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  • 特許-壁紙切断デバイス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】壁紙切断デバイス
(51)【国際特許分類】
   B26B 1/02 20060101AFI20240405BHJP
   B26B 3/08 20060101ALI20240405BHJP
   B26B 27/00 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
B26B1/02 Z
B26B3/08
B26B27/00 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020545570
(86)(22)【出願日】2019-04-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 EP2019000123
(87)【国際公開番号】W WO2019206447
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】202018102354.3
(32)【優先日】2018-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519434400
【氏名又は名称】クナウフ ギプス コマンディトゲゼルシャフト
(73)【特許権者】
【識別番号】520146857
【氏名又は名称】3ディー コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス マルクバルト
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】特開昭64-058292(JP,A)
【文献】特開2012-075559(JP,A)
【文献】米国特許第04813141(US,A)
【文献】特開昭55-008716(JP,A)
【文献】米国特許第04704795(US,A)
【文献】米国特許第05485676(US,A)
【文献】特開平04-357989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 1/02
B26B 3/08
B26B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重なり合った2つの壁紙部分を通ってダブルカットを生成するための壁紙切断デバイス(1)であって、ハンド部(2)と、壁紙に対して圧力バネ(33)によって付勢された様式で配置されている切断ユニット(3)と、を備え、
前記ハンド部(2)が、第1のサイド部分(211)および第2のサイド部分(212)を有するフレーム(21)を備え、ハンドル(22)が、前記第1のサイド部分(211)上と前記第2のサイド部分(212)上とにそれぞれ配置され、
前記切断ユニット(3)は、その刃(32)が前記ハンドル(22)の反対側にある裏側(213)で、平面状の前記フレーム(21)から突き出るように配置されている、壁紙切断デバイス(1)。
【請求項2】
前記切断ユニット(3)が、前記2つのハンドル(22)間の中央、かつ前記フレーム(21)上に配置されている、請求項1に記載の壁紙切断デバイス(1)。
【請求項3】
前記フレームが4つのローラ(23)を備え、前記切断ユニット(3)は、その刃(32)が全ローラ(23)によって形成される接触平面を越えて平面状の前記フレーム(21)から突き出るように配置されている、請求項1又は2に記載の壁紙切断デバイス(1)。
【請求項4】
前記切断ユニット(3)が、事前に規定された角度まで枢動可能であるように、ピボット継手(34)を用いて前記フレーム(21)上に配置されている取り付けアーム(31)を備える、請求項1~3のうちの一項に記載の壁紙切断デバイス(1)。
【請求項5】
前記切断ユニット(3)が、前記フレーム(21)と前記取り付けアーム(31)との間に挟持されている前記圧力バネ(33)を備える、請求項4に記載の壁紙切断デバイス(1)。
【請求項6】
前記取り付けアーム(31)が、前記刃(32)を収容するための第1の部分(311)、および前記圧力バネ(33)を取り付けるための第2の部分(312)を備え、前記ピボット継手(34)が、前記第1の部分(311)と前記第2の部分(312)との間で前記取り付けアーム(31)上に配置されている、請求項4又は5に記載の壁紙切断デバイス(1)。
【請求項7】
前記切断ユニット(3)が、前記取り付けアーム(31)上に前記刃(32)を固定するための締め付けネジ(35)を備える、請求項4~6のうちの一項に記載の壁紙切断デバイス(1)。
【請求項8】
前記切断ユニット(3)が、前記取り付けアーム(31)の枢動位置を変更するための調整ネジ(36)を備える、請求項4~7のうちの一項に記載の壁紙切断デバイス(1)。
【請求項9】
前記取り付けアーム(31)が、事前に規定された角度まで枢動するように、前記フレーム(21)上に配置されている、請求項4に記載の壁紙切断デバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項による壁紙切断デバイス、具体的には、互いに重なり合っている2つの壁紙部分を通ってダブルカットまたはダブルシームカットを生成するための壁紙切断デバイスに関する。
【0002】
本発明は、概して、例えば、紙またはプラスチックの壁装材を適用するためのツールの技術分野に関する。
【背景技術】
【0003】
壁紙の適用では、壁紙カッターでダブルカットを生成することが知られている。この場合、2つの隣接する壁紙ストリップは、部分的に互いに重なり合うように適用され、重なり合う部分は同時に切断される。このようにして、隣接する壁紙ストリップの縁が互いにしっかりと置かれている2つの隣接する壁紙ストリップ間の結果として生じる移行は、肉眼ではほとんど認識できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
主に2つの(長手方向に)隣接する壁紙ストリップ間の音の移行を達成するために、例えば、壁の角の形成において、最後の壁紙ストリップは、壁の角の周りに(これが内側の角に関するものであるか外側の角に関するものであるかにかかわらず)わずかに突き出るような方法で配置される。この突起は、できるだけ平らに押し付けられる。次の壁紙ストリップは、重なるように取り付けられる。次に、互いの上に置かれている2つの壁紙ストリップは、壁紙カッターで両方の壁紙レイヤーを通って垂直線に沿って切断される。この場合、壁紙カッターは、例えば金属レールによって垂直線に沿って誘導されてもよい。(手動で誘導される)カッターは、通常これらの技法で使用される。これは、壁紙カッターが壁紙の後ろに置かれている壁に切り込むため、すぐに鈍くなるという欠点がある。鈍い刃は、ギザギザのある切断縁を生じさせる。
【0005】
この切断を生成するために、いわゆるダブルカッターやスライダカッターを使用することが知られている。これにより、壁上での刃の鈍化や壁の損傷を防ぐことができる。このカッターはハンドルを有し、刃先が下を向くように刃が固定されている。刃先から離れた位置に接触面が形成され、カッターの使用中に壁上に配置される。接触面は壁に沿って移動する。この場合、1つの欠点は、壁紙が接触面と刃先との間に引っ掛かり、それにより刃先が摩耗すると破れてしまう可能性があることである。また、刃と壁紙との間の角度は固定されていない。
【0006】
本発明は、先行技術の欠点を解消し、特に、切断される壁紙ストリップの切断縁がギザギザにならないことを確実にする壁紙切断デバイスを利用できるようにする目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、独立請求項による壁紙切断デバイスによって達成される。有利な実施形態は、それぞれの従属請求項の目的を形成する。
【0008】
本発明は、互いに重ねられた2つの壁紙部分を通ってダブルカットを生成するための壁紙切断デバイスを提案し、壁紙切断デバイスは、ハンド部分(デバイスを保持するため)および、バネによって付勢された様式で上記ハンド部分上に配置されている切断ユニット(壁紙を切断するための刃を有する)を備える。バネ式支持のため、切断デバイスまたはその上に固定された刃をそれぞれ保護するために、壁紙切断デバイスを誘導するためにスライダカッター上に設けられたタイプの接触面は必要ない。バネ式支持(定義されたバネ定数を有する)の利点の1つは、切断深さが一定であるという点に見られる。さらに、バネ式支持により、刃先によって加えられる力を調整することができ、これにより、一方の刃は2つの壁紙層を確実に切断し、もう一方の刃は、その下にある壁と接触すると、過度に負担が掛からないようになる。本発明の1つの重要な利点は、刃が壁紙に対して(切断方向およびその横方向に)整列する角度が一定のままであることにある。
【0009】
ハンド部は、第1のサイド部分と、(第1のサイド部分に直接に接続される)第2のサイド部分とを有するフレームを備えることが好ましい。ハンドルは、第1のサイド部分および第2のサイド部分上にそれぞれ配置される。フレームのそれぞれのサイド部分上に配置されたハンドルにより、カッターを確実に押し下げ、正確に誘導することができる。
【0010】
切断ユニットは、その刃が、ハンドルの反対側にある裏側で平面フレームから突き出るように配置される。したがって、取り付け状態では、刃は、壁紙切断デバイスの下にある壁紙を通って誘導され得る。
【0011】
好ましい態様によれば、切断ユニットは、2つのハンドル間のフレーム上の中央に配置されている。このように切断ユニットが中央に配置されているため、肉眼で容易に切り口を追跡することができ、壁紙切断デバイスが誘導される切断方向を正確に修正することができる。
【0012】
フレームが4つのローラを備えることがさらに好ましい。切断ユニットは、その刃が全てのローラによって形成された接触面を越えて平面フレームから突き出るように配置されている。接触面とは、4本のローラの全てが同時にそれらの外周にある面のことである。切断ユニットは、接触面から突き出るように配置されているので、壁紙切断デバイスが側壁に取り付けられたときに、バネの力で壁紙壁に押し付けることができる。
【0013】
切断ユニットは、事前既定の角度まで枢動可能であるようにピボット継手を用いてフレーム上に配置されている取り付けアームを備えることが有利である。取り付けアームは、切断ユニットをフレームに接続するために働く。この場合、事前既定の角度は、この切断ユニットが壁に接触している間に、切断ユニットが接触面を通って突き出る位置から離れて枢動することができるように大きく選択される。
【0014】
切断ユニットが、フレームと取り付けアームとの間に挟持された圧力バネを備えることが特に好ましい。その緩んだ位置では、圧力バネは、取り付けアームを、切断ユニットが可能な限り下方に突き出る位置に保持する。
【0015】
別の有利な態様によれば、取り付けアームは、刃を収容するための第1の部分、および圧力バネを取り付けるための第2の部分を備える。第1の部分と第2の部分との間で、取り付けアーム上にピボット継手が配置されている。このようにして、枢動可能な取り付けアームは、バネが第1の部分および第2の部分を圧迫し、それにより、刃が切断される壁紙に押し付けられるように、具体化され得る。
【0016】
別の有利な態様によれば、切断ユニットは、刃を取り付けアームに固定するための締め付けネジを備える。締め付けネジにより、交換する、または裏返す、またはその位置を変えることができるように刃を手で外すことが可能になる。締め付けネジは、その端が鋸歯状の外形になっているものがある。
【0017】
本発明のまた別の好ましい態様によれば、切断ユニットは、取り付けアームの枢動位置を変更するための調整ネジを備える。調整ネジを、その端部分がフレーム上に当接するように、取り付けアーム内のねじ筋を通って誘導することができ、したがって、調整ネジを回すことによって、取り付けアームを枢動させることができる。
【0018】
本発明は、添付の図面に示される例示的な実施形態に関して、以下により詳細に説明される。同一の特有の特徴は、全図面で同じ参照記号によって特定される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の壁紙切断デバイスの例示的な実施形態の斜視図を示す。
図2】異なる視野角からの図1による壁紙切断デバイスの第2の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、重なり合った壁紙部分を通ってダブルカットを生成するのに使用され得る壁紙切断デバイス1を示す。
【0021】
壁紙切断デバイス1は、ハンド部2上をつかみ、切断ユニット3が、そのハンド部2上にバネによって付勢された様式で配置されている。切断ユニットのバネ式支持により、刃が配置された切断ユニットが壁に過度に擦れるのを防ぐ。
【0022】
さらに、切断ユニット3のバネ式支持により、一方では、刃先(刃)が2つの壁紙層を確実に切り開き、他方では、刃先が、下にある壁と接触するとき過度に負担が掛からないように、この切断ユニットが押される、力を調整することが可能になる。
【0023】
ハンド部2は、直方体基本形を有し、曲がったマルチパート金属板で作られたフレーム21を備える。フレーム21は、2つの相互接続型サイド部分211、212に分けられ、第1のサイド部分211は、第1のU字形状ハンドル22を備え、第2のサイド部分212は、第2のU字形状ハンドル22を備える。
【0024】
切断ユニット3は、その刃32が、ハンドル22がフレームの上面にある、平面状のフレーム21から下方に突き出すように、配置されている。4つのローラは、それらの外周面との接触平面を形成する。切断ユニット3は、事前に規定された角度(15°~45°)まで枢動可能であるように、ピボット継手34を用いて、フレーム21上に配置されている取り付けアーム31を備える。このため、取り付けアーム31の中央に孔が形成され、それを中心に取り付けアームが枢動することができるネジが、取り付けのためにその孔を通って誘導される。
【0025】
図2は、異なる視野角からの壁紙切断デバイス1の第2の斜視図を示す。
【0026】
壁紙切断デバイス1は、上記のハンド部2上をつかむ。切断ユニット3は、バネによって付勢された様式でハンド部2上に配置されている。
【0027】
取り付けアーム31に刃32を固定するための締め付けネジ35は、この図では、その全体が見えている。締め付けネジ35は、刃32内の中央開口に通って誘導され、切断ユニット3の取り付けアーム31の第1の部分311に固定される。刃32内の2つの隣接する開口は、切断ユニット3の誘導突起上に取り付けられる。
【0028】
切断ユニット3はさらに、フレーム21と取り付けアーム31との間に挟持されている圧力バネ33を備える。取り付アーム31は、刃32を収容するための第1の部分311、および圧力バネ33を取り付けるための第2の部分312を備える。ビボット継手34は、第1の部分311と第2の部分312との間で、取り付けアーム31上に配置されている。さらに、切断ユニット3は、第2の部分312に、フレーム21に対する取り付けアーム3の枢動位置を変更するための調整ネジ36を備える。調整ネジ36は、第2の部分312に形成された孔にねじ込まれ、I字形状で上方に延在する、フレーム21の部分上に当接する。
図1
図2