(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】冷水タンク
(51)【国際特許分類】
F25D 11/00 20060101AFI20240405BHJP
F25D 23/02 20060101ALI20240405BHJP
F25D 23/06 20060101ALI20240405BHJP
F25D 21/04 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
F25D11/00 102F
F25D11/00 102C
F25D23/02 303L
F25D23/06 A
F25D23/06 T
F25D21/04 L
(21)【出願番号】P 2021502413
(86)(22)【出願日】2019-07-08
(86)【国際出願番号】 KR2019008366
(87)【国際公開番号】W WO2020017804
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】10-2018-0082175
(32)【優先日】2018-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514170813
【氏名又は名称】コーウェイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】COWAY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】イ ジョンファン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ヒド
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョング
(72)【発明者】
【氏名】オ ユウォン
(72)【発明者】
【氏名】イ ヒョンウ
(72)【発明者】
【氏名】キム チョンレ
(72)【発明者】
【氏名】パク チャンジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ウン
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-299176(JP,A)
【文献】特開平09-119599(JP,A)
【文献】実開昭57-108074(JP,U)
【文献】特開2011-213410(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0018942(KR,A)
【文献】実開昭55-057683(JP,U)
【文献】特開2001-174124(JP,A)
【文献】特開2000-220937(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0434448(KR,Y1)
【文献】実開昭47-34562(JP,U)
【文献】実開平4-106296(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00 - 1/16
F16L 59/07
F25D 11/00
F25D 19/00
F28D 7/00 - 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク本体と、
前記タンク本体の開放された上部を覆うように、前記タンク本体に連結され、前記タンク本体の外部に露出する覆い部と、
前記タンク本体に備えられ、前記タンク本体内部に保存された水を冷却し、冷水になるようにする冷却ユニットと、
を含み、
前記覆い部は、内部に空気層が形成されるように構成されて結露が発生することを最小限に抑えるか、又は防止し、
前記覆い部は、
前記タンク本体の開放された上部を覆うように、前記タンク本体に連結されるメイン覆い部材と、
前記メイン覆い部材の下部に連結されて、前記メイン覆い部材の下部面との間で第1空気層を形成する第1補助覆い部材と、
前記メイン覆い部材の上部に連結されて、前記メイン覆い部材の上部面との間で第2空気層を形成する第2補助覆い部材と、
を含み、
前記第1空気層には断熱部材が備えられ
、
前記メイン覆い部材、前記第1補助覆い部材、前記第2補助覆い部材、及び前記断熱部材にわたって連通孔が形成される、冷水タンク。
【請求項2】
前記覆い部が連結される部分以外の前記タンク本体の部分は、断熱部材が取り囲むように備えられて結露が発生することを最小限に抑えるか、又は防止する、請求項1に記載の冷水タンク。
【請求項3】
前記冷却ユニットは、前記タンク本体の内部に備えられ、冷媒が流動する蒸発管を含む、請求項1に記載の冷水タンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷水が保存される冷水タンクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷水タンクは、浄水器などに備えられ、保存された水を冷却して冷水に製造してユーザーに供給するものである。
【0003】
従来、浄水器などに備えられる冷水タンクは、常温の浄水が保存される浄水タンクの下側に一体に又は別に備えられていた。そのため、冷水タンクに保存された水が冷却されて冷水に製造されても、浄水タンクに保存された常温の浄水との温度差が大きくないため、冷水タンクに発生する結露の量は多くないか、又は結露が発生しなかった。
【0004】
しかし、浄水器などに浄水タンクが備えられず、冷水タンクだけが単独で備えられる場合には冷水タンクに大量の結露が発生した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような従来から発生している要求又は問題のうち少なくともいずれか一つを認識してなされたものである。
【0006】
本発明の目的のうちの一つは、冷水タンクが単独で備えられても、結露が発生することを最小限に抑えるか、又は防止することができることである。
【0007】
本発明の目的のうちの他の一つは、冷水タンクの覆い部に空気層が形成されて結露が発生することを最小限に抑えるか、又は防止することができることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題のうち少なくとも一つの課題を実現するための一実施形態に関連し、冷水タンクは、以下のような特徴を含むことができる。
【0009】
本発明の一実施形態による冷水タンクは、タンク本体と、上記タンク本体の開放された上部を覆うように、上記タンク本体に連結される覆い部と、上記タンク本体に備えられ、上記タンク本体内部に保存された水を冷却し、冷水になるようにする冷却ユニットと、を含み、上記覆い部は、内部に空気層が形成されるように構成されて結露が発生することを最小限に抑えるか、又は防止することができる。
【0010】
この場合、上記覆い部は、上記タンク本体の開放された上部を覆うように、上記タンク本体に連結されるメイン覆い部材を含むことができる。
【0011】
また、上記覆い部は、上記メイン覆い部材の下部及び上部のうち少なくとも一つに上記空気層が形成されるように構成されることができる。
【0012】
そして、上記覆い部は、上記メイン覆い部材の下部に連結され、第1空気層を形成する第1補助覆い部材をさらに含むことができる。
【0013】
また、上記第1空気層には断熱部材が備えられることができる。
【0014】
そして、上記覆い部は、上記メイン覆い部材の上部に連結され、第2空気層を形成する第2補助覆い部材をさらに含むことができる。
【0015】
また、上記覆い部が連結される部分以外の上記タンク本体の部分は、断熱部材が取り囲まれるように備えられて結露が発生することを最小限に抑えるか、又は防止することができる。
【0016】
そして、上記冷却ユニットは、上記タンク本体の内部に備えられ、冷媒が流動する蒸発管を含むことができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明の実施形態によると、冷水タンクの覆い部に空気層が形成されて結露が発生することを最小限に抑えるか、又は防止することができる。
【0018】
また、本発明の実施形態によると、冷水タンクが単独で備えられても、結露が発生することを最小限に抑えるか、又は防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明による冷水タンクの一実施形態の斜視図である。
【
図2】本発明による冷水タンクの一実施形態の分解斜視図である。
【
図3】
図1のI-I’線に沿って切断した断面図である。
【
図5】本発明による冷水タンクの一実施形態の使用状態を示す、
図3のような断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、上記のような本発明の特徴に対する理解を助けるために、本発明の実施形態に関連する冷水タンクについてより詳細に説明する。
【0021】
以下説明される実施形態は、本発明の技術的な特徴を理解させるのに最適な実施形態を基礎に説明されるものであり、説明される実施形態によって本発明の技術的な特徴が制限されるものではなく、以下説明される実施形態のように、本発明を実現することができることを例示するものである。したがって、本発明は、以下説明される実施形態を介して本発明の技術範囲内で様々な変形実施が可能であり、かかる変形実施形態は、本発明の技術範囲内に属すると言える。また、以下説明される実施形態の理解を助けるために、添付された図面に記載された符号に関連し、各実施形態において、同一の作用をするようになる構成要素のうち関連する構成要素は、同一又は延長線上の数字で表記した。
【0022】
以下、
図1~
図5を参照して、本発明による冷水タンク100の一実施形態について説明する。
【0023】
図1は本発明による冷水タンクの一実施形態の斜視図であり、
図2は本発明による冷水タンクの一実施形態の分解斜視図であり、
図3は
図1のI-I’線に沿って切断した断面図であり、
図4は
図3のA部分の拡大図である。
【0024】
また、
図5は本発明による冷水タンクの一実施形態の使用状態を示す、
図3のような断面図である。
【0025】
本発明による冷水タンク100の一実施形態は、タンク本体200、覆い部300、及び冷却ユニット400を含むことができる。
【0026】
タンク本体200は、内部に所定の空間が形成され、上部が開放されることができる。タンク本体200の内部空間には、
図5に示すように、水が保存されることができる。
【0027】
タンク本体200には、水供給源(不図示)に連結されて、水供給源の水がタンク本体200に流入するようにする流入口210が備えられる。これにより、水供給源の水が流入口210を介してタンク本体200の内部に流入して保存されることができる。流入口210に連結される水供給源は、例えば、浄水フィルタ(不図示)を含むことで水を濾過する濾過部(不図示)であることができる。しかし、流入口210に連結される水供給源は、特に限定されず、流入口210に連結されてタンク本体200に水が供給できるものであれば周知のいかなるものであっても可能である。
【0028】
タンク本体200の内部には、
図3に示すように、冷却ユニット400が備えられることができる。タンク本体200には、冷却ユニット400に含まれる後述する蒸発管410が通過する通過孔230が形成され、内部に冷却ユニット400が備えられることができる。冷却ユニット400により、タンク本体200の内部に保存された水が、
図5に示すように、冷却されて冷水になることができる。
【0029】
タンク本体200には排出口220が備えられることができる。これにより、タンク本体200の冷水が排出口220を介して外部に排出されることができる。
【0030】
タンク本体200の構成は、特に限定されず、水供給源の水が内部に流入して保存され、冷却ユニット400が備えられて内部に保存された水が冷却ユニット400によって冷却されて冷水となり、冷水が外部に排出されるものであれば、周知のいかなる構成であっても可能である。
【0031】
覆い部300は、タンク本体200の開放された上部を覆うようにタンク本体200に連結されることができる。
【0032】
覆い部300は、内部に
図3及び
図4に示すように空気層AL1、AL2が形成されるように構成されることができる。覆い部300の空気層AL1、AL2により、外部及びタンク本体200の内部が断熱されることができる。したがって、外部とタンク本体200の内部との温度差によって結露が発生することが最小限に抑えられたり、又は防止されることができる。
【0033】
覆い部300は、メイン覆い部材310を含むことができる。メイン覆い部材310は、タンク本体200の開放された上部を覆うようにタンク本体200に連結されることができる。例えば、タンク本体200の上端部の周囲には、
図2に示すように、複数個のクリップ部材CLの一側がそれぞれ連結されることができる。そして、複数個のクリップ部材CLの他側のそれぞれがメイン覆い部材310に連結されることによって、メイン覆い部材310がタンク本体200の開放された上部を覆うようにタンク本体200に連結されることができる。しかし、メイン覆い部材310がタンク本体200の開放された上部を覆うようにタンク本体200に連結される構成は、特に限定されず、周知のいかなる構成であっても可能である。
【0034】
覆い部300は、メイン覆い部材310の下部及び上部のうち少なくとも一つに空気層AL1、AL2が形成されるように構成されることができる。しかし、覆い部300に形成される空気層AL1、AL2の数は、特に限定されず、結露を防止することができるように、外部及びタンク本体200の内部を断熱することができる数であれば、いかなる数であっても可能である。
【0035】
覆い部300は、第1補助覆い部材320をさらに含むことができる。第1補助覆い部材320は、メイン覆い部材310の下部に連結されて、第1空気層AL1を形成することができる。第1補助覆い部材320は、嵌め込みを介してメイン覆い部材310の下部に連結されることができる。しかし、第1補助覆い部材320がメイン覆い部材310の下部に連結される構成は、特に限定されず、第1空気層AL1を形成することができるように、メイン覆い部材310の下部に連結される構成であれば、周知のいかなる構成であっても可能である。
【0036】
メイン覆い部材310及び第1補助覆い部材320がなす第1空気層AL1には、
図3及び
図4に示すように、断熱部材ILが備えられることができる。これにより、第1空気層AL1による断熱効果を向上させることができる。断熱部材ILは、特に限定されず、メイン覆い部材310と第1補助覆い部材320がなす第1空気層AL1に備えられて、第1空気層AL1による断熱効果を向上させることができるものであれば、周知のいかなるものであっても可能である。
【0037】
覆い部300は、第2補助覆い部材330をさらに含むことができる。第2補助覆い部材330は、メイン覆い部材310の上部に連結されて、第2空気層AL2を形成することができる。第2補助覆い部材330は、嵌め込みを介してメイン覆い部材310の上部に連結されることができる。しかし、第2補助覆い部材330がメイン覆い部材310の上部に連結される構成は、特に限定されず、第2空気層AL2を形成することができるように、メイン覆い部材310の上部に連結される構成であれば、周知のいかなる構成であっても可能である。
【0038】
メイン覆い部材310と第1、第2補助覆い部材320、330、及びメイン覆い部材310と第1補助覆い部材320がなす第1空気層AL1に備えられる断熱部材ILには、
図2~
図4に示すように、互いに連通し、タンク本体200の内部と外部が連通するようにする連通孔HTがそれぞれ形成されることができる。連通孔HTを介して、タンク本体200の内部に水が流入して保存されると、タンク本体200の内部の空気が外部に排出されることができる。また、連通孔HTを介して、タンク本体200の内部の冷水が外部に排出されるとき、外部の空気がタンク本体200の内部に流入することができる。これにより、タンク本体200への水の流入、及びタンク本体200からの冷水の排出が容易に行われることができる。一方、連通孔HTは、空気層AL1、AL2とは連通しないように、メイン覆い部材310と第1、第2補助覆い部材320、330、及びメイン覆い部材310と第1補助覆い部材320がなす第1空気層AL1に備えられる断熱部材ILに形成されることができる。
【0039】
覆い部300が連結される部分以外のタンク本体200の部分には、
図1~
図3に示すように、断熱部材ILが取り囲むように備えられることができる。これにより、覆い部300が連結される部分以外のタンク本体200の部分にも結露が発生することを最小限に抑えるか、又は防止することができる。断熱部材ILは、特に限定されず、覆い部300が連結される部分以外のタンク本体200の部分を覆うように備えられて、覆い部300が連結される部分以外のタンク本体200の部分に結露が発生しないようにするものであれば、周知のいかなるものであっても可能である。
【0040】
冷却ユニット400は、タンク本体200に備えられて、タンク本体200の内部に保存された水を冷却し、冷水になるようにすることができる。冷却ユニット400は、
図3に示すように、タンク本体200の内部に備えられることができる。しかし、冷却ユニット400は、タンク本体200の外部に備えてもよい。
【0041】
冷却ユニット400は、
図2及び
図3に示すように、蒸発管410を含むことができる。蒸発管410は、タンク本体200に形成された通過孔230を介してタンク本体200の内部に備えられることができる。蒸発管410には、冷媒が流動することができる。また、タンク本体200に保存された水から蒸発管410を流動する冷媒への熱伝達によってタンク本体200に保存された水が冷却されて冷水になることができる。
【0042】
冷却ユニット400の構成は、特に限定されず、タンク本体200の内部に備えられ、タンク本体200の内部に保存された水を冷却して冷水になるようにすることができる構成であれば、熱電モジュール(不図示)を含む構成など周知のいかなる構成であっても可能である。
【0043】
以上のように、本発明による冷水タンクを用いると、冷水タンクの覆い部に空気層が形成されて結露が発生することを防止することができる。また、冷水タンクが単独で備えられても、結露が発生しないようにすることができる。
【0044】
上記のように説明された冷水タンクは、上記説明した実施形態の構成が限定されるように適用されることができるものではなく、上記実施形態は、様々な変形が行われるように、各実施形態の全部又は一部が選択的に組み合わされて構成されることもできる。