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  • 特許-資産管理装置及び資産管理プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】資産管理装置及び資産管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240405BHJP
【FI】
G06Q10/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020153581
(22)【出願日】2020-09-14
(65)【公開番号】P2022047670
(43)【公開日】2022-03-25
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】300059979
【氏名又は名称】エイチ・シー・ネットワークス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】篠田 仁太郎
(72)【発明者】
【氏名】篠田 孝枝
(72)【発明者】
【氏名】小野 みゆき
【審査官】木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-224106(JP,A)
【文献】特開2018-195161(JP,A)
【文献】特開2012-208752(JP,A)
【文献】特開2012-137954(JP,A)
【文献】特開2015-219584(JP,A)
【文献】特開2006-163885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理環境、複数の前記物理環境により構成され仮想環境を実現するクラスタグループ、および前記クラスタグループに関連付けられる仮想環境のライセンスを含む資産に関する情報である資産情報を管理する資産管理装置であって、
管理対象である前記物理環境およびインスタンスを識別するための環境資産IDに関連付けて、前記物理環境および前記インスタンスに関する情報を格納し、前記物理環境に関する情報は少なくとも当該物理環境が有するコア数の情報を含むハードウェア管理台帳データベースと、
管理対象である前記クラスタグループを識別するためのクラスタグループIDに関連付けて、少なくとも、当該クラスタグループに属する前記物理環境および前記インスタンスの前記環境資産ID、および当該クラスタグループに含まれるインスタンスに関する情報を格納するクラスタグループ管理台帳データベースと、
管理対象である前記ライセンスを識別するためのライセンス管理IDに関連付けて、少なくとも、当該ライセンスが割り当てられるクラスタグループのクラスタグループID、および許容されるコア数および許容されるインスタンスの数の情報を含む前記ライセンスに関する情報を格納するライセンス管理台帳データベースと、
前記クラスタグループIDに関連付けられたコア数およびインスタンスの数を、前記ライセンス管理台帳データベースにおいて当該クラスタグループIDが関連付けられているライセンス管理IDに関する許容される前記物理環境のコア数および許容されるインスタンスの数と比較し、ライセンスの不足に関する情報をクラスタグループごとに抽出する更新処理部と、
前記更新処理部がライセンスの不足に関する情報を抽出したクラスタグループについて当該クラスタグループの管理者にアラートを送信するアラート送信部と
を備えることを特徴とする資産管理装置。
【請求項2】
前記更新処理部は、前記ライセンス管理台帳データベースにおいて前記ライセンス管理IDに前記クラスタグループIDを関連付ける際、および、前記クラスタグループ管理台帳データベースにおいて、前記クラスタグループIDに前記インスタンスまたは前記物理環境を登録する際に、ライセンスの不足に関する情報をクラスタグループごとあるいはクラスタグループに関連付けられた前記物理環境もくしは前記インスタンスごとに抽出する処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の資産管理装置。
【請求項3】
前記ライセンス管理台帳データベースは、前記ライセンス管理IDに関連付けて、使用するコア数のカウント方法を格納し、
前記更新処理部は、前記ライセンス管理台帳データベースにおいて各ライセンス管理IDに関連付けられているクラスタグループについて、それぞれ対応するライセンス管理IDに関連付けて格納されている前記カウント方法に基づいてコア数を算定し、前記ライセンス管理台帳データベースにおいて当該クラスタグループIDが関連付けられているライセンス管理IDに関する許容されるコア数と比較することを特徴とする請求項1または2に記載の資産管理装置。
【請求項4】
前記ハードウェア管理台帳データベースは、前記環境資産IDに関連付けて、当該環境資産IDに対応する資産が物理マシンとして使用されるものか、仮想環境を実現するための仮想化ホストサーバとして使用されるものか、インスタンスとして構築されたものなのかを区別する情報を格納し、
前記クラスタグループ管理台帳データベースは、前記ハードウェア管理台帳データベースにおいて仮想化ホストサーバあるいはインスタンスとして使用されるものとして登録された環境資産IDのみをクラスタグループIDに関連付けることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の資産管理装置。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1から4の何れか1項に記載の資産管理装置として機能させることを特徴とする資産管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織が保有するIT資産を管理するIT資産管理装置及びIT資産管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の企業は、サーバ装置やサーバ装置を利用するクライアント端末をはじめとするハードウェアや、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションをはじめとするソフトウェアなどの多数のIT資産を保有しており、その管理が共通の課題となっている。IT資産管理システムは、このようなIT資産を適切に管理し、コンプライアンスの徹底、IT投資の最適化などを図ることを目的としたシステムである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
IT資産管理システムは、具体的には例えば、組織内のネットワーク上のハードウェアの仕様や設定及びソフトウェアのインストール情報などの現況情報を収集する現況情報収集機能、ハードウェアやソフトウェア及び保有ライセンスのあるべき状態を管理する機能、現況情報収集機能により収集した情報とあるべき状態とを照合して両者の間の齟齬を特定する機能、ソフトウェア毎に利用可能なユーザを制限する機能、及びソフトウェアやパッチを配布する機能などを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-015845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1台のハードウェアで1つのオペレーティングシステム(OS)が実行され、ハードウェアに含まれるCPU、メモリなどのリソースを占有して使用する環境(物理環境)については、IT資産管理システムは、ハードウェア、オペレーティングシステムを含むソフトウェア及びそのライセンスを紐づけて管理すれば、資産の状況を把握することができた。ところが、近年普及しつつある仮想環境は、資産を適切に管理することを困難にしている。
【0006】
仮想環境では、1台のハードウェア上で複数のOSによる環境(以下、インスタンスという)が併存し、CPU、メモリなどのリソースを共有したり、複数台のハードウェアのリソースを利用して1つのインスタンスを実現したり、さらには複数台のハードウェアで複数のインスタンスを実現したりといったことが可能である。また、仮想環境に対するライセンスについては、許容されるインスタンス数やインスタンスに割り当てるCPUのコア数などに応じた複雑な契約体系がある。従来のIT資産管理システムでは、このような仮想環境についての資産状況の管理が困難であった。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、仮想環境についての資産管理をしやすい改善された資産管理装置及び資産管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る資産管理装置は、管理対象である物理環境およびインスタンスを識別するための環境資産IDに関連付けて、物理環境およびインスタンスに関する情報を格納し、物理環境に関する情報は少なくとも当該物理環境が有するコア数の情報を含むハードウェア管理台帳データベースと、管理対象であるクラスタグループを識別するためのクラスタグループIDに関連付けて、少なくとも、当該クラスタグループに属する物理環境およびインスタンスの環境資産ID、および当該クラスタグループに含まれるインスタンスに関する情報を格納するクラスタグループ管理台帳データベースと、管理対象であるライセンスを識別するためのライセンス管理IDに関連付けて、少なくとも、当該ライセンスが割り当てられるクラスタグループのクラスタグループID、許容されるコア数および許容されるインスタンスの数の情報を含むライセンスに関する情報を格納するライセンス管理台帳データベースと、クラスタグループ管理台帳データベースに格納されたクラスタグループIDに関連付けられた物理環境のコア数およびインスタンスの数を、ライセンス管理台帳データベースにおいて当該クラスタグループIDが関連付けられているライセンス管理IDに関する許容されるコア数および許容されるインスタンスの数と比較し、ライセンスの不足に関する情報をクラスタグループごとに抽出する更新処理部と、更新処理部がライセンスの不足に関する情報を抽出したクラスタグループについて当該クラスタグループの管理者にアラートを送信するアラート送信部とを備える。
【0009】
本発明では、更新処理部は、ライセンス管理台帳データベースにおいてライセンス管理IDにクラスタグループIDを関連付ける際、および、クラスタグループ管理台帳データベースにおいて、クラスタグループIDにインスタンスまたはハードウェアを登録する際に、ライセンスの不足に関する情報をクラスタグループごとあるいはクラスタグループに関連付けられた物理環境もくしはインスタンスごとに抽出する処理を実行するとよい。
【0010】
また、本発明では、ライセンス管理台帳データベースは、ライセンス管理IDに関連付けて、使用するコア数のカウント方法を格納するとよい。そして、更新処理部は、ライセンス管理台帳データベースにおいて、各ライセンス管理IDに関連付けられているクラスタグループについて、それぞれ対応するライセンス管理IDに関連付けて格納されているカウント方法に基づいてコア数を算定し、ライセンス管理台帳データベースにおいて当該クラスタグループIDが関連付けられているライセンス管理IDに関する許容されるコア数と比較するとよい。
【0011】
また、本発明では、ハードウェア管理台帳データベースは、環境資産IDに関連付けて、当該環境資産IDに対応する資産がクラスタグループには属さない物理マシンとして使用されるものか、仮想環境を実現するための仮想化ホストサーバとして使用されるものか、仮想環境のインスタンスとして使用されるものなのかを区別する情報を格納するとよい。そして、クラスタグループ管理台帳データベースは、ハードウェア管理台帳データベースにおいて仮想化ホストサーバもしくはインスタンスとして使用されるものとして登録された環境資産IDのみをクラスタグループIDに関連付けるとよい。
【0012】
本発明に係る資産管理プログラムは、コンピュータを、上記何れかの資産管理装置として機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】資産管理システムの構成図である。
図2】本発明の資産管理装置の構成の一例を示す図である。
図3】第1格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
図4】第2格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る資産管理装置20が適用される資産管理システム1を説明する。図1に示すように、実施形態に係る資産管理システム1は、複数の物理環境10と、一つあるいは複数の物理環境10に構築されるインスタンス11とこれらの環境とLAN等のネットワーク30により接続された資産管理装置20とを備えている。図1に示すように、複数の物理環境と複数のインスタンス11がクラスタグループ15を形成する場合がある。なお、ネットワーク30は、無線、有線を問わない。また、ネットワーク30は、社内LANのみならず公衆回線を利用するものであってもよい。
【0015】
資産管理装置20は、ネットワーク30により接続された物理環境10並びにインスタンス11の環境資産、ソフトウェア資産、及びソフトウェア資産に関連付けられるライセンス等の資産情報管理するための管理装置である。図2に示すように、資産管理装置20は、記憶部201と、更新処理部203と、送受信部204とを備える。なお、資産管理装置20は、CPU(Central Processing Unit)、HDD(Hard Disk Drive)、メモリ等の記憶装置、ネットワーク30を介した外部との通信を実現する通信装置等を備えるサーバコンピュータとして構成される。図2に示す資産管理装置20の機能は、HDD等の記憶装置に記憶されている資産管理プログラムをメモリが読み込み、CPUが処理することにより実現される。
【0016】
記憶部201は、第1格納部212、及び第2格納部213を含んでいる。
図3は、第1格納部212に格納されているデータの一例を示す図である。第1格納部212には、物理環境10およびインスタンス11のインベントリ情報が第1の管理情報として環境資産IDごとに格納されている。インベントリ情報とは、物理環境10並びにインスタンス11の構成情報(CPUクロック数、空きハードディスク容量、コア数など)と利用者情報(利用者名、所属など)、インストールされているソフトウェア情報(OS、アプリケーションプログラムなど)等の現況に関する情報を含んでいる。
【0017】
図3に示すように、第1格納部212は、物理環境並びにインスタンスのインベントリ情報データベース(DB)と、ソフトウェアインベントリ情報データベース(DB)を有している。物理環境並びにインスタンスのインベントリ情報DBには、例えば、物理環境10並びにインスタンス11を識別するための環境資産ID、製品名、仕様、利用者、物理環境10が利用しているソフトウェア情報、取得日付等の情報が格納されている。
また、ソフトウェアインベントリ情報DBには、ソフトウェアを識別するためのソフトウェア資産IDに関連付けてインストールされているソフトウェア(OS、アプリケーションプログラムなど)のソフトウェア名、バージョン等の情報が格納されている。
【0018】
第1格納部212に格納されるインベントリ情報は、定期的に自動的に収集・更新される。また、管理者の操作に基づいて定期的な収集・更新とは異なる任意のタイミングでインベントリ情報を収集・更新できるように構成される。
【0019】
図4は、第2格納部213に格納されているデータの一例を示す図である。第2格納部213に格納される第2の管理情報には、第1格納部212に格納されるインベントリ情報とは別に各資産のあるべき状態が登録・管理されており、図4に示すように、ハードウェア管理台帳データベース(DB)、ソフトウェア管理台帳データベース(DB)、ライセンス管理台帳データベース(DB)、クラスタグループ管理台帳データベース(DB)等を有している。これらの各台帳データベースは、基本的に管理者や利用者等による新規作成や更新を申請する操作と、申請に対する承認権限者による承認操作を経て更新される。
【0020】
ハードウェア管理台帳DBは、例えば、物理環境10およびインスタンス11を識別するための環境資産IDに関連付けて、製品名、仕様、管理部署、管理者、利用部署、利用者、取得日付等の情報を格納する。また、本実施形態では、ハードウェア管理台帳DBは、環境資産IDに関連付けて、その資産がクラスタグループに属さない物理環境(すなわち1台の物理マシン(すなわち、ハードウェア)が1つのOS動作環境を提供する通常の使用形態)として使用されるものか、仮想環境を実現するための仮想化ホストサーバとして使用されるものか、インスタンスとして構築されたものなのかを区別する情報を格納する。仮想化ホストサーバとして使用される物理環境10とインスタンス11は、後述のクラスタグループに入れることができる。
【0021】
クラスタグループ管理台帳DBは、仮想環境を実現するための一群の複数の物理環境(仮想化ホストサーバ)10とこれらの一群の物理環境10に構築されるインスタンス11を、クラスタグループ15として管理する。クラスタグループ管理台帳は、クラスタグループ15を識別するためのクラスタグループIDに関連付けて、クラスタグループ名、当該クラスタグループに属する複数の物理環境10並びにインスタンス11の環境資産ID、当該クラスタグループの管理者情報、当該クラスタグループの利用形態(開発環境かそれ以外か)等の情報を格納する。当該クラスタグループ15に含まれる物理環境(仮想化ホストサーバ)10のコア数のカウント方法は、後述するように、当該クラスタグループIDを紐づけたライセンス管理台帳で規定される。
【0022】
ソフトウェア管理台帳DBは、ソフトウェアを識別するためのソフトウェア資産IDに関連付けて、インストールされているソフトウェア(OS、アプリケーションプログラムなど)のソフトウェア名、バージョン、当該ソフトウェアがインストールされている物理環境の環境資産ID、当該ソフトウェアに関連付けられているライセンスのライセンス管理ID、管理部署、管理者、利用者等の情報、ライセンス紐づけの要否、等の各種情報を格納する。
【0023】
また、ライセンス管理台帳DBは、ライセンスを識別するためのライセンス管理IDに関連付けて、当該ライセンスに対応するソフトウェアの名称、バージョン等の各種仕様、ライセンスの条件に関する情報(例えば、ライセンス数、ライセンス期間、フルライセンスかアップグレードライセンスか等の区分)、管理部署、管理者等が格納する。なお、使われていないライセンスについては、ソフトウェアが関連付けられない。
【0024】
また、本実施形態では、ライセンス管理台帳DBは、一般的なソフトウェアについてのライセンスに加え、仮想環境についてのライセンスも管理する。ライセンス管理台帳DBは、仮想環境についてのライセンスについて、ライセンス管理IDに関連付けて、当該ライセンスが割り当てられるクラスタグループ15の情報(クラスタグループID等)、許容されるコア数、許容されるインスタンスの数、コア数のカウント方法等を格納する。クラスタグループ15におけるコア数のカウント方法は、クラスタグループ15に属する物理環境(仮想化ホストサーバ)の中でコア数が最も多いもののコア数を採用する方法、選択したの1つの仮想化ホストサーバのコア数を採用する方法、クラスタグループ15に属する仮想化ホストサーバのコア数の合計を採用する方法等を選択できるようにするとよい。ライセンス管理台帳DBは、ソフトウェアについてのライセンスと同様に、仮想環境についてのライセンスについても、ライセンス管理IDに関連付けて、ライセンスの条件に関する情報(例えば、ライセンス数、ライセンス期間、フルライセンスかアップグレードライセンスか等の区分)、管理部署、管理者等も格納するとよい。
【0025】
資産管理装置20は、当該資産管理装置20における各種の動作条件(例えば、メール通知の送信要否、メールサーバの設定、通知ルール、インベントリ情報の更新周期等)の各種設定をコンフィグレーションデータとして保持する。
【0026】
更新処理部203は、各台帳データベースの更新に関する処理を行う。具体的には、更新処理部203は、第1格納部212及び第2格納部213に各々格納された情報の一致・不一致を項目別に判定する。そして、情報が一致しない項目の情報(差分情報)を物理環境10およびインスタンス11毎に抽出する。より具体的には、更新処理部203は、第1格納部212及び第2格納部213に各々格納された情報のうち、ソフトウェア情報に関する項目について一致・不一致を項目別に判定し、情報が一致しない項目の情報(差分情報)を物理環境10およびインスタンス11毎に抽出する。なお、情報が一致しない項目に対し適宜フィルタをかけて、一致しないことが問題とならない項目を除外して差分情報としてもよい。
【0027】
また、更新処理部203は、クラスタグループ管理台帳DBにおいて、各クラスタグループ15に含まれる物理環境(仮想化ホストサーバ)10のコア数を算出し、この算出したコア数および当該クラスタグループに紐づけされたインスタンスの数を、当該クラスタグループ15に割り当てられているライセンスにおける許容数と比較し、ライセンスの不足に関する情報を差分情報としてクラスタグループ15毎に抽出する。この際、更新処理部203は、当該クラスタグループ15に割り当てられているライセンスについてライセンス管理台帳DBに規定されたカウント方法にてクラスタグループ15に含まれるコア数を算出する。すなわち、更新処理部203は、クラスタグループ管理台帳DBとハードウェア管理台帳DBとを連携して、クラスタグループ15に属する個々の物理環境10が有するコア数を把握し、ライセンス管理台帳DBに規定されたカウント方法を用いて、当該クラスタグループ15についてのコア数を算出する。このクラスタグループ15についての差分情報を抽出する処理は定期的に行ってもよいが、ライセンス管理台帳DBにおいて仮想環境のライセンスにクラスタグループ15を関連付ける際、および、クラスタグループ管理台帳DBにおいて、クラスタグループ15にインスタンス11や物理環境10を登録する際に実行するようにするとよい。なお、クラスタグループ管理台帳DBがクラスタグループIDに関連付けてコア数のカウント方法を示す情報を格納している場合、更新処理部203は、クラスタグループID毎に格納されているカウント方法に基づいたコア数をライセンスにて許容されているコア数と比較する。
【0028】
送受信部204は、ネットワーク30で接続された物理環境10と通信してインベントリ情報を受信する。受信したインベントリ情報は、第1格納部212に格納される。また、送受信部204は、第2格納部213に含まれる各台帳データベースへのデータ新規作成や更新の申請、及びこれらに対する承認の操作を受け付ける。承認された申請内容については第2格納部213の各台帳データベースに反映される。
【0029】
さらに、送受信部204(送信部)は、更新処理部203で抽出された差分情報に基づき、情報の不一致の是正を促すべく、物理環境10別にアラートを送信する。仮想環境についてのライセンスの不足については対応するクラスタグループ15の管理者にアラートを送信するとよい。
【0030】
以上のようにして、資産管理装置20は、仮想環境についての資産管理を仮想環境のライセンス体系に合わせて適切に管理することができる。
【0031】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。また、上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0032】
10 物理環境
20 資産管理装置
30 ネットワーク

図1
図2
図3
図4