱膨張係数未満の熱膨張係数を有する複数のコネクタ(104)
とを備えるアセンブリ(100)
を、
第1の型構成要素(102A)と第2の型構成要素(102B)を位置合わせすること(404)であって、前記第1の型構成要素が、型穴(118)の第1の部分及び第1の組のスロットを画定し、前記第2の型構成要素(102B)が、前記型穴の第2の部分及び第2の組のスロットを画定する、第1の型構成要素(102A)と第2の型構成要素(102B)を位置合わせすること(404)、
前記第1の組のスロットのうちの第1のスロット及び前記第2の組のスロットのうちの第1のスロットに相当する第1の保持溝の中に第1のコネクタ(104A)をスライドさせること(406)、
前記第1の組のスロットのうちの第2のスロット及び前記第2の組のスロットのうちの第2のスロットに相当する第2の保持溝の中に第2のコネクタ(104B)をスライドさせること(408)、
第3の型構成要素(102C)を前記第1の型構成要素及び前記第2の型構成要素に位置合わせすること(410)であって、前記第3の型構成要素が前記型穴の第3の部分及び第3の組のスロットを画定する、第3の型構成要素(102C)を前記第1の型構成要素及び前記第2の型構成要素に位置合わせすること(410)、
前記第1の組のスロットのうちの第3のスロット及び前記第3の組のスロットのうちの第1のスロットに相当する第3の保持溝の中に第3のコネクタ(104C)をスライドさせること(412)、並びに
前記第2の組のスロットのうちの第3のスロット及び前記第2の組のスロットのうちの第2のスロットに相当する第4の保持溝の中に第4のコネクタ(104D)をスライドさせること(414)によって
、
形成すること(402)と、
当該熱膨張
係数の差異によって、前記アセンブリの表面の間に締め付け力(222)を生成するために、前記アセンブリを加熱すること(416)とを含む、方法。
【請求項14】
前記アセンブリを形成した後で、前記アセンブリを加熱しながら、前記型穴の中に成型剤(304)を挿入すること(418)、
前記型穴の中に前記成型剤を挿入した後で、前記アセンブリの冷却を可能にすること(420)、及び
対応する保持溝から前記複数のコネクタをスライドさせることによって、前記アセンブリを解体すること(422)を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記型構成要素(102)又は前記コネクタ(104)に、1以上の熱交換要素(312)を埋め込む又は連結させることを更に含む、請求項13又は14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、型アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの産業は、製品を製造するために、様々な形態の成型又は鋳造を使用する。一般的に、成型、鋳造、及びそれらの変形では、形状を画定する型穴内に材料を配置することによって材料を形作り、材料に型穴の形をとらせ、材料が型穴から取り除かれた後で、その材料がその形状を維持するようになる。一実施例として、型穴内に配置された材料は、液体(例えば、溶融金属、溶融ポリマー、又は1以上の液体反応物質)であってよく、その場合、材料は、重力及び/又は外的に加えられた圧力の影響下で、型穴内で流れ得る。この実施例では、型穴が満たされた後で、材料が型穴から取り外される前に、液体は、冷却、化学反応、又はそれらの両方によって固化する。他の実施例では、固体材料(例えば、材料ブランク又はペレット)が型穴内に配置されてよく、外的な圧力、熱、又はそれらの両方によって、型穴の形状をとるようにされてよい。
【0003】
材料が少なくとも部分的に固化した後で、型は開かれ、成形された部品が取り外され又は取り出される。型が高温及び高圧に晒された後で、且つ、材料が型穴内で固化した後で、型を開くことは困難な場合がある。ある事例では、使用前に型を組み立てるためにボルトが使用され、温度サイクル、型とボルトの頻繁な再使用、成形されている材料による汚れなどのために、ボルトを型から除去することは困難であり得る。そのような事例では、型を開き、成形された部品を取り外し、引き続いて再使用向けに型を準備することにおいて、大量の製造資源が消費され得る。
【発明の概要】
【0004】
特定の一実施態様では、アセンブリが、第1の型構成要素であって、型穴の第1の部分を画定し、第1の型構成要素の第1の表面内の第1のスロットを画定する、第1の型構成要素を含む。第1の型構成要素の第1の表面内の第1のスロットは、第1の保持溝の第1の部分に相当する。アセンブリは、第2の型構成要素であって、型穴の第2の部分を画定し、第2の型構成要素の第1の表面内の第1のスロットを画定する、第2の型構成要素も含む。第2の型構成要素の第1の表面内の第1のスロットは、第1の保持溝の第2の部分に相当する。アセンブリは、第1の保持溝の断面形状に対応する断面形状を有する第1のコネクタを更に含む。第1のコネクタは、第1の熱膨張特性を有する第1の材料を含む。第1の熱膨張特性は、第1及び第2の型構成要素の材料の熱膨張特性とは異なる。それによって、第1のコネクタが第1の保持溝の中に挿入されたときに、第1の型構成要素、第2の型構成要素、及び第1のコネクタを加熱すると、異なる熱膨張が、第1及び第2の型構成要素の間に締め付け力をもたらす。
【0005】
特定の別の一実施態様では、アセンブリが、複数の型構成要素及び複数のコネクタを含む。複数の型構成要素は、型穴の第1の部分及び第1の組のスロットを画定する第1の型構成要素、型穴の第2の部分及び第2の組のスロットを画定する第2の型構成要素、並びに型穴の第3の部分及び第3の組のスロットを画定する第3の型構成要素を含む。 複数のコネクタは、第1、第2、第3、及び第4のコネクタを含む。第1のコネクタは、第1の材料を含み、第1の組のスロットのうちの第1のスロット及び第2の組のスロットのうちの第1のスロットの組み合わされた断面形状に対応する、第1の断面形状を有する。第2のコネクタは、第1の材料を含み、第1の組のスロットのうちの第2のスロット及び第2の組のスロットのうちの第2のスロットの組み合わされた断面形状に対応する、第2の断面形状を有する。第3のコネクタは、第1の材料を含み、第1の組のスロットのうちの第3のスロット及び第3の組のスロットのうちの第1のスロットの組み合わされた断面形状に対応する、第3の断面形状を有する。第4のコネクタは、第1の材料を含み、第2の組のスロットのうちの第3のスロット及び第3の組のスロットのうちの第2のスロットの組み合わされた断面形状に対応する、第4の断面形状を有する。複数のコネクタの熱膨張特性は、複数の型構成要素の材料の熱膨張特性とは異なる。それによって、複数のコネクタが、それぞれの保持溝の中に挿入され、複数の型構成要素に熱が加えられたときに、異なる熱膨張が、複数の型構成要素の表面の間に締め付け力を生成することをもたらす。
【0006】
特定の一実施態様では、方法が、複数の型構成要素と複数のコネクタのアセンブリを形成することを含む。該アセンブリを形成することは、第1の型構成要素と第2の型構成要素を位置合わせすることを含む。その場合、第1の型構成要素は、型穴の第1の部分及び第1の組のスロットを画定し、第2の型構成要素は、型穴の第2の部分及び第2の組のスロットを画定する。該アセンブリを形成することは、第1の組のスロットのうちの第1のスロット及び第2の組のスロットのうちの第1のスロットに相当する第1の保持溝の中に、第1のコネクタをスライドさせることも含む。該アセンブリを形成することは、第1の組のスロットのうちの第2のスロット及び第2の組のスロットのうちの第2のスロットに相当する第2の保持溝の中に、第2のコネクタをスライドさせることを更に含む。該アセンブリを形成することは、第3の型構成要素を第1及び第2の型構成要素と位置合わせすることも含む。その場合、第3の型構成要素は、型穴の第3の部分及び第3の組のスロットを画定する。該アセンブリを形成することは、第1の組のスロットのうちの第3のスロット及び第3の組のスロットのうちの第1のスロットに相当する第3の保持溝の中に、第3のコネクタをスライドさせること、並びに、第2の組のスロットのうちの第3のスロット及び第2の組のスロットのうちの第2のスロットに相当する第4の保持溝の中に、第4のコネクタをスライドさせることを更に含む。該方法は、該アセンブリの異なる熱膨張によって、該アセンブリの表面の間に締め付け力を生成するために、該アセンブリを加熱することも含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】型アセンブリを含むシステムの一実施例を示す図である。
【
図4】型アセンブリを使用する方法の一実施例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、成型工程中に十分な締め付け圧力を提供する一方で、素早い組み立て及び解体を可能にする、マルチパート・型アセンブリを説明する。本明細書で開示される型アセンブリは、ボルトを使用して組み立てられる型よりも速く且つ人間工学的に(例えば、より少ない繰り返し動作を伴って)組み立て及び解体ができる。更に、本明細書で開示される型アセンブリ用に使用されるコネクタは、汚れにくい。
【0009】
本明細書で開示される型アセンブリは、組み立てられたときに型穴を画定する複数の型構成要素を含む。1以上のコネクタが、型構成要素内の保持溝の中にスライドされる。2つの型構成要素向けの保持溝は、1つのスロットが2つの型構成要素のそれぞれ内にある、2つのスロットによって画定される。したがって、組み立てられたときに、各コネクタは、第1の型構成要素によって画定されたスロットと第2の型構成要素によって画定されたスロット内にある。コネクタと保持溝は、対応する断面形状を有し、それぞれが、端部(たとえば、2つの型構成要素のインターフェースから最も遠い領域)より、中間部(例えば、2つの型構成要素のインターフェースに近い領域)において細くなるように形作られる。例えば、コネクタと保持溝は、H形状の断面、C形状の断面、くびれた形状の断面、又は凹領域を含む別の断面形状を有してよい。
【0010】
コネクタは、型構成要素とは異なる材料(又は異なる複数の材料)から形成されている。特に、コネクタは、型構成要素を形成するために使用される材料(又は複数の材料)とは異なる熱膨張係数を有する、材料(又は複数の材料)から形成されている。図示され、本明細書で説明される実施例では、コネクタの熱膨張係数が、型構成要素の熱膨張係数未満である。したがって、型構成要素及びコネクタが、組み立てられ加熱されたときに、型構成要素は、コネクタより大きく膨張する。コネクタと保持溝の断面形状によって、膨張における差異は、型構成要素を共に締め付ける傾向がある力を生成する。型アセンブリが、成形される部品を形成するために使用された後で、型アセンブリは、熱膨張による締め付け力を低減させる又は消去するために冷却され、コネクタは、保持溝から除去されて、型穴及び成形された部品を露出させることができる。
【0011】
特定の一実施例として、室温で、コネクタは、滑らかに且つ大きな力なしで保持溝の中にスライドされる。例示のために、ある実施態様では、ユーザが、手で(例えば、工具なしで)コネクタを対応する保持溝の中にスライドさせることができる。ある実施態様では、必要とされる組み立て及び解体力を更に低減させるために、保持溝及び/又はコネクタを潤滑するべく、焼き付き防止化合物が使用されてよい。使用される特定の焼き付き防止化合物は、型構成要素及びコネクタを形成するために使用される材料に基づいて、成型工程の温度範囲、及び粘度や成形されている材料との化学的適合性などの焼き付き防止化合物の所望の特性に基づいて選択されてよい。
【0012】
コネクタが適所に配置された後で、型アセンブリは、プロセス条件まで加熱されてよい。例示のために、熱可塑性ポリマーを使用する圧縮成型工程向けに、型アセンブリが華氏数百度まで加熱されてよい。熱は外部から加えられてよく、又は、型アセンブリは、型アセンブリを加熱するために使用される加熱要素若しくは他の熱交換要素を含んでよい。型アセンブリが加熱されたときに、型構成要素は、コネクタより大きく膨張する。それは、コネクタが型構成要素を共に締め付けることをもたらす。
【0013】
成形される部品を形成した後で、型アセンブリは、冷却されてよい(又はされる)。例示のために、型アセンブリは、受動的に冷却されてよく、又は、型アセンブリ内の若しくは型アセンブリに連結された熱交換要素が使用されて、熱を能動的に除去してよい。型アセンブリが冷却されたときに、型構成要素は、コネクタより小さく収縮する。それは、型構成要素の間の締め付け力を解放する。型アセンブリが、十分に冷却されたときに、コネクタは、再び保持溝内でスライドされることとなり、コネクタの端部を引っ張るか又は他の側からコネクタを叩くかの何れかによって容易に除去することができる。ある実施態様では、型アセンブリの少なくとも一部が、保持溝からコネクタを押し出すことを容易にするためのパンチ孔を含んでよい。
【0014】
組み立て及び解体中に、コネクタは、保持溝の中にスライドされ又は保持溝から外にスライドされることができる。例えば、ねじ山や他の接続機構は必要とされない。したがって、型アセンブリを組み立てること及び解体することは、保持用ボルトを締め付けること及び緩めることよりも、かなり速く且つ人間工学的である。更に、コネクタは、汚され、損傷を受け、又は繰り返しの使用により摩耗し得る、ねじ山のなどの小さい特徴を有さない。したがって、本明細書で開示される型アセンブリを使用する製造プロセスは、共にボルト留めされる型アセンブリを使用するプロセスよりも、型を組み立てる及び解体するためのサイクル時間が短くなり得る。それは、費用を削減し且つ/又はスループットを高める。
【0015】
以下で、図面内に描かれた特徴に言及する。図面の一部内では、特定の種類の特徴の複数の事例が使用される。これらの特徴は、物理的且つ/又は論理的に区別できるが、それぞれに対して同じ参照番号が使用される。異なる事例は、参照番号に文字を追加することによって区別される。本明細書で群又は種類としての特徴が言及されるときに(例えば、その特徴のうちの特定の1つが言及されていないときに)、区別するための文字を有さない参照番号が使用される。しかし、本明細書で同じ種類の複数の特徴のうちの1つの特定の特徴が言及されるときに、参照番号は、区別するための文字を伴って使用される。例えば、
図1Aを参照すると、複数の型構成要素が、示されており、参照番号102A、102B、及び102Cに関連付けられている。第1の型構成要素102Aなどのこれらの型構成要素のうちの特定の1つに言及するときに、区別するための文字「A」が使用されている。しかし、これらの型構成要素のうちの任意の1つ又は群としてのこれらの型構成要素に言及するときに、参照番号102は、区別するための文字を有さないで使用される。
【0016】
本明細書で使用され得る際に、様々な用語は、特定の実施態様を説明することのみが目的で使用され、限定することを意図していない。例えば、単数形「1つの(a、an)」及び「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限りは、複数形も含むことが意図されている。更に、用語「備える(comprise)」、「備える(comprises)」、及び「備える(comprising)」は、「含む(include)」、「含む(includes)」、又は「含む(including)」と相互交換可能に使用され得る。更に、用語「その場合(wherein)」は、用語「そこで(where)」と相互交換可能に使用される。本明細書で使用される際に、「例示的な(exemplary)」は、一実施例(an example)、一実施態様(an implementation)、及び/又は一態様(an aspect)を示し、限定的なものとして、又は好適さ若しくは好適な一実施態様を示すものとして解釈されるべきでない。本明細書で使用される際に、構造、構成要素、動作などの要素を変形するために使用される、順序を示す用語(例えば、「第1の(first)」、「第2の(second)」、「第3の(third)」など)は、それ自体、別の1つの要素に対するその要素の優先度又は順序を示すものではないが、(順序を示す用語の使用を除いて)むしろ単に同じ名前を有する別の1つの要素からその要素を区別するものである。本明細書で使用される際に、用語「組(set)」は、1以上の要素の群を指し、用語「複数の(plurality)」は、複数の要素を指す。
【0017】
本明細書で使用される際に、「接続され、連結され(coupled)」は、「通信可能に接続され(communicatively coupled)」、「電気的に接続され(electrically coupled)」、若しくは「物理的に連結され(physically coupled)」を含んでよく、又は更に(又は代替的に)それらの任意の組み合わせも含んでよい。2つのデバイス(又は構成要素)は、1以上の他のデバイス、構成要素、ワイヤー、バス、ネットワーク(例えば、有線ネットワーク、無線ネットワーク、又はそれらの組み合わせ)などを介して直接的又は間接的に、接続され(例えば、通信可能に接続され、電気的に接続され、又は物理的に連結され)てよい。本明細書で使用される際に「直接的に接続され、連結され」は、介在する構成要素なしに接続され(例えば、通信可能に接続され、電気的に接続され、又は物理的に連結され)ている2つのデバイスを表すために使用される。例示のために、互いに直接的に物理的に接触している2つの構成要素は、互いに「直接的に連結」されている。
【0018】
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、
図1E、
図1F、
図1G、
図1H、
図1I、及び
図1Jは、型アセンブリ100の一実施例の様々な眺め及び態様を示している図である。具体的には、
図1Aが、型アセンブリ100の斜視図を示している。参照を容易にするために、以下の説明で使用される方向(例えば、左、右、上、下、後ろ、及び前)は、
図1Aで示されている配向が基準となる。これらの方向は、限定的であることを意図せず、本明細書で開示される様々な態様の説明を容易にするためだけに使用されている。
図1Bは、上部・型構成要素(例えば、第3の型構成要素102C)が取り除かれた状態の型アセンブリ100の上面図を示している。
図1Cは、型構成要素102のうちの1つの斜視図を示し、
図1Dは、幾つかのコネクタ104を有する
図1Cの型構成要素102の斜視図を示している。
図1Eは、型アセンブリ100の前面図を示し、
図1Fは、型アセンブリ100の側面図を示している。
図1Gは、型アセンブリ100の斜視図、及びコネクタ104の膨張を可能とするための型構成要素102内の空洞の詳細な断面図を示している。
図1H及び
図1Iは、更なる詳細を示すために、モールド線に沿った第3の型構成要素102Cの一部分の断面図の実施例を示している。
図1Jは、特定の一実施態様による、第3の型構成要素102Cの特定の一実施例の底面図を示している。
【0019】
型アセンブリ100は、第1の型構成要素102A、第2の型構成要素102B、及び第3の型構成要素102Cなどの、複数の型構成要素102を含む。型アセンブリ100は、第1のコネクタ104A、第2のコネクタ104B、第3のコネクタ104C、及び第4のコネクタ104Dなどの複数のコネクタ104も含む。
図1Aから
図1Jの型アセンブリ100は、3つの型構成要素102を含むが、他の実施態様では、型アセンブリ100が、2つだけの型構成要素102を含み、更に他の実施態様では、型アセンブリ100が、3つより多くの型構成要素102を含む。更に、
図1Aから
図1Jの型アセンブリ100は、4つのコネクタ104を含むが、他の実施態様では、型アセンブリ100が、4つより多くのコネクタ104又は4つより少ないコネクタ104を含む。更に、型構成要素102に対するコネクタ104の特定の構成は、他の実施態様では異なっている。
【0020】
図1Aでは、第1の型構成要素102Aが、モールド線106Aで第2の型構成要素102Bと接触する。この実施例では、第1の型構成要素102Aが、(
図1Cで示されている)型穴118の第1の部分を画定し、第2の型構成要素102Bが、型穴118の第2の部分を画定する。第3の型構成要素102Cは、第1及び第2の型構成要素102A、102Bの上に置かれ、型穴118の第3の部分(例えば、工具、成形される材料などを挿入するためなどに、型穴118へのアクセスを可能にする開口部108)を画定する。
図1Bで示されているように、型穴118にアクセスするために、同様な開口部110が、第1及び第2の型構成要素102A、102Bのインターフェースにおいて設けられている。
【0021】
図1Bで示されているように、第1の型構成要素102Aは、第1の保持溝内に配置された第1のコネクタ104Aによって、及び第2の保持溝内に配置された第2のコネクタ104Bによって、第2の型構成要素102Bに連結されている。ある実施態様では、型構成要素102が、組み立て中に型構成要素の位置合わせを容易にするための特徴を含む。例えば、
図1Bでは、第1の型構成要素102Aが、ピン105Aを含み、第2の型構成要素102Bが、ピン105Bを含む。この実施例では、ピン105Aが、第3の型構成要素102C内の(
図1E及び
図1Jで示されている)レセプタクル107Aと位置合わせされ、ピン105Bが、第3の型構成要素102C内の(
図1E及び
図1Jで示されている)レセプタクル107Bと位置合わせされる。ピン105及びレセプタクル107の他の構成も、使用されてよい。
図1Aで示されているように、第3の型構成要素102Cは、第3の保持溝内に配置された第3のコネクタ104Cによって第1の型構成要素102Aに連結され、第4の保持溝内に配置された第4のコネクタ104Dによって第2の型構成要素102Bに連結されている。
【0022】
図1C及び
図1Dは、コネクタ104が、如何にして型構成要素102と相互作用するかを示している。
図1Cの型構成要素102は、セラミック、金属、又は合金などの特定の材料から形成された本体を含む。型構成要素102の本体は、型穴118の一部分、並びに、第1のスロット122A、第2のスロット122B、及び第3のスロット122Cなどの、複数のスロット122を画定する。第1のスロット122A及び第2のスロット122Bは、型構成要素102の第1の表面116(例えば、示されている図では側面)内で画定され、第3のスロット122Cは、型構成要素102の第2の表面120(例えば、示されている図では上面)内で画定されている。第1の表面116及び第2の表面120は、それぞれ、別の型構成要素102の対合面と相互作用(接触)するように構成されている。例えば、
図1Cの型構成要素102が、
図1Aの第1の型構成要素102Aに対応する場合、第2の表面120は、
図1Aの第3の型構成要素120Cの第1の表面と接触するように構成され、第1の表面116は、
図1Aの第2の型構成要素102Bの第1の表面と接触するように構成されている。別の一実施例では、
図1Cの型構成要素102が、
図1Aの第2の型構成要素102Bに対応する場合、第2の表面120は、
図1Aの第3の型構成要素120Cの第1の表面と接触するように構成され、第1の表面116は、
図1Aの第1の型構成要素102Aの第1の表面と接触するように構成されている。
【0023】
スロット122のそれぞれは、コネクタ104を受け入れるように構成されている。特に、各スロット122は、保持溝の半分に相当する断面形状を有し、各保持溝は、対応するコネクタ104の断面形状と(製造許容誤差の範囲内で)類似した幾何学的形状を有する。この文脈では、類似した幾何学的形状は、一方の形状が、均一なスケーリング、移動、回転、及び/又は反射のみによって、他方の形状と同一になり得ることを意味する。特定の保持溝の断面形状は、型構成要素102とコネクタ104が室温にあるときに、コネクタ104が、保持溝の中にスライドすることを可能とするために、対応するコネクタ104の断面形状より十分に大きい。
【0024】
型アセンブリ100の解体を単純化するために、各コネクタ104は、そのそれぞれの保持溝より長くてよい。例えば、
図1Cで示されているように、スロット122Cは、型構成要素102の幅全体にわたり延在する長さ(「L
1」)112を有する。
図1Dで示されているように、スロット122C内に配置されたコネクタ104は、スロット122Cの長さ112より長い長さ(「L
2」)114を有する。スロット122に比べてコネクタ104の長さが長いので、コネクタ104の一部分は、型アセンブリ100からコネクタ104を引き出すことを容易にするために、型構成要素102の本体を通り過ぎて延在する。ある実施態様では、コネクタ104のうちの1以上が、型アセンブリ100からコネクタ104を引き出すことを更に単純化するために、(
図1Dで示されている孔126や
図1Fで示されている孔138などの)フックや孔を含む。
【0025】
ある実施態様では、スロット122の一部又は全部が、型構成要素102の全体の側部にわたり延在しない。例えば、
図1Cでは、スロット122Bが、型構成要素102の上部から型構成要素102の底部に向けられた距離の第1の部分だけ延在し、(例えば、型構成要素102の底部からスロット122Bまでの)距離の残りの部分だけ、パンチ孔124Bが延在する。同様に、スロット122Aが、型構成要素102の上部から型構成要素102の底部までの距離の一部分だけ延在し、(例えば、型構成要素102の底部からスロット122Aまでの)距離の残りの部分だけ、パンチ孔124Aが延在する。例示のために、(
図1Cで示されている配向において)型構成要素102の高さは、スロット122Bの長さ128(「L
3」)+パンチ孔124Bの長さ130(「L
4」)と等しい。
図1Dで示されているように、スロット122Bに関連付けられたコネクタ104は、スロット122Bより長い。例えば、スロット122Cに関連付けられたコネクタ104は、長さ128より長い長さ132(「L
5」)を有する。パンチ孔124は、型アセンブリ100からのコネクタ104の引き出しを更に単純化し得る。例えば、ユーザや機械が、(
図1Dで示されている配向において)コネクタ104の底部を押したり又は打ったりすることによって、コネクタ104を上向きに移動させ、スロット122から出すことができる。
【0026】
2つの型構成要素102の表面が、コネクタ104によって共に保持されている場合、コネクタ104は、コネクタ104の主軸(例えば、長さ)が、2つの型構成要素102によって形成されているモールド線106と実質的に平行であるように配置される。例えば、スロット122Cの主軸は、第2の表面120と平行である。第2の表面120は、
図1Cの型構成要素102と、
図1Aの第3の型構成要素102Cなどの別の型構成要素と、の間のモールド線の一側面として働く。この構成では、コネクタ104の主軸が、それぞれの端部で自由である。例えば、スロット122C内のコネクタ104の何れの端部も、別の型構成要素102の表面に向かって延在せず、又はそれと交差することがない。
【0027】
しかし、ある実施態様では、コネクタ104の主軸が、別の型構成要素102の表面に向かって延在し、又はそれと交差し得る。例えば、
図1Dのスロット122A内のコネクタ104の主軸は、型構成要素102の第2の表面120を通り過ぎて延在する。したがって、第2の表面120が、
図1Aの第3の型構成要素102Cなどの別の型構成要素102と接触するときに、コネクタ104の主軸は、その別の型構成要素102に向かって延在し又はそれと交差する。そのような実施態様では、(
図1Eから
図1Jで示されている)凹部134が、コネクタ104の端部を受け入れるために、別の型構成要素内に設けられてよい。例えば、
図1Eから
図1Jは、コネクタ104A及び104Bの端部を受け入れるための第3の型構成要素102C内の凹部134を示している。
【0028】
図1Jは、特定の一実施態様による、第3の型構成要素102Cの特定の一実施例の底面図を示している。
図1Jは、第3の型構成要素102C内のスロット122D及び122Eを示している。それらは、第1及び第2の型構成要素102A及び102Bのスロット122Cと共に、第3の型構成要素102Cを第1及び第2の型構成要素102A及び102Bに連結するための保持溝を画定する。
図1Jの第3の型構成要素102Cは、
図1Iを更に参照して説明されるように、開口部135を有する凹部134Aも示している。
【0029】
図1Eから
図1Gは、型アセンブリ100が組み立てられたときに、様々な特徴の間の位置及び関係を明らかにするために、上述された様々な特徴の更なる図を提供する。
図1H及び
図1Iは、他の特徴との関連で凹部134のうちの1つの更なる詳細を示すために、モールド線106Aに沿った断面図の例を示している。
図1Hでは、示されている凹部134Bが、直角壁のほぞ穴、例えば、直角柱(rectangular prism)や円筒の形状の穴である。例えば、第3の型構成要素102Cの底部から見ると、
図1Hの凹部134Bは、矩形又は円形である。
図1Iでは、凹部134Bが、直角柱や円筒の形状を有する第1の部分139を含み、第2の部分137が、コネクタ104Bの形状に対応する形状を有する開口部135Bを画定する。他の実施態様では、凹部134が、別の形状を有してよい。
図1Iの凹部134Bの1つの利点は、開口部135Bが、第3の型構成要素102Cと第1及び第2の型構成要素102A及び102Bとの位置合わせを容易にし得るということである。したがって、
図1Iの凹部134Bが使用されるときに、レセプタクル107とピン105は省略されてよく、又は、レセプタクル107とピン105によって提供される位置合わせが、
図1Iの凹部134Bによって補足され得る。
【0030】
特定の一実施態様では、型アセンブリ100が、第1の型構成要素102Aと第2の型構成要素102Bを位置合わせすることによって組み立てられ、型穴118を形成する。第1及び第2の型構成要素102A、102Bが位置合わせされたときに、第1及び第2の型構成要素102A、102Bのそれぞれのスロット122A及び122Bが位置合わせされて、保持溝を画定し、コネクタ104が、各保持溝内に配置される。例えば、第1の型構成要素102Aのスロット122Aは、第2の型構成要素102Bのスロット122Aと位置合わせされて、第1の保持溝を形成し、第1の型構成要素102Aのスロット122Bは、第2の型構成要素102Bのスロット122Bと位置合わせされて、第2の保持溝を形成する。この実施例では、第1のコネクタ104Aが、第1の保持溝内に配置され、第2のコネクタ104Bが、第2の保持溝内に配置される。
【0031】
この実施例を継続すると、第1及び第2の型構成要素102A、102Bが、第1及び第2のコネクタ104A、104Bによって共に連結されたときに、第3の型構成要素102Cが、第1及び第2の型構成要素102A、102Bと位置合わせされる。例示のために、第3の型構成要素102Cの開口部108は、第1及び第2の型構成要素102A、102Bによって画定された開口部110と位置合わせされる。更に又は代替的に、第3の型構成要素102Cの凹部134は、第1及び第2のコネクタ104A、104Bと位置合わせされる。更に、第3の型構成要素102Cのスロットが、第1及び第2の型構成要素102A、102Bの対応するスロット122Cと位置合わせされて、保持溝を画定し、コネクタ104が、保持溝内に配置される。例えば、第3のコネクタ104Cが、第1の型構成要素102Aのスロット及び第3の型構成要素102Cのスロットによって画定された保持溝内に配置され、第4のコネクタ104Dが、第2の型構成要素102Bのスロット及び第3の型構成要素102Cのスロットによって画定された保持溝内に配置される。
【0032】
型アセンブリ100が組み立てられた後で、上述されたように、型アセンブリ100は加熱されてよい(例えば、予加熱工程中又は通常の成型工程プロセス中に)。型アセンブリ100を加熱することによって、型構成要素102及びコネクタ104が膨張する。しかし、型構成要素102とコネクタ104は、異なる材料から形成され、異なる熱膨張係数を有するので、型構成要素102とコネクタ104は、各漸増的な温度変化に対して異なる量だけ膨張する。
図2Aから
図2Cを参照して更に説明されるように、コネクタ104の断面形状は、異なる熱膨張によって、型構成要素の隣接する対合面の間に締め付け力を生成するように選択されている。例えば、コネクタ104A、第1の型構成要素102A、及び第2の型構成要素102Bの異なる熱膨張は、第1の型構成要素102Aの第1の表面116と第2の型構成要素の102Bの隣接する表面との間に締め付け力をもたらす。
【0033】
成型工程が完了した後で、型アセンブリ100と内部に配置されている成形された製品とは、冷却されてよい。型アセンブリ100を冷却することによって、型構成要素102とコネクタ104は、型アセンブリ100を解体するために、コネクタ104が保持溝から除去され得るまで、(それぞれの熱膨張係数に基づいて異なる速度で)収縮する。
【0034】
図2A、
図2B、及び
図2Cは、型アセンブリ100の様々なコネクタ104及び対応する保持溝214の断面図を示している。
図2Aは、対応するH形状断面を有する保持溝214内のH形状断面を有するコネクタ104を示している。
図2Bは、対応するC形状断面を有する保持溝214内のC形状断面を有するコネクタ104を示している。そして、
図2Cは、対応するくびれた形状断面を有する保持溝214内のくびれた形状断面を有するコネクタ104を示している。
【0035】
各保持溝214は、一対の型構成要素202、208の位置合わせされた一対のスロット206、212に相当する。型構成要素202、208は、
図1Aから
図1Gのコネクタ104によって接合された型アセンブリ100の任意の2つの型構成要素102に一致してよい。型構成要素202は、型構成要素208の対合面210と接触するように構成された、対合面204を含む。対合面204、210が接触して、スロット206、212が位置合わせされたときに、スロット206、212は共に、保持溝214を形成又は画定する。
【0036】
コネクタ104は、保持溝214に対応する形状を有する。コネクタ104及び保持溝214の図示されている断面形状は、コネクタ104及びそれに関連付けられた型構成要素202、208の異なる熱膨張が、対合面204、210を共に付勢する締め付け力222をもたらすように、選択される。図示されている実施例では、断面形状のそれぞれが、凹領域220、例えば各型構成要素202、208の部分がコネクタ104の2つの部分の間にあるエリアを有する。凹領域220は、各対合面204、210において細く、対合面204、210から離れるに従ってエリアが広くなるように、コネクタ104(及び対応する保持溝214)を形作ることによって、もたらされる。例えば、コネクタ104は、対合面204、210の近くで幅216(「W
1」)を有し、対合面204から距離を置いて(例えば、
図2Aから
図2Cで示されている配向におけるスロット212の底部で、及びスロット206の上部で)幅218(「W
2」)を有する。この実施例では、幅216が、幅218より小さい。凹領域を含む断面形状の3つの実施例が、
図2A~
図2Cで示されているが、凹領域を有する他の断面形状も使用されてよい。例示のために、Z形状の断面形状が使用されてよい。
【0037】
保持溝214は、概して、対応するコネクタ104と同じ断面形状を有するべきである。ある実施態様では、保持溝214と対応するコネクタ104が、幾何学的に類似した断面形状を有する。他の実施態様では、保持溝214の断面形状が、コネクタ104の断面形状から幾らか変動してよい。それは、コネクタ104が、第1の温度(例えば、室温などの比較的低い温度)で保持溝214内にスライド可能であり、第2の温度(例えば、熱可塑性ポリマーの融点などの比較的高い温度)で対合面204、210の間に締め付け力222を生成できる限りにおいてである。
【0038】
コネクタ104と対応する保持溝214の相対的な寸法は、成型工程に関連付けられたプロセス条件と、型構成要素202、208及びコネクタ104の熱膨張係数とに応じることとなる。例えば、圧縮成型などの高い内圧を使用する成型工程では、成型装置によってかけられる圧力による型穴の歪(例えば、モールド線に沿った剥離)を防止するために、締め付け力222が比較的強い必要がある。そのような大きな締め付け力222は、工程温度範囲向けの熱膨張係数の比較的高い差異を有する材料を選択することによって、大きな凹領域220を有するように保持溝214とコネクタ104を設計することによって、又はそれらの両方によって、実現され得る。溶融金属の鋳造などの他の種類の成型工程では、プロセス温度が非常に高くなる可能性があるため、必要な締め付け力222を提供するのに、熱膨張係数の差異は比較的小さくて十分である。
【0039】
ある実施態様では、型アセンブリ100の有用性が、種々のコネクタ104を使用することによって改変可能である。例えば、型構成要素102は、概して、注意深く機械加工され、高価である。例えば、異なる成型材料の使用を可能とするために、プロセス条件が変更される場合、新しい型構成要素102を製造することは時間がかかり、高価であり得る。ある実施態様では、本明細書で開示される型構成要素102が、型構成要素102を接合するために使用されるコネクタ104だけを変更することによって、幅広い様々なプロセス条件において使用され得る。具体的な一実施例として、特定のプロセス向けに使用されるべく最初に設計された型アセンブリ100は、特定のプロセス温度で特定の締め付け力222を提供するように選択された、型構成要素102及びコネクタ104を含み得る。上で説明されたように、締め付け力222は、型構成要素102とコネクタ104の熱膨張係数における差異に関連する。この実施例では、初期設計の後で、(例えば、プロセス温度を高めるために)プロセス条件が修正された場合、初期設計からのコネクタ104は、新しいプロセス温度で大き過ぎる締め付け力222を提供し得る。それは、コネクタ104又は型構成要素102に損傷を与えるかもしれない。したがって、新しいコネクタ104は、新しいプロセス温度で正しい締め付け力222を提供するように取得され得る。新しいコネクタ104は、初期設計のコネクタ104より型構成要素の熱膨張係数に類似した熱膨張係数を有する材料から形成されてよい。代替的に又は更に、新しいコネクタ104の形状は、(例えば、締め付け力222を低減させるために、凹領域220内にあるコネクタ104の部分を長くすることによって)修正されてよい。
【0040】
図3は、型アセンブリ100を含むシステムの一実施例を示している図である。
図3では、型アセンブリ100が、成型機械300に連結されている。
図3の型アセンブリ100は、型穴118及び1以上の保持溝214を画定するように組み立てられた、複数の型構成要素102を含む。各保持溝214は、コネクタ104を含む。型構成要素102は、第1の熱膨張係数(α1)を有する1以上の材料から形成され、又はそれらを含み、1以上のコネクタ104は、第2の熱膨張係数(α2)を有する1以上の材料から形成され、又はそれらを含む。第1の熱膨張係数は、第2の熱膨張係数とは異なっている。例えば、第1の熱膨張係数は、第2の熱膨張係数より大きい。
【0041】
図3で示されている実施例では、成型機械300が、成型剤(molding agent)304を保存した成型剤保存容器302を含む。成型剤304は、型アセンブリ100を使用して形作られる任意の材料である。一実施例として、成型剤304は、ポリマー、一組の反応物質(例えば、モノマー及び開始剤)、金属、又は2つ以上の金属若しくは2つ以上のポリマーなどの複数の適合する材料の組み合わせを含んでよい。成型剤304は、概して、凝縮相材料(例えば、液体や固体)を含む。成型剤304が、固体を含む場合、その固体は、成形された製品を形成するために塊で使用される離散的な単位(例えば、繊維やペレット)を含んでよく、又は、その固体は、成型プロセスによって更に形作られるプレフォーム(pre-form)を含んでよい。成型剤304が、液体を含む場合、その液体は、成形される製品を形成するための成型工程中に、物理的プロセス(例えば、相変化)、化学プロセス(例えば、重合や架橋)、又はそれらの両方を受けてよい。
【0042】
図3の成型機械300は、成型剤予熱器306及び成型剤注入器308も含む。成型剤注入器308は、成型剤304のショットやサンプルを、型アセンブリ100の型穴118の中に注入し又はさもなければ挿入するように構成されている。例えば、成型剤注入器308は、成型剤304を、完全に組み立てられた型アセンブリ100の
図1Aの開口部108を通して、型穴118の中に挿入するように構成されてよい。別の一実施例では、成型剤注入器308が、第3の型構成要素102Cが第1及び第2の型構成要素102A、102Bに連結される前に、成型剤304を、
図1Bの開口部110を通して型穴118の中に挿入するように構成されてよい。ある実施態様では、成型剤304が、型穴118内に配置される前に、加熱される。そのような実施態様では、成型剤予熱器306が、この加熱工程を実行する。他の実施態様では、成型剤304が、型穴118内に配置される前に、加熱されない。そのような実施態様では、成型剤予熱器306が、省略され得る。
【0043】
図3で示されている実施例では、1以上の熱交換要素312が、型アセンブリ100に連結され、又は型アセンブリ100内に配置される。(1以上の)熱交換要素312は、型アセンブリ100を加熱し、型アセンブリ100を冷却し、又はあるときは加熱し他のときは冷却するように構成されてよい。
【0044】
成型機械300及び型アセンブリ100は、圧縮成型、射出成型、ブロー成型、回転成型、又は鋳造などの、多くの異なる種類の製造工程向けに使用されてよい。更に、型アセンブリ100は、特定の製造工程を容易にするための他の特徴を含んでよい。例示のために、型アセンブリ100は、単一の型穴118を含むように上述されたが、ある実施態様では、型アセンブリ100が、1つより多い型穴を含んでよい。そのような実施態様では、型アセンブリ100が、型穴の間にランナー又はストリンガを含んでよい。別の一実施例として、型アセンブリ100は、成型剤304によって変位した空気が、型穴118から脱出することを可能にするための、通気孔を含んでよい。更に別の一実施例として、型アセンブリ100は、型穴118から成形された部品を取り出すための、開口部又はエジェクタピン向けの特徴も含んでよい。
【0045】
図4は、型アセンブリ100を使用する方法400の一実施例のフローチャートである。方法400は、402で、複数の型構成要素及び複数のコネクタのアセンブリ(例えば、型アセンブリ100)を形成する。アセンブリを形成することは、404で、第1の型構成要素及び第2の型構成要素を位置合わせすることを含む。第1の型構成要素は、型穴の第1の部分及び第1の組のスロットを画定し、第2の型構成要素は、型穴の第2の部分及び第2の組のスロットを画定する。例えば、第1の型構成要素は、(第1の組のスロット122A、122B、及び122Cを画定する)
図1A~
図1Gの第1の型構成要素102Aを含み又はそれに一致してよく、第2の型構成要素は、第2の型構成要素102Bを含み又はそれに一致してよい。この実施例では、第1及び第2の型構成要素102A、102Bは、それぞれ、型穴118の一部分を画定する。
【0046】
該アセンブリを形成することは、406で、第1の組のスロットのうちの第1のスロット及び第2の組のスロットのうちの第1のスロットに相当する第1の保持溝の中に、第1のコネクタをスライドさせること、408で、第1の組のスロットのうちの第2のスロット及び第2の組のスロットのうちの第2のスロットに対応する第2の保持溝の中に、第2のコネクタをスライドさせること含む。例えば、オペレータ又は成型機械300は、第1の型構成要素102Aの第1のスロット122A及び第2の型構成要素102Bの第1のスロット122Aに相当する保持溝の中に、第1のコネクタ104Aをスライドさせること、並びに、第1の型構成要素102Aの第2のスロット122B及び第2の型構成要素102Bの第2のスロット122Bに相当する保持溝の中に、第2のコネクタ104Bをスライドさせることができる。
【0047】
ある実施態様では、該アセンブリを形成することが、410で、第3の型構成要素を第1及び第2の型構成要素と位置合わせすることを更に含む。その場合、第3の型構成要素は、型穴の第3の部分及び第3の組のスロットを画定する。そのような実施態様では、該アセンブリを形成することが、412で、第1の組のスロットのうちの第3のスロット及び第3の組のスロットのうちの第1のスロットに相当する第3の保持溝の中に、第3のコネクタをスライドさせること、414で、第2の組のスロットのうちの第3のスロット及び第2の組のスロットのうちの第2のスロットに相当する第4の保持溝の中に、第4のコネクタをスライドさせることも含む。例えば、第3の型構成要素は、
図1A~
図1Gの第3の型構成要素102Cに一致してよく又はそれを含み得る。それは、型穴118の一部分を画定し、第1及び第2の型構成要素102A、102Bの第3のスロット122Cに対応するスロットを含む。この実施例では、オペレータ又は成型機械300が、第1の型構成要素102Aの第3のスロット122C及び第3の型構成要素102Cの対応する第3のスロット122Cに相当する保持溝の中に、第3のコネクタ104Cをスライドさせること、並びに、第2の型構成要素102Bの第3のスロット122C及び第3の型構成要素102Cの対応する第3のスロット122Cに相当する保持溝の中に、第4のコネクタ104Dをスライドさせることができる。
【0048】
アセンブリが形成された後で、方法400は、416で、該アセンブリの異なる熱膨張によって、該アセンブリの表面の間に締め付け力を生成するために、該アセンブリを加熱することを含む。例えば、
図1A~
図1G及び
図2A~
図2Cを参照して説明されたように、コネクタ104と型構成要素102の異なる熱膨張は、型アセンブリ100が加熱されたときに、コネクタ104によって連結されている型構成要素102の間に締め付け力222をもたらす。
【0049】
ある実施態様では、方法400が、418で、アセンブリを形成した後で、アセンブリを加熱しながら、成型剤を型穴の中に挿入することも含む。例えば、
図3の成型機械300のオペレータは、成形される製品を形成するために、型穴118内に成型剤304を配置することができる。ある実施態様では、成型剤304が型穴118内に配置される前に、型アセンブリ100が予加熱される。他の実施態様では、成型剤304が溶融したときなど(例えば、室温で固体のものが、成型のために液体の状態まで加熱された)、成型剤304それ自体が、型アセンブリ100を予加熱することが必要とされないように型アセンブリ100を十分に加熱する。
【0050】
方法400は、420で、型穴の中に成型剤を挿入した後で、アセンブリが冷却されることを可能にする。例えば、型アセンブリ100は、(例えば、周囲環境の中への対流、伝導、及び/又は放射によって)受動的に冷却されてよく、又は能動的に冷却されてもよい。型アセンブリ100が、能動的に冷却されるときに、能動的な冷却は、冷却浴槽内に沈めるか又は型構成要素102若しくはコネクタ104内のチャネルを通して冷却流体を循環させるかなどの、外的冷却機構を介してよく、或いは、能動的な冷却が、型構成要素102若しくはコネクタ104内に埋め込まれた若しくはそれらに連結された1以上の熱交換要素312を介してよい。
【0051】
締め付け力を低減させるためにアセンブリを冷却した後で、方法400は、422で、対応する保持溝から複数のコネクタをスライドさせることによって、アセンブリを解体することを含む。例えば、オペレータ又は成型機械300は、コネクタ104の端部を握ることによって、コネクタ104の孔126若しくは138を通して工具若しくはフックを挿入することによって、パンチ孔124を介してコネクタ104の端部を叩くことによって、又はそれらの組み合わせで、型アセンブリ100のそれぞれの保持溝からコネクタ104を取り外してよい。
【0052】
方法400の1つの利点は、型アセンブリ100が、素早く且つ容易に組み立てられ、解体され得るという点である。例えば、型アセンブリ100の組み立て及び解体は、締め付け力を提供するためにボルトを使用する型の組み立て及び解体より、速く且つ人間工学的(例えば、より少ない繰り返し動作を含む)である。更に、本明細書で開示される型アセンブリ100用に使用されるコネクタ104は、ボルトより汚れにくい。
【0053】
本明細書に記載の実施例の図は、様々な実施態様の構造の概略的な理解をもたらすことを意図している。これらの図は、本書に記載された構造又は方法を利用する装置及びシステムの全ての要素及び特徴を網羅的に説明することを意図していない。本開示を精査することで、当業者には、他の多くの実装が明らかになり得る。本開示の範囲を逸脱することなく構造的及び論理的な置換及び変更が行うことができるように、他の実施態様を利用し、他の実装を本開示から引き出すことができる。例えば、方法動作を図に示す順序とは異なる順序で実行してもよく、或いは、1以上の方法動作を省略してもよい。別の一実施例として、コネクタ104は、型構成要素102のスロット内というよりはむしろ、型構成要素102の外面に連結されてよい。例えば、型構成要素102より低い熱膨張係数を有し且つストラップ又はクリップを画定するコネクタ104が、型構成要素102の外面に連結されてよい。したがって、本開示及び図は、限定的というよりは、むしろ例示的なものと見なすべきである。
【0054】
更に、本明細書では具体的な実施例を例示且つ説明してきたが、同一又は類似の結果を実現するよう設計された任意の後続の構成を、図示の特定の実施態様と置き換えてよいことを理解されたい。本開示は、様々な実施態様の後続する任意の又はすべての適用例又は変形例を含むことが意図されている。上述の実装の組み合わせ、及び、本書で特段に説明していない他の実施態様は、本明細書を精査することで当業者には明らかになろう。
【0055】
更に、本開示は以下の条項による実施例を含む。
条項1.
第1の型構成要素(102A)であって、型穴(118)の第1の部分及び前記第1の型構成要素の第1の表面(116)内の第1のスロット(122、例えば122A)を画定し、前記第1の型構成要素の前記第1の表面内の前記第1のスロットが、第1の保持溝(214)の第1の部分に相当する、第1の型構成要素(102A)、
第2の型構成要素(102B)であって、前記型穴の第2の部分及び前記第2の型構成要素の第1の表面内の第1のスロットを画定し、前記第2の型構成要素の前記第1の表面内の前記第1のスロットが、前記第1の保持溝の第2の部分に相当する、第2の型構成要素(102B)、並びに
前記第1の保持溝の断面形状に対応する断面形状を有する第1のコネクタ(104A)であって、第1の熱膨張特性を有する第1の材料を含み、前記第1の熱膨張特性が、前記第1の型構成要素と前記第2の型構成要素の材料の熱膨張特性とは異なり、前記第1のコネクタが、前記第1の保持溝の中に挿入されたときに、前記第1の型構成要素、前記第2の型構成要素、及び前記第1のコネクタを加熱することによって、異なる熱膨張が、前記第1の型構成要素と前記第2の型構成要素の間に締め付け力(222)をもたらす、第1のコネクタ(104A)を備える、アセンブリ(100)。
条項2.
前記第1の保持溝の前記断面形状が、C形状、H形状、又はくびれた形状に一致する、条項1に記載のアセンブリ。
条項3.
前記第1のコネクタの前記断面形状が、凹領域(220)を画定する、条項1又は2に記載のアセンブリ。
条項4.
前記第1の型構成要素が、前記第1の型構成要素の前記第1の表面内の第2のスロット(122、例えば122B)を更に画定し、前記第1の型構成要素の前記第1の表面内の前記第2のスロットが、第2の保持溝の第1の部分に相当し、前記第2の型構成要素が、前記第2の型構成要素の前記第1の表面内の第2のスロットを更に画定し、前記第2の型構成要素の前記第1の表面内の前記第2のスロットが、前記第2の保持溝の第2の部分に相当し、前記アセンブリが、前記第2の保持溝の断面形状に対応する断面形状を有する第2のコネクタ(104B)を更に備え、前記第2のコネクタが、前記第1の材料を含む、条項1から3のいずれか一項に記載のアセンブリ。
条項5.
第3の型構成要素(102C)であって、前記型穴の第3の部分及び前記第3の型構成要素の第1の表面内の第1のスロットを画定し、前記第3の型構成要素の前記第1の表面内の前記第1のスロットが、第3の保持溝の第1の部分に相当し、前記第1の型構成要素が、前記第1の型構成要素の第2の表面内の第3のスロットを更に画定し、前記第1の型構成要素の前記第2の表面内の前記第3のスロットが、前記第3の保持溝の第2の部分に相当する、第3の型構成要素(102C)、並びに
前記第3の保持溝の断面形状に対応する断面形状を有する第3のコネクタ(104C)であって、前記第1の型構成要素と前記第3の型構成要素の材料の熱膨張特性とは異なる熱膨張特性を有する前記第1の材料又は別の材料を含む、第3のコネクタ(104C)を更に備える、条項1から4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
条項6.
前記第3の型構成要素が、前記第3の型構成要素の前記第1の表面内の第2のスロットを更に画定し、前記第3の型構成要素の前記第1の表面内の前記第2のスロットが、第4の保持溝の第1の部分に相当し、前記第2の型構成要素が、前記第2の型構成要素の第2の表面内の第3のスロットを更に画定し、前記第2の型構成要素の前記第2の表面内の前記第3のスロットが、前記第4の保持溝の第2の部分に相当し、前記アセンブリが、前記第4の保持溝の断面形状に対応する断面形状を有する第4のコネクタ(104D)を更に備え、前記第4のコネクタが、前記第2の型構成要素と前記第3の型構成要素の前記材料の前記熱膨張特性とは異なる熱膨張特性を有する前記第1の材料又は前記別の材料を含む、条項5に記載のアセンブリ。
条項7.
前記第3のコネクタが、前記第3の保持溝の長さより長い長さを有する、条項5に記載のアセンブリ。
条項8.
前記第3の型構成要素が、前記第1のコネクタの端部を受け入れるための凹部(134)を更に画定する、条項5に記載のアセンブリ。
条項9.
前記第1のコネクタが、前記第1の保持溝の長さより長い長さを有する、条項1から8のいずれか一項に記載のアセンブリ。
条項10.
前記第1の型構成要素の前記第1の表面内の前記第1のスロットが、前記第1の型構成要素の前記第1の表面を横断する距離の第1の部分だけ延在し、前記第1の型構成要素が、前記距離の残りの部分だけ延在するパンチ孔(124)を更に画定する、条項1から9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
条項11.
前記第1のコネクタが、前記第1の保持溝から前記第1のコネクタを引き出すことを容易にするために、一端部において孔(126又は138)を画定する、条項1から10のいずれか一項に記載のアセンブリ。
条項12.
前記第1の型構成要素と前記第2の型構成要素のうちの少なくとも一方に連結され又は前記少なくとも一方の範囲内にある、1以上の熱交換要素(312)を更に備える、条項1から11のいずれか一項に記載のアセンブリ。
条項13.
型穴(118)の第1の部分及び第1の組のスロット(122)を画定する第1の型構成要素(102A)、
前記型穴の第2の部分及び第2の組のスロットを画定する第2の型構成要素(102B)、並びに
前記型穴の第3の部分及び第3の組のスロットを画定する第3の型構成要素を含む、複数の型構成要素(102)と、
第1の材料を含み、前記第1の組のスロットのうちの第1のスロット及び前記第2の組のスロットのうちの第1のスロットの組み合わされた断面形状に対応する第1の断面形状を有する、第1のコネクタ(104A)、
前記第1の材料を含み、前記第1の組のスロットのうちの第2のスロット及び前記第2の組のスロットのうちの第2のスロットの組み合わされた断面形状に対応する第2の断面形状を有する、第2のコネクタ(104B)、
前記第1の材料を含み、前記第1の組のスロットのうちの第3のスロット及び前記第3の組のスロットのうちの第1のスロットの組み合わされた断面形状に対応する第3の断面形状を有する、第3のコネクタ(104C)、並びに
前記第1の材料を含み、前記第2の組のスロットのうちの第3のスロット及び前記第3の組のスロットのうちの第2のスロットの組み合わされた断面形状に対応する第4の断面形状を有する、第4のコネクタ(104D)を含む、複数のコネクタ(104)とを備え、
前記複数のコネクタの熱膨張特性が、前記複数の型構成要素の材料の熱膨張特性とは異なり、前記複数のコネクタがそれぞれの保持溝の中に挿入され、前記複数の型構成要素に熱が加えられたときに、異なる熱膨張が、前記複数の型構成要素の表面の間に締め付け力(222)を生成することをもたらす、アセンブリ(100)。
条項14.
前記第1の断面形状が、凹領域(220)を有する、条項13に記載のアセンブリ。
条項15.
前記第1のコネクタが、前記第1の組のスロットのうちの前記第1のスロットの長さより長く、前記第2の組のスロットのうちの前記第1のスロットの長さより長い、長さを有する、条項13又は14に記載のアセンブリ。
条項16.
前記第3の型構成要素が、前記第1のコネクタの端部を受け入れるための凹部(134)を更に画定する、条項15に記載のアセンブリ。
条項17.
前記複数のコネクタのうちの1以上のコネクタが、それぞれのスロットから前記1以上のコネクタを引き出すことを容易にするために、一端部に孔(126又は138)を画定する、条項13から16のいずれか一項に記載のアセンブリ。
条項18.
前記複数の型構成要素のうちの1以上、前記複数のコネクタのうちの1以上、若しくは前記複数の型構成要素のうちの1以上及び前記複数のコネクタのうちの1以上に連結され、又は、前記複数の型構成要素のうちの1以上の範囲内、前記複数のコネクタのうちの1以上の範囲内、若しくは前記複数の型構成要素のうちの1以上の範囲内且つ前記複数のコネクタのうちの1以上の範囲内にある、1以上の熱交換要素(312)を更に備える、条項13から17のいずれか一項に記載のアセンブリ。
条項19.
複数の型構成要素(102)及び複数のコネクタ(104)のアセンブリ(100)を形成すること(402)であって、
第1の型構成要素(102A)と第2の型構成要素(102B)を位置合わせすること(404)であって、前記第1の型構成要素が、型穴(118)の第1の部分及び第1の組のスロットを画定し、前記第2の型構成要素(102B)が、前記型穴の第2の部分及び第2の組のスロットを画定する、第1の型構成要素(102A)と第2の型構成要素(102B)を位置合わせすること(404)、
前記第1の組のスロットのうちの第1のスロット及び前記第2の組のスロットのうちの第1のスロットに相当する第1の保持溝の中に第1のコネクタ(104A)をスライドさせること(406)、
前記第1の組のスロットのうちの第2のスロット及び前記第2の組のスロットのうちの第2のスロットに相当する第2の保持溝の中に第2のコネクタ(104B)をスライドさせること(408)、
第3の型構成要素(102C)を前記第1の型構成要素及び前記第2の型構成要素に位置合わせすること(410)であって、前記第3の型構成要素が前記型穴の第3の部分及び第3の組のスロットを画定する、第3の型構成要素(102C)を前記第1の型構成要素及び前記第2の型構成要素に位置合わせすること(410)、
前記第1の組のスロットのうちの第3のスロット及び前記第3の組のスロットのうちの第1のスロットに相当する第3の保持溝の中に第3のコネクタ(104C)をスライドさせること(412)、並びに
前記第2の組のスロットのうちの第3のスロット及び前記第2の組のスロットのうちの第2のスロットに相当する第4の保持溝の中に第4のコネクタ(104D)をスライドさせること(414)によって、
複数の型構成要素(102)及び複数のコネクタ(104)のアセンブリ(100)を形成すること(402)と、
前記アセンブリの異なる熱膨張によって、前記アセンブリの表面の間に締め付け力(222)を生成するために、前記アセンブリを加熱すること(416)とを含む、方法。
条項20.
前記アセンブリを形成した後で、前記アセンブリを加熱しながら、前記型穴の中に成型剤(304)を挿入すること(418)、
前記型穴の中に前記成型剤を挿入した後で、前記アセンブリの冷却を可能にすること(420)、及び
対応する保持溝から前記複数のコネクタをスライドさせることによって、前記アセンブリを解体すること(422)を更に含む、条項19に記載の方法。
【0056】
本開示の「要約」は、特許請求の範囲又は意味を解釈したり、又は限定したりするために使用されるものではないとの理解のもとに、提出される。加えて、上記の「発明を実施するための形態においては、本開示を簡潔にする目的で、様々な特徴が、グループ化されたり、又は、単一の実装形態内で説明されたりする場合がある。上述の実施例は、本発明を例示するが、本開示を限定するものではない。本開示の原理にしたがって多数の修正例及び変形例が実現可能であることも、理解すべきである。以下の特許請求の範囲に反映されているように、特許請求される主題は、開示されている例のいずれかの全ての特徴を対象としているわけではない場合がある。したがって、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によって規定される。