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特許7466477プログラム、情報処理方法、端末、サーバ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、端末、サーバ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/36 20120101AFI20240405BHJP
【FI】
G06Q20/36
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021022923
(22)【出願日】2021-02-16
(62)【分割の表示】P 2019043422の分割
【原出願日】2019-03-11
(65)【公開番号】P2021077421
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-03-09
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518179254
【氏名又は名称】LINE Pay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001759
【氏名又は名称】弁理士法人よつ葉国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093687
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 元成
(74)【代理人】
【識別番号】100168468
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 曜
(74)【代理人】
【識別番号】100166176
【弁理士】
【氏名又は名称】加美山 豊
(72)【発明者】
【氏名】大野 渉
(72)【発明者】
【氏名】荘司 陽太
(72)【発明者】
【氏名】須藤 優香
(72)【発明者】
【氏名】田中 茜
(72)【発明者】
【氏名】阿比留 圭
(72)【発明者】
【氏名】大幸 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】ユ ジヌ
(72)【発明者】
【氏名】パク グンピョ
(72)【発明者】
【氏名】ハ ウクジュ
(72)【発明者】
【氏名】シン ミュンキュ
(72)【発明者】
【氏名】シン ジンホ
(72)【発明者】
【氏名】大野 良
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-205979(JP,A)
【文献】特開2009-146069(JP,A)
【文献】特開2004-252582(JP,A)
【文献】特開2008-269062(JP,A)
【文献】特開2017-097827(JP,A)
【文献】特開2018-106384(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0286925(US,A1)
【文献】特開2007-233491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末及び第2端末と通信するサーバによって実行されるプログラムであって、
第1銀行口座を有する前記第1端末の第1ユーザの、第1電子マネー口座の残高のうち、第1金額を貯蓄電子マネー口座に移動させる第1制御と、第2銀行口座を有する前記端末の第ユーザの、第2電子マネー口座の残高のうち、第2金額を前記貯蓄電子マネー口座に移動させる第2制御とを前記サーバの制御部によって実行することと、
前記第1制御の対象となった電子マネーの額に関する第1情報と、前記第2制御の対象となった電子マネーの額に関する第2情報と、前記第1端末に前記サーバの通信部によって送信することとが前記サーバによって実行され
前記第1電子マネー口座の残高が前記第1金額に満たない場合、前記第1銀行口座の残高から前記第1電子マネー口座に所定額をチャージした後、前記第1制御を実行し、前記第2電子マネー口座の残高が前記第2金額に満たない場合、前記第2銀行口座の残高から前記第2電子マネー口座に所定額をチャージした後、前記第2制御を実行する、プログラム。
【請求項2】
請求項1のプログラムであって、
前記第1制御の対象となった電子マネーに関する第1条件と、前記第2制御の対象となった電子マネーに関する第2条件とが成立したことに基づいて、前記貯蓄電子マネー口座の残高のうち前記第1電子マネー口座から移動された金額を前記第1電子マネー口座に移動させ、前記貯蓄電子マネー口座の残高のうち前記第2電子マネー口座から移動された金額を前記第2電子マネー口座に移動させる制御を前記制御部によって実行することが、前記サーバによって実行されるプログラム。
【請求項3】
請求項1のプログラムであって、
前記第1銀行口座の残高が所定額未満となったことに基づいて、前記貯蓄電子マネー口座の残高のうち前記第1電子マネー口座から移動された金額を前記第1電子マネー口座に移動させ、前記第2銀行口座の残高が所定額未満となったことに基づいて、前記貯蓄電子マネー口座の残高のうち前記第2電子マネー口座から移動された金額を前記第2電子マネー口座に移動させる制御を前記制御部によって実行することが、前記サーバによって実行されるプログラム。
【請求項4】
第1端末及び第2端末と通信するサーバの情報処理方法であって、
第1銀行口座を有する前記第1端末の第1ユーザの、第1電子マネー口座の残高のうち、第1金額を貯蓄電子マネー口座に移動させる第1制御と、第2銀行口座を有する前記端末の第ユーザの、第2電子マネー口座の残高のうち、第2金額を前記貯蓄電子マネー口座に移動させる第2制御とを前記サーバの制御部によって実行することと、
前記第1制御の対象となった電子マネーの額に関する第1情報と、前記第2制御の対象となった電子マネーの額に関する第2情報と、前記第1端末に前記サーバの通信部によって送信することと、を含み、
前記第1電子マネー口座の残高が前記第1金額に満たない場合、前記第1銀行口座の残高から前記第1電子マネー口座に所定額をチャージした後、前記第1制御を実行し、前記第2電子マネー口座の残高が前記第2金額に満たない場合、前記第2銀行口座の残高から前記第2電子マネー口座に所定額をチャージした後、前記第2制御を実行する、情報処理方法。
【請求項5】
第1端末及び第2端末と通信するサーバであって、
第1銀行口座を有する前記第1端末の第1ユーザの、第1電子マネー口座の残高のうち、第1金額を貯蓄電子マネー口座に移動させる第1制御と、第2銀行口座を有する前記端末の第ユーザの、第2電子マネー口座の残高のうち、第2金額を前記貯蓄電子マネー口座に移動させる第2制御とを実行する制御部と、
前記第1制御の対象となった電子マネーの額に関する第1情報と、前記第2制御の対象となった電子マネーの額に関する第2情報と、前記第1端末に送信する通信部と、を備え、
前記制御部は、前記第1電子マネー口座の残高が前記第1金額に満たない場合、前記第1銀行口座の残高から前記第1電子マネー口座に所定額をチャージした後、前記第1制御を実行し、前記第2電子マネー口座の残高が前記第2金額に満たない場合、前記第2銀行口座の残高から前記第2電子マネー口座に所定額をチャージした後、前記第2制御を実行する、サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、プログラム、端末、サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、支払額入力情報端末から支払額の登録がある都度、利用者毎および集計分類毎に支払額合計値を算出し、支払額合計値が予算値の閾値を超えているか否か比較する家計簿管理サーバが開示されている。しかし、端末に登録がない支払額に関しては、家計簿管理サーバ側で管理することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-75915
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様によると、サーバと通信する端末によって実行されるプログラムは、 第1条件の成立に基づいて、ユーザの銀行口座に関連付けられた第1電子マネー口座の電子マネーの少なくとも一部を対象として、使用を制限する第1制御が実行された場合に、第1情報をサーバから端末の通信部によって受信することと、第1情報に基づいて、第1制御の対象となった電子マネーの額を端末の表示部に表示することとが端末によって実行される。
本発明の第2の態様によると、サーバと通信する端末の情報処理方法は、第1条件の成立に基づいて、端末のユーザの銀行口座に関連付けられた第1電子マネー口座の電子マネーの少なくとも一部を対象として、使用を制限する第1制御が実行された場合に、第1情報をサーバから端末の通信部によって受信することと、第1情報に基づいて、第1制御の対象となった電子マネーの額を端末の表示部に表示することとを含む。
本発明の第3の態様によると、サーバと通信する端末は、第1条件の成立に基づいて、端末のユーザの銀行口座に関連付けられた第1電子マネー口座の電子マネーの少なくとも一部を対象として、使用を制限する第1制御が実行された場合に、第1情報をサーバから受信する通信部と、第1情報に基づいて、第1制御の対象となった電子マネーの額を表示する表示部とを備える。
本発明の第4の態様によると、端末と通信するサーバによって実行されるプログラムは、 第1条件の成立に基づいて、端末のユーザの銀行口座に関連付けられた第1電子マネー口座の電子マネーの少なくとも一部を対象として、使用を制限する第1制御をサーバの制御部によって実行することと、第1制御を実行したことに基づく第1情報を、端末にサーバの通信部によって送信することとがサーバによって実行される。
本発明の第5の態様によると、端末と通信するサーバの情報処理方法は、第1条件の成立に基づいて、端末のユーザの銀行口座に関連付けられた第1電子マネー口座の電子マネーの少なくとも一部を対象として、使用を制限する第1制御をサーバの制御部によって実行することと、第1制御を実行したことに基づく第1情報を、端末にサーバの通信部によって送信することとを含む。
本発明の第6の態様によると、端末と通信するサーバは、第1条件の成立に基づいて、端末のユーザの銀行口座に関連付けられた第1電子マネー口座の電子マネーの少なくとも一部を対象として、使用を制限する第1制御を実行する制御部と、第1制御を実行したことに基づく第1情報を端末に送信する通信部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】実施形態の一態様における通信システムの構成の一例を示す図。
図2-1】第1実施例に係る家計簿データの一例を示す図。
図2-2】第1実施例に係る家計簿データの一例を示す図。
図2-3】第1実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図2-4】第1実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図2-5】第1実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図2-6】第1実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図2-7】第1実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図2-8】第1実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図2-9】第1実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図2-10】第1実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図2-11】第1実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図2-12】第1実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図3-1】第1実施例に係る家計簿サーバの制御部により実現される機能の一例を示す図。
図3-2】第1実施例に係る家計簿サーバの記憶部に記憶される情報の一例を示す図。
図3-3】第1実施例に係るユーザ登録データの一例を示す図。
図3-4】第1実施例に係るユーザ管理データベースの一例を示す図。
図3-5】第1実施例に係るIMSマネーサーバの制御部により実現される機能の一例を示す図。
図3-6】第1実施例に係るIMSマネーサーバの記憶部に記憶される情報の一例を示す図。
図3-7】第1実施例に係るIMSマネー管理データベースの一例を示す図。
図3-8】第1実施例に係る端末の制御部により実現される機能の一例を示す図。
図3-9】第1実施例に係る端末の記憶部に記憶される情報の一例を示す図。
図3-10】第1実施例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
図3-11】第1実施例に係る支出項目推定処理の流れの一例を示すフローチャート。
図3-12】第1実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図4-1】第2実施例に係る残高管理データの一例を示す図。
図4-2】第2実施例に係る貯金管理データの一例を示す図。
図4-3】第2実施例に係る貯金条件と貯金額の一例を示す図。
図4-4】第2実施例に係る使用許可条件の一例を示す図。
図4-5】第2実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図4-6】第2実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図4-7】第2実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図4-8】第2実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図4-9】第2実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図4-10】第2実施例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
図4-11】第2実施例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
図4-12】第2実施例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
図4-13】第2実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図4-14】第2実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
図4-15】第2実施例に係る貯金管理データの一例を示す図。
図4-16】第2実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
<法的事項の遵守>
本明細書に記載の開示は、通信の秘密など、本開示の実施に必要な実施国の法的事項遵守を前提とすることに留意されたい。
【0007】
本開示に係る情報処理方法等を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。
【0008】
[システム構成]
図1は、本開示の一実施形態に係る通信システム1の構成の一例を示す図である。
図1に開示されるように、通信システム1では、ネットワーク30を介して、家計簿サーバ10と、端末20(端末20A,端末20B,端末20C,・・・)と、IMSマネーサーバ40と、銀行サーバ50と、商取引システム60とが接続される。
【0009】
家計簿サーバ10は、ネットワーク30を介してユーザが所有する端末20に、端末20または端末20のユーザの家計簿に関するアプリケーション(以下、「家計簿アプリケーション」と称す。)を提供するサービスを提供する。また、家計簿サーバ10は、端末20と通信を行って、端末20または端末20のユーザの家計簿のデータを管理する。なお、ネットワーク30に接続される端末20の数は限定されない。
【0010】
ネットワーク30は、1以上の端末20と、1以上の家計簿サーバ10と、1以上のIMSマネーサーバ40と、1以上の銀行サーバ50と、1以上の商取引システム60とを接続する役割を担う。すなわち、ネットワーク30は、上記の各種の装置が接続した後、データを送受信することができるように接続経路を提供する通信網を意味する。
【0011】
ネットワーク30のうちの1つまたは複数の部分は、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよいし、そうでなくてもよい。ネットワーク30は、限定でなく例として、アドホック・ネットワーク(ad hoc network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(virtual private network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(local area network:LAN)、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ワイヤレスWAN(wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(metropolitan area network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDN(integrated service digital networks)、無線LAN、LTE(long term evolution)、CDMA(code division multiple access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、衛星通信など、または、これらの2つ以上の組合せを含むことができる。ネットワーク30は、1つまたは複数のネットワーク30を含むことができる。
【0012】
端末20(端末20A,端末20B,端末20C,・・・)(限定でなく、端末、情報処理装置の一例)は、各実施形態において記載する機能を実現できる情報処理端末であればどのような端末であってもよい。端末20は、限定でなく例として、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA・(personal digital assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、または他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。また、端末20は情報処理端末と表現されてもよい。
【0013】
端末20A、端末20Bおよび端末20Cの構成は基本的には同一であるため、以下の説明においては、端末20について説明する。また、必要に応じて、ユーザXが利用する端末を端末20Xと表現し、ユーザXまたは端末20Xに対応付けられた、所定のサービスにおけるユーザ情報をユーザ情報Xと表現する。なお、ユーザ情報とは、所定のサービスにおいてユーザが利用するアカウントに対応付けられたユーザの情報である。ユーザ情報は、限定でなく例として、ユーザにより入力される、または、所定のサービスにより付与される、ユーザの名前、ユーザのアイコン画像、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの住所、ユーザの趣味趣向、ユーザの識別子などのユーザに対応付けられた情報を含み、これらのいずれか一つまたは、組み合わせであってもよいし、そうでなくてもよい。
【0014】
家計簿サーバ10(限定でなく、サーバ、情報処理装置、情報管理装置の一例)は、端末20に対して、所定のサービスとして、家計簿サービスを提供する機能を備える。家計簿サーバ10は、各実施形態において記載する機能を実現できる情報処理装置であればどのような装置であってもよい。家計簿サーバ10は、限定でなく例として、サーバ装置、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。また、家計簿サーバ10は情報処理装置と表現されてもよい。家計簿サーバ10と端末20とを区別する必要がない場合は、家計簿サーバ10と端末20とは、それぞれ情報処理装置と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0015】
IMSマネーサーバ40(限定でなく、サーバ、情報処理装置、情報管理装置の一例)は、端末20または端末20のユーザが所有する電子貨幣を管理する機能を備える。IMSマネーサーバ40は、各実施形態において記載する機能を実現できる情報処理装置であればどのような装置であってもよい。IMSマネーサーバ40は、限定でなく例として、サーバ装置、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。また、IMSマネーサーバ40は情報処理装置と表現されてもよい。IMSマネーサーバ40と端末20とを区別する必要がない場合は、IMSマネーサーバ40と端末20とは、それぞれ情報処理装置と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0016】
なお、家計簿サーバ10と、IMSマネーサーバ40とは、1つのサーバとして構成するようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0017】
また、本実施例では、限定でなく例として、家計簿サーバ10およびIMSマネーサーバ40を運用する事業者を同じ事業者(例えば企業「X」)とする。そして、この家計簿サーバ10およびIMSマネーサーバ40を運用する事業者は、銀行サーバ50を運用する事業者(銀行の事業者)、および、商取引システム60を運用する事業者(店舗の事業者)と提携していることとする。
【0018】
IMSマネーサーバ40は、限定でなく例として、端末20のユーザによる、上記の電子商取引や実店舗での商品購入に際して、端末20から送信される決済に関する情報や、商取引システム60から送信される決済に関する情報に基づいて、決済処理を行う。
【0019】
例えば、端末20のユーザが実店舗で商品を購入する場合、1つの手法として、IMSマネーサーバ40は、端末20から送信される二次元コード生成依頼情報に基づいて、決済用の二次元コード(例えばQRコード(登録商標))を生成して端末20に送信する。そして、端末20のユーザは、自己の端末20がIMSマネーサーバ40から受信した二次元コードを表示部24に表示させて、店舗の商取引システム60が有するコードリーダ装置に読み取らせる。そして、店舗のコードリーダ装置から決済に関する情報がIMSマネーサーバ40に送信され、IMSマネーサーバ40は、コードリーダ装置から受信した決済に関する情報に基づいて決済処理を行う。
【0020】
また、他の手法として、端末20のユーザは、商品購入時に、例えば店舗の店頭やレジ周辺に掲示される決済用の二次元コード(例えばQRコード)を、自己の端末20のアプリケーションのコードリーダで読み取る。そして、読み取った二次元コードからデータをデコードすることで取得された決済に関する情報を、自己の端末20からIMSマネーサーバ40に送信させる。そして、IMSマネーサーバ40は、端末20から送信される決済に関する情報に基づいて決済処理を行う。
【0021】
銀行サーバ50は、限定でなく例として、家計簿サービスの事業者と提携している銀行に設置され、その銀行の顧客の銀行口座の情報(限定でなく例として、口座番号や口座残高等)を含む各種の情報を管理する。
【0022】
商取引システム60は、限定でなく例として、家計簿サービスの事業者と提携している事業者が運営する、端末20が電子商取引(Electronic Commerce:EC)による商品等を購入するためのECシステム(限定でなく例として、ECウェブサイト(ECサイト)を提供するECサーバを含むシステム)や、端末20のユーザが商品等を購入する実店舗に導入されるPOS(Point Of Sale)システム等を含む商取引システムである。
【0023】
[各装置のハードウェア(HW)構成]
通信システム1に含まれる各装置のHW構成について説明する。
【0024】
(1)端末のHW構成
図1には、端末20のHW構成の一例を示している。
端末20は、制御部21(CPU:central processing unit(中央処理装置))、記憶部28、通信I/F(インタフェース)22、入出力部23、表示部24、マイク25、スピーカ26、カメラ27、時計部29A、位置算出用情報検出部29B、ビーコン信号受信部29Cを備える。端末20のHWの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。なお、端末20のHW構成として、すべての構成要素を含むことは必須ではない。限定でなく例として、端末20は、マイク25、カメラ27等、個々の構成要素、または複数の構成要素を取り外すような構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0025】
通信I/F22は、ネットワーク30を介して各種データの送受信を行う。通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F22は、ネットワーク30を介して、家計簿サーバ10、IMSマネーサーバ40等の各種装置との通信を実行する機能を有する。通信I/F22は、各種データを制御部21からの指示に従って、家計簿サーバ10、IMSマネーサーバ40等の各種装置に送信する。また、通信I/F22は、家計簿サーバ10、IMSマネーサーバ40等の各種装置から送信された各種データを受信し、制御部21に伝達する。また、通信I/F22を単に通信部と表現する場合もある。また、通信I/F22が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0026】
入出力部23は、端末20に対する各種操作を入力する装置、および、端末20で処理された処理結果を出力する装置を含む。入出力部23は、入力部と出力部が一体化していてもよいし、入力部と出力部に分離していてもよいし、そうでなくてもよい。
【0027】
入力部は、ユーザからの入力を受け付けて、入力に係る情報を制御部21に伝達できる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入力部は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(動画像を介した操作入力)、マイク(音(音声を含む。)による操作入力)を含む。
【0028】
出力部は、制御部21で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力部は、限定でなく例として、 タッチパネル、タッチディスプレイ、スピーカ(音出力)、レンズ(限定でなく例として3D(three dimensions)出力や、ホログラム出力)、プリンターなどを含む。
【0029】
表示部24は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。表示部24は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイやOELD(organic electroluminescence display))、ヘッドマウントディスプレイ(HDM:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよいし、そうでなくてもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置を含む。なお、これらの表示部24は、3Dで表示データを表示可能であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0030】
入出力部23がタッチパネルの場合、入出力部23と表示部24とは、略同一の大きさおよび形状で対向して配置されていてもよい。
【0031】
時計部29Aは、端末20の内蔵時計であり、時刻情報(計時情報)を出力する。時計部29Aは、限定でなく例として、水晶発振器を利用したクロック、NITZ(Network Identity and Time Zone)規格を利用したクロック等を有して構成される。時計部29Aは、限定でなく例として、計時部や時刻情報検出部と表現することもできる。
【0032】
位置算出用情報検出部29Bは、制御部21が自己の端末20の位置を算出(測定)するために必要な情報(以下、「位置算出用情報」と称す。)を検出(計測)する機能部である。位置算出用情報検出部29Bは、限定でなく例として、位置算出用センサ部と表現することもできる。
【0033】
位置算出用情報検出部29Bは、限定でなく例として、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムを利用して端末20の位置を算出するためのセンサやユニットである衛星測位センサ(衛星測位ユニット)や、慣性航法システムを利用して端末20の位置を算出するためのセンサやユニットである慣性計測センサ(慣性計測ユニット(IMU(Inertial Measurement Unit)))等を含む。
【0034】
衛星測位ユニットは、限定でなく例として、不図示のアンテナで受信される測位用衛星から発信されている測位用衛星信号を含むRF(Radio Frequency)信号をデジタル信号に変換するRF受信回路や、RF受信回路から出力されるデジタル信号に対して相関演算処理等を行って測位用衛星信号を捕捉し、測位用衛星信号から取り出した衛星軌道データや時刻データ等の情報を、位置算出用情報として出力するベースバンド処理回路等を有する。
【0035】
慣性計測ユニットは、慣性航法演算によって端末20の位置を算出するために必要な情報を検出するセンサである慣性センサを有する。慣性センサには、限定でなく例として、3軸の加速度センサや3軸のジャイロセンサが含まれ、加速度センサによって検出された加速度と、ジャイロセンサによって検出された角速度とを、位置算出用情報として出力する。
【0036】
ビーコン信号受信部29Cは、商取引システム60が適用される店舗に設置される無線装置の一種であるビーコン(ビーコン発信器)から発信されるビーコン信号を受信する受信回路や、受信したビーコン信号からデータをデコードすることで取得した店舗の位置情報を出力する信号処理回路等を有する。
【0037】
制御部21は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、限定でなく例として、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。そのため、制御部21は、制御回路と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0038】
制御部21は、限定でなく例として、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(application-specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)を含む。
【0039】
記憶部28は、端末20が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部28は、限定でなく例として、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)など各種の記憶媒体を含む。また、記憶部28は、メモリ(memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0040】
端末20は、プログラムPを記憶部28に記憶し、このプログラムPを実行することで、制御部21が、制御部21に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶部28に記憶されるプログラムPは、端末20に、制御部21が実行する各機能を実現させる。また、このプログラムPは、プログラムモジュールと表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0041】
マイク25は、音データの入力に利用される。スピーカ26は、音データの出力に利用される。カメラ27は、動画像データの取得に利用される。
【0042】
(2)家計簿サーバのHW構成
図1には、家計簿サーバ10のHW構成の一例を示している。
家計簿サーバ10は、制御部11(CPU)、記憶部15、通信I/F14(インタフェース)、入出力部12、ディスプレイ13、時計部19を備える。家計簿サーバ10のHWの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。なお、家計簿サーバ10のHWは、家計簿サーバ10のHWの構成として、全ての構成要素を含むことは必須ではない。限定でなく例として、家計簿サーバ10のHWは、ディスプレイ13を取り外すような構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0043】
制御部11は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、限定でなく例として、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。
【0044】
制御部11は、代表的には中央処理装置(CPU)、であり、その他にマイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、ASIC、FPGAであってもよいし、そうでなくてもよい。本開示において、制御部11は、これらに限定されない。
【0045】
記憶部15は、家計簿サーバ10が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部15は、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。ただし、本開示において、記憶部15は、これらに限定されない。また、記憶部15は、メモリ(memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0046】
通信I/F14は、ネットワーク30を介して各種データの送受信を行う。通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F14は、ネットワーク30を介して、端末20等の各種装置との通信を実行する機能を有する。通信I/F14は、各種データを制御部11からの指示に従って、端末20等の各種装置に送信する。また、通信I/F14は、端末20等の各種装置から送信された各種データを受信し、制御部11に伝達する。また、通信I/F14を単に通信部と表現する場合もある。また、通信I/F14が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0047】
入出力部12は、家計簿サーバ10に対する各種操作を入力する装置により実現される。入出力部12は、ユーザからの入力を受け付けて、入力に係る情報を制御部11に伝達できる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入出力部12は、代表的にはキーボード等に代表されるハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイスで実現される。なお、入出力部12、限定でなく例として、タッチパネルやカメラ(動画像を介した操作入力)、マイク(音による操作入力)を含んでいてもよいし、そうでなくてもよい。ただし、本開示において、入出力部12は、これらに限定されない。
【0048】
ディスプレイ13は、代表的にはモニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイやOELD(organic electroluminescence display))で実現される。なお、ディスプレイ13は、ヘッドマウントディスプレイ(HDM)などであってもよいし、そうでなくてもよい。なお、これらのディスプレイ13は、3Dで表示データを表示可能であってもよいし、そうでなくてもよい。本開示において、ディスプレイ13は、これらに限定されない。
【0049】
時計部19は、家計簿サーバ10の内蔵時計であり、時刻情報(計時情報)を出力する。時計部19は、限定でなく例として、ハードウェアクロックとしてのRTC(Real Time Clock)やシステムクロック等を有して構成される。時計部19は、限定でなく例として、計時部や時刻情報検出部と表現することもできる。
【0050】
(3)IMSマネーサーバのHW構成
図1には、IMSマネーサーバ40のHW構成の一例を示している。
IMSマネーサーバ40は、制御部41(CPU)、記憶部45、通信I/F44(インタフェース)、入出力部42、ディスプレイ43、時計部49を備える。IMSマネーサーバ40のHWの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。なお、IMSマネーサーバ40のHWは、IMSマネーサーバ40のHWの構成として、全ての構成要素を含むことは必須ではない。限定でなく例として、IMSマネーサーバ40のHWは、ディスプレイ43を取り外すような構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
なお、IMSマネーサーバ40の各機能部は、限定でなく例として、家計簿サーバ10と同様に構成することができるため、説明を省略する。
【0051】
(4)その他
家計簿サーバ10は、プログラムPを記憶部15に記憶し、このプログラムPを実行することで、制御部11が、制御部11に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶部15に記憶されるプログラムPは、家計簿サーバ10に、制御部11が実行する各機能を実現させる。このプログラムPは、プログラムモジュールと表現されてもよいし、されなくてもよい。
他の装置についても同様である。
【0052】
本開示の各実施形態においては、端末20および/または家計簿サーバ10のCPUがプログラムPを実行することにより、実現するものとして説明する。
他の装置についても同様である。
【0053】
なお、端末20の制御部21、および/または、家計簿サーバ10の制御部11は、制御回路を有するCPUだけでなく、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各処理を実現してもよいし、そうでなくてもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよいし、そうでなくてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。そのため、制御部21は、制御回路と表現されてもよいし、されなくてもよい。
他の装置についても同様である。
【0054】
また、本開示の各実施形態のプログラムP(限定でなく例として、ソフトウェアプログラム、コンピュータプログラム、またはプログラムモジュール)は、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよいし、されなくてもよい。 記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムPを記憶可能である。また、プログラムPは、本開示の各実施形態の機能の一部を実現するためのものであってもよいし、そうでなくてもよい。さらに、本開示の各実施形態の機能を記憶媒体にすでに記録されているプログラムPとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0055】
記憶媒体は、1つまたは複数の半導体ベースの、または他の集積回路(IC)(限定でなく例として、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または特定用途向けIC(ASIC)など)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カード、またはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。なお、記憶媒体はこれらの例に限られず、プログラムPを記憶可能であれば、どのようなデバイスまたは媒体であってもよい。また、記憶媒体をメモリ(memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0056】
家計簿サーバ10および/または端末20は、記憶媒体に記憶されたプログラムPを読み出し、読み出したプログラムPを実行することによって、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現することができる。
他の装置についても同様である。
【0057】
また、本開示のプログラムPは、プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、家計簿サーバ10および/または端末20に提供されてもよいし、されなくてもよい。家計簿サーバ10および/または端末20は、限定でなく例として、インターネット等を介してダウンロードしたプログラムPを実行することにより、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現する。
他の装置についても同様である。
【0058】
また、本開示の各実施形態は、プログラムPが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
家計簿サーバ10および/または端末20における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよいし、そうでなくてもよい。
端末20における処理の少なくとも一部を、家計簿サーバ10により行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。この場合、端末20の制御部21の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、家計簿サーバ10で行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。
家計簿サーバ10における処理の少なくとも一部を、端末20により行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。この場合、家計簿サーバ10の制御部11の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、端末20で行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。
明示的な言及のない限り、本開示の実施形態における判定の構成は必須でなく、判定条件を満たした場合に所定の処理が動作されたり、判定条件を満たさない場合に所定の処理がされたりしてもよいし、そうでなくてもよい。
【0059】
なお、本開示のプログラムは、限定でなく例として、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装される。
【0060】
<第1実施例>
以下、本実施形態の一態様としての第1実施例について説明する。
【0061】
近年、IMSやSNS(Social Networking Service)等のネットワークサービスが流行している。
「IMS」は、インターネットを利用して通信装置のユーザ間で会話を交わすために、ユーザの通信装置間でのメッセージの送受信を行わせるサービスである。本明細書では、インスタントメッセージングサービスの略称である「IMS」の表現を用いるが、広義にはメッセージングサービス全般を意味するものであり、インスタントメッセージングサービスに限定されるものではない。
「SNS」とは、主として通信装置のユーザ間のコミュニケーションを行うことを目的として、インターネット上で社会的なネットワークやコミュニティを形成させるサービスである。なお、IMSはSNSの1つの形態(一形態)であるとも言える。このため、IMSとSNSとは区別してもよいし、区別しなくてもよい。
【0062】
また、これらのネットワークサービスに関連して、ユーザの家計簿を管理するためのアプリケーションソフトウェア(以下、簡単に「家計簿アプリケーション」と称す。)や、電子決済を行うためのアプリケーションソフトウェア(以下、簡単に「決済アプリケーション」と称す。)が普及しつつあり、端末20のユーザが、これらのアプリケーションを用いたサービスを受けることが可能となっている。
【0063】
以下説明する実施例は、限定でなく例として、IMSの事業者によって提供されるアプリケーションであって、IMSアプリケーションソフトウェア(以下、簡単に「IMSアプリケーション」と称す。)の一機能として、または、IMSアプリケーションと連動するアプリケーションとして、端末20のユーザが利用可能な家計簿アプリケーションにおいて、端末20のユーザの収入情報または支出情報を、端末20の表示領域に表示させる情報処理方法等に関する実施例である。
第1実施例の内容は、他の実施例にも適用可能である。
【0064】
なお、家計簿アプリケーションや決済アプリケーションは、必ずしも、IMSの事業者によって提供されるアプリケーションでなければならないわけではない。家計簿アプリケーションや決済アプリケーションは、IMSの事業者とは異なる事業者によって提供されるアプリケーションとしてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0065】
図2-1は、本実施例における家計簿管理の原理を説明するための家計簿データの一例を示す図である。
この家計簿データ1551には、限定でなく例として、家計簿データ1551が更新された日時である「更新日時」と、端末20のユーザの収入に関する情報である「収入」と、端末20のユーザの支出に関する情報である「支出」と、端末20のユーザの銀行口座に関する情報である「銀行口座」と、端末20のユーザの推定される所持金の情報である「推定所持金」と、端末20のユーザの実際の所持金の情報である「所持金」とが関連付けて記憶される。この家計簿データ1551は、本実施例では、家計簿サーバ10の記憶部15に記憶されて管理される。
【0066】
更新日時には、家計簿サーバ10が家計簿データ1551を更新するための条件(以下、「更新条件」と称す。)が成立したタイミングにおける時計部19の計時情報に基づく日時が記憶される。
【0067】
収入には、限定でなく例として、「カテゴリー」と、「収入金額」と、「更新方法」とが関連付けて記憶される。
カテゴリーは、その収入の項目(以下、適宜「収入項目」と称す。)であり、限定でなく例として、通常の収入である「収入」と、臨時的な収入である「臨時収入」とがこれに含まれる。
収入金額は、その収入で取得された金額である。
更新方法は、その収入に対応する収入金額を家計簿サーバ10が更新した方法であり、限定でなく例として、「スクレイピング」と、「ユーザ入力」とがこれに含まれる。
【0068】
スクレイピングは、他の装置やウェブサイトから情報を抽出するコンピュータソフトウェアの技術(典型例としては、ウェブスクレイピング)である。本実施例では、家計簿サーバ10は、スクレイピング処理を行って、銀行サーバ50から端末20のユーザの銀行口座に関する情報(銀行口座への入金に関する情報/銀行口座からの出金に関する情報を含む。)を抽出することが可能であるとともに、商取引システム60のうちの、例えば電子商取引用のサーバ(例えばECサーバ)が提供するECサイトでの端末20のユーザによる商品等の購入履歴に関する情報を抽出する処理を行う。
【0069】
支出には、カテゴリーと、支出金額と、更新方法とが関連付けて記憶される。
カテゴリーは、その支出の項目(以下、適宜「支出項目」と称す。)であり、限定でなく例として、「食費」、「教養・教育」、「通信費」、「交際費」、「交通費」等の勘定項目が記憶される。
支出金額は、その支出で消費された金額である。
更新方法は、その支出に対応する支出金額を家計簿サーバ10が更新した方法であり、限定でなく例として、「レシート撮影」と、「スクレイピング」と、「ユーザ入力」と、「推定」とがこれに含まれる。
【0070】
レシート撮影は、端末20のユーザにより、自己の端末20の家計簿アプリケーションの一機能として備えられたカメラ(以下、「アプリケーションカメラ」と称す。)、または、端末20の一機能として備えられたカメラ27を用いて、自身が商品等を購入した際に発行されたレシートが撮影され、家計簿サーバ10が、端末20から送信される撮影画像を解析して、支出のカテゴリーおよび支出金額を更新する方法である。
【0071】
スクレイピングは、家計簿サーバ10がスクレイピング処理を行って、端末20のユーザの銀行口座からの支出に関する情報を抽出して、支出のカテゴリーおよび支出金額を更新する方法である。
【0072】
ユーザ入力は、端末20のユーザにより、自己の端末20の家計簿アプリケーション内で支出に関する情報が直接的に入力され、家計簿サーバ10が、端末20から送信される入力情報に基づいて、支出のカテゴリーおよび支出金額を更新する方法である。
【0073】
推定所持金は、家計簿サーバ10が家計簿データ1551の更新日時のタイミング毎に推定した端末20のユーザの推定される所持金である。
【0074】
所持金は、ユーザによって自己の端末20の家計簿アプリケーション内で入力される、ユーザの実際の所持金(ユーザ自身が所有する財布に入っている現金)の金額である。
【0075】
図2-1に例示した家計簿データ1551において、例えば、更新日時「2019/1/25 9:00」には、収入の欄に、カテゴリー「収入」、収入金額「300,000」、更新方法「スクレイピング」が記憶されている。また、銀行口座の欄には、入金「300,000(給与)」、銀行口座残高「355,000」が記憶されている。
これは、端末20のユーザの給与として「300,000円」が銀行口座に振り込まれたことで、銀行口座残高が「355,000円」となり、家計簿サーバ10が銀行サーバ50の銀行口座にスクレイピング処理を行ったことで、家計簿データ1551の収入の欄に、カテゴリーとして「収入」が、収入金額として「300,000円」が、更新方法として「スクレイピング」がそれぞれ記憶されてデータ更新されたことを示している。
【0076】
また、この時点における推定所持金の欄は「0」となっている。これは、ユーザが以前に入力した所持金が、スクレイピングによる収入情報または支出情報の更新により0となっていることに基づいて、家計簿サーバ10によって、ユーザの所持金が「0円」と推定されていることを示している。
【0077】
例えば、更新日時「2019/1/25 12:00」には、銀行口座の欄に、出金「10,000(ATM)」、銀行口座残高「345,000」が記憶され、推定所持金は「10,000」となっている。
これは、端末20のユーザが、銀行の現金自動預け払い機(Automatic Teller Machine:ATM)から現金として「10,000円」を引き出したことにより、銀行口座残高が「345,000円」に更新されたことを示している。家計簿サーバ10が銀行サーバ50の銀行口座にスクレイピング処理を行い、家計簿サーバ10が銀行口座からの出金履歴を識別することで、推定所持金を更新することが可能となっている。銀行口座からの現金の引き出しは「収入」および「支出」のいずれにも該当しないが、この銀行口座からの出金に伴い、推定所持金が「0」から「10,000」に更新されている。
【0078】
例えば、更新日時「2019/1/25 12:45」には、支出の欄に、カテゴリー「食費」、支出金額「1,000」、更新方法「レシート撮影」が記憶されている。また、同じ更新日時で、支出の欄に、カテゴリー「教養・教育」、支出金額「500」、更新方法「レシート撮影」が記憶されている。
これは、端末20のユーザが食費として「1,000円」、書籍代等の教養・教育費として「500円」を使用した際に店舗から受領したレシートを、端末20のアプリケーションカメラで撮影して端末20から家計簿サーバ10に送信したことで、家計簿サーバ10によって、家計簿データ1551の支出の欄に、カテゴリーとして「食費」が、支出金額として「1,000円」が、更新方法として「レシート撮影」がそれぞれ記憶されてデータ更新され、さらに、カテゴリーとして「教養・教育」、支出金額として「500円」が、更新方法として「レシート撮影」がそれぞれ記憶されてデータ更新されたことを示している。このレシート撮影による支出金額の更新により、推定所持金が「10,000」から「8,500」に更新されている。
【0079】
例えば、更新日時「2019/1/25 15:00」には、支出の欄に、カテゴリー「通信費」、支出金額「12,000」、更新方法「スクレイピング」が記憶され、銀行口座の欄に、出金「12,000(通信費)」、銀行口座残高「333,000」が記憶され、推定所持金は「8,500」となっている。
これは、銀行口座から通信費として「12,000円」が自動的に引き落とされたことにより、銀行口座残高が「333,000円」に更新されたことを示している。家計簿サーバ10が銀行サーバ50の銀行口座にスクレイピング処理を行い、家計簿サーバ10が銀行口座からの出金履歴を識別することで、支出のカテゴリーと支出金額とを更新することが可能となっている。銀行口座からの料金の引き落としは「支出」に該当するが、ユーザが所持する現金で支払われたケースではないため、推定所持金は「8,500」のままである。
【0080】
上記の更新日時「2019/1/25 15:00」において家計簿サーバ10によって推定された推定所持金は「8,500円」であり、この推定所持金は、更新日時「2019/1/25 18:30」の時点でも変化していない。そして、例えば、この更新日時「2019/1/25 18:30」において、端末20のユーザによって所持金として「8,500円」が入力されたとする。この場合、推定所持金と所持金とが一致しているため、家計簿サーバ10によって、所持金判定OK(推定所持金は正しい)と判定される。その結果、更新日時「2019/1/25 18:30」における推定所持金の欄には、「8,500」とともに「〇」が記憶されている。
【0081】
例えば、更新日時「2019/1/26 12:00」には、収入の欄に、カテゴリー「臨時収入」、収入金額「20,000」、更新方法「ユーザ入力」が記憶されている。
これは、端末20のユーザが祝い金等の臨時収入として現金20,000円を得て、その金額を家計簿アプリケーションにおいてユーザ入力したことで、家計簿サーバ10によって、家計簿データ1551の収入の欄に、カテゴリーとして「臨時収入」が、収入金額として「20,000円」が、更新方法として「ユーザ入力」がそれぞれ記憶されてデータ更新されたことを示している。このユーザ入力による収入金額の更新により、推定所持金が「8,500」から「28,500」に更新されている。
【0082】
例えば、更新日時「2019/1/26 20:00」には、支出の欄に、カテゴリー「交際費」、支出金額「3,000」、更新方法「ユーザ入力」が記憶されている。
これは、端末20のユーザが交際費として「3,000円」を使用し、その金額を家計簿アプリケーションにおいてユーザ入力したことで、家計簿サーバ10によって、家計簿データ1551の支出の欄に、カテゴリーとして「交際費」が、支出金額として「3,000円」が、更新方法として「ユーザ入力」がそれぞれ記憶されてデータ更新されたことを示している。このユーザ入力による支出金額の更新より、推定所持金が「28,500」から「25,500」に更新されている。
【0083】
上記の更新日時「2019/1/26 20:00」において家計簿サーバ10によって推定された推定所持金は「25,500円」であり、この推定所持金は、更新日時「2019/1/26 22:00」の時点でも変化していない。そして、例えば、更新日時「2019/1/26 22:00」において、端末20のユーザによって所持金として「25,000円」が入力されたとする。この場合、推定所持金と所持金とが一致しておらず、500円分の差額が生じているため、家計簿サーバ10によって、所持金判定NG(推定所持金は正しくない)と判定される。その結果、更新日時「2019/1/26 22:00」における推定所持金の欄には、「25,500」とともに「×」が記憶されている。
【0084】
また、この場合、推定所持金と所持金とが一致していないため、推定所持金と所持金との差額(推定所持金と所持金との誤差に相当する金額)が、どのような支出項目によって生じたものであるかを推定する支出項目推定処理(詳細は後述する。)が、家計簿サーバ10によって実行される。その結果、ここでは、支出項目が「交通費」であり、500円分の差額は交通費の支出によって生じたものと推定される。この推定結果に基づいて、支出の欄に、カテゴリーとして「交通費」が、支出金額として「500」が、更新方法として「推定」がそれぞれ記憶されている。
【0085】
端末20のユーザが、推定された支出項目である「交通費」として、差額の500円を実際に支出していた場合には、ユーザが端末20で確認操作を行うことにより、図2-2に示すように、支出項目推定処理前の推定所持金「25,500円」から交通費「500円」が減算されて推定所持金が「25,000円」に更新される。その結果、推定所持金と所持金とが一致することになり、更新日時「2019/1/26 22:10」における推定所持金の欄には「〇」が記憶されるとともに、更新方法が「推定」から「ユーザ入力」に更新される。このようにして、推定された支出項目および推定された支出金額が、ユーザにより入力された支出項目および支出金額であるものと識別され、支出項目と支出金額とが確定する。
【0086】
なお、家計簿サーバ10は、IMSマネーサーバ40との通信によって、IMSのユーザのユーザIDに関連付けてIMSマネーサーバ40で管理されている電子マネーに関する情報を取得することが可能である。具体的には、家計簿サーバ10は、IMSマネーサーバ40において、IMSのユーザのユーザIDに関連付けて管理されているIMSマネー(限定でなく電子マネーの一例)の残高に変更があった場合に、変更後のIMSマネーの残高と、IMSマネーの増加額または減少額と、IMSマネーの残高の変更要因となった項目とを含む変更情報を、IMSマネーサーバ40から受信する。
【0087】
そして、家計簿サーバ10は、IMSマネーサーバ40から受信した変更情報に基づいて、収入項目および収入金額、支出項目および支出金額、並びに推定所持金を更新することが可能である。例えば、ユーザが、他のユーザからIMSマネーを受け取った場合には、収入項目と収入金額とを更新し、ユーザが、他のユーザにIMSマネーを送金した場合には、支出項目と支出金額とを更新する。また、ユーザが、店舗でIMSマネーを使用して商品を購入した場合には、支出項目と支出金額とを更新する。また、ユーザが、店舗に設置された装置に紙幣または硬貨を入金してIMSマネーをチャージした場合には、ユーザの推定所持金からIMSマネーのチャージ額を減算する。
【0088】
<表示画面例>
以下、図2-1及び図2-2に例示した家計簿データに基づき、端末20の家計簿アプリケーションで表示部24に表示される表示画面を例示して、本実施例における家計簿管理方法について説明する。
【0089】
図2-3は、端末20の表示部24に表示される家計簿アプリケーション画面の一例を示す図である。
この家計簿アプリケーション画面には、画面上部にIMSの家計簿アプリケーションであることを示す「IMS家計簿」の文字が表示され、その下に、家計簿のデータの集計期間(ここでは、2019年1月25日~2019年2月24日)が表示されている。また、その下には、図2-1の家計簿データ1551の「収入」および「支出」に対応する金額(ここでは、収入「300,000円」、支出「-13,500円」)がそれぞれ表示されている。
【0090】
また、その下には、家計簿アプリケーションの機能として、「カレンダー」と、「入出金」と、「カテゴリー」と、「レポート」とを選択・表示するためのタブが表示されており、ここでは、端末20のユーザの入出金に関する表示を行うための「入出金」のタブが選択され、その下に、入出金に関する情報が表示された状態が示されている。
【0091】
具体的には、今月の収支(ここでは「286,000円」)と、1月25日の金曜日における収入として、収入(ここでは「300,000円」)が表示され、支出として、食費(ここでは「-1,000円」)と、教養・教育(ここでは「-500円」)と、通信費(ここでは「-12,000円」)とが表示されている。
【0092】
図2-4は、締め処理において表示部24に表示される表示画面の一例を示す図である。
この表示画面には、画面中央部に「今日も一日お疲れさまです! お財布の中にいくらありますか?」というメッセージとともに、所持金をユーザ入力するための「>>入力する」と示された「入力ボタン」と、ユーザが所持している紙幣および硬貨をカメラで撮影して所持金を家計簿アプリケーションに認識させるための「>>カメラで撮る」と示された「撮影ボタン」とが表示されている。
【0093】
図2-5は、図2-4の表示画面において入力ボタンがタッチ操作された場合に表示される表示画面の一例を示す図である。
この表示画面には、ユーザが所持金の数値をタッチ操作で入力するためのテンキーと、テンキーによって入力された所持金とが表示される。ここでは、端末20のユーザによって、所持金として「8,500円」が入力された状態が示されている。
また、画面下部には、入力された所持金で確定して次に進むための「次へ」のボタンが表示されている。この「次へ」のボタンがタッチ操作されると、家計簿サーバ10によって締め処理が実行される。
【0094】
図2-6は、図2-5の表示画面において「次へ」のボタンがタッチ操作された場合に表示される表示画面の一例を示す図である。
家計簿サーバ10で実行される締め処理では、図2-5の表示画面でユーザ入力された所持金と、家計簿サーバ10が家計簿データ1551に記憶して管理している端末20のユーザの推定所持金とが一致するか否かが判定される。ここでは、所持金と推定所持金とが一致したことで「OK」と判定され、画面中央部に、「IMS家計簿 お財布の金額と、推定所持金が同じ金額になりました。」というメッセージとともに、その所持金である「8,500円」がポップアップ形式で表示されている。
【0095】
図2-7は、家計簿アプリケーション画面の別例を示している。
この家計簿アプリケーション画面の構成は、図2-3と同様であるが、図2-3の家計簿アプリケーション画面とは異なる日付に表示されたものとなっており、内容が一部異なっている。
この家計簿アプリケーション画面には、図2-3で表示されていた情報に加えて、1月26日土曜日における収入として、臨時収入「20,000円」が、支出として、交際費「-3,000円」が表示されている。
【0096】
図2-8は、図2-4と同様の表示画面であり、図2-9は、図2-5と同様の表示画面を示している。
図2-9では、テンキーによって、端末20のユーザによって、所持金として「25,000円」が入力された状態が示されている。
【0097】
図2-10は、図2-9の表示画面において次へのボタンがタッチ操作された場合に表示される表示画面の一例を示す図である。
家計簿サーバ10で実行される締め処理では、図2-9の表示画面でユーザ入力された所持金と、家計簿サーバ10が家計簿データ1551に記憶して管理している端末20のユーザの推定所持金とが一致するか否かが判定される。ここでは、所持金と推定所持金とが一致しなかったことで「NG」と判定され、画面中央部に、「IMS家計簿 お財布の金額と、推定所持金に誤差があります。」というメッセージとともに、その誤差の金額である「500円」が表示されている。誤差の金額は、所持金と推定所持金との差額分の金額である。
【0098】
図2-11は、図2-10の表示画面に続けて表示される表示画面の一例を示す図である。
家計簿サーバ10によって、所持金と推定所持金とが一致しないと判定されると、家計簿サーバ10によって、所持金と推定所持金との差額分の金額(誤差の金額)に対応する支出項目を推定する支出項目推定処理が実行される。ここでは、支出項目推定処理において、誤差の金額に対応する支出項目が「交通費」であると推定されたことに基づいて、画面中央部に、「推定結果 交通費:東京から新宿間 500円」という推定された支出項目と推定された支出金額とが表示されるとともに、「上記の支出で間違いありませんか?」というメッセージがポップアップ形式で表示されている。
また、その下には、推定された支出項目および推定された支出金額が正しい場合に端末20のユーザがタッチ操作するための「あっている」の文字が示されたアイコンと、推定された支出項目または推定された支出金額が誤っている場合に端末20のユーザがタッチ操作するための「自分で入力する」の文字が示されたアイコンとが表示されている。
【0099】
また、ポップアップ形式の表示の背面側の家計簿のデータの欄には、支出項目として「交通費」が推定されたことを示し、確定されていない暫定的な情報であることを示す態様(限定でなく、第2態様の一例)で「[推定]交通費」と表示され、その支出金額として「-500円」と表示されている。
【0100】
図2-12は、図2-11の表示画面において「あっている」のアイコンがタッチ操作された場合に表示される家計簿アプリケーション画面の一例を示す図である。
この家計簿アプリケーション画面には、図2-7の家計簿アプリケーション画面に、上記の交通費の推定支出項目が、確定されて表示された状態が示されている。具体的には、図2-11の表示画面において暫定的な情報であることを示す態様で表示されていた「[推定]交通費」の表示から[推定]の文字が消され、確定された情報であることを示す態様(限定でなく、第1態様の一例)で「交通費」と表示され、その支出金額として「-500円」と表示されている。
【0101】
<機能構成>
(1)家計簿サーバの機能構成
図3-1は、本実施例における家計簿サーバ10の制御部11により実現される機能の一例を示す図である。
家計簿サーバ10は、制御部11により実現される機能として、家計簿管理処理部111を有する。
【0102】
家計簿管理処理部111は、記憶部15に記憶されている家計簿管理処理プログラム151に従って、端末20または端末20のユーザの家計簿を管理するための処理である家計簿管理処理を実行する機能を有している。
【0103】
家計簿管理処理部111は、限定でなく例として、記憶部15に記憶されているスクレイピング処理プログラム1511に従ってスクレイピング処理を実行するスクレイピング処理部1111と、記憶部15に記憶されている支出項目推定処理プログラム1513に従って支出項目推定処理を実行する支出項目推定処理部1113と、記憶部15に記憶されている貯金管理処理プログラム1515に従って貯金管理処理を実行する貯金管理処理部1115とを機能部として含む。
【0104】
図3-2は、本実施例における家計簿サーバ10の記憶部15に記憶される情報の一例を示す図である。
記憶部15には、限定でなく例として、プログラムとして、制御部11により読み出され、家計簿管理処理として実行される家計簿管理処理プログラム151が記憶される。
また、家計簿管理処理プログラム151は、制御部11により読み出され、スクレイピング処理として実行されるスクレイピング処理プログラム1511と、支出項目推定処理として実行される支出項目推定処理プログラム1513と、貯金管理処理として実行される貯金管理処理プログラム1515とをサブルーチンプログラムとして含む。
【0105】
また、記憶部15には、限定でなく例として、データとして、ユーザ登録データ153と、ユーザ管理データベース155と、商取引システムデータ157とが記憶される。
【0106】
ユーザ登録データ153は、家計簿アプリケーション(家計簿サービス)を利用する端末20または端末20のユーザの登録データであり、そのデータ構成の一例を図3-3に示す。
ユーザ登録データ153には、限定でなく例として、ユーザ名と、端末電話番号と、端末メールアドレスと、ユーザIDと、ユーザパスワードと、スクレイピング用情報と、その他登録情報とが関連付けて記憶される。
【0107】
ユーザ名は、家計簿アプリケーションを利用する端末20のユーザの名称であり、端末20のユーザが家計簿アプリケーションを利用する際に登録する名称が記憶される。
【0108】
端末電話番号は、このユーザ名のユーザの端末20の電話番号であり、端末20のユーザが家計簿アプリケーションを利用する際に登録する端末20の電話番号が記憶される。
端末メールアドレスは、このユーザ名のユーザの端末20のメールアドレスであり、端末20のユーザが家計簿アプリケーションを利用する際に登録する端末20のメールアドレスが記憶される。
端末電話番号や端末メールアドレスは、端末20を識別するための識別情報(以下、「端末識別情報」と称す。)の一例である。
【0109】
ユーザIDは、端末20のユーザを識別するための識別情報として機能するIDであり、家計簿アプリケーションを利用するユーザに固有に設定されるIDである。このユーザIDは、限定でなく例として、家計簿サーバ10によってユーザごとに固有のIDが設定されて記憶される。
ユーザIDは、端末20のユーザを識別するための識別情報(以下、「ユーザ識別情報」と称す。)の一例である。
【0110】
ユーザパスワードは、このユーザ名のユーザが家計簿アプリケーションを利用した各種の処理を行う場合等の利用されるパスワードであり、ユーザによって設定されたパスワードが記憶される。
【0111】
スクレイピング用情報は、スクレイピング処理部1111が、スクレイピング処理を行って情報を抽出するために用いられる情報である。
限定でなく例として、銀行サーバ50で管理されている端末20のユーザの銀行口座残高、並びに入金履歴及び出金履歴を取得するためのアカウント情報(ログインID)やログインパスワード等の情報、商取引システム60に含まれる、例えばECサーバが提供するECサイトで端末20のユーザが商品等を購入するために使用するアカウント情報(ログインID)やログインパスワード等の情報が、このスクレイピング用情報に含まれる。
【0112】
その他登録情報は、このユーザ名のユーザのその他の登録情報であり、限定でなく例として、このユーザの住所等の情報、ユーザの自宅および職場の位置情報、IMSアプリケーションを利用している端末20のユーザについては、そのアイコンの画像情報やプロフィール情報等の情報がこれに含まれる。
【0113】
なお、上記の各種のユーザ情報は、限定でなく例として、家計簿サーバ10とIMSマネーサーバ40とで共用のユーザ情報として、家計簿サーバ10およびIMSマネーサーバ40に記憶させるようにすることができる。
【0114】
ユーザ管理データベース155は、各端末20のユーザの家計簿アプリケーションに関する情報を管理するためのデータを蓄積的に記憶したデータベースであり、そのデータ構成の一例を図3-4に示す。
ユーザ管理データベース155には、端末20毎または端末20のユーザ毎に生成されるユーザ管理データが記憶される。
【0115】
各ユーザ管理データには、限定でなく例として、その端末20のユーザのユーザIDと、家計簿データ1551と、スクレイピングデータ1553と、端末位置履歴データ1555と、ビーコン情報履歴データ1557と、残高管理データ1558と、貯金管理データ1559とが記憶される。
【0116】
ユーザIDには、限定でなく例として、ユーザ登録データ153に記憶されているユーザIDが記憶される。
【0117】
家計簿データ1551には、限定でなく例として、図2-1に示したような、家計簿管理処理部111によって記憶・更新される家計簿データが記憶される。
【0118】
スクレイピングデータ1553には、限定でなく例として、スクレイピング処理部1111が、銀行サーバ50に対してスクレイピング処理を行うことで抽出・取得した端末20または端末20のユーザの銀行口座の残高、並びに入金履歴および出金履歴や、スクレイピング処理部1111が、商取引システム60(限定でなく例として、ECサーバ)に対してスクレイピング処理を行うことで抽出・取得した端末20または端末20のユーザの使用金額(商品の購入金額)等が記憶される。
【0119】
端末位置履歴データ1555には、限定でなく例として、端末20の位置算出処理部213によって算出された端末位置の履歴が記憶される。限定でなく例として、端末20の位置算出処理部213は、位置算出用情報検出部29Bによって検出された位置算出用情報に基づいて、定期的なタイミングや間欠的なタイミングで、自己の端末20の位置を算出する。限定でなく例として、端末20は、自己の端末20の位置を算出する毎に、算出した端末位置を家計簿サーバ10に送信する。そして、家計簿サーバ10は、端末20から受信した端末位置を、端末位置履歴データ1555に履歴として記憶させる。
【0120】
ビーコン情報履歴データ1557には、限定でなく例として、端末20が、ビーコン信号受信部29Cで受信したビーコン信号に基づいて取得したビーコン情報(限定でなく例として、ビーコン信号にエンコードされている店舗の位置情報)の履歴が記憶される。限定でなく例として、端末20は、ビーコン信号を受信してビーコン情報を取得する毎に、取得したビーコン情報を家計簿サーバ10に送信する。そして、家計簿サーバ10は、端末20から受信したビーコン情報を、ビーコン情報履歴データ1557に履歴として記憶させる。
【0121】
家計簿サーバ10は、端末位置履歴データ1555に含まれる端末20の算出位置や、ビーコン情報履歴データ1557に含まれる店舗の位置情報等に基づいて、その位置に関連付けられた情報(例えば、その位置が飲食店Xである等)の情報を外部のサーバ(限定でなく例として、緯度及び経度に対応した地図情報を提供するサーバ等)から取得することが可能である。
【0122】
残高管理データ1558には、限定でなく例として、銀行サーバ50を対象としたスクレイピングにより取得した、そのユーザIDのユーザの銀行口座の残高や、IMSマネーサーバ40から取得した、そのユーザIDのユーザのIMSマネー口座の残高等の情報が記憶される。
貯金管理データ1559には、限定でなく例として、そのユーザIDのユーザのIMSマネーによる貯金に関する設定情報や貯金残高等の情報が記憶される。
【0123】
商取引システムデータ157は、端末20のユーザが、IMSマネーサーバ40で記憶・管理されているIMSマネーを利用して決済を行うことが可能な、家計簿サーバ10の事業者やIMSマネーサーバ40の事業者と提携している電子商取引や実店舗の事業者の商取引システム60に関する登録データである。
【0124】
(2)IMSマネーサーバの機能構成
図3-5は、本実施例におけるIMSマネーサーバ40の制御部41により実現される機能の一例を示す図である。
IMSマネーサーバ40は、制御部41により実現される機能として、IMSマネー管理処理部411を有する。
【0125】
IMSマネー管理処理部411は、記憶部45に記憶されているIMSマネー管理処理プログラム451に従って、端末20または端末20のユーザが所有するIMSマネーを管理するための処理であるIMSマネー管理処理を実行する機能を有している。
【0126】
IMSマネー管理処理部411は、限定でなく例として、記憶部45に記憶されている決済管理処理プログラム4511に従って決済管理処理を実行する決済管理処理部4131を機能部として含む。
IMSマネー管理処理部411は、限定でなく例として、記憶部45に記憶されている貯金処理プログラム4513に従って貯金処理を実行する貯金処理部4133を機能部として含む。
【0127】
図3-6は、本実施例におけるIMSマネーサーバ40の記憶部45に記憶される情報の一例を示す図である。
記憶部45には、限定でなく例として、プログラムとして、制御部41により読み出され、IMSマネー管理処理として実行されるIMSマネー管理処理プログラム451が記憶される。
また、IMSマネー管理処理プログラム451は、制御部41により読み出され、決済管理処理として実行される決済管理処理プログラム4511をサブルーチンプログラムとして含む。
また、IMSマネー管理処理プログラム451は、制御部41により読み出され、貯金処理として実行される貯金処理プログラム4513をサブルーチンプログラムとして含む。
【0128】
また、記憶部45には、限定でなく例として、データとして、ユーザ登録データ153と、IMSマネー管理データベース455とが記憶される。
【0129】
ユーザ登録データ153は、限定でなく例として、家計簿アプリケーションを利用する端末20または端末20のユーザの登録データである。
【0130】
IMSマネー管理データベース455は、各端末20または各端末20のユーザのIMSマネーやIMSマネーによる決済に関する情報を管理するためのデータを蓄積的に記憶したデータベースであり、そのデータ構成の一例を図3-7に示す。
IMSマネー管理データベース455には、端末20毎または端末20のユーザ毎に生成されるIMSマネー管理データが記憶される。
【0131】
各IMSマネー管理データには、限定でなく例として、その端末20のユーザのユーザIDと、残高と、IMSポイントと、認証パスワードと、入金/出金履歴データと、決済履歴データとが記憶される。
【0132】
残高には、このユーザIDのユーザが所有しているIMSマネーの残高の最新の値が記憶される。このIMSマネーの残高としては、使用が制限されていないIMSマネー(貯金されていないIMSマネー)と、使用制限されたIMSマネー(貯金されたIMSマネー)と、両者の合算額とが個別に記憶されている。
【0133】
IMSポイントには、IMSの各種サービスや、IMSの事業者と提携している加盟店舗で貯めることのできるポイントが記憶される。IMSポイントは、限定でなく例として、1ポイントあたり1円相当の価値を有し、ギフト券や商品等に交換することができる他、決済アプリケーションにおいて現金化して決済に利用することもできる。
【0134】
認証パスワードには、IMSマネーによる決済を行う際に端末20のユーザの認証を行うためのパスワードが記憶される。
【0135】
入金/出金履歴データには、このIMSマネー管理データへの端末20のユーザによるIMSマネーの入金/出金の履歴に関する情報が記憶される。
【0136】
決済履歴データは、このユーザIDのユーザの決済の履歴に関するデータである。具体的には、限定でなく例として、このユーザIDのユーザについて、決済を行った日時である決済日時と、決済した店舗等のIDである店舗IDと、その店舗IDの店舗の名称である決済店舗名と、決済した金額である決済金額等の情報が関連付けて記憶される。
決済履歴データは、更新されたタイミング(決済が行われたタイミング)で家計簿サーバ10に送信される。家計簿サーバ10は、決済履歴データの決済店舗名と決済金額とに基づいて、支出のカテゴリーと支出金額とを更新するとともに、その更新方法を「IMSサーバ間通信」とする。このように、IMSマネーを使用した決済が行われた場合にも、家計簿サーバ10は自動的に支出のカテゴリーと支出金額とを更新するものとする。
【0137】
(3)端末の機能構成
図3-8は、本実施例において端末20の制御部21により実現される機能の一例を示す図である。
端末20は、制御部21により実現される機能として、家計簿アプリケーション処理部211と、位置算出処理部213とを有する。
【0138】
家計簿アプリケーション処理部211は、記憶部28に記憶されている家計簿アプリケーション281に基づいて、家計簿サーバ10と通信を行って家計簿アプリケーションの各種の処理を実現するための処理である家計簿アプリケーション処理を実行する機能を有している。
【0139】
位置算出処理部213は、位置算出用情報検出部29Bから出力される位置算出用情報に基づいて、自己の端末20の位置を算出する処理である位置算出処理を実行する機能を有している。位置算出処理部213は、例えば、位置算出用情報検出部29Bに含まれる衛星測位センサ(衛星測位ユニット)から出力される衛星軌道データや時刻データ等に基づいて、衛星測位演算を行って、自己の端末20の位置を算出する。また、位置算出処理部213は、位置算出用情報検出部29Bに含まれる慣性計測センサ(慣性計測ユニット)から出力される加速度や角速度の情報に基づいて、慣性航法演算を行って、自己の端末20の位置を算出する。
位置算出処理部213は、位置算出処理プログラム287が実行されたことに基づいて上記の各処理を実行することで、自己の端末20の位置を算出する。
【0140】
なお、本実施例とは異なり、限定でなく例として、処理装置や演算装置(例えばCPUやDSP)を位置算出用情報検出部29Bに設けるようにし、端末20の制御部21ではなく、位置算出用情報検出部29Bが端末20の位置を算出して出力するようにしてもよい。
【0141】
図3-9は、本実施例における端末20の記憶部28に記憶される情報の一例を示す図である。
記憶部28には、限定でなく例として、家計簿サーバ10からあらかじめダウンロードするなどして取得されるアプリケーションソフトウェアとして、家計簿アプリケーション281が記憶される。
【0142】
家計簿アプリケーション281には、制御部21により読み出され、家計簿アプリケーション処理として実行される家計簿アプリケーション処理プログラム283と、家計簿アプリケーションで利用される各種のデータである家計簿アプリケーションデータ285とが含まれる。
【0143】
家計簿アプリケーションデータ285には、限定でなく例として、家計簿アプリケーション内の各種の機能を実現させるためのデータや、家計簿アプリケーション画面を含む各種の表示画面を表示させるためのデータ等が含まれる。また、家計簿アプリケーションデータ285には、限定でなく例として、ユーザ入力されるデータであるユーザ入力データ2851と、例えばレシートを撮影することで取得された撮影画像のデータである撮影画像データ2853と、設定データ2855とが含まれる。
【0144】
また、家計簿アプリケーションデータ285には、ユーザが予め設定していた消費行動時操作に関する履歴(消費行動時操作が行われた日時、消費行動時操作の算出位置)も含まれる。消費行動時操作とは、ユーザが訪れた店舗等で行う操作であり、例えば、端末20を複数回大きく振る操作や、カメラ27の撮影操作等が含まれる。また、消費行動時操作には、家計簿アプリケーション281に関連付けられたIMSのトークルームにメッセージを表示させる操作(IMSのトークルームサーバにメッセージを送信する操作)、端末20の表示部24に表示されている家計簿アプリケーションのアイコンをタッチする操作、端末20のマイク25から音声を入力する操作等を含めてもよい。また、ユーザが、家計簿アプリケーション281に関連付けられたIMSのトークルームに表示させるメッセージに、支出項目や支出金額を含めておくことで、支出項目の推定がさらに容易になる。
【0145】
このように、消費行動時操作に関する履歴に基づいて家計簿サーバ10による支出項目の推定が容易になることから、消費行動時操作は、家計簿サーバ10による支出項目の推定を補助する操作であるということもできる。この消費行動時操作に関する履歴は、通信I/F22によって家計簿サーバ10に送信される。
【0146】
設定データ2855は、家計簿アプリケーション内で端末20のユーザが設定した情報に関するデータである。限定でなく例として、各種の表示画面の表示に関する設定データや、後述する定期区間に関する設定データ等のデータが含まれる。また、限定でなく例として、IMSマネーサーバ40に貯金処理を実行させるための貯金条件および1回あたりの貯金額、並びに貯金残高を使用するための使用許可条件とが含まれる。この設定データ2855は、通信I/F22によって家計簿サーバ10に送信される。
【0147】
また、記憶部28には、限定でなく例として、端末データ286と、位置算出処理プログラム287と、算出端末位置履歴データ288と、受信ビーコン情報履歴データ289とが記憶される。
【0148】
端末データ286は、この端末20に関するデータであり、限定でなく例として、端末電話番号や端末メールアドレス等の端末識別情報や、端末20の各種の設定情報がこれに含まれる。
【0149】
算出端末位置履歴データ288には、限定でなく例として、位置算出処理部213が定期的なタイミングや間欠的なタイミングで位置算出処理を行って算出した自己の端末20の位置(端末位置)の算出結果である算出端末位置の履歴が記憶される。
【0150】
受信ビーコン情報履歴データ289には、限定でなく例として、ビーコン信号受信部29Cが受信したビーコン信号(例えば店舗のビーコンから発信されたビーコン信号)からデータをデコードすることで取得されたビーコン情報(例えば店舗の位置情報)の履歴が記憶される。
【0151】
<処理>
図3-10は、本実施例における各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
この図では、左側に、端末20の家計簿アプリケーション処理部211が実行する家計簿アプリケーション処理の一例である第1の家計簿アプリケーション処理を、右側に、家計簿サーバ10の家計簿管理処理部111が実行する家計簿管理処理の一例である第1の家計簿管理処理をそれぞれ示している。
【0152】
各処理における各ステップをアルファベットの大文字と数字の組み合わせで示し、本明細書では、ステップの用語は省略する。
また、以下説明するフローチャートは、あくまでも本実施例における処理を例示するものであり、以下説明するフローチャートにおいて、一部のステップを実行しなくてもよいし、追加のステップを挿入してもよい。
【0153】
家計簿サーバ10のスクレイピング処理部1111は、スクレイピング処理の実行を開始する(B1)。具体的には、銀行サーバ50にアクセスして、限定でなく例として、銀行サーバ50の不図示の銀行口座データベースにおける、処理対象としている端末20のユーザに対応する銀行口座データで管理されている情報の取得を開始する。この情報の取得には、限定でなく例として、銀行口座データに記憶されている最新の銀行口座残高の他、銀行口座への入金履歴及び銀行口座からの出金履歴等の情報が含まれる。
【0154】
その後、家計簿管理処理部111は、例えば図2-3に示したような家計簿アプリケーション画面に表示させる表示用情報を、通信I/F14によって端末20に送信する(B3)。これを受けて、端末20の家計簿アプリケーション処理部211は、家計簿サーバ10から受信した表示用情報を含む家計簿アプリケーション画面を表示部24に表示させる(A1)。
【0155】
その後、家計簿アプリケーション処理部211は、入出力部23に対して、支出情報または収入情報を入力するユーザ操作がなされたか否かを判定し(A3)、なされたと判定したならば(A3;Yes)、入力された情報を入力情報として、通信I/F22によって家計簿サーバ10に送信する(A5)。
【0156】
次いで、家計簿アプリケーション処理部211は、限定でなく例として、家計簿アプリケーションのアプリケーションカメラが起動されて、撮影を実行する操作がなされたか否かを判定し(A7)、なされたと判定したならば(A7;Yes)、撮影処理を実行する(A9)。この撮影処理では、限定でなく例として、端末20のユーザが商品を購入するなどして取得したレシートが撮影される。
【0157】
その後、家計簿アプリケーション処理部211は、撮影処理で撮影した撮影画像を、通信I/F22によって家計簿サーバ10に送信する(A11)。
【0158】
B3の後、家計簿管理処理部111は、家計簿データ更新条件が成立したか否かを判定する(B5)。この家計簿データ更新条件は、限定でなく例として、(1)今回のスクレイピング処理で抽出・取得した情報のうちの少なくともいずれか1つの情報が、前回のスクレイピング処理で抽出・取得した情報とは異なっていること、(2)端末20からユーザ入力に伴う入力情報を受信したこと、(3)端末20から撮影画像データを受信したこと、のいずれの条件が成立したこととして定めておくことができる。
【0159】
家計簿データ更新処理が成立したと判定したならば(B5;Yes)、家計簿管理処理部111は、家計簿データのうちの更新する項目(更新項目)を判定する(B7)。そして、家計簿管理処理部111は、判定した更新項目に対応する収入金額/支出金額と、家計簿データに記憶されている最新(前回)の推定所持金とに基づいて、所持金を推定する所持金推定処理を実行する(B9)。そして、家計簿管理処理部111は、所持金推定処理で求めた推定所持金で家計簿データを更新する家計簿データ更新処理を実行する(B11)。
【0160】
A11の後、家計簿アプリケーション処理部211は、締め処理を実行するか否かを判定する(A13)。そして、締め処理を実行すると判定したならば(A13;Yes)、入出力部23を介してユーザ入力された所持金を示す所持金情報を含む締め処理実行依頼情報を、通信I/F22によって家計簿サーバ10に送信する(A15)。
【0161】
B11の後、家計簿管理処理部111は、通信I/F14によって端末20から締め処理実行依頼情報を受信したか否かを判定し(B13)、受信したと判定したならば(B13;Yes)、家計簿データに記憶されている最新の推定所持金と、端末20から受信した締め処理実行依頼情報に含まれる所持金情報が示す所持金とが一致するか否かを判定する(B15)。
【0162】
推定所持金と所持金とが一致すると判定したならば(B15;Yes)、家計簿管理処理部111は、端末20のユーザの所持金の判定結果が「OK」であることを通知するための所持金判定OK通知を、通信I/F14によって端末20に送信する(B17)。そして、家計簿管理処理部111は、B27へと処理を移す。
【0163】
一方、推定所持金と所持金とが一致しないと判定したならば(B15;No)、家計簿管理処理部111は、端末20のユーザの所持金の判定結果が「NG」であることを通知するための所持金判定NG通知を、通信I/F14によって端末20に送信する(B19)。
【0164】
その後、支出項目推定処理部1113が、記憶部15に記憶されている支出項目推定処理プログラム1513に従って、支出項目推定処理を実行する(B21)。なお、推定所持金と所持金とが一致しない場合には、推定所持金が所持金よりも多い場合と、推定所持金が所持金よりも少ない場合とがあるが、ここでは、推定所持金が所持金よりも多い場合に、不明な支出項目が存在するとして、支出項目を推定する支出項目推定処理を実行することとして説明する。
【0165】
なお、推定所持金と入力された所持金との差額が所定額(例えばユーザにより設定された金額である1000円)以上である場合に支出項目推定処理を実行して、差額が所定額未満である場合には支出項目推定処理を実行せず、ユーザによる支出項目および支出額の入力を促すようにしてもよい。
【0166】
図3-11は、支出項目推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、支出項目推定処理部1113は、支出項目の推定対象とする期間(以下、「推定対象期間」と称す。)内に、端末20において消費行動時操作がなされたか否かを判定する(C1)。
【0167】
ここで、推定対象期間は、限定でなく例として、前回、推定所持金と所持金とが一致すると判定されてから、今回、推定所持金と所持金とが一致しないと判定されるまでの間の時間範囲で定められる期間とすることができる。
【0168】
また、消費行動時操作は、限定でなく例として、端末20のユーザが何らかの理由で所持金を消費する行動を行った場合に、端末20に対して行う操作とすることができる。限定でなく例として、端末20を一定回数以上振る操作を消費行動時操作とし、消費行動時操作が端末20で検知された場合に、消費行動時操作を検知した旨を、端末20から家計簿サーバ10に通知するようにすることができる。
【0169】
推定対象期間内に端末20において消費行動時操作がなされたと判定したならば(C1;Yes)、支出項目推定処理部1113は、ユーザ管理データに含まれる端末位置履歴データを参照し、推定対象期間内に、端末20が消費行動時操作を検知した日時における端末位置が存在していた場所に基づいて、支出項目を推定する(C3)。
【0170】
具体的には、限定でなく例として、端末20で消費行動時操作が検知された日時における端末位置が、ある店舗Aの所在地の位置範囲に含まれる場合は、店舗Aにおいて端末20のユーザにより消費行動時操作がなされた、つまり、店舗Aにおいて商品の購入等による支出が発生したと推定する。そして、支出項目推定処理部1113は、推定した支出項目(以下、「推定支出項目」と称す。)を送信設定した後(C5)、支出項目推定処理を終了する。
【0171】
端末20において消費行動時操作がなされなかったと判定したならば(C1;No)、支出項目推定処理部1113は、推定対象期間における端末20の移動距離が閾値距離を超えているか否かを判定する(C7)。推定対象期間における端末20の移動距離は、ユーザ管理データに含まれる端末位置履歴データに記憶されている端末位置の履歴に基づいて算出することができる。
【0172】
推定対象期間における端末20の移動距離が閾値距離を超えていると判定したならば(C7;Yes)、支出項目推定処理部1113は、推定対象期間における端末20の移動範囲が定期区間内であるか否かを判定する(C9)。ここで、定期区間は、例えば、端末20のユーザが通学や通勤等の目的で、定期券を利用して公共交通機関(バスや鉄道等)により移動する区間であり、この定期区間は、家計簿アプリケーション内で、端末20のユーザの設定操作に基づいて、設定データ2855に含めて設定・記憶させておくようにすることができる。
【0173】
端末20の移動範囲が定期区間内であれば、ユーザは定期券を利用して移動するのが通常であるため、交通費の支出は発生しないと推定されるが、端末20の移動範囲が定期区間内でなければ、定期券を利用できないため、交通費の支出が発生したと推定される。なお、定期区間は、ユーザの設定に限らず、ユーザ登録データ153の自宅の位置情報と職場の位置情報との関係に基づいて自動的に家計簿サーバ10により推定されるようにしてもよく、そうでなくてもよい。
【0174】
推定対象期間における端末20の移動範囲が定期区間内ではないと判定したならば(C9;No)、支出項目推定処理部1113は、推定所持金と所持金との差額が、その移動範囲との関係で適正な範囲であるか否かを判定する(C10)。差額が適正な範囲である場合には、その差額が交通費の支出により生じたものと推定する。一方、差額が適正な範囲でない場合には、その差額が交通費の支出により生じたものではないか、あるいは、その差額が交通費の支出と他の項目の支出とにより生じたものであると推定する。具体的には、端末20の移動範囲が半径5km以内であるにもかかわらず、差額が10,000円を超過しているような場合は、差額が適正な範囲ではないと判定し、その差額が交通費の支出により生じたものではないか、あるいは、その差額が交通費の支出と他の項目の支出とにより生じたものであると推定する。そして、候補となる他の項目を優先して推定処理を実行する。
【0175】
例えば、ユーザの移動範囲との関係で、差額が適正な範囲でない場合には、後述するように、ユーザが立ち寄った可能性がある店舗等の情報に基づいて支出項目を推定した後に、さらに端末位置の履歴に基づいて、交通費に関する推定処理を実行してもよい。
【0176】
推定所持金と所持金との差額が、その移動範囲との関係で適正な範囲であると判定したならば(C10:YES)、支出項目推定処理部1113は、交通費を支出項目として推定する(C11)。そして、支出項目推定処理部1113は、推定支出項目を送信設定した後(C13)、支出項目推定処理を終了する。
【0177】
推定対象期間における端末20の移動距離が閾値距離を超えていないと判定した場合(C7;No)、推定対象期間における端末20の移動範囲が定期区間内であると判定した場合(C9;Yes)、または、推定所持金と所持金との差額が、その移動範囲との関係で適正な範囲ではない(C10:NO)と判定した場合、支出項目推定処理部1113は、推定対象期間内に端末20が所定時間以上滞在した場所があるか否かを判定する(C15)。具体的には、ユーザ管理データに含まれる端末位置履歴データに記憶されている端末位置の履歴に基づいて、推定対象期間において、端末位置が、所定時間以上同じ場所に対応する位置範囲に含まれる場所があったか否かを判定する。
【0178】
推定対象期間内に端末20が所定時間以上滞在した場所が存在すると判定したならば(C15;Yes)、支出項目推定処理部1113は、その場所に対応する店舗において、商品の購入等による支出が発生したと推定する(C17)。そして、支出項目推定処理部1113は、推定支出項目を送信設定した後(C19)、支出項目推定処理を終了する。
【0179】
推定対象期間内に端末20が所定時間以上滞在した場所が存在しないと判定したならば(C15;No)、支出項目推定処理部1113は、推定対象期間内に端末20がビーコン信号を受信していたか否かを判定する(C21)。具体的には、限定でなく例として、ユーザ管理データに含まれるビーコン情報履歴データを参照して、推定対象期間内に端末20がビーコン信号を受信していたか否かを判定する。
【0180】
推定対象期間内に端末20がビーコン信号を受信していたと判定したならば(C21;Yes)、支出項目推定処理部1113は、そのビーコン信号の送信元の場所に基づいて支出項目を推定する(C23)。具体的には、限定でなく例として、ユーザ管理データに含まれるビーコン情報履歴データを参照して、推定対象期間内に端末20が受信したビーコン信号に対応するビーコン情報から特定される位置に対応する店舗において、商品の購入等による支出が発生したと推定する。そして、支出項目推定処理部1113は、推定支出項目を送信設定した後(C25)、支出項目推定処理を終了する。
【0181】
推定対象期間内に端末20がビーコン信号を受信していなかったと判定したならば(C21;No)、支出項目推定処理部1113は、家計簿データに記憶されている過去の支出履歴に基づいて支出項目を推定する(C27)。具体的には、限定でなく例として、一定周期、例えば、毎日ランチ代(カテゴリー:食費)として1,000円を使用しているにもかかわらず、当日にそのランチ代が支出項目として入力されておらず、且つ、推定所持金よりも入力された所持金の額が1,000円少なければ、推定支出項目を「食費」と設定し、推定支出額を「1,000円」と設定する。そして、支出項目推定処理部1113は、推定支出項目を送信設定した後(C29)、支出項目推定処理を終了する。
【0182】
図3-10に戻り、支出項目推定処理を実行した後、家計簿管理処理部111は、支出項目推定処理における送信設定に基づいて、通信I/F14によって推定支出項目を端末20に送信する(B23)。
【0183】
A15の後、家計簿アプリケーション処理部211は、所持金の判定結果が「OK」であるか否かを判定する(A17)。具体的には、家計簿サーバ10から所持金判定OK通知を受信した場合に、所持金の判定結果が「OK」であると判定する。一方、家計簿サーバ10から所持金判定NG通知を受信した場合は、所持金の判定結果が「NG」であると判定する。
【0184】
所持金の判定結果が「OK」であったならば(A17;Yes)、家計簿アプリケーション処理部211は、その旨を端末20のユーザに報知するための所持金判定OK表示を、表示部24の家計簿アプリケーション画面に表示させる(A19)。そして、家計簿アプリケーション処理部211は、A27へと処理を移す。
【0185】
一方、所持金の判定結果が「NG」であったならば(A17;No)、家計簿アプリケーション処理部211は、その旨を端末20のユーザに報知するための所持金判定NG表示を、表示部24の家計簿アプリケーション画面に表示させる(A21)。
【0186】
その後、家計簿アプリケーション処理部211は、通信I/F22によって家計簿サーバ10から受信した推定支出項目を表示部24の家計簿アプリケーション画面に表示させる推定支出項目表示処理を行う(A23)。このとき推定支出項目は、確定態様ではなく推定態様で表示されることになる。具体的には、推定項目の横に「推定」の文字が表示される(図2-11を参照)。
【0187】
次いで、家計簿アプリケーション処理部211は、推定支出項目表示処理で表示させた推定支出項目が正しい支出項目であるか否かを端末20のユーザに確認させる確認処理を実行する(A25)。この確認処理において、推定支出項目が正しい支出項目であるとユーザが判断した場合には、推定支出項目が正しいことに対応した操作(図2-11を参照)を行うことで、推定支出項目が推定態様から確定態様に変化する(図2-12を参照)。
【0188】
その後、家計簿アプリケーション処理部211は、処理を終了するか否かを判定し(A27)、処理を継続すると判定したならば(A27;No)、A3に処理を戻す。一方、処理を終了すると判定したならば(A27;Yes)、家計簿アプリケーション処理部211は、第1の家計簿アプリケーション処理を終了する。
【0189】
同様に、家計簿管理処理部111は、処理を終了するか否かを判定し(B27)、処理を継続すると判定したならば(B27;No)、B5に処理を戻す。一方、処理を終了すると判定したならば(B27;Yes)、家計簿管理処理部111は、第1の家計簿管理処理を終了する。
【0190】
なお、本実施例では、端末20のユーザの収入情報(例えば、収入項目・収入金額)と、支出情報(例えば、支出項目・支出金額)との両方を端末20の表示部24に表示させることとしたが、収入情報と支出情報とのうちのいずれか一方の情報のみを端末20の表示部24に表示させるようにしてもよい。
【0191】
<第1実施例の効果>
第1実施例では、端末20が、端末20のユーザの収入項目・収入金額(限定でなく、端末のユーザの収入情報の一例)または端末20のユーザの支出項目・支出金額(限定でなく、端末のユーザの支出情報の一例)を表示部24の家計簿アプリケーション画面(限定でなく、端末の表示領域の一例)に表示させる。そして、端末20は、ユーザ入力された所持金(限定でなく、ユーザが所持する現金の金額の一例)と、推定所持金(限定でなく、収入情報または支出情報の一例)とに基づく第1条件が成立した場合に、ユーザに関する履歴に基づいて更新(推定)された収入項目・収入金額または支出項目・支出金額を家計簿アプリケーション画面に表示させる構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、端末のユーザの収入情報または支出情報を端末の表示領域に表示するため、ユーザが自身の収入情報または支出情報を一見して把握可能となる。また、ユーザが所持する現金の金額と、収入情報または支出情報と、に関する第1条件が成立した場合に、ユーザに関する履歴に基づいて更新(推定)された収入情報または支出情報を端末の表示領域に表示するため、第1条件の成立に応じて、ユーザが、自身に関する履歴に基づいて更新された収入情報または支出情報を一見して把握可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0192】
また、第1実施例は、上記の第1条件は、ユーザ入力された所持金(限定でなく、ユーザが所持する現金の金額の一例)と、家計簿データに基づいて推定される推定所持金(限定でなく、収入情報と支出情報とに基づく推定金額の一例)とが一致しないことを含む構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、ユーザが所持する現金の金額と、収入情報と支出情報とに基づく推定金額とが一致しないことを第1条件として、ユーザに関する履歴に基づいて更新された収入情報または支出情報を端末の表示領域に表示して、ユーザに報知することができる。
【0193】
また、第1実施例は、ユーザに関する履歴は、位置算出処理部213によって算出された端末位置(限定でなく、端末の位置の一例)に関する履歴を含む構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、端末の位置に関する履歴に基づいて更新された収入情報または支出情報を端末の表示領域に表示して、ユーザに報知することができる。
【0194】
また、第1実施例は、ユーザに関する履歴は、ユーザによって設定された定期区間(限定でなく、ユーザにより設定された範囲の一例)に関する履歴を含む構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、ユーザにより設定された範囲に関する履歴に基づいて更新された収入情報または支出情報を端末の表示領域に表示して、ユーザに報知することができる。
【0195】
また、第1実施例は、ユーザに関する履歴は、消費行動時操作(限定でなく、端末の操作の一例)に関する履歴を含む構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、端末の操作に関する履歴に基づいて更新された収入情報または支出情報を端末の表示領域に表示して、ユーザに報知することができる。
【0196】
また、第1実施例は、ユーザに関する履歴は、ビーコン信号の受信(限定でなく、端末の通信の一例)に関する履歴を含む構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、端末の通信に関する履歴に基づいて更新された収入情報または支出情報を端末の表示領域に表示して、ユーザに報知することができる。
【0197】
また、第1実施例は、ユーザに関する履歴は、過去の支出履歴(限定でなく、支出情報の一例)を含む構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、過去の支出情報に基づいて更新された支出情報を端末の表示領域に表示して、ユーザに報知することができる。
【0198】
また、第1実施例は、端末20は、上記の第1条件が成立した場合に、推定支出項目(限定でなく、ユーザに関する履歴に基づく第1情報の一例)を家計簿アプリケーション画面に表示する。そして、端末20は、表示された推定支出項目に対する確認処理によって確認が取れた場合に、更新された収入情報または支出情報を表示する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、第1条件が成立したことに基づいて端末の表示領域に第1情報が表示された場合に、更新された収入情報または支出情報を端末の表示領域に表示して、ユーザに報知することができる。
【0199】
また、第1実施例は、上記の第1条件が成立し、かつ、ユーザ入力された所持金と、推定所持金との差額が、推定支出項目との関係で適正な金額であるとする第2条件が成立した場合に、更新された収入情報または支出情報を表示する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、第1条件と第2条件とが成立したことに基づいて、更新された収入情報または支出情報を端末の表示領域に表示して、ユーザに報知することができる。
【0200】
また、第1実施例は、端末20は、所持金と推定所持金とが一致する場合は、確定された情報であることを示す態様(限定でなく、第1態様の一例)で、収入情報または支出情報を家計簿アプリケーション画面に表示する。一方、所持金と推定所持金とが一致しない場合(限定でなく、第1条件が成立した場合の一例)は、暫定的な情報であることを示す態様(限定でなく、第2態様の一例)で、収入情報または支出情報を家計簿アプリケーション画面に表示する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、確定された収入情報または支出情報と、推定された収入情報または支出情報とを、それぞれ異なる態様で表示させることで、ユーザは両者の情報の違いを一見して把握可能となる。
【0201】
また、第1実施例は、端末20は、推定された収入情報または支出情報が、確認処理でユーザ操作に基づいて確定されたことを条件(限定でなく、第3条件の一例)として、暫定的な情報であることを示す態様で表示された収入情報または支出情報を、確定された情報であることを示す態様で表示する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、第3条件が成立した場合に、第2態様で表示された収入情報または支出情報を第1態様で表示することで、ユーザにとって分かり易い表示を実現することができる。
【0202】
また、第1実施例は、ユーザの収入情報または支出情報は、家計簿サーバ10が、ユーザの銀行口座の情報を管理する銀行サーバ50(限定でなく、第2サーバの一例)や、ユーザのECサイトでの商品の購入情報を管理する商取引システム60のECサーバ(限定でなく、第2サーバの一例)から、銀行口座の情報や商品の購入情報を受信したことに基づいて、家計簿サーバ10によって更新される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、ユーザの収入情報または支出情報は、第1サーバが、ユーザの収入情報または支出情報に関連する情報を管理する第2サーバから、ユーザの収入情報または支出情報に関連する情報を受信したことに基づいて、第1サーバによって更新されるため、端末は、第1サーバによって適切に更新された収入情報または支出情報を端末の表示領域に表示して、ユーザに報知することができる。
【0203】
<第1変形例(1)>
第1実施例では、端末20のユーザの支出情報に関して、家計簿サーバ10が支出項目推定処理を行って支出項目を推定したが、同様に、端末20のユーザの収入情報に関して、家計簿サーバ10が収入項目推定処理を行って収入項目を推定するようにすることも可能である。
【0204】
具体的には、限定でなく例として、家計簿サーバ10は、家計簿データにおいて、ある日付の曜日(例えば、ある日付の日曜日)における締め処理において、ユーザ入力された所持金と、推定所持金とが一致せず、かつ、推定所持金が所持金よりも少ない場合(所持金が推定所持金よりも多い場合)には、端末20のユーザになんらかの収入があったと推定する。そして、家計簿サーバ10は、収入項目推定処理を実行する。
【0205】
この収入項目推定処理では、家計簿サーバ10は、限定でなく例として、家計簿データにおいて、その日付の曜日と同じ曜日(上記の例では、日曜日)における過去の収入の履歴を参照する。そして、毎週の同じ曜日や隔週の同じ曜日に、例えば、カテゴリー「臨時収入」、更新方法「ユーザ入力」とする収入金額が存在する場合は、収入項目を「臨時収入」とする所持金と推定所持金との差額分の収入があったと推定する。これは、典型的な例では、端末20のユーザが毎週日曜日や隔週の日曜日に競馬や競輪等の公営競技に行っており、臨時的な収入を得る場合が多いが、その日は、臨時的な収入を家計簿に入力するのを忘れてしまった結果、締め処理において、所持金と推定所持金とが一致しなかったような場合である。
【0206】
<第1変形例(1)の効果>
本変形例によれば、支出項目ばかりでなく収入項目をも推定して端末20のユーザに提示することができるため、ユーザの利便性を一層向上させることができる。
【0207】
<第1変形例(2)>
第1実施例において、家計簿サーバ10がスクレイピング処理を行った結果、例えば、端末20のユーザの支出金額に適正範囲から外れた異常値が検出された場合に、その旨を端末20のユーザに報知するための処理を行うようにすることも可能である。
【0208】
具体的には、例えば、家計簿サーバ10が、端末20のユーザのECサイトのアカウント情報やログインパスワードに基づいて、商取引システム60のうちのECサーバへのスクレイピング処理を行った結果、所定金額(例えば「50,000円」や「1000,00円」)以上の高額の支出が発生していると判定したとする。この場合、家計簿サーバ10は、その支出項目および支出金額の情報を含む支出確認情報を、通信I/F14によって端末20に送信する。
【0209】
端末20は、通信I/F22によって家計簿サーバ10から支出確認情報を受信すると、受信した支出確認情報に含まれる支出項目および支出金額を表示部24に表示させる。
図3-12は、支出確認情報を受信した端末20の表示部24に表示される支出項目および支出金額の一例を示す図である。画面には、ポップアップ形式で、ECサイトXXXで55,000円のスマートフォンが購入されたことが報知されており、その購入履歴の詳細を確認するための「今すぐ確認する」と表示されたボタンと、後で改めて通知させるための「あとで通知する」と表示されたボタンとが設けられている。
【0210】
なお、ここでは支出を例に挙げて説明したが、同様に、端末20のユーザの収入金額に適正範囲から外れた異常値が検出された場合に、その旨を端末20のユーザに報知するための処理を行うようにしてもよい。
【0211】
<第1変形例(2)の効果>
本変形例によれば、端末20が、ユーザの収入情報と支出情報とを管理する家計簿サーバ10(限定でなく、第1サーバの一例)から、収入情報または支出情報を通信I/F22(限定でなく、端末の通信部の一例)によって受信し、受信した収入情報または支出情報に基づく確認情報(限定でなく、第1情報の一例)を表示部24に表示させることで、例えば、端末20のユーザの収入または支出に異常が検出されたような場合に、その旨をユーザに注意喚起することができるとともに、適正な収入または支出であるかをユーザに確認させることができる。
【0212】
<第1変形例(3)>
第1実施例において、家計簿サーバ10が、不図示のウェブサーバやクラウドサーバから端末20のユーザに関する情報を取得して、取得した情報に基づいて収入項目や支出項目を推定してもよい。
【0213】
具体的には、IMSのユーザが端末20のアプリケーションカメラで撮影した画像であって、IMSのユーザのユーザID、その画像が撮影された日時、および、その画像が撮影された位置に関する位置情報(緯度、経度等に関する情報)がメタデータとして付された画像がSNSのウェブサイトにアップロードされている場合、家計簿サーバ10が、IMSのユーザのユーザIDに基づいて、ウェブサイトにアップロードされている画像(収入項目推定処理や支出項目推定処理の対象となるIMSのユーザのユーザIDに関連付けられた画像)を検索し、検索結果としてウェブサーバから取得した画像に付されているメタデータに基づいて収入項目や支出項目を推定する。例えば、検索結果として得られた画像に付されている日時に基づいて、収入を得た日時または支出を行った日時を推定し、位置情報に基づいて、収入を得た場所または支出を行った場所等を推定する。そして、その推定結果を家計簿データに反映させるとともに、端末20の表示部24に表示させる。
【0214】
また、ユーザが端末20のカメラ27で撮影した画像であって、その画像を撮影した端末20またはカメラ27の装置識別情報、その画像が撮影された日時、および、その画像が撮影された位置に関する位置情報(緯度、経度等に関する情報)がメタデータとして付された画像がクラウドサーバに記憶されている場合、家計簿サーバ10が、予めIMSのユーザのユーザIDと関連付けて記憶している装置識別情報に基づいて、クラウドサーバに記憶されている画像(収入項目推定処理や支出項目推定処理の対象となるIMSのユーザのユーザIDに関連付けられた画像)を検索し、検索結果としてクラウドサーバから取得した画像に付されているメタデータに基づいて収入項目や支出項目を推定する。例えば、検索結果として得られた画像に付されている日時に基づいて、収入を得た日時または支出を行った日時を推定し、位置情報に基づいて、収入を得た場所または支出を行った場所等を推定する。そして、その推定結果を家計簿データに反映させるとともに、端末20の表示部24に表示させる。
【0215】
<第1変形例(3)の効果>
本変形例によれば、家計簿サーバ10(限定でなく、第1サーバの一例)が、ウェブサーバやクラウドサーバ等の外部サーバから、IMSのユーザに関する情報(画像データ)を通信I/F14(限定でなく、サーバの通信部の一例)によって受信し、受信した情報に基づいて、そのユーザに関する支出項目や収入項目等の推定を行うことができる。
【0216】
<第1変形例(4)>
第1実施例において、家計簿サーバ10によって推定所持金と所持金とが一致しないと判定された場合に(B15:NO)、支出項目推定処理(B21)が実行されるよりも前に、支出項目の入力をユーザに促す処理を実行してもよい。具体的には、所持金判定NG通知(B19)を受信した端末20が、推定所持金と所持金との差額とともに、その差額の要因となった支出項目を入力させるための画面を、図2-10に示す画面よりも前に表示部24に表示させる。
【0217】
そして、ユーザが、端末20の画面で、差額の要因となったと判断した支出項目を入力した場合には、家計簿サーバ10において、その支出項目と支出金額(差額)とが家計簿データに反映されて、支出項目推定処理が実行されることなく、支出項目と支出金額とが確定される。一方、ユーザが、差額の要因となった支出項目を思い出せない等の理由により、端末20で、支出項目推定処理を実行させるための操作を行った場合、例えば、「支出項目を推定する」と表示されたアイコンを選択した場合には、端末20から家計簿サーバ10に対して、支出項目推定処理を実行させるための操作情報が送信されて、操作情報を受信した家計簿サーバ10が支出項目推定処理(B21)を実行する。
【0218】
<第1変形例(4)の効果>
本変形例によれば、差額を見たユーザが、その差額の要因となった支出項目を思い出せるような場合に、家計簿サーバ10による支出項目推定処理を不要とすることができる。
【0219】
<第1変形例(5)>
端末20が、端末20のユーザの財布の開閉動作を識別する機能を備えるようにしてもよい。具体的には、ユーザの財布は、その財布の開閉動作を検出するセンサと、そのセンサによる検出結果をブルートゥースやワイヤレスLAN等によって端末20に送信する無線通信部とを備えているものとする。端末20は、財布の無線通信部から、財布の開閉動作が検出されたことを示す情報を受信すると、財布の開閉動作が行われた日時と、財布の開閉動作が行われた位置に関する位置情報(緯度、経度等に関する情報)とを受信して、記憶部28に記憶しておき、記憶したそれらの情報を、家計簿アプリケーション281の機能に基づいて、IMSのユーザのユーザIDとともに家計簿サーバ10に送信するものとする。
【0220】
家計簿サーバ10は、財布の開閉動作に関する情報を端末20から受信すると、財布の開閉動作が行われた日時に基づいて、収入を得た日時または支出を行った日時を推定し、財布の開閉動作が行われた位置に関する位置情報に基づいて、収入を得た場所または支出を行った場所等を推定する。そして、その推定結果を家計簿データに反映させるとともに、端末20の表示部24に表示させる。
【0221】
<第1変形例(5)の効果>
本変形例によれば、ユーザが紙幣や硬貨を財布から取り出す際の財布の開閉動作に基づいて、そのユーザに関する支出項目や収入項目等の推定を行うことができる。
【0222】
<第2実施例>
第2実施例は、第1実施例に付随する実施形態である。第2実施例は、端末20のユーザが設定した貯金条件(限定でなく第1条件の一例)に基づいて、家計簿サーバ10の制御によって、IMSマネーサーバ40でIMSマネーが自動的に貯金される実施形態である。なお、第1実施例と同一の構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。第2実施例に記載の内容は、他の各実施形態のいずれにも適用可能である。
【0223】
まず、ユーザが予め設定した貯金条件に基づいて、銀行口座に関連付けられた第1電子マネー口座のIMSマネーの少なくとも一部を第2電子マネー口座に移動させる自動貯金方法について説明する。第1IMSマネー口座は、銀行口座に関連付けられた電子マネー口座の一例である。また、第1の自動貯金方法において、限定でなく、第1IMSマネー口座のIMSマネーは、使用が制限されていない電子マネーの一例である。ユーザは、第1IMSマネー口座のIMSマネーを、商取引システム60における決済に使用することができる。商取引システム60における決済には、限定でなく例として、実際の店舗における決済やECサイトにおける決済等が含まれる。
【0224】
端末20のユーザは、限定でなく例として、銀行口座の残高を使用して、第1IMSマネー口座へのIMSマネーのチャージを行うことができる。例えば、ユーザが端末20を用いて、IMSマネーのチャージ額として10,000円を選択する操作を行うことで、そのユーザの銀行口座の残高から10,000円が減算されるとともに、そのユーザの第1IMSマネー口座残高に10,000円が加算される。
【0225】
端末20のユーザは、限定でなく例として、第1IMSマネー口座のIMSマネーを銀行口座に出金することができる。例えば、ユーザが端末20を用いて、そのユーザの第1IMSマネー口座のIMSマネーについての出金額として10,000円を選択する操作を行うことで、そのユーザの第1IMSマネー口座残高から10,000円が減算されるとともに、そのユーザの銀行口座の残高に10,000円が加算される。
【0226】
また、端末20のユーザは、限定でなく例として、そのユーザの第1IMSマネー口座のIMSマネーを他のユーザの第1IMSマネー口座に送金することが可能である。例えば、一方のユーザが端末20を用いて、送金先となる他方のユーザの第1IMSマネー口座を選択する操作と、送金額として10,000円を選択する操作とを行うことで、一方のユーザの第1IMSマネー口座残高から10,000円が減算されるとともに、他方のユーザの銀行口座の残高に10,000円が加算される。
【0227】
このように、第1の自動貯金方法における第1IMSマネー口座のIMSマネーは、限定でなく例として、ユーザが、そのIMSマネーの残高の範囲内で制約なく自由に使用、出金、送金等することができる電子マネーである。なお、第1IMSマネー口座のIMSマネーは、銀行口座に出金しなければ(IMSマネーの残高を銀行口座の残高に変換しなければ)、ATMにより紙幣または硬貨としてユーザが受け取ることができないものとする。
【0228】
図4-1には、第1の自動貯金方法に用いられる残高管理データの一例を示す。残高管理データ1558は、家計簿サーバ10の記憶部15に記憶されている。残高管理データ1558には、IMSのグループを識別するIMSグループIDに関連付けて、そのIMSグループIDのグループについて設定されたIMSグループ名と、そのグループに属するIMSユーザのIMSユーザID(単にユーザIDともいう)と、そのIMSユーザについて設定されたIMSユーザ名と、そのIMSユーザの銀行口座と、その銀行口座の残高と、その銀行口座に関連付けられた第1IMSマネー口座と、その第1IMSマネー口座のIMSマネーの残高とが記憶されている。
【0229】
図4-2には、第1の自動貯金方法に用いられる貯金管理データの一例を示す。貯金管理データ1559は、家計簿サーバ10の記憶部15に記憶されている。貯金管理データ1559には、貯金口座として設定された第2IMSマネー口座と、その第2IMSマネー口座について設定された貯金名目と、その第2IMSマネー口座に関連付けられた第1IMSマネー口座と、その第2IMSマネー口座(貯金名目)について設定された設定目標金額と、その第2IMSマネー口座にIMSマネーを貯金する貯金条件(限定でなく第1条件の一例)と、その第2IMSマネー口座に貯金されたIMSマネーについての使用を許可する使用許可条件(限定でなく第2条件の一例)と、その第2IMSマネー口座のIMSマネーの残高である貯金残高とが記憶されている。
【0230】
例えば、IMSユーザが、家計簿アプリケーション281上で、端末20を操作してIMSマネーを貯金する貯金口座の名前を設定することで、そのIMSユーザの第1IMSマネー口座に、第2IMSマネー口座と、設定された貯金名目とが関連付けられる。これは、限定でなく例として、第1IMSマネー口座に関連付けられた貯金口座が設定される処理に相当する。
【0231】
第2IMSマネー口座のIMSマネー(貯金残高に相当するIMSマネー)は、第1IMSマネー口座のIMSマネーとは異なり、商取引システム60における決済に使用することはできず、また、銀行口座に出金することができない。また、一方のIMSユーザの第2IMSマネー口座から他方のIMSユーザの第2IMSマネー口座に送金することもできない。限定でなく例として、第2IMSマネー口座のIMSマネーは、使用が制限された電子マネーの一例である。
【0232】
第2IMSマネー口座のIMSマネーは、使用許可条件が成立した場合に、その第2IMSマネー口座に関連付けられた第1IMSマネー口座に少なくとも一部を移動させることができる。このように、第2IMSマネー口座のIMSマネーは、第1IMSマネー口座のIMSマネーとは異なり、自由に使用、出金、送金等をすることができず、使用、出金、送金等をするためには、一旦、第1IMSマネー口座に移動させなければならない。
このように、第2IMSマネー口座のIMSマネーは、第2IMSマネー口座にある状態のままでは、使用、出金、送金等をすることができないため、第2IMSマネー口座は仮想のIMSマネー口座ということもできる。
【0233】
従って、限定でなく例として、第1IMSマネー口座のIMSマネーを第2IMSマネー口座に移動させることは、IMSマネーの使用を制限する処理に相当し、第2IMSマネー口座のIMSマネーを第1IMSマネー口座に移動させることは、IMSマネーの使用を可能とする処理(IMSマネーの使用制限を解除する処理)に相当する。
【0234】
図4-2の例では、IMSユーザであるA.Aが、自分の第1IMSマネー口座[EMA1-001]に関連付けられた貯金口座として、引越資金用の第2IMSマネー口座[EMA2-001]と、旅行資金用の第2IMSマネー口座[EMA2-002]とを設定している。
【0235】
このうち、引越資金用の第2IMSマネー口座[EMA2-001]は、A.A個人の引越資金用の貯金口座として設定されたものであり、A.Aの第1IMSマネー口座[EMA1-001]のみが関連付けられている。そのため、第2IMSマネー口座[EMA2-001]には、A.Aの第1IMSマネー口座[EMA1-001]のIMSマネーのみが貯金されることになる。このように、本例では、A.A個人の貯金口座である第2IMSマネー口座[EMA2-001]への電子マネーの供給元は、A.Aの第1IMSマネー口座[EMA1-001]に限られる。
【0236】
一方、旅行資金用の第2IMSマネー口座[EMA2-002]は、A.A、B.B、およびC.Cの3者が属するIMSグループである「ABC旅行会」用の貯金口座として設定されたものである。そのため、旅行資金用の第2IMSマネー口座[EMA2-002]には、A.Aの第1IMSマネー口座[EMA1-001]のみならず、B.Bの第1IMSマネー口座[EMA1-002]と、C.Cの第1IMSマネー口座[EMA1-003]とが関連付けられている。
【0237】
従って、本例では、旅行資金用の第2IMSマネー口座[EMA2-002]には、A.Aの第1IMSマネー口座[EMA1-001]のIMSマネーと、B.Bの第1IMSマネー口座[EMA1-002]のIMSマネーと、C.Cの第1IMSマネー口座[EMA1-003]のIMSマネーとが貯金されることになる。このように、A.A、B.B、およびC.Cの3者が属するIMSグループ用の貯金口座である第2IMSマネー口座[EMA2-002]への電子マネーの供給元は、A.Aの第1IMSマネー口座と、B.Bの第1IMSマネー口座と、C.Cの第1IMSマネー口座である。
【0238】
第2IMSマネー口座には、ユーザにより設定された設定目標金額が関連付けられている。例えば、引越資金用の第2IMSマネー口座[EMA2-001]の設定目標金額は300,000円であり、旅行資金用の第2IMSマネー口座[EMA2-002]の設定目標金額は、A.Aが100,000円であり、B.Bが50,000であり、C.Cが50,000円である。このように、IMSのグループ(例えば、トークルームが形成されたグループ)で、所定のイベントを目的として貯金を行う場合等には、そのIMSグループに属するIMSユーザ毎に、設定目標金額を異ならせることも可能である。
【0239】
第2IMSマネー口座には、ユーザにより設定された貯金条件と、1回あたりの貯金額と、使用許可条件とが関連付けられている。貯金条件が成立すると、その第2IMSマネー口座に関連付けられた第1IMSマネー口座から、その第2IMSマネー口座に、1回あたりの貯金額に相当するIMSマネーが移動する。また、使用許可条件が成立すると、その第2IMSマネー口座から、その第2IMSマネー口座に関連付けられた第1IMSマネー口座に、設定目標金額相当のIMSマネーが移動する。
【0240】
図4-3には、限定でなく例としての、貯金条件と1回あたりの貯金額との関係を示している。例えば、IMSユーザが、端末20で実行される家計簿管理処理プログラム上の処理に基づいて、端末20を操作して、設定された貯金名目(設定された第2IMSマネー口座)について、貯金条件と、貯金条件が成立したときの1回あたりの貯金額とを設定することで、その貯金名目に対応した第2IMSマネー口座に、貯金条件と、1回あたりの貯金額とが関連付けられる。
【0241】
例えば、ユーザは、毎日X時、毎週X曜日、毎月X日というように、一定期間毎に貯金するように、貯金条件を設定することが可能である。そして、1日X円、1週X円、1月X円というように、一定期間毎に、1回あたりの貯金額として一定額を貯金するように設定することが可能である。例えば、毎日17時に1,000円を貯金する、という条件を設定することができる。
【0242】
また、ユーザは、1日支出額X円未満、1週支出額X円未満、1月支出額X円未満というように、一定期間内の支出額が予め定めた基準額未満である場合に貯金するように、貯金条件を設定することが可能である。そして、[X円-1日支出額]のX%、[X円-1週支出額]のX%、[X円-1月支出額]のX%というように、一定期間毎に、1回あたりの貯金額として、基準額と支出額との差額のうちの任意の割合を貯金するように設定することが可能である。また、これらの貯金条件に関しては、貯金条件が成立しているか否かを判定するタイミングを設定することが可能である。
【0243】
例えば、1日の支出額の上限を5,000円と想定して、毎日24時の時点、あるいは家計簿データの締め処理が実行される時点等において、1日の支出額が5,000円未満である場合に、[5,000円-支出額]の100%を貯金する、という条件を設定することができる。
【0244】
また、ユーザは、銀行口座残高X円以上というように、銀行口座残高が基準額以上である場合に貯金するように、貯金条件を設定することが可能である。そして、[銀行口座残高X円超過分のX%]というように、銀行口座の残高が基準額以上である場合に、1回あたりの貯金額として、銀行口座の残高と基準額との差額のうちの任意の割合を貯金するように設定することが可能である。また、この貯金条件に関しては、貯金条件が成立しているか否かを判定するタイミングを設定することが可能である。
例えば、毎月1日の時点で銀行口座の残高が500,000円以上となっている場合に、500,000円を超過した分の50%を貯金する、という条件を設定することができる。
【0245】
また、ユーザは、銀行口座への入金額がX円以上というように、銀行口座への入金額が基準額以上である場合に貯金するように、貯金条件を設定することが可能である。そして、[銀行口座への入金額X円超過分のX%]というように、銀行口座への入金額が基準額以上である場合に、1回あたりの貯金額として、銀行口座への入金額と基準額との差額のうちの任意の割合を貯金するように設定することが可能である。
例えば、銀行口座への入金額が300,000円以上である場合に、300,000円を超過した分の100%を貯金する、という条件を設定することができる。
【0246】
また、ユーザは、第1IMSマネー口座残高がX円以上というように、第1IMSマネー口座残高が基準額以上である場合に貯金するように、貯金条件を設定することが可能である。そして、[第1IMSマネー口座残高X円超過分のX%]というように、第1IMSマネー口座残高が基準額以上である場合に、1回あたりの貯金額として、第1IMSマネー口座残高と基準額との差額のうちの任意の割合を貯金するように設定することが可能である。また、この貯金条件に関しては、貯金条件が成立しているか否かを判定するタイミングを設定することが可能である。
例えば、毎月1日の時点で第1IMSマネー口座残高が50,000円以上となった場合に、50,000円を超過した分の100%を貯金する、という条件を設定することができる。
【0247】
また、ユーザは、第1IMSマネー口座へのIMSマネーのチャージ額がX円以上というように、第1IMSマネー口座へのチャージ額が基準額以上である場合に貯金するように、貯金条件を設定することが可能である。そして、[IMSマネーチャージ額X円超過分のX%]というように、第1IMSマネー口座へのIMSマネーチャージ額が基準額以上である場合に、1回あたりの貯金額として、第1IMSマネー口座へのIMSマネーチャージ額と基準額との差額のうちの任意の割合を貯金するように設定することが可能である。
例えば、第1IMSマネー口座への第1IMSマネーのチャージ額が5,000円以上である場合に、5,000円を超過した分の10%を貯金する、という条件を設定することができる。
【0248】
また、貯金条件および1回あたりの貯金額の組み合わせを複数組設定することも可能である。例えば、1日あたりの支出額が基準額(例えば5,000円)未満である場合に、1日の支出額と基準額との差額を貯金して、さらに、毎月1日の銀行口座の残高が基準額(例えば500,000)以上である場合に、基準額超過分の50%を貯金するようにしてもよい。
【0249】
また、複数のユーザ(限定でなく例として、IMSの同じグループに属する複数のユーザ)が、共通の第2IMSマネー口座で同じ貯金名目で貯金を行う場合、ユーザ毎に、貯金条件や1回あたりの貯金額を異ならせることが可能である。例えば、あるユーザでは、貯金条件が「1日支出額5,000円未満」であり、1回あたりの貯金額が[5,000円-1日支出額]であるのに対して、同じグループに属する他のユーザでは、貯金条件が「1日支出額10,000円未満」であり、1回あたりの貯金額が[10,000円-1日支出額]とすることができる。
【0250】
図4-4には、限定でなく例としての使用許可条件を示している。使用許可条件が成立した場合には、第2IMSマネー口座から第1IMSマネー口座に、貯金されていたIMSマネーのうちの少なくとも一部(例えば、設定目標金額相当のIMSマネー、第2IMSマネー口座のIMSマネー全額、ユーザにより指定された額のIMSマネー)が移動する。
例えば、IMSユーザが、端末20で実行される家計簿管理処理プログラム上の処理に基づいて、端末20を操作して、設定された貯金名目(設定された第2IMSマネー口座)について、使用許可条件を設定することで、その貯金名目に対応した第2IMSマネー口座に、使用許可条件が関連付けられる。
【0251】
例えば、ユーザは、使用許可条件を成立させる日付Yを設定することが可能である。この使用許可条件を設定した場合には、設定日Yになった時点で、第2IMSマネー口座に貯金されたIMSマネーが第1IMSマネー口座に移動する。すなわち、貯金残高に応じたIMSマネーの使用、出金、送金が可能となる。
【0252】
また、ユーザは、貯金を開始してから貯金を終了する(使用許可条件を成立させる)までの貯金期間Yを設定することが可能である。この使用許可条件を設定した場合には、貯金期間Yが満了した時点で、第2IMSマネー口座に貯金されたIMSマネーが第1IMSマネー口座に移動する。
【0253】
また、ユーザは、使用許可条件を成立させる設定目標金額Yを設定することが可能である。この使用許可条件を設定した場合には、貯金残高が設定目標金額Yに達した時点で、第2IMSマネー口座に貯金されたIMSマネーが第1IMSマネー口座に移動する。
【0254】
また、ユーザは、使用許可条件を成立させる銀行口座残高Yを設定することが可能である。この使用許可条件を設定した場合には、銀行口座残高がY未満となった時点で、第2IMSマネー口座に貯金されたIMSマネーが第1IMSマネー口座に移動する。
【0255】
また、ユーザは、使用許可条件を成立させる第1IMSマネー口座残高Yを設定することが可能である。この使用許可条件を設定した場合には、第1IMSマネー口座残高がY未満となった時点で、第2IMSマネー口座に貯金されたIMSマネーが第1IMSマネー口座に移動する。
【0256】
また、ユーザは、使用許可条件を成立させる使用認証Yを設定することができる。この使用許可条件を設定した場合には、使用認証Yが完了した時点で、第2IMSマネー口座に貯金されたIMSマネーが第1IMSマネー口座に移動する。使用認証Yに用いられる情報としては、限定でなく例として、ユーザIDのユーザが設定したパスワード、ユーザIDのユーザの指紋等が含まれる。また、ユーザIDのユーザではなく、他者が設定したパスワードや、他者の指紋等が含まれる場合がある。例えば、グループ旅行の名目で貯金している場合には、そのグループ全員の指紋認証を使用認証Yとして設定しておくことで、グループ全員の合意がなければ、その資金を使用することができないようにすることができる。
【0257】
また、以上に示した条件等を複数組み合わせることも可能である。例えば、貯金残高が設定目標金額Yに達した場合に、使用認証Yが実行されたことに基づいて使用許可条件が成立するように設定することも可能である。
【0258】
以上に示した、貯金条件および1回あたりの貯金額、並びに使用許可条件は、設定された貯金名目毎、即ち、第2IMSユーザ口座毎に個別に設定することができる。例えば、1日の支出額が基準額未満である場合に、基準額と支出額の差額のうちの50%は第1の貯金名目として貯金し、残りの50%は第2の貯金名目として貯金する、という条件を設定することができる。
【0259】
<表示画面例>
以下、家計簿アプリケーション処理プログラム283が実行されることにより、図4-1及び図4-2に示したデータに基づいて端末20の表示部24に表示される表示画面を例示して、本実施例における貯金方法について説明する。
【0260】
図4-5には、貯金条件として「1日支出額5,000円未満」が設定され、1回あたりの貯金額として「5,000円-1日支出額」が設定されていることに基づいて、画面には、「今日使えるお金」として「5,000円」が表示されており、「今日の支出」として「1,000円」が表示されている。「今日の支出」は、家計簿データ1551に記憶されている当日の支出金額の合計額に基づいて算出され、表示されている。
【0261】
そして、「今日使えるお金」と「今日の支出」との差額のうちの75%については引越資金として貯金され、25%については旅行資金として貯金されるように設定されていることに基づいて、差額である4,000円のうちの3,000円が引越資金として貯金され(引越資金:+3,000円)、残りの1,000円が旅行資金として貯金されたこと(旅行資金:+1000円)が表示されている。
【0262】
この画面で、ユーザが「詳細」と表示されたボタンを操作すると、図4-6に示すように、引越資金の設定目標金額が300,000円であることと、引越資金用の貯金残高が220,000円であり、設定目標金額まで残り80,000円が必要であることとが表示される。
【0263】
また、旅行資金の目標金額が200,000円であることと、A.Aの旅行資金用の貯金残高が70,000円であり、設定目標金額まで残り30,000円が必要であることと、B.Bの旅行資金用の貯金残高が30,000円であり、設定目標金額まで残り20,000円が必要であることと、C.Cの旅行資金用の貯金残高が25,000円であり、設定目標金額まで残り25,000円が必要であることとが表示されている。そして、3名の旅行資金用の合計貯金残高が125,000円であり、設定目標金額までに、あと75,000円が必要であることが表示されている。
【0264】
図4-5又は図4-6の画面で、ユーザが「設定変更」と表示されたボタンを操作すると、それぞれの貯金名目に関する貯金条件、1回あたりの貯金額、使用許可条件、の各条件を個別に変更することができる。このように、使用許可条件が成立する前の段階(貯金期間中)で、各条件を変更することができる。
【0265】
図4-7には、A.Aの引越資金用の貯金残高が、設定目標金額である300,000円に達したことを報知する画面が示されている。このとき、使用許可条件が成立したことにより、貯金されたIMSマネー200,000円が、A.A固有の第2IMSマネー口座[EMA2-001]から、A.Aの第1IMSマネー口座[EMA1-001]に移動している。
【0266】
図4-8には、A.Aの旅行資金用の貯金残高が、設定目標金額である100,000円に達したことを報知する画面が示されている。このとき、A.Aの旅行資金用の貯金残高が100,000円であり、設定目標金額である100,000円まで残り0円であることが表示され、B.Bの旅行資金用の貯金残高が45,000円であり、設定目標金額である50,000円まで残り5,000円であることが表示され、C.Cの旅行資金用の貯金残高が40,000円であり、設定目標金額である50,000円まで残り10,000円であることが表示されている。
【0267】
そして、3名の旅行資金用の合計貯金残高が185,000円になっており、設定目標金額まで残り15,000円であることが表示されている。このとき、使用許可条件は成立していないため、現時点で貯金されているIMSマネー185,000円は、第2IMSマネー口座から第1IMSマネー口座に移動していない。
【0268】
図4-9には、同じグループに属する3名の旅行資金用の貯金残高の合計額が、設定目標金額である200,000円に達したことを報知する画面が表示されている。このとき、A.Aの旅行資金用の貯金残高が100,000円であり、設定目標金額である100,000円まで残り0円であることが表示され、B.Bの旅行資金用の貯金残高が50,000円であり、設定目標金額である50,000円まで残り0円であることが表示され、C.Cの旅行資金用の貯金残高が50,000円であり、設定目標金額である50,000円まで残り0円であることが表示されている。
【0269】
そして、3名の旅行資金用の合計貯金残高が200,000円になっており、設定目標金額まで残り0円であることが表示されている。このとき、使用許可条件が成立したことにより、第2IMSマネー口座に貯金されていたIMSマネー200,000円は、第2IMSマネー口座から第1IMSマネー口座に移動している。具体的には、A.Aの旅行資金用の貯金残高であった100,000円が、3名共通の第2IMSマネー口座[EMA2-002]からA.Aの第1IMSマネー口座[EMA1-001]に移動し、B.Bの旅行資金用の貯金残高であった50,000円が、3名共通の第2IMSマネー口座[EMA2-002]からB.Bの第1IMSマネー口座[EMA1-002]に移動し、C.Cの旅行資金用の貯金残高であった50,000円が、3名共通の第2IMSマネー口座[EMA2-002]からC.Cの第1IMSマネー口座[EMA1-003]に移動している。
【0270】
図4-10、図4-11、および図4-12は、端末20、家計簿サーバ10、IMSマネーサーバ40、および銀行サーバ50による貯金に関連した処理の一例を示す図である。限定でなく例として、端末20では、家計簿アプリケーション処理プログラム283に基づく家計簿アプリケーション処理が実行され、家計簿サーバ10では、貯金管理処理プログラム1515に基づく貯金管理処理が実行され、IMSマネーサーバ40では、貯金処理プログラム4513に基づく貯金処理が実行される。また、銀行サーバ50は、IMSマネーサーバ40から受信した情報に基づいて、銀行口座から第1IMSマネー口座への出金を行う。
【0271】
端末20のユーザが、貯金条件および1回あたりの貯金額、並びに使用許可条件を端末20で設定すると(D1)、これらの情報を含む設定情報が端末20から家計簿サーバ10に送信される(D3)。家計簿サーバ10は、設定情報を受信すると、記憶部15に設定情報を記憶して、以降は設定情報に基づいた貯金管理処理を実行する(E1)。このようにして、ユーザ毎に貯金に関する各種の設定が行われる。
【0272】
家計簿サーバ10は、設定された貯金条件が成立しているか否かを判定して(E3)、貯金条件が成立していなければ(E:NO)、貯金条件の成立を待機する。貯金条件が成立していれば(E3:YES)、第1IMSマネー口座から第2IMSマネー口座に1回あたりの貯金額相当のIMSマネーを移動させる移動指示を、IMSマネーサーバ40に送信する(E5)。
【0273】
IMSマネーサーバ40は、E5の移動指示を受信すると、第1IMSマネー口座残高が、その移動指示に含まれる1回あたりの貯金額以上であるか否かを判定する(F1)。第1IMSマネー口座残高が、1回あたりの貯金額未満である場合には(F1:NO)、所定額を銀行口座からIMSマネーサーバ40(第1IMSマネー口座)に出金するよう指示する出金指示を、銀行サーバ50に送信する(F3)。この所定額は、限定でなく例として、第1IMSマネー口座残高がユーザにより設定された金額(例えば500円)未満となった場合に、オートチャージ機能により銀行口座残高に基づいてIMSマネーを自動的にチャージすることに設定されている場合の、そのチャージ額であり、例えば10,000円とする。なお、所定額は、第1IMSマネー口座残高と1回あたりの貯金額との差額、すなわち1回の貯金額に対する不足分のみとしてもよい。
【0274】
一方、第1IMSマネー口座残高が、1回あたりの貯金額以上である場合には(F1:YES)、F9へと処理を移す。
【0275】
銀行サーバ50は、出金指示を受信すると、その出金指示に含まれる所定額を出金するための設定を行い(G1)、出金設定通知をIMSマネーサーバ40に送信する(G3)。出金設定通知を受信したIMSマネーサーバ40は、第1IMSマネー口座に所定額相当のIMSマネーをチャージして(F5)、チャージ完了通知を銀行サーバ50に送信する(F7)。そして、F9へと処理を移す。
【0276】
そして、チャージ完了通知を受信した銀行サーバ50は、銀行口座残高から所定額を減算して(G5)、処理を終了する。
【0277】
IMSマネーサーバ40は、第1IMSマネー口座から第2IMSマネー口座に、1回あたりの貯金額相当のIMSマネーを移動させる(F9)。そして、1回分の貯金処理が終了したことを通知する第1移動完了通知を、家計簿サーバ10に送信する(F11)。
【0278】
家計簿サーバ10は、第1移動完了通知を受信すると、第2IMSマネー口座の残高、即ち貯金残高が設定目標金額に達したか否かを判定する(E7)。貯金残高が設定目標金額に達していなければ(E7:NO)、今回貯金した金額(1回あたりの貯金額)と、更新後の貯金残高とを含む第1貯金完了通知を端末20に送信して(E9)、処理を終了する。端末20は、第1貯金完了通知を受信すると、図4-5に示したように、今回貯金された金額と、更新後の貯金残高とを表示部24に表示させて(D5)、処理を終了する。
【0279】
家計簿サーバ10は、貯金残高が設定目標金額に達している場合には(E7:YES)、貯金を使用すること、すなわち、第2IMSマネー口座のIMSマネーを第1IMSマネー口座に移動させること、を許可する使用許可通知をIMSマネーサーバ40に送信する(E11)。この使用許可情報には、第2IMSマネー口座から第1IMSマネー口座に移動させるIMSマネーの額が含まれる。使用許可情報には、限定でなく例として、設定目標金額、貯金額全額(第2IMSマネー口座のIMSマネー全額)、ユーザにより指定された金額等が、移動させるIMSマネーの額として含まれる。
【0280】
IMSマネーサーバ40は、使用許可通知を受信すると、使用許可通知に含まれる額のIMSマネーを、第2IMSマネー口座から第1IMSマネー口座に移動させ(F13)、使用許可通知により指定された額のIMSマネーを移動させたことを通知する第2移動完了通知を、家計簿サーバ10に送信し(F15)、処理を終了する。
【0281】
家計簿サーバ10は、第2移動完了通知を受信すると、今回貯金した金額(1回あたりの貯金額)と、更新後の貯金残高(設定目標金額に達した貯金残高)と、設定目標金額に到達したことを通知する目標金額到達通知とを含む、第2貯金完了通知を、端末20に送信し(E13)、処理を終了する。
【0282】
端末20は、第2貯金完了通知を受信すると、図4-7に示したように、今回貯金した金額と、更新後の貯金残高(設定目標金額に達した貯金残高)とを表示部24に表示させるとともに、設定目標金額に到達したことを報知するメッセージ等を表示部24に表示させて(D7)、処理を終了する。
【0283】
<第2実施例の効果>
第2実施例は、端末20が、貯金条件(限定でなく、第1条件の一例)の成立に基づいて、端末20のユーザの銀行口座に関連付けられた第1IMSマネー口座から第2IMSマネー口座に1回あたりの貯金額相当のIMSマネーを移動させる制御が実行されたことに基づいて、家計簿サーバ10から第1貯金完了通知を受信して、今回貯金されたIMSマネーの額を表示部24に表示する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、ユーザが貯金条件と1回あたりの貯金額を設定することで、自動的にIMSマネーが貯金されるようにすることが可能となり、自動的に貯金されたIMSマネーの額を把握することができる。
【0284】
また、第2実施例は、家計簿サーバ10が、第1IMSマネー口座のIMSマネーのうちの、予め設定された1回あたりの貯金額を、第1IMSマネー口座から第2IMSマネー口座に移動させるようIMSマネーサーバ40に指示したことに基づいて、IMSマネーサーバ40が、第2IMSマネー口座から第1IMSマネー口座に、指示された1回あたりの貯金額を移動させる構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、ユーザが設定した1回あたりの貯金額を、家計簿サーバ10とIMSマネーサーバ40の処理によって貯金させるようにすることができる。
【0285】
また、第2実施例は、家計簿サーバ10が、第2IMSマネー口座の貯金残高が、ユーザが予め設定した設定目標金額に到達した(限定でなく、第2条件が成立したことの一例)と判定した場合に、第2貯金完了通知を端末20に対して送信し、第2貯金完了通知を受信した端末20が、貯金残高が設定目標額に達したことを表示部24で報知する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、ユーザは、貯金残高が設定目標金額に到達したことを把握することができる。
【0286】
また、第2実施例は、家計簿サーバ10が、貯金されたIMSマネーの使用を許可する制御が、第2IMSマネー口座のIMSマネーのうちの設定目標金額相当のIMSマネーを第2IMSマネー口座から第1IMSマネー口座に移動させることである構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、ユーザが設定した設定目標金額相当の貯金額を、家計簿サーバ10とIMSマネーサーバ40の処理によって使用できるようにすることができる。
【0287】
また、第2実施例は、貯金条件および1回あたりの貯金額が、端末20のユーザにより設定される構成を示している。
また、第2条件が成立していない場合(限定でなく、貯金残高が設定目標金額に設定していない場合や、設定した貯金期間が満了していない場合等)にも、一旦設定した貯金条件や1回あたりの貯金額を途中で変更することが可能な構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、ユーザの事情に応じて、貯金条件や1回あたりの貯金額を、設定または変更することができる。
【0288】
また、第2実施例は、貯金条件および1回あたりの貯金額が、同一グループに属するユーザによって異なる構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、同一グループに属する各ユーザが、個別の事情に応じて、貯金条件や1回あたりの貯金額を、設定または変更することができる。
【0289】
また、第2実施例は、第2IMSマネー口座に貯金させるIMSマネーの額(限定でなく、使用を制限する制御の対象となる電子マネーの額の一例)が、同一グループに属するユーザによって異なる構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、同一グループに属する各ユーザが、個別の事情に応じて、1回あたりの貯金額や目標金額を設定または変更することができる。
【0290】
また、第2実施例は、使用許可条件(限定でなく、第2条件の一例)が、ユーザにより設定される例を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、ユーザの事情に応じて、使用許可条件を、設定または変更することができる。
【0291】
<第2変形例(1)>
第2実施例で、複数のユーザ(限定でなく例として、IMSの同じグループに属する第1ユーザと、第2ユーザ)が、共通の第2IMSマネー口座で同じ貯金名目で貯金を行っている場合には、第2ユーザ(限定でなく、他のユーザの一例)が設定した貯金条件の成立に基づいて、第2ユーザの銀行口座に関連付けられた第1IMSマネー口座から共通の第2IMSマネー口座に、第2ユーザが設定した1回あたりの貯金額に相当するIMSマネーが移動する。このとき、家計簿サーバ10は、第2ユーザの貯金に基づく第1貯金完了通知(E9)を、第2ユーザの端末20のみならず、第1ユーザの端末20にも送信することが可能である。
そして、第1ユーザの端末20が、第2ユーザの貯金に基づく第1貯金完了通知を受信したことに基づいて、その第1貯金完了通知に含まれる、第2ユーザの今回の貯金額と、第2ユーザの貯金残高とを表示部24に表示させる。
【0292】
図4-13に示す例では、A.Aの端末20の表示部24に、A.Aが属するIMSのグループ「ABC旅行会」に属するB.Bの貯金情報が表示されている。本例では、B.Bの銀行口座「BK002」に関連付けられたB.Bの第1IMSマネー口座「EMA1-002」から、「ABC旅行会」の旅行資金用の第2IMSマネー口座「EMA2-002」に、1,000円分のIMSマネーが移動されたことに基づいて、「ABC旅行会」に属するB.Bが1,000円貯金した情報が表示されている。
【0293】
図4-13に示す画面は、第1ユーザ(A.A)の貯金額が、第1ユーザ(A.A)の設定目標金額に達しているが、第1ユーザと同じグループに属する第2ユーザ(B.B)の貯金額は、第2ユーザ(B.B)の設定目標金額に達していないことに基づいて、第1ユーザ(A.A)の端末20の表示部24に、第1ユーザ(A.A)の貯金額が既に設定目標金額に達していることと、第2ユーザ(B.B)が貯金を行ったことと、今回の貯金により増加した第2ユーザ(B.B)の貯金額と、今回の貯金による更新後の第2ユーザ(B.B)の貯金額とが表示された状態である。
【0294】
<第2変形例(1)の効果>
このような構成により得られる効果の一例として、同じグループに属するユーザ同士で、互いの貯金状況を詳細に把握することができる。
【0295】
<第2変形例(2)>
また、第2変形例(1)の構成において、第2ユーザが設定した使用許可条件(限定でなく、第2条件の一例)の成立に基づいて、共通の第2IMSマネー口座から、第2ユーザが設定した設定目標金額相当のIMSマネーが、第2ユーザの銀行口座に関連付けられた第1IMSマネー口座に移動する。このとき、家計簿サーバ10は、第2ユーザの貯金残高が設定目標金額に到達したことに基づく第2貯金完了通知(E13)を、第2ユーザの端末20のみならず、第1ユーザの端末20にも送信することが可能である。
そして、第1ユーザの端末20が、第2ユーザの設定目標金額到達に基づく第2貯金完了通知を受信したことに基づいて、その第2貯金完了通知に含まれる、第2ユーザの今回の貯金額と、第2ユーザの貯金残高とを表示部24に表示させるとともに、第2ユーザの貯金残高が設定目標金額に到達したことを表示部24で報知する。
【0296】
図4-14に示す例では、A.Aの端末20の表示部24に、A.Aが属するIMSのグループ「ABC旅行会」に属するB.Bの貯金額が、B.Bの設定目標金額に到達したことが表示されている。
【0297】
図4-14に示す画面は、第1ユーザ(A.A)の貯金額が、第1ユーザ(A.A)の設定目標金額に達しており、第1ユーザと同じグループに属する第2ユーザ(B.B)の貯金額が、第2ユーザ(B.B)の設定目標金額に達したことに基づいて、第1ユーザ(A.A)の端末20の表示部24に、第1ユーザ(A.A)の貯金額が既に設定目標金額に達していることと、第2ユーザ(B.B)が今回貯金を行ったことにより、第2ユーザ(B.B)の貯金額が設定目標金額に達したことが表示された状態である。
【0298】
<第2変形例(2)の効果>
このような構成により得られる効果の一例として、グループに属するユーザが、同じグループに属する他のユーザの貯金残高が、他のユーザが設定した設定目標金額に到達したことを把握することができる。
【0299】
<第2変形例(3)>
第2実施例では、複数のユーザ(限定でなく例として、IMSの同じグループに属する第1ユーザと、第2ユーザ)が、共通の第2IMSマネー口座で同じ貯金名目で貯金を行っている場合には、第1ユーザの貯金残高が、第1ユーザが設定した設定目標金額に到達したとしても、第2ユーザの貯金残高が、第2ユーザが設定した設定目標金額に未だ到達していない場合には、共通の第2IMSマネー口座から第1ユーザの第1IMSマネー口座に、第1ユーザが設定した設定目標金額相当のIMSマネーが移動せず、その後に、さらに第2ユーザの貯金残高が、第2ユーザが設定した設定目標金額に到達したことに基づいて、共通の第2IMSマネー口座から第1ユーザの第1IMSマネー口座に、第1ユーザが設定した設定目標金額相当のIMSマネーが移動している。
このような構成に限らず、第1ユーザの貯金残高が、第1ユーザが設定した設定目標金額に到達した場合には、第2ユーザの貯金残高が、第2ユーザが設定した設定目標金額に未だ到達していない場合であっても、共通の第2IMSマネー口座から第1ユーザの第1IMSマネー口座に、第1ユーザが設定した設定目標金額相当のIMSマネーが移動するようにしてもよい。
【0300】
<第2変形例(3)の効果>
このような構成により得られる効果の一例として、グループに属するユーザは、自分の貯金残高が自分が設定した設定目標金額に到達した場合には、同じグループに属する他のユーザの貯金状況によらず、自分の貯金残高を使用することができる。
【0301】
<第2変形例(4)>
第2実施例では、IMSマネーの使用を制限する制御が、第1IMSマネー口座から第2IMSマネー口座にIMSマネーを移動させることである例について説明したが、第1IMSマネー口座にあるIMSマネーについて、他のIMSマネー口座(貯金口座)に移動させることなく使用を制限することが可能である。具体的には、第1IMSマネー口座のIMSマネーのうち貯金残高に相当するIMSマネーについては、貯金フラグを設定する。貯金フラグが設定されたIMSマネーについては、第2実施例における第2IMSマネー口座のIMSマネーと同様に、商取引システム60における決済に使用することはできず、また、銀行口座に出金することができない。また、一方のIMSユーザの第1IMSマネー口座から他方のIMSユーザの第1IMSマネー口座に、貯金フラグが設定されたIMSマネーを送金することもできない。限定でなく例として、貯金フラグが設定されたIMSマネーは、使用が制限された電子マネーの一例である。
また、限定でなく、第1IMSマネー口座のIMSマネーの少なくとも一部に貯金フラグを設定することは、第1電子マネー口座の電子マネーの少なくとも一部を対象として、使用を許可する第2条件を設定する処理の一例である。
【0302】
図4-15には、貯金フラグに基づいて貯金残高を管理する貯金管理データ1559aの一例を示している。A.Aの第1IMSマネー口座[EMA1-001]のIMSマネーのうち、貯金名目が「引越資金」の貯金残高に相当する額のIMSマネーには、貯金フラグIDが[EMF01-EMA1-001]の貯金フラグが設定されている。この貯金フラグIDには、貯金名目である「引越資金」を識別する情報[EMF01]と、A.Aの第1IMSマネー口座[EMA1-001]を識別する情報とが含まれている。
【0303】
<第2変形例(4)の効果>
このような構成により得られる効果の一例として、貯金用のIMSマネー口座を、第1IMSマネー口座と別に設けることが不要となる。
【0304】
<第2変形例(5)>
第2変形例(4)では、ユーザにより設定された貯金条件が成立する毎に、ユーザの第1IMSマネー口座のIMSマネーであって未だ貯金フラグが設定されていないIMSマネーのうち、ユーザにより設定された1回あたりの貯金額相当のIMSマネーに、貯金名目に対応した貯金フラグIDが累積的に設定される。このような制御が実行されることで、貯金条件が成立する毎に、1回あたりの貯金額相当分だけ貯金残高が増加することになる。
【0305】
そして、貯金残高が設定目標金額に到達すると、その貯金名目に対応した貯金フラグIDが設定されているIMSマネーのうち、設定目標金額に相当する額のIMSマネーの貯金フラグIDが非設定状態になり(消去され)、使用可能となる。このとき家計簿サーバ10は、今回貯金した金額(1回あたりの貯金額)と、更新後の貯金残高(設定目標金額に達した貯金残高)と、設定目標金額に到達したことを通知する目標金額到達通知とを含む、第2貯金完了通知を、端末20に送信する(E13)。
【0306】
端末20は、第2貯金完了通知を受信すると、図4-7に示したように、今回貯金した金額と、更新後の貯金残高(設定目標金額に達した貯金残高)とを表示部24に表示させるとともに、設定目標金額に到達したことを報知するメッセージ等を表示部24に表示させる。
【0307】
<第2変形例(5)の効果>
このような構成により得られる効果の一例として、貯金されたIMSマネーを、口座を移すことなく使用することができる。
【0308】
<第2変形例(6)>
第2変形例(4)または第2変形例(5)で、複数のユーザが、同じ貯金名目で貯金を行う場合には、その貯金名目(グループ)を識別する情報と、そのグループに属するユーザの第1IMSマネー口座を識別する情報とを含む貯金フラグIDが、そのグループに属するユーザの、その貯金名目に対しての貯金残額毎に設定される。
例えば、図4-15に示すように、IMSの同じグループに属するA.Aと、B.Bと、C.Cが、旅行資金の貯金名目で貯金を行う場合には、各ユーザの第1IMSマネー口座のIMSマネーのうち、その貯金名目に対応したIMSマネー(引越資金の貯金残高)を対象として、貯金フラグID[EMF02-EMA1-XXX]が設定される。
【0309】
具体的には、A.Aの第1IMSマネー口座のIMSマネーのうち、旅行資金の貯金名目に対応した貯金残高に対応して、貯金フラグID[EMF02-EMA1-001]が設定され、B.Bの第1IMSマネー口座のIMSマネーのうち、旅行資金の貯金名目に対応した貯金残高に対応して、貯金フラグID[EMF02-EMA1-002]が設定され、C.Cの第1IMSマネー口座のIMSマネーのうち、旅行資金の貯金名目に対応した貯金残高に対応して、貯金フラグID[EMF02-EMA1-003]が設定されている。何れの貯金フラグIDにも、共通の貯金名目「旅行資金」を識別する情報[EMF02]が含まれており、各ユーザの第1IMSマネー口座を識別する情報[EMA1-001~003]が含まれている。この貯金フラグIDによって、家計簿サーバ10は、貯金名目毎に、各ユーザの貯金残高を管理することができる。
【0310】
このような場合、B.B(限定でなく、他のユーザの一例)が設定した貯金条件の成立に基づいて、B.Bの銀行口座に関連付けられた第1IMSマネー口座の、貯金フラグIDが設定されていないIMSマネー(貯金残額に含まれないIMSマネー)のうち、B.Bが設定した1回あたりの貯金額に相当するIMSマネーを対象として、貯金フラグID[EMF02-EMA1-002]が設定される。このとき、家計簿サーバ10は、B.Bの貯金に基づく第1貯金完了通知(E9)を、B.Bの端末20のみならず、A.Aの端末20にも送信することが可能である。
そして、A.Aの端末20が、B.Bの貯金に基づく第1貯金完了通知を受信したことに基づいて、その第1貯金完了通知に含まれる、B.Bの今回の貯金額と、B.Bの貯金残高とを表示部24に表示させる(図4-13を参照)。
【0311】
<第2変形例(6)の効果>
このような構成により得られる効果の一例として、同じグループに属するユーザ同士で、互いの貯金状況を詳細に把握することができる。
【0312】
<第2変形例(7)>
また、第2変形例(6)の構成において、B.Bが設定した使用許可条件(限定でなく、第2条件の一例)の成立に基づいて、貯金フラグID[EMF02-EMA1-002]が設定されているIMSマネーのうち、設定目標金額に相当する額のIMSマネーについて、その貯金フラグIDが非設定状態になり(消去され)、使用可能となる。このとき、家計簿サーバ10は、B.Bの貯金残高が設定目標金額に到達したことに基づく第2貯金完了通知(E13)を、B.Bの端末20のみならず、A.Aの端末20にも送信することが可能である。
そして、A.Aの端末20が、B.Bの設定目標金額到達に基づく第2貯金完了通知を受信したことに基づいて、その第2貯金完了通知に含まれる、B.Bの今回の貯金額と、B.Bの貯金残高とを表示部24に表示させるとともに、B.Bの貯金残高が設定目標金額に到達したことを表示部24で報知する(図4-14を参照)。
【0313】
<第2変形例(7)の効果>
このような構成により得られる効果の一例として、グループに属するユーザが、同じグループに属する他のユーザの貯金残高が、他のユーザが設定した設定目標金額に到達したことを把握することができる。
【0314】
<第2変形例(8)>
第2実施例で、家計簿サーバ10は、ユーザ登録データ153として、ユーザの属性情報を記憶しておき、ユーザの属性情報に基づいて、ユーザの端末20に貯金の開始を促す情報を表示させるようにしてもよい。具体的には、家計簿サーバ10は、属性情報として、ユーザの家族の生年月日等を記憶しておくものとする。そして、ユーザの家族の誕生日の所定期間(例えば1月)前のタイミングで、そのユーザの端末20に対して、ユーザの家族の誕生日まで残り所定期間であることを通知するイベント情報(限定でなく、属性情報に基づく情報)と、貯金開始を推奨するための推奨通知とを送信する。
【0315】
端末20は、これらの情報を家計簿サーバ10から受信すると、例えば、図4-16に示すように、イベント情報に基づいて「家族の誕生日まであと1ヶ月です。」というメッセージ等を表示部24に表示させ、推奨通知に基づいて「あたらしく貯金を始めますか?」というメッセージ等を表示部24に表示させる。
【0316】
図4-16に示す画面で、ユーザが「貯金をはじめる」と表示されたアイコンを選択する操作を行うと、貯金条件(第1条件)および使用許可条件(第2条件)等を設定するための画面に移行する。この画面で、ユーザが貯金条件(第1条件)および使用許可条件(第2条件)等を設定することにより、「家族の誕生日」の貯金名目で貯金用口座(例えば、第2IMSマネー口座)が新たに作成される。
【0317】
<第2変形例(8)の効果>
このような構成による効果の一例として、ユーザの属性情報を有効に活用して、ユーザに貯金を開始させるように促すことが可能となる。
【符号の説明】
【0318】
1 通信システム
10 家計簿サーバ
20 端末
30 ネットワーク
40 IMSマネーサーバ
50 銀行サーバ
60 商取引システム
図1
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図2-4】
図2-5】
図2-6】
図2-7】
図2-8】
図2-9】
図2-10】
図2-11】
図2-12】
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図3-4】
図3-5】
図3-6】
図3-7】
図3-8】
図3-9】
図3-10】
図3-11】
図3-12】
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図4-4】
図4-5】
図4-6】
図4-7】
図4-8】
図4-9】
図4-10】
図4-11】
図4-12】
図4-13】
図4-14】
図4-15】
図4-16】