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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】磁気情報処理装置及び磁気情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/09 20060101AFI20240405BHJP
   G11B 20/10 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
G11B5/09 321Z
G11B20/10 341Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020153935
(22)【出願日】2020-09-14
(65)【公開番号】P2022047896
(43)【公開日】2022-03-25
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】二村 史彦
【審査官】中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-272947(JP,A)
【文献】特開平04-030307(JP,A)
【文献】特開平07-065311(JP,A)
【文献】特開2018-055755(JP,A)
【文献】特開2019-032915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 5/09
G11B 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気記録媒体に記録された磁気情報を読み取って磁気再生波形を出力する磁気ヘッドと、
前記磁気再生波形を処理して前記磁気再生波形における正方向及び負方向の各々のピークを検出する処理を実行する演算部と、
を備え、
前記演算部は、
前記磁気再生波形において連続する第1のピーク及び第2のピークの各々のピーク値から算出される第1の閾値を用いて前記第2のピークに引き続く第3のピークを前記磁気再生波形から検出する処理を実行するピーク検出処理と、
前記第3のピークを検出したときに前記第2のピークのピーク値及び前記第3のピークのピーク値に基づいて、前記第3のピークに引き続く第4のピークの検出に用いる第2の閾値を算出する閾値算出処理と、
前記第2の閾値を用いて前記磁気再生波形から前記第4のピークを検出する処理を実行し、前記第3のピークが正方向のピークであるときに前記第4のピークが検出される前に前記磁気再生波形の値が前記第3のピークのピーク値を超えるとき、及び前記第3のピークが負方向のピークであるときに前記第4のピークが検出される前に前記磁気再生波形の値が前記第3のピークのピーク値を下回るときに、前記第3のピークのピーク位置及びピーク値と前記第2の閾値とを破棄して前記第4のピークを検出する処理を中止し、前記第1の閾値を用いて前記第3のピークを前記磁気再生波形から検出する処理を再開する誤認識検出処理と、
を実行する磁気情報処理装置。
【請求項2】
前記演算部は、前記誤認識検出処理において前記第4のピークが検出されたら、直前に検出されている前記第3のピークのピーク位置及びピーク値を確定する、請求項1に記載の磁気情報処理装置。
【請求項3】
前記演算部は、前記第3のピークが正方向のピークであるときに前記誤認識検出処理において前記磁気再生波形の値が前記第2の閾値を超えたとき、及び、前記第3のピークが負方向のピークであるときに前記誤認識検出処理において前記磁気再生波形の値が前記第2の閾値を下回ったときに、直前に検出されている前記第3のピークのピーク位置及びピーク値を確定する、請求項2に記載の磁気情報処理装置。
【請求項4】
前記演算部は、前記第4のピークが検出されたら、前記第2乃至第4のピークをそれぞれ改めて前記第1乃至第3のピークであるものとして、前記閾値算出処理と前記誤認識検出処理と繰り返して実行する、請求項2または3に記載の磁気情報処理装置。
【請求項5】
前記演算部は、各ピークの確定されたピーク位置に基づいて前記磁気情報を復調する、請求項4に記載の磁気情報処理装置。
【請求項6】
前記演算部は、前記第1のピークのピーク値と前記第2のピークのピーク値との中央値に基づいて前記第1の閾値を算出し、前記第2のピークのピーク値と前記第3のピークのピーク値との中央値に基づいて前記第2の閾値を算出する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁気情報処理装置。
【請求項7】
前記磁気再生波形をデジタル信号に変換するAD変換部をさらに備え、
前記演算部は、デジタル信号にされた前記磁気再生波形からピークを検出する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁気情報処理装置。
【請求項8】
磁気記録媒体に記録された磁気情報を磁気ヘッドによって読み取って得た磁気再生波形を処理して前記磁気再生波形における正方向及び負方向の各々のピークを検出する磁気情報処理方法であって、
前記磁気再生波形において連続する第1のピーク及び第2のピークの各々のピーク値から算出される第1の閾値を用いて前記第2のピークに引き続く第3のピークを前記磁気再生波形から検出する処理を実行するピーク検出工程と、
前記第3のピークを検出したときに前記第2のピークのピーク値及び前記第3のピークのピーク値に基づいて、前記第3のピークに引き続く第4のピークの検出に用いる第2の閾値を算出する閾値算出工程と、
前記第2の閾値を用いて前記磁気再生波形から前記第4のピークを検出する処理を実行し、前記第3のピークが正方向のピークであるときに前記第4のピークが検出される前に前記磁気再生波形の値が前記第3のピークのピーク値を超えるとき、及び前記第3のピークが負方向のピークであるときに前記第4のピークが検出される前に前記磁気再生波形の値が前記第3のピークのピーク値を下回るときに、前記第3のピークのピーク位置及びピーク値と前記第2の閾値とを破棄して前記第4のピークを検出する処理を中止し、前記第1の閾値を用いて前記第3のピークを前記磁気再生波形から検出する処理を再開する誤認識検出工程と、
を有する磁気情報処理方法。
【請求項9】
前記第4のピークが検出されたら、直前に検出されている前記第3のピークのピーク位置及びピーク値を確定する、請求項8に記載の磁気情報処理方法。
【請求項10】
前記第3のピークが正方向のピークであるときに前記誤認識検出工程において前記磁気再生波形の値が前記第2の閾値を超えたとき、及び、前記第3のピークが負方向のピークであるときに前記誤認識検出工程において前記磁気再生波形の値が前記第2の閾値を下回ったときに、直前に検出されている前記第3のピークのピーク位置及びピーク値を確定する、請求項8に記載の磁気情報処理方法。
【請求項11】
前記第4のピークが検出されたら、前記第2乃至第4のピークをそれぞれ改めて前記第1乃至第3のピークであるものとして、前記閾値算出工程と前記誤認識検出工程と繰り返す、請求項9または10に記載の磁気情報処理方法。
【請求項12】
各ピークの確定されたピーク位置に基づいて前記磁気情報を復調する、請求項11に記載の磁気情報処理方法。
【請求項13】
前記第1のピークのピーク値と前記第2のピークのピーク値との中央値に基づいて前記第1の閾値を算出し、前記第2のピークのピーク値と前記第3のピークのピーク値との中央値に基づいて前記第2の閾値を算出する、請求項8乃至12のいずれか1項に記載の磁気情報処理方法。
【請求項14】
前記磁気再生波形をデジタル信号に変換し、デジタル信号に変換された前記磁気再生波形に関して前記ピーク検出工程、前記閾値算出工程及び前記誤認識検出工程を実行する、請求項8乃至13のいずれか1項に記載の磁気情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録媒体から磁気情報として記録されたデータを読み出すときに用いられる磁気情報処理装置と磁気情報処理方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気カードなどの磁気記録媒体では、その磁性面における磁化の方向を反転させることすなわち磁化反転を形成することによって情報の記録が行われる。例えば、磁性面において隣接する2つの磁化反転の間隔が長いことを“0”に対応させ、短い間隔での磁化反転が2回連続することを“1”に対応させるなどして、0”及び“1”の二値の情報記録が行われる。磁気記録媒体から情報を読み出すときは、磁気記録媒体を磁気ヘッドに近接させた状態で磁気ヘッドに対して磁気記録媒体を一定方向に搬送する。すると、磁性面での磁化反転位置に対応してピークとなるように磁気ヘッドに誘起電圧が発生し、磁気ヘッドは磁気再生波形の信号を出力する。磁気再生波形において検出されるピーク相互間の時間間隔は、磁性面での磁化反転の間隔に対応するから、一連のピークにおける時間間隔に基づいて、磁気記録媒体からの磁気情報の読み出しすなわち復調を行うことができる。磁気再生波形に含まれるピークには、正方向のピーク(いわゆる山)と負方向のピーク(谷)とがあり、正方向のピークと負方向のピークとが交互に現れる。ここでいうピークの時間間隔には、山から谷への時間間隔と谷から山への時間間隔の両方が含まれる。
【0003】
磁気記録媒体から読み出した磁気再生波形にはノイズが重畳することがあり、また、磁気記録媒体における減磁などによって磁気再生波形の振幅が小さくなることもある。これらにより、磁性面に記録された情報とは無関係なピーク、例えばコブ状のピークが磁気再生波形に現れることがあり、このようなピークを有効なピークとして扱って磁気情報の復調を行った場合には、情報の読み取りエラーが発生する。ノイズなどに起因するピークを誤検出しないようにする技術として、特許文献1は、磁気再生波形の復調を行いながら磁気再生波形からピークの検出を行うときに、その時点まで復調結果に応じて次のピークの出現タイミングを推定し、推定されたタイミングよりも極端に早く検出されたピークをノイズとして除外することを開示している。また、ノイズ処理における一般的な技術に基づき、前回のピークの波高値と比較して一定比率以下の波高値であるピークをノイズとして除外することも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-32915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された方法は、磁気情報の復調を行いながら本来のピーク間隔を推定しているので、ピーク検出と同時に復調を行う場合にしか適用できず、また、磁気ヘッドに対する磁気記録媒体の相対的な搬送速度の変動が大きい場合に正しくピークを検出できなくなるおそれがある、という課題を有する。波高値が小さいピークを除外する方法では、減磁した磁気記録媒体からのデータの読み取りに対応できなくなることがある。
【0006】
本発明の目的は、磁気情報の復調を同時に行うかどうかによらず、減磁した磁気記録媒体からであっても、記録された磁気情報に対応したピークを磁気再生波形から適切に検出することができる磁気情報処理装置及び磁気情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の磁気情報処理装置は、磁気記録媒体に記録された磁気情報を読み取って磁気再生波形を出力する磁気ヘッドと、磁気再生波形を処理して磁気再生波形における正方向及び負方向の各々のピークを検出する処理を実行する演算部と、を備え、演算部は、磁気再生波形において連続する第1のピーク及び第2のピークの各々のピーク値から算出される第1の閾値を用いて第2のピークに引き続く第3のピークを磁気再生波形から検出する処理を実行するピーク検出処理と、第3のピークを検出したときに第2のピークのピーク値及び第3のピークのピーク値に基づいて、第3のピークに引き続く第4のピークの検出に用いる第2の閾値を算出する閾値算出処理と、第2の閾値を用いて磁気再生波形から第4のピークを検出する処理を実行し、第3のピークが正方向のピークであるときに第4のピークが検出される前に磁気再生波形の値が第3のピークのピーク値を超えるとき、及び第3のピークが負方向のピークであるときに第4のピークが検出される前に磁気再生波形の値が第3のピークのピーク値を下回るときに、第3のピークのピーク位置及びピーク値と第2の閾値とを破棄して第4のピークを検出する処理を中止し、第1の閾値を用いて第3のピークを磁気再生波形から検出する処理を再開する誤認識検出処理と、を実行する。
【0008】
磁気再生波形から検出される第3のピークが正方向のピークであれば第4のピークは負方向のピークであるが、正方向である第3のピークを検出したのち第4のピークを検出する前に、磁気再生波形の値が第3のピークのピーク値を超えたとすれば、先に検出された第3のピークは本来の第3のピークではない、と判断できる。同様に第3のピークが負方向のピークであれば、第3のピークを検出したのち第4のピークを検出する前に、磁気再生波形の値が第3のピークのピーク値を下回ったとすれば、先に検出された第3のピークは本来の第3のピークではない、と判断できる。本発明の磁気情報処理装置では、本来の第3のピークではないピークが第3のピークとして検出されたと判定したときに、その検出された第3のピークのピーク位置及びピーク値とを破棄し、第1の閾値を用いて第3のピークを検出する処理を再開することにより、本来の第3のピークを適切に検出できる。
【0009】
本発明の磁気情報処理装置では、演算部は、誤認識検出処理において第4のピークが検出されたら、直前に検出されている第3のピークのピーク位置及びピーク値を確定することが好ましい。ピーク位置が確定することによって第3のピークまでを使用した復調を確実に行えることとなり、ピーク値が確定したことによって磁気再生波形において引き続くピークの検出を確実に行えるようになる。より早期に第3のピークのピーク位置及びピーク値を確定するのであれば、演算部は、例えば、第3のピークが正方向のピークであるときに誤認識検出処理において磁気再生波形の値が第2の閾値を超えたとき、及び、第3のピークが負方向のピークであるときに誤認識検出処理において磁気再生波形の値が第2の閾値を下回ったときに、直前に検出されている第3のピークのピーク位置及びピーク値を確定してもよい。これらの場合、演算部は、第2乃至第4のピークを改めて第1乃至第3のピークであるものとして、閾値算出処理と誤認識検出処理と繰り返して実行することができる。閾値算処理と誤認識検出処理と繰り返すことにより、磁気再生波形において連続する一連のピークを確実に検出することができる。さらに本発明の磁気情報処置装置では、演算部は、各ピークの確定されたピーク位置に基づいて磁気情報を復調することができる。上述のようにして検出され、かつ本来のピークであることが判明している一連のピークのピーク位置に基づくことにより、磁気情報をより正確に復調することができる。
【0010】
本発明の磁気情報処理装置では、演算部は、第1のピークのピーク値と第2のピークのピーク値との中央値に基づいて第1の閾値を算出し、第2のピークのピーク値と第3のピークのピーク値との中央値に基づいて第2の閾値を算出することができる。直近の2つのピークのピーク値の中央値に基づいて閾値を定めることにより、磁気再生波形に含まれるオフセット成分の時間変化などの影響を受けにくくなる。
【0011】
本発明の磁気情報処理装置は、磁気再生波形をデジタル信号に変換するAD変換部をさらに備え、演算部は、デジタル信号にされた磁気再生波形からピークを検出してもよい。本発明では、ピーク位置及びピーク値の破棄や、第2の閾値を破棄して第1の閾値を用いたピーク検出処理の再開などを行うので、ピーク位置やピーク値、既に使用した閾値などを記憶できることが好ましい。その観点から、デジタル化された磁気再生波形に対して処理を行えるようにすることによって、本発明をより容易に実施することが可能になる。
【0012】
本発明の磁気情報処理方法は、磁気記録媒体に記録された磁気情報を磁気ヘッドによって読み取って得た磁気再生波形を処理して磁気再生波形における正方向及び負方向の各々のピークを検出する磁気情報処理方法であって、磁気再生波形において連続する第1のピーク及び第2のピークの各々のピーク値から算出される第1の閾値を用いて第2のピークに引き続く第3のピークを磁気再生波形から検出する処理を実行するピーク検出工程と、第3のピークを検出したときに第2のピークのピーク値及び第3のピークのピーク値に基づいて、第3のピークに引き続く第4のピークの検出に用いる第2の閾値を算出する閾値算出工程と、第2の閾値を用いて磁気再生波形から第4のピークを検出する処理を実行し、第3のピークが正方向のピークであるときに第4のピークが検出される前に磁気再生波形の値が第3のピークのピーク値を超えるとき、及び第3のピークが負方向のピークであるときに第4のピークが検出される前に磁気再生波形の値が第3のピークのピーク値を下回るときに、第3のピークのピーク位置及びピーク値と第2の閾値とを破棄して第4のピークを検出する処理を中止し、第1の閾値を用いて第3のピークを磁気再生波形から検出する処理を再開する誤認識検出工程と、を有する。
【0013】
本発明の磁気情報処理方法では、第3のピークが正方向のピークであるときに第4のピークが検出される前に磁気再生波形の値が第3のピークのピーク値を超えるとき、及び第3のピークが負方向のピークであるときに第4のピークが検出される前に磁気再生波形の値が第3のピークのピーク値を下回るときに、本来の第3のピークではないピークが第3のピークとして検出されたと判定することができる。本来の第3のピークではないピークが第3のピークとして検出されたときに、検出された第3のピークのピーク位置及びピーク値と第2の閾値とを破棄して、第1の閾値を用いて第3のピークを検出する処理を再開することにより、本来の第3のピークを適切に検出できるようになる。
【0014】
本発明の磁気情報処理方法では、第4のピークが検出されたら、直前に検出されている第3のピークのピーク位置及びピーク値を確定することが好ましい。ピーク位置が確定することによって第3のピークまでを使用した復調を確実に行えることとなり、ピーク値が確定したことによって磁気再生波形において引き続くピークの検出を確実に行えるようになる。より早期に第3のピークのピーク位置及びピーク値を確定するのであれば、例えば、第3のピークが正方向のピークであるときに誤認識検出工程において磁気再生波形の値が第2の閾値を超えたとき、及び、第3のピークが負方向のピークであるときに誤認識検出工程において磁気再生波形の値が第2の閾値を下回ったときに、直前に検出されている第3のピークのピーク位置及びピーク値を確定してもよい。これらの場合、第2乃至第4のピークをそれぞれ改めて第1乃至第3のピークであるものとして、閾値算出工程と誤認識検出工程と繰り返すことができる。ピークの検出ごとに閾値算出工程と誤認識検出工程を繰り返すことによって、磁気再生波形に含まれる一連のピークを確実に検出することができ、これらのピークの正確なピーク位置を順次決定することが可能になる。また、各ピークの確定されたピーク位置に基づいて磁気情報を復調することができる。上述のようにして検出され、かつ本来のピークであることが判明している一連のピークのピーク位置に基づくことにより、磁気情報をより正確に復調することができる。
【0015】
本発明の磁気情報処理方法では、第1のピークのピーク値と第2のピークのピーク値との中央値に基づいて第1の閾値を算出し、第2のピークのピーク値と第3のピークのピーク値との中央値に基づいて第2の閾値を算出することができる。直近の2つのピークのピーク値の中央値に基づいて閾値を定めることにより、磁気再生波形に含まれるオフセット成分の時間変化などの影響を受けにくくなる。
【0016】
本発明の磁気情報処理方法では、磁気再生波形をデジタル信号に変換し、デジタル信号に変換された磁気再生波形に関してピーク検出工程、閾値算出工程及び誤認識検出工程を実行することが好ましい。本発明の磁気情報処理方法は、磁気再生波形を時間軸上で順次処理していく方法であり、その際に、過去の閾値への参照や、ピーク値、ピーク位置の更新などを伴うので、サンプリングされてデジタル値とされた磁気再生波形に対して適合性の高い方法である。したがって、デジタル信号に変換された磁気再生波形に対して本発明の磁気情報処理方法を適用することによって、効率よく処理を進めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、磁気情報の復調を同時に行うかどうかによらず、減磁した磁気記録媒体からであっても、記録された磁気情報に対応したピークを磁気再生波形から適切に検出することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の一形態の磁気情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図2】磁気再生波形の一例を示す波形図である。
図3】(a),(b)は、従来の磁気情報処理方法を説明する波形図である。
図4】(a)~(f)は、本発明に基づく磁気情報処理方法を説明する波形図である。
図5】本発明に基づく磁気情報処理方法を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の一形態の磁気情報処理装置(以下、単に「処理装置」と呼ぶ)を示している。この処理装置は、磁気カードなどの磁気記録媒体に記録された磁気情報を読み取ってデータとして出力するものである。処理装置は、磁気記録媒体に記録された磁気情報を読み取って磁気再生波形をアナログ信号として出力する磁気ヘッド10と、磁気再生波形を増幅する増幅器11と、増幅器11から出力される磁気再生波形に対してアナログ/デジタル変換(AD変換)を行って磁気再生波形をデジタル信号に変換し、このデジタル信号に対して信号処理を行って磁気情報を復調しデータとして出力するプロセッサ20と、を備えている。プロセッサ20には入力端子INが設けられ、増幅器11の出力は入力端子INに供給される。
【0020】
プロセッサ20は、例えば組み込み用のマイクロプロセッサあるいはCPU(中央処理装置)によって構成されるものであり、AD変換部(ADC)21と、演算部22と、メモリ23とを論理的に備えている。AD変換部21は、入力端子INに供給されたアナログ信号すなわち磁気再生波形をデジタル信号に変換する。AD変換部21からの出力は、演算部22に入力する。演算部22は、デジタル信号とされた磁気再生波形におけるピーク位置(すなわちピークとなるタイミング)を検出し、検出結果に基づいて磁気情報を復調してデータを出力する。ピーク位置を検出した後の復調処理は、従来の磁気カードリーダなどにおいて実行されている処理と同様のものであるので、復調処理についての具体的な処理内容の説明は省略する。メモリ23は、演算部22における処理の実行に必要なデータを格納する。具体的には、磁気再生波形から検出された各ピークのピーク位置及びピーク値(すなわちピークにおける磁気再生波形の信号値)と、ピークの検出に用いた閾値(スライスとも呼ばれる)などがメモリ23に格納される。
【0021】
演算部22が行うピーク検出処理については説明する前に、磁気再生波形について説明する。図2は磁気再生波形の一例を示している。図2において実線の矢印で指示されるピークは、記録された磁気情報により磁気記録媒体の磁性面に形成されている磁化反転に対応して磁気再生波形に現れるピークを示している。矢印Aで示すピーク(「ピークA」とも呼ぶ。他のピークについても同様)は、例えば前回検出したピークであり、矢印Bで示すピーク(すなわちピークB)は今回検出したピークである。ピークAは正方向へのピークすなわち山であるピークであり、ピークBは負方向へのピークすなわち谷であるピークである。そしてピークC~Fは、ピークBに引き続いてこの磁気再生波形から検出されるべきピークである。ピークD~Fは、磁気記録媒体における減磁の影響を受けて、ピークA~Cに比べて波高値が小さくなっている。また、谷であるピークBと山であるピークCとの間において磁気再生波形のこぶ状の高まり(コブとも呼ぶ)Xがあるが、これは、磁気情報に基づく磁化反転に起因するものではなく、ノイズなどによって生じたものである。したがって、図2に示す磁気再生波形において既にピークA,Bが検出されているとすれば、演算部22は、ピーク検出処理において、コブXをピークとして検出することなく、ピークC~Eを正しく検出できることが求められる。
【0022】
図3は、図2に示す磁気再生波形に対し、従来のやり方でピーク検出を行った場合を示している。磁気再生波形に含まれるピークは、時間の関数としての磁気再生波形における極値(最小値及び最大値)を与える点であるが、磁気再生波形における全ての極値がそれぞれピークに対応するというわけでもない。磁気再生波形にはオフセット成分が含まれ、しかもオフセット成分自体が時間の経過に伴って変動することがある。そこで磁気再生波形からのピークの検出では、直前に検出した複数のピークのピーク値から閾値を決定し、閾値と磁気再生波形における極値との大小関係に基づいてピークか否かを判定する。具体的には、第1の判定方法として、例えば、磁気再生波形が極大(極小)となった時刻を記憶し、その後、磁気再生波形が閾値を下回った(上回った)ときに、先に記憶した時刻が正方向(負方向)のピークである、と判定する方法がある。あるいは、第2の判定方法として、磁気再生波形が閾値を上回った(下回った)のちに磁気再生波形の極大(極小)を検出したときに正方向(負方向)のピークを検出したと判定する方法もある。閾値としては、例えば、直前の2つのピークのピーク値の中央値を求め、必要に応じ、これに、正方向のピークの検出に用いるのか負方向のピークの検出に用いるのかよってヒステリシス特性を持たせるための定数を加算あるいは減算したものを用いることができる。
【0023】
図3に示す例では、ピークA及びピークBが既に検出されており、これらのピークのピーク値の中間値に基づいて、ピークBの次のピークを検出するための閾値T1が決定される。ピークAは正方向(山)のピークであり、ピークBは負方向(谷)のピークであるから、ピークBの次のピークは正方向のピークである。図3(a)に示すように、磁気再生波形がコブXの前後で閾値T1をまたいで変化するので、ピークの検出方法が第1の判定方法であるか第2の判定方法であるかによらずコブXがピークBの次のピークとして検出される。すると、次に、コブXの次のピーク(このピークは負方向のピークであるはずである)を検出することとなる。その場合、図3(b)に示すように、コブXでの正方向のピーク値とピークBのピーク値との中間値に基づいて閾値T2が決定される。しかしながら閾値T2は、正規のピークではないコブXでのピーク値を用いて定められているので、それ以降のピークの検出には不適なものとなっている。図示した例では、磁気再生波形はピークFの前後で閾値T2をまたぐので、ピークFがコブXの次のピークとして検出されることになる。すなわち従来のピーク検出方法によれば、コブXを誤認してピークとして検出したのみならず、正規のピークであるピークC~Eが全く検出できていないことになる。
【0024】
本実施形態の処理装置では、演算部22は、磁気再生波形において連続する第1のピーク(図3におけるピークA)及び第2のピーク(図3におけるピークB)の各々のピーク値から算出される第1の閾値T1を用いて第2のピークに引き続く第3のピークを検出する処理を行い、第3のピークを検出したときに第2のピークのピーク値及び第3のピークのピーク値に基づいて、第3のピークに引き続く第4のピークの検出に用いる第2の閾値T2を算出する。ここまでの処理は、図3を用いて示したものと同様であるが、第3のピークとして検出されたピークが本当に適切なものかどうかを判定し、不適切なものであれば(例えば図3においてコブXがピークとして検出されているのであれば)、その検出された第3のピークはピークではないとして、そのピーク位置及びピーク値と第2の閾値とを破棄し、第1の閾値T1を用いた第3のピークを検出する処理を再開する。検出された第3のピークが適切なものかどうかの判定では、第3のピークが正方向のピークであるときには、第2の閾値T2を用いて第4のピークが検出される前に磁気再生波形の値が第3のピークのピーク値を超えるときに、既に検出されている第3のピークが不適切なものである、と判定する。同様に、第3のピークが負方向のピークであるときには、第2の閾値T2を用いて第4のピークが検出される前に磁気再生波形の値が第3のピークのピーク値を下回るときに、既に検出されている第3のピークが不適切なものである、と判定する。
【0025】
図4は、本実施形態において、図2に示す磁気再生波形に対して演算部22が実行するピーク検出処理を説明している。ここでも第1のピークに相当するピークAと第2のピークに相当するピークBとが既に検出されており、これらのピークのピーク値の中間値に基づいて、ピークBの次のピーク(すなわち第3のピーク)を検出するための閾値T1が決定されているものとする。ピークA及びピークBが磁気情報に基づく磁化反転に対応したピークであることは既に分かっている(すなわちピークとして確定している)ものとする。再利用の可能性があるので、メモリ23に閾値T1を格納しておく。ここで示す例では、図3に示すものと同様に、第3のピークは正方向のピークである。図4(a)に示すように、磁気再生波形がコブXの前後で閾値T1をまたいで変化するので、ピークの検出方法が第1の判定方法であるか第2の判定方法であるかによらず、コブXの正方向に突出している部分がピークBの次のピークとして検出される。コブXは本来のピークではないので、第3のピークが誤検出されたことになる。そして、図4(b)に示すように、コブXでの正方向に突出している部分でのピーク値とピークBのピーク値との中間値に基づいて、第4のピークを検出するための閾値T2が算出される。閾値T2によっては、本来のピークであるピークC~Eを検出することはできない。ここまでは、図3に示した処理と同じである。
【0026】
コブXを第3のピークとして検出したら、閾値T2を決定して第4のピークを検出する処理を開始するとともに、磁気再生波形の値を常時監視し、第4のピークを検出する前に磁気再生波形の値がコブXでのピーク値を上回るかどうかの判定を行う。ここで示した例では、図4(c)に示すように、コブXとピークCとの間の点Pにおいて、磁気再生波形の値がコブXでのピーク値を上回るようになる。すると、コブXは、本来の第3のピークではないと判定され、メモリ23に格納されていたコブXのピーク位置及びピーク値を破棄し、閾値T2も破棄する。そして、図4(d)に示すように、正方向のピークである第3のピークを検出する処理を点Pから再開する。このとき、メモリ23から閾値T1を読み出して、第3のピークの検出に使用する。ピークの検出方法として上述の第1の判定方法を用いているのであれば、点Qにおいて磁気再生波形が閾値T1をまたぐので、磁気再生波形において点Qの直前の極大点であるピークCが第3のピークとして検出される。ピークの検出方法として第2の判定方法を用いているときは、点Pにおいて磁気再生波形の値が既に閾値T1を上回っているので、点Pの直後の極大点として、ピークCが第3のピークとして検出される。
【0027】
ピークCが検出されたら、ピークCのピーク値とピークBのピーク値との中間値に基づいて、第4のピークに相当する次のピークの検出に用いる閾値T2aを算出し、次のピークの検出を開始する。このとき、上述と同様に、第4のピークを検出する前に磁気再生波形の値がピークCでのピーク値を上回るかどうかの判定を行う。ここで示す例では、図4(e)に示すように、磁気再生波形の値がピークCでのピーク値を上回ることなく、磁気再生曲線がピークDの前後で閾値T2aをまたいでいる。その結果、ピークDが第4のピークとして検出されるともに、先に検出されたピークCは本来検出されるべき第3のピークであったと判断され、ピークCのピーク位置及びピーク値が第3のピークのピーク位置及びピーク値として確定する。第3のピークのピーク位置及びピーク値の確定をより早期に行う場合には、第1の判定方法を用いているときであれば、磁気再生波形の値が閾値T2aを上回った時点で、第2の判定方法を用いているときであれば、磁気再生波形の値が閾値T2aを下回った時点で、第3のピークのピーク位置及びピーク値の確定を行ってもよい。
【0028】
第4のピークとしてピークDが検出されたら、ピークDのピーク値とピークCのピーク値との中間値に基づいて、ピークDに引き続くピークである次のピークの検出に用いる閾値T3を算出し、次のピークの検出を開始する。このとき、ピークの向きが逆であるので正負を逆にすることを除けば上述と同様にして、次のピークを検出する前に磁気再生波形の値がピークDでのピーク値を下回るかどうかの判定を行う。ここで示す例では、図4(f)に示すように、磁気再生波形の値がピークDでのピーク値を下回ることなく、磁気再生曲線がピークDの前後で閾値T2aをまたいでいる。その結果、ピークEが次のピークとして検出されるともに、先に検出されたピークDは本来検出されるべき第4のピークであると判定され、ピークDのピーク位置及びピーク値が第4のピークのピーク位置及びピーク値として確定する。本実施形態では、これ以降も、磁気再生波形に対して同様の処理が繰り返される。
【0029】
結局、本実施形態におけるピーク検出方法によれば、いったんはコブXをピークとして誤認識するものの、誤認識であることが判定されたときにコブXに関するピーク値やピーク位置を破棄してピーク検出を再開することによって、従来の検出方法では検出できなかったピークC~Eも含めて、本来のピークであるピークC~Fを正しく検出することができる。ピークD~Eは、磁気記録媒体の磁性面での減磁した部分から読み出されるピークであるが、このピーク検出方法では、減磁した磁気記録媒体にも対応できる。
【0030】
図5は、演算部22が行うピーク検出の処理を示すフローチャートである。ここでは、正方向である第1のピークと負方向である第2のピークが既に検出されているとして、正方向である第3のピークを検出し、負方向の第4のピークを検出するまでの処理を示している。ピークの正負が逆であれば、当然、正負を入れ替えた処理を行う必要がある。なお、第1のピークと第2のピークについては、それらのピークは本来検出されるべきものであると既に判定されており、したがってそれらのピークのピーク位置及びピーク値は確定しているものとする。
【0031】
まず、ステップ101において、今回の負方向のピーク値(第2のピークのピーク値)と前回の正方向のピーク値(第1のピークのピーク値)との中央値に基づき、第3のピークである正方向のピークを検出するための閾値T1を決定し、磁気再生波形の値を順次読み込んで、正方向のピークを検出する処理を開始する。ステップ102では、正方向のピークが見つかるまで待ち合わせる。正方向のピーク(すなわち第3のピーク)が見つかったら、ステップ103において、見つかったピークのピーク値と前回のピーク(ここでは第2のピーク)のピーク値との中央値に基づき、負方向である次に来るピークを検出するための閾値T2を決定し、次に来るピークの検出を開始する。同時に、ステップ102で見つかった正方向のピークのピーク値よりも磁気再生波形の値が上回るかどうかの判定(ステップ104)も開始する。
【0032】
磁気再生波形の値が正方向のピークのピーク値を上回ったときは、ステップ102で見つかった正方向のピークは本来のピークではないとして、ステップ105において、そのピークのピーク値及びピーク位置を破棄し、ステップ103で決定した閾値T2も破棄し、ステップ101で求めた閾値T1をメモリ23から読み戻す。そして、ステップ106において、読み戻した閾値T1を用いて正方向のピークを検出する処理を再開し、その後、処理はステップ102に戻る。
【0033】
ステップ104において磁気再生波形の値が正方向のピークを超えていないときは、ステップ107において、第4のピークに相当する負方向が見つかったかどうかを判定する。ピークが見つかっていなければ処理はステップ104に戻り、ピークが見つかっていれば、ステップ108において、ステップ102で見つかった正方向のピークを正方向である第3のピークとしてそのピーク位置及びピーク値を確定し、ステップ109において、ステップ107で見つかった負方向のピークのピーク値とステップ108で確定した正方向のピークのピーク値との中間値に基づいて、正方向であるさらに次のピークを検出するための閾値を決定する。この処理により、正方向である第3のピークのピーク位置及びピーク値が確定し、負方向である第4のピークが見つかったことになる。ステップ107で見つかったピークが本当に第4のピークに該当するかはこの時点ではまだ不明である。
【0034】
続いて第4のピークに引き続く正方向である第5のピークを見つけるとともに、第4のピークのピーク位置及びピーク値を確定させる処理を行うことになる。その処理は、ピークの正負が逆であるものとしつつ、今までの処理でのステップ107,109がそれぞれステップ102,103であるようにして図5に示した処理を繰り返したものとなる。すなわち、ここまでの説明での第2乃至第4のピークをそれぞれ改めて第1乃至第3のピークであると置き換えて、同様の処理を実行することになる。このようにして、磁気再生波形から一連のピークを順次検出し、ピーク位置及びピーク値を確定することができる。磁気再生波形から一連のピークを検出して各ピークのピーク位置を確定させれば、確定されたピーク位置に基いて、磁気記録媒体に記録された磁気情報を、磁気再生波形におけるノイズやコブなどに影響されることなく、正確に復調することが可能になる。
【0035】
以上説明した本実施形態の磁気情報処理装置では、磁気再生波形を連続的に読み込んで一連のピークを検出するときに、本来のピークではない例えばコブをピークとして誤認識した場合であっても、次のピークを検出する過程で誤認識かどうかを判定でき、誤認識であると判定したときは、誤認識のピークの影響を排除してそれ以降のピークの検出を行うことができる。その結果、コブなどの影響を受けることなく、減磁した磁気記録媒体からであっても、磁化反転に対応したピークを磁気再生波形から適切に検出することができるようになる。また、ここで用いるピーク検出方法は、磁気情報の復調を同時に行うことを前提とせずに、例えば、検出したピークのピーク位置をメモリ23に格納しておいて、全てのピークの検出が終わったのちに一括して磁気情報の復調を行うことができる。したがって、幅広い用途に適用することができる。
【0036】
以上の説明において、ピークを検出するための閾値は、直前の2つのピークのピーク値の中央値に基づいて定めているが、磁気再生波形におけるオフセットの影響を低減できるものであれば、閾値の決定方法はここに記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0037】
10…磁気ヘッド;11…増幅器;20…プロセッサ;21…AD変換部;22…演算部;23…メモリ。
図1
図2
図3
図4
図5