(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】入浴システム
(51)【国際特許分類】
F24H 15/196 20220101AFI20240405BHJP
F24H 1/14 20220101ALI20240405BHJP
F24H 15/219 20220101ALI20240405BHJP
F24H 15/281 20220101ALI20240405BHJP
F24H 15/34 20220101ALI20240405BHJP
F24H 15/35 20220101ALI20240405BHJP
F24H 15/36 20220101ALI20240405BHJP
F24H 15/395 20220101ALI20240405BHJP
G08B 21/08 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
F24H15/196 301F
F24H1/14 B
F24H15/196 301P
F24H15/196 301X
F24H15/219
F24H15/281
F24H15/34
F24H15/35
F24H15/36
F24H15/395
G08B21/08
(21)【出願番号】P 2020127532
(22)【出願日】2020-07-28
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 弘明
(72)【発明者】
【氏名】北川 勝也
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-164691(JP,A)
【文献】特開2019-011898(JP,A)
【文献】特開平08-061774(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0203693(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00 - 15/493
G08B 21/00 - 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽内の浴槽水が循環される浴槽水循環回路と、当該浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路内を流れる浴槽水を加熱する浴槽水加熱部と、追焚運転指令が指令されると、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる追焚運転制御を実行する運転制御部と、が設けられた入浴システムであって、
前記浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記異常検出部にて前記異常状態が検出されると、前記浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行
し、
前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記浴槽水循環回路を通した浴槽水の循環量を前記追焚運転制御よりも多くするように前記浴槽水循環ポンプを作動させる入浴システム。
【請求項2】
前記浴槽水加熱部が、浴槽水加熱バーナの燃焼ガスにて加熱されるバーナ加熱式熱交換器であり、
前記運転制御部が、前記追焚運転制御において、前記浴槽水加熱バーナに燃焼用空気を供給する浴槽水用送風ファンを作動させた状態で前記浴槽水加熱バーナを燃焼作動させ、前記浴槽水温度低下制御において前記浴槽水加熱バーナを燃焼停止状態に維持する請求項
1に記載の入浴システム。
【請求項3】
前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において前記浴槽水用送風ファンを作動させる請求項
2に記載の入浴システム。
【請求項4】
浴槽内の浴槽水が循環される浴槽水循環回路と、当該浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路内を流れる浴槽水を加熱する浴槽水加熱部と、追焚運転指令が指令されると、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる追焚運転制御を実行する運転制御部と、が設けられた入浴システムであって、
前記浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記異常検出部にて前記異常状態が検出されると、前記浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行し、
前記浴槽水加熱部が、浴槽水加熱バーナの燃焼ガスにて加熱されるバーナ加熱式熱交換器であり、
前記運転制御部が、前記追焚運転制御において、前記浴槽水加熱バーナに燃焼用空気を供給する浴槽水用送風ファンを作動させた状態で前記浴槽水加熱バーナを燃焼作動させ、前記浴槽水温度低下制御において前記浴槽水加熱バーナを燃焼停止状態に維持し、
前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において前記浴槽水用送風ファンを作動させ、
前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記浴槽水用送風ファンによる空気供給量を前記追焚運転制御よりも多くするように前記浴槽水用送風ファンを作動させ
る入浴システム。
【請求項5】
熱媒が循環される熱媒循環回路と、当該熱媒循環回路を通して熱媒を循環させる熱媒循環ポンプと、前記熱媒循環回路内を流れる熱媒を加熱する熱媒加熱用熱交換器と、当該熱媒加熱用熱交換器を燃焼ガスにて加熱する熱媒加熱バーナと、当該熱媒加熱バーナに燃焼用空気を供給する熱媒用送風ファンとが設けられ、
前記浴槽水加熱部が、前記浴槽水循環回路を流動する浴槽水と前記熱媒循環回路を流動する熱媒とを熱交換する液々熱交換器であり、
前記運転制御部が、前記追焚運転制御において、前記熱媒循環ポンプ及び前記熱媒用送風ファンを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼作動させ、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒循環ポンプを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼停止状態に維持する請求項
1に記載の入浴システム。
【請求項6】
浴槽内の浴槽水が循環される浴槽水循環回路と、当該浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路内を流れる浴槽水を加熱する浴槽水加熱部と、追焚運転指令が指令されると、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる追焚運転制御を実行する運転制御部と、が設けられた入浴システムであって、
前記浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記異常検出部にて前記異常状態が検出されると、前記浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行し、
熱媒が循環される熱媒循環回路と、当該熱媒循環回路を通して熱媒を循環させる熱媒循環ポンプと、前記熱媒循環回路内を流れる熱媒を加熱する熱媒加熱用熱交換器と、当該熱媒加熱用熱交換器を燃焼ガスにて加熱する熱媒加熱バーナと、当該熱媒加熱バーナに燃焼用空気を供給する熱媒用送風ファンとが設けられ、
前記浴槽水加熱部が、前記浴槽水循環回路を流動する浴槽水と前記熱媒循環回路を流動する熱媒とを熱交換する液々熱交換器であり、
前記運転制御部が、前記追焚運転制御において、前記熱媒循環ポンプ及び前記熱媒用送風ファンを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼作動させ、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒循環ポンプを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼停止状態に維持し、
前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒循環回路を通した熱媒の循環量を前記追焚運転制御よりも多くするように前記熱媒循環ポンプを作動させ
る入浴システム。
【請求項7】
前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒用送風ファンを作動させる請求項
5又は
6に記載の入浴システム。
【請求項8】
浴槽内の浴槽水が循環される浴槽水循環回路と、当該浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路内を流れる浴槽水を加熱する浴槽水加熱部と、追焚運転指令が指令されると、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる追焚運転制御を実行する運転制御部と、が設けられた入浴システムであって、
前記浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記異常検出部にて前記異常状態が検出されると、前記浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行し、
熱媒が循環される熱媒循環回路と、当該熱媒循環回路を通して熱媒を循環させる熱媒循環ポンプと、前記熱媒循環回路内を流れる熱媒を加熱する熱媒加熱用熱交換器と、当該熱媒加熱用熱交換器を燃焼ガスにて加熱する熱媒加熱バーナと、当該熱媒加熱バーナに燃焼用空気を供給する熱媒用送風ファンとが設けられ、
前記浴槽水加熱部が、前記浴槽水循環回路を流動する浴槽水と前記熱媒循環回路を流動する熱媒とを熱交換する液々熱交換器であり、
前記運転制御部が、前記追焚運転制御において、前記熱媒循環ポンプ及び前記熱媒用送風ファンを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼作動させ、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒循環ポンプを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼停止状態に維持し、
前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒用送風ファンを作動させ、
前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒用送風ファンによる空気供給量を前記追焚運転制御よりも多くするように前記熱媒用送風ファンを作動させ
る入浴システム。
【請求項9】
浴槽内の浴槽水が循環される浴槽水循環回路と、当該浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路内を流れる浴槽水を加熱する浴槽水加熱部と、追焚運転指令が指令されると、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる追焚運転制御を実行する運転制御部と、が設けられた入浴システムであって、
前記浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記異常検出部にて前記異常状態が検出されると、前記浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行し、
熱媒が循環される熱媒循環回路と、当該熱媒循環回路を通して熱媒を循環させる熱媒循環ポンプと、前記熱媒循環回路内を流れる熱媒を加熱する熱媒加熱用熱交換器と、当該熱媒加熱用熱交換器を燃焼ガスにて加熱する熱媒加熱バーナと、当該熱媒加熱バーナに燃焼用空気を供給する熱媒用送風ファンとが設けられ、
前記浴槽水加熱部が、前記浴槽水循環回路を流動する浴槽水と前記熱媒循環回路を流動する熱媒とを熱交換する液々熱交換器であり、
前記運転制御部が、前記追焚運転制御において、前記熱媒循環ポンプ及び前記熱媒用送風ファンを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼作動させ、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒循環ポンプを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼停止状態に維持し、
前記熱媒循環回路を流動する熱媒を、前記浴槽水加熱部をバイパスして流動させるバイパス状態と前記浴槽水加熱部を経由して流動させる非バイパス状態とに切換える切換部、及び、前記熱媒循環回路を流動する熱媒の温度を検出する熱媒温度検出部が設けられ、前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒温度検出部にて検出される熱媒温度が設定開始温度よりも高温のときには、前記切換部を前記バイパス状態にし、前記熱媒温度検出部にて検出される熱媒温度が前記設定開始温度以下のときには、前記切換部を前記非バイパス状態にす
る入浴システム。
【請求項10】
浴槽内の浴槽水が循環される浴槽水循環回路と、当該浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路内を流れる浴槽水を加熱する浴槽水加熱部と、追焚運転指令が指令されると、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる追焚運転制御を実行する運転制御部と、が設けられた入浴システムであって、
前記浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記異常検出部にて前記異常状態が検出されると、前記浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行し、
熱媒が循環される熱媒循環回路と、当該熱媒循環回路を通して熱媒を循環させる熱媒循環ポンプと、前記熱媒循環回路内を流れる熱媒を加熱する熱媒加熱用熱交換器と、当該熱媒加熱用熱交換器を燃焼ガスにて加熱する熱媒加熱バーナと、当該熱媒加熱バーナに燃焼用空気を供給する熱媒用送風ファンとが設けられ、
前記浴槽水加熱部が、前記浴槽水循環回路を流動する浴槽水と前記熱媒循環回路を流動する熱媒とを熱交換する液々熱交換器であり、
前記運転制御部が、前記追焚運転制御において、前記熱媒循環ポンプ及び前記熱媒用送風ファンを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼作動させ、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒循環ポンプを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼停止状態に維持し、
前記熱媒循環回路を流動する熱媒の温度を検出する熱媒温度検出部が設けられ、前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒温度検出部にて検出される熱媒温度が設定開始温度よりも高温のときには、前記浴槽水循環ポンプを停止させ、前記熱媒温度検出部にて検出される熱媒温度が前記設定開始温度以下のときには、前記浴槽水循環ポンプを作動させ
る入浴システム。
【請求項11】
前記運転制御部が、前記異常状態を検出すると、当該異常状態を浴室の外部に通知する外部通知部を作動させる請求項1~
10のいずれか1項に記載の入浴システム。
【請求項12】
浴室に音声通知部が設けられ、
前記運転制御部が、前記異常状態を検出すると、前記音声通知部を作動させる請求項1~
11のいずれか1項に記載の入浴システム。
【請求項13】
前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記浴槽水循環回路を通した浴槽水の循環量を前記追焚運転制御よりも多くするように前記浴槽水循環ポンプを作動させる請求項4、6、8、9、および10のいずれか1項に記載の入浴システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽内の浴槽水が循環される浴槽水循環回路と、当該浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路内を流れる浴槽水を加熱する浴槽水加熱部と、追焚運転指令が指令されると、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる追焚運転制御を実行する運転制御部と、が設けられた入浴システムに関する。
【背景技術】
【0002】
かかる入浴システムは、追焚運転制御を実行することにより、浴槽内の浴槽水の温度を入浴者の好みの温度(例えば、41℃)に昇温させて、良好な入浴を行えるものである。
つまり、浴槽内の浴槽水が入浴者の好みの温度(例えば、41℃)よりも低下した場合等において、追焚運転制御を実行することにより、浴槽内の浴槽水の温度を入浴者の好みの温度(例えば、41℃)に昇温させることができる。
【0003】
かかる入浴システムの従来例として、浴槽に入浴する入浴者の心拍数を検出する心拍センサにより検出される心拍数が閾値以上になったとき等の異常が発生すると、浴槽の排水栓を開いて、浴槽水を排出することにより、入浴者の安全性を向上するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、別の従来例として、浴槽に入浴する入浴者の位置情報を検出する人感センサにて、入浴者の動きが一定時間以上無いときや、心拍数を検出する心拍センサで検出される心拍数が閾値以上になったとき等の異常が発生すると、浴槽に水を供給することにより、浴槽内の浴槽水の温度を設定低下温度(例えば、36℃)に低下させるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
ちなみに、特許文献2においては、浴槽に水を供給することにより、浴槽から湯水が溢れ出ることや気を失った入浴者が溺れることを回避するために、浴槽の排水栓を開いて、浴槽水を排出することを行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-275347号公報
【文献】特開2018-164691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
入浴中に発生しうる異常の一つとして、入浴者の熱中症が挙げられ、このような場合において、入浴者が意識を失った状態で、高温(例えば、41℃)の湯に入浴し続けることは危険である。
特許文献1においては、入浴者の異常が検出されると、浴槽水を排出して、入浴者の危険を回避できるものであるが、浴槽水を排出するためには、浴槽の排水栓を自動で開閉できるように構成する必要があり、自動で開閉できる排水弁を設置すること等に起因して、全体構成が複雑で高価となる不都合がある。
【0008】
特許文献2においては、入浴者の異常が検出されると、浴槽内の浴槽水の温度を設定低下温度(例えば、36℃)に低下させるように、浴槽に水を供給するものであるから、既設の構成を用いて、入浴者の危険を回避できるものである。
しかしながら、気を失った入浴者が溺れること等を回避するために、浴槽の排水栓を開いて、浴槽水を排出する必要があり、この場合においても、自動で開閉できる排水弁を設置することに起因して、全体構成が複雑で高価となる不都合がある。
【0009】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、本来構成を利用した簡素な構成にて入浴者の安全性を向上できる入浴システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の入浴システムは、浴槽内の浴槽水が循環される浴槽水循環回路と、当該浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路内を流れる浴槽水を加熱する浴槽水加熱部と、追焚運転指令が指令されると、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる追焚運転制御を実行する運転制御部と、が設けられたものであって、その特徴構成は、
前記浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記異常検出部にて前記異常状態が検出されると、前記浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行し、前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記浴槽水循環回路を通した浴槽水の循環量を前記追焚運転制御よりも多くするように前記浴槽水循環ポンプを作動させる点にある。
【0011】
すなわち、浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部にて異常状態が検出されると、運転制御部が、浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行することになる。
【0012】
浴槽水温度低下制御が実行されると、浴槽水加熱部の加熱作動が停止された状態で、浴槽水が浴槽水循環回路を流動することにより、浴槽水の熱が浴槽水循環回路の管路表面から大気中に放熱されることにより、循環される浴槽水の温度が低下する結果、浴槽内の浴槽水の温度が低下することになる。
【0013】
ちなみに、浴槽水循環ポンプを停止させた状態においては、浴槽水循環回路中に残存する湯水の温度は、浴槽内の浴槽水の温度よりもかなり低下しているものであるから、浴槽水温度低下制御が実行されると、浴槽水循環回路中に残存する低温の湯水が浴槽に流動することによっても、浴槽内の浴槽水の温度が低下することになる。
【0014】
従って、浴槽内の浴槽水の温度を低下させて、浴槽内に入浴する入浴者が高温の浴槽水に入浴し続けることを回避して、浴槽内に入浴する入浴者が低温の浴槽水に入浴する状態をもたらすことができるため、入浴者の安全性を向上できる。
【0015】
しかも、浴槽水温度低下制御は、新たな設備を追加することなく、追焚運転制御を実行するために本来的に装備されている構成を利用して行えるものであるから、簡素な構成にて入浴者の安全性を向上できることになる。
【0016】
要するに、本発明の入浴システムの特徴構成によれば、本来構成を利用した簡素な構成にて入浴者の安全性を向上できる。
【0018】
また、浴槽水温度低下制御が実行される際に、浴槽水循環回路を通した浴槽水の循環量が追焚運転制御よりも多くなるから、循環される浴槽水の流速の上昇により、浴槽水の熱を浴槽水循環回路の管路表面から大気中に放熱する効率を上昇させて、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
【0019】
ちなみに、浴槽水温度低下制御を実行する際には、浴槽水の循環量を増加させるために浴槽水循環ポンプの回転速度を増加させるものの、追焚運転制御においては、浴槽水循環ポンプの回転速度を不必要に増加させないものであるから、浴槽水循環ポンプの早期劣化を抑制できる。
【0020】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
【0021】
本発明の入浴システムの更なる特徴構成は、前記浴槽水加熱部が、浴槽水加熱バーナにて加熱されるバーナ加熱式熱交換器であり、
前記運転制御部が、前記追焚運転制御において、前記浴槽水加熱バーナに燃焼用空気を供給する浴槽水用送風ファンを作動させた状態で前記浴槽水加熱バーナを燃焼作動させ、前記浴槽水温度低下制御において前記浴槽水加熱バーナを燃焼停止状態に維持する点にある。
【0022】
すなわち、浴槽水加熱部が、浴槽水加熱バーナにて加熱されるバーナ加熱式熱交換器を備える形態に構成され、追焚運転制御においては、浴槽水加熱バーナに燃焼用空気を供給する浴槽水用送風ファンを作動させた状態で浴槽水加熱バーナを燃焼作動させることになる。
【0023】
これに対して、浴槽水温度低下制御においては、浴槽水加熱バーナが燃焼停止状態に維持されて、浴槽水循環回路を通して流動される浴槽水の加熱が停止されることになる。
そして、浴槽水循環回路を通して流動される浴槽水がバーナ加熱式熱交換器を流動すると、バーナ加熱式熱交換器による放熱作用により、浴槽水の温度を低下させることができるため、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
【0024】
尚、この場合、上述の如く、循環ポンプの回転速度を増加させて浴槽水の循環量を増加させるようにすれば、バーナ加熱式熱交換器による放熱の効率を増加させて、浴槽内の浴槽水の温度を一層迅速に低下させることが可能となる。
【0025】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、バーナ加熱式熱交換器による放熱作用により、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
【0026】
本発明の入浴システムの更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において前記浴槽水用送風ファンを作動させる点にある。
【0027】
すなわち、浴槽水温度低下制御において、浴槽水加熱バーナが燃焼停止状態に維持されるものの、浴槽水用送風ファンが作動されるため、浴槽水用送風ファンにて送風される空気によりバーナ加熱式熱交換器を冷却することにより、バーナ加熱式熱交換器による放熱の効率を一層増加させて、浴槽内の浴槽水の温度を一層迅速に低下させることができる。
【0028】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、バーナ加熱式熱交換器による放熱の効率を一層増加させて、浴槽内の浴槽水の温度を一層迅速に低下させることができる。
【0029】
本発明の入浴システムは、浴槽内の浴槽水が循環される浴槽水循環回路と、当該浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路内を流れる浴槽水を加熱する浴槽水加熱部と、追焚運転指令が指令されると、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる追焚運転制御を実行する運転制御部と、が設けられた入浴システムであって、その特徴構成は、
前記浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記異常検出部にて前記異常状態が検出されると、前記浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行し、
前記浴槽水加熱部が、浴槽水加熱バーナの燃焼ガスにて加熱されるバーナ加熱式熱交換器であり、
前記運転制御部が、前記追焚運転制御において、前記浴槽水加熱バーナに燃焼用空気を供給する浴槽水用送風ファンを作動させた状態で前記浴槽水加熱バーナを燃焼作動させ、前記浴槽水温度低下制御において前記浴槽水加熱バーナを燃焼停止状態に維持し、
前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において前記浴槽水用送風ファンを作動させ、
前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記浴槽水用送風ファンによる空気供給量を前記追焚運転制御よりも多くするように前記浴槽水用送風ファンを作動させる点にある。
【0030】
すなわち、浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部にて異常状態が検出されると、運転制御部が、浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行することになる。
浴槽水温度低下制御が実行されると、浴槽水加熱部の加熱作動が停止された状態で、浴槽水が浴槽水循環回路を流動することにより、浴槽水の熱が浴槽水循環回路の管路表面から大気中に放熱されることにより、循環される浴槽水の温度が低下する結果、浴槽内の浴槽水の温度が低下することになる。
ちなみに、浴槽水循環ポンプを停止させた状態においては、浴槽水循環回路中に残存する湯水の温度は、浴槽内の浴槽水の温度よりもかなり低下しているものであるから、浴槽水温度低下制御が実行されると、浴槽水循環回路中に残存する低温の湯水が浴槽に流動することによっても、浴槽内の浴槽水の温度が低下することになる。
従って、浴槽内の浴槽水の温度を低下させて、浴槽内に入浴する入浴者が高温の浴槽水に入浴し続けることを回避して、浴槽内に入浴する入浴者が低温の浴槽水に入浴する状態をもたらすことができるため、入浴者の安全性を向上できる。
しかも、浴槽水温度低下制御は、新たな設備を追加することなく、追焚運転制御を実行するために本来的に装備されている構成を利用して行えるものであるから、簡素な構成にて入浴者の安全性を向上できることになる。
要するに、本発明の入浴システムの特徴構成によれば、本来構成を利用した簡素な構成にて入浴者の安全性を向上できる。
また、浴槽水加熱部が、浴槽水加熱バーナにて加熱されるバーナ加熱式熱交換器を備える形態に構成され、追焚運転制御においては、浴槽水加熱バーナに燃焼用空気を供給する浴槽水用送風ファンを作動させた状態で浴槽水加熱バーナを燃焼作動させることになる。
これに対して、浴槽水温度低下制御においては、浴槽水加熱バーナが燃焼停止状態に維持されて、浴槽水循環回路を通して流動される浴槽水の加熱が停止されることになる。
そして、浴槽水循環回路を通して流動される浴槽水がバーナ加熱式熱交換器を流動すると、バーナ加熱式熱交換器による放熱作用により、浴槽水の温度を低下させることができるため、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
尚、この場合、上述の如く、循環ポンプの回転速度を増加させて浴槽水の循環量を増加させるようにすれば、バーナ加熱式熱交換器による放熱の効率を増加させて、浴槽内の浴槽水の温度を一層迅速に低下させることが可能となる。
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、バーナ加熱式熱交換器による放熱作用により、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
また、浴槽水温度低下制御において、浴槽水加熱バーナが燃焼停止状態に維持されるものの、浴槽水用送風ファンが作動されるため、浴槽水用送風ファンにて送風される空気によりバーナ加熱式熱交換器を冷却することにより、バーナ加熱式熱交換器による放熱の効率を一層増加させて、浴槽内の浴槽水の温度を一層迅速に低下させることができる。
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、バーナ加熱式熱交換器による放熱の効率を一層増加させて、浴槽内の浴槽水の温度を一層迅速に低下させることができる。
また、浴槽水温度低下制御が実行される際に、浴槽水用送風ファンによる空気供給量が追焚運転制御よりも多くなるから、バーナ加熱式熱交換器に供給される空気の流速の上昇により、バーナ加熱式熱交換器による放熱の効率を一層上昇させて、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
【0031】
ちなみに、浴槽水温度低下制御を実行する際には、浴槽水用送風ファンによる空気供給量を増加させるために浴槽水用送風ファンの回転速度を増加させるものの、追焚運転制御においては、浴槽水用送風ファンの回転速度を不必要に増加させないものであるから、浴槽水用送風ファンの早期劣化を抑制できる。
【0032】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、バーナ加熱式熱交換器による放熱作用の効率を一層上昇させて、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
【0033】
本発明の入浴システムの更なる特徴構成は、熱媒が循環される熱媒循環回路と、当該熱媒循環回路を通して熱媒を循環させる熱媒循環ポンプと、前記熱媒循環回路内を流れる熱媒を加熱する熱媒加熱用熱交換器と、当該熱媒加熱用熱交換器を加熱する熱媒加熱バーナと、当該熱媒加熱バーナに燃焼用空気を供給する熱媒用送風ファンとが設けられ、
前記浴槽水加熱部が、前記浴槽水循環回路を流動する浴槽水と前記熱媒循環回路を流動する熱媒とを熱交換する液々熱交換器であり、
前記運転制御部が、前記追焚運転制御において、前記熱媒循環ポンプ及び前記熱媒用送風ファンを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼作動させ、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒循環ポンプを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼停止状態に維持する点にある。
【0034】
すなわち、床暖房パネル等の熱消費端末に対して熱媒を循環させる熱媒循環回路が設けられ、熱媒循環ポンプにて熱媒を循環させた状態で、熱媒用送風ファンを作動させながら熱媒加熱バーナを燃焼させることにより、循環される熱媒を高温にして熱消費端末に対して熱を供給できる。
そして、浴槽水循環回路を流動する浴槽水と熱媒循環回路を流動する熱媒とを液々熱交換器にて熱交換することにより、浴槽水を追焚きすることができる。
【0035】
つまり、追焚運転制御においては、熱媒循環ポンプ及び熱媒用送風ファンを作動させた状態で熱媒加熱バーナを燃焼作動させることにより、浴槽水を追焚きすることができる。
【0036】
これに対して、浴槽水温度低下制御においては、熱媒循環ポンプを作動させた状態で熱媒加熱バーナを燃焼停止状態に維持することにより、熱媒の熱が熱媒循環回路の管路表面から大気中に放熱されること及び熱媒の熱が熱媒加熱用熱交換器にて放熱されることにより、循環される熱媒の温度が低下する結果、浴槽水循環回路を流動する浴槽水と熱媒循環回路を流動する熱媒とを液々熱交換器にて熱交換することにより、浴槽水循環回路を流動する浴槽水の温度を低下させることができる。
【0037】
ちなみに、浴槽水加熱部としての液々熱交換器は、熱媒加熱バーナを燃焼停止状態にすることにより、加熱作動を停止させた状態になるが、直前まで熱媒加熱バーナが燃焼している状態においては、熱媒加熱バーナを燃焼停止状態にしても、一時的に熱媒循環回路を流動する熱媒が高温となる状態になる場合もあるが、その後、熱媒循環回路を流動する熱媒の温度は低下することになる。
【0038】
尚、この場合、上述の如く、浴槽水循環ポンプの回転速度を増加させて浴槽水の循環量を増加させるようにすれば、浴槽水循環回路を流動する浴槽水を、熱媒循環回路を流動する熱媒にて冷却し易くなり、浴槽内の浴槽水の温度を一層迅速に低下させることが可能となる。
【0039】
従って、浴槽水温度低下制御においては、浴槽水の熱が浴槽水循環回路の管路表面から大気中に放熱されることにより、循環される浴槽水の温度が低下することに加えて、浴槽水の熱が液々熱交換器にても放熱されることになり、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
【0040】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、液々熱交換器による放熱作用により、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
【0041】
本発明の入浴システムは、浴槽内の浴槽水が循環される浴槽水循環回路と、当該浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路内を流れる浴槽水を加熱する浴槽水加熱部と、追焚運転指令が指令されると、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる追焚運転制御を実行する運転制御部と、が設けられた入浴システムであって、その特徴構成は、
前記浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記異常検出部にて前記異常状態が検出されると、前記浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行し、
熱媒が循環される熱媒循環回路と、当該熱媒循環回路を通して熱媒を循環させる熱媒循環ポンプと、前記熱媒循環回路内を流れる熱媒を加熱する熱媒加熱用熱交換器と、当該熱媒加熱用熱交換器を燃焼ガスにて加熱する熱媒加熱バーナと、当該熱媒加熱バーナに燃焼用空気を供給する熱媒用送風ファンとが設けられ、
前記浴槽水加熱部が、前記浴槽水循環回路を流動する浴槽水と前記熱媒循環回路を流動する熱媒とを熱交換する液々熱交換器であり、
前記運転制御部が、前記追焚運転制御において、前記熱媒循環ポンプ及び前記熱媒用送風ファンを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼作動させ、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒循環ポンプを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼停止状態に維持し、
前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒循環回路を通した熱媒の循環量を前記追焚運転制御よりも多くするように前記熱媒循環ポンプを作動させる点にある。
【0042】
すなわち、浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部にて異常状態が検出されると、運転制御部が、浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行することになる。
浴槽水温度低下制御が実行されると、浴槽水加熱部の加熱作動が停止された状態で、浴槽水が浴槽水循環回路を流動することにより、浴槽水の熱が浴槽水循環回路の管路表面から大気中に放熱されることにより、循環される浴槽水の温度が低下する結果、浴槽内の浴槽水の温度が低下することになる。
ちなみに、浴槽水循環ポンプを停止させた状態においては、浴槽水循環回路中に残存する湯水の温度は、浴槽内の浴槽水の温度よりもかなり低下しているものであるから、浴槽水温度低下制御が実行されると、浴槽水循環回路中に残存する低温の湯水が浴槽に流動することによっても、浴槽内の浴槽水の温度が低下することになる。
従って、浴槽内の浴槽水の温度を低下させて、浴槽内に入浴する入浴者が高温の浴槽水に入浴し続けることを回避して、浴槽内に入浴する入浴者が低温の浴槽水に入浴する状態をもたらすことができるため、入浴者の安全性を向上できる。
しかも、浴槽水温度低下制御は、新たな設備を追加することなく、追焚運転制御を実行するために本来的に装備されている構成を利用して行えるものであるから、簡素な構成にて入浴者の安全性を向上できることになる。
要するに、本発明の入浴システムの特徴構成によれば、本来構成を利用した簡素な構成にて入浴者の安全性を向上できる。
また、床暖房パネル等の熱消費端末に対して熱媒を循環させる熱媒循環回路が設けられ、熱媒循環ポンプにて熱媒を循環させた状態で、熱媒用送風ファンを作動させながら熱媒加熱バーナを燃焼させることにより、循環される熱媒を高温にして熱消費端末に対して熱を供給できる。
そして、浴槽水循環回路を流動する浴槽水と熱媒循環回路を流動する熱媒とを液々熱交換器にて熱交換することにより、浴槽水を追焚きすることができる。
つまり、追焚運転制御においては、熱媒循環ポンプ及び熱媒用送風ファンを作動させた状態で熱媒加熱バーナを燃焼作動させることにより、浴槽水を追焚きすることができる。
これに対して、浴槽水温度低下制御においては、熱媒循環ポンプを作動させた状態で熱媒加熱バーナを燃焼停止状態に維持することにより、熱媒の熱が熱媒循環回路の管路表面から大気中に放熱されること及び熱媒の熱が熱媒加熱用熱交換器にて放熱されることにより、循環される熱媒の温度が低下する結果、浴槽水循環回路を流動する浴槽水と熱媒循環回路を流動する熱媒とを液々熱交換器にて熱交換することにより、浴槽水循環回路を流動する浴槽水の温度を低下させることができる。
ちなみに、浴槽水加熱部としての液々熱交換器は、熱媒加熱バーナを燃焼停止状態にすることにより、加熱作動を停止させた状態になるが、直前まで熱媒加熱バーナが燃焼している状態においては、熱媒加熱バーナを燃焼停止状態にしても、一時的に熱媒循環回路を流動する熱媒が高温となる状態になる場合もあるが、その後、熱媒循環回路を流動する熱媒の温度は低下することになる。
尚、この場合、上述の如く、浴槽水循環ポンプの回転速度を増加させて浴槽水の循環量を増加させるようにすれば、浴槽水循環回路を流動する浴槽水を、熱媒循環回路を流動する熱媒にて冷却し易くなり、浴槽内の浴槽水の温度を一層迅速に低下させることが可能となる。
従って、浴槽水温度低下制御においては、浴槽水の熱が浴槽水循環回路の管路表面から大気中に放熱されることにより、循環される浴槽水の温度が低下することに加えて、浴槽水の熱が液々熱交換器にても放熱されることになり、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、液々熱交換器による放熱作用により、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
また、浴槽水温度低下制御が実行される際に、熱媒循環回路を通した熱媒の循環量が追焚運転制御よりも多くなるから、循環される熱媒の流速の上昇により、熱媒の熱を熱媒循環回路の管路表面から大気中に放熱する効率を上昇させて、熱媒の温度を適切に低下させることができ、その結果、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
【0043】
ちなみに、浴槽水温度低下制御を実行する際には、熱媒の循環量を増加させるために熱媒循環ポンプの回転速度を増加させるものの、追焚運転制御においては、熱媒循環ポンプの回転速度を不必要に増加させないものであるから、熱媒循環ポンプの早期劣化を抑制できる。
【0044】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
【0045】
本発明の入浴システムの更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒用送風ファンを作動させる点を特徴とする。
【0046】
すなわち、浴槽水温度低下制御において、熱媒加熱バーナが燃焼停止状態に維持されるものの、熱媒用送風ファンが作動されるため、熱媒用送風ファンにて送風される空気により熱媒加熱用熱交換器を冷却することにより、熱媒加熱用熱交換器による放熱の効率を一層増加させて、熱媒の温度を一層適切に低下させ、その結果、浴槽内の浴槽水の温度を一層迅速に低下させることができる。
【0047】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、熱媒加熱用熱交換器による放熱の効率を一層増加させて、浴槽内の浴槽水の温度を一層迅速に低下させることができる。
【0048】
本発明の入浴システムは、浴槽内の浴槽水が循環される浴槽水循環回路と、当該浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路内を流れる浴槽水を加熱する浴槽水加熱部と、追焚運転指令が指令されると、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる追焚運転制御を実行する運転制御部と、が設けられた入浴システムであって、その特徴構成は、
前記浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記異常検出部にて前記異常状態が検出されると、前記浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行し、
熱媒が循環される熱媒循環回路と、当該熱媒循環回路を通して熱媒を循環させる熱媒循環ポンプと、前記熱媒循環回路内を流れる熱媒を加熱する熱媒加熱用熱交換器と、当該熱媒加熱用熱交換器を燃焼ガスにて加熱する熱媒加熱バーナと、当該熱媒加熱バーナに燃焼用空気を供給する熱媒用送風ファンとが設けられ、
前記浴槽水加熱部が、前記浴槽水循環回路を流動する浴槽水と前記熱媒循環回路を流動する熱媒とを熱交換する液々熱交換器であり、
前記運転制御部が、前記追焚運転制御において、前記熱媒循環ポンプ及び前記熱媒用送風ファンを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼作動させ、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒循環ポンプを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼停止状態に維持し、
前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒用送風ファンを作動させ、
前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒用送風ファンによる空気供給量を前記追焚運転制御よりも多くするように前記熱媒用送風ファンを作動させる点にある。
【0049】
すなわち、浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部にて異常状態が検出されると、運転制御部が、浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行することになる。
浴槽水温度低下制御が実行されると、浴槽水加熱部の加熱作動が停止された状態で、浴槽水が浴槽水循環回路を流動することにより、浴槽水の熱が浴槽水循環回路の管路表面から大気中に放熱されることにより、循環される浴槽水の温度が低下する結果、浴槽内の浴槽水の温度が低下することになる。
ちなみに、浴槽水循環ポンプを停止させた状態においては、浴槽水循環回路中に残存する湯水の温度は、浴槽内の浴槽水の温度よりもかなり低下しているものであるから、浴槽水温度低下制御が実行されると、浴槽水循環回路中に残存する低温の湯水が浴槽に流動することによっても、浴槽内の浴槽水の温度が低下することになる。
従って、浴槽内の浴槽水の温度を低下させて、浴槽内に入浴する入浴者が高温の浴槽水に入浴し続けることを回避して、浴槽内に入浴する入浴者が低温の浴槽水に入浴する状態をもたらすことができるため、入浴者の安全性を向上できる。
しかも、浴槽水温度低下制御は、新たな設備を追加することなく、追焚運転制御を実行するために本来的に装備されている構成を利用して行えるものであるから、簡素な構成にて入浴者の安全性を向上できることになる。
要するに、本発明の入浴システムの特徴構成によれば、本来構成を利用した簡素な構成にて入浴者の安全性を向上できる。
また、床暖房パネル等の熱消費端末に対して熱媒を循環させる熱媒循環回路が設けられ、熱媒循環ポンプにて熱媒を循環させた状態で、熱媒用送風ファンを作動させながら熱媒加熱バーナを燃焼させることにより、循環される熱媒を高温にして熱消費端末に対して熱を供給できる。
そして、浴槽水循環回路を流動する浴槽水と熱媒循環回路を流動する熱媒とを液々熱交換器にて熱交換することにより、浴槽水を追焚きすることができる。
つまり、追焚運転制御においては、熱媒循環ポンプ及び熱媒用送風ファンを作動させた状態で熱媒加熱バーナを燃焼作動させることにより、浴槽水を追焚きすることができる。
これに対して、浴槽水温度低下制御においては、熱媒循環ポンプを作動させた状態で熱媒加熱バーナを燃焼停止状態に維持することにより、熱媒の熱が熱媒循環回路の管路表面から大気中に放熱されること及び熱媒の熱が熱媒加熱用熱交換器にて放熱されることにより、循環される熱媒の温度が低下する結果、浴槽水循環回路を流動する浴槽水と熱媒循環回路を流動する熱媒とを液々熱交換器にて熱交換することにより、浴槽水循環回路を流動する浴槽水の温度を低下させることができる。
ちなみに、浴槽水加熱部としての液々熱交換器は、熱媒加熱バーナを燃焼停止状態にすることにより、加熱作動を停止させた状態になるが、直前まで熱媒加熱バーナが燃焼している状態においては、熱媒加熱バーナを燃焼停止状態にしても、一時的に熱媒循環回路を流動する熱媒が高温となる状態になる場合もあるが、その後、熱媒循環回路を流動する熱媒の温度は低下することになる。
尚、この場合、上述の如く、浴槽水循環ポンプの回転速度を増加させて浴槽水の循環量を増加させるようにすれば、浴槽水循環回路を流動する浴槽水を、熱媒循環回路を流動する熱媒にて冷却し易くなり、浴槽内の浴槽水の温度を一層迅速に低下させることが可能となる。
従って、浴槽水温度低下制御においては、浴槽水の熱が浴槽水循環回路の管路表面から大気中に放熱されることにより、循環される浴槽水の温度が低下することに加えて、浴槽水の熱が液々熱交換器にても放熱されることになり、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、液々熱交換器による放熱作用により、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
また、浴槽水温度低下制御において、熱媒加熱バーナが燃焼停止状態に維持されるものの、熱媒用送風ファンが作動されるため、熱媒用送風ファンにて送風される空気により熱媒加熱用熱交換器を冷却することにより、熱媒加熱用熱交換器による放熱の効率を一層増加させて、熱媒の温度を一層適切に低下させ、その結果、浴槽内の浴槽水の温度を一層迅速に低下させることができる。
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、熱媒加熱用熱交換器による放熱の効率を一層増加させて、浴槽内の浴槽水の温度を一層迅速に低下させることができる。
また、浴槽水温度低下制御が実行される際に、熱媒用送風ファンによる空気供給量が追焚運転制御よりも多くなるから、熱媒加熱用熱交換器に供給される空気の流速の上昇により、熱媒加熱用熱交換器による放熱の効率を一層上昇させて、熱媒の温度を一層適切に低下させることができ、その結果、浴槽内の浴槽水の温度を一層迅速に低下させることができる。
【0050】
ちなみに、浴槽水温度低下制御を実行する際には、熱媒用送風ファンによる空気供給量を増加させるために熱媒用送風ファンの回転速度を増加させるものの、追焚運転制御においては、熱媒用送風ファンの回転速度を不必要に増加させないものであるから、熱媒用送風ファンの早期劣化を抑制できる。
【0051】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、熱媒加熱用熱交換器による放熱作用の効率を一層上昇させて、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
【0052】
本発明の入浴システムは、浴槽内の浴槽水が循環される浴槽水循環回路と、当該浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路内を流れる浴槽水を加熱する浴槽水加熱部と、追焚運転指令が指令されると、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる追焚運転制御を実行する運転制御部と、が設けられた入浴システムであって、その特徴構成は、
前記浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記異常検出部にて前記異常状態が検出されると、前記浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行し、
熱媒が循環される熱媒循環回路と、当該熱媒循環回路を通して熱媒を循環させる熱媒循環ポンプと、前記熱媒循環回路内を流れる熱媒を加熱する熱媒加熱用熱交換器と、当該熱媒加熱用熱交換器を燃焼ガスにて加熱する熱媒加熱バーナと、当該熱媒加熱バーナに燃焼用空気を供給する熱媒用送風ファンとが設けられ、
前記浴槽水加熱部が、前記浴槽水循環回路を流動する浴槽水と前記熱媒循環回路を流動する熱媒とを熱交換する液々熱交換器であり、
前記運転制御部が、前記追焚運転制御において、前記熱媒循環ポンプ及び前記熱媒用送風ファンを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼作動させ、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒循環ポンプを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼停止状態に維持し、
前記熱媒循環回路を流動する熱媒を、前記浴槽水加熱部をバイパスして流動させるバイパス状態と前記浴槽水加熱部を経由して流動させる非バイパス状態とに切換える切換部、及び、前記熱媒循環回路を流動する熱媒の温度を検出する熱媒温度検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒温度検出部にて検出される熱媒温度が設定開始温度よりも高温のときには、前記切換部を前記バイパス状態にし、前記熱媒温度検出部にて検出される熱媒温度が前記設定開始温度以下のときには、前記切換部を前記非バイパス状態にする点にある。
【0053】
すなわち、浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部にて異常状態が検出されると、運転制御部が、浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行することになる。
浴槽水温度低下制御が実行されると、浴槽水加熱部の加熱作動が停止された状態で、浴槽水が浴槽水循環回路を流動することにより、浴槽水の熱が浴槽水循環回路の管路表面から大気中に放熱されることにより、循環される浴槽水の温度が低下する結果、浴槽内の浴槽水の温度が低下することになる。
ちなみに、浴槽水循環ポンプを停止させた状態においては、浴槽水循環回路中に残存する湯水の温度は、浴槽内の浴槽水の温度よりもかなり低下しているものであるから、浴槽水温度低下制御が実行されると、浴槽水循環回路中に残存する低温の湯水が浴槽に流動することによっても、浴槽内の浴槽水の温度が低下することになる。
従って、浴槽内の浴槽水の温度を低下させて、浴槽内に入浴する入浴者が高温の浴槽水に入浴し続けることを回避して、浴槽内に入浴する入浴者が低温の浴槽水に入浴する状態をもたらすことができるため、入浴者の安全性を向上できる。
しかも、浴槽水温度低下制御は、新たな設備を追加することなく、追焚運転制御を実行するために本来的に装備されている構成を利用して行えるものであるから、簡素な構成にて入浴者の安全性を向上できることになる。
要するに、本発明の入浴システムの特徴構成によれば、本来構成を利用した簡素な構成にて入浴者の安全性を向上できる。
また、床暖房パネル等の熱消費端末に対して熱媒を循環させる熱媒循環回路が設けられ、熱媒循環ポンプにて熱媒を循環させた状態で、熱媒用送風ファンを作動させながら熱媒加熱バーナを燃焼させることにより、循環される熱媒を高温にして熱消費端末に対して熱を供給できる。
そして、浴槽水循環回路を流動する浴槽水と熱媒循環回路を流動する熱媒とを液々熱交換器にて熱交換することにより、浴槽水を追焚きすることができる。
つまり、追焚運転制御においては、熱媒循環ポンプ及び熱媒用送風ファンを作動させた状態で熱媒加熱バーナを燃焼作動させることにより、浴槽水を追焚きすることができる。
これに対して、浴槽水温度低下制御においては、熱媒循環ポンプを作動させた状態で熱媒加熱バーナを燃焼停止状態に維持することにより、熱媒の熱が熱媒循環回路の管路表面から大気中に放熱されること及び熱媒の熱が熱媒加熱用熱交換器にて放熱されることにより、循環される熱媒の温度が低下する結果、浴槽水循環回路を流動する浴槽水と熱媒循環回路を流動する熱媒とを液々熱交換器にて熱交換することにより、浴槽水循環回路を流動する浴槽水の温度を低下させることができる。
ちなみに、浴槽水加熱部としての液々熱交換器は、熱媒加熱バーナを燃焼停止状態にすることにより、加熱作動を停止させた状態になるが、直前まで熱媒加熱バーナが燃焼している状態においては、熱媒加熱バーナを燃焼停止状態にしても、一時的に熱媒循環回路を流動する熱媒が高温となる状態になる場合もあるが、その後、熱媒循環回路を流動する熱媒の温度は低下することになる。
尚、この場合、上述の如く、浴槽水循環ポンプの回転速度を増加させて浴槽水の循環量を増加させるようにすれば、浴槽水循環回路を流動する浴槽水を、熱媒循環回路を流動する熱媒にて冷却し易くなり、浴槽内の浴槽水の温度を一層迅速に低下させることが可能となる。
従って、浴槽水温度低下制御においては、浴槽水の熱が浴槽水循環回路の管路表面から大気中に放熱されることにより、循環される浴槽水の温度が低下することに加えて、浴槽水の熱が液々熱交換器にても放熱されることになり、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、液々熱交換器による放熱作用により、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
また、浴槽水温度低下制御において、熱媒循環回路を流動する熱媒の温度を検出する熱媒温度検出部にて検出される熱媒温度が設定開始温度よりも高温のときには、熱媒循環回路を流動する熱媒を、浴槽水加熱部をバイパスして流動させて、熱媒循環回路を流動する高温の熱媒により、浴槽水循環回路を流動する浴槽水が加熱されることを回避する。
【0054】
そして、熱媒温度検出部にて検出される熱媒温度が設定開始温度以下のときには、熱媒循環回路を流動する熱媒を、浴槽水加熱部を経由して流動させて、熱媒循環回路を流動する低温の熱媒により、浴槽水循環回路を流動する浴槽水を冷却する。
【0055】
つまり、浴槽水温度低下制御を開始する際に、熱媒加熱バーナが燃焼中である場合や当該熱媒加熱バーナの燃焼直後である場合等においては、熱媒循環回路を流動する熱媒の温度が高温であり、このようなときに、熱媒循環回路を流動する熱媒を、浴槽水加熱部を経由して流動させると、浴槽水循環回路を流動する浴槽水を、熱媒循環回路を流動する高温の熱媒にて加熱してしまう不都合を生じる虞があるが、熱媒温度検出部にて検出される熱媒温度が設定開始温度以下のときに、熱媒循環回路を流動する熱媒を、浴槽水加熱部を経由して流動させるようにすることにより、熱媒循環回路を流動する低温の熱媒により、浴槽水循環回路を流動する浴槽水を適切に冷却することができる。
【0056】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、熱媒循環回路を流動する低温の熱媒により、浴槽水循環回路を流動する浴槽水を適切に冷却することができる。
【0057】
本発明の入浴システムは、浴槽内の浴槽水が循環される浴槽水循環回路と、当該浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路内を流れる浴槽水を加熱する浴槽水加熱部と、追焚運転指令が指令されると、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる追焚運転制御を実行する運転制御部と、が設けられた入浴システムであって、その特徴構成は、
前記浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記異常検出部にて前記異常状態が検出されると、前記浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で前記浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行し、
熱媒が循環される熱媒循環回路と、当該熱媒循環回路を通して熱媒を循環させる熱媒循環ポンプと、前記熱媒循環回路内を流れる熱媒を加熱する熱媒加熱用熱交換器と、当該熱媒加熱用熱交換器を燃焼ガスにて加熱する熱媒加熱バーナと、当該熱媒加熱バーナに燃焼用空気を供給する熱媒用送風ファンとが設けられ、
前記浴槽水加熱部が、前記浴槽水循環回路を流動する浴槽水と前記熱媒循環回路を流動する熱媒とを熱交換する液々熱交換器であり、
前記運転制御部が、前記追焚運転制御において、前記熱媒循環ポンプ及び前記熱媒用送風ファンを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼作動させ、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒循環ポンプを作動させた状態で前記熱媒加熱バーナを燃焼停止状態に維持し、
前記熱媒循環回路を流動する熱媒の温度を検出する熱媒温度検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記熱媒温度検出部にて検出される熱媒温度が設定開始温度よりも高温のときには、前記浴槽水循環ポンプを停止させ、前記熱媒温度検出部にて検出される熱媒温度が前記設定開始温度以下のときには、前記浴槽水循環ポンプを作動させる点にある。
【0058】
すなわち、浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部にて異常状態が検出されると、運転制御部が、浴槽水加熱部の加熱作動を停止させた状態で浴槽水循環ポンプを作動させる浴槽水温度低下制御を実行することになる。
浴槽水温度低下制御が実行されると、浴槽水加熱部の加熱作動が停止された状態で、浴槽水が浴槽水循環回路を流動することにより、浴槽水の熱が浴槽水循環回路の管路表面から大気中に放熱されることにより、循環される浴槽水の温度が低下する結果、浴槽内の浴槽水の温度が低下することになる。
ちなみに、浴槽水循環ポンプを停止させた状態においては、浴槽水循環回路中に残存する湯水の温度は、浴槽内の浴槽水の温度よりもかなり低下しているものであるから、浴槽水温度低下制御が実行されると、浴槽水循環回路中に残存する低温の湯水が浴槽に流動することによっても、浴槽内の浴槽水の温度が低下することになる。
従って、浴槽内の浴槽水の温度を低下させて、浴槽内に入浴する入浴者が高温の浴槽水に入浴し続けることを回避して、浴槽内に入浴する入浴者が低温の浴槽水に入浴する状態をもたらすことができるため、入浴者の安全性を向上できる。
しかも、浴槽水温度低下制御は、新たな設備を追加することなく、追焚運転制御を実行するために本来的に装備されている構成を利用して行えるものであるから、簡素な構成にて入浴者の安全性を向上できることになる。
要するに、本発明の入浴システムの特徴構成によれば、本来構成を利用した簡素な構成にて入浴者の安全性を向上できる。
また、床暖房パネル等の熱消費端末に対して熱媒を循環させる熱媒循環回路が設けられ、熱媒循環ポンプにて熱媒を循環させた状態で、熱媒用送風ファンを作動させながら熱媒加熱バーナを燃焼させることにより、循環される熱媒を高温にして熱消費端末に対して熱を供給できる。
そして、浴槽水循環回路を流動する浴槽水と熱媒循環回路を流動する熱媒とを液々熱交換器にて熱交換することにより、浴槽水を追焚きすることができる。
つまり、追焚運転制御においては、熱媒循環ポンプ及び熱媒用送風ファンを作動させた状態で熱媒加熱バーナを燃焼作動させることにより、浴槽水を追焚きすることができる。
これに対して、浴槽水温度低下制御においては、熱媒循環ポンプを作動させた状態で熱媒加熱バーナを燃焼停止状態に維持することにより、熱媒の熱が熱媒循環回路の管路表面から大気中に放熱されること及び熱媒の熱が熱媒加熱用熱交換器にて放熱されることにより、循環される熱媒の温度が低下する結果、浴槽水循環回路を流動する浴槽水と熱媒循環回路を流動する熱媒とを液々熱交換器にて熱交換することにより、浴槽水循環回路を流動する浴槽水の温度を低下させることができる。
ちなみに、浴槽水加熱部としての液々熱交換器は、熱媒加熱バーナを燃焼停止状態にすることにより、加熱作動を停止させた状態になるが、直前まで熱媒加熱バーナが燃焼している状態においては、熱媒加熱バーナを燃焼停止状態にしても、一時的に熱媒循環回路を流動する熱媒が高温となる状態になる場合もあるが、その後、熱媒循環回路を流動する熱媒の温度は低下することになる。
尚、この場合、上述の如く、浴槽水循環ポンプの回転速度を増加させて浴槽水の循環量を増加させるようにすれば、浴槽水循環回路を流動する浴槽水を、熱媒循環回路を流動する熱媒にて冷却し易くなり、浴槽内の浴槽水の温度を一層迅速に低下させることが可能となる。
従って、浴槽水温度低下制御においては、浴槽水の熱が浴槽水循環回路の管路表面から大気中に放熱されることにより、循環される浴槽水の温度が低下することに加えて、浴槽水の熱が液々熱交換器にても放熱されることになり、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、液々熱交換器による放熱作用により、浴槽内の浴槽水の温度を迅速に低下することができる。
また、浴槽水温度低下制御において、熱媒循環回路を流動する熱媒の温度を検出する熱媒温度検出部にて検出される熱媒温度が設定開始温度よりも高温のときには、熱媒循環回路を流動する高温の熱媒により、浴槽水循環回路を流動する浴槽水が加熱されることを回避するために、浴槽水循環ポンプを停止させる。
【0059】
そして、熱媒温度検出部にて検出される熱媒温度が設定開始温度以下のときには、浴槽水循環ポンプを作動させて、熱媒循環回路を流動する低温の熱媒により、浴槽水循環回路を流動する浴槽水を冷却する。
【0060】
つまり、浴槽水温度低下制御を開始する際に、熱媒加熱バーナが燃焼中である場合や当該熱媒加熱バーナの燃焼直後である場合等においては、熱媒循環回路を流動する熱媒の温度が高温であり、このようなときに、浴槽水循環回路を流動する浴槽水を、浴槽水加熱部を通して流動させると、浴槽水循環回路を流動する浴槽水が、熱媒循環回路を流動する高温の熱媒にて加熱してしまう不都合を生じる虞があるが、熱媒温度検出部にて検出される熱媒温度が設定開始温度以下のときに、浴槽水循環ポンプを作動させることにより、熱媒循環回路を流動する低温の熱媒により、浴槽水循環回路を流動する浴槽水を適切に冷却することができる。
【0061】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、熱媒循環回路を流動する低温の熱媒により、浴槽水循環回路を流動する浴槽水を適切に冷却することができる。
【0062】
本発明の入浴システムの更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記異常状態を検出すると、当該異常状態を浴室の外部に通知する外部通知部を作動させる点を特徴とする。
【0063】
すなわち、浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部が異常状態を検出すると、外部通知部により、当該異常状態が浴室の外部に通知さされる。
【0064】
従って、浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態になると、外部通知部により、例えば台所やリビングに居る同居人等の他者に、異常状態であることが通知されることになるから、異常状態であることを知った他者によって入浴者を保護する処置を迅速に施すことができることになり、入浴者の安全性を一層向上できる。
【0065】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、入浴者の安全性を一層向上できる。
【0066】
本発明の入浴システムの更なる特徴構成は、浴室に音声通知部が設けられ、
前記運転制御部が、前記異常状態を検出すると、前記音声通知部を作動させる点を特徴とする。
【0067】
すなわち、異常検出部が異常状態を検出すると、浴室に設けられた音声通知部を作動させて、入浴者に対して異常状態であることを認識させることができる。
【0068】
従って、浴槽に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態になると、浴室に設けられた音声通知部の作動により、意識を失った入浴者を起こすことや、浴槽に入浴する入浴者に対して注意を喚起することができるものとなり、入浴者の安全性を一層向上できる。
【0069】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、入浴者の安全性を一層向上できる。
本発明の入浴システムの更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記浴槽水温度低下制御において、前記浴槽水循環回路を通した浴槽水の循環量を前記追焚運転制御よりも多くするように前記浴槽水循環ポンプを作動させる点にある。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】入浴システムの全体構成を示す概略図である。
【
図2】浴槽水温度低下処理のフローチャートである。
【
図3】別実施形態の入浴システムの全体構成を示す概略図である。
【
図4】別実施形態の浴槽水温度低下処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0071】
〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(熱源設備の全体構成)
図1に示すように、熱源設備(入浴システムの一例)は、熱源機Gと、その熱源機Gの運転を制御する運転制御部Cと、その運転制御部Cに各種制御指令を指令するメインリモコンR1や浴室リモコンR2を備えている。
そして、熱源機Gが、湯水を浴槽1や給湯栓2に供給する湯水供給処理、暖房用の熱媒を床暖房パネル、浴室暖房乾燥機等の熱消費端末3に循環供給する熱媒供給処理、及び、浴槽1の浴槽水を追焚きする追焚き処理を行うように構成されている。
【0072】
つまり、運転制御部Cが、メインリモコンR1や浴室リモコンR2の指令に基づいて、熱源機Gの作動を制御して、湯水供給処理、熱媒供給処理、及び、追焚き処理を実行するように構成されている。
ちなみに、メインリモコンR1は台所の近く等に設けられ、浴室リモコンR2は浴槽1が設置された浴室Yの内部の浴槽1に隣接する壁面等に設けられる。
【0073】
図1に示すように、熱源機Gは、一般家庭用の水道管に接続された給水路4からの水を加熱して、加熱後の湯水を給湯栓2や浴槽1に供給する給湯用加熱部A、及び、熱消費端末3に循環供給する熱媒を加熱する熱媒用加熱部Bを備えている。
【0074】
そして、給湯用加熱部Aにて加熱された湯水を給湯栓2に供給する給湯路5が設けられ、当該給湯路5を流動する湯水を浴槽1に供給する湯張路6が、給湯路5から分岐する状態で設けられている。
また、熱媒用加熱部Bと熱消費端末3との間で熱媒を循環させる熱媒循環回路Jと、当該熱媒循環回路Jを通して熱媒を循環させる熱媒循環ポンプ7とが設けられている。
【0075】
(給湯用加熱部及び熱媒用加熱部の構成)
給湯用加熱部Aは、入口側に給水路4が接続され且つ出口側に給湯路5が接続される給湯用熱交換器8、当該給湯用熱交換器8を加熱する給湯バーナ9、及び、当該給湯バーナ9に燃焼用空気を供給する給湯用送風ファン10を備えて、給湯用熱交換器8を流動する湯水を給湯バーナ9の燃焼ガスにて加熱するように構成されている。
【0076】
熱媒用加熱部Bは、熱媒循環回路Jの戻り路11が入口側に接続され且つ熱媒循環回路Jの往き路12が出口側に接続される熱媒加熱用熱交換器13、当該熱媒加熱用熱交換器13を加熱する熱媒加熱バーナ14、及び、当該熱媒加熱バーナ14に燃焼用空気を供給する熱媒用送風ファン15を備えて、熱媒加熱用熱交換器13を流動する熱媒を熱媒加熱バーナ14の燃焼ガスにて加熱するように構成されている。
【0077】
給湯用加熱部Aに装備された給湯バーナ9には、都市ガス等の燃料ガスを供給する給湯側ガス供給路16が接続され、熱媒用加熱部Bに装備された熱媒加熱バーナ14には、都市ガス等の燃料ガスを供給する熱媒側ガス供給路17が接続されている。
給湯側ガス供給路16及び熱媒側ガス供給路17には、燃料ガス供給量を調整する電磁式のガス比例弁18、燃料ガスの供給を断続する断続弁19が設けられている。
尚、図示を省略するが、給湯バーナ9や熱媒加熱バーナ14の近くには、点火用のイグナイタ及び着火を検出するフレームロッドが設けられることになる。
【0078】
(一般給湯用構成)
給水路4には、給水温度を検出する給水サーミスタ20と給水量を検出する水量センサ21とが設けられ、給水路4における給水サーミスタ20及び水量センサ21よりも下流側の箇所が、給湯用熱交換器8を迂回する給水バイパス路22にて、給湯路5に接続されている。
【0079】
給湯路5と給水バイパス路22との接続箇所には、給湯用熱交換器8からの湯量と給水バイパス路22からの水量との混合比を調整するミキシング弁23が設けられ、給湯路5における給水バイパス路22の接続箇所よりも上流側には、給湯用熱交換器8から送出される湯水の温度を検出する出湯サーミスタ24が設けられ、給湯路5における給水バイパス路22の接続箇所よりも下流側には、上流側から順に、ミキシング弁23にて混合された後の湯水の温度を検出する給湯サーミスタ25、湯水の量を調整する水比例弁26、一般給湯の割込みを検出する割込み検出用水量センサ27が設けられている。
【0080】
(熱媒循環用構成)
熱媒循環回路Jの戻り路11には、膨張タンク28が介装され、戻り路11における膨張タンク28よりも下流側の箇所に、上述した熱媒循環ポンプ7が、膨張タンク28内の温水を吸引して熱媒加熱用熱交換器13に送出する形態で設けられている。
【0081】
熱媒循環回路Jの往き路12には、熱媒加熱用熱交換器13にて加熱されたのちの熱媒の温度を検出する熱媒サーミスタ29(熱媒温度検出部の一例)、及び、熱消費端末3への熱媒の供給を断続する端末用熱動弁30が設けられている。
また、往き路12における熱媒サーミスタ29よりも下流側箇所と戻り路11における膨張タンク28よりも上流側箇所とが、熱消費端末3を迂回させて熱媒を循環させるための循環バイパス路31にて接続されている。
【0082】
(追焚用構成)
往き路12における循環バイパス路31の接続箇所よりも下流側箇所と戻り路11における循環バイパス路31の接続箇所よりも上流側箇所とを接続する追焚き路32が設けられ、その追焚き路32には、浴槽1内の浴槽水を追焚するための追焚用熱交換器33と追焚用熱動弁34とが設けられている。
ちなみに、追焚用熱動弁34は、熱媒循環回路Jを流動する熱媒を、浴槽水加熱部Dを構成する追焚用熱交換器33をバイパスして流動させるバイパス状態と液々熱交換器33を経由して流動させる非バイパス状態とに切換える切換部として機能する。
【0083】
浴槽1の内部の浴槽水が循環する浴槽水循環回路Kが、浴槽1の側壁部下方側に装備された循環アダプタHに接続され且つ追焚用熱交換器33に接続される状態で設けられている。
つまり、浴槽水循環回路Kにおける浴槽水戻り路35が、循環アダプタHと追焚用熱交換器33とを接続する状態で設けられ、浴槽水循環回路Kにおける浴槽水往き路36が、追焚用熱交換器33と循環アダプタHとを接続する状態で設けられ、また、浴槽水戻り路35に、浴槽水循環回路Kを通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプ37が設けられている。
【0084】
ちなみに、追焚用熱交換器33は、浴槽水循環回路Kを流動する浴槽水と熱媒循環回路Jを流動する熱媒とを熱交換する液々熱交換器であり、且つ、浴槽水循環回路Kを流動する浴槽水を加熱する浴槽水加熱部Dに相当する。
【0085】
したがって、端末用熱動弁30を閉弁し且つ追焚用熱動弁34を開弁した状態で熱媒循環ポンプ7を作動させることにより、熱媒加熱用熱交換器13にて加熱された熱媒が、熱消費端末3を迂回した状態で追焚用熱交換器33に循環供給されることになる。
そして、その状態において、浴槽水循環ポンプ37を作動させることにより、浴槽1の内部に貯留された浴槽水を、浴槽水戻り路35及び浴槽水往き路36を通して追焚用熱交換器33に循環供給することにより、浴槽1内の浴槽水の追焚きを行えるように構成されている。
【0086】
浴槽水戻り路35には、上流側から順に、浴槽1から戻ってくる浴槽水の温度を検出する浴槽水温度検出センサ38、浴槽水戻り路35の内部の湯水の圧力を検出することによって浴槽内水位を検出する水位センサ39、水流スイッチ40、及び、上述の浴槽水循環ポンプ37が設けられている。
また、浴槽水往き路36には、追焚用熱交換器33にて加熱された浴槽水の温度を検出する浴槽往温検出センサ47が設けられている。
【0087】
(湯張用構成)
給湯路5における給水バイパス路22と割込み検出用水量センサ27との間の箇所から、給湯路5からの湯水を浴槽1に供給するための湯張路6が分岐され、その湯張路6が、浴槽水戻り路35におけるに浴槽水循環ポンプ37と追焚用熱交換器33との間に相当する箇所に接続されている。
この湯張路6には、上流側から順に、湯張路6を開閉する湯張電磁弁42と、湯張逆止弁43とが設けられている。
【0088】
また、湯張路6における湯張電磁弁42と湯張逆止弁43との間には、湯張路6に連通する空気層形成用ホッパ44が介装されている。
空気層形成用ホッパ44には、湯水を排水する排水路45と、その排水路45を開閉する電磁式の排水弁46とが設けられ、排水路45の端部が、浴槽水戻り路35における浴槽水循環ポンプ37と水流スイッチ40との間の箇所に接続されている。
尚、空気層形成用ホッパ44の構成及びその機能は周知であるので、本実施形態においては詳細な説明を省略する。
【0089】
したがって、湯張電磁弁42を開弁すると、給湯用加熱部Aにて加熱されたのち湯張路6を通して供給される湯水が、浴槽水戻り路35に供給され、浴槽水戻り路35に供給された湯水が、浴槽1の存在側と追焚用熱交換器33の存在側の両側に向けて分流する形態で通流することになる。つまり、湯張路6を通して供給される湯水が、浴槽水往き路36及び浴槽水戻り路35を通して浴槽1に供給されることになる。
【0090】
(熱源機の運転制御)
熱源機Gは、上記した機器類を装備するものであって、上述の説明から明らかな如く、湯水供給処理として、加熱した湯水を給湯栓2に供給する一般給湯処理及び加熱した湯水を浴槽1に供給する湯張処理を実行し、また、加熱した熱媒を熱消費端末3に循環供給する熱媒供給処理、及び、浴槽1の浴槽水を追焚きする追焚き処理を実行するように構成されている。
【0091】
すなわち、運転制御部Cが、メインリモコンR1や浴室リモコンR2の指令情報、及び、熱源機Gが装備したセンサ類の検出情報に基づいて、熱源機Gが装備した機器類を作動させて、一般給湯処理に対応する一般給湯運転、湯張処理に対応する自動湯張運転や足し湯運転、自動湯張運転に続いて行うキープ運転、熱媒供給処理に対応する端末加熱運転、及び、追焚き処理に対応する追焚運転を実行するように構成されている。
【0092】
ちなみに、メインリモコンR1及び浴室リモコンR2は、同様に構成されるものであり、図示は省略するが、運転の開始と停止を指令する運転スイッチ、自動湯張運転指令を指令する風呂自動スイッチ、一般給湯温度を設定する給湯温度設定スイッチ、設定湯張温度としての目標湯張温度を設定する浴槽温度設定スイッチ、浴槽内水位の設定水位としての目標水位を設定する水位設定スイッチ、浴槽1に追加で湯張り給湯する足し湯運転指令を指令する足し湯スイッチ、追焚運転指令を指令する追焚スイッチ、設定温度等の各種情報を表示する表示部、端末加熱運転の開始を指令する端末運転スイッチ、及び、湯張りが終了したこと等を報知する報知装置、等が設けられている。
【0093】
(運転制御の概要)
運転制御部Cは、運転スイッチが操作されると制御可能な状態になり、給湯栓2が開操作されると給湯栓2から湯水を給湯する一般給湯運転を実行する。
また、運転制御部Cは、風呂自動スイッチがオン操作されて自動湯張運転指令が指令されると、浴槽1内に湯を供給して目標湯張温度で目標水位の湯張を完了する自動湯張運転を実行するように構成されている。
つまり、運転制御部Cは、湯張運転指令が指令されると、浴槽1の浴槽水の温度が目標湯張温度になり且つ浴槽1の浴槽水の水位が目標水位になるように湯張する自動湯張運転を実行するように構成されている。
【0094】
また、運転制御部Cは、自動湯張運転を終了した後には、オン操作されている風呂自動スイッチがオフ操作されるまでの間は、換言すれば、自動湯張運転指令が指令されている間は、キープ運転中であるとして、設定されたキープ運転周期(例えば、10分)毎に、浴槽1内の浴槽水が目標湯張温度になり、且つ、浴槽内水位が目標水位になるように、浴槽水を追焚しかつ浴槽1に浴槽水を追加供給するキープ運転を実行するように構成されている。
【0095】
また、運転制御部Cは、キープ運転中において、追焚スイッチが操作されて追焚運転指令が指令された場合や、風呂自動スイッチのオフ操作により自動湯張運転指令が解除されて、キープ運転が停止された状態において、追焚スイッチが操作されて追焚運転指令が指令された場合には、追焚運転を実行し、また、キープ運転中や、キープ運転が停止された状態において、足し湯スイッチにより足し湯運転指令が指令されると足し湯運転を実行するように構成されている。
【0096】
以下、一般給湯運転、自動湯張運転、キープ運転、及び、追焚運転の各運転について説明を加える。
ちなみに、運転制御部Cは、これらの運転に加えて、浴槽水温度低下制御を実行するが、この浴槽水温度低下制御については、後述する。
【0097】
(一般給湯運転)
運転制御部Cは、給湯栓2が開かれて水量センサ21による検出水量が所定量以上になると、一般給湯運転を実行する。
一般給湯運転においては、給湯用加熱部Aにおける給湯用送風ファン10を駆動した後、断続弁19を開弁してイグナイタにより給湯バーナ9に点火し、給湯温度設定スイッチによる一般給湯温度、水量センサ21の検出水量、給水サーミスタ20の検出水温、出湯サーミスタ24の検出温度及び給湯サーミスタ25の検出温度に基づいて、給湯サーミスタ25の検出温度が給湯温度設定スイッチにて設定された一般給湯温度になるように、ガス比例弁18の開度及びミキシング弁23の開度を調節する処理が実行される。
そして、水量センサ21により通水が検出されなくなると、断続弁19を閉弁して給湯バーナ9の燃焼を停止し、給湯用送風ファン10を停止して、一般給湯運転が終了されることになる。
【0098】
(端末加熱運転)
運転制御部Cは、端末運転スイッチにて端末加熱運転の開始が指令されると、端末加熱運転を実行する。
端末加熱運転においては、端末用熱動弁30を開弁し且つ追焚用熱動弁34を閉弁した状態で熱媒循環ポンプ7を作動させて、熱媒循環回路Jを通して熱媒を循環させ、それに併せて、熱媒用加熱部Bにおける熱媒用送風ファン15を駆動した後、断続弁19を開弁してイグナイタにより熱媒加熱バーナ14に点火し、熱媒サーミスタ29の検出温度が目標循環温度(例えば70℃)になるように、ガス比例弁18の開度を調節する処理が実行される。
【0099】
(判定処理)
運転制御部Cは、自動湯張運転、キープ運転、及び、足し湯運転を実行する際には、次に述べる判定処理を実行して、水流スイッチ40のオンオフ情報及び水位センサ39の検出水位に基づいて、浴槽内水位を検出し、また、水流スイッチ40のオンオフ情報及び浴槽水温度検出センサ38の検出温度に基づいて浴槽1内の浴槽水の温度を検出するように構成されている。
【0100】
すなわち、判定処理においては、循環判定用設定時間の間、排水弁46を閉弁した状態で浴槽水循環ポンプ37を作動させて、その浴槽水循環ポンプ37の作動中において、水流スイッチ40や浴槽水温度検出センサ38の検出情報を読み込んで、浴槽水の存否を確認し、且つ、浴槽水が存在する場合において浴槽水の温度を検出する。
また、水流スイッチ40が水流を検出することを条件として、浴槽水循環ポンプ37を停止させた後、待機用設定時間が経過すると、水位センサ39の検出情報を読み込んで、浴槽内水位を検出するように構成されている。
【0101】
(自動湯張運転)
運転制御部Cは、風呂自動スイッチがオン操作されると、判定処理にて判定した浴槽1の湯水の水位が目標水位よりも低いときに、自動湯張運転を実行するように構成されている。
自動湯張運転では、浴槽1に湯を注湯用設定時間に亘り供給する注湯処理と上述の判定処理を交互に実行する処理を、水位センサ39の検出水位が目標水位以上になるまで繰り返し、水位センサ39の検出水位が目標水位以上になると、浴槽水の温度が目標湯張温度になるように追焚する追焚処理を実行した後、自動湯張運転を終了する。
【0102】
運転制御部Cは、自動湯張運転における注湯処理では、湯張電磁弁42を開弁し、且つ、上述の一般給湯運転と同様に給湯用バーナ9に点火し、浴槽温度設定スイッチにて設定された目標湯張温度、水量センサ21の検出水量、給水サーミスタ20の検出水温、出湯サーミスタ24の検出温度及び給湯サーミスタ25の検出温度に基づいて、給湯サーミスタ25の検出温度が目標湯張温度になるように、ガス比例弁18の開度及びミキシング弁23の開度を調節し、そして、注湯用設定時間が経過すると、湯張電磁弁42を閉弁し、且つ、給湯バーナ9の燃焼を停止するように構成されている。
【0103】
また、運転制御部Cは、追焚処理では、端末用熱動弁30を閉弁し且つ追焚用熱動弁34を開弁した状態で熱媒循環ポンプ7及び浴槽水循環ポンプ37を作動させて、浴槽1内の湯水を浴槽水戻り路35及び浴槽水往き路36を通して循環させ、それに併せて、熱媒用加熱部Bにおける熱媒用送風ファン15を駆動した後、断続弁19を開弁してイグナイタにより熱媒加熱バーナ14を点火することになり、さらに、浴槽往温検出センサ47の検出温度が追焚用設定出湯温度(例えば60℃)になるように、ガス比例弁18の開度を調節することになる。
【0104】
そして、浴槽水温度検出センサ38の検出温度が目標湯張温度以上になると、断続弁19を閉弁させて熱媒加熱バーナ14の燃焼を停止させ、熱媒用送風ファン15を停止させて追焚処理を終了する。
【0105】
運転制御部Cは、自動湯張運転の注湯処理を終了したときに浴槽水温度検出センサ38の検出温度が目標湯張温度以上の場合は、その時点で、報知装置を作動させて自動湯張の終了を報知し、自動湯張運転を終了したときに浴槽水温度検出センサ38の検出温度が目標湯張温度よりも低くて追焚処理を実行した場合は、その追焚処理を終了した時点で、報知装置を作動させて自動湯張運転の終了を報知するように構成されている。
【0106】
(キープ運転)
運転制御部Cは、自動湯張運転を終了した後において風呂自動スイッチがオン状態になっている間のキープ運転中においては、キープ運転周期が経過する毎に、判定処理を実行して、浴槽1の湯水の温度及び浴槽1の湯水の水位を検出する。
【0107】
判定処理を実行した結果、浴槽1の湯水の水位が目標水位よりも低いときは、浴槽1の湯水の温度に拘わらず、注湯処理と判定処理を順に実行する処理を、水位センサ39の検出水位が目標水位以上になるまで繰り返し、検出水位が目標水位以上になったときに、浴槽水温度検出センサ38の検出温度が目標湯張温度よりも低い場合は、浴槽水温度検出センサ38の検出温度が目標湯張温度以上になるまで追焚処理を実行する。
【0108】
判定処理を実行した結果、浴槽1の湯水の水位が目標水位以上で且つ浴槽1の湯水の温度が目標湯張温度よりも低いときは、浴槽水温度検出センサ38の検出温度が目標湯張温度以上になるまで追焚処理を実行する。
ちなみに、判定処理を実行した結果、浴槽1の湯水の水位が目標水位以上で且つ浴槽1の湯水の温度が目標湯張温度以上のときは、当然ながら、特別な処理は実行されない。
【0109】
(追焚運転)
運転制御部Cは、追焚スイッチが操作されると、排水弁46を閉弁した状態で浴槽水循環ポンプ37を作動させ、その後、設定経過時間(例えば、10秒)経過すると、浴槽水温度検出センサ38の検出温度を読み込む。
【0110】
浴槽水温度検出センサ38の検出温度が目標湯張温度よりも低い場合は、上述した追焚処理と同様に、端末用熱動弁30を閉弁し且つ追焚用熱動弁34を開弁した状態で熱媒循環ポンプ7及び浴槽水循環ポンプ37を作動させて、浴槽1内の湯水を浴槽水戻り路35及び浴槽水往き路36を通して循環させ、それに併せて、熱媒用加熱部Bにおける熱媒用送風ファン15を駆動した後、断続弁19を開弁してイグナイタにより熱媒加熱バーナ14を点火することになり、さらには、浴槽往温検出センサ47の検出温度が追焚用設定出湯温度(例えば60℃)になるように、ガス比例弁18の開度を調節して、浴槽水を加熱する。
【0111】
そして、浴槽水温度検出センサ38の検出温度が目標湯張温度以上になると、その時点から設定追加時間(例えば、30秒)の間、浴槽水の加熱を継続した後、断続弁19を閉弁させて熱媒加熱バーナ14の燃焼を停止させ、熱媒用送風ファン15を停止させて追焚運転を終了する。
【0112】
(足し湯運転)
運転制御部Cは、足し湯スイッチが操作されて足し湯運転指令が指令されると、上述した判定処理を実行して、その判定処理にて浴槽1の湯水の水位が目標水位よりも低いと判定すると、足し湯運転を実行することになる。
足し湯運転では、注湯処理と判定処理を交互に実行する処理を、水位センサ39の検出水位が目標水位以上になるまで繰り返すように構成されている。
【0113】
(浴槽水温度低下制御)
浴槽1に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを検出する異常検出部Qが設けられ、運転制御部Cが、異常検出部Qにて異常状態が検出されると、浴槽水加熱部Dとしての追焚用熱交換器33の加熱作動を停止させた状態で浴槽水循環ポンプ37を作動させる浴槽水温度低下制御(浴槽水温度低下処理)を実行するように構成されている。
【0114】
つまり、キープ運転中やキープ運転が停止された後の設定確認時間(例えば、3時間)が経過するまでの間において、浴槽水温度低下制御(浴槽水温度低下処理)が実行されるように構成されている。
また、浴槽水加熱部Dとしての追焚用熱交換器33は、後述の如く、熱媒加熱バーナ14が燃焼停止状態に維持されることにより、加熱作動を停止させた状態となる。
【0115】
本実施形態においては、浴槽1に入浴する入浴者を検知する人感センサ48が、浴室リモコンR2に設けられ、運転制御部Cが、人感センサ48にて入浴者が検出されている状態の継続時間に相当する入浴時間と目標湯張温度(浴槽水温度)とに基づいて、浴槽1に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを判別するように構成されている。
【0116】
具体的には、例えば、浴槽水温度(目標湯張温度)が41℃で、入浴者が浴槽1に入浴する入浴時間が許容時間としての10分以上になった場合や、浴槽水温度が40℃で、入浴者が浴槽1に入浴する入浴時間が許容時間としての15分以上になった場合に、浴槽1に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態であることを判別する等、浴槽水温度(湯張温度)と当該温度に関連して設定された入浴時間に対する許容時間とにより、異常状態であることを判別するように構成されている。
【0117】
また、本実施形態においては、浴槽水温度とは無関係に、入浴者が浴槽1に入浴する入浴時間が上限時間(例えば、20分)を経過すると、異常状態であることを判別するように構成されている。
ちなみに、本実施形態では、運転制御部Cと人感センサ48とを主要部として異常検出部Qが構成されることになる。
【0118】
本実施形態では、運転制御部Cが、浴槽水温度低下制御において、浴槽水循環回路Kを通した浴槽水の循環量を追焚運転制御(追焚運転)よりも多くするように浴槽水循環ポンプ37を作動させるように構成されている。
【0119】
本実施形態では、運転制御部Cが、浴槽水温度低下制御において、浴槽水加熱部Dとしての追焚用熱交換器33の加熱作動を停止させるために、熱媒循環ポンプ7を作動させた状態で熱媒加熱バーナ14を燃焼停止状態に維持することになる。
具体的には、端末用熱動弁30を閉弁し且つ追焚用熱動弁34を開弁した状態で熱媒循環ポンプ7を作動させ、且つ、熱媒加熱バーナ14を燃焼停止状態に維持して、追焚用熱交換器33の加熱作動を停止することになる。
ちなみに、端末用熱動弁30を閉弁することにより、低温の熱媒が熱消費端末3に循環供給されることが抑制される。
【0120】
また、本実施形態では、浴槽水温度低下制御においては、熱媒用送風ファン15による空気供給量を追焚運転(追焚運転制御)よりも多くする状態で、熱媒用送風ファン15を作動させ、加えて、浴槽水温度低下制御においては、熱媒循環回路Jを通した熱媒の循環量を追焚運転(追焚運転制御)よりも多くするように熱媒循環ポンプ7を作動させるように構成されている。
【0121】
さらに、本実施形態では、運転制御部Cが、浴槽水温度低下制御において、熱媒サーミスタ29にて検出される熱媒温度が設定開始温度(例えば、35℃)よりも高温のときには、追焚用熱動弁34を閉じ、熱媒サーミスタ29にて検出される熱媒温度が設定開始温度以下のときには、追焚用熱動弁34を開くようにして、追焚用熱交換器33にて浴槽水が不必要に加熱されることを抑制するように構成されている。
ちなみに、端末用熱動弁30及び追焚用熱動弁34が閉じられた状態においては、循環バイパス路31を通して、熱媒が循環される。
【0122】
そして、浴槽水循環ポンプ37を作動させた後、浴槽水温度検出センサ38にて検出される検出温度が停止温度(例えば、37℃)以下になると、浴槽水循環ポンプ37、熱媒循環ポンプ7、熱媒用送風ファン15を停止させて、浴槽水温度低下制御を終了することになる。
【0123】
(異常状態の報知)
メインリモコンR1に、異常状態を浴室Yの外部に通知する外部通知部50が設けられている。
そして、運転制御部Cが、異常状態を検出すると、当該異常状態を浴室Yの外部に通知するために外部通知部50を作動させるように構成されている。
ちなみに、外部通知部50としては、警報音を発するように構成してもよいが、音声通知式に構成することが好適であり、このように構成した場合には、例えば、「入浴者が異常です」等、入浴者が異常であること知らせる情報を音声として、外部に報知することになる。
【0124】
また、浴室Yに音声通知部49が設けられている。本実施形態では、浴室リモコンR2に音声通知部49が装着されている。
そして、運転制御部Cが、異常状態を検出すると、音声通知部49を作動させるように構成されている。
例えば、「入浴時間が長過ぎます」「危険な入浴です」等、入浴者に対して異常であること知らせる情報を音声として報知することになる。
【0125】
(浴槽水温度低下処理の詳細)
次に、浴槽水温度低下制御(浴槽水温度低下処理)における運転制御部Cの制御作動について、
図2のフローチャートに基づいて説明を加える。
先ず、浴槽1に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態である否かを判別し(#1)、異常状態でない場合には、異常状態が検出されるまで待機する。
【0126】
#1にて異常状態であると判別すると、熱媒加熱バーナ14の燃焼中であるか否かを判別し(#2)、燃焼中の場合には、熱媒加熱バーナ14の燃焼停止処理(#3)を実行する。
【0127】
#2にて燃焼中でないと判別した場合や燃焼停止処理(#3)を実行した後は、端末用熱動弁30を閉じる処理を実行し(#4)、続いて、熱媒用送風ファン15による空気供給量を追焚運転制御(追焚運転)よりも多くするために、熱媒用送風ファン15を高速駆動し(#5)、熱媒循環回路Jを通した熱媒の循環量を追焚運転制御(追焚運転)よりも多くするために、熱媒循環ポンプ7を高速駆動する(#6)。
続いて、追焚用熱動弁7を閉じ(#7)、また、浴槽水循環ポンプ37を高速で駆動する(#8)。
【0128】
その後、熱媒サーミスタ29にて検出される熱媒温度が設定開始温度以下であるか否かを判断し(#9)、熱媒温度が設定開始温度以下でない場合には、熱媒温度が設定開始温度以下になるまで待機する。
#9にて熱媒温度が設定開始温度以下であると判別されると、熱媒循環回路Jを流動する熱媒にて浴槽水循環回路Kを流動する浴槽水を冷却するために、追焚用熱動弁7を開く(#10)。
【0129】
その後、浴槽水温度検出センサ38にて検出される浴槽水温度が停止温度以下であるか否かを判別し(#11)、浴槽水温度が停止温度以下でない場合には、浴槽水温度が停止温度以下になるまで待機する。
#11にて浴槽水温度が停止温度以下であると判別すると、浴槽水循環ポンプ37、熱媒循環ポンプ7、熱媒用送風ファン15を停止する停止処理を実行する(#12)。
【0130】
尚、
図2に示すフローチャートでは記載を省略したが、#1にて異常状態であると判別すると、異常状態を浴室Yの外部に通知するために外部通知部50が作動され、入浴者に対して異常であること知らせるために音声通知部49が作動されることになる。
【0131】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を説明するが、この別実施形態は、上記実施形態における熱媒用加熱部B及び熱媒循環回路Jが省略され、追焚熱交換器51(バーナ加熱式熱交換器の一例)が追焚用の浴槽水加熱部Dとして設けられるものである点が、上記実施形態と相違するものであり、その他の構成は上記実施形態と同様であるので、上記実施形態と同様な構成については、上記実施形態と同様な符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0132】
すなわち、
図3に示すように、浴槽水循環回路Kにおける浴槽水戻り路35及び浴槽水往き路36が、追焚熱交換器51に接続されている。
また、追焚熱交換器51を燃焼ガスにて加熱する追焚用バーナ52(浴槽水加熱バーナの一例)、及び、燃焼用空気を供給する追焚用送風ファン53(浴槽水用送風ファンの一例)が設けられている。
【0133】
そして、運転制御部Cが、上記実施形態と同様に、一般給湯運転、自動湯張運転、キープ運転、及び、追焚運転の各運転、及び、浴槽水温度低下制御(浴槽水温度低下処理)を行うことになるが、端末加熱運転は行わないことになる。
【0134】
運転制御部Cが、追焚運転(追焚運転制御)において、追焚用バーナ52に燃焼用空気を供給する浴槽水用送風ファンを作動させた状態で追焚用バーナ52を燃焼作動させ、浴槽水温度低下制御(浴槽水温度低下処理)において、追焚用送風ファン53を作動させた状態で追焚用バーナ52を燃焼停止状態に維持するように構成されている。
【0135】
また、本実施形態においては、運転制御部Cが、浴槽水温度低下制御(浴槽水温度低下処理)において、追焚用送風ファン53による空気供給量を追焚運転制御よりも多くするように追焚用送風ファン53を作動させるように構成されている。
【0136】
さらに、本実施形態においては、運転制御部Cが、浴槽水温度低下制御において、浴槽水循環回路Kを通した浴槽水の循環量を追焚運転制御(追焚運転)よりも多くするように浴槽水循環ポンプ37を作動させるように構成されている。
【0137】
そして、浴槽水循環ポンプ37を作動させた後、浴槽水温度検出センサ38にて検出される検出温度が停止温度(例えば、37℃)以下になると、浴槽水循環ポンプ37、追焚用送風ファン53を停止させて、浴槽水温度低下制御を終了することになる。
【0138】
(浴槽水温度低下処理の詳細)
次に、浴槽水温度低下制御(浴槽水温度低下処理)における運転制御部Cの制御作動について、
図4のフローチャートに基づいて説明を加える。
先ず、浴槽1に入浴する入浴者が異常となり得る異常状態である否かを判別し(#21)、異常状態でない場合には、異常状態が検出されるまで待機する。
【0139】
#21にて異常状態であると判別すると、追焚用バーナ52の燃焼中であるか否かを判別し(#22)、燃焼中の場合には、追焚用バーナ52の燃焼停止処理を実行する(#23)。
【0140】
#22にて燃焼中でないと判別した場合や追焚用バーナ52の燃焼停止処理(#23)を実行した後は、追焚用送風ファン53による空気供給量を追焚運転制御(追焚運転)よりも多くするために、追焚用送風ファン53を高速駆動し(#24)、浴槽水循環回路Kを通した浴槽水の循環量を追焚運転制御(追焚運転)よりも多くするために、浴槽水循環ポンプ37を高速で駆動する(#25)。
【0141】
その後、浴槽水温度検出センサ38にて検出される浴槽水温度が停止温度以下であるか否かを判別し(#26)、浴槽水温度が停止温度以下でない場合には、浴槽水温度が停止温度以下になるまで待機する。
#6にて浴槽水温度が停止温度以下であると判別すると、浴槽水循環ポンプ37、追焚用送風ファン53を停止する停止処理を実行する(#27)。
【0142】
尚、
図4に示すフローチャートでは記載を省略したが、#21にて異常状態であると判別すると、異常状態を浴室Yの外部に通知するために外部通知部50が作動され、入浴者に対して異常であること知らせるために音声通知部49が作動されることになる。
【0143】
〔その他の別実施形態〕
次にその他の別実施形態を説明する。
(1)上記実施形態及び別実施形態においては、運転制御部Cが、浴槽水温度低下制御において、浴槽水循環回路Kを通した浴槽水の循環量を追焚運転制御(追焚運転)よりも多くするように浴槽水循環ポンプ37を作動させる場合を例示したが、浴槽水温度低下制御において、浴槽水循環回路Kを通した浴槽水の循環量を追焚運転制御(追焚運転)と同じとなるように浴槽水循環ポンプ37を作動させる形態で実施してもよい。
【0144】
(2)上記実施形態においては、浴槽水温度低下制御において、熱媒用送風ファン15による空気供給量を追焚運転制御(追焚運転)よりも多くする状態で、熱媒用送風ファン15を作動させる場合を例示したが、浴槽水温度低下制御において、熱媒用送風ファン15による空気供給量を追焚運転制御(追焚運転)と同じとなるように熱媒用送風ファン15を作動させる形態で実施してもよく、また、浴槽水温度低下制御において、熱媒用送風ファン15を停止する形態で実施してもよい。
【0145】
(3)上記実施形態においては、浴槽水温度低下制御において、熱媒循環回路Jを通した熱媒の循環量を追焚運転制御(追焚運転)よりも多くするように熱媒循環ポンプ7を作動させる場合を例示したが、浴槽水温度低下制御において、熱媒循環回路Jを通した熱媒の循環量を追焚運転制御(追焚運転)と同じとなるように熱媒循環ポンプ7を作動させる形態で実施してもよい。
【0146】
(4)上記実施形態においては、熱媒循環回路Jを流動する熱媒を、浴槽水加熱部Dを構成する追焚用熱交換器33をバイパスして流動させるバイパス状態と焚用熱交換器33を経由して流動させる非バイパス状態とに切換えるように構成する場合を例示したが、熱媒循環回路Jを流動する熱媒を、常に、焚用熱交換器33を経由して流動させる形態で実施してもよい。
【0147】
この場合には、運転制御部Cが、浴槽水温度低下制御において、熱媒サーミスタ29にて検出される熱媒温度が設定開始温度(例えば、35℃)よりも高温のときには、浴槽水循環ポンプ37を停止させ、熱媒サーミスタ29にて検出される熱媒温度が設定開始温度以下のときには、浴槽水循環ポンプ37を作動させるように構成して、浴槽水加熱部Dとしての追焚用熱交換器33にて浴槽水が不必要に加熱されることを抑制することになる。
【0148】
(5)上記別実施形態では、追焚用バーナ52にて加熱される追焚熱交換器51と給湯バーナ9にて加熱される給湯用熱交換器8とを別個に設ける形態を例示したが、追焚熱交換器51と給湯用熱交換器8が、一つのフィンチューブ式の熱交換器として一体に形成されて、共通の加熱バーナの燃焼ガスにて加熱される形態で実施してもよい。
【0149】
(6)上記実施形態及び別実施形態においては、湯張り路6に空気層形成用ホッパ44を設けて、湯張りしないときに、湯張り路6と浴槽水循環回路Kとの接続状態を大気開放状態とする場合を例示したが、空気層形成用ホッパ44に代えて、大気開放弁を設ける形態で実施してもよい。
【0150】
(7)上記実施形態及び別実施形態においては、人感センサ48にて浴槽1に入浴する入浴者を検出するようにしたが、水位センサ39が湯張りをしないのに水位の上昇を検出することによって、浴槽1に入浴する入浴者を検出するようにする、浴槽1の重量を検出するセンサが湯張りをしないのに重量の上昇を検出することによって、浴槽1に入浴する入浴者を検出するようにする等、浴槽1に入浴する入浴者を検出する構成は、各種変更できる。
【0151】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0152】
1 浴槽
7 熱媒循環ポンプ
13 熱媒加熱用熱交換器
14 熱媒加熱バーナ
15 熱媒用送風ファン
29 熱媒温度検出部
33 液々熱交換器
34 切換部
37 浴槽水循環ポンプ
49 音声通知部
50 外部通知部
51 バーナ加熱式熱交換器
52 浴槽水加熱バーナ
53 浴槽水用送風ファン
C 運転制御部
D 浴槽水加熱部
J 熱媒循環回路
K 浴槽水循環回路
Q 異常検出部
Y 浴室