特許 7466404 照明器具

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-04-04

(45)【発行日】2024-04-12

(54)【発明の名称】照明器具

(51)【国際特許分類】

   F21S 9/02 20060101AFI20240405BHJP

   F21S 8/02 20060101ALI20240405BHJP

   F21V 15/01 20060101ALI20240405BHJP

   F21V 23/00 20150101ALI20240405BHJP

   H01M 50/20 20210101ALI20240405BHJP

   H01M 50/10 20210101ALI20240405BHJP

   F21Y 115/10 20160101ALN20240405BHJP

【ＦＩ】

F21S9/02 200

F21S8/02 430

F21S9/02 222

F21V15/01 300

F21V23/00 120

H01M50/20

H01M50/10

F21Y115:10

【請求項の数】 7

(21)【出願番号】P 2020133657

(22)【出願日】2020-08-06

(65)【公開番号】P2022029991

(43)【公開日】2022-02-18

【審査請求日】2023-01-27

(73)【特許権者】

【識別番号】000006013

【氏名又は名称】三菱電機株式会社

(73)【特許権者】

【識別番号】390014546

【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110001461

【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所

(72)【発明者】

【氏名】鶴留 和幸

(72)【発明者】

【氏名】鈴木 健一

【審査官】野木 新治

(56)【参考文献】

【文献】特開平１１－０１６４０９（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｆ２１Ｓ ９／０２

Ｆ２１Ｓ ８／０２

Ｆ２１Ｖ １５／０１

Ｆ２１Ｖ ２３／００

Ｈ０１Ｍ ５０／２０

Ｈ０１Ｍ ５０／１０

Ｆ２１Ｙ １１５／１０

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

光を照射する光源ユニットと、
前記光源ユニットに電力を供給する電源部と、
前記電源部に接続される蓄電池と、を備え、
前記蓄電池は、
前記電源部から供給される電力を蓄積する複数の蓄電池用セルと、前記複数の蓄電池用セルを纏めたパッケージと、前記複数の蓄電池用セルと前記電源部とを電気的に接続する蓄電池側コネクタと、を有するセルパックと、
外方に向かって突出するように形成され前記蓄電池側コネクタを保持するコネクタ保持部を有し、前記セルパックを収容するセルケースと、を有しており、
前記セルケースの内部には、前記セルケースの内部に収容された前記セルパックの位置を固定させるスペーサが収容されている、照明器具。

【請求項2】

前記スペーサは、弾性変形して伸縮自在に構成されている、請求項１に記載の照明器具。

【請求項3】

前記スペーサは、板状の基部と、波形状に形成されて弾性変形する弾性部と、を有している、請求項２に記載の照明器具。

【請求項4】

前記弾性部には、切り欠き状の開口部が形成されている、請求項３に記載の照明器具。

【請求項5】

光を照射する光源ユニットと、
前記光源ユニットに電力を供給する電源部と、
前記電源部に接続される蓄電池と、を備え、
前記蓄電池は、
複数の蓄電池用セルと、
前記蓄電池用セルを収容するセルケースと、を有しており、
前記セルケースの内部には、前記セルケースの内部に収容された前記蓄電池用セルの位置を固定させるスペーサが収容されており、
前記スペーサは、
十字状に形成された基部と、
十字の一方の辺の両端部に設けられ、十字の他方の辺に沿って且つ十字の前記他方の辺から離れる方向に反った形状の弾性部と、
十字の前記他方の辺の両端部に設けられ、十字の前記一方の辺に沿った板状の当接部と、を有しており、
前記弾性部の反った部分を前記当接部に当接するまで弾性変形させることで、伸縮自在に構成されている、照明器具。

【請求項6】

前記基部は、長辺と短辺とで十字状に形成されており、
前記弾性部は、十字の前記短辺の両端部に設けられ、十字の前記長辺に沿って配置されており、
前記当接部は、十字の前記長辺の両端部に設けられ、十字の前記短辺に沿って配置されている、請求項５に記載の照明器具。

【請求項7】

前記スペーサは、矩形状の箱型であり、底面が開口面とされ、内部が空洞であるように構成されている、請求項１に記載の照明器具。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、蓄電池を備えた照明器具に関するものである。

【背景技術】

【0002】

従来から、例えば天井等に設置され、室内空間等の照明空間に光を照射する埋め込み型の非常用照明器具が知られている。例えば特許文献１に開示された照明器具は、光を照射する光源ユニットと、光源ユニットに電力を供給する電源部と、電源部に接続される蓄電池と、を備えている。蓄電池は、複数の蓄電池用セルを纏めたセルパックと、セルパックを収容するセルケースと、を有している。セルケースは、例えば６個の蓄電池セルを備えたセルパックを、追加で蓄電池セルを収納できるスペースがない程度に隙間なく収納できる大きさで形成されている。蓄電池用セルを安定させて収容させるためである。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２０１９－１２６２７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、蓄電池は、蓄電池用セルがセルケースに収容できる本数よりも少ない本数で構成される場合がある。この場合、特許文献１の照明器具では、セルケースの内部に隙間が生じて、蓄電池用セルを安定させて収容できないおそれがある。

【0005】

本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、蓄電池用セルがセルケースに収容できる本数よりも少ない本数であっても、蓄電池用セルをセルケースの内部に安定させて収容させることができる、照明器具を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本開示に係る照明器具は、光を照射する光源ユニットと、前記光源ユニットに電力を供給する電源部と、前記電源部に接続される蓄電池と、を備え、前記蓄電池は、前記電源部から供給される電力を蓄積する複数の蓄電池用セルと、前記複数の蓄電池用セルを纏めたパッケージと、前記複数の蓄電池用セルと前記電源部とを電気的に接続する蓄電池側コネクタと、を有するセルパックと、外方に向かって突出するように形成され前記蓄電池側コネクタを保持するコネクタ保持部を有し、前記セルパックを収容するセルケースと、を有しており、前記セルケースの内部には、前記セルケースの内部に収容された前記セルパックの位置を固定させるスペーサが収容されているものである。

【発明の効果】

【0007】

本開示によれば、蓄電池用セルの位置を固定させるスペーサがセルケースの内部に収容されているので、蓄電池用セルがセルケースに収容できる本数よりも少ない本数であっても、蓄電池用セルをセルケースの内部に安定させて収容させることができる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】実施の形態１に係る照明器具を照射側から示した斜視図である。

【図2】実施の形態１に係る照明器具の分解斜視図である。

【図3】実施の形態１に係る照明器具の電源部を示した斜視図である。

【図4】実施の形態１に係る照明器具の蓄電池を示した斜視図である。

【図5】実施の形態１に係る照明器具の蓄電池の分解斜視図である。

【図6】実施の形態１に係る照明器具の蓄電池の縦断面図である。

【図7】実施の形態１に係る照明器具であって、セルパックをセルケースに収容する手順を示した説明図である。

【図8】実施の形態１に係る照明器具であって、セルパックをセルケースに収容する手順を示した説明図である。

【図9】実施の形態１に係る照明器具であって、セルパックをセルケースに収容する手順を示した説明図である。

【図10】実施の形態１に係る照明器具であって、コネクタ蓋部で蓄電池側コネクタの上部の周囲を囲った部分の縦断面図である。

【図11】実施の形態１に係る照明器具であって、２つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。

【図12】実施の形態１に係る照明器具であって、２つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【図13】実施の形態１に係る照明器具のスペーサを示した斜視図である。

【図14】図１３に示すスペーサを縮小させた状態を示した斜視図である。

【図15】実施の形態１に係る照明器具であって、３つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。

【図16】実施の形態１に係る照明器具であって、３つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【図17】実施の形態１に係る照明器具であって、４つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。

【図18】実施の形態１に係る照明器具であって、４つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【図19】実施の形態２に係る照明器具であって、２つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。

【図20】実施の形態２に係る照明器具であって、２つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【図21】実施の形態２に係る照明器具のスペーサを示した斜視図である。

【図22】図２１に示すスペーサを縮小させた状態を示した斜視図である。

【図23】実施の形態２に係る照明器具であって、３つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。

【図24】実施の形態２に係る照明器具であって、３つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【図25】実施の形態２に係る照明器具であって、４つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。

【図26】実施の形態２に係る照明器具であって、４つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【図27】実施の形態３に係る照明器具であって、２つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。

【図28】実施の形態３に係る照明器具であって、２つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【図29】実施の形態３に係る照明器具であって、３つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。

【図30】実施の形態３に係る照明器具であって、３つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【図31】実施の形態３に係る照明器具であって、４つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。

【図32】実施の形態３に係る照明器具であって、４つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。

【0010】

実施の形態１．
図１は、実施の形態１に係る照明器具を照射側から示した斜視図である。図２は、実施の形態１に係る照明器具の分解斜視図である。図１及び図２を含む各図において、説明の便宜上、Ｘ１を上方としＸ２を下方として説明する。

【0011】

本実施の形態１に係る照明器具１００は、例えば天井等の被取付面に形成された取付穴に挿入されて設置され、室内空間等の照明空間に光を照射する埋め込み型の非常用照明器具である。照明器具１００は、図１及び図２に示すように、本体部１と、光源ユニット２と、枠部３と、を備えている。

【0012】

本体部１は、図１及び図２に示すように、カバー４と、端子台５と、電源部６と、取付金具７と、蓄電池８と、を有している。カバー４は、例えば板金を筒状に形成した構成である。カバー４の内部には、端子台５、電源部６、取付金具７、蓄電池８及び光源ユニット２が収容されている。カバー４は、天面が塞がっており、下面が開口している。下面の開口部の周囲には、外側に向かって形成された鍔部４０が設けられる。鍔部４０は、天井等の被取付面に設けられた取付孔の外周に引っ掛けるために設けられている。なお、カバー４は、アルミダイキャスト又は絞りで形成してもよい。

【0013】

カバー４の外側面には、取付バネ４２を取り付けるバネ取付部４１が２つ設けられている。バネ取付部４１は、径方向に対向させて設けられている。取付バネ４２は、基端部がバネ取付部４１に取り付けられ、先端部が外方に向かって突き出すように設けられている。取付バネ４２は、例えばステンレス等の弾性を有する材質であり、帯状の板材を湾曲させて形成した板バネである。天井等の被取付面に本体部１を取り付ける際は、取付バネ４２をカバー４に向けた方向に弾性変形させ、取付バネ４２と共に本体部１を取付孔に挿入する。その後、カバー４の鍔部４０が取付孔の縁部に当接する場所で取付バネ４２が元の形状に戻る方向に変形し、本体部１が被取付面に固定される。

【0014】

端子台５は、外部電源に接続された電線（図示せず）と接続され、外部電線から電力が供給される端子を有するものである。端子台５は、外部電源から供給された電力を電源部６へ供給する。外部電源とは、例えば商用電源である。

【0015】

電源部６は、端子台５と図示省略の電線で電気接続されている。電源部６は、端子台５を介して外部から供給される電力を変化させ、光源ユニット２に電力を供給すると共に、蓄電池８を充電するものである。

【0016】

取付金具７は、端子台５と電源部６をカバー４の内部で固定させるために設けられている。取付金具７の上部には、端子台５が固定される。取付金具７の下部には、電源部６が固定される。取付金具７は、端子台５と電源部６とを固定した状態で、カバー４の天面に例えばネジ等の接合部材７０によって取り付けられる。

【0017】

蓄電池８は、電源部６に取り付けられ、非常時に照明器具１００の電源となるものである。蓄電池８は、電源部６によって充電される。

【0018】

光源ユニット２は、電源部６からの電力供給により点灯する光源（図示省略）と、光学制御部材２０と、放熱板２１と、熱伝導シート（図示省略）と、ホルダ２２と、を有している。光源は、１個又は複数個のＬＥＤが実装された光源基板を有している。光源は、電源部６にハーネス等により電気的に接続されており、電源部６からの電力供給により点灯する。また、光源は、非常時において、蓄電池８を電源とする電源部６からの電力供給により点灯する。

【0019】

光学制御部材２０は、具体的にはレンズであり、光源から発光される光を目標の方向に制御するものである。放熱板２１は、光源から発生する熱を放熱するものである。放熱板２１は、例えばアルミニウム合金といった熱伝導率の高い金属である。熱伝導シートは、光源から発生する熱を放熱板２１に伝達するために設けられている。熱伝導シートは、例えばシリコン系材料又はアクリル系材料からなる。ホルダ２２は、光源、光学制御部材２０、放熱板２１及び熱伝導シートを保持した状態で、電源部６に取り付けられる。

【0020】

枠部３は、図１及び図２に示すように、円盤状であり、カバー４の下面開口を塞ぐと共に光源ユニット２の下面側を覆うように、カバー４に取り付けられる。枠部３の中央部には、光学制御部材２０を露出させる開口部３０が形成されている。

【0021】

次に、図３を参照して電源部６の具体的な構造を説明する。図３は、実施の形態１に係る照明器具の電源部を示した斜視図である。電源部６は、略直方体形状の電源部ケース６０の内部に、図示省略の回路基板が収容された構成である。電源部ケース６０は、例えばプラスチック、又は適切な絶縁処置が施された金属等で成型されている。

【0022】

電源部ケース６０の外面には、蓄電池８が取り付けられる。電源部ケース６０は、蓄電池８が取り付けられる側面に、蓄電池８の蓄電池側コネクタ８０２を接続する電源部側コネクタ６１が設けられている。電源部側コネクタ６１は、電源部ケース６０の下面から上方に向かって内方に凹んだ矩形状の凹部６０ａの内部に設けられている。電源部側コネクタ６１と蓄電池側コネクタ８０２とは、いずれか一方が他方に挿し込まれて接続される構成である。なお、本実施の形態１では、蓄電池側コネクタ８０２が電源部側コネクタ６１に挿し込まれて接続される構成を示している。

【0023】

また、電源部ケース６０には、蓄電池８が取り付けられる側面に、蓄電池８を取り付けるための電源部側ガイド部６２が設けられている。電源部側ガイド部６２は、凹部６０ａの左右両側に設けられ、電源部ケース６０の側面から蓄電池８に向かって突き出す一対のＬ字状で構成されている。電源部側ガイド部６２は、上下方向に沿って長手状に形成されている。また、電源部ケース６０には、蓄電池８が取り付けられる側面に、蓄電池８を位置決めして固定するための三角形状の溝部６３が形成されている。

【0024】

回路基板は、光源ユニット２に電力を供給するための電力を生成する電源回路と、蓄電池８を充電する充電回路と、外部電源が停電した際に蓄電池８の電力で光源ユニット２を点灯させる点灯回路と、を備えている。また、回路基板は、蓄電池８により規定の時間の間、光源ユニット２を点灯可能か否か判定する点検回路と、点検動作を開始するためのスイッチと、リモートコントローラにより点検動作を実行するための信号受信部と、を備えている。

【0025】

次に、図４～図６を参照して蓄電池８の具体的な構造を説明する。図４は、実施の形態１に係る照明器具の蓄電池を示した斜視図である。図５は、実施の形態１に係る照明器具の蓄電池の分解斜視図である。図６は、実施の形態１に係る照明器具の蓄電池の縦断面図である。蓄電池８は、図４～図６に示すように、複数の蓄電池用セル８００を纏めたセルパック８０と、該セルパック８０を収容するセルケース８１と、を有している。

【0026】

セルパック８０は、複数の蓄電池用セル８００と、パッケージ８０１と、蓄電池側コネクタ８０２と、ケーブル８０３と、を備えている。

【0027】

蓄電池用セル８００は、円柱形状であり、電源部６から供給される電力を蓄積するものである。図４～図６に示すセルパック８０では、６つの蓄電池用セル８００を、縦列に３つ、横列に２つ配置してパッケージ８０１で纏めた構成とされている。なお、蓄電池用セル８００の個数は、図示した６個に限定されない。

【0028】

パッケージ８０１は、複数の蓄電池用セル８００が一体になるように保護するものである。パッケージ８０１は、例えば樹脂シートで形成されている。

【0029】

蓄電池側コネクタ８０２は、電源部側コネクタ６１に接続され、蓄電池８と電源部６とを電気的に接続させるものである。蓄電池側コネクタ８０２は、電源部側コネクタ６１に嵌合する箱形状のコネクタ主部８０２ａと、コネクタ主部８０２ａの一端面に設けられたコネクタ鍔部８０２ｂと、を有している。コネクタ主部８０２ａの内部には、接続端子として機能する図示省略の金具が収容されている。コネクタ主部８０２ａには、金具と接続するケーブル８０３が配設されている。また、コネクタ鍔部８０２ｂは、電源部側コネクタ６１に接続されるコネクタ主部８０２ａの接続部分とは反対側の端面に設けられている。コネクタ鍔部８０２ｂは、コネクタ主部８０２ａの外面よりも外方に向かって突き出すように形成されている。また、コネクタ鍔部８０２ｂには、ケーブル８０３を通すための貫通孔が形成されている。

【0030】

セルケース８１は、一面が開口した箱形状のケース本体部８１０と、セルパック８０を内部に収容したケース本体部８１０の開口面を塞ぐケース蓋部８１１と、を有している。セルケース８１は、電源部６の側面に構造的に取り付けられる。

【0031】

ケース本体部８１０は、６つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０を、隙間がなくきっちりと収納できる大きさで形成されている。セルパック８０を安定させて収容させるためである。なお、隙間がないようにとは、追加で蓄電池用セル８００を収納できるスペースがない程度のことをいう。

【0032】

ケース本体部８１０は、電源部６に取り付けられる側面に、蓄電池側コネクタ８０２を保持するコネクタ保持部８２と、電源部６に固定される固定部８３と、電源部６の電源部側ガイド部６２と係合する蓄電池側ガイド部８４と、を有している。

【0033】

コネクタ保持部８２は、電源部６に取り付けられるケース本体部８１０の側面から外方に向かって突出し、上下方向に延びる一対の壁体として構成されている。コネクタ保持部８２は、一対の壁体の間に挿し込まれた蓄電池側コネクタ８０２を保持する構成である。コネクタ保持部８２の内壁面には、対向する壁体に向かって突き出し、蓄電池側コネクタ８０２のコネクタ鍔部８０２ｂを支持する一対の突起部８２ａが設けられている。

【0034】

また、コネクタ保持部８２は、突起部８２ａよりも下方部分が、蓄電池側コネクタ８０２を電源部側コネクタ６１へ挿し込む際に、凹部６０ａの内側に嵌め込まれる。コネクタ保持部８２は、蓄電池側コネクタ８０２が一対の壁体間に挿入された状態で、その下端部が蓄電池側コネクタ８０２の下端部よりも下方に突き出す大きさとされ、蓄電池側コネクタ８０２を電源部側コネクタ６１へ所定の位置まで挿し込むと、突き出した下端部が凹部６０ａの上壁面に突き当たるように構成されている。つまり、コネクタ保持部８２は、下端部が凹部６０ａの上壁面に突き当たることで、蓄電池側コネクタ８０２を電源部側コネクタ６１へ挿し込み過ぎる事態を抑制している。蓄電池側コネクタ８０２を電源部側コネクタ６１へ挿し込み過ぎると、蓄電池側コネクタ８０２及び電源部側コネクタ６１は互いに負荷が掛かって損傷するおそれがあるからである。

【0035】

また、コネクタ保持部８２には、突起部８２ａよりも下方部分において、セルケース８１の側面側へ向かって切り欠いた円弧状の切り欠き部８２ｂが形成されている。コネクタ保持部８２の下方部分を凹部６０ａに嵌め込む際に、凹部６０ａの内部に設けられた他の部材との干渉を抑制するためである。また、蓄電池側コネクタ８０２を電源部側コネクタ６１へ挿し込む際に、その様子を作業者が切り欠き部８２ｂを通じて目視することができる。つまり、切り欠き部８２ｂを設けることにより、蓄電池側コネクタ８０２を電源部側コネクタ６１へ挿し込む際の作業性を向上させることができる。

【0036】

また、コネクタ保持部８２の外面には、突起部８２ａよりも下方部分を広幅とすることで形成された段差部８２ｃが設けられている。段差部８２ｃは、図示例の場合、突起部８２ａと一体的に設けられている。

【0037】

固定部８３は、電源部６に取り付けられた蓄電池８の位置を固定させるために設けられている。固定部８３は、弾性性能を有している。固定部８３は、ケース本体部８１０の側面から外方に向かって突き出し、ケース本体部８１０の側面と略平行に延伸する平板部８３ａと、電源部ケース６０の溝部６３に嵌る三角形状の凸部８３ｂと、を有している。平板部８３ａは、ケース本体部８１０の側面に向かって弾性変形する。蓄電池８は、電源部６に取り付けられた際に、凸部８３ｂが平板部８３ａの弾性力によって溝部６３に押しつけられて嵌まることで下方向への移動が規制されて電源部６に固定される。

【0038】

蓄電池側ガイド部８４は、蓄電池８を電源部６に取り付けるために設けられている。蓄電池側ガイド部８４は、ケース本体部８１０の側面から電源部６に向かって突き出し、電源部側ガイド部６２と摺動自在に嵌り合う一対のＬ字状で構成されている。蓄電池側ガイド部８４は、電源部側ガイド部６２と同様に、上下方向に沿って長手状に形成されている。蓄電池８は、蓄電池側ガイド部８４と電源部側ガイド部６２とが嵌り合うことで、電源部６に取り付けることができる。

【0039】

ケース蓋部８１１は、セルパック８０を内部に収容したケース本体部８１０の開口面を塞ぐものである。ケース蓋部８１１は、ケース本体部８１０に着脱自在に取り付けられる。ケース蓋部８１１には、電源部６に取り付けられる側面に、外方に向かって突き出す矩形状のコネクタ蓋部８１１ａが設けられている。コネクタ蓋部８１１ａは、ケース本体部８１０のコネクタ保持部８２に保持された蓄電池側コネクタ８０２の上部及びケーブル８０３を覆って保護するものである。また、コネクタ蓋部８１１ａは、蓄電池側コネクタ８０２の上部の周囲を、突出する左右の側面及び前端面で囲って、蓄電池側コネクタ８０２の移動を規制している。図６に示すように、コネクタ蓋部８１１ａの前端面には、内側の下端部に、コネクタ鍔部８０２ｂを突き当てる段差が形成されており、段差で蓄電池側コネクタ８０２の前方への移動を規制している。つまり、本実施の形態に係る照明器具１００では、上記構成を有することで、振動又は衝撃等により、蓄電池側コネクタ８０２が移動してコネクタ保持部８２から外れる事態を抑制することができる。なお、コネクタ蓋部８１１ａの前端面に設けた段差は、必ずしも設ける必要はない。

【0040】

次に、図７～図１０を参照してセルパック８０をセルケース８１に収容する手順について説明図する。図７～図９は、実施の形態１に係る照明器具であって、セルパックをセルケースに収容する手順を示した説明図である。図１０は、実施の形態１に係る照明器具であって、コネクタ蓋部で蓄電池側コネクタの上部の周囲を囲った部分の縦断面図である。

【0041】

先ず、図７に示すように、ケース本体部８１０からケース蓋部８１１を取り外し、蓄電池側コネクタ８０２をコネクタ保持部８２の前方に配置させる。そして、ケース本体部８１０の内部にセルパック８０を挿入し、図８に示すように、前面側から蓄電池側コネクタ８０２をコネクタ保持部８２である一対の壁体間へ挿し込む。蓄電池側コネクタ８０２は、突起部８２ａの上面にコネクタ鍔部８０２ｂを載置させることで、コネクタ保持部８２に保持される。なお、ケーブル８０３は、コネクタ保持部８２とケース本体部８１０の内部に収容される。

【0042】

そして、図９及び図１０に示すように、ケース本体部８１０にケース蓋部８１１を取り付けて、ケース本体部８１０の開口面をケース蓋部８１１で塞ぐ。ケース蓋部８１１は、その下端面が、コネクタ保持部８２の外面に設けられた段差部８２ｃの上面に載置されて支持されている。このとき、蓄電池側コネクタ８０２は、上部の周囲がコネクタ蓋部８１１ａの左右の側面及び前端面で囲まれて移動が規制されている。

【0043】

次に、蓄電池用セル８００がセルケース８１に収容できる本数よりも少ない本数で構成された場合について説明する。図１１は、実施の形態１に係る照明器具であって、２つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。図１２は、実施の形態１に係る照明器具であって、２つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【0044】

照明器具１００は、例えば６つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０を隙間がないように収納できる大きさで形成されたケース本体部８１０に、２つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ａ、３つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｂ又は４つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｃが収納される場合がある。この場合、２つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ａ、３つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｂ又は４つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｃを安定して収容させる必要がある。

【0045】

そこで、本実施の形態１に係る照明器具１００では、図１１及び図１２に示すように、セルケース８１の内部に収容され、セルケース８１の内部に収容された蓄電池用セル８００の位置を固定させるスペーサ９を有しており、蓄電池用セル８００がセルケース８１に収容できる本数よりも少ない本数であっても、蓄電池用セル８００をセルケース８１の内部に安定させて収容させることができる構成としている。

【0046】

図１３は、実施の形態１に係る照明器具のスペーサを示した斜視図である。図１４は、図１３に示すスペーサを縮小させた状態を示した斜視図である。スペーサ９は、図１３及び図１４に示すように、例えば合成樹脂等の板材を折り曲げて波形状とされ弾性変形するものである。スペーサ９は、波形の一端側に形成された板状の基部９０と、基部９０から波形の他端側に向かって形成された弾性変形が可能な弾性部９１と、を有している。スペーサ９は、図１３に示す弾性部９１が弾性変形する前の状態において、図１３に示した横寸法Ａと、図１３に示した縦寸法Ｂとが略同じとなるように形成されている。スペーサ９の横寸法Ａは、図示例の場合、図１１に示した蓄電池用セル８００を横に２つ並べた寸法と略同じである。つまり、スペーサ９の横寸法Ａは、蓄電池用セル８００の直径の２倍程度である。スペーサ９の縦寸法Ｂは、例えば蓄電池用セル８００を縦に２つ並べた寸法と略同じである。つまり、スペーサ９の縦寸法Ｂも、蓄電池用セル８００の直径の２倍程度である。スペーサ９は、図１４に示すように、弾性部９１が基部９０に向かって縮むように弾性変形する。スペーサ９は、縮んだ状態において、例えば横寸法Ａ１が蓄電池用セル８００の直径と同程度の長さになるように構成されている。

【0047】

また、弾性部９１には、弾性変形し易くするために、図１３に示す縦方向に沿って切り欠いた開口部９１ａが形成されている。開口部９１ａは、例えば並列させて２つ形成されている。開口部９１ａの開口幅は、図１３に示す縦方向の上部に向かうに連れて狭くなるように形成されている。これは、縦方向に可動する金型でスペーサ９を成形する際に、金型を可動し易くするためである。なお、開口部９１ａの個数は、図示した２つに限定されない。

【0048】

次に、図１１及び図１２を参照して２つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ａをケース本体部８１０に収容する場合について説明する。図１１及び図１２に示すセルパック８０は、円柱形状の蓄電池用セル８００を横に２つ並列させた構成である。図１１及び図１２に示すように、２つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ａをケース本体部８１０に収容する場合には、弾性部９１を伸ばした状態のスペーサ９を、ケース本体部８１０の内底に収容し、スペーサ９の上面にセルパック８０Ａを載置させる。なお、スペーサ９は、開口部９１ａの切り欠きが上面となるように配置しているが、この限りではなく、他の面を上面としてもよい。そして、蓄電池側コネクタ８０２をコネクタ保持部８２に挿し込み、ケース蓋部８１１でケース本体部８１０の開口面を塞ぐ。このように、ケース本体部８１０の内部にスペーサ９を収容することで、セルケース８１の内部の隙間をスペーサ９で埋めることができ、２つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ａを安定させて収納させることができる。

【0049】

次に、図１５及び図１６を参照して３つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｂをケース本体部８１０に収容する場合について説明する。図１５は、実施の形態１に係る照明器具であって、３つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。図１６は、実施の形態１に係る照明器具であって、３つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【0050】

図１５及び図１６に示すセルパック８０Ｂは、円柱形状の蓄電池用セル８００を３つ並列させた構成である。３つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｂをケース本体部８１０に収容する場合には、弾性部９１を縮めた状態のスペーサ９と、３つの蓄電池用セル８００が高さ方向に並列する向きとしたセルパック８０Ｂと、を左右方向に並べて配置する。そして、スペーサ９の底面とセルパック８０Ｂの底面とが、ケース本体部８１０の内底面に対向するように、該スペーサ９とセルパック８０Ｂとをケース本体部８１０の内部に収容する。なお、スペーサ９は、開口部９１ａの切り欠きが上面となるように配置しているが、この限りではなく、他の面を上面としてもよい。そして、蓄電池側コネクタ８０２をコネクタ保持部８２に挿し込み、ケース蓋部８１１でケース本体部８１０の開口面を塞ぐ。このように、ケース本体部８１０の内部にスペーサ９を収容することで、セルケース８１の内部の隙間をスペーサ９で埋めることができ、３つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｂを安定させて収納させることができる。

【0051】

次に、図１７及び図１８を参照して４つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｃをケース本体部８１０に収容する場合について説明する。図１７は、実施の形態１に係る照明器具であって、４つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。図１８は、実施の形態１に係る照明器具であって、４つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【0052】

図１７及び図１８に示すセルパック８０Ｃは、円柱形状の蓄電池用セル８００を縦横に２つずつ並べて配置した構成である。４つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｃをケース本体部８１０に収容する場合には、弾性部９１を縮めた状態のスペーサ９を、ケース本体部８１０の内底に収容し、該スペーサ９の上面にセルパック８０Ｃを載置させる。なお、図１７及び図１８に示したスペーサ９は、基部９０が上面となるように配置しているが、この限りではなく、他の面を上面としてもよい。そして、蓄電池側コネクタ８０２をコネクタ保持部８２に挿し込み、ケース蓋部８１１でケース本体部８１０の開口面を塞ぐ。このように、ケース本体部８１０の内部にスペーサ９を収容することで、セルケース８１の内部の隙間をスペーサ９で埋めることができ、４つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｃを安定させて収納させることができる。

【0053】

以上のように、本実施の形態１に係る照明器具１００は、光を照射する光源ユニット２と、光源ユニット２に電力を供給する電源部６と、電源部６に接続される蓄電池８と、を備えている。蓄電池８は、複数の蓄電池用セル８００と、蓄電池用セル８００を収容するセルケース８１と、を有している。セルケース８１の内部には、セルケース８１の内部に収容された蓄電池用セル８００の位置を固定させるスペーサ９が収容されている。よって、本実施の形態１に係る照明器具１００は、蓄電池用セル８００がセルケース８１に収容できる本数よりも少ない本数であっても、蓄電池用セル８００をセルケース８１の内部に安定させて収容させることができる。

【0054】

また、スペーサ９は、弾性変形して伸縮自在に構成されている。よって、本実施の形態１に係る照明器具１００は、蓄電池用セル８００の形状及び大きさに応じてスペーサ９を適宜変形させて使用することができるので、使い勝手に優れており、且つ弾性力によって蓄電池用セル８００をセルケース８１の内部でしっかりと固定させることができる。

【0055】

また、スペーサ９は、板状の基部９０と、波形状に形成されて弾性変形する弾性部９１と、を有した構成である。よって、本実施の形態１に係る照明器具１００は、スペーサ９が簡易な構造なので使い勝手に優れており、更に製造も容易となり製造コストの削減に寄与することもできる。

【0056】

また、弾性部９１には、切り欠き状の開口部９１ａが形成されている。よって、スペーサ９は、弾性変形し易くなり、蓄電池８の組み立て作業の作業性を高めることができる。

【0057】

実施の形態２．
次に、図１９～図２６を参照して本実施の形態２に係る照明器具１００を説明する。なお、実施の形態１で説明した照明器具１００と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。

【0058】

図１９は、実施の形態２に係る照明器具であって、２つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。図２０は、実施の形態２に係る照明器具であって、２つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【0059】

図１９及び図２０に示す本実施の形態２に係る照明器具１００は、セルケース８１の内部に収容され、セルケース８１の内部に収容された蓄電池用セル８００の位置を固定させるスペーサ９Ａを有しており、蓄電池用セル８００がセルケース８１に収容できる本数よりも少ない本数であっても、蓄電池用セル８００をセルケース８１の内部に安定させて収容させることができる構成である。

【0060】

図２１は、実施の形態２に係る照明器具のスペーサを示した斜視図である。図２２は、図２１に示すスペーサを縮小させた状態を示した斜視図である。図２１及び図２２に示したスペーサ９Ａは、長辺９２ａと短辺９２ｂとで十字状に形成された基部９２と、十字の短辺９２ｂの両端部に設けられ、十字の長辺９２ａに沿った板状の弾性部９３と、十字の長辺９２ａの両端部に設けられ、十字の短辺９２ｂに沿った板状の当接部９４と、を有しており、外観が略直方体形状とされている。スペーサ９Ａは、例えば合成樹脂製である。

【0061】

弾性部９３は、図２１に示すように、基部９２との接合部分を中心とし、十字の長辺方向に向かうにつれて長辺９２ａから離れる方向に反った湾曲状とされている。スペーサ９Ａは、図２２に示すように、弾性部９３の反った部分９３ａを当接部９４の端部に当接するまで弾性変形させることで、縮小させることができる。スペーサ９Ａは、図２１に示すように、弾性部９３が左右の側面となるように起立させた状態において、横寸法Ａよりも縦寸法Ｂが大きい形状とされている。縦寸法Ｂは、例えば蓄電池用セル８００の直径の２倍程度である。また、スペーサ９Ａは、図２２に示すように、弾性部９３を弾性変形させて縮小させた状態における横寸法Ａ１が、蓄電池用セル８００の直径と同程度である。なお、スペーサ９Ａは、図２１及び図２２に示した寸法に限定されず、例えば横寸法Ａと縦寸法Ｂを同じ寸法にしてもよい。また、図示することは省略したが、スペーサ９Ａは、基部９２の十字の各辺を同一の長さとしてもよい。

【0062】

次に、図１９及び図２０を参照して２つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ａをケース本体部８１０に収容する場合について説明する。図１９及び図２０に示すセルパック８０Ａは、円柱形状の蓄電池用セル８００を横に２つ並列させた構成である。図２１及び図２２に示すように、２つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ａをケース本体部８１０に収容する場合には、弾性部９３を伸ばした状態のスペーサ９Ａを、ケース本体部８１０の内底に収容し、スペーサ９Ａの上面にセルパック８０Ａを載置させる。そして、蓄電池側コネクタ８０２をコネクタ保持部８２に挿し込み、ケース蓋部８１１でケース本体部８１０の開口面を塞ぐ。このように、ケース本体部８１０の内部にスペーサ９Ａを収容することで、セルケース８１の内部の隙間をスペーサ９Ａで埋めることができ、２つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ａを安定させて収納させることができる。

【0063】

次に、図２３及び図２４を参照して３つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｂをケース本体部８１０に収容する場合について説明する。図２３は、実施の形態２に係る照明器具であって、３つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。図２４は、実施の形態２に係る照明器具であって、３つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【0064】

図２３及び図２４に示すセルパック８０Ｂは、円柱形状の蓄電池用セル８００を３つ並列させた構成である。３つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｂをケース本体部８１０に収容する場合には、弾性部９３を縮めた状態のスペーサ９Ａと、３つの蓄電池用セル８００が高さ方向に並列する向きとしたセルパック８０Ｂと、を左右方向に並べて配置する。そして、スペーサ９Ａの底面とセルパック８０Ｂの底面とが、ケース本体部８１０の内底面に対向するように、該スペーサ９Ａとセルパック８０Ｂとをケース本体部８１０の内部に収容する。なお、ケース本体部８１０の内面には、例えば補強用の突起等を設ける場合がある。この場合、スペーサ９Ａは、弾性部９３と当接部９４との間の隙間を突起等に係合させることで収納状態の安定性を高めることができる。そして、蓄電池側コネクタ８０２をコネクタ保持部８２に挿し込み、ケース蓋部８１１でケース本体部８１０の開口面を塞ぐ。このように、ケース本体部８１０の内部にスペーサ９Ａを収容することで、セルケース８１の内部の隙間をスペーサ９Ａで埋めることができ、３つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｂを安定させて収納させることができる。

【0065】

次に、図２５及び図２６を参照して４つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｃをケース本体部８１０に収容する場合について説明する。図２５は、実施の形態２に係る照明器具であって、４つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。図２６は、実施の形態２に係る照明器具であって、４つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【0066】

図２５及び図２６に示すセルパック８０Ｃは、円柱形状の蓄電池用セル８００を縦横に２つずつ並べて配置した構成である。４つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｃをケース本体部８１０に収容する場合には、弾性部９３を縮めた状態のスペーサ９Ａを一方の弾性部９３が下面となるように配置し、該弾性部９３がケース本体部８１０の内底に対向するようにスペーサ９Ａをケース本体部８１０に収容する。なお、ケース本体部８１０は、例えば補強用の突起等を内面に設ける場合がある。この場合、スペーサ９Ａは、弾性部９３と当接部９４との間の隙間を突起等に係合させることで収納状態の安定性を高めることができる。そして、スペーサ９Ａの上面となる他方の弾性部９３に、セルパック８０Ｃを載置させる。そして、蓄電池側コネクタ８０２をコネクタ保持部８２に挿し込み、ケース蓋部８１１でケース本体部８１０の開口面を塞ぐ。このように、ケース本体部８１０の内部にスペーサ９Ａを収容することで、セルケース８１の内部の隙間をスペーサ９Ａで埋めることができ、４つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｃを安定させて収納させることができる。

【0067】

以上のように、本実施の形態２に係る照明器具１００も、セルケース８１の内部には、セルケース８１の内部に収容された蓄電池用セル８００の位置を固定させるスペーサ９Ａが収容された構成である。よって、本実施の形態２に係る照明器具１００は、蓄電池用セル８００がセルケース８１に収容できる本数よりも少ない本数であっても、蓄電池用セル８００をセルケース８１の内部に安定させて収容させることができる。

【0068】

また、本実施の形態２に係る照明器具１００のスペーサ９Ａは、十字状に形成された基部９２と、十字の一方の辺の両端部に設けられ、十字の他方の辺に沿って且つ十字の他方の辺から離れる方向に反った形状の弾性部９３と、十字の他方の辺の両端部に設けられ、十字の一方の辺に沿った板状の当接部９４と、を有している。弾性部９３の反った部分９３ａを当接部９４に当接するまで弾性変形させることで、伸縮自在に構成されている。具体的には、基部９２は、長辺９２ａと短辺９２ｂとで十字状に形成されている。弾性部９３は、十字の短辺９２ｂの両端部に設けられ、十字の長辺９２ａに沿って配置されている。当接部９４は、十字の長辺９２ａの両端部に設けられ、十字の短辺９２ｂに沿って配置されている。よって、本実施の形態２に係る照明器具１００は、蓄電池用セル８００の形状及び大きさに応じてスペーサ９Ａを適宜変形させて使用することができるので、使い勝手に優れており、且つ弾性力によって蓄電池用セル８００をセルケース８１の内部でしっかり固定させることができる。また、本実施の形態２に係る照明器具１００は、スペーサ９Ａが簡易な構造なので使い勝手に優れており、製造も容易で製造コストの削減に寄与することができる。

【0069】

実施の形態３．
次に、図２７～図３２を参照して本実施の形態３に係る照明器具１００を説明する。なお、実施の形態１で説明した照明器具１００と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。

【0070】

図２７は、実施の形態３に係る照明器具であって、２つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。図２８は、実施の形態３に係る照明器具であって、２つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【0071】

図２７及び図２８に示す本実施の形態３に係る照明器具１００は、セルケース８１の内部に収容され、セルケース８１の内部に収容された蓄電池用セル８００の位置を固定させるスペーサ９Ｂを有しており、蓄電池用セル８００がセルケース８１に収容できる本数よりも少ない本数であっても、蓄電池用セル８００をセルケース８１の内部に安定させて収容させることができる構成である。

【0072】

スペーサ９Ｂは、例えば合成樹脂等で形成されている。スペーサ９Ｂは、略直方体状の箱形であり、底面が開口面とされ、内部が空洞とされている。スペーサ９Ｂの大きさは、図示例の場合、図２７に示した２つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ａと略同じである。なお、スペーサ９Ｂは、図示した形状及び大きさに限定されない。スペーサ９Ｂは、例えば１つの蓄電池用セル８００を備えたセルパックと略同じ大きさでもよいし、３つ以上の蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｂと略同じ大きさでもよいし、その他の大きさでもよい。

【0073】

次に、図２７及び図２８を参照して２つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ａをケース本体部８１０に収容する場合について説明する。図２７及び図２８に示すセルパック８０Ａは、円柱形状の蓄電池用セル８００を横に２つ並列させた構成である。図２７及び図２８に示すように、２つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ａをケース本体部８１０に収容する場合には、２つのスペーサ９Ｂを上下方向に並べて使用する。下側に配置したスペーサ９Ｂは、開口面が下向きとなるようにケース本体部８１０の内底に収容する。上側に配置したスペーサ９Ｂは、開口面が下向きとなるように下側のスペーサ９Ｂの上面に載置させてケース本体部８１０に収容する。そして、上側のスペーサ９Ｂの上面にセルパック８０Ａを載置させてケース本体部８１０に収容する。そして、蓄電池側コネクタ８０２をコネクタ保持部８２に挿し込み、ケース蓋部８１１でケース本体部８１０の開口面を塞ぐ。このように、ケース本体部８１０の内部にスペーサ９Ｂを収容することで、セルケース８１の内部の隙間をスペーサ９Ｂで埋めることができ、２つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ａを安定させて収納させることができる。

【0074】

次に、図２９及び図３０を参照して３つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｂをケース本体部８１０に収容する場合について説明する。図２９は、実施の形態３に係る照明器具であって、３つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。図３０は、実施の形態３に係る照明器具であって、３つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【0075】

図２９及び図３０に示すセルパック８０Ｂは、円柱形状の蓄電池用セル８００を３つ並列させた構成である。３つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｂをケース本体部８１０に収容する場合には、開口面をケース本体部８１０の内側面に対向させたスペーサ９Ｂと、３つの蓄電池用セル８００が高さ方向に並列する向きとしたセルパック８０Ｂと、を左右方向に並べて配置する。なお、スペーサ９Ｂは、開口面をセルパック８０Ｂの側面に対向させてもよい。そして、スペーサ９Ｂの底面とセルパック８０Ｂの底面とが、ケース本体部８１０の内底面に対向するように、該スペーサ９Ｂとセルパック８０Ｂとをケース本体部８１０の内部に収容する。そして、蓄電池側コネクタ８０２をコネクタ保持部８２に挿し込み、ケース蓋部８１１でケース本体部８１０の開口面を塞ぐ。このように、ケース本体部８１０の内部にスペーサ９Ｂを収容することで、セルケース８１の内部の隙間をスペーサ９Ｂで埋めることができ、３つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｂを安定させて収納させることができる。

【0076】

次に、図３１及び図３２を参照して４つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｃをケース本体部８１０に収容する場合について説明する。図３１は、実施の形態３に係る照明器具であって、４つの蓄電池用セルを有する蓄電池の分解斜視図である。図３２は、実施の形態３に係る照明器具であって、４つの蓄電池用セルを有する蓄電池の縦断面図である。

【0077】

図３１及び図３２に示すセルパック８０Ｃは、円柱形状の蓄電池用セル８００を縦横に２つずつ並べて配置した構成である。４つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｃをケース本体部８１０に収容する場合には、開口面が下向きとなるようにスペーサ９Ｂをケース本体部８１０の内底に収容する。そして、スペーサ９Ｂの上面にセルパック８０Ｃを載置させる。そして、蓄電池側コネクタ８０２をコネクタ保持部８２に挿し込み、ケース蓋部８１１でケース本体部８１０の開口面を塞ぐ。このように、ケース本体部８１０の内部にスペーサ９Ｂを収容することで、セルケース８１の内部の隙間をスペーサ９Ｂで埋めることができ、４つの蓄電池用セル８００を備えたセルパック８０Ｃを安定させて収納させることができる。

【0078】

以上のように、本実施の形態３に係る照明器具１００も、セルケース８１の内部には、セルケース８１の内部に収容された蓄電池用セル８００の位置を固定させるスペーサ９Ｂが収容された構成である。よって、本実施の形態３に係る照明器具１００は、蓄電池用セル８００がセルケース８１に収容できる本数よりも少ない本数であっても、蓄電池用セル８００をセルケース８１の内部に安定させて収容させることができる。

【0079】

また、本実施の形態３に係る照明器具１００は、スペーサ９Ｂが簡易な構造なので使い勝手に優れており、製造も容易であり製造コストの削減に寄与できる。

【0080】

以上、実施の形態に基づいて照明器具１００を説明したが、照明器具１００は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。上記した照明器具１００の構成は、一例であって、他の構成要素を含んでもよい。また、例えばコネクタ保持部８２は、上記構成に限定されず、蓄電池側コネクタ８０２を保持できる構成であれば、他の形態でもよい。また、スペーサ９、９Ａ、９Ｂは、上記形状及び大きさに限定されず、セルケース８１の内部に収容された蓄電池用セル８００の位置を固定させる構成であれば、他の形態でもよい。要するに、照明器具１００は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。

【符号の説明】

【0081】

１ 本体部、２ 光源ユニット、３ 枠部、４ カバー、５ 端子台、６ 電源部、７ 取付金具、８ 蓄電池、９、９Ａ、９Ｂ スペーサ、２０ 光学制御部材、２１ 放熱板、２２ ホルダ、３０ 開口部、４０ 鍔部、４１ バネ取付部、４２ 取付バネ、６０ 電源部ケース、６０ａ 凹部、６１ 電源部側コネクタ、６２ 電源部側ガイド部、６３ 溝部、７０ 接合部材、８０、８０Ａ、８０Ｂ、８０Ｃ セルパック、８１ セルケース、８２ コネクタ保持部、８２ａ 突起部、８２ｂ 切り欠き部、８２ｃ 段差部、８３ 固定部、８３ａ 平板部、８３ｂ 凸部、８４ 蓄電池側ガイド部、９０ 基部、９１ 弾性部、９１ａ 開口部、９２ 基部、９２ａ 長辺、９２ｂ 短辺、９３ 弾性部、９３ａ 反った部分、９４ 当接部、１００ 照明器具、８００ 蓄電池用セル、８０１ パッケージ、８０２ 蓄電池側コネクタ、８０２ａ コネクタ主部、８０２ｂ コネクタ鍔部、８０３ ケーブル、８１０ ケース本体部、８１１ ケース蓋部、８１１ａ コネクタ蓋部。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】