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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】光測定装置およびロボット
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20240405BHJP
   G21F 7/06 20060101ALI20240405BHJP
   G21F 3/00 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G21F7/06 M
G21F3/00 L
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020129330
(22)【出願日】2020-07-30
(65)【公開番号】P2022026051
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 弘義
(72)【発明者】
【氏名】藤田 淳
(72)【発明者】
【氏名】松原 和輝
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-219258(JP,A)
【文献】特開2008-076370(JP,A)
【文献】特開平04-188098(JP,A)
【文献】特開2017-228195(JP,A)
【文献】特開2018-013370(JP,A)
【文献】特表平08-509924(JP,A)
【文献】特開2021-177137(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0151264(US,A1)
【文献】特開2018-180257(JP,A)
【文献】特開2015-152548(JP,A)
【文献】国際公開第2016/117060(WO,A1)
【文献】特開昭61-088197(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1936928(KR,B1)
【文献】特開2001-141429(JP,A)
【文献】特開平06-300532(JP,A)
【文献】特開2002-181511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48- 7/51
G01S17/00-17/95
G01C 3/06- 3/08
G01B11/00-11/30
G21F 1/00- 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を有する光測定器と、
前記光測定器を載置する載置部と、
放射線を遮蔽するもので前記光測定器を載置する領域を覆うように前記載置部から筒状に立ち上がり当該筒状の上部が閉塞して構成され、前記筒状の周方向に開口部を有する遮蔽体と、
第一反射体および第二反射体からなる反射体と、
を備え
前記第一反射体は、前記遮蔽体の内部において前記光測定器を周方向で囲むように形成され、自身の反射面が前記光測定器の前記光源に向くと共に前記第二反射体の反射面に向くように傾斜して設けられ、
前記第二反射体は、前記遮蔽体の内部において前記開口部の内側で周方向に沿って形成され、前記第一反射体で反射した前記光源からの光を前記開口部を介して前記遮蔽体の外部に照射し、かつ前記光測定器が照射した光が散乱した光を前記開口部を介して前記第一反射体に照射するように、自身の反射面が前記開口部を介して前記遮蔽体の外側に向くと共に前記第一反射体の反射面に向くように傾斜して設けられる、
光測定装置。
【請求項2】
前記第一反射体は、前記反射面が逆円錐状に形成され、
前記第二反射体は、前記反射面が円錐状に形成される、
請求項1に記載の光測定装置。
【請求項3】
光源を周方向に移動可能にする光測定器と、
前記光測定器を載置する載置部と、
放射線を遮蔽するもので前記光測定器を載置する領域を覆うように前記載置部から筒状に立ち上がり当該筒状の上部が閉塞して構成され、前記筒状の周方向に連続または断続して開口部を有する遮蔽体と、
第一反射体および第二反射体からなる反射体と、
を備え
前記第一反射体は、前記遮蔽体の内部において前記光測定器を周方向で連続して囲むように環状に形成され、環状の自身の反射面が前記光測定器の前記光源に向くと共に前記第二反射体の反射面に向くように傾斜して逆円錐状に形成され、
前記第二反射体は、前記遮蔽体の内部において前記開口部の内側で周方向に連続して環状に形成され、前記第一反射体で反射した前記光源からの光を前記開口部を介して前記遮蔽体の外部に照射し、かつ前記光測定器が照射した光が散乱した光を前記開口部を介して前記第一反射体に照射するように、環状の自身の反射面が前記開口部を介して前記遮蔽体の外側に向くと共に前記第一反射体の反射面に向くように傾斜して円錐状に形成される、
光測定装置。
【請求項4】
前記放射線は、γ線である、請求項1から3のいずれか1項に記載の光測定装置。
【請求項5】
前記反射体は、鏡である、請求項1から4のいずれか1項に記載の光測定装置。
【請求項6】
前記載置部に載置された前記光測定器と前記反射体との相対位置である位置情報を取得し、前記光測定器が検出した光から取得された座標情報を前記位置情報に基づき補正する補正制御部を有する、請求項1からのいずれか1項に記載の光測定装置。
【請求項7】
前記光測定器は、前記光源がレーザからなる、請求項1から6のいずれか1項に記載の光測定装置。
【請求項8】
請求項からのいずれか1項に記載の光測定装置を備える、ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光測定器支持装置、光測定装置およびロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の放射線画像撮像装置は、光電変換撮像素子が放射線に暴露されることでの損傷を防ぎ、かつカメラ装置の交換による不経済の問題を解決することを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2006/049183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1は、放射線を利用した画像撮像装置であるが、作業を行う環境が放射線環境下である場合も電子機器が放射線により損傷することを防止することが望まれている。具体的には、対象物の位置を光により測定する場合、投受光部が電子機器で構成されていることから、当該電子機器を放射線から保護しつつ、測定を行うことが望まれている。
【0005】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、電子機器を放射線から保護しつつ測定を行うことのできる、光測定器支持装置、光測定装置およびロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る光測定器支持装置は、光測定器を載置する載置部と、放射線を遮蔽する遮蔽体と、前記載置部に載置された前記光測定器が照射しかつ検出する光を前記遮蔽体を避けて反射により導く反射体と、を備える。
【0007】
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る光測定装置は、光により測定を行う光測定器と、当該光測定器を支持する上述した光測定器支持装置と、を備える。
【0008】
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係るロボットは、上述した光測定装置を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、光測定器の電子機器を放射線から保護しつつ測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態1の光測定器支持装置および光測定装置を示す概略図である。
図2図2は、実施形態1の光測定器支持装置の機能を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態1の光測定器支持装置の動作を示すフローチャートである。
図4図4は、実施形態1のロボットを示す概略図である。
図5図5は、実施形態1のロボットの他の形態を示す概略図である。
図6図6は、実施形態2の光測定器支持装置および光測定装置を示す概略図である。
図7図7は、実施形態3の光測定器支持装置および光測定装置を示す概略図である。
図8図8は、図7に示す光測定器支持装置の機能を示すブロック図である。
図9図9は、図7に示す光測定器支持装置の動作を示すフローチャートである。
図10図10は、実施形態4の光測定器支持装置および光測定装置を示す概略図である。
図11図11は、図10に示す光測定器支持装置の機能を示すブロック図である。
図12図12は、図10に示す光測定器支持装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
[実施形態1]
図1は、実施形態1の光測定器支持装置および光測定装置を示す概略図である。
【0013】
図1に示す光測定器支持装置1は、放射線環境下で光Lにより測定を行う光測定器100を支持するものである。放射線環境とは、実施形態では、主にγ線が放射されている環境をいう。また、光測定器100は、光Lを照射し、この光Lが対象物Pに当たった散乱光を検出することで対象物Pまでの距離や形状などを測定する。例えば、光測定器100は、ライダー(LIDAR:Light Detection And Ranging)である。本実施形態において、光測定器100が照射する光Lの光源は、レーザが好ましい。レーザの他の光源として、可視光や、赤外線や、紫外線を照射するものであってもよく、測定する対象物Pにより選択する。なお、図1に示す実施形態の光測定器100は、円柱形状に形成された本体に対して複数の光源を周方向に並べて配置した構成、または、円柱形状に形成された本体に対して1つの光源を周方向に移動可能に配置した構成とされている。
【0014】
光測定器支持装置1は、載置部2と、遮蔽体3と、反射体4と、を有する。
【0015】
載置部2は、上記光測定器100を載置する部分であり、光測定器100が動かないように固定する部分である。載置部2は、光測定器100の底部を支持する板状に形成されている。載置部2は、光測定器100の底部を嵌合する凹部を有していてもよい。載置部2は、光測定器100をネジなどにより固定してもよい。載置部2は、光測定器100の着脱を可能に設けられている。
【0016】
遮蔽体3は、光測定器100を載置する載置部2の少なくとも一部を放射線から遮蔽または低減する。遮蔽体3は、光測定器100を載置する領域Aを覆うように、載置部2に設けられている。遮蔽体3は、板状の載置部2から筒状に立ち上がり、筒状の上部が閉塞して構成されている。遮蔽体3は、光測定器100を領域Aから出し入れをできるように載置部2から着脱可能に設けられている。または、遮蔽体3は、筒状の上部が閉塞した部分は、光測定器100の領域Aからの出し入れをできるように筒状の部分から着脱可能に設けられている。遮蔽体3は、載置部2と共に容器を形成し、この容器の内部が光測定器100を載置する領域Aとなる。遮蔽体3と載置部2は、光測定器100を収容するケースとして構成される。遮蔽体3と載置部2は、放射線を透過しない、または放射線の透過を抑える部材からなる。部材としては、例えば、鉛などの金属、コンクリート、水が内部に貯められた壁体などがある。このように、遮蔽体3は、光測定器100を載置する載置部2の周りを覆って放射線を遮蔽または低減する。
【0017】
また、遮蔽体3は、開口部5を有する。開口部5は、載置部2に載置される光測定器100に対し、載置部2の周りを囲んだ外側から直線方向において光測定器100を見ることができない位置に形成されている。従って、開口部5は、載置部2に載置される光測定器100に放射線が照射されないように開口し、光測定器100を載置する領域Aの内外に通じて形成されている。開口部5は、筒状の遮蔽体3の周方向に連続または断続して設けられている。
【0018】
反射体4は、この実施形態では、光測定器100を載置する領域Aの内部に設けられている。反射体4は、図1に破線で示すように、載置部2に載置された光測定器100が照射した光Lを遮蔽体3を避けて開口部5から領域Aの外部に反射して導く。また、反射体4は、対象物Pで散乱した光Lを載置部2に載置された光測定器100が検出できるように、検出する光Lを遮蔽体3を避けて開口部5から領域Aの内部に反射して導く。
【0019】
反射体4は、光Lを反射させるもので、鏡であることが好ましい。反射体4は、本実施形態では複数(2つ)設けられている。1つの反射体4Aは、光測定器100を周方向で連続して囲むように環状に形成されている。反射体4Aは、光測定器100の図示しない光源からの光Lの照射方向および検出する光Lの照射方向に対して反射面4Aaを傾斜させて形成されている。本実施形態では、反射体4Aは、光測定器100を周方向で囲む環状の反射面4Aaが、光測定器100に向くと共に開口部5のある上方に向くように傾斜して、逆円錐状(すり鉢状)に形成されている。もう1つの反射体4Bは、反射体4Aの上方であって開口部5の内側(領域Aの内部)に設けられ、周方向に連続して囲むように環状に形成されている。反射体4Bは、反射体4Aで反射した光Lを開口部5を介して領域Aの外部に照射するように、かつ光測定器100が照射した光Lが散乱した光Lを開口部5を介して領域Aの内部の反射体4Aに照射するように、反射面4Baを傾斜させて形成されている。本実施形態では、反射体4Bは、開口部5の内側において環状の反射面4Baが、開口部5を介して領域Aの外側に向くと共に反射体4Aのある下方に向くように傾斜して、円錐状に形成されている。このように、反射体4は、複数の反射体4A,4Bにより、光測定器100の光Lを複数回屈折させて遮蔽体3を避けて導く。
【0020】
図2は、実施形態1の光測定器支持装置1の機能を示すブロック図である。
【0021】
図2に示すように、光測定器支持装置1は、補正制御部を構成する制御部6と、記憶部7と、出力部8と、を有する。制御部6は、例えば、コンピュータであり、図には明示しないが、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを含む演算処理装置などにより実現される。制御部6は、載置部2に載置された光測定器100が検出した光Lから対象物Pの座標情報を取得する。記憶部7は、制御部6が取得する各種情報が記憶される。記憶部7は、載置部2に載置された光測定器100と反射体4との相対位置である位置情報が記憶される。よって、制御部6は、記憶部7から位置情報を取得する。出力部8は、制御部6で処理された処理情報を出力する。出力部8は、例えば、図には明示しない制御装置に接続されている。制御装置は、例えば、コンピュータであり、後述するロボット60,70を制御する。本実施形態の光測定器支持装置1では、制御部6は、載置部2に載置された光測定器100と反射体4との相対位置である位置情報を取得し、光測定器100が検出した光Lから取得された座標情報を位置情報に基づき補正し、出力部8により出力する補正制御部を構成する。
【0022】
図3は、実施形態1の光測定器支持装置の動作を示すフローチャートである。
【0023】
図3に示すように、制御部(補正制御部)6は、載置部2に載置された光測定器100が検出した光Lから対象物Pの座標情報を取得する(ステップS1)。次に、制御部6は、記憶部7から位置情報を取得する(ステップS2)。次に、制御部6は、座標情報を位置情報に基づき補正する(ステップS3)。次に、制御部6は、補正した座標情報を出力部8により出力する(ステップS4)。
【0024】
このような、光測定器100を載置する構成が光測定器支持装置1であり、この光測定器支持装置1に光測定器100が載置された構成が光測定装置50である。
【0025】
図4は、実施形態1のロボットを示す概略図である。図5は、実施形態1のロボットの他の形態を示す概略図である。
【0026】
上述した光測定器支持装置1および光測定装置50は、図4に示すロボット60や、図5に示すロボット70に用いることができる。
【0027】
図4に示すロボット60は、基部61にマニピュレータ62が取り付けられたものである。光測定器支持装置1および光測定装置50は、基部61に取り付けられる。光測定装置50は、マニピュレータ62が掴む対象物Pまでの距離や対象物Pの形状を測定する。ロボット60は、この光測定装置50からの座標情報に基づいて対象物Pを掴んだり運んだりすることができる。また、光測定装置50は、マニピュレータ62が作業を行う際に邪魔になる障害物である対象物Pまでの距離や対象物Pの形状を測定する。ロボット60は、この光測定装置50からの座標情報に基づいて障害物である対象物Pを避けて作業を行うことができる。
【0028】
図5に示すロボット70は、基部71に走行装置72が取り付けられたものである。光測定器支持装置1および光測定装置50は、基部71に取り付けられる。光測定装置50は、ロボット70が走行する目的の対象物Pまでの距離や対象物Pの形状を測定する。ロボット70は、この光測定装置50からの座標情報に基づいて対象物Pまで走行することができる。また、光測定装置50は、ロボット70が走行する際に邪魔になる障害物である対象物Pまでの距離や対象物Pの形状を測定する。ロボット70は、この光測定装置50からの座標情報に基づいて障害物である対象物Pを避けて走行することができる。
【0029】
このように、実施形態1の光測定器支持装置1は、光測定器100を載置する載置部2と、放射線を遮蔽する遮蔽体3と、載置部2に載置された光測定器100が照射しかつ検出する光Lを遮蔽体3を避けて反射により導く反射体4と、を備える。
【0030】
この光測定器支持装置1は、載置部2に載置した光測定器100に対して遮蔽体3により放射線を遮蔽し、光測定器100への放射線の影響を防ぐ。また、この光測定器支持装置1は、反射体4により、光測定器100が照射したり検出したりする光Lを遮蔽体3を避けて導くため、光測定器100による計測動作を可能とする。この結果、光測定器支持装置1によれば、光測定器100の電子機器を放射線から保護しつつ測定を行うことができる。
【0031】
また、実施形態1の光測定器支持装置1では、放射線は、γ線である。従って、この光測定器支持装置1によれば、載置部2に載置した光測定器100に対して遮蔽体3でγ線を遮蔽し、光測定器100の電子機器をγ線から保護できる。
【0032】
また、実施形態1の光測定器支持装置1では、反射体4は、鏡である。従って、この光測定器支持装置1によれば、放射線を反射させることなく、光測定器100の光Lを反射させることで、光測定器100の電子機器を放射線から保護しつつ測定を行うことができる。
【0033】
また、実施形態1の光測定器支持装置1では、反射体4を複数有する。従って、この光測定器支持装置1によれば、光測定器100の光Lを複数回の屈折により遮蔽体3を避けつつ、遮蔽体3による放射線の遮蔽効果を確保できる。
【0034】
また、実施形態1の光測定器支持装置1では、載置部2に載置された光測定器100と反射体4との相対位置である位置情報を取得し、光測定器100が検出した光Lから取得された座標情報を位置情報に基づき補正する制御部(補正制御部)6を有する。従って、この光測定器支持装置1によれば、反射体4による光Lの屈折に伴う座標のずれを補正し、正確な測定を実現できる。
【0035】
また、実施形態1の光測定器支持装置1では、遮蔽体3は、載置部2の周りを覆った一部に開口部5を有し、反射体4は、開口部5を介して光測定器100が照射しかつ検出する光Lを遮蔽体3を避けて反射により導く。従って、この光測定器支持装置1によれば、遮蔽体3で載置部2の周りを覆い、その一部に開口部5を設けて、開口部5を介して反射体4により光Lを導くため、光測定器100の電子機器をあらゆる方向において放射線から保護しつつ測定を行うことができる。
【0036】
また、実施形態1の光測定器支持装置1では、反射体4は、反射面4Aa,4Baが円錐状または逆円錐状に形成されている。従って、この光測定器支持装置1によれば、光測定器100を中央に置いて周方向に光Lを導くため、周方向で測定を行うことができる。
【0037】
また、実施形態1の光測定装置50は、光Lにより測定を行う光測定器100と、光測定器100を支持する上述した光測定器支持装置1と、を備える。
【0038】
この光測定装置50によれば、載置部2に載置した光測定器100に対して遮蔽体3により放射線を遮蔽し、放射線環境下において光測定器100への放射線の影響を防ぐ。この光測定装置50によれば、反射体4により、光測定器100が照射したり検出したりする光Lを遮蔽体3を避けて導くため、光測定器100による計測動作を可能とする。この結果、本実施形態の光測定装置50によれば、光測定器100の電子機器を放射線から保護しつつ測定を行うことができる。
【0039】
また、実施形態1の光測定装置50では、光測定器100は、光源を複数有する。従って、この光測定装置50によれば、広範囲にわたって測定を実施できる。
【0040】
また、実施形態1の光測定装置50では、光測定器100は、光源がレーザからなる。従って、この光測定装置50によれば、レーザ光による測定により、高精度な測定を実施できる。
【0041】
また、実施形態1のロボット60,70は、上述した光測定装置50を備える。
【0042】
このロボット60,70によれば、放射線環境下において、作業対象となる対象物Pや、障害物となる対象物Pを測定しつつ、作業を実施できる。
【0043】
[実施形態2]
図6は、実施形態2の光測定器支持装置および光測定装置を示す概略図である。
【0044】
図6に示す光測定器支持装置101は、放射線(γ線)環境下で光Lにより測定を行う光測定器100を支持するものである。光測定器100については実施形態1で説明したとおりである。
【0045】
光測定器支持装置101は、載置部12と、遮蔽体13と、反射体14と、を有する。
【0046】
載置部12は、上記光測定器100を載置する部分であり、実施形態1で説明した載置部2に相当する。
【0047】
遮蔽体13は、実施形態1で説明した遮蔽体3に相当し、光測定器100を載置する載置部2の少なくとも一部を放射線から遮蔽または低減する。遮蔽体13は、載置部12に設けられている。遮蔽体13は、載置部12と一体に構成され、載置部12から板状をなして立ち上がって構成されている。遮蔽体13と載置部12は、放射線を透過しない、または放射線の透過を抑える部材からなる。部材としては、例えば、鉛などの金属、コンクリート、水が内部に貯められた壁体などがある。このように、遮蔽体13は、載置部12に載置される一部において放射線を遮蔽または低減する。
【0048】
反射体14は、実施形態1で説明した反射体4に相当し、この実施形態では、載置部12に載置される光測定器100と遮蔽体13との間から外れた位置で載置部12に設けられている。反射体14は、図6に破線で示すように、載置部12に載置された光測定器100が照射した光Lを遮蔽体13を避けて反射して導く。また、反射体14は、対象物Pで拡散した光Lを載置部12に載置された光測定器100が検出できるように、検出する光Lを遮蔽体13を避けて反射して導く。反射体14は、光Lを反射させるもので、鏡であることが好ましい。反射体14は、本実施形態では図6中1つであるが複数設けられていてもよい。
【0049】
このような、光測定器100を載置する構成が光測定器支持装置101であり、この光測定器支持装置101に光測定器100が載置された構成が光測定装置150である。
【0050】
このように、実施形態2の光測定器支持装置101は、光測定器100を載置する載置部12と、載置部12の少なくとも一部で放射線を遮蔽する遮蔽体13と、載置部12に載置された光測定器100が照射しかつ検出する光Lを遮蔽体3を避けて反射により導く反射体14と、を備える。
【0051】
この光測定器支持装置101は、載置部12に載置した光測定器100に対して遮蔽体13により放射線を遮蔽し、光測定器100への放射線の影響を防ぐ。また、この光測定器支持装置101は、反射体14により、光測定器100が照射したり検出したりする光Lを遮蔽体13を避けて導くため、光測定器100による計測動作を可能とする。この結果、光測定器支持装置101によれば、光測定器100の電子機器を放射線から保護しつつ測定を行うことができる。
【0052】
その他、実施形態2の光測定器支持装置101は、実施形態1と同様の構成により、同様の効果が得られる。
【0053】
また、実施形態2の光測定装置150は、光Lにより測定を行う光測定器100と、光測定器100を支持する上述した光測定器支持装置101と、を備える。従って、この光測定装置150によれば、光測定器100の電子機器を放射線から保護しつつ測定を行うことができる。
【0054】
また、実施形態2の光測定装置150は、実施形態1で説明したロボット60,70に適用できる。従って、このロボット60,70によれば、放射線環境下において、作業対象となる対象物Pや、障害物となる対象物Pを測定しつつ、作業を実施できる。
【0055】
[実施形態3]
図7は、実施形態3の光測定器支持装置および光測定装置を示す概略図である。
【0056】
図7に示す光測定器支持装置201は、放射線(γ線)環境下で光Lにより測定を行う光測定器100を支持するものである。光測定器100については実施形態1で説明したとおりである。また、図7に示す光測定器支持装置201は、実施形態2で説明した光測定器支持装置101に対し、反射体24の構成が異なり、それ以外は同等の構成である。従って、実施形態3の説明において、実施形態2と同等の構成および作用効果については同一の符号を付して説明を省略する。
【0057】
反射体24は、実施形態2で説明した反射体14に相当し、載置部12に載置される光測定器100と遮蔽体13との間から外れた位置で載置部12に設けられている。反射体24は、図7に破線で示すように、載置部12に載置された光測定器100が照射した光Lを遮蔽体13を避けて反射して導く。また、反射体24は、対象物Pで拡散した光Lを載置部12に載置された光測定器100が検出できるように、検出する光Lを遮蔽体13を避けて反射して導く。反射体24は、光Lを反射させるもので、鏡であることが好ましい。反射体24は、本実施形態では図7中1つであるが複数設けられていてもよい。
【0058】
本実施形態の光測定器支持装置201は、反射体24の反射面24aの位置を変更する反射体可動部9を有する。反射体可動部9は、例えば、多軸の関節部を有するマニピュレータを適用できる。
【0059】
図8は、図7に示す光測定器支持装置の機能を示すブロック図である。
【0060】
図8に示すように、光測定器支持装置201は、実施形態1で説明した補正制御部を構成する共に、反射体可動制御部を構成する制御部16と、記憶部7と、出力部8と、を有する。制御部16は、例えば、コンピュータであり、図には明示しないが、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを含む演算処理装置などにより実現される。補正制御部については、実施形態1と同様であり説明を省略する。制御部16は、載置部12に載置された光測定器100が検出した光Lから対象物Pの座標情報を取得する。制御部16は、例えば取得した座標情報から、図7に示すように、光Lの照射範囲外にも対象物Pが連続してあり得る場合、対象物Pの他の位置の座標情報を取得するため、反射体可動部9を制御し、反射体24の反射面24aの位置を変更する。従って、本実施形態の光測定器支持装置201では、制御部16は、光測定器100から取得した座標情報に基づき反射体可動部9を制御する反射体可動制御部を構成する。
【0061】
図9は、図7に示す光測定器支持装置の動作を示すフローチャートである。図9において、ステップS11からステップS14については、実施形態1で説明した図3のフローチャートのステップS1からステップS4と同様であり、説明を省略する。そして、図9に示すように、ステップS14の後、制御部16は、対象物Pの他の位置の座標情報を取得するため、追加座標が必要の場合(ステップS15:Yes)、反射体可動部9を制御して反射体24の反射面24aの位置を変更し(ステップS16)、再びステップS11からステップS14の制御を行う。また、ステップS15において、追加座標が必要でない場合(ステップS15:No)は、本制御を終了する。
【0062】
このような、光測定器100を載置する構成が光測定器支持装置201であり、この光測定器支持装置201に光測定器100が載置された構成が光測定装置250である。
【0063】
このように、実施形態3の光測定器支持装置201は、反射体24の反射面24aの位置を変更する反射体可動部9と、光測定器100から取得した座標情報に基づき反射体可動部9を制御する制御部(反射体可動制御部)16と、を有する。
【0064】
この光測定器支持装置201によれば、必要に応じて反射体24の反射面24aの位置を変更することで、測定範囲を拡張できる。
【0065】
その他、実施形態3の光測定器支持装置201は、実施形態1-2と同様の構成により、同様の効果が得られる。
【0066】
また、実施形態3の光測定装置250は、光Lにより測定を行う光測定器100と、光測定器100を支持する上述した光測定器支持装置201と、を備える。従って、この光測定装置250によれば、光測定器100の電子機器を放射線から保護しつつ測定を行うことができ、かつ測定範囲を拡張できる。
【0067】
また、実施形態3の光測定装置250は、実施形態1で説明したロボット60,70に適用できる。従って、このロボット60,70によれば、放射線環境下において、作業対象となる対象物Pや、障害物となる対象物Pを測定しつつ、作業を実施でき、かつ測定範囲を拡張できる。
【0068】
[実施形態4]
図10は、実施形態4の光測定器支持装置および光測定装置を示す概略図である。
【0069】
図10に示す光測定器支持装置301は、放射線(γ線)環境下で光Lにより測定を行う光測定器100を支持するものである。光測定器100については実施形態1で説明したとおりである。また、図10に示す光測定器支持装置301は、実施形態3で説明した光測定器支持装置201に対し、遮蔽体33の構成が異なり、それ以外は同等の構成である。従って、実施形態4の説明において、実施形態2,3と同等の構成および作用効果については同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
遮蔽体33は、実施形態2で説明した遮蔽体13に相当し、光測定器100を載置する載置部12の少なくとも一部を放射線から遮蔽または低減する。遮蔽体33は、載置部12に設けられている。遮蔽体33は、載置部12から板状をなして立ち上がって構成されている。遮蔽体33と載置部12は、放射線を透過しない、または放射線の透過を抑える部材からなる。部材としては、例えば、鉛などの金属、コンクリート、水が内部に貯められた壁体などがある。このように、遮蔽体33は、載置部12に載置される一部において放射線を遮蔽または低減する。
【0071】
本実施形態の光測定器支持装置301は、遮蔽体33の位置を変更する遮蔽体可動部10を有する。遮蔽体可動部10は、例えば、載置部12に設けられたレールに沿って遮蔽体33に固定されたスライダを移動させる駆動部により構成できる。
【0072】
図11は、図10に示す光測定器支持装置の機能を示すブロック図である。
【0073】
図11に示すように、光測定器支持装置301は、実施形態1で説明した補正制御部と、実施形態3で説明した反射体可動制御部を構成する共に、遮蔽体可動制御部を構成する制御部26と、記憶部7と、出力部8と、放射線検出部11と、を有する。制御部26は、例えば、コンピュータであり、図には明示しないが、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを含む演算処理装置などにより実現される。補正制御部については、実施形態1と同様であり説明を省略する。また、反射体可動制御部についても、実施形態3と同様であり説明を省略する。放射線検出部11は、載置部12の周囲のγ線の放射線量を検出するもので、載置部12の周囲において放射線量の高い方向を検出する。制御部26は、放射線検出部11により検出された放射線量の高い方向に基づき、この方向において、載置部12に載置された光測定器100の間に遮蔽体33が配置されるように、遮蔽体可動部10を制御して遮蔽体33の位置を変更する。従って、本実施形態の光測定器支持装置301では、制御部26は、放射線検出部11から取得した放射線情報に基づき遮蔽体可動部10を制御する遮蔽体可動制御部を構成する。
【0074】
図12は、図10に示す光測定器支持装置の動作を示すフローチャートである。図12において、ステップS26からステップS31は、実施形態3で説明した図9のステップS11からステップS16と同様であり、説明を省略する。図12に示すように、制御部26は、放射線検出部11から放射線情報を取得(ステップS21)する。制御部26は、この放射線情報に基づいて、遮蔽体33の移動が必要である場合(ステップS22:Yes)、即ち、放射線量の高い方向に対して載置部12に載置された光測定器100の間に遮蔽体33が配置されていない場合は、遮蔽体可動部10を制御して遮蔽体33の位置を変更し(ステップS23)、放射線量の高い方向に対して光測定器100の間に遮蔽体33を配置する。一方、ステップS22において、遮蔽体33の移動が必要でない場合(ステップS22:No)は、ステップS26に進む。また、ステップS23の後、制御部26は、反射体24の移動が必要である場合(ステップS24:Yes)、即ち、遮蔽体33の位置変更に伴って遮蔽体33を避けて光Lを導けない場合は、反射体可動部9を制御して反射体24の反射面24aの位置を変更する(ステップS25)。ステップS25の後は、ステップS26に進む。一方、ステップS24において、反射体24の移動が必要でない場合(ステップS24:No)は、ステップS26に進む。その後は、ステップS26からステップS31(実施形態3で説明した図9のステップS11からステップS16)の制御を行う。
【0075】
このような、光測定器100を載置する構成が光測定器支持装置301であり、この光測定器支持装置301に光測定器100が載置された構成が光測定装置350である。
【0076】
このように、実施形態4の光測定器支持装置301は、遮蔽体33の位置を変更する遮蔽体可動部10と、放射線を検出する放射線検出部11と、放射線検出部11から取得した放射線情報に基づき遮蔽体可動部10を制御する制御部(遮蔽体可動制御部)26と、を有する。
【0077】
この光測定器支持装置301によれば、必要に応じて遮蔽体33の位置を変更することで、放射線の遮蔽を行い、光測定器100の電子機器を放射線から保護できる。
【0078】
その他、実施形態4の光測定器支持装置301は、実施形態1-3と同様の構成により、同様の効果が得られる。
【0079】
また、実施形態4の光測定装置350は、光Lにより測定を行う光測定器100と、光測定器100を支持する上述した光測定器支持装置301と、を備える。従って、この光測定装置350によれば、光測定器100の電子機器を放射線から保護しつつ測定を行うことができる。
【0080】
また、実施形態4の光測定装置350は、実施形態1で説明したロボット60,70に適用できる。従って、このロボット60,70によれば、放射線環境下において、作業対象となる対象物Pや、障害物となる対象物Pを測定しつつ、作業を実施できる。
【符号の説明】
【0081】
1,101,201,301 光測定器支持装置
2,12 載置部
3,13,33 遮蔽体
4(4A,4B),14,24 反射体
4Aa,4Ba,24a 反射面
5 開口部
6 制御部(補正制御部)
7 記憶部
8 出力部
9 反射体可動部
10 遮蔽体可動部
11 放射線検出部
16 制御部(補正制御部,反射体可動制御部)
26 制御部(補正制御部,反射体可動制御部,遮蔽体可動制御部)
50,150,250,350 光測定装置
60,70 ロボット
100 光測定器
図1
図2
図3
図4
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