(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】電子部品を自動的に部品担持体に配置するための方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20240405BHJP
【FI】
H05K13/04 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021102338
(22)【出願日】2021-06-21
【審査請求日】2021-08-24
(31)【優先権主張番号】10 2020 116 385.1
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514076766
【氏名又は名称】エーエスエムピーティー・ゲーエムベーハー・ウント・コ・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】カール-ハインツ・ベッシュ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ブリーム
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ロスマン
(72)【発明者】
【氏名】クラウス・ザットラー
(72)【発明者】
【氏名】ミケーレ・トリジャーニ
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・フーバー
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-038358(JP,A)
【文献】特開2016-122754(JP,A)
【文献】特開2003-273582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配置機械(100)により、かつ/または
配置ヘッド(130)により、電子部品(195)を自動的に部品担持体(190)に配置するための方法であって、
前記配置ヘッド(130)は、
シャーシ(132)と、
第1回転軸(336)の周りで前記シャーシ(132)に対して回転可能であるように搭載され、かつ第1の数量の第1操作デバイス(242a~h)を有する第1ロータ組立体(240)と、
第2回転軸(336)の周りで前記シャーシ(132)に対して回転可能であるように搭載され、かつ第2の数量の第2操作デバイス(252a~h)を有する第2ロータ組立体(250)と、
を備え、
前記操作デバイス(242a~h、252a~h、442)それぞれは、
電子部品(195)を一時的にピックアップするための部品保持デバイス(448)が搭載可能なスリーブ(447)と、
駆動デバイス(445、446)であって、
(i)前記スリーブ(447)の長手方向軸に沿って前記スリーブ(447)を移動させるためのリニア駆動装置(445)と、
(ii)2つ以上の電子部品が同時に前記部品担持体に配置されることを可能にするために、前記スリーブ(447)の長手方向軸の周りで前記スリーブ(447)を回転させるための回転駆動装置(446)と、
を備える、駆動デバイス(445、446)と、
を有する、配置ヘッド(130)であり、
前記配置機械(100)は、
フレームベース構造(102)と、
静止した構成要素および可動の構成要素を備える位置決めシステム(103、104、105、106)であって、前記静止した構成要素は、前記フレームベース構造(102)に取り付けられる、位置決めシステム(103、104、105、106)と、
前記配置ヘッド(130)であって、前記配置ヘッド(130)の前記シャーシ(132)は、前記位置決めシステム(103、104、105、106)の前記可動の構成要素に取り付けられる、配置ヘッド(130)と、
を備える、配置機械(100)であり、
前記配置ヘッド(130)の前記第1ロータ組立体(240)の第1スリーブ(447)に取り付けられた第1部品保持デバイス(448)を用いて、第1電子部品(195)を、第1収集位置(553)からピックアップするステップと、
前記配置ヘッド(130)の前記第2ロータ組立体(250)の第2スリーブ(447)に取り付けられた第2部品保持デバイス(448)を用いて、第2電子部品(195)を、第2収集位置(553)からピックアップするステップと、
2つのピックアップされた前記第1及び第2電子部品(195)を、組み立てられる部品担持体(190)が位置する配置領域へと移送するステップと、
移送された前記第1電子部品(195)を、前記部品担持体(190)上の第1取付け位置に配置するステップと、
移送された前記第2電子部品(195)を、前記部品担持体(190)上の第2取付け位置に配置するステップと、
を含み、
移送された前記第1電子部品(195)および移送された前記第2電子部品(195)は、同時に配置される、方法。
【請求項2】
前記第1電子部品(195)および前記第2電子部品(195)は、同時にピックアップされる、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記第1ロータ組立体(240)のさらなる第1スリーブ(447)に取り付けられたさらなる第1部品保持デバイス(448)を用いて、さらなる第1電子部品(195)を、さらなる第1収集位置(553)からピックアップするステップと、
前記第2ロータ組立体(250)のさらなる第2スリーブ(447)に取り付けられたさらなる第2部品保持デバイス(448)を用いて、さらなる第2電子部品(195)を、さらなる第2収集位置(553)からピックアップするステップと、
2つのピックアップされた前記さらなる第1及び第2電子部品(195)を、2つのピックアップされた前記第1及び第2電子部品(195)と共に、前記配置領域へと移送するステップと、
移送された前記さらなる第1電子部品(195)を、前記部品担持体(190)上のさらなる第1取付け位置に配置するステップと、
移送された前記さらなる第2電子部品(195)を、前記部品担持体(190)上のさらなる第2取付け位置に配置するステップと、
をさらに含み、
前記さらなる第1電子部品(195)および/または前記さらなる第2電子部品(195)は、前記第1電子部品(195)および前記第2電子部品(195)がピックアップされたのと同時にピックアップされ、
かつ/または、
移送された前記さらなる第1電子部品(195)を配置する前記ステップ、および/または移送された前記さらなる第2電子部品(195)の前記配置するステップは、移送された前記第1電子部品(195)および移送された前記第2電子部品(195)を配置する前記ステップと同時に行われる、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの操作デバイスが、該少なくとも1つの操作デバイスの前記回転駆動装置の回転軸に関して偏心して取り付けられたスリーブ、および/または部品保持デバイスを含み、前記方法は、
(i)前記部品保持デバイスの先端と、(ii)前記第1ロータ組立体(240)または前記第2ロータ組立体(250)の別の操作デバイスに割り当てられた別の部品保持デバイスの先端と、の間の間隔が変化するように、少なくとも1つの前記操作デバイスの前記回転駆動装置を作動させるステップをさらに含む、請求項
1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
両方の部品保持デバイス(448)は、それぞれ前記第1ロータ組立体(240)のスリーブ(447)に割り当てられる、または、
両方の部品保持デバイス(448)は、それぞれ前記第2ロータ組立体(250)のスリーブ(447)に割り当てられる、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
2つの前記部品保持デバイス(448)の一方が、前記第1ロータ組立体(240)のスリーブ(447)に割り当てられ、かつ、
2つの前記部品保持デバイス(448)の他方が、前記第2ロータ組立体(250)のスリーブ(447)に割り当てられる、請求項
4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、部品配置技術の技術分野に関する。本発明は、特に、部品担持体上に電子部品を自動的に配置するための配置機械に対する配置ヘッドに関し、配置ヘッドは、回転軸の周りで回転することができ、かつ部品保持デバイスにより、電子部品を一時的につかむように構成された複数の操作デバイスを有する。本発明はさらに、このような配置ヘッドを備えた配置機械と、このような配置ヘッドを用いて、部品担持体上に部品を配置するための方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
電子組立体がますます小型化していることにより、現代の配置デバイスまたは配置機械の中において、部品配置精度を求める高い要求がある。電子産業における高価格圧力に起因して、電子組立体が、迅速に、したがって費用がかからずに製作され得るように、配置機械はまた、高い配置速度を有する必要がある。
【0003】
高い配置速度は、いわゆる「収集および配置(Collect & Place)」原理を用いて表面実装部品(SMD)を部品担持体に配置する高性能の配置機械を使用して達成することができる。「収集および配置」プロセスサイクルにおいて、部品をそれぞれがピックアップして保持する複数の部品保持デバイスを有する配置ヘッドは、まず、複数の部品を「供給装置」とも呼ばれることの多い複数の部品供給デバイスを有する部品供給システムからピックアップする。ピックアップされた複数の部品は、次いで、組み立てられる部品担持体が位置する配置領域に配置ヘッドにより移送される。そこで、移送された部品は、部品担持体の上側に、1つずつ配置されて、部品の下側に位置する部品接続部が、部品担持体の上側に形成された対応する接続面または接続パッドと接触するようになる。プロセスサイクルの最後に、配置ヘッドは、次いで、部品供給システムが位置する収集領域の方向に再度移動される。次いで、さらなる電子部品を再度ピックアップすることにより、新しいプロセスサイクルを開始することができる。
【0004】
部品供給システムから部品をピックアップするとき、または部品担持体に部品を配置するとき、配置ヘッド全体を、配置平面に対して直角なz方向に沿って移動させる必要性を回避するために、いわゆる複数の配置ヘッドの保持デバイスが、z方向に沿って複数の配置ヘッドのシャーシに対して変位可能である。例えば、このようなz変位に対して、リニアモータを使用することができる。この場合、通常、複数のスリーブと連続的に係合される共通のリニア駆動装置を、複数の保持デバイスに対して提供することができ、そのそれぞれの上に、部品保持デバイスが取り外し可能に固定される。部品を、組み立てられる部品担持体上の正しい角度位置に配置できるようにするために、スリーブまたは保持デバイスは、通常、それらの各長手方向軸の周りで回転可能である。
【0005】
上記で述べたように、収集および配置プロセスサイクルは、以下の4つのプロセス段階を含む。
(1)部品を収集するステップ、
(2)部品を移送するステップ、
(3)部品を部品担持体に配置するステップ、および
(4)配置ヘッドを元に戻すステップ。
プロセス段階(1)および(3)を最適化することによって、配置機械の配置速度を最も効果的に増加することができる。
【0006】
特許文献1は、円筒形タイプのタレットヘッド(いわゆる「タレット配置ヘッド」)を開示しており、それは、共通の回転軸の周りで互いに独立した別々の角度ステップで回転できる2つの円筒形のロータ組立体を有し、それは、組立中に、組み立てられる部品担持体の表面に対して直角に方向付けられる。吸引ノズルの形態の8個の部品保持デバイスが、各ロータ組立体に取り付けられる。さらに、2つのいわゆるz駆動装置が各ロータ組立体に割り当てられ、それによって、8個の吸引ノズルのうちの2つが、共通の回転軸に平行に方向付けられたz軸に沿って、円筒形タイプのタレットヘッドのハウジングに対して移動することができる。第1ロータの第1吸引ノズルと、第2ロータの第2吸引ノズルの間の距離は、一方のロータの他のロータに対する回転角の個々の変化により設定することができる。この距離が、部品供給システムにより供給された、収集すべき2つの電子部品の間の距離に相当する場合、これらの2つの部品を同時に部品供給システムから取り外すことができる。こうすることは、明らかに、部品を収集する効率を高めることに寄与する。配置速度を(さらに)向上させるためには、このように関連する部品担持体に部品が配置される前述のプロセス段階(3)が特に重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、配置機械の配置速度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、独立請求項の主題によって達成される。本発明の有利な実施形態が、従属請求項において述べられる。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、電子部品を自動的に部品担持体に配置するための配置ヘッドが述べられる。述べられる配置ヘッドは、(a)シャーシ、(b)第1回転軸の周りでシャーシに対して回転可能であるように搭載され、かつ第1の数量の第1操作デバイスを有する第1ロータ組立体、および(c)第2回転軸の周りでシャーシに対して回転可能であるように搭載され、かつ第2の数量の第2操作デバイスを有する第2ロータ組立体を有する。各(第1および第2)操作デバイスは、(i)部品を一時的にピックアップするための部品保持デバイスが取り付けられ得るスリーブ、および(ii)その長手方向軸に沿ってスリーブを移動させるためのリニア駆動装置と、その長手方向軸の周りでスリーブを回転させるための回転駆動装置と、を有する駆動デバイスを有する。
【0011】
前述の配置ヘッドは、配置ヘッドの各スリーブを個々に作動させることにより、部品担持体に部品を配置する間のプロセスを、(時間的に)並列化できるという認識に基づいている。こうすることは、配置ヘッドの配置速度を大幅に増加することができる、ここで、「配置速度」という用語は、一定の時間期間内に、部品供給システムから配置ヘッドによってピックアップされ、かつ組み立てられる部品担持体上に配置できる部品の数を意味する。
【0012】
例えば、2つのロータ組立体の間の相対的な回転角の適切な設定が、含まれる2つ以上の操作デバイスの間の距離が、複数の部品ピックアッププロセスに提供される部品供給デバイスの部品収集位置の間の距離の正確な大きさになることを保証する場合、2つ以上の部品を、互いに隣接して配置された複数の部品供給デバイスを備える部品供給システムによって、同時にピックアップすることができる。少なくとも、第1ロータ組立体の第1操作デバイス、および第2ロータ組立体の第2操作デバイスが、部品ピックアッププロセスに含まれる場合、2つの操作デバイスの間で、ほぼ任意の距離を設定することができる。
【0013】
それに応じて、2つ以上の部品を、同時に部品担持体に配置することもできる。ここでもまた(配置ヘッド全体の明らかに必要な適切な位置決めに加えて)、2つのロータ組立体の間の相対的な回転角が、(i)少なくとも第1ロータ組立体の第1操作デバイスと、(ii)少なくとも第2ロータ組立体の第2操作デバイスとの間の相対的な間隔を確実にすることを保証する必要があるだけであり、ここで、この相対的な間隔は、部品担持体上の関連する配置位置の間の距離に正確に対応する。
【0014】
2つのロータ組立体の幾何形状の寸法が適切である場合、導入部で述べられ、かつ特許文献1から知られた円筒形のタレットヘッドを備えた部品供給システムの様々な部品供給デバイスから、2つ以上の部品を同時に取り外すことも可能であることに留意されたい。部品供給システムの部品収集位置は、通常、2つのロータ組立体の幾何形状が適応できる固定された空間格子に位置する。これとは対照的に、組み立てられる部品担持体上の様々な配置位置は、概して、固定された格子上に位置していない。しかし、少なくとも2つの部品を、各適切な点に同時に配置できるようにするためには、一方で、2つのロータ組立体の間の相対的な回転角を連続的に調整し、他方で、含まれるスリーブまたは部品保持デバイスを個々に作動させることが可能でなくてはならない。そのときに限って特に、スリーブは、対象とするロータ組立体の現在の回転角度位置とは独立して、その長手方向軸に沿って変位し、かつその長手方向軸の周りで回転することができる。本発明によるすべてのスリーブを個々に作動できることは、したがって、部品供給システムから同時に複数の部品をピックアップできるようにするだけではなく、特に、複数の部品を、互いに異なる間隔の配置位置に部品担持体上で同時に配置できるようにするので有利である。
【0015】
すべての第1操作デバイスが、第1回転軸から第1半径距離にある第1円周上に配置されることが好ましい。同様に、すべての第2操作デバイスが、第2回転軸から第2半径距離にある第2円周上に配置されることが好ましい。
【0016】
この文書では、「電子部品」または「部品」という用語は、部品担持体上に配置する、または取り付ける、または搭載できるすべての要素を意味するものと理解することができる。「部品」という用語は、収納された部品、および特に収納されていない部品またはチップを含むことができる。これらのものは、2つもしくは多極のSMT部品、または他の高度に集積された平坦な、丸い、もしくはボール格子アレイ(ball grid array)、ベアダイ、フリップチップなどの異なった形状の部品、あるいは半導体ウェーハの半導体チップなどの個々のパーツを含み、それらは、特にウェーハを構造化し、かつカットした後に、仕上げられた部品へとさらに処理することができる。しかし、本文書においては、「電子部品」という用語はまた、担持体上に配置できる、電気的なプラグもしくはコネクタ、ヒートシンク、シールド要素、ハウジング部品など、電子的に不活性な、または受動的な部品を含む。
【0017】
この文書では、「部品担持体」という用語は、部品を配置できる任意のタイプの媒体、特に基板またはプリント回路板を意味するものと理解されたい。部品を配置できる媒体、特に、プリント回路板は、剛性または可撓性を有することができる。それはまた、少なくとも1つの第1剛性領域と、少なくとも1つの第2可撓性領域との両方を有することもできる。部品が配置され得る媒体はまた、一時的な担持体とすることができ、その上に、例えば、いわゆる「組込みウェーハレベルパッケージ(eWLP)」プロセスにより部品を製作するために、収納されていないチップが搭載される。このような一時的な担持体は、知られた方法で、フレーム上に延ばされた接着性の箔とすることができる。接着性の箔は、熱で剥離可能な(heat releasable)箔(いわゆる熱剥離箔)とすることができ、接着されたチップを、熱エネルギーを用いて簡単な方法で(前の)接着性フィルムから取り外せるようにする。
【0018】
この文書では、「スリーブ」という用語は、任意のタイプの(細長い)結合構造を意味するものと理解することができ、それは、あごのついた把持具もしくは吸引ノズルなどの部品保持デバイスを配置ヘッドに取り付け、かつこの部品保持デバイスを、配置ヘッドのシャーシに対してz軸に沿って移動させるために、(本文書で述べられる「空気的な機能性」を使用することなく)従来の配置ヘッドに対して知られた方法で使用される。部品保持デバイスが吸引ノズルである場合、真空生成ユニットにより生成される上記で述べた負圧が、吸引ノズルの内側の空気チャネルを介して、関連する部品の表面に送られる。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、第1回転軸および第2回転軸は平行である。こうすることは、すべての操作デバイスのスリーブが共通平面内に存在するという利点を有する。これは、第1操作デバイスのすべてのスリーブが、第1回転軸に対して同じ長手方向位置にあるとき、また第2操作デバイスのすべてのスリーブが、第2回転軸に対して同じ長手方向位置にあるときのいずれの場合にも適用される。この文脈において、「長手方向位置」とは、円筒座標系の特定の座標を意味し、円筒座標系において、回転軸のそれぞれは、常に円筒の軸である。
【0020】
配置ヘッドが平行な回転軸で動作しているとき、この共通平面が配置平面に平行に存在し、したがって、すべての操作デバイスが配置平面から少なくともほぼ同じ距離にあるように、配置ヘッドが方向付けられる、または配置され得る。特にこの距離は、対象とするロータ組立体の回転の現在の回転角に依存しない。各操作デバイスに対する駆動デバイスの作動は、したがって、部品をピックアップするときと、それを配置するときの両方で、ロータ組立体のすべての回転角に対して同じにすることができ有利である。
【0021】
本発明のさらなる実施形態によれば、第1回転軸および第2回転軸は、共通の回転軸である。これは、2つの回転軸が、共線であることを意味する。
【0022】
共通の回転軸を使用することは、2つのロータ組立体が、互いに同心に配置されることを意味する。その結果、述べられる配置ヘッドは、小型に、かつ比較的簡単な形で構成することができる。
【0023】
本発明のさらなる実施形態によれば、第1回転軸は、第2回転軸に対してオフセットされる。これは2つのロータ組立体が、互いに対して非同心に配置されることを意味する。
【0024】
特に、2つのロータ組立体の内側のロータ組立体は、他の外側のロータ組立体に対して偏心させて配置することができる。これは、少なくとも1つの第2操作デバイスに特に近接した間隔を有する、2つのロータ組立体の各(相対的な)角度位置に対して、少なくとも1つの第1操作デバイスが存在することを意味する。この(相対的な)角度位置に対する反対側において、次に、少なくとも別の第2操作デバイスから特に大きく離れた別の第1操作デバイスが存在する。この偏心は、2つのロータ組立体の間に第1(相対的な)角度位置がある場合、互いに特にわずかな距離にある2つの部品を同時にピックアップする、または下におろすことを可能にする。2つのロータ組立体の間に第2(相対的に)角度位置がある場合、互いに特に大きく離れている2つの部品を同時にピックアップする、または下におろすことができる。こうすることは、同心のロータ構成と比較して、特に大きな距離範囲が、同時の部品操作(ピックアップまたは下におろす)に提供されることを意味する。様々な部品担持体上の様々な回路板レイアウトの組立に関して、このように高度の柔軟性が、述べられる配置ヘッドに対して達成される。
【0025】
本発明のさらなる実施形態によれば、配置ヘッドは、(a)第1ロータ組立体を回転させるための第1モータ、および(b)第2ロータ組立体を回転させるための第2モータをさらに備える。2つのモータは、それにより、互いに独立して制御され、したがって、第1ロータ組立体は、第2ロータ組立体とは独立して回転することができる。これは、別々のモータ設定またはモータ位置を用いる場合であっても、第1操作デバイスと第2操作デバイスの間で、複数の異なる距離を設定できる利点を有する。これは、例えば、(少なくとも)2つの部品供給デバイスを備える部品供給システムの対応する(少なくとも)2つの部品収集位置の間の複数の距離に対して、(少なくとも)2つの電子部品を同時にピックアップする、または取り上げることができるようにする。
【0026】
本発明のさらなる実施形態によれば、第1モータは、第1ロータ組立体を連続的に、または少なくとも準連続的に回転するように構成される。代替的に、またはそれと組み合わせて、第2モータは、第2ロータ組立体を連続的に、または少なくとも準連続的に回転するように構成される。その結果、第1操作デバイスと第2操作デバイスの間の前述の距離は、指定された距離範囲内にある任意の値に設定することができる。指定された距離範囲は、配置ヘッドの幾何形状に依存する。これは、特に(i)第1回転軸からの第1操作デバイスの第1半径距離、(ii)第2回転軸からの第2操作デバイスの第2半径距離、および(iii)第1回転軸と第2回転軸の間に存在する任意のオフセットを含む。
【0027】
「準連続的な」という用語は、2つの隣接する第1操作デバイスの間の角度距離、または2つの隣接する第2操作デバイスの間の角度距離と比較して大幅に、特に10分の1倍、好ましくは100分の1倍、より好ましくは1000分の1倍小さい回転角を意味するものと理解され得る。このような小さな回転角は、例えば、ステップモータを用いて達成することができ、ここで、1ステップは、1つのこのような小さな回転角、または回転角における1つのこのような小さな変化に対応する。
【0028】
述べられた連続的な、または準連続的な回転の機能性は、2つの部品が、任意の距離で(前述の指定された距離範囲内で)同時に配置される場合に使用される必要があるだけではない。この機能性はまた、対象とする部品が、一定の位置決め許容誤差でその収集位置に供給された場合、部品を同時に取り上げるときに使用することができ有利である。例えば、これは、部品が、部品ベルトのいわゆる部品ポケット内の収集位置へと移送された場合とすることができ、ここで、部品ポケットは部品よりも幾分大きい。通常得られるある程度小さい位置決め許容誤差は、第1ロータ組立体および/または第2ロータ組立体の角度位置における対応する微調整により、必要に応じて補償することができる。このために、部品ポケット内にまだ位置する部品の正確な位置は、カメラ、および下流の画像評価ユニットにより、知られた方法で決定することができる。さらに、少なくとも1つのロータ組立体の連続的な、または準連続的な回転の前述の機能性はまた、(i)配置機械(のシャーシ)に対する部品供給デバイスの、可能性のある望ましくない位置的偏移、および/または(ii)関連する部品供給デバイスに対する部品ポケットの望ましくない位置的偏移を補償するために使用することもできる。
【0029】
いくつかの実施形態では、2つ以上の部品保持デバイスの間の間隔の微調整は、いわゆる偏心部品保持デバイスおよび/または偏心スリーブを用いることによって達成される。様々な部品保持デバイスの先端の間の距離が次いで調整される、すなわち、関連するスリーブの独立した、適切な回転によって調整することができる。このような微調整は、3または4個の部品が、同時に部品供給システムによりピックアップされる場合、および/または所定の位置から、部品担持体に配置される場合、特に有利になり得る。
【0030】
本発明のさらなる実施形態によれば、第1操作デバイスの第1の数量は、第2操作デバイスの第2の数量と同じである。こうすることは、第1操作デバイスおよび第2操作デバイスである2つの操作デバイスの対が常に存在し、それは、2つの部品を同時にピックアップし、かつ2つの部品を同時におろすために用いることができる。
【0031】
配置ヘッドの「複数の出力能力」は、操作デバイスの数が増加すると増えることは明らかであり、ここで、「複数の出力能力」という記述用語は、配置ヘッドによってピックアップすることができ、かつ配置領域へと共に移送できる部品の最大数を指す。
【0032】
操作デバイスの第1の数量および/または第2の数量は、少なくとも4、好ましくは少なくとも6、より好ましくは少なくとも8の数とすることができる。配置動作の各要件に応じて、配置ヘッドの複雑さと、その「複数の出力能力」との間の良好な妥協点が達成され得るので、8の2倍(2×8)の操作デバイス、2×10の操作デバイス、または2×16の操作デバイスを備える前述の配置ヘッドの構成が、実際に有利であることを示している。
【0033】
本発明のさらなる実施形態によれば、第1操作デバイスは、第1回転軸から第1半径距離にある第1円周上に配置される、ここで、2つの隣接する第1操作デバイスの間の、第1円周に沿った円周方向距離は、2つの隣接するさらなる第1操作デバイスの間の第1円周に沿った、さらなる円周方向距離とは異なる。代替的に、またはこれと組み合わせて、第2操作デバイスは、第2回転軸から第2半径距離にある第2円周上に配置される、ここで、2つの隣接する第2操作デバイスの間の、第2円周に沿った円周方向距離は、2つの隣接するさらなる第2操作デバイスの間の第2円周に沿った、さらなる円周方向距離とは異なる。
【0034】
1つの同じロータ組立体に対する隣接する操作デバイスの異なる対の間の、前に述べた非等距離の間隔は、2つの部品だけではなく4つの部品が、画定された、おそらく互いに非等距離に配置された、好ましくはベルトコンベアの形態の少なくとも4つの部品供給デバイスを有する1つの部品供給システムから同時に取り外され得る、または収集され得るという利点を提供する。
【0035】
第1ロータ組立体および/または第2ロータ組立体は、2つの異なる円周方向距離、すなわち、第1距離および第2距離だけが存在するように構成されることが好ましい。言い換えると、異なる距離が交互に生ずることができる。例えば、第1ロータ組立体の場合、これは、第1円周に沿って、(i)第1の第1操作デバイスと第2第1操作デバイスの間の距離が第1距離であり、(ii)第2の第1操作デバイスと第3の第1操作デバイスの間の距離が第2距離であり、(iii)第3の第1操作デバイスと第4の第1操作デバイスの間の距離が、再度第1距離であり、以下同様になることを意味する。
【0036】
本発明のさらなる実施形態によれば、配置ヘッドは、シャーシに取り付けられ、かつピックアップされた部品を検出するように構成されたカメラをさらに備える。
【0037】
いわゆる「取り上げて置く配置動作」において、配置ヘッドと共に動くカメラは、有利には、部品供給システムから、組み立てられる部品担持体が見つかる配置領域へと配置ヘッドの動作中に(可能な限り短く、したがって迅速に)部品の測定を実施できるようにする。したがって、いわゆる静止カメラの周囲を迂回する必要はなく、各配置機械の配置速度を高めることができる。
【0038】
完全さを期すためだけであるが、このような部品測定の意味および目的は、各部品保持デバイスに対して、ピックアップされた部品の正確な位置および角度位置を決定することであると言うべきである。概して、配置ヘッド全体の位置決めにおける補償、およびスリーブの回転における補償を必要とした後に、ピックアップされた部品を部品担持体上に正しい方向で配置するために、物理的な位置および角度位置の知識が、知られた方法において特に必要になる。
【0039】
配置ヘッドの前述の横方向に動く間、単一の部品だけではなく、複数のピックアップされる部品が検出され得ることに留意されたい。この横方向移動の間、特に第1ロータ組立体および/または第2ロータ組立体は、複数の部品が、連続的にカメラの検出範囲の中に入るように回転することができる。カメラの視野が十分に広い場合、両方のロータ組立体の部品を検出することもできる。
【0040】
本発明のさらなる実施形態によれば、カメラは、シャーシに対して移動可能に取り付けられる。カメラの移動性は、例えば、適切な旋回機構により達成することができる。
【0041】
シャーシに対して第1位置に位置するとき、移動可能なカメラは、その検出範囲にある限り、ピックアップされた部品を検出することができる。第2位置では、カメラは、スリーブの動きの範囲外に位置することができ、したがって、部品のピックアップまたは配置の邪魔にならない。
【0042】
本発明のさらなる実施形態によれば、配置ヘッドは、シャーシに(静止して)取り付けられ、かつさらなるピックアップされた部品を検出するように構成されたさらなるカメラをさらに備える。第1カメラは、第1ロータ組立体に割り当てられることが好ましく、それは、第1カメラが、第1操作デバイスまたはそれらのスリーブにより保持される部品を検出できることを意味する。同様に、さらなるカメラを、第2ロータ組立体に(専用に)割り当てることができる。
【0043】
さらなるカメラを使用することは、1つだけのカメラを用いるカメラシステムと比較して、カメラの視野を小さくできる利点を有する。その結果、カメラシステムをより小型に、またはサイズを小さく構成することができる。前述の第2カメラの他の利点は、配置ヘッドに対して通常、比較的短い移動時間で比較的短い移動経路にわたる場合であっても、複数の部品を検出できる点に見られる。これは、配置速度のさらなる増加を生ずることができる。
【0044】
当然であるが、第2カメラはまた、シャーシに対して移動可能に取り付けることができる。こうすることは、第1カメラに関して上記で述べた第2カメラに対する同じ利点が得られる。
【0045】
特定の用途に応じて、この文書で述べられるすべてのカメラは、2Dセンサチップを有するマトリックスカメラ、または1Dセンサチップを有するラインスキャンカメラとして設計することができる。ラインスキャンカメラの場合、2D画像を取得するには、知られた方法で、部品とカメラの間の相対運動を必要とする。
【0046】
本発明のさらなる実施形態によれば、配置ヘッドは、カメラまたはさらなるカメラの下流で接続され、かつ各個々の部品を撮影した画像の評価を実施するように構成されたデータ処理ユニットをさらに備える。
【0047】
前述の移動可能なデータ処理ユニットは、(i)対象とする配置ヘッドまたはカメラと、(ii)配置動作全体の上位の制御を扱うことのできるマスターデータ処理デバイスとの間でデータ送信するための要件をかなり低減することができる。各記録された画像からの完全な画像データを送信することはもはや必要ではなく、対象とするピックアップされた部品の物理的な位置および角度位置に関する情報だけが必要であり、したがって、完全な配置ヘッドに対する位置決めシステム、および配置ヘッドの個々の操作デバイスに対する駆動デバイスは、適切に制御される。
【0048】
他の実施形態では、全体の機械制御だけではなく、カメラおよび/またはさらなるカメラによって取り込まれた画像の前述の評価もまた、静止したデータ処理ユニット、または配置機械のシャーシに直接もしくは間接的に取り付けられたものによって実施され得ることに留意されたい。画像を評価するためのデータ処理ユニットは、ソフトウェアおよび/またはハードウェアによりデータ処理デバイスに実装することができ、前記データ処理デバイスは、配置機械の動作全体を制御し、マシンコンピュータと呼ばれることも多い。
【0049】
本発明のさらなる実施形態によれば、各第1操作デバイスおよび/または各第2操作デバイスに対する配置ヘッドは、(i)部品の存在、および/または(ii)ピックアップされた部品とそれをピックアップする関連のスリーブとの間の相対的な位置を検出する部品センサをさらに備える。
【0050】
部品センサは、例えば、(レーザ)ダイオードおよびフォトダイオードを備える(レーザ)光バリアなど、光学的におよび/または電子的に簡単な光電子式の構成要素であることが好ましい。部品が検出されたとき、それは、(レーザ)ダイオードとフォトダイオードの間に位置する。
【0051】
各操作デバイスが、それ自体の部品センサに割り当てられる配置ヘッドの前述の構成は、(i)部品位置認識、および/または(ii)部品の存在確認が、ピックアップされたすべての部品に対して同時に実施され得るという利点を有する。このような部品の存在確認において、部品が誤ってピックアップされないプロセスエラーを認識することができ、また誤った配置を、対象とする部品の自動または手動の再配置により回避することができる。
【0052】
本発明のさらなる態様によれば、電子部品を自動的に部品担持体に配置するための配置機械が述べられる。述べられる配置機械は、(a)フレームベース構造、(b)静止した構成要素および可動の構成要素を備える位置決めシステム、ここで、静止した構成要素は、フレームベース構造に取り付けられる、および(c)上記で述べたタイプの配置ヘッドを有する。配置ヘッドのシャーシは、位置決めシステムの可動の構成要素に取り付けられる。
【0053】
前述の配置機械は、上記で述べられた配置ヘッド、ここで、第1ロータ組立体からのもの、および第2ロータ組立体からのものである2つの操作デバイスまたはスリーブの間の距離は、特に有効であり迅速な配置プロセスを行うために、所定の距離範囲に含まれる2つのロータ組立体の間の適切な相対的な回転角を選択することによって自由に設定できるという認識に基づいている。前述の配置ヘッドを用いると、(a)収集位置においてそれぞれが提供される2つの電子部品を同時にピックアップすることと、(b)2つのピックアップされた電子部品を、組み立てられる部品担持体に同時に配置することの両方が可能である。2つの電子部品は、xy配置平面内で高い精度で、ならびに所定の接続パッド上に正確な角度位置で、組み立てられる部品担持体に配置され得る。
【0054】
組み立てられる部品担持体に、電子部品をその任意の位置に配置できるようにするために、位置決めシステムは、いわゆる表面位置決めシステムであることが好ましく、それを用いて、配置ヘッドは、ロータの回転軸に対して、またはz方向に対して直角に方向付けられた前述のxy平面における所定の位置決め範囲内で自由に動くことができる。しかし、複数の電子部品で組み立てられる部品担持体が、配置プロセス中にリニア位置決めシステムの移動方向に直角に同時に変位され得る限り、表面位置決めシステムに代えて、簡単なリニア位置決めシステムも使用できることに留意されたい。
【0055】
本発明のさらなる実施形態によれば、配置機械は、(i)電子部品がそれにより第1収集位置に供給される第1部品供給デバイス、および(ii)電子部品がそれにより第2収集位置に供給される第2部品供給デバイスを有する部品供給システムをさらに備える。2つの収集位置は、配置ヘッドが、第1電子部品を第1収集位置から、また第2電子部品を第2収集位置から同時に収集できるように互いに離間される。
【0056】
2つの部品供給デバイスが、ベルトにパッケージされた電子部品を順次その収集位置へと搬送するいわゆるベルトコンベアである場合、2つの収集位置の間の距離は、少なくともおおよそ確立される。しかし、電子部品は、通常、各ベルトにおいて形成されたピックアップポケット内に一定量の遊びを有するので、所定の部品収集位置から収集される部品の実際の位置には、わずかな偏移が生ずる可能性がある。このような偏移に対する補償は、前述の配置ヘッドを用いて、簡単に、かつ効果的に行うことができ、ここで、第1ブロックの第1スリーブと、第2ブロックの第2スリーブとの間の距離は、自由に調整することができる。したがって、すべての場合において、第1部品は、第1スリーブを用いて収集することができ、または第2部品は、第2スリーブを用いて同時に収集することができる。
【0057】
しかし、この文書で述べられる配置ヘッドはまた、いわゆるバルク材料コンベアとしてそれぞれが設計された少なくとも2つの部品供給デバイスを備える部品供給システムを有する配置機械で使用できるので有利である。このようなバルク材料コンベアを用いると、部品は、特定の収集領域内に個々に提供されるに過ぎず、収集される電子部品の正確な位置は、収集領域内で指定されない。例えば、適切な視覚または画像認識システムにより、収集される電子部品の正確な位置が決定される場合、この文書で述べられる配置ヘッドは、第1ブロックの一定の第1スリーブと、第2ブロックの一定の第2スリーブとの間の距離が、異なる収集領域で提供される2つの特定の部品間の距離の大きさに正確になるように設定することができる。したがって、バルク材料コンベアの場合であっても、2つの電子部品を同時にピックアップすることを、簡単かつ信頼性のある方法で保証することができ、したがって、配置速度における大幅な向上が達成され得る。
【0058】
本発明のさらなる態様によれば、上記で述べた配置機械により、および/または上記で述べた配置ヘッドにより、電子部品を自動的に部品担持体に配置するための方法が述べられる。本方法は、(a)配置ヘッドの第1ロータ組立体の第1スリーブに取り付けられた第1部品保持デバイスを用いて、第1電子部品を、第1収集位置からピックアップするステップと、(b)配置ヘッドの第2ロータ組立体の第2スリーブに取り付けられた第2部品保持デバイスを用いて、第2電子部品を、第2収集位置からピックアップするステップと、(c)2つのピックアップされた電子部品を、組み立てられる部品担持体が位置する配置領域へと移送するステップと、(d)移送された第1電子部品を、部品担持体上の第1取付け位置に配置するステップと、(e)移送された第2電子部品を、部品担持体上の第2取付け位置に配置するステップとを含む。
【0059】
前述の配置プロセスは、上記で述べられた配置ヘッドを用いると、(i)異なる収集位置に提供された2つの電子部品を同時にピックアップすること、ならびに(ii)組み立てられる部品担持体上の所定の位置に、2つのピックアップされた電子部品を同時に配置することの両方が可能であるという認識に基づいている。各電子部品の収集位置は、各収集位置に電子部品を提供する部品供給システムのタイプにより、またはそれぞれに指定された収集領域内で提供される。各部品に対する取付け位置は、知られた方法で、部品担持体上の接続接点または接続パッドにより指定される。配置される電子部品の角度位置に対しても同様に適用される。すでに上記で述べたように、各部品の電気的な接続部と、部品担持体上に形成された電気的な接続接点との間で信頼性のある接触が保証されるように、角度位置は、配置ヘッドまたは各回転駆動装置に対する適切な制御によって設定されなくてはならない。
【0060】
前述の「二重のタレット配置ヘッド」を用いると、配置シーケンス、すなわち、どの部品が、どの時系列順で、部品担持体上のどの位置に配置されるかを、柔軟に適合させることができる。ここで、調整は、以下の目的の1つまたは複数のものに関して行うことができる、すなわち、(a)配置速度を最適化すること、(b)エネルギー消費を最小化すること、(c)精度を最大化すること、(d)配置ヘッドおよび/または配置機械全体に対する摩耗を最小化することなどである。
【0061】
本発明の一実施形態によれば、第1電子部品および第2電子部品は同時にピックアップされる。代替的に、またはこれと組み合わせて、移送された第1電子部品、および移送された第2電子部品は同時に配置される。
【0062】
部品供給システムからの少なくとも2つの部品の収集またはピックアップの前述の時間的な並列化、および/または少なくとも2つの部品を、組み立てられる部品担持体に配置する前述の時間的な並列化は、配置プロセス全体が加速され得るという利点を有する。
【0063】
本発明のさらなる実施形態によれば、方法は、(a)第1ロータ組立体のさらなる第1スリーブに取り付けられたさらなる第1部品保持デバイスを用いて、さらなる第1電子部品を、さらなる第1収集位置からピックアップするステップと、(b)第2ロータ組立体のさらなる第2スリーブに取り付けられたさらなる第2部品保持デバイスを用いて、さらなる第2電子部品を、さらなる第2収集位置からピックアップするステップと、(c)2つのピックアップされたさらなる電子部品を、2つのピックアップされた電子部品と共に、配置領域へと移送するステップと、(d)移送されたさらなる第1電子部品を、部品担持体上のさらなる第1取付け位置に配置するステップと、(e)移送されたさらなる第2電子部品を、部品担持体上のさらなる第2取付け位置に配置するステップとをさらに含む。さらなる第1電子部品および/またはさらなる第2電子部品は、その場合、第1電子部品および第2電子部品がピックアップされるのと同時にピックアップされる。代替的に、またはこれと組み合わせて、移送されたさらなる第1電子部品の配置、および/または移送されたさらなる第2電子部品の配置は、移送された第1電子部品および移送された第2電子部品の配置と同時に行われる。
【0064】
3または4個の部品の前述の同時のピックアップおよび/または同時の配置は、対応する配置機械の配置速度を大幅に増加させる。具体的には、これは、3または4個の異なる部品に対する収集動作の間に配置ヘッド全体を移動させる必要がもはやないからである。3または4個の異なる部品の前述の一括した配置にも同様に同じことが適用される。
【0065】
本発明のさらなる実施形態によれば、スリーブ、および/または少なくとも1つの操作デバイスを備えるスリーブに取り付けられた部品保持デバイスは、少なくとも1つの操作デバイスの回転駆動装置の回転軸に対して偏心して構成される。方法は、(i)部品保持デバイスの先端と、(ii)第1ロータ組立体または第2ロータ組立体の別の操作デバイスに割り当てられた別の部品保持デバイスの先端との間で間隔が変化するように、少なくとも1つの操作デバイスの回転駆動装置を作動させるステップをさらに含む。この文脈において、「偏心する」という用語は、特に関連する部品保持デバイスの先端が、スリーブおよび/または部品保持デバイスの対応する形状に起因して、関連する回転駆動装置の回転軸の少なくともわずかに外側にあることを意味することができる。
【0066】
対象とする回転駆動装置の目標とする作動は、2つ以上の部品保持デバイスの先端の間の間隔の微調整を可能にするので有利であり得る。このような微調整は、3または4個の部品が、部品供給システムにより同時にピックアップされ、かつ/または所定の位置から部品担持体に配置されるとき、特に有利であり得る。
【0067】
1つの操作デバイスだけではなく、前述の「偏心機能性」を備える2つ以上の操作デバイスにプリファレンスが与えられる。その結果、2つ以上の部品保持デバイスの先端間の距離に対する前述の微調整の範囲を拡大することができる。
【0068】
本発明のさらなる態様によれば、上記で述べられた配置機械により、および/または上記で述べられた配置ヘッドにより、電子部品を自動的に部品担持体に配置するための方法が述べられる。述べられる方法は、(a)第1部品保持デバイスおよび第2部品保持デバイスを用いて、電子部品を収集位置からピックアップするステップと、(b)組み立てられる部品担持体が位置する配置領域へと、ピックアップされた電子部品を移送するステップと、(c)移送された電子部品を、部品担持体上の取付け位置に配置するステップとを含む。
【0069】
前述の方法は、非常に大きな電子部品をまた、上記で述べた配置機械を用いて、および/または上記で述べた配置ヘッドを用いて配置できるという認識に基づいている。この文脈では、電子部品という用語は、非常に広く解釈されるべきである。すでに上記で述べたように、この文書で使用される「電子部品」という用語はまた、担持体上に配置できる電気的なプラグまたはコネクタ、ヒートシンク、シールド要素、ハウジング部品などの電気的に不活性な、または受動的な部品を含むことができる。
【0070】
単一の(大きな)部品をピックアップする、または保持するために2つの保持デバイスを使用することは、より重い部品を高い信頼性で保持するのに十分強力な、より大きな全体的な保持力を適用できるという利点を有する。好ましくは吸引把持具として設計された2つの部品保持デバイスは、他のプロセスサイクルでは2つの小さな部品を配置することができるため、上記で述べられた配置ヘッドを用いて操作される、または処理され得る様々な部品の範囲をかなり広げることができる。
【0071】
(少なくとも)2つの部品保持デバイスによってピックアップされる部品の光学的な検出が、配置機械のフレームベース構造に静止状態で取り付けられるカメラを用いて行われると有利であり得る。その場合、検出は、その収集位置から配置位置への部品の経路において行われ、ここで、この経路は、静止カメラの検出領域の上を、またはそこを通って延びる。
【0072】
本発明の一実施形態によれば、2つの部品保持デバイスが、第1ロータ組立体のスリーブにそれぞれ割り当てられる。代替的には、2つの部品保持デバイスが、第2ロータ組立体のスリーブにそれぞれ割り当てられる。同じロータ組立体の(少なくとも)2つの部品保持デバイスによる部品のピックアップは、2つの部品保持デバイスの間の相対的な間隔が、常に同じ状態にとどまる利点を有する。これは、(大きな)部品が、2つの部品保持デバイスによって保持される場合であっても、例えば、部品収集領域から、配置領域への経路上で、対象とするロータ組立体の回転を可能にする。
【0073】
部品の寸法に応じて、2つの部品保持デバイスは、互いに直接隣接する部品保持デバイス、または互いに遠く離間された部品保持デバイスとすることができる。特に大きな部品はまた、3つまたはさらにそれ以上の部品保持デバイスにより、ピックアップされる、または保持することができる。
【0074】
本発明のさらなる実施形態によれば、2つの部品保持デバイスの一方が、第1ロータ組立体のスリーブに割り当てられ、また2つの部品保持デバイスの他方が、第2ロータ組立体のスリーブに割り当てられる。こうすることは、部品をピックアップする2つの部品保持デバイスの間の任意の距離を、配置ヘッドの全体の幾何形状によってあらかじめ決められた距離の範囲内で、2つのロータ組立体の間の相対的な回転角を特に調整することにより設定することができるという利点を有する。
【0075】
本発明の諸実施形態が、本発明の様々な目的を参照して述べられていることに留意されたい。特に、本発明のいくつかの実施形態は、デバイスの請求項を用いて述べられ、また本発明の他の実施形態は、手順の請求項を用いて述べられている。しかし、本出願を読むとき、その他の形で明示的に述べられていない限り、本発明の目的の1つのタイプに属する特徴の組合せに加えて、本発明の目的の異なるタイプに属する特徴の任意の組合せも可能であることが、当業者であれば直ちに明らかであろう。
【0076】
本発明のさらなる利点および特徴は、現在好ましい実施形態の以下の例示的な記述から生ずる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【
図1】本発明の一実施形態による配置機械の概略的な斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による配置ヘッドの基本構造の斜視図である。
【
図5a】部品供給システムの2つの部品供給デバイスの間の所定の間隔に対する配置ヘッドの幾何形状を示す図である。
【
図5b】部品供給システムの2つの部品供給デバイスの間の所定の間隔に対する配置ヘッドの幾何形状を示す図である。
【
図6】ピックアップされる部品の物理的な位置および角度位置を測定するための2つのカメラを備えた配置ヘッドを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
以下の詳細な説明において、別の実施形態の対応する特徴または構成要素と同一の、または少なくとも機能的に同一である様々な実施形態の特徴または構成要素は、同じ参照数字で、または対応する同一の、もしくは少なくとも機能的に同一の特徴もしくは構成要素の参照記号の最後の2桁において同一である参照数字を用いて提供されることに留意されたい。不必要な反復を回避するために、前に述べられた実施形態に基づいてすでに説明されている特徴または構成要素は、後続する時点において、もはや詳細には説明しないものとする。
【0079】
さらに以下で述べられる実施形態は、本発明の実施形態の可能な変形形態のうちの限定された選択を表すに過ぎないことに留意されたい。特に個々の実施形態の特徴を適切に組み合わせることが可能であり、したがって、当業者には、多くの様々な実施形態が、本明細書で明示的に述べられる実施形態に関して明らかに開示されたものと見ることができる。
【0080】
図1は、2つの平行なリニアガイド103が取り付けられたフレームベース構造102を有する配置機械100を示す。2つのリニアガイド103は、横断支持アーム104を担持する。横断支持アーム104はそれ自体、キャリア要素106がその上に変位可能に搭載されたリニアガイド105を有する。2つのリニアガイド103は、y方向に沿って延び、リニアガイド105は、x方向に沿って延びている。配置ヘッド130は、キャリア要素106の上に配置される。リニアガイド103、横断支持アーム104、リニアガイド105、およびキャリア要素106は、配置機械100に対する位置決めシステムを構成しており、リニアガイド103は、位置決めシステムの静止した構成要素を形成し、またキャリア要素106は、位置決めシステムの可動の構成要素を形成する。
【0081】
本発明の実施形態によれば、配置ヘッド130は、互いに同心に配置され、かつz方向に沿って方向付けられた共通の回転軸の周りで、配置ヘッド130のシャーシ132に対して回転され得る2つのロータ組立体を有する。z方向は、まっすぐな二重の矢印を用いて
図1で示されている。回転運動は、湾曲した二重の矢印を用いて
図1で示されている。2つのロータ組立体のそれぞれは、回転軸から一定の半径距離にある円周上に配置された複数の操作デバイスを有する。各操作デバイスを用いると、配置ヘッド130が動いている間に、部品を取り上げ、保持することができ、また部品担持体に配置することができる。
【0082】
一方(内側)のロータ組立体の操作デバイスの半径距離は、他方(外側)のロータ組立体の操作デバイスの半径距離よりも小さい。配置ヘッド130のこれらの特徴的な構造特性は、明確化のために
図1には示されていない。吸引ノズルとして設計された2つの部品保持デバイス134だけを見ることができ、それは、知られた方法で、外側のロータ組立体の2つの操作デバイスのスリーブに、取り外し可能に取り付けられたデバイスである。
【0083】
配置機械100はまた、概略的に示された部品供給システム110を備え、それは、少なくとも2つの部品供給デバイス112を備える。部品供給デバイス112は、いわゆる「収集および配置」配置プロセスを行うために、複数の収集位置112aにおいて、電子部品(図示せず)を提供する。この場合、同じまたは異なるタイプの部品を、異なる供給デバイス112によって供給することができる。
【0084】
配置機械100はまた、コンベアベルト115を備え、それを用いて、部品担持体190を、配置機械100の配置領域に導くことができる。部品保持デバイス134は、配置ヘッド130の適切な平行移動により、かつ外側のロータ組立体の適切な回転運動により、配置領域全体の中のxy平面に対して平行に位置決めすることができる。
【0085】
さらに配置機械100は、マスターデータ処理デバイス101を有する。配置機械100が電子部品195を部品担持体190上に配置するために、処理プログラムをこの上で動作させることができ、したがって、配置機械100のすべての構成要素は、正確に協調して動作し、部品担持体190上に部品195を誤りなく、迅速に配置することに寄与するようになる。
【0086】
部品担持体190に配置された少なくとも1つのマーキング192を検出するために提供されるいわゆる回路板カメラ120が、キャリア要素106にさらに固定される。このように、配置領域の中に導かれた部品担持体190の正確な位置が、回路板カメラ120の視野内の少なくとも1つのマーキング192の位置を測定することにより決定され得る。
【0087】
部品195はまた、部品担持体190への途中で、静止カメラ(図示せず)により検出され得ることも指摘されるべきである。このような静止カメラは、フレームベース構造102に静止させて配置され、フレームベース構造102に対して直接的に、または間接的に取り付けられる。
【0088】
図2は、本発明の一実施形態による配置ヘッド130の基本構造の斜視図を示す。配置ヘッドは、2つのロータ組立体、すなわち、第1ロータ組立体240および第2ロータ組立体250を有する。2つのロータ組立体240、250は、互いに同心に配置され、回転軸(図示せず)の周りで回転可能である。
【0089】
複数の第1操作デバイスが、第1ロータ組立体240の第1円筒形本体に取り付けられ、また参照数字242a、242b、242c、242d、242e、242f、242g、および242hにより指定される。操作デバイス242a~hは、第1円周244上に位置し、それは、
図2において破線で示されている。同様に、複数の第2操作デバイスが、第2ロータ組立体250の第2円筒形本体に取り付けられ、また参照数字252a、252b、252c、252d、252e、252f、252g、および252hにより指定される。操作デバイス252a~hは、第2円周254上に位置し、それはまた、
図2において破線で示されている。
【0090】
操作デバイス242a~hおよび252a~hのすべては、特に、スリーブ(明確化のために、
図2ではより詳細に示されていない)、および駆動デバイス(これも詳細には示されていない)を有する。スリーブは、吸引ノズルとして設計された部品保持デバイスを、一時的に部品をピックアップすべく取り外し可能に取り付けることができるように、知られた方法で構成される。駆動デバイスは、(i)スリーブをその長手方向軸に沿って移動するためのリニア駆動装置、および(ii)スリーブをその長手方向軸の周りで回転させるための回転駆動装置を有する。駆動デバイスは、したがって、吸引ノズルを、その長手方向軸に沿って、またはz方向に変位させ、かつそれをその長手方向軸の周りで回転させることができる。これらの2つの動きは、知られた方法で、電子部品を取り上げ、その後に、組み立てられる部品担持体上の正しい位置にそれを配置するために必要である。操作デバイスの構成は、
図4を参照して以下でより詳細に説明される。
【0091】
図3は、配置ヘッド130の上面図を示す。共通の回転軸336が、参照数字336を用いてラベル付けされている。この
図3では、2つの同心に配置されたロータ組立体240、250を、それらの操作デバイス242a~hおよび252a~hと共に特によく見ることができる。(i)外側の第1ロータ組立体240の第1円周244と、(ii)内側の第2ロータ組立体250の第2円周254との間の「半径距離」は、
図3において、「c」により指定される。
【0092】
多くの操作デバイスを備えた2つのロータ組立体240、250の同心の構成に起因して、配置ヘッド130はまた、明確に「二重のタレット配置ヘッド」と呼ぶことができる。英語の「タレット(turret)」という用語は、ドイツ語で「Werkzeugrevolver」(レボルバーヘッド)と翻訳される。
【0093】
第1モータ341および第2モータ351により駆動される第1ロータ組立体240および第2ロータ組立体250は、それぞれ、所望に応じて、かつ互いに独立して、回転軸336の周りで回転することができる。(i)配置機械の座標系内の配置ヘッド130全体のいわゆるXY位置決め、および(ii)2つのロータ組立体240、250の回転位置または角度位置を考慮すると、操作デバイスの少なくとも2つは、それらの距離aが、部品供給システムの2つの隣接する部品供給デバイスの収集位置の間の距離の大きさに正確になるように位置決めすることができる。
図3では、これらのものは、第1操作デバイス242a~hの操作デバイス242bまたは242g、および(ii)第2操作デバイス252a~hの操作デバイス252bまたは252gである。部品供給システムの空間構造に適合されるこのような位置決めは、2つの部品を同時に取り上げることを可能にするので有利である。当然であるが、これはまた、距離aが2つの隣接する収集位置の間の距離の倍数に相当する場合であっても適用される。
【0094】
図3では第2操作デバイス252bおよび第2操作デバイス252gであるが、1つの同じロータ組立体の2つの操作デバイスの間の距離bが、2つの隣接する収集位置の間の距離の倍数に相当する場合、対応する部品供給システムから、4つの部品を同時に取り上げることができる。その結果、複数の部品を取り上げるプロセスは、部品を順次ピックアップすることと比較して加速することができ、配置ヘッドの配置速度は、それに応じて増加するようになる。
【0095】
したがって、部品を部品担持体に配置するプロセスにも同じことが適用される。しかし、様々な部品の配置位置は、通常、一様な格子上にはないことに留意されたい。各配置動作に対して通常異なっている配置位置のこの間隔は、少なくとも、2つのロータ組立体の間の相対的な回転角を適切に設定することにより、2つの部品に対して提供され得る。その結果、少なくとも2つの部品を、前述の配置ヘッド130を用いて同時に配置することができ、それは、部品の順次配置と比較して配置プロセスにおいてさらなる加速を生ずる。
【0096】
図4は、(第1)操作デバイス442の斜視図を示す。前の2つの
図2および
図3で示された第2操作デバイス252a~hは、正確に同じように構成される。
【0097】
操作デバイス442は、リニア駆動装置445および回転駆動装置446からなる駆動装置を備える。回転駆動装置446は、リニアガイド442-1上のリニア駆動装置445により、z方向に沿って変位され得る。回転駆動装置446は、回転駆動装置446が作動したとき、その長手方向に沿って回転するスリーブ447に結合される。スリーブ447の長手方向軸はまた、z方向に沿って延びる。
【0098】
吸引把持具として設計される部品保持デバイスは、知られた方法で、スリーブ447の前端部に取り付けることができる。これは、
図4において、参照数字448で識別される。部品は、その場合、知られた方法で同様に、空気の真空を用いることにより吸引把持具448の前側に保持され得る。この真空を生成するために、真空生成ユニット(図示せず)が提供され、それは、生成された負圧を、空気ホース442-2を経由して吸引把持具の吸引チャネルに送る。真空生成ユニットは、知られた中心ユニットとすることができ、それは、適切な空気切替え弁を介して、様々な操作デバイスの個々の吸引把持具に負圧を「分配する」。
【0099】
操作デバイス442は、2つのエンコーダをさらに備える。第1エンコーダは、スリーブ447、または取り付けられた吸引把持具448の現在のz位置を検出する。このエンコーダは、
図4における参照数字442-3で識別される。第2エンコーダは、スリーブの、または吸引把持具448により取り上げられた部品の現在の回転角を検出する。
【0100】
本明細書で示された実施形態によれば、操作デバイス442は、部品センサ449をさらに備える。リニア駆動装置445が、その上側位置にあるとすると、リニア駆動装置445を、ピックアップされた部品が、部品センサ449の検出範囲内にあるように設定することができる。
【0101】
本明細書で示された実施形態によれば、部品センサ449および下流の評価ユニット(図示せず)は、(i)部品の存在、および/または(ii)ピックアップされる部品と、それをピックアップするスリーブの間の相対的な位置を検出するように構成される。部品センサは、(i)発光ダイオードまたはレーザダイオード、および(ii)フォトダイオードを備える光バリアである。部品が検出されたとき、それは、ダイオードとフォトダイオードの間に位置する。
【0102】
図5aおよび
図5bは、部品供給システム510の空間的、物理的構成に対する2つの異なる配置ヘッドの幾何形状を示す。これらの2つの図から明らかなように、部品供給システム510は、互いにすぐ隣に配置された複数の部品供給デバイス551を有する。ここで示された実施形態によれば、すべての部品供給デバイスは幅aを有し、それは、
図5bで二重の矢印を用いて左側に示されている。部品収集位置は、それぞれ、
図5aと
図5bの両方で十字形によって示されており、参照数字553とラベルが付されている。部品収集位置553は、それぞれ、部品供給デバイス551の中央に位置する。したがって、2つの隣接する部品収集位置553の間の距離はまた前述の幅aである。
【0103】
2×12個の操作デバイスを有する二重のタレット配置ヘッドが、
図5aで示されている。外側の第1ロータ組立体に割り当てられる12個の第1操作デバイス542は、第1円周244上に存在し、それは、共通の回転軸336から第1半径距離R1だけ離間されている。内側の第2ロータ組立体に割り当てられる12個の第2操作デバイス552は、第2円周254上に存在し、それは、共通の回転軸336から第2半径距離R2だけ離間されている。
【0104】
図5aで分かるように、第1操作デバイス542ならびに第2操作デバイス552は共に、それらの各円周244および254上で互いに等距離に配置されていない。特に、関連する円周の周辺に沿って、互いに隣接するいくつかの対の操作デバイスは、比較的小さな距離で間隔を空けており、互いに隣接する操作デバイスの他の対は、比較的大きな距離で間隔を空けている。ここで示される実施形態によれば、短い距離および長い距離は、周辺の方向に沿って交互に生ずる。これは、両方のロータ組立体に適用される。
【0105】
半径距離R1およびR2、ならびに2つの円周244および254上の2つの隣接する操作デバイスの間の異なる周辺距離は、配置ヘッドの物理的な位置、および2つのロータ組立体の角度位置が適切に構成されたとき、4つの部品を部品供給システム510から同時に取り外せるように選択される。これは、対象とする4つの操作デバイスが、4つの対応する収集位置を「カバーする」ことにより
図5aにおいて明らかである。
【0106】
2×10の操作デバイスを有する二重のタレット配置ヘッドが
図5bで示される。ここでは、第1操作デバイスはまた参照数字542で識別され、また第2操作デバイスは、参照数字552で識別される。
【0107】
周辺に沿った操作デバイスの分布は、
図5bによる配置ヘッドでも完全に等距離ではない。しかし、2つの半径距離R1およびR2と共に、その分布は、4つの操作デバイスがやはり、部品を同時に取り上げるようにする。
【0108】
図6は、ピックアップされる部品の物理的位置および角度位置を測定するための2つのカメラを備えた配置ヘッド130の斜視図を示す。第1カメラ662は、下から第1操作デバイス542により、それぞれが保持された部品を検出するように構成され、かつ配置される。第2カメラ664は、下から第2操作デバイス552により、それぞれが保持された部品を検出するように構成され、かつ配置される。
【0109】
2つのロータ組立体が回転するとき、すべての操作デバイスによって保持された部品は、第1カメラ662の検出領域、および第2カメラ664の検出領域を通って次々に移動する。保持された部品のこの検出は、すでに前に述べたように、部品が部品供給システムから配置領域へと移送されている間に行われる。配置ヘッド130が配置領域に達するとすぐに、2つのカメラ662および664は、旋回機構(図示せず)により折り畳まれ、したがって、すべての部品は、
図4で示されたリニア駆動装置445を作動させることによって、カメラに邪魔されずに空間的に下方に移動し、したがって、組み立てられる部品担持体に配置することができる。2つのカメラ662および664はまた、部品がピックアップされるとき、「折り畳まれた」位置にあり、したがって、部品は、部品供給システム510の領域において妨げられることなくピックアップすることができる。
【0110】
図6の説明からはそれるが、2つのカメラ662、664の少なくとも一方、または2つのカメラ662、664の少なくとも一方のホルダは、内側のロータ組立体の支持軸受けに取り付ける、またはそれに一体化できることに留意されたい。
【0111】
本発明の可能な実施形態の特徴および/または利点に関するさらなる情報を以下に述べる。
【0112】
部品の光学的に鮮明な検出を行うために、高さセンサ(図示されていないが、例えば、光バリア、またはいわゆる光カーテンなど)を最初に使用して、部品位置を検出することができる。この情報に基づいて、リニア駆動装置を適正に作動させることにより、検出に関連する部品または部品の表面を、カメラの焦点内に入れることができる。
【0113】
特定の用途に応じて、また特に部品の(表面の)光学的特性に応じて、異なるスペクトル特性を有する異なる照明光を部品検出に使用することができる。明るい色である青、青および赤、または白色もまた、部品の信頼性のある光学的検出に適していることが示されている。
【0114】
異なる照明設定を用いて、部品の2つ以上の画像記録を、配置動作中に行うこともできる。これは、対象とする部品がカメラの検出範囲内の固定位置に存在する短い時間期間において行うことができるが、それは、対象とするロータ組立体が、この時間期間中に休止しているからである。代替的に、2つの画像は、部品が移動している間に、カメラの検出領域を通って移動することもできる。2つの画像記録は、例えば、部品の傾きを信頼性のある方法で検出するために、共に評価することができる。カメラはまた、いわゆる多視野(MFOV)カメラとすることができる。この場合、様々な小さな個々の記録を共に接合(スティッチング)することにより、大きなカメラ画像を生成することができ、個々の記録は、部品の(通常、重複している)セクションを示す。このような「スティッチング」は、特に大きな部品に対して、有利に使用することができる。
【0115】
画像記録は、対象とするロータ組立体の回転運動と同期することができる。これは、例えば、同期化光フラッシュにより行うことができ、それは、静止カメラの場合は、カメラ内に、またはその上に位置する発光器により放出され、配置ヘッドの可動部分上の適切な受光器により受け取られる。
【0116】
カメラを規則的にクリーニングすることはまた、高品質の画像を取り込めるようにする。このようなクリーニングは、クリーニングノズル、空の吸引ノズルから吹き付けられた空気パルス、および/または操作デバイスによりピックアップされる特別なクリーニングツールにより、実施することができる。
【0117】
「有する、または含む/備える(comprising)」という用語は、他の要素を排除することはなく、また「1つの(one or a)」という用語は、複数を排除するものではないことに留意されたい。様々な例示された実施形態に関して述べられた要素はまた、組み合わせることもできる。特許請求の範囲における参照数字は、特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきではないことにも留意されたい。
【符号の説明】
【0118】
100 配置機械
101 マスターデータ処理デバイス
102 フレームベース構造
103 リニアガイド
104 横断支持アーム
105 リニアガイド
106 キャリア要素
110 部品供給システム
112 部品供給デバイス
112a 収集位置
115 コンベアベルト
120 回路板カメラ
130 配置ヘッド
132 シャーシ
134 部品保持デバイス/吸引ノズル
190 部品担持体
192 マーキング
195 部品
240 第1ロータ組立体
242a~h 第1操作デバイス
244 第1円周
250 第2ロータ組立体
252a~h 第2操作デバイス
254 第2円周
336 (共通の)回転軸
341 第1モータ
351 第2モータ
442 第1操作デバイス
445 リニア駆動装置
446 回転駆動装置
447 スリーブ
448 部品保持デバイス/吸引把持具
449 部品センサ
442-1 リニアガイド
442-2 空気ホース
442-3 光学的エンコーダ
510 部品供給システム
551 部品供給デバイス
553 部品収集位置
542 第1操作デバイス
552 第2操作デバイス
662 第1カメラ
664 第2カメラ
a 第1操作デバイスと第2操作デバイスの間の間隔/広い部品供給デバイス/隣接する収集位置の間の間隔
b 第2操作デバイスの間の間隔
c 第1円周と第2円周の間の半径距離
R1 第1半径距離
R2 第2半径距離