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特許7466527放射線遮蔽デバイス、システム、および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】放射線遮蔽デバイス、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/06 20060101AFI20240405BHJP
   G21F 3/00 20060101ALI20240405BHJP
   A61B 6/00 20240101ALI20240405BHJP
【FI】
A61B6/06 500
G21F3/00 G
A61B6/00 570
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021512362
(86)(22)【出願日】2019-04-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 US2019028992
(87)【国際公開番号】W WO2019212832
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2022-04-22
(31)【優先権主張番号】15/972,016
(32)【優先日】2018-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516082822
【氏名又は名称】ラドゥックス・ディヴァイシーズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・アベル
【審査官】倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-229999(JP,A)
【文献】国際公開第2008/086338(WO,A2)
【文献】米国特許第04280056(US,A)
【文献】特開2015-206643(JP,A)
【文献】特表2011-516165(JP,A)
【文献】特表2017-524938(JP,A)
【文献】国際公開第2017/116530(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2012/0132217(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0251219(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/06,6/10,
G21F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線遮蔽材料を備える第1の可撓性シート部分と、
前記第1の可撓性シート部分に取り付けられた第2の可撓性シート部分であって、放射線遮蔽材料を備える第2の可撓性シート部分と、
前記第1の可撓性シート部分と前記第2の可撓性シート部分との間に所定の角度を有して前記第1の可撓性シート部分を前記第2の可撓性シート部分に対して維持するように構成された可鍛性内部支持部材と、
前記第1の可撓性シート部分が、前記第2の可撓性シート部分から分離されるスリットであって、前記第1の可撓性シート部分の少なくとも一部が前記第2の可撓性シート部分に対して連接することを可能にするように形成されたスリットと、
を備える放射線遮蔽デバイス。
【請求項2】
前記第1の可撓性シート部分が、第1の主要面、第2の主要面および上縁を有する、請求項1に記載の放射線遮蔽デバイス。
【請求項3】
前記放射線遮蔽デバイスの厚さを通して延在する開口をさらに備え、前記開口が、前記第1の可撓性シート部分の第1の側面から前記第1の可撓性シート部分の第2の側面への介入ツールの通過を可能にするように構成された、請求項1に記載の放射線遮蔽デバイス。
【請求項4】
前記第1の可撓性シート部分と前記第2の可撓性シート部分との間に折りたたまれた領域を備える、請求項1に記載の放射線遮蔽デバイス。
【請求項5】
前記折りたたまれた領域は、前記第1の可撓性シート部分と前記第2の可撓性シート部分との間に0°から195°の間の角度を画定するように操作可能である、請求項4に記載の放射線遮蔽デバイス。
【請求項6】
放射線遮蔽デバイスであって、
放射線遮蔽材料を備える第1の可撓性シート部分と、
放射線遮蔽材料を備え、前記第1の可撓性シート部分と一体的に接合された第2の可撓性シート部分と、
前記第1の可撓性シート部分と前記第2の可撓性シート部分との間の折りたたまれた領域と、
前記第1の可撓性シート部分と前記第2の可撓性シート部分との間に所定の角度を有して前記放射線遮蔽デバイスを維持するように構成された内部支持部材と、
を備える放射線遮蔽デバイス。
【請求項7】
前記折りたたまれた領域の近くで、前記第1の可撓性シート部分の厚さを通して延在する通路が提供され、前記通路が、前記第1の可撓性シート部分の第1の側面から前記第1の可撓性シート部分の第2の側面への介入ツールの通過を可能にするように構成された、請求項6に記載の放射線遮蔽デバイス。
【請求項8】
放射線遮蔽材料を備える第1の可撓性シート部分と、
放射線遮蔽材料を備える第2の可撓性シート部分であって、前記第1の可撓性シート部分に取り付けられた第2の可撓性シート部分と、
を備える放射線遮蔽デバイスであって、
前記第1の可撓性シート部分は、前記第1の可撓性シート部分と前記第2の可撓性シート部分との間に所定の角度を画定するように操作可能であり、
前記放射線遮蔽デバイスはまた、
前記第1の可撓性シート部分を前記第2の可撓性シート部分に対して前記所定の角度で維持するように構成された可鍛性支持部材と、
前記第1の可撓性シート部分が、前記第2の可撓性シート部分から分離されるスリットであって、前記第1の可撓性シート部分の少なくとも一部が前記第2の可撓性シート部分に対して連接することを可能にするように形成されたスリットと、
を備える放射線遮蔽デバイス。
【請求項9】
前記第2の可撓性シート部分は、前記第1の可撓性シート部分が垂直な方位にある間に、実質的に水平な方位にあるように操作可能である、請求項8に記載の放射線遮蔽デバイス。
【請求項10】
前記可鍛性支持部材が、可鍛性ワイヤフレーム、可鍛性材料の層、または流体で膨張可能なキャビティを備える、請求項8に記載の放射線遮蔽デバイス。
【請求項11】
前記第1の可撓性シート部分および前記第2の可撓性シート部分の前記放射線遮蔽材料が、前記第1の可撓性シート部分と前記第2の可撓性シート部分との間に所定の角度を有して前記第1の可撓性シート部分を前記第2の可撓性シート部分に対して維持するように構成されたホイルの形状の安定したシートを含む、請求項8に記載の放射線遮蔽デバイス。
【請求項12】
前記放射線遮蔽デバイスが、互いに対してある角度で位置決めされた前記第1の可撓性シート部分および前記第2の可撓性シート部分の重複部分による、実質的に連続した保護のゾーンを提供するように構成され、前記第1の可撓性シート部分が、実質的に垂直な方位へと操作可能であり、前記第2の可撓性シート部分が、実質的に水平な方位へと操作可能であり、それにより、放射線が前記放射線遮蔽デバイスの第1の側面と第2の側面との間を通過するための直接的な経路を可能にする、前記第1の可撓性シート部分と前記第2の可撓性シート部分との間に亀裂または開口がない、請求項8に記載の放射線遮蔽デバイス。
【請求項13】
前記放射線遮蔽デバイスは、前記放射線遮蔽デバイスが患者の上に配置されるとき、前記患者と医療イメージングデバイスの放射表面との間の距離以上の高さを有している、請求項8に記載の放射線遮蔽デバイス。
【請求項14】
前記放射線遮蔽デバイスが、滅菌デバイスとしてパッケージ化され、医療環境内での使用のためにパッケージから除去されるように構成された、請求項8に記載の放射線遮蔽デバイス。
【請求項15】
放射線遮蔽材料を備える第1の可撓性シート部分と、
放射線遮蔽材料を備える第2の可撓性シート部分であって、前記第1の可撓性シート部分に取り付けられた第2の可撓性シート部分と、
前記第1の可撓性シート部分と前記第2の可撓性シート部分との間の折りたたまれた領域であって、前記第1の可撓性シート部分と前記第2の可撓性シート部分との間に0°から195°の間の角度を画定するように操作可能である折りたたまれた領域と、
前記第1の可撓性シート部分と前記第2の可撓性シート部分との間に0°から195°の間の角度を有して前記第1の可撓性シート部分を前記第2の可撓性シート部分に対して維持するように構成された可鍛性支持部材と、を備える放射線遮蔽デバイスであって、
互いに対してある角度で位置決めされた前記第1の可撓性シート部分および前記第2の可撓性シート部分の重複部分による、実質的に連続した保護のゾーンを提供するように構成された、放射線遮蔽デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書は、放射線から医療関係者を遮蔽する際に使用するための携帯型放射線遮蔽デバイスなどの、放射線を遮蔽するためのデバイス、システム、および方法について説明する。
【背景技術】
【0002】
医療関係者は、患者を治療するとき、X線透視装置、X線機械、または他のイメージングシステムからなどの、放射線照射野の近くで作業することが多い。処置および治療法は、医療関係者が患者を効果的に治療することを可能にしながら患者曝露を減少させるように設計されることが多い。しかしながら、医師および医療関係者の累積的な放射線曝露は、医師および医療関係者は、典型的な一日に複数の治療を実行することが多いので、かなりのものであることがあり、特定の治療が、医療関係者の身体が放射線の照射野に近いことを要求するとき、放射線曝露は増加し得る。たとえば、医療関係者の手は、カテーテルを患者の血管に挿入するとき、または他の計器、薬剤、流体、もしくは他の血管内デバイスを患者の血管に送達するとき、蛍光透視イメージング機器からの放射線に曝露され得る。放射線遮蔽およびボディーウェアを含む物理的バリアなどのさまざまな技法が、放射線曝露を制限するために使用されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書において説明されるいくつかの実施形態は、医療処置中の医師、看護師、技術者などの医療関係者に保護を提供するために使用され得るデバイス、システム、および方法を含む。たとえば、放射線遮蔽デバイスは、略水平方位および略垂直方位における遮蔽を提供することなどによって、複数の方向からの直接放射線および散乱放射線を遮蔽し得る。
【0004】
いくつかの任意選択の実施形態では、複数のタイプの遮蔽アプライアンスが、動作環境における効率的なワークフローを容易にしながら医療関係者を遮蔽するために(たとえば、使用者が選択可能な位置で)単一の基部に接続されることがある。遮蔽アプライアンスは、比較的に剛性であるおよび/または形状の安定したな放射線シールドと比較的可撓性であるおよび/または形状不安定な放射線遮蔽ドレープなどの、1つまたは複数の特性が異なる、第1のアプライアンスと第2のアプライアンスとを含んでよい。シールドは、第1の方向(たとえば、実質的に垂直な方位)に少なくとも部分的に延在することがあり、ドレープは、第1の方向とは異なる第2の方向に少なくとも部分的に(たとえば、シールドに直交する実質的に水平な方位に少なくとも部分的に)延在することがある。
【0005】
他の任意選択の実施形態では、遮蔽アプライアンスは、第1の部分と第2の部分とを含むことがあり、この第1の部分と第2の部分は、単一のユニットの異なる部分であってもよいし、マルチアプライアンスアセンブリの異なる部分であってもよい。これらの部分は、任意選択で、比較的剛性であるおよび/または形状が安定した、放射線を遮蔽する第1の部分、ならびに比較的可撓性であるおよび/または形状不安定な、放射線を遮蔽する第2の部分などの、1つまたは複数の特性が異なってよい。代替的に、両方の部分は、同様に可撓性および/または形状調整的であってよい。第1の部分は、第1の方向(たとえば、実質的に垂直な方位)に少なくとも部分的に延在することがあり、第2の部分は、第1の方向とは異なる第2の方向に少なくとも部分的に(たとえば、シールドに直交する実質的に水平な方位に少なくとも部分的に)延在することがある。遮蔽デバイスは、さもなければ比較的高いレベルの放射線に曝露され得る、医療関係者の手、腕、および身体を保護することができる。さまざまな例示的な構成では、第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス(または部分)の各々は、第1の遮蔽アプライアンスおよび/または第2の遮蔽アプライアンス(または部分)の第1の側面上での安全でないレベルが、第1の遮蔽アプライアンスおよび/または第2の遮蔽アプライアンス(または部分)の第2の側面上での安全なレベルに減少され得るように、放射線遮蔽材料から製作される。
【0006】
いくつかの例示的な実施形態では、基部は、放射線線源および/またはイメージング場所の近傍で患者上に部分的または完全に支持されることがある。いくつかの任意選択の実施形態では、放射線シールド(またはデバイスの第1の部分)は、動作環境におけるセットアップ中に基部(または第2の部分)に対する方位を選択するために使用者によって操作され、任意選択で、選択された方位にロックされることがある。代替的に、または追加的に、放射線ドレープ(またはデバイスの第2の部分)は、(たとえば、ドレープが基部に取り付けられている間に)ドレープを展開するまたは広げることによって選択されたカバレッジエリアを提供するように配置されることがある。
【0007】
本明細書において説明される特定の実施形態は、任意選択の基部を、放射線線源に近接した物体に取り付けることと、基部に対して第1の遮蔽アプライアンスを位置決めすることであって、この第1の遮蔽アプライアンスは、基部に取り付けられ、放射線線源の方を向いた第1の側面と、放射線線源から離れるように向いた第2の側面と、基部の上方に位置決めされた上縁と、基部の上方に位置決めされた下縁とを有する、位置決めすることと、基部から離れるように延在するように第2の遮蔽アプライアンスを位置決めすることであって、この第2の遮蔽アプライアンスは基部に取り付けられる、位置決めすることと、第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンスが医療関係者に放射線遮蔽ゾーンを提供するように、第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンスによって放射線線源からの放射線を遮蔽することとを含む、放射線を遮蔽する方法を提供する。
【0008】
いくつかの実装形態では、システムは、任意選択で、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでよい。第1の遮蔽アプライアンスは、形状の安定したシールドであってよい。第2の遮蔽アプライアンスは、形状不安定な放射線遮蔽ドレープであってよい。方法は、基部を物体に取り付けた後、第1の遮蔽アプライアンスを基部に取り付けることを含むことがある。方法は、基部を物体に取り付けた後、第2の遮蔽アプライアンスを基部に取り付けることを含むことがある。基部は、物体に接着するように構成された第1の接着層と、この第1の接着層と反対側の基部の面上の第2の接着層とを含んでよく、第2の遮蔽アプライアンスは、第2の接着層によって基部に接着される。代替的に、または追加的に、第2の遮蔽アプライアンスは、物体に接着するように構成された第1の接着層と、基部に接着するように構成された、第1の接着層の反対側の表面上の第2の接着層とを含むことがある。第2の遮蔽アプライアンスは、いくつかの任意選択の実施形態では、好ましくは、放射線がその意図された物体に到達することを妨げないように、第1の遮蔽アプライアンスの第1の側面上の基部から離れるように実質的に延在しない。方法は、第1の遮蔽アプライアンス(または第1の部分)の両側面上に延在するように管状の医療デバイスを位置決めすることであって、この管状の医療デバイスは、第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンスが基部に取り付けられている間、第1の遮蔽アプライアンスの下方および第2の遮蔽アプライアンスの上方に位置決めされる、位置決めすることを含むことがある。基部は、患者の上に支持されることがある。方法は、放射線線源を第1の遮蔽アプライアンスの上縁の高さよりも低い高さに調整することを含むことがある。方法は、医療動作を実行した後、基部を第1の遮蔽アプライアンスから分離することと、少なくとも基部の一部分および第2の遮蔽アプライアンスの処分と、第1の遮蔽アプライアンスを滅菌することとを含むことがある。基部に近接した、第1の遮蔽アプライアンスと第2の遮蔽アプライアンスとの間で画定される角度は、約75°から105°の間であってよい。
【0009】
他の実装形態では、システムは、任意選択で、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでよい。デバイスの第1の遮蔽部分は、形状の安定したシールドであってよい。デバイスの第2の遮蔽部分は、形状不安定な放射線遮蔽ドレープであってよい。方法は、たとえば、第2の部分の患者側面に固定された接着層を使用して、デバイスを物体に取り付けることを含むことがある。第2の部分は、物体に接着するように構成された第1の接着層を含むことがある。方法は、第1の遮蔽部分の両方の主要面上に延在するように管状の医療デバイスを位置決めすることであって、この管状の医療デバイスは、第1の遮蔽部分および第2の遮蔽部分が患者に取り付けられている間、第1の遮蔽部分の下方および第2の遮蔽部分の上方に位置決めされる、位置決めすることを含むことがある。方法は、放射線線源を第1の遮蔽部分の前縁の高さよりも低い高さに調整することを含むことがある。第1の遮蔽部分と第2の遮蔽部分との間で画定される角度は、約75°から105°の間であってよい。
【0010】
一実装形態では、システムの第1の部分および第2の部分は、放射線遮蔽材料の単一のシートから形成され、第1の部分および第2の部分は、略直交する形で第1の部分および第2の部分を方位づける様式で折りたたまれる。すなわち、第1の部分は、全体的に、患者に対して垂直に位置決めされ、第2の部分は、患者に対して略水平に位置決めされる。システムは、好ましくは、前述の構成で第1の部分および第2の部分を維持する構造をさらに備える。たとえば、遮蔽材料は、本明細書において説明されるように構成されるときシステムを支持することができるホイルの形状の安定したシートを使用して構築可能である。代替的に、システムは、第2の部分および物体に対して前述の構成で第1の部分を保持するためにシステム内に含まれるまたはこれに取り付けられた任意選択の構造的支持体を備えることがある。いくつかの実施形態では、適切な支持構造としては、屈曲可能なワイヤ、屈曲可能なロッド、屈曲可能な硬化されたシート、屈曲可能なチューブ、気体または液体で膨張可能なチャネルなどがあり得る。
【0011】
本明細書において説明される特定の実施形態は、放射線遮蔽デバイスを放射線線源に近接した物体に接着することであって、この放射線遮蔽デバイスは、放射線遮蔽デバイスを物体に接着するように構成された第1の接着層を含む任意選択の基部と、任意選択の基部に取り付けられた形状の安定した放射線シールドであって、上縁と、下縁と、放射線線源方へ方位づけされた第1の主要面と、この第1の主要面の反対の第2の主要面とを有する形状の安定した放射線シールドと、基部に接着された形状不安定な放射線遮蔽ドレープとを備える、接着することを含む、放射線を遮蔽する方法を提供する。方法は、任意選択の基部離れるように延在するように形状不安定な放射線遮蔽ドレープを拡張することと、形状の安定した放射線シールドおよび形状不安定な放射線遮蔽ドレープによって放射線線源からの放射線を遮蔽することとをさらに含むことがある。
【0012】
いくつかの実装形態では、システムは、任意選択で、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでよい。方法は、形状の安定した放射線シールドの上縁と基部との間(または第1の部分の上縁と、第1の部分と第2の部分の接合部との間)の高さに、少なくとも部分的に放射線線源を位置決めすることを含むことがある。任意選択の基部は、形状不安定な放射線遮蔽ドレープと物体との間に位置決めされることがある。基部は、物体と形状の安定したな放射線シールドとの間に位置決めされることがある。方法は、形状の安定した放射線シールドの両側面上に延在するように管状の医療デバイスを位置決めすることであって、放射線が放射線線源から発される間、この管状の医療デバイスは、形状の安定した放射線シールドの第1の側面上の放射線線源より下方の場所において患者に入り、形状不安定な放射線遮蔽ドレープは、放射線線源より下方の場所の反対の形状の安定した放射線シールドの第2の側面上の形状の安定した放射線シールドから延在する位置決めすることを含むことがある。基部は、第1の接着層の反対に設置された第2の接着層であって、形状不安定な放射線遮蔽ドレープを基部に接着するように構成された第2の接着層を含むことがある。
【0013】
本明細書において説明される特定の実施形態は、基部を物体に接着するように構成された第1の接着層を含む基部と、この基部に取り付けられた第1の遮蔽アプライアンスであって、上縁と、下縁と、放射線線源の方へ方位づけされるように構成された第1の主要面と、この第1の主要面の反対側の第2の主要面とを有する第1の遮蔽アプライアンスと、基部に接着された第2の遮蔽アプライアンスとを備える放射線遮蔽デバイスを提供する。
【0014】
いくつかの実装形態では、システムは、任意選択で、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでよい。第1の遮蔽アプライアンスは形状の安定したシールドであってよく、第2の遮蔽アプライアンスは、形状不安定な放射線遮蔽ドレープである。基部は、第1の接着層の反対の基部の表面上に第2の接着層を含むことがあり、第2の遮蔽アプライアンスは、第2の接着層によって基部に接着される。第2の遮蔽アプライアンスは、第1の遮蔽アプライアンスの第1の側面(たとえば、ターゲット放射線エリアの反対の)上で基部から離れるように延在することがあり、第1の遮蔽アプライアンスの第1の側面の反対の第1の遮蔽アプライアンスの第2の側面(たとえば、ターゲット放射線エリアに面する)上で基部から離れるように実質的に延在しない。
【0015】
本明細書において説明される特定の実施形態は、形状の安定したシールドを基部に結合することと、形状不安定な放射線遮蔽ドレープを基部に結合することであって、この形状不安定な放射線遮蔽ドレープは、形状の安定したシールドの下縁より下方で基部の一部分と位置合わせされた第1の輪郭をなぞった(contoured)縁を有し、形状不安定な放射線遮蔽ドレープは、基部から延在するように拡張可能である、結合することとを含む、放射線シールドを組み立てる方法を提供する。
【0016】
いくつかの実装形態では、システムは、任意選択で、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでよい。形状不安定な放射線遮蔽ドレープ(またはデバイスの第2の部分)は、形状の安定したシールド(またはアプライアンスの第1の部分)の表面積の少なくとも2倍である表面積を有するように拡張可能であることがある。
【0017】
本明細書において説明される特定の実施形態は、可鍛性放射線遮蔽アプライアンスと、放射線遮蔽アプライアンスを通って画定された開口であって、放射線遮蔽アプライアンスの第1の側面から放射線遮蔽アプライアンスの第2の側面への介入ツールの通過を可能にするように構成された開口とを含む放射線遮蔽デバイスを提供する。可鍛性放射線遮蔽アプライアンスは、第1の部分が実質的に垂直に方位づけされ、第2の部分が第1の部分に対して実質的に水平に方位づけされた、使用者により選択された構成へと操作されるように構成される。形状の安定した第1の放射線遮蔽部分。いくつかの実装形態では、第1の部分と第2の部分は、一体的に接合されることがある。
【0018】
本明細書において説明される特定の実施形態は、放射線線源に近接した物体上で遮蔽デバイスを支持することであって、この遮蔽デバイスは第1の遮蔽部分と第2の遮蔽部分とを備える、支持することと、物体に対する垂直方向位置に第1の遮蔽部分を位置決めすることであって、第1の部分は、放射線線源の方を向いた第1の側面と、放射線線源から離れるように向いた第2の側面と、第2の部分の上方に位置決めされた上縁とを有する、位置決めすることと、第1の部分から離れるように延在するように第2の遮蔽部分を位置決めすることであって、この第2の遮蔽部分は第1の部分に取り付けられる、位置決めすることと、第1の遮蔽部分および第2の遮蔽部分が医療関係者に放射線遮蔽ゾーンを提供するように、第1の遮蔽部分および第2の遮蔽部分によって放射線線源からの放射線を遮蔽することとを含む、放射線を遮蔽する方法を提供する。
【0019】
いくつかの実装形態では、システムは、任意選択で、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでよい。方法は、遮蔽デバイスを物体に取り付けることを含むことがある。第1の遮蔽部分と第2の遮蔽部分は、一体的に接合されることがある。遮蔽デバイスは、可鍛性放射線遮蔽アプライアンスを含むことがあり、第1の遮蔽部分および第2の遮蔽部分は、可鍛性放射線遮蔽アプライアンスによって画定されることがある。開口は、遮蔽デバイスの厚さ全体を通って画定されることがあり、この開口は、第1の遮蔽部分の第1の側面から第1の遮蔽部分の第2の側面への介入ツールの通過を可能にするように構成される。第1の遮蔽部分を位置決めすることおよび第2の遮蔽部分を位置決めすることは、第1の折りたたみ場所および第2の折りたたみ場所を調整することを含むことがある。第1の折りたたみ場所および第2の折りたたみ場所は、第1の遮蔽部分と第2の遮蔽部分との間に設置されることがある。物体は、放射線にさらされる患者であってよい。遮蔽デバイスは第1の遮蔽アプライアンスを含むことがあり、この第1の遮蔽アプライアンスは、第1の遮蔽部分を含むことがある。遮蔽デバイスは第2の遮蔽アプライアンスを含むことがあり、第2の遮蔽アプライアンスは、第2の遮蔽部分を含むことがある。方法は、第1の遮蔽アプライアンスを基部に取り付けることと、第2の遮蔽アプライアンスを基部に取り付けることとを含むことがあり、第1の遮蔽アプライアンスの下縁は基部の上方に位置決めされる。第1の遮蔽アプライアンスは、形状の安定したシールドであってよく、第2の遮蔽アプライアンスは、形状不安定な放射線遮蔽ドレープであってよい。方法は、基部を物体に取り付けた後、第2の遮蔽アプライアンスを基部に取り付けることを含むことがある。基部は、物体に接着するように構成された第1の接着層と、第1の接着層と反対側の基部の面上の第2の接着層とを含むことがある。方法は、放射線線源を第1の遮蔽アプライアンスの上縁の高さよりも低い高さに調整することを含むことがある。第1の遮蔽部分と第2の遮蔽部分との間で画定される角度は、約75°から105°の間である。
【0020】
本明細書において説明される特定の実施形態は、第1の遮蔽部分と、第2の遮蔽部分と、第1の遮蔽部分と第2の遮蔽部分との間の折りたたまれた領域であって、放射線遮蔽デバイスの厚さを通って延在する開口を画定する折りたたまれた領域とを備える放射線遮蔽デバイスを提供する。
【0021】
いくつかの実装形態では、システムは、任意選択で、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでよい。折りたたまれた領域は、第1の構成であるときは第1の遮蔽部分と第2の遮蔽部分との間に約0°から195°(たとえば、約165°から195°)の間の角度を、第2の構成であるときは第1の遮蔽部分と第2の遮蔽部分との間に75°から105°の間の角度を画定するために操作可能であることがある。
【0022】
本明細書において説明される特定の実施形態は、基部を物体に接着するように構成された第1の接着層を含む基部と、この基部に取り付けられた第1の遮蔽アプライアンスであって、上縁と、下縁と、放射線線源の方へ方位づけされるように構成された第1の主要面と、この第1の主要面の反対側の第2の主要面とを有する第1の遮蔽アプライアンスと、前記基部に接着された第2の遮蔽アプライアンスとを備える放射線遮蔽デバイスを提供する。第1の遮蔽アプライアンスは、形状の安定したシールドであってよく、第2の遮蔽アプライアンスは、形状不安定な放射線遮蔽ドレープである。
【発明の効果】
【0023】
本明細書において説明されるデバイス、システム、および技法のいくつかの実施形態は、以下の利点のうちの1つまたは複数を提供し得る。第1に、本明細書において説明されるいくつかの実施形態は、医療関係者が曝露され得る放射線のレベルを減少させ得る。たとえば、例示的な放射線遮蔽デバイスは、基部から複数の方向(たとえば、略垂直方向および略水平方向)に延在する遮蔽アプライアンスを含む。さらに、放射線遮蔽デバイスは、ある範囲の方向から医療関係者の方へ向けられた直接的な放射線と散乱放射線の両方からの高いレベルの保護を提供し得る。
【0024】
第2に、本明細書において説明されるいくつかの実施形態は、放射線送達のターゲットエリアに近接した、第1の遮蔽アプライアンス(たとえば、形状の安定した放射線シールド)および/または第2の遮蔽アプライアンス(たとえば、形状不安定な放射線遮蔽ドレープ)の正確な位置決めを容易にし得る。たとえば、いくつかの任意選択の実施形態では、任意選択の基部は、基部および/または第1の遮蔽アプライアンスが患者または他の支持構造に取り付けられた後の第2の遮蔽アプライアンスの位置決めを容易にする位置合わせ支援を提供し得る。代替的に、または追加的に、放射線ターゲットエリアとの第1の遮蔽アプライアンスおよび/または第2の遮蔽アプライアンスの干渉は減少され得、動作を実行するために必要とされるイメージングシステムによって発される放射線量レベルも同様に減少され得る。
【0025】
第3に、本明細書において説明されるいくつかの実施形態は、医療関係者による効率的な動作を容易にしながら、高度の放射線遮蔽を提供する。放射線遮蔽デバイスは、使用者により選択された場所および/または使用者により選択された方位で位置決めされてよい。放射線遮蔽デバイスを位置決めおよび方位づけるうえでの柔軟性によって、医療関係者は、医療関係者の好ましい動作位置に対してデバイスを位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、放射線遮蔽デバイスは、医療関係者が放射線遮蔽デバイスを選択された構成へと屈曲することができ、動作中に放射線遮蔽デバイスが選択された構成を保つように、部分的または完全に可鍛性であってよい。代替的に、または追加的に、1つまたは複数の遮蔽アプライアンスの方位は、医療関係者が放射線曝露から実質的に遮蔽されたエリアにいる間に医療処置中の医療関係者による自由な移動を容易にする保護の比較的大きいエリアを提供することなどによって、医療関係者による効率的な動作をさらに高め得る。
【0026】
第4に、本明細書において説明されるいくつかの実施形態は、医療場所において医療関係者によって変化可能であるカバレッジエリアを有する拡張可能な遮蔽アプライアンスを提供する。たとえば、第2の放射線アプライアンスは、第2の放射線アプライアンスを折りたたむ/巻くまたは展開する/広げることによってカバレッジエリアが選択的に増加または減少され得るように、それ自体に対して折りたたみ可能または巻くことが可能であってよい。いくつかの実施形態では、第2の放射線アプライアンスは、折りたたまれた状態または巻かれた状態で基部に取り付けられ、動作環境内に位置決めされたとき(たとえば、基部が取り付けられた後)医療関係者によって選択的に拡張され得る。
【0027】
第5に、本明細書において説明されるいくつかの実施形態は、医療場所の効率的なセットアップを容易にする。たとえば、共通の基部にあらかじめ取り付けられたまたは容易に取り付け可能な複数の遮蔽アプライアンスを含む放射線遮蔽デバイスは、医療関係者を遮蔽するために必要とされるセットアップを減少させることがある。
【0028】
第6に、本明細書において説明されるいくつかの実施形態は、医療場所における効率的な動作を容易にする。たとえば、基部と第1の遮蔽アプライアンスとの間に切り欠きまたは通路を含む放射線遮蔽デバイスは、放射線遮蔽デバイスの第1の側面(たとえば、医療関係者に面する)から放射線遮蔽デバイスの第2の側面(たとえば、放射線線源より下の放射線の直接照射野内の)への医療デバイス(たとえば、管状の医療デバイス、シース、介入ツール、または他のデバイス)の通過を容易にし得る。医療関係者は、デバイスが、放射線の直接照射野内での患者アクセスポイントまたは他の場所への直接的な経路を有する間、デバイスを効率的および効果的に操作し得る。
【0029】
第7に、本明細書において説明されるいくつかの実施形態は、医療関係者が患者の医学的に有利な場所から動作することができるように、放射線遮蔽デバイスの柔軟な位置決めを容易にする。したがって、オペレータは、たとえば、主に患者ケアにおける利点に基づいて選択された場所から動作し得るが、人間工学的要件または放射線量要件による制約は少ない。
【0030】
第8に、本明細書において説明されるいくつかの実施形態は、互いに対してある角度で位置決めされた重複部分による、実質的に連続した保護のゾーンを提供する。たとえば、いくつかのレジ的な放射線遮蔽デバイスは、実質的に水平な遮蔽部分と、実質的に垂直な部分とを含むことがある。放射線遮蔽デバイスは、好ましくは、放射線が放射線遮蔽デバイスの第1の側面と第2の側面との間を通過するための直接的な経路を可能にする、実質的に水平な遮蔽部分と実質的に垂直な部分との間に遮蔽されていない亀裂または開口を含まず、それによって、実質的に連続した保護のゾーンを医療関係者に提供することができる。
【0031】
1つまたは複数の実装形態の詳細が、添付の図面および以下の説明に記載されている。他の特徴および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から、明らかになるであろう。
【0032】
本明細書は、添付の図を参照しながらさらに提供される。添付の図では、同じ構造は、すべての図面を通して同じ数字によって参照される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】基部に取り付けられた第1の遮蔽アプライアンスと第2の遮蔽アプライアンスとを含む、医療環境において使用されている例示的な放射線遮蔽デバイスの斜視図である。
図2図1の例示的な放射線遮蔽デバイスの斜視図である。
図3図1の例示的な放射線遮蔽デバイスの分解組立図である。
図4】例示的な放射線遮蔽デバイスの斜視図である。
図5】延在された構成で遮蔽アプライアンスを有する、図4の例示的な放射線遮蔽デバイスの斜視図である。
図6】例示的な放射線遮蔽デバイスおよび放射線線源の側面図である。
図7図6の例示的な放射線遮蔽デバイスの上面図である。
図8図6の例示的な放射線遮蔽デバイスの背面図である。
図9】例示的な放射線遮蔽デバイスの分解組立図である。
図10】延在された構成で遮蔽アプライアンスを有する、図9の例示的な放射線遮蔽デバイスの斜視図である。
図11】第1の構成である例示的な放射線遮蔽デバイスの正面図である。
図12】第2の構成である図11の例示的な放射線遮蔽デバイスの斜視図である。
図13】第1の構成である例示的な放射線遮蔽デバイスの斜視図である。
図14】第2の構成である例示的な放射線遮蔽デバイスの斜視図である。
図15】医療環境内で放射線を遮蔽する例示的な方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1図3を参照すると、基部110と、第1の遮蔽アプライアンス120と、第2の遮蔽アプライアンス130とを含む例示的な放射線遮蔽デバイス100が示されている。放射線遮蔽デバイス100は、医療動作中に放射線線源150によって発される放射線から医療関係者10を遮蔽するために、放射線線源150(たとえば、医療イメージングデバイスなど)と医療関係者10との間に少なくとも部分的に位置決めされる。いくつかの例示的な実施形態では、放射線遮蔽デバイス100は、放射線線源150からの放射線曝露が取り除かれるまたは実質的に減少される放射線遮蔽ゾーンを、ゾーンA内で動作する医療関係者10に提供する。第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130は、放射線遮蔽デバイス100が、比較的小さい、軽量、および/または患者上で支持可能でありながら比較的大きい放射線遮蔽ゾーンを提供するように、互いに対して角度をつけられ得る。
【0035】
例示的な放射線遮蔽デバイス100は、医療動作を受ける患者によって少なくとも部分的にサポート可能であってよい。たとえば、放射線遮蔽デバイス100は、デバイス100が、(たとえば、床、天井、イメージングデバイス、または医療環境内の他の構造によって支持される追加の基部なしに)患者上で完全に支持され得るように、十分に小型および軽量であってよい。そのような構成は、医療関係者10による効率的なワークフローを容易にし、放射線線源150とターゲット場所(たとえば、撮像される場所および/または放射線線源150によって発される放射線のターゲット)の両方に近接した放射線遮蔽デバイス100の位置決めを容易にし得る。放射線線源150および/またはターゲット場所に近い放射線遮蔽デバイス100の位置決めは、比較的大きい放射線保護ゾーンAを容易にするが、遮蔽アプライアンス120および130は比較的小さくてよい。
【0036】
いくつかの例示的な実施形態では、基部110は、第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130に取り付け場所を提供し、(たとえば、医療動作中の)基部110、放射線線源150、および/または患者のターゲット場所に対して固定場所で第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130を維持する。基部110は、医療動作中、ならびに/またはセットアップ手順中などの第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130が所望の位置へと操作されている間、第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130を支持するのに十分な機械的強度および剛性を提供する。
【0037】
医療関係者10は、放射線線源150に関係する動作の前に、基部110、第1の遮蔽アプライアンス120、および第2の遮蔽アプライアンス130を配置することがある。基部110は、たとえば、放射線線源150によって発された放射線にさらされることになる患者などの物体上に支持されてよい。いくつかの例示的な実施形態では、基部110、第1の遮蔽アプライアンス120、および/または第2の遮蔽アプライアンス130は、最初は接続されていない。基部110は、医療関係者10によって、外科用ドレーピング、患者の皮膚、テーブル、ベッドレール、または放射線遮蔽デバイス100などを支持することが可能である別の物体などの物体に接着され得る。医療関係者10は、その後、基部110、放射線線源150、および/または患者に対して固定位置に第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130を維持するために、第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130を基部110に取り付けることがある。いくつかの実施形態では、第1の遮蔽アプライアンス120および/または第2の遮蔽アプライアンス130は、基部110が物体に取り付けられる(たとえば、医療関係者10によって組み立てられるまたは動作環境から遠い製造場所において組み立てられる)前に、基部110に取り付けられることがある。代替的または追加的に、第1の遮蔽アプライアンスおよび/または第2の遮蔽アプライアンス120、130(たとえば、放射線遮蔽ドレープなど)は、患者に対して位置決めされることがあり、基部110は、その後で(たとえば、第2の遮蔽アプライアンス130に)取り付けられることがある。
【0038】
第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130は、基部110、放射線線源150、および/または患者に対して、医療関係者10によって独立して位置決めされてよい。第2の遮蔽アプライアンス130は、第1の遮蔽アプライアンス120に対して、ある角度で位置決めされてよい。たとえば、放射線遮蔽デバイス100は、第1の遮蔽アプライアンス120の表面と第2の遮蔽アプライアンス130の表面(たとえば、第1の遮蔽アプライアンス120の第2の表面127と第2の遮蔽アプライアンス130の上表面)との間に角度(α)を画定する。角度(α)は、医療関係者10が、たとえば、実行されている医療処置、使用されている医療ツール、処置の場所、患者の解剖学的構造などを考慮することによって選択されてよい。さまざまな例示的な実施形態では、第1の遮蔽アプライアンス120と第2の遮蔽アプライアンス130との間に画定された角度(α)は、約135°から45°の間、105°から75°の間、または約90°であってよい。たとえば、第1の遮蔽アプライアンス120は、実質的に垂直に(たとえば、垂直に、またはさもなければ重力の方向の15°以内に)方位づけされてよく、第2の遮蔽アプライアンス130は、実質的に水平に(たとえば、水平に、またはさもなければ重力に直角に15°以内に)方位づけされてよい。いくつかの実施形態では、角度(α)は、第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130の全体的な相対的方位であり、第1の遮蔽アプライアンスおよび/または第2の遮蔽アプライアンスは、異なる相対的方位の非平面部分または個別の表面を有してよい。
【0039】
例示的な一実施形態では、少なくとも第1の遮蔽アプライアンス120は、医療関係者10が動作環境内で第1の遮蔽アプライアンス120を選択された位置/方位へと操作し得るように、基部110および/または第2の遮蔽アプライアンス130に対して連接可能(articulable)である。たとえば、医療関係者10は、第1の遮蔽アプライアンス120を、患者、基部110、および放射線線源150に対して所望の回転位置および/または方位へ連接(articulate)し得る。第1の遮蔽アプライアンス120は、上縁121と、下縁122と、側面縁123、124とを含むことがあり、上縁は、選択された方位であるとき、放射線線源150の縁152と実質的に平行に(たとえば、平行またはさもなければ正確に平行の10°以内に)位置合わせされ得る。代替的に、上縁121は、患者または他の物体の角度のつけられた表面と位置合わせするなどのために、放射線線源150の縁152に対して角度をつけられることがある。
【0040】
代替的に、第1の遮蔽アプライアンス120は、第1の遮蔽アプライアンス120が基部110に対して調整可能でない(たとえば、医療環境において医療処置のときに医療関係者10によって調整可能でない)ように、固定された相対的位置で基部110に取り付けられることがある。そのような構成は、医療環境において医療関係者10によって実行されるステップの数を減少させることによって効率的なセットアップおよび使用を容易にすることができ、部品および組み立てステップの数を減少させることによって効率的な製造を容易にし得る。
【0041】
放射線遮蔽デバイス100は、医療関係者10を放射線から遮蔽するために、放射線線源150と医療関係者10との間に実質的に位置決め可能である。第1の遮蔽アプライアンス120は、患者と放射線線源150との間に延在する(たとえば、患者と放射線線源150の高さとの間の距離の75%よりも多く、85%よりも多く、95%よりも多く、または約100%に沿って延在する)ことがある。たとえば、医療関係者10は、(たとえば、放射線線源150の縁152が、患者と第1の遮蔽アプライアンス120の上縁121との間の高さに設置されるように)第1の遮蔽アプライアンス120の上縁121(図2)の高さよりも低い高さに放射線線源150を調整することがある。このようにして、第1の遮蔽アプライアンス120は、ターゲットエリアを越えて放射線線源150から発された放射線および/または患者、手術台、床などによって医師の方へ反射された放射線をブロックする。代替的に、または追加的に、第2の遮蔽アプライアンス130は、ターゲットエリアおよび/または第1の遮蔽アプライアンス120(たとえば、第1の遮蔽アプライアンス120の下縁122に近接して)から医療関係者10の方へ延在することがある。このようにして、第2の遮蔽アプライアンス130は、患者、手術台、床などによって医療関係者10の方へ反射された放射線をブロックする。
【0042】
医療関係者10は、所望の放射線遮蔽ゾーンAを提供するために、複数の放射線遮蔽デバイス100を互いの近傍に配置することがある。たとえば、2つの放射線遮蔽デバイス100は、放射線線源150の周囲の周りに(たとえば、並んだ配置で)少なくとも部分的に位置決めされることがある。代替的に、または追加的に、放射線遮蔽デバイス100は、基部110から実質的に上方へ延在する2つの遮蔽アプライアンス120(たとえば、2つの放射線シールド120)および遮蔽アプライアンス120および放射線線源150から離れるように患者に沿って延在する単一の遮蔽アプライアンス130(たとえば、単位一の放射線ドレープ130)など、基部110に取り付けられた3つ以上の遮蔽アプライアンスを含むことがある。そのような構成は、特定の医療動作、患者の解剖学的構造、手術室ワークフロー、または人間工学的な好みなどを容易にするように大きい放射線遮蔽ゾーンを提供するために放射線遮蔽デバイス100を配置するうえでの柔軟性および簡単さを医療関係者10に与える。
【0043】
例示的な一実施形態では、放射線遮蔽デバイス100の構成は、放射線線源150のターゲットエリアの外部での放射線遮蔽デバイス100の位置決めを容易にする。たとえば、第1の遮蔽アプライアンス120は、(たとえば、放射線線源150が患者に対する動作距離のところに位置決めされるとき)放射線線源150の下部縁152よりも大きい高さまで延在することがある。そのような高さは、さもなければ発生するであろう放射線線源150との物理的干渉により第1の遮蔽アプライアンス120が放射線線源150より下方に位置決めされることを防止することがある。
【0044】
代替的に、または追加的に、第2の遮蔽アプライアンス130は、基部110および/または第1の遮蔽アプライアンス120の下縁122に近接して位置決め可能である第1の周辺縁134を含むことがある。例示的な一実施形態では、周辺縁134と基部110の1つまたは複数の特徴との間の干渉は、第2の遮蔽アプライアンス130が基部110に取り付けられているとき第1の遮蔽アプライアンス120を越えて放射線線源150のターゲットエリアへと実質的に延在しないように、基部110および/または第1の遮蔽アプライアンス120に対する第2の遮蔽アプライアンス130の適切な位置のインジケータを提供する。たとえば、基部110に取り付けられているとき、第2の遮蔽アプライアンスは、第1の遮蔽アプライアンス120の第1の側面126(たとえば、放射線線源150の方へ方位づけされた第1の主要面126)上で基部から離れるように延在しないことがあり、第1の側面126の反対の第1の遮蔽アプライアンス120の第2の側面127上で基部から離れるように延在することがある。したがって、例示的な放射線遮蔽デバイス100は、比較的減少された放射線量(たとえば、ターゲットエリア内での遮蔽アプライアンスによるかなりの干渉なしに医療動作を実行するのに十分な線量)も促進しながら、放射線線源150によって発される放射線から医療関係者10を遮蔽するために、放射線保護ゾーンを提供し得る。
【0045】
次に図2を参照すると、例示的な放射線遮蔽デバイス100および医療デバイス160が示されている。放射線遮蔽デバイス100は、医療デバイス160の簡単な操作を可能にしながら、放射線線源150から生ずる放射線から医療関係者を遮蔽するように構成される。医療デバイス160は、たとえば、カテーテル、血管アクセスシース、介入ツールなどの、管状の医療デバイスであってよい。
【0046】
医療デバイス160は、放射線線源150のターゲットエリアに近接した第1の側面126とターゲットエリアの反対の(たとえば、放射線遮蔽デバイス100によって提供される放射線遮蔽ゾーン内の)第2の側面127との間など、放射線遮蔽デバイス100の第1の側面と第2の側面との間を通過する。放射線遮蔽デバイス100は、医療デバイス160が放射線遮蔽デバイス100の各部分の間および/または各部分を通って通過することを可能にするように構成される。例示的な一実施形態では、第1の遮蔽アプライアンス120は、第1の遮蔽アプライアンス120と第2の遮蔽アプライアンス130との間を通過するために医療デバイス160に空間を提供するスロットまたは切り欠き125を含む。たとえば、スロットまたは切り欠き125は、医療デバイス160がスロットまたは切り欠き125を通過し得るように、医療デバイス160よりもわずかに大きい形状およびサイズにされることがある。代替的に、スロットまたは切り欠き125は、医療デバイスが少なくとも部分的にスロットまたは切り欠き125内に閉じ込められるように、医療デバイス160よりもわずかに小さい形状およびサイズにされることがある。
【0047】
医療デバイス160は、医療関係者の手が第1の遮蔽アプライアンスおよび/または第2の遮蔽アプライアンス120、130によって保護されながら医療関係者が医療デバイス160を容易に操作し得るように、放射線遮蔽デバイス100に対して位置決め可能である。例示的な一実施形態では、医療デバイス160は、医療デバイス160が、少なくとも基部110の一部分の上方にあり(たとえば、物体に接着されたプラットフォーム111(図3)の上方にあり)、第2の遮蔽アプライアンス130の上方にあり(たとえば、第2の遮蔽アプライアンス130に載っている)、第1の遮蔽アプライアンス120の下方にあるように、第1の遮蔽アプライアンス120と第2の遮蔽アプライアンス130との間に位置決め可能である。基部110の場所では、たとえば、第2の遮蔽アプライアンス130は基部110の一部分の上方に位置決めされ、医療デバイス160は、第2の遮蔽アプライアンス130および基部110のその部分の上方に位置決めされ、第1の遮蔽アプライアンス120は、医療デバイス160、第2の遮蔽アプライアンス130、および基部110のその部分の上方に位置決めされる。したがって、医療デバイス160は、放射線遮蔽デバイス100全体の下方になく、放射線遮蔽デバイス100の上方にある。そのような構成は、医療関係者を効果的に遮蔽しながら、効率的な動作のための医療デバイス160の操作を容易にする。
【0048】
次に図3を参照すると、基部110と、第1の遮蔽アプライアンス120と、第2の遮蔽アプライアンス130とを含む例示的な放射線遮蔽デバイス100の分解斜視図が示されている。第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130は、医療関係者に放射線遮蔽ゾーンを提供するために、選択された方位/位置で基部110に取り付け可能である。基部110は、(たとえば、動作環境における医療関係者による)第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130の取り付けおよびまたは操作を容易にする1つまたは複数の特徴を含む。
【0049】
基部110は、第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130が基部110に対して固定された方位で少なくとも部分的に保たれ得るように、第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130と取り付けるように構成されることがある。例示的な一実施形態では、基部110は、プラットフォーム111と、プラットフォーム111に第1の遮蔽アプライアンス120を取り付けるように構成された連接可能機構112とを含む。連接可能機構112は、台113と、ロッキング機構114と、支持柱115とを含む。支持柱115は、ボール115aと、アーム115bとを含む。台113および/またはロッキング機構114は、ボール115aを少なくとも部分的に収容する受け口を画定する。支持柱115は、選択された方位に連接可能であり、(たとえば、医療動作中に)選択された方位で保たれ得る。いくつかの例示的な実施形態では、台113とロッキング機構114は、支持柱115が、台113とロッキング機構114が互いから緩められるとき、連接可能であるまたはより容易に連接可能であり、台113とロッキング機構114が互いに締められるとき、固定される、または少なくとも容易に連接可能であるように、相補的なねじ山によって接合されることがある。代替的に、支持柱115および/または第1の遮蔽アプライアンス120は、連接可能であり、台113またはロッキング機構114の操作なしに、選択された方位で固定されることがある(たとえば、医療関係者が第1の遮蔽アプライアンス120を選択された方位へと移動可能であり、第1の遮蔽アプライアンス120が台113、ロッキング機構114、および/または支持柱115との間の摩擦によって選択された方位で保たれるように)。
【0050】
例示的な一実施形態では、第2の遮蔽アプライアンス130は、プラットフォーム111と取り付け可能である。たとえば、プラットフォーム111は、上側表面111a(たとえば、第1の遮蔽アプライアンス120に面する)を含むことがある。第2の遮蔽アプライアンス130は、基部110に対して固定位置に第2の遮蔽アプライアンス130を保つために、上側表面111aに取り付け可能であってよい。例示的な一実施形態では、第2の遮蔽アプライアンス130は、基部110に接着して取り付けられることがある。プラットフォーム111は、少なくとも上側表面111aの一部分の上の接着材と、第2の遮蔽アプライアンス130がプラットフォーム111に接着され得るように接着材を露出させるために除去され得る剥離ライナ111bとを含むことがある。他の例示的な実施形態では、第2の遮蔽アプライアンス130は、面ファスナ、スナップ嵌め、リベットなどによってプラットフォーム111に取り付けられ得る。代替的に、または追加的に、プラットフォーム111は、第2の遮蔽アプライアンス130の上方で支持されることがある。たとえば、第2の遮蔽アプライアンス130は、プラットフォーム111の下側表面111cに取り付け可能であることがあり、第2の遮蔽アプライアンス130は、(たとえば、第2の遮蔽アプライアンス130の下側表面上の接着材によって)物体に支持および/または取り付けられることがある。
【0051】
第2の遮蔽アプライアンス130は、放射線遮蔽デバイス100の1つまたは複数の他の特徴との取り付けおよび/または位置合わせを促進する1つまたは複数の特徴を含むことがある。たとえば、第2の遮蔽アプライアンス130は、台113のまわりなどの、少なくとも部分的に基部110の特徴のまわりに位置決め可能である凹部またはアパーチャ134aを画定する輪郭をなぞった縁134を含むことがある。したがって、輪郭をなぞった縁134は、第2の遮蔽アプライアンス130および基部110の適切な位置合わせを容易にし、動作環境における医療関係者10による直観的な組み立てを促進することがある。例示的な一実施形態では、第2の遮蔽アプライアンス130は、輪郭をなぞった縁134が周辺縁135、136、137とは異なる形状にされるように、中心に関して非対称的である。
【0052】
輪郭をなぞった縁134および台113などの基部110および第2の遮蔽アプライアンス130の相補的な特徴は、放射線の照射野に対する放射線遮蔽デバイス100の適切な位置決めを促進し得る。たとえば、第2の遮蔽アプライアンス130の輪郭をなぞった縁134と基部110との間の干渉は、第2の遮蔽アプライアンス130が実質的に基部110の反対の側面上で放射線のターゲットエリアへと延在する(たとえば、第1の遮蔽アプライアンス120の両方の側面126および127から延在する)ように、第2の遮蔽アプライアンス130の組み立てを防止することがある。したがって、第2の遮蔽アプライアンス130は、基部110および第1の遮蔽アプライアンス120の第1の主要面126から離れるように延在する(たとえば、第2の主要面127に直角であるが、第1の遮蔽アプライアンス120の基部110および第2の主要面127から離れるように延在しない)。放射線遮蔽デバイス100は、第2の遮蔽アプライアンス130が、第1の遮蔽アプライアンス120の第2の側面127上の基部110から完全にまたは略完全に延在し、第2の側面127の反対の第1の遮蔽アプライアンス120の第1の側面126上の基部110からは延在しないように、容易に組み立て可能である。
【0053】
第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130は、基部110に取り付けられているとき、プラットフォーム111の上方に位置決めされる。たとえば、第1の遮蔽アプライアンス120は、プラットフォーム111から離れるように略上方へ延在することがあり、第2の遮蔽アプライアンス130は、プラットフォーム111によって画定された平面と略平行な方向に延在することがある。
【0054】
少なくとも第2の遮蔽アプライアンス130の一部分は、プラットフォーム111と平行に配置されることがある。たとえば、第2の遮蔽アプライアンス130は、第2の遮蔽アプライアンス130がプラットフォーム111と重複するように、プラットフォーム111に取り付けられた取り付け端部分を含む。プラットフォーム111と第2の遮蔽アプライアンス130の重複部分は、共通方位であって、第1の遮蔽アプライアンス120に対して同じ方位を有する。例示的な一実施形態では、プラットフォーム111および少なくとも第2の遮蔽アプライアンス130の取り付け端部分は、第1の遮蔽アプライアンス120に直角に配置されることがある。このようにして、第2の遮蔽アプライアンスは、基部110のエリアを越えて患者の身体の一部分にわたって(たとえば、部分的に基部110の上方に、および部分的に基部110を越えて)延在しながら、基部110に取り付けられることがある。第1の遮蔽アプライアンス120は、第1の遮蔽アプライアンス全体が、プラットフォーム111よりも大きい高さにあり、基部110によって全体的に支持されるように、基部110から上方へ延在することがある。
【0055】
基部110に取り付けられた第1の遮蔽アプライアンスと第2の遮蔽アプライアンス120、130とを含む放射線遮蔽デバイス100は、物体に取り付けられることがある。例示的な一実施形態では、放射線遮蔽デバイス100が、物体に接着して取り付けられることがある。たとえば、基部110のプラットフォーム111は、少なくとも下側表面111cの一部分の上の接着材と、基部110が物体、第2の遮蔽アプライアンス130などに接着され得るように接着材を露出させるために除去され得る剥離ライナ111dとを含むことがある。例示的な一実施形態では、第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130が基部110に取り付けられる前に、剥離ライナ111dが除去されることがあり、プラットフォーム111は物体に接着されることがある。代替的に、プラットフォーム111は、第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130の一方もしくは両方が基部110に取り付けられているときに物体に接着されることがある、および/またはプラットフォーム111は、物体に取り付けられたもしくはその上に支持された第2の遮蔽アプライアンス130に取り付けられることがある。
【0056】
いくつかの例示的な実施形態では、第2の遮蔽アプライアンス130の表面と関連付けられた接着材のみが、基部110と第2の遮蔽アプライアンス130を接合する表面111aの接着材である。たとえば、第2の遮蔽アプライアンス130は、外側表面上の別の接着材を含まず、別の物体(たとえば、患者、外科用ドレーピングなど)に接着または取り付けられない。そのような構成は、動作環境内の医療関係者による基部110を介した効率的で確実な位置決めを可能にする。
【0057】
代替的に、または追加的に、放射線遮蔽デバイス100は、プラットフォーム111の上および/または下に接着材表面のみを含むことがある。たとえば、上側表面111a、下側表面111c、または上側表面111aと下側表面111cの両方は、放射線遮蔽デバイス100の接着材表面だけであってよい。そのような構成は、動作環境における医療関係者によって容易に組み立てられ位置決めされる単純な構造を提供する。
【0058】
プラットフォーム111および/または基部110の他の構成要素は、安定性および物体への確実な取り付けを促進するように構成され得る。例示的な一実施形態では、プラットフォーム111は、プラットフォーム111が取り付けられている物体の輪郭にプラットフォーム111が合致することを可能にする、フォームなどの可撓性材料から作製されることがある。いくつかの実施形態では、プラットフォーム111が曲げられたとき、プラットフォーム111がその形状を少なくとも部分的に保つように、プラットフォーム111は、可鍛性材料から作製されることがある、および/または可鍛性フレームもしくはワイヤを含むことがある。例示的な一実施形態では、プラットフォーム111は、第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130と比較してかなり低い放射線遮蔽性質を有する材料から作製される。そのような構成は、ターゲットエリアに近接して位置決めされた場合に放射線線源150と実質的に干渉することなく支持物体と接触するためおよびまたは第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス120、130との取り付けのために大きい表面積を提供する比較的大きいプラットフォームを容易にすることがある。他の例示的な実施形態では、プラットフォーム111は、第1の遮蔽アプライアンスおよび/または第2の遮蔽アプライアンス120、130に類似した放射線遮蔽のレベルを提供する放射線遮蔽材料から作製されることがある。
【0059】
いくつかの実施形態では、プラットフォーム111は、1つまたは複数のフォーム層と、(たとえば、金属またはプラスチックの)補強層とを含む、積層された多層構造を有することがある。プラットフォーム111は、医療グレードフォームなどの、生体適合性金属材料または高分子材料から作製されることがある。基部110の接着材は、水、血液、体液などの、医療環境内で遭遇され得る流体に抵抗性のある、医療グレード接着材であってよい。代替的に、または追加的に、基部110は、患者の身体(たとえば、腕または脚)の一部分のまわりに位置決め可能な、吸引デバイス、調整可能ストラップシステム、面ファスナ、スナップ嵌め、スリーブなどの、1つまたは複数の他の取り付け機構を含むことがある。
【0060】
例示的な一実施形態では、第1の遮蔽アプライアンス120は、(たとえば、重力下であらかじめ定められた形状を維持する)実質的に剛性の形状の安定した放射線シールドであり、第2の遮蔽アプライアンス130は、比較的可撓性が高いおよび/または形状不安定である(たとえば、第2の遮蔽アプライアンス130が重力下で変形または屈曲するように)。たとえば、第2の遮蔽アプライアンス130は、第2の遮蔽アプライアンス130が支持される表面または物体に少なくとも部分的に合致し得る可撓性の放射線遮蔽ドレープであってよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、第1の遮蔽アプライアンス120は、鉛または他の重金属のシートなどの放射線遮蔽材料の1つまたは複数の層を含む。放射線遮蔽材料は、積層されてもよいし、外側プラスチック層または外側金属層の間に位置決めされてもよい。代替的に、または追加的に、第1の遮蔽アプライアンス120は、バリウム、スズ、アルミニウム、タングステン、鉛、他の減衰金属などの、安全な放射線レベルのゾーンを提供するために放射線を十分にブロックする1つまたは複数の材料が注入された高分子材料から製作されることがある。
【0062】
いくつかの実施形態では、第2の遮蔽アプライアンス130は、可撓性の放射線遮蔽ドレープを含む。第2の遮蔽アプライアンス130は、ポリマー、ファブリック、または非金属の外側層によって覆われる、鉛または他の重金属などの放射線遮蔽材料の1つまたは複数の層を含むことがある。さまざまな例示的な実施形態では、第2の遮蔽アプライアンス130は、バリウム、スズ、アルミニウム、タングステン、鉛、他の減衰金属などのうちの1つまたは複数を含んでよい。したがって、第2の遮蔽アプライアンス130の放射線遮蔽材料は、安全な放射線レベルのゾーンを提供するのに十分な放射線ブロックを提供する。
【0063】
第1の遮蔽アプライアンス120は、1つまたは複数の特性が第2の遮蔽アプライアンス130と異なってよい。たとえば、第1の遮蔽アプライアンス120は比較的剛性であってよく、第2の遮蔽アプライアンス130は比較的可撓性であってよい。第1の遮蔽アプライアンス120は比較的厚さが少なくてよく、第2の遮蔽アプライアンス130は比較的厚くてよい(たとえば、第2の遮蔽アプライアンス130は、第1の遮蔽アプライアンス120の厚さの2倍、3倍、またはそれ以上の厚さを有することがある)。第1の遮蔽アプライアンス120は、第2の遮蔽アプライアンス130の表面積よりも小さい表面積を有することがある(たとえば、第2の遮蔽アプライアンス130は、第1の遮蔽アプライアンス120の表面積の2倍、3倍、4倍、5倍、またはそれ以上の表面積を有することがある)。第1の遮蔽アプライアンス120は、第2の遮蔽アプライアンス130の重量よりも小さい重量を有することがある。
【0064】
第1の遮蔽アプライアンス120のサイズは、第2の遮蔽アプライアンス130のサイズと異なってよい。例示的な一実施形態では、(たとえば、側面縁123と124との間の)第1の遮蔽アプライアンス120の幅は、(たとえば、拡張された構成では縁135と136との間の)第2の遮蔽アプライアンス130の幅よりも小さく、(たとえば、上縁121と下縁122との間の)第1の遮蔽アプライアンス120の高さは、(たとえば、拡張された構成では縁134と137との間の)第2の遮蔽アプライアンス130の長さよりも小さい。
【0065】
放射線遮蔽デバイス100は、放射線遮蔽デバイス100の1つまたは複数の構成要素が滅菌パッケージングから除去され、医療環境内での使用のために位置決め得るように、滅菌キットとして医療関係者によって受けられ得る。いくつかの例示的な実施形態では、放射線遮蔽デバイスキットは、複数の使い捨ての基部110と、単一の滅菌可能な第1の放射線遮蔽アプライアンス120(たとえば、形状の安定した放射線シールド)とともに使用可能な使い捨ての第2の放射線遮蔽アプライアンス130(たとえば、形状不安定な放射線遮蔽ドレープ)とを含むことがある。
【0066】
次に図4および図5を参照すると、基部410と、第1の遮蔽アプライアンス420と、第2の遮蔽アプライアンス430とを含む、例示的な放射線遮蔽デバイス400が示されている。さまざまな例示的な実施形態では、放射線遮蔽デバイス400は、本明細書において放射線遮蔽デバイス100を参照して説明される1つまたは複数の特徴を含むことがある。
【0067】
第2の遮蔽アプライアンス430は、折りたたまれた構成または縮小された構成(図4)と展開された状態または拡張状態(図5)との間で動作可能である。例示的な一実施形態では、第2の遮蔽アプライアンス430は折りたたまれた構成または縮小された構成で(たとえば、使用のときに滅菌パッケージングからの除去の前に)それ自体の上で、少なくとも部分的に巻かれるまたは折りたたまれる。折りたたまれた構成または縮小された構成における厚さは、展開された状態または拡張状態の厚さの2倍、3倍、またはそれ以上であってよい。折りたたまれた状態または拡張状態(図5)では、第2の遮蔽アプライアンス430は、折りたたまれた構成または縮小された構成と比較して増加したカバレッジエリアを提供するために、部分的または完全に拡張されることがある。
【0068】
第2の遮蔽アプライアンス430は、放射線遮蔽デバイス400の組み立ておよびセットアップ中に医療関係者によって調整されることがある。例示的な一実施形態では、医療関係者は、第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンス420、430が基部410に取り付けられている間、折りたたまれた構成または縮小された構成から展開された構成または拡張された構成に第2の遮蔽アプライアンス430を調整することがある。代替的に、第2の遮蔽アプライアンス430は、第1の遮蔽アプライアンス420および/または第2の遮蔽アプライアンス430が基部410に取り付けられる前に、展開または拡張されることがある。
【0069】
折りたたまれた構成または縮小された構成は、第2の遮蔽アプライアンス430の効率的なパッケージングおよび取り扱いを促進する比較的小さいサイズを提供する。たとえば、折りたたまれた構成または縮小された構成では、第2の遮蔽アプライアンス430は、第1の遮蔽アプライアンス420の外側表面積の2倍よりも小さい、これと同じ、またはこれよりも小さい、外側表面積を有することがある。展開された構成または拡張された構成では、第2の遮蔽アプライアンス430は、第1の遮蔽アプライアンス420の外側表面積の2倍よりも大きい、3倍よりも大きい、4倍よりも大きい、またはそれよりも大きいなどの、第1の遮蔽アプライアンス420の外側表面積よりも大きい外側表面積を有することがある。
【0070】
折りたたまれた構成または縮小された構成の間の調整によって、医療関係者が物体上の選択された占有面積(たとえば、患者上の所望のカバレッジエリア)をもつ第2の遮蔽アプライアンス430を位置決めすることが可能にされ得る。したがって、第2の遮蔽アプライアンス430は、単一のデバイスに可変のカバレッジを提供し得る。代替的に、または追加的に、折りたたまれた構成または縮小された構成と展開された構成または拡張された構成との間の調整によって、さまざまな程度の放射線遮蔽が、第2の遮蔽アプライアンス430の材料がそれ自体のまわりに折りたたまれるより大きい厚さのエリア内での増加した度合いの遮蔽と、第2の放射線遮蔽アプライアンス430の材料がそれ自体のまわりに折りたたまれない減少した厚さのエリア内での減少した度合いの遮蔽を提供することなどが可能にされる。
【0071】
次に図6図8を参照すると、基部610と、第1の遮蔽アプライアンス620と、第2の遮蔽アプライアンス630とを含む、例示的な放射線遮蔽デバイス600が示されている。さまざまな例示的な実施形態では、放射線遮蔽デバイス600は、本明細書において放射線遮蔽デバイス100および400を参照して説明される1つまたは複数の特徴を含むことがある。
【0072】
例示的な一実施形態では、第1の遮蔽アプライアンス620は、放射線遮蔽デバイス600を支持する物体と放射線線源650との間に(たとえば、物体と放射線線源650の縁652との間に完全に)延在し、第2の遮蔽アプライアンス630は、放射線線源650の方へ向いた第1の側面626と反対の第1の遮蔽アプライアンス620の第2の側面627上で、実質的に基部610および第1の遮蔽アプライアンス620から離れるように延在する。たとえば、第2の遮蔽アプライアンス630の75%よりも多く、85%よりも多く、95%よりも多く、またはそれ以上は、第1の遮蔽アプライアンス620の第2の側面627の上に(たとえば、図6に示される図では第1の遮蔽アプライアンス620の左に)位置決めされる。そのような構成は、さもなければ第2の遮蔽アプライアンス630がターゲットエリアの上に位置決めされる場合に起こり得る、放射線線源650によって発される放射線照射野のターゲットエリアとの潜在的な干渉を減少させる。
【0073】
いくつかの実施形態では、基部610のプラットフォーム611は、第1の遮蔽アプライアンス620の第2の側面627から、第2の遮蔽アプライアンス630よりも大きい距離延在する(図6および図7)。例示的な一実施形態では、プラットフォーム611は、第2の遮蔽アプライアンス630に対して実質的に放射線透過性であり、放射線線源650によって発される放射線と実質的に干渉しない。いくつかの実施形態では、プラットフォーム611は、第1の遮蔽アプライアンス620の第1の側面626上の放射線ターゲットエリアの方へ延在する部分上では第2の遮蔽アプライアンス630に対して実質的に放射線透過性であり、第2の側面627上で放射線ターゲットエリアから離れるように延在する部分上では実質的に放射線不透性である。第2の遮蔽アプライアンス630は、基部610の1つまたは複数の相補的な特徴と相互作用する1つまたは複数の特徴を有する輪郭をなぞった縁634を含む。輪郭をなぞった縁は、プラットフォーム611を越えて延在しないが、台613などの基部610の一部分のまわりに少なくとも部分的に延在するように構成されることがある。そのような構成は、第2の遮蔽アプライアンス630が、第1の遮蔽アプライアンス620の第2の側面627上の放射線の照射野へと延在するまたはこれと干渉することが防止されている間、基部610と第2の遮蔽アプライアンス630との間の接触の比較的大きいエリアを促進することがある。
【0074】
次に図8を参照すると、第2の放射線アプライアンス630は、基部610と適合性のある(compatible)1つまたは複数の特徴を含むことがある。例示的な一実施形態では、突起629は、第1の遮蔽アプライアンス620の第1の側面626から延在する。突起629は、基部610に対して所望の方位で第1の遮蔽アプライアンス620を支持および/または固着するために機構112と相互作用し得る。たとえば、突起629は、基部610の柱615を受ける非円形の開口またはキーでとめられた(keyed)開口を画定することである。
【0075】
次に図9および図10を参照すると、第1の遮蔽アプライアンス920と第2の遮蔽アプライアンス930とを含む例示的な放射線遮蔽デバイス900が示されている。第1の放射線アプライアンスおよび第2の放射線アプライアンス920、930は、連接可能機構912によって互いに取り付けられる。さまざまな例示的な実施形態では、放射線遮蔽デバイス900は、本明細書において放射線遮蔽デバイス100、400、および600を参照して説明される1つまたは複数の特徴を含むことがある。
【0076】
連接可能機構912は、第1の遮蔽アプライアンス920が第2の遮蔽アプライアンス930に対して連接され得るように、第1の遮蔽アプライアンス920を第2の遮蔽アプライアンス930に取り付けるように構成されることがある。例示的な一実施形態では、連接可能機構912は、台913と、ロッキング機構914と、支持柱915とを含む。支持柱915は、ボール915aと、アーム915bとを含む。台913および/またはロッキング機構914は、ボール915aを少なくとも部分的に収容する受け口を画定する。支持柱915は、選択された方位に連接可能であり、(たとえば、医療動作中に)選択された方位で保たれ得る。いくつかの例示的な実施形態では、台913とロッキング機構914は、支持柱915が、台913とロッキング機構914が互いから緩められるとき、連接可能であるまたはより容易に連接可能であり、台913とロッキング機構914が互いに締められるとき、固定される、またはリース容易に連接可能であるように、相補的なねじ山によって接合されることがある。代替的に、支持柱915および/または第1の遮蔽アプライアンス920は、連接可能であり、台913またはロッキング機構914の操作なしに、選択された方位で固定されることがある(たとえば、医療関係者が第1の遮蔽アプライアンス920を選択された方位へと移動可能であり、第1の遮蔽アプライアンス920が台913、ロッキング機構914、および/または支持柱915との間の摩擦によって選択された方位で保たれるように)。
【0077】
例示的な一実施形態では、台913は、第2の遮蔽アプライアンス930に直接的に接続される(たとえば、接着材、溶接などを介して、または第2の遮蔽アプライアンス930と一体的に形成される)。たとえば、放射線遮蔽デバイス900は、物体に、ならびに第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンスが各々取り付けられるものに取り付け可能である追加のプラットフォームを含まない。
【0078】
第2の遮蔽アプライアンス930は、患者の皮膚などの患者、衣服、外科用ドレーピング、テーブル、ベッドレールなどの物体によって直接的に支持されてよい。例示的な一実施形態では、第2の遮蔽アプライアンス930の重量は、医療動作中に所望の位置に第1の遮蔽アプライアンスを支持するのに十分な安定性をもたらし、放射線遮蔽デバイス900は、接着材、または放射線遮蔽デバイス900を物体に取り付ける他の取り付け機構を含まない。代替的に、または追加的に、放射線遮蔽デバイス900は、第2の遮蔽アプライアンス930の底部表面上の接着材、面ファスナなどによって、物体に取り付けられることがある。
【0079】
第2の遮蔽アプライアンス930は、折りたたまれた構成または縮小された構成(図9)と展開された状態または拡張状態(図10)との間で動作可能であることがある。例示的な一実施形態では、第2の遮蔽アプライアンス930は折りたたまれた構成または縮小された構成で(たとえば、使用のときに滅菌パッケージングからの除去の前に)それ自体の上で、少なくとも部分的に巻かれるまたは折りたたまれる。折りたたまれた構成または縮小された構成における厚さは、展開された状態または拡張状態の厚さの2倍、3倍、またはそれ以上であってよい。折りたたまれた状態または拡張状態では、第2の遮蔽アプライアンス930は、折りたたまれた構成または縮小された構成と比較して増加したカバレッジエリアを提供するために、部分的または完全に拡張されることがある。
【0080】
折りたたまれた構成または縮小された構成は、第2の遮蔽アプライアンス930の効率的なパッケージングおよび取り扱いを促進する比較的小さいサイズを提供する。たとえば、折りたたまれた構成または縮小された構成では、第2の遮蔽アプライアンス930は、第1の遮蔽アプライアンス920の外側表面積の2倍よりも小さい、これと同じ、またはこれよりも小さい、外側表面積を有することがある。展開された構成または拡張された構成では、第2の遮蔽アプライアンス930は、第1の遮蔽アプライアンス920の外側表面積の2倍よりも大きい、3倍よりも大きい、4倍よりも大きい、またはそれよりも大きいなどの、第1の遮蔽アプライアンス920の外側表面積よりも大きい外側表面積を有することがある。
【0081】
折りたたまれた構成または縮小された構成の間の調整によって、医療関係者が物体上の選択された占有面積(たとえば、患者上の所望のカバレッジエリア)をもつ第2の遮蔽アプライアンス930を位置決めすることが可能にされ得る。したがって、第2の遮蔽アプライアンス930は、単一のデバイスに可変のカバレッジを提供し得る。代替的に、または追加的に、折りたたまれた構成または縮小された構成と展開された構成または拡張された構成との間の調整によって、さまざまな程度の放射線遮蔽が、第2の遮蔽アプライアンス930の材料がそれ自体のまわりに折りたたまれるより大きい厚さのエリア内での増加した遮蔽と、第2の放射線遮蔽アプライアンス930の材料がそれ自体のまわりに折りたたまれない減少した厚さのエリア内での減少した遮蔽を提供することなどが可能にされる。
【0082】
次に図11および図12を参照すると、例示的な放射線遮蔽デバイス1100が示されている。放射線遮蔽デバイス1100は、実質的に水平な方位および実質的に垂直な方位での放射線遮蔽を提供する構成などの、使用者により選択された構成へと操作され得る。さまざまな例示的な実施形態では、放射線遮蔽デバイス1100は、本明細書において放射線遮蔽デバイス100、400、600、および900を参照して説明される1つまたは複数の特徴を含むことがある。
【0083】
例示的な一実施形態では、放射線遮蔽デバイス1100は、互いに対して角度がつけられた2つ以上の部分を含む構成へと医療関係者によって操作されることがある(図12)。たとえば、放射線遮蔽デバイス1100は、放射線遮蔽デバイス1100の第1の部分1100aが実質的に垂直な方位をとり、放射線遮蔽デバイスの第2の部分1100bが実質的に水平な方位をとるように、折りたたまれることがある。したがって、第1の部分1100aと第2の部分1100bは、約135°から45°の間、105°から75°の間、または約90°の角度を形成し得る。いくつかの実施形態では、角度は、第1の部分および第2の部分1100a、1100bの全体的な相対的方位であり、第1の部分および第2の部分1100a、1100bは、異なる相対的方位の非平面部分または個別の表面を有してよい。
【0084】
代替的に、または追加的に、放射線遮蔽デバイス1100は、選択された湾曲を付与するために操作されることがある。たとえば、上縁1121は、放射線照射野、ターゲットエリア、または患者などを少なくとも部分的に取り囲む湾曲を示すことがある。1つまたは複数の部分は、放射線遮蔽デバイス1100が複数の軸のまわりで湾曲するように複雑な湾曲を付与するために操作されることがある。したがって、医療関係者は、医療関係者の好み、実行されている医療処置、使用されている医療ツール、処置の場所、患者の解剖学的構造などのうちの1つまたは複数に基づいて、選択された構成へと放射線遮蔽デバイス1100を操作することがある。実質的に水平な方位および実質的に垂直な方位などで互いに対して角度のつけられた、第1の部分と第2の部分とを有する放射線遮蔽デバイス1100は、直接放射線および散乱放射線からの比較的大きい保護のゾーンを提供することがある。
【0085】
例示的な一実施形態では、第1の部分および第2の部分1100a、1100bは、単体構成要素として一体的に形成される。放射線遮蔽デバイス1110の1つまたは複数の層は、第1の部分1100aと第2の部分1100bの両方の中に存在してよい。第1の部分および第2の部分1100a、1100bは、放射線遮蔽デバイス1100の幅の少なくとも一部分にわたって、区切り、間隙、開口などによって中断されないことがある。このようにして、放射線遮蔽デバイス1100は、医療関係者のための一貫した保護のゾーンを促進し得る。
【0086】
放射線遮蔽デバイス1100は、第1の遮蔽部分1100aが放射線遮蔽デバイス1100の他の部分(たとえば、第2の遮蔽部分1100bなど)から分離されるスリット1100cなどの、スリット、区切り、スロットなどを含んでよい。スリット1100cは、たとえば、第2の遮蔽部分1100bとは無関係な第1の遮蔽部分1100aの追加の可動性を提供してもよいし、その逆であってもよい。医療従事者は、(たとえば、スリット1100cが存在しない場合と比較して)あまり束縛されないが、第1の遮蔽部分1100aを回転させること、縁1101a、1102aを操作することなどによって、第1の遮蔽部分1100aを位置決めすることがある。このようにして、放射線遮蔽デバイス1100は、医療関係者が放射線遮蔽デバイス1100を選択された位置へと操作するための追加の柔軟性を提供し得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、放射線遮蔽デバイス1100は、鉛または他の重金属のシートなどの放射線遮蔽材料の1つまたは複数の層を含む。放射線遮蔽材料は、積層されてもよいし、外側ファブリック層、外側プラスチック層、または外側金属層の間に位置決めされてもよい。代替的に、または追加的に、放射線遮蔽デバイス1100は、バリウム、スズ、アルミニウム、タングステン、鉛、他の減衰金属などの、安全な放射線レベルのゾーンを提供するために放射線を十分にブロックする1つまたは複数の材料が注入された高分子材料を含むことがある。
【0088】
放射線遮蔽デバイス1100の少なくとも一部分は、放射線遮蔽デバイス1100がそれ自体を選択された構成で維持することができるように、適合した形状の安定した材料から作製されてよい。たとえば、放射線遮蔽デバイス1100は、医療関係者によって平面構成(図11)から折りたたまれた構成(図12)に操作されることがあり、医療動作中に、または医療関係者によってさらに操作されるまで、折りたたまれた構成を維持することがある。さまざまな例示的な実施形態では、放射線遮蔽デバイス1100は、可鍛性であり放射線遮蔽デバイス1100を選択された構成で維持するのに寄与する複数のワイヤまたは適合した構造支持要素を含む、フレーム1125を含むことがある。いくつかの実施形態では、内部フレーム1125は、可鍛性材料のシート層または平面層を含むことがある。代替的に、または追加的に、放射線遮蔽デバイス1100の1つまたは複数の層は、構造支持とかなりの放射線遮蔽の両方を提供することがある。いくつかの例示的な実施形態では、放射線遮蔽デバイス1100は、構造を付与し、放射線遮蔽デバイス1100を選択された構成で維持するのに寄与する、屈曲可能なワイヤ、屈曲可能なロッド、屈曲可能な硬化されたシート、屈曲可能なチューブ、気体または液体で膨張可能なチャネルなどを含むことがある。
【0089】
放射線遮蔽デバイス1100は、患者、患者の皮膚、衣服、外科用ドレーピング、テーブル、ベッドレールなどの物体上での安定した支持を容易にする、1つまたは複数の取り付け場所1126を含むことがある。例示的な一実施形態では、取り付け場所1126は、物体に取り外し可能に取り付けられ得る、接着材、面ファスナなどを含む。代替的に、または追加的に、放射線遮蔽デバイス1100の重量は、医療動作中に所望の位置における、表面から上方へ延在する実質的に垂直な部分1100bを含む、放射線遮蔽デバイス100を支持するために、安定性を促進することがある。いくつかの例示的な実施形態では、放射線遮蔽デバイス1100は、放射線遮蔽デバイス1100を物体に取り付けるための、接着材または他の取り付け機構を含まない。同様に、いくつかの例示的な実施形態では、放射線遮蔽デバイスは、基部を含まず、物体によって直接的に取り付けられるまたは支持されることがある。
【0090】
放射線遮蔽デバイス1100は、医療デバイス1160が放射線遮蔽デバイス1100の両側面の間を通過することを可能にしながら医療関係者を遮蔽するように構成されることがある。例示的な一実施形態では、放射線遮蔽デバイス1100は、放射線遮蔽デバイス1100の厚さ全体を通って画定された通路1128を含む。医療デバイス1160は、放射線遮蔽デバイス1100を通って延在することがある。医療関係者は、医療関係者の手が、放射線遮蔽デバイス1100によって提供される保護のゾーン内にある間、医療デバイス1160を容易に操作し得る。さまざまな例示的な実施形態では、医療デバイス1160は、管状の医療デバイス、シース、介入ツール、または他のデバイスであってよい。
【0091】
通路1128は、放射線遮蔽デバイス1100の厚さを通る1つまたは複数のスリット1128aによって画定されることがある。第1のスリットと第2のスリット1128aとの間の材料1128bの一部分は、医療デバイス1160が放射線遮蔽デバイス1100を通過し得るように、折りたたまれてもよいし、外側にとびだされてもよい。いくつかの実施形態では、あらかじめ成形された折りたたまれたライン1128cは、放射線遮蔽デバイス1100が選択された構成へと操作されるとき、材料1128bの折りたたみを容易にし得る。材料1128bの部分は、たとえば、通路1128を実質的に閉じるために、医療デバイス1160の方へ押されることがある。材料1128bの部分は、医療デバイス1160、材料1128b、および/または放射線遮蔽デバイス1100の他の材料の間に間隙がほとんどまたはまったく存在しないように、医療デバイス1160と接触することがある。さまざまな実施形態では、そのような構成は、医療関係者のための一貫した中断されない保護のゾーンを促進しながら、放射線遮蔽デバイス1100を通る医療デバイス1160の通過を容易にする。代替的に、たとえば、通路1128は省略されてよく、医療デバイス1160はスリット1100cを通過することがある。
【0092】
次に図13および図14を参照すると、例示的な放射線遮蔽デバイス1300が示されている。放射線遮蔽デバイス1300は、折りたたまれた領域1370を含み、実質的に水平な方位および実施雨滴な垂直な方位での放射線遮蔽を提供する構成などの、使用者により選択された構成へと操作され得る。さまざまな例示的な実施形態では、放射線遮蔽デバイス1300は、本明細書において放射線遮蔽デバイス100、400、600、900、および1100を参照して説明される1つまたは複数の特徴を含むことがある。
【0093】
例示的な一実施形態では、放射線遮蔽デバイス1300は、2つ以上の放射線遮蔽部分の間に折りたたまれた領域1370を含む。放射線遮蔽デバイス1300は、放射線遮蔽デバイス1300が実質的に平面の構成をとる(たとえば、第1の遮蔽部分と第2の遮蔽部分との間の角度が0°から195°の間である)、折りたたまれた領域1370を含む第1の構成(図13)と、放射線遮蔽デバイス1300の第1の部分1300aが実質的に垂直な方位であり、放射線遮蔽デバイスの第2の部分1300bが実質的に水平な方位である第2の構成(図14)の間で操作されることがある。折りたたまれた領域1370は、第1の折りたたみ場所および第2の折りたたみ場所1371および/または1372を付与することなどによって、医療関係者によって提供されることがある。代替的に、または追加的に、折りたたみ場所1371および/または1372は、製造のときに付与されることがある。いくつかの例示的な実施形態では、医療関係者は、折りたたまれた領域1370(たとえば、第1の折りたたみ場所1371と第2の折りたたみ場所1372とを含む)を有するようにあらかじめ構成された放射線遮蔽デバイス1300を受け取ることがあり、第1の部分1300aを第2の部分1300bに対する選択された位置へと操作することがある。
【0094】
さまざまな選択された方位では、第1の部分1300aと第2の部分1300bは、(たとえば、第2の構成では)約135°から45°の間、105°から75°の間、または約90°の角度を形成することがある。いくつかの実施形態では、角度は、第1の部分および第2の部分1300a、1300bの全体的な相対的方位であり、第1の部分および第2の部分1300a、1300bは、異なる相対的方位の非平面部分または個別の表面を有してよい。
【0095】
代替的に、または追加的に、1つまたは複数の部分は、放射線遮蔽デバイス1300が複数の軸のまわりで湾曲するように複雑な湾曲を付与するために操作されることがある。したがって、医療関係者は、医療関係者の好み、実行されている医療処置、使用されている医療ツール、処置の場所、患者の解剖学的構造などのうちの1つまたは複数に基づいて、選択された構成へと放射線遮蔽デバイス1300を操作することがある。実質的に水平な方位および実質的に垂直な方位などで互いに対して角度のつけられた、第1の部分と第2の部分とを有する放射線遮蔽デバイス1300は、直接放射線および散乱放射線からの比較的大きい保護のゾーンを提供することがある。
【0096】
例示的な一実施形態では、第1の部分および第2の部分1300a、1300bは、単体構成要素として一体的に形成される。放射線遮蔽デバイス1310の1つまたは複数の層は、第1の部分1300aと第2の部分1300bの両方の中に存在してよい。第1の部分および第2の部分1300a、1300bは、放射線遮蔽デバイス1100の幅の少なくとも一部分にわたって、区切り、間隙、開口などによって中断されなくてよい。このようにして、放射線遮蔽デバイス1300は、医療関係者のための一貫した保護のゾーンを促進し得る。
【0097】
放射線遮蔽デバイス1300は、第1の遮蔽部分1300aが放射線遮蔽デバイス1300の他の部分(たとえば、第2の遮蔽部分1300bなど)から分離されるスリット1300cおよび/または第2の遮蔽部分1300bが放射線遮蔽デバイス1300の他の部分(たとえば、第1の遮蔽部分1300aなど)から分離されるスリット1300dなどの、スリット、区切り、スロットなどを含んでよい。例示的な一実施形態では、スリット1300cは、第1の折りたたみ場所1372と平行および/もしくは共線であり、ならびに/またはスリット1300dは、第2の折りたたみ場所1372と平行および/または共線である。スリット1300c、1300dは、たとえば、第2の遮蔽部分1300bとは無関係な第1の遮蔽部分1300aの追加の可動性を提供してもよいし、その逆であってもよい。医療従事者は、(たとえば、スリット1300cおよび/またはスリット1300dが存在しない場合と比較して)あまり束縛されないが、第1の遮蔽部分1300aを回転させること、縁1301a、1302aを操作することなどによって、第1の遮蔽部分1300aを位置決めすることがある。このようにして、放射線遮蔽デバイス1300は、医療関係者が放射線遮蔽デバイス1300を選択された位置へと操作するための追加の柔軟性を提供し得る。
【0098】
さまざまな例示的な実施形態では、スリット1300c、1300dは、第1の放射線遮蔽部分および/または第2の放射線遮蔽部分1300a、1300bの全幅の約80%存在することがある。たとえば、スリット1300c、1300dは、第1の放射線遮蔽部分および/または第2の放射線遮蔽部分1300a、1300bの全幅の約20%から90%の間、50%から85%の間、または60%から80%の間に存在することがある。そのような寸法は、(たとえば、第2の遮蔽部分1300bに対して実質的に垂直な方位で位置決めされ得る第1の遮蔽部分1300aに)適切な構造支持を提供しながら、調整可能性を付与し得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、放射線遮蔽デバイス1300は、鉛または他の放射線ブロッキング金属のシートなどの放射線遮蔽材料の1つまたは複数の層を含む。放射線遮蔽材料は、積層されてもよいし、外側ファブリック層、外側プラスチック層、または外側金属層の間に位置決めされてもよい。代替的に、または追加的に、放射線遮蔽デバイス1300は、バリウム、スズ、アルミニウム、タングステン、鉛、他の減衰金属などの、安全な放射線レベルのゾーンを提供するために放射線を十分にブロックする1つまたは複数の材料が注入された高分子材料を含むことがある。
【0100】
放射線遮蔽デバイス1300の少なくとも一部分は、放射線遮蔽デバイス1300がそれ自体を選択された構成で維持することができるように、適合した形状の安定した材料から作製されてよい。たとえば、放射線遮蔽デバイス1300は、医療関係者によって平面構成(図13)から角度つき構成(図14)に操作されることがあり、医療動作中に、または医療関係者によってさらに操作されるまで、角度つき構成を維持することがある。
【0101】
放射線遮蔽デバイス1300は、医療デバイス1360が放射線遮蔽デバイス1300の両側面の間を通過することを可能にしながら医療関係者を遮蔽するように構成されることがある。例示的な一実施形態では、放射線遮蔽デバイス1300は、放射線遮蔽デバイス1300の厚さ全体を通って画定された通路1328を含む。医療デバイス1360は、放射線遮蔽デバイス1300を通って延在することがある。医療関係者は、医療関係者の手が、放射線遮蔽デバイス1300によって提供される保護のゾーン内にある間、医療デバイス1360を容易に操作し得る。さまざまな例示的な実施形態では、医療デバイス1360は、管状の医療デバイス、シース、介入ツール、または他のデバイスであってよい。
【0102】
通路1328は、放射線遮蔽デバイス1300の厚さを通る1つまたは複数のスリット1328aによって画定されることがある。例示的な一実施形態では、通路1328は、第1の折りたたみ場所1371と第2の折りたたみ場所1372との間などの、折りたたまれた領域1370内に設置されることがある。通路1328は、医療デバイス1360が通路1328を通って位置決めされるのに十分に折りたたまれた領域を拡張することによってアクセスされ得る。次いで、折りたたまれた領域1370は、通路1328が医療デバイス1360のまわりで実質的に閉じられる折りたたまれた構成に戻されることがある。したがって、折りたたまれた領域1370内に設置された通路1328は、放射線が通路1328を介して放射線遮蔽デバイス1300の第1の側面と第2の側面との間を通過するのを防止し得る。代替的に、または加えて、医療デバイス1360は、スリット1300c、1300dを介して放射線遮蔽デバイス1300の両側面の間を通過することがある。さまざまな実施形態では、そのような構成は、医療関係者のための一貫した中断されない保護のゾーンを促進しながら、放射線遮蔽デバイス1300を通る医療デバイス1360の通過を容易にする。
【0103】
放射線遮蔽デバイス1300は、直線の縁および/または湾曲した縁を含む、選択された形状を有してよい。いくつかの実施形態では、直線の上縁は、相補的な形状を有する放射線線源との位置合わせを容易にすることがある。代替的に、または追加的に、第1の部分および/または第2の部分1300a、1300bは、カバレッジエリアが使用時に動作環境内で医療関係者によって選択され得るように、(たとえば、折りたたむこと、巻くことなどによって)拡張可能であってよい。
【0104】
次に図15を参照すると、医療処置中に放射線および/または液体から医療関係者を遮蔽するために放射線遮蔽デバイスを動作させる方法1500を示す例示的な流れ図が示されている。方法1500は、図15に示され、以下で説明される特定の動作の順序を必要とせず、動作が追加されてもよいし、取り除かれてもよい。
【0105】
例示的な方法1500は、放射線遮蔽デバイスの基部を放射線線源に近接した物体に取り付ける任意選択の動作1502を含むことがある。放射線遮蔽デバイスは、上記で図1図14を参照して説明された放射線遮蔽デバイス100、400、900、1100、1300などの1つまたは複数の特徴を含んでよい。基部は接着材基部であってよく、基部を物体に取り付けることは、接着層を露出させるために接着材剥離ライナを除去することと、基部を物体に接着させるために接着層を物体と接触させることとを含むことがある。さまざまな例示的な実施形態では、物体は、患者、患者上の外科用ドレーピング、テーブル、ベッドレールなどであってよい。医療関係者は、放射線遮蔽デバイスの重量が物体によって支持される(たとえば、患者によって支持される)ように、基部を取り付けることがある。代替的に、または追加的に、基部を物体に取り付けることは、患者の身体の一部分(たとえば、腕または脚)のまわりに位置決め可能な、面ファスナ、吸引デバイス、調整可能なストラップシステム、面ファスナ、スナップ嵌め、スリーブを使用して基部を固着することを含むことがある。
【0106】
例示的な方法1500は、第1の遮蔽アプライアンス(または第1の部分)を位置決めする動作1504を含むことがある。第1の遮蔽アプライアンス(または第1の部分)は、支持物体、基部、放射線遮蔽デバイスの他の部分などに対して位置決めされることがある。たとえば、医療関係者は、第1の遮蔽アプライアンスを(たとえば、垂直軸のまわりで)回転させること、第1の遮蔽アプライアンスを傾けること、または基部に(または第2の部分に)対する第1の遮蔽アプライアンスの位置を調整することによって、第1の遮蔽アプライアンスを位置決めすることがある。いくつかの実施形態では、第1の遮蔽アプライアンスを位置決めする動作1504は、互いに対してある角度で位置決めされた第1の部分および第2の部分を形成するために折りたたむことなど、遮蔽アプライアンスを所望の構成へと操作することを含むことがある。第1の遮蔽アプライアンスを位置決めすることは、選択された放射線遮蔽ゾーンを提供するように第1の遮蔽アプライアンスを位置決めするために、医療動作時に手術室内で医療関係者によって実行されることがある。
【0107】
基部を含むさまざまな例示的な実施形態では、第1の遮蔽アプライアンスを位置決めすることは、第1の遮蔽デバイスが基部に取り付けられた後に行われることがある。たとえば、第1の遮蔽デバイスは、医療関係者が第1の遮蔽デバイスを所望の方位へと操作するとき、基部に取り付けられることがある。
【0108】
いくつかの実施形態では、第1の遮蔽アプライアンスを位置決めすることは、第1の遮蔽アプライアンスを基部に取り付けることを含むことがある。たとえば、医療関係者は、(たとえば、第1の遮蔽アプライアンスが、基部への取り付け時に、選択された方位になる、または固着されるように)第1の遮蔽アプライアンスを選択された方位で基部に取り付けることがある。代替的に、医療関係者は、最初に第1の遮蔽アプライアンスを基部に取り付け、その後、第1の遮蔽デバイスを選択された方位へと操作することがある。いくつかの例示的な実施形態では、第1の遮蔽装置を位置決めすることは、選択された方位で第1の遮蔽デバイスを維持するようにロッキング機構を動作させることをさらに含むことがある。
【0109】
例示的な方法1500は、基部から離れるように延在するように第2の遮蔽アプライアンス(または部分)を位置決めする動作1506を含むことがある。例示的な一実施形態では、第2の遮蔽アプライアンス(または部分)は、比較的に可撓性であるもしくは形状不安定な放射線遮蔽ドレープであってよく、および/または本明細書において説明される第2の遮蔽アプライアンス130、430、930に関して説明される1つもしくは複数の特徴を有することがある。第2の遮蔽アプライアンスを位置決めすることは、基部が取り付けられた物体に第2の遮蔽アプライアンスを少なくとも部分的に掛けることを含むことがあり、および/または第2の遮蔽アプライアンスを展開すること、これを広げることなどを含むことがある。
【0110】
第2の遮蔽アプライアンスを位置決めすることは、第2の遮蔽アプライアンスの輪郭をなぞった縁を基部の1つまたは複数の特徴と位置合わせすることを含むことがある。たとえば、第2の遮蔽アプライアンスは、基部の特徴(たとえば、第1の遮蔽アプライアンスの取り付けと関連付けられた特徴)を少なくとも部分的に取り囲むように構成された輪郭をなぞった縁を含むことがある。第2の遮蔽デバイスの輪郭をなぞった縁と基部の特徴との干渉によって、基部に対する第2の遮蔽アプライアンスの取り付けおよび/または位置決めが容易になり、放射線線源が放射線を送達することが意図されたターゲットエリア上での第2の遮蔽アプライアンスの意図しない位置決めが防止され得る。
【0111】
基部を含むさまざまな例示的な実施形態では、第2の遮蔽デバイスを位置決めすることは、第2の遮蔽デバイスが基部に取り付けられた後に行われることがある。たとえば、第2の遮蔽デバイスは、医療関係者が(たとえば、展開すること、広げることなどによって)第2の遮蔽デバイスを所望の方位へと操作するとき、基部に取り付けられることがある。
【0112】
いくつかの例示的な方法では、第2の遮蔽アプライアンスを位置決めすることは、第2の遮蔽アプライアンスを基部に取り付けることを含むことがある。たとえば、医療関係者は、最初に第2の遮蔽アプライアンスを基部に取り付け、その後、第2の遮蔽デバイスを選択された方位へと操作することがある。いくつかの例示的な実施形態では、第2の遮蔽アプライアンスを取り付けることは、第2の遮蔽アプライアンスを基部の上方を向いた表面に接着させることを含むことがある。
【0113】
さまざまな例示的な方法では、方法1500は、放射線遮蔽デバイスを支持する物体に第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンスを直接的に取り付けることを含まない。いくつかの例示的な実施形態では、方法1500は、基部以外の任意の物体に第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンスを直接的に取り付けることを含まない。たとえば、第2の遮蔽デバイスは、患者または他の物体に取り付けるための取り付け機構を含まない。基部のみへの取り付けは、第2の放射線アプライアンスが医療動作中に選択された位置で維持されるように確実で安定した取り付けを容易にしながら、効率的なセットアップおよび手術室ワークフローを促進し得る。
【0114】
医療関係者は、あらかじめ組み立てられた状態、または第1の遮蔽アプライアンスおよび/もしくは第2の遮蔽アプライアンスが基部にあらかじめ取り付けられた部分的に組み立てられた状態である、放射線遮蔽デバイスを受け取ることがある。第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンスは、基部が物体に取り付けられているとき第1の放射線遮蔽アプライアンスおよび第2の放射線遮蔽アプライアンスが基部と取り付けられるように、基部を物体に取り付ける動作1502の前に基部に取り付けられることがある。そのような構成は、効率的なセットアップを促進し得る。
【0115】
方法1500は、第1の遮蔽アプライアンス(または部分)および第2の遮蔽アプライアンス(または部分)によって放射線線源からの放射線を遮蔽する動作1508を含むことがある。医療関係者は、放射線線源から放射線遮蔽デバイスの反対側の位置から医療動作を実行することがある。第1の遮蔽アプライアンスおよび第2の遮蔽アプライアンスは、選択された人間工学的構成から医療関係者が比較的に自由に動作することができる放射線遮蔽ゾーンを提供する。
【0116】
例示的な方法では、放射線を遮蔽することは、放射線遮蔽デバイスが選択された構成をとる間に行われ、放射線遮蔽デバイスの構成要素は、動作1502~1506の結果として互いに対して相対的な位置にある。たとえば、第1の遮蔽アプライアンスと、第2の遮蔽アプライアンスの少なくとも一部分は、放射線遮蔽デバイスの基部の上方に位置決めされる。基部は、基部のプラットフォームの上方を向いた側面(たとえば、支持物体に取り付けられた反対の側面)上に第1の放射線アプライアンスおよび第2の放射線アプライアンスの各々のための取り付け場所を含む。
【0117】
本明細書は、多数の具体的な実装形態詳細を含んでいるが、これらは、任意の技術または特許請求され得るものの範囲に対する制限としてではなく、特定の実施形態に固有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。本明細書において別個の実施形態の文脈で説明されるいくつかの特徴はまた、単一の実施形態において部分的または全体的に組み合わせて実施可能である。反対に、単一の実施形態の文脈で説明されるさまざまな特徴はまた、複数の実施形態において別々にまたは任意の適切な副組合せで実施可能である。さらに、特徴は、本明細書において、いくつかの組合せで機能するおよび/またはそのようなものとして最初に特許請求されると説明されることがあるが、特許請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、その組合せから削除可能であり、特許請求される組合せは、副組合せまたは副組合せの変形形態を対象としてよい。
【0118】
同様に、動作は、図面では特定の順序で描かれているが、これは、所望の結果を達成するために、そのような動作が図示の特定の順序または逐次的な順序で実行されること、またはすべての示される動作が実行されることを必要とすると理解されるべきでない。いくつかの環境では、マルチタスク方式および並列処理が有利であることがある。主題の特定の実施形態について説明してきた。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0119】
10 医療関係者
50 放射線線源
100 放射線遮蔽デバイス、デバイス
110 基部
111 プラットフォーム
111a 上側表面、表面
111b 剥離ライナ
111c 下側表面
111d 剥離ライナ
112 連接可能機構、機構
113 台
114 ロッキング機構
115 支持柱
115a ボール
115b アーム
120 遮蔽アプライアンス、放射線シールド、第1の遮蔽アプライアンス、第1の放射線遮蔽アプライアンス
121 上縁
122 下縁
123 側面縁
124 側面縁
125 切り欠き
126 第1の側面、第1の主要面、側面
127 第2の側面、第2の表面、第2の主要面
130 遮蔽アプライアンス、第2の放射線遮蔽アプライアンス、第2の遮蔽アプライアンス、放射線ドレープ
134 縁、第1の周辺縁、周辺縁
134a アパーチャ
135 周辺縁、縁
136 周辺縁
137 周辺縁
150 放射線線源
152 下部縁、縁
160 医療デバイス
400 放射線遮蔽デバイス
410 基部
420 第1の遮蔽アプライアンス
430 第2の遮蔽アプライアンス、第2の放射線遮蔽アプライアンス
600 放射線遮蔽デバイス
610 基部
611 プラットフォーム
613 台
615 柱
620 第1の遮蔽アプライアンス
626 第1の側面
627 第2の側面
629 突起
630 第2の遮蔽アプライアンス、第2の放射線アプライアンス
634 縁
650 放射線線源
652 縁
900 放射線遮蔽デバイス
912 連接可能機構
913 台
914 ロッキング機構
915 支持柱
915a ボール
915b アーム
920 第1の遮蔽アプライアンス
930 第2の遮蔽アプライアンス、第2の放射線遮蔽アプライアンス、第2の放射線アプライアンス
1100 放射線遮蔽デバイス
1100a 第1の部分、第1の遮蔽部分
1100b 第2の部分、部分、第2の遮蔽部分
1100c スリット
1101a 縁
1102a 縁
1110 放射線遮蔽デバイス
1121 上縁
1125 フレーム、内部フレーム
1126 取り付け場所
1128 通路
1128a スリット、第2のスリット
1128b 材料
1128c ライン
1160 医療デバイス
1300 放射線遮蔽デバイス
1300a 第1の放射線遮蔽部分、第1の部分、第1の遮蔽部分
1300b 第2の放射線遮蔽部分、第2の遮蔽部分、第2の部分
1300c スリット
1300d スリット
1301a 縁
1302a 縁
1310 放射線遮蔽デバイス
1328 通路
1328a スリット
1360 医療デバイス
1370 領域
1371 場所
1372 場所
A ゾーン、放射線保護ゾーン、放射線遮蔽ゾーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15